JP7438139B2 - 圧力測定用材料及び圧力測定用材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、圧力測定用材料及び圧力測定用材料の製造方法に関する。
圧力測定用材料(即ち、圧力の測定に用いられる材料)は、液晶ガラスの貼合せ工程、プリント基板へのハンダ印刷、ローラ間の圧力調整などの用途に使われている。圧力の測定に用いられる材料の例として、例えば富士フイルム株式会社から提供されているプレスケール(商品名;登録商標)に代表される圧力測定用フィルムがある。
微小な圧力を測定するための圧力測定用材料が、種々検討されてきた。
例えば、特開2009-19949号公報には、微小な圧力で視認ないし読み取り可能な濃度を得るため、0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上である圧力測定用材料が提案されている。
上述した特開2009-19949号公報に見られるように、微小な圧力を測定するための圧力測定用材料が種々検討されている。一方で、各種製造における圧縮プロセス管理の用途などでは、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPaの領域)の圧力を測定する圧力測定用材料についての需要がある。
しかし、上市されている圧力測定用フィルムにて対応できる測定可能な圧力範囲の上限、つまり加圧により発色が得られる圧力の範囲の上限は、実質的には300MPa程度であることから、従来の圧力測定用材料では、特に300MPaを上回るような圧力測定に対して、対応しきれない場合がある。
このように、高圧領域の圧力測定に対して需要があり、従来からの圧力測定用材料によってもある程度の対応はなされているが、さらなる改良が望まれているのが実情である。
本開示の一実施形態は、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPaの領域)において、階調性に優れた発色が得られる圧力測定用材料を提供することを課題とする。
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 基材と感圧層とを有する圧力測定用材料であって、上記感圧層が、分子量1000以上の高分子化合物を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する、圧力測定用材料。
<2> シート状である、<1>に記載の圧力測定用材料。
<3> 上記基材とは反対側の最表面における算術平均粗さRaが、10.0μm以下である、<1>又は<2>に記載の圧力測定用材料。
<4> 上記マイクロカプセルと、上記電子受容性化合物とが、上記高分子マトリックス中に含有される、<1>~<3>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<5> 上記基材とは反対側の最表面における算術平均粗さRaが、2.0μm未満である、<4>に記載の圧力測定用材料。
<6> 上記電子受容性化合物がサリチル酸の金属塩を含む、<4>又は<5>に記載の圧力測定用材料。
<7> 空隙量が5mL/m以下である、<4>~<6>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<8> 上記マイクロカプセルの含有量が、上記感圧層に対して、10体積%~80体積%である、<4>~<7>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<9> 上記感圧層が上記電子受容性化合物と上記高分子マトリックスとを有する顕色層及び上記マイクロカプセルを有する発色層を有し、上記基材と上記顕色層と上記発色層とをこの順に有し、かつ、上記発色層の厚みが上記顕色層の厚みの半分以下である、<3>に記載の圧力測定用材料。
<10> 上記基材とは反対側の最表面における算術平均粗さRaが、2.0~10.0μmである、<9>に記載の圧力測定用材料。
<11> 上記電子受容性化合物が酸性白土又は活性白土を含む、<9>又は<10>に記載の圧力測定用材料。
<12> 上記感圧層が、上記電子受容性化合物以外の無機粒子を有する、<11>に記載の圧力測定用材料。
<13> 空隙量が5mL/m~20mL/mである、<9>~<12>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<14> 圧力測定用材料の厚みから上記基材の厚みを差し引いた層の厚みTと、上記マイクロカプセルの内径pとの比率T/pが、1.2以上である、<1>~<13>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<15> 上記圧力測定用材料の厚みから上記基材の厚みを差し引いた層の厚みTと、上記マイクロカプセルの内径pとの比率T/pが、1.2~5.0である、<14>に記載の圧力測定用材料。
<16> 上記感圧層の全質量に対して、上記分子量1000以上の高分子化合物が10質量%以上含まれる、<1>~<15>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<17> 上記基材が、ポリエチレンテレフタレート基材又はポリエチレンナフタレート基材である、<1>~<16>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<18> 上記基材と上記感圧層との間に易接着層を有する、<1>~<17>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<19> 上記マイクロカプセルの壁材が、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンから選択される少なくとも1種を含む、<1>~<18>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料。
<20> 分子量1000以上の高分子化合物を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する感圧層形成組成物を、基材に配置する工程を有する、<4>~<8>及び<14>~<19>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料の製造方法。
<21> 電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと溶媒とを含む発色層形成組成物を得る工程、電子受容性化合物と分子量1000以上の高分子化合物とを含む顕色層形成組成物を得る工程、基材に上記顕色層形成組成物を配置して顕色層を形成する工程、及び、上記顕色層に、上記発色層形成組成物を配置して発色層を形成する工程を含む、<9>~<19>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料の製造方法。
本開示の一実施形態によれば、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPaの領域)において、階調性に優れた発色が得られる圧力測定用材料を提供することができる。
実施例での発色特性の評価における圧力と発色濃度との関係を示すグラフである。 本開示の圧力測定用材料の一例を示す概略断面図である。 本開示の圧力測定用材料の一例を示す概略断面図である。
以下、本開示の圧力測定用材料について、その製造方法を含めて詳細に説明する。本開示の圧力測定用材料及びその製造方法は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、電子供与性染料前駆体を「発色剤」ともいい、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を「顕色剤」ともいう。
<圧力測定用材料及びその製造方法>
本開示の圧力測定用材料は、基材と感圧層とを有する圧力測定用材料であって、感圧層が、分子量1000以上の高分子化合物を含む高分子マトリックス(以下、単に「高分子マトリックス」とも称する。)と、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する。本開示の圧力測定用材料は、基材及び感圧層に加え、必要に応じて、他の層(例えば、白色層、保護層、易接着層、等)を有してもよい。
圧力測定用材料は、従来から提案され広く利用されるに至っている。しかし、従来の圧力測定用材料は、微小な圧力の付与であっても視認ないし読み取り可能な濃度が得られることに着目している。例えば、特開2009-19949号公報に記載の圧力測定用材料は、0.1MPa未満の微小な圧力での測定を対象としている。
しかし、微小な圧力での測定に対応する圧力測定用材料において、広い階調濃度を得るために有効な手段(例えば、マイクロカプセルの粒子径、壁厚、構成材料などの制御)であっても、このような手段のみでは、高圧領域での圧力を測定する場合には、広い濃度階調が現れるように設計することは難しい場合がある。
上記に鑑み、本開示の圧力測定用材料は、基材と感圧層と有し、感圧層は、高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有させた層とする。
これにより、本開示の圧力測定用材料は、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPaの領域、より好ましくは300MPa~3000MPaの領域)において、階調性に優れた発色が得られる。
本開示の圧力測定用材料が、上記の効果を奏する理由は定かではないが、感圧層が、高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有することで、高圧が付与された場合であっても、マイクロカプセルに掛る圧力が緩和されて、発色の階調性の優れた圧力測定が可能になったものと、本発明者らは推測している。但し、この推測は、本開示の圧力測定用材料の効果を限定的に解釈するものではない。
本開示おいて、「発色の階調性」とは、圧力測定用材料に加えられる圧力の増加に伴い発色濃度が上昇する性質を意味する。
本開示の圧力測定用材料は、感圧層において、マイクロカプセルが内包する電子供与性染料前駆体と、顕色剤である電子受容性化合物とが接触することで発色する。この発色は、圧力測定用材料に加えられた外力(外部から付与される圧力、以下同じ)の強度に応じた濃度、すなわち発色の階調性を示す。例えば、圧力測定材料に面圧が付与された場合において、付与された面圧が全面において均一でない場合は、圧力に応じた濃度に発色して、濃度階調のある画像が得られる。
なお、本開示の圧力測定用材料は、100MPa~10000MPaの領域において発色の階調性が得られるものとすることができ、100MPa未満の圧力、及び/又は、10000MPaを超える圧力が加えられた場合においても、発色の階調性が得られるものであってもよい。
[基材]
本開示の圧力測定用材料は、基材を有する。
基材の形状は、シート状、板状等のいずれの形状であってもよい。基材の形状は、シート状であることが好ましい。すなわち、本開示の圧力測定用材料は、シート状の基材と、感圧層と、を有する、シート状の圧力測定用材料であることが好ましい。本開示において「シート状」とは、2つの主平面を有し、厚みが1mm以下(好ましくは1μm~1mm)であり、かつ可撓性を有することを指す。本開示において、シート状はフィルム状を包含し、両者は同義の用語として用いる。「板状」とは、2つの主平面を有し、厚みが1mm超(好ましくは1mm超10mm以下)であることを指す。
基材は、特に限定されず、具体的な例としては、紙、合成紙、プラスチック基材、金属基材等が挙げられ、これらの複合基材であってもよい。基材は、取扱容易性の観点から、プラスチック基材が好ましい。
紙の具体例としては、上質紙、中質紙、更紙、中性紙、酸性紙、再生紙、コート紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、トレーシングペーパー等を挙げることができる。
プラスチック基材を形成するプラスチックの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリスチレン等が挙げられる。
合成紙の具体例としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成した合成紙(ユポ等)、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維を用いて作製した合成紙、これらを別の合成紙の一部、片面もしくは両面に積層した積層体、等が挙げられる。
基材は、金属を含む基材であることも好ましい。この態様の基材としては、例えば、金属基材、金属とプラスチックとの複合基材、等が挙げられる。
金属としては、特に制限はないが、測定圧力に対して変形し難い点からは、ステンレス鋼(SUS)等の金属が好ましい。
プラスチック基材としては、硬度及び平面性の高い基材として形成でき、高圧領域での測定と発色濃度とをより良好に両立できることから、ポリエチレンテレフタレート基材又はポリエチレンナフタレート基材であることが好ましい。
加圧に応じた発色濃度の再現性の観点からは、圧力付与による変形がより小さく、測定対象物に影響されることなく、測定精度を低下させる要因となる圧力分散が抑制できる基材であることが好ましい。このような基材としては、ポリエチレンナフタレート基材、又は、金属を含む基材が好適に挙げられる。
発色部分と未発色部分とのコントラストを高めて視認性をより向上できることから、基材の色相は白色とすることも好ましい。白色の基材としては、プラスチック基材が好ましく、白色のポリエチレンテレフタレート基材が好ましい。白色のポリエチレンテレフタレート基材としては、ポリエチレンテレフタレート基材に、公知の白色色材(例えば、白色顔料など)を含有させた基材を適用すればよい。
基材の厚みは、特に制限されないが、取扱容易性及びロール形態での供給が可能であるとの理由から、10μm~500μmが好ましく、10μm~200μmがより好ましい。
[感圧層]
本開示の圧力測定材料は、基材上に感圧層を有する。
感圧層は、高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する層である。
(高分子マトリックス)
本開示において、高分子マトリックスなる用語は、感圧層の構成要素であって、分子量1000以上の高分子化合物(以下、特定高分子化合物とも称する)を含んで形成されるマトリックスを表す用語として用いられる。
特定高分子化合物は、感圧層において、バインダーとして機能することが好ましい。マイクロカプセルを構成する化合物(マイクロカプセルの内包物、壁材、及びマイクロカプセルを形成する際に用いられる分散剤を含む。)及び電子受容性化合物は、特定高分子化合物に含まれない。
高分子マトリックスが、本開示の圧力測定材料に係る感圧層の構成要素であることは、感圧層に特定高分子化合物が含まれることにより確認される。
高圧領域の階調性がさらに向上する点で、感圧層の全質量に対して、特定高分子化合物は10質量%以上含まれることが好ましく、20質量%以上含まれることがより好ましい。特定高分子化合物の量が10質量%以上であると、圧力測定材料に付与された外力(圧力)を緩和することにより、マイクロカプセル、電子受容性化合物等の成分を感圧層中に保持しやすい。
高分子マトリックスを形成する特定高分子化合物の含有量は、発色濃度の観点からは、感圧層の全質量に対して、好ましくは10質量%~70質量%、より好ましくは20質量%~50質量%である。
特定高分子化合物としては、特に制限はなく、測定圧力に対して変形し難い感圧層に所望される性状に応じて、適宜選択することができる。
特定高分子化合物は、1種単独であっても、2種以上を併用してもよい。
特定高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリウレタンを含むウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、又は、これらの共重合体が挙げられる。
ここで、ウレタン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、及びアクリル系ポリマーとは、それぞれ、ウレタン結合を有する構成単位、塩化ビニルに由来する構成単位、酢酸ビニルに由来する構成単位、及び(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を含むポリマーを意味する。
特定高分子化合物は、分散物の形態にて感圧層に含有させてもよい。
特定高分子化合物に好適な態様の一つは、マイクロカプセル調製における適用性及び水系塗布での生産性の観点から、ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールとしては、特に制限はなく、感圧層に対して所望される性状に応じて、適宜選択することができる。
ポリビニルアルコールの重合度としては、マイクロカプセル等を保持して、高圧領域の階調性がさらに向上する点で、100~10,000が好ましく、100~3,000が好ましい。
マイクロカプセル等を保持して、高圧領域の階調性がさらに向上する点で、特定高分子化合物の分子量は、1000以上であり、2,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、10,000以上がさらに好ましい。分子量の上限は特に制限されないが、例えば、1,000,000が挙げられる。製造容易性の観点から、分子量は、2,000~100,000が好ましく、5,000~100,000がより好ましく、10,000~100,000がさらに好ましい。ここで、特定高分子化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した数平均分子量を表す。
具体的には、上記の分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
特定高分子化合物としては、市販品を用いることもできる。市販品の例としては、(株)クラレ製のPVA-105(ポリビニルアルコール)、PVA-205(ポリビニルアルコール);第一工業製薬(株)製のスーパーフレックス170(ウレタン系ポリマー)、スーパーフレックス820(ウレタン系ポリマー)、スーパーフレックス830HS(ウレタン系ポリマー)、スーパーフレックス870(ウレタン系ポリマー);日信化学(株)製のビニブラン287(塩ビ・アクリル系ポリマー)、ビニブラン900(塩ビ・アクリル系ポリマー)、ビニブラン2684(アクリル系ポリマー)、ビニブラン2685(アクリル系ポリマー)、ビニブラン2687(アクリル系ポリマー)、ビニブラン715S(塩化ビニル系ポリマー);住化ケムテックス(株)製のスミカフレックス752HQ(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン)、スミカフレックス808HQ(エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン)、スミカフレックス850HQ(エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン)、スミカフレックス830(エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル共重合樹脂エマルジョン);日本ゼオン(株)製のNipol LX433C(スチレンブタジエンゴム)、Nipol LX2507H(スチレンブタジエンゴム)、Nipol LX416(スチレンブタジエンゴム)、Nipol LX814(アクリル系ポリマー)、Nipol LX855EX1(アクリル系ポリマー);日本合成化学社製のモビニール742A(アクリル系ポリマー)、モビニール1711(アクリル系ポリマー)、モビニール6520(アクリル系ポリマー)、モビニール7980(アクリル系ポリマー)、モビニール081F(酢ビ-エチレン系共重合体)、モビニール082(酢ビ-エチレン系共重合体);日本エイアンドエル株式会社製のスマーテックスSN-307R(スチレンブタジエンラテックス)などが挙げられる。
高分子マトリックスを形成する特定高分子化合物の指標として好適な物性の一つとして、マルテンス硬さが挙げられる。
本開示に係る高分子マトリックスは、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPa、より好ましくは300MPa~3000MPa)での圧力測定と発色濃度との両立の観点から、マルテンス硬さ100N/mm以上の高分子化合物を含むことが好ましい。
高分子マトリックスがマルテンス硬さ100N/mm以上の高分子化合物を含むことで、感圧層の高圧領域での圧力測定であっても、感圧層の変形が抑制されて、精度の高い発色の階調性が得られることから好ましい。
高分子化合物のマルテンス硬さは、140N/mm以上であることがより好ましい。
高分子化合物のマルテンス硬さの上限値としては、特に制限はないが、300N/mm以下とすることができる。
マルテンス硬さは、ISO 14577-1(計装化押し込み硬さ)に準拠したナノインデンテーション法を用いて、最大試験荷重を、圧子の最大押込み深さにおける圧子表面積で除した値として求めることができる。測定は、例えば、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製「HM2000」のような微小硬さ試験機を用いることができる。
具体的な測定方法を後述の実施例にて示す。
(マイクロカプセル)
感圧層は、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルを含有する。
マイクロカプセルは、通常、コア部と、コア部をなすコア材(内包されるもの(内包成分又は内包物ともいう。))を内包するためのカプセル壁と、を有する。
マイクロカプセルは、コア材(内包成分)として、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包する。電子供与性染料前駆体がマイクロカプセルに内包されているため、加圧されてマイクロカプセルが破壊されるまで、電子供与性染料前駆体は安定的に存在できる。
-マイクロカプセルの壁材-
マイクロカプセルの壁材としては、従来から感圧記録材料の電子供与性染料前駆体含有のマイクロカプセルの壁材として使用されている水不溶性又は油不溶性のポリマーの中から、特に限定されることなく使用できる。中でも、壁材としては、ポリウレタンウレア、ポリウレタン、ポリウレア、メラミンホルムアルデヒド樹脂、及び、ゼラチンが好ましく、良好な発色を得る観点から、ポリウレタンウレア、ポリウレタン、ポリウレア、及び、メラミンホルムアルデヒド樹脂がより好ましく、特にウレタン結合を含むポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンが好ましい。
マイクロカプセルのカプセル壁は、実質的に、樹脂で構成されることが好ましい。実質的に樹脂で構成されるとは、カプセル壁全質量に対する、樹脂の含有量が90質量%以上であることを意味し、100質量%が好ましい。つまり、マイクロカプセルのカプセル壁は、樹脂で構成されることが好ましい。
なお、ポリウレタンとはウレタン結合を複数有するポリマーであり、ポリオールとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。
また、ポリウレアとはウレア結合を複数有するポリマーであり、ポリアミンとポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。なお、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなることを利用して、ポリイソシアネートを用いて、ポリアミンを使用せずに、ポリウレアを合成することもできる。
また、ポリウレタンウレアとはウレタン結合及びウレア結合を有するポリマーであり、ポリオールと、ポリアミンと、ポリイソシアネートとを含む原料から形成される反応生成物であることが好ましい。なお、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させる際に、ポリイソシアネートの一部が水と反応してポリアミンとなり、結果的にポリウレタンウレアが得られることがある。
また、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂とは、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合から形成される反応生成物であることが好ましい。
なお、上記ポリイソシアネートとは、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物であり、芳香族ポリイソシアネート、及び、脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチロールプロパン等のポリオールと2官能のポリイソシアネートとのアダクト体(付加体)であってもよい。
また、上記ポリオールとは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であり、例えば、低分子ポリオール(例:脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール。なお、「低分子ポリオール」とは、分子量が400以下のポリオールを意図する。)、ポリビニルアルコール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリラクトン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、及び、水酸基含有アミン系化合物(例えば、アミノアルコールが挙げられる。アミノアルコールとしては、例えば、エチレンジアミン等のアミノ化合物のプロピレンオキサイド又はエチレンオキサイド付加物である、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。)が挙げられる。
また、上記ポリアミンとは、2つ以上のアミノ基(第1級アミノ基又は第2級アミノ基)を有する化合物であり、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,3-プロピレンジアミン、及び、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族多価アミン;脂肪族多価アミンのエポキシ化合物付加物;ピペラジン等の脂環式多価アミン;3,9-ビス-アミノプロピル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ-(5,5)ウンデカン等の複素環式ジアミンが挙げられる。
マイクロカプセルの数平均壁厚δは、カプセル壁材の種類、カプセル径等の種々の条件に依存するが、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPa、より好ましくは300MPa~3000MPa)での発色性の観点から、0.02μm~3μmが好ましく、0.05μm~2μmがより好ましい。
マイクロカプセルの壁厚とは、マイクロカプセルのカプセル粒子を形成する樹脂膜(いわゆるカプセル壁)の厚み(μm)を指し、数平均壁厚とは、5個のマイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求めて平均した平均値をいう。具体的には、まずマイクロカプセル液を任意の支持体上に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する。得られた塗布膜の断面切片を作製し、その断面をSEMを用いて観察し、任意の5個のマイクロカプセルを選択の上、選択した個々のマイクロカプセルの断面を観察してカプセル壁の厚みを求めて平均値を算出する。断面切片は圧力測定用材料から作製することもできる。
-電子供与性染料前駆体-
電子供与性染料前駆体としては、電子を供与して、或いは、酸等のプロトン(水素イオン;H)を受容して発色する性質を有するものであれば、特に制限はなく、無色であることが好ましい。電子供与性染料前駆体は、発色剤として機能することができる。
特に、電子供与性染料前駆体としては、ラクトン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、後述する電子受容性化合物と接触した場合に、これらの部分骨格が開環又は開裂する無色の化合物が好ましい。
電子供与性染料前駆体は、感圧複写紙又は感熱記録紙の用途において公知のものを使用することができる。電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物が挙げられる。
上記の化合物の詳細については、特開平5-257272号公報、及び、国際公開第2009/8248号の段落[0029]~[0034]の記載を参照することができる。
電子供与性染料前駆体は、1種単独であっても、2種以上を併用してもよい。
本開示の一態様では、電子供与性染料前駆体は、視認性の観点から、モル吸光係数(ε)の高いものが好ましい。電子供与性染料前駆体のモル吸光係数(ε)は、10000mol-1・cm-1・L以上であることが好ましく、15000mol-1・cm-1・L以上であることがより好ましく、25000mol-1・cm-1・L以上であることが更に好ましい。
モル吸光係数(ε)は、電子供与性無色染料を95質量%酢酸水溶液中に溶解したときの吸光度から算出することができる。具体的には、吸光度が1.0以下となるように濃度を調節した電子供与性無色染料の95質量%酢酸水溶液において、測定用セルの長さをAcm、電子供与性無色染料の濃度をBmol/L、吸光度をCとした場合に、下記式によって算出することができる。
モル吸光係数(ε)= C/(A×B)
電子供与性染料前駆体の感圧層における含有量(例えば塗布量)は、好ましくは100MPa~10000MPa(より好ましくは300MPa~3000MPa)の圧力範囲での発色性を高める観点から、乾燥後の質量で0.1g/m~5g/mが好ましく、0.1g/m~4g/mがより好ましく、0.2g/m~3g/mがさらに好ましい。
-溶媒-
マイクロカプセルは、溶媒の少なくとも一種を内包する。溶媒は、電子供与性染料前駆体を溶解するオイル成分として機能しうる。
溶媒としては、感圧複写紙用途において公知のものを使用することができる。
溶媒は、電子供与性染料前駆体を析出させることなく安定に溶解する点で、沸点が130℃超の溶媒を50質量%~100質量%含むことが好ましく、70質量%~100質量%含むことがより好ましく、90質量%~100質量%含むことが更に好ましい。なお、沸点の上限は、特に制限はないが、例えば、500℃が挙げられ、130℃超500℃以下が好ましい。
溶媒としては、例えば、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン系化合物;1-フェニル-1-キシリルエタン等のジアリールアルカン系化合物;イソプロピルビフェニル等のアルキルビフェニル系化合物;トリアリールメタン系化合物;アルキルベンゼン系化合物;ベンジルナフタレン系化合物;ジアリールアルキレン系化合物;アリールインダン系化合物等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル等のエステル系化合物;イソパラフィン等の脂肪族炭化水素;大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の天然動植物油;鉱物油等の天然物高沸点留分;等が挙げられる。
溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
マイクロカプセルに内包される、溶媒と電子供与性染料前駆体との質量比(溶媒:前駆体)としては、発色性の点で、98:2~30:70の範囲が好ましく、97:3~40:60の範囲がより好ましく、95:5~50:50の範囲が更に好ましい。
-その他の成分-
マイクロカプセルは、上記の電子供与性染料前駆体、溶媒及び補助溶媒以外に、必要に応じて、添加剤を内包してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、ワックス、臭気抑制剤などを挙げることができる。また、マイクロカプセルを製造する際に使用される、沸点が130℃以下である溶媒(例えば、メチルエチルケトン等のケトン系化合物、酢酸エチル等のエステル系化合物、及び、イソプロピルアルコール等のアルコール系化合物等)を有していてもよい。
マイクロカプセルの感圧層中における含有量(塗布による場合は塗布量)としては、感圧層の全固形分質量に対して、10質量%~80質量%が好ましく、10質量%~60質量%が好ましく、10質量%~50質量%がより好ましい。
-マイクロカプセルの作製方法-
マイクロカプセルは、それ自体公知の任意の方法、例えば、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等の方法により製造することができる。
カプセル璧材にポリウレタンウレア、ポリウレタン、及び、ポリウレアを用いてマイクロカプセルの作製例については、特開2009-19949号公報の段落番号[0040]~[0044]の記載を参照できる。具体的には、マイクロカプセルの壁材を形成するための化合物と、マイクロカプセルのコア材とを混合し、マイクロカプセルの壁材を形成するための化合物を反応させることでマイクロカプセルを形成する方法が挙げられる。マイクロカプセル形成時には、ポリビニルアルコールなどの分散剤を使用することが好ましい。
(電子受容性化合物)
感圧層は、電子受容性化合物の少なくとも1種を含有する。電子受容性化合物は、顕色剤として機能することができる。
電子受容性化合物としては、無機化合物及び有機化合物を挙げることができる。
無機化合物の具体例としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンのような粘土物質等が挙げられる。
有機化合物の具体例としては、芳香族カルボン酸の金属塩(好ましくは、サリチル酸金属塩)、フェノールホルムアルデヒド樹脂、カルボキシル化テルペンフェノール樹脂の金属塩等が挙げられる。
中でも、電子受容性化合物としては、酸性白土、活性白土、ゼオライト、カオリン、芳香族カルボン酸の金属塩、又はカルボキシル化テルペンフェノール樹脂の金属塩が好ましく、酸性白土、活性白土、カオリン、又は芳香族カルボン酸の金属塩であることがより好ましい。
芳香族カルボン酸の金属塩における芳香族カルボン酸の好ましい具体例としては、3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸、3,5-ジ-t-オクチルサリチル酸、3,5-ジ-t-ノニルサリチル酸、3,5-ジ-t-ドデシルサリチル酸、3-メチル-5-t-ドデシルサリチル酸、3-t-ドデシルサリチル酸、5-t-ドデシルサリチル酸、5-シクロヘキシルサリチル酸、3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3-メチル-5-(α-メチルベンジル)サリチル酸、3-(α,α-ジメチルベンジル)-5-メチルサリチル酸、3-(α,α-ジメチルベンジル)-6-メチルサリチル酸、3-(α-メチルベンジル)-5-(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸、3-(α,α-ジメチルベンジル)-6-エチルサリチル酸、3-フェニル-5-(α,α-ジメチルベンジル)サリチル酸が挙げられる。また、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸とベンジルクロリドとの反応生成物であるサリチル酸樹脂等を芳香族カルボン酸として用いることもできる。芳香族カルボン酸の金属塩における金属塩の具体例としては、亜鉛塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、カルシウム塩を挙げることができる。
感圧層中における電子受容性化合物の含有量(塗布による場合は塗布量)は、乾燥質量で0.1g/m~30g/mが好ましい。電子受容性化合物が無機化合物である場合の含有量は、より好ましくは、乾燥質量で3g/m~20g/mであり、さらに好ましくは、5g/m~15g/mである。電子受容性化合物が有機化合物である場合の含有量は、より好ましくは、乾燥質量で0.1g/m~15g/mであり、さらに好ましくは、0.2g/m~10g/mである。
(吸油性粒子)
感圧層は、マイクロカプセルの外部に、吸油性粒子の少なくとも1種を含有することが好ましい。
本開示の圧力測定用材料には高い圧力が付与されることから、マイクロカプセルに内包される溶媒(オイル成分)が感圧層の外部に浸出し易い傾向にある。オイル成分の滲出は、オイル汚れの原因となり望ましくない。これに対し、感圧層がマイクロカプセルの外部吸油性粒子を含有することで、感圧層の外部へのオイル成分の滲出を効果的に抑制することができる。
本開示において「吸油性粒子」とは、25℃において亜麻仁油を粒子の自重の50質量%以上の吸油量を示す粒子を意味する。
吸油量の測定方法は、JIS-K5101-13-1:2004に準じて行う。
粒子の形状としては、球状、楕円形状、棒状、等が挙げられるが、その他の形状であってもよい。
吸油性粒子の粒子径としては、0.5μm~20μmが好ましく、1μm~10μmが好ましく、2μm~8μmがより好ましい。
吸油性粒子の粒子径は、マイクロトラックMT3300EXII(日機装(株)製)により測定することができる。
吸油性粒子としては、例えば、多孔質シリカ粒子、炭酸カルシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機粒子、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリエステル等の高分子粒子が挙げられ、多孔質シリカ粒子、炭酸カルシウム、及びカオリンから選択される少なくとも1種の無機粒子が好ましい。
吸油性粒子としては、顕色剤である電子受容性化合物のうち、吸油性を有する化合物であってもよい。
吸油性粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、白石工業(株)製の「ブリリアントシリーズ」等が挙げられる。
感圧層における吸油性粒子の含有量は、所望とする吸油性に応じて、適宜設定することができる。
(無機粒子)
感圧層は、マイクロカプセルの外部に、電子受容性化合物ではない無機粒子の少なくとも1種を含有することが好ましい。
無機粒子としては、例えば、多孔質シリカ粒子、炭酸カルシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機粒子が挙げられ、シリカが好ましい。無機粒子としては、上述した吸油性粒子における無機粒子であってもよい。
無機粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば、水澤化学工業(株)製の「ミズカシルシリーズ」等が挙げられる。
無機粒子の粒子径としては、1μm~30μmが好ましく、5μm~20μmがより好ましい。
(その他の成分)
感圧層が含有してもよいその他の成分としては、例えば、界面活性剤、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、及び防腐剤等が挙げられる。
(感圧層の厚みt)
感圧層の厚みtは、特に制限はなく、目的等に応じて選択することができる。
感圧層の厚みtは、1μm~250μmが好ましく、3μm~200μmがより好ましく、5μm~150μmが更に好ましく、5μm~50μmが特に好ましい。
なお、後述する第2の態様のように、感圧層が発色層と顕色層とを有する場合には、発色層の厚みと顕色層の厚みとを合計した厚みが感圧層の厚みとなる。
感圧層の厚みtは、顕微鏡観察により測定することができる。
具体的には、測定対象する圧力測定用材料を垂直に切断して断面切片を作製し、この断面切片を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、その画像から、感圧層の厚みを求めることができる。走査型電子顕微鏡としては、例えば、卓上顕微鏡「Miniscope TM3030Plus」((株)日立ハイテクノロジーズ製)が挙げられる。
なお、本開示における感圧層の厚みは、無作為に選択した10箇所の厚みの算術平均値とする。
感圧層に含まれる全粒子の粒径分布の変動係数(CV値;Coefficient of Variation;以下、CV値ともいう。)としては、20%~150%であることが好ましい。
CV値が上記範囲内であると、感圧層内の粒子分布、特にマイクロカプセルの相対的なバラツキが小さいので、発色性に優れたものとなる。
CV値としては、20%~110%が好ましく、25%~80%がより好ましい。
なお、CV値は、感圧層に含まれる粒子の相対的なバラツキを表し、下記より求められる値である。
CV値(%)= 標準偏差/算術平均粒子径×100
算術平均粒子径及び標準偏差は、感圧層の表面を光学顕微鏡により150倍で撮影し、無作為に設定した2cm×2cmの範囲にある全てのマイクロカプセルの大きさを計測して算出される値である。
(感圧層の層構成)
本開示の感圧層の層構成は、単層構成であっても複層構成であってもよい。
感圧層の層構成の一態様は、マイクロカプセルと、電子受容性化合物とが、高分子マトリックス中に含有される態様とすることができる。この態様を採る感圧層については、後述の第1の態様の感圧層を例に詳述する。
本開示の感圧層の別の態様は、電子受容性化合物と高分子マトリックスとを有する顕色層及びマイクロカプセルを有する発色層を有する態様とすることができる。この態様を採る感圧層については、後述の第2の態様の感圧層を例に詳述する。
<第1の態様>
本開示の感圧層の第1の態様は、マイクロカプセルと、電子受容性化合物とが、高分子マトリックス中に含有する感圧層である。
第1の態様に係る感圧層に適用される各成分(特定高分子化合物、マイクロカプセル、電子受容性化合物、等)の詳細については、既述した事項と同様であり、好ましい態様も同様である。
本開示において、ある成分が「高分子マトリックス中に含有される」とは、その成分の少なくとも一部が特定高分子化合物と接する状態で、感圧層に含有されることを意味する。含有状態は、分散又は溶解のいずれの状態であってもよく、固体である場合には、その一部が感圧層表面に露出した状態であってもよい。
具体的には、マイクロカプセルの場合であれば、マイクロカプセル全体が感圧層の内部に存在している状態、及び、マイクロカプセルのカプセル壁の一部が感圧層表面に露出している状態の双方が、本開示におけるマイクロカプセルが高分子マトリックス中に含有されることに包含される。ここで、マイクロカプセル全体が特定高分子化合物と接する状態には、内包物及び壁材からなるマイクロカプセル自体が特定高分子化合物と直接接している状態、及び、マイクロカプセルが分散剤を介して特定高分子化合物と接している状態のいずれも含まれる。
第1の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料の一例ついて、図2を適宜参照して説明する。
図2は、第1の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料の一例を示す概略断面図である。なお、図2は、第1の態様を説明するために使用するものであり、図示される各構成要素は、実際の大きさ及び比率に対応するものではない。
図2に示す圧力測定用材料10おいて、感圧層14は基材12上に設けられている。感圧層14は、マイクロカプセル18と電子受容性化合物15を有する。18aはマイクロカプセルのカプセルの壁を表し、18bはマイクロカプセルの内包物(即ち、コア材)を表す。16は特定高分子化合物(不図示)を含む高分子マトリックスを表す。
第1の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料は、特に500MPa以上の圧力範囲に好ましく用いることができる態様である。
500MPa以上の高圧領域の階調性に優れる観点から、第1の態様に係る圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、2.0μm未満であることが好ましい。このことは言い換えると、マイクロカプセル及び電子受容性化合物の大半が、感圧層表面に露出せずに高分子マトリックス中に位置していることが好ましいことを意味する。
ここで、本開示において、圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、JIS B 0681-6:2014で規定される算術平均粗さRaを意味する。なお、測定装置としては、光干渉方式を用いた走査型白色干渉計(詳細には、Zygo社製のNewView5020:Stichモード;対物レンズ×50倍;中間レンズ×0.5倍)を用いる。
上記算術平均粗さRaは、基材側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当する。第1の態様に係る圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、0μm以上2.0μm未満であることが好ましく、0μm~1.0μmであることがより好ましく、0μm~0.5μmであることがさらに好ましい。
算術平均粗さRaは、2.0μm未満にする方法としては、感圧層における特定高分子化合物の量を多くするなどの方法が挙げられ、感圧層を構成する全固形分に対して特定高分子化合物が20質量%以上であることが好ましい。
500MPa以上の高圧領域の階調性に優れる観点から、第1の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料は、空隙量5mL/m以下であることが好ましい。空隙量が低いと、500MPa以上で加圧されるまでマイクロカプセルが壊れにくく耐えやすい。空隙量は0mL/m~5mL/mが好ましく、0mL/m~3mL/mがより好ましく、0mL/m~1mL/mが更に好ましい。
ここで、空隙量は、下記式により求められる値である。
10cm×10cmに裁断した圧力測定用材料の質量(m)を測定する。次いで、ジエチレングリコールを圧力測定用材料の感圧層を有する側の表面から浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定する。そして、X=m-mとすると、下記式から空隙量が求められる。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(m/m)= 100×X÷1.118
空隙量を低くする点から、第1の態様の感圧層が含有する電子受容性化合物は、有機化合物を含むことが好ましく、主成分として含むことがより好ましく、50質量%~100質量%有することがより好ましい。好ましい電子受容性化合物としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、芳香族カルボン酸の金属塩を含むことが好ましく、中でも、サリチル酸の金属塩を含むことが特に好ましい。なお、本明細書において、「主成分として含む」とは、電子受容性化合物のうち最も含有量が高い成分であることを意味する。
マイクロカプセルの含有量(体積分率)は、高圧領域での階調性により優れる点で、感圧層に対して、10体積%~80体積%が好ましく、20体積%~60体積%がより好ましく、30体積%~60体積%がさらに好ましい。
マイクロカプセルの感圧層に対する含有量(体積分率)は、以下の方法により測定できる。図2を参照して説明する。
圧力測定用材料10の断面切片を作製し、その断面を査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍にて観察する。断面のSEM画像からは、マイクロカプセル18の内部(内包物18b)と、カプセル壁18a、特定高分子化合物(不図示)を含む高分子マトリックス16及び電子受容性化合物15を含むマトリックス部と、が区別して観測される。観察した視野に存在する全てのマイクロカプセル18について、マイクロカプセル18の内部(内包物18b)と、カプセル壁18a、特定高分子化合物を含む高分子マトリックス16及び電子受容性化合物15を含むマトリックス部と、を画像解析により分離し、マイクロカプセル内部の面積と上記マトリックス部の面積をそれぞれ算出して、その比率からマイクロカプセル内部の含有量A(面積%)を求める。次に、上記の断面切片と直行しかつ基材と直行する方向に、更にもう1つ断面切片を作製し、同様にして、マイクロカプセルの含有量B(面積%)を求める。マイクロカプセル内部の含有量A(面積%)とマイクロカプセル内部の含有量B(面積%)との平均値を算出する。この操作を、無作為に選択した2か所にて実施して、2か所で得られた平均値の平均をマイクロカプセルの含有量(体積%)とする。
-マイクロカプセルの粒子径d
第1の態様において「マイクロカプセルの粒子径d」は、体積標準のメジアン径を意味する。
マイクロカプセルの体積標準のメジアン径とは、感圧層が含有するマイクロカプセル全体を体積累計が50%となる粒子径を閾値に2つに分けた場合に、大径側と小径側での粒子の体積の合計が等量となる径(D50)を指す。
マイクロカプセルの体積標準のメジアン径は、マイクロカプセル液を支持体に塗布し、乾燥後に形成された塗布膜の表面を光学顕微鏡により150倍で撮影し、2cm×2cmの範囲にある全てのマイクロカプセルの大きさを計測して算出される値である。
マイクロカプセルの粒子径dは、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPa、より好ましくは300MPa~3000MPa)での発色性の観点から、1μm~50μmが好ましく、5μm~30μmがより好ましい。
感圧層の厚みtと感圧層が含有するマイクロカプセルの粒子径dとの比率は、測定圧力の高さと発色濃度との両立の観点から、下記式1に示す関係を満たすことが好ましい。
1<t/d<5 ・・・式1
t/d<5であることで、より優れた発色性が得られ、1<t/dであることで、カブリの抑制が容易となる。
-マイクロカプセルの内径p
マイクロカプセルの内径pは、高圧領域の階調性により優れる観点、及び、高圧領域での発色性の観点から、0.5μm~50μmが好ましく、1μm~30μmがより好ましく、2μm~20μmが更に好ましい。
第1の態様において、「マイクロカプセルの内径p」は、以下の方法により求められる値である。図2を参照して説明する。
圧力測定用材料10の断面切片を作製し、その断面を査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍にて観察する。断面のSEM画像からは、マイクロカプセル18の内部(内包物18b)と、カプセル壁18a、と特定高分子化合物を含む高分子マトリックス16及び電子受容性化合物15を含むマトリックス部と、が区別して観測される。観測した視野に存在するマイクロカプセル18のうち、最も大きいマイクロカプセルから順番に10個のマイクロカプセルの長径(内径)を計測し、これらを算術平均して平均値を求める。この操作を、5視野にて実施して、各箇所で得られた平均値の平均を求めて、得られた値をマイクロカプセルの平均内径とする。なお、長径とは、マイクロカプセルを観察した際に、最も長い内径を意味する。
<第2の態様>
本開示の感圧層の第2の態様は、電子受容性化合物と高分子マトリックスとを有する顕色層及びマイクロカプセルを有する発色層を有し、基材と顕色層と発色層とをこの順に有し、かつ、発色層の厚みが顕色層の厚みの半分以下である感圧層である。
第2の態様に係る感圧層に適用される各成分(特定高分子化合物、マイクロカプセル、電子受容性化合物、等)の詳細については、既述した事項と同様であり、好ましい態様も同様である。
第2の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料の一例ついて、図面を用いて説明する。
図3は、第2の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料の一例を示す概略断面図である。なお、図3は、第2の態様を説明するために使用するものであり、図示される各構成要素は、実際の大きさ及び比率に対応するものではない。
図3に示す圧力測定用材料20おいて、感圧層24は基材22上に設けられている。発色層24aと顕色層24bから形成されている。発色層24aは、マイクロカプセル28を有し、顕色層24bは電子受容性化合物25と特定高分子化合物を含む高分子マトリックス26とを有する。28aはマイクロカプセルのカプセルの壁を表し、28bはマイクロカプセルの内包物(即ち、コア材)を表す。発色層24aは特定高分子化合物を含有することが好ましい。
100MPa以上の高圧領域の階調性により優れる観点で、発色層の厚みは、顕色層の厚みの半分以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。下限は特に制限はない。本開示の一態様では、発色層の厚みは、顕色層の厚みに対して0.001倍~0.5倍であることが好ましく、0.001倍~0.4倍であることがより好ましく、0.001倍~0.33倍であることがさらに好ましい。
発色層及び顕色層の厚みは、顕微鏡観察により測定することができる。
具体的には、測定対象とする圧力測定用材料を垂直に切断して断面切片を作製する。この断面切片について走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて800μm×600μmの視野を観察する。その画像から、50μm間隔で10か所の発色層及び顕色層の厚みを測定し、その算術平均値を求めることで算出した値を、発色層及び顕色層の厚みとする。走査型電子顕微鏡としては、例えば、卓上顕微鏡「Miniscope TM3030Plus」((株)日立ハイテクノロジーズ製)が挙げられる。
なお、図3に示すように、顕色層にマイクロカプセルが存在しない箇所がある場合、発色層は0μmとカウントする。
第2の態様は、特に100MPa~500MPaの圧力範囲に好ましく用いることができる態様である。100MPa~500MPaの高圧領域の階調性に優れる観点から、第2の態様に係る感圧層を有する圧力測定用材料は、空隙量が5mL/m~20mL/mであることが好ましく、8mL/m超15mL/m以下であることがより好ましい。空隙量は、上述した式により求められる値である。
空隙量を特定の範囲にする点から、第2の態様における電子受容性化合物は、無機粒子を含むことが好ましく、主成分として含まれることがより好ましく、50質量%~100質量%含むことがより好ましい。好ましい電子受容性化合物としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、酸性白土又は活性白土を含むことが好ましい。第2の態様における電子受容性化合物は、主として無機粒子であってもよく、他の電子受容性化合物を含んでいてもよい。
100MPa~500MPaの高圧領域の階調性に優れる観点から、第2の態様における感圧層は、電子受容性化合物以外の無機粒子を含むことが好ましい。電子受容性化合物以外の無機粒子としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、好ましくはシリカである。
100MPa~500MPaの高圧領域の階調性により優れる観点から、第2の態様における感圧層(好ましくは顕色層)は、電子受容性化合物である無機粒子を含み、かつ、電子受容性化合物でない無機粒子を有することが好ましい。電子受容性化合物としての無機粒子と電子受容性化合物でない無機粒子とを両方とも有することで、空隙量を特定の範囲に維持したまま、マイクロカプセルから流出した電子供与性染料前駆体が、電子受容性化合物と接する確率を抑えることができるので、100MPa~500MPaの高圧領域の階調性に好適な材料とすることができる。
100MPa~500MPaの高圧領域の階調性に優れる観点から、第2の態様に係る圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、2.0μm~10.0μmであることが好ましい。
上記算術平均粗さRaは、基材側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当する。第2の態様に係る圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、2.0μm~8.0μmであることが好ましく、2.0μm~5.0μmであることがより好ましい。
算術平均粗さRaを2.0μm~10.0μmに調節する方法としては、例えば、下記の(1)及び(2)に示す方法、並びに、これらを組み合わせた方法が挙げられる。
(1)発色層を薄層とする方法
マイクロカプセルが感圧層表面の全面に配置されないために、感圧層表面にマイクロカプセルが存在するところと存在しないところができ、表面粗さを調節できる方法である。
(2)顕色層が有する無機粒子の量を増やす方法
無機粒子が存在するところと存在しないところの差を利用して顕色層の表面粗さを調節する方法である。
特に、無機粒子の量(電子受容性化合物である無機粒子と電子受容性化合物でない無機粒子の合計量)が、顕色層が有する特定高分子化合物の合計量よりも多い場合には、顕色層の表面に粒子が出るので顕色層の表面が粗くなりすい。さらにその上に、マイクロカプセルと特定高分子化合物とが薄く配置されると、粗くなった顕色層の凹部にマイクロカプセルが入り込み、その結果、圧力測定用材料の算術平均粗さRaが2.0μm~10.0μmになりやすくなる。
算術平均粗さRaが2.0μm~10.0μmである上記状態の場合には、顕色層の凹部に入り込んで高圧条件下でも壊れないマイクロカプセルが存在したり、マイクロカプセルが表面に存在しない領域ができたりするので、第2の態様の圧力測定用材料は、100MPa~500MPaの高圧領域に適する態様にできるものと考えられる。
また、第2の態様において、マイクロカプセルは、感圧層の基材側とは反対側表面の全面に存在しないことが好ましく、マイクロカプセルの割合は、95面積%以下が好ましく、90面積%以下が好ましい。
上記マイクロカプセルの割合の測定方法としては、まず、発色層の任意の位置の表面方向からレーザー顕微鏡(KEYENCE VK-8510、視野の大きさ:100μm×150μm)にて観察し、視野内に観察されるマイクロカプセルの全数を測定すると共に、視野内に観察されるマイクロカプセルの数の面積を画像解析により算出し、視野面積で割ることで求める。
顕色層の凹部にマイクロカプセルが入り込みやすく、100MPa~500MPaの高圧領域の階調性に優れる観点から、発色層形成組成物の全固形分量は、顕色層形成組成物の全固形分量よりも少ないことが好ましい。好ましくは、発色層形成組成物の全固形分量は、顕色層形成組成物の全固形分量の0.001倍~0.45倍であることがより好ましく、0.005倍~0.25倍であることがより好ましい。
-マイクロカプセルの粒子径d
第2の態様において「マイクロカプセルの粒子径d」は、平均粒径を意味する。
マイクロカプセルの平均粒径の測定方法としては、光学顕微鏡(OLYMPUS BX60、視野の大きさ:320μm×450μm)でマイクロカプセルが存在する発色層の表面から撮影した画像を画像解析し、最も大きいマイクロカプセルから順番に30個のマイクロカプセルの長径(粒径)を計測し、これらを算術平均して平均値を求める。この操作を、第1層の任意の5か所(5視野)で実施して、各箇所で得られた平均値の平均を求めて、得られた値を上記マイクロカプセルの平均粒径とする。なお、長径とは、マイクロカプセルを観察した際に、最も長い径を意味する。
マイクロカプセルの粒子径dは、高圧領域(好ましくは100MPa~10000MPa、より好ましくは300MPa~3000MPa)での発色性の観点から、1μm~50μmが好ましく、5μm~30μmがより好ましい。
-マイクロカプセルの内径p
マイクロカプセルの内径pは、100MPa~500MPaの高圧領域の階調性により優れる観点、及び、高圧領域での発色性の観点から、1μm~50μmが好ましく、2μm~20μmがより好ましく、2μm~15μmが更に好ましい。
第2の態様において、「マイクロカプセルの内径p」は、以下の方法により求められる値である。
まず、マイクロカプセルの壁厚を求める。マイクロカプセルの壁厚とは、マイクロカプセルのカプセル粒子を形成するカプセル壁の厚み(μm)を指し、数平均壁厚とは、5個のマイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求めて平均した平均値をいう。より具体的には、圧力測定用材料に存在するマイクロカプセルの断面切片を作製し、その断面をSEMにより15000倍にて観察し、(マイクロカプセルの平均粒径の値)×0.9~(マイクロカプセルの平均粒径の値)×1.1の範囲の長径を有する任意の5個のマイクロカプセルを選択の上、選択した個々のマイクロカプセルの断面を観察してカプセル壁の厚みを求めて平均値を算出する。なお、長径とは、マイクロカプセルを観察した際に、最も長い径を意味する。さらに、平均粒子径からマイクロカプセルの壁厚の2倍を除した値をマイクロカプセルの内径として算出する。
<感圧層の形成>
感圧層の形成は、分子量1000以上の高分子化合物(特定高分子化合物)を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する感圧層を形成する工程によるものであれば、特に制限はない。
第1の態様においては、感圧層は、感圧層形成組成物を調製して、基材上に付与(例えば塗布)し、乾燥させることによって形成できる。
すなわち、第1の態様の感圧層を有する圧力測定用材料は、
特定高分子化合物を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する感圧層形成組成物を、基材に配置する工程を有する、製造方法により得られることが好ましい。
第1の態様の感圧層の形成に用いる感圧層形成組成物は、例えば、マイクロカプセルの分散液を調製し、得られた分散液、特定高分子化合物(高分子マトリックスを形成する高分子化合物)の溶液(又はエマルジョン)、電子受容性化合物、及び、その他の任意成分(例えば、吸油性粒子等)を混合することによって調製できる。
また、第2の態様においては、感圧層は、例えば、感圧層形成組成物として、顕色層形成組成物及び発色層形成組成物からなる2種の組成物を調製して、基材上に顕色層形成組成物を付与(例えば塗布)し、その上に発色層形成組成物を付与(例えば、塗布)して、乾燥させることによって形成できる。発色層形成組成物は、例えば、マイクロカプセルの分散液を調製し、得られた分散液、特定高分子化合物の溶液(又はエマルジョン)、及び、その他の任意成分(例えば、界面活性剤等)を混合することによって調製できる。顕色層形成組成物は、例えば、電子受容性化合物、特定高分子化合物の溶液(又はエマルジョン)、及び、その他の任意成分(例えば、無機粒子等)を混合することによって調製できる。
すなわち、第2態様の感圧層を有する圧力測定用材料は、
電子供与性染料前駆体及び溶媒(好ましくは、沸点130℃以上の溶媒)を内包するマイクロカプセルと溶媒(好ましくは、沸点130℃以下の溶媒)を含む発色層形成組成物を得る工程、電子受容性化合物と分子量1000以上の高分子化合物(特定高分子化合物)とを含む顕色層形成組成物を得る工程、基材に上記顕色層形成組成物を配置して顕色層を形成する工程、及び、上記顕色層に、上記発色層形成組成物を配置して発色層を形成する工程を含む、製造方法により得られることが好ましい。
さらに、発色層形成組成物は、分子量1000以上の高分子化合物(特定高分子化合物)を含むことが好ましい。
顕色層形成組成物に含まれる特定高分子化合物及び発色層形成組成物に好ましく含まれる特定高分子化合物は、それぞれ、1種のみであってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。また、顕色層形成組成物に含まれる特定高分子化合物及び発色層形成組成物に好ましく含まれる特定高分子化合物は、同じ高分子化合物であってもよいし、異なる高分子化合物であってもよい。
感圧層の形成における感圧層形成組成物の具体的な調製方法、塗布量、乾燥条件等については、感圧層形成組成物に含有させる成分の種類、目的とする圧力測定用材料の具体的な態様、等に応じて適宜決定すればよい。
基材上に感圧層形成組成物を塗布して感圧層を形成する場合、塗布は、公知の塗布法により行うことができる。塗布法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコータ-、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ブレードコーター等を用いた塗布法が挙げられる。
[その他の層]
本開示の圧力測定用材料は、基材上に、感圧層以外のその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、保護層、白色層、易接着層、等が挙げられる
-保護層-
本開示の圧力測定用材料は、感圧層の基材を有する側とは反対側に、さらに保護層を有してもよい。本開示の圧力測定用材料は、最外層として保護層を有することができるが、この態様に限定されない。
本開示の圧力測定用材料には高い圧力が付与されることから、マイクロカプセルに内包される溶媒(オイル成分)が感圧層の外部に浸出し易い傾向にある。オイル成分の滲出は、オイル汚れの原因となり望ましくない。これに対し、圧力測定用材料が保護層を有することで、感圧層の外部へのオイル成分の滲出を効果的に抑制することができる。
したがって、保護層は、オイル成分の透過性の小さい層であることが好ましい。
保護層は、保護層形成用シート又はフィルムを感圧層上に貼付して設けることができる。
保護層形成用シート又はフィルムの貼付により保護層を設ける場合であれば、所望の保護層形成用シート又はフィルムを用意し、公知の方法(例えば、接着剤による貼付、等)により、感圧層の上に貼付すればよい。
保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的等に応じて選択することができる。
保護層の厚みは、0.1μm~50μmが好ましく、0.5μm~10μmがより好ましい。
-白色層-
本開示の圧力測定用材料は、基材と感圧層との間に、さらに白色層を有してもよい。
白色層を有することにより、発色部分と未発色部分とのコントラストを高めて視認性を向上できる。
白色層は、白色層形成用組成物を用いて基材と感圧層との間に形成した塗布層であってもよいし、白色層形成シート又はフィルムを感圧層を設けるに先立って、基材上に貼付して設けた層であってもよい。
白色層は、例えば、公知の白色色材(例えば、白色顔料等)、樹脂成分、等を含有する層として設けることができる。
白色色材として具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の白色顔料が挙げられる。
白色層は、上記のマイクロカプセル及び/又は電子受容性化合物を含有しない層である。
白色層形成用組成物の塗布により白色層を設ける場合であれば、例えば、白色層形成用組成物を調製して、基材上に付与(例えば塗布)し、乾燥すればよい。この場合の塗布方法としては、既述の感圧層と同様の方法を用いることができる。
白色層形成用シート又はフィルムの貼付により白色層を設ける場合であれば、所望の白色層形成用シート又はフィルムを用意し、公知の方法(例えば、接着剤による貼付、等)により、基材上に貼付すればよい。
-易接着層-
易接着層は、基材と感圧層との密着性を向上させるために設けられていることが好ましい。
易接着層を有する場合、本開示の圧力測定用材料は、少なくとも、基材と、易接着層及び感圧層と、をこの順に有する態様が好ましい。
易接着層と白色層とを有する場合には、基材と、易接着層、白色層及び感圧層と、をこの順に有する態様が好ましい。
易接着層は、上記のマイクロカプセル及び/又は電子受容性化合物を含有しない層である。
基材と、感圧層が有する高分子マトリックスとの密着性を向上する観点で、易接着層は樹脂を有することが好ましい。
樹脂としては、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、ビニル樹脂が挙げられる。
易接着層は、ウレタンポリマー、ブロックイソシアネート等を含む層であってもよい。
易接着層は、基材と易接着性を有するシート又はフィルムとの貼り合わせ、基材上への易接着層形成組成物の塗布、などにより形成することができる。
易接着層の厚みとしては、特に制限はなく、目的等に応じて選択することができる。
易接着層の厚みは、0.005μm~1.0μmが好ましく、0.005μm~0.5μmがより好ましく、0.005μm~0.2μmが更に好ましく、0.01μm~0.1μmがより一層好ましい。
(圧力測定用材料の厚み)
本開示の圧力測定用材料の厚みは、特に制限されないが、10μm~800μmが好ましく、10μm~500μmがより好ましい。
-厚みT-
圧力測定用材料の厚みから基材の厚みを差し引いた層の厚みTは、1μm~250μmが好ましく、3μm~200μmがより好ましく、5μm~150μmが更に好ましい。
厚みTは、上述した感圧層の厚みtと同様の方法で測定できる。
具体的には、無作為に選択した10箇所において、圧力測定用材料の厚みと基材の厚みとを測定し、圧力測定用材料の厚みと基材の厚みとの差から、算出した値を算術平均して求めることができる。
(圧力測定用材料の算術平均粗さRa)
圧力測定用材料の算術平均粗さRaは、10.0μm以下であることが好ましい。
感圧層が第1の態様及び第2の態様である場合における算術平均粗さRaの好ましい範囲については、それぞれ、既述したとおりである。
上記算術平均粗さRaは、基材側とは反対側の表面の算術平均粗さRaに該当する。算術平均粗さRaの測定方法は、既述のとおりである。
(厚みTとマイクロカプセルの内径pの比率)
圧力測定用材料における上記厚みTとマイクロカプセルの内径pとの比率T/pは、1.2以上であることが好ましく、1.3以上がより好ましい。T/pが1.2以上であると、100MPa以上の高圧領域の階調性により優れる。1.2~5がより好ましい。
第1の態様の感圧層を有する場合においては、厚みTとマイクロカプセルの内径pとの比率T/pは、5以下が好ましく、1.2~5がより好ましく、1.2~3が更に好ましい。
第2の態様の感圧層を有する場合においては、厚みTとマイクロカプセルの内径pとの比率T/pは5以下が好ましく、1.2~5がより好ましく、1.3~5が更に好ましい。
<圧力測定に関する事項>
本開示の圧力測定用材料を用いた圧力測定は、圧力又は圧力分布を測定する部位に圧力測定用材料を配置し、この状態で、圧力測定用材料に対して圧力を加えることにより行なうことができる。
圧力としては、点圧、線圧、及び面圧のいずれであってもよい。
本開示の圧力測定用材料は、発色させた場合に、1000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度から、2000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度を減じた濃度差(ΔD)が、0.6以上であることが好ましい。
ΔDが0.6を超えることで、本開示の圧力測定用材料は、圧力を与えて発色させた場合に視認ないし読み取り可能な濃度及び濃度階調の再現により優れた圧力測定用材料とすることができる。
上記第1の態様の感圧層を有する圧力測定用材料は、発色させた場合に、2000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度から、1000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度を減じた濃度差(ΔD1)が、0.1以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。
ΔD1が、0.1以上(好ましくは0.4以上)であることで、本態様の圧力測定用材料は、500MPa以上の圧力を与えて発色させた場合に視認ないし読み取り可能な濃度及び濃度階調の再現により優れた圧力測定用材料とすることができる。
上記第2の態様の感圧層を有する圧力測定用材料は、発色させた場合に、500MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度から、100MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度を減じた濃度差(ΔD2)が、0.1以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。
ΔD2が、0.1以上(好ましくは0.4以上)であることで、本態様の圧力測定用材料は、100MPa~500MPaの圧力を与えて発色させた場合に視認ないし読み取り可能な濃度及び濃度階調の再現により優れた圧力測定用材料とすることができる。
発色濃度は、反射濃度計(例えば、グレダグマクベス社製のRD-19I)を用いて測定される値である。
更に、本開示の圧力測定用材料は、好ましくは100MPa~10000MPa(より好ましくは100MPa~3000MPa)の圧力が加えられた場合において、圧力の増加に伴い発色濃度が上昇する性質、すなわち発色の階調性を示す。
本開示の圧力測定用材料において、好ましい発色の階調性は、圧力増加に伴い発色濃度が直線的に上昇する(即ち、圧力と発色濃度とが比例する)性質である。
本開示の圧力測定用材料は、測定用途に応じて、測定対象とする圧力の範囲を上記の範囲を含み設定することができる。例えば、本開示の圧力測定用材料の一態様は、1000MPaを上回る範囲(例えば1000MPa~3000MPa、好ましくは1000MPa~2000MPa)の圧力測定に用いる態様とすることができる。また、本開示の圧力測定用材料の別の一態様では、1000MPaを下回る圧力範囲(例えば100MPa~500MPa)の圧力測定に用いる態様とすることができる。
本開示の圧力測定用材料の用途は、各種分野における下記の使用例を含むが、これらに限定されない。なお、下記の例示内容は重複する場合がある。
自動車等の車両又は航空機の製造(例えば、各種の構成部材、ボディ等の成形加工、又は、構成部材の組み立て加工における圧力分布の確認。)、建築(例えば、建材の組み立て加工における圧力分布の確認。)、電子製品の製造(例えば、曲面加工(曲面ディスプレイの貼合、等)における圧力分布の確認。)、輸送(例えば、輸送に伴い貨物に付与された衝撃力の確認。)、金属加工(例えば、各種の金属製品の製造における金型当たりの確認。)、樹脂製品の成型加工(例えば、樹脂製品の成型加工時の金型当たりの確認。)、医薬品の成型加工(例えば、錠剤の打錠における圧力分布の確認。)、家具(例えば、家具表面(椅子、ソファーの座面等)における圧力分布の確認。)、文具(例えば、筆記具等に付与されたグリップ力の確認。)、スポーツ用品(例えば、弾性材料から構成された物品(ボール等)に付与された衝撃力の確認。)などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
(実施例1)
<電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)の調製>
直鎖アルキルベンゼン(JXエネルギー(株)、グレードアルケンL、沸点130℃以上)53部に、電子供与性染料前駆体である下記の化合物(A)10部を溶解し、溶液Aを得た。
次に、合成イソパラフィン(出光興産(株)、IPソルベント1620、沸点130℃以上)14部、酢酸エチル1.2部に溶解したN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン((株)アデカ、アデカポリエーテルEDP-300)0.4部を、攪拌している溶液Aに加えて溶液Bを得た。
さらに、酢酸エチル3部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物(DIC(株)、バーノックD-750)18部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。
そして、水110部にポリビニルアルコール(PVA-205、(株)クラレ、数平均分子量25,000、分散剤)8部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水340部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後、冷却した。
冷却後の液に対して、さらに水を加えて濃度を調整し、固形分濃度25%の電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(A)を得た。
得られたマイクロカプセルの体積基準のメジアン径(D50)は11μmであった。
体積基準のメジアン径は、マイクロトラックMT3300EXII(日機装(株)製)により測定した。
<圧力測定用シート(A)の作製>
上記で得たマイクロカプセル液(A)20部に対して、顕色剤として電子受容性化合物である3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸亜鉛40%分散液11部、高分子マトリックスを形成する特定高分子化合物としてポリビニルアルコール(PVA-105、(株)クラレ、数平均分子量22,000)20%水溶液20部を混合し、感圧層形成組成物(A)を得た。
得られた感圧層形成組成物(A)を75μm厚のPET基材(A4300:東洋紡製)に、乾燥後の膜厚が15μmとなるよう、バーコーターで感圧層形成組成物(A)を塗布し、80℃で乾燥して、PET基材上に感圧層を有する圧力測定用シート(A)(圧力測定用材料)を得た。
感圧層の厚み(膜厚)は、卓上顕微鏡「Miniscope TM3030Plus」((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、任意の10箇所について、圧力測定用シート(A)を垂直に切断した断面の観察により、圧力測定用シート(A)の厚みとPET基材の厚みとを測定し、圧力測定用シート(A)の厚みとPET基材の厚みの差を算出した値を、算術平均して求めた。感圧層の厚み(膜厚)が15μmであることが確認された。
感圧層の厚みtとマイクロカプセルの粒子径dとの比率(t/d)は、1.36である
高分子マトリックスを形成するポリビニルアルコール(PVA-105、(株)クラレ)のマルテンス硬さは、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製「微小硬さ試験機HM2000」を用いて測定した。測定には、ダイヤモンド圧子(ベルコビッチ圧子)を用いて、23℃50%RHの実験室環境において、先ず0mN~最大試験荷重までの負荷を10秒間加え、次に、最大試験荷重の負荷で5秒間保持し、最後に最大試験荷重~0mNまでの除荷を10秒間行い、最大試験荷重を最大押込み深さにおける圧子表面積で除した値として、マルテンス硬さ(N/mm)を求めた。
ガラス基板上に製膜した厚さ5μmの高分子マトリックス(PVA105)膜について、最大押込み深さが0.5μmとなるような最大試験荷重で測定したマルテンス硬さは、165N/mmである。
<発色評価A>
上記で得た実施例1の圧力測定用シート(A)を、9cm~11cmの4枚のサンプルに裁断した。
サンプルの各々に対して、下記の表1の圧力欄に示すいずれかの圧力により加圧を行い、加圧によりサンプルが発色することを確認した。加圧は、加圧プレス機(DSF-C1-A、アイダエンジニアリング(株)製)により行なった。
発色したサンプルの発色濃度を、分光濃度計(X-Rite社製X-Rite504)で測定した。測定結果を、表1の発色濃度欄に示す。
また、図1に、圧力と発色濃度との関係をグラフにて示した。
表1及び図1に示すように、実施例1の圧力測定用シートは、1000MPaを超える高圧領域において階調性に優れた発色が得られることが確認された。
(実施例2)
圧力測定用シート(A)の作製におけるPVA-105の一部をポリオールポリアルキレンアルキルエーテル界面活性剤(ノイゲンLP-90、第一工業製薬(株)製)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の圧力測定用シート(圧力測定用材料)を作製した。
(実施例3~8)
各素材の組成を表2に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして、実施例3~8の圧力測定シートを作製した。
なお、マイクロカプセル液(B)の調製は以下のようにして行った。
<電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(B)の調製>
ハイゾールSAS-296(日本石油株式会社製のオイル成分(溶媒);1-フェニル-1-キシリルエタンと1-フェニル-1-エチルフェニルエタンの混合物)70部に、電子供与性染料前駆体として3’,6’-ビス(ジエチルアミノ)-2-(4-ニトロフェニル)スピロ[イソインドール-1,9’-キサンテン]-3-オン(保土谷化学工業(株)製、Pink-DCF)6部、6’-(ジエチルアミノ)-1’,3’-ジメチルフルオラン(保土谷化学工業(株)製、Orange-DCF)8部を溶解し、溶液A2を得た。次に、合成イソパラフィン(出光興産(株)、IPソルベント1620)19部、メチルエチルケトン2.5部に溶解したN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン((株)アデカ、アデカポリエーテルEDP-300)0.7部を、攪拌している溶液A2に加えて溶液B2を得た。さらに、酢酸エチル6部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物(DIC(株)、バーノックD-750、25%酢酸エチル含有)77部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。そして、水140部にポリビニルアルコール(KL-318、(株)クラレ)10部を溶解した溶液中に上記の溶液C2を加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水200部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後冷却した。水を加えて濃度を調整し、固形分濃度20質量%の電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(B)を調製した。マイクロカプセルのメジアン径は、8μmであった。
(比較例1)
特開2009-19949の実施例1に従って、電子供与性無色染料シート及び顕色剤シートからなるツーシートタイプの圧力測定用シートを作製した。
〔評価〕
実施例1~8の各圧力測定用シートの感圧層ついて「空隙量の測定」を行った。
さらに、実施例2~8及び比較例1の各圧力測定用シートについて、下記の「濃度階調評価A」及び「発色評価B」の各評価を行った。
[空隙量の測定]
実施例1~8の圧力測定用シート(感圧層を形成したPETフィルム)を10cm×10cmに裁断し、質量(m)を測定した。次いで、ジエチレングリコールを。感圧層を有する側の表面にのせて浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定した。そして、X=m-mを算出し、下記式から空隙量を求めた。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(m/m)= 100×X÷1.118
実施例1~8で得られた各圧力測定用シートの空隙量は、全て1mL/m以下であった。
[濃度階調評価A(1000MPa~2000MPa)]
実施例1~8及び比較例1の圧力測定用シートについて、1000MPaにおける発色濃度と、2000MPaにおける発色濃度とを測定し、2000MPaにおける発色濃度から、1000MPaにおける発色濃度を減じた差ΔD1を求め、下記の評価基準に従って評価した。
加圧方法及び測定装置は、上記の発色評価Aと同様とした。
なお、「A」及び「B」が実使用上許容できる範囲であり、「A」が最も優れる。結果を表2に示す。
<評価基準>
「A」:ΔD1が、0.4以上である。
「B」:ΔD1が、0.1以上0.4未満である。
「C」:ΔD1が、0.1未満である。
[発色評価B]
実施例1~8及び比較例1の各圧力測定用シートについて、上記の濃度階調評価Aにて得られた1000MPaにおける発色濃度の測定結果に基づき、下記の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
<評価基準>
「A」:発色濃度が、0.5以上である。
「B」:発色濃度が、0.5未満である。
表2中、Tは、圧力測定用材料の厚みから基材の厚みを差し引いた層の厚み、T/pは、厚みTとマイクロカプセルの内径pとの比率、T/dは、厚みTとマイクロカプセルの粒子径d(メジアン径)との比率、及び、Raは、基材とは反対側の最表面(感圧層表面)における算術平均粗さを表し、いずれも上述した方法により得られた値である。
表2中、「-」は、該当する成分を含有していない、又は、該当する項目の測定を行っていないことを示す。
(実施例9)
-顕色層形成組成物の調製-
電子受容性化合物である活性白土:シルトンF-242(水澤化学工業株式会社)100部、非晶質シリカ(水澤化学工業株式会社、ミズカシルP-78A、電子受容性化合物でない無機粒子)100部に、10質量%水酸化ナトリウム水溶液10部及び水750部、ヘキサメタりん酸Na(日本化学工業株式会社)の1部を加えてホモジナイザーで分散した。これに更に、変性アクリル酸エステル共重合体(日本ゼオン株式会社、Nipol LX814、固形分濃度47%、特定高分子化合物)140部及びアニオン性オレフィン系樹脂(荒川化学工業、ポリマロン482、固形分濃度25%、特定高分子化合物)28部、側鎖アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩(第一工業製薬、ネオゲンT)の15%水溶液5部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエ-テル(第一工業製薬、ノイゲンLP-70)の1%水溶液35部、ナトリウム-ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル)―2-スルフイナトオキシスクシナート(富士フイルム、W-AHE)の1%水溶液35部を混合し、電子受容性化合物を含有する顕色層形成組成物を調製した。
-発色層形成組成物の調製-
上記で得られた電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル20%液(B)70部に、更にアニオン性オレフィン系樹脂(荒川化学工業、ポリマロン482、固形分濃度25%、特定高分子化合物)0.8部、ポリマー(ローム&ハース、オロタン165A、固形分濃度21%、特定高分子化合物)3.1部と、側鎖アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩(第一工業製薬、ネオゲンT)の15%水溶液0.5部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエ-テル(第一工業製薬、ノイゲンLP-70)の1%水溶液5部、ナトリウム-ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル)―2-スルフイナトオキシスクシナート(富士フイルム、W-AHE)の1%水溶液5部を混合し、発色層形成組成物を調製した。
-圧力測定用材料の作製-
上記より得た顕色層形成組成物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A4300:東洋紡製)の上に固形分塗布量を20g/mとしてバーコーターにより塗布し、顕色層を形成した。次いで、塗布した顕色層の上に重ねて、発色層形成組成物を、固形分塗布量を3.5g/mとしてバーコーターにより塗布し、発色剤層を形成した。
このようにして、基材であるPETフィルム上に、顕色剤層と発色剤層との2層が順次積層された感圧層を有するモノシートタイプの圧力測定用材料を作製した。
(実施例10~15
各素材の組成を表3に示すように変更した以外は、実施例9と同様にして圧力測定シートを作製した。
(比較例2)
既述の比較例1にて用いたツーシートタイプの圧力測定用シートと同じ圧力測定用シートを用いた。
〔評価〕
実施例9~15の各圧力測定用シートついて「空隙量の測定」を行った。
さらに、実施例9~15及び比較例2の各圧力測定用シートについて、下記の「濃度階調評価B」及び「発色評価C」の各評価を行った。
[空隙量の測定]
実施例9~15の各圧力測定用シートの空隙量は、上記の実施例1~8の圧力測定用シートと同様にして測定した。
実施例9~15で得られた各圧力測定用シートの空隙量は、全て5mL/m~20mL/mの範囲内であった。
[濃度階調評価B(100MPa~500MPa)]
実施例9~15及び比較例2の圧力測定用シートについて、100MPaにおける発色濃度と、500MPaにおける発色濃度とを測定した。500MPaにおける発色濃度から、100MPaにおける発色濃度を減じた差ΔD2を求め、下記の評価基準に従って評価した。
加圧方法及び測定装置は、上記の発色評価Aと同様とした。
なお、「A」及び「B」が実使用上許容できる範囲であり、「A」が最も優れる。結果を表3に示す。
<評価基準>
「A」:ΔD2が、0.4以上である。
「B」:ΔD2が、0.1以上0.4未満である。
「C」:ΔD2が、0.1未満である。
[発色評価C]
実施例9~15及び比較例2の各圧力測定用シートについて、300MPaにおける発色濃度を測定した。加圧方法及び測定装置は、上記の発色評価Aと同様とした。
得られた測定結果に基づき、下記の評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
<評価基準>
「A」:発色濃度が、0.5以上である。
「B」:発色濃度が、0.5未満である。

表3中、Tは、圧力測定用材料の厚みから基材の厚みを差し引いた層の厚み、T/pは、厚みTとマイクロカプセルの内径pとの比率、T/dは、厚みTとマイクロカプセルの粒子径d(平均粒径)との比率、及び、Raは、基材とは反対側の最表面(感圧層表面)における算術平均粗さを表し、いずれも上述した方法により得られた値である。
表3中、「-」は、該当する成分を含有していない、又は、該当する項目の測定を行っていないことを示す。
(符号の説明)
10、20 圧力測定用材料
12、22 基材
14、24 感圧層
24a 発色層
24b 顕色層
15、25 電子受容性化合物
16、26 高分子マトリックス
18、28 マイクロカプセル
18a、28a カプセル壁
18b、28b マイクロカプセル内包物(コア材)
2019年1月17日に出願された日本国特許出願2019-006244の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 基材と感圧層とを有する圧力測定用材料であって、
    前記感圧層が、分子量1000以上の高分子化合物を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有し、
    前記感圧層は、前記マイクロカプセルと、前記電子受容性化合物とが、前記高分子マトリックス中に含有された層構成であり、
    前記感圧層の前記基材側とは反対側の最表面における算術平均粗さRaが、1.1μm以下であり、
    前記分子量1000以上の高分子化合物が、ポリビニルアルコール、塩化ビニル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、又は、これらの共重合体を含み、
    前記マイクロカプセルの含有量が、前記感圧層に対して、10体積%~80体積%であり、
    前記マイクロカプセルのカプセル壁が、実質的に樹脂で構成されており、
    前記感圧層の厚みが、1μm~250μmである、
    圧力測定用材料。
  2. 前記電子受容性化合物がサリチル酸の金属塩を含む、請求項1に記載の圧力測定用材料。
  3. 空隙量が5mL/m以下である、請求項1又は請求項2に記載の圧力測定用材料。
  4. 2000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度から、1000MPaで圧力を加えて発色させた後の濃度を減じた濃度差(ΔD1)が、0.1以上である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  5. 圧力測定用材料の厚みから前記基材の厚みを差し引いた層の厚みTと、前記マイクロカプセルの内径pとの比率T/pが、1.2以上である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  6. 前記圧力測定用材料の厚みから前記基材の厚みを差し引いた層の厚みTと、前記マイクロカプセルの内径pとの比率T/pが、1.2~5.0である、請求項に記載の圧力測定用材料。
  7. 前記感圧層の全質量に対して、前記分子量1000以上の高分子化合物が10質量%以上含まれる、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  8. 前記基材が、ポリエチレンテレフタレート基材又はポリエチレンナフタレート基材である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  9. 前記基材と前記感圧層との間に易接着層を有する、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  10. 前記マイクロカプセルの壁材が、ポリウレタンウレア、及び、ポリウレタンから選択される少なくとも1種を含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  11. シート状である、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  12. 分子量1000以上の高分子化合物を含む高分子マトリックスと、電子供与性染料前駆体及び溶媒を内包するマイクロカプセルと、電子受容性化合物と、を含有する感圧層形成組成物を、基材に配置する工程を有し、
    前記感圧層形成組成物を用いて形成された感圧層の前記基材側とは反対側の最表面における算術平均粗さRaが、1.1μm以下であり、
    前記マイクロカプセルの含有量が、前記感圧層に対して、10体積%~80体積%であり、
    前記感圧層の厚みが、1μm~250μmである、
    請求項1に記載の圧力測定用材料の製造方法。
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