JP7437616B2 - 衛生マスク及びその活性化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、顔に掛けるマスクに関し、更に詳しくは、MRSA,レジオネラ菌、大腸菌Oー157、コロナウイルス等の菌やウイルス、いわゆる空中浮遊害菌やウイルスに対して抗菌力や抗ウイルス力の優れた衛生マスク及びその活性化方法に関する。
従来から、花粉症やインフルエンザの予防用にマスクが使用されており、その形状としては、多様な形態、立体形状に特徴を有する商品が開発され提供されている。
素材面でいうと、マスクにはガーゼ等の布地が用いられているが、近年、衛生上或いは使い勝手の観点から使い捨てのものが多くなり、そのため、現在は、比較的安価で製造に便利な不織布が主流となっている。
一方、マスクとしての機能面では、MRSA,レジオネラ菌、大腸菌O-157、コロナウイルス等空中浮遊害菌に対して、抗菌力のあるものが開発されてきた。
例えば、特許文献1は、マスク素地に酸化チタン等の光触媒体を噴霧塗布、浸漬、印刷等により加工を施したものである。
光触媒により、マスクに付着した、ウイルス,細菌等の殺菌、抗菌、減菌効果や、アンモニア、NOx、SOx、等の悪臭物質の吸着や分解に効果を発揮し、長期に渡る使用を可能にしている。
また、特許文献2は、マスクのガーゼに酸化チタンの微粉末、溶液を外気に接する外側の素材に含侵させたものである。
また、特許文献3は、マスクに酸化タングステン微粒子を有するものであり、一般的な屋内照明のような低い照度の可視光照射下において、抗ウイルス性能を発揮できる利点がある。
特開2000-202052号公報 特開2003-250920号公報 特開2011-72677号公報
上述した特許文献1や特許文献2のマスクの抗菌力は、いずれも酸化チタンを布帛に担持させているが、酸化チタンが担持された布帛に外側から光が当たり、酸化チタン自体が活性化することを利用している。
同様に特許文献3のマスクの抗菌力は酸化タングステンが担持された布帛に外側から光が当たり、効果が発揮されるものである。
酸化チタンや酸化タングステン等の光触媒が担持された布帛に対し、外側からの光、すなわち片面からの光を受けることだけで光触媒の活性化が行われている。
しかし、このような片面からの光を受けることによるだけでは、必ずしも効率的な光触媒の活性化が行われない。
このようなことから、光触媒のより高い活性化が要望されていた。
本発明は、このようなマスクに係る技術的な背景を基になされたものである。
すなわち、本発明の目的は、光触媒が担持された布帛がより多くの光を受けることにより、効率よく活性化し強い抗菌力や抗ウイルス力を発揮できる衛生マスクを提供すること、及びその衛生マスクの活性化方法を提供することである。
上記課題を解決するために、発明者は鋭意、研究した結果、外側からだけでなく、内側からも光を受けることができれば、光触媒がより効率的に活性化されより強い抗菌力を得られることを見出し、この知見により、本発明を完成させたものである。
また、本発明は、()、光触媒Tが付与された薄布体と、蛍光増白剤Kが付与された薄布体を有する衛生マスクAにおいて光触媒Tを活性化する方法であって、光触媒Tの処理により光触媒Tが付与された薄布体の内側に、蛍光増白剤Kの処理により蛍光増白剤Kが付与された薄布体を配置し、蛍光増白剤Kが付与された薄布体から光触媒Tが付与された薄布体に蛍光を発し、光触媒Tが付与された薄布体の光触媒Tを活性化することを特徴とする衛生マスクにおける光触媒Tを活性化する方法に存する。
なお、本発明の目的に沿ったものであれば上記(1)~(7)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
1)本発明の衛生マスクAは、複数の薄布体からなるマスク本体1と耳掛け部2で構成される衛生マスクAにおいて、該マスク本体1を構成する最外側の薄布体に光触媒Tの処理がされ且つ該最外側の薄布体より内側の薄布体には蛍光増白剤Kの処理がされていることにより、蛍光増白剤Kから発する光が光触媒Tを活性化し、強い抗菌作用や抗ウイルス作用が得られる。
2)光触媒Tの処理がされている薄布体が複数であることにより、より強い防菌作用や抗ウイルス作用が発揮できる。
3)蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体が複数であることにより、より強く光触媒が活化され、光触媒機能が高まる。
4)薄布体が4枚の薄布体であることにより、光触媒Tの処理や蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体の組み合わせの自由度が高まる。
すなわち、最内側の薄布体以外に処理可能な薄布体が3層存在するので、光触媒Tの処理をする部分や蛍光増白剤Kの処理をする部分の自由度が増える。
5)光触媒Tの処理が、酸化チタン微粒子を含む処理液又は酸化タングステン微粒子を含む処理液で処理するものであることにより、確実な強い防菌作用が得られる。
6)マスク本体1の最内側にある薄布体の両側の一部分を二重にして袋状に形成し、指を挿入可能にしたことにより、マスクとしての用途の他に、指を入れて摘み布としても使用することができる。
また、最内側に更に交換用の別体の薄布を添着することができる。
また、光触媒Tが付与された薄布体と、蛍光増白剤Kが付与された薄布体を有する衛生マスクAにおいて光触媒Tを活性化する方法であって、光触媒Tの処理により光触媒Tが付与された薄布体の内側に、蛍光増白剤Kの処理により蛍光増白剤Kが付与された薄布体を配置し、蛍光増白剤Kが付与された薄布体から光触媒Tが付与された薄布体に蛍光を発し、光触媒Tが付与された薄布体の光触媒Tを活性化するものなので、光触媒Tが付与された薄布体と、蛍光増白剤Kが付与された薄布体の配置を特定することにより、蛍光増白剤Kから発する光により光触媒Tがより活性化されることとなる。
図1は、本発明の実施の形態の衛生マスクを示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態の衛生マスク本体の展開図を示す。 図3は薄布体の光触媒の活性化方法を原理的に示す説明図である。 図4(A)~図4(H)は、処理の組み合わせの例を示す説明図である。 図5は、第2の実施の形態の衛生マスクを示す概略図である。 図6は、衛生マスクに独立したガーゼを添着した状態を示す概略図である。 図7は、衛生マスクにおける立体形状の一概略図を示す。
本発明の衛生マスクAは、MRSA,レジオネラ菌、大腸菌Oー157、コロナウイルス等の空中浮遊害菌に対して抗菌作用や抗ウイルス作用を発揮するものである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の衛生マスクAを示す概略図である。
また、図2は、本発明の実施の形態の衛生マスク本体1の展開図を示す。
本発明の衛生マスクAは複数の薄布体からなるマスク本体1と耳掛け部l2で構成されるものであり、この図2では独立した薄布体が4枚のものを示している。
薄布体は、重なった状態で周囲が縫合され一体化されており、両端部には、耳部に掛けるための耳掛け部2が取り付けられている。
図1では、耳掛け部2は、マスク本体1の両側に袋部(すなわち耳掛け部2を挿通する2重部分)を形成し、そこに紐状のものを挿入して移動可能に取り付けたものを示したが、紐状のものを直接マスク本体1に縫合してもよい。
また、耳掛け部2は、マスク本体1の一部を利用して形成することも、当然、採用可能である。
本発明でいう薄布体とは、厚みの薄い布状のものをいい、その薄布体の形態としては、例えば、織地、編地、不織布等の形態が採用され、また薄布体の材質としては、天然繊維、再生繊維、合成繊維等の材質が採用される。
(光触媒Tの処理)
ここで、図に示すような衛生マスクAにおいて、最も外側に位置する薄布体を第1薄布体1Aとし、該第1薄布体の内側に位置する薄布体を第2薄布体1Bといい、該第2薄布体の内側に位置する薄布体を第3薄布体1Cといい、該第3薄布体の内側に位置する薄布体、すなわち最も内側に位置する薄布体を第4薄布体1Dという。
衛生マスクAを着用した場合、第4薄布体、すなわち最も内側に位置する薄布体が、顔に直接接する部分であり、第1薄布体、すなわち最も外側に位置する薄布体が、外気に直接接する部分である。
この実施の形態においては、衛生マスクAのマスク本体1における最も外側に位置する薄布体に、光触媒Tの処理がなされ光触媒Tが付与されていることが特徴の一つである。
ここで光触媒Tとしては、酸化チタン粒子、酸化タングステン等が用いられる。
そのため、衛生マスクAは、MRSA,レジオネラ菌、大腸菌O-157、コロナウイルス等の菌やウイルス、いわゆる空中浮遊害菌やウイルスに対して、抗菌力や抗ウイルス力を発揮することができる。
この光触媒Tの処理(有機溶媒、水系溶媒)は可視光型光触の処理液に薄布体を浸漬し、光触媒Tを薄布体に担持させるものである。
すなわち、光触媒Tの処理を行うことにより、光触媒Tが薄布体に付与されることとなる。
例えば、具体的には、容器に光触媒Tの処理液を入れ、そこに薄布体を浸漬して光触媒Tを付与することが容易に可能である。
処理液としては、例えば、光触媒Tである平均粒径が5nm~50nmの酸化チタン(例えば、テイカ社製「MT-05」)を濃度2重量%で常温水に分散させたものが採用される。
また、酸化タングステンであると、例えば、日本新金属株式会社製の三酸化タングステンを使った処理液が採用される。
この最も外側に位置する薄布体に光触媒Tの処理がされていることにより、光触媒Tが外部から照射される光(紫外線等)を受けて活性化し、防菌作用(アンモニア、NOx、Sox等の悪臭が物質の吸着、分解作用も含む)が発揮されることとなる。
最も外側に位置する薄布体に光触媒Tの処理がされており、最も内側に位置する薄布体には光触媒Tの処理がされていないので、衛生マスクAを掛けた際には、顔面にその光触媒Tの処理がされた薄布体が直接に当接することはない。
そのため光触媒Tと顔肌が直接的に接触することによる例えば肌荒れや肌アレルギーを防止できる。
ここで本発明の衛生マスクAにおいては、後述するように、光触媒Tの処理がされた薄布体は、1枚だけに限定されるものではない。
例えば、最も外側に位置する薄布体(第1薄布体1A)の内側に位置する薄布体(第2薄布体1B)にも行うことができる。
その場合、2枚の薄布体に光触媒Tの処理がされているので紫外線を受けてより多くの光触媒が活性化され強い防菌効果が発揮されることとなる。
光触媒Tの処理がされた薄布体の枚数が多ければそれだけ抗菌作用や抗ウイルス力が高まることとなる。
尚、衛生マスクAは、独立した複数(例えば4枚)の独立した薄布体よりなるので、個々の薄布体毎に、光触媒Tの処理を行うことが可能である。
(蛍光増白剤)
本発明の衛生マスクAは、マスク本体1に、上述した光触媒Tの処理がされた薄布体と蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体との両方を備えていることが特徴の一つである。
そして、原則的には、蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体は、前述したような光触媒Tの処理を行った薄布体の内側に位置するようにセットされる。
この場合、光を受けた蛍光増白剤Kは、紫外線を吸収して可視光(いわゆる蛍光発光)を発するが、その光は内側から、それより外側にある薄布体を照射する。
そのため光触媒Tの処理を行った外側にある薄布体としては、内側からと外側からの両側から光を受けることになる。
図3は薄布体の光触媒Tの活性化方法を原理的に示す説明図である。
光触媒Tの処理により光触媒Tが付与された薄布体は、外側からの光L1を受ける。
更に加えて、蛍光増白剤Kの処理により蛍光増白剤Kが付与された薄布体によって内側からの(すなわち顔面側からの)光L2を受ける。
その結果、両側からの光により、光触媒Tが活性化され、より強い防菌効果等が発揮されるのである。
ここで、通常、屋外においては、光L1は太陽等の自然光であり、光L2は蛍光増白剤Kが付与された薄布体から発する蛍光である。
このようなことから理解されるように、本発明の衛生マスクAにおいては、蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体は、光触媒Tの処理がされた薄布体よりは内側に位置するものがあることが効果を発揮するための必須条件といえる。
具体的に衛生マスクAにおける光触媒Tを活性化する方法を述べる。
〔処理〕
まず、光触媒Tの処理により、薄布体に光触媒Tを付与する。
また、蛍光増白剤Kの処理により、薄布体に蛍光増白剤Kを付与する。
〔特定の配置〕
そして光触媒Tが付与された薄布体の内側に、蛍光増白剤Kが付与された薄布体を配置する。
〔光による活性化〕
衛生マスクAが光(例えば、太陽等の自然光等)を受けると、その紫外線を吸収して外線内側の薄布体の蛍光増白剤Kが外方に蛍光を発する。
その光を受けて外側の薄布体の光触媒Tがより活性化される。
以上のように、光触媒Tと蛍光増白剤Kの処理がそれぞれ薄布体に対して行われ、それらの薄布体が特定した配置にされる。
これにより、その配置状態において光触媒Tが付与された薄布体の光触媒Tが活性化される。
ここで蛍光増白剤Kとしては、スチルベン系、クマリン系、オキサゾール系、ナフタルイミド系等があり、対象となる薄布体の材質に適したものが選ばれる。
例えば、薄布体が綿繊維よりなる場合は、スチルベン系の蛍光増白剤Kが好ましく採用される。
この蛍光増白剤Kの処理は、蛍光増白剤K、例えば、(日本化薬株式会社製、「Kayaphor」)、或いは(日曹商事株式会社製、「Kycoll」)の入った容器に薄布体を浸漬することにより行われる。
ここで本発明における蛍光増白剤Kの付与は、その本来の機能を発揮すべく白くする目的ではなく、飽くまでも、光触媒Tを活性化させるためのものである。
よって、蛍光増白剤Kの付与量は、白くするための目的に比べて、より多い付与量を採用することが好ましい。
薄布体を白くするための場合、蛍光増白剤Kの量は、綿繊維においては、通常、0,1~1,0%o.w.fが採用されるが、本発明の場合、その目的から考えて、それ以上が好ましく採用される。
尚、マスク本体1は、独立した複数(例えば4枚)の独立した薄布体よりなるので、個々の薄布体毎に、蛍光増白剤Kの処理を行うことが可能である。
(光触媒Tの処理と蛍光増白剤Kの処理の組み合わせ)
本発明の衛生マスクAは、光触媒Tの処理と蛍光増白剤Kの処理の両方がなされているものであるが、次に、処理された薄布体の組み合わせについて述べる。
ここで、マスク本体1の薄布体が4枚である場合において、光触媒Tの処理或いは蛍光増白剤Kの処理がされた布帛(薄布体)の組み合わせの例について述べる。
薄布体が4枚である場合を考えると、各処理の仕方に下記のような組み合わせの自由度がある。
図4(A)~図4(H)は処理の組み合わせの例を示す説明図である。
図4(A)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体(第1薄布体1A)であり、それに隣接する内側の薄布体(第2薄布体1B)には蛍光増白剤Kの処理がされている。
そして更に内側の他の2枚の薄布体(第3薄布体1C、第4薄布体1D)1Aは光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされてない無処理の薄布体である。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は1枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体も1枚である。
図4(B)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体であり、それに隣接する内側の薄布体が蛍光増白剤Kの処理がされており、更にそれに隣接する内側の薄布体も蛍光増白剤Kの処理がされている。
そして残りの他の1枚の薄布体、すなわち最内の薄布体は、光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされてなく無処理のままである。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は1枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は2枚である。
図4(C)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体であり、それに隣接する内側の薄布体が蛍光増白剤Kの処理がされており、更にそれより内側の2枚の薄布体も蛍光増白剤Kの処理がされている。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は1枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は3枚である。
図4(D)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体と、それに隣接する内側の薄布体である。
そして、光触媒Tの処理がされた薄布体より内側の薄布体が、蛍光増白剤Kの処理がされており、残りの他の1枚の薄布体、すなわち最内の薄布体は、光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされてなく無処理のままである。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は2枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は1枚である。
図4(E)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体とそれに隣接する内側の薄布体である。
そして、光触媒Tの処理がされた薄布体に隣接する内側の薄布体と、更に隣接する内側の薄布体が蛍光増白剤Kの処理がされている。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は2枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体も2枚である。
図4(F)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体と、それに隣接する内側の薄布体と更にそれに隣接する内側の薄布体である。
そして、残りの他の1枚の薄布体、すなわち最内の薄布体は蛍光増白剤Kの処理がされている。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は3枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は1枚である。
図4(G)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体であり、それに隣接する内側の薄布体が蛍光増白剤Kの処理がされており、更にそれに隣接する内側の薄布体が光触媒Tの処理がされており、そして残りの他の1枚の薄布体、すなわち最内の薄布体は、光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされてなく無処理のままである。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は2枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は1枚である。
図4(H)は、光触媒Tの処理がされた薄布体が最外の薄布体であり、それに隣接する内側の薄布体が蛍光増白剤Kの処理がされており、更にそれに隣接する内側の薄布体が光触媒Tの処理がされている。
そして、残りの他の1枚の薄布体、すなわち最内の薄布体は蛍光増白剤Kの処理がされている。
従って、光触媒Tの処理がされた薄布体は2枚であり、蛍光増白剤Kの処理がされている薄布体は2枚である。
以上の通り、本発明においては、マスク本体1を4枚の薄布体よりなるものとした場合、これら4枚の薄布体を自由に選択して光触媒Tの処理がされた薄布体、蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体、及び光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされない薄布体をそれぞれ組み合わせている。
もっとも、光触媒Tの処理も蛍光増白剤Kの処理もされない薄布体は、必ずしも使用しなくてもよい。
そして、これらの組み合わせにおいては、光触媒Tの処理がされた薄布体の内側には、必ず、蛍光増白剤Kの処理がされた薄布体が配置されていることが原則である。
(有色の衛生マスク)
本発明の衛生マスクAは、白色以外の有色の衛生マスクAや白色の衛生マスクに適用される。
白色以外の有色の衛生マスクAは、通常、蛍光増白剤Kの処理が行われていないが、本発明の衛生マスクAにおいては、このような白色以外の有色の衛生マスクAにおいても、敢えて、この処理を行う必要がある。
(第2の実施の形態)
次に、上述した実施の形態とは、形状的に異なる衛生マスクAについて述べる。
すなわち、この第2の実施の形態の衛生マスクAは、第1の実施の形態の衛生マスクAに、指を入れる部分を設けたもので、手を汚さずに、他の部材、例えば、ドアノブ等を掴むことができる。
ここで、マスク本体1は、複数の薄布体について上述したような、光触媒Tの処理や蛍光増白剤Kの処理が行われたものを使用している。
図5は、第2の実施の形態の衛生マスクAを示す概略図である。
この衛生マスクAは、図に示すように衛生マスクAの最内側の薄布体において、内側の両側を一部分、二重にして袋状に形成している。
すなわち最内側の薄布体の左右に袋状の部分Pが形成されている。
そのため各袋状の部分には、親指と中指や人差し指を入れることで、衛生マスクAに掴み機能が発揮され、他の部材(例えばドアの取っ手等も)を手で直接触らずに掴むことができる。
この袋部を形成する薄布体は、肌に接する部分なので、光触媒Tの処理は行わない。
この実施の形態の衛生マスクAにおいては、袋状の部分を使って綿のガーゼのような別の独立した薄布体をマスク本体1に添着することもできる。
図6は、衛生マスクAに独立したガーゼを添着した状態を示す概略図である。
矩形状のガーゼG(香料等を含む)の一方の左部分を衛生マスクAの左の袋状の部分に挿入し、他方の右部分を衛生マスクAの右の袋状の部分に挿入する。
これで、ガーゼは、衛生マスクAの最内側に添った状態すなわち添着された状態に保持されることとなる。
直接、鼻に当接する部分であるので、肌触りがよく、またクッション性も発揮できることがメリットである。
このガーゼを新しいものと取り替えることで衛生マスクAを使用後の、唾液や臭いのする部分を取り除くことができる。
以上、本発明をその実施の形態を例に説明したが、本発明は要旨の変更のない限り、実施の形態のみに限定されるものではなく多様な変形例が可能である。
例えば、マスク本体1を構成する薄布体は、実施の形態では4枚のものとして説明したが、2枚以上であれば適用可能である。
その場合は、外側の光触媒Tの処理を行った薄布体の内側に位置する薄布体には、光触媒Tを活性化するために蛍光増白剤Kの処理を行ったものを用いることが当然必要である。
また、例えば、最外側の薄布体において、光触媒Tの処理と蛍光増白剤Kの処理の両方の処理を行ったものを採用することも可能ではある。
また、例えば、衛生マスクAの平面形状或いは立体形状は、本発明のものに限らず、種々の変形が可能である。
また、耳掛け部l2の取り付け態様も同様である。
図7に参考として、衛生マスクAにおける立体形状の一概略図を示す。
これは、中央部分が少し膨れており鼻の負担が軽減されている。
本発明の衛生マスクAは、複数の薄布体からなるマスク本体1と耳掛け部2で構成される衛生マスクAにおいて、該マスク本体1を構成する最外側の薄布体に光触媒Tの処理がなされ且つ該最外側の薄布体より内側の薄布体には蛍光増白剤Kの処理がなされていることにより、強い抗菌作用や抗ウイルス作用が得られる。
光触媒Tが効果的に活性化されMRSA,レジオネラ菌、大腸菌O-157、コロナウイルス等、いわゆる空中浮遊害菌やウイルスに対して抗菌力や抗ウイルス力を強く発揮することができる。
A・・・衛生マスク
G・・・ガーゼ
P・・・袋状の部分
T・・・光触媒
K・・・蛍光増白剤
L1・・・外側からの光
L2・・内側からの光
1・・・マスク本体
1A・・・第1薄布体(最外側の薄布体)
1B・・・第2薄布体
1C・・・第3薄布体
1D・・・第4薄布体(最外側の薄布体)
2・・・耳掛け部

Claims (1)

  1. 光触媒が付与された薄布体と、蛍光増白剤が付与された薄布体を有する衛生マスクにおいて光触媒を活性化する方法であって、
    光触媒の処理により光触媒が付与された薄布体の内側に、蛍光増白剤の処理により蛍光増白剤が付与された薄布体を配置し、
    蛍光増白剤が付与された薄布体から光触媒が付与された薄布体に蛍光を発し、光触媒が付与された薄布体の光触媒を活性化することを特徴とする衛生マスクにおける光触媒を活性化する方法。
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