JP7434669B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関するものである。
プラズマ処理装置が、基板に対するプラズマ処理において用いられている。プラズマ処理装置では、チャンバ内で生成されたプラズマからイオンを基板に引き込むために、高周波バイアス電力が用いられる。下記の特許文献1は、高周波バイアス電力のパワーレベル及び周波数を変調するプラズマ処理装置を開示している。
特開2009-246091号公報
本開示は、プラズマの生成のために用いられる高周波電力の反射を抑制する技術を提供する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持部、高周波電源、及びバイアス電源を備える。基板支持部は、チャンバ内に設けられている。高周波電源は、チャンバ内でガスからプラズマを生成するために高周波電力を供給するように構成されている。バイアス電源は、基板支持部上の基板にイオンを引き込むために、基板支持部に電気バイアスエネルギーを供給するように構成されている。電気バイアスエネルギーはバイアス周波数の逆数の時間長を有するバイアス周期で繰り返す波形を有する。高周波電源は、高周波電力が供給され且つ電気バイアスエネルギーが基板支持部に供給されている期間において、(a)、(b)、及び(c)を行う。(a)は、バイアス周期内の高周波電力の周波数の時系列として、予め定められた周波数の時系列である基本時系列を用いることを含む。(b)は、(a)の後に行われる。(b)は、バイアス周期において高周波電力の周波数として変更された時系列を用いることを含む。(c)は、高周波電源とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、(b)を繰り返すことを含む。高周波電源は、(b)において用いる時系列として、時系列(TS1)、時系列(TS2)、又は時系列(TS3)を用いる。時系列(TS1)は、バイアス周期に対する位相シフト量を基本時系列に与えることにより得られる周波数の時系列である。時系列(TS2)は、基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小させた周波数の時系列である。時系列(TS3)は、基本時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向に拡大又は縮小することにより得られる周波数の時系列である。
一つの例示的実施形態によれば、プラズマの生成のために用いられる高周波電力の反射を抑制することが可能となる。
一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の流れ図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第1の例の流れ図である。 図4に示す工程ST3の第1の例を説明するための図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第2の例の流れ図である。 図6に示す工程ST3の第2の例を説明するための図である。 図6に示す工程ST3の第2の例を説明するための図である。 図6に示す工程ST3の第2の例を説明するための図である。 図6に示す工程ST3の第2の例を説明するための図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第3の例の流れ図である。 図11に示す工程ST3の第3の例を説明するための図である。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置における周波数設定期間に関連する一例のタイミングチャートである。 一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置における周波数設定期間に関連する一例のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1及び図2は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも一つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも一つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも一つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aを含んでもよい。コンピュータ2aは、例えば、処理部(CPU:Central Processing Unit)2a1、記憶部2a2、及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。処理部2a1は、記憶部2a2に格納されたプログラムに基づいて種々の制御動作を行うように構成され得る。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合プラズマ処理装置の構成例について説明する。容量結合プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。側壁10aは接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板(ウェハ)Wを支持するための中央領域(基板支持面)111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域(リング支持面)111bとを有する。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。一実施形態において、本体部111は、基台111e及び静電チャック111cを含む。基台111eは、導電性部材を含む。基台111eの導電性部材は下部電極として機能する。静電チャック111cは、基台111eの上に配置される。静電チャック111cの上面は、基板支持面111aを有する。リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。1又は複数の環状部材のうち少なくとも一つはエッジリングである。また、図示は省略するが、基板支持部11は、静電チャック111c、リングアセンブリ112、及び基板Wのうち少なくとも一つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路には、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と基板支持面111aとの間に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも一つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも一つのガス供給口13a、少なくとも一つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、導電性部材を含む。シャワーヘッド13の導電性部材は上部電極として機能する。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、一つ以上のガスソース21及び少なくとも一つ以上の流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、一つ以上の処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、一つ以上の処理ガスの流量を変調又はパルス化する一つ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
プラズマ処理装置1は、高周波電源31及びバイアス電源32を備えている。プラズマ処理装置1は、制御部30cを更に備えていてもよい。
高周波電源31は、チャンバ10内でプラズマを生成するために高周波電力RFを発生するように構成されている。高周波電力RFは、例えば、13MHz以上、150MHz以下の周波数を有する。一実施形態において、高周波電源31は、高周波信号発生器31g及び増幅器31aを含んでいてもよい。高周波信号発生器31gは、高周波信号を発生する。増幅器31aは、高周波信号発生器31gから入力される高周波信号を増幅することにより高周波電力RFを生成して、高周波電力RFを出力する。
一実施形態において、高周波電源31は、整合器31mを介して基台111eに接続されている。整合器31mは、整合回路を含んでいる。整合器31mの整合回路は、可変インピーダンスを有する。整合器31mの整合回路は、制御部30cによって制御される。整合器31mの整合回路のインピーダンスは、高周波電源31の負荷側のインピーダンスを高周波電源31の出力インピーダンスに整合させるように調整される。なお、高周波電源31は、基板支持部11の中に設けられた他の電極に電気的に接続されていてもよい。或いは、高周波電源31は、整合器31mを介して上部電極に接続されていてもよい。
バイアス電源32は、基板支持部11上に載置された基板Wにイオンを引き込むために、電気バイアスエネルギーBEを基板支持部11に供給するように構成されている。バイアス電源32は、基板支持部11内のバイアス電極に接続されている。バイアス電極は、基台111eであってもよい。バイアス電極は、基台111eとは別の、基板支持部11の中に設けられた他の電極であってもよい。バイアス電源32と高周波電源31は、基板支持部11内の同一の電極に電気的に接続されていてもよく、基板支持部11内の異なる電極に電気的にそれぞれ接続されていてもよい。
電気バイアスエネルギーBEは、バイアス周波数の逆数の時間長を有する周期CY(波形周期)で繰り返す波形を有する。バイアス周波数は、例えば100kHz以上、13.56MHz以下の周波数である。
一実施形態において、電気バイアスエネルギーBEは、例えば図5に示すように、バイアス周波数を有する高周波電力、即ち高周波バイアス電力であってもよい。高周波バイアス電力は、周期CY、即ちバイアス周期において正弦波状の波形を有する。周期CYは、バイアス周波数の逆数の時間長を有する。電気バイアスエネルギーBEが高周波バイアス電力である場合には、バイアス電源32は、整合器32mを介してバイアス電極に接続される。整合器32mは、整合回路を含んでいる。整合器32mの整合回路は、可変インピーダンスを有する。整合器32mの整合回路は、制御部30cによって制御される。整合器32mの整合回路のインピーダンスは、バイアス電源32の負荷側のインピーダンスをバイアス電源32の出力インピーダンスに整合させるように調整される。
別の実施形態において、電気バイアスエネルギーBEは、バイアス周波数の逆数である時間長を有する時間間隔(即ち、周期CY)で周期的に発生される電圧のパルスであってもよい。電気バイアスエネルギーBEとして用いられる電圧のパルスは、負の電圧のパルス又は負の直流電圧のパルスであってもよい。電圧のパルスは、三角波、矩形波といった任意の波形を有していてもよい。電気バイアスエネルギーBEとして電圧のパルスが用いられる場合には、整合器32mの代わりに、高周波電力RFを遮断するフィルタが、バイアス電源32とバイアス電極との間で接続されていてもよい。
プラズマ処理装置1では、周期CYは、複数の位相期間SPに分割されている。プラズマ処理装置1では、高周波電力RFが供給され、電気バイアスエネルギーBEが基板支持部11に供給されている期間において、周期CYの中の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数fRFが調整される。このために、高周波電源31とバイアス電源32は、互いに同期される。このために用いられる同期信号は、バイアス電源32から高周波電源31に与えられてもよい。或いは、同期信号は、高周波電源31又は高周波信号発生器31gからバイアス電源32に与えられてもよい。
制御部30cは、高周波電源31を制御するように構成されている。制御部30cは、CPUといったプロセッサから構成され得る。制御部30cは、整合器31mの一部であってもよく、高周波電源31の一部であってもよい。制御部30cは、整合器31m及び高周波電源31から分離されていてもよい。或いは、制御部2が、制御部30cを兼ねていてもよい。
以下、高周波電源31による周期CY内での高周波電力RFの周波数の調整について説明する。また、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法についても説明する。なお、以下に説明する高周波電力RFの周波数の調整は、制御部30cによる高周波電源31の制御により行われ得る。
図3は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の流れ図である。図3に示すプラズマ処理方法(以下、「方法MT」という)は、工程ST1~工程ST3を含む。工程ST1~工程ST3は、制御部2によるプラズマ処理装置1の各部に対する制御により行われ得る。方法MTでは、工程ST1~工程ST3が行われている間、ガスが、ガス供給部20からチャンバ10内に供給され、チャンバ内の圧力が指定された圧力に排気システム40により調整される。
工程ST1において、チャンバ10内でガスからプラズマを生成するために、高周波電力RFが高周波電源31から供給される。工程ST2は、工程ST1と並行して行われる。工程ST2では、基板支持部11上の基板にイオンを引き込むために、電気バイアスエネルギーBEが、基板支持部11に供給される。一実施形態では、電気バイアスエネルギーBEは、基台111eに供給される。工程ST3は、高周波電力RFが供給され且つ電気バイアスエネルギーBEが基板支持部11に供給されている期間、即ち、工程ST1及び工程ST2が行われている期間において、行われる。工程ST3では、周期CY内の高周波電力RFの周波数fRFが調整される。
工程ST3は、工程STa~工程STcを含む。工程STaでは、予め定められた周波数の時系列である基本時系列TSが、周期CY内の高周波電力RFの周波数fRFの時系列として用いられる。即ち、周波数fRFの時系列は、高周波電力RFの複数の周波数を含んでおり、当該複数の周波数は、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数として用いられる。高周波電源31が用いる周波数fRFの時系列は、制御部30cから指定され得る。基本時系列TSは、方法MTの工程ST1の実行前の周波数設定期間Pfsetにおいて予め準備される。周波数設定期間Pfsetにおける基本時系列TSの準備については、後述する。
次いで、工程STbが行われる。工程STbでは、周期CYにおける高周波電力RFの周波数fRFとして、変更された時系列TSが用いられる。時系列TSに含まれる複数の周波数は、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数として用いられる。工程STbにおいて用いられる時系列TSは、制御部30cから指定され得る。工程STcでは、高周波電源31とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、当該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、工程STbが繰り返される。
工程STbでは、時系列TSとして、時系列TS1、時系列TS2、又は時系列TS3が用いられる。時系列TS1は、周期CYに対する位相シフト量を基本時系列TSに与えることにより得られる周波数の時系列である。時系列TS2は、基本時系列TSを周波数方向にスケーリング(即ち、拡大又は縮小)させた周波数の時系列である。時系列TS3は、基本時系列TSと同じ個数の周波数を含む周波数の時系列である。時系列TS3は、基本時系列TSの複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向にスケーリング(拡大又は縮小)することにより得られる周波数の時系列である。
評価値は、センサ30sによって取得される測定値から制御部30cによって決定される。評価値は、工程STbにおいて各時系列が用いられている評価期間における整合状態を反映する単一の代表値であり得る。評価期間は、周期CYの時間長以上の時間長を有し得る。評価値は、評価期間における測定値又は当該測定値から得られる値の積分値、平均値、又はピーク値であってもよい。
センサ30sは、高周波電力RFの反射波のパワーレベルを測定するように構成された方向性結合器であってもよい。この場合において、測定値は、高周波電力RFの反射波のパワーレベルであり、評価値は、評価期間における反射波のパワーレベル又は高周波電源31の高周波電力RFの出力パワーレベルに対する反射波のパワーレベルの比の値を表す代表値である。評価値は、評価期間における反射波のパワーレベル又は高周波電源31の高周波電力RFの出力パワーレベルに対する反射波のパワーレベルの比の値の積分値、平均値、又はピーク値であってもよい。この場合において、センサ30sは、高周波電源31とその負荷との間に接続される。センサ30sは、高周波電源31と整合器31mとの間に接続されていてもよい。
或いは、センサ30sは、電圧電流センサであってもよい。センサ30sは、チャンバ10に対する高周波電力RFの給電パスにおける電圧及び電流を測定するように構成されている。センサ30sは、高周波電源31とその負荷との間に接続されている。センサ30sは、高周波電源31と整合器31mとの間に接続されていてもよい。或いは、センサ30sは、整合器31mの一部であってもよい。この場合において、測定値は、電圧及び電流である。評価値は、評価期間における電圧と電流との間の位相差を表す代表値であってもよい。例えば、評価値は、評価期間における電圧と電流との間の位相差の積分値、平均値、又はピーク値であってもよい。或いは、評価値は、評価期間における電圧と電流から求められるインピーダンス又は当該インピーダンスの抵抗成分を表す代表値であってもよい。例えば、評価値は、評価期間における電圧と電流から求められるインピーダンス又は当該インピーダンスの抵抗成分の積分値、平均値、又はピーク値であってもよい。
以下、工程ST3の幾つかの例について説明する。
[第1の例]
以下、図4及び図5を参照して、工程ST3の第1の例について説明する。図4は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第1の例の流れ図である。図5は、図4に示す工程ST3の第1の例を説明するための図である。図5において横軸は時間を示しており、縦軸は電気バイアスエネルギーBEと高周波電力RFの周波数fRFを示している。図5には、電気バイアスエネルギーBEの周期CYにおける波形が示されている。また、図5には、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数fRFとして用いられる基本時系列TS及び変更された時系列TSが示されている。工程ST3の第1の例、即ち工程ST3Aでは、変更された時系列TSとして、上述した時系列TS1が用いられる。
工程ST3Aは、図4に示すように、工程STa11で開始する。工程STaに関して上述したように、工程STa11では、基本時系列TSが、周期CY内の高周波電力RFの周波数fRFの時系列として用いられる。
次いで、工程STa12が行われる。工程STa12では、評価値が取得される。評価値は、上述したようにセンサ30sによって取得される測定値から決定される。評価値は、制御部30cによって決定される。
次いで、工程STp11が行われる。工程STp11では、周期CYに対して基本時系列TSに位相シフト量を与えることにより得られる時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備されて、高周波電源31に指定される。
次いで、工程STb11が行われる。工程STb11では、工程STbに関して上述したように、周期CYにおける高周波電力RFの周波数fRFとして、準備された時系列TSが用いられる。そして、工程STc1において、位相シフト量を変更しつつ、工程STb11が繰り返される。
工程STc1においては、工程STb12が工程STb11の後に行われる。工程STb12では、工程STb11が行われている期間、即ち評価期間における評価値が取得される。評価値は、上述したようにセンサ30sによって取得される測定値から制御部30cによって決定される。
工程STc1においては、次いで、工程STJ11が行われる。工程STJ11では、終了条件が満たされるか否か判定される。工程STJ11の判定は、制御部30cによって行われる。工程STJ11において、終了条件は、制御部2からプラズマ処理の終了が指示されているときに満たされる。
工程STJ11において終了条件が満たされないと判定された場合には、工程STJ12が行われる。工程STJ12では、工程STb12で取得された評価値が指定値以下であるか否かが判定される。工程STJ12の判定は、制御部30cによって行われる。評価値が指定値以下であることは、整合状態が良好であることを示す。工程STJ12において評価値が指定値以下であると判定された場合には、工程STb11からの処理が繰り返される。一方、工程STJ12において評価値が指定値よりも大きいと判定されると、工程STJ13が行われる。
工程STJ13では、工程STb12で取得された評価値とその直前に取得された評価値とが互いに比較されて、整合状態が改善しているか否かが判定される。工程STJ13の判定は、制御部30cによって行われる。工程STJ13において整合状態が改善しているものと判定された場合には、工程STc11が行われる。一方、工程STJ13において整合状態が改善していないものと判定された場合には、工程STc12が行われる。
工程STc11では、直前に用いられた位相シフト量と同一方向に位相シフト量が変更される。直前に用いられた位相シフト量がその前に用いられた位相シフト量に対して増加している場合には、工程STc11では、図5において右向きの矢印で示すように、位相シフト量が増加される。直前に用いられた位相シフト量がその前に用いられた位相シフト量に対して減少している場合には、工程STc11では、位相シフト量が減少される。そして、変更された位相シフト量を基本時系列TSに与えることにより得られる時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備され、高周波電源31に指定される。そして、工程STb11が再び行われる。
工程STc12では、直前に用いられた位相シフト量と逆方向に位相シフト量が変更される。直前に用いられた位相シフト量がその前に用いられた位相シフト量に対して増加している場合には、工程STc12では、図5において左向きの矢印で示すように、位相シフト量が減少される。直前に用いられた位相シフト量がその前に用いられた位相シフト量に対して減少している場合には、工程STc12では、位相シフト量が増加される。そして、変更された位相シフト量を基本時系列TSに与えることにより得られる時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備され、高周波電源31に指定される。そして、工程STb11が再び行われる。
工程STb11が繰り返されて、工程STJ11において終了条件が満たされているものと判定されると、工程ST3Aは終了する。
[第2の例]
以下、図6~図10を参照して、工程ST3の第2の例について説明する。図6は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第2の例の流れ図である。図7~図10の各々は、図6に示す工程ST3の第2の例を説明するための図である。図7~図10の各々において横軸は時間を示しており、縦軸は電気バイアスエネルギーBEと高周波電力RFの周波数fRFを示している。図7~図10の各々には、電気バイアスエネルギーBEの周期CYにおける波形が示されている。また、図7~図10の各々には、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数fRFとして用いられる基本時系列TS及び変更された時系列TSが示されている。工程ST3の第2の例、即ち工程ST3Bでは、変更された時系列TSとして、上述した時系列TS2が用いられる。
図6に示すように、工程ST3Bは、工程ST3Aと同様に、工程STa11で開始する。次いで、工程ST3Aと同様に、工程STa12が行われる。
次いで、工程STp21が行われる。工程STp21では、基本時系列TSを周波数方向にスケーリング、即ち拡大若しくは縮小させることにより得られる時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備され、高周波電源31に指定される。
工程STp21において準備される時系列TSは、図7に示すように、基本時系列TSにおける最低周波数fminを維持しつつ基本時系列TSを周波数方向にスケーリングすることにより得られる時系列であってもよい。以下の説明では、図7に示すように変更された時系列を時系列TS21という。工程STp21において準備される時系列TSは、図8に示すように、基本時系列TSにおける最高周波数fmaxを維持しつつ基本時系列TSを周波数方向にスケーリングすることにより得られる時系列であってもよい。以下の説明では、図8に示すように変更された時系列を時系列TS22という。工程STp21において準備される時系列TSは、図9に示すように、基本時系列TSにおいて指定周波数fsp以下の周波数を維持しつつ基本時系列TSを周波数方向にスケーリングすることにより得られる時系列であってもよい。以下の説明では、図9に示すように変更された時系列を時系列TS23という。工程STp21において準備される時系列TSは、図10に示すように、基本時系列TSにおいて指定周波数fsp以上の周波数を維持しつつ基本時系列TSを周波数方向にスケーリングすることにより得られる時系列であってもよい。以下の説明では、図10に示すように変更された時系列を時系列TS24という。
次いで、工程STb21が行われる。工程STb21では、工程STbに関して上述したように、周期CYにおける高周波電力RFの周波数fRFとして、準備された時系列TSが用いられる。そして、工程STc2において、工程STb21が繰り返される。高周波電源31は、工程STb21の繰り返しにおいて基本時系列TSに対する周波数方向へのスケーリングの倍率を変更する。
工程STb21の繰り返しにおいては、時系列TS21~TS24のうち何れか一つが用いられ、スケーリングの倍率が変更されてもよい。工程STb21の繰り返しにおいては、時系列TS21~TS24がスケーリングの倍率を変更しつつ順に用いられてもよい。
工程STc2においては、工程STb22が、工程STb21の後に行われる。工程STb22は、工程STb12と同じ工程である。
工程STc2においては、工程STJ21が工程STb22の後に行われる。工程STJ21では、スケーリングの終了条件が満たされるか否か判定される。工程STJ21の判定は、制御部30cによって行われる。工程STJ21において、スケーリングの終了条件は、工程STb21の繰り返しが所定回数行われている場合に満たされる。
工程STJ21において、スケーリングの終了条件が満たされないと判定されると、工程STc21が行われる。工程STc21では、基本時系列TSに対する周波数方向へのスケーリングの倍率が、図7~図10において矢印で示すように変更されることにより、時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備され、高周波電源31に指定される。一方、工程STJ21において、スケーリングの終了条件が満たされているものと判定されると、工程STd21が行われる。
工程STd21では、整合状態を最も改善する時系列TS(第1の時系列)が、得られている複数の評価値に基づいて選択される。高周波電源31は、選択された時系列TSに含まれる複数の周波数を、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数として用いる。この工程STd21の後、工程ST3Bは終了してもよい。或いは、工程STd21の後に、工程STe21が行われてもよい。工程STe21では、工程STd21で選択された時系列TSを基本時系列として用いて、工程ST3Aが行われる。
[第3の例]
以下、図11及び図12を参照して、工程ST3の第3の例について説明する。図11は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法の工程ST3の第3の例の流れ図である。図12は、図11に示す工程ST3の第3の例を説明するための図である。図12において横軸は時間を示しており、縦軸は電気バイアスエネルギーBEと高周波電力RFの周波数fRFを示している。図12には、電気バイアスエネルギーBEの周期CYにおける波形が示されている。また、図12には、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数fRFとして用いられる基本時系列TS及び変更された時系列TSが示されている。工程ST3の第3の例、即ち工程ST3Cでは、変更された時系列TSとして、上述した時系列TS3が用いられる。
工程ST3Cは、工程STp31で開始する。工程STp31では、基本時系列TSを用いて工程ST3Aが行われる。次いで、工程STp32が行われる。工程STp32では、工程STp31で用いた複数の時系列のうち整合状態を最も改善する時系列TS(第1の時系列)が、工程STp31で得られた複数の評価値に基づいて特定され、基本時系列として選択される。
次いで、工程STp33が行われる。工程STp33では、工程STp32で選択された基本時系列を用いて、工程ST3Bが行われる。次いで、工程STp34が行われる。工程STp34では、工程STp33で用いた複数の時系列のうち整合状態を最も改善する時系列TS(第2の時系列)が、工程STp33で得られた複数の評価値に基づいて特定され、基本時系列として選択される。
次いで、工程STp35が実行される。工程STp35では、工程STp34で選択された基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向にスケーリング(拡大又は縮小)して、基本時系列TSと同じ個数の周波数を含む変更された時系列TSが準備される。工程STp35において、時系列TSは制御部30cによって準備される。なお、工程STp31~工程STp34の代わりに工程STa11及び工程STa12が行われて、工程STp35において基本時系列TSが用いられてもよい。
複数の時間ゾーンは、図12に示すように、ゾーンZ1~Z6を含んでいてもよい。ゾーンZ1~Z6を決定するために、工程STp35で用いられる基本時系列の最低周波数fmin、最高周波数fmax、及び平均周波数faveが特定される。そして、基本時系列に含まれる最低周波数fminと最大周波数fmaxの差、即ち周波数幅が求められる。そして、最小周波数fminから最小周波数fminと周波数幅の10%との加算値までの範囲に対応する時間ゾーンが、ゾーンZ2として決定される。また、最大周波数fmaxから周波数幅の10%を減算した値から最大周波数fmaxまでの範囲に対応する時間ゾーンが、ゾーンZ5として決定される。また、周期CYの開始時点からゾーンZ2の開始時点までの時間ゾーンが、ゾーンZ1として決定される。また、ゾーンZ2の終了時点から平均周波数faveに対応する時点までの時間ゾーンが、ゾーンZ3として決定される。また、平均周波数faveに対応する時点からゾーンZ5の開始時点までの時間ゾーンが、ゾーンZ4として決定される。また、ゾーンZ5の終了時点から周期CYの終了時点までの時間ゾーンがゾーンZ6として決定される。
工程STp35においは、基本時系列のゾーンZ2が時間方向に拡大されてもよい。また、基本時系列TSと同じ個数の周波数を含む変更された時系列TSを生成するために、基本時系列のゾーンZ1とゾーンZ3が時間方向に縮小されてもよい。
次いで、工程STb31が行われる。工程STb31では、工程STbに関して上述したように、周期CYにおける高周波電力RFの周波数fRFとして、準備された時系列TSが用いられる。そして、工程STc3において、工程STb31が繰り返される。高周波電源31は、工程STb31の繰り返しにおいて基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上の時間方向へのスケーリングの倍率を変更する。
工程STc3においては、工程STb32が、工程STb31の後に行われる。工程STb32は、工程STb12と同じ工程である。次いで、工程STJ31が行われる。工程STJ31では、スケーリングの終了条件が満たされるか否かが判定される。工程STJ31において、スケーリングの終了条件は、工程STb31の繰り返しが所定回数行われている場合に満たされる。
工程STJ31において、スケーリングの終了条件が満たされないと判定されると、工程STc31が行われる。工程STc31では、基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上の時間方向へのスケーリングの倍率が変更される。工程STc31により、時系列TSが準備される。時系列TSは、制御部30cによって準備され、高周波電源31に指定される。一方、工程STJ31において、スケーリングの終了条件が満たされているものと判定されると、後述する工程STd31が行われる。
工程STb31の繰り返しにおいては、工程STp35と同様に、基本時系列のゾーンZ2を時間方向に拡大し、基本時系列のゾーンZ1とゾーンZ3を時間方向に縮小することが、ゾーンZ2の時間方向へのスケーリングの倍率を変更しつつ行われてもよい。この処理は、工程STb32において取得される評価値から整合状態が改善しなくなっているものと判断されるまで行われる。
次いで、工程STb31の繰り返しにおいては、基本時系列のゾーンZ5を時間方向に拡大し、基本時系列のゾーンZ4とゾーンZ6を時間方向に縮小することが、ゾーンZ5の時間方向へのスケーリングの倍率を変更しつつ行われてもよい。この処理は、工程STb32において取得される評価値から整合状態が改善しなくなっているものと判断されるまで行われる。
工程STd31では、工程STc3において得られた複数の評価値から整合状態を最も改善する時系列TSが特定されて、第3の時系列として選択される。工程STd31における、第3の時系列の選択は、制御部30cによって行われる。そして、高周波電源31は、選択された時系列(第3の時系列)に含まれる複数の周波数を、周期CY内の複数の位相期間SPのそれぞれの高周波電力RFの周波数として用いる。なお、第3の時系列を基本時系列として用いて、工程STp31からの処理が繰り返されてもよい。
以上説明したように、プラズマ処理装置1では、周期CYにおける高周波電力RFの周波数fRFの時系列が、評価値に基づき整合状態を改善させるように、工程STbの繰り返しにおいて時系列TS1、時系列TS2、又は時系列TS3に変更される。これらの時系列は、基本時系列TSから簡単に得られる。したがって、プラズマの生成のために用いられる高周波電力RFの反射を簡単に抑制することが可能となる。
以下、周波数設定期間Pfsetにおいて事前に行われる基本時系列TSの準備に関する幾つかの実施形態について説明する。なお、基本時系列TSの準備は、基準のプラズマ処理装置を用いて準備される。基準のプラズマ処理装置は、プラズマ処理装置1と略同一の構成を有するが、基準のプラズマ処理装置における制御部30cは、周期CY内の複数の位相期間SPごとに、整合状態を検出し、高周波電力RFの周波数を決定することが可能な処理能力を有する。基準のプラズマ処理装置において行われる基本時系列TSの準備に関する以下の説明においては、基準のプラズマ処理装置の各部の参照符号として、プラズマ処理装置1の対応の部分と同じ参照符号を用いる。
[周波数fRFの決定の第1の実施形態]
図13は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置における周波数設定期間に関連する一例のタイミングチャートである。図13に示すように、第1の実施形態において、周波数設定期間Pfsetは、複数の周期CY(M個の周期CY(1)~CY(M))を含む。複数の周期CYの各々は、N個の位相期間SP(1)~SP(N)を含む。即ち、複数の周期CYの各々は、N個の位相期間SP(1)~SP(N)に分割されている。Nは、2以上の整数である。複数の周期CYの各々において、複数の位相期間SPは、互いに同じ時間長を有していてもよく、互いに異なる時間長を有していてもよい。なお、以下の説明においては、位相期間SP(n)は、位相期間SP(1)~SP(N)のうち、n番目の位相期間を表す。また、位相期間SP(m,n)は、複数の周期CYのうちm番目の周期CY(m)におけるn番目の位相期間を表す。
制御部30cは、複数の周期CYの同一の位相期間SP(n)において用いる高周波電力RFの周波数を互いに異なる複数の周波数にそれぞれ設定するよう、高周波電源31を制御する。制御部30cは、複数の周波数のうち、複数の位相期間SPの各々において高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrを最小化する適正周波数を選択することにより、複数の位相期間SPそれぞれのための高周波電力の複数の適正周波数を決定する。
図13に示す例では、周期CY(1)~CY(M)の各々における高周波電力RFの周波数は、一定の周波数に設定され、周期CY(1)~CY(M)のうち他の周期における高周波電力RFの周波数とは異なる周波数に設定される。そして、周期CY(1)~CY(M)それぞれの位相期間SP(1)~SP(N)の高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrが取得される。そして、取得された反射波のパワーレベルPrから、位相期間SP(1)~SP(N)のそれぞれにおける反射波のパワーレベルPrを最小化する位相期間SP(1)~SP(N)それぞれのための高周波電力RFの適正周波数が、選択される。位相期間SP(1)~SP(N)それぞれのための高周波電力RFの適正周波数は、基本時系列TSを構成する。基準のプラズマ処理装置において準備された基本時系列TSは、プラズマ処理装置1の制御部30cに事前に与えられる。
[周波数fRFの決定の第2の実施形態]
図14は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置における周波数設定期間に関連する一例のタイミングチャートである。図14に示すように、第2の実施形態において、周波数設定期間Pfsetは、複数の周期CY(M個の周期CY(1)~CY(M))を含む。
制御部30cは、周期CY(m)内の位相期間SP(n)、即ち位相期間SP(m,n)における高周波電力RFの周波数を、高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrの変化に応じて、調整するように構成されている。反射波のパワーレベルPrの変化は、周期CY(m)の前の二つ以上の周期CYそれぞれにおける対応の位相期間SP(n)において互いに異なる高周波電力RFの周波数を用いることにより特定される。
一実施形態において、周期CY(m)の前の二つ以上の周期CYは、第1の周期及び第2の周期を含む。図14の例において、第1の周期は、周期CY(m-Q(2))であり、第2の周期は、第1の周期の後の周期であり、周期CY(m-Q(1))である。Q(1)は1以上の整数であり、Q(2)は2以上の整数であり、Q(1)<Q(2)が満たされる。
制御部30cは、位相期間SP(m-Q(1),n)における高周波電力RFの周波数f(m-Q(1),n)に、位相期間SP(m-Q(2),n)における高周波電力RFの周波数からの一方の周波数シフトを与える。ここで、f(m,n)は、位相期間SP(m,n)で用いられる高周波電力RFの周波数を表す。f(m,n)は、f(m,n)=f(m-Q(1),n)+Δ(m,n)で表される。Δ(m,n)は、周波数シフトの量を表す。一方の周波数シフトは、周波数の減少及び周波数の増加のうち一方である。一方の周波数シフトが周波数の減少であれば、Δ(m,n)は負の値を有する。一方の周波数シフトが周波数の増加であれば、Δ(m,n)は正の値を有する。
なお、図14において、周期CY(m-Q(2))における複数の位相期間SPのそれぞれにおける高周波電力RFの周波数は、互いに同一であり、fであるが、互いに異なっていてもよい。また、図14において、周期CY(m-Q(1))における複数の位相期間SPのそれぞれにおける高周波電力RFの周波数は、互いに同一であり、周波数fから減少された周波数に設定されているが、周波数fから増加されてもよい。
一方の周波数シフトによりパワーレベルPr(m-Q(1),n)がパワーレベルPr(m-2Q,n)から減少した場合には、制御部30cは、周波数f(m,n)を、周波数f(m-Q,n)に対して一方の周波数シフトを有する周波数に設定する。なお、Pr(m,n)は、位相期間SP(m,n)における高周波電力RFの反射波のパワーレベルPrを表している。
位相期間SP(m,n)における一方の周波数シフトの量Δ(m,n)は、位相期間SP(m-Q(1),n)における一方の周波数シフトの量Δ(m-Q(1),n)と同一であってもよい。即ち、周波数シフトの量Δ(m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(m-Q(1),n)と同一であってもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(m,n)の絶対値は、周波数シフトの量Δ(m-Q(1),n)よりも大きくてもよい。或いは、周波数シフトの量Δ(m,n)の絶対値は、位相期間SP(m-Q(1),n)における反射波のパワーレベルPr(m-Q(1),n)が大きいほど大きくなるように、設定されてもよい。例えば、周波数シフトの量Δ(m,n)の絶対値は、反射波のパワーレベルPr(m-Q(1),n)の関数により決定されてもよい。
一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(m-Q(1),n)が反射波のパワーレベルPr(m-Q(2),n)から増加する場合が生じ得る。この場合には、制御部30cは、周波数f(m,n)を、周波数f(m-Q(1),n)に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。なお、周期CY(m)の前の二つ以上の周期の各々の位相期間SP(n)の高周波電力RFの周波数が、その前の周期の位相期間SP(n)の高周波電力RFの周波数に対して一方の周波数シフトを有するように更新されてもよい。この場合において、当該二つ以上の周期の位相期間SP(n)それぞれの反射波のパワーレベルPr又はそれらの平均値が増加傾向にある場合には、他方の周波数シフトが、周期CY(m)の位相期間SP(n)の高周波電力RFの周波数に与えられてもよい。例えば、周期CY(m)の位相期間SP(n)の高周波電力RFの周波数は、当該二つ以上の周期のうち最も早い周期の高周波電力の周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定されてもよい。
一方の周波数シフトにより反射波のパワーレベルPr(m,n)が反射波のパワーレベルPr(m-Q(1),n)から増加した場合には、制御部30cは、周期CY(m+Q(1))内の位相期間SP(n)における高周波電力RFの周波数を中間の周波数に設定してもよい。周期CY(m+Q(1))は、周期CY(m)の後の第3の周期である。位相期間SP(m+Q(1),n)において設定され得る中間の周波数は、f(m-Q(1),n)とf(m,n)との間の周波数であり、f(m-Q(1),n)とf(m,n)の平均値であってもよい。
位相期間SP(m+Q(1),n)において中間の周波数を用いた場合のパワーレベルPrが所定の閾値よりも大きくなる場合が生じ得る。この場合に、制御部30cは、周期CY(m+Q(2))内の位相期間SP(n)における高周波電力RFの周波数を、中間の周波数に対して他方の周波数シフトを有する周波数に設定してもよい。周期CY(m+Q(2))は、周期CY(m+Q(2))の後の第4の周期である。閾値は、予め定められている。他方の周波数シフトの量Δ(m+Q(2),n)の絶対値は、一方の周波数シフトの量Δ(m,n)の絶対値よりも大きい。この場合には、反射波のパワーレベルPrをローカルな極小値から減少させることができなくなることを回避することが可能となる。なお、複数の周期CYの各々における複数の位相期間SPのそれぞれのための閾値は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
第2の実施形態においては、周波数設定期間Pfset内の周期CY(M)の位相期間SP(1)~SP(N)それぞれのために設定された高周波電力RFの周波数が、適正周波数として決定される。位相期間SP(1)~SP(N)それぞれのための高周波電力RFの適正周波数は、基本時系列TSを構成する。基準のプラズマ処理装置において準備された基本時系列TSは、プラズマ処理装置1の制御部30cに事前に与えられる。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
別の実施形態においては、プラズマ処理装置は、誘導結合型のプラズマ処理装置、ECRプラズマ処理装置、ヘリコン波励起プラズマ処理装置、又は表面波プラズマ処理装置であってもよい。何れのプラズマ処理装置においても、高周波電力RFは、プラズマの生成のために用いられる。
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E10]に記載する。
[E1]
チャンバと、
前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
前記チャンバ内でガスからプラズマを生成するために高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
前記基板支持部上の基板にイオンを引き込むために前記基板支持部に電気バイアスエネルギーを供給するように構成されたバイアス電源であり、該電気バイアスエネルギーはバイアス周波数の逆数の時間長を有する周期で繰り返す波形を有する、該バイアス電源と、
を備え、
前記高周波電源は、前記高周波電力が供給され且つ前記電気バイアスエネルギーが前記基板支持部に供給されている期間において、
(a)前記周期内の前記高周波電力の周波数の時系列として予め定められた周波数の時系列である基本時系列を用いること、
(b)次いで、前記周期において前記高周波電力の周波数の変更された時系列を用いること、及び、
(c)前記高周波電源とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、前記(b)を繰り返すこと、
を行い、
前記高周波電源は、前記(b)において用いる前記時系列として、
前記周期に対する位相シフト量を前記基本時系列に与えることにより得られる周波数の時系列(TS1)、
前記基本時系列を周波数方向に拡大若しくは縮小させた周波数の時系列(TS2)、又は、
前記基本時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列(TS3)であって、前記基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向に拡大若しくは縮小することにより得られる該周波数の時系列(TS3)、
を用いる、
プラズマ処理装置。
[E1]の実施形態においては、バイアス周期における高周波電力の周波数の時系列が、評価値に基づき整合状態を改善させるように、(b)の繰り返しにおいて時系列(TS1)、時系列(TS2)、又は時系列(TS3)に変更される。これらの時系列は、基本時系列から簡単に得られる。したがって、上記実施形態によれば、プラズマの生成のために用いられる高周波電力の反射を簡単に抑制することが可能となる。
[E2]
前記高周波電源は、前記(b)の繰り返しにおいて前記位相シフト量を変更するように構成されている、[E1]に記載のプラズマ処理装置。
[E3]
前記高周波電源は、前記(b)の繰り返しにおいて、
前記基本時系列における最低周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
前記基本時系列における最高周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
前記基本時系列において指定周波数以下の周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、及び、
前記基本時系列において指定周波数以上の周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
のうち少なくとも一つを用いて、前記拡大又は前記縮小の倍率を変更する、
[E1]に記載のプラズマ処理装置。
[E4]
前記高周波電源は、
前記(b)の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する第1の時系列を選択し、
前記周期に対する位相シフト量を前記第1の時系列に与えることにより得られる周波数の第2の時系列を用いて、前記(b)を更に繰り返し、
前記(b)を更に繰り返すことにおいて、前記位相シフト量を変更する、
ように構成されている、[E3]に記載のプラズマ処理装置。
[E5]
前記高周波電源は、
前記(b)の第1の繰り返しにおいて前記位相シフト量を変更し、該第1の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第1の時系列を選択し、
前記(b)の第2の繰り返しにおいて、
前記第1の時系列における最低周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
前記第1の時系列における最高周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
前記第1の時系列において指定周波数以下の周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、及び、
前記第1の時系列において指定周波数以上の周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
のうち少なくとも一つを用いて、前記拡大又は前記縮小の倍率を変更し、該第2の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第2の時系列を選択し、
前記(b)の第3の繰り返しにおいて、前記第2の時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、前記第2の時系列の複数の時間ゾーンの各々を時間方向に拡大又は縮小することにより得られる周波数の時系列を用いて、該時間方向の該拡大又は該縮小の倍率を変更し、該第3の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第3の時系列を選択する、
ように構成されている、[E1]に記載のプラズマ処理装置。
[E6]
前記評価値は、前記周期の時間長以上の時間長を有する期間における単一の代表値である、[E1]~[E5]の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
[E7]
前記評価値は、前記高周波電源の負荷から該高周波電源に戻される前記高周波電力の反射波のパワーレベル又は前記高周波電源の該高周波電力の出力パワーレベルに対する該反射波のパワーレベルの比の値を表す前記代表値である、[E6]に記載のプラズマ処理装置。
[E8]
前記評価値は、前記高周波電源とその負荷との間で測定される前記高周波電力の電圧と電流との間の位相差、該電圧と該電流から求められるインピーダンス、又は該インピーダンスの抵抗成分を表す前記代表値である、[E6]に記載のプラズマ処理装置。
[E9]
前記電気バイアスエネルギーは、高周波バイアス電力又は前記バイアス周波数の逆数である時間長を有する時間間隔で周期的に発生される電圧のパルスである、[E1]~[E8]の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
[E10]
プラズマ処理装置のチャンバ内でガスからプラズマを生成するために高周波電源から高周波電力を供給する工程であり、該プラズマ処理装置は、前記チャンバ内に設けられた基板支持部を含む、該工程と、
前記基板支持部上の基板にイオンを引き込むために前記基板支持部に電気バイアスエネルギーを供給する工程であり、該電気バイアスエネルギーはバイアス周波数の逆数の時間長を有する周期で繰り返す波形を有する、該工程と、
前記高周波電力が供給され且つ前記電気バイアスエネルギーが前記基板支持部に供給されている期間において、前記周期内の前記高周波電力の周波数を調整する工程と、
を含み、
前記周波数を調整する工程は、
(a)前記周期内の前記高周波電力の周波数の時系列として、予め定められた周波数の時系列である基本時系列を用いる工程と、
(b)次いで、前記周期において前記高周波電力の周波数の変更された時系列を用いる工程と、
(c)前記高周波電源とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、前記(b)を繰り返す工程と、
を含み、
前記(b)において用いられる前記時系列は、
前記周期に対する位相シフト量を前記基本時系列に与えることにより得られる周波数の時系列、
前記基本時系列を周波数方向に拡大若しくは縮小させた周波数の時系列、又は、
前記基本時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、前記基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向に拡大若しくは縮小することにより得られる該周波数の時系列、
である、
プラズマ処理方法。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…プラズマ処理装置、10…チャンバ、11…基板支持部、31…高周波電源、32…バイアス電源、30c…制御部。

Claims (10)

  1. チャンバと、
    前記チャンバ内に設けられた基板支持部と、
    前記チャンバ内でガスからプラズマを生成するために高周波電力を供給するように構成された高周波電源と、
    前記基板支持部上の基板にイオンを引き込むために前記基板支持部に電気バイアスエネルギーを供給するように構成されたバイアス電源であり、該電気バイアスエネルギーはバイアス周波数の逆数の時間長を有する周期で繰り返す波形を有する、該バイアス電源と、
    を備え、
    前記高周波電源は、前記高周波電力が供給され且つ前記電気バイアスエネルギーが前記基板支持部に供給されている期間において、
    (a)前記周期内の前記高周波電力の周波数の時系列として予め定められた周波数の時系列である基本時系列を用いること、
    (b)次いで、前記周期において前記高周波電力の周波数の変更された時系列を用いること、及び、
    (c)前記高周波電源とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、前記(b)を繰り返すこと、
    を行い、
    前記高周波電源は、前記(b)において用いる前記時系列として、
    前記周期に対する位相シフト量を前記基本時系列に与えることにより得られる周波数の時系列、
    前記基本時系列を周波数方向に拡大若しくは縮小させた周波数の時系列、又は、
    前記基本時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、前記基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向に拡大若しくは縮小することにより得られる該周波数の時系列、
    を用いる、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記高周波電源は、前記(b)の繰り返しにおいて前記位相シフト量を変更するように構成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記高周波電源は、前記(b)の繰り返しにおいて、
    前記基本時系列における最低周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    前記基本時系列における最高周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    前記基本時系列において指定周波数以下の周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、及び、
    前記基本時系列において指定周波数以上の周波数を維持しつつ前記基本時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    のうち少なくとも一つを用いて、前記拡大又は前記縮小の倍率を変更する、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記高周波電源は、
    前記(b)の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する第1の時系列を選択し、
    前記周期に対する位相シフト量を前記第1の時系列に与えることにより得られる周波数の第2の時系列を用いて、前記(b)を更に繰り返し、
    前記(b)を更に繰り返すことにおいて、前記位相シフト量を変更する、
    ように構成されている、請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記高周波電源は、
    前記(b)の第1の繰り返しにおいて前記位相シフト量を変更し、該第1の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第1の時系列を選択し、
    前記(b)の第2の繰り返しにおいて、
    前記第1の時系列における最低周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    前記第1の時系列における最高周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    前記第1の時系列において指定周波数以下の周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、及び、
    前記第1の時系列において指定周波数以上の周波数を維持しつつ前記第1の時系列を周波数方向に拡大又は縮小することにより得られる前記高周波電力の周波数の時系列、
    のうち少なくとも一つを用いて、前記拡大又は前記縮小の倍率を変更し、該第2の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第2の時系列を選択し、
    前記(b)の第3の繰り返しにおいて、前記第2の時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、前記第2の時系列の複数の時間ゾーンの各々を時間方向に拡大又は縮小することにより得られる周波数の時系列を用いて、該時間方向の該拡大又は該縮小の倍率を変更し、該第3の繰り返しにおいて用いられた前記高周波電力の周波数の複数の時系列のうち前記評価値に基づく前記整合状態を最も改善する周波数の第3の時系列を選択する、
    ように構成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記評価値は、前記周期の時間長以上の時間長を有する期間における単一の代表値である、請求項1~5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記評価値は、前記高周波電源の負荷から該高周波電源に戻される前記高周波電力の反射波のパワーレベル又は前記高周波電源の該高周波電力の出力パワーレベルに対する該反射波のパワーレベルの比の値を表す前記代表値である、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記評価値は、前記高周波電源とその負荷との間で測定される前記高周波電力の電圧と電流との間の位相差、該電圧と該電流から求められるインピーダンス、又は該インピーダンスの抵抗成分を表す前記代表値である、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記電気バイアスエネルギーは、高周波バイアス電力又は前記バイアス周波数の逆数である時間長を有する時間間隔で周期的に発生される電圧のパルスである、請求項1~5の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. プラズマ処理装置のチャンバ内でガスからプラズマを生成するために高周波電源から高周波電力を供給する工程であり、該プラズマ処理装置は、前記チャンバ内に設けられた基板支持部を含む、該工程と、
    前記基板支持部上の基板にイオンを引き込むために前記基板支持部に電気バイアスエネルギーを供給する工程であり、該電気バイアスエネルギーはバイアス周波数の逆数の時間長を有する周期で繰り返す波形を有する、該工程と、
    前記高周波電力が供給され且つ前記電気バイアスエネルギーが前記基板支持部に供給されている期間において、前記周期内の前記高周波電力の周波数を調整する工程と、
    を含み、
    前記周波数を調整する工程は、
    (a)前記周期内の前記高周波電力の周波数の時系列として、予め定められた周波数の時系列である基本時系列を用いる工程と、
    (b)次いで、前記周期において前記高周波電力の周波数の変更された時系列を用いる工程と、
    (c)前記高周波電源とその負荷との間のインピーダンスの整合状態を、該整合状態を反映する評価値に基づき改善するように、前記(b)を繰り返す工程と、
    を含み、
    前記(b)において用いられる前記時系列は、
    前記周期に対する位相シフト量を前記基本時系列に与えることにより得られる周波数の時系列、
    前記基本時系列を周波数方向に拡大若しくは縮小させた周波数の時系列、又は、
    前記基本時系列と同じ個数の周波数を含む周波数の時系列であって、前記基本時系列の複数の時間ゾーンのうち二つ以上を時間方向に拡大若しくは縮小することにより得られる該周波数の時系列、
    である、
    プラズマ処理方法。
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