JP7433530B2 - 自動運転支援装置 - Google Patents

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Description

本願は、自動運転支援装置に関するものである。
運転支援中に異常が生じた場合に、制御の変更によって対処する技術の例として、特許文献1のようなものがある。特許文献1の技術では、電動パワーステアリング装置の操舵用モータに対する電流指示値に、異常が検出された場合に、車両のヨー角速度に応じて、電流指示値と逆向きのカウンタ電流を流す電流指示値を算出することによって、車両の回転方向の動きを抑制し、車両挙動の不安定化を防止している。
また、運転支援中に異常が生じた場合に、対処する技術の他の例として、特許文献2のようなものがある。特許文献2の技術では、第1のセンサの異常時に、第2のセンサを用いて、運転支援を継続するものである。または、第1のヨー角速度センサの異常時に、舵角及び車両速度からヨー角速度を推定して、推定したヨー加速度に基づいて、目標舵角すなわち舵角指令値を決定して、目標軌道追従制御を行っている。
特開2019-014432号公報 特開2018-192865号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、電流指示値の異常には対処できるが、電流指示値に従って、操舵用モータに流れる電流を制御する駆動回路及び制御装置などの操舵用モータの制御システムの異常には、対処できないという課題がある。また、電流指示値の生成にかかわるどの構成要素に異常が生じたかを特定するものではなく、単純に、ヨー加速度を抑制するようなカウンタ電流を流す電流指示値を算出するだけである。よって、異常の状態に適した制御を行っておらず、車両挙動の不安定化は防げるが、目標走行軌道に追従させる運転支援を継続ことはできないという課題があった。
特許文献2では、第1のセンサの異常時に、第2のセンサを用いており、センサの冗長化により、コストが高くなるという課題がある。また、ヨー角速度を推定することもできるが、ヨー角速度センサ以外に異常が生じた場合に、運転支援を継続できないという課題がある。特に、上述した操舵用モータの制御システムの異常には、対処できないという課題がある。
そこで、本願は、操舵用モータの駆動回路及び制御装置などの操舵用モータの制御システムの異常の検出時に、自動操舵を継続させることができる自動運転支援装置を提供することを目的とする。
本願に係る自動運転支援装置は、
自車両の走行状態及び自車両の周辺状態を検出し、検出した走行状態及び周辺状態に基づいて、自車両の操舵装置の舵角指令値を算出する自動操舵制御部と、
前記操舵装置を駆動する操舵用モータと、
スイッチング素子を有し、前記操舵用モータに供給する電力をオンオフするモータ駆動回路と、
前記舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、前記操舵用モータの出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する舵角制御部と、
前記モータ出力指令値に基づいて、前記モータ駆動回路の前記スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成するモータ制御部と、
前記操舵用モータの制御システムに生じた異常である操舵用モータ関連異常を検出する異常検知部と、を備え、
前記モータ制御部は、前記操舵用モータ関連異常の検出時に、前記モータ出力指令値に基づいて、前記操舵用モータ関連異常の内容に応じた、異常時の駆動信号を生成するものである。
本願に係る自動運転支援装置によれば、操舵用モータ関連異常が発生した場合も、異常時の駆動信号を生成し、操舵用モータによる操舵装置の駆動を継続し、自動操舵を継続させることができる。自動操舵の継続により、運転者に安心感を与えることができる。異常時のためだけのハードウェアを追加することなく、異常時の駆動信号を生成する処理だけでよく、コストアップを抑制できる。
実施の形態1に係る自動運転支援装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る自動運転支援装置の概略ブロック図である。 実施の形態1に係る各センサの異常検出時の処理をまとめた図である。 実施の形態1に係るモータ駆動回路の回路図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る正常時の自動操舵制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る正常時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る正常時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る1相の開放異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る1相の異常の検出時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る1相の異常時に出力低下舵角を避ける舵角指令値の補正を説明する図である。 実施の形態1に係る1相の短絡異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る電流センサの異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る電流センサの異常の検出時の舵角モータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る回転角度センサの異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る回転角度センサの異常の検出時のモータ制御部の回転推定部のブロック図である。 実施の形態1に係る回転角度センサの異常の検出時のモータ制御部の回転推定部のブロック図である。 実施の形態1に係る舵角検出値の検出異常の検出時の自動操舵制御部のブロック図である。 実施の形態1に係る舵角検出値の検出異常の検出時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態2に係る自動運転支援装置の概略構成図である。 実施の形態2に係る自動運転支援装置の概略ブロック図である。 実施の形態2に係る各センサの異常検出時の処理をまとめた図である。 実施の形態2に係る正常時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態2に係る舵角センサの異常の検出時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態3に係る各センサの異常検出時の処理をまとめた図である。 実施の形態3に係る正常時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態3に係る回転角度センサの異常の検出時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態4に係る自動運転支援装置の概略構成図である。 実施の形態4に係る自動運転支援装置の概略ブロック図である。 実施の形態4に係る各センサの異常検出時の処理をまとめた図である。 実施の形態4に係るモータ駆動回路の回路図である。 実施の形態4に係る正常時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態4に係る電流センサの異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態4に係る舵角センサの異常の検出時のモータ制御部のブロック図である。 実施の形態4に係る舵角センサの異常の検出時の舵角制御部のブロック図である。 実施の形態4に係るインピーダンスの推定値と回転角度との関係を説明する図である。 実施の形態5に係る自動運転支援装置の概略構成図である。 実施の形態5に係る自動運転支援装置の概略ブロック図である。 実施の形態5に係る各センサの異常検出時の処理をまとめた図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る自動運転支援装置1について図面を参照して説明する。自動運転支援装置1は、車両に搭載されている。図1に、自動運転支援装置1の概略構成図を示し、図2に、自動運転支援装置1の概略ブロック図を示す。図3に、各センサの異常検出時の処理をまとめた図を示す。
1-1.自動運転支援装置1の基本構成
自動運転支援装置1は、操舵用モータ5、モータ駆動回路30、制御装置100、周辺監視装置20、走行状態検出装置21、位置検出装置22、及び無線通信装置23等を備えている。
周辺監視装置20は、自車両の周辺状態を検出する装置である。周辺監視装置20の信号が、制御装置100に入力される。例えば、周辺監視装置20は、車両の周辺を監視するカメラ、レーダ等の装置である。レーダには、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波レーダ等が用いられる。
走行状態検出装置21は、自車両の走行状態を検出する装置である。走行状態検出装置21は、走行状態として、自車両の車両速度、自車両のロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度、及び前後方向の加速度、上下方向の加速度、及び横方向の加速度を検出する。例えば、走行状態検出装置21として、自車両に働くロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度を検出する3軸の角速度センサ、前後方向の加速度、上下方向の加速度、及び横方向の加速度を検出する3軸の加速度センサ、及び車輪の回転速度を検出する速度センサ等が設けられる。本実施の形態では、少なくとも、車両速度、ヨー角速度、横方向の加速度を検出するように構成されればよい。
位置検出装置22は、自車両の現在位置(緯度、経度、高度)を検出する装置であり、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の人工衛星から出力される信号を受信するGPSアンテナ等が用いられる。無線通信装置23は、4G、5G等のセルラー方式の無線通信の規格を用いて、基地局と無線通信を行う。
自動運転支援装置1は、電動パワーステアリング装置を構成している。操舵用モータ5は、車輪7の操舵装置8を駆動する電動モータである。操舵用モータ5の回転軸は、ギア機構を介して操舵装置8に連結されている。操舵装置8は、車輪7の舵角を変更する機構である。操舵用モータ5の回転により、車輪7の舵角が変化する。すなわち、操舵用モータ5の回転角度と舵角とは、所定の変換比率が乗算された比例関係にある。
本実施の形態では、操舵装置8は、ラック・ピニオンギア6を有している。ラック・ピニオンギア6は、ステアリングシャフト4の回転運動を左右方向の直線運動に変換し、タイロッド及びナックルアームを駆動し、車輪7の舵角を変化させる。ステアリングシャフト4は、ハンドル2に連結されている。ステアリングシャフト4には、運転者によるハンドル2の操舵トルクを検出するトルクセンサ3が設けられている。
操舵用モータ5の回転軸は、ウォームギヤ機構等のギア機構を介してステアリングシャフト4に連結されている。操舵用モータ5の回転が、ギア機構のギア比率により変換されて、ステアリングシャフト4に伝達される。なお、操舵用モータ5は、ギア機構を介して、ラック・ピニオンギア6に連結されてもよい。
図4に示すように、操舵用モータ5は、3相(U相、V相、W相)の電機子巻線Cu、Cv、Cwを有する交流モータである。ステータに3相の電機子巻線Cu、Cv、Cwが巻装され、ロータに永久磁石が設けられている。操舵用モータ5は、永久磁石式の同期モータとされている。ロータの回転軸が、ギア機構を介して操舵装置8に連結されている。ロータに界磁巻線が設けられた、界磁巻線式の同期モータとされてもよく、ロータにかご型の導体が設けられた、誘導モータとされてもよい。また、3相以上の電機子巻線が設けられてもよい。
モータ駆動回路30は、スイッチング素子を有し、操舵用モータ5に供給する電力をオンオフする。本実施の形態では、モータ駆動回路30は、各相について、電機子巻線への電圧印加をオンオフするスイッチング素子を備えている。具体的には、モータ駆動回路30は、各相について、直流電源34の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子Spと、直流電源34の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子Snと、が直列接続された直列回路を備えており、各相の直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の電機子巻線に接続されている。
操舵用モータ5に流れる電流を検出する電流センサ31が備えられている。本実施の形態では、電流センサ31は、各相の2つのスイッチング素子の直列回路に備えられている。なお、電流センサ31は、各相の2つのスイッチング素子の直列回路と各相の電機子巻線とを接続する電線上に備えられてもよい。或いは、電流センサ31は、モータ駆動回路30と直流電源34と接続する電線上に設けられ、公知の「母線1シャント方式」により、各相の電機子巻線の電流が検出されてもよい。
ロータの回転角度を検出するための回転角度センサ32が備えられている。回転角度センサ32には、レゾルバ、エンコーダ、MRセンサ等が用いられる。
1-2.制御装置
制御装置100は、操舵方法判定部110、自動操舵制御部120、舵角制御部130、操舵アシスト制御部140、モータ制御部150、及び異常検知部160等の機能部を備えている。制御装置100の各機能は、制御装置100が備えた処理回路により実現される。制御装置100は、互いに通信を行う複数の制御装置により構成されてもよい。
例えば、図5に示すように、制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90、記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入出力する入出力装置92等を備えている。演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ハードディスク等の各種の記憶装置が用いられる。
入出力装置92には、通信装置、A/D変換器、入出力ポート、駆動回路等が備えられる。入出力装置92は、トルクセンサ3、周辺監視装置20、走行状態検出装置21、位置検出装置22、無線通信装置23、モータ駆動回路30、電流センサ31、及び回転角度センサ32等に接続され、これらの装置と信号の伝達を行う。
そして、制御装置100が備える各機能部110から160等の各機能は、演算処理装置90が、記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91及び入出力装置92等の制御装置100の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各機能部110から160等が用いる判定値、閾値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。
1-2-1.正常時の操舵方法判定部の構成
操舵方法判定部110は、自動操舵制御部120及び舵角制御部130による自動操舵を行うか、運転者の操舵アシストを行うかを判定する。本実施の形態では、操舵方法判定部110は、運転者によるハンドルの操舵トルクの検出値に基づいて、自動操舵を行うか、操舵アシストを行うかを判定する。操舵方法判定部110は、トルクセンサ3により、操舵トルクを検出する。操舵方法判定部110は、初期の判定として、ヒューマンインターフェイスを介した運転者の指令等に基づいて、自動操舵を行うか、操舵アシストを行うかを判定する。操舵方法判定部110は、自動操舵の実行中に、操舵トルクの絶対値が、予め定められた判定値を上回った状態が、判定期間継続した場合に、操舵アシストを行うと判定する。
1-2-2.正常時の自動操舵制御部の構成
自動操舵制御部120は、自動操舵を行うと判定されている場合は、自車両の走行状態及び自車両の周辺状態を検出し、検出した走行状態及び周辺状態に基づいて、自車両の操舵装置8の舵角指令値を算出する。
図6に示すように、自動操舵制御部120は、周辺状況取得部121、走行状態取得部122、目標軌道追従制御部123、車線逸脱抑制制御部124、及び舵角指令値選択部125等を備えている。
周辺状況取得部121は、自車両の周辺状況を検出する。周辺状況取得部121は、周辺監視装置20から取得した白線、路肩等の区画線の検知情報に基づいて、道路の区画線等の道路形状を検出する。また、周辺状況取得部121は、周辺監視装置20から取得した検知情報に基づいて、自車両の周囲に存在する他車両、障害物、歩行者等を検出する。また、周辺状況取得部121は、位置検出装置22から取得した自車両の位置情報に基づいて、記憶装置91に記憶された地図情報データベース、又は外部サーバの地図情報データベースから自車両の周辺の道路情報を取得する。
走行状態取得部122は、自車両の走行状態を検出する。走行状態取得部122は、走行状態検出装置21から、自車両の走行状態として、自車両の車両速度、自車両のロール角速度、ピッチ角速度、及びヨー角速度、及び前後方向の加速度、上下方向の加速度、及び横方向の加速度を取得する。走行状態取得部122は、少なくとも、車両速度、ヨー角速度、横方向の加速度を検出するように構成されればよい。また、走行状態取得部122は、位置検出装置22から取得した自車両の位置情報に基づいて、自車両の位置、移動方向などを取得する。また、走行状態取得部122は、周辺状況取得部121から取得した車線の形状に基づいて、車線に対する自車両の走行位置の情報を取得する。
目標軌道追従制御部123は、操舵方法判定部110等により目標軌道追従制御を実行すると判定されている場合は、周辺状況取得部121により検出された自車両の周辺状態(例えば、他車両、障害物、道路形状)に合わせた、目標走行軌道を生成する。目標走行軌道は、将来の各時点における自車両の位置、自車両の進行方向、及び自車両の速度等から構成される走行軌道である。目標走行軌道の生成には、公知の各種の方法が用いられる。目標走行軌道には、目的地までの経路に沿った目標走行軌道、車線変更を行うための目標走行軌道、障害物を避けるための目標走行軌道等の各種の目標走行軌道が含まれる。
目標軌道追従制御部123は、目標走行軌道、自車両の走行状態、及び自車両の周辺状況に基づいて、自車両が目標走行軌道に追従するための舵角指令値を算出する。目標軌道追従制御部123は、目標走行軌道に対する自車両の横方向の位置、目標走行軌道の延出方向に対する自車両の前後方向の傾き、車両速度、ヨー角速度、及び横方向の加速度に基づいて、舵角指令値を算出する。目標走行軌道に追従するための舵角指令値の算出には、公知の各種の方法が用いられる。
車線逸脱抑制制御部124は、操舵方法判定部110等により車線逸脱抑制制御を実行すると判定されている場合は、自車両の走行状態、及び自車両の周辺状況に基づいて、自車両が走行している車線を、自車両が逸脱せず維持するための舵角指令値を算出する。車線逸脱抑制制御部124は、自車両の走行車線に対する自車両の横方向の位置、自車両の走行車線の延出方向に対する自車両の前後方向の傾き、車両速度、ヨー角速度、及び横方向の加速度に基づいて、舵角指令値を算出する。走行車線に追従するための舵角指令値の算出には、公知の各種の方法が用いられる。
舵角指令値選択部125は、目標軌道追従制御を実行すると判定されている場合は、目標軌道追従制御部123により算出された舵角指令値を選択して、モータ制御部150に伝達し、車線逸脱抑制制御を実行すると判定されている場合は、車線逸脱抑制制御部124により算出された舵角指令値を選択して、モータ制御部150に伝達する。
1-2-3.正常時の舵角制御部の構成
舵角制御部130は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、操舵用モータ5の出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する。図7に示すように、舵角制御部130は、出力指令算出部131、及び舵角検出部132を備えている。本実施の形態では、舵角検出部132は、操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出する。具体的には、舵角検出部132は、回転角度の積算値に、ギア比に応じて予め設定された換算係数を乗算して、舵角検出値を算出する。舵角が0である場合の回転角度の積算値は、0に設定される。ここで、回転角度の積算値とは、舵角が0である場合を除き、1回転するごとに、回転角度が0にリセットされずに、累積的にカウントされた角度である。
出力指令算出部131は、舵角指令値と舵角検出値との偏差に基づくPI制御等のフィードバック制御によりモータ出力指令値を変化させる。なお、公知の各種の制御が用いられてもよい。本実施の形態では、出力指令算出部131は、モータ出力指令値としてq軸の電流指令値を算出する。出力指令算出部131は、モータ出力指令値としてトルク指令値を算出してもよい。
1-2-4.正常時の操舵アシスト制御部の構成
操舵アシスト制御部140は、操舵アシストを行うと判定されている場合は、操舵トルクの検出値に基づいて、自動操舵制御部120及び舵角制御部130に代わって、操舵トルクの検出値に基づいて、モータ出力指令値を算出する。例えば、操舵アシスト制御部140は、操舵トルクの検出値に、換算係数を乗算して、モータ出力指令値を算出する。本実施の形態では、操舵アシスト制御部140は、モータ出力指令値としてq軸の電流指令値を算出する。操舵アシスト制御部140は、モータ出力指令値としてトルク指令値を算出してもよい。
1-2-5.正常時のモータ制御部の構成
モータ制御部150は、モータ出力指令値に基づいて、モータ駆動回路30のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。図8に示すように、正常時のモータ制御部150は、回転検出部151、電流検出部152、電流指令設定部153、電流フィードバック制御部154、電圧指令座標変換部155、及びPWM制御部156を備えている。
電流フィードバック制御部154は、電機子巻線に流れる電流検出値が、モータ出力指令値に応じて設定した電流指令値に近づくように、電機子巻線に印加する電圧指令値を変化させる電流フィードバック制御を行う。電流フィードバック制御部154は、dq軸の回転座標系上で、電流検出値が電流指令値に近づくように電圧指令値を変化させるベクトル制御を行う。d軸は、ロータの磁極(N極、磁極位置)の方向に定められ、q軸は、d軸より電気角で90°進んだ方向に定められている。
電流指令設定部153は、モータ出力指令値に基づいて、d軸の電流指令値及びq軸の電流指令値を設定する。本実施の形態では、舵角制御部130から、モータ出力指令値としてq軸の電流指令値が伝達されるので、電流指令設定部153は、ロータの磁束が適切になるように、d軸の電流指令値を設定する。なお、舵角制御部130から、モータ出力指令値としてトルク指令値が伝達される場合は、電流指令設定部153は、最大トルク電流制御、弱め磁束制御、及びId=0制御等の公知の各種のベクトル制御方法に従って、トルク指令値、回転角速度、及び電源電圧等に基づいて、d軸の電流指令値及びq軸の電流指令値を設定する。
回転検出部151は、回転角度センサ32の出力信号に基づいて、ロータの電気角での回転角度(磁極位置)、及び回転角速度を検出する。電流検出部152は、電流センサ31の出力信号に基づいて、各相の電機子巻線に流れる電流を検出する。電流検出部152は、3相の電流検出値を、回転角度(磁極位置)に基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行って、d軸の電流検出値及びq軸の電流検出値に変換する。そして、電流フィードバック制御部154は、d軸及びq軸の電流検出値が、d軸及びq軸の電流指令値に近づくように、PI制御等により、d軸の電圧指令値及びq軸の電圧指令値を変化させる電流フィードバック制御を行う。
電圧指令座標変換部155は、d軸及びq軸の電圧指令値を、回転角度(磁極位置)に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、3相の電圧指令値に変換する。PWM制御部156は、3相の電圧指令値に基づいて、PWM制御(Pulse Width Modulation)により、モータ駆動回路30の各スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。PWM制御には、公知のキャリア比較PWM、又は空間ベクトルPWMが用いられる。
1-2-6.異常検知部の構成
異常検知部160は、自動運転支援装置の各種の異常を検出する。本実施の形態では、異常検知部160は、操舵用モータの制御システムに生じた異常である操舵用モータ関連異常を検出する。操舵用モータ関連異常には複数の種類があり以下で説明する。
<1相の回路異常の検出>
異常検知部160は、操舵用モータ関連異常として、いずれか1相の回路異常を検出する。以下に説明するように、1相の回路異常には、開放故障と短絡故障とがある。
モータ駆動回路30において、いずれか1相のスイッチング素子の開放故障、いずれか1相の電流供給経路の断線などが生じると、開放故障が生じた1相の電機子巻線に電流を正常に供給できなくなる。開放故障の検出方法、及び故障相の特定方法には、公知の各種の方法が用いられる。例えば、異常検知部160は、いずれかの相の電流検出値が0に留まる期間が、判定期間以上になった場合に、その相に開放故障が生じたと判定する。或いは、異常検知部160は、モータ駆動回路30に異常判定用の駆動信号を出力したときの、電流検出値、及び各スイッチング素子の高電位側と低電位側との電位差から開放異常を判定してもよい。
モータ駆動回路30において、いずれか1相のスイッチング素子の短絡故障、いずれか1相の電流供給経路の直流電源34の高電位側又は低電位側への短絡などが生じると、短絡故障が生じた1相の電機子巻線に電流を正常に供給できなくなる。短絡故障の検出方法、及び故障相の特定方法には、公知の各種の方法が用いられる。例えば、異常検知部160は、いずれかの相の電流検出値の大きさがしきい値以上に留まる期間が、判定期間以上になり、かつ、他の相の電流検出値の大きさがしきい値以下に留まる期間が、判定期間以上になった場合に、その相に短絡故障が生じたと判定する。或いは、異常検知部160は、モータ駆動回路30に異常判定用の駆動信号を出力したときの、電流検出値、及び各スイッチング素子の高電位側と低電位側との電位差から短絡異常を判定してもよい。
<電流センサの異常検出>
異常検知部160は、操舵用モータ関連異常として、操舵用モータ(本例では、電機子巻線)に供給される電流を検出する電流センサ31の異常を検出する。電流センサ31の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。例えば、異常検知部160は、モータ駆動回路30に異常判定用の駆動信号を出力したときの電流検出値に基づいて、電流センサ31の異常を判定する。3相の各相の電流を検出する電流センサ31が設けられている場合は、各相の電流センサの異常が検出される。
<回転角度センサの異常検出>
異常検知部160は、操舵用モータ関連異常として、操舵用モータの回転角度を検出する回転角度センサ32の異常を検出する。回転角度センサ32の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。
1-2-7.操舵用モータ関連異常の検出時の制御
モータ制御部150は、操舵用モータの制御システムに生じた異常である操舵用モータ関連異常の検出時に、モータ出力指令値に基づいて、操舵用モータ関連異常の内容に応じた、異常時の駆動信号を生成する。この構成によれば、操舵用モータ関連異常が発生した場合も、異常時の駆動信号を生成し、操舵用モータによる操舵装置8の駆動を継続し、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
1-2-7-1.1相の回路異常の検出時の制御
モータ制御部150は、操舵用モータ関連異常として、いずれか1相の回路異常の検出時に、モータ出力指令値に基づいて、正常な残りの複数相のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。この構成によれば、1相の回路異常の検出時でも、正常な残りの複数相のスイッチング素子をオンオフすることにより、操舵用モータによる操舵装置8の駆動を継続し、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
<1相の開放異常の検出時>
1相の開放異常が検出された場合は、例えば、特許第4498353号に開示されている方法が用いられればよい。具体的には、特許第4498353号の図3の方法と同様に構成すれば、モータ制御部150は、図9に示すように、目標相電流整形部151B、偏差演算部152B、及び異常時電流制御部153Bを備えている。目標相電流整形部151Bは、q軸の電流指令値を、回転角度θに基づいて、正常な2相の各相の電流指令値に変換する。図9には、U相が異常で、V相及びW相が正常である場合を示す。そして、偏差演算部152Bは、正常な2相の各相について、電流指令値と電流検出値との偏差を演算する。異常時電流制御部153Bは、正常な2相の各相について、電流偏差に基づいて、PI制御等のフィードバック制御により電圧指令値を演算し、正常な2相の各相の電圧指令値に基づいて、PWM制御により正常な2相の各相の各スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。異常時電流制御部153Bは、異常な1相の各スイッチング素子を常時オフさせる駆動信号を生成する。
特許第4498353号の図5及び図10に示されているように、異常相に対応する特定の回転角度では、異常相の電機子巻線だけでなく、正常な2相の電機子巻線にも電流を流せなくなるため、操舵用モータ5にトルクを出力させることができなくなり、出力トルクが0まで低下する。
U相の異常時は、回転角度θが、電気角で90度又は270度である場合に、出力トルクが0まで低下する。V相の異常時は、回転角度θが、電気角で30度又は210度である場合に、出力トルクが0まで低下する。W相の異常時は、回転角度θが、電気角で150度又は330度である場合に、出力トルクが0まで低下する。
図10に示すように、舵角制御部130は、舵角指令値補正部133を備えている。舵角指令値補正部133は、いずれか1相の開放回路異常の検出時に、開放回路異常が生じた1相に対応して出力トルクが低下する操舵用モータの回転角度に対応する舵角である出力低下舵角を避けるように、舵角指令値を補正する。そして、出力指令算出部131は、補正後の舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、異常時のモータ出力指令値を算出する。
この構成によれば、操舵用モータの出力トルクが低下する回転角度を避けるように、舵角が制御されるので、出力トルクが低下する回転角度に停止することを抑制し、いずれか1相の回路異常の検出時でも、操舵用モータにトルクを出力させ、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
上記のように、回転角度の積算値に、ギア比に応じた換算係数を乗算した値が、舵角になる。上記のように、1相の開放異常の発生時において、異常相と、出力トルクが低下する回転角度θとの関係は分かっているので、異常相と、出力トルクが低下する出力低下舵角との関係も求まる。そこで、舵角指令値補正部133は、異常相に基づいて、出力低下舵角を設定する。図11に示すように、舵角指令値補正部133は、自動操舵制御部120により算出された舵角指令値が、出力低下舵角を中心にした回避舵角の範囲内にある場合は、舵角指令値を回避舵角の範囲外(例えば、回避舵角の範囲の最大角度又は最小角度)に変化させる。
<1相の短絡異常の検出時>
1相の短絡異常が検出された場合は、例えば、国際公開WO2007/129359号公報に開示されている方法が用いられればよい。具体的には、国際公開WO2007/129359号公報の図3の方法と同様に構成すれば、モータ制御部150は、図12に示すように、目標相電流整形部151C、偏差演算部152C、及び異常時電流制御部153Cを備えている。目標相電流整形部151Cは、q軸の電流指令値を、異常相の情報、及び回転角度θに基づいて、3相の各相の電流指令値に変換する。図12には、V相が異常で、U相及びW相が正常である場合を示す。そして、偏差演算部152Cは、3相の各相について、電流指令値と電流検出値との偏差を演算し、正常な2相の各相の偏差から、異常な1相の偏差を減算する。異常時電流制御部153Cは、正常な2相の各相について、異常な1相の偏差の減算後の電流偏差に基づいて、PI制御等のフィードバック制御によりフィードバック値を演算し、フィードバック値から電源電圧Vdcの半分値を減算して、電圧指令値を算出し、正常な2相の各相の電圧指令値に基づいて、PWM制御により正常な2相の各相の各スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。異常時電流制御部153Cは、異常な1相の各スイッチング素子を常時オフさせる駆動信号を生成する。
国際公開WO2007/129359号公報の図5に示されているように、異常相に対応する特定の回転角度では、ブレーキトルクの発生を抑制するため、正常な2相の電機子巻線にも電流を流せなくなるため、操舵用モータ5にトルクを出力させることができなくなり、出力トルクが0まで低下する。
U相の異常時は、回転角度θが、電気角で240度から300度までの間にある場合に、出力トルクが0まで低下する。V相の異常時は、回転角度θが、電気角で0度から60度までの間にある場合に、出力トルクが0まで低下する。W相の異常時は、回転角度θが、電気角で120度から180度までの間にある場合に、出力トルクが0まで低下する。
舵角指令値補正部133は、いずれか1相の短絡回路異常の検出時に、短絡回路異常が生じた1相に対応して出力トルクが低下する操舵用モータの回転角度に対応する舵角である出力低下舵角を避けるように、舵角指令値を補正する。そして、出力指令算出部131は、補正後の舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、異常時のモータ出力指令値を算出する。
この構成によれば、操舵用モータの出力トルクが低下する回転角度を避けるように、舵角が制御されるので、出力トルクが低下する回転角度に留まることを抑制し、いずれか1相の回路異常の検出時でも、操舵用モータにトルクを出力させ、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
上記のように、回転角度の積算値に、ギア比に応じた換算係数を乗算した値が、舵角になる。上記のように、1相の短絡異常の発生時において、異常相と、出力トルクが低下する回転角度の範囲との関係は分かっているので、異常相と、出力トルクが低下する出力低下舵角の範囲との関係も求まる。そこで、舵角指令値補正部133は、異常相に基づいて、出力低下舵角の範囲を設定する。図11に示すように、舵角制御部130は、自動操舵制御部120により算出された舵角指令値が、出力低下舵角の範囲内にある場合は、舵角指令値を回避舵角の範囲外(例えば、回避舵角範囲の最大角度又は最小角度)に変化させる。
よって、舵角指令値補正部133は、開放異常又は短絡異常の回路異常の種類、及び異常相に基づいて、避けるべき出力低下舵角を変化させる。
1-2-7-2.電流センサの異常の検出時の制御
上述したように、モータ制御部150は、電流センサの異常の未検出時に、モータ出力指令値、及び電流センサにより検出された電流検出値に基づいて、駆動信号を生成する。一方、モータ制御部150は、電流センサの異常の検出時に、電流検出値を用いずに、モータ出力指令値に基づいて、駆動信号を生成する。
この構成によれば、電流センサの異常の検出時も、操舵用モータにトルクを出力させ、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
本実施の形態では、図13に示すように、電流センサの異常の検出時のモータ制御部150は、回転検出部151、電流指令設定部153、電圧指令設定部157、電圧指令座標変換部155、及びPWM制御部156を備えている。回転検出部151、電流指令設定部153、及び電圧指令座標変換部155の構成は、正常時と同じである。
電圧指令設定部157は、電流センサの異常の検出時に、次式に示すモータの電圧方程式を用い、d軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoに基づいて、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoを算出する。
Figure 0007433530000001
ここで、sはラプラス演算子であり、Rは巻線抵抗であり、ψはロータ磁石による鎖交磁束であり、Ldはd軸インダクタンスであり、Lqはq軸インダクタンスであり、ωは電気角での回転角速度である。なお、ラプラス演算子sの位相進みの項が無くてもよい。また、公知の各種の方法が用いられてもよい。
そして、正常時と同様に、電圧指令座標変換部155は、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoを、回転角度(磁極位置)に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、3相の電圧指令値に変換する。また、PWM制御部156は、3相の電圧指令値に基づいて、PWM制御(Pulse Width Modulation)により、モータ駆動回路30の各スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。
3相の各相の電流を検出する電流センサ31が設けられており、1相の電流センサの異常が検出された場合は、モータ制御部150は図8の正常時のブロック図と同様に構成される。電流検出部152は、3相の電流検出値の合計が0になることを利用し、正常な2相の電流検出値の合計値に-1を乗算した値を、異常な1相の電流検出値として検出する。この場合は、3相の電流検出値を用いて、正常時と同様のd軸及びq軸の電流フィードバック制御が行われる。一方、2相以上の電流センサの異常が検出された場合は、上記の図13のブロック図のように、電流検出値が用いられずに、モータ出力指令値に基づいて、駆動信号が生成される。
或いは、電流センサの異常の検出時に、舵角制御部130及びモータ制御部150が一体化された舵角モータ制御部170により、駆動信号が算出されてもよい。図14に示すように、舵角モータ制御部170は、操舵電圧指令算出部171、座標変換部172、及びPWM制御部173を備えている。操舵電圧指令算出部171は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、d軸及びq軸の電圧指令値を算出する。操舵電圧指令算出部171は、舵角検出値が舵角指令値に近づくように制御値を変化させるフィードバック制御器と、モータの逆モデル(R+s×L)の特性を有する位相進み器と、を備えている。Lは、インダクタンスである。座標変換部172は、d軸及びq軸の電圧指令値を、回転角度(磁極位置)に基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、3相の電圧指令値に変換する。PWM制御部173は、3相の電圧指令値に基づいて、PWM制御(Pulse Width Modulation)により、モータ駆動回路30の各スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。この構成によれば、電流センサ31の異常時専用の舵角モータ制御部170により、電流センサ31の異常時に適切に制御を行うことができる。
1-2-7-3.回転角度センサの異常の検出時の制御
上述したように、モータ制御部150は、回転角度センサ32の異常の未検出時に、回転角度センサ32により検出された回転角度に基づいて、駆動信号を生成する。また、上述したように、舵角制御部130は、回転角度センサ32の異常の未検出時に、回転角度センサ32により検出された回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出し、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、モータ出力指令値を算出する。
一方、モータ制御部150は、回転角度センサ32の異常の検出時に、操舵用モータに流れる電流に基づいて、回転角度を推定し、回転角度の推定値に基づいて、駆動信号を生成する。また、舵角制御部130は、回転角度センサ32の異常の検出時に、モータ制御部150により推定された回転角度の積算値に基づいて舵角を検出し、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、モータ出力指令値を算出する。回転角度の検出値に代えて、回転角度の推定値が用いられる構成以外は、正常時と同じである。
この構成によれば、回転角度センサ32の異常時に、回転角度を推定し、回転角度の推定値に基づいて、モータ制御及び舵角制御を継続し、自動操舵を継続することができる。
<回転角度センサの異常時のモータ制御部>
例えば、特許第6203435号に開示されている方法が用いられればよい。図15に示すように、回転角度センサの異常の検出時のモータ制御部150は、回転推定部158、推定用電圧指令設定部159、電流検出部152、電流指令設定部153、電流フィードバック制御部154、電圧指令座標変換部155、及びPWM制御部156を備えている。電流検出部152、電流指令設定部153、電流フィードバック制御部154、及び電圧指令座標変換部155は、回転角度の検出値に代えて、回転推定部158により推定された回転角度の推定値を用い、正常時と同様の処理を行う。
推定用電圧指令設定部159は、回転周波数とは異なる角度推定用の周波数を有し、3相平衡になる角度推定用の3相の電圧指令補正値を算出する。そして、電圧指令座標変換部155から出力された3相の電圧指令値に、角度推定用の3相の電圧指令補正値が加算補正され、加算補正後の3相の電圧指令値が、PWM制御部156に入力される。
回転推定部158は、特許第6203435号の図2と同様に構成されればよい。図16に示すように、回転推定部158は、位置推定用電流抽出器158a、電流振幅演算器158b、及び位置演算器158cを備えている。位置推定用電流抽出器158aは、各相の電流検出値に対して、角度推定用の周波数の成分を抽出する処理を行う。この抽出処理には、バンドパスフィルタ、ノッチフィルタ等が用いられる。電流振幅演算器158bは、抽出した各相の角度推定用の周波数の成分の振幅を演算する。振幅の演算には、フーリエ変換、又は特許第6203435号の式(2)が用いられる。位置演算器158cは、各相の振幅に基づいて、回転角度の推定値を演算する。例えば、位置演算器158cは、3相の振幅を2相変換した後、2相の振幅の比を、逆余弦演算して回転角度の推定値を演算する。これ以外の回転角度の推定値の演算方法が用いられてもよい。
或いは、「直接形適応制御に基づく適応オブザーバを用いたIPMSM位置センサレス制御の応答改善法」(電学論D, Vol.123, No.5, pp600-609)に開示されている方法が用いられてもよい。この文献の図1及び式(1)から式(12)が用いられる。回転推定部158は、いわゆる適応オブザーバを有する構成である。適応オブザーバの構成として、上記文献では、状態変数が、電機子反作用Φa及び回転子磁束Φrに設定され、入力変数が、電圧vsに設定され、出力変数が、電流isに設定されている。状態変数が、電流isに設定されてもよい。これらの変数から状態方程式を立てると、回転角速度ωを推定することができ、回転角速度ωを積分することで、回転角度θの推定値が得られる。
或いは、特許第6095851号に開示されている方法が用いられればよい。特許第6095851号の図2と同様に構成されればよい。図17に示すように、回転推定部158は、バンドパスフィルタ158d、推定誤差演算部158e、及び推定誤差制御部158fを備えている。バンドパスフィルタ158dは、操舵用モータの出力トルクを検出するトルクセンサにより検出されたトルク検出値から、dq軸上の高周波電流の周波数近傍の信号を抽出し、出力トルク高周波として出力する。推定誤差演算部158eは、dq軸上の高周波電流、及び出力トルク高周波に基づき、実際の回転角度に基づく実際のdq軸と回転角度の推定値に基づく推定dq軸との位相差である回転角度推定誤差を算出する。ここで、推定誤差演算部158eは、乗算器、積分器、及び角度誤差推定器から構成されており、乗算器は、dq軸上の高周波電流のそれぞれに出力トルク高周波を乗算してdq軸上の積を出力し、積分器はdq軸上の積を、それぞれ、dq軸上の高周波電流の一周期分に相当する区間、時間積分してdq軸上の相関値を出力し、角度誤差推定器は、d軸上の相関値をq軸上の相関値で除算した値を、逆正接演算して回転角度推定誤差として出力する。推定誤差制御部158fは、PI制御器により構成され、回転角度推定誤差がゼロとなるような回転角度の推定値を演算する。このように、回転推定部158は、出力トルクセンサが出力するトルク検出値、及びdq軸上の高周波電流に基づいて、回転角度の推定値を算出する。
<回転角度センサの異常時の舵角推定の変形例>
舵角制御部130は、回転角度センサ32の異常の検出時に、検出した走行状態に基づいて舵角を推定し、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、モータ出力指令値を算出する。舵角を推定する舵角検出部132の構成以外は、正常時と同じである。
舵角検出部132は、回転角度センサ32の異常の検出時に、走行状態としての車両速度及びヨー加速度に基づいて、舵角を推定する。例えば、ヨー加速度は、舵角及び車両速度のそれぞれに比例する所定の関係になるため、この比例関係を用いて、舵角を推定することができる。或いは、車両速度として、左右車輪のそれぞれの回転速度が検出される場合は、舵角検出部132は、左右車輪の回転速度差に基づいて、舵角を推定してもよい。
<舵角検出値の検出異常時のモータ出力指令値の算出の変形例1>
或いは、舵角検出値の検出異常の検出時(本例では、回転角度センサの異常の検出時)に、自動操舵制御部120は、舵角制御部130に代わって、検出した周辺状態に基づいて、舵角検出値を用いずに、モータ出力指令値を算出するように構成されてもよい。自動操舵制御部120は、検出した周辺状態に基づいて、走行車線に対する自車両の横方向位置を検出し、目標横方向位置と検出した横方向位置に基づいて、モータ出力指令値を算出する。
図18に示すように、舵角検出値の検出異常の検出時の自動操舵制御部120は、目標走行軌道算出部126、横位置検出部127、及び軌道追従制御部128を備えている。目標走行軌道算出部126は、正常時の自動操舵制御部120と同様に目標走行軌道を生成する。横位置検出部127は、検出した周辺状態に基づいて、車線に対する自車両の横方向の位置を検出する。例えば、カメラ等の周辺監視装置20の検知情報に基づいて、左右の区画線に対する自車両の横方向の位置を検出する。軌道追従制御部128は、目標走行軌道の横方向位置に対する、自車両の横方向位置の偏差を演算し、横方向位置の偏差に基づいて、モータ出力指令値を算出する。例えば、軌道追従制御部128は、横方向位置の偏差が減少するように、モータ出力指令値を変化させるフィードバック制御を行う。モータ出力指令値の算出の際に、微分制御のような位相進み処理を行うことにより、追従応答性を向上させることができる。
<舵角検出値の検出異常時のモータ出力指令値の算出の変形例2>
或いは、舵角検出値の検出異常の検出時(本例では、回転角度センサの異常の検出時)に、舵角制御部130は、舵角検出値を用いずに、舵角指令値に基づいて、モータ出力指令値を算出するように構成されてもよい。
図19に示すように、舵角検出値の検出異常の検出時の舵角制御部130は、舵角フィードフォワード制御部134を備えている。舵角フィードフォワード制御部134は、舵角検出値を用いずに、舵角指令値に基づいて、フィードフォワード的にモータ出力指令値を演算する。舵角δとモータq軸電流Iqとの関係は、次式のように表せられる。
Figure 0007433530000002
ここで、Tmotは、操舵用モータの出力トルクであり、Ktは、電流からトルクに変換するトルク定数であり、Jは、操舵機構のイナーシャであり、Cは、操舵機構の粘性であり、kは、慣性、粘性、及び路面反力を線形近似したばね定数である。
よって、式(2)をラプラス変換し、変形した次式を用い、舵角フィードフォワード制御部134は、舵角指令値δoに対して、フィードフォワードの演算処理を行うことにより、q軸の電流指令値Iqoを算出する。なお、舵角フィードフォワード制御部134は、q軸の電流指令値Iqoにトルク定数Ktを乗算したトルク指令値を算出してもよい。
Figure 0007433530000003
2.実施の形態2
実施の形態2に係る自動運転支援装置1について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る自動運転支援装置1の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、舵角センサ9が設けられており、それに伴って各処理が変更されている点が実施の形態1と異なる。図20に、自動運転支援装置1の概略構成図を示し、図21に、自動運転支援装置1の概略ブロック図を示す。また、図22に、各センサの異常検出時の処理をまとめた図を示す。舵角センサ9に係る異常検出時の処理以外は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、自動運転支援装置1は、操舵装置8(車輪)の舵角を検出する舵角センサ9を備えている。舵角センサ9の出力信号は、制御装置100に入力される。舵角センサ9は、ステアリングシャフト4に取り付けられており、ステアリングシャフト4の回転角度を検出する。舵角センサ9は、トルクセンサ3と同様に、操舵用モータ5とハンドル2との間のステアリングシャフト4の部分に取り付けられている。
ステアリングシャフト4の回転角度と舵角とは、所定の変換比率が乗算された比例関係にある。舵角センサ9は、ラック・ピニオンギア6等の舵角を検出可能な他の箇所に取り付けられてもよい。本実施の形態では、舵角センサ9は、数度の回転角度変化も検出可能な高分解能なセンサである。
異常検知部160は、舵角センサ9の異常を検出する。舵角センサ9の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。
<舵角センサの正常時の舵角制御部の構成>
実施の形態1と同様に、舵角制御部130は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、操舵用モータ5の出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する。図23に示すように、舵角制御部130は、出力指令算出部131、及び舵角検出部132を備えている。本実施の形態では、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の未検出時に、舵角センサ9により舵角を検出する。具体的には、舵角センサ9により検出されたステアリングシャフト4の回転角度に所定の変換比率を乗算して、舵角検出値を算出する。舵角が0である場合の回転角度は、0に設定される。本実施の形態では、舵角センサ9は高分解能なセンサであるため、舵角センサ9の出力信号により検出された舵角検出値がそのまま用いられてもよいが、ローパスフィルタ又はPLLフィルタ等の平滑化処理が行われた舵角検出値が用いられてもよい。
実施の形態1と同様に、出力指令算出部131は、舵角指令値と舵角検出値との偏差に基づくPI制御等のフィードバック制御によりモータ出力指令値(本例では、q軸の電流指令値)を変化させる。
<舵角センサの異常の検出時の舵角制御部の構成>
図24に示すように、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の検出時に、操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する。具体的には、舵角検出部132は、回転角度の積算値に、ギア比に応じて予め設定された換算係数を乗算して、舵角検出値を算出する。舵角が0である場合の回転角度の積算値は、0に設定される。舵角検出部132は、モータ制御部150が検出又は推定した操舵用モータ5の回転角度を取得し、積算する。舵角検出部132は、舵角センサ9が正常に動作しているときに、舵角センサ9により検出した舵角検出値と、回転角度の積算値との対応関係を記憶しておき、舵角センサ9の異常の検出時に、正常時に記憶された対応関係を用い、回転角度の積算値に基づいて、舵角検出値を算出する。例えば、舵角検出部132は、舵角センサ9の正常時に、舵角センサ9により検出した舵角検出値が0であるときの回転角度の積算値を0に設定し、0を基準に回転角度の積算値を算出する。
なお、実施の形態1と同様に、回転角度センサ32の異常の未検出時は、回転角度センサ32により検出された操舵用モータ5の回転角度が用いられ、回転角度センサ32の異常の検出時は、モータ制御部150により推定された操舵用モータ5の回転角度が用いられる。
上記の構成によれば、舵角センサ9の異常が発生した場合でも、モータ制御部150により検出又は推定された操舵用モータ5の回転角度の積算値に基づいて、舵角検出値を算出し、自動操舵を継続させることができる。
或いは、実施の形態1の図18と同様に、舵角検出値の検出異常の検出時(本例では、舵角センサ9の異常の検出時)に、自動操舵制御部120は、舵角制御部130に代わって、検出した周辺状態に基づいて、舵角検出値を用いずに、モータ出力指令値を算出するように構成されてもよい。自動操舵制御部120は、検出した周辺状態に基づいて、走行車線に対する自車両の横方向位置を検出し、目標横方向位置と検出した横方向位置に基づいて、モータ出力指令値を算出する。詳細な構成は、実施の形態1と同様であるので省略する。
また、或いは、実施の形態1の図19と同様に、舵角検出値の検出異常の検出時(本例では、舵角センサ9の異常の検出時)に、舵角制御部130は、舵角検出値を用いずに、舵角指令値に基づいて、モータ出力指令値を算出するように構成されてもよい。詳細な構成は、実施の形態1と同様であるので省略する。
<トルクセンサの異常の検出時の操舵アシスト制御部の構成>
異常検知部160は、操舵トルクを検出するトルクセンサ3の異常を検出する。トルクセンサ3の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。
操舵方法判定部110又は操舵アシスト制御部140は、トルクセンサ3の異常の検出時は、舵角センサ9により検出した舵角検出値と、操舵用モータ5の回転角度の積算値に基づいて推定した舵角推定値との角度偏差に基づいて、操舵トルクを推定する。角度偏差により、舵角センサ9が取り付けられた操舵装置8(本例では、ステアリングシャフト4)の位置と、操舵用モータ5が取り付けられた操舵装置8(本例では、ステアリングシャフト4)の位置との間の、動力伝達経路(本例では、ステアリングシャフト4)の捩れ角を検出することができる。捩れ角に、ばね定数を乗算することにより、捩りトルクを算出することができ、捩りトルクが、操舵トルクに対応する。よって、操舵方法判定部110又は操舵アシスト制御部140は、角度偏差に、予め設定されたばね定数を乗算した値を、操舵トルクとして算出する。
そして、操舵方法判定部110は、推定された操舵トルクに基づいて、自動操舵を行うか、操舵アシストを行うかを判定する。また、操舵アシスト制御部140は、操舵アシストを行うと判定された場合は、推定された操舵トルクに基づいて、実施の形態1と同様に、モータ出力指令値を算出する。
トルクセンサ3の異常が発生した場合でも、舵角センサ9により検出された舵角検出値と、回転角度の積算値に基づいて推定した舵角推定値との角度偏差に基づいて、捩りトルクに対応する操舵トルクを推定することができ、操舵方法判定及び操舵アシスト制御を継続することができる。
或いは、操舵方法判定部110は、トルクセンサ3の異常の検出時に、センサにより検出したアクセルペダルの操作量及びブレーキペダルの操作量の一方又は双方に基づいて、運転者による運転意思の有無を判定し、自動操舵を行うか、操舵アシストを行うかを判定してもよい。操舵方法判定部110は、アクセルペダルの操作量の大きさが、判定値を超えた場合、又はブレーキペダルの操作量の大きさが、判定値を超えた場合に、操舵アシストを行うと判定し、それ以外の場合に、自動操舵を行うと判定してもよい。
<状態検出異常の検出時の自動操舵制御部の構成>
異常検知部160は、走行状態及び周辺状態のいずれかの検出異常である状態検出異常を検出する。異常検知部160は、走行状態検出装置21の異常を検出する。本実施の形態では、異常検知部160は、少なくとも、車両速度を検出する車両速度センサ、ヨー角速度を検出するヨー角速度センサ、及び横方向の加速度を検出する横方向の加速度センサの異常を検出する。
異常検知部160は、周辺監視装置20の異常を検出する。本実施の形態では、異常検知部160は、カメラ、レーダ等の異常を検出する。各センサ、装置の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。
自動操舵制御部120は、状態検出異常の検出時に、異常が検出された走行状態又は周辺状態を、異常が検出されていない走行状態及び周辺状態の一方又は双方に基づいて推定し、検出又は推定した走行状態及び周辺状態に基づいて、舵角指令値を算出する。
この構成によれば、走行状態及び周辺状態のいずれかの検出異常の検出時に、異常が検出された走行状態又は周辺状態を、異常が検出されていない走行状態及び周辺状態の一方又は双方に基づいて推定し、自動操舵制御を継続させることができる。
実施の形態1と同様に、自動操舵制御部120は、車両速度センサ、ヨー角速度センサ、及び横方向の加速度センサの異常の未検出時に、車両速度、ヨー角速度、及び横方向の加速度の検出値に基づいて、舵角指令値を算出する。
一方、自動操舵制御部120は、車両速度センサ、ヨー角速度センサ、及び横方向の加速度センサのいずれかの異常の検出時に、正常なセンサによる走行状態の検出値、及び舵角検出値の一方又は双方に基づいて、異常なセンサの走行状態を推定し、正常なセンサによる走行状態の検出値、及び異常なセンサの走行状態の推定値に基づいて、舵角指令値を算出する。
この構成によれば、車両速度センサ、ヨー角速度センサ、及び横方向の加速度センサのいずれかの故障時に、正常な検出値に基づいて、異常なセンサの走行状態を推定し、自動操舵制御を継続させることができる。
<ヨー角速度センサの異常の検出時>
自動操舵制御部120は、ヨー角速度センサの異常の検出時に、舵角検出値及び車両速度の検出値に基づいて、ヨー角速度を推定する。上述したように、ヨー加速度は、舵角及び車両速度のそれぞれに比例する所定の関係になるため、この比例関係を用いて、ヨー角速度を推定することができる。或いは、車両速度として、左右車輪のそれぞれの回転速度が検出される場合は、自動操舵制御部120は、左右車輪の回転速度差に基づいて、旋回状態を求め、ヨー角速度を推定してもよい。
3.実施の形態3
実施の形態3に係る自動運転支援装置1について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る自動運転支援装置1の基本的な構成は実施の形態2と同様であるが、低分解能の舵角センサ9が設けられており、それに伴って各処理が変更されている点が実施の形態2と異なる。図25に、各センサの異常検出時の処理をまとめた図を示す。低分解能の舵角センサ9に係る異常検出時の処理以外は、実施の形態1又は2と同様である。
<舵角センサの正常時及び異常時の舵角検出の構成>
実施の形態1と同様に、舵角制御部130は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、操舵用モータ5の出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する。図26に示すように、舵角制御部130は、出力指令算出部131、及び舵角検出部132を備えている。
本実施の形態では、舵角センサ9による舵角検出値の角度検出分解能よりも、操舵用モータの回転角度の積算値による舵角検出値の角度検出分解能が高い。よって、舵角センサ9による低分解能の舵角を、操舵用モータの回転角度の積算値により推定可能な高分解能の舵角により補いたい。一方、組み立て時に、舵角に対する操舵用モータの回転角度を厳密に管理していないと、操舵用モータの回転角度の積算値と舵角との対応関係が確定せず、回転角度の積算値から、舵角に変換できない。
そこで、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の未検出時に、舵角センサ9による舵角検出値に基づいて、操舵用モータの回転角度の積算値と舵角との対応関係を判定し、判定された対応関係、及び操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出する。判定された対応関係は、EEPROM等の不揮発性の記憶装置に記憶される。一方、舵角検出部132は、舵角センサの異常の検出時に、舵角センサの異常の未検出時に判定された対応関係、及び操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する。
この構成によれば、舵角センサ9の正常時に回転角度の積算値と舵角との対応関係を判定し、舵角センサ9の正常時又は異常時にかかわらず、判定した対応関係を用いて、回転角度の積算値により高分解能で精度の良い舵角を検出することができる。
例えば、舵角検出部132は、対応関係として、舵角センサ9の正常時に、舵角センサ9による舵角検出値が0になったときの回転角度の積算値を0に設定し、舵角0が0に設定された回転角度の積算値を算出する。舵角検出部132は、回転角度の積算値に、ギア比に応じて予め設定された換算係数を乗算して、舵角検出値を算出する。
実施の形態1と同様に、出力指令算出部131は、舵角指令値と舵角検出値との偏差に基づくPI制御等のフィードバック制御によりモータ出力指令値(本例では、q軸の電流指令値)を変化させる。
<回転角度センサの異常時の舵角検出>
本実施の形態では、図27に示すように、舵角検出部132は、回転角度センサ32の異常の検出時に、舵角センサ9による舵角検出値に平滑化処理を行って、舵角を検出する。平滑化処理として、ローパスフィルタ又はPLLフィルタ等が用いられる。回転角度センサ32の異常時に、回転角度の積算値により舵角検出値を算出できなくなった場合、又は回転角度の推定値により算出精度が低下する場合に、低分解能の舵角センサ9による舵角検出値の分解能を平滑化処理により向上させて用いることができる。
なお、舵角検出部132は、回転角度センサ32の異常の検出時に、モータ制御部150により推定された操舵用モータ5の回転角度を用い、回転角度センサ32の正常時と同様に、舵角センサ9による舵角検出値、及び推定された操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出してもよい。
4.実施の形態4
実施の形態4に係る自動運転支援装置1について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る自動運転支援装置1の基本的な構成は実施の形態1又は2と同様であるが、操舵用モータ5が、ブラシ付き直流モータであり、それに伴って、モータ駆動回路30及び各処理が変更されている点が実施の形態1又は2と異なる。図28に、自動運転支援装置1の概略構成図を示し、図29に、自動運転支援装置1の概略ブロック図を示す。また、図30に、各センサの異常検出時の処理をまとめた図を示す。
<ブラシ付き直流モータ>
操舵用モータ5は、いわゆる、ブラシ付き直流モータである。ステータに永久磁石が設けられ、ロータに複数の電機子巻線が巻装されている。ロータの回転軸には、整流子が設けられ、非回転部材には、整流子に接触するブラシが設けられる。整流子は、回転軸の外周部に、互いに隙間を空けて周方向に等間隔に配置された複数の電極板を有している。各電極板は、特定の電機子巻線の端部に接続されている。ブラシは、第1電極のブラシ35a、及び第2電極のブラシ35bを有しており、一方のブラシが、モータ駆動回路30を介して直流電源34の正極側に接続され、他方のブラシが、モータ駆動回路30を介して直流電源34の負極側に接続される。ロータの回転により、第1電極及び第2電極のブラシ35a、35bが接触する整流子の電極板が切り替わり、電流が供給される電機子巻線が切り替わる。これにより、ロータを回転させる磁界がロータに発生する。ロータに発生するトルクは、電機子巻線に供給される電流に応じて変化する。
<モータ駆動回路>
モータ駆動回路30は、スイッチング素子を有し、操舵用モータ5に供給する電力をオンオフする。本実施の形態では、図31に示すように、モータ駆動回路30は、Hブリッジ回路とされている。具体的には、モータ駆動回路30は、直流電源34の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子Spと、直流電源34の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子Snと、が直列接続された直列回路を2組備えている。第1組の直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、第1電極のブラシ35aに接続され、第2組の直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、第2電極のブラシ35bに接続される。
第1組の高電位側のスイッチング素子Sp1と、第2組の低電位側のスイッチング素子Sn2とがオンされることで、第1電極のブラシ35aに直流電源34の高電位側が接続され、第2電極のブラシ35bに直流電源34の低電位側が接続され、ロータを一方側に回転させるトルクが生じる。第1組の低電位側のスイッチング素子Sn1と、第2組の高電位側のスイッチング素子Sp2とがオンされることで、第1電極のブラシ35aに直流電源34の低電位側が接続され、第2電極のブラシ35bに直流電源34の高電位側が接続され、ロータを他方側に回転させるトルクが生じる。
モータ駆動回路30は、操舵用モータ5の電機子巻線に流れる電流を検出する電流センサ31を備えている。電流センサ31は、電機子巻線に流れる電流を検出できる箇所であれば、ブラシ側、直流電源34側等、任意の箇所に設けられてもよい。
<正常時のモータ制御部の構成>
モータ制御部150は、後述する舵角制御部130により算出されたモータ出力指令値(本例では、電流指令値)に基づいて、モータ駆動回路30のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。図32に示すように、正常時のモータ制御部150は、電流検出部152、電流指令設定部153、電流フィードバック制御部154、及びPWM制御部156を備えている。電流検出部152は、電流センサ31の出力信号に基づいて、電機子巻線に流れる電流を検出する。電流指令設定部153は、モータ出力指令値に基づいて、電流指令値を設定する。
電流フィードバック制御部154は、モータ出力指令値(本例では、電流指令値)及び電流検出値に基づいて、電圧指令値を算出する。電流フィードバック制御部154は、電流検出値が、電流指令値に近づくように、電圧指令値を変化させるフィードバック制御を行う。PWM制御部156は、電流指令値が正値である場合は、電圧指令値に基づいて、PWM制御により、第1組の高電位側のスイッチング素子Sp1及び第2組の低電位側のスイッチング素子Sn2をオンオフ制御し、第1組の低電位側のスイッチング素子Sn1及び第2組の高電位側のスイッチング素子Sp2を常時オフする。PWM制御部156は、電流指令値が負値である場合は、電圧指令値に基づいて、PWM制御により、第1組の低電位側のスイッチング素子Sn1及び第2組の高電位側のスイッチング素子Sp2を制御し、第1組の高電位側のスイッチング素子Sp1及び第2組の低電位側のスイッチング素子Sn2を常時オフする。例えば、PWM制御部156は、電圧指令値を電源電圧で除算したオンデューティ比で、PWM制御によりスイッチング素子をオンオフ制御する。
<短絡異常の検出時のモータ制御部の構成>
異常検知部160は、操舵用モータ関連異常として、スイッチング素子の短絡故障、電流供給経路の直流電源34の高電位側又は低電位側への短絡などが生じると、電機子巻線に電流を正常に供給できなくなる。短絡故障の検出方法、及び短絡箇所の特定方法には、公知の各種の方法が用いられる。
短絡異常の検出時に、モータ制御部150(PWM制御部156)は、短絡箇所に対応するスイッチング素子に常時オフし、短絡箇所に対応しないスイッチング素子を、正常時と同様に、電圧指令値に基づいて、PWM制御によりオンオフ制御する。
<電流センサの異常検出>
異常検知部160は、操舵用モータ関連異常として、電流センサ31の異常を検出する。電流センサ31の故障の検出方法には、公知の各種の方法が用いられる。例えば、異常検知部160は、モータ駆動回路30に駆動信号を出力したときの電流検出値に基づいて、電流センサ31の異常を判定する。
モータ制御部150は、電流センサの異常の未検出時に、モータ出力指令値、及び電流センサにより検出された電流検出値に基づいて、駆動信号を生成する。一方、モータ制御部150は、電流センサの異常の検出時に、電流検出値を用いずに、モータ出力指令値に基づいて、駆動信号を生成する。
この構成によれば、電流センサの異常の検出時も、操舵用モータにトルクを出力させ、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
本実施の形態では、図33に示すように、電流センサの異常の検出時のモータ制御部150は、電流指令設定部153、電圧指令設定部162、及びPWM制御部156を備えている。電流指令設定部153及びPWM制御部156の構成は、正常時と同じである。電圧指令設定部162は、モータ出力指令値(本例では、電流指令値)に基づいて、電圧指令値を算出する。例えば、電圧指令設定部162は、電流指令値に、電機子巻線の抵抗値を乗算して、電圧指令値を算出する。電圧指令設定部162は、電流指令値に対して、モータの逆モデル(R+s×L)を表す位相進み処理を行って、電圧指令値を算出してもよい。Rは、電機子巻線の抵抗値であり、Lは、電機子巻線のインダクタンスであり、sは、ラプラス演算子である。
<舵角センサの異常の検出時の構成>
実施の形態2と同様に、自動運転支援装置1は、舵角を検出する舵角センサ9を備えている。異常検知部160は、舵角センサ9の異常を検出する。実施の形態1及び2と同様に、舵角制御部130は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、操舵用モータ5の出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する。実施の形態2の図23と同様に、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の未検出時に、舵角センサ9により舵角を検出する。一方、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の検出時に、操舵用モータ5の回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する。
図34に示すように、舵角センサ9の異常時のモータ制御部150は、電流検出部152、電流指令設定部153、電流フィードバック制御部154、PWM制御部156、及び高周波重畳部161を備えている。高周波重畳部161は、舵角センサ9の異常の検出時に、電流フィードバック制御部154により算出された電圧指令値に対して高周波成分Vhを重畳する。例えば、高周波成分Vhは、次式に示すように設定される。ここで、Vaは、高周波成分Vhの振幅であり、ωhは、高周波成分Vhの角周波数であり、tは、時間である。高周波角周波数ωhは、トルク変動が大きくならないように、モータの機械系の伝達特性のカットオフ角周波数よりも高い角周波数に設定される。
Figure 0007433530000004
高周波成分Vhの重畳後の電圧指令値が、PWM制御部156に入力され、PWM制御部156は、高周波成分Vhの重畳後の電圧指令値に基づいて、PWM制御により、モータ駆動回路30のスイッチング素子をオンオフ制御する。
図35に示すように、舵角検出部132は、舵角センサ9の異常の検出時に、電流検出値に基づいて、操舵用モータの回転角度を推定し、回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する。本実施の形態では、「接点切替によるインピーダンス変動を用いたブラシ付きDCモータのセンサレス角度推定法」(電学論D, Vol.137, No.11, pp.827-836)に開示されている方法が用いられる。舵角センサ9の異常時の舵角検出部132は、インピーダンス推定部132a、誘起電圧推定部132b、及び角度換算部132cを備えている。
インピーダンス推定部132aは、上記文献の式(A)、及び式(28)から式(37)を用いる。インピーダンス推定部132aは、上記文献の式(37)に対応する次式を用いて、電機子巻線のインピーダンスZmを推定する。ここで、Iaは、電流検出値の高周波角周波数ωhの成分の振幅である。
Figure 0007433530000005
高周波成分Vhの振幅Vaは、高周波重畳部161により設定されているため既知である。電流検出値の振幅Iaは、電流検出値に対して、高周波角周波数ωhの成分を抽出する離散フーリエ変換処理、又はノッチフィルタ処理などを行うことにより検出される。
誘起電圧推定部132bは、上記文献の図4および式(12)~式(18)を用いる。誘起電圧推定部132bは、いわゆる誘起電圧オブザーバを構成しており、電流検出値、及び高周波成分Vhの重畳前の電圧指令値に基づいて、角速度推定値ωobを演算し、角速度推定値ωobを積分して、角度推定値θobを演算する。
図36に、式(5)により推定された電機子巻線のインピーダンスZmの挙動を示す。インピーダンスZmは、周期的にパルス状に変動し、パルス状に変動する各タイミングは、特定の回転角度に対応している。角度換算部132cは、インピーダンスZmを、閾値Zthと比較することにより、インピーダンスZmがパルス状に変動したタイミングを検出し、この検出時点で、回転角度が、前回のパルス状変動の検出時点から所定角度(本例では、π/3)だけ変化したと判定できる。
しかし、この判定だけでは、回転方向を検出することができないため、角度換算部132cは、誘起電圧推定部132bにより推定された角速度推定値ωobに基づいて、回転方向を判定する。具体的には、次式に示すように、角度換算部132cは、インピーダンスZmのパルス状変動を検出した時に、角速度推定値ωobが正値の場合は、前回更新した角度推定値θest_oldにπ/3を加算した角度を、角度推定値θestとして更新し、角速度推定値ωobが負値の場合は、前回更新した角度推定値θest_oldからπ/3を減算した角度を、角度推定値θestとして更新する。
Figure 0007433530000006
誘起電圧は、角速度に比例するため、誘起電圧により推定された角度推定値θobは、モータの角速度が十分に大きいときは、推定精度が高くなり、モータの角速度が小さいときは、推定精度が低くなる。よって、角度換算部132cは、角速度推定値ωob又は角度推定値θestに基づいて算出した角速度推定値が、判定値よりも小さい場合は、インピーダンス変動によって推定した角度推定値θestを、回転角度の推定値として選択し、角速度推定値が判定値よりも大きい場合は、誘起電圧により推定された角度推定値θobを、回転角度の推定値として選択する。
そして、角度換算部132cは、選択された回転角度の推定値を積算し、積算値に基づいて舵角を検出する。具体的には、舵角検出部132は、回転角度の積算値に、ギア比に応じて予め設定された換算係数を乗算して、舵角検出値を算出する。舵角記憶部132d舵角が0である場合の回転角度の積算値は、0に設定される。角度換算部132cは、舵角センサ9が正常に動作しているときに、舵角センサ9により検出した舵角検出値と、回転角度の積算値との対応関係を記憶しておき、舵角センサ9の異常の検出時に、正常時に記憶された対応関係を用い、回転角度の積算値に基づいて、舵角検出値を算出する。例えば、角度換算部132cは、舵角センサ9の正常時に、舵角センサ9により検出した舵角検出値が0であるときの回転角度の積算値を0に設定し、0を基準に回転角度の積算値を算出する。
以上のように、回転角度を用いて制御が行われないブラシ付き直流モータが用いられる場合であっても、舵角センサ9の異常時に、舵角検出部132は、ブラシ付き直流モータに流れる電流検出値に基づいて、回転角度を推定し、回転角度の積算値に基づいて、舵角検出値を算出し、自動操舵を継続させることができる。
5.実施の形態5
実施の形態5に係る自動運転支援装置1について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る自動運転支援装置1の基本的な構成は実施の形態1又は2と同様であるが、操舵装置8の構成が変更されており、それに伴って、各部の構成が変更されている点が実施の形態1又は2と異なる。図37に、自動運転支援装置1の概略構成図を示し、図38に、自動運転支援装置1の概略ブロック図を示す。また、図39に、各センサの異常検出時の処理をまとめた図を示す。
本実施の形態では、ハンドル2が、操舵車輪に機械的に連結されておらず、いわゆる、ステアバイワイヤのシステムとされている。ハンドル2には、ステアリングシャフト4が連結されている。ステアリングシャフト4には、減速装置51を介して反力用モータ57の回転軸が連結されている。反力用モータ57は、運転者によるハンドル2の操舵トルクに対する反力トルクを出力する。反力用モータ駆動回路56は、反力用モータ57に供給する電力をオンオフする。反力用モータ57の回転角度を検出するための反力用モータ回転角度センサ52が設けられている。反力用モータ57に流れる電流を検出するための反力用電流センサ59が設けられている。反力用モータ57及び減速装置51とハンドル2との間のステアリングシャフト4には、運転者によるハンドル2の操舵トルクを検出するトルクセンサ3、及びハンドル2の回転角度を検出するハンドル角センサ50が設けられている。
ラック・ピニオンギア6が設けられている。ラック・ピニオンギア6は、ピニオンシャフト58の回転運動を左右方向の直線運動に変換し、タイロッド及びナックルアームを駆動し、車輪7の舵角を変化させる。ピニオンシャフト58には、減速装置54を介して操舵用モータ5の回転軸が連結されている。モータ駆動回路30は、操舵用モータ5に供給する電力をオンオフする。操舵用モータ5の回転角度を検出するための回転角度センサ32が設けられている。ピニオンシャフト58には、舵角センサ9が設けられている。
操舵用モータ5は、実施の形態1と同様の3相以上の電機子巻線を有する交流モータとされており、モータ駆動回路30は、実施の形態1と同様のインバータ回路とされている。また、反力用モータ57は、操舵用モータ5と同様の3相以上の電機子巻線を有する交流モータとされており、反力用モータ駆動回路56は、モータ駆動回路30と同様のインバータ回路とされている。
図38に示すように、制御装置100は、反力トルク指令算出部180、反力出力指令算出部181、及び反力用モータ制御部182を更に備えている。制御装置100の入出力装置92は、ハンドル角センサ50、反力用モータ回転角度センサ52、反力用電流センサ59、及び反力用モータ駆動回路56が接続されている。なお、反力トルク指令算出部180、反力出力指令算出部181、及び反力用モータ制御部182は、制御装置100とは別の制御装置に設けられてもよい。
反力トルク指令算出部180は、ハンドル角センサ50により検出されたハンドル角検出値、及び車両速度に基づいて、反力用モータトルク指令値を算出する。なお、ハンドル角とトルクとの間には、式(2)と同様の関係があるため、式(3)のパラメータを本制御用に置換した式を用い、ハンドル角検出値に基づいて、反力用モータトルク指令値を算出してもよい。或いは、特許第6628017号の図5のように、車両速度を入力パラメータとする基本マップから反力用モータトルク指令値が算出されたり、ハンドル角検出値を微分してハンドル角速度を算出し、車両速度に応じて求まるダンパゲインをハンドル角速度に乗算して反力用モータトルク指令値が算出されたりしてもよい。
反力出力指令算出部181は、反力用モータトルク指令値、及びトルクセンサ3により検出した操舵トルクの検出値に基づいて、反力用モータ出力指令値を算出する。例えば、反力出力指令算出部181は、操舵トルクの検出値が、反力用モータトルク指令値に近づくように、PI制御等により、反力用モータ出力指令値を変化させる。本実施の形態では、反力出力指令算出部181は、反力用モータ出力指令値としてq軸の電流指令値を算出する。反力出力指令算出部181は、反力用モータ出力指令値としてトルク指令値を算出してもよい。
反力用モータ制御部182は、反力用モータ出力指令値に基づいて、反力用モータ駆動回路56のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。反力用モータ制御部182は、実施の形態1のモータ制御部150と同様に構成されるので説明を省略する。
また、異常検知部160は、操舵用モータと同様に、反力用モータの制御システムに生じた異常である反力用モータ関連異常を検出する。反力用モータ制御部182は、操舵用モータと同様に、反力用モータ関連異常の検出時に、反力用モータ出力指令値に基づいて、反力用モータ関連異常の内容に応じた、異常時の駆動信号を生成する。また、異常検知部160は、操舵用モータと同様に、反力用モータ関連異常として、いずれか1相の回路異常を検出する。反力用モータ制御部182は、操舵用モータと同様に、いずれか1相の回路異常の検出時に、反力用モータ出力指令値に基づいて、正常な残りの複数相のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。
実施の形態1と同様に、操舵方法判定部110は、トルクセンサ3により検出した操舵トルクの検出値に基づいて、自動操舵を行うか、操舵アシストを行うかを判定する。また、実施の形態1と同様に、自動操舵制御部120は、自動操舵を行うと判定されている場合は、自車両の走行状態及び自車両の周辺状態を検出し、検出した走行状態及び周辺状態に基づいて、舵角指令値を算出する。実施の形態1と同様に、舵角制御部130は、舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、操舵用モータ5の出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する。実施の形態1と同様に、操舵アシスト制御部140は、操舵アシストを行うと判定されている場合は、操舵トルクの検出値に基づいて、自動操舵制御部120及び舵角制御部130に代わって、操舵トルクの検出値に基づいて、モータ出力指令値を算出する。実施の形態1と同様に、モータ制御部150は、モータ出力指令値に基づいて、モータ駆動回路30のスイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成する。
ステアバイワイヤのシステムでも、各異常検出時の制御は、実施の形態1から3と同様であるので説明を省略する。すなわち、ステアバイワイヤのシステムでも、実施の形態1から3と同様の異常検出時の制御により、自動操舵又は操舵アシストを継続させることができる。
なお、操舵用モータ5は、実施の形態4と同様に、ブラシ付き直流モータとされ、実施の形態4と同様の異常検出時の制御が行われてもよい。また、反力用モータ57は、実施の形態4と同様に、ブラシ付き直流モータとされ、実施の形態4と同様に、反力用モータ関連異常の検出時の制御が行われてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 自動運転支援装置、5 操舵用モータ、9 舵角センサ、20 周辺監視装置、21 走行状態検出装置、30 モータ駆動回路、31 電流センサ、32 回転角度センサ、110 操舵方法判定部、120 自動操舵制御部、130 舵角制御部、140 操舵アシスト制御部、150 モータ制御部、160 異常検知部

Claims (16)

  1. 自車両の走行状態及び自車両の周辺状態を検出し、検出した走行状態及び周辺状態に基づいて、自車両の操舵装置の舵角指令値を算出する自動操舵制御部と、
    前記操舵装置を駆動する操舵用モータと、
    スイッチング素子を有し、前記操舵用モータに供給する電力をオンオフするモータ駆動回路と、
    前記舵角指令値及び舵角検出値に基づいて、前記操舵用モータの出力トルクに係るモータ出力指令値を算出する舵角制御部と、
    前記モータ出力指令値に基づいて、前記モータ駆動回路の前記スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成するモータ制御部と、
    前記操舵用モータの制御システムに生じた異常である操舵用モータ関連異常を検出する異常検知部と、を備え、
    前記モータ制御部は、前記操舵用モータ関連異常の検出時に、前記モータ出力指令値に基づいて、前記操舵用モータ関連異常の内容に応じた、異常時の駆動信号を生成する自動運転支援装置。
  2. 運転者によるハンドルの操舵トルクの検出値に基づいて、前記自動操舵制御部及び前記舵角制御部により自動操舵を行うか、運転者の操舵アシストを行うかを判定する操舵方法判定部と、
    前記操舵アシストを行うと判定された場合は、前記自動操舵制御部及び前記舵角制御部に代わって、前記操舵トルクの検出値に基づいて、前記モータ出力指令値を算出する操舵アシスト制御部と、を備え、
    前記異常検知部は、前記操舵トルクを検出するトルクセンサの異常を検出し、
    前記操舵方法判定部又は前記操舵アシスト制御部は、舵角センサにより検出した舵角検出値と、前記操舵用モータの回転角度を積算して推定した舵角推定値との角度偏差に基づいて、前記操舵トルクを推定する請求項1に記載の自動運転支援装置。
  3. 前記操舵用モータは、3相以上の電機子巻線を有する交流モータであり、
    前記モータ駆動回路は、各相について、前記電機子巻線への電圧印加をオンオフするスイッチング素子を備え、
    前記異常検知部は、前記操舵用モータ関連異常として、いずれか1相の回路異常を検出し、
    前記モータ制御部は、いずれか1相の回路異常の検出時に、前記モータ出力指令値に基づいて、正常な残りの複数相の前記スイッチング素子をオンオフさせる駆動信号を生成し、
    前記舵角制御部は、いずれか1相の回路異常の検出時に、回路異常が生じた1相に対応して前記出力トルクが低下する前記操舵用モータの回転角度に対応する舵角である出力低下舵角を避けるように、前記舵角指令値を補正し、補正後の舵角指令値及び前記舵角検出値に基づいて、異常時のモータ出力指令値を算出する請求項1又は2に記載の自動運転支援装置。
  4. 前記舵角制御部は、開放異常又は短絡異常の回路異常の種類、及び異常相に基づいて、前記出力低下舵角を変化させる請求項3に記載の自動運転支援装置。
  5. 前記異常検知部は、前記操舵用モータ関連異常として、前記操舵用モータに供給される電流を検出する電流センサの異常を検出し、
    前記モータ制御部は、前記電流センサの異常の未検出時に、前記モータ出力指令値、及び前記電流センサにより検出された電流検出値に基づいて、前記駆動信号を生成し、前記電流センサの異常の検出時に、前記電流検出値を用いずに、前記モータ出力指令値に基づいて、前記駆動信号を生成する請求項1から4のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  6. 前記異常検知部は、前記操舵用モータ関連異常として、前記操舵用モータの回転角度を検出する回転角度センサの異常を検出し、
    前記モータ制御部は、前記回転角度センサの異常の未検出時に、前記回転角度センサにより検出された前記操舵用モータの回転角度に基づいて、前記駆動信号を生成し、
    前記回転角度センサの異常の検出時に、前記操舵用モータに流れる電流に基づいて、前記操舵用モータの回転角度を推定し、前記操舵用モータの回転角度の推定値に基づいて、前記駆動信号を生成し、
    前記舵角制御部は、前記回転角度センサの異常の未検出時に、前記回転角度センサにより検出された前記操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出し、
    前記回転角度センサの異常の検出時に、前記モータ制御部により推定された前記操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する、又は検出した走行状態に基づいて舵角を推定する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  7. 前記異常検知部は、前記舵角検出値の検出異常を検出し、
    前記舵角制御部は、前記舵角検出値の検出異常の未検出時に、前記舵角指令値及び前記舵角検出値に基づいて、前記モータ出力指令値を算出し、
    前記自動操舵制御部は、前記舵角検出値の検出異常の検出時に、前記舵角制御部に代わって、前記舵角検出値を用いずに、検出した前記周辺状態に基づいて前記モータ出力指令値を算出する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  8. 前記自動操舵制御部は、前記舵角検出値の検出異常の検出時に、検出した前記周辺状態に基づいて、走行車線に対する自車両の横方向位置を検出し、目標横方向位置及び検出した横方向位置に基づいて、前記モータ出力指令値を算出する請求項7に記載の自動運転支援装置。
  9. 前記異常検知部は、前記舵角検出値の検出異常を検出し、
    前記舵角制御部は、前記舵角検出値の検出異常の未検出時に、前記舵角指令値及び前記舵角検出値に基づいて、前記モータ出力指令値を算出し、
    前記舵角検出値の検出異常の検出時に、前記舵角検出値を用いずに、前記舵角指令値に基づいて前記モータ出力指令値を算出する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  10. 前記異常検知部は、舵角を検出する舵角センサの異常を検出し、
    前記舵角制御部は、前記舵角センサの異常の未検出時に、前記舵角センサにより舵角を検出し、
    前記舵角センサの異常の検出時に、前記操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  11. 前記操舵用モータは、ブラシ付き直流モータであり、
    前記モータ制御部は、前記モータ出力指令値、及び前記ブラシ付き直流モータに流れる電流検出値に基づいて、電圧指令値を算出し、前記電圧指令値に基づいて、前記モータ駆動回路の前記スイッチング素子のオンをオンオフさせる駆動信号を生成し、
    前記舵角センサの異常の検出時に、前記電圧指令値に高周波成分を重畳させ、
    前記舵角制御部は、前記舵角センサの異常の検出時に、前記電流検出値に基づいて、前記操舵用モータの回転角度を推定する請求項10に記載の自動運転支援装置。
  12. 前記異常検知部は、舵角を検出する舵角センサの異常を検出し、
    前記舵角センサによる舵角検出値の角度検出分解能よりも、前記操舵用モータの回転角度の積算値による舵角検出値の角度検出分解能が高く、
    前記舵角制御部は、前記舵角センサの異常の未検出時に、前記舵角センサによる舵角検出値に基づいて、前記操舵用モータの回転角度の積算値と舵角との対応関係を判定し、判定した前記対応関係、及び前記操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて、舵角を検出し、
    前記舵角センサの異常の検出時に、前記舵角センサの異常の未検出時に判定した前記対応関係、及び前記操舵用モータの回転角度の積算値に基づいて舵角を検出する請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  13. 前記異常検知部は、前記操舵用モータの回転角度を検出する回転角度センサの異常を検出し、
    前記舵角制御部は、前記回転角度センサの異常の検出時に、前記舵角センサによる舵角検出値に平滑化処理を行って、舵角を検出する請求項12に記載の自動運転支援装置。
  14. 前記異常検知部は、走行状態及び周辺状態のいずれかの検出異常である状態検出異常を検出し、
    前記自動操舵制御部は、前記状態検出異常の検出時に、異常が検出された走行状態又は周辺状態を、異常が検出されていない走行状態及び周辺状態の一方又は双方に基づいて推定し、検出又は推定した走行状態及び周辺状態に基づいて、前記舵角指令値を算出する請求項1から13のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  15. 前記自動操舵制御部は、前記走行状態として、車両速度、ヨー角速度、及び横方向の加速度を検出し、
    前記異常検知部は、前記車両速度を検出する車両速度センサ、前記ヨー角速度を検出するヨー角速度センサ、及び前記横方向の加速度を検出する横方向の加速度センサの異常を検出し、
    前記自動操舵制御部は、前記車両速度センサ、前記ヨー角速度センサ、及び前記横方向の加速度センサの異常の未検出時に、車両速度、ヨー角速度、及び横方向の加速度の検出値に基づいて、前記舵角指令値を算出し、
    前記車両速度センサ、前記ヨー角速度センサ、及び前記横方向の加速度センサのいずれかの異常の検出時に、正常なセンサによる走行状態の検出値、及び前記舵角検出値の一方又は双方に基づいて、異常なセンサの走行状態を推定し、正常なセンサによる走行状態の検出値、及び異常なセンサの走行状態の推定値に基づいて、前記舵角指令値を算出する請求項1から14のいずれか一項に記載の自動運転支援装置。
  16. 前記自動操舵制御部は、前記ヨー角速度センサの異常の検出時に、前記舵角検出値及び車両速度の検出値に基づいて、前記ヨー角速度を推定し、前記車両速度の検出値、前記ヨー角速度の推定値、及び前記横方向の加速度の検出値に基づいて、前記舵角指令値を算出する請求項15に記載の自動運転支援装置。
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