JP7427955B2 - 延伸フィルム及び微多孔フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、フィルム、延伸フィルム及び微多孔フィルムに関する。より詳細には、シラン変性ポリオレフィンを用いた、製膜性、耐熱収縮性に優れたフィルムと、このフィルムを延伸してなる延伸フィルムと、この延伸フィルムを用いた微多孔フィルムに関する。
シラン変性ポリオレフィンからなる熱可塑性フィルムは、単層もしくは積層フィルムとして食品及び医療品包装材、電子部材充填材、耐熱性樹脂微多孔フィルムとして広く用いられている。
例えば、特許文献1(特開2014-139008号公報)には、シラン変性ポリオレフィン層とシラノール縮合触媒含有ポリオレフィン層を積層して積層フィルムとし、電子部材充填フィルムとする発明が開示されている。また、特許文献2(特開平9-216964号公報)には、シラン基を導入した架橋ポリオレフィンとポリエチレンとを必須成分とする多孔質フィルムを電池用セパレータとする発明が開示されている。
特開2014-139008号公報 特開平9-216964号公報
近年、シラン基を導入した架橋ポリオレフィンの多様な用途への展開に伴い、より高強度で耐熱性に優れたフィルムが求められている。中でも、電子機器のコードレス化、ポータブル化に伴い、これらの駆動用電源として、高エネルギー密度かつ高起電力で、自己放電の少ないリチウム電池あるいはリチウムイオン電池(以下「リチウム電池」という)が注目を集めており、このようなリチウム電池に使用される電池用セパレータへの多孔質フィルムの適用が検討されている。
このような電池用セパレータとしての用途において、電池使用時に発生する熱によって、電池内部が高温状態となった際に、セパレータ自体の熱収縮が大きいと、セパレータとしての特性が損なわれる恐れがあるため、熱収縮が小さいことが望まれる。特に、近年のリチウム電池の性能向上に伴い、長期間の使用が可能となったことにより、従来よりも電池内部がより高温の状態がより長時間続くようになり、セパレータの熱収縮についての要求はより高度になっている。
このため、電池用セパレータに適用する多孔質フィルムには、耐熱収縮性に優れることが強く望まれる。
しかしながら、特許文献2に記載の多孔質フィルムでは、フィルム製造時に樹脂自体の断裂やフィルムの切断が発生することが多く、またフィルムに製膜した際の破れや厚みムラ、フィルム幅の不均一性のために、フィルムとしての製造歩留まりが悪いという問題があった。
また、特許文献2に記載の多孔質フィルムは、熱収縮による変形(湾曲)や表面の凹凸が起こることがあり、電池用セパレータに用いる多孔質フィルムとして不十分であった。
本発明は、上記従来技術における問題に着目し、フィルム成形が容易で製膜性に優れ、耐熱収縮性にも優れたフィルム、延伸フィルム及び微多孔フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、エチレン・α-オレフィン共重合体の中でも、構成単位としてプロピレンを含むもの、特にプロピレン・エチレン共重合体と、エチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)との混合物を不飽和シラン化合物によりグラフト変性した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物であって、特定のメルトフローレート及びゲル分率を有するものを架橋させて得られるシラン架橋体よりなるフィルムが、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1] プロピレン系重合体及びエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)を含む組成物(以下、「変性前組成物」と称す。)を不飽和シラン化合物によりグラフト変性した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を架橋触媒の存在下に架橋反応させてなるシラン架橋体よりなるフィルムであって、該変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物が下記(1)~(2)を満たすフィルム。
(1)ゲル分率が65質量%以上
(2)190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.05g/10分以上、2g/10分以下
[2] 前記プロピレン系重合体が、プロピレン・エチレン共重合体を含む、[1]に記載のフィルム。
[3] 前記変性前組成物について、以下の方法で測定、算出されたエチレン含有指標が0.10~0.95である、[2]に記載のフィルム。
<変性前組成物のエチレン含有指標の測定・算出方法>
膜厚100μmの変性前組成物のシートについて、下記測定条件で透過モードにてFT-IR測定を行い、下記算出方法で算出した。
<測定条件>
積算回数:32
分解:4cm-1
スキャンスピード:2mm/sec
<算出方法>
エチレン含有指標
=(変性前組成物のエチレン基に由来するピーク高さ)/(変性前組成物のプロピレン基に由来するピーク高さとエチレン基に由来するピーク高さの和)
[4] 前記変性前組成物の示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が160℃以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のフィルム。
[5] 前記架橋触媒がシラノール縮合触媒である、[1]~[4]のいずれかに記載のフィルム。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のフィルムを延伸してなる延伸フィルム。
[7] [6]に記載の延伸フィルムを用いた微多孔フィルム。
本発明によれば、優れた製膜性を有し、従って、フィルム破れといった欠陥や、厚みムラがなく、フィルム幅が均一で、外観に優れる上に、耐熱収縮性に優れたフィルム、延伸フィルム及び微多孔フィルムを歩留まりよく提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
なお、本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
また、一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JISK6900)。また、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、フィルムとシートの境界は定かでない。本明細書においては両者を同一の意味を有する用語として用い、両者を統一して「フィルム」と記す。
本発明における各成分のメルトフローレート(MFR)、密度の測定方法は以下の通りである。
プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体等のプロピレン・α-オレフィン共重合体のMFRは、JIS K7210(1999)に記載の方法に従って、230℃、荷重2.16kgで測定された値である。
エチレン・α-オレフィン共重合体、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRは、JIS K7210(1999)に記載の方法に従って、190℃、荷重2.16kgで測定された値である。
密度は、いずれもJIS K7112(1992)A法に準拠して測定された値である。
本発明のフィルムは、プロピレン系重合体及びエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)を含む組成物(以下、本発明の「変性前組成物」と称す場合がある。)を不飽和シラン化合物によりグラフト変性した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物(以下、「本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物」と称す場合がある。)を架橋触媒の存在下に架橋反応させてなるシラン架橋体よりなるフィルムであって、該変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物が下記(1)~(2)を満たすことを特徴とする。
(1)ゲル分率が65質量%以上
(2)190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.05g/10分以上、2g/10分以下
[変性前組成物]
本発明の変性前組成物は、プロピレン系重合体及びエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)を含む組成物であり、通常、プロピレン系重合体とエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)との混合物である。
<プロピレン系重合体>
本発明におけるプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体(プロピレンホモポリマー)及び/又はプロピレン・α-オレフィン共重合体である。なお、本発明において、プロピレン・α-オレフィン共重合体のα-オレフィンはエチレンを含む広義のα-オレフィンであり、従って、プロピレン・α-オレフィン共重合体にはプロピレン・エチレン共重合体が含まれる。
プロピレンの重合、又はプロピレンとα-オレフィンの共重合の際に用いる触媒としては、チーグラーナッタ系触媒やメタロセン触媒などを用いることが可能であるが、必要密度範囲の入手可能性を考慮すると、チーグラ-ナッタ系の触媒が好ましい。メタロセン系触媒を用いて得られるプロピレン単独重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体は通常密度の低い材料が主体である。
以下にプロピレン単独重合体、プロピレン・α-オレフィン共重合体の各々の好ましい物性、組成等について記載するが、プロピレン単独重合体は1種のみを用いてもよく、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
また、プロピレン・α-オレフィン共重合体についても1種のみを用いてもよく、α-オレフィンの種類や共重合組成、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
また、プロピレン単独重合体の1種又は2種以上とプロピレン・α-オレフィン共重合体の1種又は2種以上とを混合して用いてもよい。
2種以上を混合して用いる場合、それぞれのプロピレン系重合体が以下の好適物性等を満たすものであればよい。
(プロピレン単独重合体)
プロピレン単独重合体の密度は、880kg/m以上、965kg/m以下が好ましく、より好ましくは890kg/m以上、960kg/m以下である。プロピレン単独重合体の密度が上記上限値を超えると、架橋により得られるシラン架橋体及びフィルムの剛性がかなり高くなってしまい、例えば、使用時の形状自由度が損なわれる。プロピレン単独重合体の密度が上記下限値未満であると、耐熱収縮性や耐熱性が悪化する恐れがある。
プロピレン単独重合体のMFR(230℃、荷重2.16kg)は特に限定されないが、通常0.5~50g/10分、好ましくは1~30g/10分、より好ましくは2~25g/10分である。MFRが前記下限値よりも小さい場合には、単独での凝集力が強くなり他の成分との均一混合性が不十分になる場合があるほか、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を製造する際のエネルギー負荷が大きくなり過ぎる場合がある。また、MFRが前記上限値よりも大きい場合には、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の流動性が高くなり(溶融粘度および溶融張力が低下し)、フィルム成形性の指標であるネックインが低下する傾向がある。
本発明において、プロピレン単独重合体としては、市販品を用いることができ、例えば、日本ポリプロ社製ノバテックPP(登録商標)などを選択して用いることができる。
(プロピレン・α-オレフィン共重合体)
プロピレン・α-オレフィン共重合体としては、プロピレンと炭素数2、4~20のα-オレフィンとの共重合体が挙げられるが、該プロピレン・α-オレフィン共重合体は、構成単位であるα-オレフィンとしてエチレンを含むこと、即ちプロピレン・エチレン共重合体を含有することが好ましい。
プロピレン・α-オレフィン共重合体において、プロピレンと共重合させるエチレン以外の炭素数4~20のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、6-メチル-1-ヘプテンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレンと共重合させるエチレン以外のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
プロピレン・α-オレフィン共重合体は、プロピレンと1種類のα-オレフィンとの共重合体であってもよく、2種類以上のα-オレフィンを組合わせた共重合体であってもよい。
プロピレン・α-オレフィン共重合体は、共重合体を構成する構成単位として、1種又は2種以上のα-オレフィン2~45質量%と、プロピレン55~98質量%とを共重合させたものが好ましい。この範囲よりもα-オレフィンが多く、プロピレンが少ないと融点が低くなり耐熱性が低下する傾向にあり、この範囲よりもα-オレフィンが少なく、プロピレンが多いと剛性が高くなりフィルムにした際の形状自由度や柔軟性が損なわれる。
また、2種類以上のプロピレン・α-オレフィン共重合体を混合して用いる場合、その中に占めるプロピレン・エチレン共重合体の割合が50~100質量%であることが好ましく、より好ましくは70~100質量%、特に好ましくは100質量%である。この割合が上記下限以上であれば、組成物の融点が高められ、好ましい。
プロピレン・α-オレフィン共重合体の密度は、880kg/m以上、965kg/m以下が好ましく、より好ましくは890kg/m以上、960kg/m以下である。プロピレン・α-オレフィン共重合体の密度が上記上限値を超えると、架橋により得られる架橋体及びフィルムの剛性がかなり高くなってしまい、例えば、使用時の形状自由度が損なわれる。プロピレン・α-オレフィン共重合体の密度が上記下限値未満であると、耐熱収縮性や耐熱性が悪化する恐れがある。
また、プロピレン・α-オレフィン共重合体のMFR(230℃、荷重2.16kg)は特に限定されないが、通常0.5~5g/10分、好ましくは0.8~3.5g/10分、より好ましくは1~2g/10分である。MFRが前記下限値よりも小さい場合には、単独での凝集力が強くなり他の成分との均一混合性が不十分になる場合があるほか、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を製造する際のエネルギー負荷が大きくなり過ぎる場合がある。また、MFRが前記上限値よりも大きい場合には、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の流動性が高くなり(溶融粘度および溶融張力が低下し)、フィルム成形性の指標であるネックインが低下する傾向がある。
プロピレン・α-オレフィン共重合体としては、市販品を用いることもでき、例えば、EXXON MOBIL社製ビスタマックスシリーズ、Lyodellbasell社製AdflexQ300Fなどを選択して用いることができる。
なお、プロピレン系重合体として、プロピレン単独重合体とプロピレン・α-オレフィン共重合体とを混合して用いる場合、その混合割合には特に制限はない。
<エチレン・α-オレフィン共重合体>
本発明で用いるエチレン・α-オレフィン共重合体のα-オレフィンにはプロピレンは含まれない。このエチレン・α-オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数4~20のα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。
エチレンと共重合させる炭素数4~20のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、6-メチル-1-ヘプテンなどが挙げられるが、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。
エチレン・α-オレフィン共重合体は、エチレンと1種類のα-オレフィンとの共重合体であってもよく、エチレンと2種類以上のα-オレフィンを組合わせた共重合体であってもよい。
エチレン・α-オレフィン共重合体は、共重合体を構成する構成単位として、1種又は2種以上のα-オレフィン2~45質量%と、エチレン55~98質量%とを共重合させたものが好ましい。この範囲よりもエチレンが多くα-オレフィンが少ないと十分な柔軟性を得ることが困難であり、この範囲よりもエチレンが少なく、α-オレフィンが多いと融点が低くなり、耐熱性が低下する。
エチレンとα-オレフィンを重合させる際に用いる触媒としては、チーグラーナッタ系触媒やメタロセン触媒などを用いることが可能であるが、必要密度範囲の入手可能性を考慮すると、チーグラ-ナッタ系の触媒が好ましい。メタロセン系触媒を用いて得られるエチレン・α-オレフィン共重合体は通常密度の低い材料が主体である。
エチレン・α-オレフィン共重合体の密度は、880kg/m以上、965kg/m以下が好ましく、より好ましくは890kg/m以上、960kg/m以下である。
エチレン・α-オレフィン共重合体の密度は、主にエチレンと共重合する他のα-オレフィンの導入量等によって調整することができる。
エチレン・α-オレフィン共重合体の密度が上記上限値を超えると、架橋により得られるシラン架橋体及びフィルムの剛性がかなり高くなってしまい、例えば、使用時の形状自由度が損なわれる。エチレン・α-オレフィン共重合体の密度が上記下限値未満であると、耐熱収縮性や耐熱性が悪化する恐れがある。
また、エチレン・α-オレフィン共重合体のMFR(190℃、荷重2.16kg)は、0.5g/10分以上、5g/10分以下であることが好ましく、より好ましくは1.0g/10分以上、2g/10分以下である。
エチレン・α-オレフィン共重合体のMFRが0.5g/10分未満であると、変性時の粘度が高くなり、変性時の押出特性が悪化するのみならず、得られる変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRも大幅に低下してしまい、その結果、フィルム成形時の圧力も大幅に上昇してしまい、例えばトルク異常や、表面性が悪化するメルトフラクチャーの発生等、押出成形性が悪化する。一方、エチレン・α-オレフィン共重合体のMFRが5g/10分を超えると、得られる変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRも高くなってしまい、フィルム成形時のドローダウンの発生等で、やはり押出成形性が悪化してしまう。
本発明において、エチレン・α-オレフィン共重合体としては、市販品を用いることもでき、例えば、Lotte Chemical Titan社製「Titanzex」、「UN414」、ダウケミカル日本社製「エンゲージ」シリーズ、「INFUSE」シリーズなどが挙げられる。
本発明においてエチレン・α-オレフィン共重合体は1種のみを用いてもよく、α-オレフィンの種類や共重合組成、物性等の異なるものを2種以上混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合、それぞれのエチレン・α-オレフィン共重合体が上記の好適組成や好適物性を満たすものであればよい。
<変性前組成物>
本発明の変性前組成物におけるプロピレン系重合体とエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)の割合は、プロピレン系重合体が0.20~30質量%で、エチレン・α-オレフィン共重合体が99.80~70質量%であることが好ましく、プロピレン系重合体が2~25質量%で、エチレン・α-オレフィン共重合体が98~75質量%であることがより好ましく、プロピレン系重合体が5~22質量%で、エチレン・α-オレフィン共重合体が95~78質量%であることが特に好ましい。
上記範囲よりもプロピレン系重合体の割合が多く、エチレン・α-オレフィン共重合体の割合が少ないとフィルムの押出外観が荒れ、架橋処理後のゲル分率が低下する傾向がある。逆に、上記範囲よりもプロピレン系重合体の割合が少なく、エチレン・α-オレフィン共重合体の割合が多いと耐熱収縮性が悪化する傾向がある。
本発明の変性前組成物において、プロピレン系重合体がプロピレン・エチレン共重合体を含む場合、プロピレン・エチレン共重合体とエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)との相溶性はエチレン含有指標として評価することができる。このエチレン含有指標は、後述の実施例の項に記載のFT-IR(赤外分光法)により測定、算出されるが、本発明の変性前組成物について測定、算出されたエチレン含有指標は0.10~0.95であることが好ましく、より好ましくは0.20~0.90であり、更により好ましくは0.50~0.85であり、特に好ましくは0.60~0.80である。エチレン含有指標が0.10未満であると、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物にしてフィルム状に成形する際の成形性及び外観が悪化する傾向がある。またエチレン含有指標が0.95を超えると架橋後の収縮率が増加し、また耐熱収縮性が低下する傾向があり、フィルムとして巻癖が強くなり、カールする等の好ましくない現象が起こり易い。
本発明の変性前組成物は、示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度(以下「融解終了点」と称す場合がある。)が160℃以上であることが好ましい。変性前組成物の融解終了点が160℃以上であると高温でも結晶により形状を保持可能である。この観点から変性前組成物の融解終了点は160℃以上、特に165℃以上であることが好ましい。ただし、変性前組成物の融解終了点が過度に高いと、成形昇温時の未溶融のブツや成形冷却時の早期結晶化により外観不良となる恐れがあることから、変性前組成物の融解終了点は通常180℃以下であることが好ましい。
変性前組成物の融解終了点は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
[変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物]
本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物は、上記の本発明の変性前組成物を不飽和シラン化合物によりグラフト変性してなり、本発明の変性前組成物に、加水分解可能な有機基を有するオレフィン性不飽和シラン化合物を、ラジカル発生剤の存在下に共重合させることによって得ることができる。この反応において、不飽和シラン化合物は、ベースとなる本発明の変性前組成物中のプロピレン系重合体やエチレン・α-オレフィン共重合体相互の架橋点となるよう、それぞれの重合体にグラフト化されるものである。
ここで、加水分解可能な有機基を有するオレフィン性不飽和シラン化合物としては、下記一般式(1)で表されるシラン化合物が好適に用いられる。
RSiR’3-n (1)
(式(1)中、Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基を示し、Yは加水分解し得る有機基を示し、R’は脂肪族不飽和炭化水素以外の1価の炭化水素基あるいはYと同じものを示し、nは0、1又は2を示す。)
一般式(1)において、Rはビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基等が好ましく、R’はメチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基等が好ましく、Yはメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオノキシ基、アルキルないしアリールアミノ基が好ましい。
また、より好ましい不飽和シラン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
CH=CHSi(OA) (2)
(式(2)中、Aは炭素数1~8の1価の炭化水素基を示す。)
上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
不飽和シラン化合物としてはまた、下記一般式(3)で表される化合物も好ましく用いることができる。
CH=C(CH)COOCSi(OA) (3)
(式(3)中、Aは式(2)におけると同義である。)
上記一般式(3)で表される不飽和シラン化合物としては、例えばγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中で、不飽和シラン化合物としてはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
これらの不飽和シラン化合物は1種を単独で用いても、2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
グラフト変性に用いる不飽和シラン化合物の添加量は、本発明の変性前組成物の全質量を基準にして、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。不飽和シラン化合物の添加量が少なすぎると充分なグラフト化が困難となる傾向があり、また多すぎると目ヤニ発生の原因となる傾向があるとともに経済的でなくなる。ここで、不飽和シラン化合物の添加量は、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物における不飽和シラン化合物に由来する単位と同じ意味をもつものである。
グラフト変性時に使用されるラジカル発生剤としては、重合開始作用の強い種々の有機過酸化物及びパーエステル、例えば、ジクミルパーオキサイド、α,α′-ビス(t-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシピバレート、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイドが好ましい。これらのラジカル発生剤は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
ラジカル発生剤の添加量は、得られる変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRが最終的に以下のMFRの範囲になるよう調整することが必要であるが、得られる変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の全質量を基準にして、通常0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、通常0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。ラジカル発生剤の使用量が少なすぎると充分なグラフト化反応が困難となる傾向があり、また多すぎると得られる変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRが低下して、押出加工性が低下するとともに成形表面が悪くなる傾向がある。
本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFR(190℃、荷重2.16kg)は0.05g/10分以上、2g/10分以下である。このMFRは好ましくは0.1g/10分以上で、好ましくは1g/10分以下である。
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRが0.05g/10分より低い場合、フィルム成形時の圧力が大幅に上昇してしまい、たとえばトルク異常や、表面性が悪化するメルトフラクチャーの発生等、押出成形性が悪化する。一方、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のMFRが2g/10分を超えると、フィルム成形時のドローダウンの発生等で、やはり押出成形性が悪化してしまう。
また、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の密度は、前述のエチレン・α-オレフィン共重合体と同様の理由から、同様に880kg/m以上、965kg/m以下が好ましく、より好ましくは890kg/m以上、960kg/m以下である。
また、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物は、ゲル分率が65質量%以上であることが必要である。ゲル分率は一般的に架橋ポリエチレン管の規格であるJIS K6769や、暖房用ポリエチレン管の規格であるJXPA401にて規定されている。ここで、ゲル分率は、樹脂の架橋度を示す指標となるものであり、ゲル分率が大きければ架橋度が高く、逆にゲル分率が小さければ架橋度は低いといえる。変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の架橋度が65質量%より低い場合、最終的に得られる製品の耐熱性、機械強度が低下してしまう。この観点から、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のゲル分率は68質量%以上であることが好ましい。一方、完全にすべての分子を架橋させることは現在の技術上困難であることから、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のゲル分率の上限は通常90質量%以下である。
JIS K6769やJXPA401にて規定されているゲル分率測定方法は、実際のフィルム成形を実施した後、フィルム状態で架橋処理を実施した架橋フィルムを用いて測定されるが、本発明においては簡便のため、次の方法により変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のゲル分率を測定するものとする。
<変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物のゲル分率の測定方法>
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物にジオクチルスズジラウリレートを0.05質量%添加(実際にはMFR:1g/10分、密度920kg/mの直鎖状低密度ポリエチレンにジオクチルスズジラウリレートを1質量%添加したマスターバッチを添加)し、溶融混練後、210℃にて0.5mm厚みに押出したシートを80℃温水中、24時間架橋処理したサンプルを用い、1mm四方に裁断したサンプル約0.5g(試料重量をG1(g)とする)を200メッシュの金網中で、キシレン中、120℃で8時間還流した後、金網上に残った沸騰キシレン不溶分を10Torrの真空中において80℃で8時間乾燥させてその重量を精量し(精量した沸騰キシレン不溶分の重量をG2(g)とする)、下記式(4)により求める。
ゲル分率(%)=G2(g)÷G1(g)×100 (4)
また、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物は、不飽和シラン化合物に由来する単位の含有量が適当であり、混合物としてのゲル分率及びMFRが前述の規定範囲内であれば、2種以上の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物をブレンドしたもの、又は、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物と変性されていないエチレン・α-オレフィン共重合体とをブレンドしたものであってもよい。
[シラン架橋体]
本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物は、架橋触媒の存在下、架橋反応させてなるシラン架橋体として、本発明のフィルムを構成する。
<架橋触媒>
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の架橋反応に用いる架橋触媒としては、シラノール縮合触媒が好ましく使用される。以下、シラノール触媒について詳述する。
シラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、酢酸第一錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート等の錫触媒;ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛触媒;カプリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の亜鉛触媒;ナフテン酸コバルト等のコバルト触媒、チタン酸テトラブチルエステル等のチタン触媒;ステアリン酸カドミウム等のカドミウム触媒;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等のアルカリ土類金属触媒等の有機金属触媒が挙げられる。これらの中で錫触媒が好ましい。これらのシラノール縮合触媒は1種を単独で用いても、2種以上を任意の組合せで併用してもよい。
シラノール縮合触媒の添加量は、シラノール縮合触媒を添加する変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の全質量を基準として、通常0.01質量%以上、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上であり、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。シラノール縮合触媒の添加量が少なすぎると十分な架橋反応が進まず、また多すぎるとコスト的に不利になる。
なお、シラノール縮合触媒は、一般的にマスターバッチ形式で添加することが簡便である。シラノール縮合触媒のマスターバッチは、例えば、シラノール縮合触媒をエチレン単独重合体(ポリエチレン)やエチレン・α-オレフィン共重合体等のポリオレフィンの1種又は2種以上に添加して混練することにより製造することができる。
シラノール縮合触媒を、ポリオレフィンにシラノール縮合触媒を配合したマスターバッチとして用いる場合、マスターバッチ中のシラノール縮合触媒の含有量には特に制限は無いが、通常0.1~5.0質量%程度とすることが好ましい。
シラノール縮合触媒含有マスターバッチには、必要に応じて、混和可能な他の熱可塑性樹脂や、安定剤、滑材、充填剤、着色剤、発泡剤、その他の補助資材を添加することができる。これらの添加剤は、それ自体既知の通常用いられるものであればよい。また、第3成分として、シラノール縮合触媒と共にこれらの添加剤を、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物に添加することも可能である。
<架橋反応の条件>
シラノール縮合触媒による架橋反応は、通常、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物にシラノール縮合触媒を配合した組成物を押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形した後、水雰囲気中に曝すことにより、シラノール基間の架橋反応を進行させて行われる。水雰囲気中に曝す方法は、各種の条件を採用することができ、水分を含む空気中に放置する方法、水蒸気を含む空気を送風する方法、水浴中に浸漬する方法、温水を霧状に散水させる方法等が挙げられる。
この架橋反応では、本発明の変性前組成物のグラフト変性に用いた不飽和シラン化合物由来の加水分解可能なアルコキシ基がシラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解することによりシラノール基が生成し、更にシラノール基同士が脱水縮合することにより、反応が進行し、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物中の変性体同士が結合してシラン架橋体を生成する。
架橋反応の進行速度は水雰囲気中に曝す条件によって決まるが、通常20~130℃の温度範囲、かつ10分~1週間の範囲で曝せばよい。特に好ましい条件は、20~130℃の温度範囲、1時間~160時間の範囲である。水分を含む空気を使用する場合、相対湿度は1~100%の範囲から選択される。
シラン架橋体が長期間に亘って優れた特性を発揮するために、シラン架橋体のゲル分率(架橋度)は、0%以上であることが好ましく、1%以上であることがより好ましい。ゲル分率は、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の不飽和シラン化合物のグラフト率(変性量)、シラノール縮合触媒の種類と配合量、架橋させる際の条件(温度、時間)等を変えることにより、調整することができる。このゲル分率の上限は特に制限されないが通常90%である。ゲル分率の測定方法は前述の通りである。
[フィルムの製造方法]
本発明のフィルムは、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を架橋触媒の存在下に架橋反応させてなるシラン架橋体よりなるものであり、通常、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物と架橋触媒とを含む原料を押出機に円筒状のダイスまたはTダイを設置した成形機で溶融混練、押出成形することによりフィルム成形した後、架橋処理することで製造される。以下、フィルム成形の一例について説明する。
本実施形態のフィルムを製造する方法としては、従来公知の種々の手法を採用することができる。例えば、押出機で溶融させた溶融樹脂をダイスに供給して成形するインフレーションフィルム成形、T-ダイフィルム成形等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、本成形方法により得られる樹脂フィルム同士に熱をかけてラミネートすることで積層体を得ることも可能である。成形されたフィルムはロール状に巻き取られる。得られたフィルムは、高温高湿下、例えば温水又は水蒸気の存在下で、ロールの状態でシラノール基の架橋処理を行ってもよい。架橋条件に関しては、最終的に得られるゲル分率を考慮して決定されるが、架橋処理時間は通常16~24時間である。
従来技術では、成形および架橋処理によって、フィルムがロール状の状態で収縮して設計通りの寸法が得られず製品とならない場合があったが、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物によれば、融点が高く耐熱収縮性に優れ、寸法変化が殆どなく、耐熱性・耐熱収縮性に優れた高品質の架橋フィルムを歩留りよく製造することができる。
本実施形態のフィルムは、延伸フィルムの態様でも好適に用いることができる。
本発明のフィルムを延伸して延伸フィルムを得る方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができ、その製法は特に限定されない。また、延伸方向は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよく、また逐次延伸であっても、同時延伸であってもよい。この場合、架橋処理は延伸後に行うことが好ましい。
本発明のフィルムを延伸して延伸フィルムを得る方法としては、例えば、前記方法で得られた未延伸のフィルムを冷却固化後、インライン又はアウトラインで60~160℃の延伸温度まで再加熱し、テンター及び圧縮空気等を用い一軸方向、或いは二軸方向に少なくとも面積比で1.5倍以上延伸を行い、一軸又は二軸延伸成形した延伸フィルムを得る方法が挙げられる。インフレーションフィルムの場合、インフレーション同時二軸延伸法、ロール及びテンターによる逐次二軸延伸法等が一般的に用いられている。
上記のように延伸して延伸フィルムを得た後に、熱固定を行ってもよいし、熱固定をせずに製品としてもよい。すなわち、熱固定を行わない場合は、その後に加熱されたときに応力が開放されて熱収縮するシュリンクフィルムとして用いることができる。
本発明の延伸フィルムを用いて微多孔フィルムとすることができる。
ここで、微多孔フィルムとは、孔径が0.1μm以下というような微細孔が形成された多孔質フィルムをいう。
本実施形態の多孔質フィルムを製造する方法としては、従来公知の種々の手法を採用することができる。例えば、本発明の変性前組成物を不飽和シラン化合物によりグラフト変性した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物と架橋触媒を配合した原料をフィルム状に成形し、ついでこのフィルムを延伸法により多孔質化した後、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を架橋反応させることにより作製できる。
即ち、まず、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物に架橋触媒を配合する。架橋触媒の配合は、少量のポリオレフィンと架橋触媒とを予め混合し、この混合物を配合する、いわゆるマスターバッチ法を適用すると、架橋触媒の分散が良好となって好ましい。また、本発明の変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物には、必要に応じ、各種添加剤を適量配合してもよく、この場合は、上記変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物と同時に配合すればよい。上記混合は、例えば、ヘンシェルミキサーを用いてのドライブレンドで行うことができる。
次に、この架橋触媒を配合した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を、フィルム状に成形する。この成形は、例えば、熱可塑性樹脂のフィルム成形法であるTダイ式押出法やインフレーション法等により行うことができる。また、成形条件は、成形法の種類に応じ適宜決定されるが、例えば、ドラフト比が、通常20以上、好ましくは50以上であり、フィルムの引取速度が、通常5m/分~200m/分、好ましくは10m/分~100m/分である。なお、上記ドラフト比(D)は、フィルムの引取速度(V2)をダイスから押し出される樹脂の線速度(V1)で除した値であり、下記式(5)で表されるものである。
D=V2/V1 (5)
そして、得られたフィルム(無孔フィルム)について、熱処理(アニーリング)を行うことが好ましい。この熱処理は、フィルムの結晶性の向上等を目的として行われるものである。上記熱処理の条件は、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の架橋温度未満でかつ融点以下の温度である。具体的には、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物がポリエチレンの場合は130℃以下、ポリプロピレンの場合は165℃以下で行われる。また、熱処理に要する時間は、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物の組成や、上記熱処理温度などに応じて設定されるが、通常約2秒~50時間、好ましくは10秒~24時間である。
このようにして熱処理した後、これを延伸することにより、多孔質化処理を行う。この延伸法としては、低温で延伸した後、高温で延伸する二段階延伸法を適用することが好ましい。
すなわち、まず、フィルムに対し、一軸方向で低温延伸を行う。このときの温度は、通常、-20~60℃である。この温度が-20℃未満で低すぎると延伸中にフィルムの破断を生じやすく、逆に60℃を超え高すぎると多孔質化し難い。延伸の作業性の点から温度をー20~55℃とするのが好ましい。この延伸は、例えば、ロール式延伸、テンター式延伸などにより行うことができる。
このときの延伸率は限定されるものではないが、通常20~400%、好ましくは50~300%とされる。なお、この延伸率[M1(%)]は下記式(6)によって表されるものであり、この式(6)におけるL0は低温延伸前の寸法であり、L1は低温延伸後の寸法である。
M1(%)=[(L1-L0)/L0]×100 (6)
そして、上記低温延伸に続き、高温延伸を行う。すなわち、上記フィルムに対し、60℃~ポリエチレンの融点以下の温度範囲で一軸あるいは二軸延伸を行う。なお、高温延伸時の延伸率は通常約10~500%である。この延伸率[M2(%)]は下記式(7)により表される。この式(7)におけるL2は高温延伸後の寸法、L1は低温延伸後の寸法(即ち、高温延伸前の寸法)である。
M2(%)=[L2-L1]/L0]×100 (7)
次に、この延伸処理に続き、ヒートセット(熱固定)処理を行うことが好ましい。これは、延伸法により多孔質化処理を行った場合は、フィルムに延伸歪みが残留することから、これを除去するためである。このヒートセットは、通常、得られた多孔質フィルムを延伸温度~ポリエチレンの融点以下の温度の範囲で、延伸後のフィルムの長さの約35%~50%減少させた状態で5秒~24時間で一定時間保持することにより行われる。
また、テンター式延伸により、横延伸を行っても良い。
そして得られた多孔質フィルムにおいて、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を架橋させる。この架橋処理は、先に述べた活性シラノール基と水との反応によるものであることが好ましい。この場合、架橋処理は、得られた多孔質フィルムを40℃以上の温水中に浸漬する方法や蒸気室中に入れることにより行うことができる。この架橋処理に要する時間は、多孔質フィルムにおける活性シラノール基の量、熱処理温度、湿度等に応じ適宜設定されるが、通常約2秒~50時間、好ましくは10秒~30時間である。また、架橋の程度は、通常ゲル分率で20%以上、耐熱温度の点から好ましくはゲル分率で30%以上である。
このようにして作製された本発明の微多孔フィルムは、電池用セパレータとして好適に用いることができる。
本発明の微多孔フィルムはまた、電池用セパレータ用途の他、分離膜、建築用通気性フィルム、衣料用通気性フィルム等幅広い用途に適用できる。
[フィルムの厚み]
本実施形態のフィルムの厚みは、要求性能、例えば用途、最終製品の形状、要求される物性等に応じて、任意に設定することができ、特に限定されない。例えば食品包装用や工業製品包装用、電子部材のフィルムとして用いる場合、無延伸のフィルムの総厚みは10~5000μmが好ましく、より好ましくは20~4000μm、さらに好ましくは30~3000μmである。また、該用途に用いる場合の延伸フィルムの総厚みは1~500μmが好ましく、より好ましくは2~400μm、さらに好ましくは3~300μmである。
また、本発明のフィルムは厚みなどによってはシートとして使用することも可能である。
[用途]
本発明のフィルム、延伸フィルム及び微多孔フィルムの用途は、電池用セパレータとしての用途が好ましい。また、それ以外の用途としても、本発明のフィルム、延伸フィルム及び微多孔フィルムの特性や機能を使った様々な用途にも適用してもよい。例えば、食品及び医療品包装材、電子部材充填材、耐熱性樹脂微多孔フィルム、分離膜、建築用通気性フィルム、衣料用通気性フィルムとして好適に用いることもできる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[使用原料]
以下の製造例では、プロピレン系重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体として以下のものを用いた。
<プロピレン系重合体>
PP1:Lyodellbasell社製Adflex Q300F
プロピレン・エチレン共重合体
プロピレン含有量:65質量%
MFR(230℃/2.16kg):0.8g/10分
密度:890kg/m
<エチレン・α-オレフィン共重合体>
PE1:Lotte Chemical Titan社製Titanzex HM5000
エチレン・n-ブテン共重合体
MFR(190℃/2.16kg):0.8g/10分
密度:951kg/m
PE2:Lotte Chemical Titan社製UN414
エチレン・n-ブテン共重合体
MFR(190℃/2.16kg):2.0g/10分
密度:920kg/m
PE3:ダウケミカル日本社製エンゲージ8003
エチレン・n-オクテン共重合体
MFR(190℃、2.16kg):1.0g/10分
密度:885kg/m
PE4:ダウケミカル日本社製INFUSE9010
エチレン・n-オクテン共重合体
MFR(190℃、2.16kg):0.5g/10分
密度:877kg/m
[製造例1]
PE1:Lotte Chemical Titan社製Titanzex HM5000(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE2:Lotte Chemical社製UN414(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PP1:Lyodellbasell社製Adflex Q300F(プロピレン・エチレン共重合体)を80:10:10の質量割合で混合して変性前組成物1とした。
変性前組成物1について以下の方法で測定した融解終了点及びエチレン含有指標を表-1に示す。
<融解終了点>
日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計、商品名「DSC6220」を用いて、JIS K7121(2010)に準じて、試料約5mgを加熱速度10℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で-10℃まで降温し、その後、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから補外ピーク終了点(℃)を算出し融解終了点とした。
<エチレン含有指標>
エチレン含有指標は、FT-IR(赤外分光)装置(FT/IR-610、JASCO社製)により測定した。この時、試料を膜厚100μmとなるように160℃でプレスし、下記の条件で透過モードで測定し、以下の方法で算出した。
<測定条件>
積算回数:32
分解:4cm-1
スキャンスピード:2mm/sec
<算出方法>
エチレン含有指標は以下の式で算出した。
エチレン含有指標
=(変性前組成物のエチレン基に由来するピーク高さ)/(変性前組成物のプロピレン基に由来するピーク高さとエチレン基に由来するピーク高さの和)
なお、エチレン基に由来するピーク高さは700~750cm-1におけるピーク高さであり、プロピレン基に由来するピーク高さは2700~2900cm-1におけるピーク高さである。
この変性前組成物1の100質量部に対してジ-t-ブチルパーオキサイド(表-1中、「Pox」と記載)0.03質量部とビニルトリメトキシシラン(表-1中、「Si」と記載)1.7質量部とを添加、混合した後、単軸押出機PMS50-32(1V)(D=50mmφ、L/D=32、IKG(株)製)を用いて、温度220℃、スクリュー回転数60rpm、押出量20kg/hで溶融混練した。その後、溶融混練物を紐状に押し出し、冷却後カッティングし、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1を得た。
得られた変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1のMFR(JIS K7210,190℃,2.16kg)と密度を以下の方法で測定した。結果を表-1に示す。
また、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1について、前述の方法でゲル分率を測定し、結果を表-1に示した。
<MFR>
JIS K7210(1999)に準拠して、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
<密度>
JIS K7112(1999)A法に準拠して、徐冷プレスにて成形した厚さ2mm、長さ40mm、幅15mmの試験片を用い、水中置換法にて測定した。
[製造例2]
PE1:Lotte Chemical Titan社製Titanzex HM5000(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE2:Lotte Chemical社製UN414(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE3:ダウケミカル日本社製エンゲージ8003(エチレン・n-オクテン共重合体)を80:10:10の質量割合で混合して変性前組成物2とした。
変性前組成物2について前述の方法で測定した融解終了点を表-1に示す。
変性前組成物1の代りに変性前組成物2を用いたこと以外は製造例1と同様にして、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物2を得た。
得られた変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物2のMFR、密度、ゲル分率を前述の方法で測定した。結果を表-1に示す。
[製造例3]
PE1:Lotte Chemical Titan社製Titanzex HM5000(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE2:Lotte Chemical社製UN414(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE4:ダウケミカル日本社製INFUSE9010(エチレン・n-オクテン共重合体)を80:10:10の質量割合で混合して変性前組成物3とし、変性前組成物1の代りに変性前組成物3を用いたこと以外は製造例1と同様にして変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物3を得た。
変性前組成物3について前述の方法で測定した融解終了点と、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物3について前述の方法で測定したMFR、密度、ゲル分率を表-1に示す。
[製造例4]
PE1:Lotte Chemical Titan社製Titanzex HM5000(エチレン・n-ブテン共重合体)と、PE2:Lotte Chemical社製UN414(エチレン・n-ブテン共重合体)を90:10の質量割合で混合して変性前組成物4とし、変性前組成物1の代りに変性前組成物4を用いたこと以外は製造例1と同様にして変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物4を得た。
変性前組成物4について前述の方法で測定した融解終了点と、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物4について前述の方法で測定したMFR、密度、ゲル分率を表-1に示す。
[実施例1]
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1の100質量部に対して、シラノール縮合触媒マスターバッチ(1質量%スズ触媒(ジオクチル錫ジラウレート)含有直鎖状低密度ポリエチレン(MFR:4g/10分、密度:900kg/m)マスターバッチ)5質量部をドライブレンドし、20mm単軸押出機を備えたTダイフィルム成形機に供給し、ダイス温度220℃、ライン速度2m/minで厚み100μmの未架橋フィルムを作製した。このフィルムを30cmの長さに切り出し、恒温恒湿器にて85℃、85%RHの環境下で16時間静置して架橋処理を行い、シラン架橋ポリオレフィンフィルム1を得た。
[比較例1]
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1の代りに、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様に未架橋フィルムを作製し、同様に架橋処理してシラン架橋ポリオレフィンフィルム2を得た。
[比較例2]
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1の代りに、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様に未架橋フィルムを作製し、同様に架橋処理してシラン架橋ポリオレフィンフィルム3を得た。
[比較例3]
変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物1の代りに、変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様に未架橋フィルムを作製し、同様に架橋処理してシラン架橋ポリオレフィンフィルム4を得た。
シラン架橋ポリオレフィンフィルム1~4の製膜性、高温耐熱収縮性を以下の方法で評価した。結果を表-1に示す。
<製膜性>
得られたシラン架橋ポリオレフィンフィルムの外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
1:溶融樹脂が切断してしまい製膜ができていない。
2:皺が多く厚みムラ・欠点が多く見られる。フィルム幅も均一ではない。
3:フィルム幅は均一であるが、皺・欠点が確認される。
4:皺が無く、フィルムの厚み、幅も均一である。
<高温耐熱収縮性>
得られたシラン架橋ポリオレフィンフィルムを長さ5cm、幅5cmに切出し、120℃のギアオーブンに1時間静置した後の外観を目視観察し、以下の基準で評価した。
1:長さ方向と幅方向に収縮し、皺が多く全面に凹凸が見られる。
2:皺は無いが長さ方向にカールして円筒状に変形し形状を保持できない。
3:皺は無いが長さ方向に変形しフィルムの湾曲が見られる。
4:皺、変形、収縮が見られない。
<総合評価>
◎:製膜性、高温耐熱収縮性がともに4
△:製膜性、高温耐熱収縮性がともに3または4(ともに4の場合を除く)
×:製膜性、高温耐熱収縮性の一方又は双方が1または2
Figure 0007427955000001
以上の結果から、本発明によれば、外観、耐熱収縮性に優れたシラン架橋ポリオレフィンフィルムを良好な製膜性のもとに歩留まりよく提供することができることが分かる。

Claims (6)

  1. 構成単位としてプロピレンを55質量%以上含むプロピレン系重合体及びエチレン・α-オレフィン共重合体(ただし、α-オレフィンはプロピレンを除く)を含む組成物(以下、「変性前組成物」と称す。)を不飽和シラン化合物によりグラフト変性した変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物を架橋触媒の存在下に架橋反応させてなるシラン架橋体よりなるフィルムを延伸してなる延伸フィルムであって、該変性エチレン・α-オレフィン共重合体組成物が下記(1)~(2)を満たす延伸フィルム。
    (1)ゲル分率が65質量%以上
    (2)190℃、2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が0.05g/10分以上、2g/10分以下
  2. 前記プロピレン系重合体が、プロピレン・エチレン共重合体を含む、請求項1に記載の延伸フィルム。
  3. 前記変性前組成物について、以下の方法で測定、算出されたエチレン含有指標が0.10~0.95である、請求項2に記載の延伸フィルム。
    <変性前組成物のエチレン含有指標の測定・算出方法>
    膜厚100μmの変性前組成物のシートについて、下記測定条件で透過モードにてFT-IR測定を行い、下記算出方法で算出した。
    <測定条件>
    積算回数:32
    分解:4cm-1
    スキャンスピード:2mm/sec
    <算出方法>
    エチレン含有指標
    =(変性前組成物のエチレン基に由来するピーク高さ)/(変性前組成物のプロピレン基に由来するピーク高さとエチレン基に由来するピーク高さの和)
  4. 前記変性前組成物の示差走査熱量計(DSC)で測定される融解の終了ピーク温度が160℃以上である、請求項1~3のいずれかに記載の延伸フィルム。
  5. 前記架橋触媒がシラノール縮合触媒である、請求項1~4のいずれかに記載の延伸フィルム。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の延伸フィルムを用いた微多孔フィルム。
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