JP7424575B2 - 茶葉加工方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、茶葉を加工する方法である茶葉加工方法、及び茶葉を加工する装置である茶葉加工装置に関する。
近時、不発酵茶としての日本茶(いわゆる緑茶)が、家庭で淹れる飲料としてのみならず容器入り飲料としても普及しており、更にそのバリエーションの提案が望まれている。そのような日本茶のバリエーションとして、香味を有するものが種々知られている。
例えば、香味を有する茶の製造方法として、特開平3-206843号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。
この方法では、茶葉の摘採の後で、中国式製茶法における日光萎凋、室内萎凋、揺青、殺青及び揉捻を行い、その後日本式製茶法における中揉、精揉及び乾燥を行うことにより、香味を有する荒茶が製造される。特に、日光萎凋では、摘採した茶葉が日中屋外で広げられたうえで、日光に約20分間晒される。又、室内萎凋では、日光萎凋した茶葉が室内に移して広げられたうえで、4~6時間据え置かれる。
この方法で製造された茶は、日本式製茶法に日光萎凋及び室内萎凋(茶葉の微弱発酵)を取り入れることにより、日本茶に類する緑色を有しつつ、独特の強い香りを呈するものとなっている。尚、この茶は、花茶のように花弁を混ぜたり花弁の香りを移したりするものではなく、茶葉の微弱発酵により茶葉自体に香りを有している。
又、生茶葉の香味誘発萎凋装置として、特開2018-68176号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。
この萎凋装置では、加工生茶葉を収納可能で揺動又は回転可能な加工ドラムと、この加工ドラム内の加工環境を制御する送風装置と、加工生茶葉を昇温させる加温装置と、加工生茶葉の温度及び重量、並びに加工ドラム内の温度及び湿度を測定するセンサと、を備えている。この萎凋装置により、香味を有する発酵茶を製造する際に重要な工程である萎凋工程の各工程要素での処理が好適に実行される。
特開平3-206843号公報 特開2018-68176号公報
上記の茶の製造方法では、特に日光萎凋及び室内萎凋において手間がかかり、所定のスペースにおいて萎凋処理される茶葉の量に限界があり、処理の効率に向上の余地がある。
又、上記の茶の製造方法及び萎凋装置では、空気に晒した状態で萎凋が行われるため、所定の茶葉含有の酵素が茶葉に作用することとなり、茶葉の発酵は所定の緩やかなものに限定される。
そこで、本発明の主な目的の一つは、茶葉に係る嫌気作用を積極的に活用し、これまでにない香味を発揚するように茶葉を加工可能である茶葉加工方法,茶葉加工装置を提供することである。
又、本発明の主な目的の一つは、処理効率の良好な茶葉加工方法,茶葉加工装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、茶葉加工方法において、嫌気環境において茶葉の温度が30℃以上60℃以下である状態で、合計で15分間以上45分間以下で加熱する嫌気加熱工程と、少なくとも一部の時間における前記嫌気加熱工程の後において、前記茶葉を10℃以上23℃以下で保持する低温保持工程と、を備えており、前記嫌気加熱工程以外の前記茶葉の加熱に係る加熱工程を含んでいないことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記発明において、前記嫌気加熱工程において、前記茶葉を加湿することを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記発明において、前記低温保持工程における時間は、合計で60分間以上120分間以下であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記発明において、前記低温保持工程は、嫌気環境下で行われることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、茶葉加工装置において、茶葉を収容する収容空間を有するドラムと、前記茶葉及び前記収容空間の少なくとも一方を加熱するヒータと、前記収容空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記収容空間に風を送るクーラと、を備えており、前記ヒータにより、前記茶葉が30℃以上60℃以下とされ、且つ前記不活性ガス供給手段により、前記収容空間が前記不活性ガスで満たされた状態で、前記茶葉の加熱が、合計で15分間以上45分間以下で行われると共に、少なくとも一部の時間における前記加熱の後において、前記クーラにより、前記茶葉が10℃以上23℃以下で保持され、前記加熱以外の前記茶葉の加熱が行われないことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、茶葉加工装置において、茶葉を収容する収容空間を有するドラムと、前記茶葉及び前記収容空間の少なくとも一方を加熱するヒータと、前記収容空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、前記収容空間に風を送るクーラと、前記ヒータ及び前記クーラを制御する制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記収容空間が前記不活性ガス供給手段により前記不活性ガスで満たされた状態で、前記ヒータの制御により、前記茶葉を30℃以上60℃以下とする加熱を、合計で15分間以上45分間以下で行うと共に、少なくとも一部の時間における前記加熱の後において、前記クーラの制御により、前記茶葉を10℃以上23℃以下で保持し、前記加熱以外の前記茶葉の加熱を行わないことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、上記発明において、前記収容空間を加湿する加湿手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、上記発明において、前記不活性ガスは、炭酸ガス及び窒素ガスの少なくとも一方であることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、上記発明において、前記ドラムは、回転可能であり、前記回転により、前記茶葉が撹拌されることを特徴とするものである。
本発明の主な効果の一つは、茶葉に係る嫌気作用を積極的に活用し、これまでにない香味を発揚するように茶葉を加工可能である茶葉加工方法,茶葉加工装置が提供されることである。
又、本発明の主な効果の一つは、処理効率の良好な茶葉加工方法,茶葉加工装置が提供されることである。
本発明に係る茶葉加工装置の正面図である。 図1におけるクーラ及びボンベを除いた左側面図である。 図1における機枠、ドラム、及びモータの上面図である。 図1のA-A線の断面を含む一部拡大斜視図である。 本発明に係る茶葉加工装置の動作例ないし茶葉加工方法に係るフローチャートである。 本発明の実施例1に係る加工された多量の茶葉の写真である。 図6における1枚の茶葉の写真である。
以下、本発明に係る実施の形態の例が、その変更例と共に、適宜図面に基づいて説明される。
尚、当該形態は、下記の例及び変更例に限定されない。
図1は、本発明に係る茶葉加工装置1の正面図である。図2は、茶葉加工装置1の機枠2、ドラム4、及びモータ8の左側面図である。図3は、茶葉加工装置1のクーラ46及びボンベ44を除いた上面図である。尚、茶葉加工装置1における前後左右上下は、説明の便宜上定めたものである。
茶葉加工装置1は、機枠2と、ドラム4と、空調手段6と、モータ8と、パネルボックス12と、を有する。
機枠2は、機枠本体20と、複数のキャスタ22と、複数のストッパ24とを有する。
機枠本体20は、仮想的な直方体における各辺に相当する部分に配置された棒材を、互いに固定することで形成されている。
各キャスタ22は、機枠本体20の下部の四隅に配置されている。各キャスタ22により、機枠2が移動可能となる。
各ストッパ24は、何れかのキャスタ22に隣接する状態で、機枠本体20に設けられる。各ストッパ24は、伸縮可能である。各ストッパ24が伸長されて、床に当てられると、機枠2の移動が食い止められる。即ち、各ストッパ24の伸長により、機枠2が据え置かれる。
ドラム4は、中空の円柱状であり、機枠2に対し、自身の軸の周りで回転可能及び揺動可能に設けられる。ドラム4の軸の方向は、左右方向である。尚、ドラム4は、回転又は揺動の一方のみ可能に設けられても良い。
ドラム4は、ドラム本体30と、複数の蓋31と、一対の側板32と、一対の回転軸33とを有する。
ドラム本体30は、円筒状である。図4に示されるように、ドラム本体30は、内筒34と外筒35とを有する二重壁構造となっている。内筒34と外筒35との間には、複数のスペーサ36が配置されている。各スペーサ36は、周方向に延びる“C”字状であり、左右方向において互いに間隔を置いて並べられている。尚、ドラム本体30は、角筒状及び三重壁構造の少なくとも一方等といった他の形状をとっても良い。
ドラム本体30の周面には、複数の開口部37が形成されている。各開口部37の一部は、図示の状態で、上側に複数(2箇所)、左右方向に並ぶように形成されている。又、各開口部37の別の一部は、図示の状態で、正面側に複数(2箇所)、左右方向に並ぶように形成されている。各開口部37内には、各スペーサ36は配置されていない。
各開口部37には、蓋31が、複数(3枚ずつ)嵌め込まれている。各蓋31は、曲板状であり、嵌め込み時にドラム本体30の周面と連続する。各蓋31は、対応する開口部37を閉塞可能である。
各側板32は、ドラム本体30の左右に配置され、ドラム本体30と一体に設けられる。各蓋31付きのドラム本体30と各側板32とにより、茶葉を収容する収容空間Cが形成され、気体を一定程度以上密閉可能な密閉空間が形成される。ここでの密閉には、気体が供給され続けるとその気体で満たされて他の気体が流入せずあるいは流入し難い状態になっている場合が含まれる。尚、ドラム4は、収容空間Cを有すれば、どのような形状であっても良い(茶葉収容部)。
各回転軸33は、軸方向を左右方向とした円筒状である。各回転軸33は、左右の側板32の中央において、側板32から左右方向の外方に突出するように設けられる。各回転軸33は、対応する側板32と一体である。各回転軸33は、機枠2に、回転可能に支持される。
又、ドラム4は、温度センサ38と、湿度センサ39とを有している。温度センサ38及び湿度センサ39は、ドラム本体30の内面に取り付けられており、茶葉の収容空間C内に配置されている。温度センサ38は、収容空間C内の温度を検知する。湿度センサ39は、収容空間C内の湿度を検知する。
空調手段6は、複数のヒータ40(図4)と、第1ダクト41と、第2ダクト42と、ダクト連結部43と、不活性ガス供給手段としてのボンベ44と、クーラ46と、クーラ側ヒータ47と、加湿手段としての噴霧器48と、を有する。
空調手段6は、ドラム4内(収容空間C)の状態を調整する。
各ヒータ40は、シート状であり、より詳しくは、耐熱性のシート基材内に線状の電熱体が張り巡らされているものである。
各ヒータ40は、ドラム本体30における内筒34と外筒35との間に配置されている。各ヒータ40は、内筒34に沿う状態で、内筒34と一体に設けられている。各ヒータ40は、ドラム本体30における各スペーサ36の間に配置されている。
各ヒータ40の発熱により、ドラム4内の温度が上昇する。
尚、各ヒータ40の一部又は全部は、線状等の他の形状であっても良いし、ヒートポンプ等の電熱(電気抵抗による熱)以外により発熱するものとされても良い。
第1ダクト41は、円筒状である。第1ダクト41は、第1ダクト本体部50と、一対の第1ダクト屈曲部52とを有している。第1ダクト本体部50は、ドラム4内において左右に延びている。第1ダクト本体部50には、複数の噴出孔(図示略)が設けられている。各第1ダクト屈曲部52は、第1ダクト本体部50の両側に配置されており、それぞれクランク状に屈曲している。各第1ダクト屈曲部52の端部は、ドラム4の対応する回転軸33を貫通して、ドラム4外に露出している。
第2ダクト42は、円筒状であり、左右に延びている。第2ダクト42の中央部には、第2ダクトボックス54が設けられている。
ダクト連結部43は、互いに連結された2つの箱により形成されている。右の第1ダクト屈曲部52の端部は、ダクト連結部43につながっている。第2ダクト42の左端部は、ダクト連結部43につながっている。
ボンベ44は、ボンベ本体56と、弁57と、ボンベホース58とを有している。
ボンベ本体56には、液化された炭酸ガス(COガス)が入っている。炭酸ガスは、不活性ガスの一例である。尚、不活性ガスとして、炭酸ガスに変えて、あるいは炭酸ガスと共に、窒素ガスを始めとする他のガスが用いられても良い。不活性ガスとして、炭酸ガス及び窒素ガスの少なくとも一方が用いられれば、食品である茶葉に対して安全に嫌気環境を作用させることができる。
ボンベ本体56には、弁57を介して、ボンベホース58が接続されている。ボンベホース58には、弁57の開度に応じた流量で、気化した炭酸ガスが流れる。
ボンベホース58の先端部は、第1ダクト41における左の第1ダクト屈曲部52の端部に接続されている。
ボンベ44は、ドラム4内に、所定の流量で炭酸ガスを供給可能である。
クーラ46は、第2ダクト42の右端部に接続されている。
クーラ46は、電源(図示略)と電気的に接続されている。
クーラ46は、外気を冷房機能により適宜冷却して、送風機能により第2ダクト42に送風可能である。第2ダクト42に送られた風は、ダクト連結部43及び第1ダクト41(各噴出口)を介して、ドラム4内に至る。
クーラ側ヒータ47は、ダクト連結部43内に配置されている。
クーラ側ヒータ47は、電熱体を有している。
クーラ側ヒータ47は、発熱により、クーラ46からの風の温度を上昇可能である。
クーラ46及びクーラ側ヒータ47により、第2ダクト42、ダクト連結部43及び第1ダクト41(各噴出口)を介して、任意の温度に係る風がドラム4内に供給される。
尚、クーラ46の冷房機能及びクーラ側ヒータ47の少なくとも一方は、省略されても良い。
噴霧器48は、二流体ノズル60と、ノズルホース61とを有する。
二流体ノズル60は、第2ダクトボックス54に接続されている。
ノズルホース61は、水W(水道あるいは水タンク等)、及び二流体ノズル60と接続されている。
二流体ノズル60は、ノズルホース61から供給される水Wを、第2ダクト42、ダクト連結部43及び第1ダクト41(各噴出口)を介して、ドラム4内に吹き付け可能である。ドラム4内に水Wが吹き付けられることにより、ドラム4内の湿度が上昇する。吹き付けられる水Wの流量が調整されることにより、ドラム4内の湿度の上昇度合が調製される。
尚、加湿手段として、噴霧器48に代えて、あるいは噴霧器48と共に、超音波振動体、及び蒸気発生ヒータの少なくとも一方等が用いられても良い。
モータ8は、機枠2の右部に固定される。
モータ8は、右の回転軸33を介して、ドラム4を回転させる。ここで、ドラム4の回転には、ドラム4の揺動が含まれる。
モータ8は、電源と電気的に接続されている。
尚、モータ8は、左の回転軸33等、ドラム4の他の部分に作用して、ドラム4を回転させても良い。
パネルボックス12は、表示手段、入力手段、及び制御手段を有している。パネルボックス12は、電源(図示略)と電気的に接続されている。
パネルボックス12は、ドラム4の回転の有無にかかわらず、各ヒータ40と電気的に接続されている。パネルボックス12は、各ヒータ40を制御可能であり、特に、各ヒータ40に対して供給する電力を制御可能である。パネルボックス12は、各ヒータ40に対して、互いに同様な電力を供給する。尚、パネルボックス12は、各ヒータ40をそれぞれ独立して制御可能とされても良い。
又、パネルボックス12は、クーラ側ヒータ47と電気的に接続されている。パネルボックス12は、クーラ側ヒータ47を制御可能であり、特に、クーラ側ヒータ47に対して供給する電力を制御可能である。
更に、パネルボックス12は、モータ8と電気的に接続されている。パネルボックス12は、モータ8を制御可能であり、特に、モータ8の回転速度及び回転範囲を制御可能である。
更に、パネルボックス12は、温度センサ38及び湿度センサ39と、それぞれ電気的に接続されている。パネルボックス12は、温度センサ38から送信された収容空間C(茶葉)の温度を示す温度信号、及び湿度センサ39から送信された収容空間C(茶葉)の湿度を示す湿度信号を受信可能である。パネルボックス12は、温度信号及び湿度信号に応じ、茶葉加工装置1に係る各種の部材又は部分を制御可能であり、特に、各ヒータ40の発熱量を制御可能である。パネルボックス12は、温度信号(の示す温度)及び湿度信号(の示す湿度)の少なくとも一方を記憶しても良く、その(それらの)遷移を記憶しても良い。
尚、ボンベ44(弁57の開度)、クーラ46(送風温度及び風量の少なくとも一方)、及び噴霧器48(水Wの流量)は、パネルボックス12により制御されても良い。又、パネルボックス12の入力手段、表示手段、及び制御手段の少なくとも何れかは、他の手段に対して分離されていても良い。更に、制御手段は、ヒータ40及びモータ8等の複数の部材ないし部分に分散して設けられていても良い。
このような茶葉加工装置1の動作例、及び茶葉加工方法の例が、主に図5を用いて説明される。尚、処理のステップは適宜Sと省略される。
まず、茶葉加工装置1の使用者により、開口部37を通じてドラム4内に摘採した茶葉が投入される(茶葉投入工程S1)。茶葉投入後、使用者は、開口部37を、各蓋31により閉塞する。又、使用者により、茶葉加工装置1の電源が投入される。
次に、空調手段6が、嫌気加熱を行うように作動される(嫌気加熱工程S2)。
即ち、ボンベ44の弁57が使用者により所定程度開けられ、炭酸ガスが所定の流量で第1ダクト41を介してドラム4内に供給される(不活性ガス充填工程S2a)。炭酸ガスの流量は、ドラム4の隙間等から僅かに漏れる流量を超えるものとなっており、炭酸ガスは、ドラム4内の空気を追い出し、ドラム4内は、炭酸ガスで満たされる。
又、使用者による入力手段に対する所定の入力(例えばボタンの押下)に基づき、パネルボックス12の制御手段は、各ヒータ40を発熱させる(加熱工程S2b)。各ヒータ40の発熱により、ドラム4内の炭酸ガス及び茶葉が加熱される。制御手段は、茶葉が50℃程度で保持されるように、温度信号を参照して各ヒータ40の発熱を制御する。嫌気加熱温度は、茶葉の温度において室温を超えれば足り、萎凋促進の観点から30℃以上であると好ましい。又、嫌気加熱温度について、萎凋の質に影響を及ぼす急激な加熱の防止の観点から、茶葉の温度において60℃以下であることが好ましい。
更に、使用者により二流体ノズル60への水Wの供給が開始され、噴霧器48の二流体ノズル60からドラム4内に水Wが噴霧される(加湿工程S2c)。水Wの噴霧により、ドラム4内の湿度が上昇する。噴霧に係る水Wの流量は、一定であり、ドラム4内の湿度が概ね70%以上90%以下となるように設定される。かような加湿により、茶葉に熱がより均一に、又より大きい度合で作用する。
尚、クーラ46及びクーラ側ヒータ47は、この時点において作動されない。又、制御手段又は使用者は、S2a~S2cの少なくとも何れか2つを、上述以外の順序で、あるいは互いに同時に行っても良い。制御手段がS2a,S2cを行っても良いし、S2bが使用者の入力に基づかずに自動で行われても良い。
続いて、制御手段は、モータ8を制御して、所定のタイミングにおけるドラム4の回転を指令する(加熱時撹拌工程S3)。ドラム4の回転により、ドラム4内の茶葉が撹拌される。
制御手段は、予め設定された態様で、ドラム4の回転を制御する。ドラム4の回転態様は、常に一定速度で同方向に回転するものであっても良いし、回転速度(方向を含む)が変化するものであっても良い。回転速度が変化する場合、途中で回転が停止されても良い(回転速度=0)。回転停止の時間及び頻度の少なくとも一方は、一定であっても良いし、変化しても良い。回転態様は、揺動のみ含んでいても良い。ドラム4が停止を挟んで複数回揺動される場合、揺動の回転範囲は、互いに一定であっても良いし、変化しても良い。
そして、制御手段及び使用者は、嫌気加熱(S2)開始を起点とした第1所定時間の経過の有無をタイマー(図示略)の参照により判断し(S4)、当該第1所定時間が経過していないと(NO)、S2,S3を継続し、当該第1所定時間の経過が把握されると(YES)、S2,S3即ち茶葉の炭酸ガス下での加熱及び加湿による主要な加工を終了する(加熱終了工程S5)。尚、使用者がドラム4に備えられた窓から茶葉を視認すること等により、茶葉の状態に応じて茶葉の主要な加工が終了されても良い。
茶葉は、S2即ち炭酸ガス充填環境(酸素ガスの存在しない嫌気環境)での加熱により、萎凋される。茶葉は、摘採時に比べて萎れ、嫌気環境で活性化する茶葉嫌気作用により、加熱時間に応じた度合でアルコール発酵等の代謝が進行するものと考えられる。即ち、嫌気加熱は、嫌気的代謝を促進するために行われる。ここで、嫌気的代謝とは、酸素を必要としない代謝をいう。摘採した茶葉には、酵素が含まれる。茶葉含有酵素には、好気環境で作用する代謝酵素のみならず、嫌気環境で作用する代謝酵素が含まれる。茶葉が加熱されることにより、嫌気環境で作用する特定の代謝酵素の活性が、非加熱時より高められる。又、茶葉が加熱されるため、茶葉の水分の蒸発が促進される。嫌気環境でアルコール発酵された茶葉は、一般的な加工である天日萎凋等により好気発酵された茶葉(烏龍茶等)とは異なる、独特の香気及び風味をもたらす。茶葉に限らず一般的に嫌気発酵は腐敗に通じて農作物の加工として回避される傾向にあるところ、茶葉においては、嫌気加熱時間(第1所定時間)が過剰でなければ、果実の芳香に類似する香気が程良く得られ、又主にその香気に基づく爽やかな風味が得られる。第1所定時間は、かような過剰にならない観点から、45分間以下であることが好ましい。尚、第1所定時間は、最低限の香気を付与する観点から、15分間以上であることが好ましい。
又、茶葉への熱の伝達が、加湿により一層効率良くなされる。尚、加湿は、省略されても良い。
更に、茶葉は、S3即ち撹拌により、無撹拌時に比べて均一に萎凋される。
その後、使用者は、茶葉を嫌気環境下で低温保持するため(嫌気低温保持工程S6)、S2aと同様にして炭酸ガスをドラム4内に供給すると共に(不活性ガス充填工程S6a)、クーラ46を作動させ、第2ダクト42、ダクト連結部43及び第1ダクト41(各噴出口)を介してドラム4内に冷風を送って、ドラム4内を室温より低い温度に保持し、茶葉を低温下で保持する(低温保持工程S6b)。低温保持温度は、室温を下回れば足り、効率的な萎凋の仕上げの観点から、23℃以下であると好ましい。又、低温による別の茶葉への影響(凍結等)を防止し、エネルギーの効率化を図る観点から、低温保持温度は10℃以上であると好ましい。冷風の流量は、一定である。尚、制御手段がクーラ46を制御しても良く、この場合に温度信号及び湿度信号の少なくとも一方に基づいて制御しても良い。又、併せてクーラ側ヒータ47が作動されても良い。更に、S2aを中断することなく連続的にS6aが行われても良いし、S6aが省略されても良いし、S6aが行われない好気環境において低温保持(S6b)が行われても良い。
低温保持により、アルコール発酵等の代謝が抑制されるものと考えられる。即ち、低温保持は、アルコール発酵等の嫌気的代謝を抑制するために行われる。
又、S6の実行に際しても、S3と同様にドラム4が回転され、茶葉が撹拌される(低温保持時撹拌工程S7)。S6におけるドラム4の回転のタイミング等は、S3と一部又は全部で同じであっても良いし、全部で異なっていても良い。
そして、使用者は、嫌気低温保持(S6)開始を起点とした第2所定時間の経過の有無を判断し(S8)、当該第2所定時間が経過していないと(NO)、S6,S7を継続し、当該第2所定時間の経過が把握されると(YES)、S6,S7即ち茶葉の炭酸ガス下での低温保持による付随的な加工を終了する(低温保持終了工程S9)。尚、使用者がドラム4に備えられた窓から茶葉を視認すること等により、茶葉の状態に応じて茶葉の付随的な加工が終了されても良い。
嫌気加熱された茶葉が室温より低い低温下で第2所定時間にわたり保持されれば、香味付与のための茶葉の萎凋が、落ち着いた状態で進行する。即ち、茶葉の低温保持は、萎凋の仕上げとなる。萎凋が仕上げられて茶葉により優れた芳香及び風味が付与されるようにする観点から、第2所定時間は、60分間以上であることが好ましい。又、加工時間の短縮(効率化)の観点から、第2所定時間は、120分間以下であることが好ましい。嫌気低温保持に代えて、好気低温保持が行われても、萎凋の仕上げ効果は発揮されるところ、萎凋のより良い質の観点から、比較的に、好気低温保持に比べ嫌気低温保持がより好ましい。
尚、第1所定時間は、嫌気加熱工程S2が嫌気低温保持工程S6を挟んで複数回行われる場合、合計で15分間以上45分間以下とされれば良い。同様に、第2所定時間は、嫌気低温保持工程S6が嫌気加熱工程S2を挟んで複数回行われる場合、合計で60分間以上120分間以下とされれば良い。尚、良好な萎凋を施す観点から、少なくとも一部の時間に係る嫌気加熱工程S2が最初に行われ、嫌気低温保持工程S6は、少なくとも一部の嫌気加熱工程S2の後で行われることが好ましい。
その後、使用者により任意の蓋31が開けられ、開口部37から加工を終えた茶葉が取り出される(茶葉取り出し工程S10)。尚、茶葉の投入及び取り出しの少なくとも一方は、ロボットハンドを始めとする搬送手段(搬入手段・搬出手段)により、自動でなされても良い。蓋31の開口部37に対する装着及び取り外しについても、同様である(蓋着脱手段、蓋装着手段・蓋取り外し手段)。
加工すべき他の茶葉が存在する場合には、適宜S1から処理が繰り返される。
以上の茶葉加工装置1、及び茶葉加工方法は、次のような作用効果を奏する。
即ち、本発明の茶葉加工方法は、嫌気環境において茶葉の温度が室温を超えるように、合計で15分間以上45分間以下で加熱する嫌気加熱工程S2を備えている。よって、本発明の茶葉加工方法では、茶葉に係る嫌気作用を比較的に短時間において積極的に活用し、これまでにない香味を発揚するように茶葉が加工される。又、本発明の茶葉加工方法は、茶葉を平らに並べず集めた状態において比較的に短時間で実施可能であり、優れた処理効率を実現可能である。
又、本発明の茶葉加工方法は、少なくとも一部の時間における嫌気加熱工程S2の後において、茶葉を室温より低い温度で保持する嫌気低温保持工程S6を備えている。よって、茶葉に対し、更に良好な加工(萎凋の仕上げ)が施される。
更に、嫌気加熱工程S2における茶葉の温度は、30℃以上60℃以下である。よって、茶葉に対し、より適切な加工が施される。
又更に、嫌気加熱工程S2において、茶葉が加湿される(加湿工程S2c)。よって、茶葉に対する加熱の作用がより良好なものとなり、茶葉に一層良好な加工が施される。
又、嫌気低温保持工程S6における茶葉の温度は、23℃以下である。よって、茶葉に対し、より適切な加工が施される。
更に、嫌気低温保持工程S6における時間は、合計で60分間以上120分間以下である。よって、茶葉に対し、より適切な加工が施される。
加えて、嫌気低温保持工程S6は、嫌気環境下で行われる。よって、茶葉に対し、より適切な加工が施される。
又、本発明の茶葉加工装置1は、茶葉を収容する収容空間Cを有するドラム4と、茶葉及び収容空間Cを加熱する複数のヒータ40と、収容空間Cに炭酸ガスを供給するボンベ44と、を備えている。よって、本発明の茶葉加工装置1では、茶葉に係る嫌気作用を積極的に活用し、これまでにない香味を発揚するように茶葉が加工される。又、本発明の茶葉加工装置1は、茶葉をドラム4の収容空間Cに投入して短時間で実施可能であり、優れた処理効率を実現可能である。
更に、収容空間Cに風を送るクーラ46を備えている。よって、茶葉に対し、更に良好な加工(萎凋の仕上げ)が施される。
又更に、収容空間Cを加湿する噴霧器48を備えている。よって、茶葉に対する加熱の作用がより良好なものとなり、茶葉に一層良好な加工が施される。
加えて、不活性ガスは、炭酸ガスである。よって、食品である茶葉に対して、安全に嫌気環境が構築される。
次いで、上述の形態に即した、本発明の好適な実施例、及び本発明に属さない比較例が説明される。
尚、本発明は、以下の実施例に限定されない。又、本発明の捉え方によっては、実施例が比較例となることがあり、比較例が実施例となることがある。
上記茶葉加工装置1において、摘採後の茶葉の加工が行われた。
茶葉の品種は「べにふうき」である。「べにふうき」は、著名な「やぶきた」に比べ、萎凋香が発揚し易い。
実施例1の茶葉は、ドラム4内が温度50℃・湿度95%とされたうえでドラム4内に炭酸ガスが供給されて茶葉が30分間嫌気加熱された後(ステージ1とする)、ドラム4内が温度15℃・湿度60%とされたうえでドラム4内に炭酸ガスが供給されて茶葉が90分間嫌気低温保持された(ステージ2とする)ものである。
比較例1の茶葉は、ステージ1,2の後、ステージ1と同様に嫌気加熱され(ステージ3とする)、更にステージ2と同様に嫌気低温保持された(ステージ4とする)ものである。
実施例2の茶葉は、ステージ1の後、炭酸ガスの供給が停止された(嫌気低温保持に代えて好気低温保持がなされた)ことを除きステージ2と同様であるステージ2’が施されたものである。
比較例2の茶葉は、ステージ1,2’の後、炭酸ガスの供給の停止が維持されたことを除きステージと同様であるステージ3’が施され、更にステージ2’と同様であるステージ4’が施されたものである。
実施例3の茶葉は、加熱温度が50℃に代えて60℃とされたことを除きステージ1と同様であるステージ1’が施された後、低温保持時の温度が15℃に代えて23℃とされたことを除きステージ2’と同様であるステージ2’’が施されたものである。
比較例3の茶葉は、ステージ1’(加熱温度60℃),2’’,3’(加熱温度50℃)の後、ステージ2’’と同様であるステージ4’’が施されたものである。
実施例1~3,比較例1~3の加工工程が、次の表1にも示される。
Figure 0007424575000001
実施例1の茶葉は、甘いリンゴのようなフルーティーな香りを発揚した。加工時間が120分間即ち2時間である実施例1の萎凋は、従来の12時間~15時間程度の加工時間に比べ、大幅に短縮された。又、嫌気加熱時の茶葉は、最高で55℃に達した。低温保持時の茶葉の温度は、ドラム4内の温度と同等であった。実施例1の萎凋は、茶葉加工装置1を用いて、茶葉が広げられる従来の萎凋より大量に(例えば1台の茶葉加工装置1当たり摘採時60キログラム)処理可能である。
又、実施例1の茶葉の葉脈は、緑色から赤色に変色していた(図6及び図7参照)。かような葉脈の赤変は、従来の萎凋において見られない特異な現象である。この現象については、次のような考察が可能である。即ち、摘採時に茶葉が有する茶葉含有酵素のうち、嫌気環境で働くものとして、葉緑素(クロロフィル)分解酵素がある。その葉緑素分解酵素が、実施例1の萎凋により、茶葉の葉脈に対して働き、葉脈部の葉緑素が分解し、茶葉に含まれるその他の色素であるアントシアニン(赤色)及びカロチノイド(カロチン類及びキサントフィル類,黄色)の色として葉脈が赤く発色したものである。尚、アントシアニン及びカロチノイドは、葉緑素より安定している。
そして、実施例1の萎凋では、嫌気環境下であることから、茶葉において嫌気的代謝が亢進し、アルコール及びアルデヒド等の生成が促進されているものと考えられる。
これに対し、比較例1の茶葉において、香りは認められなかった(香りの逸脱)。又、茶葉の色は茶褐色となっていた。よって、比較例1の茶葉は、過度に熱処理されたものと考えられる。
実施例2の茶葉は、実施例1と同様な香りを僅かに発揚した。又、葉脈の赤変が認められた。
比較例2の茶葉は、茶褐色を呈し、枯葉のような匂いを呈した。比較例2の茶葉は、過度に熱処理されたと考えられる。
実施例3の茶葉は、実施例1と同様な香りを僅かに発揚した。又、葉脈の赤変が認められた。
比較例3の茶葉は、茶褐色を呈し、枯葉のような匂いを呈した。比較例3の茶葉は、過度に熱処理されたと考えられる。
又、実施例1~3において、ステージ1,1’における嫌気加熱温度及び嫌気加熱時間の少なくとも一方を様々に変えた各種の変更例が試され、その試験により、次の各種の事項が判明した。
即ち、嫌気加熱温度は、茶葉の温度において室温を超えれば足り、30℃以上であると好ましい。又、嫌気加熱温度について、萎凋の質に影響を及ぼす急激な加熱を防止する観点から、茶葉の温度において60℃以下(実施例3参照)であることが好ましい。嫌気加熱温度は、変動しても良い。更に、嫌気加熱時間が15分間未満であると、香気が少なすぎる(一般人が香気を感じられない)ことから、嫌気加熱時間が15分間以上であることが好ましい。加えて、嫌気加熱時間が45分間を超えると、フルーティーな香気に比べて枯れた匂いが認められるようになることから、嫌気加熱時間が45分間以下であることが好ましい。かような嫌気加熱時間は、例えば8分間の嫌気加熱後に30分間の低温保持がなされ、更に7分間の嫌気加熱後に30分間の低温保持がなされるといったように、合計して確保されれば良い。
更に、実施例1~3において、ステージ2,2’,2’’における低温保持の時間(有無)及び温度、並びに不活性ガス充填の有無(嫌気と好気との違い)を様々に変えた各種の変更例が試され、その試験により、次の各種の事項が判明した。
即ち、低温保持が無く、自然冷却(室温環境で放置)されても、香気は付与される。低温保持が有れば、無い場合に比べてより好ましい香気が付与される。この場合、低温保持温度は、室温を下回れば足り、23℃以下であると好ましい。又、低温による別の茶葉への影響を防止し、エネルギーの効率化を図る観点から、低温保持温度は10℃以上であると好ましい。低温保持温度は、変動しても良い。低温保持時、より良好な香気の確保の観点から、嫌気環境とされる(嫌気環境の時間がより長く確保される)と、一層好ましい。低温保持が60分間以上確保されると、60分間未満である場合に比べ、より一層好ましい香気が付与される。他方、低温保持(萎凋)の効率化(時間短縮)の観点から、低温保持時間は120分間以下とされることが好ましい。より好ましい香気を付与するための低温保持時間は、嫌気加熱時間と同様に、合計して確保されれば良い。又、後工程を容易に行うための茶葉の温度(室温)に、より短時間でし易くする観点から、低温保持が萎凋における最後の工程となることが好ましい。更に、良好な効率を確保する観点から、嫌気加熱を完了した後に、低温保持が行われることが好ましい。
かような結果によれば、茶葉加工装置1において、実施例1~3に係る茶葉加工方法が施され、嫌気加熱工程S2、更には低温保持工程(嫌気低温保持工程S6)により、茶葉に係る嫌気作用を比較的に短時間において積極的に活用し、日本茶(不発酵茶)に類する緑色を有しながらこれまでにないフルーティーな香味を発揚する新しい茶(香味付き緑茶)となるように茶葉が加工される。又、かような茶葉の加工は、茶葉を収容空間Cに集めた状態において比較的に短時間で実施可能であり、優れた加工効率が実現される。
又、嫌気的代謝によるアルコール及びアルデヒドの少なくとも一方等の代謝産物の生成後、茶葉を好気環境(例えば倉庫)に置いた際に、嫌気的代謝産物を出発物質とした好気的代謝により、エステル等の更なる代謝産物が生成し得る。そして、嫌気的代謝後の好気的代謝の時間(例えば数時間、数日、数週間あるいは数か月)に応じ、茶葉に、かようなエステル等の代謝産物を含めた多種多様な香気成分が生成し得、茶葉において様々な香りの発揚が可能となる。
1・・茶葉加工装置、4・・ドラム、40・・ヒータ、44・・ボンベ(不活性ガス供給手段)、46・・クーラ、48・・噴霧器(加湿手段)、C・・収容空間、S2・・嫌気加熱工程、S2c・・加湿工程、S6・・嫌気低温保持工程(低温保持工程)。

Claims (9)

  1. 嫌気環境において茶葉の温度が30℃以上60℃以下である状態で、合計で15分間以上45分間以下で加熱する嫌気加熱工程と、
    少なくとも一部の時間における前記嫌気加熱工程の後において、前記茶葉を10℃以上23℃以下で保持する低温保持工程と、
    を備えており、
    前記嫌気加熱工程以外の前記茶葉の加熱に係る加熱工程を含んでいない
    ことを特徴とする茶葉加工方法。
  2. 前記嫌気加熱工程において、前記茶葉を加湿する
    ことを特徴とする請求項1に記載の茶葉加工方法。
  3. 前記低温保持工程における時間は、合計で60分間以上120分間以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の茶葉加工方法。
  4. 前記低温保持工程は、嫌気環境下で行われる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の茶葉加工方法。
  5. 茶葉を収容する収容空間を有するドラムと、
    前記茶葉及び前記収容空間の少なくとも一方を加熱するヒータと、
    前記収容空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    前記収容空間に風を送るクーラと、
    を備えており、
    前記ヒータにより、前記茶葉が30℃以上60℃以下とされ、且つ前記不活性ガス供給手段により、前記収容空間が前記不活性ガスで満たされた状態で、前記茶葉の加熱が、合計で15分間以上45分間以下で行われると共に、
    少なくとも一部の時間における前記加熱の後において、前記クーラにより、前記茶葉が10℃以上23℃以下で保持され、
    前記加熱以外の前記茶葉の加熱が行われない
    ことを特徴とする茶葉加工装置。
  6. 茶葉を収容する収容空間を有するドラムと、
    前記茶葉及び前記収容空間の少なくとも一方を加熱するヒータと、
    前記収容空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    前記収容空間に風を送るクーラと、
    前記ヒータ及び前記クーラを制御する制御手段と、
    を備えており、
    前記制御手段は、
    前記収容空間が前記不活性ガス供給手段により前記不活性ガスで満たされた状態で、前記ヒータの制御により、前記茶葉を30℃以上60℃以下とする加熱を、合計で15分間以上45分間以下で行うと共に、
    少なくとも一部の時間における前記加熱の後において、前記クーラの制御により、前記茶葉を10℃以上23℃以下で保持し、
    前記加熱以外の前記茶葉の加熱を行わない
    ことを特徴とする茶葉加工装置。
  7. 前記収容空間を加湿する加湿手段
    を備えている
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の茶葉加工装置。
  8. 前記不活性ガスは、炭酸ガス及び窒素ガスの少なくとも一方である
    ことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の茶葉加工装置。
  9. 前記ドラムは、回転可能であり、
    前記回転により、前記茶葉が撹拌される
    ことを特徴とする請求項5から請求項8の何れかに記載の茶葉加工装置。
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