JP7424221B2 - 電線 - Google Patents

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Description

本開示は、電線に関するものである。
例えば特許文献1には、中心導体の外周に複数本の外層素線を撚り合わせて高圧で圧縮し、該外層素線を大径の外側円弧と小径の内側円弧を有する端面扇状に形成し、
かつ、前記複数本の隣り合う外層素線の外側円弧間に隙間を生じさせることなく外周面を滑らかに形成して圧縮撚線導体を構成し、
前記圧縮撚線導体の外周に耐燃性ポリエチレン樹脂からなる絶縁体層を被覆してなる耐燃性ポリエチレン絶縁電線が開示されている。
特開2008-135196号公報
特許文献1等に開示されているように、従来から複数本の素線を撚り合せた導体を有する電線について各種検討がなされてきた。
しかし、複数本の素線を撚り合せた導体を有する電線により、二輪車等のジェネレーターと他の部材とを接続すると、ジェネレーター周辺に生じた排ガスや、冷媒のオイル等が、電線が有する空隙を通り、接続した他の部材の方へリークする場合があった。しかしながら、近年では係る電線を介した排ガスや、オイル等のリークを抑制することが求められている。
ただし、二輪車等に設置する電線は、設置する際に所定の形状に変形させる必要がある。また、二輪車等に設置する電線は設置後、使用する際にも力が加わり繰り返し変形する場合がある。このため、電線には、繰り返し力が加えられ、変形させても断線等を抑制できるように屈曲性に優れていることも求められる。
そこで、本開示は、電線を介した排ガスのリークを抑制し、かつ屈曲性に優れた電線を提供することを目的とする。
本開示の電線は、撚り合わされた複数の素線を備えた圧縮導体と、前記圧縮導体の外周を覆う外被とを有し、
前記圧縮導体の長手方向と垂直な断面において、前記圧縮導体は断面積が0.3mm以上であり、かつ前記圧縮導体は、前記素線同士が接触する接触部を有しており、
前記接触部は、直線部と、3本以上の前記直線部が交わる少なくとも1つの交点とを有し、
前記外被は、フッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含有し、かつ前記圧縮導体の外周に位置する前記素線間の凹部に入り込んでおり、
前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.09N/mm以上である。
本開示によれば、電線を介した排ガスのリークを抑制し、かつ屈曲性に優れた電線を提供できる。
図1は、本開示の一態様に係る電線の長手方向と垂直な面での断面図である。 図2は、密着力試験の説明図である。 図3は、屈曲試験の説明図である。
実施するための形態について、以下に説明する。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
(1)本開示の一態様に係る電線は、撚り合わされた複数の素線を備えた圧縮導体と、前記圧縮導体の外周を覆う外被とを有し、
前記圧縮導体の長手方向と垂直な断面において、前記圧縮導体は断面積が0.3mm以上であり、かつ前記圧縮導体は、前記素線同士が接触する接触部を有しており、
前記接触部は、直線部と、3本以上の前記直線部が交わる少なくとも1つの交点とを有し、
前記外被は、フッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含有し、かつ前記圧縮導体の外周に位置する前記素線間の凹部に入り込んでおり、
前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.09N/mm以上である。
本開示の一態様に係る電線において、圧縮導体を、複数の素線を有する撚り線とすることで、導体として単線を用いた場合と比較して、該電線の屈曲性を向上させることができる。また、圧縮導体の長手方向と垂直な断面において、圧縮導体を構成する素線同士が接触する接触部が、直線部と、3本以上の直線部が交わる交点とを有する場合、圧縮導体は素線同士が密に充填された状態となる。このため、圧縮導体は、素線間に空隙を含まない、もしくは空隙をほとんど含まない状態となり、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
そして、外被が、圧縮導体の外周に位置する素線間の凹部に入り込むことで、圧縮導体と外被との間に隙間が生じることを抑制できる。また、外被が凹部に入り込むことで、圧縮導体に対する、外被の密着力を向上させることができる。その結果、圧縮導体と、外被との間の隙間等に起因する、電線を介した排ガス等のリークを抑制できる。
さらに、圧縮導体に対する、外被の単位面積当たりの密着力を0.09N/mm以上とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
(2)前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.48N/mm以下であってもよい。
圧縮導体に対する、外被の単位面積当たりの密着力を上記範囲とすることで、本開示の一態様に係る電線の屈曲性を特に高めることができる。
(3)前記断面積は0.3mm以上1.75mm以下であってもよい。
圧縮導体の断面積を0.3mm以上とすることで、十分な電流を流すことができる。このため、例えば特に電線を介した排ガス等のリークを抑制することが求められる、二輪車等のラジエーターと、電子部品等の他の部材との間を接続するための電線として好適に用いることができる。
また、圧縮導体の断面積を1.75mm以下とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
(4)前記外被はフッ素を含むゴムを含有してもよい。
圧縮導体の表面に外被を形成する際に、フッ素を含むゴムは特に外被の表面形状に追従し易く、圧縮導体と外被との密着力を特に高め、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
(5)前記素線はニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、および錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上であり、前記接触部がニッケル、銀、錫から選択された1種類以上を含有してもよい。
素線としてニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、および錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上を用いることで、素線や、圧縮導体の耐食性を向上させることができる。
(6)前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.11N/mm以上0.27N/mm以下であってもよい。
圧縮導体に対する、外被の単位面積当たりの密着力を0.11N/mm以上とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
圧縮導体に対する、外被の単位面積当たりの密着力を0.27N/mm以下とすることで、本開示の一態様に係る電線の屈曲性を特に高めることができる。
(7)本開示の一態様に係る電線は、撚り合わされた複数の素線を備えた圧縮導体と、前記圧縮導体の外周を覆う外被とを有し、
前記圧縮導体の長手方向と垂直な断面において、前記圧縮導体は断面積が0.3mm以上1.75mm以下であり、かつ前記圧縮導体は、前記素線同士が接触する接触部を有し、
前記接触部は、直線部と、3本以上の前記直線部が交わる少なくとも1つの交点とを有し、
前記外被は、フッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含み、かつ前記圧縮導体の外周に位置する前記素線間の凹部に入り込んでおり、
前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.11N/mm以上0.27N/mm以下であり、
長手方向と垂直な断面における空隙率が0である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)に係る電線の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許の請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1に、本実施形態の電線10の長手方向と垂直な断面を示す。なお、図1は、電線10が有する圧縮導体11の長手方向と垂直な断面でもある。
図1に示すように、本実施形態の電線10は、圧縮導体11と、圧縮導体11の外周を覆う外被12とを有する。
(1)電線が有する各部材について
以下、本実施形態の電線が有する各部材について説明する。
(1-1)圧縮導体
(圧縮導体の構造について)
圧縮導体11は、撚り合わされた複数の素線13を有することができる。図1においては、圧縮導体11が、中心に配置した1本の第1素線13Aと、第1素線13Aを囲むように配置した6本の第2素線13Bとを有する例を示したが係る形態に限定されない。圧縮導体11は、要求される断面積等に応じて任意の本数の素線を有することができる。
圧縮導体11は、撚り合わされた複数の素線13を、外周側から圧縮した構造を有することができる。このため、圧縮導体11は、該圧縮導体11の長手方向と垂直な断面において、素線13同士が接触する接触部14を有することができる。接触部14は、直線形状を有する直線部141と、3本以上の直線部141が交わる少なくとも1つの交点142とを有することができる。
直線部141としては、第2素線13B同士が接触する部分である直線部141Aや、第1素線13Aと、第2素線13Bとが接触する部分である直線部141Bが挙げられる。
例えば第2素線13B同士が接触する部分のうち、一部は曲線形状等の、直線形状以外の部分を含んでいても良い。しかし、特に素線間に空隙を抑制し、排ガス等のリークを抑制する観点から、例えば第2素線13B同士が接触する部分全体が直線形状を有する直線部であることが好ましい。第1素線13Aと、第2素線13Bとが接触する部分についても同様である。
そして、圧縮導体11は、3本以上の直線部141が交わる少なくとも1つの交点142を有することができる。交点142は、例えば図1に示すように第2素線13B同士が接触する部分である直線部141Aと、第1素線13Aと、第2素線13Bとが接触する部分である直線部141Bとが直接交わった点とすることができる。
圧縮導体11を、複数の素線13を有する撚り線とすることで、導体として単線を用いた場合と比較して、本実施形態の電線10の屈曲性を向上させることができる。なお、電線の屈曲性とは、電線を繰り返し折り曲げた場合に、断線することを抑制できる性能を意味する。
そして、圧縮導体11の長手方向と垂直な断面において、圧縮導体11を構成する素線13同士が接触する接触部14が、直線部141と、3本以上の直線部141が交わる交点142とを有する場合、圧縮導体11は、素線13同士が密に充填された状態となる。このため、圧縮導体11は、素線13間に空隙を含まない、もしくは空隙をほとんど含まない状態となり、本実施形態の電線10を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
圧縮導体11は、その外周に凹部131を複数有することができる。凹部131は、圧縮導体11を構成する素線13間に配置される。
圧縮導体11は、圧縮導体11の長手方向と垂直な断面における断面積を0.3mm以上とすることができる。上記圧縮導体11の断面積は、圧縮導体11を構成する素線の断面積に、素線の本数を掛けることで算出できる。
上記圧縮導体11の断面積を0.3mm以上とすることで、十分な電流を流すことができる。このため、例えば特に電線を介した排ガス等のリークを抑制することが求められる、二輪車等のラジエーターと、電子部品等の他の部材との間を接続するための電線として好適に用いることができる。
圧縮導体11の断面積の上限は特に限定されない。圧縮導体11の上記断面積は、例えば2.0mm未満であることが好ましく、1.75mm以下であることがより好ましい。圧縮導体11の断面積を上記範囲とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
(圧縮導体を構成する素線について)
圧縮導体11を構成する素線13の材料は特に限定されない。例えば裸銅線や、ニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上を用いることができる。
特に素線13としてニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、および錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上を用いる場合、接触部14にめっき被膜に由来するニッケル、銀、および錫から選択された1種類以上を含有することができる。素線13としてニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、および錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上を用いることで、素線13や、圧縮導体11の耐食性を向上させることができる。
(1-2)外被
外被12は、圧縮導体11の外周を覆い、絶縁被膜として機能する。
(外被の構造について)
外被12は、圧縮導体11の外周に位置する、素線13間の凹部131に入り込むことができる。
このように外被12が凹部131に入り込むことで、圧縮導体11と外被12との間に隙間が生じることを抑制できる。また、外被12が凹部131に入り込むことで、圧縮導体11に対する、外被12の密着力を向上させることができる。その結果、圧縮導体11と、外被12との間の隙間等に起因する電線を介した排ガス等のリークを抑制できる。
(外被の材料について)
外被12は、フッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含有できる。外被12には、フッ素樹脂と、フッ素を含むゴムとの混合物を用いることもできる。外被12がフッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含むことで、圧縮導体11の表面に外被12を形成する際に、外被12が圧縮導体11の表面形状に追従し、圧縮導体11と外被12との間の密着力を高められる。
フッ素樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等から選択された1種類以上を用いることができる。
フッ素を含むゴムとしては、例えばフッ素ゴム、フロロシリコーンゴム等から選択された1種類以上を用いることができる。上記フッ素ゴムの具体的な例としては、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体(TFE-P)、1,1-ジフルオロエチレン・テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体(TFE-P-VdF)、クロロスルフォン化ポリエチレン・テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体(TFE-P-CSM)、およびフッ化ビニリデン系フッ素ゴム(FKM)等から選択された1種類以上が挙げられる。
外被12は、特にフッ素を含むゴムを含有することが好ましい。これは、圧縮導体11の表面に外被12を形成する際に、フッ素樹脂よりもフッ素を含むゴムの方が圧縮導体11の表面形状により追従し易く、圧縮導体11と外被12との間の密着力を特に高められるからである。外被12は、フッ素を含むゴムのみから構成されることがより好ましい。
(2)電線の特性について
(圧縮導体に対する外被の単位面積当たりの密着力)
圧縮導体11に対する、外被12の単位面積当たりの密着力は高いことが好ましく、例えば0.09N/mm以上であることが好ましく、0.11N/mm以上であることがより好ましい。
圧縮導体11に対する、外被12の単位面積当たりの密着力を上記範囲とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
圧縮導体11に対する、外被12の単位面積当たりの密着力の上限値は特に限定されないが、圧縮導体11に対する、外被12の単位面積当たりの密着力は0.48N/mm以下であることが好ましく、0.27N/mm以下であることがより好ましい。
これは、圧縮導体11に対する、外被12の単位面積当たりの密着力を上記範囲とすることで、本実施形態の電線の屈曲性を特に高めることができるからである。
圧縮導体に対する外被の単位面積当たりの密着力は、例えば図2に示す圧縮導体11のみを通す貫通孔が設けられた密着力測定治具21を用いて測定できる。
具体的にはまず、電線10の外被12を、一部を除いて除去し、圧縮導体11を露出させる。
密着力測定治具21の貫通孔に、露出させた圧縮導体11を挿入する。これにより、図2に示す様に、電線10が、密着力測定治具21にセットされる。
次いで、密着力測定治具21を固定した状態で、電線10を図2中矢印Aに沿って牽引する。そして、圧縮導体11から、外被12が剥離し、圧縮導体11が密着力測定治具21の貫通孔を通り、密着力測定治具21の下方に移動する際に加えた力の大きさを測定する。測定した力の大きさを、圧縮導体11のうち外被12で覆っていた部分の面積で割ることで、圧縮導体に対する外被の単位面積当たりの密着力とすることができる。
(空隙率)
本実施形態の電線の長手方向と垂直な断面における空隙率は特に限定されないが、1%以下であることが好ましく、0であることが好ましい。
本実施形態の電線の長手方向と垂直な断面における空隙率を1%以下とすることで、電線を介した排ガス等のリークを特に抑制できる。
電線の空隙率は、例えば電線の長手方向と垂直な断面における、外被12の外周で囲まれた領域内の空隙の割合を意味する。空隙率は、電線の長手方向と垂直な任意の一断面を光学顕微鏡等で観察し、外被12の外周で囲まれた領域の面積のうち、空隙部分の面積の割合を測定、算出することで求められる。
以上、実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
まず、以下の実験例において作製した電線の評価方法について説明する。
(1)圧縮導体、導体の断面積
圧縮導体、導体の断面積は、圧縮導体、導体を構成する素線の断面積に、素線の本数を掛けることで算出した。
(2)空隙率
作製した電線の長手方向と垂直な任意の一断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。そして、電線の断面積に占める空隙の面積の割合を測定、算出し、空隙率とした。
(3)密着力試験
図2に示す圧縮導体11のみを通す貫通孔が設けられた密着力測定治具21を用いて測定した。
まず、電線10の外被12を、一部を除いて除去し、圧縮導体11を露出させた。この際、図2に示す様に、電線10の長手方向に沿った、外被12の長さLが30mmとなる様に、外被12を残した。
そして、密着力測定治具21の貫通孔に、露出させた圧縮導体11を挿入した。これにより、図2に示す様に、電線10が、密着力測定治具21にセットされる。
次いで、密着力測定治具21を固定した状態で、電線10を図2中矢印Aに沿って200mm/minの速度で牽引した。そして、圧縮導体11から、外被12が剥離し、圧縮導体11が密着力測定治具21の貫通孔を通り、密着力測定治具21の下方に移動する際に加えた力の大きさを測定した。測定した力の大きさを、圧縮導体11のうち外被12で覆っていた部分の面積で割り、圧縮導体に対する外被の単位面積当たりの密着力とした。
なお、圧縮導体11のうち外被12で覆っていた部分の面積は、圧縮導体11の長手方向と垂直な断面における圧縮導体11の外接円C11(図1を参照)の円周に、外被12の長さLである30mmを掛けることで算出した。
圧縮導体に替えて、圧縮していない導体を用いた実験例でも、同様にして導体に対する外被の単位面積当たりの密着力を測定した。
(4)エアリーク試験
以下の実験例で作製した電線を、その長さが500mmとなるように切り取り、エアリーク試験用の試験体とした。そして、試験体の一方の端部から0.1MPaの圧力で1分間空気を供給し、他方の端部からリークした空気をメスシリンダーで捕集して空気量を測定した。
測定した空気量が1.5mL以下の場合にはA、1.5mLより多く4mL以下の場合にはB、4mLより多く5mL以下の場合にはC、5mLより多い場合にはDと評価した。
測定した空気量が少ないほど、すなわち評価がA、B、C、Dの順に、電線を介した排ガス等のリークを抑制できる電線であることを意味する。
(5)屈曲試験
屈曲試験を行う際、まず図3に示すように、水平かつ互いに平行に配置された直径12.5mmの2本のマンドレル311、312の間に、評価を行う以下の実験例で作製した電線10を鉛直方向に配置して挟む。この際、電線10には4.9Nの荷重を加えておいた。そして、電線10の上端を一方のマンドレル311の上側に当接するように水平方向に90°屈曲させた後、他方のマンドレル312の上側に当接するように水平方向に90°屈曲させることを繰り返す。屈曲の繰り返しは、電線中の圧縮導体、または導体の抵抗値を測定しながら行い、初期抵抗値の10倍以上まで抵抗が上昇したときの回数を屈曲試験の測定値とした。なお、図3中右側に曲げてから、左側に曲げた後、右側に戻ってくるまでを屈曲回数1回としてカウントした。屈曲試験の指標値、すなわち屈曲回数が多いほど屈曲性に優れることを意味する。
屈曲回数が3000回以上の場合にはA、屈曲回数が750回以上3000回未満の場合にはB、屈曲回数が750回未満の場合にはCと評価した。
以下に各実験例における電線を説明する
実験例1)
図1に示した断面構造を有する電線を製造した。
(圧縮導体形成工程)
コード径が0.32mmの銅線である素線を7本撚り合わせた後、複数の伸線ダイスを通して圧縮し、圧縮導体11を作製した。なお、銅線としてはめっきを行っていない裸銅線を用いた。得られた圧縮導体11は、外接円C11の直径である外径が0.8mm、断面積が0.56mmであった。
(外被形成工程)
押出成形を用い、圧縮導体11の外周に架橋フッ素ゴム(TFE-P)を配置した。


得られた電線を既述の評価に供した。評価結果を表1に示す。
得られた電線の圧縮導体は、図1に示したように、長手方向と垂直な断面において素線13同士が接触する接触部14を有し、該接触部14は直線形状の直線部141を有していた。また、直線部141が3本交わった交点142を、第1素線13Aの周方向に沿って6つ有することを確認できた。
さらに、圧縮導体11は、外周に素線13間の凹部131を6個有しており、外被12が凹部131に入り込んでいることも確認できた。
(実験例2~実験例4)
圧縮導体形成工程において、用いる伸線ダイスの構成を変え、得られる圧縮導体11の外径が表1に示した値になるようにした。
以上の点以外は実験例1と同様にして電線を製造し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
実験例2~実験例4で得られた電線の圧縮導体は、図1に示した電線10の圧縮導体11と同様に、長手方向と垂直な断面において素線13同士が接触する接触部14を有し、該接触部14は一部に直線形状の直線部141を有していた。しかしながら、実験例1で交点142となった部分には空隙が形成され、直線部141同士は交わらず交点142は形成されていなかった。
実験例2~実験例4で得られた電線の圧縮導体11は、いずれも外周に素線13間の凹部131を6個有しており、外被12が凹部131に入り込んでいることを確認できた。
(実験例5)
コード径が0.19mmの銅線である素線を19本撚り合わせた撚り線を導体として用いた。なお、銅線としてはめっきを行っていない裸銅線を用いた。また、撚り線は圧縮せずに用いた。
圧縮導体に替えて、上記撚り線を用いた点以外は、実験例1と同様にして電線を製造し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、実験例5で得られた電線の導体は、上述のように圧縮していないため、素線同士が接触している部分を有するものの、直線部、および直線部の交点は形成されていなかった。
(実験例6)
コード径が0.8mmである1本の銅線を導体として用いた。なお、銅線としてはめっきを行っていない裸銅線を用いた。
圧縮導体に替えて、上記単線である銅線を用いた点以外は、実験例1と同様にして電線を製造し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0007424221000001
表1に示した結果によると、圧縮導体が所定の断面構造を有する実験例1の電線は、エアリーク試験の評価結果がAであり、屈曲試験も評価結果がBであることを確認できた。すなわち、実験例1の電線は、電線を介した排ガスのリークを抑制し、かつ屈曲性に優れることを確認できた。
なお、実験例1の電線が有する圧縮導体は、長手方向と垂直な断面において、素線同士が接触する接触部を有し、該接触部が、直線部と、3本以上の直線部が交わる少なくとも1つの交点とを有している。また、実験例1の電線において、外被は、圧縮電線の外周に位置する素線間の凹部に入り込んでいた。
これに対して、圧縮導体を製造する際の圧縮の程度を変え、上記交点が形成されていない圧縮導体を含む実験例2~実験例4の電線は、実験例2~実験例4の順に屈曲試験の評価は高くなるものの、エアリーク試験の評価が低下することを確認できた。これは、実験例2~実験例4の順に圧縮導体を製造する際の圧縮の程度を下げているため、圧縮導体を構成する素線間に空隙が形成されたためと考えられる。
また、圧縮導体ではない、撚り線を導体に用いた実験例5の電線についてもエアリーク試験の評価結果がDと非常に悪くなることを確認できた。
単線を導体に用いた実験例6の電線では、エアリーク試験の評価結果はAとよくなるものの、屈曲試験の評価結果はCと非常に悪くなることを確認できた。
10 電線
11 圧縮導体
12 外被
13 素線
13A 第1素線
13B 第2素線
131 凹部
14 接触部
141、141A、141B 直線部
142 交点
21 密着力測定治具
311、312 マンドレル

Claims (3)

  1. 撚り合わされた複数の素線を備えた圧縮導体と、前記圧縮導体の外周を覆う外被とを有し、
    前記圧縮導体の長手方向と垂直な断面において、前記圧縮導体は断面積が0.3mm以上1.75mm 以下であり、かつ前記圧縮導体は、前記素線同士が接触する接触部を有しており
    記外被は、フッ素樹脂、フッ素を含むゴムから選択された1種類以上を含有し、かつ前記圧縮導体の外周に位置する前記素線間の凹部に入り込んでおり、
    前記圧縮導体に対する、前記外被の単位面積当たりの密着力が0.11N/mm以上0.27N/mm 以下である電線。
  2. 前記外被はフッ素を含むゴムを含有する請求項1に記載の電線。
  3. 前記素線はニッケルメッキ銅線、銀メッキ銅線、および錫メッキ軟銅線から選択された1種類以上であり、前記接触部にニッケル、銀、錫から選択された1種類以上を含有する請求項1または請求項2に記載の電線。
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