JP2011198644A - 同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】電気特性と機械特性とがともに優れた同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】導体と、導体の外周に設けられた絶縁体層と、絶縁体層の外周に設けられたシールドシース層と、を有し、絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている樹脂部材からなる複数本のチューブが導体を囲むように配置されて形成され、シールドシース層は、内部に設けられた金属部と金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が絶縁体層を囲むように配置されて形成されており、空洞部の占有率が90%以下である同軸ケーブルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気特性と機械特性に優れた同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルに関するものである。
同軸ケーブルは、内部導体と、その内部導体を囲む内部絶縁体と、その内部絶縁体を囲む外部導体と、その外部導体を囲むシース(外部絶縁体であり、ジャケットとも言う)とを有する。
コンピュータや通信機器等の電子機器においては、高速伝送であると共に小型化による配線部分の高密度化の要求が高まっている。この要求に答えるべく、電子機器内に配線される同軸ケーブルは、従来と同等の電気特性(特に、減衰特性)を有しつつ外径を小さくする必要があり、そのために同軸ケーブルにおける絶縁体(内部絶縁体)の誘電率を小さくする必要がある。
絶縁体の誘電率を小さくする技術として、例えば、絶縁体の多孔質化や発泡化がある。なお、発泡化は絶縁体に発泡性樹脂を用いることで実現される。
また、最近では細径化の要求のみではなく、ケーブルを曲げて使用する部分や、端末装置の接続・取り外ししたりする部分に使用される場合において、曲げや接続・取り外しを繰り返しても不具合が発生しないように、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性などの機械特性を向上させることが求められており、これを目的として、減衰特性に加えて機械特性に優れた同軸ケーブルが求められている。
特開2005−108576号公報 実開平1−95016号公報 特開2001−338536号公報 特許第4268084号公報
しかし、現状の絶縁体を多孔質化や発泡化させた同軸ケーブルは、絶縁体の内部に多孔や気泡が含まれているため、極めて潰れやすく、機械特性(耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性)が低いという問題がある。特に、発泡化させた絶縁体の厚さを薄くするために、厚さの薄い絶縁体を発泡押出する場合、発泡押出の作業性が悪いため、生産性が悪く、コストが高くなってしまう。つまり、このような発泡押出は、同軸ケーブルの細径化には不向きである。
そこで、本発明の目的は、電気特性と機械特性とがともに優れた同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、導体と、該導体の外周に設けられた絶縁体層と、該絶縁体層の外周に設けられたシールドシース層と、を有し、前記絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている樹脂部材からなる複数本のチューブが前記導体を囲むように配置されて形成され、前記シールドシース層は、内部に設けられた金属部と該金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が前記絶縁体層を囲むように配置されて形成されており、前記空洞部の占有率が90%以下である同軸ケーブルである。
請求項2の発明は、前記紐は、第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の周囲に形成された金属部と、前記金属部の周囲に形成された第2の樹脂部とからなる請求項1に記載の同軸ケーブルである。
請求項3の発明は、前記紐は、前記樹脂部の周囲に粘着部が設けられており、該粘着部により前記紐の各々が固着されている請求項1又は2に記載の同軸ケーブルである。
請求項4の発明は、前記チューブは、前記樹脂部材の周囲に粘着部が設けられており、該粘着部により前記チューブの各々が固着されている請求項1〜3のいずれかに記載の同軸ケーブルである。
請求項5の発明は、前記絶縁体層における前記空洞部の占有率が45%以上90%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の同軸ケーブルである。
請求項6の発明は、前記紐及び前記チューブは、螺旋状に巻き付けられて設けられるか、或いは直線状に縦添えされて設けられる請求項1〜5のいずれかに記載の同軸ケーブルである。
請求項7の発明は、前記チューブは、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有する請求項1〜6のいずれかに記載の同軸ケーブルである。
請求項8の発明は、前記紐は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有する請求項1〜7のいずれかに記載の同軸ケーブルである。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の同軸ケーブルを複数本撚り合わされてなることを特徴とする多心ケーブルである。
本発明によれば、電気特性と機械特性とがともに優れた同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルを示す横断面図である。 図1の同軸ケーブルの絶縁体層を構成するチューブを示す横断面図である。 図1の同軸ケーブルのシールドシース層を構成する紐を示す横断面図である。 屈曲試験の概略を説明する図である。 座屈試験の概略を説明する図である。 捻回試験の概略を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る同軸ケーブルを示す横断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る同軸ケーブル1は、導体(内部導体)2と、導体2の外周に設けられた絶縁体層3と、絶縁体層3の外周に設けられたシールドシース層4と、を有する。
絶縁体層3は、図2に示すように、内部に空洞部5が形成されている樹脂部材6と樹脂部材6の周囲に設けられた粘着部7とを有する複数本のチューブ(第1の線状体)8が導体2を囲むように単層、あるいは複数層(図1では2層)配置されて形成された空洞絶縁体層である。
これらチューブ8は、導体2に対して螺旋状に巻き付けられて設けられるか、或いは直線状に縦添えされて(導体2の長手方向に並行して)設けられる。
つまり、絶縁体層3では、チューブ8の内部の空洞部5を利用して、絶縁体層3に空洞を設けたものである。なお、絶縁体層3における空洞部5の占有率が30%以上90%以下であることが好ましい。この理由は、占有率が30%未満の場合、比誘電率の増大や特性インピーダンスの低下が生じる虞があり、占有率が90%を超える場合、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性などの機械特性が低下してしまう虞があるためである。より好ましくは、45%以上90%以下がよい。なお、絶縁体層3における空洞部5の占有率とは、絶縁体層3の断面積に対する空洞部5の断面積の合計を比率で表したものである。
また、樹脂部材6の材料としては、四フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(PEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリエチレン(PE)、ビニル(PVC)等のプラスチック材料或いはファイバ材料等がある。なお、チューブ8には、例えば0.01mm〜10mmの範囲の外径を有するものを使用することができる。また、チューブ8は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有することが好ましい。
粘着部7は、加熱により溶融すると共に隣接するチューブ8同士、及びチューブ8と後述する紐とを接着し、固着するために設けられる。
シールドシース層4は、内部に設けられた金属部と該金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が絶縁体層を囲むように配置されて形成されたものからなる。紐(第2の線状体)としては、例えば図3に示すように、第1の樹脂部13と第1の樹脂部13の周囲に形成された金属部9と金属部9の周囲に形成された第2の樹脂部10と第2の樹脂部10の周囲に設けられた粘着部11とを有する。シールドシース層は、シールド層とシース層の両方の機能を兼ねた遮蔽シース層である。
これら紐12は、絶縁体層3の外周に、導体2に対して螺旋状に巻き付けられて設けられるか、或いは直線状に縦添えされて(導体2の長手方向に並行して)設けられる。なお、紐12には、例えば0.01mm〜10mmの範囲の外径を有するものを使用することができる。また、紐12は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有することが好ましい。
金属部9の材料としては、銅、銅の合金、アルミニウム、アルミニウムの合金、銀、銀の合金などがある。また、第1の樹脂部13、第2の樹脂部10は、チューブ8の樹脂部材6の材料として挙げた材料で形成される。
なお、金属部9は、紐12の断面積に対して1%〜20%の占有率となる断面積を有するように設けられていることが好ましい。金属部9をこのような範囲の占有率で設けることで、シールド特性と機械特性とを両立させることができる。
粘着部11は、加熱により溶融すると共に隣接する紐12同士、及びチューブ8と紐12とを接着し、固着するために設けられる。
紐12は、内部の金属部9がシールド層の役割を担っており、また、その周囲の第1の樹脂部13、第2の樹脂部10がシース層の役割を担っている。つまり、シールドシース層4を紐12で形成することでシールド層とシース層が同時に構成される。
この同軸ケーブル1は、導体2の周囲にチューブ8、紐12を順次配置し、しかる後、加熱してチューブ8及び紐12の外周の粘着部7,11をそれぞれ溶融接着させ、固着させることにより製造される。
つまり、同軸ケーブル1では、導体2の外側に、空洞を有する空洞絶縁体層、及びシールド層とシース層を兼ねるシールドシース層が一工程で同時構成される。そのため、同軸ケーブル1は、従来の同軸ケーブルに比べて少ない工程且つ短時間で製造することができ、生産効率が向上する。
このように、本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、内部に設けられた金属部と金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が絶縁体層3を囲むように配置されてシールドシース層4が形成されているため、機械特性(耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性)に優れている。また、シールドシース層4は、遮蔽効果を持つ構造であるため、本実施の形態に係る同軸ケーブルは絶縁性及び遮蔽性を併せ持つ。
また、絶縁体層3が複数本のチューブ8により形成され、チューブ8の内部の空洞部5により空洞の占有率が高い絶縁体層が形成されるため、電気特性(減衰特性)に優れた絶縁体層とすることができる。また、空洞部5の占有率が高く低誘電率化に寄与することができる。さらに、チューブ8の内部の空洞部5は均一であるため、結果として絶縁体層3の空洞が均一に分布することとなり電気特性(減衰特性)のばらつきが小さくなる。なお、ここでいう減衰特性とは、減衰量特性のことであり、同軸ケーブルで信号を伝送する場合に、減衰量の値が小さいほど優れるものとする。
また、絶縁体層3がチューブ8で、シールドシース層4が紐12で形成されているため、チューブ8や紐12の柔らかさを利用して、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性に優れた同軸ケーブル1を得られる。
以上要するに、本実施の形態に係る同軸ケーブル1によれば、従来よりも機械特性及び電気特性を向上させることができる。
また、この同軸ケーブル1を複数本撚り合わせることにより、機械特性及び電気特性に優れた多心ケーブルを得られる。
なお、本実施の形態においては、絶縁体層3をチューブ8からなる2層構造、シールドシース層4を紐12からなる2層構造としたが、これらの構造は単層であっても3層以上の多層構造であってもよい。
実施例1〜7及び比較例1,2で作製した各同軸ケーブルの構成、評価方法、結果を表1を用いて順次説明する。
Figure 2011198644
(実施例1)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように4層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.002mmの金属部と外径0.05mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1.0mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例2)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように3層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.002mmの金属部と外径0.06mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約0.9mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例3)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように3層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.005mmの金属部と外径0.06mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約0.9mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例4)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように11層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.01mmの金属部と外径0.06mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1.9mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例5)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.005mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように7層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.01mmの金属部と外径0.06mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1.4mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例6)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.005mm、外径が0.06mmのPEからなる複数本のチューブを、導体を囲むように7層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.01mmの金属部と外径0.06mmのPEからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように2層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1.4mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(実施例7)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.005mm、外径が0.06mmのPVCからなる複数本のチューブを、導体を囲むように9層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.01mmの金属部と外径0.06mmのPVCからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように4層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1.9mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(比較例1)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.02mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように3層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、外径0.002mmの金属部と外径0.06mmのPFAからなる樹脂部とを有する複数本の紐を、絶縁体層を囲むように10層に配置してシールドシース層を形成し、外径約1mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブ及び紐は、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
(比較例2)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる導体の外周に、樹脂部の厚さが0.0005mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを、導体を囲むように3層に配置して絶縁体層を形成し、この絶縁体層の外周に、すずめっき軟銅線からなるシールドシース層、PFAからなるシース層を順次形成し、外径0.9mmの同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブは、加熱処理することによって樹脂部の周囲に形成された接着部にてお互いを融着接着させ、固着させた。
これら実施例1〜7、比較例1,2の同軸ケーブルを以下に示す3種の試験にて評価した。
(耐屈曲性)
耐屈曲性は、左右屈曲試験を行い評価した。試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図4に示すように、試料40を屈曲試験装置41を用いて垂直に配置し、試料40の一端側(図示下側)に100gfの荷重Wをかけ、試料40の導体に電圧を加えながら他端側(図示上側)を毎分30回の屈曲速度で左右交互(1−2−3−4の順)に90°の屈曲角度で屈曲させる。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点での屈曲回数を測定し、屈曲回数が30万回以上のものを「◎:優秀の意味」、10万回以上30万回未満のものを「○:合格の意味」、10万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
(耐座屈性)
試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図5に示すように、試料50を試験部の長さLが50mmとなるように座屈試験装置51に取り付け、試料50の一端側(図示右側)を固定部52に固定し、他端側(図示左側)を可動固定部53にスライド可能に固定して、試料50の導体に電圧を加えながら毎分60回の速度、且つ15mmのストロークSで左右交互にスライド移動させ、角度θが90°となるように座屈させる。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点でのスライド回数を測定し、スライド回数が20万回以上のものを「◎:優秀の意味」、10万回以上20万回未満のものを「○:合格の意味」、10万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
(耐捻回性)
試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図6に示すように、一直線上に配置した試料60の一端側(図示下側)を固定端として捻回試験装置61の固定部62に固定し、捻回部長さLtが5mmとなるように他端側(図示上側)を回転端として捻回試験装置61の回転固定部63に固定して、試料60の導体に電圧を加えながら毎分30回の速度で180°交互(1−2−3−4の順)に捻る。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点での捻回回数を測定し、捻回回数が25万回以上のものを「◎:優秀の意味」、15万回以上25万回未満のものを「○:合格の意味」、15万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
(評価結果)
上述の試験の結果、実施例1は、空洞部の占有率が45%の絶縁体層、及び外径0.002mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたため、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に◎であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
また、実施例2は、空洞部の占有率が90%の絶縁体層、及び外径0.002mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたため、実施例1に比べて、高い空洞部の占有率で同軸ケーブルの外径を細くすることができた。また、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性は共に○であった。
また、実施例3は、空洞部の占有率が90%の絶縁体層、及び外径0.005mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたため、実施例1に比べて、高い空洞部の占有率で同軸ケーブルの外径を細くすることができた。さらに耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に◎であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
また、実施例4は、空洞部の占有率が90%の絶縁体層、及び外径0.01mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたものである。耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に◎であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
また、実施例5は、空洞部の占有率が70%の絶縁体層、及び外径0.01mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたものである。耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に◎であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
また、実施例6は、実施例5と同様に空洞部の占有率が70%の絶縁体層、及び外径0.01mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたものである。実施例5と比較してチューブ及び紐の樹脂部の材料をPFAからPEへ変更したため、機械特性が若干低下したが、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に○であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
また、実施例7は、実施例6と同様に空洞部の占有率が70%の絶縁体層、及び外径0.01mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成としたものである。実施例6と比較してチューブ及び紐の樹脂部の材料をPEからPVCへ変更したため、機械特性が若干低下したが、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に○であり、電気特性及び機械特性に優れていた。
これに対して、比較例1は、空洞部の占有率が97%の絶縁体層、及び外径0.002mmの金属部を有する紐で形成されたシールドシース層を備える構成とし、空洞部の占有率を90%より高くしているため、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性が共に×であり、機械特性が非常に劣っていた。
また、比較例2は、シールドシース層を紐によって形成せず、従来の同軸ケーブルと同様にすずめっき軟銅線で形成したものである。機械特性は優れていたものの、絶縁体層における空洞部の占有率が10%と低く、絶縁体層の誘電率が高い値であった。
なお、絶縁体層を発泡させた従来の同軸ケーブル(発泡電線)を生産或いは使用する際には、以下のような問題も生じるおそれがある。
(1)発泡押出工程、すなわち発泡度50%以上の高発泡性樹脂を内部導体に押出被覆する工程において、ガスを注入して発泡させる必要があるため、押出スピードが遅く、しかも内部導体のロスが多いため、発泡電線は生産性が悪く、製造コストが高い。
(2)発泡度50%以上の高発泡性樹脂は気泡の形成が不均一であるため、高発泡性樹脂を押出して発泡内部絶縁体を形成したときに、発泡内部絶縁体の場所による電気特性のばらつきが大きくなる。
(3)発泡内部絶縁体は気泡が内在するため、単独では絶縁体としての耐電圧特性、絶縁抵抗特性が極めて低い。よって、絶縁体としての機能を持つスキン層を外周に設ける必要があり、構造が複雑であると共に材料が多く、コストが高い。
(4)発泡内部絶縁体は気泡が内在するため、製造工程中に潰れやすい。発泡内部絶縁体の潰れによって、内部導体が折れ、座屈などのダメージが与えられる。
(5)発泡内部絶縁体は、径方向内側から外側までランダムに気泡が内在するため、外径が不均一となりやすく、また、潰れやすいため、長手方向で静電容量などの電気特性が変化しやすい。
以上をまとめると、上述した絶縁体を多孔質化や発泡化させた従来の同軸ケーブルは、生産性や品質均一性(再現性)の面での問題もある。
これに対して本発明では、導体と、該導体の外周に設けられた絶縁体層と、該絶縁体層の外周に設けられたシールドシース層と、を有し、前記絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている樹脂部材からなる複数本のチューブが前記導体を囲むように配置されて形成され、前記シールドシース層は、内部に設けられた金属部と該金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が前記絶縁体層を囲むように配置されて形成されており、前記空洞部の占有率が90%以下である同軸ケーブルとしたことにより、細径化しても電気特性と機械特性とがともに優れた同軸ケーブルを容易、かつ再現性よく提供することができる。
1 同軸ケーブル
2 導体
3 絶縁体層
4 シールドシース層

Claims (9)

  1. 導体と、該導体の外周に設けられた絶縁体層と、該絶縁体層の外周に設けられたシールドシース層と、を有し、
    前記絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている樹脂部材からなる複数本のチューブが前記導体を囲むように配置されて形成され、
    前記シールドシース層は、内部に設けられた金属部と該金属部の周囲に設けられた樹脂部とを有する複数本の紐が前記絶縁体層を囲むように配置されて形成されており、前記空洞部の占有率が90%以下であることを特徴とする同軸ケーブル。
  2. 前記紐は、第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の周囲に形成された金属部と、前記金属部の周囲に形成された第2の樹脂部とからなる請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記紐は、前記樹脂部の周囲に粘着部が設けられており、該粘着部により前記紐の各々が固着されている請求項1又は2に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記チューブは、前記樹脂部材の周囲に粘着部が設けられており、該粘着部により前記チューブの各々が固着されている請求項1〜3のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  5. 前記絶縁体層における前記空洞部の占有率が45%以上90%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  6. 前記紐及び前記チューブは、螺旋状に巻き付けられて設けられるか、或いは直線状に縦添えされて設けられる請求項1〜5のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  7. 前記チューブは、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有する請求項1〜6のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  8. 前記紐は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれかの形状を有する請求項1〜7のいずれかに記載の同軸ケーブル。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の同軸ケーブルを複数本撚り合わされてなることを特徴とする多心ケーブル。
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