JP2013143360A - 同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電率が低く、機械的負荷が加わっても、同軸ケーブルの長手方向、および径方向に誘電率が均一な状態を長期間維持することができる同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを提供する。
【解決手段】内部導体2と、前記内部導体2の外周に設けられる絶縁体層3と、前記絶縁体層3の外周に設けられるシールドシース層5とを有し、前記絶縁体層3は、内部に空洞部8が形成されている絶縁層10を有するチューブ6を複数本前記内部導体2の外周に編組して形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気特性と機械特性に優れた同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルに関する。
同軸ケーブルは、内部導体と、その内部導体の外周に設けられる内部絶縁体と、その内部絶縁体の外周に設けられる外部導体と、その外部導体の外周に設けられるシース(外部絶縁体であり、ジャケットとも言う)と、を有する。
コンピュータや通信機器等の電子機器においては、高速伝送であると共に小型化による配線部分の高密度化の要求が高まっている。この要求に応えるために、電子機器内に配線される同軸ケーブルは、従来と同等の電気特性(特に、減衰特性)を有しつつ、外径を小さくする細径化の必要があり、そのために同軸ケーブルにおける絶縁体(内部絶縁体)の誘電率を小さくする必要がある。
絶縁体の低誘電率化の技術として、例えば、絶縁体の多孔質化や発泡化があり、発泡化は絶縁体に発泡性樹脂を用いることで実現される(例えば、特許文献1参照)。
また、その他の低誘電率化の技術を用いた同軸ケーブルとして、例えば、特許文献2には、内部に空洞部が形成されている樹脂部材からなる複数本のチューブが導体を囲むように配置されて形成される絶縁体層を有する同軸ケーブルが記載されている。
また、特許文献3、4には、内部導体の周りに同心撚りにして配置した複数本のチューブやパイプ状絶縁性介在紐からなる絶縁体層を有する同軸ケーブルが記載されている。
さらに、最近ではこのような絶縁体の低誘電率化と共に、同軸ケーブルを曲げたり、端末装置に接続・取り外したりする状況で使用する場合において、屈曲や接続・取り外しを繰り返しても不具合が発生しないように、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性などの機械特性を向上させることが要求されている。
特開2005−108576号公報 特開2011−198644号公報 特開2001−338536号公報 実開平1−95016号公報
しかし、特許文献1に記載されているような発泡絶縁体を有する同軸ケーブル、あるいは多孔質絶縁体を有する同軸ケーブルは、屈曲などの機械的負荷が加わると、発泡絶縁体や多孔質絶縁体の内部や孔に形成されている気泡が極めて潰れやすく、この気泡や孔が潰れることによって、誘電率の増大や導体に折れや座屈などの損傷が発生しやすくなる。すなわち、このような同軸ケーブルは、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性などの機械的特性が低く、機械的負荷が加わることによって低い誘電率を安定して得られないという問題があった。
また、特許文献2に記載されている同軸ケーブルは、複数本のチューブが導体の外周を螺旋状、または直線状に巻きつけられることで絶縁体層を構成している。チューブの外周に粘着部を設けて隣接するチューブ同士を固着しており、当該粘着部のみでチューブ同士が保持されているため、粘着剤の機械的負荷による劣化や経時劣化によりチューブの粘着部分が剥離し、チューブの配置が崩れるとの不具合が発生しやすい。このような不具合が発生すると、同軸ケーブルの長手方向、および径方向に均一な誘電率を得られなくなり、所望の電気特性を満足できなくなる虞がある。
また、特許文献3、4に記載されている同軸ケーブルは、複数本のチューブやパイプ状絶縁性介在紐を導体の外周に同心撚りにして配置して絶縁体層を構成しているため、屈曲などの機械的負荷がかかると、チューブやパイプ状絶縁性介在紐の配置が崩れ、長手方向、および径方向に均一な誘電率を得られなくなり、所望の電気特性を満足できなくなる虞がある。
そこで、本発明の目的は、誘電率が低く、機械的負荷が加わっても、同軸ケーブルの長手方向、および径方向に誘電率が均一な状態を長期間維持することができる同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の同軸ケーブルは、内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁体層と、前記絶縁体層の外周に設けられるシールドシース層とを有し、前記絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている絶縁層を有するチューブを複数本前記内部導体の外周に編組して形成され、前記絶縁体層の空洞率は、45%以上90%以下である。
前記シールドシース層は、内部に設けられた金属層と、前記金属層の周囲に設けられたシース層とを有する線状体を複数本前記絶縁体層の外周に配置されて形成されているとよい。
前記チューブは、前記絶縁層の外周に粘着層を有し、該粘着層により前記チューブの各々が固着されているとよい。
前記線状体は、最外周に粘着層を有し、該粘着層により前記線状体の各々が固着されているとよい。
また、本発明の同軸ケーブルを用いた多心ケーブルは、上記の同軸ケーブルを複数本より合わせて形成されているとよい。
本発明によれば、誘電率が低く、機械的負荷が加わっても、同軸ケーブルの長手方向、および径方向に誘電率が均一な状態を長期間維持することができる同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを得ることができる。
(a)は本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルを示す横断面図であり、(b)は傾斜図である。 図1の同軸ケーブルの絶縁体層を構成するチューブを示す横断面図である。 図1の同軸ケーブルのシールドシース層を構成する線状体を示す横断面図である。 屈曲試験の概略を説明する図である。 座屈試験の概略を説明する図である。 捻回試験の概略を説明する図である。
以下本発明の実施形態を添付図面に基づいて、詳述する。
図1(a)(b)に示すように、本発明に係る同軸ケーブル1は、内部導体2と、内部導体2の外周に設けられる絶縁体層3と、絶縁体層3の外周に設けられる絶縁テープ4aと、絶縁テープ4aの外周に設けられるシールドシース層5と、シールドシース層5の外周に設けられる絶縁テープ4bから構成される。
図1に示すように、絶縁体層3は、複数本のチューブ6を内部導体2の外周に編組して形成されており、絶縁体層3は1層、または2層以上(例えば、図1のように2層の絶縁体層31、32)から形成されている。図1では、チューブ6を持ち数4で編組しているが、持ち数は、後述する空洞率を所望の範囲にするように適宜変更することができる。また、図2に示すように、チューブ6は、内部に空洞部8を有する絶縁層10と、絶縁層10の外周に設けられる粘着層9とから構成される。
絶縁体層3は、チューブ6内部の空洞部8、および編組されているチューブ6とチューブ6との間隙を利用することにより、絶縁体層3全体に均一に空洞を設けたものである。そして、絶縁体層3は、チューブ6を編組することで、チューブ6同士が保持されるため、絶縁体層3のチューブ6がばらけにくく、機械的負荷が加わっても長手方向、および径方向において均一な空洞率を長期間保持することができる。これによって同軸ケーブル1の長手方向、および径方向に均一に誘電率を低下させることができる。なお、絶縁体層3における空洞率(絶縁体層3の断面積における、空洞部8の合計断面積と編組率から算出される隣接するチューブ6間の間隙の合計断面積とを足し合わせた総空洞断面積の割合)は、45%以上90%以下であることが好ましい。この理由は、空洞率が45%未満の場合、比誘電率の増大や特性インピーダンスの低下が生じる虞があり、空洞率が90%を超過する場合、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性等の機械特性が低下する虞があるためである。
絶縁層10の材料としては、四フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(PEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリエチレン(PE)、ビニル(PVC)等のプラスチック材料或いはファイバ材料等がある。なお、絶縁体層3を構成するチューブ6の絶縁層10が全て同じ材料からなっていてもよく、異なる材料からなっていてもよい。例えば、PFAからなる絶縁層10を有するチューブ6とPEからなる絶縁層10を有するチューブ6を組み合わせて編組し、絶縁体層3を構成してもよい。また、この組合せは、上記のいずれの材料を用いてもよく、異なるチューブ6とチューブ6の構成比は要求される絶縁体層3の性能に応じて決定することができる。さらに、3種類以上のチューブ6を組み合わせてもよい。また、2層以上からなる絶縁体層3の場合、各層で同じ構成の絶縁体層3であってもよく、異なる構成の絶縁体層3であってもよい。このように異なる材料の絶縁層10からなるチューブ6を適宜組み合わせて使用することで、同軸ケーブルの要求特性に応じた絶縁体層3を構成することができる。
チューブ6には、例えば、0.01mm以上10mm以下の範囲の外径を有するものを使用することができる。なお、1層目の絶縁体層3を構成するチューブ6の場合は、内部導体2の外径に応じてチューブ6の外径を適宜選択することができ、また2層目以上の絶縁体層3を構成するチューブ6の場合は、内層の絶縁体層3を構成するチューブ6の外径に応じてチューブ6の外径を適宜選択することができる。
チューブ6の外形は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状などのいずれの形状であってもよい。なお、全て同じ形状のチューブ6で編組して絶縁体層3を構成してもよく、異なる形状のチューブ6を組み合わせて編組して絶縁体層3を構成してもよい。また、2層以上からなる絶縁体層3の場合、各層を構成するチューブ6の形状が異なっていてもよい。
チューブ6の編組角度は、通常の編組巻きと同様の角度でよく、内部導体2の中心軸とチューブ6の中心軸との角度が40度以上75度以下となる範囲が好ましい。この範囲の角度で編組することで、編組がばらけにくく、また同軸ケーブルに適度な可撓性も持たせることができる。より好ましい範囲は、65度以上70度以下である。
また、粘着層9を設けることで、隣接するチューブ6同士、およびチューブ6と後述する線状体7あるいは絶縁テープ4aとを接着し、固着することができるため、機械的負荷時に絶縁体層3のチューブ6をばらけにくくする効果を向上させることができる。粘着層9は、同軸ケーブルの使用環境に応じて設置の有無や、材料が適宜選択される。
図1に示すように、シールドシース層5は、複数本の線状体7が絶縁体層3の外周に螺旋状に巻きつけられるか、直線状に縦添えされるか、編組されて形成されており、シールドシース層5は1層、または2層以上(例えば、図1のように2層のシールドシース層51、52)から形成されていてもよい。また、図3に示すように、線状体7は、金属層11と、金属層11の内周、および外周に設けられたシース層12a、12bと、さらにシース層12bの外周に設けられる粘着層13とから構成される。
線状体7には、例えば、0.01mm以上10mm以下の範囲の外径を有するものを使用することができる。なお、チューブ6と同様に、1層目のシールドシース層5を構成する線条体7の場合は、絶縁体層3の外径に応じて線状体7の外径を適宜選択することができ、また2層目以上のシールドシース層5を構成する線状体7の場合は、内層のシールドシース層5を構成する線状体7の外径に応じて線状体7の外径を適宜選択することができる。
線状体7の外形は、円形状、楕円形状、四角形状、三角形状のいずれの形状であってもよい。なお、全て同じ形状の線状体7でシールドシース層5を構成してもよく、異なる形状の線状体7を組み合わせてシールドシース層5を構成してもよい。また、2層以上からなるシールドシース層5の場合、線状体7の形状が各層で異なっていてもよい。
線状体7は、金属層11がシールド層の役割を担っている。つまり、シールドシース層5を線状体7で形成することにより、シース層とシールド層を同時に形成することができる。さらに、金属層11はシールド層の役割を担うだけではなく、シールドシース層5の強度を向上させ、絶縁体層3を保護することができるため、耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性などの機械特性に優れた同軸ケーブルを作製することができる。
金属層11は、0.001mm以上1mm以下の厚さのものを使用することができる。金属層11の材料としては、銅、銅の合金、アルミニウム、アルミニウムの合金、銀、銀の合金などがある。
また、シース層12a、12bの材料としては、チューブ6の材料として挙げた材料の中から選択することができ、チューブ6の材料と同じでもよく、異なっていてもよい。なお、シールドシース層5を構成する線状体7のシース層12a、12bが同じ材料からなっていてもよく、異なる材料からなっていてもよい。例えば、PFAからなるシース層12aとPEからなるシース層12bから線状体7を構成してもよい。また、この組合せは、上記のいずれの材料を用いてもよい。この組合せは、上記のいずれの材料を用いてもよく、要求されるシールドシース層5の性能に応じて決定することができる。また、シース層12a、12bの材料の組合せが全て同じ線状体7からシールドシース層5を構成してもよく、シース層12a、12bの材料の組合せが異なる線状体7を組み合わせてシールドシース層5を構成してもよい。例えば、PFAからなるシース層12a、12bで構成される線状体7とPEからなるシース層12a、12bで構成される線状体7を組み合わせてシールドシース層5を構成してもよい。さらにシース層12aと12bはそれぞれ異なる材料からなっていてもよく、3種類以上の線状体7を組み合わせてもよい。また、2層以上からなるシールドシース層5の場合、各層で同じ構成のシールドシース層5であってもよく、異なる構成のシールドシース層5であってもよい。このように異なる材料のシース層12a、12bからなる線状体7、もしくは、シース層12a、12bの材料の組合せが異なる線状体7を適宜組み合わせて使用することで、同軸ケーブルの要求特性に応じたシールドシース層5を構成することができる。
また、粘着層13を設けることで、隣接する線状体7同士、および線状体7とチューブ6あるいは絶縁テープ4aとを接着し、固着することができるため、機械的負荷時にシールドシース層5の線状体7をばらけにくくすることができる。粘着層13は、同軸ケーブルの使用環境に応じて設置の有無や、材料が適宜選択される。
さらに、絶縁体層3の外周および/またはシールドシース層5の外周に絶縁テープ4a、4bを設けることで絶縁耐圧を向上させることができる。絶縁テープ4a、4bは、同軸ケーブルに要求される絶縁性能に応じてその設置の有無や、材料が適宜選択される。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々に変形実施が可能である。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、内部に空洞部が形成された複数本のチューブを内部導体の周囲に編組した絶縁体層を有する同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルとしたことにより、チューブ内部の空洞部、および編組されているチューブとチューブとの間隙を利用して絶縁体層を低誘電率にすることができ、さらにチューブを編組することで、チューブ同士が保持されるため、絶縁体層がばらけにくく、機械的負荷が加わっても、同軸ケーブルの長手方向、および径方向に誘電率が均一な状態を長期間維持することができる同軸ケーブル及びこれを用いた多心ケーブルを得ることができる。
以下に実施例1〜7および比較例1,2で作製した各同軸ケーブルの構成、電気特性および機械特性の測定結果を表1を用いて順次説明する。
Figure 2013143360
(実施例1)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.01mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を3層設け、その外周に厚さが0.05mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.002mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.05mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.5mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例2)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を2層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.002mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.2mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例3)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を2層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.005mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.2mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例4)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.001mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を6層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.01mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約2.4mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例5)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.005mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を4層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.01mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.8mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例6)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.005mm、外径が0.06mmのPEからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を4層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.01mmの銅からなる金属層と、PEからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.8mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(実施例7)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.005mm、外径が0.06mmのPVCからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を4層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.01mmの銅からなる金属層と、PVCからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.8mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(比較例1)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.0005mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を2層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.002mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.2mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
(比較例2)
外径が0.3mmのすずめっき軟銅線からなる内部導体の外周に、肉厚が0.02mm、外径が0.06mmのPFAからなる複数本のチューブを編組して絶縁体層を2層設け、その外周に厚さが0.03mmのポリエステルからなる絶縁テープを設けた。そして、その絶縁テープの外周に、厚さが0.002mmの銅からなる金属層と、PFAからなるシース層とを有し、外径が0.06mmとなる線状体から構成されるシールドシース層を螺旋巻きで巻きつけて2層形成し、外径が約1.2mmとなる同軸ケーブルを作製した。なお、複数本のチューブおよび線状体は、加熱処理することにより、外周に形成された粘着層にてお互いを溶融接着させ、固着させた。
これら実施例1〜7、比較例1,2の同軸ケーブルを以下に示す3種の試験にて評価した。
(耐屈曲性)
耐屈曲性は、左右屈曲試験を行い評価した。試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図4に示すように、試料40を屈曲試験装置41を用いて垂直に配置し、試料40の一端側(図示下側)に100gfの荷重Wをかけ、試料40の導体に電圧を加えながら他端側(図示上側)を毎分30回の屈曲速度で左右交互(1−2−3−4の順)に90°の屈曲角度で屈曲させる。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点での屈曲回数を測定し、屈曲回数が30万回以上のものを「◎:優秀の意味」、10万回以上30万回未満のものを「○:合格の意味」、10万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
(耐座屈性)
試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図5に示すように、試料50を試験部の長さLが50mmとなるように座屈試験装置51に取り付け、試料50の一端側(図示右側)を固定部52に固定し、他端側(図示左側)を可動固定部53にスライド可能に固定して、試料50の導体に電圧を加えながら毎分60回の速度、且つ15mmのストロークSで左右交互にスライド移動させ、角度θが90°となるように座屈させる。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点でのスライド回数を測定し、スライド回数が20万回以上のものを「◎:優秀の意味」、10万回以上20万回未満のものを「○:合格の意味」、10万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
(耐捻回性)
試験方法は、先ず、得られた各同軸ケーブルから所定の長さのケーブル片を試料(サンプル)として採取し、その後、図6に示すように、一直線上に配置した試料60の一端側(図示下側)を固定端として捻回試験装置61の固定部62に固定し、捻回部長さLtが5mmとなるように他端側(図示上側)を回転端として捻回試験装置61の回転固定部63に固定して、試料60の導体に電圧を加えながら毎分30回の速度で180°交互(1−2−3−4の順)に捻る。これを繰り返して、初期抵抗値に比べ抵抗値が20%上昇した時点での捻回回数を測定し、捻回回数が25万回以上のものを「◎:優秀の意味」、15万回以上25万回未満のものを「○:合格の意味」、15万回未満のものを「×:不合格の意味」として評価した。
以下にこれら実施例1〜7、比較例1,2の同軸ケーブルの評価結果について説明する。
上述の試験の結果、実施例1〜7は、絶縁体層の空洞率が45%以上でかつ90%以下であるため、電気特性(誘電率、特性インピーダンス)および機械特性(耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性)の両特性が優れている。
これに対して、比較例1は、空洞率が90%より高いため、電気特性(誘電率、特性インピーダンス)が優れているが、機械特性(耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性)が劣っている。また、比較例2は、空洞率が45%より低いため、機械特性(耐屈曲性、耐座屈性、耐捻回性)が優れているが、誘電率が2.0と高く、また特性インピーダンスは38Ωと低くなり、電気特性が非常に劣っていた。
以上より、絶縁体層3のチューブ6を編組した本発明の同軸ケーブル1においても、チューブ6を螺旋状、または直線状に巻きつけた場合と同等の電気特性と機械特性を得られることを確認した。
1 同軸ケーブル
2 内部導体
3 絶縁体層
4a、4b 絶縁テープ
5 シールドシース層
6 チューブ
7 線状体
8 空洞部
9 粘着層
10 絶縁層
11 金属層
12a、12b シース層
13 粘着層

Claims (5)

  1. 内部導体と、前記内部導体の外周に設けられる絶縁体層と、前記絶縁体層の外周に設けられるシールドシース層と、を有し、
    前記絶縁体層は、内部に空洞部が形成されている絶縁層を有するチューブを複数本前記内部導体の外周に編組して形成され、
    前記絶縁体層の空洞率は、45%以上90%以下である同軸ケーブル。
  2. 前記シールドシース層は、内部に設けられた金属層と、前記金属層の周囲に設けられたシース層とを有する線状体を複数本前記絶縁体層の外周に配置されて形成されている請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記チューブは、前記絶縁層の外周に粘着層を有し、該粘着層により前記チューブの各々が固着されている請求項2に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記線状体は、最外周に粘着層を有し、該粘着層により前記線状体の各々が固着されている請求項2または3に記載の同軸ケーブル。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の同軸ケーブルを複数本より合わせて形成される多心ケーブル。
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