JP6948566B2 - 撚り線導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、耐屈曲性が求められるケーブルに使用される撚り線導体の製造方法に関するものである。
ケーブルに使用される導体には、例えば、錫めっき軟銅線等からなる複数本の素線を撚り合わせた撚り線導体が使用されている(例えば、特許文献1)。特に、産業ロボット用ケーブル等の耐屈曲性が求められるケーブルに使用される導体には、直径が0.1mm未満の素線を数十本〜数百本(例えば、40本〜500本程度)撚り合わせた撚り線導体が使用されている。
特開2015−201322号公報
産業ロボット用ケーブル等の耐屈曲性が求められるケーブルに使用される撚り線導体は、撚り線機によって数十本〜数百本の素線を撚り合わせることで製造される。この撚り線導体を製造する際には、素線を撚り合わせる前の段取り作業において、素線が巻かれた数十個〜数百個のボビンを撚り線機にセットする必要がある。この段取り作業では、撚り線導体に使用される素線の本数が増加するに従ってボビンを撚り線機にセットする回数も増加するため、段取り作業にかかる時間や手間が増加する等、作業効率が悪くなる。
また、直径が0.1mm未満の素線を数十本〜数百本(例えば、40本〜500本程度)撚り合わせた撚り線導体では、撚り合わせた後に素線の一部が浮いてしまうことからなる撚り乱れが生じやすい。この撚り乱れが生じた撚り線導体を用いて電線を製造した場合は、撚り線導体の周囲に被覆された絶縁体の外観が撚り乱れの部分で悪くなる(絶縁体の表面が瘤のように突出した表面になる)。
したがって、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、数十本以上の素線を撚り合わせた撚り線導体を製造する際に、素線の本数が増加しても段取り作業の作業効率が良く、かつ、撚り合わせ後に撚り乱れが生じにくい撚り線導体の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記の撚り線導体の製造方法を提供する。
[1]数十本以上の素線を撚り合わせた撚り線導体の製造方法であって、複数本の前記素線を甘撚りした状態に撚り合わせて甘撚り線を形成する甘撚り線形成工程と、前記甘撚り線を複数本集合撚りして数十本以上の前記素線を有する集合甘撚り線を形成する集合甘撚り線形成工程と、を含み、前記甘撚り線形成工程では、前記集合甘撚り線の撚りピッチよりも大きい撚りピッチで前記素線を撚り合わせて甘撚り線を形成する、撚り線導体の製造方法。
[2]前記甘撚り線形成工程と前記集合甘撚り線形成工程との間に、前記甘撚り線を複数本に切り分けする甘撚り線切り分け工程を含み、前記甘撚り線切り分け工程で切り分けした前記甘撚り線同士を前記集合甘撚り線形成工程で集合撚りする上記[1]に記載の撚り線導体の製造方法。
[3]前記甘撚り線切り分け工程は、前記甘撚り線を複数本に等分するように切り分けする上記[2]に記載の撚り線導体の製造方法。
[4]前記素線は、直径が0.1mm以下である上記[1]又は[2]に記載の撚り線導体の製造方法。
本発明によれば、数十本以上の素線を撚り合わせた撚り線導体を製造する際に、素線の本数が増加しても段取り作業の作業効率が良く、かつ、撚り合わせ後に撚り乱れが生じにくい撚り線導体の製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る撚り線導体の一例を示す概略横断面図である。 本実施の形態に係る電線の一例を示す概略横断面図である。 本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法のフローを示す説明図である。
〔撚り線導体〕
まず、本実施の形態に係る撚り線導体について説明する。図1は、本実施の形態に係る撚り線導体の一例を示す概略横断面図である。
本実施の形態に係る撚り線導体10(後述する集合甘撚り線)は、数十本以上からなる複数本(例えば、40本以上500本以下)の素線1を撚り合わせてなる。すなわち、撚り線導体10は、複数本の素線1が集合撚りによって撚り合わせた状態となっている。素線1は、例えば、タフピッチ銅や無酸素銅などの純銅、あるいはこれらの純銅に金、銀、チタン、錫、インジウムなどの金属元素が含有されている銅合金などからなる銅線で構成される。なお、素線1を構成する銅線は、その外周に錫、銀、亜鉛などからなるめっきを有していてもよい。また、素線1は、銅線以外に、アルミニウムやアルミニウム合金からなるアルミニウム線で構成されていても良い。
この素線1は、その横断面が円形状を有する。この円形状の横断面を有する素線1は、その直径が例えば0.1mm以下であり、0.07mm以上0.09mm以下であることが好ましい。素線1は、このような直径を有することにより、複数本の素線1を撚り合わせた撚り線導体10を産業ロボット用ケーブルの導体として適用したときに、当該ケーブルを二次元や三次元に屈曲させても破断しにくくすることに有効である。すなわち、複数本の素線1を撚り合わせてなる撚り線導体10は、産業ロボット用ケーブルに使用される導体として好適である。なお、上記の直径は、円形状の素線1が銅線やアルミニウム線の外周にめっきを有する場合、銅線やアルミニウム線の直径にめっきの厚さを含めた状態での大きさである。
撚り線導体10において、素線1の本数は、例えば40本以上500本以下である。撚り線導体10では、これらの本数からなる素線1が30mm以上40mm未満の撚りピッチによって撚り合わされていることが好ましい。撚り線導体10は、例えば、甘撚り線を30mm以上40mm未満の撚りピッチで集合撚りされることによって撚り合わされた集合甘撚り線で構成される。このとき、集合甘撚り線を構成する複数本の素線1は、30mm以上40mm未満の撚りピッチによって撚り合わされている。なお、甘撚り線とは、集合甘撚り線の撚りピッチよりも大きい撚りピッチ(例えば、40mm以上の撚りピッチ)で素線1が集合撚りされた撚り線である。撚り線導体10では、このような撚りピッチで素線1が撚り合わされていることにより、素線1を撚り合わせた撚り線導体10を産業ロボット用ケーブルの導体として適用し、当該ケーブルを二次元や三次元に屈曲させたときに加わる撚り線導体10やケーブルへのストレスを軽減させることができる。
撚り線導体10は、導電率が97%IACS以上であることが好ましい。また、撚り線導体10は、引張強度が250MPa以上であることが好ましい。撚り線導体10は、このような引張強度を有することにより、撚り線導体10を産業ロボット用ケーブルの導体として適用した場合に、当該ケーブルを二次元や三次元に屈曲を繰り返したとしても破断しにくくすることができる。そのため、撚り線導体10は、産業ロボット用ケーブルに使用される導体として好適である。
〔電線〕
図2は、本実施の形態に係る電線の一例を示す概略横断面図である。
電線20は、数十本以上からなる複数本(例えば、40本以上500本以下)の素線1が撚り合わされた撚り線導体10と、この撚り線導体10の外周に有する絶縁体2と、を備える。なお、撚り線導体10の外周にはテープなどの介在物を有していてもよい。介在物としては、ナイロンテープ等のテープが撚り線導体10の長手方向に沿って縦添え、又は螺旋状に巻き回されたものからなる。撚り線導体10は、例えば、甘撚り線を30mm以上40mm未満の撚りピッチで集合撚りされることによって撚り合わされた集合甘撚り線で構成される。このとき、集合甘撚り線を構成する複数本の素線1は、30mm以上40mm未満の撚りピッチによって撚り合わされている。
絶縁体2としては、例えば、フッ素樹脂からなる。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適である。また、絶縁体2の厚さは、例えば、0.2mm以上0.4mm以下である。
撚り線導体10は、導電率が97%IACS以上であることが好ましい。また、撚り線導体10は、引張強度が250MPa以上であることが好ましい。撚り線導体10は、このような引張強度を有することにより、撚り線導体10を産業ロボット用ケーブルの導体として適用した場合に、当該ケーブルを二次元や三次元に屈曲を繰り返したとしても破断しにくくすることができる。そのため、撚り線導体10は、産業ロボット用ケーブルに使用される導体として好適である。
〔撚り線導体の製造方法〕
本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法は、数十本以上からなる複数本(例えば、40本以上500本以下)の素線を撚り合わせた撚り線導体の製造方法であって、複数本の素線を甘撚り状態に撚り合わせて甘撚り線を形成する甘撚り線形成工程と、甘撚り線を複数本集合撚りして数十本以上の素線を有する集合甘撚り線を形成する集合甘撚り線形成工程と、を含む。以下では、本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法を詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法のフローを示す説明図である。
(甘撚り線形成工程)
甘撚り線形成工程S1では、複数本の素線を用意し、これら複数本の素線を甘撚りした状態に撚り合わせる(すなわち、素線1同士を集合甘撚り線の撚りピッチよりも大きい撚りピッチ(例えば、40mm以上の撚りピッチ)で撚り合わせた状態とする)ことにより、甘撚り線が形成される。なお、素線の本数は、4本以上であることが好ましく、10本以上であることがさらに好ましい。素線の本数は、段取り作業の作業効率を考慮して適宜変更が可能である。
例えば、甘撚り線形成工程S1では、横断面が円形状で直径が0.1mm以下(例えば、0.07mm以上0.09mm以下)の素線が1本ずつ長尺(例えば、10000m以上の長さ)に巻かれているボビンを複数個(例えば4個〜25個程度)用意する。次いで、用意した複数個のボビンを撚り線機にセットし、セットした各ボビンから引き出された複数本の素線同士を甘撚りの状態(例えば、40mm以上の撚りピッチで撚り合わされている状態)で1本に撚り合わせることによって甘撚り線を形成する。例えば、素線が1本ずつ巻かれている10個のボビンを用意した場合は、これら10個のボビンを撚り線機にセットし、セットした各ボビンから引き出された10本の素線同士を40mmの撚りピッチで1本に撚り合わせる。これにより、甘撚り線形成工程S1では、長尺(例えば、10000m以上の長さ)の甘撚り線が形成される。
甘撚り線形成工程S1で使用される素線には、例えば、タフピッチ銅や無酸素銅などの純銅、あるいはこれらの純銅に金、銀、チタン、錫、インジウムなどの金属元素が含有されている銅合金などからなる銅線が使用される。なお、銅線は、その外周に錫、銀、亜鉛などからなるめっきを有していてもよい。また、素線は、銅線以外に、アルミニウムやアルミニウム合金からなるアルミニウム線で構成されていても良い。
(甘撚り線切り分け工程)
甘撚り線切り分け工程S2では、甘撚り線形成工程S1において形成された甘撚り線を、所定の長さに切り分ける。なお、甘撚り線を切り分ける際には、切り分けた後の複数本の甘撚り線の長さが等しくなるように切り分けることが好ましい。
一例として、甘撚り線切り分け工程S2では、甘撚り線形成工程S1において形成された30000mの長さの1本の甘撚り線を1000mの長さごとに切り分け、切り分けした甘撚り線ごとにボビン等に巻き取る。これにより、長さが等しい30本の甘撚り線が得られる。
(集合甘撚り線形成工程)
集合甘撚り線形成工程S3では、上述した工程を経て得られた複数本の甘撚り線を集合撚りすることにより、数十本以上からなる素線が集合撚りされた状態で撚り合わされた集合甘撚り線が形成される。
より具体的に、集合甘撚り線形成工程S3では、所定の長さ(例えば、1000mの長さ)を有する複数本(例えば、4本以上)の素線が甘撚りの状態で撚り合わせられた甘撚り線が巻かれているボビンを複数個(例えば10個以上)用意する。次いで、集合甘撚り線形成工程S3では、用意したこれらのボビンを撚り線機にセットし、セットした各ボビンから複数本(例えば、10本以上)の甘撚り線を引き出す。そして、集合甘撚り線形成工程S3では、引き出された複数本の甘撚り線を集合撚りすることにより、数十本以上(例えば、40本以上500本以下)からなる素線が集合撚りされた状態で撚り合わされた集合甘撚り線を形成する。
一例として、集合甘撚り線形成工程S3では、所定の長さ(例えば、1000mの長さ)を有する30本の素線からなる甘撚り線が巻かれているボビンを30個用意する。次いで、集合甘撚り線形成工程S3では、用意したこれらの各ボビンから30本の甘撚り線を引き出す。そして、集合甘撚り線形成工程S3では、引き出された30本の甘撚り線を集合撚りすることにより、300本の素線が集合撚りされた状態で撚り合わされた集合甘撚り線を形成する。
集合甘撚り線形成工程S3では、複数本の甘撚り線を集合撚りして集合甘撚り線を形成する際の撚りピッチを30mm以上40mm未満とすることが好ましい。集合甘撚り線形成工程S3では、このような撚りピッチで甘撚り線同士を集合撚りすることにより、集合撚りするときに甘撚り線に加わるストレスを軽減することができる。そのため、集合甘撚り線形成工程S3を経て得られる撚り線導体は、産業ロボット用ケーブルに使用される導体に求められる特性(例えば、導電率、引張強度、及び耐屈曲性等)が得られやすい。また、集合甘撚り線形成工程S3では、このような撚りピッチで甘撚り線同士を集合撚りすることにより、撚り合わせ後の撚り線導体において素線の一部が浮いてしまうことからなる撚り乱れが生じにくくなる。そのため、この撚り線導体を用いて電線を製造した場合は、撚り線導体の周囲に被覆された絶縁体の外観が悪くなる(絶縁体の表面が瘤のように突出した表面になる)ことを防止することができる。
なお、本実施の形態において、上述した甘撚り線形成工程S1と甘撚り線切り分け工程S2とは、同一の製造ラインで行われることでもよいし、甘撚り線形成工程S1と甘撚り線切り分け工程S2が別々の製造ラインで行われることでもよい。これらの工程は、同一の製造ラインで行われることにより、撚り線導体の製造効率を向上させることができる。
また、本実施の形態において、上述した撚り線導体の製造方法では、甘撚り線を切り分けする甘撚り線切り分け工程S2を含む例を説明したが、これに限定されず、甘撚り線形成工程S1にて所定の長さの甘撚り線を複数本作製することにより、甘撚り線切り分け工程S2を適宜省略することもできる。
また、本実施の形態において、集合甘撚り線形成工程S3で得られた集合甘撚り線をそのまま撚り線導体として用いて良いが、必要に応じて、熱処理工程やその他の必要な工程を経てから撚り線導体として用いても良い。例えば、集合甘撚り線形成工程S3で得られた集合甘撚り線を複数本用意し、複数本の集合甘撚り線を特定の撚りピッチで同心撚りすることにより、複合撚り線を形成する複合撚り線形成工程を設け、この複合撚り線形成工程によって得られた複合撚り線を撚り線導体としても良い。
〔電線の製造方法〕
本実施の形態に係る電線の製造方法は、上述した本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法によって撚り線導体を製造し、次いで撚り線導体の外周に絶縁体を被覆することによって電線を製造する。絶縁体には、フッ素樹脂などの樹脂が使用される。フッ素樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適である。このフッ素樹脂などからなる樹脂を撚り線導体の外周に押出しすることによって撚り線導体の外周に所定の厚さ(例えば、0.2mm以上0.4mm以下の厚さ)を有する絶縁体が被覆された電線が得られる。
〔本実施の形態の効果〕
本実施の形態によれば、数十本以上からなる複数本(例えば、40本以上500本以下)の素線を撚り合わせて構成される撚り線導体を製造する方法において、複数本の素線を撚り合わせする前の段取り作業の際に、各素線が巻かれたボビンを撚り線機にセットする回数(すなわちボビンの個数)を低減することができるため、段取り作業にかかる時間や手間を軽減させることができる。また、本実施の形態によれば、素線が複数回撚られることに起因して素線の長手方向に沿って素線が伸長し、素線への加工ストレスが増大すること等を防止することができるため、得られる撚り線導体は、産業ロボット用ケーブルに使用される導体に要求される特性(導電率、引張強度、及び耐屈曲性等)を有することができる。そのため、本実施の形態に係る撚り線導体の製造方法では、数十本以上からなる複数本の素線を撚り合わせた撚り線導体を製造する際に、素線の本数が増加しても(例えば、100本以上の素線となったとしても)段取り作業の作業効率が良く、かつ、産業ロボット用ケーブルの導体として使用するのに好適な特性を有する撚り線導体を得ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、甘撚り線形成工程において集合甘撚り線の撚りピッチよりも大きい撚りピッチで素線を撚り合わせて甘撚り線を形成し、このような撚りピッチで撚り合された甘撚り線同士を集合撚りすることにより、撚り合わせ後の撚り線導体において素線の一部が浮いてしまうことからなる撚り乱れが生じにくくなる。そのため、この撚り線導体を用いて電線を製造したときに、撚り線導体の周囲に被覆された絶縁体の外観が悪くなる(絶縁体の表面が瘤のように突出した表面になる)ことを防止することができる。
〔実施例〕
表1において、試料No.1の撚り線導体は、本実施の形態に係る製造方法を用いて製造した300本の素線(錫めっき銅線)を有する集合甘撚り線からなる。具体的には、錫めっき銅線からなり、横断面が円形状で直径が0.08mmの素線が1本ずつ30000mの長さに巻かれているボビンを10個用意する。次いで、甘撚り線形成工程において、用意した10個のボビンを撚り線機にセットし、セットした10個の各ボビンから引き出された10本の素線同士を甘撚り状態(撚りピッチが40mm以上)で1本に撚り合わせることにより、30000m以上の長さの甘撚り線を形成する。次いで、甘撚り線切り分け工程において、30000mの長さの甘撚り線を1000mごとに30等分し、切り分けした甘撚り線ごとにボビンに巻き取る。次いで、集合甘撚り線形成工程において、1000mの長さを有する30本の素線からなる甘撚り線が巻かれている30個のボビンを撚り線機にセットし、セットした30個の各ボビンから30本の甘撚り線を引き出し、引き出された30本の甘撚り線を30mm以上40mm未満の撚りピッチで集合撚りすることにより、300本の素線が集合撚りされた状態で撚り合わせされている1000mの長さの集合甘撚り線を形成し、撚り線導体を得た。
表1において、試料No.2の撚り線導体は、300本の素線(錫めっき銅線)を段取りして単に集合撚りして製造した集合撚り線である。具体的には、錫めっき銅線からなり、横断面が円形状で直径が0.08mmの素線が1000mの長さで巻かれているボビンを300個用意する。次いで、用意した300個のボビンを撚り線機にセットし、セットした300個の各ボビンから300本の素線を引き出し、引き出された300本の素線を30m以上40mm以下の撚りピッチで集合撚りすることにより、300本の素線が集合撚りされた状態で撚り合わせされている1000mの長さの集合撚り線を形成し、撚り線導体を得た。
表1において、試料No.3の撚り線導体は、43本の素線(錫めっき銅線)からなる子撚り線を同心撚りによって親撚りした複合撚り線である。具体的には、錫めっき銅線からなり、横断面が円形状で直径が0.08mmの素線が1000mの長さで巻かれているボビンを43個用意する。次いで、これら43個のボビンを撚り線機にセットし、セットした43個の各ボビンから素線を引き出し、引き出された43本の素線を集合撚りすることによって子撚り線を形成する。次いで、同じ方法によって形成された子撚り線が巻かれている7個のボビンを撚り線機にセットし、セットした7個の各ボビンから引き出された7本の子撚り線を同心撚りによって親撚りした複合撚り線を形成することにより、撚り線導体を得た。
以下の表1では、試料No.1〜3の各撚り線導体における特性(伸長率、導電率、引張強度)、作業効率、及び試料No.1〜3の各撚り線導体の外周にフッ素樹脂からなる絶縁体が被覆された電線の耐屈曲性について評価を行った結果を示す。
Figure 0006948566
(伸長率)
表1において、伸長率は、試料No.1〜3の各撚り線導体から採取した素線に対して、JISC3002に準拠する方法によって引張試験を行い、評価した。
(導電率)
表1において、導電率は、試料No.1〜3の各撚り線導体に対して、JISC3002に準拠する方法によって試験を行い、評価した。
(引張強度)
表1において、引張強度は、試料No.1〜3の各撚り線導体に対して、JISC3002に準拠する方法によって引張試験を行い、評価した。
(作業効率)
表1において、作業効率は、試料No.1〜3の各撚り線導体を製造する際に、撚り線機へ素線が巻かれた各ボビンをセットする回数によって評価した。
(耐屈曲性)
表1において、耐屈曲性は、製造した各種の電線に対して、JISC3306、及び電気用品別表一附表第二十六に準拠する方法によって屈曲試験(移動曲げ試験)を行い、試験装置に取り付けられた電線が破断するまでの間に、電線が装置上を往復する回数を測定し、評価した。
(撚り乱れ)
表1において、撚り乱れは、試料No.1〜3の各撚り線導体に対して曲げを付与したときに、曲げた部分の素線に浮きが生じるかを目視にて観察し、浮きが生じないものを「無し」、浮きが生じるものを「有り」として評価した。
表1に示すように、試料No.1の集合甘撚り線からなる撚り線導体、及び電線は、試料No.2〜3の集合撚り線、又は複合撚り線からなる撚り線導体、及び電線と比べて、伸長率、導電率、引張強度、及び耐屈曲性が同等以上であることが分かる。また、試料No.1の集合甘撚り線からなる撚り線導体、及び電線は、試料No.2〜3の集合撚り線、又は複合撚り線からなる撚り線導体、及び電線と比べて、撚り線機へボビンをセットする回数が低減されており、段取り作業の作業効率が向上していることが分かる。さらに、試料No.1の集合甘撚り線からなる撚り線導体は、撚り合わせ後に素線に浮きが生じないことが分かる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 素線
2 絶縁体
10 撚り線導体
20 電線

Claims (4)

  1. 数十本以上の素線を撚り合わせた撚り線導体の製造方法であって、
    複数本の前記素線を甘撚りした状態に撚り合わせて甘撚り線を形成する甘撚り線形成工程と、
    複数本の前記甘撚り線同士を集合撚りすることで、複数本の前記甘撚り線を構成する数十本以上の前記素線同士が集合撚りされた状態で撚り合わされた集合甘撚り線を形成する集合甘撚り線形成工程と、
    を含み、
    前記甘撚り線形成工程では、前記集合甘撚り線の撚りピッチよりも大きい撚りピッチで前記素線を撚り合わせて前記甘撚り線を形成し、前記集合甘撚り線形成工程では、前記集合甘撚り線を構成する数十本以上の前記素線が、前記甘撚り線を構成する状態での撚りピッチよりも小さい撚りピッチで集合撚りされた状態になる、撚り線導体の製造方法。
  2. 前記甘撚り線形成工程と前記集合甘撚り線形成工程との間に、前記甘撚り線を複数本に切り分けする甘撚り線切り分け工程を含み、前記甘撚り線切り分け工程で切り分けした前記甘撚り線同士を前記集合甘撚り線形成工程で集合撚りする請求項1に記載の撚り線導体の製造方法。
  3. 前記甘撚り線切り分け工程は、前記甘撚り線を複数本に等分するように切り分けする請求項2に記載の撚り線導体の製造方法。
  4. 前記素線は、直径が0.1mm以下である請求項1又は2に記載の撚り線導体の製造方法。
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