JP7423314B2 - トナー - Google Patents

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Description

本開示は、電子写真法などの画像形成方法に使用されるトナーに関する。
電子写真法においては、まず、潜像担持体を種々の手段で帯電し、露光することにより潜像担持体表面に静電荷潜像を形成する。次いで、静電荷潜像をトナーで現像してトナー画像を形成し、紙などの転写材にトナー画像を転写する。その後、熱、圧力、又は加熱加圧により転写材上にトナー画像を定着して複写物又はプリントを得る。
プリントされた画像、特に文字画像の視認性を向上させる目的で、画像の低グロス化が求められている(例えば特許文献1、2)。
特開2006-276825号公報 特開2008-97041号公報
画像を低グロスにするためには、定着後にトナーが完全に溶融して画像表面が平滑化しないよう、トナー母粒子を熱的にある程度硬くする手段がある。しかし、そのようなトナーを用いると、定着後の画像が排紙コロなどの排紙部材と摩擦接触した際、トナーが画像から排紙部材に移行して部材を汚染する場合があることがわかった。
その汚染は続く印刷画像に汚れとして現れ、画像弊害を生じる。部材汚染の対策として、定着温度を上げることでトナーと紙との接着性を良くすることが考えられるが、同時に画像のグロスも上がることになるため、低グロスとのトレードオフとなる。このように、画像の低グロス化と排紙部材汚染の抑制の両立が課題となっている。
本開示は、画像の低グロス化と排紙部材汚染の抑制とを両立したトナーを提供する。
本発明者らが鋭意検討した結果、トナー粒子表面に、形状を制御した凸部を設け、トナーのテトラヒドロフラン不溶分量を30質量%以上とすることで、上記課題を解決できることが分かった。
すなわち、本開示は、トナー母粒子及び該トナー母粒子表面の有機ケイ素重合体を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該有機ケイ素重合体は、下記式(1)で表される構造を有し、
R-SiO3/2 (1)
式(1)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を示し、
該有機ケイ素重合体は、該トナー粒子の外表面に凸部を形成しており、
該凸部は、該トナー母粒子の表面に面接触しており、
走査透過型電子顕微鏡によって得た該トナー粒子の断面画像について、該トナー母粒子の輪郭線を直線に展開して該断面画像の展開画像を得たとき、
該展開画像において、
該直線の長さをLとし、
該直線上における、該凸部と該トナー母粒子との境界を構成している部分の線分の長さをwとし、
該wの法線方向において該凸部の最大長をDとし、
該Dを形成する線分における該凸部の頂点から該直線までの長さをHとしたとき、
該凸部は、該Dと該Hが同じであって該Hが40nm以上300nm以下である「特定高さ凸部」を含み、
該特定高さ凸部のうち、該wに対する該Dの比D/wが、0.33以上0.80以下である特定高さ凸部の個数割合P(D/w)が70個数%以上であり、
該直線の長さLに対する、該特定高さ凸部の該wの総和Σwの割合(Σw/L)が、0.30以上0.90以下であり、
該トナーのテトラヒドロフラン不溶分量が30質量%以上75質量%以下であるトナーに関する。
本開示によれば、画像の低グロス化と排紙部材汚染の抑制とを両立したトナーを提供することができる。
トナーのSTEMによる断面観察の模式図 凸形状の計測の仕方を表した模式図 凸形状の計測の仕方を表した模式図 凸形状の計測の仕方を表した模式図
以下、上記トナーの実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
トナーは、トナー粒子表面に、下記式(1)で表される構造(T3単位構造)を有する有機ケイ素重合体を含む。
R-SiO3/2 (1)
式(1)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基である。
該有機ケイ素重合体は、該トナー粒子の外表面に凸部を形成しており、走査透過型電子顕微鏡STEMによって得たトナー粒子の断面画像について、該トナー母粒子の輪郭線を直線に展開して該断面画像の展開画像を得たとき、
該展開画像において、
該直線の長さをLとし、
該直線上における、該凸部と該トナー母粒子との境界を構成している部分の線分の長さを凸幅wとし、
該凸幅wの法線方向において該凸部の最大長を凸径Dとし、
該凸径Dを形成する線分における該凸部の頂点から該直線までの長さを凸高さHとしたとき、
該凸部は、該凸高さHが、40nm以上300nm以下である「特定高さ凸部」を含み、
該特定高さ凸部のうち、該凸幅wに対する該凸径Dの比D/wが、0.33以上0.80以下である特定高さ凸部の個数割合P(D/w)が70個数%以上である。
また、トナーのテトラヒドロフランTHF不溶分量が30質量%以上である。
以下、上記各要件について、詳細に説明する。
トナーは、トナー母粒子及び該トナー母粒子の表面に有機ケイ素重合体を有するトナー粒子を含む。有機ケイ素重合体は下記式(1)で表される構造を有する。
R-SiO3/2 (1)
式中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基である。
有機ケイ素重合体は、トナー粒子表面に凸部を形成している。
式(1)で表される構造において、Rは炭素数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることがより好ましい。
炭素数が1以上3以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく例示できる。さらに好ましくは、Rはメチル基である。
有機ケイ素重合体の凸部は、トナー母粒子表面に面接触している。面接触することにより、凸部にストレスがかかったときの、凸部の移動・脱離・埋没に対する抑制効果が顕著に期待できる。具体的には、現像、転写、定着という電子写真プロセスを経ても、定着画像上に凸部が残存しており、排紙時に画像部分と排紙部材との接触面積を小さくすることができ、排紙部材へのトナーの移行を抑制することができる。
トナー母粒子表面と凸部との面接触の程度を表すために、トナーのSTEMによる断面観察を行う。図1~4にトナー粒子表面の該凸部の模式図を示す。
図1に示す1がSTEM像であり、トナー粒子の約1/4程度が分かる像であり、2はトナー母粒子、3はトナー母粒子表面、4が凸部である。また、図2~4において、5が凸幅wであり、6が凸径Dであり、7が凸高さHである。
トナー粒子の断面画像を観察し、トナー母粒子の輪郭線を直線に展開して断面画像の展開画像を得る。該展開画像において、該直線の長さをLとする。該直線上における、該凸部と該トナー母粒子との境界を構成している部分の線分の長さを凸幅wとする。また、凸幅wの法線方向において凸部の最大長を凸径Dとし、凸径Dを形成する線分における凸部の頂点から該直線までの長さを凸高さHとする。
図2及び図4においては凸径Dと凸高さHは同じであり、図3において凸径Dは凸高さHより大きくなる。
また、図4は、中空粒子を潰す・割るなどして得られた、半球粒子の中心部が凹んだ、ボウル形状の粒子に類する粒子の固着状態を模式的に表したものである。図4において、凸幅wはトナー母粒子表面と接している有機ケイ素重合体の長さの合計とする。すなわち、図4における凸幅wはW1とW2の合計となる。
上記条件に基づき、有機ケイ素重合体の凸部の形状を制御する検討を行った結果、凸幅wに対する凸径Dの比D/wが、0.33以上0.80以下の凸形状であれば、凸部が移動・脱離・埋没しにくいことを見出した。すなわち、有機ケイ素重合体の凸部が図1のような形状であれば、凸部が移動・脱離・埋没しにくいことが分かった。
加えて、個数割合P(D/w)が70個数%以上であれば、定着後の排紙部材の汚染を十分に抑制できることが分かった。
凸高さHが40nm以上であることで、定着後まで移動・脱離・埋没せずに残存した凸部が、排紙部材と画像との接触面積を小さくするのに十分なほど突起することになる。一方、凸高さHが300nmより大きな凸部になると、外部からのストレスに対して、凸部の移動・脱離・埋没、特に脱離が起こるようになる。さらには、脱離した凸部により、排紙部材以外の部材汚染も引き起こすことがある。
したがって、個数割合P(D/w)が70個数%以上であることで、凸部が移動・脱離・埋没せずに、定着後に残存する凸部の個数を確保することができるため、排紙部材の汚染を抑制する効果を良好に発揮することが分かった。
P(D/w)は、75個数%以上であることが好ましく、80個数%以上であることがより好ましい。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは95個数%以下であり、より好ましくは92個数%以下である。
また、トナーのテトラヒドロフラン不溶分量が30質量%以上であることが必要である。THF不溶分量が30質量%以上であると、トナーの弾性が高くなるため、定着画像の
低グロス化を達成できる。
THF不溶分量は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。
トナーのTHF不溶分量は、例えばスチレン系共重合体においては、架橋剤の添加量や反応時の温度を変更することにより制御できる。
また、上記展開画像において、
上記直線上における、直線の長さLに対する、凸幅wの総和Σwの割合(Σw/L)が、0.30以上0.90以下であることが好ましい。Σw/Lが0.30以上であれば排紙部材の汚染抑制効果がより優れ、Σw/Lが0.90以下であると低温定着性に対してもより優れる。Σw/Lは、0.45以上0.80以下がより好ましい。
さらに、有機ケイ素重合体のトナー母粒子に対する固着率が、80質量%以上であることが好ましい。固着率が80質量%以上であれば、排紙部材の汚染抑制効果を、耐久使用を通じてより持続させることができる。
該固着率は、より好ましくは90質量%以上であり、さらにより好ましくは95質量%以上である。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは100質量%以下であり、より好ましくは99質量%以下である。
これら固着率と、Σw/Lは、後述する有機ケイ素重合体の製造方法、具体的には、加水分解温度、原料となるアルコキシシランの投入部数、加水分解及び重合時のpHなどによって制御できる。
また、排紙部材の汚染抑制効果をより良好にする観点から、該凸高さHが40nm以上300nm以下である「特定高さ凸部」において、該凸高さHの累積分布をとり、該凸高さHの小さい方から積算して80個数%にあたる該凸高さをH80としたとき、該H80は65nm以上であることが好ましい。より好ましくは75nm以上であり、さらに好ましくは80nm以上である。
上限は特に制限されないが、好ましくは130nm以下であり、より好ましくは120nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
走査型電子顕微鏡SEMによるトナーの観察において、有機ケイ素重合体の凸部の最大径を凸径Rとしたときに、該凸径Rの個数平均径が20nm以上80nm以下であることが好ましい。より好ましくは、35nm以上60nm以下である。
有機ケイ素重合体は、下記式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の縮重合物であることが好ましい。
Figure 0007423314000001
(式(Z)中、Rは、炭素数1以上6以下の炭化水素基(好ましくはアルキル基)を表し、R、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基を表す。)
1は炭素数1以上3以下の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチル基である
ことがより好ましい。
、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮重合させて架橋構造を形成する。
加水分解性が室温で穏やかであり、トナー母粒子の表面への析出性の観点から、炭素数1~3のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基やエトキシ基であることがより好ましい。
また、R、R及びRの加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(Z)中のRを除く一分子中に3つの反応基(R、R及びR)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。
上記式(Z)で表される化合物としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシランのような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。
また、本発明の効果を損なわない程度に、式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物とともに、以下を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)。例えば以下のようなものが挙げられる。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のビニルシラン。
さらに、トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量は1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以上6.0質量%以下であることがより好ましい。
上記特定の凸形状をトナー粒子表面に形成する好ましい手法として、水系媒体にトナー母粒子を分散しトナー母粒子分散液を得たところへ、有機ケイ素化合物を添加し凸形状を形成させトナー粒子分散液を得る方法が挙げられる。
トナー母粒子分散液は固形分濃度を25質量%以上50質量%以下に調整することが好ましい。そして、トナー母粒子分散液の温度は35℃以上に調整しておくことが好ましい。また、該トナー母粒子分散液のpHは有機ケイ素化合物の縮合が進みにくいpHに調整することが好ましい。有機ケイ素重合体の縮合が進みにくいpHは物質によって異なるため、最も反応が進みにくいpHを中心として、±0.5以内が好ましい。
一方、有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物の前処理として別容器で加水分解しておく。加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、100質量部以上400質量部以下がより好ましい。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2~7、温度が15~80℃、時間が30~600分である。
得られた加水分解液とトナー母粒子分散液とを混合して、縮合に適したpH(好ましくは6~12、又は1~3、より好ましくは8~12)に調整する。加水分解液の量はトナー母粒子100質量部に対して有機ケイ素化合物5.0質量部以上30.0質量部以下に調整することで、凸形状を形成しやすくする。凸形状の形成と縮合の温度と時間は、35℃~99℃で60分~72時間保持して行うことが好ましい。
また、トナー粒子の表面の凸形状を制御するにあたって、pHを2段階に分けて調整することが好ましい。pHを調整する前の保持時間及び、二段階目にpH調整する前の保持時間を適宜調整し有機ケイ素化合物を縮合することで、トナー粒子表面における凸形状を制御できる。例えばpH4.0~6.0で0.5時間~1.5時間保持した後に、pH8.0~11.0で3.0時間~5.0時間保持することが好ましい。また、有機ケイ素化合物の縮合温度を35℃~80℃の範囲で調整することによっても凸形状が制御できる。
例えば、凸幅wは、有機ケイ素化合物の添加量、反応温度及び一段階目の反応pHや反応時間などにより制御できる。例えば、一段階目の反応時間が長くなると凸幅が大きくなる傾向がある。
また、凸径D及び凸高さHは、有機ケイ素化合物の加水分解時温度や、有機ケイ素重合体の添加量、反応温度及び二段階目のpHなどにより制御できる。例えば、加水分解温度が高いと、凸高さHが大きくなる傾向がある。また、二段階目の反応pHが高いと凸径D及び凸高さHが大きくなる傾向がある。
以下、トナーの具体的な製造方法について説明するが、これらに限定されるわけではない。
トナー母粒子を水系媒体中で製造し、トナー母粒子表面に有機ケイ素重合体を含む凸部を形成することが好ましい。
トナー母粒子の製造方法として、懸濁重合法・溶解懸濁法・乳化凝集法が好ましく、中でも懸濁重合法がより好ましい。懸濁重合法では有機ケイ素重合体がトナー母粒子の表面に均一に析出しやすく、定着画像上の凸部による排紙部材との接触面積を小さくしやすい。以下、懸濁重合法についてさらに説明する。
懸濁重合法は、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、及び必要に応じて着色剤などの添加剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒し、該重合性単量体組成物に含まれる重合性単量体を重合することにより、トナー母粒子を得る方法である。
重合性単量体組成物には、必要に応じて離型剤、その他の樹脂を添加してもよい。また、重合工程終了後は、公知の方法で、生成した粒子を洗浄、濾過により回収し、乾燥することができる。なお、上記重合工程の後半に昇温してもよい。さらに未反応の重合性単量体又は副生成物を除去する為に、重合工程後半又は重合工程終了後に一部分散媒体を反応系から留去することも可能である。
このようにして得られたトナー母粒子を用い、上記方法により有機ケイ素重合体の凸部を形成させることが好ましい。
トナーには離型剤を用いてもよい。離型剤としては、以下のものが挙げられる。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸、あるいはその酸アミド、エステル、又はケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコーン樹脂。
なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。離型剤は単独で用いてもよいし複数を混合し使用してもよい。
離型剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100質量部に対して2.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。
その他の樹脂として、例えば、以下の樹脂を用いることができる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合し用いてもよい。
重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。
スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレー
ト、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
これらのビニル単量体の中でも、スチレン、スチレン誘導体、アクリル系重合性単量体及びメタクリル系重合性単量体が好ましい。
また、重合性単量体の重合に際して、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’-アゾビス-(2,4-ジバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5質量部~30.0質量部の添加が好ましく、単独で用いても複数を併用してもよい。
また、トナー母粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対し0.001質量部~15.000質量部である。
一方、トナー母粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。例えば、以下のものが挙げられる。
ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性単量体としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。
好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部~15.000質量部である。
上記懸濁重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
トナーには着色剤を用いてもよく、特に限定されず公知のものを使用することができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して3.0質量部~15.0質量部であることが好ましい。
トナー製造時に荷電制御剤を用いることができ、公知のものが使用できる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部~10.00質量部であることが好ましい。
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよいし、必要に応じて、トナー粒子に各種有機又は無機微粉体を外添してもよい。該有機又は無機微粉体は、トナー粒子に添加した時の耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
有機又は無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
トナーの流動性の改良及びトナーの帯電均一化のために有機又は無機微粉体の表面処理を行ってもよい。有機又は無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で用いてもよいし複数を併用してもよい。
以下、各種物性の測定方法を述べる。
<走査透過型電子顕微鏡(STEM)におけるトナーの断面の観察方法>
走査透過型電子顕微鏡(STEM)で観察されるトナーの断面は以下のようにして作製
する。
以下、トナーの断面の作製手順を説明する。
まず、カバーガラス(松波硝子社、角カバーグラス;正方形No.1)上にトナーを一層となるように散布し、オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用いて、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施す。
次に、PTFE製のチューブ(内径Φ1.5mm×外径Φ3mm×3mm)に光硬化性樹脂D800(日本電子社)を充填し、チューブの上に前記カバーガラスをトナーが光硬化性樹脂D800に接するような向きで静かに置く。この状態で光を照射して樹脂を硬化させた後、カバーガラスとチューブを取り除くことで、最表面にトナーが包埋された円柱型の樹脂を形成する。
超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで、円柱型の樹脂の最表面からトナーの半径(例えば、重量平均粒径(D4)が8.0μmの場合は4.0μm)の長さだけ切削して、トナー中心部の断面を出す。
次に、膜厚100nmとなるように切削し、トナーの断面の薄片サンプルを作製する。このような手法で切削することで、トナー中心部の断面を得ることができる。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得する。また、明視野像のDetector ControlパネルのContr
astを1425、Brightnessを3750、Image Controlパネ
ルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整して、画像を取得する。画像倍率は100,000倍にて行い、図1のようにトナー1粒子中の断面の周のうち4分の1から2分の1程度収まるように画像取得を行う。
得られた画像について、画像処理ソフト(イメージJ(https://imagej.nih.gov/ij/より入手可能))を用いて画像解析を行い、有機ケイ素重合体を含む凸部を計測する。画像解析はSTEM画像30枚について行う。
まず、ライン描画ツール(StraightタブのSegmented lineを選択)にてトナー母粒子の周に沿った線を描く。有機ケイ素重合体の凸部がトナー母粒子に埋没しているような部分は、トナー母粒子の周の曲率を維持するように、その埋没はないものとして滑らかに線をつなぐ。
その線を直線へ変換(EditタブのSelection選択し、propertiesにてline widthを500pixelに変更後、EditタブのSelectionを選択しStraightenerを行う)する。
これにより、トナー母粒子の輪郭線を直線に展開した展開画像が得られる。該展開画像において、有機ケイ素重合体を含む凸部一箇所ずつ、凸幅w、凸径D及び凸高さHを測定する。
該展開画像において、該直線の長さをLとする。Lが、STEM画像中のトナー母粒子表面の長さに相当する。該直線上における、該凸部と該トナー母粒子との境界を構成している部分の線分の長さを凸幅wとする。また、凸幅wの法線方向において凸部の最大長を凸径Dとし、凸径Dを形成する線分における凸部の頂点(トナー粒子の外側の頂点)から該直線までの長さを凸高さHとする。
画像解析に用いた展開画像に存在する凸高さHが40nm以上300nm以下となる「特定高さ凸部」の凸幅wの合計値をΣwとする。一枚の画像からΣw/Lを算出し、STEM画像30枚の相加平均値を採用する。
また、STEM画像30枚測定した結果から、P(D/w)を算出する。凸高さHの累積分布をとり、H80を算出する。
詳細な凸部の計測に関しては、前述の説明や図2~4のとおりである。
計測はImage Jにて、画像上のスケールをStraightタブのStraight Lineで重ね、AnalyzeタブのSet Scaleにて、画像上のスケー
ルの長さを設定したのち行う。凸幅wまたは凸高さHに相当する線分をStraightタブのStraight Lineで描き、AnalyzeタブのMeasureにて計測ができる。
<走査型電子顕微鏡(SEM)における凸部の平均粒径(凸径R)の算出方法>
SEM観察の方法は、以下の通り。日立超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影される画像を用いて行う。S-4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペースト(TED PELLA,Inc、Product No.16053,PELCO Colloidal Graphite,Isopropanol base)を薄く塗り、その上にトナーを吹き付ける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去した後、15mAで15秒間白金蒸着する。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを30mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[2.0kV]、エミッション電流を[10μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[下(L)]を選択し、反射電子像を観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[8.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。観察粒子の最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。
得られたSEM画像から、トナー粒子表面に存在する、20nm以上の該凸部500箇所の個数平均径(D1)の計算を画像処理ソフト(イメージJ)により行う。測定方法は以下の通りである。
・有機ケイ素重合体の凸部の個数平均径の測定
粒子解析により、画像中の凸部とトナー母粒子を二値化により、色分けする。次に、計測コマンドの中から、選択された形状の最大長さを選択し、凸部1箇所の凸径R(最大径)を計測する。この操作を複数行い、500箇所の相加平均値を求めることで、凸径Rの個数平均径を算出する。
<有機ケイ素重合体の組成(T3単位構造)の確認方法>
トナー粒子表面の有機ケイ素重合体の組成の同定には、NMRを用いる。
トナー中に、有機ケイ素重合体以外に、シリカ微粒子などの外添剤が含まれる場合は、以下の操作を行う。
トナー1gをバイアル瓶に入れクロロホルム31gに溶解させ、分散させる。分散には超音波式ホモジナイザーを用いて30分間処理して分散液を作製する。
超音波処理装置:超音波式ホモジナイザーVP-050(タイテック株式会社製)
マイクロチップ:ステップ型マイクロチップ、先端径φ2mm
マイクロチップの先端位置:ガラスバイアルの中央部、且つバイアル底面から5mmの高さ
超音波条件:強度30%、30分
このとき、分散液が昇温しないようにバイアルを氷水で冷却しながら超音波を掛ける。
該分散液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H-9R;株式会社コクサン社製)にて、58.33S-1、30分間の条件で遠心分離を行う。遠心分離後のガラスチューブ内においては、下層に比重の重い粒子、例えば、シリカ微粒子が含まれる。上層の有機ケイ素重合体を含むクロロホルム溶液を採取して、クロロホルムを真空乾燥(40℃/24時間)にて除去しサンプルを作製する。
上記サンプル又はトナーを用いて、有機ケイ素重合体中のR-SiO3/2で表されるT3単位構造などの構造を、固体29Si-NMRで確認する。
固体29Si-NMRでは、有機ケイ素重合体を構成するSiに結合する官能基数によって、異なるシフト領域にピークが検出される。
各ピークの官能基数は標準サンプルを用いて特定することができる。また得られたピーク面積から各構成化合物の存在量比を算出することができる。
固体29Si-NMRの測定条件は、例えば下記の通りである。
装置:JNM-ECX5002 (JEOL RESONANCE)
温度:室温
測定法:DDMAS法 29Si 45°
試料管:ジルコニア3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
試料回転数:10kHz
relaxation delay :180s
Scan:2000
また、上記Rで表される炭化水素基は、13C-NMRにより確認する。
13C-NMR(固体)の測定条件≫
装置:JEOLRESONANCE製JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料:試験管に粉末状態で充填
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
該方法にて、ケイ素原子に結合しているメチル基(Si-CH)、エチル基(Si-C)、プロピル基(Si-C)、ブチル基(Si-C)、ペンチル基(Si-C11)、ヘキシル基(Si-C13)またはフェニル基(Si-C)などに起因するシグナルの有無により、上記Rで表される炭化水素基を確認する。
該測定後に、有機ケイ素重合体の、置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて下記X1構造、X2構造、X3構造、及びX4構造にピーク分離して、それぞれピーク面積を算出する。
なお、下記X3構造がT3単位構造である。
X1構造:(Ri)(Rj)(Rk)SiO1/2 (A1)
X2構造:(Rg)(Rh)Si(O1/2 (A2)
X3構造:RmSi(O1/2 (A3)
X4構造:Si(O1/2 (A4)
Figure 0007423314000002
該式(A1)、(A2)及び(A3)中のRi、Rj、Rk、Rg、Rh、Rmはケイ素に結合している、炭素数1~6の炭化水素基などの有機基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基又はアルコキシ基を示す。)
なお、構造をさらに詳細に確認する必要がある場合、上記13C-NMR及び29Si-NMRの測定結果と共にH-NMRの測定結果によって同定してもよい。
<トナー中にシリカ微粒子などの外添剤が含まれる場合の有機ケイ素重合体の定量方法>
トナーを、上記のようにクロロホルムに分散させ、その後に遠心分離を用い、比重の差で有機ケイ素重合体及びシリカ微粒子などの外添剤を分離し、各サンプルを得、有機ケイ素重合体又はシリカ微粒子などの外添剤の含有量を求める。
以下、外添剤がシリカ微粒子の場合について例示する。他の微粒子であっても、同様の手法で定量することができる。
まず、プレスしたトナーを蛍光X線で測定し、検量線法又はFP法などの解析処理を行うことでトナー中のケイ素の含有量を求める。
次に、有機ケイ素重合体及びシリカ微粒子を形成する各構成化合物について、固体29Si-NMR及び熱分解GC/MSなどを用いて構造を特定し、有機ケイ素重合体中及びシリカ微粒子中のケイ素含有量を求める。
蛍光X線で求めたトナー中のケイ素の含有量と、固体29Si-NMR及び熱分解GC/MSで求めた有機ケイ素重合体中及びシリカ微粒子中のケイ素含有量の関係から、計算によってトナー中の有機ケイ素重合体の含有量を求める。
<有機ケイ素重合体の、トナー母粒子に対する固着率の測定方法>
50mL容量のバイアルに「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の30質量%水溶液20gを秤量し、トナー1gと混合する。
いわき産業(株)製「KM Shaker」(model: V.SX)にセットし、speedを50に設定して120秒間振とうする。これにより、有機ケイ素重合体又はシリカ微粒子の固着状態に依っては、有機ケイ素重合体又はシリカ微粒子などの外添剤が、トナー母粒子又はトナー粒子表面から、分散液側へ移行する。
その後、遠心分離機(H-9R;株式会社コクサン社製)(16.67S-1にて5分間)にて、トナーと上澄み液に移行した有機ケイ素重合体又はシリカ微粒子などの外添剤を分離する。
沈殿しているトナーは、真空乾燥(40℃/24時間)することで乾固させて、水洗後トナーとする。
次に、日立超高分解能電界放出型走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いて、上記水洗工程を行わないトナー(水洗前トナー)、及び、上記水洗工程を経て得られたトナー(水洗後トナー)を撮影する。
また、測定対象の同定は、エネルギー分散型X線分析(EDS)を用いた元素分析により行う。
そして、撮影されたトナー表面画像を、画像解析ソフトImage-Pro Plus
ver.5.0((株)日本ローパー)を用いて解析し、被覆率を算出する。算出した被覆率に基づき、固着率を算出する。
S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件の設定
被覆率の測定に際して、予め、上述したエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素分析を行い、トナー表面の有機ケイ素重合体又はシリカ微粒子などの外添剤を区別した
上で測定を行う。
S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[1.1kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]及び[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[4.5mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)トナーの個数平均粒径(D1)算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー300個について粒径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。なお、個々の粒子の粒径は、トナーの粒子を観察した際の最大径とする。
(4)焦点調整
(3)で得た、個数平均粒径(D1)の±0.1μmの粒子について、最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。
その後、倍率を50,000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(5)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー一つに対して写真を1枚撮影し、トナー25粒子について画像を得る。
(6)画像解析
下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を二値化処理することで被覆率を算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。
画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下のとおりである。ただし、分割区画内に、粒径が30nm未満及び300nmを超える有機ケイ素重合体、又は、粒径が30nm未満及び1200nmを超えるシリカ微粒子などの外添剤が入る場合はその区画では被覆率の算出を行わないこととする。
画像解析ソフトImage-Pro Plus5.0において、
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2~10と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。このとき、領域の面積(C)は24,000~26,000ピクセルになるようにする。「処理」-二値化で自動二値化し、有機ケイ素重合体の無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、有機ケイ素重合体の無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率が求められる。
被覆率(%)=100-(D/C×100)
得られた全データの算術平均値を被覆率とする。
そして、水洗前トナーと水洗後トナーの、それぞれの被覆率を算出し、
〔水洗後トナーの被覆率〕/〔水洗前トナーの被覆率〕×100を、「トナー母粒子に対する有機ケイ素重合体の固着率」とする。
<トナーのTHF不溶分量の測定方法>
トナー1gを精秤して円筒ろ紙に仕込み、テトラヒドロフラン(THF)200mlにて20時間ソックスレー抽出する。その後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で20時間真空乾燥して残渣質量を測定し、下式よりトナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分量を算出する。
THF不溶分量=残渣質量/ソックスレー抽出前のトナーの質量×100(質量%)
以下、実施例及び比較例を挙げて本開示に係る構成をさらに詳細に説明するが、本開示に係る構成は、実施例に具現化された構成に限定されるものではない。また、実施例及び比較例中で使用する「部」は特に断りのない限り質量基準である。
[トナー1の製造例]
(水系媒体1の調製工程)
撹拌機、温度計、還留管を具備した反応容器中にイオン交換水650.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、15000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・カーボンブラック :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n-ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.90部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を15000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート10.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて15000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合・蒸留工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。
その後、反応容器の還留管を冷却管に付け替え、スラリーを100℃まで加熱することで、蒸留を6時間行い未反応の重合性単量体を留去し、トナー母粒子分散液を得た。
(有機ケイ素化合物の重合工程)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
得られたトナー母粒子分散液の温度を55℃に冷却したのち、有機ケイ素化合物の加水分解液を25.0部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま15分保持した後に、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを5.5に調整した。55℃で撹拌を継続したまま、60分間保持したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整し、更に240分保持してトナー粒子分散液を得た。
(洗浄、乾燥工程)
重合工程終了後、トナー粒子分散液を冷却し、トナー粒子分散液に塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキを40℃の恒温槽にて72時間かけて乾燥・分級を行い、トナー粒子1を得た。表1にトナー粒子1の製造の条件を示す。
Figure 0007423314000003

表中、架橋剤量は、ジビニルベンゼンの添加量(部)である。時間の単位はhである。「添加量」は有機ケイ素化合物の重合工程における有機ケイ素化合物の添加量(部)である。
[トナー粒子2~7の製造例]
表1に示す条件に変更した以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子2~7を得た。製造条件を表1に示す。
[比較トナー粒子1の製造例]
表1に示す条件に変更した以外は、トナー粒子1と同様にして比較トナー粒子1を得た。製造条件を表1に示す。
[比較トナー粒子2の製造方法]
(水系媒体2の調製工程)
撹拌機、温度計、還留管を具備した反応容器中にイオン交換水650.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、15000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体2を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・カーボンブラック :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n-ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.90部
・メチルトリエトキシシラン:10.0部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=100
00、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体2の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を15000rpmに保ちながら、水系媒体2中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート10.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて15000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合・蒸留工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行った。このとき水系媒体のpHは5.1であった。次に、1.0mol/L-NaOH水溶液を10.0部加えてpH8.0にし、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。その後、10%塩酸4.0部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を加え、pHを5.1にした。
その後、反応容器の還留管を冷却管に付け替え、スラリーを100℃まで加熱することで、蒸留を6時間行い未反応の重合性単量体を留去し、トナー粒子分散液を得た。
(洗浄、乾燥工程)
重合工程終了後、トナー粒子分散液を冷却し、トナー粒子分散液に塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキを40℃の恒温槽にて72時間かけて乾燥・分級を行い、比較トナー粒子2を得た。表1に比較トナー粒子2の製造の条件を示す。
[比較トナー3の製造方法]
トナー粒子1の製造方法の中で、有機ケイ素化合物の重合の工程を省き、比較トナー粒子3を作製した。さらに比較トナー粒子3に以下の条件で外添剤を外添した。
比較トナー粒子3:100部に、疎水性ゾルゲルシリカ(日本アエロジル社製:個数平
均径80nm)を3.0部添加しヘンシェルミキサーにて攪拌翼の周速20m/sで混合し、比較トナー3を作製した。
[比較トナー4の製造方法]
トナー粒子1の製造方法の中で、有機ケイ素化合物の重合の工程を省き、比較トナー粒子4を作製した。さらに比較トナー粒子4に以下の条件で作製した外添剤を外添した。
反応容器にイオン交換水500部を仕込み、48質量%水酸化ナトリウム水溶液0.2部を添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシラン65部及びテトラエトキシラン50部を添加し、温度を13℃~15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行った。さらに20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液2.5部を添加し、同温度で3時間加水分解反応を行った。
約4時間でシラノール化合物を含有する透明な反応物を得た。次いで、得られた反応物の温度を70℃に保持しながら5時間縮合反応を行って、有機ケイ素化合物からなる微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を、メンブランフィルターを通じて濾過し、通過液状部を遠心分離機に供して白色微粒子を分離した。分離した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間、熱風乾燥を行って有機ケイ素微粒子Aを得た。
有機ケイ素微粒子Aについて走査型電子顕微鏡による観察を行ったところ、この有機ケイ素微粒子Aは中空半球状体であり、画像解析を行い半球の長径及び短径の個数平均粒子
径(μm)を算出すると、長径180nm及び短径80nmであった。
比較トナー粒子4:100部に、有機ケイ素微粒子Aを3.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて攪拌翼の周速20m/sで混合した。そののち平均粒子径12nmのヘキサメチルジシラザン処理された疎水性シリカ1.5部をヘンシェルミキサーにて攪拌翼の周速20m/sで混合し比較トナー4を得た。
(実施例1)
トナー粒子1をそのままトナー1として、THF不溶分の測定とトナー粒子表面に存在する凸部の各種測定を行った。分析結果を表2に示す。また、後述の評価を行った結果を表3に示す。
(実施例2~7)
それぞれトナー粒子2~7をそのままトナー2~7として、各種測定を行った。分析結果を表2に示す。また、後述の評価を行った結果を表3に示す。
(比較例1~4)
比較トナー粒子1,2をそのまま比較トナー1,2として用いた。比較トナー1~4の各種測定を行った結果を表2に示す。また、これらの評価結果を表3に示す。
Figure 0007423314000004

表中、THF不溶分量及び固着率は質量%を示す。凸径Rは個数平均径を示す。ケイ素量は、トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量である。
<グロスの測定>
転写紙上に0.7mg/cmのベタ画像を載せ定着させた後、GLOSS SENSER PG-3D(NIPPON DENSHOKU IND. CO.,LTD)を用い、75°の角度で測定した。なおグロス値は、ベタ出力画像を縦・横で3分割(計9分割)し、各ブロックの中心を測定した平均値とした。
<排紙部材汚染の評価>
排紙部材汚染の評価は、まず下記の低温定着評価で定着下限温度を見出したのちに、画像を定着できる最低温度(低温定着温度)で画出しすることで評価した。低温定着評価は、各実施例、各比較例のトナーを定着した後の、トナーの定着状態を一定にするために行ったものである。
・低温定着評価
キヤノン製レーザービームプリンタLBP9600Cの定着ユニットを定着温度が調整
できるように改造した。この改造後のLBP9600Cを用いて、プロセススピ-ド300mm/secで、常温常湿(25℃/50%RH)環境下にて定着温度を130℃から5℃刻みで上昇させ、画像濃度が0.70となるようにハーフトーン画像を出力した。その後、5.4kPa(55g/cm)の加重をかけたシルボン紙で定着画像を10回摺擦し、摺擦後の定着画像の濃度低下率が10%を下回る温度を定着下限温度とした。定着下限温度に+5℃した温度を低温定着温度とした。
評価対象のトナーについて、トナー載り量0.40mg/cmのベタ画像を受像紙に作像し、オイルレスで加熱加圧して、受像紙に定着画像を形成した。受像紙には、GF-600(秤量60g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
排紙部材汚染の評価としては、画出し後の排紙コロ汚れを評価した。評価ではまず、上記の低温定着評価で見出した、各トナーの低温定着温度でベタ黒画像を複数枚画出しした。その後、ベタ白画像を1枚画出しした時に、画像の汚れを目視で確認できるようになるまでに印刷したベタ黒画像の枚数を下記判断基準に従い評価した。ベタ黒画像を多く印刷できたほうがより排紙部材汚染抑制効果があるということになる。
A:30枚以上
B:20枚以上30枚未満
C:10枚以上20枚未満
D:10枚未満
評価結果は表3に示す。
Figure 0007423314000005
トナー1~7のように、THF不溶分量が30質量%以上のトナーの表面に、形状を制御した凸部を有することで、低グロスと排紙コロ汚れ抑制を両立できることが分かった。特に、凸部の形状を好ましい範囲に制御することで、効果的に排紙コロ汚れを抑制できることが分かった。
一方で、トナー粒子表面に形状を制御した凸を有していたとしても、比較例1のようにトナーのTHF不溶分量が少ない(トナー母粒子が柔らかい)場合は、排紙コロ汚れはD評価であった。これは、定着後のトナー粒子表面の凸部が、トナーバインダーが柔らかいために埋もれてしまい、凸部による接触面積低減効果が発揮されなかったためと考えられる。
また、比較例2のように、THF不溶分が特定の範囲にあったとしても、トナー粒子表面に凸部を有していなければ評価結果は芳しくなかった。
比較例3、4のように本発明で規定する凸部とは異なる形状の凸部をトナー粒子表面に
有している場合も、排紙コロ汚れ抑制効果を示さなかった。これは、比較例1と同じような理由で説明できる。
比較例3は、疎水性ゾルゲルシリカを凸部としてトナー粒子に外添したが、トナー粒子表面との接触性が本発明で規定する凸部とは異なっているため、定着後のトナーバインダーに埋もれやすかったと考えられる。また、比較例4は、中空半球状の疎水性シリカ粒子を外添している。中空であることにより、トナー粒子表面と面接触しにくいため、比較例3と同様に定着後のトナーバインダーに埋もれたと考えられる。
1 STEM画像、2 トナー粒子、3 トナー粒子表面、4 凸形状の有機ケイ素重合体、 5 有機ケイ素重合体の凸幅W、6 有機ケイ素重合体の凸径D、 7 有機ケイ素重合体の凸高さH

Claims (5)

  1. トナー母粒子及び該トナー母粒子表面の有機ケイ素重合体を有するトナー粒子を含むトナーであって、
    該有機ケイ素重合体は、下記式(1)で表される構造を有し、
    R-SiO3/2 (1)
    式(1)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基又はフェニル基を示し、
    該有機ケイ素重合体は、該トナー粒子の外表面に凸部を形成しており、
    該凸部は、該トナー母粒子の表面に面接触しており、
    走査透過型電子顕微鏡によって得た該トナー粒子の断面画像について、該トナー母粒子の輪郭線を直線に展開して該断面画像の展開画像を得たとき、
    該展開画像において、
    該直線の長さをLとし、
    該直線上における、該凸部と該トナー母粒子との境界を構成している部分の線分の長さをwとし、
    該wの法線方向において該凸部の最大長をDとし、
    該Dを形成する線分における該凸部の頂点から該直線までの長さをHとしたとき、
    該凸部は、該Dと該Hが同じであって該Hが40nm以上300nm以下である「特定高さ凸部」を含み、
    該特定高さ凸部のうち、該wに対する該Dの比D/wが、0.33以上0.80以下である特定高さ凸部の個数割合P(D/w)が70個数%以上であり、
    該直線の長さLに対する、該特定高さ凸部の該wの総和Σwの割合(Σw/L)が、0.30以上0.90以下であり、
    該トナーのテトラヒドロフラン不溶分量が30質量%以上75質量%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記有機ケイ素重合体の前記トナー母粒子に対する固着率が、80質量%以上である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記特定高さ凸部において、前記Hの累積分布をとり、前記Hの小さい方から積算して80個数%にあたる前記をH80としたとき、該H80は65nm以上である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 走査型電子顕微鏡SEMによる前記トナーの観察において、前記有機ケイ素重合体の前記凸部の最大径を凸径Rとしたときに、該凸径Rの個数平均径が20nm以上80nm以下である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記トナー粒子中の前記有機ケイ素重合体の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
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