JP7210202B2 - 現像方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真を利用した現像方法に関するものである。
トナーを使用する電子写真方式の代表機器として、レーザープリンターや複写機が挙げられる。近年、急激にカラー化が進み、一層の高画質化が求められている。電子写真の課題として、転写性の改善が挙げられる。静電荷像担持体である感光体上に形成されたトナー像が転写工程で転写材に転写される際、感光体上に残ってしまう転写残トナーを減らすことが必要とされている。つまり、クリーニング工程で感光体上から除去された後に廃トナー容器に蓄えられる為、装置の小型化には、トナーの転写性を改善し、転写残トナーを減らすことが重要である。
トナーの転写性を向上させるためには、静電荷像担持体に対するトナーの付着力を下げることが有効であると一般的に知られている。トナーの付着力を下げる手段として、外添剤をトナー粒子表面に付着させることが挙げられる。特に、大粒径の球状外添剤の添加によるスペーサー効果によって、トナーと静電荷像担持体との物理的な付着力を引き下げ、転写効率を向上させる手法があることが知られている。しかし、転写効率を向上する方法として有効な技術ではあるが、長期にわたる画像出力によって、球状大粒径外添剤は、移動・脱離・埋没によって、スペーサーとして機能できなくなる。そのため、期待された転写効率向上の効果が安定して得ることが難しかった。
そこで、大粒径外添剤を半埋没させて外添剤の移動・脱離を抑制し、転写性とクリーニング性を両立させるトナーが提案されている(特許文献1参照)。一方、半球形状の大粒径外添剤を用いることで、脱離・埋没を抑制する手法が提案されいる(特許文献2参照)。
外添以外の手法で転写性向上を達成するために、トナー粒子表面を有機ケイ素化合物で覆う手法について検討を重ねられてきた。トナー粒子表面をケイ素化合物で覆う技術思想の例として、反応系にシランカップリング剤を添加することを特徴とする重合トナーの製造方法が開示されている(特許文献3参照)。
一方、大粒径外添剤とシランカップリング剤を併用する手法が提案されている(特許文献4参照)。この手法により、シランカップリング剤により大粒径外添剤をトナー粒子表面に固定化しつつ、トナー粒子表面の粗さを制御することが可能となった。その結果、大粒径外添剤の移動・脱離・埋没を抑制することができ、長期に渡り高い転写性を発現させることができるようになった。
また、トナー表面に固着させた微粒子の凸部同士が引っかかって、トナーが転がり難くなる『トナー間転がり抑制効果』を利用して、感光体上トナーのクリーニング性能向上を高める技術が開示されている(特許文献5参照)。
また、電子写真形成プロセスを用いた画像形成装置では、トナー担持体である現像ローラ等の回転体の端部に端部シール部材を一定圧力で押し付ける様に配置し、装置内部からの現像剤の漏れを抑制、又は、防止する構成が採用されている。端部シール部材としては、弾性体を用いたもの、パイルやフェルト等の繊維を用いたもの、磁性体を用いたものなどが挙げられる(特許文献6参照)。
近年、ランニングコストの低減を狙った、補給系現像方式へのニーズが高まっている。
この補給系現像方式においては、補給した新しいトナー(以下、補給トナーと呼ぶ)と、現像に使用されなかったトナー(以下、耐久トナーと呼ぶ)のように、帯電量や流動性等の物性が異なるトナーが同じ現像室内に存在する状態になっている。補給トナーと耐久トナーの上記物性状態の差が大きいと、両トナーの相互作用による凝集が生じ、その結果、画出しした出力画像上において濃度ムラ、カブリ、トナーボタ落ち(斑点上にトナー塊が画像上に落下する)が発生する場合があった。この問題に対しては、現像容器内の耐久トナーと補給トナーの混合撹拌を十分に行うこと、一度に補給するトナー量を極力少なくすること、が非常に有効であることが知られている。
特開2016-38591号公報 特開2008-257217号広報 特開2001-75304号公報 特開2017-138462号公報 特開2016-38591号公報 特開2001-154480号公報
特許文献1により、大粒径外添剤を半埋没させることで、大粒径外添剤の移動・脱離は抑制できるようになり、スペーサー効果が長期に渡って発現するようになった。しかし、更なる長寿命化を想定した場合、耐久後半に埋没が加速されてしまう事が解った。また、特許文献1および2のいずれの場合も乾式外添であるが故、大粒径外添剤の固着の均一性に課題を有していた。すなわち、特許文献1の場合でも、移動・脱離が完全に抑制されておらず、脱離した大粒径外添剤による部材汚染が発生すること場合がある。特許文献2においても、半球状の凸部がトナー粒子表面を向いている場合移動・脱離が起こりやすく部材汚染が発生する。
特許文献3では、トナー表面へのシラン化合物の析出量が不十分であるため、大きな転写性向上効果を得ることはできなかった。
特許文献4では、大粒径外添剤が球状であるため、トナーが受けた法線方向の荷重は大粒径外添剤の一点に集中してしまい、埋没に対する耐久性に若干の課題を有していた。そのため、さらなる長寿命化を得るためには、いまだ十分ではなかった。
特許文献6の端部シール構成は、補給構成採用等の長寿命化、高画質化を狙った現像剤の小粒径化、省エネ化を狙った低融点トナーの採用が進んでいる為に、更なるシール性の向上が望まれている。端部シールからのトナー漏れが生じると、装置外部へトナーが漏れ出てしまい、装置内を汚してしまうことがある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、粒子表面に制御された凸部を形成したトナーと、補給口から現像器供給されたトナーが撹拌部材による撹拌を受けない現像器を組み合わせることによって、上記課題を解決した現像方法が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、トナー容器と現像器とを有する現像装置を用いて現像を行う現像方法において、
該トナー容器は、トナーを収容しており、かつ、収容するトナーを該現像器へと供給する補給口を有しており、
該現像器は、現像器枠体とトナー担持体を有しており、かつ、トナーを担持したトナー担持体によりトナーを現像領域へと搬送し、静電潜像を現像する装置であって、
該トナー担持体と該現像器枠体の間には、トナーの流出を抑えるシール部材が設けられており、
該補給口から該現像器に供給されたトナーは、撹拌部材による撹拌を受けることなく、該トナー担持体まで、もしくは、該トナー担持体へトナーを供給するトナー供給部材まで到達するものであり、
該トナーは、下記式(1)で表される有機ケイ素重合体を含むトナー粒子を有するトナーであって、
R-SiO3/2 (1)
(Rは炭素数が1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基である。)
トナー粒子表面には、該有機ケイ素重合体を含む凸部が形成されており、
該トナーのTEMによる断面観察によって、該凸部の該トナー粒子との連続した界面における最大の線分の長さをWとし、該線分の法線方向の該凸部の最大長をDとし該Dと重なる、該凸部の頂点から該線分までの長さをHとしたとき、該Hが40nm以上300nm以下の範囲である凸部のうち、該Wに対する該Dの比の値であるD/Wが0.33以上0.80以下の範囲である凸部の個数割合P(D/W)が70個数%以上である
ことを特徴とする現像方法に関する。
本発明によれば、長期に渡って使用してもトナー粒子表面が変化し難く、現像ローラと現像器枠体の間に設けられた端部シール部材が封止機能を発揮し、トナーが漏れ出て装置本体内を汚してしまう問題を抑制可能な現像方法を提供できる。
本発明のトナーのSTEMによる断面観察の模式図である。 本発明のトナーに関する凸形状の計測の仕方を表した模式図である。 本発明のトナーに関する凸形状の計測の仕方を表した模式図である。 本発明のトナーに関する凸形状の計測の仕方を表した模式図である。 本発明に係る画像形成装置の概略構成断面図である。 図5中のプロセスカートリッジの説明図である。
以下、本発明に係る現像方法を図面に則して、詳しく説明する。
本発明の現像方法は、トナー容器と現像器とを有する現像装置を用いて現像を行う現像方法において、該トナー容器は、収容するトナーを該現像器へと供給する補給口を有しており、該現像器は、トナーを担持したトナー担持体によりトナーを現像領域へと搬送し、静電潜像を現像する装置であって、該トナー担持体と該現像器枠体の間には、トナーの流出を抑えるシール部材が設けられており、該補給口から該現像器に供給されたトナーは、撹拌部材による撹拌を受けることなく、該トナー担持体まで、もしくは、該トナー担持体へトナーを供給するトナー供給部材まで到達するものであり、
該トナーは、下記式(1)で表される有機ケイ素重合体を含むトナーであって、
R-SiO3/2 (1)
(Rは炭素数1以上6以下のアルキル基、またはフェニル基である。)
該有機ケイ素重合体は、該トナー粒子表面に対して凸部を有しており、該トナーのSTEMによる断面観察によって、該凸部の該トナー粒子との連続した界面における最大の線分を凸幅W、該凸幅Wの法線方向の該凸部の最大長を凸径D、該凸径Dと重なる凸幅Wまでの長さをおよび凸高さHとしたとき、該凸高さHが40nm以上300nm以下の範囲である凸において、
該凸幅Wと該凸径Dの比D/Wが、0.33以上0.80以下となる該凸部の個数割合P(D/W)が70個数%以上であることを特徴とする。
以下、上記各要件について、詳細に説明する。
本発明のトナーは、トナー表面に有機ケイ素重合体を含む凸部を有し、その凸部の形状に基づくものである。該凸部はトナー表面に面接触していることを特徴としており、面接触することにより、該凸部の移動・脱離・埋没に対する抑制効果が顕著に期待できる。面接触の程度を表すために、トナーのSTEMによる断面観察を行った。図1は本発明のトナーのSTEMによる断面観察の模式図であり、図2、3及び4にトナー粒子表面の該凸部の模式図を示す。
該凸部の該トナー粒子との連続した界面における最大の線分を凸幅W、該凸幅Wの法線方向の該凸部の最大長を凸径D、該凸径Dと重なる凸幅Wまでの長さを凸高さHおよび該トナー粒子断面の観察したトナー粒子表面の長さを周囲長Lとする。
図2および図4においては凸径Dと凸高さHは同じであり、図3において凸径Dは凸高さHより大きくなる。また、図4において、凸幅Wはトナー粒子表面と接している有機ケイ素化合物の長さの合計をWとする。すなわち、図4における凸幅WはW1とW2の合計となる。
上記条件に基づき、有機ケイ素化合物の凸部において、該凸幅Wと該凸径Dの比D/Wが、0.33以上0.80以下の凸形状であれば、移動・脱離・埋没がしないことを見出した。すなわち、有機ケイ素化合物の凸部が図1のごとき凸形状であれば、移動・脱離・埋没されないことが判った。また、該凸高さHが40nm以上300nm以下の範囲であり、該凸幅Wと該凸径Dの比D/Wが0.33以上0.80以下となる該凸部の個数割合P(D/W)が70個数%以上であれば、長寿命化を耐えうる優れた転写性を発現することを見出した。
これは、40nm以上の凸部によって、トナー母粒子表面との転写部材との間にスペーサー効果が生じることで、転写性を良化しているものと考えている。一方、上記条件を満たした300nm以下の凸部において、耐久評価を通じて、移動・脱離・埋没への抑制効果が著しく発現していることを見出した。さらに、40nm以上300nm以下の凸部の割合として、個数割合P(D/W)が70個数%以上であれば、耐久を通じて転写性を維持しつつ、さらに部材への高い汚染抑制効果が発現することが判った。
また、該トナーのTEM断面観察によって該トナー粒子断面の観察したトナー粒子表面の長さを周囲長Lおよび該凸幅Wの合計をΣWとしたとき、ΣW/Lが0.30以上0.90以下であることが好ましい。ΣW/Lが0.30以上であれば転写性がより優れており、Σw/Lが0.90以下であると部材汚染の抑制効果に対してより優れている。ΣW/Lが0.45以上0.80以下であればより好ましい。
さらに、該トナーの有機ケイ素重合体の固着率が80質量%以上であることが好ましい。固着率が80質量%以上であれば、転写性および部材汚染の抑制効果が耐久を通じてより持続させることができる。より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。
また、転写性をより良好にするものとして、該凸高さHが40nm以上300nm以下の範囲である凸において、該凸高さHの累積分布とり該凸高さHの小さい方から積算して80個数%にあたる該凸高さをH80としたとき、該H80は65nm以上であることが好ましい。より好ましくは75nm以上である。トナーのSEM観察において観察される凸部に関して、凸部の最大径を凸部の凸径Rとしたときに、該凸径Rの個数平均径が20nm以上80nm以下であることが好ましい。より好ましくは、35nm以上60nm以下である。
上記特定の凸形状をトナー粒子表面に形成する好ましい手法として、水系媒体にトナー母粒子を分散しトナー母粒子分散液を得たところへ、有機ケイ素化合物を添加し凸形状を形成させトナー粒子分散液を得ることが好ましい。トナー母粒子分散液は固形分濃度を25質量%以上50質量%以下に調整することが好ましい。そして、トナー母粒子分散液の温度は35℃以上に調整しておくことが好ましい。また、該トナー母粒子分散液のpHは有機ケイ素化合物の縮合が進みにくいpHに調整することが好ましい。有機ケイ素重合体の縮合が進みにくいpHは物質によって異なるため、最も反応が進みにくいpHを中心として、±0.5以内が好ましい。
一方、本発明のトナーに用いられる有機ケイ素重合体の上記式(1)で示される部分構造は、Si原子の4個の原子価について、1個はRで示される有機基と、残り3個はO原子と結合している。O原子は、原子価2個がいずれもSiと結合している状態、つまり、シロキサン結合(Si-O-Si)を構成する。有機ケイ素重合体としてのSi原子とO原子を考えると、Si原子2個でO原子3個を有することになるため、-SiO3/2と表現される。
本発明における有機ケイ素重合体を作製するための有機ケイ素化合物として、具体的に以下が挙げられる。例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。有機ケイ素化合物は単独で用いても、或いは2種類以上を複合して用いてもよい。
また、有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物の前処理として別容器で加水分解しておく。加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、より好ましくは水100質量部以上400質量部以下である。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2以上7以下、温度が15℃以上80℃以下、時間が30分以上600分以下である。
得られた加水分解液とトナー粒子分散液とを混合して、縮合に適したpH(好ましくは6以上12以下、又は1以上3以下、より好ましくは8以上12以下)に調整する。加水分解液の量はトナー粒子100質量部に対して有機ケイ素化合物が5.0質量部以上30.0質量部以下に調整することで、凸形状を形成しやすくする。凸形状の形成と縮合の温度と時間は、35℃以上で60分以上保持して行うことが好ましい。
また、トナー粒子の表面の凸形状を制御するにあたって、pHを2段階に分けて調整することが好ましい。pHを調整する前の保持時間および、二段階目にpH調整する前の保持時間を適宜調整し有機ケイ素化合物を縮合することで、トナー粒子表面における凸形状を制御できる。また、有機化合物の縮合温度を35℃以上80℃以下の範囲で調整することによっても凸形状が制御できる。
以下、本発明トナーの具体的製造方法について説明するが、これらに限定されるわけではない。
本発明のトナーは、トナー粒子を水系媒体中で製造しトナー粒子表面に有機ケイ素重合体を含む凸部を形成することが好ましい。
トナー粒子の製造方法として、上述した製造方法の中でも、懸濁重合法・溶解懸濁法・乳化凝集法が好ましく、中でも懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法では有機ケイ素重合体がトナー粒子の表面に均一に析出し易く、トナー粒子の表層と内部との接着性に優れ、環境安定性、帯電量反転成分抑制効果、及びそれらの耐久持続性が良好になる。以下、懸濁重合法についてさらに説明する。
上記重合性単量体組成物には、必要に応じて離型剤、その他の樹脂を添加してもよい。また、重合工程終了後は、生成した粒子を洗浄、濾過により回収し、乾燥してトナー粒子を得る。なお、上記重合工程の後半に昇温しても良い。更に未反応の重合性単量体又は副生成物を除去する為に、重合工程後半又は重合工程終了後に一部分散媒体を反応系から留去することも可能である。
上記離型剤としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ-ン樹脂。なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。単独或いは混合して使用できる。
上記その他の樹脂として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、以下の樹脂を用いることができる。ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。単独或いは混合して使用できる。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチル、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
これらのビニル重合体の中でも、スチレン重合体、スチレン-アクリル共重合体またはスチレン-メタクリル共重合体が好ましい。
また、重合性単量体の重合に際して、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’-アゾビス-(2,4-ジバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5質量%以上30.0質量%以下の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
また、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001質量%以上15.000質量%以下である。
一方、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。架橋性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
多官能の架橋性単量体としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。好ましい添加量としては、重合性単量体に対して0.001質量%以上15.000質量%以下である。
上記懸濁重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず公知のものを使用することが出来る。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーには、トナー製造時に荷電制御剤を用いることができ、公知のものが使用できる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて、トナー粒子に各種有機又は無機微粉体を外添しても良い。該有機又は無機微粉体は、トナー粒子に添加した時の耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
有機又は無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
有機又は無機微粉体は、トナーの流動性の改良及びトナー粒子の帯電均一化のためにトナー粒子の表面を処理することもできる。有機又は無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独であるいは併用して用いられても良い。
以下、本発明に関係する各種測定方法を述べる。
<走査透過型電子顕微鏡(STEM)におけるトナーの断面の観察方法>
走査透過型電子顕微鏡(STEM)で観察されるトナーの断面は以下のようにして作製する。
以下、トナーの断面の作製手順を説明する。
まず、カバーガラス(松波硝子社、角カバーグラス;正方形No.1)上にトナーを一層となるように散布し、オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用いて、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施す。
次に、PTFE製のチューブ(Φ1.5mm×Φ3mm×3mm)に光硬化性樹脂D800(日本電子社)を充填し、チューブの上に前記カバーガラスをトナーが光硬化性樹脂D800に接するような向きで静かに置く。この状態で光を照射して樹脂を硬化させた後、カバーガラスとチューブを取り除くことで、最表面にトナーが包埋された円柱型の樹脂を形成する。
超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで、円柱型の樹脂の最表面からトナーの半径(例えば、重量平均粒径(D4)が8.0μmの場合は4.0μm)の長さだけ切削して、トナー中心部の断面を出す。
次に、膜厚100nmとなるように切削し、トナーの断面の薄片サンプルを作製する。このような手法で切削することで、トナー中心部の断面を得ることができる。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得した。また、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整して、画像を取得した。 画像倍率は100,000倍にて行い、図1のようにトナー1粒子中の断面のうち周が4分の1から2分の1程度収まるように画像取得を行った。
得られた画像について、画像処理ソフト(イメージJ)を用いて画像解析を行い、有機ケイ素重合体を含む凸部の計測をした。画像解析はSTEM画像30箇所について行った。
まず、ライン描画ツールにてトナー粒子の周に沿ってラインを描く。そのラインを基準に水平画像へ変換を行った。該水平画像について、有機ケイ素重合体を含む凸部一箇所ずつ、水平方向の長さと垂直方向の長さを計測し、図2~4のようにそれぞれ凸幅W、凸径Dおよび凸高さHとした。また、該像解析を行った凸高さHが40nm以上300nm以下となる凸部の凸幅Wの合計値をΣWとし、画像解析に用いた水平画像の幅の合計を周囲長Lとした。
<走査型電子顕微鏡(SEM)における凸部の平均粒径の算出方法>
SEM観察の方法は、以下の通りである。日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影される画像を用いて行った。S-4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペースト(TED PELLA,Inc、 Product No. 16053, PELCO Colloidal Graphite,Isopropanol base)を薄く塗り、その上にトナーを吹き付ける。さらにエアブローして、余分な該微粒子を試料台から除去した後、15mAで15秒間白金蒸着する。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを30mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[2.0kV]、エミッション電流を[10μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[下(L)]を選択し、反射電子像を観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[8.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。観察粒子の最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。
次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。
得られたSEMの観察結果から、トナー表面に存在する、20nm以上の該凸部500箇所の個数平均径(D1)の計算を画像処理ソフト(イメージJ)により行った。測定方法は以下の通りである。
・有機ケイ素重合体の凸部の個数平均粒径の測定
粒子解析により、画像中の凸部とトナー粒子を二値化により、色分けする。次に、計測コマンドの中から、選択された形状の最大長さを選択し、凸部1箇所の凸径を計測する。この操作を複数行い、500箇所の平均値を求めることで、凸部の個数平均粒径を算出する。
<有機ケイ素重合体の固着率の測定方法>
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブ(容量50ml)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H-9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥する。乾燥品をスパチュラで解砕し、蛍光X線でケイ素の量を測定する。水洗後のトナーと初期のトナーの測定対象の元素量比から固着率(%)を計算する。
各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119-1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリング直径10mmの中に水洗後のトナーと初期のトナーを約1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE-32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで60秒間加圧し、厚さ約2mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
トナー中の定量方法としては、例えばケイ素量はトナー粒子100質量部に対して、例えば、シリカ(SiO2)微粉末を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を2.0質量部、5.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi-Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象のトナーを、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi-Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線からトナー中の有機ケイ素重合体の含有量を求める。上記方法により算出した初期のトナーの元素量に対して、水洗後のトナーの元素量の比率を求め固着率(%)とした。
<画像形成装置の構成概要>
本発明は、補給構成を採用した画像形成方法である。
図5は、本発明の画像形成方法が行われる画像形成装置の一実施例の概略構成断面図である。『画像形成装置本体』である装置本体Aを有し、この装置本体AにプロセスカートリッジBが着脱可能な構成となっている。更には、プロセスカートリッジBに対してトナー供給を行うトナーカートリッジCも着脱可能である。本発明において、単色の画像形成を行う画像形成装置にて具現化されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の画像形成方法が行われる画像形成装置のプロセスカートリッジBは、感光体ドラム11と現像ユニット35とが一体化されたものである。装置本体Aの下部に装着されたシートカセット16には、シートSが収納されている。画像形成時には、このシートSは、搬送ローラ17によって『像担持体』である『電子写真感光体ドラム』としての感光体ドラム21の方へと搬送される。
この動作と同期して、感光体ドラム21は、帯電ローラ22によって表面を一様に帯電され、露光装置18から露光され、その表面には、静電像が形成される。プロセスカートリッジBには、トナーが収納されると共に、トナー担持体である現像ローラ23が設けられている。トナーは、現像ローラ23に供給され、現像ブレード25によって現像ローラ23の表面に薄層で担持される。そして、現像ローラ23に現像バイアスが印加されることによって、前述の静電像はトナーで現像されて感光体ドラム21の表面にトナー像が形成される。現像方式に関しては、感光ドラム21と現像ローラ23が当接した一成分接触現像方式、感光ドラム21と現像ローラ23が非接触である一成分ジャンピング現像方式、どちらでも構わない。このトナー像は、バイアス電圧が印加される転写ローラ19によって、搬送されるシートSに転写される。そして、シートSは、定着装置20へと搬送されて画像定着され、排出ローラ11によって排出部13に排出される。
<プロセスカートリッジの構成概要>
図6は、プロセスカートリッジBの構成を示す断面図である。図5及び6に示されるように、クリーナユニット34、及び、現像ユニット35を有する。クリーナユニット34は、感光体ドラム21、感光体ドラム21の表面をクリーニングするクリーニングブレード24、感光体ドラム21の表面を帯電する帯電ローラ22を有する。現像ユニット35は、現像ローラ23、現像ローラ23にトナーを供給する供給ローラ28を有する。この現像ユニット35には、図6に示すように、現像ローラ23の両端の軸受け部と、現像ユニット35容器の間隙に羊毛フェルト、フッ素樹脂パイル等の繊維材料やポリウレタンフォーム、スポンジゴム等の材料からなる端部シール部材26を一定圧で押し付けることで、現像ユニット容器35と現像ローラ23の長手方向両端部からのトナー漏れを防止している。
トナーシール性が低下して漏れ出したトナーは、現像ローラ23端部で溶融し、端部シール部材26や現像ローラ23、現像ブレード25に固着する。固着したトナーによって、現像ローラ23、端部シール部材26、現像ブレード25間に隙間が発生し、その部分から大量のトナーが漏れ、画像不良や機内汚染等の問題が発生してしまう。現像ローラ23への押圧力(端部シール厚み)を上げて、トナーシール性を確保しているが、この方法では、長寿命化への対応が難しい。
現像ローラ23は、軸芯体の外周上に、導電性ゴム材料からなる弾性層と、表面層とを下からこの順番で有する。弾性層は、通常、ゴム材料の成型体により形成されることが好ましい。ゴム材料としては、以下のものが挙げられる。エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、現像ユニット35に関して、磁性トナーを採用した場合は、マグネットローラー(不図示)によって現像ローラ23へのトナー供給が可能となる為、現像ローラに当接して配置する供給ローラ28は不要となる。
従来補給系現像方式においては、補給トナーと耐久トナーが凝集することによる画像弊害(濃度ムラ、カブリ、トナーボタ落ち)の対策として、現像容器内の耐久トナーと補給トナーの混合撹拌を十分に行う制御を行っている。本実施例においては、トナーカートリッジBから、プロセスカートリッジCへのトナー供給は、補給口27を介して随時行っており、従来補給方式の様に、現像ユニット35内での十分な混合撹拌は不要である。よって、撹拌部材は不要で、補給口27から供給されたトナーは、現像ローラ23、もしくは、供給ローラが設けられている場合は供給ローラ28まで到達する。
以下において、「部」は「質量部」を意味する。
[トナー1の製造例]
(水系媒体1の調製工程)
撹拌機、温度計、還留管を具備した反応容器中にイオン交換水650.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、15000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n-ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.3部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を15000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート10.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて15000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合・蒸留工程)
造粒工程の後、撹拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで撹拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。
その後、反応容器の還留管を冷却管に付け替え、スラリーを100℃まで加熱することで、蒸留を6時間行い未反応の重合性単量体を留去し、着色剤粒子分散液を得た。
(有機ケイ素化合物の重合)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
上記着色剤粒子分散液の温度を55℃に冷却したのち、有機ケイ素化合物の加水分解液を25.0部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま15分保持した後に、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを5.5に調整した。55℃で撹拌を継続したまま、60分間保持したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整し、更に240分保持してトナー粒子分散液を得た。
(洗浄、乾燥工程)
重合工程終了後、トナー粒子分散液を冷却し、トナー粒子分散液に塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキを40℃の恒温槽にて72時間かけて乾燥・分級を行いトナー粒子1を得た。表1にトナー粒子1の製造条件を示し、表2に各分析結果を示す。
[トナー粒子2乃至トナー粒子12の製造方法]
表1に示す条件に変更した以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子2乃至トナー粒子12を得た。トナー粒子2乃至トナー粒子12の製造条件を表1に、各分析結果を表2に示す。
[比較用トナー粒子1の製造方法]
有機ケイ素化合物の重合に関して、下記に示すように変更した以外はトナー粒子1と同様にして、比較用トナー粒子1を得た。
(有機ケイ素化合物の重合)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
得られた着色剤粒子分散液の温度を70℃に冷却したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを9.5に調整した。70℃で撹拌を継続したまま、コロイダルシリカ(スノーテックスST-ZL:固形分40%)5.0部と有機ケイ素化合物の加水分解液を12.5部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま300分保持しトナー粒子分散液を得た。比較トナー粒子1の製造条件を表1に、各分析結果を表2に示す。
[比較用トナー粒子2の製造方法]
有機ケイ素化合物の重合に関して、下記に示すように変更した以外はトナー粒子1と同様にして、比較用トナー粒子2を得た。
(有機ケイ素化合物の重合)
ポリビニルアルコール1.0質量部をエタノール/水=1:1(質量比)の混合溶液20質量部に溶解した混合溶媒中に、着色剤粒子分散液に分散させて、次いで、ケイ素化合物として3-(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン20部を溶解させ、更に5時間の撹拌を行なって、トナー粒子内に3-(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシランを膨潤させて内在させた。
次いで、温度を70℃にしたのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを9.5に調整した。10時間室温にて撹拌することによって、トナー粒子表面でゾルゲル反応を進行させて、比較用トナー粒子2を得た。比較トナー粒子2の製造条件を表1に、各分析結果を表2に示す。
[比較用トナー粒子3の製造方法]
トナー粒子1の製造例で有機ケイ素化合物の重合を行わないことで、比較用トナー粒子3を得た。比較トナー粒子3の製造条件を表1に、各分析結果を表2に示す。なお、表2には後述の比較用トナー4についての結果も示す。
Figure 0007210202000001
Figure 0007210202000002
〔実施例1〕
トナー粒子1をそのままトナー1として、転写性および部材汚染の下記耐久評価を行った。
<耐久評価の方法>
市販のキヤノン製レーザービームプリンタLBP7700Cの改造機を用いた。改造点は、評価機本体及びソフトウェアを変更することにより、現像ローラーの回転速度が360mm/secとなるようにした。
LBP7700Cのトナーカートリッジにトナーを装填し、そのトナーカートリッジを常温常湿NN(25℃/50%RH)の環境下で24時間放置した。当該環境下で24時間放置後のトナーカートリッジを上記に取り付けた。
転写性及び部材汚染の評価においては、NN環境で左右に余白を50mmずつとり中央部に、5.0%の印字率の画像をA4用紙横方向で7,500枚までプリントアウトして、初期画像と7,500枚出力後に評価を行った。
<転写性評価>
転写性(転写残濃度)の評価は次のようにして行った。ベタ画像を出力し、ベタ画像形成時の感光体上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープを用いてテーピングしてはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼ったものの濃度から、粘着テープのみを紙上に貼ったものの濃度を差し引いた濃度差を算出した。濃度測定は5箇所行い平均値を求めた。そして、その濃度差の値から、以下のようにして判定した。なお、濃度はX-Riteカラー反射濃度計(X-rite社製、X-rite 500Series)で測定した。C以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:濃度差が0.03未満
B:濃度差が0.03以上0.05未満
C:濃度差が0.05以上0.10未満
D:濃度差が0.10以上
<部材汚染評価>
部材汚染(ベタ/ハーフトーンの諧調安定性)の評価は次のようにして行った。まず、画像チェック用のドラムユニットと耐久用のドラムユニットを用意した。次に、画像チェック用のドラムユニットへトナー評価用帯電ローラーを取り付け、画像出力を行った。画像は全面にハーフトーンが印字された画像を作製した。ハーフトーン画像中の耐久画像で作成した左右30mmの余白部と中央部の濃度をそれぞれ測定し、余白部と中央部の濃度差から評価を行った。
なお、帯電部材が汚染されている場合には、感光体上に帯電ムラが生じ、ハーフトーン画像の濃度ムラが生じることが知られている。
また、濃度はX-Riteカラー反射濃度計(X-rite社製、X-rite 500Series)で測定した。C以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:耐久評価後のハーフトーンの濃度差が0.03未満
B:耐久評価後のハーフトーンの濃度差が0.03以上0.05未満
C:耐久評価後のハーフトーンの濃度差が0.05以上0.10未満
D:耐久評価後のハーフトーンの濃度差が0.10以上
<トナー漏れ、飛散評価>
トナー漏れ、飛散の評価は次のようにして行った。5.0%の印字率の画像をA4用紙横方向で7,500枚までプリントアウトした時点において、現像ユニット35と端部シール26の詳細観察を行った。
(評価基準)
A:端部シール26の現像ローラ23への当接面にトナー汚れ無し。
現像ユニット35外部へのトナー漏れ発生無し。
B:端部シール26の現像ローラ23への当接面にごく僅かなトナー汚れあり。
現像ユニット35外部へのトナー漏れ発生無し。
C:端部シール26の現像ローラ23への当接面にトナー汚れあり。
現像ユニット35外部へのトナー漏れ発生無し。
D:端部シール26の現像ローラ23への当接面にトナー汚れあり。
現像ユニット35外部へのトナー漏れ発生有り。
トナー1を耐久評価した結果を表3に示す。
〔実施例2乃至12、比較例1乃至4〕
トナー粒子2乃至トナー粒子12、比較トナー粒子1および比較トナー粒子2はそのままトナー2乃至トナー12、比較トナー1および比較トナー2として評価した。比較トナー3および比較トナー4は比較トナー粒子3に下記条件にて外添を行いトナーを作製して評価した。評価結果を表3に示す。
・比較トナー3の作製
まず下記に示すように有機ケイ素微粒子Aを合成した。
反応容器にイオン交換水500gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液0.2gを添加して水溶液とした。この水溶液にメチルトリメトキシラン65g及びテトラエトキシラン50gを添加し、温度を13~15℃に保ちながら1時間加水分解反応を行ない、更に20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液2.5gを添加し、同温度で3時間加水分解反応を行なった。約4時間でシラノール化合物を含有する透明な反応物を得た。次いで、得られた反応物の温度を70℃に保持しながら5時間縮合反応を行なって、有機ケイ素化合物からなる微粒子を含有する水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をメンブランフィルターを通じて濾過、通過液状部を遠心分離機に供して白色微粒子を分離した。分離した白色微粒子を水洗し、150℃で5時間、熱風乾燥を行なって有機ケイ素微粒子Aを得た。
有機ケイ素微粒子Aについて走査型電子顕微鏡による観察を行なったところ、この有機ケイ素微粒子Aは中空半球状体であり、画像解析を行い半球の長径および短径の個数平均粒子径(μm)を算出すると、長径180nmおよび短径80nmであった。
100部の比較トナー粒子3に有機ケイ素微粒子Aを3.0部添加し、ヘンシェルミキサーにて撹拌翼の周速が20m/sで混合し、そののち平均粒子径12nmのヘキサメチルジシラザン処理された疎水性シリカ1.5部をヘンシェルミキサーにて撹拌翼の周速が20m/sで混合し比較トナー3を作製した。
・比較トナー4の作製
比較トナー3の作製で有機ケイ素微粒子Aを用いたところを疎水性ゾルゲルシリカ(日本アエロジル社製:個数平均径80nm)を用い、ヘンシェルミキサー撹拌翼の周速が20m/sであったところ40m/sにした以外は比較トナー3と同様にして比較トナー4を作製した。
Figure 0007210202000003
<現像ユニット構成差の評価>
上述のLBP7700Cの改造機を用いた評価である、実施例1と実施例4に関して、比較用現像器1を用いたトナー漏れ評価を行った。比較用現像器1は、現像ユニット35に関して、補給口27とトナー供給部材28の間に、撹拌部材を配置している補給式の現像器である。(不図示)
上記撹拌部材は、樹脂で成型された軸部材に対して、厚み0.05mmのPPS(ポリフェニレンスルファイド)の可撓性シートを固定している。トナー漏れ評価は、上述の<トナー漏れ評価>に従っている。
耐久評価した結果を表4に示す。
Figure 0007210202000004
トナー4は、トナー1と比較すると、転写効率や部材汚染のレベルが悪く、有機ケイ素化合物の凸部が変化していることが示唆される。故に、トナー4は、凸部同士が引っかかって、トナーが転がり難くなる『トナー間転がり抑制効果』を発揮し難く、トナー漏れが悪化していると考えられる。
図2に示すように、現像ユニット35において、トナー供給部材28を配置している構成を説明してきた。マグネットローラを配置している磁性トナーを用いた現像ユニットの場合、磁力によって現像ローラへトナー供給を行う為、トナー供給部材28が配置されない。この場合は、補給口29から現像ローラ27へ供給されるトナーは、撹拌部材による撹拌を受けることがない。つまり、補給口29から現像ローラ27への経路において、撹拌部材が存在しない。
1 STEM画像、2 トナー粒子、3 トナー粒子表面、4 凸形状の有機ケイ素化合物、5 有機ケイ素化合物の凸幅W、6 有機ケイ素化合物の凸径D、7 有機ケイ素化合物の凸高さH、23 トナー担持体(現像ローラ)、26 シール部材、27 補給口、28 トナー供給部材(供給ローラ)、35 現像器(現像ユニット)

Claims (3)

  1. トナー容器と現像器とを有する現像装置を用いて現像を行う現像方法において、
    該トナー容器は、トナーを収容しており、かつ、収容するトナーを該現像器へと供給する補給口を有しており、
    該現像器は、現像器枠体とトナー担持体を有しており、かつ、トナーを担持したトナー担持体によりトナーを現像領域へと搬送し、静電潜像を現像する装置であって、
    該トナー担持体と該現像器枠体の間には、トナーの流出を抑えるシール部材が設けられており、
    該補給口から該現像器に供給されたトナーは、撹拌部材による撹拌を受けることなく、該トナー担持体まで、もしくは、該トナー担持体へトナーを供給するトナー供給部材まで到達するものであり、
    該トナーは、下記式(1)で表される有機ケイ素重合体を含むトナー粒子を有するトナーであって、
    R-SiO3/2 (1)
    (Rは炭素数が1以上6以下のアルキル基、又はフェニル基である。)
    トナー粒子表面には、該有機ケイ素重合体を含む凸部が形成されており、
    該トナーのTEMによる断面観察によって、該凸部の該トナー粒子との連続した界面における最大の線分の長さをWとし、該線分の法線方向の該凸部の最大長をDとし該Dと重なる、該凸部の頂点から該線分までの長さをHとしたとき、該Hが40nm以上300nm以下の範囲である凸部のうち、該Wに対する該Dの比の値であるD/Wが0.33以上0.80以下の範囲である凸部の個数割合P(D/W)が70個数%以上である
    ことを特徴とする現像方法。
  2. 該トナーのTEM断面観察によって該トナー粒子断面の観察したトナー粒子表面の長さをLとし、該Wの合計をΣWとしたとき、ΣW/Lが0.30以上0.90以下である請求項1に記載の現像方法。
  3. 該トナーの有機ケイ素重合体の固着率が80質量%以上である請求項1又は2に記載の現像方法。
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