JP2019012188A - ブラックトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐テープ剥がし性に優れ、かつ長期に渡って使用した際にも優れた画像濃度を維持し、定着部材汚染が起きにくいブラックトナー。【解決手段】結着樹脂、結晶性材料及び黒色着色剤を含有するトナー粒子を有するブラックトナーであって、ブラックトナーの微小圧縮測定による、荷重変位曲線の屈曲点における荷重が、1.0〜3.0mNであり、ブラックトナーのTHF可溶分のピーク分子量が、5000〜40000であり、THF不溶分量が、ブラックトナーの樹脂成分中50質量%以下であり、トナー粒子の断面観察において、トナー粒子断面の長径をR(μm)、結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、Rが4≦R≦12を満たすトナー粒子断面について、一つのトナー粒子断面当りの下記式を満たす結晶性材料のドメインAの個数が、20〜300個であるブラックトナー。5.0×10−4≦r/R≦7.0×10−2【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられるブラックトナーに関する。
電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電荷像担持体(以下、「感光体」ともいう)上に静電潜像を形成する。次いで前記潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体にトナー像を転写した後、熱又は圧力等により記録媒体上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。このような電子写真法を用いた画像形成装置としては、複写機やプリンター等がある。
これらプリンターや複写機はアナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であると同時に、長期間にわたる使用においても安定した画質が求められている。さらには省エネルギー対策として定着性の良いトナーが求められており、定着性改良のために結着樹脂の溶融粘度の改良等が行われている。
しかし、こうした定着性を良化させたトナーであっても、プリントされた後にテープによってトナーが一部剥がれるか否かを評価する、耐テープ剥がし性という性能が重要視されることがある。これは、特にライン画像の様なトナー載り量の少ない部分で起きやすく、その原因としてはトナーの溶融特性が不十分であることや、トナーと定着部材との離型性が不足することなどが考えられる。
また、近年プリンターは高速化及び高寿命化が進んでおり、従来以上の耐久性能が求められ、その中で大量に印字した後に定着フィルム汚れによる画質低下も課題である。上記課題に対して、数多くの技術が開示されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開2008−9211号公報 特開2009−109824号公報 特開2005−300937号公報
しかしながら、これら特許文献1〜3のトナーであっても、耐テープ剥がし性の向上と定着フィルム汚れの防止、更には耐久性の高度な成立に関しては不十分であり改善が求められている。
本発明の課題は、耐テープ剥がし性に優れ、かつ長期に渡って使用した際にも優れた画像濃度を維持し、定着部材汚染が起きにくいトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂、結晶性材料及び黒色着色剤を含有するトナー粒子を有するブラックトナーであって、
該ブラックトナーの微小圧縮測定による、荷重変位曲線の屈曲点における荷重が、1.0mN以上3.0mN以下であり、
該ブラックトナーのテトラヒドロフラン可溶分のピーク分子量が、5000以上40000以下であり、
該ブラックトナーの樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分量が、該ブラックトナーの樹脂成分中50質量%以下であり、
透過型電子顕微鏡により観察される該トナー粒子の断面において、
該トナー粒子断面の長径をR(μm)、該結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、
該R(μm)が4≦R≦12を満たす該トナー粒子断面について、下記式(i)を満たす結晶性材料のドメインをドメインAとし、一つのトナー粒子断面当りの該ドメインAの個数が、20個以上300個以下であることを特徴とするブラックトナーに関する。
(i) 5.0×10−4≦r/R≦7.0×10−2
本発明により、耐テープ剥がし性に優れ、かつ長期に渡って使用した際にも優れた画像濃度を維持し、定着部材汚染が起きにくいトナーを提供できる。
画像形成装置の一例を示す模式的断面図 微小圧縮試験における荷重変位曲線の一例を示すグラフ
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。 本発明者らは、下記のような構成とすることで溶融特性とトナー硬度を高度に制御し、耐テープ剥がし性、定着部材汚染、さらには耐久性を大幅に改善できることを見出した。具体的には、
結着樹脂、結晶性材料及び黒色着色剤を含有するトナー粒子を有するブラックトナーであって、
該ブラックトナーの微小圧縮測定による、荷重変位曲線の屈曲点における荷重が、1.0mN以上3.0mN以下であり、
該ブラックトナーのテトラヒドロフラン可溶分のピーク分子量が、5000以上40000以下であり、
該ブラックトナーの樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分量が、該ブラックトナーの樹脂成分中50質量%以下であり、
透過型電子顕微鏡により観察される該トナー粒子の断面において、
該トナー粒子断面の長径をR(μm)、該結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、
該R(μm)が4≦R≦12を満たす該トナー粒子断面について、下記式(i)を満たす結晶性材料のドメインをドメインAとし、一つのトナー粒子断面当りの該ドメインAの個数が、20個以上300個以下であることを特徴とするブラックトナーである。
(i) 5.0×10−4≦r/R≦7.0×10−2
本発明者らの検討によると、上記構成とすることで、熱定着時に、ドメインAが溶融することで樹脂全体を可塑化し、さらにドメインAを構成する結晶性材料がトナー粒子表面に染み出すことで定着性を改善すると共に定着フィルムなどの定着部材との離型性を発揮する。このとき、微小圧縮測定による上記特定の範囲を満たす硬度を有すると、熱定着時にも溶融変形が必要最小限になるため、同じく定着部材に対する付着力も小さくできる。これらの結晶性材料の染み出し、及び高いトナー硬度が相乗的に働くことで、定着部材汚染が大きく改善する。
また、トナー硬度は耐久性に対して、結晶性材料の微分散は耐テープ剥がし性に対して大幅な改善効果をもたらしている。中でも、耐テープ剥がし性については、離型性能を有する材料が迅速にトナー粒子表面に染み出すことが重要であり、結晶性材料の分散状態を高度に制御することが肝要である。
本発明における微小圧縮測定の要件について、さらに説明する。本発明のブラックトナ
ーは、微小圧縮測定した際、屈曲点における荷重が、1.0mN以上3.0mN以下である。これは、従来技術において、トナーの樹脂そのものを、例えば、分子量を数万まで上げたり、THF不溶分を多量にしたりすることで、硬くすることにより満たし得る範囲である。しかし、これら手法に頼ると、定着性が大幅に低下し、近年の高速化するシステムには適用しにくい。
本発明者らの検討によると、定着性を確保するためには分子量とTHF不溶分をある程度の範囲にしておくことが重要であった。その中でトナーの硬度を高めることと、結晶性材料の微分散構造を組み合わせることで定着性と硬さを両立できることを見出した。該荷重は、1.2mN以上3.0mN以下であることが好ましい。
また、上記荷重の範囲であると、定着時の濡れ広がりやトナー内部の結晶性材料の染み出しを阻害しないため、耐テープ剥がし性だけでなく、定着フィルム汚れも顕著に良化する。
ここで、屈曲点が無い場合、すなわち非常に硬い場合は、定着時の変形も遅くなることで本発明の目的は達成できない。
上記硬度を達成する手段として、種々の方法があるが、好ましい手法の概要を説明する。例えば、トナー粒子が有機ケイ素縮合体を含有する表層を有することが好ましい。こうした表層は変形に対して非常に強いものの、表層の下が軟らかいと、屈曲点が1.0mN以上に到達しにくい。そのため、有機ケイ素縮合体を表層として使用したうえで、磁性体を表層近傍に分散させることが好ましい。これにより、トナー表面に加わる負荷を表層で受け止め、多少変形した際に、内部の磁性体分散領域が変形を受け止めることができるため、上記屈曲点における荷重を大幅に高めることができると考えている。
また、本発明者らの鋭意検討によると有機ケイ素縮合体は網目構造を取っていることが好ましい。網目構造であると、前記負荷を分散させることができ、さらに結晶性材料のトナー粒子表面への染み出しを阻害しにくい。
また、本発明のブラックトナーは、微小圧縮測定において、屈曲点における荷重よりもさらに1.0mN大きい荷重におけるトナー粒子の変位の、トナーの個数平均径D1に対する割合(以下、トナー粒子の変位の割合ともいう)が、20%以上60%以下であることが好ましい。より好ましくは30%以上55%以下である。前記屈曲点における荷重よりもさらに1.0mN大きい荷重を掛けると、トナー粒子の表層部分だけでは無く、トナー粒子の表層から1μm程度の深さまで硬さを評価できる。ここで上記範囲であると、定着阻害が少ないまま、耐久性をさらに高めることができる。該割合は、結着樹脂の分子量、ワックス処方、THF不溶分量により制御できる。
本発明では、透過型電子顕微鏡により観察されるトナー粒子の断面において、トナー粒子断面の長径をR(μm)、結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、
長径Rが、4≦R≦12を満たすトナー粒子断面について、下記式(i)を満たす結晶性材料のドメインをドメインAとしたとき、一つのトナー粒子断面当りのドメインAの個数が、20個以上300個以下であることが重要である。
(i) 5.0×10−4≦r/R≦7.0×10−2
上記ドメインAの個数及び前述した屈曲点の荷重範囲を満たす場合、トナーの耐久性が大幅に向上し、耐テープ剥がし性も向上することが本発明者らの鋭意検討で分かった。これは、結晶性材料で構成される微小ドメインがフィラーとして作用し、トナーの結着樹脂部分の強度を向上させるため、表層の硬さと相まってトナー全体の強度を大幅に向上させたと推測している。また、結晶性材料の微分散ドメインは定着時に結着樹脂の可塑能力、及び表面への染み出し性に優れるため、耐久性だけでなく耐テープ剥がし性、定着フィルム汚れも大きく向上する。
一つのトナー粒子断面当たりのドメインAの個数は、50個以上300個以下であるこ
とが好ましい。ドメインAの個数は、結晶性材料の選択、添加量、トナーを結晶性材料の融点以上に加熱した後に冷却する工程を入れ、その工程条件を調整することにより制御できる。また、ドメインAの長径も同様であり、結晶性材料の選択、添加量、トナーを結晶性材料の融点以上に加熱した後に冷却する工程を入れ、その工程条件を調整することにより制御できる。具体的には、トナー製造時に加熱後の冷却工程にて、結晶性材料の結晶化が促進される温度にて保持する工程を入れることが好ましい。
本発明では、トナーに含有されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピーク分子量が5000以上40000以下であることが必要である。
分子量が5000を下回ると、結着樹脂の脆性が低下することで長期使用時にトナーが割れる等の弊害が起こる。そのため、例え表層を硬くしておいても、十分な耐久現像性が得られない。また、40000を越えると、結着樹脂の溶融特性が大きく低下するため、紙への濡れ広がりが不十分で耐テープ剥がし性が大幅に低下する。
テトラヒドロフラン可溶分のピーク分子量は、8000以上35000以下であることがより好ましく、さらに好ましくは8000以上30000以下である。該ピーク分子量は例えば懸濁重合トナーであれば、重合開始剤の量や種類、重合条件により制御できる。ただし、分子量が5000未満になると、例えば懸濁重合トナーの場合、オリゴマーも大幅に増えてしまい、保存性や帯電性が低下するため、好ましくない。
また、トナーに含有される樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分量が、トナーの樹脂成分中50質量%以下であることが必要である。
テトラヒドロフラン不溶分は、架橋構造を取った樹脂成分量を示している。そのため、増量すれば定着性は低下し、一方で耐久性は向上することが知られている。本発明者らの検討において、50%以下の不溶分を含むと、飛躍的に耐久性が向上する一方、定着性への阻害が小さいことが分かった。一方、50%を越えると耐テープ剥がし性が顕著に低下する。
テトラヒドロフラン不溶分の割合は、3質量%以上45質量%以下であることが好ましい。テトラヒドロフラン不溶分の割合は架橋剤の添加量、重合トナーにおいては重合開始剤の種類や重合条件により制御できる。
トナーに含まれる結晶性材料は、エステルワックスを含有することが好ましく、該エステルワックスの融点が、65.0℃以上85.0℃以下であると好ましい。より好ましくは66℃以上84℃以下である。エステルワックスは、分散状態を制御しやすく、さらに融点が上述の範囲であると保存性や耐久性への影響が少ないまま、定着性を良化させやすい。
また、トナー粒子断面の長径をR(μm)、結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、結晶性材料が、下記式(ii)を満たすドメインBを形成し、トナー粒子断面の重心にドメインBが存在するトナー粒子の割合が80個数%以上であると好ましい。より好ましくは81個数%以上である。上限は特に制限されないが好ましくは100個数%以下である。
(ii) 0.10 ≦r/R≦ 0.40
これは、ドメインAのようなサイズの小さいドメインに加えて、比較的大きいドメインBが存在することを意味する。ドメインBが存在すると、ドメインAが定着時に溶融してトナー粒子表面に染み出すプロセスを加速する傾向にある。また、ドメインBがトナー粒子の核として機能するため、耐久性も高まる傾向にあり、好ましい。
トナー粒子断面の重心にドメインBが存在するトナー粒子の割合は、トナーの製造条件、結晶性材料の選択と添加量により制御できる。また、ドメインBの長径も同様に、トナーの製造条件、結晶性材料の選択と添加量により制御できる。
このようなドメインA及びBの両方を形成させるための手法としては、例えば、結着樹
脂に対して親和性の高い結晶性材料を選択し、製造時に結晶性材料の融点以上への昇温工程と冷却工程を入れる。さらに、結晶性材料の結晶成長を促進する温度において保持することでA,B両方含むトナーを得ることができる。
また、ドメインA及びBは同一の結晶性材料由来であることが好ましい。
トナー中のエステルワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、3.0質量部以上25.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上25.0質量部以下であることがより好ましい。この範囲であれば、エステルワックスの分散状態を制御しやすく、かつ保存性や耐久性への影響が少ない。
また、エステルワックスは、構造中に2つ以上のエステル結合を有する多官能エステルワックスであることが好ましい。エステル結合部分は、分子内での折れ曲がりを可能にするため、エステル結合を2つ以上有すると折りたたみ構造が形成でき、高い結晶化度の結晶を作りやすくなる。
トナーは、黒色着色剤として磁性体を含有することが好ましい。さらに、透過型電子顕微鏡で観察されるトナー粒子の断面において、トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%以内の領域における磁性体の存在割合(以下、10%磁性体比率ともいう)が、磁性体の占める全面積のうち70面積%以上100面積%以下であると好ましい。より好ましくは70面積%以上90面積%以下である。
磁性体の存在状態としても、トナー粒子表層近傍に偏っていると上述した有機ケイ素によるシェルがある場合に、相乗的にトナーの強度を高めるため、好ましい。該磁性体の存在割合は、例えば、水系媒体中で製造するトナーの場合、使用する磁性体の疎水化処理の状態や、磁性体の添加量、磁性体を分散する工程における分散条件により制御できる。
以下、本発明のブラックトナーに関して、好ましい形態について説明する。
まず、結晶性材料について述べる。結晶性材料としては特に制限されず、公知の材料を用いることができるが、エステルワックス及び炭化水素ワックスなどの離型剤であることが好ましい。結晶性材料とは、示差走査熱量計(DSC)を用いた測定において、明瞭な融点を示すものをいう。
離型剤の融点は、50℃以上90℃以下であることが好ましい。
以下、離型剤について述べる。
離型剤としては、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワ
ックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
本発明においては、炭化水素系ワックスと脂肪酸エステルを主成分とするワックス(以下、エステルワックス)を用いると、定着性と定着フィルムとの離型性を兼ね備えやすいため、好ましい。さらに、エステルワックスと炭化水素ワックスを併用することも好ましい形態である。
以下に、好ましいエステルワックスについて説明する。なお、以下で述べる官能数は、1分子中に含まれるエステル基の数を示している。例えば、ベヘン酸ベヘニルであれば1官能のエステルワックスであり、ジペンタエリスリトールヘキサベヘネートであれば6官能のエステルワックス、と呼ぶ。
1官能のエステルワックスとしては、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸の縮合物が好ましい。このとき、脂肪族の炭素数としては炭素数6〜26が好ましい。
脂肪族アルコールの例としては、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコールが挙げられる。また、脂肪族カルボン酸の例としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸が挙げられる。
2官能のエステルワックスとしては、ジカルボン酸とモノアルコール、ジオールとモノカルボン酸の組み合わせが使用出来る。
ジカルボン酸としてアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸が挙げられる。
ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
ジカルボン酸と縮合させるモノアルコールとしては、脂肪族アルコールが好ましい。具体的には、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノール、トリコサノール、テトラコサノール、ペンタコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール等が挙げられる。中でも、ドコサノールは定着性や現像性の観点で好ましい。
ジオールと縮合させるモノカルボン酸としては、脂肪族カルボン酸が好ましい。具体的には、脂肪酸としてラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸等が挙げられる。中でも、ベヘン酸は定着性や現像性の観点で好ましい。
なお、ここでは直鎖脂肪酸、直鎖アルコールを例示したが、分岐構造を有していても構わない。
3官能以上のエステルワックスも使用できる。ここでは、3官能以上のエステルワックスを得る場合の例を挙げる。
3官能のエスエルワックスとしては、グリセリン化合物と1官能の脂肪族カルボン酸の縮合物が挙げられる。4官能のエステルワックスとしては、ペンタエリスリトールと1官能の脂肪族カルボン酸の縮合物、ジグリセリンとカルボン酸の縮合物が挙げられる。5官能のエステルワックスとしては、トリグリセリンと1官能の脂肪族カルボン酸の縮合物が挙げられる。6官能のエステルワックスとしては、ジペンタエリスリトールと1官能の脂肪族カルボン酸の縮合物、テトラグリセリンと1官能の脂肪族カルボン酸の縮合物が挙げられる。
エステルワックスとしては、2官能〜6官能のものが、ドメイン形成の観点から好ましい。
トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂を用いることができ、これらは単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。この中でも特にスチレン−アクリル酸ブチルに代表されるスチレン系共重合体が現像特性、定着性等の点で好ましい。
上記スチレン系共重合体を形成する重合性単量体としては、以下のものが例示できる。
スチレン系重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンのようなスチレン系重合性単量体が挙げられる。
アクリル系重合性単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体が挙げられる。
メタクリル系重合性単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体が挙げられる。
結着樹脂に関しては、スチレン系重合性単量体並びに、アクリル系重合性単量体及び/又はメタクリル系重合性単量体から形成されるスチレンアクリル系樹脂を主成分とすることが好ましい。これにより、数μmオーダーの結晶性材料のドメインを安定的に作りやすい。ここで、主成分とは、その成分の含有量が70質量%以上である成分を指す。画像の安定性の観点から、80質量%以上が好ましい。
なお、スチレン系共重合体の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。結着樹脂全量に対するスチレン系共重合体の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。また、結着樹脂はその他公知の樹脂を組み合わせて使用することもできる。
本発明に用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラックや、磁性粉体が挙げられる。その他イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものであってもよい。
これらの黒色着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及び、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
上記の中でも磁性体が好ましい。
磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2〜30m2/gで
あることが好ましく、3〜28m2/gであることがより好ましい。また、モース硬度が
5〜7のものが好ましい。磁性粉体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体は、個数平均粒径が0.10〜0.40μmであることが好ましい。当該範囲が着色力と凝集性のバランスの観点で好ましい。
なお、磁性体の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を得る。得られた硬化物からミクロトームにより薄片状のサンプルを得て、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍〜4万倍の拡大倍率の写真で観察し、視野中の100個の磁性体粒子径を測定する。磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、個数平均粒径の算出を行う。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5〜10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性粉体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
また、水系媒体中でトナーを製造する場合、磁性体表面を疎水化処理することが好ましい。乾式にて表面処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性体にカップリング剤処理を行う。湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング処理を行う。本発明においては、乾式法及び湿式法どちらも適宜選択できる。
磁性体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式(I)で示されるものである。
SiY (I)
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基などの官能基を示し、nは1〜3の整数を示す。但し、m+n=4である。]
本発明においては、一般式(I)のYがアルキル基であるものが好ましい。中でも好ましいのは、炭素数3以上6以下のアルキル基であり、より好ましくは3又は4である。
上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、又は複数の種類を併用して
処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのカップリング剤で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
用いるカップリング剤の総処理量は、磁性体100質量部に対して0.9〜3.0質量部であることが好ましく、磁性粉体の表面積、カップリング剤の反応性等に応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
磁性体以外に他の着色剤を併用してもよい。併用し得る着色剤としては、公知の染料及び顔料の他、磁性又は非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、又はこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金。ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いることが好ましい。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部以上30.0質量部以下が好ましい。
磁性体を用いる場合、トナー中の磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、好ましくは65質量部以上90質量部以下である。
なお、トナー中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は以下の通りである。窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃までトナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に磁性体量とする。
トナーには必要に応じて荷電制御剤を用いることもできる。荷電制御剤としては公知のものが利用できるが、摩擦帯電速度が速く、かつ一定の摩擦帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。トナーを負荷電性に制御するものとしては、例えば以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物;アセチルアセトン金属化合物;芳香族オキシカルボン酸;芳香族ダイカルボン酸;オキシカルボン酸又はダイカルボン酸系の金属化合物;芳香族オキシカルボン酸;芳香族モノ又はポリカルボン酸並びにその金属塩、無水物、及びエステル類;ビスフェノールのようなフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル酸系化合物;含金属ナフトエ酸系化合物;ホウ素化合物;4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;及び、荷電制御樹脂が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、例えば以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及び、これらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩、並びにこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、及び、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂。
上記の荷電制御剤は、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウム又はジルコニウムであるものが好ましい。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
また、荷電制御樹脂としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を用いることが好ましい。スルホン酸基、スルホン酸塩基
又はスルホン酸エステル基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマー又はスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは共重合比で5質量%以上含有することである。
荷電制御樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上90℃以下、ピーク分子量(Mp)が10,000以上30,000以下、重量平均分子量(Mn)が25,000以上50,000以下であるものが好ましい。この荷電制御樹脂を用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい摩擦帯電特性を付与することができる。さらに、荷電制御樹脂がスルホン酸基などを含有しているため、着色剤の分散液中の荷電制御樹脂自身の分散性、及び、着色剤の分散性が向上し、着色力、透明性、及び摩擦帯電特性をより向上させることができる。
トナーの重量平均粒径(D4)は3.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは4.0μm以上10.0μm以下である。上記範囲であると良好な流動性が得られ、潜像に忠実に現像することができる。
トナー粒子は、公知のいずれの方法によっても製造することが可能である。粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂、黒色着色剤、結晶性材料、並びに必要に応じて低融点物質、及び荷電制御剤等その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合する。その後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練してトナー材料を分散又は溶解させ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式等の公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。また、更に熱をかけて粉砕したり、補助的に機械的衝撃を加える処理を行ったりすることが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法などを用いてもよい。
機械的衝撃力を加える手段としては、例えば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法が挙げられる。また、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置のように、高速回転する羽根によりトナー粒子をケーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力、摩擦力等の力によりトナー粒子に機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
トナー粒子は、乳化凝集法や懸濁重合法などによっても製造することができる。結晶性材料の存在状態を制御する上でも水系媒体中でトナー粒子を製造することが好ましい。懸濁重合法が結晶性ポリエステルの分散状態制御や数μmオーダーのドメインを形成しやすく、好ましい。
以下に、懸濁重合法について述べる。
懸濁重合法とは、結着樹脂を形成しうる重合性単量体、結晶性材料及び黒色着色剤(さらに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を、分散剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散して造粒し、重合性単量体組成物に含まれる重合性単量体の重合反応を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー(以後「重合トナー」ともいう)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、帯電量の分布も比較的均一となるために画質の向上が期待できる。
重合性単量体としては、前述のスチレン系重合性単量体、アクリル系重合性単量体及びメタクリル系重合性単量体などが挙げられる。
また、その他、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、又は混合して使用し得る。
重合法によるトナー粒子の製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5〜30時間であるものが好ましい。また、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うと、分子量5,000〜50,000の間に極大を有する重合体を得ることができ、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
具体的な重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
トナー粒子を重合法により製造する際は、架橋剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001〜15質量部である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
トナー粒子を重合法で製造する方法では、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を、分散剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行なえばよい。
トナー粒子の製造には、分散剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じにくく、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好ましい。
無機分散剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部使用す
ることが好ましい。また、上記分散剤は単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用してもよいが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させて用いることができる。例えば、燐酸三カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。
さらに、重合性単量体100質量部に対して0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
上記重合性単量体を重合する工程において、重合温度は通常40℃以上、好ましくは50〜90℃の温度に設定される。この温度範囲で重合を行なうと、内部に封じられるべきエステルワックスなどの結晶性材料が相分離により析出して内包化しやすい。
重合性単量体の重合を終了してトナー粒子を得た後、トナー粒子が水系媒体に分散した状態で、結晶性材料の融点を超える温度まで、昇温させることが好ましい。なお、重合温度が上述の融点を超えている場合、この操作は必要ない。
さらに、トナー粒子に有機ケイ素縮合体を含有する表層を形成させる場合、例えば、以下の方法が挙げられる。
有機ケイ素化合物を水系媒体中で加水分解させ、該有機ケイ素化合物が加水分解した化合物を有する水系媒体を、トナー粒子が分散した水系媒体に添加する。添加のタイミングとしては、造粒工程の直後(つまり、重合工程の前)でも、重合工程の最中でも、重合工程の終了後でも、いずれのタイミングでも構わない。
また、分割して複数のタイミングで添加してもかまわない。
また、以下の製造方法がある。すなわち、
有機ケイ素縮合体を含有する表層を有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該トナー粒子が、結着樹脂、結晶性材料、及び黒色着色剤を含有し、
下記(A)、(B)の工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
(A)式(1)〜(4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種類の有機ケイ素化合物を加水分解させ、該有機ケイ素化合物が加水分解した化合物を得る工程(B)該有機ケイ素化合物が加水分解した化合物と、トナー粒子を含有する水系媒体とを混合し、該有機ケイ素化合物が加水分解した化合物を縮合させて、トナー粒子表面に有機ケイ素縮合体を含有する表層を形成させる工程
トナー粒子の製造方法としては、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法等で製造することができる。水系媒体中でトナー粒子を製造した場合はそのまま次の工程に用いてもよく、洗浄やろ過、乾燥を行った後、水系媒体中に再分散させてもよい。乾式でトナー粒子を製造した場合は公知の方法によって水系媒体に分散させることができる。トナー粒子を水系媒体中に分散させるために、水系媒体が分散安定剤を含有することが好ましい。
有機ケイ素化合物としては、下記式(1)〜(4)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
Figure 2019012188
(上記式中、R、R、R、R、R、Rは、一部がアミノ基若しくはハロゲン原子で置換されているか、又は未置換の(好ましくは炭素数1〜6の)アルキル基、(好ましくは炭素数1〜6の)アルケニル基、(好ましくは炭素数1〜6の)アシル基又は(好ましくは炭素数6〜14の)アリール基であり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10は、(好ましくは炭素数1〜4の)アルコキシ基である。)
例えば、以下のシラン化合物が挙げられる。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどの四官能のシラン化合物。四官能のシラン化合物とは、アルコキシ基を4つ有するシラン化合物を意味する。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシランの三官能のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシランなどの三官能のシラン化合物。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどの三官能のフェニルシラン。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどの三官能のビニルシラン。
アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジエトキシメトキシシラン、アリルエトキシジメトキシシランなどの三官能のアリルシラン。
γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシジメトキシシランなどの三官能のγ−メタクリロプロピルシラン。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの三官能の3−メルカプトプロピルシラン。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどの三官能の3−アミノプロピルシラン。
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの三官能の3−グリシドキシプロピルシラン。
3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリエトキシシランなどの三官能の3−フェニルアミノプロピルシラン。
3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリエトキシシランなどの三官能の3−(2−アミノエチル)アミノプロピルシラン。
以上の様な三官能のシラン化合物が挙げられる。三官能のシラン化合物とは、アルコキシ基を3つ有するシラン化合物を意味する。
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどの二官能のシラン化合物が挙げられる。二官能のシラン化合物とは、アルコキシ基を2つ有するシラン化合物を意味する。
トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリ2−エチルヘキシルメトキシシランなどの一官能のシラン化合物が挙げられる。一官能のシラン化合物とは、アルコキシ基を1つ有するシラン化合物を意味する。
有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物の前処理として別容器で加水分解しておく。加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、より好ましくは水100質量部以上400質量部以下である。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2〜7、温度が15〜80℃、時間が30〜600分である。
得られた加水分解液とトナー粒子分散液とを混合して縮合に適したpH(好ましくは6〜12、又は1〜3、より好ましくは8〜12)に調整することで、有機ケイ素化合物を縮合させながらトナー粒子表面に表層付けすることができる。縮合と表層付けは35℃以上で60分間以上行うことが好ましい。
以上のような手段によって反応残基を減らすことができ、表層に凹凸を形成させることができ、更に凸間に網目構造を形成させることができるため好ましい。
トナー粒子が有機ケイ素含有縮合体を含有する表層を有することが好ましい。この表層には、粒子状の有機ケイ素含有縮合体が固着している状態で存在するものもある。また、有機ケイ素化合物の加水分解した化合物の一部が、ビニル系重合性単量体をはじめとする各種重合性単量体と反応し、架橋構造を形成してもよい。
トナー粒子を得た後、一定の温度から水系媒体を冷却する冷却工程を行うことが好ましい。その際の冷却速度に関して、重合法だけでなくトナー粒子の製造方法全般について好ましい範囲を述べる。
結晶性材料を結晶化させる目的でトナーの製造方法に関して着目すると、例えば粉砕法や懸濁重合、乳化重合によってトナーを製造する場合、一度エステルワックスのような結晶性材料が融解するような温度まで昇温し、その後常温まで冷却する工程を含むことが多い。冷却工程について考えると、昇温によって液化した結晶性材料は温度が下がるにつれて分子運動が鈍くなり、結晶化温度付近に到達すると結晶化が始まる。さらに冷却すると結晶化が進み、常温では完全に固化する。本発明者らの検討によると、冷却速度によって結晶性材料が最終的に結晶化する量が異なることが分かった。具体的には、結晶性材料の融点以上の温度から50℃±5℃まで5.0℃/分以上の速度で冷却すると結晶量が高まる傾向であった。さらに、冷却後、50℃±5℃で、30分以上保持することが好ましい。こうした冷却条件で製造したトナーは、耐テープ剥がし性や耐久現像性に優れる傾向があるため、好ましい。
得られたトナー粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することもできる。このトナー粒子はそのままトナーとして用いてもよいし、後述するような外添剤を必要に応じて混合して該トナー粒子の表面に付着させることで、トナーとしてもよい。また、製造工程(無機微粉体の混合前)に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカット
することも可能である。
トナー粒子には、必要に応じて流動化剤等の外添剤を混合し、トナーとしてもよい。混合方法に関しては、公知の手法を用いることができ、例えばヘンシェルミキサーは好適に用いることのできる装置である。
流動化剤として個数平均1次粒径が、好ましくは4〜80nm、より好ましくは6〜40nmの無機微粉体が、トナー粒子に添加されることが好ましい。無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によってトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい形態である。無機微粉体の個数平均1次粒径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真を用いて行うことができる。
無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが使用できる。シリカ微粉体としては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。しかし、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜3.0質量部であることが好ましい。上記範囲であると定着性が良好になる。無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
無機微粉体は疎水化処理された物であることが、トナーの環境安定性を向上させることができるため好ましい。疎水化処理により無機微粉体が吸湿しにくくなり、トナー粒子の帯電量が均一になり、トナー飛散が起こりにくい。無機微粉体の疎水化処理に用いる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等の処理剤を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばフッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末のような滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止剤;又は逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤の表面を疎水化処理して用いることも可能である。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図1に沿って具体的に説明する。
図1において、100は感光ドラムであり、その周囲に一次帯電ローラー117、現像スリーブ102を有する現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116、レジスタローラー124等が設けられている。感光ドラム100は一次帯電ローラー117によって例えば−600Vに帯電される(印加電圧は例えば交流電圧1.85kVpp、直流電圧−620Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を感光体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。
感光ドラム100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して感光体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は搬送ベルト125等により定着器1
26へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリーナー116によりクリーニングされる。
なお、ここでは磁性一成分ジャンピング現像の画像形成装置を示したが、ジャンピング現像又は接触現像のいずれの方法に用いられるものであってもよい。
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
<ワックスなど結晶性材料の融点>
融点はDSCにて測定した際の、吸熱ピークのピークトップ温度として求めることが出来る。測定はASTM D 3417−99に準じて行う。これらの測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7、TAインストルメント社製DSC2920、TAインストルメント社製Q1000を用いることができる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約10mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、試料を一旦200℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで10℃/minで降温し、その後に再度10℃/minで昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度を、融点とする。
<(トナー(粒子)の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定)>
トナー(粒子)の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電
気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<トナーの微小圧縮測定による屈曲点における荷重、及び該屈曲点における荷重よりもさらに1.0mN大きい荷重におけるトナー粒子の変位の測定>
微小圧縮試験は、株式会社エリオニクス製 超微小硬度計ENT1100を用いて行う
。使用圧子は先端面が20μm×20μmの平圧子(ダイヤモンド製)を用いる。測定は超微小硬度計に付帯する顕微鏡を覗きながら測定用画面(横幅:160μm 縦幅:12
0μm)にトナー粒子が1粒子で存在しているもの選択する。変位量の誤差を極力無くすため、トナーの個数平均粒径D1の±0.2μmのものを選択して測定する。なお、測定用画面から任意のトナー粒子を選択するが、測定画面上でのトナー粒子の粒子径の測定手段は超微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いてトナー粒子の長径と短径を測定し、それらから求められる粒子径[(長径+短径)/2]の値がD1の±0.2μmとなるトナー粒子を選択して測定する。
最大荷重2.94×10−4Nに対し、9.80×10−5N/secの負荷速度で荷重を掛け、荷重変位曲線において屈曲点が現れるまで負荷を掛けていき、図2に示されるような形で屈曲点を得る。得られた屈曲点における負荷を測定し、トナー粒子100個の相加平均値を屈曲点における負荷とする。また、あらかじめ測定に使用したトナー粒子の個数平均粒径を上記の方法で算出しておく。
そして、ここで得た屈曲点を生じる負荷よりも更に1.0mN大きい負荷を掛けていき、荷重変位曲線におけるトナー粒子の変位を得る。そして、得られた変位の、上記個数平均粒径に対する割合(変位/個数平均粒径×100(%))を求める。トナー粒子100個の相加平均値を採用する。
なお、屈曲点とは、荷重変位曲線における変曲点を意味する。上記測定では、荷重に対して変位が一次の相関で進むが、トナーが塑性変形を始めたところで、一次相関から外れる。図2に示すように、この点を検出し、屈曲点とする。
<ルテニウム染色処理された透過型電子顕微鏡(TEM)におけるトナー粒子断面の観察
方法>
トナー粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察は以下のようにして実施することができる。
トナー粒子断面をルテニウム染色することによって観察を行う。結晶性材料は、結着樹脂のような非晶性樹脂よりもルテニウムで染色されやすい。そのため、コントラストが明瞭になり、観察が容易となる。染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、
強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子線が透過されやすく、観察像上では白くなる。
まず、カバーガラス(松波硝子社、角カバーグラス 正方形 No.1)上にトナーを一層となるように散布し、オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用いて、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施す。次に、PTFE製のチューブ(Φ1.5mm×Φ3mm×3mm)に光硬化性樹脂D800(日本電子社)を充填し、チューブの上に前記カバーガラスをトナーが光硬化性樹脂D800に接するような向きで静かに置く。この状態で光を照射して樹脂を硬化させた後、カバーガラスとチューブを取り除くことで、表面部分にトナーが包埋された円柱型の樹脂を形成する。超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで、円柱型の樹脂の最表面からトナー粒子の半径(重量平均粒径(D4)が8.0μmの場合は4.0μm)の長さだけ切削して、トナー粒子の断面を出す。次に、膜厚250nmとなるように切削し、トナー断面の薄片サンプルを作製した。このような手法で切削することで、トナー粒子中心部の断面を得ることができる。
得られた薄片サンプルを、真空電子染色装置(filgen社、VSC4R1H)を用いて、RuOガス500Pa雰囲気で15分間染色し、TEM(JEOL社、JEM2800)のSTEMモードを用いてSTEM観察を行う。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得する。また、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整して、TEM画像を取得する。
<トナー粒子断面の長径Rの測定>
上記トナー粒子断面の観察により得られたTEM画像をもとに、トナー粒子断面の長径Rを測定する。R(μm)が4≦R≦12を満たすトナー粒子断面について、下記ドメインAの測定を行う。
<結晶性材料のドメインAの個数及び長径rの測定>
本発明において、結晶性材料のドメインA及びBの長径は以下のように測定する。
上記トナー粒子断面の観察により得られたTEM画像をもとに、結晶性材料のドメインの最長径をrとする。上記式(i)の関係を満たすドメインをドメインAとし、トナー粒子1個あたりのドメインAの個数を算出する。トナー粒子100個について、同様にドメインAの個数を算出し、相加平均によりトナーのドメインAの個数を求める。
<結晶性材料のドメインBが存在するトナー粒子の割合>
上述の結晶性材料のドメインA長径の測定と同様にして、一つのトナー粒子断面当りの、長径r(μm)が上記式(ii)を満たすドメインB(小ドメイン)の個数を計測する。これを100個のトナー粒子の断面について行い、その相加平均値を一つのトナー粒子断面当りの結晶性材料のドメインBの個数とする。
また、トナー粒子断面の重心にドメインBが含まれるトナー粒子の個数を計測する。100個のトナー粒子断面を観察し、トナー粒子断面の重心にドメインBが存在するトナー粒子の割合を算出する。
<トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%以内の領域における、磁性体の占める全面積に対する磁性体の存在割合(10%磁性体比率)の測定>
10%磁性体比率とは、トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%以内の領域に存在している磁性体の面積の磁性体の占める全面積に対する割合(面積%)である。
該10%磁性体比率の算出方法は、以下の通りである。
上記TEM画像において、後述する方法で、トナー粒子断面の輪郭を求める。観察するトナー粒子の断面はトナーの重量平均粒径(D4)に対して、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するものとする。トナー粒子断面の輪郭は、上記TEM画像で観察されるトナー粒子の表面に沿ったものとする。
トナー粒子断面の重心から、トナー粒子断面の輪郭上の点に対して線を引く。該線上において、輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%の位置を特定する。
そして、トナー粒子断面の輪郭に対して一周分、この操作を行い、トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%の境界線を明示する。
該10%の境界線が明示されたTEM画像をもとに、1つのトナー粒子の断面における磁性体の占める面積(以下Aと称する)を計測する。また、1つのトナー粒子の断面における、トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%以内の領域に存在する磁性体の占める面積(以下Bと称する)を計測する。
なお、面積の測定には、画像処理ソフト「Image−Pro Plus (Media
Cybernetics社製)」を用いることができる。
次いで、以下の式により、1つのトナー粒子の断面における10%磁性体比率を算出する。
1つのトナー粒子の断面における10%磁性体比率={「B」/「A」}×100(%)
これを100個のトナー粒子の断面について行い、その相加平均値を、10%磁性体比率とする。
<トナーからのエステルワックスの含有量の測定>
エステルワックスの含有量は下記のような分析方法があるため、例として述べる。まず、トナーをクロロホルムに溶解し、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)などを使用して不溶分を除去する。次に、分取HPLC(例えば、日本分析工業社製 LC−9130 NEXT 分取カラム[60cm])に可溶分を導入し、分子量5000未満と5000以上に分取する。一般にエステルワックスは分子量が5000未満であるため、上記分取成分に対して例えば、熱分解装置JPS−700(日本分析工業社製)とGC−MASS(Thermo Fisher Scientific社製)を組み合わせてエステルワックスの組成を得る。さらに、各分取成分をH−NMR測定することで、結着樹脂に対するエステルワックスの量を算出することができる。
<トナーのテトラヒドロフラン可溶分のピーク分子量の測定>
トナーのピーク分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温でトナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使
用する。得られた曲線において、最大ピークの分子量をピーク分子量とした。
<トナーの樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分量の測定>
トナー1gを精秤して円筒ろ紙に仕込み、テトラヒドロフラン(以下、THF)200mlにて20時間ソックスレー抽出する。その後、円筒ろ紙を取り出し、40℃で20時間真空乾燥して残渣質量を測定し、下式よりトナーの樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を算出する。
なお、トナーの樹脂成分とは、トナーから磁性粉体、荷電制御剤、ワックス成分、外添剤、及び顔料を除いた成分である。上記THF不溶分の測定時には、これらの含有物がTHFに可溶か不溶かを考慮して、樹脂成分を基準としたTHF不溶分を算出する。
THF不溶分(%)=(W2−W3)/(W1−W3−W4)×100
ただし W1:磁性トナーの質量
W2:残渣質量
W3:磁性トナーの樹脂成分以外のTHFに不溶な成分の質量
W4:磁性トナーの樹脂成分以外のTHFに可溶な成分の質量
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部は特に断りのない限り質量基準である。
<水系媒体B−1の製造工程>
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水40.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いて、pHを3.0に調整した。撹拌しながら加熱し、温度を30℃にした。
その後、メチルトリエトキシシラン10.0部を添加し、2時間撹拌し、水系媒体B−1を得た。
<水系媒体B−2の製造工程>
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水40.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いて、pHを8.0に調整した。撹拌しながら加熱し、温度を50℃にした。
その後、メチルトリエトキシシラン10.0部を添加し、2時間撹拌し、水系媒体B−2を得た。
<水系媒体B−3の製造工程>
メチルトリエトキシシラン10.0部とイオン交換水40.0部を混合して水系媒体B−3を得た。
<磁性酸化鉄の製造例>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたり珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄、更にイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して
個数平均粒径が0.23μmの磁性酸化鉄を得た。
<シラン化合物の製造>
iso−ブチルトリメトキシシラン30部をイオン交換水70部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度55℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで120分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうしてシラン化合物を含有する水溶液を得た。
<磁性体1の製造>
磁性酸化鉄100部をハイスピードミキサ(株式会社アーステクニカ製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物を含有する水溶液8.0部を2分間かけて滴下した。その後5分間混合・撹拌した。次いで、シラン化合物の固着性を高めるために、40℃で1時間乾燥し、水分を減少させた後に、混合物を110℃で3時間乾燥し、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通して磁性体1を得た。
<磁性体2の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.12質量%となる量のP25、鉄元素に対して珪素元素換算で0.55質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のp
Hを7.5とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.1当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整する。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランを磁性酸化鉄100部に対し1.5部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を十分行うと共にスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを8.6にして疎水化処理を行った。得られた疎水性磁性粉体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に100℃で15分、90℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.21μmの磁性体2を得た。
<トナー粒子1の製造>
イオン交換水720部に0.1モル/L−NaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0モル/L−CaCl水溶液67.7部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 79.0部
・n−ブチルアクリレート 21.0部
・ジビニルベンゼン 0.6部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学社製) 1.5部
・磁性体1 90.0部
・非晶性飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド(2モル)付加物及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(2モル)付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる非晶性飽和ポリエステル樹脂;Mw=9500、酸価=2.2mgKOH/g、ガラス転移温度=
68℃)
上記処方を、キャビトロン(ユーロテック社製)を用いて、回転子の周速を30m/sにて1時間処理を行い、均一に分散混合して磁性体含有単量体を得た。
そこにエステルワックスとしてセバシン酸ジベヘニル(エステルワックス1)を15.0部混合し、溶解し単量体組成物を得た。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート5.0部を投入し、70℃に昇温して4時間反応させた。
反応終了後、懸濁液に対して1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、懸濁液のpHを9.0に調整した後に水系媒体B−1を40.0部添加した。その後、懸濁液を70℃のまま2時間保持した後、懸濁液を100℃まで昇温させ、2時間保持した。
その後、冷却工程として、懸濁液に常温の水を投入し、100℃/分の速度で懸濁液を100℃から50℃まで冷却した後、50℃にて100分保持した。
その後、懸濁液に塩酸を加えて十分洗浄することで分散安定剤を溶解させ、濾過・乾燥してトナー粒子1を得た。処方を表2に、トナーの物性などを表3に示す。
<トナー粒子2〜14、比較用トナー粒子1〜6の製造>
トナー1の製造において、エステルワックス及び炭化水素の種類と部数、補助溶解条件、冷却条件、並びに水系媒体の種類及び部数を表2に記載の通りに変更し、さらに結着樹脂が所望の分子量及びTHF不溶分になるよう、開始剤とジビニルベンゼンの量を変更したこと以外は同様にして、トナー粒子2〜14、比較用トナー粒子1〜6を製造した。なお、炭化水素を用いる場合、炭化水素の添加はエステルワックスの添加と同時に行った。
得られたトナー粒子はそのままトナーとして用いた。処方を表2に、トナーの物性などを表3に示す。
<比較用トナー粒子7の製造>
比較用トナー6の製造において、エステルワックスを添加せず、さらに結着樹脂が所望の分子量およびTHF不溶分になるよう、開始剤とジビニルベンゼンの量を変更した。さらに、70℃に昇温して4時間反応させた直後に、水系媒体B−3を35部添加し、懸濁液に対して1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加し、懸濁液のpHを9.0に調整した。その後、懸濁液を70℃のまま2時間保持した後、懸濁液を100℃まで昇温させ、2時間保持した。上記変更以外は同様にして、比較用トナー粒子7を製造した。
得られたトナー粒子はそのままトナーとして用いた。処方を表2に、トナーの物性などを表3に示す。
<比較用トナー粒子8の製造>
イオン交換水720部に0.1M−NaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7部を添加して、分散剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 78.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・ジビニルベンゼン 0.48部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学社製) 1.5部
・磁性体2 90.0部
・非晶性飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(トナー粒子1の製造で使用したものと同様の非晶性飽和ポリエステル樹脂)
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにHNP51を15部添加混合し、溶解した後に重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4
.5部を溶解した。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃で5時間反応させることで重合体分散液を得た。その後撹拌を停止し重合体分散液をキャリアーガス投入管、ベント配管及びベント配管から出たガスを冷却、凝縮するコンデンサーを具備する蒸留容器に投入した。重合体分散液に対し、100部/hr(スチーム圧力120kPa)のピュアー飽和水蒸気を導入したところ、飽和水蒸気の導入開始から10分後、ベント配管よりコンデンサーを介して留分が出始めた。留分が出始めた時点を開始点とし、水蒸気蒸留を行った。そこから5時間、蒸留を継続した後、ピュアー飽和水蒸気の導入を止め、冷却した。その後、塩酸を加えて洗浄した後に濾過及び解砕・乾燥して比較用トナー粒子8を得た。
この比較用トナー粒子8を100部と、個数平均1次粒径12nmの疎水性シリカ0.8部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、重量平均粒径(D4)が7.8μmの比較用トナー8を得た。
トナーの物性などを表3に示す。
Figure 2019012188
Figure 2019012188

表中、HNP51は、日本精蝋株式会社製のパラフィンワックスである。
Figure 2019012188
<実施例1>
(テープ剥がし)
トナー1を用いて、以下の評価を行った。
定着メディアにはFOX RIVER BOND紙(110g/m)を用い、画像形成装置としては、LBP3410(キヤノン社製モノクロレーザービームプリンター)を、現像バイアスを調整できるよう改造したものを使用した。評価画像はライン画像とする。現像バイアスを振って画像部の反射濃度を高く設定することで画像上のトナー量を多くし、さらに比較的表面凹凸が大きい厚紙を用いることで、定着工程において紙の凹部やトナー層の下層部のトナーが溶融しにくくなるため、剥がれに対して厳しく評価できる。評価環境としても、低温であると定着器が暖まりにくく、厳しい評価となる。
評価手順を以下に示す。まず、画像形成装置を低温低湿環境(温度15℃湿度10%)下に一晩放置した。その後、FOX RIVER BOND紙を用いてライン幅が180μmになるよう、現像バイアスを調整した横線画像を印字する。さらに低温低湿環境において1時間放置した後に、横線画像に対してポリプロピレン製テープ(tesa社製、Klebeband 19mm×10mm)を張り付け、ゆっくり剥がした。剥がした後の画像を目視及び顕微鏡観察し、下記評価基準にて評価した。評価結果を表4に記載した。
A;欠損無し
B;欠損がわずかに見られるが、目視では分からない
C;目視でも認識できる欠損がわずかに見られる
D;目視で認識できる欠損があり、ラインが途切れている部分がある
E;ラインの途切れが数多くある
(耐久性評価)
画像形成装置としてLBP−3410に対して、現像スリーブとして直径10mm径スリーブを搭載させて評価した。上記条件は、現像スリーブとしては小さく、更に現像スリーブ上のトナーの載り量も通常の半分程度まで小さくした条件である。上記改造は、いずれも耐久現像評価においてトナーと現像スリーブ間の圧力を高める方向であり、現像スリーブへの融着を誘発し易い。
さらに、トナーを高温環境で長期保管されると離型剤などの結晶性材料が表面に染み出すことがあり、画質が変化する場合がある。このことから、厳しく評価するためにトナーを予め40℃雰囲気下で30日放置したものを用いた。これらの条件を組み合わせることで厳しく耐久性を評価できる。
上記LBP−3410を用いてトナー1を評価した。評価手順としては、高温高湿環境(32.5℃80%)に画像形成装置を一晩放置した後、上記環境下で印字率1%の横線画像を間欠モードで15000枚出力し、さらにベタ画像を3枚出力した。画質評価は、最後のベタ画像3枚について、4隅をマクベス反射濃度計にて濃度測定し、それら12個の数値を下記基準に照らして行った。評価結果を表4に記載した。
A:画像濃度の最大値と最小値の差が0.1未満
B:画像濃度の最大値と最小値の差が0.1以上0.2未満
C:画像濃度の最大値と最小値の差が0.2以上0.3未満
D:画像濃度の最大値と最小値の差が0.3以上
(定着フィルム汚れ)
上記耐久性試験後の定着フィルム及び画像を観察することで定着フィルム汚れを評価した。評価結果を表4に記載した。
A:定着フィルム汚れなし
B:定着フィルムにわずかに融着が見られる
C:定着フィルムにわずかに融着が見られ、画像の裏面にわずかな汚れが見られる
D:定着フィルムに融着が見られ、画像の裏面に目視で分かる程度の汚れが見られる
<実施例2〜14>
実施例1にて、トナー1をトナー2〜14に変更したこと以外は実施例1と同様に画出し試験を行った。評価結果を表4に示す。
<比較例1〜8>
実施例1にて、トナー1を比較用トナー1〜8に変更したこと以外は実施例1と同様に画出し試験を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2019012188
100:感光ドラム(像担持体、被帯電体)、102:現像スリーブ(トナー担持体)、114:転写帯電ローラー(転写部材)、116:クリーナー、117:一次帯電ローラー(接触帯電部材)、121:レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、124:レジスタローラー、125:搬送ベルト、126:定着器、140:現像器、141:撹拌部材

Claims (8)

  1. 結着樹脂、結晶性材料及び黒色着色剤を含有するトナー粒子を有するブラックトナーであって、
    該ブラックトナーの微小圧縮測定による、荷重変位曲線の屈曲点における荷重が、1.0mN以上3.0mN以下であり、
    該ブラックトナーのテトラヒドロフラン可溶分のピーク分子量が、5000以上40000以下であり、
    該ブラックトナーの樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分量が、該ブラックトナーの樹脂成分中50質量%以下であり、
    透過型電子顕微鏡により観察される該トナー粒子の断面において、
    該トナー粒子断面の長径をR(μm)、該結晶性材料のドメインの長径をr(μm)としたとき、
    該R(μm)が4≦R≦12を満たす該トナー粒子断面について、下記式(i)を満たす結晶性材料のドメインをドメインAとし、一つのトナー粒子断面当りの該ドメインAの個数が、20個以上300個以下であることを特徴とするブラックトナー。
    (i) 5.0×10−4≦r/R≦7.0×10−2
  2. 前記ブラックトナーの微小圧縮測定において、前記屈曲点における荷重よりも更に1.0mN大きい荷重におけるトナー粒子の変位の、前記ブラックトナーの個数平均径D1に対する割合が、20%以上60%以下である請求項1に記載のブラックトナー。
  3. 前記結晶性材料が少なくともエステルワックスを含有し、
    該エステルワックスの融点が、65.0℃以上85.0℃以下である請求項1又は2に記載のブラックトナー。
  4. 前記結晶性材料が下記式(ii)を満たすドメインBを形成し、
    前記トナー粒子断面の重心にドメインBが存在するブラックトナーの割合が80個数%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラックトナー。
    (ii) 0.10 ≦r/R≦ 0.40
  5. 前記結晶性材料が少なくともエステルワックスを含有し、
    該エステルワックスの含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、3.0質量部以上25.0質量部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラックトナー。
  6. 前記結晶性材料が少なくともエステルワックスを含有し、
    該エステルワックスは、構造中に2つ以上のエステル結合を有する多官能エステルワックスである請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラックトナー。
  7. 前記黒色着色剤が磁性体を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラックトナー。
  8. 透過型電子顕微鏡で観察される前記トナー粒子の断面において、
    前記トナー粒子断面の輪郭から、該輪郭と該断面の重心間の距離の10%以内の領域における前記磁性体の存在割合が、前記磁性体の占める全面積のうち70面積%以上である請求項7に記載のブラックトナー。
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