JP7419114B2 - スパッタリング装置およびスパッタリング方法 - Google Patents

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Description

本願は、スパッタリング装置およびスパッタリング方法に関する。
平板状のターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、基板に対して成膜を行う技術が公知である。特許文献1では、当該技術において、第1のスパッタリング工程と第2のスパッタリング工程とを有するスパッタリング方法が開示される。第1のスパッタリング工程では第1の成膜位置にターゲットが配置されて成膜が行われる。第1の成膜位置においては、ターゲットの縁部が基板の成膜面に対して対向する。第2のスパッタリング工程では第2の成膜位置にターゲットが配置されて成膜が行われる。第2の成膜位置においては、ターゲットの正面部が基板の成膜面に対して対向する。
第1のスパッタリング工程および第2のスパッタリング工程のいずれにおいても、基板ホルダーは基板を保持した状態でスパッター粒子の飛散方向と交差する方向に移動、例えば水平方向に往復移動する。
特許文献1において、真空槽にターゲットおよび基板が配置され、真空槽の側壁にはスパッター粒子を遮蔽するための防着部材が設けられる。
ターゲットと基板との間にはスリット機構が配置される。スリット機構は開口部を有し、当該開口部を介してスパッター粒子が基板の表面に到達する。スパッタリングの際に、基板ホルダーの動作に同期させてスリット機構を移動させることにより、膜厚の均一性の向上が図られる。
円筒状のターゲットを回転させてスパッタリングを行う技術も公知である。特許文献2では回転する円筒状のターゲットが一対設けられる技術が開示される。特許文献2は、ターゲットからスパッター粒子が飛散する範囲を制限するシールドとして機能する筒状の部材を、「チムニー」と称して開示する。
特開2009-287046号公報 特開2015-193863号公報
特許文献1で採用されるスリット機構を用いて膜厚の均一化を図る観点からは、スパッター粒子が基板に到達する領域を開口部に限定することが望ましい。換言すれば、スリット機構は開口部以外の領域でスパッター粒子が基板に到達することを防ぐことが望まれる。
特許文献1に示される防着部材は、真空槽の側壁へのスパッター粒子の付着を防止する機能を果たすかもしれないが、スパッター粒子が基板に到達することを防ぐことは想定されていない。
そして基板ホルダーとスリット機構のいずれもが移動することを考慮すると、特許文献1においてスリット機構を用いて膜厚の均一化を図るには、基板が移動する方向におけるスリット機構の長さを大きくすることが望ましい。ターゲットから離れて位置した基板にもスパッター粒子が到達すると、基板ホルダーが移動する方向における基板の中央における膜厚が大きくなるからである。
基板ホルダーによって移動される基板へとスパッター粒子が到達する範囲は、上述のスリット機構が移動することによって制限される。他方、ターゲットからスパッター粒子が飛散する範囲を制限する目的で、固定された開口部を有する他のスリット機構(例えば特許文献2の「チムニー」)を、上述のスリット機構とターゲットとの間に更に設けることも可能である。
しかしそのような場合でさえ、基板が移動する方向においては、移動するスリット機構の長さは、固定された開口部の長さの2倍よりも長く必要であろう。その理由は、移動するスリット機構の両端のいずれもが、固定された開口部を覆うことが望まれるからである。
成膜のスループットを向上させることを考えると、移動するスリット機構の開口部は、固定された開口部よりも広いことが望まれる。この場合には移動するスリット機構の長さは、固定された開口部の長さの3倍以上が必要であろう。
そこで本願では、スパッター粒子が基板に到達する範囲を制限するスパッタリングを行う際に、スパッタリング装置に要求される空間を低減することを目的とする。
マグネトロンスパッタリングによって基板(91)に対して成膜を行うスパッタリング装置(1)は、チャンバー(100)と、前記チャンバー(100)にスパッターガスを供給するガス供給部(500)と、前記チャンバー(100)の内部において少なくとも一つの前記基板(91)を、第1方向(X)に平行に延びる搬送経路(L)に沿って搬送方向(La)へ搬送する搬送機構(10)と、前記チャンバー(100)の前記内部に設けられ、ターゲット(32)を含むカソード(30)と、前記カソード(30)にスパッター電圧を印加する電源(311)とを備える。
スパッタリング装置(1)の第1の態様は、更に、前記第1方向(X)とは異なる第2方向(Y)に平行な軸線(Q1)の周りで前記カソード(30)を囲み、前記軸線(Q1)を中心として回転可能に設けられ、前記第1方向(X)および前記第2方向(Y)のいずれにも直交する成分を有する第3方向(Z)において前記カソード(30)と前記搬送機構(10)との間に介在し、前記第2方向(Y)に沿って延びる開口(131)が開いたシャッター(130)と、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記軸線(Q1)から前記第3方向(Z)に沿って見て前記搬送方向(La)に向かう回転方向(R)に前記シャッター(130)を回転させる制御部(200)とを備える。
スパッタリング装置(1)の第2の態様は、その第1の態様であって、前記軸線(Q1)が前記開口(131)を見込む角(β)は、前記軸線(Q1)が前記ターゲット(32)からスパッター粒子が飛散する飛散範囲(K)を見込む角(α)以下である。
スパッタリング装置(1)の第3の態様は、その第2の態様であって、前記基板(91)に成膜されるとき、第1位置は先行位置(Ls)と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、後行位置(Lt)は第2位置と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にある。ここで前記第1位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)側の端である第1端(91s)の前記第1方向(X)における位置であり、前記先行位置(Ls)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)側の端である先行端(131s)の、前記第1方向(X)における位置であり、前記後行位置(Lt)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)とは反対側の端である後行端(131t)の前記第1方向(X)における位置であり、前記第2位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)とは反対側の端である第2端(91t)の前記第1方向(X)における位置である。
スパッタリング装置(1)の第4の態様は、その第3の態様であって、前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)とは反対側の境界である第1境界(Kt)に位置する状態で、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達し、前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達した後、前記先行端(131s)および前記後行端(131t)のいずれもが前記飛散範囲(K)に収まる所定の位置に到達するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転し、前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)側の境界である第2境界(Ks)に位置した後、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達するまで、前記シャッター(130)が回転せず、前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達した後、前記後行位置(Lt)が前記第2境界(Ks)に位置するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転する。
スパッタリング装置(1)の第5の態様は、その第1から第4の態様のいずれかであって、前記シャッター(130)は前記開口(131)以外で、前記軸線(Q1)を中心とする円筒状の内周面を有し、前記ターゲット(32)は前記第2方向(Y)に平行な第2軸線(Q2)を中心とする円筒状の外周面を有し、前記第2軸線(Q2)は前記軸線(Q1)よりも前記搬送経路(L)から遠い。
スパッタリング装置(1)の第1から第5の態様において、例えば、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記回転方向(R)にのみ前記シャッター(130)が回転する。
スパッタリング方法の第1の態様は、スパッタリング装置(1)においてマグネトロンスパッタリングによって前記基板(91)に対して成膜を行うスパッタリング方法である。当該スパッタリング装置(1)は、チャンバー(100)と、前記チャンバー(100)にスパッターガスを供給するガス供給部(500)と、前記チャンバー(100)の内部において少なくとも一つの基板(91)を、第1方向(X)に平行に延びる搬送経路(L)に沿って搬送方向(La)へ搬送する搬送機構(10)と、前記チャンバー(100)の前記内部に設けられ、ターゲット(32)を含むカソード(30)と、前記カソード(30)にスパッター電圧を印加する電源(311)とを備える。
スパッタリング方法の第1の態様はシャッター(130)を回転させる。前記シャッター(130)は、前記第1方向(X)とは異なる第2方向(Y)に平行な軸線(Q1)の周りで前記カソード(30)を囲み、前記軸線(Q1)を中心として回転可能に設けられ、前記第1方向(X)および前記第2方向(Y)のいずれにも直交する成分を有する第3方向(Z)において前記カソード(30)と前記搬送機構(10)との間に介在し、前記第2方向(Y)に沿って延びる開口(131)が開く。第1の態様は、シャッター(130)を、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記軸線(Q1)から前記第3方向(Z)に沿って見て前記搬送方向(La)に向かう回転方向(R)に回転させる。
スパッタリング方法の第2の態様は、その第1の態様であって、前記軸線(Q1)が前記開口(131)を見込む角(β)は、前記軸線(Q1)が前記ターゲット(32)からスパッター粒子が飛散する飛散範囲(K)を見込む角(α)以下である。
スパッタリング方法の第3の態様は、その第2の態様であって、前記基板(91)に成膜されるとき、第1位置は先行位置(Ls)と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、後行位置(Lt)は第2位置と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にある。ここで前記第1位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)側の端である第1端(91s)の前記第1方向(X)における位置であり、前記先行位置(Ls)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)側の端である先行端(131s)の、前記第1方向(X)における位置であり、前記後行位置(Lt)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)とは反対側の端である後行端(131t)の前記第1方向(X)における位置であり、前記第2位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)とは反対側の端である第2端(91t)の前記第1方向(X)における位置である。
スパッタリング方法の第4の態様は、その第3の態様であって、前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)とは反対側の境界である第1境界(Kt)に位置する状態で、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達し、前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達した後、前記先行端(131s)および前記後行端(131t)のいずれもが前記飛散範囲(K)に収まる所定の位置に到達するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転し、前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)側の境界である第2境界(Ks)に位置した後、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達するまで、前記シャッター(130)が回転せず、前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達した後、前記後行位置(Lt)が前記第2境界(Ks)に位置するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転する。
スパッタリング方法の第5の態様は、その第1から第4の態様のいずれかであって、前記シャッター(130)は前記開口(131)以外で、前記軸線(Q1)を中心とする円筒状の内周面を有し、前記ターゲット(32)は前記第2方向(Y)に平行な第2軸線(Q2)を中心とする円筒状の外周面を有し、前記第2軸線(Q2)は前記軸線(Q1)よりも前記搬送経路(L)から遠い。
スパッタリング方法の第1から第5の態様は、例えば、前記シャッター(130)を、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記回転方向(R)にのみ回転させる。
スパッタリング装置の第1の態様および成膜方法の第1の態様によれば、第1方向におけるサイズが低減される。
スパッタリング装置の第2の態様および成膜方法の第2の態様によれば、スパッター粒子が所望の範囲外へ到達することが防止される。
スパッタリング装置の第3の態様および第4の態様並びに成膜方法の第3の態様および第4の態様によれば成膜された膜の厚さが均一化される。
スパッタリング装置の第5の態様および成膜方法の第5の態様によればカソードでの放電を妨げずにシャッターのサイズが小さくなる。
スパッタリング装置の構成の一例を概略的に示す図である。 プラズマ処理部とその周辺の一例を概略的に示す図である。 基板と、カソードと、シャッターとの位置関係を例示する斜視図である。 カソードとシャッターとを簡略化して示す斜視図である。 飛散範囲と開口との関係を示す図である。 シャッターの回転を制御するルーチンを例示するフローチャートである。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 シャッターの回転方向における位置を示す模式図である。 スパッタリング装置の第2の変形を例示する断面模式図である。 スパッタリング装置の第2の変形を例示する断面模式図である。 スパッタリング装置の第3の変形を例示する断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。なお、以下の実施形態は一例であり、技術的範囲を限定する事例ではない。また、図面においては、理解を容易にする目的で、各部の寸法および数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。また、各図面には、方向を説明するためのXYZ直交座標軸(右手系)が適宜に付されている。該座標軸におけるZ方向は鉛直方向を示し、XY平面は水平面である。以下では、X方向の一方側を+X側と呼び、その反対側を-X側と呼ぶことがある。Y軸およびZ軸についても同様であり、+Z側は鉛直上側を示す。
位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」および「同軸」等)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」および「均質」等)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」および「円筒形状」等)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取り等を有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A、BおよびCの少なくとも一つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A~Cの二者の任意の組み合わせ、および、A~Cの全てを含む。
<スパッタリング装置1の全体構成>
図1は、スパッタリング装置1の構成の一例を概略的に示す図である。図1はY方向に沿って見た断面模式図である。スパッタリング装置1は、連続スパッタリングによって成膜対象物の成膜対象面に薄膜を成膜する成膜装置である。本実施の形態では一例として、スパッタリング装置1は反応性スパッタリングを行う。
成膜対象物としてここでは基板91が例示される。基板91は例えばガラスで形成される。
スパッタリング装置1によって成膜される薄膜の種類は特に限定されないものの、例えば反射防止膜などの光学薄膜を例示できる。例えば、酸化シリコン(SiO)膜および酸化ニオブ(Nb)膜を基板91に適宜に積層することで、反射防止膜(多層膜)を形成できる。ただし、ここでは説明を簡易にすべく、単一の薄膜形成に着目してスパッタリング装置1を説明する。
スパッタリング装置1は、チャンバー100と、搬送機構10と、プラズマ処理部20と、ガス供給部500と、制御部200とを含む。
チャンバー100は中空部材であって、例えば直方体形状の外形を有する。例えばチャンバー100の底板は、その上面が水平に配置される。
チャンバー100は例えば真空チャンバーであって、図1の例では、チャンバー100に高真空排気系170が接続されている。高真空排気系170はチャンバー100の内部空間の気体を所定のプロセス圧(例えば0.5Pa)に減圧する。
搬送機構10はチャンバー100内に設けられる。搬送機構10は基板91を保持し、基板91を搬送経路Lに沿って搬送する。ここでは、搬送経路Lが延びる方向(「延在方向」とも称される)は水平方向(図1ではX方向)である。
プラズマ処理部20は搬送経路LとZ軸に沿って対向する位置に設けられる。図1の例では、プラズマ処理部20は搬送経路Lよりも-Z側に設けられる。以下、プラズマ処理部20と搬送経路Lとの間を処理空間Vとして説明を行う。
ガス供給部500は処理空間Vにスパッターガスおよび反応性ガスを供給する。高真空排気系170は、処理空間V内の圧力を所定のプロセス圧に保つように制御部200により制御される。
スパッターガスとしては、例えばアルゴンガスまたはキセノンガスなどの不活性ガスを採用できる。反応性ガスとしては、基板91に成膜される薄膜の種類に応じたガスを採用できる。より具体的には、反応性ガスは、例えば酸素ガス、窒素ガス、水蒸気、フッ素ガス、アンモニアガスおよび炭素系ガス(例えばメタンガス)の少なくとも一つを含む。基板91の成膜対象面に酸化シリコン膜または酸化ニオブを成膜する場合には、反応性ガスとして例えば酸素ガスを採用できる。
図2は、プラズマ処理部20とその周辺の一例を概略的に示す図である。図2はY方向に沿って見た断面模式図である。プラズマ処理部20はターゲット32を含む。プラズマ処理部20は、プラズマを生じさせてターゲット32に対してスパッタリングを行う(後に詳述)。
スパッタリングによってターゲット32から飛び出したスパッター粒子は、反応性ガスと反応しつつ、基板91において成膜対象となる面(以下「成膜対象面」)に堆積して、薄膜を成膜する(成膜処理)。この実施形態では成膜対象面は基板91の-Z側の面である。
ターゲット32の材料としては、基板91の成膜対象面に成膜する膜の種類に応じた材料を採用できる。当該材料は、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはインジウム(In)等の材料を含む。例えば、基板91の成膜対象面に酸化シリコン膜を成膜する場合にはターゲット32の材料としてシリコンが採用され、酸化ニオブ膜を成膜する場合にはターゲット32の材料としてニオブが採用される。
搬送機構10が基板91を搬送経路Lに沿って-X側から+X側に搬送することにより、平面視において(Z方向に平行な方向に沿って見て)基板91はプラズマ処理部20を横切る。基板91はプラズマ処理部20を横切るときにプラズマ処理部20から実質的な成膜処理を受ける。つまり、基板91がプラズマ処理部20を横切る際に、基板91の成膜対象面に薄膜が成膜される。
図1の例では、スパッタリング装置1は温調部120をさらに含む。温調部120は例えば、搬送経路Lに対してプラズマ処理部20とは反対側(図1では+Z側)に設けられる。温調部120は、チャンバー100内を搬送される基板91を加熱または冷却する。なお、温調部120は必ずしも設けられていなくてもよい。
図1の例では、チャンバー100のうち搬送経路Lの-X側の端部には、基板91をチャンバー100内に搬入するためのゲート160が設けられる。他方、チャンバー100のうち搬送経路Lの+X側の端部には、基板91をチャンバー100外に搬出するためのゲート161が設けられる。
チャンバー100のX方向の両端部は、ロードロックチャンバーまたはアンロードロックチャンバーなどの他のチャンバーの開口部(不図示)が気密を保った形態で接続可能に構成される。各ゲート160,161は、開閉が切り替え可能に構成される。
<搬送機構>
図1の例では、搬送機構10は、キャリア90と、複数対の搬送ローラ11とを有する。図2では搬送ローラ11の図示が省略される。
キャリア90は基板91を着脱可能に保持する。キャリア90には板状のトレーが採用できる。キャリア90が基板91を保持する状態では、成膜対象面がプラズマ処理部20側(ここでは-Z側)を向く。例えばキャリア90は基板91を着脱可能に上から(+Z側から)保持する。例えば、キャリア90はその下面(-Z側の面)に爪状部材(不図示)を設け、当該爪状部材によって基板91を保持してもよい。
キャリア90における基板91の保持態様は、本実施形態の態様の他にも種々の態様を採用しうる。例えば、上下方向に貫通する中空部を有する板状トレーの該中空部に基板91を嵌めこむことによって、基板91の下面を成膜可能な状態で該基板91を保持する態様であっても構わない。
一対の搬送ローラ11の各々は、搬送経路LのY方向における両側にそれぞれ設けられ、Y方向において互いに対向する。なお、図1では、一対の搬送ローラ11のうち図面の手前側(-Y側)に位置する搬送ローラ11が描かれる。
搬送ローラ11は、対毎に、搬送経路Lの延在方向に沿って(X軸に沿って)配置されている。搬送ローラ11は制御部200によって制御される駆動部(不図示)によって互いに同期して回転駆動される。
基板91を保持したキャリア90は、ゲート160を介してチャンバー100へ搬入される。キャリア90がチャンバー100内に搬入されると、複数の搬送ローラ11が互いに同期して回転する。これにより搬送ローラ11はキャリア90を搬送経路Lに沿って搬送する。本実施形態では、搬送ローラ11はキャリア90を双方向(±X方向)に搬送可能である。キャリア90が搬送されることにより、キャリア90に保持された基板91も同様に搬送される。図1では搬送ローラ11がY方向に沿って見て時計回りに回転することによりキャリア90を、ひいては基板91をX方向に平行な搬送方向Laへ(-X側から+X側へ)移動させる場合が例示される。
<ガス供給部>
ガス供給部500は処理空間Vにスパッターガスおよび反応性ガスを供給する。より具体的には、ガス供給部500は、反応性ガス供給部510と、スパッターガス供給部520とを含む。反応性ガス供給部510は反応性ガスを処理空間Vに供給する。スパッターガス供給部520はスパッターガスを処理空間Vに供給する。
反応性ガス供給部510は、反応性ガスの供給源である反応性ガス供給源511と、配管612とを含む。配管612の一端は反応性ガス供給源511と接続され、他端は複数に分岐する。配管612の各分岐端は、処理空間Vと連通するノズル614(図2参照)に接続されている。
図2の例では、2つのノズル614のZ軸における位置(高さ)は、プラズマ処理部20の+Z側の端と、搬送経路Lとの間の高さに位置する。2つのノズル614はX軸に沿って、プラズマ処理部20に対して互いに反対側に設けられる。
図示の例では、平面視において(Z方向に平行な方向に沿って見て)、2つのノズル614はプラズマ処理部20とは重ならないように設けられる。ノズル614はY軸に沿って延びるバーノズルであってもよい。
例えば2つのノズル614の互いに対向する面(-X側のノズル614における+X側の面と、+X側のノズル614における-X側の面)のいずれにも、Y軸に沿って間隔を空けて並ぶ複数の吐出口(不図示)が設けられる。2つのノズル614は各吐出口からX軸に沿って反応性ガスを、プラズマ処理部20の+Z側へ吐出する。吐出された反応性ガスは処理空間Vにおいて広がる。
配管612の経路途中には、バルブ613(図1参照)が設けられる。バルブ613は、配管612を流れるガスの流量を調整できるバルブであり、例えば、マスフローコントローラ等を含むことが好ましい。バルブ613は、処理空間Vに供給される反応性ガスの量を、制御部200の制御下で調整する。
スパッターガス供給部520は、スパッターガスの供給源であるスパッターガス供給源521と、配管522とを含む。配管522の一端はスパッターガス供給源521と接続され、他端は複数に分岐する。配管522の各分岐端は、処理空間Vに設けられたノズル524(図2参照)に接続されている。
図2の例では、2つのノズル524のZ軸における位置(高さ)は、プラズマ処理部20の+Z側の端と、搬送経路Lとの間の高さに位置する。2つのノズル524はX軸に沿って、プラズマ処理部20に対して互いに反対側に設けられる。
図示の例では、平面視において(Z方向に平行な方向に沿って見て)、2つのノズル524はプラズマ処理部20とは重ならないように設けられる。ノズル524はY軸に沿って延びるバーノズルであってもよい。
例えば2つのノズル524の互いに対向する面(-X側のノズル524における+X側の面と、+X側のノズル524における-X側の面)のいずれにも、Y軸に沿って間隔を空けて並ぶ複数の吐出口(不図示)が設けられる。2つのノズル524は各吐出口からX軸に沿ってスパッターガスを、プラズマ処理部20の+Z側へ吐出する。吐出されたスパッターガスは処理空間Vにおいて広がる。
配管522の経路途中には、バルブ523(図1参照)が設けられる。バルブ523は、配管522を流れるガスの流量を調整できるバルブであり、例えば、マスフローコントローラ等を含むことが好ましい。バルブ523は、処理空間Vに供給されるスパッターガスの量を、制御部200の制御下で調整する。
図2の例では、搬送経路Lの上流側(-X側)のノズル524よりも-Z側に、光ファイバーのプローブ140が設けられる。プローブ140には分光器180(図1参照)が接続されている。分光器180はプラズマ発光をモニタするセンサであり、プローブ140に入射するプラズマ発光の分光強度を測定する。測定された分光強度は制御部200に出力される。
制御部200は、分光器180の出力に基づいて、プラズマエミッションモニター(PEM)法によりバルブ523を制御することで、スパッターガスの導入量(流量)を制御する。
<プラズマ処理部>
図1および図2を参照して、プラズマ処理部20は、カソード30と、回転駆動部19と、電源311とを含む。
カソード30は、スパッタリングに用いられる電極として機能する。カソード30は筒状の形状を有し、例えば円筒状である。
カソード30はその軸線Q2に沿って延びる。軸線Q2は搬送経路Lの延在方向(ここではX方向)と異なる方向に沿う(例えば直交する)。図示の例では軸線Q2がY方向に平行である。
カソード30は軸線Q2を中心として回転可能に設けられる。回転駆動部19は制御部200によって制御され、カソード30を軸線Q2の周りで回転させる。
カソード30は、ベース部材31と、ターゲット32とを含む。ベース部材31は筒状の形状を有し、例えば円筒状である。ベース部材31も軸線Q2に沿って延びる。ベース部材31は導電体である。
ターゲット32はベース部材31の外周(軸線Q2とは反対側)を被覆する。ターゲット32は筒状の形状を有し、例えばターゲット32の外周面は軸線Q2を中心とする円筒状である。当該外周面は処理空間Vに露出する。ターゲット32が導電体である場合には、カソード30からベース部材31を省略し、カソード30がターゲット32によって構成されてもよい。
図1および図2の例では、プラズマ処理部20は磁石ユニット40をさらに含む。マグネトロンスパッタリングを行わない場合には、磁石ユニット40を省略してもよい。
図示の例では、磁石ユニット40はカソード30の内部(軸線Q2側)に設けられる。磁石ユニット40はターゲット32の外周面の近傍に磁界を形成する。
磁石ユニット40は磁極面40a,40bを有する。磁極面40a,40bは、カソード30の内周面のうち周方向における一部の領域と対面する。図示の例では、磁極面40a,40bを搬送経路L側(図の例では+Z側)に向けて磁石ユニット40が設けられる。磁極面40a,40bはカソード30の内周面のうち搬送経路L側の領域と対面する。このような配置においては、ターゲット32の外周面であって、かつ当該領域の付近に、磁石ユニット40による磁界が形成される。
ベース部材31および磁石ユニット40は、併せてマグネトロンカソード(円筒状マグネトロンカソード)とも称される。ベース部材31が設けられない場合には、ターゲット32および磁石ユニット40がマグネトロンカソードを構成する。
カソード30は磁石ユニット40に対して相対的に回転可能に設けられる。カソード30が磁石ユニット40に対して回転することにより、磁界はターゲット32の外周面を相対的に周回する。例えば磁石ユニット40による磁界は、ターゲット32の全周に作用する。
図2の例では、磁石ユニット40は、ヨーク41と複数の磁石43とを含む。ヨーク41は磁性鋼などの磁性材料により形成される。複数の磁石43は磁石43a,43bを含み、ヨーク41に支持される。磁石43a,43bは、例えばネオジム磁石で例示される永久磁石である。
ヨーク41はカソード30の長手方向(Y方向)に延びる。ヨーク41は例えば平板状の部材であり、カソード30の内周面に対向する主面(表面)を有する。当該表面上に磁石43a,43bが設けられる。
磁石43aはヨーク41の長手方向に延び、例えばヨーク41の長手方向に沿った中心線上に配置される。磁石43bはヨーク41の表面の外縁部において、磁石43aの周囲を囲む環状(無端状)に設けられる。
磁石43aのターゲット32側の磁極面40aの極性と、磁石43bのターゲット32側の磁極面40bの極性とは、互いに異なっている。例えば、磁極面40aの極性はN極であり、磁極面40bの極性はS極である。
ヨーク41の他方の主面(裏面)には、固定部材47の一端が接合されている。固定部材47の他端は支持棒2に接合されている。支持棒2は軸線Q2に沿って、Y方向においてカソード30を超えて延びる。支持棒2の両端はそれぞれ支持部材(不図示)を介してチャンバー100の床面に固定される。
通常、チャンバー100は接地される。電源311は、カソード30にスパッター電圧を印加する。カソード30のベース部材31にはブラシ(不図示)が電気的に接続され、ブラシと電源311との間は電線によって接続される。
電源311は、ブラシを介してベース部材31に、負電圧を含むスパッター電圧を印加する。スパッター電圧は、別の表現として、ターゲット電圧、カソード印加電圧、またはバイアス電圧とも称される。
電源311は例えばスイッチング電源回路(不図示)を含んでいる。このスイッチング電源回路はスパッター電圧をカソード30に出力する。スイッチング電源回路は例えば定電圧型のスイッチング電源回路である。
電源311はスイッチング電源回路を制御することにより、パルス状のスパッター電圧を出力することができる。電源311はこのパルスのデューティを制御することにより、スパッター電圧を制御することができる。デューティは、パルスの1周期に対するパルス幅の比を指す。
スパッター電圧がカソード30に印加されると、カソード30の外周面の近傍、特に磁石ユニット40による磁界が発生する領域において、スパッターガスが電離してプラズマが生じる。このプラズマ中のイオンなどの高エネルギー体がターゲット32に衝突することにより、ターゲット32からスパッター粒子が飛び出す(いわゆるスパッタリング)。反応性スパッタリングにおいては、このスパッター粒子が反応性ガスと反応し、その化合物の薄膜が基板91の-Z側の表面(成膜対象面)上に成膜される。
カソード30が磁石ユニット40に対して相対的に回転することにより、磁界はターゲット32の外周面を相対的に周回する。これによりターゲット32の外周面の全周に亘ってスパッタリングが行われ、ターゲット32が効率的に利用される。
但し、本実施の形態においてカソード30は円筒形でなくてもよく、また回転しなくてもよい。例えばカソード30は平板状でもよい。
<誘導結合アンテナ>
図1および図2の例では、プラズマ処理部20は誘導結合アンテナ151をさらに含んでいる。プラズマ処理部20は誘導結合アンテナ151を含まなくてもよい。
図2の例では、一対の誘導結合アンテナ151がチャンバー100の底板に埋設されており、その一方の誘導結合アンテナ151がカソード30よりも-X側に設けられ、他方の誘導結合アンテナ151がカソード30よりも+X側に設けられる。
カソード30よりも-X側において、複数の誘導結合アンテナ151がY方向に配列されていてもよく、カソード30よりも+X側において、複数の誘導結合アンテナ151がY方向に配列されていてもよい。各誘導結合アンテナ151は、保護部材152によって覆われてチャンバー100の底板を貫通して設けられる。保護部材152は誘電体であって、例えば石英(石英硝子)で形成される。
誘導結合アンテナ151のそれぞれのX方向の両側には、ノズル514(図2参照)がそれぞれ設けられる。ノズル514は、反応性ガス供給源511から供給される反応性ガスを処理空間V内に導入する。
ノズル514は配管512(図1参照)を介して反応性ガス供給源511と接続される。配管512の経路途中には、バルブ513が設けられる。バルブ513は、配管512を流れるガスの流量を調整できるバルブであり、例えば、マスフローコントローラ等を含むことが好ましい。バルブ513は、処理空間V(より具体的には、誘導結合アンテナ151の近傍)に供給される反応性ガスの量を、制御部200の制御下で調整する。
誘導結合アンテナ151のそれぞれX方向の両側には、ノズル624(図2参照)がそれぞれ設けられる。ノズル624は、スパッターガス供給源521から供給されるスパッターガスを処理空間V内に導入する。
ノズル624は配管622(図1参照)を介してスパッターガス供給源521と接続される。配管622の経路途中には、バルブ623が設けられる。バルブ623は、配管622を流れるガスの流量を調整できるバルブであり、例えば、マスフローコントローラ等を含むことが好ましい。バルブ623は、処理空間V(より具体的には、誘導結合アンテナ151の近傍)に供給されるスパッターガスの量を、制御部200の制御下で調整する。
誘導結合アンテナ151は、内部に冷却水を循環させるなどして、適宜、冷却されている。例えば、いずれの誘導結合アンテナ151も、金属製のパイプ状導体をU字形に曲げて形成される。誘導結合アンテナ151は、アルファベット「U」を上下逆向きにした状態で、チャンバー100の底板を貫通して処理空間Vの内部に突設されている。
いずれの誘導結合アンテナ151の一端も、整合回路154(図1参照)を介して、高周波電源153に電気的に接続されている。また、いずれの誘導結合アンテナ151の他端も接地される。
高周波電源153から誘導結合アンテナ151に高周波電力(例えば、13.56MHzの高周波電力)が供給されると、誘導結合アンテナ151の周囲に高周波誘導磁界が生じ、処理空間Vにスパッターガスと反応性ガスとのそれぞれの誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)が発生する。上記誘導結合プラズマは、高周波誘導結合プラズマとも称される。
上述したとおり、誘導結合アンテナ151はU字形状を有している。このようなU字形状の誘導結合アンテナ151は、巻数が1回未満の誘導結合アンテナに相当し、巻数が1回以上の誘導結合アンテナよりもインダクタンスが低い。インダクタンスが低いことで、誘導結合アンテナ151の両端に発生する高周波電圧が低減され、ひいては生成されるプラズマへの静電結合に伴うプラズマ電位の高周波揺動が抑制される。これにより、対地電位へのプラズマ電位揺動に伴う過剰な電子損失が低減され、プラズマ電位が特に低く抑えられる。
<制御部>
スパッタリング装置1の各構成要素は制御部200と電気的に接続されており、当該各構成要素は制御部200により制御される。制御部200は、具体的には、例えば、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、演算処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク、LAN(Local Area Network)等を介したデータ通信機能を有するデータ通信部等がバスラインなどにより互いに接続された、一般的なFA(Factory Automation)コンピュータにより構成される。また、制御部200は、各種表示を行うディスプレイ、キーボードおよびマウスなどで構成される入力部等と接続されている。スパッタリング装置1においては、制御部200の制御下で、基板91に対して定められた処理が実行される。
<シャッター>
スパッタリング装置1は、チャンバー100内に、シャッター130を更に含む。シャッター130をカソード30と共に、プラズマ処理部20の一部として考えることもできる。
シャッター130は軸線Q1を中心として回転可能に設けられる。回転駆動部19は制御部200によって制御され、シャッター130を軸線Q1の周りで回転させる。軸線Q1は搬送経路Lの延在方向(ここではX方向)と異なる方向に沿う(例えば直交する)。図示の例では軸線Q1がY方向に平行である。
シャッター130は軸線Q1の周りでカソード30を囲む。より具体的には搬送経路Lの延在方向(ここではX方向)および軸線Q1が延びる方向(ここではY方向)のいずれにも直交する成分を有する方向(ここではZ方向)においてカソード30と搬送機構10との間に介在する。
シャッター130はY方向に沿って見て時計回りの回転方向Rに回転可能である。回転方向Rは、軸線Q1からZ方向に沿って見て、搬送方向Laに向かう方向である。以下、回転方向Rへのシャッター130の回転を正回転と称す。
シャッター130には開口131が開く。開口131は、軸線Q1が延びる方向(ここではY方向)に沿って開口する。例えばシャッター130は、開口131以外では軸線Q1を中心とする円筒状の内周面を有する。
軸線Q1は軸線Q2に平行である必要はない。以下では、軸線Q1,Q2は後述する変形を除き互いに一致する場合が例示される。
開口131が軸線Q1に沿って開口する長さは、例えば、ターゲット32が軸線Q2に沿って開口する長さ以下である。このような寸法関係は、スパッター粒子がY方向において所望の範囲以外に飛散することを抑制する観点で望ましい。
図3は、基板91と、カソード30と、シャッター130とを例示する斜視図である。図の煩雑を回避する目的で、図3は図1および図2と比較して簡略化して描かれる。カソード30は、その外周面にターゲット32を備える円柱として描かれる。シャッター130は開口131以外において円筒曲面として描かれる。搬送機構10の図示は省略され、搬送方向Laが白矢印で示される。
基板91は、搬送方向La側の端である第1端91sと、搬送方向Laとは反対側の端である第2端91tとを有する。軸線Q1,Q2に沿った基板91の長さ(ここではY方向に沿った長さ)が、軸線Q1,Q2に沿った開口131の長さよりも短いことが、第1端91sのY方向における端からZ方向に沿って開口131へ(-Z側へ)延ばした仮想線(鎖線)によって示される。
開口131はそのY方向側(+Y側)に端131dを、Y方向とは反対側(-Y側)に端131eを、それぞれ有する。開口131の回転方向R側の端131sは、開口131の回転方向Rとは反対側の端131tよりも、回転方向Rにおいて先行する。よって以下、端131sには先行端131sという表現が採用され、端131tには後行端131tという表現が採用されることがある。後の説明の便宜のために、回転方向Rに沿った端131s,131tの間の中央131mが導入される。例えば中央131mはY方向に平行な仮想線たる鎖線で示される。
基板91はカソード30に向く面911を有する。面911は基板91の-Z側の主面であるといえる。スパッタリングが行われるときには、カソード30から放出されるスパッター粒子のうち、開口131を通過するものが面911に到達する。よって面911は成膜対象面であるといえる。
端131d,131eの間が面911のY方向の長さより長いことは、面911における成膜の均一性を高める観点で望ましい。
<カソードおよびシャッターの回転>
カソード30を軸線Q2を中心として回転可能とする機構は公知であり(例えば特許文献2)、当該機構をシャッター130に適用することも容易である。
図4はカソード30とシャッター130とを簡略化して示す斜視図である。カソード30の-Y側の端部はベース部材31がターゲット32に覆われず、支持部材92を介してチャンバー100の床面に固定される。カソード30の周囲における支持部材92は、シール軸受として機能する。
支持部材92には、モータと、モータの回転を伝達するギア(それぞれ図示省略)とを含む回転駆動部192が設けられる。また、カソード30には、回転駆動部192のギアと噛み合うギア(図示省略)が設けられる。回転駆動部192は、モータの回転によって軸線Q2を中心にカソード30を回転させる。カソード30の回転速度は例えば10~20回転/分に設定され、成膜処理の期間中は例えば一定の速度でカソード30が回転する。
カソード30の内部空間は一対のシール軸受(図示省略)によって封止される。カソード30は、シール軸受および支持棒2を介してその内部空間に冷却水を循環させるなどして、適宜、冷却される。
カソード30は、そのY方向の両端部が一対のシール軸受を介して支持棒2に対して回転可能に連結されてもよい。
シャッター130の-Y側の端部は支持部材93を介してチャンバー100の床面に固定される。シャッター130の周囲における支持部材93は、シール軸受として機能する。
支持部材93には、モータと、モータの回転を伝達するギア(それぞれ図示省略)とを含む回転駆動部193が設けられる。また、シャッター130には、回転駆動部193のギアと噛み合うギア(図示省略)が設けられる。回転駆動部193は、モータの回転によって軸線Q1を中心にシャッター130を回転させる。シャッター130は、そのY方向の両端部が一対のシール軸受を介して支持棒2に対して回転可能に連結されてもよい。
回転駆動部192,193は纏めて回転駆動部19(図1参照)として捉えられる。図4において破線矢印は、回転駆動部192,193がそれぞれ制御部200の制御の下で動作することを示す。
カソード30の+Y側の端部、シャッター130の+Y側の端部の何れについても、シール軸受けを設け、チャンバー100の床面に対して回転可能に支持されてもよい。
<飛散範囲と開口との関係>
スパッター粒子がターゲット32から放出され、飛散する範囲は、局所的であり、マグネトロンスパッタリングではその局所性は顕著である。以下では当該範囲が「飛散範囲」と仮称される。
図5は飛散範囲Kと開口131との関係を示す図である。図5はY方向に沿って見た断面模式図である。飛散範囲Kは軸線Q1からみて、回転方向R側の飛散範囲Kの境界Ksと、回転方向Rとは反対側の飛散範囲Kの境界Ktとの間に拡がる。以下、便宜上、境界Ktについて第1境界Ktという表現が用いられ、境界Ksについて第2境界Ksという表現が用いられることがある。
軸線Q1は、ターゲット32の飛散範囲Kを角αで見込む。角αは実験的に、あるいはシミュレーションによって求められる。後の説明の便宜のために、飛散範囲Kの回転方向Rに沿った中央Mが導入される。図5において中央Mは、軸線Q1を通ってZ方向に平行な仮想線たる鎖線によって示される。当該鎖線は角αを二等分する。
軸線Q1は、開口131を角βで見込む。スパッター粒子が所望の範囲外へ飛散して搬送機構10およびチャンバー100の内壁へ付着することを防止する観点で、角βは角α以下であることが望ましい。以下ではβ<αの場合が例として説明される。中央131mは図5において点として現れる。当該点と軸線Q1とを結ぶ仮想線たる鎖線は、角βを二等分する。
<動作>
次にスパッタリング装置1の動作の一例について概説する。まず、スパッタリング装置1のゲート160を介して基板91がチャンバー100へ搬入される。制御部200は搬送機構10を制御して、所定の搬送速度で基板91を搬送する。これにより、基板91は、平面視において(Z方向に平行な方向に沿って見て)所定の搬送速度でプラズマ処理部20(カソード30)を横切る。
基板91の搬送速度は、面911に成膜される薄膜の膜厚の目標値(例えば、設計値)に基づいて決定される。
制御部200は、薄膜の目標値と所定の情報とに基づいて、搬送速度を決定する。当該所定の情報は、膜厚と搬送速度との間の対応関係を示す。当該情報がルックアップテーブルである場合には、制御部200は、薄膜の目標値を用いて当該情報に対する線形補間処理を行って搬送速度を算出する。一方で、当該情報が1次関数式である場合には、制御部200は当該1次関数式に薄膜の目標値を代入して搬送速度を算出する。このようにして簡易に搬送速度が算出される。
制御部200はガス供給部500を制御して、スパッターガスおよび反応性ガスを処理空間Vに供給させ、回転駆動部19を制御して、カソード30、シャッター130を回転させる。
制御部200は電源311を制御して、スパッター電圧をカソード30に印加させる。制御部200は高周波電源153を制御して、誘導結合アンテナ151に高周波電力を供給させる。このような電力の供給により、高密度のスパッターガスのプラズマが生成される。当該プラズマがターゲット32に作用してターゲット32からスパッター粒子が飛散する。
スパッター粒子は反応性ガスと反応しつつ、開口131から基板91へと移動して、面911に堆積する。よって、基板91は搬送経路Lにおいて搬送されつつ、面911に薄膜が成膜される。
<基板およびシャッターの回転>
図6はシャッター130の回転を制御するルーチンを例示するフローチャートである。図6においては当該ルーチンが「シャッター130の回転制御」と簡略化して示される。当該ルーチンの実行中に基板91が所定の搬送速度で搬送方向Laに搬送される。
シャッター130の回転は、基板91の搬送に対応して制御される。シャッター130の回転は回転駆動部193によって、基板91の搬送は搬送機構10によって、それぞれ制御部200からの制御の下で行われる。
図7~図15は、シャッター130の回転方向Rにおける位置を示す模式図である。図7~図15においてはY方向に沿ってみた断面が示され、カソード30が円で、シャッター130が円弧で、それぞれ簡略化して示される。
当該ルーチンにおいてはまず、ステップS10,S11によってシャッター130の位置が初期化される。ステップS10においてシャッター130を正回転させる。ステップS10の実行後、あるいはステップS10の実行中に、ステップS11において先行端131sが第1境界Ktに到達したか否かが判断される。
図7は、先行端131sが第1境界Ktに到達していない状態でシャッター130が正回転する状態を示す。図8は、図7の状態からシャッター130が正回転して、先行端131sが第1境界Ktに到達した状態を示す。
図7に示された状態および図8に示された状態のいずれにおいても、処理空間Vにはスパッタリングガス、あるいは更に反応性ガスが導入されるので、カソード30の近傍ではプラズマが発生し、スパッター粒子がターゲット32から飛散する。
しかし図7および図8に示される状態では飛散範囲Kはシャッター130で覆われており、スパッター粒子は実質的にはシャッター130を超えて飛散しない。
当該状態では、スパッター粒子が成膜に寄与しない。よって当該状態の存在は、例えば、スパッタリングの初期状態におけるプラズマの安定、あるいはターゲット32の表面上の不純物除去の観点で望ましい。
ステップS11における判断結果が否定的であれば、つまり先行端131sが第1境界Ktに到達していなければ、処理はステップS130へ戻り、シャッター130の正回転が維持される。
ステップS11の判断は、例えばシャッター130の回転位置を、第1境界Ktに対応する所定の角度(以下「第1角度」とも称す)と比較して行われる。シャッター130の回転位置は、例えば回転駆動部193において角度センサを設けて検出することができる。第1角度は予め設定しておくことができる。シャッター130の回転位置と第1角度との比較は制御部200が行うことができる。
このようにスパッター粒子が成膜に寄与しない状態で、基板91がカソード30およびシャッター130の-X側から搬送方向Laに沿って搬送される。かかる搬送はシャッター130の回転を制御するルーチンには含まれないので、図6に示されるフローチャートには記載されていない。ただし、基板91の搬送それ自体は公知の技術であるので、ここではその搬送速度を含め、詳細な説明を割愛する。
ステップS11における判断の結果が肯定的であれば、つまり先行端131sが第1境界Ktに到達すれば、ステップS12においてシャッター130は停止する。シャッター130は、基板91が所定の位置に搬送されるまで、図8に示された状態が維持される。当該所定の位置は第1端91s(図3参照)が先行端131sの直上にある基板91の位置である。シャッター130の状態をこのように維持することは、図6に示されるフローチャートにおいてはステップS13における判断およびステップS12の実行で示される。
ステップS13では第1端91sが先行端131sの直上に到達したか否かが判断される。当該判断の結果が否定的であれば、ステップS12,S13が繰り返して実行される。シャッター130の状態を維持するためにはステップS12を繰り返し実行することは必須ではない(図6においてステップS13のみが繰り返し実行される場合は破線矢印で示される)。
図9は、ステップS12,S13(あるいはステップS13のみ)が繰り返して実行されている状態で、基板91が搬送方向Laに搬送される状態を示す。
搬送経路Lにおける先行端131sの直上における位置を先行位置Lsと称する。搬送経路Lにおける後行端131tの直上における位置を後行位置Ltと称する。搬送方向LaはX方向と平行であるので、先行位置Lsは先行端131sのX方向における位置であり、後行位置Ltは後行端131tのX方向における位置である。X方向の範囲Jは、先行位置Lsと後行位置Ltとで挟まれる。
図9に示された状態では第1端91sの搬送経路Lにおける位置(以下「第1位置」とも称す)は、後行位置Ltよりも-X側(従って当然、先行位置Lsよりも-X側)にあって、後行位置Ltとは一致していない。搬送方向LaはX方向と平行であるので、第1位置は第1端91sのX方向における位置である。
図9に示された状態では範囲Jにおいてスパッター粒子は飛散しない。よってこの状態では範囲Jにおいてスパッター粒子が面911に到達しない。これは面911における成膜の均一性を得る観点で望ましい。
図10は、ステップS13の判断結果が肯定的となってステップS14が実行されている状態を示す。ステップS14では、基板91の移動に追従してシャッター130を正回転させる処理が実行される。
具体的には例えば、先行位置Lsが第1位置に一致するようにシャッター130が正回転する。この場合において、基板91の搬送速度が一定であれば、シャッター130の回転速度は等速とはならない。ただし先行位置Lsが第1位置に対して所定の範囲内に収まるようにシャッター130を等速で正回転させてもよい。
先行位置Lsよりも+X側の面911には、シャッター130に遮られてスパッター粒子が到達しない。後行位置Ltよりも-X側では飛散範囲Kであっても、面911に到達するスパッター粒子は少ない。よって範囲Jは面911においてスパッター粒子が到達する範囲を近似的に示すということができる。
ステップS14が実行された後、あるいはステップS14の実行中に、ステップS15が実行される。ステップS15において中央131mが中央Mに到達したか否かが判断される。ステップS15の判断結果が否定的であれば、ステップS14,S15が繰り返し実行される。
ステップS15の判断結果が肯定的になれば、つまり中央131mが中央Mに到達すれば、ステップS16においてシャッター130が停止する。図11はステップS14が実行されてから、最初に中央131mが中央Mに到達した時点の状態を示す。
図12は、ステップS16によってシャッター130が停止した状態(先行位置Ls、後行位置Ltが維持された状態)で、基板91が搬送された状態を示す。
シャッター130は、第2端91tの搬送経路Lにおける位置(以下「第2位置」とも称す)と、後行位置Ltとが一致するまで回転しない。図13は第2位置が後行位置Ltよりも搬送方向Laとは反対側から移動して最初に後行位置Ltに到達した時点の状態を示す。シャッター130の状態をこのように維持することは、図6に示されるフローチャートにおいてはステップS17における判断およびステップS16の実行で示される。
ステップS17では第2端91tが後行端131tの直上に到達したか否かが判断される。当該判断の結果が否定的であれば、ステップS16,S17が繰り返して実行される。シャッター130の状態を維持するためにはステップS16を繰り返し実行することは必須ではない(図6においてステップS17のみが繰り返し実行される場合は破線矢印で示される)。
図5を用いて説明したように角αが角β以上(図面ではα>βの場合が例示される)であるので、ステップS14,S16が実行されている状態では範囲Jにおいてスパッター粒子が面911へ到達する(図11、図12、図13参照)。
ステップS17の判断結果が肯定的となれば、ステップS18が実行される。ステップS18では、基板91の移動に追従してシャッター130を正回転させる処理が実行される。
具体的には例えば、後行位置Ltが第2位置に一致するようにシャッター130が正回転する。この場合において、基板91の搬送速度が一定であれば、シャッター130の回転速度は等速とはならない。ただし後行位置Ltが第2位置に対して所定の範囲内に収まるようにシャッター130を等速で正回転させてもよい。
図14はステップS17の判断結果が肯定的となってステップS18が実行されている状態を示す。後行位置Ltよりも-X側の面911にはシャッター130に遮られてスパッター粒子が到達しない。先行位置Lsよりも+X側では飛散範囲Kであっても、面911に到達するスパッター粒子は少ない。よって範囲Jは面911においてスパッター粒子が到達する範囲を近似的に示すということができる。
ステップS18の実行後、あるいはステップS18の実行中にステップS19が実行される。ステップS19において後行端131tが第2境界Ksに到達したか否かが判断される。ステップS19の判断結果が否定的であれば、ステップS18,S19が繰り返し実行される。
ステップS19の判断結果が肯定的になれば、つまり後行端131tが第2境界Ksに到達すれば、ステップS20においてシャッター130が停止する。シャッター130の回転制御のルーチンはこれで終了する。
図15は後行端131tが第2境界Ksに到達した状態を示す。よってこの状態では範囲Jにおいてスパッター粒子が面911に到達しない。これは面911における成膜の均一性を得る観点で望ましい。
この後、基板91は搬送方向Laへ搬送され続け、やがて第2位置は先行端131sよりも+X側へ移動する。
このように、当該ルーチンは、搬送機構10が搬送方向Laへ基板91を搬送するときに、開口131が開いておりカソード30を囲むシャッター130を、軸線Q1からZ方向に沿って見て搬送方向Laに向かう回転方向Rに回転させる。このようなルーチンが実行されるスパッタリング装置1は、面911に対して均一に成膜を行う観点のみならず、搬送方向Laに沿ったサイズ、ここではX方向におけるサイズが小さい観点でも有利である。
特に軸線Q1が開口131を見込む角βが、軸線Q1が飛散範囲Kを見込む角α以下であることは、スパッター粒子が所望の範囲外へ到達することを防止する観点で有利である。
基板91に成膜されるとき、図9~図15を参照して、第1位置(第1端91sの位置)は先行位置Lsと等しいかまたは搬送方向La側にあり、後行位置Ltは第2位置(第2端91tの位置)と等しいかまたは搬送方向La側にある。これは成膜された膜の厚さの均一化、特に第1端91sの近傍および第2端91tの近傍において成膜される薄膜が、相対的に薄くなることが抑制される観点で有利である。
図6においてフローチャートで示された、シャッター130の回転制御によれば:
ステップS10,S11,S12,S13の実行により、先行端131sが第1境界Ktに位置する状態で、基板91が搬送方向Laへ搬送されて第1位置が先行位置Lsに到達し;
ステップS13,S14、S15の実行により、第1位置が先行位置Lsに到達した後、中央131mが中央Mに位置するまで、基板91が搬送方向Laへ搬送されるにつれてシャッター130が回転方向Rに回転し;
ステップS15,S16,S17の実行により、先行端131sが第2境界Ksに位置した後、基板91が搬送方向Laへ搬送されて第2位置が後行位置Ltに到達するまで、シャッター130は回転せず;
ステップS17,S18,S19の実行により、第2位置が後行位置Ltに到達した後、後行位置Ltが第2境界Ksに位置するまで、基板91が搬送方向Laへ搬送されるにつれてシャッター130が回転方向Rに回転する。
このようなルーチンは、成膜された膜の厚さの均一化、特に第1端91sの近傍および第2端91tの近傍において成膜される薄膜が相対的に薄くなることが抑制される観点で有利である。
<動作の第1の変形>
ステップS15における判断は、シャッター130が飛散範囲Kを損ない難い位置にあるかを判定する一例である。ステップS15における判断は、開口131が飛散範囲Kに収まる状態であれば、どのような位置をステップS15の判断基準として設定してもよい。ステップS15の判断基準となる位置を「基準位置」と称すると、下記ように表現され得る:
ステップS13,S14、S15の実行により、第1位置が先行位置Lsに到達した後、シャッター130が基準位置に到達するまで、基板91が搬送方向Laへ搬送されるにつれてシャッター130が回転方向Rに回転し;
当該基準位置とは、先行端131s、後行端131tのいずれもが飛散範囲Kに収まる所定の位置である。
飛散範囲Kは第1境界Ktおよび第2境界Ksを含むと理解することができる。当該基準位置として、後行端131tが第1境界Ktに到達した位置が採用されてもよいし、先行端131sが第2境界Ksに到達した位置が採用されてもよい。
<動作の第2の変形>
基板91の搬送は-X側から+X側へ向かうだけではなく、一旦第2位置が後行端131tよりも+X側へ移動してから、-X側から+X側へ、戻ってもよい。この場合、上記の動作とは、下記の読み替えを行って得られる関係にある動作が行われることで、上記の動作と同様に膜厚の均一化を得ることができる。当該読み替えは、X方向の正負を逆にし、先行端131sと後行端131tとを入れ替え、第1境界Ktと第2境界Ksとを入れ替え、第1端91sと第2端91tとを入れ替えることになる。
ステップS20でシャッター130が停止した位置では後行位置Ltが第2境界Ksに位置する。そしてこれはステップS11において先行端131sが第1境界Ktに到達している状態と、上記の関係にある。よってこのように基板91を往復して搬送する場合には、+X側から-X側へ基板91を搬送するとき、図6で示された動作を上記の関係を以て変更するものの、ステップS10の動作に対応する動作を省略することができる。
<動作の第3の変形>
基板91は搬送方向Laへ複数枚が搬送されてもよい。第1の基板91が搬送され、所定の空間的間隔、もしくは時間的間隔を開けて第2の基板91が続いて搬送されてもよい。
このように複数枚の基板91が搬送方向Laへ搬送される場合、第1の基板91に対してシャッター130の回転を制御する際のステップS20を省略することができる。第2の基板91に対してシャッター130の回転を制御する際のステップS10を行うからである。
なお、後行端131tが第2境界Ksに到達した状態から、先行端131sが第1境界Ktに到達するまでの状態ではスパッター粒子の飛散はシャッター130によって遮られる。よって一枚の基板91が搬送方向Laへ搬送される場合であっても、ステップS20を省略し、ステップS10以降の処理が改めて実行されてもよい。
<動作の第4の変形>
先行位置Lsとして、Y方向に沿った断面視上、軸線Q1と先行端131sとを結ぶ直線と搬送経路Lとの交点を採用してもよい。後行位置Ltとして、Y方向に沿った断面視上、軸線Q1と後行端131tとを結ぶ直線と搬送経路Lとの交点を採用してもよい。
<構成の第1の変形>
図16はスパッタリング装置1の変形の第1の変形を例示する断面模式図である。図16においてはY方向に沿ってみたカソード30とシャッター130との近傍が示される。
当該変形においては2つのノズル524および2つのノズル614が、Y方向に沿ってみてカソード30とシャッター130との間に位置する。このような配置であっても、プラズマが発生してスパッタリングを行える。但し、スパッター粒子の飛散を阻害しない観点から、ノズル524,ノズル614は飛散範囲Kには位置しないことが望ましい。
また、2つのノズル524および2つのノズル614の少なくともいずれか一つが、Y方向に沿ってみてカソード30とシャッター130との間に位置し、その他のノズル524またはノズル614が、図2に例示される位置に配置されてもよい。
<構成の第2の変形>
図17および図18はスパッタリング装置1の変形の第2の変形を例示する断面模式図である。図17および図18においてはY方向に沿って見たカソード30とシャッター130との近傍が示される。図17および図18においてカソード30は円柱として、シャッター130は円弧として、いずれも簡略化して示される。ターゲット32はカソード30の円柱の外周面として簡略化して示される。
シャッター130は開口131以外で、軸線Q1を中心とする円筒状の内周面を有する。ターゲット32は軸線Q2を中心とする円筒状の外周面を有する。
当該変形においては、軸線Q2は軸線Q1よりも搬送経路Lから遠い。スパッター粒子は搬送経路Lに向けて飛散するように設計されるのが通常であるので、カソード30に対して搬送経路L側(ここでは+Z側)でプラズマが発生することが望まれる。図17および図18では当該プラズマの発生はおおよそ境界Ks,Ktで挟まれた範囲に収まる。
図17は開口131が境界Kt,Ksの間に挟まれている状態を示す。図18は開口131が境界Ksを跨ぐ状態を示す。
カソード30とシャッター130との距離が近いと当該プラズマの発生が抑制されやすい。少なくともカソード30に対して搬送経路L側においては、カソード30とシャッター130との間を所定距離以上(例えば50~80mm程度)開けることが望まれる。他方、カソード30に対して搬送経路Lとは反対側においてはシャッター130との間についてそのような距離の確保は不要である。
軸線Q1,Q2を上述のように配置することにより、プラズマの発生を抑制せずに、シャッター130の半径を小さくすることができる。これは搬送方向Laに沿ったサイズ、ここではX方向におけるサイズが小さい観点で有利である。
<構成の第3の変形>
図19はスパッタリング装置1の第3の変形を、Y方向に沿って見て例示する断面模式図である。当該変形では、2つのカソード30A,30Bが搬送方向Laに沿って(ここではX方向において)間隔を空けて設けられる。カソード30A,30Bのいずれもが、カソード30と同様の構造を有する。
カソード30A,30Bはそれぞれシャッター130A,130Bに囲まれる。シャッター130A,130Bはシャッター130と同様の機能を有する。
当該変形では支持部材92A,93A,92B,93Bもチャンバー100の底板に設けられる。支持部材92Aのカソード30Aに対する機能と、支持部材92Bのカソード30Bに対する機能とは、いずれも支持部材92のカソード30に対する機能と同様である。支持部材93Aのシャッター130Aに対する機能と、支持部材93Bのシャッター130Bに対する機能とは、いずれも支持部材93のシャッター130に対する機能と同様である。
カソード30A,30Bの内部には、カソード30における磁石ユニット40に相当する磁石ユニットがそれぞれ設けられる。例えばカソード30Aに設けられる磁石ユニットと、カソード30Bに設けられる磁石ユニットとは、異なる磁極面でX方向において対向してもよい。これは、カソード30A,30Bの間の空間に形成される磁界の強度を高め、ひいては当該空間において高密度なプラズマが形成される観点で望ましい。
例えばカソード30A,30Bには相互に逆位相の交流スパッター電圧が印加される。スパッター電圧として負電圧と正電圧とからなるパルス状の電圧が印加されてもよい。スパッター電圧として、パルス電圧または交流電圧が印加される場合には、カソード30A,30Bに対して交互にスパッター電圧が印加されてもよい。
以上、実施形態およびその変形例にかかるスパッタリング装置について説明したが、これらは好ましい実施形態の例であって、実施の範囲を限定するものではない。本実施の形態は、その開示の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
上述のスパッタリング装置を用いたスパッタリングの実行それ自体がスパッタリング方法として捉えられるのみならず、基板の搬送、シャッターの回転のうちの少なくともいずれか一つと当該スパッタリングの実行との組み合わせも、スパッタリング方法として捉えられることができる。
1 スパッタリング装置
10 搬送機構
30,30A,30B カソード
32 ターゲット
91 基板
91s 第1端
91t 第2端
100 チャンバー
130,130A,130B シャッター
131 開口
131d,131e 端
131s 端(先行端)
131t 端(後行端)
200 制御部
311 電源
500 ガス供給部
911 面
J 範囲
K 飛散範囲
Ks 境界(第2境界)
Kt 境界(第1境界)
L 搬送経路
La 搬送方向
Ls 先行位置
Lt 後行位置
Q1,Q2 軸線
R 回転方向
α,β 角

Claims (12)

  1. マグネトロンスパッタリングによって基板(91)に対して成膜を行うスパッタリング装置(1)であって、
    チャンバー(100)と、
    前記チャンバー(100)にスパッターガスを供給するガス供給部(500)と、
    前記チャンバー(100)の内部において少なくとも一つの前記基板(91)を、第1方向(X)に平行に延びる搬送経路(L)に沿って搬送方向(La)へ搬送する搬送機構(10)と、
    前記チャンバー(100)の前記内部に設けられ、ターゲット(32)を含むカソード(30)と、
    前記カソード(30)にスパッター電圧を印加する電源(311)と、
    前記第1方向(X)とは異なる第2方向(Y)に平行な軸線(Q1)の周りで前記カソード(30)を囲み、前記軸線(Q1)を中心として回転可能に設けられ、前記第1方向(X)および前記第2方向(Y)のいずれにも直交する成分を有する第3方向(Z)において前記カソード(30)と前記搬送機構(10)との間に介在し、前記第2方向(Y)に沿って延びる開口(131)が開いたシャッター(130)と、
    前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記軸線(Q1)から前記第3方向(Z)に沿って見て前記搬送方向(La)に向かう回転方向(R)に前記シャッター(130)を回転させる制御部(200)
    を備えるスパッタリング装置(1)
  2. 前記軸線(Q1)が前記開口(131)を見込む角(β)は、前記軸線(Q1)が前記ターゲット(32)からスパッター粒子が飛散する飛散範囲(K)を見込む角(α)以下である、請求項1に記載のスパッタリング装置(1)
  3. 前記基板(91)に成膜されるとき、第1位置は先行位置(Ls)と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、後行位置(Lt)は第2位置と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、
    前記第1位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)側の端である第1端(91s)の前記第1方向(X)における位置であり、
    前記先行位置(Ls)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)側の端である先行端(131s)の、前記第1方向(X)における位置であり、
    前記後行位置(Lt)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)とは反対側の端である後行端(131t)の前記第1方向(X)における位置であり、
    前記第2位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)とは反対側の端である第2端(91t)の前記第1方向(X)における位置である、
    請求項2に記載のスパッタリング装置(1)
  4. 前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)とは反対側の境界である第1境界(Kt)に位置する状態で、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達し、
    前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達した後、前記先行端(131s)および前記後行端(131t)のいずれもが前記飛散範囲(K)に収まる所定の位置に到達するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転し、
    前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)側の境界である第2境界(Ks)に位置した後、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達するまで、前記シャッター(130)が回転せず、
    前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達した後、前記後行位置(Lt)が前記第2境界(Ks)に位置するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転する、請求項3に記載のスパッタリング装置(1)
  5. 前記シャッター(130)は前記開口(131)以外で、前記軸線(Q1)を中心とする円筒状の内周面を有し、
    前記ターゲット(32)は前記第2方向(Y)に平行な第2軸線(Q2)を中心とする円筒状の外周面を有し、
    前記第2軸線(Q2)は前記軸線(Q1)よりも前記搬送経路(L)から遠い、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のスパッタリング装置(1)
  6. 前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記回転方向(R)にのみ前記シャッター(130)が回転する、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のスパッタリング装置(1)。
  7. チャンバー(100)と、
    前記チャンバー(100)にスパッターガスを供給するガス供給部(500)と、
    前記チャンバー(100)の内部において少なくとも一つの基板(91)を、第1方向(X)に平行に延びる搬送経路(L)に沿って搬送方向(La)へ搬送する搬送機構(10)と、
    前記チャンバー(100)の前記内部に設けられ、ターゲット(32)を含むカソード(30)と、
    前記カソード(30)にスパッター電圧を印加する電源(311)
    を備えるスパッタリング装置(1)において、マグネトロンスパッタリングによって前記基板(91)に対して成膜を行うスパッタリング方法であって、
    前記第1方向(X)とは異なる第2方向(Y)に平行な軸線(Q1)の周りで前記カソード(30)を囲み、前記軸線(Q1)を中心として回転可能に設けられ、前記第1方向(X)および前記第2方向(Y)のいずれにも直交する成分を有する第3方向(Z)において前記カソード(30)と前記搬送機構(10)との間に介在し、前記第2方向(Y)に沿って延びる開口(131)が開いたシャッター(130)を、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記軸線(Q1)から前記第3方向(Z)に沿って見て前記搬送方向(La)に向かう回転方向(R)に回転させる、スパッタリング方法。
  8. 前記軸線(Q1)が前記開口(131)を見込む角(β)は、前記軸線(Q1)が前記ターゲット(32)からスパッター粒子が飛散する飛散範囲(K)を見込む角(α)以下である、請求項に記載のスパッタリング方法。
  9. 前記基板(91)に成膜されるとき、第1位置は先行位置(Ls)と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、後行位置(Lt)は第2位置と等しいかまたは前記搬送方向(La)側にあり、
    前記第1位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)側の端である第1端(91s)の前記第1方向(X)における位置であり、
    前記先行位置(Ls)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)側の端である先行端(131s)の、前記第1方向(X)における位置であり、
    前記後行位置(Lt)は、前記開口(131)の前記回転方向(R)とは反対側の端である後行端(131t)の前記第1方向(X)における位置であり、
    前記第2位置は、前記基板(91)の前記搬送方向(La)とは反対側の端である第2端(91t)の前記第1方向(X)における位置である、
    請求項に記載のスパッタリング方法。
  10. 前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)とは反対側の境界である第1境界(Kt)に位置する状態で、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達し、
    前記第1位置が前記先行位置(Ls)に到達した後、前記先行端(131s)および前記後行端(131t)のいずれもが前記飛散範囲(K)に収まる所定の位置に到達するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転し、
    前記先行端(131s)が前記飛散範囲(K)の前記回転方向(R)側の境界である第2境界(Ks)に位置した後、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されて前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達するまで、前記シャッター(130)が回転せず、
    前記第2位置が前記後行位置(Lt)に到達した後、前記後行位置(Lt)が前記第2境界(Ks)に位置するまで、前記基板(91)が前記搬送方向(La)へ搬送されるにつれて前記シャッター(130)が前記回転方向(R)に回転する、請求項に記載のスパッタリング方法。
  11. 前記シャッター(130)は前記開口(131)以外で、前記軸線(Q1)を中心とする円筒状の内周面を有し、
    前記ターゲット(32)は前記第2方向(Y)に平行な第2軸線(Q2)を中心とする円筒状の外周面を有し、
    前記第2軸線(Q2)は前記軸線(Q1)よりも前記搬送経路(L)から遠い、請求項から請求項10のいずれか一つに記載のスパッタリング方法。
  12. 前記シャッター(130)を、前記搬送機構(10)が前記基板(91)を搬送するときに、前記回転方向(R)にのみ回転させる、請求項7から請求項11のいずれか一つに記載のスパッタリング方法。
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