本発明を具体化したラベル巻付装置1Aの一実施形態について、図面を参照して順に説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。ラベル巻付装置1Aは、粘着面を有するラベル10Aをケーブル19に巻き付けて貼付する為の装置である。以下、図1の左下方、右上方、左上方、右下方、上方、下方を夫々、ラベル巻付装置1Aの前方、後方、左方、右方、上方、下方とする。
<ラベル巻付装置1Aの概要>
図1-図9を参照し、ラベル巻付装置1Aの概要について説明する。ラベル巻付装置1Aは、板状のフレーム11を有する。フレーム11は、側板11A、11B、及び底板11Cを有する。側板11A、11Bは夫々左右方向と直交し、互いに左右方向に離隔して対向する。底板11Cは水平方向に延び、側板11A、11Bの夫々の下端の間に架設される。ラベル巻付装置1Aは、底板11Cがテーブル等に載置された状態で使用される。
フレーム11は搬送台120を支持する。搬送台120は厚みのある板状をなし、フレーム11の側板11A、11B間のうち上下方向中央よりも上側に挟持される(図4、図5参照)。搬送台120は水平方向に延びる。図4に示すように、搬送台120の前端部は、側板11A、11Bの前後方向略中央に位置する。搬送台120の後端部は、側板11A、11Bの後端部よりも後方に突出する。図5に示すように、搬送台120の上面は、後述の従動ローラ35が支持された部分に対して前後方向に分断される。搬送台120の上面の前側を、搬送面120Aという。搬送台120の上面の後側を、搬送面120Bという。搬送面120Aは、搬送面120Bよりも下方に配置される。
搬送台120の搬送面120Bの後端部にホルダ12が設けられる。図2、図8に示すように、ホルダ12は、左右方向に離隔して対向した一対の軸受12Aを有する。図1-図3に示すように、一対の軸受12Aは、ラベルテープ10が巻回されたロール100の芯100Aの両端部を回転可能に支持する。ラベルテープ10は、複数のラベル10A及び剥離紙10Bを含む。複数のラベル10Aは、長尺状の剥離紙10Bに貼付される。複数のラベル10Aは、剥離紙10Bの長手方向に配列される。各ラベル10Aと、剥離紙10Bの長手方向に隣接する他のラベル10Aとの夫々の境界部分は、予めスリットにより切断されている。
ラベルテープ10は、搬送面120Bの上方に設けられた開口部である挿入部2A(図8参照)からラベル巻付装置1Aの内部に挿入される。複数のラベル10Aは、ラベル巻付装置1Aの内部で剥離紙10Bから1枚ずつ剥離される。剥離紙10Bから剥離されたラベル10Aは、ラベル巻付装置1Aによりケーブル19に巻き付けられて貼付される。剥離紙10Bは、挿入部2Aの上方に設けられた開口部である排出部2B(図8、図11参照)からラベル巻付装置1Aの外部に排出される。
図1-図3に示すように、フレーム11の上端部に覆部13が設けられる。覆部13は、左右方向に延びる回転軸50(図1、図3参照)により、側板11A、11Bに揺動可能に支持される。回転軸50は、側板11A、11Bの夫々の上端部且つ前後方向略中央の間に架設される。覆部13は、回転軸50の中心線である左右方向に延びる軸線50C(図6参照)を中心に揺動する。覆部13は、揺動により、回転軸50から後方に向けて延びた位置(図1-図5参照、以下、閉塞位置という。)と、回転軸50から前方に向けて延びた状態(図8、図9参照、以下、開放位置という。)とに切り替え可能である。図8、図9に示すように、覆部13が開放位置に配置された状態で、搬送台120の搬送面120Aは露出する。
図1-図3に示すように、覆部13は、閉塞位置に配置された状態で上面に対応する位置に、一対のレバー13Aを有する。覆部13は、閉塞位置に配置された状態で下面に対応する位置に、一対のフック13B(図8、図9参照)を有する。一対のフック13Bは、覆部13が閉塞位置に配置された状態で、側板11A、11Bの夫々の上端部且つ後端部近傍に設けられた一対の係合孔13C(図8参照)に内側から係合する。これにより、覆部13の閉塞状態から開放状態に向けた揺動は規制される。一方、一対のレバー13Aを内側に移動させる操作が行われることに応じ、一対のフック13Bも内側に移動する。この場合、一対の係合孔13Cに対する一対のフック13Bの係合状態は解除される。従って、回転軸50を中心とした覆部13の揺動が可能となり、覆部13の位置を閉塞位置から開放位置に切り替え可能となる。
ラベル巻付装置1Aは、覆部13が閉塞位置に配置された状態で使用される。図5に示すように、閉塞位置に配置された覆部13のうち搬送台120の搬送面120Aに対して上方に対向する面を、搬送面130Aという。搬送面130Aは、覆部13が閉塞位置に配置された状態で、搬送面120Aに対して上方に僅かに離隔する。以下では、特段説明のない限り、覆部13が閉塞位置に配置された状態を前提として、各種機構の方向、位置関係等を説明する。
図3-図5に示すように、フレーム11は、案内部材2、搬送機構3、矯正部材4、開閉部材5、巻付機構6、保持部材7、案内部材8A、規制部8B、駆動部9等を保持する。搬送機構3は、ロール100からラベルテープ10を繰り出し、且つ、剥離紙10Bからラベル10Aを剥離して前方に搬送する。案内部材2は、搬送機構3によりロール100から繰り出されたラベルテープ10、及び、ラベル10Aが剥離された剥離紙10Bを案内する。矯正部材4は、剥離されたラベル10Aの湾曲を矯正する。巻付機構6は、ケーブル19にラベル10Aを巻き付けて貼付する。保持部材7は、巻付機構6によりケーブル19にラベル10Aを巻き付けて貼付できるよう、巻付機構6に対してケーブル19を保持する。開閉部材5及び案内部材8Aは、巻付機構6にケーブル19を案内する。規制部8Bは、ラベル10Aの移動を規制する。駆動部9は、搬送機構3、巻付機構6等を駆動する。
<駆動部9>
フレーム11の側板11Aの左側に、モータ96A(図34参照)が設けられる。図1、図3に示すように、モータ96Aの回転軸は、側板11Aから右方に突出し、ギヤ960が設けられる。ギヤ960は、中間ギヤ961に噛み合う。中間ギヤ961は、後述の伝達部97、98に連結する。
伝達部97は、側板11Aの右面に回転可能に支持された複数のギヤ970を備える。複数のギヤ970は互いに噛み合う。伝達部97は、中間ギヤ961と、後述する搬送機構3の剥離ローラ31(図4、図5参照)との間に介在し、モータ96Aの回転駆動力を剥離ローラ31に伝達する。伝達部98は、側板11Aの右面に回転可能に支持されたギヤ980、及び、ワンウェイクラッチ98Aを備える。伝達部98は、中間ギヤ961と、後述する搬送機構3の搬送ローラ32(図4、図5参照)との間に介在し、モータ96Aの回転駆動力を搬送ローラ32に伝達する。
フレーム11の側板11A、11B間のうち前端近傍に、モータ96B(図34参照)が設けられる。モータ96Bの回転駆動力は、後述する巻付機構6(図4、図5参照)に伝達される。巻付機構6は、モータ96Bの回転駆動力を受けて回転する。以下、モータ96A、96Bを、駆動部9と総称する。
<搬送機構3>
搬送機構3は、ホルダ12に支持されたロール100よりも前方に配置される。図5に示すように、搬送機構3は、剥離ローラ31、搬送ローラ32、従動ローラ33-36、剥離板37を有する。
図4に示すように、剥離ローラ31は円柱状を有する。剥離ローラ31は、フレーム11の側板11A、11B(図1参照)間に回転可能に支持される。図6に示すように、剥離ローラ31の回転中心に沿って延びる軸線31Cは、左右方向に延びる。剥離ローラ31は、搬送台120の搬送面120Bに対して上方に離隔する。剥離ローラ31の左右方向の長さは、側板11A、11Bの間の間隔よりも僅かに小さい。剥離ローラ31の回転軸は、図1、図3に示すギヤ311に連結する。ギヤ311は、伝達部97の複数のギヤ970の1つに噛み合う。剥離ローラ31は、伝達部97により伝達されるモータ96Aの回転駆動力を、ギヤ311を介して受ける。この場合、図6に示すように、剥離ローラ31は、ラベル巻付装置1Aを右側から見た状態で時計回り方向(矢印Y31の方向)に回転する。以下、特段説明のない限り、ラベル巻付装置1Aを右側から見た状態を前提として、回転方向(時計回り方向又は反時計回り方向)を定義する。
図4に示すように、従動ローラ33は円柱状を有する。従動ローラ33の径及び左右方向の長さは、各々、剥離ローラ31の径及び左右方向の長さと略同一である。従動ローラ33は、覆部13に回転可能に支持される。図6に示すように、従動ローラ33の回転中心に沿って延びる軸線33Cは、左右方向に延びる。従動ローラ33は、剥離ローラ31の上方に隣接する。剥離ローラ31の軸線31Cと、従動ローラ33の軸線33Cとは平行に延び、夫々の前後方向の位置は一致する。
従動ローラ33の上方にばね33Bが配置される。ばね33Bは、覆部13の上面と従動ローラ33との間に介在し、従動ローラ33に対して下向きの付勢力を付与する。従動ローラ33は、ばね33Bの付勢力を受けて下方に移動し、剥離ローラ31に押し付けられる。
図4、図5に示すように、搬送ローラ32は、搬送台120の前端部近傍に設けられる。図9に示すように、搬送ローラ32は、搬送ローラ32A、32B、32Cを有する。搬送ローラ32A、32B、32Cは夫々円柱状をなし、左右方向に間隔を空けて等間隔に並ぶ。搬送ローラ32A、32B、32Cは、図4、図5に示す回転軸320に連結される。回転軸320は円柱状をなし、左右方向に延びる。回転軸320は、フレーム11の側板11A、11B(図1参照)間に回転可能に支持される。図6に示すように、回転軸320の中心に沿って延びる軸線320Cは、左右方向に延び、搬送台120の搬送面120Aよりも下方に配置される。図8に示すように、搬送ローラ32の上端部は、搬送面120Aに対して上方に僅かに突出する。
搬送ローラ32の回転軸320は、図1、図3に示す伝達部97のワンウェイクラッチ98Aに連結する。ワンウェイクラッチ98Aは、モータ96Aの回転駆動力を搬送ローラ32に伝達する。搬送ローラ32は、伝達部98により伝達されるモータ96Aの回転駆動力を、ワンウェイクラッチ98Aを介して受ける。この場合、図6に示すように、搬送ローラ32は反時計回り方向(矢印Y32の方向)に回転する。
なお、ワンウェイクラッチ98Aは、モータ96Aの停止中に搬送ローラ32が矢印Y32に回転する場合、モータ96Aと搬送ローラ32との間の連結を遮断する。このため搬送ローラ32は、モータ96Aの停止中に矢印Y32の方向に回転する時、モータ96Aのトルクの影響を受けずに自由に回転可能となる。
図8、図9に示すように、従動ローラ34は、左右方向に配列された従動ローラ34A、34B、34Cを有する。従動ローラ34A、34B、34Cは円板状をなし、周端部に凹凸を有する。従動ローラ34は覆部13に回転可能に支持される。図5に示すように、従動ローラ34の下端部は、覆部13の搬送面130Aに対して下方に僅かに突出する。従動ローラ34は搬送ローラ32の上方に隣接し、下端が搬送ローラ32の上端に接触する。より詳細には、図9に示す従動ローラ34Aは搬送ローラ32Aの上方に隣接し、下端が搬送ローラ32Aの上端に接触する。従動ローラ34Bは搬送ローラ32Bの上方に隣接し、下端が搬送ローラ32Bの上端に接触する。従動ローラ34Cは搬送ローラ32Cの上方に隣接し、下端が搬送ローラ32Cの上端に接触する。
図6に示すように、従動ローラ34の回転中心に沿って延びる軸線340Cは、左右方向に延びる。搬送ローラ32の軸線320Cと、従動ローラ34の軸線340Cとは平行に延び、夫々の前後方向の位置は一致する。
図4に示すように、剥離板37は、前後方向において剥離ローラ31の前斜め下方、及び、搬送ローラ32の後方に配置される。剥離板37は板状をなし、水平方向に対して傾斜する。より詳細には、剥離板37は、後端部から前端部に向けて下方に傾斜する向きに延びる。図5に示すように、剥離板37の前端部37Aの厚さは、前端に向けて次第に薄くなる。前端部37Aは、側面視略円弧状の湾曲面をなしている。図6に示すように、剥離板37の前端の位置を剥離点370という。剥離点370は、搬送台120の搬送面120Aに対して僅かに上方に離隔する。
図4に示すように、従動ローラ35は円柱状を有する。従動ローラ35の左右方向の長さは、剥離板37の左右方向の長さと略同一である。従動ローラ35は、搬送台120の搬送面120A、120Bの間に挟まれた部分で回転可能に支持される。図6に示すように、従動ローラ35の回転中心に沿って延びる軸線35Cは、左右方向に延びる。従動ローラ35の上端部は、搬送面120Bよりも僅かに上方に突出する。従動ローラ35は剥離板37の下方に隣接し、上端部に対して僅かに前方の位置で剥離板37の下面に接触する。
図8、図9に示すように、従動ローラ36は、左右方向に配列された従動ローラ36A、36B、36C、36Dを有する。従動ローラ36A、36B、36C、36Dは円板状をなし、周端部に凹凸を有する。従動ローラ36は覆部13に回転可能に支持される。図5に示すように、従動ローラ36の下端部は、覆部13の搬送面130Aに対して下方に僅かに突出する。従動ローラ36は、前後方向において搬送ローラ32及び従動ローラ34よりも後方、且つ、剥離板37、剥離ローラ31、及び従動ローラ33、35よりも前方に配置される。
図6に示すように、ロール100から繰り出されたラベルテープ10は、挿入部2Aからラベル巻付装置1Aに挿入される。ラベルテープ10は、搬送台120の搬送面120Bに沿って前方に搬送される。この時、ラベルテープ10のラベル10Aは、剥離紙10Bの下面に配置される。ラベル10Aの上面は、剥離紙10Bに貼付される粘着面に対応する。
ラベルテープ10は、ロール100の下端部から前方に延び、従動ローラ35の上方を通過する。ラベルテープ10は、斜め下方に屈曲して更に前方に延び、従動ローラ35と剥離板37との間の隙間を前方に通過する。ラベルテープ10は、剥離板37の下面に沿って剥離点370まで斜め下方に更に延びる。ラベルテープ10のラベル10Aは、剥離紙10Bが剥離点370で屈曲されることで、剥離紙10Bから剥離される。
剥離板37により剥離されたラベル10Aは、搬送台120の搬送面120Aに沿って前方に延び、従動ローラ36の下方、及び、搬送ローラ32と従動ローラ34との間の隙間を通過して前方に更に延びる。ラベル10Aの粘着面は上方を向く。ラベル10Aは、搬送台120の前方に設けられた後述の巻付機構6により、ケーブル19に巻き付けられ貼付される。
一方、剥離板37によりラベル10Aが剥離された剥離紙10Bは、剥離点370で屈曲し、剥離板37の上面に沿って後斜め上方に延びる。剥離紙10Bは、更に剥離ローラ31まで後斜め上方に延び、剥離ローラ31に接触して後方に屈曲し、剥離ローラ31と従動ローラ33との間の隙間を後方に通過する。剥離紙10Bは、排出部2Bからラベル巻付装置1Aの外部に排出される。
以下、挿入部2Aから剥離板37の剥離点370に向けて搬送されるラベルテープ10が通過する領域を、第1搬送経路R1という。剥離板37の剥離点370から排出部2Bに向けて搬送される剥離紙10Bが通過する領域を、第2搬送経路R2という。剥離板37の剥離点370から前方に搬送されるラベル10Aが通過する領域を、第3搬送経路R3という。
図7に示すように、剥離板37の剥離点370から第1搬送経路R1に沿ってラベルテープ10の搬送方向と反対方向に延びる第1方向D1を定義する。剥離点370から第3搬送経路R3に沿ってラベル10Aの搬送方向と同じ方向に延びる第2方向D2を定義する。第1方向D1と第2方向D2との間のなす角度をθと表記する。この場合、角度θは、125°-155°の範囲内となる。より好ましくは、角度θは120°である。
図6に示すように、ラベル巻付装置1Aは、モータ96A(図34参照)の駆動により剥離ローラ31及び搬送ローラ32を回転させる。剥離ローラ31は、矢印Y31の方向に回転し、従動ローラ33との間に挟持された剥離紙10Bを矢印Y11の方向に搬送する。これによって、ラベルテープ10は、ロール100から矢印Y12の方向に繰り出される。
従動ローラ35は、ラベルテープ10の移動に応じて回転しながらラベルテープ10を剥離板37に沿って誘導する。剥離板37の剥離点370で剥離紙10Bが屈曲することにより、剥離紙10Bからラベル10Aが剥離される。剥離されたラベル10Aは、矢印Y13の方向に押し出される。ラベル10Aは、従動ローラ36によって前方に誘導され、搬送ローラ32と従動ローラ34との間に後方から進入する。搬送ローラ32は、矢印Y32の方向に回転し、従動ローラ34との間に挟持されたラベル10Aを前方に搬送する。搬送ローラ32により搬送されるラベルは、搬送台120の前方に配置された巻付機構6の上方位置まで、矢印Y14の方向に移動する。
以下、搬送ローラ32の回転により搬送されるラベル10Aの搬送方向(矢印Y14の方向)を、単に搬送方向という。搬送方向は前方向に対応する。搬送方向の上流側は、ラベル巻付装置1Aにおける後側に対応する。搬送方向の下流側は、ラベル巻付装置1Aにおける前側に対応する。以下、搬送方向の下流側を、単に下流側といい、搬送方向の上流側を、単に上流側という。図7に示すように、剥離板37の剥離点370と、搬送ローラ32のうち第3搬送経路R3に最も近接する端部、即ち、搬送ローラ32の上端部とを通る仮想的な平面を、仮想平面M1と定義する。
<案内部材2>
図8、図11に示すように、案内部材2は、搬送台120の搬送面120Bのうちホルダ12の前方に着脱可能に設けられる。案内部材2は、一対のブロック21及び架設部22を有する。一対のブロック21は、左右方向に離隔して配列する。一対のブロック21の夫々の下端部は、搬送台120の搬送面120Bに上方から接触する。架設部22は、一対のブロック21の間に架け渡される。一対のブロック21の夫々の左右外側の面に、外方に突出した凸部21Aを有する。凸部21Aは、一対のブロック21の夫々の前後方向中央において、上端から下端まで上下方向に延びる。
一対のブロック21の夫々において互いに対向する側壁を、一対の側壁部23という。一対の側壁部23のうち、架設部22よりも下方に位置する第1部位の内側には、ロール100から繰り出されたラベルテープ10が搬送される第1搬送経路R1(図6参照)が配置される。以下、第1部位を一対の側壁部23Aという。一対の側壁部23Aは、第1搬送経路R1に沿って搬送されるラベルテープ10の剥離紙10Bの左右方向の両側に接触して位置決めし、ラベルテープ10を第1搬送経路R1に沿って案内する。架設部22及び一対の側壁部23Aにより囲まれた開口部は、ラベルテープ10がラベル巻付装置1Aの内部に挿入する挿入部2Aに対応する。
一対の側壁部23のうち、架設部22よりも上方に位置する第2部位の内側には、ラベル10Aが剥離された剥離紙10Bが搬送される第2搬送経路R2(図6参照)が配置される。以下、第2部位を一対の側壁部23Bという。一対の側壁部23Bは、第2搬送経路R2に沿って搬送される剥離紙10Bの左右方向の両側に接触して位置決めし、剥離紙10Bを第2搬送経路R2に沿って案内する。架設部22及び一対の側壁部23Bにより囲まれた開口部は、剥離紙10Bがラベル巻付装置1Aの外部に排出される排出部2Bに対応する。
フレーム11の側板11A、11Bの内側、且つ、搬送台120の搬送面120Bの上側に、一対の装着部24が設けられる。一対の装着部24は、側板11A、11Bの内面から内側に突出する。一対の装着部24の夫々の前後方向中央に溝24Aが設けられる。溝24Aは、一対の装着部24の夫々の上端から下端までの間を上下方向に延びる。案内部材2は、一対の装着部24の夫々の溝24Aに凸部21Aを進入させることにより、ラベル巻付装置1Aに装着可能である。又、案内部材2は、一対の装着部24の溝24Aから凸部21Aを退出させることにより、ラベル巻付装置1Aから脱離可能である。
案内部材2として、一対の側壁部23の間の距離が夫々異なる複数の案内部材2が予め用意される。詳細には、ロール100は剥離紙10Bの幅が異なる複数の種類があり、案内部材2は、一対の側壁部23の間の距離が剥離紙10Bの幅に応じて設定された複数の種類がある。ラベル巻付装置1Aは、ホルダ12に装着されるロール100の剥離紙10Bの幅に応じて、複数の案内部材2のうち一対の装着部24に装着する案内部材2を選択的に切り替える。これにより、ラベル巻付装置1Aにおける案内部材2の一対の側壁部23の間の距離を、剥離紙10Bの幅に応じて変更できる。
<矯正部材4>
図4、図5に示すように、矯正部材4は、搬送機構3の搬送ローラ32及び従動ローラ34に対して下流側に設けられる。図12、図13に示すように、矯正部材4は、回転体4A及びリブ4Bを備える。回転体4Aは、第3搬送経路R3に対して上側に配置される。リブ4Bは、第3搬送経路R3に対して下側に配置される。
図9、図13に示すように、回転体4Aは、左右方向に配列された回転体41A、41B、41C、41D、41E、41Fを有する。回転体41A-41Fは円板状をなし、周端部に凹凸を有する。回転体4Aの中心に設けられた孔には、図13に示す回転軸410が挿通される。回転軸410は棒状をなし、左右方向に延びる。回転体4Aは、回転軸410により覆部13に回転可能に支持される。図12に示すように、回転軸410の中心に沿って延びる軸線410Cは、左右方向に延び、覆部13の搬送面130Aよりも上方に配置される。回転体4Aの下端部は、搬送面130Aに対して下方に僅かに突出する。
図13に示すように、回転体41A-41Fは、搬送面130Aの左右方向中央からの距離が互いに等しい2つの回転体4Aからなる組回転体411、412、413を形成する。詳細には次の通りである。回転体41A、41Fは、左右方向に離隔距離L1離隔して配置された組回転体411を形成する。回転体41B、41Eは、左右方向に離隔距離L2離隔して配置された組回転体412を形成する。回転体41C、41Dは、左右方向に離隔距離L3離隔して配置された組回転体413を形成する。離隔距離L1-L3の各々は異なる。離隔距離L1-L3は、夫々、ラベル巻付装置1Aにおいて使用される可能性のあるラベル10Aが第3搬送経路R3に沿って搬送される時の左右方向の長さ(以下、ラベル10Aの幅という。)に対応する。つまり、離隔距離L1-L3は、夫々、ラベル巻付装置1Aにおいて使用される可能性のあるラベル10Aの種類に応じて定められている。
図10に示すように、回転体41B、41Cの夫々の左右方向の中心位置X1、X2は、左右方向において、搬送ローラ32A、32Bの間に配置される。回転体41D、41Eの夫々の左右方向の中心位置X3、X4は、左右方向において、搬送ローラ32B、32Cの間に配置される。このため、組回転体412に含まれる回転体41B、41Cの夫々の中心位置X1、X2、及び、組回転体413に含まれる回転体41D、41Eの夫々の中心位置X3、X4は、何れも、左右方向において搬送ローラ32A-32Cと異なる位置に配置される。
図10、図13に示すよう-に、リブ4Bは、左右方向に配列されたリブ42A、42B、42Cを有する。リブ42A-42Cは夫々、搬送面120Aから上方に向けて突出する。図10に示すように、リブ42A、42B、42Cは、搬送方向に沿って互いに平行に延びる。図10、図12に示すように、リブ4Bにおける後端部の前後方向の位置と、搬送ローラ32Bの前端部の前後方向の位置とは、何れも位置P42で一致する。つまり、リブ4Bの後端部は、搬送方向において、搬送ローラ32の前端部と同一位置に配置される。リブ42A、42B、42Cの前端部は、搬送面120Aの前端部まで延びる。
図13に示すように、リブ4Bの上端部は、上下方向において、回転体4Aの下端部よりも僅かに上方に位置する。従って、回転体4Aとリブ4Bとは、夫々の先端部において上下方向に重なる。又、図12に示すように、回転体4Aとリブ4Bの一部との前後方向の位置は一致する。このため、回転体4Aとリブ4Bとは左右方向に重なる。
搬送機構3の剥離板37により剥離紙10Bから剥離されたラベル10Aは、搬送ローラ32によって、第3搬送経路R3に沿って搬送され、搬送ローラ32よりも下流側にある矯正部材4に導かれる。ラベル10Aは、矯正部材4の回転体4A及びリブ4Bの間を通過する際、上面の粘着面が回転体4Aに接触し、下面がリブ4Bに接触する。ラベル10Aは、回転体4A及びリブ4Bにより左右方向に山状の湾曲部と谷状の湾曲部が交互に連続した波形状に変形させられて搬送される。なお、ラベル10Aには、ロール100の状態で保持されたことに応じた曲げ癖がついている。これに対し、矯正部材4は、ラベル10Aを波形状に変形させることによって、湾曲を矯正する。
図12に示すように、リブ4Bの上端部を通って水平方向に延びる仮想的な平面を、仮想平面M2と定義する。仮想平面M2は、剥離板37の剥離点370と、搬送ローラ32の上端部とを通る仮想的な平面である仮想平面M1(図7参照)と一致する。以下、仮想平面M1、M2を、仮想平面Mと総称する。回転体4Aの下端部は、仮想平面M2よりも下方に配置される。このため、回転体4Aの下端部は、搬送ローラ32の上端部よりも下方に位置する。
なお、仮想平面Mは、その一部において第3搬送経路R3と略一致するが、厳密には双方は相違する。その理由は、仮想平面Mは平面であるのに対し、第3搬送経路R3はラベル10Aが通過する領域として定義され、矯正部材4が設けられた部位で波形状に変形するためである。又、ラベル10Aの搬送は後述の規制部8Bにより規制されるため、第3搬送経路R3における下流側の端部は、規制部8Bの位置と一致する。一方、仮想平面Mは、規制部8Bよりも前方まで延びる。
<ラベル検出センサ46>
図10に示すように、搬送面120Aには、凹部16A、16B、16C、16D、16E、16Fが設けられる。凹部16A、16B、16C、16D、16E、16Fは、覆部13が閉塞位置に配置されたとき、回転体41A-41Fの夫々に対向する位置に設けられ、回転体41A-41Fから所定の隙間をあけて搬送面120Aから僅かに下方に窪む。リブ42Bの右側に隣接する位置には、矩形形状の貫通孔160が設けられる。
図14に示すように、貫通孔160の下方に、ラベル検出センサ46が設けられる。ラベル検出センサ46は、アクチュエータ型のセンサであり、アクチュエータ46A及び検出部46Bを有する。アクチュエータ46Aは棒状をなし、基端部が検出部46Bにより揺動可能に支持される。アクチュエータ46Aの先端部は、貫通孔160から搬送面120Aよりも上方に突出する。詳細には、アクチュエータ46Aは、先端部がリブ4Bの上端部よりも上方に配置された状態と、先端部がリブ4Bの上端部よりも下方に配置された状態とに揺動可能である。
検出部46Bは、アクチュエータ46Aの揺動状態を検出し、検出結果に応じた信号をCPU91A(図34参照)に出力する。より詳細には、検出部46Bは、アクチュエータ46Aの先端部がリブ4Bの上端部よりも上方に配置された状態のときにOFF信号を出力し、アクチュエータ46Aの先端部がリブ4Bの上端部よりも下方に配置された状態のときにON信号を出力する。
なお、アクチュエータ46Aは、第3搬送経路R3のうち矯正部材4の回転体4Aとリブ4Bとの間にラベル10Aの下流側の端部が進入した時、先端部がリブ4Bの上端部よりも上方に配置された状態から、先端部がリブ4Bの上端部よりも下方に配置された状態に揺動する。又、アクチュエータ46Aは、矯正部材4の回転体4Aとリブ4Bとの間からラベル10Aの上流側の端部が退出した時、先端部がリブ4Bの上端部よりも下方に配置された状態から、先端部がリブ4Bの上端部よりも上方に配置された状態に揺動する。従って、CPU91Aは、ラベル検出センサ46の出力信号に応じ、第3搬送経路R3にあるラベル10Aの下流側及び上流側の両端部を、矯正部材4の位置で検出できる。なお、ラベル検出センサ46は、アクチュエータ型のセンサの代わりに、例えば光学式の反射型センサを用いてもよい。
<開閉部材5>
図4、図5に示すように、開閉部材5は矯正部材4よりも下流側、且つ、第3搬送経路R3に対して上側に配置される(図6参照)。開閉部材5は、基部51、回転体52、リブ53を備える。
図15-図17に示すように、基部51は、円筒部51A、延設部51B、一対の側板部51Cを有する。円筒部51Aは、フレーム11の側板11A、11B間に架設された回転軸50の周りに配置され、回転軸50に対して回転可能である。延設部51Bは、円筒部51Aから下方に向けて延びる。延設部51Bは、前後方向と交差する開閉面510を前面に有する。一対の側板部51Cは、延設部51Bの左右両端部に設けられ、左右方向と直交する。
開閉部材5は、回転軸50により側板11A、11Bに揺動可能に支持される。基部51は、回転軸50の中心を通って左右方向に延びる軸線50Cを中心として、延設部51Bの下端部が前後方向に移動する向きに揺動可能である。延設部51Bの下端部が前方に移動した状態における開閉部材5の位置を、第1位置という。延設部51Bの下端部が後方に移動した状態における開閉部材5の位置を、第2位置という。なお、覆部13も同様に、回転軸50により側板11A、11Bに揺動可能に支持される。つまり、覆部13と開閉部材5とは、何れも、共通する軸線50Cを中心として揺動する。
回転体52は、左右方向に配列された回転体52A、52B、52C、52D、52Eを有する。回転体52A-52Eは円板状をなし、周端部に凹凸を有する。回転体52A-52Eは、前後方向略中央よりも前側部及び下端部において、延設部51Bから外方に突出する。
回転体52の中心に設けられた孔には、図10に示す回転軸520が挿通される。回転軸520は棒状をなし、左右方向に延びる。回転軸520の左右両端部は、基部51の延設部51Bにより支持される。回転体52は、回転軸520により基部51に回転可能に支持される。図6に示すように、回転軸520の中心に沿って延びる軸線520Cは、左右方向に延びる。回転体52は、軸線520Cを中心として回転可能である。軸線520Cは第3搬送経路R3の上方に近接する(図6、図12参照)。又、開閉部材5が第1位置に配置された状態(図12参照)で、回転体52の下端部は仮想平面Mに対して上方から接する。図18に示すように、開閉部材5の回転軸50の軸線50Cと、回転体52の軸線520Cの夫々の前後方向の位置は略一致する。
図15、図16に示すように、リブ53は、左右方向に配列されたリブ53A(531A、532A)、53B(531B、532B)、53C(531C、532C)、53D(531D、532D)、53E(531E、532E)を有する。リブ53A-53Eは、夫々板状をなし、左右方向と直交する。リブ531Aは回転体52Aの右側に隣接し、リブ532Aは回転体52Aの左側に隣接する。リブ531Bは回転体52Bの右側に隣接し、リブ532Bは回転体52Bの左側に隣接する。リブ531Cは回転体52Cの右側に隣接し、リブ532Cは回転体52Cの左側に隣接する。リブ531Dは回転体52Dの右側に隣接し、リブ532Dは回転体52Dの左側に隣接する。リブ531Eは回転体52Eの右側に隣接し、リブ532Eは回転体52Eの左側に隣接する。リブ53の隣接方向は、回転体52の回転中心に対応する軸線50Cの延びる方向と一致する。
リブ53A-53Eの形状は同一である。リブ53の周端部は、延設部51Bのうち上端部の円筒部51Aの近傍から、開閉面510に対して前方に傾斜した向きに延びる。リブ53は、下端で湾曲して後方に延びる。図18に示すように、リブ53は、開閉部材5の回転軸50の軸線50Cと、回転体52の軸線520Cとを通過する平面に対して前方に配置される。
図15に示すように、開閉部材5が第1位置に配置された状態において、リブ53は、回転体52のうち延設部51Bから前側に突出する部分を左右方向から覆う。つまり、リブ53は、回転体52のうち延設部51Bから前側に突出する部分、より詳細には、リブ53は、回転体52の上端部、前端部、下端部に亘る部分において、回転体52の径方向の端部よりも外方に突出する(図10参照)。なお、リブ53の下端の位置は、回転体52の下端よりも僅かに上方にある(図12参照)。即ち、回転体52の下端はリブ53の下端よりも下方に突出する。
図4、図5に示すように、開閉部材5の基部51の後側に、付勢部56が設けられる。図10に示すように、付勢部56は、左右方向に配列された付勢部56A、56Bを有する。付勢部56A、56Bは圧縮コイルバネであり、開閉部材5の基部51の後面と覆部13との間に介在する。付勢部56A、56Bは開閉部材5に対して前向きの付勢力を付与する。開閉部材5は付勢部56により、第2位置(図17参照)から第1位置(図15参照)に向けて付勢される。
矯正部材4により湾曲が矯正されたラベル10Aは、搬送ローラ32によって更に搬送され、開閉部材5の下方を通過する。この時、開閉部材5は、第3搬送経路R3に沿って搬送されるラベル10Aに対し、上方から回転体52を接触させる。これにより、開閉部材5は、上方に向かって湾曲しようとするラベル10Aの湾曲を矯正し、第3搬送経路R3に沿ってラベル10Aを移動させる。
<案内部材8A>
図1に示すように、案内部材8Aは、開閉部材5に対して下流側、且つ、仮想平面M(図12参照)に対して上側に配置される。図1に示すように、案内部材8Aは、開閉部材5に対して下流側に近接する第1部81、及び、第1部81に対して左右両側に配置された一対の第2部82を有する。第1部81の左右方向の長さは、開閉部材5の左右方向の長さと略同一である。
図15、図17に示すように、第1部81は後部に傾斜面81Aを有する。一対の第2部82は夫々、後部に傾斜面82Aを有する。傾斜面81A、82Aは、前端から後端に向けて斜め下方に延びる。傾斜面81A、82Aの夫々の前端部、即ち、傾斜面81A、82Aのうち最も上方に配置する上端部811、821の位置は、上下方向において、開閉部材5を回転可能に支持する回転軸50よりも下方に位置する。図18に示すように、第1部81の傾斜面81Aの後端部、即ち、傾斜面81Aのうち最も下方に配置する下端部812は、第3搬送経路R3に近接する。
開閉部材5の下端部は、開閉部材5が第1位置に配置された状態(図14参照)で、案内部材8Aの下端部812に近接する。この時、案内部材8Aの下端部812にリブ53が接触する。一方、開閉部材5の下端部は、開閉部材5が第2位置に配置された状態(図19参照)で、案内部材8Aの下端部812から後方に離隔する。
ラベル10Aを巻き付けるためのケーブル19は、左右方向に延びた状態で、案内部材8Aの上方からラベル巻付装置1Aに装着される。この場合、図18に示すように、ケーブル19は、案内部材8Aの傾斜面81A、82Aに沿って後斜め下方に誘導され、後述する巻付機構6の挿入凹部62A(図23参照)に向けて案内される。
なお、リブ53は、開閉部材5が第1位置にある状態で、案内部材8Aにより案内されるケーブル19の移動方向(後斜め下方)と反対方向(前斜め上方)の端部が、回転体52の径方向の端部よりも外方に突出する。このため、ケーブル19は、案内部材8Aにより巻付機構6の挿入凹部62Aに向けて案内される過程で、開閉部材5のリブ53に接触する。開閉部材5の下端部には、ケーブル19によって上方から外力が付与される。この場合、図19に示すように、開閉部材5は、付勢部56の付勢力に抗して下端部が後方に移動することにより、第1位置から第2位置に移動する。これにより、後述する巻付機構6の開口部620Bは、開閉部材5により閉塞された状態(図18参照)から、開放された状態(図19参照)に切り替えられる。
<規制部8B>
図18、図19に示すように、案内部材8Aの第1部81の下端部812の下方に、規制部8Bが形成される。規制部8Bは、前方に向けて凹む凹部85を有する。凹部85は左右方向に直線状に延びる。凹部85は、内壁として規制壁86、87、88を有する。
規制壁86は、凹部85の底壁に対応し、前後方向と直交する。規制壁86は、第3搬送経路R3の下流側の端部に対して下流側に位置し、仮想平面Mと交差する。規制壁87は、凹部85の側壁のうち規制壁86の上端部から延びる部位である。規制壁87は上下方向と交差し、規制壁86の上端部から案内部材8Aの下端部812に向けて後ろ斜め上方に延びる。規制壁87は、第3搬送経路R3及び仮想平面Mに対して上側に配置される。規制壁88は、凹部85の側壁のうち規制壁86の下端部から延びる部位である。規制壁88は上下方向と直交し、規制壁86の下端部から後方に向けて水平に延びる。規制壁88は、第3搬送経路R3及び仮想平面Mに対して下側に配置される。
図18に示すように、搬送ローラ32によって搬送されるラベル10Aは、開閉部材5を通過し、下流側の端部が規制部8Bに接触するまで更に搬送される。規制部8Bは、ラベル10Aが下流側に搬送されることを、ラベル10Aの下流側の端部を規制壁86に接触させることによって規制する。
図19に示すように、ケーブル19は、案内部材8Aにより巻付機構6に向けて下方に案内される過程で、ラベル10Aに上方から接触する。ケーブル19の一部は、ラベル10Aの上面に形成された粘着面に貼付される。ケーブル19が下方に移動することに応じ、ラベル10Aの下流側の端部は上下方向に移動しようとする。これに対し、規制部8Bは、ラベル10Aの下流側の端部が第3搬送経路R3に対して上方に移動することを、規制壁87により規制する。又、規制部8Bは、ラベル10Aの下流側の端部が第3搬送経路R3に対して下方に移動することを、規制壁88により規制する。
<巻付機構6>
図4に示すように、巻付機構6は、側面が部分的に欠落した略円筒状の基部61を有する。基部61の中心は、所定の軸線6Aを中心として、フレーム11に回転可能に支持される。軸線6Aは左右方向に延びる。
図20、図21に示すように、基部61は、右端部に設けられた第1底面部621(図21参照)、左端部に設けられた第2底面部622(以下、底面部62と総称する。)、及び、側面部63A、63B、63Cを有する。第1底面部621及び第2底面部622は、夫々円板状をなし、左右方向に離隔して対向する。
図20に示すように、第2底面部622には、周端部から軸線6Aに向けて凹んだ第2挿入凹部622Aが設けられる。図示されていないが、第1底面部621についても、同様の形状の第1挿入凹部が設けられる。以下、第1挿入凹部及び第2挿入凹部622Aを総称し、挿入凹部62Aという。より詳細には、挿入凹部62Aは、略U字形状をなし、底面部62のうち軸線6Aよりも所定距離だけ下方の位置(以下、底部620Aという。)から、底面部62の周端部の一部に対応する開口部620Bに亘って、径方向のうち特定の方向(上方)に延びる。以下、挿入凹部62Aの延びる方向を、延伸方向Sという。延伸方向Sのうち、開口部620Bから底部620Aに向かう方向を、図22に示すように挿入方向S1という。
図23に示すように、巻付機構6は、底部620Aの上端部に開口部620Bが配置された状態、即ち、延伸方向Sが上下方向となる状態で、ケーブル19及びラベル10Aを挿入凹部62Aに挿入させることが可能となる。以下、巻付機構6においてケーブル19の挿入が可能な回転位置、即ち、底部620Aの上端部に開口部620Bが配置された状態における巻付機構6の回転位置を、初期位置という。以下説明において、特に限定のない限り、巻付機構6が初期位置に配置された状態を前提とする。巻付機構6が初期位置に配置された状態で、ラベルの搬送方向は、軸線6Aと延伸方向Sとの夫々に直交する。
図20に示すように、挿入凹部62Aは、搬送ローラ32及び矯正部材4よりも下流側、且つ、第3搬送経路R3に対して下方に配置される。挿入凹部62Aは、第3搬送経路R3に向けて開口する。挿入凹部62Aは、規制部8B(規制壁86、87、88)に対して上流側に配置される。図23に示すように、挿入凹部62Aの開口部620Bと、開閉部材5の揺動中心に対応する軸線50Cとは、上下方向に重複する。基部61の回転中心に対応する軸線6Aは、軸線50Cに対して僅かに後方に位置する。
図20に示すように、挿入凹部62Aの開口部620Bは、第1位置に配置された開閉部材5によって閉塞される。図23に示すように、挿入凹部62Aの開口部620Bは、第2位置に配置された開閉部材5によって閉塞されず、開放する。
図20、図21に示すように、巻付機構6は、基部61の内部に、第1アーム部材66、第2アーム部材67、第1ばね681、682(図21参照)、及び、第2ばね691、692(図21参照)を有する。第1アーム部材66及び第2アーム部材67は、巻付機構6によりケーブル19にラベル10Aを巻き付けるとき、ケーブル19を挟んで保持する(図23参照)。第1ばね681、682、及び、第2ばね691、692は、第1アーム部材66及び第2アーム部材67によりケーブル19を保持する為に、第1アーム部材66及び第2アーム部材67を付勢する(図23参照)。
図20に示すように、第1アーム部材66及び第2アーム部材67は、夫々屈曲した板状をなし、第1底面部621と第2底面部622との間に亘って左右方向に延びる。第1アーム部材66は、第2アーム部材67に対して下流側に設けられる。第1アーム部材66及び第2アーム部材67は、前後方向に対向する。以下、第1アーム部材66のうち第2アーム部材67に対向する側の端部、即ち、第1アーム部材66の後端部を、第1対向端部660という。第2アーム部材67のうち第1アーム部材66に対向する側の端部、即ち、第2アーム部材67の前端部を、第2対向端部670という。
図24に示すように、第1アーム部材66は、第1基端部66A、第1先端部66B、第1傾斜部66C、第2傾斜部66D、第1凸部66Eを有する。第1基端部66Aは、第1底面部621と第2底面部622(図21参照)との間に亘って延びる回転軸661を中心として、揺動可能に支持される。回転軸661は、挿入凹部62Aの開口部620Bの下流側近傍で、第1底面部621及び第2底面部622により支持される。このため、第1基端部66Aは、挿入凹部62Aの開口部620Bの下流側近傍に配置される。開口部620Bから第1基端部66Aまでの間の延伸方向Sにおける距離は、底部620Aから第1基端部66Aまでの間の延伸方向Sにおける距離よりも短い。第1先端部66Bは、延伸方向Sにおいて、挿入凹部62Aの底部620Aに対して開口部620Bと反対側、即ち、底部620Aよりも下側に配置される。
第1傾斜部66C及び第2傾斜部66Dは、第1対向端部660のうち第1基端部66Aと第1先端部66Bとの間の一部に対応する。第1傾斜部66C及び第2傾斜部66Dは、夫々、挿入方向S1に対して傾斜する。より詳細には、次の通りである。図22に示すように、第1傾斜部66Cの一部は、延伸方向Sにおいて軸線6Aよりも開口部620B(図20参照)側に配置される。第1傾斜部66Cは、挿入方向S1に対して軸線6Aから離隔する向きS11に傾斜する。第2傾斜部66Dの一部は、延伸方向Sにおいて軸線6Aよりも開口部620B側と反対側に配置される。第2傾斜部66Dは、第1傾斜部66Cに対して、第1先端部66B側に隣接する。第2傾斜部66Dは、挿入方向S1に対して軸線6Aに近接する向きS12に傾斜する。以下、第1傾斜部66C及び第2傾斜部66Dを総称し、傾斜部662という。
図24に示すように、第2アーム部材67は、第2基端部67A、第2先端部67B、第1傾斜部67C、第2傾斜部67D、第2凸部67Eを有する。第2基端部67Aは、第1底面部621と第2底面部622(図21参照)との間に亘って延びる回転軸671を中心として揺動可能に支持される。回転軸671は、挿入凹部62Aの開口部620Bの上流側近傍で、第1底面部621及び第2底面部622により支持される。このため、第2基端部67Aは、挿入凹部62Aの開口部620Bの上流側近傍に配置される。開口部620Bから第2基端部67Aまでの間の延伸方向Sにおける距離は、底部620Aから第2基端部67Aまでの間の延伸方向Sにおける距離よりも短い。第2先端部67Bは、延伸方向Sにおいて、挿入凹部62Aの底部620Aに対して開口部620Bと反対側、即ち、底部620Aよりも下側に配置される。第1基端部66A及び第2基端部67Aは、挿入凹部62Aを挟んで互いに異なる側に配置される。
第1傾斜部67C及び第2傾斜部67Dは、第2対向端部670のうち第2基端部67Aと第2先端部67Bとの間の一部に対応する。第1傾斜部67C及び第2傾斜部67Dは、夫々、挿入方向S1に対して傾斜する。より詳細には、次の通りである。図22に示すように、第1傾斜部67Cの一部は、延伸方向Sにおいて軸線6Aよりも開口部620B側に配置される。第1傾斜部67Cは、挿入方向S1に対して軸線6Aから離隔する向きS21に傾斜する。第2傾斜部67Dの一部は、延伸方向Sにおいて軸線6Aよりも開口部620B側と反対側に配置される。第2傾斜部67Dは、第1傾斜部67Cに対して、第2先端部67B側に隣接する。第2傾斜部67Dは、挿入方向S1に対して軸線6Aに近接する向きS22に傾斜する。以下、第1傾斜部67C及び第2傾斜部67Dを総称し、傾斜部672という。
第1アーム部材66の第1傾斜部66Cと、第2アーム部材67の第1傾斜部67Cは、軸線6Aを挟んで前後方向に対向する。第1アーム部材66の第2傾斜部66Dと、第2アーム部材67の第2傾斜部67Dは、軸線6Aを挟んで前後方向に対向する。
図21に示すように、第1ばね681、682は、基部61の側面部63Bと第1アーム部材66との間に介在する。第2ばね691、692は、基部61の側面部63Cと第2アーム部材67との間に介在する。第1ばね681、682は、軸線6Aの延びる方向に配列する。第2ばね691、692は、軸線6Aの延びる方向に配列する。第1ばね681、682及び第2ばね691、692は、同一特性を有する圧縮ばねである。第1ばね681、682及び第2ばね691、692の圧縮量は同一である。
第1ばね681、682は、第1アーム部材66が第2アーム部材67に近接する向きに第1アーム部材66を付勢する。第2ばね691、692は、第2アーム部材67が第1アーム部材66に近接する向きに第2アーム部材67を付勢する。第1ばね681、682が第1アーム部材66を付勢する場合の付勢力と、第2ばね691、692が第2アーム部材67を付勢する場合の付勢力とは一致する。図20、図21に示すように、側面部63Aには、挿入方向S1の反対方向に突出して左右方向に延びるリブ630が設けられる。リブ630は、先端ほど厚みが小さくなるテーパ面が形成されている。第1アーム部材66の下端部の後面は、第1ばね681、682の付勢力により、リブ630のテーパ面の前面に当接している。同様に、第2アーム部材67は、第2ばね691、692の付勢力により、下端部の前面がリブ630のテーパ面の後面に当接している。
図24に示すように、第1アーム部材66は、第2アーム部材67側に突出した第1凸部66Eを有する。第1凸部66Eは、第1アーム部材66の第1対向端部660のうち、第1傾斜部66Cに対して第1基端部66A側に隣接する。第1アーム部材66の回転軸661と、第1傾斜部66Cと第2傾斜部66Dの接続点とを結ぶ直線T1を定義する。この場合、第1凸部66Eの突出量Q1は、直線T1と第1凸部66Eとの間の距離として定義される。
第2アーム部材67は、第1アーム部材66側に突出した第2凸部67Eを有する。第2凸部67Eは、第2アーム部材67の第2対向端部670のうち、第1傾斜部67Cに対して第2基端部67A側に隣接する。第2アーム部材67の回転軸671と、第1傾斜部67Cと第2傾斜部67Dの接続点とを結ぶ直線T2を定義する。この場合、第2凸部67Eの突出量Q2は、直線T2と第2凸部67Eとの間の距離として定義される。この場合、第2凸部67Eの突出量Q2の方が、第1凸部66Eの突出量Q1よりも大きい。
図23に示すように、案内部材8Aにより下方に案内されたケーブル19は、開口部620Bから挿入凹部62Aに進入する。この時、ケーブル19は、案内部材8Aの傾斜面81A、82Aに沿って案内される時の方向に倣い、後斜め後方に移動しながら進入する。このためケーブル19は、最初に、第2アーム部材67の第2凸部67E(図24参照)に接触し、第2ばね691、692の付勢力に抗して第2アーム部材67を後方に移動させる。ケーブル19は、第2凸部67Eに接触することにより下方に誘導される。
次いで、ケーブル19は、第1アーム部材66の第1凸部66E(図24、図25参照)に接触し、第1ばね681、682の付勢力に抗して第1アーム部材66を前方に移動させる。ケーブル19は更に下方に移動する。図24、図25に示すように、ケーブル19は、第1アーム部材66の傾斜部662と、第2アーム部材67の傾斜部672との間に前後方向から挟持され、保持される。以下、第1アーム部材66及び第2アーム部材67により保持されたケーブル19の位置を、巻付位置Pmという。巻付位置Pmに配置されたケーブル19の長手方向は、左右方向に延び、ケーブル19の挿入方向S1と直交する。
図24に示すように、直径の相対的に小さいケーブル19Aが挿入凹部62Aに挿入された場合を例示する。この場合、ケーブル19Aは、第1アーム部材66及び第2アーム部材67の各々の第1傾斜部66C、67C及び第2傾斜部66D、67Dが接触した状態で保持される。第1アーム部材66及び第2アーム部材67によってケーブル19Aが保持された状態で、巻付機構6の回転中心に対応する軸線6Aと、ケーブル19Aの中心線Cとは略一致する。
一方、図25に示すように、直径の相対的に大きいケーブル19Bが挿入凹部62Aに挿入された場合を例示する。この場合、ケーブル19Bは、第1アーム部材66及び第2アーム部材67の夫々の第1傾斜部66C、67Cと、挿入凹部62Aの底部620Aとによって挟まれた状態で保持される。第1アーム部材66、第2アーム部材67、及び、挿入凹部62Aの底部620Aによってケーブル19Aが保持された状態で、巻付機構6の回転中心に対応する軸線6Aと、ケーブル19Bの中心線Cとは略一致する。つまり、巻付機構6は、ケーブル19の直径に関わらず、常に、ケーブル19の中心線Cと軸線6Aとが略一致した状態で、ケーブル19を保持できる。なお、図25では、ラベル10Aの図示を省略しているので、ケーブル19と底部620Aとの間には、ラベル10Aの厚み分の僅かな隙間がある。
又、図24に示すように、ケーブル19は、ラベル10Aと共に挿入凹部62Aに挿入される。ケーブル19が巻付位置Pmに保持された状態で、第1アーム部材66及び第2アーム部材67とケーブル19との間に、ラベル10Aが介在する。ケーブル19の下側略半分の領域、つまり、ケーブル19の外周面の略下半分に、ラベル10Aが巻き付いて貼付された状態になる。ラベル巻付装置1Aは、この状態でモータ96B(図34参照)の駆動により巻付機構6を回転させる。巻付機構6は、軸線6Aを中心としてケーブル19の周囲を回転する。この場合、巻付位置Pmに配置されたケーブル19の周囲にラベル10Aが巻き付くように誘導される。これにより、ケーブル19にラベル10Aが巻き付けられ貼付される。
<巻付センサ69>
図20に示すように、基部61の側面部63Aに対して前方近傍に、外方に突出する突出部69Aが設けられる。フレーム11の側板11B(図1参照)のうち基部61の前斜め下方に、巻付センサ69が設けられる。巻付センサ69は、突出部69Aが近接したことを検出可能な接触式の位置センサである。巻付センサ69は、突出部69Aが離隔した状態の時、CPU91A(図34参照)に対してOFF信号を出力する。巻付センサ69は、突出部69Aが近接した場合、CPU91A(図34参照)に対してON信号を出力する。このため、CPU91Aは、巻付センサ69がON信号を出力した回数を累計することによって突出部69Aの接触回数を検出し、巻付機構6の回転数を特定できる。
なお、巻付センサ69に突出部69Aが近接した状態で、巻付機構6は初期位置に配置される。従って、CPU91Aは、巻付センサ69がON信号を出力した場合、巻付機構6が初期位置に配置されていると判定できる。
<保持部材7>
図1、図2に示すように、保持部材7は、保持部材7A、7Bを有する。保持部材7Aは、巻付機構6(図20等参照)に対して右側に配置される。側板11Aの右面に連結するカバー117A、118Aは、保持部材7Aの下部を右方から覆う。保持部材7Bは、巻付機構6(図20等参照)に対して右側に配置される。側板11Bの左面に連結するカバー117B、118Bは、(図2参照)は、保持部材7Bの下部を左方から覆う。保持部材7A、7Bは、ラベル巻付装置1Aの左右方向の中心を通って左右方向と直交する対称面に対し、左右対称の構造を有する。
保持部材7A、7Bは、巻付機構6の挿入凹部62A(図20参照)に進入したケーブル19を、左右方向に離れた2つの位置で巻付位置Pm(図23参照)まで下方に案内し、巻付位置Pmにケーブル19を保持する。以下では、保持部材7Aの詳細について説明し、保持部材7Bの説明は省略する。
図26-図28に示すように、保持部材7Aは、第1挟み部材71、第2挟み部材72、及び、付勢部73(図28参照)を備える。図27、図28に示すように、第1挟み部材71は、案内部材8Aの右側の第2部82の後方から後斜め下方に延び、途中で前方に屈曲して前斜め下方に更に延びる。第2挟み部材72は、案内部材8Aの右側の第2部82の下方から、後斜め下方に延びる。第1挟み部材71及び第2挟み部材72は、下端近傍で交差する。第1挟み部材71及び第2挟み部材72は、互いに交差する点を通過して左右方向に延びる揺動軸70を中心として揺動可能に支持される。揺動軸70は、フレーム11の側板11Aに設けられ、右方に延びる。揺動軸70は、巻付機構6がラベル10Aを巻き付ける時のケーブル19の位置である巻付位置Pmに対して下方に離隔した位置に設けられる。
側板11Aのうち揺動軸70の下方に、右方に突出する突出部110が設けられる。第1挟み部材71の下端部は、突出部110に対して後方から当接する。第2挟み部材72の下端部は、突出部110に対して前方から当接する。第1挟み部材71及び第2挟み部材72は、後述する付勢部73の付勢力により、夫々の下端部が突出部110に当接した位置に保たれる。
図26に示すように、カバー117Aは、第1挟み部材71及び第2挟み部材72の夫々の下部を覆う。カバー117Aは、下方に向けて凹んだ凹部119Aを有する。巻付位置Pmは、凹部119Aの底部に配置される。
以下、図27、図28に示すように、第1挟み部材71の前端部のうち揺動軸70よりも上方の部位を、第1対向部710という。第2挟み部材72の後端部のうち揺動軸70よりも上方の部位を、第2対向部720という。第2挟み部材72の第2対向部720は、第1挟み部材71の第1対向部710に対して前方に配置される。保持部材7は、第1挟み部材71の第1対向部710と、第2挟み部材72の第2対向部720との間の隙間により、ケーブル19を巻付位置Pmまで下方に案内し、且つ、巻付位置Pmにケーブル19を保持する。
図26-図28に示すように、第1挟み部材71は、第1対向部710の上端部に第1傾斜部711を有する。第1傾斜部711は、上下方向に対して傾斜した方向、より具体的には、先端に向けて後斜め上方に延びる。第1傾斜部711は、第2部82の傾斜面82Aに対して後方に配置される。第1傾斜部711及び傾斜面82Aの前後方向の間隔は、上方に向かう程大きくなる。即ち、第1傾斜部711は、上方に向かう程、傾斜面82Aとの間の間隔が大きくなるように傾斜する。同様に、傾斜面82Aは、上方に向かう程、第1傾斜部711との間の間隔が大きくなる向きに傾斜する。
第2挟み部材72は、第2対向部720の上端部に第2傾斜部721を有する。第2傾斜部721は、上下方向に対して傾斜した方向、より具体的には、先端に向けて前斜め上方に延びる。つまり、第2傾斜部721は、上方に向かう程第1挟み部材71から離隔する向きに傾斜する。一方、第1傾斜部711は、上方に向かう程第2挟み部材72から離隔する向きに傾斜する。
第2傾斜部721は、第1挟み部材71の第1傾斜部711よりも下方、且つ、巻付位置Pmよりも上方に設けられる。つまり、第1傾斜部711と巻付位置Pmとの間の上下方向の間隔の方が、第2傾斜部721と巻付位置Pmとの間の上下方向の間隔よりも大きい。
図28に示すように、付勢部73は、揺動軸70に巻回されたねじりばねである。付勢部73の一端部73Aは、第1挟み部材71の内部に接続する。付勢部73の他端部73Bは、第2挟み部材72の内部に接続する。付勢部73は、第1挟み部材71を反時計回り方向に付勢し、第2挟み部材72を時計回り方向に付勢する。これにより、付勢部73は、第1対向部710と第2対向部720とが互いに近接する向きに、第1挟み部材71及び第2挟み部材72を付勢する。第1挟み部材71及び第2挟み部材72は、付勢部73の付勢力により、夫々の下端部が突出部110に当接した位置(以下、元の位置)に保たれる。
図29、図30に示すように、第1挟み部材71は、第1対向部710のうち第2挟み部材72の第2対向部720と交差する位置に対して上方近傍に、誘導部76を有する。誘導部76は、傾斜部76A、76B、及び、変曲部76Cを有する。傾斜部76Aは後斜め下方向に延び、傾斜部76Bは前斜め下方に延びる。傾斜部76Aの下端と、傾斜部76Bの上端とは、変曲部76Cにて連結する。変曲部76Cにおける傾斜部76A、76Bのなす角度は、略150°である。傾斜部76Bには、複数の凹部761が形成される。
第2挟み部材72は、第2対向部720のうち第1挟み部材71の第1対向部710と交差する位置に対して上方近傍に、誘導部77を有する。誘導部77は、傾斜部77A、77B、及び、変曲部77Cを有する。傾斜部77Aは前斜め下方向に延び、傾斜部76Bは後斜め下方に延びる。傾斜部77Aの下端と、傾斜部77Bの上端とは、変曲部77Cにて連結する。変曲部77Cにおける傾斜部77A、77Bのなす角度は、略150°である。傾斜部77Bには、複数の凹部771が形成される。
図31、図32に示すように、第1挟み部材71のうち開閉部材5に近接する側の面である内面に、内方に突出する突出部71Dが設けられる。突出部71Dは、開閉部材5の側板部51Cから外方に突出する突出部51Dの前方に位置する。突出部51D、71Dは、巻付機構6の挿入凹部62Aに対して左右方向の外側に配置される。
ケーブル19がラベル巻付装置1Aに装着される場合、ケーブル19は、案内部材8Aの82Aに沿って後斜め下方に誘導され、第1挟み部材71の第1傾斜部711に向けて案内される。ケーブル19は、第1傾斜部711に接触し、付勢部73の付勢力に抗して第1挟み部材71を時計回り方向に揺動させる。ケーブル19は、第1傾斜部711に接触することにより前斜め下方に誘導され、巻付機構6の挿入凹部62Aに進入する。
次いで、ケーブル19は、第2挟み部材72の第2傾斜部721に接触し、付勢部73の付勢力に抗して第2挟み部材72を反時計回り方向に揺動させる。ケーブル19は、第2傾斜部721に接触することにより下方に誘導される。ケーブル19は、第1挟み部材71の第1対向部710と、第2挟み部材72の第2対向部720とによって前後方向両側から挟まれた状態で、下方に移動する。
図29、図30に示すように、第1挟み部材71の誘導部76、及び、第2挟み部材72の誘導部77は、ケーブル19を前後方向から挟む。誘導部76の傾斜部76A、及び、誘導部77の傾斜部77Aは、付勢部73の付勢力に応じた下向きの力を、ケーブル19に付与する。これにより、ケーブル19は、下方の巻付位置Pmに向けて誘導される。
ケーブル19が巻付位置Pmに到達するまでの間、第1挟み部材71及び第2挟み部材72は、付勢部73の付勢力により、夫々元の位置に戻る方向に揺動する。又、誘導部76の傾斜部76B、及び、誘導部77の傾斜部77Bは、ケーブル19の更なる下方への移動を規制する。これによりケーブル19は、第1挟み部材71及び第2挟み部材72の誘導部76、77によって前後方向から挟まれ、巻付位置Pmで保持される。
ここで、巻付位置Pmに配置されたケーブル19の中心線Cは、誘導部76の変曲部76Cと誘導部77の変曲部77Cとの間を結ぶ直線Zに近接する。このため、直径の相対的に小さいケーブル19Aが保持された場合(図29参照)と、直径の相対的に大きいケーブル19Bが保持された場合(図30参照)とで、ケーブル19の中心線Cの位置は略一致する。なお、第1挟み部材71及び第2挟み部材72により保持された状態のケーブル19の中心線Cの位置は、巻付機構6の回転中心に対応する軸線6A(図24、図25参照)の位置と略一致する。
一方、ケーブル19がラベル巻付装置1Aから脱離される場合、巻付位置Pmにあるケーブル19に対して上側に力が加えられる。巻付機構6の挿入凹部62Aからケーブル19が退出する過程で、第1挟み部材71の傾斜部76A、及び第2挟み部材72の傾斜部77Aにケーブル19が下方から接触する。第1挟み部材71は、傾斜部76Aに対してケーブル19から力が加えられることに応じ、付勢部73の付勢力に抗して時計回り方向に揺動する。
この時、図31に示すように、第1挟み部材71の突出部71Dは、開閉部材5の突出部51Dに対して前方から接触し、開閉部材5を後方に押す。図32に示すように、開閉部材5は、第1位置から第2位置に向けて移動し、挿入凹部62Aの開口部620Bは開放する。ケーブル19は、開放された状態の開口部620Bを通過して、挿入凹部62Aから取り出される。
ケーブル19の退出後、第1挟み部材71は付勢部73の付勢力により反時計回り方向に回転し、元の位置に戻る。同時に、開閉部材5は第2位置から第1位置に移動し、挿入凹部62Aの開口部620Bは開閉部材5によって閉塞される。又、第2挟み部材72は付勢部73の付勢力により時計回り方向に回転し、元の位置に戻る。
<検知部26>
図2に示すように、保持部材7Aの右方に検知部26Aが設けられる。保持部材7Bの左方に検知部26Bが設けられる。検知部26A、26Bは、左右方向に離隔する。検知部26A、26Bの構成は同一である。以下、検知部26Aについて説明し、検知部26Bの説明は省略する。検知部26A、26Bを、検知部26と総称する。
図33に示すように、検知部26Aは、第1挟み部材71及び第2挟み部材72の揺動軸70に対して上方に配置され、カバー117Aの右面に配置される。検知部26は、接触式の変位センサであり、本体部27及び可動片28を有する。
本体部27は箱状をなし、カバー117Aの右面に固定される。カバー117Aの右方に設けたカバー118A(図26参照)は、本体部27を右方から覆う。可動片28は細長い板状をなし、本体部27から後斜め上方に向けて延びる。可動片28は、カバー117Aの凹部119Aの底部よりも上方に配置される。可動片28の下端部は、本体部27により揺動可能に支持される。本体部27は、可動片28が揺動して先端が下方に移動したことを検出可能なスイッチを内蔵する。
巻付機構6の挿入凹部62Aにケーブル19が挿入された場合、検知部26A、26Bの夫々の可動片28にケーブル19が接触する。可動片28は、巻付位置Pmにケーブル19Aが配置された状態で、ケーブル19により上方から押されて揺動し、先端が下方に移動する。検知部26A、26Bの夫々の本体部27は、可動片28が移動したことを検知し、ON信号をCPU91A(図34参照)に出力する。一方、検知部26A、26Bの夫々の本体部27は、可動片28が上方に移動した状態でOFF信号をCPU91Aに出力する。これにより、CPU91Aは、巻付位置Pmにあるケーブル19Aを、保持部材7Aの右方及び保持部材7Bの左方の両方で検知可能である。
<電気的構成>
図34を参照し、ラベル巻付装置1Aの電気的構成について説明する。ラベル巻付装置1Aは、CPU91A、ROM91B、RAM91C、フラッシュメモリ91D、及び入出力インタフェース91Eを備え、これらがデータバス92を介して接続される。CPU91Aは、ラベル巻付装置1Aを統括制御する。ROM91Bは、CPU91Aが各種プログラムの実行時に必要な定数を記憶する。RAM91Cは、CPU91Aが処理を実行する時に生成する一次的なデータを記憶する。フラッシュメモリ91Dは、CPU91Aが実行するプログラム、変数(第1距離H1、第2距離H2、ケーブル19の直径)等を記憶する。
入出力インタフェース91Eには、報知部93A、入力部93B、駆動回路95A、95B、検知部26A、26B、ラベル検出センサ46、巻付センサ69、及び外部インタフェース(I/F)94が接続される。報知部93Aは、ラベル巻付装置1Aの状態を示す画面を表示可能なLCDである。入力部93Bは、ラベル巻付装置1Aに対する操作を行う為のボタンである。駆動回路95Aは、モータ96Aを駆動するための電子回路である。駆動回路95Bは、モータ96Bを駆動するための電子回路である。外部I/F94は、非図示の外部端末94Aと接続して通信を行う。例えばCPU91Aは、外部端末94Aから受信したプログラムをフラッシュメモリ91Dに記憶することにより、プログラムを更新できる。外部端末94Aは、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)又は携帯端末である。
<メイン処理>
図35、図36を参照し、メイン処理について説明する。メイン処理は、ケーブル19にラベル10Aを巻き付ける動作を開始するための操作が、入力部93Bを介して入力された場合、フラッシュメモリ91Dに記憶されたプログラムをCPU91Aが読み出して実行することにより開始される。
図35に示すように、はじめにCPU91Aは、ラベル10Aの第1部分103(図37の第1距離H1(B)参照)、及び、第2部分104の第2距離H2(図37(B)参照)を、フラッシュメモリ91Dから読み出して取得する(S11)。第1部分103、第2部分104、第1距離H1、及び第2距離H2は、夫々次のように定義される。
図37(B)に示すように、搬送ローラ32によるラベル10Aの搬送が終了した後、ラベル巻付装置1Aにケーブル19が装着される過程で、ケーブル19が案内部材8Aに沿って巻付機構6に向けて下方に案内された場合を例示する。この場合、ラベル10Aの粘着面の一部(以下、貼付部10Cという。)にケーブル19が貼付される。以下、ラベル10Aの貼付部10Cにケーブル19が貼付された状態を、初期状態という。初期状態における場合のケーブル19の位置は、巻付位置Pmよりも上方に位置する。
第1部分103は、初期状態において、ラベル10Aの下流側の端部(以下、第1端部101という。)と、貼付部10Cとの間の部分に対応する。第1距離H1は、第1部分103の前後方向の距離に対応する。第2部分104は、初期状態において、ラベル10Aの上流側の端部(以下、第2端部102という。)と、貼付部10Cとの間の部分に対応する。第2距離H2は、第2部分104の前後方向の距離である。第1距離H1は、第2距離H2よりも短い。なお初期状態において、貼付部10C、第1端部101、及び、第2端部102の夫々の位置は、ラベル巻付装置1Aにおける所定の位置として予め特定可能である。従って、第1距離H1及び第2距離H2は、ラベル巻付装置1Aの初期設定値として、予めフラッシュメモリ91Dに記憶される。
図35に示すように、CPU91Aは、ケーブル19の直径をフラッシュメモリ91Dから読み出して取得する(S13)。なお、例えばユーザは、ラベル巻付装置1Aに接続した外部端末94Aを介して、ラベル巻付装置1Aにケーブル19の直径を予め入力してもよい。CPU91Aは、外部I/F94を介してケーブル19の直径を受信し、フラッシュメモリ91Dに記憶してもよい。CPU91Aは、S13の処理を実行する場合、上記のようにしてフラッシュメモリ91Dに予め記憶したケーブル19の直径を読み出して取得してもよい。
CPU91Aは、S11の処理によって取得した第1距離H1及び第2距離H2と、S13の処理によって取得したケーブル19Aの直径とに基づき、第1所定量及び第2所定量を決定する(S15)。第1所定量は、後述のS33(図36参照)の処理によって巻付機構6を時計回り方向(第1方向Y81という。図37(E)参照)に回転させるときの回転量である。第1所定量は、巻付機構6の回転角度を示す。第2所定量は、後述のS35(図36参照)の処理によって巻付機構6を反時計回り方向(第2方向Y83という。図37(F)参照)に回転させるときの回転量である。第2所定量は、巻付機構6の回転数を示す。第1所定量及び第2所定量の決定方法については後述する。
CPU91Aは、検知部26A、26Bの何れかによりケーブル19が検知され、検知部26A、26Bの何れかからON信号が出力されたか判定する(S17)。なお、この状態でラベル10Aの剥離及び搬送が完了しておらず、ケーブル19にラベル10Aを巻き付けて貼付するための準備が完了していない。このため、CPU91Aは、検知部26A、26Bの何れかからON信号が出力されたと判定した場合(S17:YES)、処理をS55(図36参照)に進める。図36に示すように、CPU91Aは、ケーブル19にラベル10Aを巻き付ける動作を開始できない旨を通知する為に、報知部93Aにメッセージを表示してユーザに報知する(S55)。CPU91Aは、メイン処理を終了させる。
一方、巻付位置にケーブル19が配置されていない場合、ケーブル19にラベル10Aを巻き付けて貼り付ける動作の開始が可能である。図35に示すように、CPU91Aは、検知部26A、26Bの両方からOFF信号が出力されたと判定した場合(S17:NO)、処理をS19に進める。
CPU91Aは、巻付機構6が初期位置に配置されているか否かを、巻付センサ69からの出力信号に応じて判定する。CPU91Aは、巻付センサ69がOFF信号を出力した場合、巻付機構6が初期位置に配置されていないと判定する(S19:NO)。この場合、CPU91Aは、駆動回路95Bを制御し、巻付機構6が回転するようにモータ96Bを回転させる(S21)。CPU91Aは、処理をS19に戻し、巻付センサ69からの出力信号を継続して監視する。CPU91Aは、巻付センサ69がON信号を出力した場合、巻付機構6が初期位置に配置されていると判定する(S19:YES)。この場合、巻付機構6の挿入凹部62Aの開口部620Bは上方を向いているので、ケーブル19を挿入凹部62Aに挿入させることが可能な状態となっている。CPU91Aは、駆動回路95Bを制御してモータ96Bの回転を停止させ、巻付機構6の回転を停止させる。CPU91Aは、処理をS23に進める。
CPU91Aは、駆動回路95Aを制御してモータ96Aの回転を開始する(S23)。モータ96Aの回転駆動力が伝達部97の複数のギヤ970を介して剥離ローラ31に伝達され、剥離ローラ31の回転が開始される。図6に示すように、剥離ローラ31は、回転により、従動ローラ33との間に挟持された剥離紙10Bを矢印Y11の方向に搬送し、ロール100からラベルテープ10を矢印Y12の方向に繰り出す。剥離板37の剥離点370で剥離紙10Bが屈曲することに応じ、剥離紙10Bからラベル10Aが剥離する。剥離されたラベル10Aは、矢印Y13の方向に押し出される。ラベル10Aは搬送ローラ32及び従動ローラ34の間に進入する。
又、モータ96Aの回転駆動力が伝達部98の複数のギヤ980及びワンウェイクラッチ98Aを介して搬送ローラ32に伝達され、搬送ローラ32の回転が開始される。搬送ローラ32は、回転により、第3搬送経路R3に沿ってラベル10Aを搬送方向(矢印Y14の方向)に搬送する。
CPU91Aは、第3搬送経路R3のうち矯正部材4の位置に設けられたラベル検出センサ46がON信号を出力したか判定する(S25)。ラベル検出センサ46がOFF信号を出力した状態の時、剥離紙10Bから剥離されたラベル10Aの下流側の端部である第1端部101(図37(B)参照)が矯正部材4の位置を通過していないことになる。このため、CPU91Aは、ラベル検出センサ46からOFF信号が出力されたと判定した場合(S25:NO)、S25に処理を戻し、ラベル検出センサ46の出力信号を継続して監視する。
一方、剥離紙10Bから剥離されたラベル10Aの第1端部101が矯正部材4の位置を通過したことに応じ、ラベル検出センサ46はON信号を出力する。CPU91Aは、ラベル検出センサ46からON信号が出力されたと判定した場合(S25:YES)、ラベル10Aの搬送停止のタイミングを決定する(S27)。
より詳細には、CPU91Aは、ラベル検出センサ46のアクチュエータ46Aから規制部8Bまでの間の前後方向の長さ分、搬送ローラ32によりラベル10Aを搬送するのに要する搬送時間を算出する。CPU91Aは、現時点から搬送時間経過後のタイミングを、ラベル10Aの搬送停止のタイミングとして決定する。これにより、CPU91Aは、ラベル10Aの第1端部101がラベル検出センサ46の位置を通過してから、ラベル10Aの第1端部101が規制壁86に接触するまでラベル10Aを搬送した後停止できる(S27)。このタイミングで、ラベル10Aの搬送が停止された場合、巻付機構6の挿入凹部62Aの開口部620Bよりも下流側にラベル10Aの第1端部101が位置することになる。
CPU91Aは、S27の処理によって決定した搬送停止のタイミングに応じて駆動回路95Aを制御し、S19の処理により開始したモータ96Aの回転を停止させる(S29)。これにより、搬送ローラ32の回転は停止される。図36(A)に示すように、ラベル10Aは、巻付機構6の挿入凹部62Aの開口部620Bを塞ぐ位置まで搬送された後、停止する。
又、モータ96Aの回転停止に応じ、剥離ローラ31の回転も停止される。この状態で、ラベル10Aの上流側の端部である第2端部102は、剥離板37よりも下流側に位置する。つまり、ラベル10Aは、第1端部101から第2端部102までの全域に亘って、剥離紙10Bから既に剥離された状態となる。更に、ラベルテープ10のうちラベル10Aの次のラベル10A´の下流側の端部の一部は、剥離板37により剥離された状態となる。
図36(A)に示すように、ユーザは、ラベル10Aを巻き付けるためのケーブル19をラベル巻付装置1Aに装着する為、案内部材8Aの上方にケーブル19を配置する。図36(B)に示すように、ユーザは、案内部材8Aの傾斜面81A、82Aに沿ってケーブル19を下方に移動させる(矢印Y71)。ケーブル19は、案内部材8Aにより巻付機構6の挿入凹部62Aに向けて案内される過程で開閉部材5のリブ53に接触する。開閉部材5の下端部に外力が付与される。開閉部材5は、付勢部56の付勢力に抗して第1位置から第2位置に移動する(矢印Y73)。これにより、巻付機構6の開口部620Bは、開閉部材5により閉塞された状態(図37(A)参照)から、開放された状態(図37(B)参照)に切り替えられる。ラベル10Aの貼付部10Cにケーブル19が貼付される。
図37(C)に示すように、更にユーザはケーブル19を下方に移動させる。これによりケーブル19は、開口部620Bを通過して巻付機構6の挿入凹部62Aに上方から挿入される(矢印Y75)。図37(D)に示すように、ケーブル19は、挿入凹部62A内を挿入方向S1(図22参照)に沿って、開口部620Bから底部620Aまで移動する(矢印Y77)。ケーブル19は、保持部材7の第1挟み部材71及び第2挟み部材72(図26等参照)、及び、巻付機構6の第1アーム部材66及び第2アーム部材67により挟持され、巻付位置Pmで保持される。又、ラベル10Aは貼付部10Cにおいてケーブル19に貼付された状態であるので、ケーブル19の移動に伴いラベル10Aも巻付機構6の挿入凹部62Aに挿入される。ラベル10Aの第2部分104は、第3搬送経路R3を下流側に移動し、挿入凹部62Aに進入する。なお、伝達部98のワンウェイクラッチ98Aは、モータ96Aの停止中に搬送ローラ32が回転する場合、モータ96Aと搬送ローラ32との間の連結を遮断する。このため、ラベル10Aの第2部分104の下流側への移動は、モータ96Aにより妨げられない。
ケーブル19が巻付位置Pmに保持された状態で、第1アーム部材66及び第2アーム部材67とケーブル19との間に、ラベル10Aが介在する。ケーブル19の下側略半分の領域に、ラベル10Aが巻き付いて貼付された状態になる。
巻付機構6の挿入凹部62Aにケーブル19が挿入されたことに応じ、開閉部材5の下端部に対するケーブル19からの力の付与が解消される。開閉部材5は、付勢部56の付勢力により、第2位置から第1位置に移動する(矢印Y79)。これにより、巻付機構6の開口部620Bは、開閉部材5により閉塞された状態に戻る。
図36に示すように、CPU91Aは、検知部26A、26Bの両方がON信号を出力したか判定する(S31)。検知部26A、26Bの両方がOFF信号を出力した状態の時、ケーブル19は挿入凹部62Aの底部620Aに到達しておらず、巻付位置Pmに配置されていないことになる。又、検知部26A、26Bの一方のみOFF信号を出力し、他方がON信号を出力した状態の時、ケーブル19は左右方向に対して傾斜しており、巻付位置Pmにケーブル19が正常な状態で配置されていないことになる。
このため、CPU91Aは、検知部26A、26Bの少なくとも一方がOFF信号を出力したと判定した場合(S31:NO)、処理をS51に進める。CPU91Aは、検知部26A、26Bの一方のみOFF信号を出力した状態であるか判定する(S51)。CPU91Aは、検知部26A、26Bの両方がOFF信号を出力した状態である場合(S51:NO)、処理をS27に戻し、検知部26A、26Bから出力される信号を継続して監視する。
一方、CPU91Aは、検知部26A、26Bの一方のみOFF信号を出力した状態であると判定した場合(S51:YES)、最初に検知部26A、26Bの一方のみOFF信号を出力した状態であると判定したタイミングから所定時間が経過したか判定する(S53)。CPU91Aは、所定時間が経過していないと判定した場合(S53:NO)、処理をS31に戻し、検知部26A、26Bから出力される信号を継続して監視する。一方、CPU91Aは、最初に検知部26A、26Bの一方のみOFF信号を出力した状態であると判定したタイミングから所定時間が経過したと判定した場合(S53:YES)、ケーブル19が正常に装着されていない旨を通知する為に、報知部93Aにメッセージを表示してユーザに報知する(S55)。CPU91Aは、メイン処理を終了させる。
一方、検知部26A、26Bの両方がON信号を出力した場合、ケーブル19は、検知部26A、26Bの2つの位置の夫々で巻付位置Pmに配置されていることになるので、巻付位置Pmに正常に配置されている。CPU91Aは、検知部26A、26Bの両方がON信号を出力したと判定した場合(S31:YES)、処理をS33に進める。
CPU91Aは、駆動回路95Bを制御し、第1方向Y81(図37(E)参照)に巻付機構6が回転するようにモータ96Bを回転させる(S33)。又、CPU91Aは、モータ96Bにより回転する巻付機構6の回転速度が第1速度となるよう、駆動回路95Bを制御する。CPU91Aは、S15の処理により決定した第1所定量(回転角度)だけ巻付機構6を回転させた後、巻付機構6の回転を停止させる(S35)。
図37(E)に示すように、巻付機構6が第1方向Y81に回転することにより、ラベル10Aの第1部分103が、第1挟み部材71によりケーブル19に巻き付けられて貼付される。なお、巻付機構6が第1方向Y81に回転する場合の第1所定量は、ラベル10Aの第1部分103をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転量に対応する。即ち、CPU91Aは、S15(図35参照)の処理によって、ラベル10Aの第1部分103をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転角度を、ケーブル19の直径と、第1部分103の長さに対応する第1距離H1(図37(B)参照)とに基づいて決定する。
次にCPU91Aは、駆動回路95Bを制御し、第2方向Y83(図37(F)参照)に巻付機構6が回転するようにモータ96Bを回転させる(S37)。又、CPU91Aは、モータ96Bにより回転する巻付機構6の回転速度が、第1速度よりも速い第2速度となるよう、駆動回路95Bを制御する。
CPU91Aは、S15の処理により決定した第2所定量(回転数)だけ巻付機構6が回転したか否かを、巻付センサ69がON信号を出力した回数に基づいて判定する。CPU91Aは、巻付センサ69がON信号を出力した場合、巻付機構6の回転数として累計する。CPU91Aは、累計した回転数が第2所定数未満の場合(S39:NO)、処理をS37に戻し、第2方向Y83に巻付機構6を回転させる制御を継続する。CPU91Aは、累計した回転数が第2所定数以上の場合(S39:YES)、駆動回路95Bを制御し、巻付機構6の回転を停止させる(S41)。CPU91Aは、処理をS11に戻す。
図37(F)に示すように、巻付機構6が第2方向Y83に回転することにより、ラベル10Aの第2部分104が、第1挟み部材71及び第2挟み部材72によりケーブル19に巻き付けられて貼付される。又、巻付機構6が第2方向Y83に回転する場合の第2所定量は、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転量に対応する。即ち、CPU91Aは、S15の処理によって、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転数を、ケーブル19の直径と、第2部分104の長さに対応する第2距離H2(図37(B)参照)とに基づいて決定する。
ラベル10Aが巻き付けられ貼付されたケーブル19は、ラベル巻付装置1Aから脱離する為に、巻付位置Pmから上方に移動される。巻付機構6の挿入凹部62Aからケーブル19が退出する過程で、第1挟み部材71の傾斜部76Aにケーブル19が下方から接触し、第1挟み部材71は時計回り方向に揺動する。この時、図31に示すように、第1挟み部材71の突出部71Dは、開閉部材5の突出部51Dに対して前方から接触し、開閉部材5を後方に押す。図32に示すように、開閉部材5は、第1位置から第2位置に向けて移動し、挿入凹部62Aの開口部620Bは開放する。ケーブル19は、開放された状態の開口部620Bを通過して、挿入凹部62Aから取り出される。
ケーブル19の退出後、第1挟み部材71は付勢部73の付勢力により反時計回り方向に回転し、第2挟み部材72は付勢部73の付勢力により時計回り方向に回転して、夫々元の位置に戻る。又、開閉部材5は、付勢部56の付勢力により第2位置から第1位置に移動し、巻付機構6の挿入凹部62Aの開口部620Bを閉塞する。
<本実施形態の作用、効果>
ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6を第1方向Y81と第2方向Y83に回転させることにより、ケーブル19にラベル10Aを巻き付ける(S33、S37)。この場合、ラベル巻付装置1Aは、はじめに巻付機構6を第1方向Y81に回転させることにより、ケーブル19に対するラベル10Aの一部の浮きを解消する。次いでラベル巻付装置1Aは、巻付機構6を第2方向Y83に回転させることにより、ケーブル19に対してラベル10Aの残りの部分を巻き付ける。この場合、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19に対するラベル10Aの浮きがない状態で、ケーブル19にラベル10Aを巻き付けることができる。従って、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19にラベル10Aを正確に巻き付けることができる。
ラベル巻付装置1Aは、初期状態においてラベル10Aの第1部分103がケーブル19から浮いている場合、巻付機構6を第1方向Y81に回転させることでこの浮きを解消できる。次いでラベル巻付装置1Aは、巻付機構6を第2方向Y83に回転させることで、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けることができる。
なお、ラベル10Aの貼付部10Cにケーブル19が貼付される場合において、ラベル10Aの第1端部101の近傍が貼付部10Cとして設定されると、貼付に失敗してラベル巻付装置1Aがラベル10Aの巻き付けを開始できない可能性がある。このため、ラベル10Aにおいて貼付部10Cと第1端部101との間の第1部分103の長さは、ある程度確保されることが好ましい。これに対し、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19に対するラベル10Aの巻き付けの初期段階で、ラベル10Aの第1部分103が浮いてしまうことを、巻付機構6を第1方向Y81に回転させることにより抑制できる。更に、ラベル巻付装置1Aは、次の段階で巻付機構6を第2方向Y83に回転させることにより、第1部分103の浮きが解消された状態で第2部分104をケーブル19に適切に貼付できる。
ラベル巻付装置1Aは、初期状態においてラベル10Aの第1部分103がケーブル19から浮いている場合、この浮きを解消する為に必要となる巻付機構6の第1方向Y81の回転量を、第1所定量として決定できる(S15)。又、ラベル巻付装置1Aは、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付ける為に必要となる巻付機構6の第2方向Y83の回転量を、第2所定量として決定できる(S15)。これらの場合、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19にラベル10Aを巻き付けるのに必要十分な量の回転量を決定できるので、ケーブル19に対するラベル10Aの巻き付けを短時間で効率よく実行できる。又、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19の直径と第1距離H1とに基づき、適切な第1所定量を正確に決定できる。又、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19の直径と第2距離H2とに基づき、適切な第2所定量を正確に決定できる。
ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6を第1方向Y81に回転する時の回転速度である第1速度よりも、巻付機構6を第2方向Y83に回転する時の回転速度である第2速度を速くする。ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6の第1方向Y81の回転速度を相対的に低速とすることによって、所望のタイミングで精度良く巻付機構6の回転を停止させることができる。このため、ラベル10Aの第1部分103の距離である第1距離H1が短い場合でも、第1部分103をケーブル19に効率よく巻き付け、ラベル10Aの浮きを解消できる。又、ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6の第2方向Y83の回転速度を相対的に高速とすることによって、ケーブル19に対するラベル10Aの巻き付けに要する時間を短縮できる。このため、ラベル10Aの第2部分104の距離である第2距離H2が長い場合でも、ケーブル19に対するラベル10Aの巻き付けを短時間で行うことができる。
ラベル10Aが巻付機構6により巻き付けられる場合の巻付位置Pmは、ケーブル19の中心線Cと巻付機構6の回転中心に対応する軸線6Aが略一致する位置である。一方、ラベル巻付装置1Aに対してケーブル19が装着される初期状態において、ラベル10Aの貼付部10Cがケーブル19に貼付される位置は、巻付位置Pmとは異なる。この場合、ラベル10Aがまっすぐに伸びた状態で貼付部10Cにケーブル19を貼付できるので、ラベル10Aの貼付部10Cにケーブル19を確実に貼付できる。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19にラベル10Aを巻き付ける際、最初に、巻付機構6を、第1方向Y81と第2方向Y83とに交互に繰り返し回転してもよい。ラベル巻付装置1Aは、交互に繰り返し回転する動作によってラベル10Aの第1部分103をケーブル19に貼付した後、巻付機構6を第2方向Y83に回転し、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けてもよい。ラベル10Aの第1部分103の第1距離H1と、第2部分104の第2距離H2とは同程度であってもよい。
第1所定量及び第2所定量は、ケーブル19の直径に関わらず一定の値としてもよい。第1所定量は、ラベル10Aの第1部分103をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転量より僅かに大きくてもよい。第2所定量は、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転量より大きくてもよい。例えば第2所定量は、ラベル10Aの第2部分104をケーブル19に巻き付けるのに必要な回転量を数倍した値でもよい。この場合、ラベル巻付装置1Aは、ケーブル19に対してラベル10Aを強固に巻き付けて貼付できる。
ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6を第1方向Y81に回転させる場合の第1速度と、巻付機構6を第2方向Y83に回転させる場合の第2速度とを、夫々、ラベル10Aの第1部分103の第1距離H1、及び、第2部分104の第2距離H2に応じて決定してもよい。より具体的には、ラベル巻付装置1Aは、第1距離H1が短い程、第1速度を遅くし、第2距離H2が長い程、第2距離を速くしてもよい。第1速度及び第2速度は、外部端末94Aを介してユーザが設定可能としてもよい。第1速度及び第2速度は同一速度でもよい。第1速度の方が第2速度よりも速くてもよい。
初期状態におけるケーブル19の位置と、巻付機構6によりラベル10Aが巻き付けられる場合のケーブル19の位置である巻付位置Pmとが一致していてもよい。例えば、ラベル巻付装置1Aは、巻付機構6の巻付位置Pmでラベル10Aの貼付部10Cにケーブルを貼付してもよい。
ラベル巻付装置1Aは、ラベル10Aに対して印刷を行うことが可能な印刷部を備えてもよい。印刷部は、ラベルテープ10のラベル10Aに印刷を行ってもよい。ラベル巻付装置1Aは、印刷装置により印刷されたラベル10Aを、ケーブル19に巻き付けてもよい。
<その他>
モータ96Bは、本発明の「駆動部」の一例である。CPU91Aは、本発明の「制御部」の一例である。S33の処理は、本発明の「第1制御」の一例である。S37の処理は、本発明の「第2制御」の一例である。