以下、添付図面を参照して、吸収線量管理装置及び吸収線量管理方法の実施形態を詳細に説明する。以下に示される実施形態は例示に過ぎず、実施形態に示された構成に限定されない。
以下の実施形態において、インターベンション手術中にX線を放射するものを例として説明し、例えば心臓血管造影及び治療、消化器系の造影、関節造影及び生検などに適用できる。但し、上述の列挙は例示に過ぎず、医療スタッフが参加して放射線を受ける可能性がある場合であれば、何れも適用できる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100を有する吸収線量管理システム1000を示す模式図である。
図1に示すように、吸収線量管理システム1000は、患者を撮影する放射線画像撮影装置である放射線画像診断装置200と、医療スタッフが受けた放射線の線量を管理する吸収線量管理装置100とを備える。
放射線画像診断装置200の構成としては、患者を仰向きの姿勢で撮影する構成を用いてもよいが、患者を横向きの姿勢で撮影する構成を用いてもよい。
放射線画像診断装置200は、スキャンパラメータ設定部201と、放射線照射部202とを備える。そのうち、スキャンパラメータ設定部201は医療スタッフにより選択されたスキャンプロトコルに基づいて、スキャンプロトコルに対応するスキャンパラメータを設定する。当該スキャンプロトコルは所定のスキャンタスクを実行するための複数のスキャンパラメータの集合であり、一般的にはスキャンプロトコルが1つのスキャンタスクであるとも理解できる。スキャンプロトコルが特定された場合、それに対応する複数のスキャンパラメータも特定され、複数のスキャンパラメータの初期値は予め定義される。スキャン中には各スキャンパラメータの初期値を用いてスキャンすることができるが、医療スタッフにより入力される値を用いてスキャンすることもできる。但し、医療スタッフが実際の状況に応じてスキャンパラメータの初期値を調整して入力することが好ましい。
放射線照射部202は、照射モジュール(図示しない)と、管理モジュール(図示しない)とを備える。照射モジュールは、スキャンパラメータ設定部201により設定された各スキャンパラメータの値を受信し、当該スキャンパラメータの値に基づいて、X線管球などのX線放射部から放射線を放出して患者へ照射し、管理モジュールは、放射線の照射実績を管理する。その後、図示が省略された放射線画像検出器で患者の放射線画像を示す放射線画像信号を検出して記憶することにより、放射線画像診断装置200は、患者の放射線画像に対して分析や画像処理を行う。
吸収線量管理装置100は、入力部(図示しない)と、ディスプレイ120と、記憶回路(図示しない)と、処理回路110とを備える。
入力部は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を有し、吸収線量管理装置100に対する各種操作の入力を操作者から受け付け、操作者から受け付けた指示や設定の情報を処理回路110に転送する。
ディスプレイ120は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路110による制御のもと、画像データを操作者に表示したり、入力部を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。例えば、ディスプレイ120は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等である。なお、ディスプレイ120は、表示部の一例である。
記憶回路は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであり、後述の処理回路110によって取得される各種情報を記憶する。また、記憶回路は、処理回路110による処理結果を記憶する。なお、記憶回路は、記憶部の実現手段の一例である。また、記憶回路は、吸収線量管理装置100がネットワーク上でアクセス可能であれば、吸収線量管理装置100に内蔵されていなくてもよい。
処理回路110は、吸収線量管理装置100の処理全体を制御する。具体的には、処理回路110は、入力部を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、各処理を制御する。
また、処理回路110は、線量空間分布情報取得機能102と、位置情報取得機能103と、線量情報取得機能104と、表示制御機能105とを備える。
線量空間分布情報取得機能102は、スキャンパラメータ設定部201の設定終了後の放射線照射部202からの放射線に基づいて、室内の線量空間分布情報を取得する。当該線量空間分布情報は、放射線画像診断装置200により実行される撮影に対応する撮影条件に基づいて計算された線量空間分布に係る情報である。即ち、放射線画像診断装置200が実行しようとする各スキャンタスク(スキャンプロトコル)に含まれる各スキャンパラメータが特定された後、放射線照射部202が実行しようとする撮影も特定される。そして、線量空間分布情報取得機能102は、放射線画像診断装置200により実行される撮影に対応する撮影条件に基づいて、室内の線量空間分布情報を取得する。撮影条件は、スキャンパラメータ設定部201により設定されたスキャンパラメータを含むものであってもよいが、スキャンパラメータ以外の他の環境情報、例えば患者に関する情報を含んでもよい。なお、線量空間分布情報取得機能102は、線量空間分布情報取得部の一例である。
位置情報取得機能103は、放射線画像診断装置200周辺の医療スタッフの部位の線量空間分布における位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得機能103は、図示されていないビデオカメラで放射線画像診断装置200周辺の医療スタッフの移動を追跡することにより、医療スタッフの姿勢情報を取得すると共に、医療スタッフの操作室内の位置情報を特定する。ビデオカメラは、例えば、操作室内の壁に設けられている。続いて、位置情報取得機能103は、放射線の放射に影響されやすい重要器官の人体における位置情報に基づいて、当該重要器官の操作室内における具体的な位置情報を取得する。さらに、位置情報取得機能103は、医療スタッフの操作室内の位置情報、及び、医療スタッフの具体的な部位(例えば重要器官の操作室内における位置情報)に基づいて、医療スタッフの部位の線量空間分布における位置情報を取得する。ここで、当該重要器官の人体における位置情報は、解剖学的な位置情報(例えば水晶体、甲状腺などの部位の位置)を参考にして取得することができる。なお、位置情報取得機能103は、位置情報取得部の一例である。また、ビデオカメラは、撮像部の一例である。
線量情報取得機能104は、線量空間分布情報取得機能102及び位置情報取得機能103に接続されており、線量空間分布情報取得機能102及び位置情報取得機能103から出力された情報を取得する。具体的には、線量情報取得機能104は、線量空間分布情報取得機能102から出力された線量空間分布を取得し、位置情報取得機能103から出力された医療スタッフの重要器官の位置情報を取得する。そして、線量情報取得機能104は、位置情報取得機能103により医療スタッフの重要器官の線量空間分布における位置情報が取得された後、当該位置情報に基づいて、当該医療スタッフの重要器官が受けた放射線の線量を計算して取得する。瞬時線量よりも、累積線量の方は吸收線量の管理について有効であるため、当該線量は各重要器官の各操作中の累積線量であることが好ましい。なお、線量情報取得機能104は、線量情報取得部の一例である。
表示制御機能105は、線量情報取得機能104により計算された結果、即ち医療スタッフの重要器官が受けた放射線の線量に係る情報をディスプレイ120に表示させる。本実施形態における医療スタッフは1人でも複数人でもよいが、複数人である場合、ディスプレイは各者が受けた線量を表示することができる。なお、表示制御機能105は、表示制御部の一例である。
図2は、ディスプレイ120に表示された医療スタッフの線量を示す模式図である。本実施形態において、位置情報取得機能103によって医療スタッフの重要器官の位置を検出し、位置検出の検出結果に基づいて、ディスプレイ120において重要器官を強調表示する。図2に示された強調表示の方式は一例に過ぎず、その表示方式は必要に応じて調整することができる。
図2において、パターン標記付きの部分は医療スタッフの重要器官を示す。右側のパターン標記は上から下へ順に線量の強いものから弱いものを示し、図2では説明しやすいように異なるパターンを標記として用いたが、実際の場合、医療スタッフに自分が受けた放射強度を明確に知らせるために、色の濃さで示すことができる。図における右側の医療スタッフ(Doctor1)は手術台からの距離がより近いため、受けた線量が左側の医療スタッフ(Doctor2)より多い。手術中にディスプレイ120に重要器官の線量をリアルタイムに表示することにより、線量を回避または減少させる措置を取らせるように、医療スタッフの重視を十分に引き起こすことができる。
また、吸収線量管理装置100において、処理回路110は、ガイド情報出力機能101をさらに備えてもよい。なお、ガイド情報出力機能101は、ガイド情報出力部の一例である。
ガイド情報出力機能101は、放射線照射部202が放射線を照射し始める前に、スキャンパラメータ設定部201により設定されたスキャンパラメータ及び各スキャンパラメータにおける対応する具体的な数値が入力され、当該スキャンパラメータに基づいて、データベースから当該スキャンパラメータに対応するガイド情報を抽出すると共に、医療スタッフに提示する。
また、当該スキャンパラメータ以外に、ガイド情報出力機能101はさらに、患者の体型及び体位に関する患者情報に基づいて、データベースから当該患者情報に対応するガイド情報を抽出すると共に、医療スタッフに提示することが好ましい。
データベースは、専門家が従来の履歴データに基づいて作成されたものである。データベースを作成する際に、専門家は複数のスキャンパラメータから、受けた線量に影響が大きいスキャンパラメータを選別し、タグとして記憶する。また、データベースには、タグとガイド情報との対応関係表、及びタグとガイド情報とを1つ1つマッチングして組み合わせたガイド情報タグが記憶されており、当該対応関係表は、受けた線量に影響が大きいスキャンパラメータ(タグ)と、線量を減少または回避可能なガイド情報とを1つ1つ対応させた対応関係表である。
スキャンパラメータ以外に、データベースはさらに、患者情報もタグとして記憶することにより、タグである患者情報とガイド情報との対応関係を記憶すると共に、相応のガイド情報タグを作成することもできる。
例えば、ガイド情報出力機能101に、スキャンパラメータ設定部201により設定されたスキャンパラメータが入力された場合、まずそれと一致するタグがデータベースに記憶されているか否かを判断し、一致するタグが存在する場合、入力されたスキャンパラメータの数値が対応関係表の数値範囲内にあるか否かを引き続き判断し、スキャンパラメータ及びスキャン数値範囲を満たしている場合、タグと対応するガイド情報との両者を示すガイド情報タグを医療スタッフに提示する。当該対応関係表及びガイド情報タグについては、後で説明する。後述するように、ガイド情報出力機能101は、放射線画像診断装置200が撮影を実行する前に動作しているが、その後にも動作してもよい。言い換えると、ガイド情報出力機能101は、後述の線量空間分布情報取得機能102、位置情報取得機能103、線量情報取得機能104と独立して表示制御機能105のみと連携動作してもよいが、上述の各取得機能と一緒に表示制御機能105と連携動作してもよい。
表示制御機能105は、ガイド情報出力機能101により得られたガイド情報をディスプレイ120に表示することもできる。医療スタッフはディスプレイ120を介して具体的なガイド情報内容である文字や画像を観察できる。例えば、スキャン開始前、即ち放射線照射前に、表示制御機能105は、スキャンパラメータ、患者情報等に基づいて得られた初期ガイド情報をディスプレイ120に表示させ、且つ放射線の線量が安全範囲を超過したとき、後続ガイド情報をディスプレイ120に表示させるものであってもよく、当該後続ガイド情報は初期ガイド情報と同じガイド情報であってもよいが、初期ガイド情報と異なり、防護効果により優れたガイド情報であってもよい。
また、吸収線量管理装置100において、処理回路110は、線量リスク判断機能をさらに有することが好ましい。図1では線量リスク判断機能の図示を省略した。当該線量リスク判断機能は、特定の器官が受けた線量が閾値を超過したか否かを判断する。例えば、線量リスク判断機能は、撮影が開始した後で、受けた線量が予め設定された閾値を超過したと判断したものとする。このとき、線量リスク判断機能は、受けた線量が閾値を超過したことをディスプレイ120に表示するか、或いは音声で提示することにより、警報を発する。なお、線量リスク判断機能は、警報部の一例である。
また、線量リスク判断機能が、受けた線量が予め設定された閾値を超過したと判断したとき、ガイド情報出力機能101は、さらに医療スタッフにガイド情報を提供するものであってもよい。この場合でも、ガイド情報出力機能101は、当該ガイド情報をディスプレイ120で表示するか、或いは音声で提示することにより、医療スタッフに注意を与えることができる。
次に、図3を参照しながら本実施形態の吸収線量管理装置100による処理の手順を説明する。
まず、ステップS101において、使用者である医療スタッフは、スキャンプロトコルを選択し、スキャンパラメータを入力する。具体的には、使用者は、検査の項目に基づいて、所望のスキャンプロトコルを選択すると共に、当該スキャンプロトコルに対応するスキャンパラメータを特定する。当該スキャンパラメータとしては、予め定義されている初期スキャンパラメータを用いてもよいが、使用者が実際の状況、例えば患者の体型などに応じて調整してもよい。調整後のスキャンパラメータは図示されていない記憶回路に保存されている。前述したスキャンパラメータは、スキャンパラメータの名称及びスキャンパラメータの数値の大きさを含んでもよいが、ここでは、説明しやすくするために、スキャンパラメータと略称した。
続いて、ステップS102において、ガイド情報出力機能101は、スキャンパラメータに基づいて、データベースから相応のガイド情報を取得し、医療スタッフに提供する。具体的には、ガイド情報出力機能101に、ステップS101にて特定されたスキャンパラメータが入力された後、ガイド情報出力機能101は、対応関係表として対応付けられたスキャンパラメータ(タグ)とガイド情報とが予め保存されたデータベースにおいて、入力されたスキャンパラメータと一致するタグがあるか否かを検索する。一致するものが検索された場合、ガイド情報出力機能101は、対応関係表における判断基準に基づいて、入力されたスキャンパラメータが判断基準に合っているかを判断し、合っている場合、対応関係表におけるスキャンパラメータと、対応するガイド情報とを組み合わせたガイド情報タグを医療スタッフに提示する。ここで、スキャンパラメータを、対応するガイド情報と一緒に医療スタッフに提示するものが例示されているが、これに限らず、医療スタッフに、ガイド情報を作成した根拠であるスキャンパラメータを提示せずに、ガイド情報のみを提示する。また、提示する方式としては、ディスプレイにガイド情報タグを表示してもよいが、音声などでガイド情報タグを提示してもよい。
当該対応関係表に記載されているスキャンパラメータは、使用者により選択されたスキャンプロトコルにおける一部又は全てのスキャンパラメータであってもよい。当該スキャンパラメータは、専門家らにより従来の履歴データに基づいて選択された、使用者(医療スタッフ)の重要器官に影響し易いスキャンパラメータであり、各スキャンパラメータは、少なくとも、線量を回避又は減少可能な1つのガイド情報に対応している。また、対応関係表において、各スキャンパラメータはさらに1つの判断基準に対応し、スキャンパラメータが判断基準を満たしている場合、スキャンパラメータを、対応するガイド情報と一緒に使用者(医療スタッフ)に提示するものであってもよい。
表1では、スキャンパラメータとして、重要器官に放射線の影響を与えやすい幾つかのパラメータが挙げられており、スキャンパラメータには、主に、Cアーム角度、特殊なスキャンステップ(DSA(Digital Subtraction Angiography)等)、時間、患者の体型及び患者の体位が含まれている。
まず、スキャンパラメータに、Cアーム角度が含まれている場合について説明する。例えば、Cアームが用いられた場合、医療スタッフが受けた放射は、主に患者によるX線の散乱からのものである。このため、ガイド情報出力機能101は、Cアームの回転角度に基づいて、データベースから相応のガイド情報を取得して医療スタッフに提示することにより、例えば、X線発生器側から離れて、検出器側に立って、鉛防護を利用するように医療スタッフを案内することができる。
次に、スキャンパラメータに、特殊なスキャンステップ、及び、時間が含まれている場合について説明する。例えば、手術中にDSA(ディジタル血管造影)が含まれている場合、手術台近傍の放射強度が高い。このため、ガイド情報出力機能101は、特殊なスキャンステップ(DSA等)に基づいて、データベースから相応のガイド情報を取得して医療スタッフに提示することにより、例えば、手術台から離れる方向へ一歩移動するように医療スタッフ(特に、手術をサポートする医療スタッフ)を案内することができ、且つ手術の時間が長い場合、鉛防護を利用するように医療スタッフを案内することができる。
次に、スキャンパラメータに、患者の体型が含まれている場合について説明する。例えば、医療スタッフが受けた放射は主に患者によるX線の散乱からのものであり、患者の体型が大きいほど、医療スタッフが受ける放射が大きくなる。このため、ガイド情報出力機能101は、患者の体型に基づいて、データベースから相応のガイド情報を取得して医療スタッフに提示することにより、例えば、できる限り手術台から離れるように医療スタッフ(特に、手術をサポートする医療スタッフ)を案内するか、或いは鉛防護を利用するように医療スタッフを案内することができる。
次に、スキャンパラメータに、患者の体位が含まれている場合について説明する。例えば、手術では患者の体位について特殊な要求がある場合、医療スタッフの立ち位置の相違も受けた放射に影響する。このため、ガイド情報出力機能101は、患者の体位に基づいて、データベースから相応のガイド情報を取得して医療スタッフに提示することにより、例えば、できる限り放射の少ない位置に立つように医療スタッフ(特に、手術をサポートする医療スタッフ)を案内することができる。
上述の説明では、ガイド情報が一部しか挙げられておらず、実際のガイド情報は上述の例示に限らず、必要に応じて他の防護方式、例えば防護メガネ、防護ベスト等を用いることもできる。
以下、表1に示されたスキャンパラメータを例として、ガイド情報の選択過程及び具体例を説明する。
例えば、スキャンプロトコルの複数のスキャンパラメータに、Cアームの回転角度に関するスキャンパラメータが含まれているものとする。この場合、ガイド情報出力機能101は、多種のガイド情報が保存されているデータベースから、条件を満たすタグを探し、満たしているタグが見つかった場合、タグに対応するガイド情報を抽出し、「X線発生器側から離れて、検出器側に立って、鉛防護を利用する」ことを医療スタッフに提案する。例えば、表1に示すように、ガイド情報出力機能101は、データベースから抽出したガイド情報として、「Cアーム角度XX度:医療スタッフは、X線発生器側から離れて、検出器側に立って、鉛防護を利用してください」を医療スタッフに提示する。これにより、医療スタッフを安全な作業位置に案内することができる上に、医療スタッフがインターベンション手術中に受ける放射線の線量を効率的に回避または減少させることができる。
また、スキャンプロトコルの複数のスキャンパラメータに、DSAという、スキャンパラメータである特殊なスキャンステップが含まれているものとする。この場合、ガイド情報出力機能101は、当該スキャンパラメータがデータベースの対応関係表における判断基準を満たすか否かを判断し、判断基準を満たしていると判断される場合、「手術台から離れる方向へ一歩移動する」ことを医療スタッフに提案する。例えば、表1に示すように、ガイド情報出力機能101は、データベースから抽出したガイド情報として、「特殊なスキャンステップDSA:医療スタッフ(特に、手術をサポートする医療スタッフ)は、手術台から離れる方向へ一歩移動してください」を医療スタッフに提示する。これにより、医療スタッフを安全な作業位置に案内することができる。
他のスキャンパラメータについても、同様な方式でガイド情報を選択するものであり、ここでは繰り返した説明を省略する。
前述ではステップS101の後にステップS102を実行するものを説明したが、放射線画像診断装置200が撮影を実行する前に、ステップS102の操作をせずに直接にスキャン(ステップS103)を開始してもよい。この場合、ガイド情報を事前に得ることができないが、医療スタッフは同様にその後のステップにてリアルタイムに得られる重要器官が放射される度合いに基づいて異なる対応方法を取ることができるため、同様に線量管理という目的を達成できる。
ステップS103において、医療スタッフは放射線画像診断装置200によりスキャンを開始する。スキャンを開始した後、ステップS104、S015が実行される。
ステップS104において、位置情報取得機能103は、医療スタッフ及びその特定の器官の位置情報を取得する。具体的には、まず、位置情報取得機能103は、操作室内に設けられた複数のビデオカメラを用いて、操作室、例えば手術室内の医療スタッフの移動を撮像し、医療スタッフの移動に関する複数の動画像を保存する。その後、位置情報取得機能103は、人の体動を検出する体動検出手段により従来技術における体動捕捉方法を用いて、保存された複数の動画像から、医療スタッフの姿勢、及び、医療スタッフの操作室内における位置を識別し、医療スタッフの位置情報として取得する。続いて、位置情報取得機能103は、解剖学における各器官の位置情報を基に、取得された医療スタッフの位置情報により、各重要器官、例えば水晶体、甲状腺などの部位の位置を位置決めすることで、重要器官の操作室内における動的な位置情報を得る。
ステップS104において、位置情報取得機能103は、複数のビデオカメラによって医療スタッフの姿勢及び位置を識別することにより、医療スタッフの人数及びX線放射器に対する位置(例えば、医療スタッフがX線放射器に向いていること、或いは医療スタッフがX線放射器に背を向いていること、又は操作室に複数の医療スタッフが存在すること及び複数の医療スタッフとX線放射器との相対的な位置)を判断することができ、識別の結果に基づいて、後述する線量空間分布を修正することもできる。
図4は、モデルをロードすることにより体動対象の姿勢情報を捕え、さらに体動軌跡を捕える方法(体動捕捉方法)を示したものである。図4において、例えば、まず、位置情報取得機能103において、体動検出手段は、(a)人体モデルをロードし、(b)モデル及び体動について制約条件を設定する。当該制約条件は、例えば、人体の関節に関する複数の点であってもよく、図4に示すように、当該モデルに複数の点P1~P16が設定される。この場合、体動検出手段は、(c)設定した点P1~P16を追跡することにより、(d)全体の体動軌跡を捕える(体動捕捉を行う)。但し、この方法は一例に過ぎず、これに限らず、医療スタッフの姿勢、及び、医療スタッフの操作室内における位置を識別できれば、他の方法を用いてもよい。このように、位置情報取得機能103は、体動検出手段により、保存された複数の動画像から、医療スタッフの姿勢、及び、医療スタッフの操作室内における位置を識別し、医療スタッフの位置情報として取得することができる。
ここで、図4において、例えば、点P2は、当該モデルの首の部分を表し、解剖学における各器官の位置情報のうち、甲状腺を含む位置に対応するものとする。また、例えば、点P1は、当該モデルの頭頂部を表し、当該モデルが前を向いている場合、点P1と点P2との間の部分は、解剖学における各器官の位置情報のうち、水晶体を含む位置に対応するものとする。そこで、位置情報取得機能103は、解剖学における各器官の位置情報を基に、取得された医療スタッフの位置情報により、各重要器官(例えば水晶体、甲状腺などの部位)の位置を位置決めすることで、重要器官の操作室内における動的な位置情報を得ることができる。
ステップS105において、線量空間分布情報取得機能102は、リアルタイムな線量の空間分布を取得する。具体的には、線量空間分布情報取得機能102は、放射線画像診断装置200により実行される撮影に対応する撮影条件に基づいて、リアルタイムな線量の空間分布を計算する。ステップS104とステップS105の実行順序には限定がなく、一方を実行してから他方を実行してもよいが、2つのステップを同時に実行してもよい。
続いて、ステップS106において、線量情報取得機能104は、特定の器官が受けた線量を計算し、表示制御機能105は、線量に係る情報をディスプレイ120に表示させる。具体的には、線量情報取得機能104は、線量空間分布情報取得機能102により取得された線量空間分布、及び、位置情報取得機能103により取得された医療スタッフの重要器官の位置情報に基づいて、当該医療スタッフの重要器官が受けた放射線の線量を計算する。そして、表示制御機能105によって、線量に係る情報をディスプレイ120に表示させる。
その後、ステップS107において、線量リスク判断機能は、重要器官が受けた線量が予め設定された閾値を超過したか否かを判断する。
ここで、線量リスク判断機能が、重要器官が受けた線量が閾値を超過したと判断した場合(ステップS107;YES)、ステップS108が実行される。
ステップS108において、医療スタッフに早期警報又はガイド情報が提供される。具体的には、線量リスク判断機能は、重要器官が受けた線量が閾値を超過したことをディスプレイ120に表示したり、音声で提示したりすることにより、医療スタッフに早期警報を発する。また、ガイド情報出力機能101は、スキャンパラメータに基づいてデータベースから取得したガイド情報を医療スタッフに提供する。その後、ステップS106が実行され、引き続き重要器官が受けた線量に係る情報がディスプレイ120に表示される。
一方、線量リスク判断機能が、重要器官が受けた線量が閾値を超過していないと判断した場合(ステップS107;NO)、ステップS106が実行される。なお、上述の線量リスク判断機能は吸収線量管理装置100の一部であり、図示が省略されている。当該閾値は、重要器官に損害を与える放射値であってもよいが、まだ重要器官に損害を与える程度ではないものの、医療スタッフの注意を引き起こしたい放射値であってもよい。
本実施形態のステップS101、S103~S106のステップを実行することにより、医療スタッフの重要器官の線量の空間分布における位置情報、及び重要器官が受けた線量に係る情報をリアルタイムに表示できるため、線量空間分布モデルを用いた場合に比べて、線量の計算結果は真実で正確であり、また本実施形態の対象は人体の重要器官であるため、人体全体に対して線量管理を行うものに比べて、医療スタッフは、より主観的に自体の各部位が受けた線量を管理することができる。
ステップS102は本実施形態において好ましいステップであり、スキャン開始前に医療スタッフにガイド情報を予め提供することができ、放射される可能性を減少させた。
また、ステップS107、S108も本実施形態において好ましいステップである。本実施形態のステップS107、S108を実行することにより、スキャン中に線量が危険の程度に到達したか否かを判断できる。重要器官に損害を与える可能性があれば、線量が閾値を超過することを避けるように、さらに警報及び/又はガイド情報を提供する。
本実施形態において、医療スタッフは手術しながら、ディスプレイ120において身体の器官の線量を観察することができ、且つスキャン開始前、及びスキャン開始後で線量が閾値を超過したときに、ディスプレイにおいて線量を減少させるガイド情報を得ることができるため、吸收線量の管理をうまく行うことができる。
以上の説明により、第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100によれば、医療スタッフが放射線画像診断装置200を操作する過程において各重要な器官が受けた線量を表示できると共に、医療スタッフの重要器官に吸収される線量を減少または回避させるように、放射線画像診断装置200の撮影条件などに基づいて医療スタッフを案内することができる。
具体的には、第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100は、線量空間分布情報取得部(線量空間分布情報取得機能102)と、位置情報取得部(位置情報取得機能103)と、線量情報取得部(線量情報取得機能104)と、表示制御部(表示制御機能105)と、を備える。線量空間分布情報取得機能102は、放射線画像診断装置200により実行される撮影に対応する撮影条件に基づいて計算された線量空間分布に係る情報を取得する。位置情報取得機能103は、放射線画像診断装置200周辺の医療スタッフの部位の線量空間分布における位置情報を取得する。線量情報取得機能104は、上記位置情報に基づいて、上記部位が受けた線量に係る情報を取得する。表示制御機能105は、上記線量に係る情報を表示部(ディスプレイ120)に表示するように制御する。
上述の構成によれば、放射線画像診断装置200により実行される撮影に対応する撮影条件、例えばスキャンパラメータ及び患者の体型、体位等に基づいて線量の空間分布をリアルタイムに計算し、医療スタッフの重要器官の空間分布における具体的な位置に基づいて、重要器官が受けた線量を特定でき、当該線量をディスプレイ120に表示することにより、医療スタッフは放射線画像診断装置200を操作する過程において自身の重要器官が放射を受けた度合いを速やかに把握することができる。従って、重要器官に対して線量管理を行うことができる。特定の器官が受けた線量をリアルタイムに測定し表示することができるため、医療スタッフに直観的な体験を与え、注意を引き起こさせることにより、その特定の器官が過量な放射線の影響を受けることを回避することができる。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、位置情報取得機能103は、医療スタッフの線量空間分布における姿勢情報に基づいて、医療スタッフの部位の線量空間分布における位置情報を取得するものであってもよい。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、位置情報取得機能103は、体動検出手段により医療スタッフの線量空間分布における姿勢情報を取得し、当該姿勢情報に基づいて、医療スタッフの部位の線量空間分布における位置情報を取得するものであってもよい。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、位置情報取得機能103は、更に、医療スタッフに対応する解剖学的位置情報に基づき、当該医療スタッフの部位の前記線量空間分布における位置情報を取得するものであってもよい。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、位置情報取得機能103は、検査実施中に移動する医療スタッフを追跡して当該医療スタッフの位置情報を取得するものであってもよい。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、撮影が開始する前に、撮影条件に基づいて、医療スタッフに、吸収線量を減少または回避させるためのガイド情報を提供するガイド情報出力部(ガイド情報出力機能101)をさらに備えるものであってもよい。
上述の構成によれば、放射線が放出される前に、例えば入力されたスキャンプロトコルにおけるスキャンパラメータなどの撮影条件に基づいて、相応の例えば立ち位置変更、防護具着用などのガイド情報を医療スタッフに提供することにより、医療スタッフがインターベンション手術中に受ける放射線の線量を効率的に回避または減少させることができる。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、上記撮影条件はスキャンパラメータ及び患者に関する情報を含むものであってもよい。
上述の構成によれば、スキャンパラメータと患者の体型及び体位などに関する患者情報を総合的に考慮した上で、医療スタッフにガイド情報を提供することができる。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、撮影が開始した後で、受けた線量が予め設定された閾値を超過したとき、ディスプレイ120に表示するか、或いは音声で提示することにより、警報を発する警報部(線量リスク判断機能)をさらに備えるものであってもよい。第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、撮影が開始した後で、受けた線量が予め設定された閾値を超過したとき、ガイド情報出力機能101は、ガイド情報を出力するものであってもよい。
上述の構成によれば、医療スタッフが受けた線量が予め設定された安全範囲を超過したか否かを判断し、線量が安全範囲を超過した場合に注意を与えることができるため、医療スタッフが線量の管理を怠った場合であっても、注意作用を発揮することができる。また、受けた線量が安全範囲を超過した場合、ガイド情報出力機能101が出力するガイド情報は、防護等級が撮影開始前に出力された初期ガイド情報と同一のガイド情報であってもよいが、防護等級が初期ガイド情報よりも高い後続ガイド情報であってもよい。
第1の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、ディスプレイ120は、複数の重要器官の各操作中の累積線量を表示するものであってもよい。ディスプレイ120は、医療スタッフに提供したガイド情報を表示するものであってもよい。ディスプレイ120は、位置検出の検出結果に基づいて、検出された重要器官を強調表示するものであってもよい。ディスプレイ120は、複数の画像情報においてリアルタイムな線量空間分布と、重要器官が強調表示された医療スタッフの位置とを表示することにより、医療スタッフを安全な作業位置に案内するものであってもよい。
上述の構成によれば、重要器官及びその受けた累積線量を強調表示することにより、各重要器官の各々が受けた線量の大きさを速やかに把握することができ、標的に防護措置を取りやすい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は第1の実施形態の変形例である。図5に示すように、第2の実施形態の吸収線量管理システム1001は、まず、第1の実施形態の吸収線量管理システム1000と同じ放射線画像診断装置200、及び吸収線量管理装置100を備え、吸収線量管理装置100は、入力部、ディスプレイ120、記憶回路、処理回路110を備えている。そして、処理回路110は、ガイド情報出力機能101、線量空間分布情報取得機能102、位置情報取得機能103、線量情報取得機能104、表示制御機能105を有する。ここで、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点は、第2の実施形態の吸収線量管理装置100において、処理回路110は、修正機能106をさらに備えることにある。修正機能106以外の他の構成要素は第1の実施形態と同一であるため、それらに関する説明を省略する。
以下、修正機能106の構成及び作用のみを説明する。なお、修正機能106は、修正部の一例である。
修正機能106は、線量空間分布情報取得機能102に接続されていて、線量空間分布情報取得機能102から出力された情報を取得する。具体的には、修正機能106は、線量空間分布情報取得機能102から出力された線量空間分布を取得する。ここで、線量空間分布情報取得機能102は入力されたスキャンパラメータに基づいて、操作室内のリアルタイムな線量空間分布を生成する。しかし、当該線量空間分布は全ての状況を体現できるものではなく、医療スタッフに関する情報及び患者に関する情報は当該線量空間分布に十分に体現されないことがある。
医療スタッフに関する情報としては、医療スタッフの人数、医療スタッフとX線発生器との相対的な位置関係、及び医療スタッフの体に装着された防護用具などが挙げられる。
患者に関する情報としては、患者の体型、患者の体位などが挙げられる。
医療スタッフがX線放射器に向いている場合とX線放射器に背を向いている場合は、各器官が受けた線量が異なることが知られている。また、操作室に複数の医療スタッフが存在する時に、X線放射器に近い側の医療スタッフが後側の医療スタッフの一部を遮った場合、後側の医療スタッフが受ける線量は、遮られていない場合より少なくなることが知られている。また、医療スタッフが鉛入りカーテン又は鉛入りメガネなどの防護具を利用した場合、防護されている器官の線量が低下することが知られている。
また、医療スタッフが受けた放射は、X線放射器に基づく放射以外に、相当の一部が患者の体に基づく散乱からの放射であることが知られている。従って、患者の体型が太いほど、受けた線量も大きくなる。
線量空間分布情報取得機能102により取得された線量空間分布には、スキャンパラメータ以外の要素が考慮されていないので、線量の空間分布に実際の状況を十分に体現させるために、初期に生成された線量空間分布を修正する必要がある。この場合、修正機能106は、操作室内のビデオカメラ(図示しない)で患者及び医療スタッフを追跡し、医療スタッフに関する情報及び患者に関する情報を修正要素として取得し、得られた修正要素に基づいて、初期に取得された線量空間分布を修正する。
前述した通り、医療スタッフに関する情報には、医療スタッフの人数及び医療スタッフとX線放射器との相対的な位置関係を示すための医療スタッフの位置情報、及び防護具の利用状況が含まれている。そのうち、防護具の利用状況には、防護具が利用されたか、及び防護具の防護位置などが含まれている。例えば、防護具の利用状況には、防護具が利用されたか否かを表す情報が含まれている。また、防護具の利用状況には、防護具が利用された場合に当該防護具の種類(例えば、鉛入りカーテンや鉛入りメガネなど)を表す情報、及び、当該防護具の種類別に防護される位置(例えば水晶体、甲状腺などの部位)を表す情報などが含まれている。
ここでは、医療スタッフの位置情報、患者の体型及び防護具の利用状況を共に修正要素とするものが例示されているが、そのうちの何れか1種のみを修正要素として用いてもよい。
第1の実施形態において、線量を減少または回避させるように、ガイド情報出力機能101はスキャンする前に、入力されたスキャンパラメータなどの撮影条件に基づいて、医療スタッフにガイド情報を提供する。第2の実施形態においては、撮影条件以外に、ガイド情報出力機能101はさらに、患者の体型または体位などに係る患者情報、及び医療スタッフの人数、位置、防護情况などに係る医療スタッフ情報に基づいて、医療スタッフにガイド情報を提供するものであってもよい。
本実施形態において、修正機能106を用いることにより、環境要素を考慮に入れた放射線空間分布が得られるため、各器官の線量を正確に求めることができる。
以上の説明のように、第2の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、撮像部(ビデオカメラ)により得られた修正要素に基づいて前記線量空間分布を修正する修正部(修正機能106)をさらに備え、上記修正要素は医療スタッフに関する情報と患者に関する情報の少なくとも一つを含むものであってもよい。
上述の構成によれば、ビデオカメラにより得られる医療スタッフ及び患者に関する情報、例えば医療スタッフの人数、医療スタッフのX線放射器に対する相対的な位置関係、医療スタッフの防護具使用状況、患者の体型などの環境情報に基づいて、線量の空間分布をリアルタイムに修正できるため、従来技術におけるデータベースから修正モデルを読み出すだけのものに比べて、特定の器官が受けた放射線の線量をより正確に得ることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は第1の実施形態の変形例である。図6に示すように、第3の実施形態の吸収線量管理システム1002は、まず、第1の実施形態の吸収線量管理システム1000と同じ放射線画像診断装置200、及び吸収線量管理装置100を備え、吸収線量管理装置100は、入力部、ディスプレイ120、記憶回路、処理回路110を備えている。そして、処理回路110は、ガイド情報出力機能101、線量空間分布情報取得機能102、位置情報取得機能103、線量情報取得機能104、表示制御機能105を有する。以下、第3の実施形態では、吸収線量管理装置100内の記憶回路を、記憶回路108と記載する。ここで、第3の実施形態と第1の実施形態との相違点は、第3の実施形態の吸収線量管理装置100において、処理回路110は、線量シミュレーション機能107及びビデオストリーム生成機能109をさらに備えることにある。線量シミュレーション機能107、記憶回路108及びビデオストリーム生成機能109以外の他の構成要素は第1の実施形態と同一であるため、それらに関する説明を省略する。
図6に示すように、線量シミュレーション機能107は、線量空間分布情報取得機能102に接続されており、線量空間分布情報取得機能102から出力された情報を取得する。具体的には、線量シミュレーション機能107は、線量空間分布情報取得機能102から出力された線量空間分布を取得する。そして、線量シミュレーション機能107は、線量空間分布情報取得機能102から取得した線量空間分布に基づいて、操作室内の放射線量の空間分布の三次元シミュレーション図を生成する。なお、線量シミュレーション機能107は、線量シミュレーション部の一例である。
記憶回路108は、位置情報取得機能103及び線量情報取得機能104に接続されていて、位置情報取得機能103及び線量情報取得機能104から出力された情報を記憶する。具体的には、位置情報取得機能103は、操作室内に設けられている複数のビデオカメラ(図示しない)で手術の進行をリアルタイムに撮像すると共に、撮像された画像を記憶回路108にリアルタイムに保存する。線量情報取得機能104は、医療スタッフの特定の器官が受けた線量を計算すると共に、その計算された線量を記憶回路108に保存する。
これで、記憶回路108には、医療スタッフの移動に関し、且つ医療スタッフの重要器官が受けた線量に係る動画像データが記憶されている。当該動画像データは、複数のビデオカメラにより撮像された画像において重要器官が受けた線量が表示された画像データである。図7Aには、線量空間分布のシミュレーション図を表示せず、医療スタッフの重要器官が受けた線量を表示する模式図が例示されている。なお、図7Aに示す例では、ディスプレイ120には、医療スタッフの重要器官が受けた線量の他に、操作室内と、操作室内の壁に設けられた複数のビデオカメラと、Cアームと、手術台と、手術台に載置された患者とが表示されている。
ビデオストリーム生成機能109は、上記動画像データを上記三次元シミュレーション図と結合して、人体を透過する線量のシミュレーションフィールド及び人体の重要器官が受けた線量を同時に表示するビデオストリームを生成する。なお、ビデオストリーム生成機能109は、ビデオストリーム生成部の一例である。
手術中の医療スタッフが安全な位置を選択しやすいように、表示制御機能105は、生成されたビデオストリームをディスプレイ120に表示させる。また、当該ビデオストリームは、手術台の放射線量の分析又は従業員の訓練のため、また医療スタッフが安全な位置を選択するように案内するために用いられてもよい。
図7Bは、ディスプレイ120により表示されたビデオストリームの模式図を示したものである。図7Bでは、ビデオストリームとして、線量を等高線のように表示している場合を例示している。なお、図7Bに示す例では、ディスプレイ120には、ビデオストリームの他に、操作室内と、Cアームと、手術台と、手術台に載置された患者とが表示されている。ここで、ディスプレイ120は、観察しやすいように、ディスプレイスクリーンとして手術台に対面する壁に設けられてもよいが、コンピュータのディスプレイとして手術台の隣に設けられてもよい。
図8は、2つのディスプレイ120に、それぞれ、重要器官が受けた線量の大きさ及びビデオストリームを表示する模式図を示したものである。すなわち、図8は、2つのディスプレイ120を用いて、重要器官が受けた線量の大きさとビデオストリーム生成機能109により生成されたビデオストリームとを同時に表示する模式図を示したものである。例えば、2つのディスプレイ120のうちの一方のディスプレイ120Aには、重要器官が受けた線量の大きさが表示され、他方のディスプレイ120Bには、ビデオストリーム生成機能109により生成されたビデオストリームが表示される。なお、同一のディスプレイ120を用いて複数の画像を表示してもよい。図示しやすいように、図8では、手術を行う医療スタッフを省略した。
本実施形態によれば、線量の三次元シミュレーション図と医療スタッフとを重ねて表示することにより、各重要器官と線量空間分布情報との交差関係及び各重要器官が受けた線量を直観的に表示でき、且つ線量空間分布が可視化されたため、目で見ることにより放射の弱い領域を直観的に識別でき、医療スタッフの位置調整を便宜にできる。
以上の説明のように、第3の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、医療スタッフの移動に関連する複数の画像情報を記憶している記憶部(記憶回路108)をさらに備えるものであってもよい。
上述の構成によれば、記憶回路108に、撮像部(ビデオカメラ)により撮像された医療スタッフの移動に関連する画像を記憶することにより、記憶された医療スタッフに関連する動的情報と線量空間分布とを組み合わせて表示部(ディスプレイ120)に表示することができる。
第3の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、室内の放射線量の空間分布の三次元シミュレーション図を生成する線量シミュレーション部(線量シミュレーション機能107)と、医療スタッフの移動と上記部位が受けた放射線量とに関する動画像データを記憶する記憶部(記憶回路108)と、動画像データを三次元シミュレーション図と結合したビデオストリームを生成するビデオストリーム生成部(ビデオストリーム生成機能109)とをさらに備えるものであってもよい。
すなわち、放射線画像診断装置200がスキャンを実行する過程において、ビデオカメラで室内の全体の操作過程を撮影し、撮影された医療スタッフの移動に関する動画像を保存し、当該動画像から目標対象である医療スタッフを抽出すると共に、線量情報取得部により計算された特定の器官の線量を医療スタッフに標記した後、線量の三次元シミュレーション図において医療スタッフの位置及び器官が受けた線量を表示する。
上述の構成によれば、インターベンション手術中に医療スタッフが各重要器官と線量空間分布情報との交差関係及び各重要器官が受けた線量を直観的に観察できるため、医療スタッフ自身の安全意識を高められるだけではなく、手術後に生成されたビデオストリームを安全訓練に用いることもできる。
第3の実施形態に係る吸収線量管理装置100において、ディスプレイ120は、上記ビデオストリームを表示することにより、医療スタッフを安全な作業位置に案内するものであってもよい。
上述の構成によれば、手術に参加する医療スタッフまたは訓練に参加する経験のない従業員は、ディスプレイ120の表示に基づいて安全な位置を選択することができる。
なお、本実施形態でも、第2の実施形態の修正機能106を備えてもよく、修正機能106を有する場合、同様に第2の実施形態の作用を発揮できる。
第1~第3の実施形態に係る吸収線量管理装置100の処理回路110の構成要素が実行する各処理機能は、コンピュータが実行可能なプログラムの形式で記憶回路に保存されている。処理回路110は、コンピュータが実行可能なプログラムを記憶回路から読み出して実行することにより、各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。言い換えると、各プログラムを読み出した状態での処理回路110は、図1、図5、図6の処理回路110内に示された各機能を有する。また、第1~第3の実施形態に係る吸収線量管理装置中の各ユニットを単一の処理回路によって実現してもよいが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサでプログラムを実行することにより、上述の各ユニットの機能を実現してもよい。
(その他の実施形態)
これまで第1~第3の実施形態について説明したが、上述した第1~第3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、患者を撮影する放射線画像診断装置200と、医療スタッフが受けた放射線の線量を管理する吸収線量管理装置100とを備えた吸収線量管理システムを例にして説明したが、これに限定されない。吸収線量管理装置100は、モダリティ装置の1機能として設けられてもよく、例えば、放射線画像診断装置200内に設けられてもよい。また、吸収線量管理装置100は、複数の放射線画像診断装置200を管理してもよく、例えば、1台の吸収線量管理装置100で院内の全ての線量を管理してもよい。
また、上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態で説明した方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医療スタッフに吸収される線量を減少または回避させることができる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、以上で説明した実施形態は例示に過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの新たな実施形態は他の種々の形態で実施されることができる。なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は全て発明の範囲及び要旨内に含まれており、且つ特許請求の範囲に記載されている発明及びその均等の範囲内に含まれている。