JP2009042247A - 放射線量推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 放射線量推定装置は、X線照射に係るX線診断装置の情報13に基づき前
記X線診断装置のモデルを作成14し、前記X線診断装置による検査を受ける患者に係る
患者情報11に基づき体内組織を含む前記患者のモデルを作成12し、作成されたモデル
を利用して、前記X線診断装置により照射されるX線に基づく前記患者の体内組織を含む
被曝放射線量を推定15する。
【選択図】 図1
Description
放射線診断装置による検査を受けることで患者は多少なりとも放射線の被曝をせざるを得
ないことになるが、その際の被曝線量管理に関しては、例えば、特開2000−1529
24号公報に記載がされており、その内容は、X線診断装置による検査中の患者の体表面
被曝線量を表示し、被曝線量が一定値に達すると警告を発するというものである。
象とされていた。従って、実際の検査中において患者の被曝量がある一定レベルに到達す
るまではX線診断装置によるX線照射量が制御されることはなかった。
ある一定のレベルに達したことを認識するか警告があるまで、X線照射量について特別配
慮することは、余程の経験者でない限り在り得なかった。このような現状は、患者からみ
れば多量の放射線被曝を余儀なく受けさせられることを意味しており、場合によってはそ
の身が危険にさらされる恐れもあるというものであった。
どの着用により被曝対策をとっている。しかしながら、被検体である患者に対するような
被曝管理については医療スタッフに対して何も対応がとられていないのが現状である。
量推定装置および放射線診断装置を提供することを目的とする。
の各臓器の位置と大きさの情報を含むモデル情報を作成するモデル作成手段と、前記モデ
ル作成手段により作成されたモデル情報を利用して、前記放射線診断装置により照射され
るX線に基づく前記被検体内部の臓器における被曝放射線量を推定する推定手段とを具備
することを特徴とする。
また、請求項2記載の本発明の放射線診断装置は、放射線診断装置に関するモデル情報
を作成する第1のモデル作成手段と、被検体内部の各臓器の位置と大きさの情報を含むモ
デル情報を作成する第2のモデル作成手段と、前記第1及び第2のモデル作成手段により
作成されたモデル情報を利用して、前記放射線診断装置により照射されるX線に基づく前
記被検体内部の臓器における被曝放射線量を推定する推定手段とを具備することを特徴と
する。
徴とする。
るので、被検体の被曝に関する危険回避を可能せしめ、放射線診断装置による検査の安全
性を向上することができる。
検査の安全性を向上することができる。また、特に被検体内部の臓器についての被曝放射
線量が推定できるので、その内部臓器毎の被曝管理が可能になる。
、患者情報11に基づいて患者モデルの作成12を行う一方で、X線診断装置に係る情報
13に基づいてX線診断装置モデルの作成14も行う。X線診断装置モデルに基づく条件
下において患者モデルに基づく被検体が検査を受ける場合の患者の被曝放射線量並びに患
者及びX線診断装置の周辺における空間放射線量分布の計算15を行う。計算された結果
に基づいて、その線量分布の表示16を行う。
、又は医療スタッフによる手入力等により放射線量推定部23に取り込まれて、前記患者
モデルの作成12が行われる。
まれて、前記X線診断装置モデルの作成14が行われる。
放射線量並びに患者21及びX線診断装置20の周辺における空間放射線量分布の計算1
5が行われる。放射線量推定部23にて求められた結果、すなわち前記線量分布の表示1
6はモニタなどの表示部24において行われる。
以下に、本発明の放射線量推定装置の第1の実施の形態を図2乃至図12を参照して説
明する。
う検査条件を想定して同条件の下でどのくらいの放射線量が生じるかを推定するというも
のである。
まず初めに、本実施の形態における放射線量推定部23が動作するために必要とする情
報について説明する。この必要な情報としては大きく2種類に分けられ、1つは検査を実
施するにあたり使用するであろうX線診断装置20の情報である。もう1つは検査を受け
る予定の(実際に検査を受けると想定される)患者(被検体)21に関する情報である。
なお、X線診断装置20の情報については実際の検査で想定されるX線照射に係る種々の
情報であり、患者21に関する情報と共に以下に詳細を説明する。
X線診断装置20の情報としては2つに分類され、1つは予め入力しておく情報であり
、もう1つは検査条件に応じて入力する情報である。
予め入力(入力に係る説明は後述する)しておく情報とは各検査毎の条件によらず装置
固有のものとしての装置形状や材質に関する情報である。X線診断装置は複数の構成要素
からなるため、X線照射に影響を与える各部についての情報が必要である。
ルタ202(但し、固定の場合)、X線の照射野を絞るコリメータ203、照射X線量を
監視するX線モニタ204、寝台205、X線の散乱を減らすX線グリッド206、X線
検出器207、支持器208、などについての装置形状・材質・配置に関する情報、さら
には標準的な被写体に対するX線検出器207のアナログゲインやディジタルゲインX線
管電圧、X線管電流、X線パルス幅など据え付け時に設定する据え付け情報となる。
検査毎に入力(入力に係る説明は後述する)する情報とは各検査毎にその検査の内容に
応じてX線診断装置20のX線照射に係る構成要素の設定条件が変わる情報である。ここ
では実際に行う各検査に先立ち、実際の検査において使用されるであろう条件(情報)を
想定し、その条件(情報)(場合によっては実際の検査に設定しようとしている条件(情
報))が医療スタッフにより入力されることになる。
(固定でない場合))、コリメータ開度情報、(寝台位置、支持器位置、)X線入射角度
、X線管−患者(または検出器)間の距離の各情報などとなる。
で使用された条件が保存されている場合においては、これらの条件から選択して入力する
ようにしてもよい。
患者21の情報についても2つに分類され、1つは患者個人に関する情報であり、もう
1つは患者の位置情報である。
患者個人に関する情報としては、身長、体重、体脂肪率、胸囲、胴回り、性別、その他
、患者21の体型(体格)を表す情報などがある。また臓器位置を特定できる情報も含む
。これらの情報は想定する患者21(又は実際に検査を予定している患者)に基づいて医
療スタッフにより入力されるようにすればよい。なお、実際の検査直前で検査受付済みで
あればその受付情報から、また被検査の患者21が病院などで受付済みであれば病院情報
システムなど病院内の他のシステム22から、必要な情報の全部又は一部を電子的に受け
取るようにしてもよい。
患者の位置情報とは、患者21がX線診断装置20に対してどのような位置関係にある
かを示す情報である。
置が確認されるので、その位置情報が医療スタッフにより入力されればよい。あるいはそ
の位置情報が電子情報として放射線量推定部23に取り込まれるようにしてもよい。
21の位置は想定されることになり、その想定情報が医療スタッフにより入力されること
になる。
上述の各種情報が用意されると、次にこれらの情報に基づいてX線診断装置20および
患者21のそれぞれのモデルが作成される。ここで「モデル」とは実際に表示部25に表
示するにあたっての2次元的表現または3次元的表現による可視の仮想物体に限らず、情
報としてモデル化するに必要なデータの集まりであればそれでよい。
手段により実現されてもよいし、物理的に1つの手段において機能的にそれぞれの作成機
能を有することにより(例えばソフトウェアにより)実現されてもよい。
X線診断装置20のモデルとしては、上述の<X線診断装置の情報>により、X線の発
生場所、発生個所での発生強度分布、X線の方向、強度、スペクトル分布、発生時間、お
よびX線の吸収散乱特性、X線発生部と患者との距離、患者に対するX線の入射方向、を
まとめてX線診断装置のモデル作成14を行う。なお、モデル作成においては、上記(予
め入力しておく情報)によりモデルの基礎部分を作成し、この基礎を踏まえた上での典型
的パターンモデル(例えば検査種類
や検査部位、患者タイプなどに応じたもの)を予め複数作成しておき、上記(検査毎に入
力する情報)に基づいて最も類似する1つの典型パターンモデルを自動又は手動により選
択するようにしてもよい。なお、モデルの作成方法はここで説明した形態に限らない。
患者モデルの作成12についても、基本的には上記<X線診断装置のモデル>に記載し
た方法と同様である。ここでは患者21がどのような体型であるかという外形情報から、
体内各臓器の位置と大きさを決定する。各臓器がどのような物質からできているか、また
その物質を構成する元素と、その構成比、密度といった既知の情報を利用し、決定された
臓器の位置と大きさにより、人体内各位置に物質情報がマッピングされる。これらの情報
により人体内部での放射線の軌跡追跡ができ、臓器ごとのX線吸収線量計算が可能になる
。上述の(患者個人に関する情報)により、3次元(又は2次元)の、或いは上述の情報
の集まり(生情報/加工情報)としての、情報患者モデルを作成する。
に対して上記(患者個人に関する情報)に基づいて適当な部位を拡大縮小させるようにし
てもよい。拡大縮小に関しては患者21に最も近い体型になる1つの拡大縮小率を選ぶ形
でもよいし、各部位毎に拡大縮小率を選べるようにしてもよい。
別、など)を作成しておき、上記(患者個人に関する情報)に基づいて最も類似する1つ
の体型パターンモデルを選択するようにしてもよい。なお、モデルの作成方法はここで説
明した形態に限らない。
1をもとに患者モデル作成部32にて基本モデルの拡大縮小(スケーリング)を行う(3
22)か、体型パターンモデルから最も適当な1つを選択する(321)ことにより患者
モデル33が作成されることになる。
<放射線の軌跡の計算>
上記各モデルの作成が済むと、これら作成モデルを利用して放射線の軌跡を求める。
等で知られるモンテカルロ計算(放射線と物質の相互作用を表す衝突断面積を用いたもの
で、放射線の粒子毎の軌跡を追う計算)により放射線軌跡を求めるものとする。なお、放
射線の軌跡を求めることなく後述の放射線量の計算が可能な場合は本放射線の軌跡を求め
る計算は不要である。
することもできるが、線量の推定に必要な統計精度を得ることができれば、すべてを実行
する必要は無い。例えば実際の装置では、X線光子を100万個発生していても、1万個
の光子について計算を実行すれば必要な統計精度を得ることができるなら、1万個で計算
を打ち切り、得られた線量データを100倍して推定値としてよい。これにより放射線の
軌跡を求める計算に係る処理時間を短縮することができる。
めることになる。まず、管電圧、X線管ターゲット物質から発生X線スペクトルが決定さ
れる。発生するX線の量は、管電流、X線パルス幅、パルスレートから決定される。また
、X線管固有ろ過、X線フィルタ202は上記発生したX線を透過する物質として軌跡計
算に用いられる。X線フィルタ202を透過したX線はコリメータ203により吸収・散
乱され、その後空気による吸収散乱をうけ、患者体表面に達する。
える。そして、患者21を透過したX線は寝台205、X線グリッド206、X線検出器
207で吸収散乱されることになる。散乱されたX線が再び患者21に入射する場合もあ
り、本発明ではこのような再入射X線も計算の対象とする。
前記<放射線の軌跡の計算>に示すような方法により放射線の軌跡が求められると、そ
の軌跡から計算対象とする全空間内(患者体内/外及び装置周辺の空間)の各位置での単
位体積あたりの放射線の入射粒子数と吸収されるエネルギーがわかる。
1R=2.58×10-4C/kg
・空気吸収線量(G):空気で吸収されるエネルギーの指標
Gy=J/kg=8.7×10−3×E(R)・・・式(1)
・吸収線量(D):質量に付与されたエネルギー J/kg
・組織吸収線量(DT):組織にわたる吸収線量の平均値
上記において、照射線量及び空気吸収線量は空間放射線量(装置周辺の空間における線
量)の指標として好適であり、また、吸収線量及び組織吸収線量は患者体内の被曝線量の
指標として好適である。これらの線量は放射線の軌跡の計算結果から、各線量の定義に従
って算出することができる。
への換算関係を示す図である。空気吸収線量は照射線量を基に式(1)を用いて求めるこ
とができる。一方、患者体内での吸収線量は、微小体積内に入射した放射線と出射した放
射線のエネルギーの差分として求めることができる。従って、組織吸収線量は、患者のモ
デル内に定義された同一組織内で前記吸収線量を平均することにより算出することができ
る。
次に、得られた放射線軌跡の表示について説明する。モンテカルロ計算などにより得ら
れた放射線軌跡は例えば図5乃至図7に示すような態様で表示される。
すると推定される各種放射線の軌跡を示す図である。
なお、X線は発生過程によって2つの種類があり、制動放射を利用して発生される制動放
射X線と特性X線と呼ばれるものがある。
物質に入射した放射線(X線を含む)により物質中の原子が励起されるとその励起がおさ
まる過程で放出されるものである。
射線の様子を示すものであり、一定時間表示された軌跡は時間経過と共にフェードアウト
(図面上の点線)する一方で新たに発生した放射線の軌跡(図面上の実線)が表示される
。すなわち、図6に示すように、初めは同図(a)の第一画面で始まり、一定時間後には
第一の画面で表示されていた軌跡がフェードアウトすると共に、新たな軌跡が同図(b)
に示す第二画面のように表示される。同様に第二画面は一定時間の経過と共に第三の画面
(同図(c))に切り替わる。
では患者の体側側(同図(a))、患者の頭部(同図(b))、及び患者正面(検査室天
井)(同図(c))、の3視点)から見た場合の放射線軌跡を表示する場合を示すもので
ある。視点はこれら3視点に限られるものではなく、その他医療スタッフが任意に選択す
るようにしてもよい。なお、表示モニタ数が1つであれば各視点による軌跡を切り替える
ようにして表示してもよいし、複数モニタが備えられているのであれば、複数のモニタに
各視点による軌跡を同時に表示してもよい。同時に表示することで、より立体的に放射線
の散乱状況が把握しやすくなる。
、点線などで区別する他に、色分けの表示などを行ってもよい。
図8乃至図11は本発明の実施の形態における推定放射線量の表示例である。
図8は空間放射線量を表示する例を示す図である。同図(a)は断面指定画面の例であ
り、患者を含むX線診断装置周辺の3次元的に表示された空間に対して、医療スタッフは
任意の断面(例えば、空間放射線量を知りたい空間に対する断面)(図8(a)では断面
A,B,C)を指定することができる。
間面における放射線量が計算される。図8(b)は図8(a)において指定された断面に
ついての放射線量を表示する画面の例であり、指定断面について計算された空間放射線量
が各断面における患者やX線診断装置と共に表示される。その際、放射線量の濃度に応じ
てグレースケールによる濃淡表示がなされる。この濃淡表示により、空間(断面)内のど
の位置や領域は放射線濃度が高いか、つまり被曝放射線量が多く危険となるか、が容易に
判断できる。
間を事前に把握することができる。
次に、図9は患者体内において被曝した放射線量を表示する例を示す図である。同図(
a)は断面指定画面の例であり、3次元的に表示された患者に対して、医療スタッフは任
意の断面(例えば、被曝線量を知りたい部位に対する断面)(図9(a)では断面A,B
,C)を指定することができる。
者体内における吸収放射線量が計算される。図9(b)は図9(a)において指定された
断面についての放射線量を表示する画面の例であり、指定断面について計算された患者体
内の被曝放射線量が各断面における患者と共に表示される。その際、放射線量の濃度に応
じてグレースケールによる濃淡表示がなされる。この濃淡表示により、患者の体内のどの
部分(どの臓器、どの体表面)は放射線濃度が高いか、つまり被曝放射線量が多いか、が
容易に判断できる。
、予め被曝対策を図ることが可能となる。
表示の場合も、グレースケールの代わりにカラースケールによる色分け表示でもよい。
線診断装置を撮影した画像を用いても良いし、前述の患者モデルや装置モデルの情報に基
づいて作成されたもの、あるいは実際の装置や患者の情報とは全く独立した一般的な合成
画像等、いかなるものであってもよい。
上記(患者体内被曝線量表示)は患者の特定断面における被曝放射線量を表示する例で
あった。本発明においては患者体内の組織(臓器)における吸収線量についても計算して
表示するようにしてもよい。この場合、組織について上記図9のように3次元的な表示を
行い、ゲレースケールやカラースケールによる濃度表示をしてもよいし、図10に示すよ
うに吸収線量を数値としてリスト表示するようにしてもよい。
においては水晶体、心臓、及び肝臓のそれぞれにおける推定吸収線量がリスト表示されて
いる。また、断面指定によりROI(Region of Interest)(関心領
域)を皮膚に対して設定することで、当該領域内の皮膚における吸収線量も推定すること
ができ、各ROIにおける皮膚吸収線量の推定値もリスト表示可能となる。皮膚吸収線量
については、単に体外からのX線照射によるX線量のみならず、体内において反射した放
射線についても患者の体表面に吸収されるものを皮膚吸収線量としているので、従来から
知られているX線照射量と患者までの距離から算出される皮膚吸収線量よりもより正確な
値を示すことが可能となる。
あらかじめ患者体内の部位ごとに許容被曝放射線量を設定しておくことで、推定被曝放
射線量がこの許容値を超えた場合に、警告を行うようにする。警告は音(声)によるもの
でもよいし、モニタへの表示警告であってもよい。
て各部位ごとに(あるいは患者モデル毎の各部位ごとに)予め設定登録しておいても良い
し、医師により患者毎に異なる許容値を個別に設定・変更するようにしてもよい。
図10に示す推定吸収線量に対応する各部の許容値を設定・変更する場合が示されている
。
で、もし本実施の形態にあるように検査前の段階における推定量において警告を受けてし
まう場合は、実際の検査においてそのまま計画通りに検査を進めることに(患者の被曝放
射線量という点で)問題があるということを事前に判断できることになる。すなわち、患
者の被曝放射線量が許容値を超える可能性があるということが事前に分かることで、実際
の検査における計画の見直しや、X線の照射線量を必要最低限のレベルにまで下げるなど
、予め被曝対策を図ることが可能となる。
施の形態に係る実際の検査時における放射線量推定の関係を示す図12に示されるように
、実際の検査前に実際に行うであろう検査の条件、すなわち、検査対象となる患者情報並
びにX線診断装置の装置情報及びその装置の検査時設定条件、等、を想定して同条件の下
でどのくらいの放射線量が生じるかを推定することが可能となる。
より、実際の検査において患者が許容被曝放射線量を超えるような危険を回避する策を事
前に立てることが可能になる。また、患者やX線診断装置の周辺の空間放射線量も把握で
きるので、実際の検査において医療スタッフが可能な限り避けるべき領域が事前に把握で
きるので、患者のみならず医療スタッフにおいても必要以上に被曝してしまうことを回避
することが可能となる。
図12の左半分は本発明の第1の実施の形態に係る例を示すものであったが、本発明の
第2の実施の形態は同図の右半分に該当する部分、すなわち、実際の検査における放射線
量をリアルタイムで推定把握する場合について説明する。
ついて説明する。
ろ過され、コリメータ203により後段のX線検出器207に到達できるX線の立体角が
限定される。X線モニタ204ではコリメータ203により絞られて患者21に照射され
るX線の量をモニタすることができる。寝台205の上に寝た患者21を透過したX線は
寝台205も透過した後にX線グリッド206を介してX線検出器207にて検出される
。前記X線グリッド206を設けることにより散乱放射線の影響が減らされるのでX線検
出器207で検出される画像のコントラストは向上する。なお、支持器208により寝台
205(、X線グリッド206、X線検出器207)は検査の必要性に応じて上下させら
れる。また、寝台205は更に検査の必要性に応じて水平に前後左右移動させられる。
診断装置20の情報や患者21の情報が必要となるのは第1の実施の形態の場合と同じで
ある。
X線診断装置20の情報としては2つに分類され、1つは予め入力しておく情報であり
、もう1つは検査条件に応じて入力する情報である。
基本的には第1の実施の形態の場合と同じである。
材質に関する情報である。X線診断装置20は複数の構成要素からなるため、X線照射に
影響を与える各部についての情報が必要である。
ルタ202(但し、固定の場合)、X線の照射野を絞るコリメータ203、照射X線量を
監視するX線モニタ204、寝台205、X線の散乱を減らすX線グリッド206、X線
検出器207、支持器208、などについての装置形状や材質に関する情報、さらにはX
線検出器207のアナログゲインやディジタルゲイン、X線管電圧、X線管電流、X線パ
ルス幅など、据え付け時に設定する据え付け情報となる。
情報的には第1の実施の形態と同じであるが、第2の実施の形態においては実際の検査
に係る情報が入力されることになる。
照射に係る構成要素の設定条件が変わる情報である。下記の各情報は実際にはX線診断装
置20から自動的に放射線量推定部23に取り込めるものも少なくない。自動的に取り込
めない場合は(自動的に取り込めない情報は)医療スタッフにより随時入力されることに
なる。
(固定でない場合))、コリメータ開度情報、(寝台位置、支持器位置、)X線入射角度
、X線管−患者(または検出器)間の距離の各情報などとなる。
患者21の情報についても2つに分類され、1つは患者個人に関する情報であり、もう
1つは患者の位置情報である。
情報的には第1の実施の形態と同じである。
、患者21の体型(体格)を表す情報などがある。また臓器位置を特定できる情報も含む
。これらの情報は実際に検査を予定している患者21に基づいて医療スタッフにより入力
されるようにすればよい。なお、検査受付情報から、あるいは病院情報システムなど病院
内の他のシステム22から、必要な情報の全部又は一部を電子的に受け取るようにしても
よい。
患者の位置情報とは、患者21がX線診断装置20に対してどのような位置関係にある
かを示す情報である。
とができる。
患者監視用のテレビカメラを用いて撮影された患者のテレビカメラ画像により人体の認
識をすると共に、その際の寝台の位置情報を寝台制御情報を基に取得する。これらの情報
から、患者の人体全体とX線診断装置のおおまかな位置関係が得られるので、これを後述
する患者のモデルとX線診断装置のモデルとの位置関係に置き換える。
実際の検査が開始して直後に透視画像/撮影画像を得ることにより人体の認識をすると
共に、その際の寝台の位置情報を寝台制御情報を基に取得する。これらの情報から、患者
の人体局所(臓器等)とX線診断装置のおおまかな位置関係が得られるので、これを後述
する患者のモデルとX線診断装置のモデルとの位置関係に置き換える。
断装置に対する患者の位置情報を得ることができる。
装置に対して動く場合は、上記(1)(2)について随時実施することで、患者の位置情
報をリアルタイムに更新するようにしてもよい。このようにすれば、より正確な患者の被
曝放射線量及び空間放射線量の推定が可能になる。
イムに更新してもよい。すなわち、図2の説明においても記載したように、例えば、寝台
205の上下水平の移動やX線管201における照射線量、あるいはX線フィルタについ
て等、検査中の必要に応じた設定があるので、その情報を随時取り込むことで、より正確
な患者の被曝放射線量及び空間放射線量の推定が可能になる。
おいては、コリメータ203を介した実際の照射X線量を知ることができるので、この結
果を利用して、随時修正することが可能である。
者個人情報141及び検査時に変化する可能性のある患者位置情報142に基づいて患者
モデルの生成146を行う一方で、据え付け情報等、X線診断装置の情報として予め入力
しておく情報143及び検査時に変化する可能性のある検査毎の情報144に基づいてX
線診断装置モデルの生成147も行う。患者位置情報142はリアルタイムに更新される
。また、X線診断装置の検査毎の情報144もX線診断装置145でのリアルタイム更新
に伴い、随時変化することとなる。
被曝放射線量並びに患者及びX線診断装置の周辺における空間放射線量分布の計算148
を行う。計算された結果に基づいて、その線量分布の表示149を行う。
に記載した場合と同じであるのでここでは説明を省略する。
図15は検査中における表示部24の表示形態の一例を示す図である。
て表示するような形態で用いる際に、一方(例えば向かって左側)の表示枠にはリアルタ
イム(瞬時)の放射線量を表示し、他方(例えば向かって右側)の表示枠にはそれまでの
放射線量の積分値を表示するようにしてもよい。具体的な表示情報としては例えば、リア
ルタイム表示として患者やX線診断装置の周辺における空間放射線量及び/又は患者の皮
膚における被曝放射線量が考えられる(表示例:図8、図9)。また、積分値表示の例と
しては、患者体内の臓器や組織における被曝放射線量が考えられる(表示例:図9、図1
0)。
例は表示部24を1モニタ形式あるいは1つのウインドウにおいて、表示内容をX線照射
中とX線非照射中で切り替えて表示する場合である。
合で、X線を照射している間は当該照射X線に係る放射線量のリアルタイム表示を行うも
のである。表示内容は、患者やX線診断装置の周辺における空間放射線量及び/又は患者
の皮膚における被曝放射線量である。
合で、X線を照射していない時にそれまでの放射線量の積分値の表示を行うものである。
表示内容は、患者体内の臓器や組織における被曝放射線量である。このようにすれば、表
示部24が2モニタ(2ウィンドウ)表示ができない場合でも十分有効な表示が行える。
実際、放射線の軌跡計算や放射線量の計算は通常、時間がかかる。
射線量を含む患者体内の被曝放射線蓄積量(積分値)を計算することは困難な場合がある
。従って、このような場合に対して、放射線量推定部の処理能力に応じて、図17及び図
18に示す表示方法が例として考えられる。
列的に示す図である。
る空間放射線量及び/又は患者の皮膚における被曝放射線量がリアルタイム表示される。
このX線照射中、放射線量推定部内部(バックグラウンド)ではX線診断装置における各
種条件や同装置の状態の遷移についての記録が行われる。
ルタイム表示は終了し、患者体内に蓄積された被曝放射線量(積分値)が表示される。た
だし、X線照射終了直後は、その終了直前までに行われていたX線照射による放射線量は
含まない積分値が表示される。また、その積分値表示期間中、放射線量推定部内部(バッ
クグラウンド)では、X線照射中に記録されたX線診断装置における前記各種条件や同装
置の状態の前記遷移情報に基づいて、患者体内における最新の放射線軌跡の計算と被曝放
射線量が計算される。計算が終了すると、表示中の積分値に代わって最新の放射線量(患
者体内に蓄積された被曝放射線量)が表示されるようになる。この表示は再びX線照射が
開始されるまで続く。
いて時系列的に示す図である。
ける空間放射線量及び/又は患者の皮膚における被曝放射線量がリアルタイム表示される
。このX線照射中、放射線量推定部内部(バックグラウンド)ではX線診断装置における
各種条件や同装置の状態の遷移についての記録が行われる。また、同時に、前回X線照射
時の放射線量を含む(ただし、今回X線照射(on1)における放射線量は含まず)患者
体内に蓄積された被曝放射線量(積分値)が計算される。
ルタイム表示は終了し、患者体内に蓄積された被曝放射線量(積分値)が表示される。た
だし、今回X線照射(on1)による放射線量は含まない積分値が表示される。また、そ
の積分値表示期間中、放射線量推定部内部(バックグラウンド)では、X線照射(on1
)中に記録されたX線診断装置における前記各種条件や同装置の状態の前記遷移情報に基
づいて、患者体内における最新の放射線軌跡の計算と被曝放射線量が計算される。この計
算は次のX線照射(on2)中まで継続され、遅くともそのX線照射(on2)が終了す
るまでには完了する。計算が終了すると、X線照射(on2)の終了を待って、患者体内
に蓄積された被曝放射線量が表示されるようになる。この表示は再びX線照射が開始され
るまで続く。
本発明においては推定された放射線量を不揮発性メモリなどにて保存しておくようにし
てもよい。保存しておくことにより、後で参照したり、別の検査における放射線量と加算
することが可能になる。
同一患者についてX線診断装置による複数の検査が実施される場合、最新検査前の検査
における推定放射線量、特に患者体内に蓄積された被曝放射線量、について保存しておく
ことにより、各検査における(あるいは各検査における同一部位についての)推定被曝放
射線量を加算するようにしてもよい。
に示すように、同一患者について検査1におけるX線診断装置情報に基づく被曝放射線量
の推定計算結果と検査2におけるX線診断装置情報に基づく被曝放射線量の推定計算結果
を(少なくとも先に行われた検査結果については保存しておくことで)加算し、その加算
結果を表示する。
確認することができる。蓄積結果によっては、次回検査に対し、「既に被曝量がかなり多
い」など、申し送りをすることも対応になる。また、このような申し送りをしなくても、
新たな検査前に過去の被曝放射線量を確認することで、必要に応じて、すなわち既に被曝
放射線量がある程度の量に達している場合などに、当該新たな検査においてX線照射量を
規定最低限まで落とすなど検査計画の見直しを事前に図ることが可能になる。
レーション)を行い、その結果と過去の検査の保存結果を加算して確認するようにしても
、同様に当該新たな検査については実施前に検査計画の見直しを図ることが可能になる。
ることがなくても、過去の検査と併せた被曝放射線量で判断できるので、不用意に患者を
危険にさらすことがなくなり、また、患者も安心して検査に望むことができるようになる
。
るもののみを対象とせず、長期に渡る検査を対象とし当該患者の被曝履歴情報として管理
するようにしてもよい。
明においてはX線診断装置のみではなく例えばX線CT装置なども対象としてよい。また
、複数検査における被曝放射線量などの加算や比較について、X線診断装置における検査
による推定結果とX線CT装置における検査による推定結果を加算するようにしてもよい
。
以上説明した本発明に係る放射線量の推定は第三者に対する推定支援サービスとして行
うようにしてもよい。すなわち、本発明に係る放射線量推定装置、あるいは放射線量推定
機能を有する放射線診断装置、を有していない施設(検査室、病院、等)に対して、ネッ
トワークを介した遠隔サービスとして実施するようにしてもよい。
該サービスを専門に行う施設、等が例として挙げられる。
などの装置情報及び患者情報、医療スタッフ情報について入力されることが前提となる。
定支援サービス実施施設に送られることになる。放射線量推定装置においてはネットワー
クを介して受信した情報に基づいて放射線軌跡や各種放射線量が計算される。得られた計
算結果あるいはその結果に基づく表示内容は再びネットワークを介して依頼元へ送信され
る。
線量推定装置を有する場合と同じ効果を得ることが可能となる。
ことは可能である。特に、依頼元施設とサービス提供施設が同一病院内の異なる検査室同
士であれば共通のLANに接続されている可能性は高く、また、多病院同士であっても専
用線など高速回線にて結ばれていれば、多少の時差はあったとしても実用上ほとんど問題
なく本推定支援サービスによる利益を享受できる。
特に患者体内)の被曝放射線量や患者/放射線診断装置周辺の空間放射線量、またその空
間放射線量による医療スタッフの被曝の危険性などを推定できるので、実際の検査を行う
前に検査計画の見直しを図ることが可能になる。
装置周辺の空間放射線量が、検査時間の経過と共にその変化や蓄積量が推定表示され、さ
らにX線入射方向や患者体位の変化に伴い刻々と変化する検査環境にも追随して推定表示
されるので、検査中に患者への被曝放射線量を考慮した対応を可能せしめ、また、医療ス
タッフについては実際の検査中にその立ち入りが危険な(空間放射線量の濃度が高い)場
所の把握が可能になるといった効果を本発明は奏する。
12、146・・・患者モデルの作成
13・・・X線診断装置に係る情報
14、147・・・X線診断装置モデルの作成
15、148・・・患者の被曝放射線量並びに患者及びX線診断装置の周辺における空間
放射線量分布の計算15
16、149・・・線量分布の表示
20、145・・・X線診断装置
21・・・患者
22・・・放射線科又は病院情報システム
23・・・放射線量推定部
24・・・表示部
32・・・患者モデル作成部
33・・・患者モデル
141・・・患者個人情報
142・・・患者位置情報
143・・・X線診断装置の情報として予め入力しておく情報
144・・・X線診断装置の検査毎の情報
Claims (8)
- 被検体内部の各臓器の位置と大きさの情報を含むモデル情報を作成するモデル作成手段と
、
前記モデル作成手段により作成されたモデル情報を利用して、前記放射線診断装置によ
り照射されるX線に基づく前記被検体内部の臓器における被曝放射線量を推定する推定手
段と
を具備することを特徴とする放射線量推定装置。 - 放射線診断装置に関するモデル情報を作成する第1のモデル作成手段と、
被検体内部の各臓器の位置と大きさの情報を含むモデル情報を作成する第2のモデル作成
手段と、
前記第1及び第2のモデル作成手段により作成されたモデル情報を利用して、前記放射
線診断装置により照射されるX線に基づく前記被検体内部の臓器における被曝放射線量を
推定する推定手段と
を具備することを特徴とする放射線量推定装置。 - 前記推定手段により推定された放射線量を表示する表示手段をさらに具備することを特徴
とする請求項2記載の放射線量推定装置。 - 前記推定手段により推定される放射線量を放射線診断装置による複数の検査に渡り積算す
る積算手段をさらに具備し、前記表示手段は前記推定手段により推定された放射線量と前
記積算手段により積算された放射線量とを同時に又は切り替えて表示することを特徴とす
る請求項3記載の放射線量推定装置。 - 前記第1及び第2のモデル作成手段により作成されたモデル情報を利用してX線照射によ
る放射線軌跡を求める手段をさらに具備し、前記表示手段は前記放射線軌跡も表示するこ
とを特徴とする請求項3記載の放射線量推定装置。 - 前記推定手段により推定された放射線量をネットワークを介して外部に送信する送信手段
をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の放射線量推定装置。 - 前記第1のモデル作成手段は、実際の検査前において想定された放射線診断装置に関する
モデル情報を作成することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の放射線量
推定装置。 - 前記第2のモデル作成手段は、実際の検査前において想定された被検体に関するモデル情
報を作成することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の放射線量推定装置
。
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