JP6744158B2 - X線診断装置及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線診断装置及び画像処理装置に関する。
従来、インターベンション治療においてカテーテルやガイドワイヤなどのデバイスを血管内で操作するためのX線診断装置によるガイド機能が知られている。例えば、X線診断装置は、造影剤を用いて血管を表すX線画像(血管像)を収集し、血管像を透視画像にマスクして表示するロードマップ(road map)機能により、血管内のデバイス操作をサポートする。ロードマップ機能によれば、操作者は、デバイスが挿入された血管の形状を参照しながら、デバイスを目標位置まで進めることができる。
特開2011−139821号公報 特開2014−039863号公報 特開2015−217170号公報 特表2016−501096号公報
本発明が解決しようとする課題は、血管像を用いる手技の効率を向上させることができるX線診断装置及び画像処理装置を提供することである。
実施形態のX線診断装置は、収集部と、特定部と、表示制御部とを備える。収集部は、造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する。特定部は、前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。表示制御部は、前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる。
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、透視ロードマップを説明するための図である。 図3Aは、PIロードマップを説明するための図である。 図3Bは、PIロードマップを説明するための図である。 図4は、第1の実施形態に係る所定の位置の決定の一例を示す図である。 図5Aは、第1の実施形態に係る血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図5Bは、第1の実施形態に係る血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図5Cは、第1の実施形態に係る血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図5Dは、第1の実施形態に係る血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図6Aは、第1の実施形態に係る交差部における血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図6Bは、第1の実施形態に係る交差部における血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図6Cは、第1の実施形態に係る交差部における血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。 図8Aは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。 図8Bは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。 図9Aは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。 図9Bは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態に係るX線診断装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、高電圧発生器11と、X線管12と、コリメータ13と、天板14と、Cアーム15と、X線検出器16とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、Cアーム回転・移動機構17と、天板移動機構18と、Cアーム・天板機構制御回路19と、絞り制御回路20と、処理回路21と、入力回路22と、ディスプレイ23とを備える。また、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、画像データ生成回路24と、記憶回路25と、画像処理回路26とを備える。また、X線診断装置100は、インジェクター30と接続される。そして、X線診断装置100は、図1に示すように、各回路が相互に接続され、各回路間で種々の電気信号を送受信したり、インジェクター30と電気信号を送受信したりする。
インジェクター30は、被検体Pに挿入されたカテーテルから造影剤を注入するための装置である。ここで、インジェクター30からの造影剤注入は、後述する処理回路21を介して受信した注入指示に従って実行される。具体的には、インジェクター30は、後述する処理回路21から受信する造影剤の注入開始指示や、注入停止指示、更に、注入速度などを含む造影剤注入条件に応じた造影剤注入を実行する。なお、インジェクター30は、操作者が直接インジェクター30に対して入力した注入指示に従って、注入開始や注入停止を実行することも可能である。
図1に示すX線診断装置100においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路25へ記憶されている。Cアーム・天板機構制御回路19、絞り制御回路20、処理回路21、画像データ生成回路24及び画像処理回路26は、記憶回路25からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路25に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路25にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
高電圧発生器11は、処理回路21による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線管12に供給する。X線管12は、高電圧発生器11から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。コリメータ13は、絞り制御回路20による制御の下、X線管12が発生したX線を、被検体Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。例えば、コリメータ13は、スライド可能な4枚の絞り羽根を有する。コリメータ13は、絞り制御回路20による制御の下、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線管12が発生したX線を絞り込んで被検体Pに照射させる。
天板14は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。X線検出器16は、被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器16は、マトリックス状に配列された検出素子を有する。各検出素子は、被検体Pを透過したX線を電気信号に変換して蓄積し、蓄積した電気信号を画像データ生成回路24に送信する。
Cアーム15は、X線管12、コリメータ13及びX線検出器16を保持する。X線管12及びコリメータ13とX線検出器16とは、Cアーム15により被検体Pを挟んで対向するように配置される。なお、図1では、X線診断装置100がシングルプレーンの場合を例に挙げて説明しているが、実施形態はこれに限定されるものではなく、バイプレーンの場合であってもよい。
Cアーム回転・移動機構17は、Cアーム15を回転及び移動させるための機構であり、天板移動機構18は、天板14を移動させるための機構である。Cアーム・天板機構制御回路19は、処理回路21による制御の下、Cアーム回転・移動機構17及び天板移動機構18を制御することで、Cアーム15の回転や移動、天板14の移動を調整する。絞り制御回路20は、処理回路21による制御の下、コリメータ13が有する絞り羽根の開度を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線の照射範囲を制御する。
画像データ生成回路24は、X線検出器16によってX線から変換された電気信号を用いて画像データを生成する。例えば、画像データ生成回路24は、X線検出器16から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行い、画像データ(投影データ)を生成する。一例を挙げると、画像データ生成回路24は、造影剤が注入されていない状態で撮影された画像データ、及び、造影剤が注入された状態で撮影された画像データ(血管データ)を生成する。また、一例を挙げると、画像データ生成回路24は、透視における画像データを生成する。また、画像データ生成回路24は、生成した画像データを記憶回路25に格納する。
記憶回路25は、画像データ生成回路24によって生成された画像データを受け付けて記憶する。また、記憶回路25は、図1に示す各回路によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。一例を挙げると、記憶回路25は、処理回路21によって読み出されて実行される収集機能211に対応するプログラム、特定機能212に対応するプログラム及び表示制御機能213に対応するプログラムを記憶する。
画像処理回路26は、記憶回路25が記憶する画像データに対して各種画像処理を行うことでX線画像を生成し、記憶回路25に格納する。例えば、画像処理回路26は、造影剤が注入されていない状態で撮影された画像データと、造影剤が注入された状態で撮影された画像データとを記憶回路25から読み出してサブトラクション(Logサブ)し、サブトラクション済みのデータに対して各種画像処理を行うことで、差分画像を生成する。なお、差分画像は、DSA(Digital Subtraction Angiography)画像とも記載する。また、差分画像は、血管像の一例である。また、例えば、画像処理回路26は、透視により収集した画像データを記憶回路25から読み出して各種画像処理を行うことで、透視画像を生成する。また、画像処理回路26は、移動平均(平滑化)フィルタ、ガウシアンフィルタ、メディアンフィルタなどの画像処理フィルタによるノイズ低減処理を実行することも可能である。
入力回路22は、各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者からの指示や設定を受け付ける。ディスプレイ23は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路21による制御の下、X線画像を表示する。例えば、ディスプレイ23は、透視画像をリアルタイムに動画像で表示する。また、例えば、ディスプレイ23は、血管データに基づいて生成した血管像を透視画像に重畳して表示する。なお、ディスプレイ23が表示するX線画像については後述する。また、ディスプレイ23は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
処理回路21は、収集機能211、特定機能212及び表示制御機能213を実行することで、X線診断装置100全体の動作を制御する。例えば、処理回路21は、収集機能211に対応するプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、造影剤が注入された被検体Pから複数のX線画像を経時的に収集する。また、例えば、処理回路21は、特定機能212に対応するプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、収集したX線画像の血管領域における単位領域ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。ここで、単位領域は、X線画像の血管領域における一つの画素からなる領域、又はX線画像の血管領域における複数の画素(画素群)からなる領域である。なお、以下では、単位領域が一つの画素からなる領域である場合について説明する。また、以下では、単位領域を、単に画素とも記載する。また、例えば、処理回路21は、表示制御機能213に対応するプログラムを記憶回路25から読み出して実行することにより、特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像をディスプレイ23に表示させる。なお、処理回路21による収集機能211、特定機能212及び表示制御機能213の詳細については後述する。また、第1の実施形態における収集機能211は、特許請求の範囲における収集部の一例である。また、第1の実施形態における特定機能212は、特許請求の範囲における特定部の一例である。また、第1の実施形態における表示制御機能213は、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。
以上、第1の実施形態に係るX線診断装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、所定の位置から血流方向の血管領域を特定し、特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を操作者に提示することで、血管像を用いる手技の効率を向上させる。例えば、X線診断装置100は、所定の位置から血流方向に特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像をロードマップの血管像に用いることで、血管像を用いる手技の効率を向上させる。
ここで、X線診断装置100は、血管内でのデバイス操作をサポートするための種々のロードマップ機能を備える。例えば、X線診断装置100は、透視ロードマップやPI(Parametric Imaging)ロードマップ、3Dロードマップを実行することができる。ここで、透視ロードマップについて、図2を用いて説明する。図2は、透視ロードマップを説明するための図である。透視ロードマップでは、造影剤が注入された状態で収集された画像データのうち血管内に造影剤が最も充満している画像データと、造影剤を注入せずに収集した画像データとを差分した差分画像(造影ピーク画像)を、ロードマップの血管像として、透視画像に重ねて表示する。なお、以下では、ロードマップの血管像として透視画像に重ねて表示されるX線画像を、マスク像とも記載する。
なお、透視画像は、X線画像の一例であり、差分画像等の撮影画像と比較してX線の線量の少ないX線画像である。透視画像は、例えば、リアルタイムに動画像で表示され、カテーテル等のデバイスの現在の位置を操作者に示すことができる。一方で、透視画像は、血管内に造影剤を注入した瞬間を除いて血管の形状が描出されない。そこで、ロードマップ機能により、マスク像を透視画像に重ねて表示し、デバイスの現在の位置に加え、血管の形状を操作者に提示する。
透視ロードマップのマスク像に用いられる造影ピーク画像は、図2に示すように、血管と他の組織とが区別された画像である。例えば、操作者は、血管領域(図2に示す白色の領域)に沿って、カテーテルを進める。しかしながら、造影ピーク画像による透視ロードマップでは、図2に示すように、血管が重なっている部分において、血管が実際に繋がっているのか、あるいは繋がっていない血管が単に重なって見えているのかを判定することが難しい場合がある。
次に、PIロードマップについて、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3A及び図3Bは、PIロードマップを説明するための図である。PIロードマップでは、まず、造影剤が注入された状態で画像データを経時的に複数収集し、収集した複数の画像データを、造影剤を注入せずに収集した画像データとそれぞれ差分することで、複数の差分画像を経時的に収集する。
ここで、経時的に収集した差分画像の各画素での造影剤の信号強度は、時間の経過に伴って増加し、最大値となった後、次第に減少する。PIロードマップでは、このような造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、画素ごとに、パラメータ値(特徴量)を算出する。例えば、パラメータ値として、所定のタイミングから信号強度が最大値となるまでの所要時間を示す「TTP(Time To Peak)」が算出される。また、例えば、パラメータ値として、所定のタイミングから信号強度が最大値の所定の割合の値となるまでの所要時間を示す「TTA(Time To Arrival)」が算出される。なお、「TTP」や「TTA」を算出する際の所定のタイミングとしては、例えば、造影剤を注入したタイミングや、造影剤による信号が最初に出現したタイミングなどを用いることができる。
なお、PIロードマップにおけるパラメータ値としては、「TTP」や「TTA」に限らず、信号強度の最大値を示す「PH(Peak Height)」、信号強度の累積量を示す「AUC(Area Under Curve)」、造影剤による信号が出現するまでの時間を示す「AT(Arrival Time)」、造影剤による信号が出現してから信号強度が最大となるまでの時間を示す「Wash in」、信号強度が最大値を示した時点から造影剤が流出しきるまでの時間を示す「Wash out」、信号強度の最大値の半値幅を示す「Width」、平均通過時間「MTT(Mean Transit Time)」などを用いることもできる。
次に、PIロードマップでは、図3A及び図3Bに示すように、算出したパラメータ値に対応する色で画像に含まれる血管領域の各画素をカラー化したカラー画像を生成する。例えば、カラー画像は、画素ごとに算出した「TTP」の値に応じて、各画素が色付けされる。PIロードマップのカラー画像では、図3Aの位置R1及び位置R2に示すように、血管が交差する交差部において、交差する血管の各々の色が異なっていれば、繋がっていない血管が単に重なって見えているに過ぎないと判断することができる。
一方で、PIロードマップでは、図3Bの位置R3に示すように、血管が交差する交差部において、交差する血管の各々の色が同程度となる場合がある。このような場合、実際に血管が繋がっているのか、あるいは繋がっていない血管が単に重なっており、偶然に同色となっているのかを判断することは難しい。即ち、PIロードマップのカラー画像では、血管の交差部において血管走行の判断が難しい場合がある。
次に、3Dロードマップについて説明する。3Dロードマップでは、複数方向からX線を照射して投影データを収集し、投影データから3次元の血管像を再構成する。そして、このような3次元の血管像をマスク像として用いることで、血管が重なっている部分の血管走行の判定が可能となる。例えば、一方向から見た場合に血管が交差する交差部があっても、他の方向から見れば、交差部の血管が実際に繋がっているのか否かを判断することができる。しかしながら、3次元の血管像を収集するためには、複数方向からの投影データを収集するための回転撮影や、回転撮影時の装置間のクリアランスの確保、3次元画像の再構成処理などが必要となって時間を要する。また、線量の多い撮影を行うため、撮影時には操作者が検査室から出る必要があり、被検体の被曝量も増加する。そのため、臨床の場では、3Dロードマップの利用は困難な場合がある。
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、差分画像における所定の位置から先の血管領域を特定し、特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示することにより、血管走行の把握を容易にして、手技の効率を向上させる。以下、第1の実施形態に係るX線診断装置100が行う処理について詳細に説明する。
まず、収集機能211は、造影剤が注入されていない状態の被検体Pの画像データと、造影剤が注入された状態の被検体Pの画像データ(血管データ)とを収集する。例えば、収集機能211は、高電圧発生器11を制御してX線管12に電圧を供給し、造影剤が注入されていない状態の被検体PにX線を照射する。また、収集機能211は、被検体Pを透過したX線をX線検出器16により検出する。そして、収集機能211は、画像データ生成回路24を制御することで、X線検出器16によってX線から変換された電気信号から、造影剤が注入されていない状態の被検体Pの画像データを生成して、記憶回路25に格納する。
また、例えば、収集機能211は、インジェクター30に注入指示を送信して造影剤を被検体Pに注入しつつ、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線をX線検出器16により検出する。そして、収集機能211は、画像データ生成回路24を制御することで、X線検出器16によってX線から変換された電気信号から血管データを生成して、記憶回路25に格納する。ここで、収集機能211は、血管データを経時的に複数生成し、それぞれを記憶回路25に格納する。なお、造影剤が注入されていない状態の被検体Pの画像データ、及び、血管データを収集する順序は任意である。
次に、収集機能211は、造影剤が注入されていない状態の被検体Pの画像データと血管データとを用いて、差分画像を収集する。例えば、収集機能211は、画像処理回路26を制御し、造影剤が注入されていない状態で撮影した画像データと血管データとを記憶回路25から読み出して差分することで、差分画像を生成する。ここで、収集機能211は、経時的に複数収集した血管データのそれぞれと、造影剤が注入されていない状態で収集した画像データとを差分することにより、複数の差分画像を経時的に収集する。
なお、差分画像は、造影剤が注入された状態で撮影されて血管内の造影剤が描出された血管データから、骨などの背景を差分して消すことで、血管領域を流れる造影剤を強調したX線画像である。以下では、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて経時的に収集する複数のX線画像として、複数の差分画像を収集する場合について説明する。
次に、特定機能212は、複数の差分画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。以下、血流方向の血管領域の特定について詳述する。なお、差分画像の血管領域とは、差分画像のうち血管を表す領域である。差分画像は、血管内に造影剤を注入しつつ収集した血管データに基づいて生成されるため、特定機能212は、差分画像のうち造影剤の位置を血管領域として特定することができる。また、血流方向は、血液が流れる方向(下流方向)である。
まず、特定機能212は、差分画像の血管領域における所定の位置を決定する。なお、所定の位置とは、特定機能212が血流方向の血管領域を特定する際の始点の位置である。即ち、所定の位置は、これからカテーテルを進行させる血管領域など、操作者が関心を有する血管領域のうち、上流の任意の位置である。
ここで、図4を用いて、所定の位置の決定について説明する。図4は、第1の実施形態に係る所定の位置の決定の一例を示す図である。例えば、特定機能212は、ディスプレイ23に表示された差分画像を参照した操作者から、入力回路22を介して、所定の位置を決定する決定操作を受け付ける。例えば、特定機能212は、図4に示すように、操作者によってクリック(Click)された位置を所定の位置として決定する。
あるいは、特定機能212は、所定の位置を自動で決定する場合であってもよい。例えば、特定機能212は、まず、リアルタイムで収集される透視画像に基づいて、カテーテル先端の現在位置を特定する。次に、特定機能212は、差分画像における位置であって、透視画像におけるカテーテル先端の現在位置に対応する位置を、所定の位置として決定する。
次に、特定機能212は、所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。ここで、図5A、図5B、図5C及び図5Dを用いて、血流方向の血管領域の特定について説明する。図5A、図5B、図5C及び図5Dは、第1の実施形態に係る血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。なお、図5A、図5B、図5C及び図5Dは、差分画像を構成する画素の一部を示す。また、図5A、図5B、図5C及び図5Dの画素に示す数値は、画素ごとに算出したパラメータ値を示す。また、図5Aの画素P1は、所定の位置に含まれる画素を示す。また、図5B及び図5Dの画素に示す「ON」の文字は、血流方向の血管領域に含まれる画素と判定されたことを示す。また、図5Dの画素に示す「OFF」の文字は、血流方向の血管領域に含まれない画素と判定されたことを示す。
まず、特定機能212は、図5Aに示すように、画素ごとにパラメータ値を算出する。ここで、特定機能212は、差分画像の画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づき、パラメータ値として、「TTP」や「TTA」、「PH」、「AUC」、「AT」、「Wash in」、「Wash out」、「Width」、「MTT」などの種々の値を算出することができる。なお、以下では、特定機能212が、パラメータ値として、「TTP」を算出する場合について説明する。
次に、特定機能212は、所定の位置に含まれる画素P1と、画素P1に隣接する画素との間で、「TTP」の差を算出する。ここで、特定機能212が算出する「TTP」の差は、画素P1の「TTP」から隣接する画素の「TTP」を引き算した値であってもよいし、隣接する画素の「TTP」から画素P1の「TTP」を引き算した値であってもよいし、あるいは引き算した値の絶対値であってもよい。
なお、以下では、特定機能212が、画素P1の「TTP」から隣接する画素の「TTP」を引き算した値の絶対値を、「TTP」の差として算出する場合について説明する。例えば、特定機能212は、画素P1の「TTP」の値「2」と、隣接する画素P2の「TTP」の値「2」との差「0」を算出する。また、例えば、特定機能212は、画素P1の「TTP」の値「2」と、隣接する画素P3の「TTP」の値「0」との差「2」を算出する。同様に、特定機能212は、画素P1に隣接するその他6つの画素について「TTP」の差を算出する。
次に、特定機能212は、画素P1に隣接する画素のうち、「TTP」の差が閾値以下となる画素を、血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する。例えば、特定機能212は、閾値を「1」として、血流方向の血管領域に含まれる画素を特定する。一例を挙げると、画素P1と隣接する画素P2との間での「TTP」の差は「0」であり、閾値「1」以下であるため、特定機能212は、図5Bに示すように、画素P2を血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する。一方で、画素P1と隣接する画素P3との間での「TTP」の差は「2」であり、閾値「1」以下でないため、特定機能212は、図5Bに示すように、画素P3を血流方向の血管領域に含まれない画素と判定する。そして、特定機能212は、図5Bに示すように、画素P1に隣接する8つの画素のうち、画素P2を含む4つの画素を、血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する。
次に、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれると判定した4つの画素のそれぞれについて、隣接する画素との間で「TTP」の差を算出し、隣接する画素の各々が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する。例えば、特定機能212は、図5Cに示すように、血流方向の血管領域に含まれると判定した画素P2と、画素P2に隣接する画素との間で、「TTP」の差を算出する。そして、算出した「TTP」の差が閾値以下であるか否かに応じて、隣接する画素の各々が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する。
次に、特定機能212は、画素P2に隣接する画素のうち血流方向の血管領域に含まれると判定した画素と、隣接する画素との間で「TTP」の差を算出し、隣接する画素の各々が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する。更に、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれると判定した画素と、隣接する画素との間で「TTP」の差を算出し、隣接する画素の各々が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する処理を、血流方向の血管領域に含まれると判定した画素に対して再帰的に行う。
上述したように、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれる画素と隣接する画素との間で「TTP」の差を算出し、隣接する画素のうち「TTP」の差が閾値以下となる画素を血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する処理を、所定の位置に含まれる画素P1を血流方向の血管領域に含まれる画素の始点として順次行う。そして、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれる画素を判定することで、図5Dに示すように、血流方向の血管領域(図中、「ON」を示す画素の領域)を特定する。
なお、特定機能212は、所定の位置から血流の下流の方向に向かって、血流方向の血管領域に含まれる画素を順次特定する。例えば、特定機能212は、画素間で「TTP」を比較する際に、「TTP」の値が大きい画素ほど、より下流の画素であると判定する。そして、特定機能212は、「TTP」の値に基づいて各画素が所定の位置から下流に位置しているかを判定しつつ、画素間での「TTP」の差が閾値以下になるかを順次判定することで、所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。
ここで、血管が交差する交差部においては、「TTP」のみに基づいて血流方向の血管領域を特定することが難しい場合がある。以下、交差部での血流方向の血管領域の特定について、図6A、図6B及び図6Cを用いて説明する。図6A、図6B及び図6Cは、第1の実施形態に係る交差部における血流方向の血管領域の特定の一例を示す図である。なお、図6A、図6B及び図6Cは、差分画像を構成する画素の一部を示す。また、図6A、図6B及び図6Cの画素に示す数値は、画素ごとに算出したパラメータ値を示す。
まず、特定機能212は、図6Aに示す画素P4を始点として、図6Aの右上に向けて順に血流方向の血管領域に含まれる画素を特定する。ここで、特定機能212は、図6Aに示す画素P5を血流方向の血管領域に含まれる画素として特定した後、画素P5と、画素P5に隣接する画素との間で「TTP」の差を算出し、隣接する画素の各々が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する。
ここで、画素P5と隣接する画素P6との「TTP」の差は「0」であり、画素P5と隣接する画素P7との「TTP」の差は「1」であり、画素P5と隣接する画素P8との「TTP」の差は「1」である。そして、閾値が「1」であった場合、画素P6、画素P7及び画素P8は、いずれも「TTP」の差が閾値以下となる。しかしながら、画素P5と隣接する画素P6、画素P7及び画素P8とは実際に繋がっている血管ではなく、繋がっていない血管が単に重なって見えており、更に「TTP」の値が偶然に近い値となっている可能性がある。
そこで、特定機能212は、図6Bに示すように、血管領域における造影剤の動きを表すベクトル(オプティカルフロー)を算出し、画素間でのオプティカルフローの類似性に基づいて、交差部近傍の各画素のうち血流方向の血管領域に含まれる画素を特定する。例えば、特定機能212は、経時的に複数収集した差分画像のうち任意の時間フレームにおける造影剤の位置と、次の時間フレームにおける造影剤の位置とを結ぶことにより、オプティカルフローを算出する。なお、特定機能212は、差分画像の全体についてオプティカルフローを算出する場合であってもよいし、交差部近傍の各画素についてオプティカルフローを算出する場合であってもよい。
また、特定機能212は、画素間でのオプティカルフローの類似性を判定する。例えば、特定機能212は、図6Bに示す画素P5のベクトルと、画素P6、画素P7及び画素P8のベクトルとの類似性を判定する。一例を挙げると、特定機能212は、画素P5のベクトルと、画素P6、画素P7及び画素P8のベクトルとの間で、ベクトルの大きさ及び向き(角度)のそれぞれについて差を算出する。そして、特定機能212は、算出した差と、ベクトルの大きさ及び向き(角度)のそれぞれについて設定した閾値とを比較し、算出した差が閾値以下となるか否かに基づいて、各画素が血流方向の血管領域に含まれる画素であるか否かを判定する。
図6Bに示す各画素のうち、画素P6については、画素P5との間で「TTP」の値が近いことに加え、オプティカルフローも類似していることから、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する。一方で、画素P7及び画素P8については、画素P5との間で「TTP」の値は近いものの、オプティカルフローが類似しないことから、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれない画素と判定する。これにより、特定機能212は、例えば図6Cのグレーの領域に示すように、血管の交差部における血流方向の血管領域を特定する。
上述したように、特定機能212は、血流方向の血管領域を特定する。次に、表示制御機能213は、特定機能212が特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像をディスプレイ23に表示させる。ここで、特定機能212が特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像とは、特定機能212が特定した血管領域を、背景領域及び特定機能212が特定した血管領域以外の血管領域と区別できるように表現した画像である。
例えば、表示画像は、特定機能212が特定した血管領域と、他の血管領域とを異なる色(色相、彩度若しくは明度又はこれらの組み合わせ)で表現した画像である。一例を挙げると、表示制御機能213は、画像処理回路26を制御し、差分画像に基づいて、特定機能212が特定した血管領域に対応する画素と他の血管領域に対応する画素とからそれぞれ異なる色を出力することで特定機能212が特定した血管領域と他の血管領域とを区別可能に表現する表示画像を生成させる。ここで、ディスプレイ23に表示される表示画像の一例について、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態に係る表示画像の例を示す図である。
例えば、表示制御機能213は、図7に示すように、特定機能212が特定した血管領域(所定の位置から先の血管領域)と他の血管領域とを異なる色で表現した表示画像をディスプレイ23に表示させる。ここで、表示制御機能213は、図7に示す表示画像をロードマップの血管像(マスク像)としてディスプレイ23に表示させる。即ち、表示制御機能213は、収集機能211により収集され、ディスプレイ23にリアルタイムで表示される透視画像に、図7に示す表示画像を重畳して表示させる。
図7に示す表示画像を用いてロードマップを行うことにより、表示制御機能213は、画像上の血管のうち、所定の位置から先の血管がいずれの血管であるのかを操作者に示すことができる。例えば、表示制御機能213は、図7の所定の位置にカテーテルの先端が位置している場合において、透視画像によってカテーテルの現在位置を表示しつつ、表示画像によってカテーテルが進行し得る血管を操作者に示すことができる。
また、表示制御機能213は、カテーテルの先端位置の移動に応じて更新した表示画像を表示することもできる。例えば、カテーテルの先端位置が移動した場合において、特定機能212は、移動後のカテーテルの先端位置に応じて再度所定の位置を設定し、設定した所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。そして、表示制御機能213は、移動後のカテーテルの先端位置から先の血管領域が強調された表示画像を透視画像にマスクして表示させる。
ここで、表示制御機能213は、移動後のカテーテルの先端位置から先の血管領域が強調された表示画像として、例えば、最新の所定の位置から血流方向の血管領域のみを表示する表示画像を表示する。一例を挙げると、表示制御機能213は、カテーテル先端が血管の分岐点(実際に繋がっている血管の交差部)を通過する前は、分岐先の各血管が強調された表示画像を表示させる。一方で、表示制御機能213は、カテーテル先端が分岐点を通過した後は、カテーテルの進行先として選択された血管のみが強調された表示画像を表示させる。
あるいは、表示制御機能213は、移動後のカテーテルの先端位置から先の血管領域が強調された表示画像として、例えば、所定の位置が変更される都度、異なる色によって血流方向の血管領域を上書きした表示画像を表示する。一例を挙げると、表示制御機能213は、カテーテル先端が分岐点を通過する前は、分岐先の各血管が同色で表現された表示画像を表示させる。一方で、表示制御機能213は、カテーテル先端が分岐点を通過した後は、カテーテルの進行先として選択された血管と他の血管とが異なる色で表現された表示画像を表示させる。このような表示画像によれば、表示制御機能213は、カテーテルが既に通過した血管や、カテーテルを進行させる血管として選択されなかった血管と、これからカテーテルが進行し得る血管とを区別することを可能にする。
なお、表示画像は、特定機能212が特定した血管領域と他の血管領域とを異なる色で表現した画像に限られるものではない。例えば、表示画像は、特定機能212が特定した血管領域のみ、あるいは特定機能212が特定した血管領域及び背景領域のみを表す画像である。また、例えば、表示画像は、特定機能212が特定した血管領域を、血管領域の各画素について算出したパラメータ値に対応する色でカラー化したカラー画像である。
上述したように、表示制御機能213は、表示画像をロードマップの血管像としてディスプレイ23に表示させる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示画像は、ロードマップの血管像としてではなく、術前の診断用画像として用いることも可能である。以下、この点について図8A及び図8Bを用いて説明する。図8A及び図8Bは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。
図8Aは、被検体Pの頭部について収集した差分画像を示す。まず、特定機能212は、ディスプレイ23に表示された差分画像を参照した操作者から、入力回路22を介して、所定の位置を決定する決定操作を受け付ける。次に、特定機能212は、所定の位置から先の血管領域を特定する。そして、表示制御機能213は、図8Bに示すように、特定機能212が特定した血管領域を強調した表示画像を、ディスプレイ23に表示させる。
図8Bに示す表示画像では、被検体Pの頭部について収集した差分画像全体のうち、所定の位置として指定された血管領域から下流の血管領域が強調して表示される。即ち、図8Bに示す表示画像で強調して表示される血管は、所定の位置からカテーテルを挿入した場合に到達できる血管を示す。従って、表示制御機能213は、図8Bに示す表示画像を操作者に提示することにより、所定の位置からカテーテルを挿入して目標位置まで到達できるか否か、あるいはどのような経路によれば目標位置まで到達できるかの判断をサポートすることができる。
また、これまで所定の位置が1つの位置である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。以下、この点について図9A及び図9Bを用いて説明する。図9A及び図9Bは、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。例えば、特定機能212は、図9Aに示すように、ディスプレイ23に表示された差分画像を参照した操作者から、入力回路22を介して、複数の所定の位置を決定する決定操作を受け付ける。次に、特定機能212は、複数の所定の位置のそれぞれから先の血管領域を特定する。
そして、表示制御機能213は、特定機能212が所定の位置のそれぞれについて特定した血管領域を強調した表示画像を、ディスプレイ23に表示させる。例えば、表示制御機能213は、図9Bに示すように、所定の位置ごとに特定した血管領域を相互に異なる色で表した表示画像を表示させる。従って、表示制御機能213は、図9Bに示す表示画像を操作者に提示することにより、各所定の位置からカテーテルを挿入した場合に到達できる血管領域を効率的に示すことができる。
次に、X線診断装置100による処理の手順の一例を、図10を用いて説明する。図10は、第1の実施形態に係るX線診断装置100の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS101、ステップS102及びステップS107は、収集機能211に対応するステップである。ステップS103、ステップS104及びステップS105は、特定機能212に対応するステップである。ステップS106は、表示制御機能213に対応するステップである。
まず、処理回路21は、検査開始コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS101)、検査開始コマンドを受け付けない場合には待機状態となる(ステップS101否定)。一方で、処理回路21は、検査開始コマンドを受け付けた場合(ステップS101肯定)、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する(ステップS102)。なお、ステップS102にて収集されるX線画像は、例えば、差分画像である。
次に、処理回路21は、X線画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、画素ごとに「TTP」を算出する(ステップS103)。また、処理回路21は、X線画像の血管領域における所定の位置を取得する(ステップS104)。次に、処理回路21は、画素ごとに算出した「TTP」に基づいて、所定の位置から血流方向の血管領域を特定する(ステップS105)。
そして、処理回路21は、特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を生成し、表示画像をディスプレイ23に表示させる(ステップS106)。ここで、処理回路21は、検査終了コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップS107)、検査終了コマンドを受け付けない場合には待機状態となる(ステップS107否定)。一方で、処理回路21は、検査終了コマンドを受け付けた場合(ステップS107肯定)、処理を終了する。
なお、ステップS103において、処理回路21は、パラメータ値として「TTP」を算出してもよいし、「TTA」や「PH」等の他のパラメータ値を算出してもよい。また、ステップS104における所定の位置の取得は、ステップS103の前に実行される場合であってもよい。また、ステップS106にてディスプレイ23に表示される表示画像は、透視画像に重畳して表示されるマスク像として表示される場合であってもよいし、透視画像に重畳せずに表示される場合であってもよい。
上述したように、第1の実施形態によれば、収集機能211は、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する。特定機能212は、複数のX線画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する。表示制御機能213は、特定機能212が特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、所定の位置から先の血管領域を操作者に提示し、血管走行の把握を容易にすることで、手技の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、特定機能212は、血管が交差する交差部がある場合であっても、オプティカルフローに基づいて、交差部での血流方向の血管領域を特定する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、交差部を含む複雑な血管領域についても、血流方向の血管領域を適切に特定し、表示画像を操作者に提示することができる。
また、第1の実施形態によれば、表示制御機能213は、ロードマップの血管像として、表示画像を表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、血管内に挿入されたカテーテルを、現在の位置から進行させることができる血管領域を操作者に示し、手技の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、表示制御機能213は、2次元の血管データを用いたロードマップを行いつつ、血管走行の把握を容易にする。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置100は、3次元ロードマップと比較して迅速にマスク像を生成し、被検体Pの被曝量を低減したロードマップを行うことができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、X線画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、「TTP」等のパラメータ値を算出し、パラメータ値に基づいて、所定の位置から血流方向の血管領域を特定する場合について説明した。これに対して第2の実施形態では、X線画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移の類似性に基づいて、所定の位置から血流方向の血管領域を特定する場合について説明する。
第2の実施形態に係るX線診断装置は、図1に示した第1の実施形態に係るX線診断装置と同様の構成を有し、特定機能212による処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
まず、収集機能211が、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する。収集機能211は、複数のX線画像として、例えば、複数の差分画像を経時的に収集する。また、特定機能212は、差分画像の血管領域における所定の位置を取得する。次に、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれる画素と隣接する画素との間で、造影剤の信号強度の経時的な遷移の類似性を判定する。
ここで、造影剤の信号強度の経時的な遷移は、例えば、時間濃度曲線(Time Density Curve:TDC)で表現される。TDCは、横軸を時間とし、縦軸を造影剤の信号強度として、造影剤の信号強度の経時的な遷移を画素ごとに描いたグラフである。TDCは、例えば、造影剤がない状態における画素の信号強度から、造影剤が画素に流入するにつれて徐々に信号強度が増加し、信号強度のピークを迎えた後、造影剤の流出に伴って信号強度が低下して再度造影剤がない状態における画素の信号強度となる様子を示す。また、特定機能212は、TDCを画素ごとに算出する。
例えば、特定機能212は、各画素のTDCについて、TDCの位置(造影剤による信号が出現する時間、造影剤による信号が最大値となる時間、造影剤による信号が消失する時間など)、TDCの高さ(造影剤による信号の最大値、造影剤による信号の積分値など)、TDCの形状(造影剤による信号が出現してから消滅するまでの任意の時点での造影剤による信号強度、グラフの傾きなど)といった、種々の評価値を算出する。次に、特定機能212は、各画素のTDCについて算出した評価値を画素間で比較し、例えば、画素間での評価値の差が閾値を超えるか否かに基づいて、造影剤の信号強度の経時的な遷移の類似性を判定する。
TDCの類似性を判定する画素のそれぞれが、実際に繋がっている血管に含まれている場合、TDCの位置や高さ、形状のいずれについても、類似した評価値が算出される。一方で、TDCの類似性を判定する画素のそれぞれが、実際に繋がっていない別個の血管に含まれている場合、TDCの位置や高さ、形状について、類似しない評価値が算出される。従って、特定機能212は、隣接する画素のうちTDCが類似する画素を血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する処理を、所定の位置に含まれる画素を血流方向の血管領域に含まれる画素の始点として順次行うことで、血流方向の血管領域を特定することができる。
なお、血管が交差する交差部においては、TDCの類似性のみに基づいて血流方向の血管領域を特定することが難しい場合がある。例えば、差分画像の血管領域の交差部における各画素が、実際に繋がっている血管ではなく、繋がっていない血管が単に重なって見えており、更に交差部における各画素のTDCが偶然に類似している場合がある。この場合、特定機能212は、各画素のオプティカルフローを算出し、画素間でのオプティカルフローの類似性に基づいて、交差部近傍の各画素のうち血流方向の血管領域に含まれる画素を特定する。
次に、表示制御機能213は、特定機能212が特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像をディスプレイ23に表示させる。例えば、表示制御機能213は、表示画像をロードマップの血管像として、透視画像に重畳させてディスプレイ23に表示させる。あるいは、表示制御機能213は、表示画像を透視画像に重畳させることなく、ディスプレイ23に表示させる。
上述したように、第2の実施形態に係る特定機能212は、差分画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移の画素間での類似性に基づいて、血流方向の血管領域を特定する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置100は、各画素での信号強度の経時的な遷移を包括的に評価して血流方向の血管領域を特定し、適切な表示画像を操作者に提示することができる。
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、血管が交差する交差部において、画素ごとのパラメータ値又は画素ごとの信号強度の経時的な遷移に基づいて血流方向の血管領域を特定することが難しい場合は、各画素のオプティカルフローを算出し、画素間でのオプティカルフローの類似性に基づいて、交差部近傍の各画素のうち血流方向の血管領域に含まれる画素を特定するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、特定機能212は、複数の差分画像に基づく流体解析(Computational Fluid Dynamics:CFD)を行うことにより、交差部近傍の各画素のうち血流方向の血管領域に含まれる画素を特定する。一例を挙げると、特定機能212は、まず、CFDにより、複数の差分画像のそれぞれに描出された造影剤の位置から、差分画像の血管領域の各位置における血流の状態(血流の速さや方向、流量、圧力等)を算出する。
ここで、交差部においては、交差部に血液を流入させる血管と、交差部から血液を流出させる血管とがある。例えば、十字の形の交差部において、交差部からは4本の血管が伸びることとなるが、4本の血管のうち少なくとも1本の血管は交差部に血液を流入させる血管であり、また、少なくとも1本の血管は交差部から血液を流出させる血管である。ここで、実際に繋がっていない血管が単に重なって見えている場合、交差部に血液を流入させる血管及び交差部から血液を流出させる血管はそれぞれ2本ずつとなる。
従って、特定機能212は、CFDにより得られた血流の方向に基づき、交差部に血液を流入させる血管が1本で交差部から血液を流出させる血管が3本であると判断できる場合、あるいは、交差部に血液を流入させる血管が3本で交差部から血液を流出させる血管が1本であると判断できる場合、この交差部は、実際に血管が繋がっているものと判断する。
また、交差部に血液を流入させる血管及び交差部から血液を流出させる血管がそれぞれ2本ずつである場合においては、特定機能212は、4本の血管のそれぞれの流量を比較する。ここで、交差部に血液を流入させる血管と交差部から血液を流出させる血管とで、流量が同一となる血管のペアが2つ存在する場合、特定機能212は、この交差部は、実際に繋がっていない血管が単に重なって見えているものと判断する。また、交差部に血液を流入させる血管と交差部から血液を流出させる血管とで、流量が同一となる血管のペアが存在せず、交差部に血液を流入させる2本の血管の流量の和と、交差部から血液を流出させる2本の血管の流量の和とが同一になるに過ぎない場合、特定機能212は、この交差部は、実際に血管が繋がっているものと判断する。
また、特定機能212は、画素ごとのパラメータ値に基づいて交差部の血流方向の血管領域を特定することが難しい場合は、画素ごとの信号強度の経時的な遷移に基づいて、交差部近傍の各画素のうち血流方向の血管領域に含まれる画素を特定することもできる。一例を挙げると、特定機能212は、交差部近傍の各画素のTDCを相互に比較して、TDCが類似する画素を血流方向の血管領域に含まれる画素と特定し、交差部における血流方向の血管領域を特定する。
また、上述した実施形態では、隣接する画素間において、パラメータ値やTDCなどを比較する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、特定機能212は、各画素について算出したパラメータ値について、一定の範囲ごと(例えば、「5×5」の25個の画素ごと)にパラメータ値の平均値を算出し、平均値と範囲内の各画素のパラメータ値との差が閾値以下になるか否かを判定し、平均値との差が閾値以下となる画素については、血流方向の血管領域に含まれると判定する。ここで、例えば、閾値以下とならない画素が1つだけある場合、この画素は、X線画像に生じたノイズと考えられるため、特定機能212は、血流方向の血管領域に含まれる画素と判定する。一方で、閾値以下とならない画素が複数固まって存在する場合、特定機能212は、これら画素を血流方向の血管領域に含まれない画素と判定する。
即ち、特定機能212は、隣接する画素のパラメータ値のみならず、近傍の画素のパラメータ値に基づいて、血流方向の血管領域を特定することができる。言い換えると、特定機能212は、パラメータ値の連続性に基づいて、血流方向の血管領域を特定することができる。同様に、特定機能212は、各画素のTDCやオプティカルフローの連続性に基づいて、血流方向の血管領域を特定することもできる。
また、上述した実施形態では、収集機能211が、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数の差分画像を経時的に収集する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、収集機能211は、画像処理回路26を制御することにより、造影剤が注入された状態で収集された画像データ(血管データ)から、複数のX線画像を生成する。言い換えると、収集機能211は、差分画像でない複数のX線画像を経時的に収集する。そして、特定機能212は、このような複数のX線画像の血管領域に含まれる画素ごとの造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定し、表示制御機能213は、特定した血管領域を他の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像をディスプレイ23に表示させる。
また、上述した実施形態では、所定の位置が差分画像における一つの画素に対応するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、所定の位置に含まれる画素は複数であってもよい。この場合、特定機能212は、所定の位置に含まれる複数の画素のそれぞれを始点として、あるいは所定の位置に含まれる複数の画素のうちの任意の画素を始点として、血流方向の血管領域に含まれる画素を順次特定することにより、血流方向の血管領域を特定することができる。
また、上述した実施形態では、単位領域が一つの画素からなる領域である場合について説明したが、単位領域は複数の画素からなる領域であってもよい。例えば、特定機能212は、4つの画素からなる単位領域ごとに「TTP」を算出する。一例を挙げると、特定機能212は、単位領域の4つの画素における信号強度の和が、所定のタイミングから最大値となるまでの所要時間を「TTP」として算出する。そして、特定機能212は、単位領域ごとに算出した「TTP」に基づいて、血流方向の血管領域に含まれる単位領域を順次特定することにより、血流方向の血管領域を特定することができる。更に、表示制御機能213は、単位領域ごとに算出した「TTP」の値を単位領域に含まれる各画素の「TTP」の値とすることで、特定機能212が特定した血管領域を各画素の「TTP」の値に対応する色でカラー化した表示画像を表示させることもできる。
また、上述した実施形態では、X線診断装置が各処理を行う場合を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置において上述した処理を実行する場合であってもよい。かかる場合には、画像処理装置に、上述した特定機能212及び表示制御機能213を有する処理回路が含まれる。また、画像処理装置は、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて経時的に収集された複数のX線画像を取得するためのインターフェースを備える。
第1〜第3の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成する事ができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、第1〜第3の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、血管像を用いる手技の効率を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 X線診断装置
21 処理回路
211 収集機能
212 特定機能
213 表示制御機能

Claims (14)

  1. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する収集部と、
    前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記造影剤の流れに関する特徴量を前記単位領域ごとに算出し、算出した特徴量の連続性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え
    前記特定部は、前記複数のX線画像を相互に比較することにより、血管領域の前記単位領域のそれぞれについて前記造影剤の動きを表すベクトルを算出し、前記単位領域間での前記ベクトルの類似性に基づいて、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、X線診断装置。
  2. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する収集部と、
    前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記造影剤の流れに関する特徴量を前記単位領域ごとに算出し、算出した特徴量の連続性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像に基づく流体解析を行うことにより、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、X線診断装置。
  3. 前記特定部は、前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域と隣接する前記単位領域との間で前記特徴量の差を算出し、隣接する前記単位領域のうち前記特徴量の差が閾値以下となる前記単位領域を前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域と判定する処理を、前記所定の位置に含まれる前記単位領域を前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域の始点として順次行うことにより、前記血流方向の血管領域を特定する、請求項1又は2に記載のX線診断装置。
  4. 前記特徴量は、所定のタイミングから前記信号強度が最大値となるまでの所要時間、又は前記所定のタイミングから前記信号強度が最大値の所定の割合の値となるまでの所要時間である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  5. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する収集部と、
    前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移の前記単位領域間での類似性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像を相互に比較することにより、血管領域の前記単位領域のそれぞれについて前記造影剤の動きを表すベクトルを算出し、前記単位領域間での前記ベクトルの類似性に基づいて、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、X線診断装置。
  6. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する収集部と、
    前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移の前記単位領域間での類似性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像に基づく流体解析を行うことにより、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、X線診断装置。
  7. 前記表示制御部は、前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる色で表した前記表示画像を表示させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  8. 前記特定部は、複数の前記所定の位置のそれぞれについて、前記血流方向の血管領域を特定し、
    前記表示制御部は、複数の前記所定の位置のそれぞれについて前記特定部が特定した血管領域を相互に異なる色で表した前記表示画像を表示させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  9. 前記表示制御部は、前記表示画像を、ロードマップの血管像として表示させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  10. 前記特定部は、前記複数のX線画像に含まれるデバイスの先端位置又は前記複数のX線画像の血管領域において操作者から指定を受け付けた位置を前記所定の位置として、前記血流方向の血管領域を特定する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  11. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて収集された複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記造影剤の流れに関する特徴量を前記単位領域ごとに算出し、算出した特徴量の連続性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え
    前記特定部は、前記複数のX線画像を相互に比較することにより、血管領域の前記単位領域のそれぞれについて前記造影剤の動きを表すベクトルを算出し、前記単位領域間での前記ベクトルの類似性に基づいて、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、画像処理装置。
  12. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて収集された複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記造影剤の流れに関する特徴量を前記単位領域ごとに算出し、算出した特徴量の連続性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像に基づく流体解析を行うことにより、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、画像処理装置。
  13. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて収集された複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移の前記単位領域間での類似性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像を相互に比較することにより、血管領域の前記単位領域のそれぞれについて前記造影剤の動きを表すベクトルを算出し、前記単位領域間での前記ベクトルの類似性に基づいて、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、画像処理装置。
  14. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて収集された複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の信号強度の経時的な遷移の前記単位領域間での類似性に基づいて、血管領域における所定の位置から血流方向の血管領域を特定する特定部と、
    前記特定部が特定した血管領域を当該血管領域以外の血管領域と異なる表示態様で表した表示画像を表示させる表示制御部と、を備え、
    前記特定部は、前記複数のX線画像に基づく流体解析を行うことにより、血管が交差する交差部近傍の前記単位領域のうち前記血流方向の血管領域に含まれる前記単位領域を特定する、画像処理装置。
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