JP6815135B2 - X線診断装置及び画像処理装置 - Google Patents

X線診断装置及び画像処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6815135B2
JP6815135B2 JP2016172072A JP2016172072A JP6815135B2 JP 6815135 B2 JP6815135 B2 JP 6815135B2 JP 2016172072 A JP2016172072 A JP 2016172072A JP 2016172072 A JP2016172072 A JP 2016172072A JP 6815135 B2 JP6815135 B2 JP 6815135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood vessel
intersection
image
route
calculated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016172072A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017080390A (ja
Inventor
美郁 高谷
美郁 高谷
真吾 阿部
真吾 阿部
航 渕上
航 渕上
亮一 長江
亮一 長江
坂口 卓弥
卓弥 坂口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Priority to US15/331,114 priority Critical patent/US11116464B2/en
Publication of JP2017080390A publication Critical patent/JP2017080390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6815135B2 publication Critical patent/JP6815135B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Description

本発明の実施形態は、X線診断装置及び画像処理装置に関する。
インターベンション治療は、カテーテルやガイドワイヤなどのデバイスを血管内に挿入し、狭窄部位や塞栓部位の除去、脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation: AVM)に対する塞栓形成などを行う治療法である。ここで、X線診断装置は、インターベンション治療の手技をサポートするための機能として、ロードマップ(road map)機能を備えている。ロードマップ機能は、造影剤を用いて収集された血管の情報を含む画像データを用いて血管像を生成し、生成した血管像を透視画像にマスクして表示することで、血管内のデバイス操作をサポートする。例えば、操作者は、ロードマップ機能によって表示された血管像を参照することで血管走行を把握することができ、手技を効率良く行うことができる。また、ロードマップ機能を用いることで、造影剤の使用量を低減することもでき、被検体に対する負荷を低減させることもできる。なお、以下では、造影剤を用いて収集された血管の情報を含む画像データを血管データと記す。また、ロードマップにおいて透視画像に重ねて表示される血管像をマスク像と記す。
X線診断装置は、2次元の血管データから生成したマスク像を用いて2次元ロードマップを行う場合、血管データを短時間で生成できるため、デバイスの挿入などに伴う血管走行の変化があった場合でも血管データを容易に更新できる。一方で、2次元ロードマップでは、走行が複雑な血管を明瞭に表示する事が難しい。そのため、操作者による治療部位までのルートの把握が難しくなり、手技の効率が低下する場合があった。
特開2009−285121号公報 特開2012−005636号公報 特開2009−279331号公報 特開2009−022733号公報 特開2003−038477号公報
本発明が解決しようとする課題は、血管像を用いる手技の効率を向上させることができるX線診断装置及び画像処理装置を提供することである。
実施形態のX線診断装置は、収集部と、算出部と、表示制御部とを備える。収集部は、造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する。算出部は、前記複数のX線画像における血管領域での前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記血管領域のうち、前記血管領域における所定の位置までの前記造影剤の流入経路に対応する血管領域を算出する。表示制御部は、前記流入経路に対応する血管領域を、前記流入経路以外の血管領域と異なる表示態様で表示部に表示させる。
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係るパラメータを説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係る所定の位置を説明するための図である。 図4は、第1の実施形態に係るルートの算出を説明するための図である。 図5は、第1の実施形態に係る交差部でのルートの算出を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。 図7Aは、第1の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。 図7Bは、第1の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。 図9は、第2の実施形態に係る交差部でのルートの算出を説明するための図である。 図10は、第2の実施形態に係るX線診断装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。 図11Aは、第3の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。 図11Bは、第3の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。 図11Cは、第3の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係るX線診断装置を説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、高電圧発生器101と、X線源102と、天板103と、平面検出器104と、保持アーム105と、ディスプレイ106と、入力回路107と、記憶回路108と、処理回路109とを備える。
高電圧発生器101は、処理回路109による制御の下、高電圧を発生し、発生した高電圧をX線源102に供給する。X線源102は、X線管102aと、X線絞り器102bとを備える。X線管102aは、高電圧発生器101から供給された高電圧を用いてX線を発生する。X線絞り器102bは、被検体Pに対する被ばく量の低減と画像の画質向上を目的とし、X線の照射野を制御する。
天板103は、被検体Pを載せるベッドであり、図示しない寝台の上に配置される。平面検出器104は、X線検出素子を複数有し、被検体Pを透過したX線について信号強度の分布データを検出し、検出した分布データを処理回路109に送信する。保持アーム105は、X線源102と平面検出器104とを、被検体Pを挟んで対向するように保持する。
ディスプレイ106は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路109による制御の下、造影剤を用いて収集されるX線画像や手技中に順次生成される透視画像、透視画像に重ねて表示されるマスク像といった各種のX線画像を表示する。なお、表示されるマスク像については後に詳述する。入力回路107は、各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者からの指示や設定を受け付ける。
記憶回路108は、処理回路109がX線診断装置1による処理の全体を制御する際に用いるデータを記憶する。例えば、記憶回路108は、X線画像の収集、ルートの算出、マスク像におけるルート表示などの処理において用いられる各種設定を記憶する。また、記憶回路108は、処理回路109によって実行される、各プログラムを記憶する。また、記憶回路108は、各種のX線画像を記憶する。
処理回路109は、収集機能109aと、画像生成機能109bと、算出機能109cと、表示制御機能109dとを実行する。図1における実施形態では、構成要素の収集機能109a、画像生成機能109b、算出機能109c及び表示制御機能109dにて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路108へ記録されている。処理回路109はプログラムを記憶回路108から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路109は、図1の処理回路109に示された各機能を有することとなる。なお、図1においては単一の処理回路にて、収集機能109a、画像生成機能109b、算出機能109c及び表示制御機能109dにて行われる処理機能が実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(graphics processing unit)、あるいは、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(simple programmable logic device; SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(complex programmable logic device; CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array; FPGA))などの回路を意味する。プロセッサは記憶回路108に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路108にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
第1の実施形態における収集機能109aは、特許請求の範囲における収集部の一例である。また、第1の実施形態における画像生成機能109bは、特許請求の範囲における画像生成部の一例である。また、第1の実施形態における算出機能109cは、特許請求の範囲における算出部の一例である。また、第1の実施形態における表示制御機能109dは、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。
処理回路109は、X線診断装置1による処理の全体を制御する。X線診断装置1による処理とは、例えば、X線画像の収集、ルートの算出、ロードマップのマスク像におけるルートの表示など、ロードマップ機能に係る一連の処理である。ここで、第1の実施形態に係る処理回路109は、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集し、収集した複数のX線画像における血管領域での造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域のうち、所定の位置までの造影剤の流入経路に対応する血管領域を算出する。また、処理回路109は、所定の位置までの造影剤の流入経路に対応する血管領域を、所定の位置までデバイスを挿入する際のルートとして、流入経路以外の血管領域とは異なる表示態様でディスプレイ106に表示させる。なお処理回路109による処理については後に詳述する。
以上、第1の実施形態に係るX線診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、血管領域における所定の位置までのルートを算出し、算出したルートを操作者に提示することで、血管像を用いる手技の効率を向上させる。
ここでまず、従来のX線診断装置について説明する。従来のX線診断装置のロードマップ機能は、マスク像の生成に用いる血管データを、2次元又3次元で収集する。まず、3次元の血管データを用いたロードマップでは、血管像が立体的に表現されるため血管走行を把握しやすいが、3次元の血管データの収集には時間を要することから、デバイスの挿入などによって血管の形状が変化した場合であっても血管データを更新することは容易でなく、手技の効率が低下する場合があった。一方で従来、X線診断装置がロードマップに2次元の血管データを用いる場合、血管データの更新は容易であるものの、血管走行が複雑な場合には、治療部位までのルートが分かりにくく、手技の効率が低下する場合があった。
そこで、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、2次元の血管データを用いる2次元ロードマップにおいて、治療部位までのルートを算出し、算出したルートを表示することで、手技の効率を向上させる。以下、第1の実施形態に係るX線診断装置1が行う処理について詳細に説明する。
収集機能109aは、高電圧発生器101、X線源102、天板103、平面検出器104及び保持アーム105を含む撮像系を制御して、X線画像を収集する。具体的には、収集機能109aは、種々の収集条件に応じて上記撮像系を制御することで、被検体Pに対してX線を曝射し、被検体Pを透過したX線を平面検出器104で検出する。そして、収集機能109aは、平面検出器104によってX線から変換された電気信号を用いて画像データを生成し、生成した画像データを記憶回路108に格納する。例えば、収集機能109aは、平面検出器104から受信した電気信号に対して、電流・電圧変換やA(Analog)/D(Digital)変換、パラレル・シリアル変換を行い、画像データ(投影データ)を生成する。
なお、収集機能109aは、収集条件に応じて撮影画像及び透視画像の画像データをそれぞれ生成する。ここで、「透視画像」は、被検体Pを透過したX線をX線検出器によって検出することで生成されるX線画像であり、例えば、リアルタイムに動画像で表示される。一方、「撮影画像」は、透視画像と同様、被検体Pを透過したX線をX線検出器によって検出することで生成されるX線画像であるが、透視画像と比較してX線の線量の多い画像である。X線の線量は、例えば、記録の必要に応じて決定される。一例を挙げると、記録の必要がある場合には、線量の多い「撮影画像」が収集される。なお、「透視画像」及び「撮影画像」は動画像の場合であってもよく、静止画像の場合であってもよい。
また、収集機能109aは、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を収集する。例えば、収集機能109aは、図示しないインジェクタから被検体Pの血管内に造影剤を注入しつつ、X線源102からのX線の照射及び平面検出器104によるX線の検出を制御する。ここで、収集機能109aは、造影剤が注入されていない状態の被検体Pと造影剤が注入された状態の被検体PとからそれぞれX線画像を収集する。すなわち、収集機能109aは、造影剤が注入されていない状態で撮像された画像データ及び造影剤が注入された状態で撮像された画像データを生成する。そして、収集機能109aは、生成した画像データを記憶回路108に格納する。
画像生成機能109bは、記憶回路108が記憶する画像データに対して画像処理を行い、各種X線画像を生成する。例えば、画像生成機能109bは、撮影画像や透視画像を生成する。また、画像生成機能109bは、血管に造影剤を注入しつつ収集した画像データと、血管に造影剤を注入せずに収集した画像データとを差分し、DSA(Digital Subtraction Angiography)画像を生成する。すなわち、画像生成機能109bは、造影剤を用いて血管内の造影剤が描出された血管像から、骨などの背景を差分して消すことで、血管領域を流れる造影剤がより強調された血管像を生成することができる。ここで、画像生成機能109bは、血管に造影剤を注入しつつ経時的に収集した複数の画像データと、造影剤を注入せずに収集した画像データとをそれぞれ差分することで、経時的な複数のDSA画像を生成する。以下では、造影剤を用いて収集されるX線画像として、DSA画像を用いる場合を一例に挙げて説明する。
また、画像生成機能109bは、ロードマップ機能におけるマスク画像を生成する。例えば、画像生成機能109bは、マスク画像としてDSA画像を生成する。さらに、画像生成機能109bは、後述する算出機能109cによる処理結果に基づいて、カラー画像を生成する。具体的には、画像生成機能109bは、信号強度の経時的な遷移に基づいて、DSA画像の血管領域における単位領域ごとに算出された各種のパラメータに応じた色情報を各画素に反映させたカラー画像を生成する。なお、以下、このような画像表現方法をパラメトリックイメージング(Parametric Imaging)と記す。なお、パラメータについては、詳述する。ここで、単位領域は、DSA画像の血管領域における一つの画素からなる領域、又はDSA画像の血管領域における複数の画素(画素群)からなる領域である。なお、以下では、単位領域が一つの画素からなる領域である場合について説明する。また、以下では、単位領域を、単に画素とも記載する。
次に、算出機能109cは、画像生成機能109bが生成した複数のDSA画像における血管領域での造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域における所定の位置までの造影剤の流入経路(以下、ルートと記載する)を算出する。例えば、算出機能109cは、信号強度の経時的な遷移に基づいて、画素ごとの造影剤の流れに関する特徴量(以下、パラメータと記載する)を算出し、パラメータの連続性に基づいて、ルートを算出する。以下、第1の実施形態に係る算出機能109cによるルートの算出について詳細に説明する。
まず、算出機能109cは、経時的に収集されたDSA画像の血管領域における、造影剤の信号強度の時間的な遷移に基づいて、画素ごとにパラメータを算出する。ここで画素ごとに算出されるパラメータについて、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係るパラメータを説明するための図である。図2において、縦軸はDSA画像の血管領域における各画素での信号強度であり、横軸はフレーム数又は時間である。
造影剤の信号強度の経時的な遷移は、例えば、図2の時間濃度曲線(Time Density Curve:TDC)で表現される。図2のTDCに示すように、造影剤がない状態における画素の信号強度を「0」とすると、造影剤が画素に流入するにつれて徐々に信号強度が増加し、信号強度のピークを迎えた後、造影剤の流出に伴って信号強度は低下し、再度「0」となる。なお、TDCは画素ごとに異なった形状となる。
例えば、算出機能109cは、造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、信号強度が最大値となるまでの時間を示す「TTP(Time To Peak)」を、パラメータとして、血管領域の各画素について算出する。一例を挙げると、算出機能109cは、被検体Pの血管内に造影剤の注入を開始した時間から、造影剤の信号強度が最大値となるまでの時間をTTPとして算出する。また、算出機能109cは、TTP以外のパラメータとして、信号強度の最大値を示す「PH(Peak Height)」、信号強度の累積量を示す「AUC(Area Under Curve)」などを算出する事ができる。また、図2においてはTTP、PH、AUCの3つのパラメータを示したが、算出機能109cは、図示しないパラメータとして、造影剤による信号が出現するまでの時間を示す「AT(Arrival Time)」、造影剤による信号が出現してから信号強度が例えば最大値の20%を超えるまでの時間を示す「TTA(Time To Arrival)」、造影剤による信号が出現してから信号強度が最大となるまでの時間を示す「Wash in」、信号強度が最大値を示した時点から造影剤が流出しきるまでの時間を示す「Wash out」、信号強度の最大値の半値幅を示す「Width」、平均通過時間「MTT(Mean Transit Time)」等を算出する場合であってもよい。なお、以下では一例として、算出機能109cがTTPを算出する場合について説明する。
また、第1の実施形態に係る算出機能109cは、操作者から所定の位置の指定を受け付ける。図3は、第1の実施形態に係る所定の位置を説明するための図である。以下では、所定の位置として、図3に示す位置R1が指定される場合について説明する。例えば、表示制御機能109dは、図3に示すように、DSA画像をディスプレイ106から操作者に提示する。そして、算出機能109cは、入力回路107が有するマウス等の操作を通じて、DSA画像上において所定の位置の指定を受け付ける。一例を挙げると、AVMの症例において異常血管塊(ナイダス)に対するインターベンション治療を行う場合に、操作者は、図3に示すように、ナイダスである治療部位a1への流入口を、所定の位置R1として指定する。
そして、所定の位置の指定を受け付けた後、算出機能109cは、画素ごとに算出したTTPの連続性に基づいて、所定の位置R1までのルートを算出する。以下、TTPの連続性に基づくルートの算出について、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係るルートの算出を説明するための図である。図4上図はDSA画像をTTPに基づくパラメトリックイメージングによってカラー化したカラー画像を示し、血流方向は図の下から上の方向である。図4下図はカラー画像に対応するカラーバーを示し、信号強度が最大値を示すまでの時間(Sec)に応じた色が割り当てられている。なお、図4は説明の便宜上カラー画像を示しているが、実際には内部的に数値で処理される。
図4に示すように、連続した血管領域においてはTTPの値は連続性を持つ。なお、造影剤は血流と同方向に流れるため、TTPの値は、血流の下流(図4上図の上方向)に行くほど、徐々に大きくなる。そこで、算出機能109cは、TTPの値の連続性を使用して、所定の位置R1までの連続した血管領域を算出する。
具体的には、算出機能109cは、所定の位置R1に対応する画素を始点とし、始点の画素から隣接する画素間でTTPを順次比較して、血管領域の各画素のTTPを時間的に遡るようにしてルートを算出する。より具体的には、まず、算出機能109cは、所定の位置R1に対応する画素と隣接する画素のうち、所定の位置R1に対応する画素とTTPの値が同程度である画素、若しくはTTPの値が低下する画素を探索し、該当する画素をルートとして特定する。さらに、算出機能109cは、ルートとして特定した画素の近傍の画素について、上記処理を順次行うことによりルートを算出する。例えば、算出機能109cは、図4上図に示すように、所定の位置R1からX線画像の淵に至るまでのルートを探索する。
なお、算出機能109cによるルート探索の終点については、上述したようにX線画像の淵に至るまでのルートを算出する場合であってもよいし、造影剤を注入したデバイスの先端までのルートを算出する場合であってもよい。また、算出機能109cは、所定の位置の指定に加えて、ルート探索の終点の指定を受け付ける場合であってもよい。
次に、血管領域の交差部におけるルートの算出について、図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る交差部でのルートの算出を説明するための図である。なお、図5においても図4と同様に、説明の便宜上カラー画像を示しているが、実際には内部的に数値で処理される。上述したように、算出機能109cは、TTPの値の連続性を利用して、連続する血管領域を算出するが、例えば図5に示すように、奥行き方向に血管が交差している場合、TTPが連続性を示さなくなる。そこで、算出機能109cは、隣接する画素間でTTPが連続性を示さなかった場合に、TTPが連続しない位置を交差部と判定し、以下の処理を行う。例えば、算出機能109cは、隣接する画素におけるTTPの値の差が所定の閾値を超えている場合に、TTPの値が連続していないと判定する。なお、所定の閾値は任意に設定が可能である。なお、ここでいう交差部とは、実際には交わっていない血管同士が、2次元で収集されたX線画像上において、交差して投影された箇所を意味する。一方で、血管同士が実際に交わっている箇所については、TTPの値が連続性を示すので、算出機能109cは、各画素のTTPを時間的に遡るようにしてルートを算出する事ができる。
例えば、図5に示すように、血管領域において血管が交差する交差部がある場合、まず、算出機能109cは、上述の処理により、所定の位置R1から交差部直前の位置R2までのルートを算出する。ここで算出機能109cは、TTPの不連続性から、交差部があると判定する。そして算出機能109cは、交差部に隣接する位置をルートの候補として、以下の処理を行う。例えば、算出機能109cは、交差部直前の位置R2以降のルートとして、位置S1を含むルート、位置S2を含むルート及び位置S3を含むルートの3つのルートを候補とし、3つのルートの中から適切なルートを選択することで、交差部でのルートを算出する。
具体的には、算出機能109cは、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、交差部直前の位置R2の画素とのTTPの連続性及び交差部直前の位置R2の画素との位置関係に基づく評価値を算出し、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを算出する。例えば、算出機能109cは、所定の位置R1から交差部直前の位置R2までのTTPの値の変化量と、交差部直前の位置R2からの距離とに応じて、位置S1〜S3の各画素のTTPを推測する。一例を挙げると、算出機能109cは、所定の位置R1から交差部直前の位置R2までの各画素のTTPの値から、一画素に対応する距離を移動した際のTTPの値の変化量を変化率として算出し、交差部直前の位置R2から位置S1〜S3の各画素までの距離と、算出した変化率とを掛け合わせることで、位置S1〜S3の各画素のTTPを推測する。そして、算出機能109cは、位置S1〜S3の各画素の実際のTTPと、推測したTTPとの比を評価値として算出し、比が最も「1」に近くなる位置を含むルートを、交差部でのルートとして特定する。
なお、算出機能109cは、交差部でのルートを判定するための評価値を算出する際、所定の位置R1から交差部直前の位置R2までについて算出したルートの方向を考慮する場合であってもよい。一例を挙げると、まず、算出機能109cは、図5の所定の位置R1と交差部直前の位置R2とを結ぶ直線を軸とする。また、算出機能109cは、所定の位置R1から交差部直前の位置R2に至るまでのルートの曲率に基づいて、上述の軸に対する位置R2以降のルートの角度を推測する。そして、算出機能109cは、推測した角度と、位置S1〜S3の各画素に対応するルートの上述の軸に対する角度との比を評価値として算出し、比が最も「1」に近くなる位置を含むルートを、交差部でのルートとして特定する。
また、算出機能109cは、交差部直前の位置R2から位置S1〜S3の各画素までのTTPの値に係る評価値と、交差部直前の位置R2から位置S1〜S3の各画素までの方向に係る評価値とを合わせることで、更に評価値を算出することもできる。例えば、算出機能109cは、位置S1〜S3に対応する各ルートについて、評価値として算出したTTPの値の比の「1」からの乖離を二乗した値と、評価値として算出した角度の比の「1」からの乖離を二乗した値とを合算した値を評価値として算出し、算出した評価値が最も小さいルートを交差部でのルートとして特定する。
交差部でのルートを特定すると、算出機能109cは、さらに、交差部以降のルートの探索を続行し、ルートの算出を完了する。例えば、算出機能109cは、評価値に基づいて、位置S3を交差部でのルートとして算出する。さらに、算出機能109cは、位置S3以降のルートを探索し、所定の位置R1からX線画像の淵に至るまでのルートを算出する。
上述したように、算出機能109cが所定の位置R1までのルートを算出すると、第1の実施形態に係る表示制御機能109dは、算出されたルートを、算出されたルート以外の血管領域と異なる表示態様で、ディスプレイ106に表示させる。例えば、図6左図に示すX線画像について、算出機能109cがルートの算出を行った場合、画像生成機能109bは、図6右図に示すように、算出されたルート以外の血管領域を透明とし、算出されたルートのみが表示されるように処理した画像を生成する。ここで図6は、第1の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。なお図6右図の処理画像は、図6左図に示すX線画像について、位置S3を含むルートを交差部でのルートとして判定した場合を示す。
さらに、表示制御機能109dは、画像生成機能109bが生成した処理画像を、ロードマップのマスク像として、ディスプレイ106に表示させる。例えば、表示制御機能109dは、図7Aに示す透視画像に対して、図6右図に示した処理画像を重ねて表示する事によって、図7Bに示すように、算出機能109cが算出した所定の位置R1までのルートを、ロードマップのマスク像において表示する。なお、図7A及び図7Bは、第1の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。
なお、血管内でのデバイス操作等に伴って血管の形状が変化した場合、あるいは血管の形状が変化した可能性がある場合には、操作者は、ロードマップのマスク像を更新する事ができる。具体的には、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、操作者からマスク像の更新の指示を受け付けると、再度DSA画像の収集を行い、収集したDSA画像から上述した処理によってマスク像を生成して、最新のマスク像を操作者に提示する。
次に、X線診断装置1による処理の手順の一例を、図8を用いて説明する。図8は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップ102及びステップS110は画像生成機能109bに対応するステップである。ステップ103、ステップ104、ステップ105、ステップ106、ステップ107、ステップ108及びステップ109は、算出機能109cに対応するステップである。ステップS111は表示制御機能109dに対応するステップである。
まず、処理回路109は、ロードマップ機能の実行に係る各種設定を記憶回路108から取得し(ステップ101)、複数のDSA画像を経時的に生成する(ステップ102)。次に、処理回路109は、DSA画像の血管領域における信号強度の経時的な遷移に基づいて、画素ごとにTTPを算出する(ステップ103)。そして、処理回路109は、血管領域における所定の位置を取得し(ステップ104)、TTPの連続性に基づいて所定の位置からのルートを探索する(ステップ105)。
ここで、処理回路109は、血管領域の交差部の有無を判定する(ステップ106)。ルートの探索方向に交差部がある場合(ステップ106肯定)、処理回路109は、交差部近傍の画素について評価値を算出し(ステップ107)、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを判定し(ステップ108)、再度ステップ105に移行する。一方で交差部がない場合(ステップ106否定)、処理回路109は、ルートの算出が完了したか否かを判定する(ステップ109)。ここでルートの算出が完了していない場合(ステップ109否定)、処理回路109は、再度ステップ105に移行する。一方でルートの算出が完了した場合(ステップ109肯定)、処理回路109は、マスク像を生成し(ステップ110)、透視画像に対してロードマップ表示を行う(ステップ111)。ここで、処理回路109は、DSA画像の再生成の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップ112)。DSA画像の再生成の指示を受け付けた場合(ステップ112肯定)、処理回路109は、再度ステップ102に移行する。一方でDSA画像の再生成の指示を受け付けない場合(ステップ112否定)、処理回路109は、終了コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップ113)、終了コマンドを受け付けない場合には(ステップ113否定)待機状態となり、終了コマンドを受け付けた場合には(ステップ113肯定)処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態によれば、収集機能109aは、造影剤が注入された被検体Pを透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する。また、算出機能109cは、複数のX線画像における血管領域での造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて、血管領域のうち、所定の位置までの造影剤の流入経路に対応する血管領域を算出する。また、表示制御機能109dは、算出部が算出した流入経路に対応する血管領域を、流入経路以外の血管領域と異なる表示態様で表示部に表示させる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、複雑な血管走行の症例であっても、治療部位までのルートを算出し、算出したルートをロードマップのマスク像において表示することで、手技の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、2次元の血管データを用いたロードマップを行うため、デバイスの挿入等により血管形状の変化が生じた場合であっても、血管データの更新を容易に行うことができる。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、必要に応じて更新されたロードマップを操作者に提示し、手技の効率を向上させることができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能109cは、血管領域において血管が交差する交差部がある場合であっても、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、交差部直前の画素とのパラメータの連続性及び交差部直前の画素との血管領域における位置関係に基づく評価値を算出し、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを算出する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、血管領域の交差部においても正しいルートを算出することができる。
また、第1の実施形態によれば、算出機能109cは、交差部がある場合、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、交差部直前の画素とのパラメータの連続性及び交差部直前の画素との血管領域における位置関係、さらに、交差部直前の画素までのルートの方向を考慮した評価値を算出し、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを算出する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、血管領域の交差部において、より正確にルートを算出することができる。
また、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、ロードマップのマスク像において、算出したルートのみが表示されるよう制御する。従って、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、複雑な血管走行の症例であっても、目的のルート以外の血管像については表示せずに、治療部位までのルートを分かりやすく表示し、手技の効率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、パラメータを一つ算出し、算出したパラメータに基づいてルートを算出する場合について説明した。これに対して第2の実施形態では、血管領域の交差部においてパラメータを複数算出し、算出した複数のパラメータに基づいてルートを算出する場合について説明する。
第2の実施形態に係るX線画像診断装置は、図1に示した第1の実施形態に係るX線画像診断装置と同様の構成を有し、算出機能109cによる処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態に係る交差部におけるルートの算出について、図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態に係る交差部でのルートの算出を説明するための図である。図9上図はDSA画像をTTPに基づくパラメトリックイメージングによってカラー化したカラー画像を示し、血流方向は図の下から上の方向である。図9下図はカラー画像に対応するカラーバーを示し、信号強度が最大値を示すまでの時間(Sec)に応じた色が割り当てられている。なお、図9は説明の便宜上カラー画像を示しているが、実際には内部的に数値で処理される。
例えば、図9のカラー画像に示すように、所定の位置R3からのルート探索において交差部がある場合、算出機能109cは、位置S4を含むルート及び位置S5を含むルートから一方をルートとして判定する。ここで、図9に示すように、交差部直後の位置S4及び位置S5の各画素のTTPが同程度の値である場合には、ルートごとの評価値に差が生じず、ルート判定の信頼性が十分でない場合が想定される。
一例を挙げると、算出機能109cは、所定の位置R3から交差部直前の位置までのTTPの値の変化量と、交差部直前の位置からの距離とに応じて、位置S4及び位置S5の各画素のTTPの値を推測する。そして、算出機能109cは、位置S4及び位置S5の各位置の画素のTTPの値と、推測したTTPの値との比を評価値として算出する。ここで例えば、評価値として算出した比について、ルートごとの差が「0.1」以下である場合、算出機能109cはルート判定の信頼性が十分でないと判断する。
そこで、第2の実施形態に係る算出機能109cは、ルート判定の信頼性を高めるため、例えば、交差部近傍の各画素について、PHやAUC等の他のパラメータを更に算出する。以下、他のパラメータとして、算出機能109cが信号強度の最大値であるPHを算出する場合について説明する。算出機能109cは、交差部近傍の各画素についてPHを算出し、さらに、交差部直前の画素とのPHの連続性及び交差部直前の画素との血管領域における位置関係とに基づいて、PHについての評価値を画素ごとに算出する。
第2の実施形態に係る算出機能109cは、交差部近傍の各画素について、TTPに係る評価値に加えてPHに係る評価値を算出した場合、TTPに係る評価値のルートごとの差がわずかであっても、PHに係る評価値がルートによって差を生じる場合には、PHについての評価値に基づいて交差部でのルートを算出することができる。ここで、PHについて算出した評価値によってもルート判定の信頼性が小さい場合、算出機能109cは、更に他のパラメータを算出することができる。
なお、算出機能109cは、複数のパラメータを算出した場合においては、パラメータごとに評価値を算出してもよいし、複数のパラメータを総合して一つの評価値を算出してもよい。また、ルート判定の信頼性が小さい場合に算出する他のパラメータはPHに限らず、例えばAUCやMTT等を算出する場合であってもよいし、複数の他のパラメータを算出する場合であってもよい。また、ルート判定の信頼性が小さい場合に他のパラメータを算出するのではなく、予め複数のパラメータを算出する場合であってもよい。
次に、X線診断装置1による処理の手順の一例を、図10を用いて説明する。図10は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップ202及びステップS211は画像生成機能109bに対応するステップである。ステップ203、ステップ204、ステップ205、ステップ206、ステップ207、ステップ208、ステップ209及びステップ210は、算出機能109cに対応するステップである。ステップS212は表示制御機能109dに対応するステップである。
まず、処理回路109は、ロードマップ機能の実行に係る各種設定を記憶回路108から取得し(ステップ201)、複数のDSA画像を経時的に生成する(ステップ202)。次に、処理回路109は、DSA画像の血管領域における信号強度の経時的な遷移に基づいて、画素ごとにTTPを算出する(ステップ203)。そして、処理回路109は、血管領域における所定の位置を取得し(ステップ204)、TTPの連続性に基づいて所定の位置からのルートを探索する(ステップ205)。
ここで、処理回路109は、血管領域の交差部の有無を判定する(ステップ206)。ルートの探索方向に交差部がある場合(ステップ206肯定)、処理回路109は、交差部近傍の画素について評価値を算出し(ステップ207)、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを判定する(ステップ208)。ここでルートの判定を行った場合には(ステップ208肯定)、処理回路109は、再度ステップ205に移行する。一方、処理回路109は、交差部でのルートを判定しない場合には(ステップ208否定)、交差部近傍の画素について他のパラメータを算出し(ステップ209)、再度ステップ207に移行して他のパラメータについての評価値を算出する。
一方、交差部がない場合(ステップ206否定)、処理回路109は、ルートの算出が完了したか否かを判定する(ステップ210)。ここでルートの算出が完了していない場合(ステップ210否定)、処理回路109は、再度ステップ205に移行する。一方でルートの算出が完了した場合(ステップ210肯定)、処理回路109は、マスク像を生成し(ステップ211)、透視画像に対してロードマップ表示を行う(ステップ212)。ここで、処理回路109は、DSA画像の再生成の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップ213)。DSA画像の再生成の指示を受け付けた場合(ステップ213肯定)、処理回路109は、再度ステップ202に移行する。一方でDSA画像の再生成の指示を受け付けない場合(ステップ213否定)、処理回路109は、終了コマンドを受け付けたか否かを判定し(ステップ214)、終了コマンドを受け付けない場合には(ステップ214否定)待機状態となり、終了コマンドを受け付けた場合には(ステップ214肯定)処理を終了する。
なお、処理回路109は、ステップ208においてルート判定を行わない場合に、他のパラメータを算出する場合に限らず、種々の手法によりルートを算出する事ができる。例えば、処理回路109は、複数の方向からのDSA画像を収集し、各方向から収集されたDSA画像のTTP及び空間座標を比較する事で、所定の方向から収集されたDSA画像における交差部でのルートを算出することができる。
また、処理回路109は、ステップ208においてルート判定を行わない場合に、ルートを複数算出する場合であってもよい。一例を挙げると、処理回路109は、ルートごとの評価値の差を算出し、ルートごとの評価値の差が所定の閾値を超えない場合には、ルートを複数算出することができる。さらに、処理回路109は、算出した複数のルートの中から一つのルートを選択する操作を受け付ける場合であってもよい。
上述したように、第2の実施形態に係る算出機能109cは、複数のパラメータを算出し、算出した複数のパラメータに基づく評価値を算出し、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを算出する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、交差部において信頼性の高いルートを算出することができ、より正確なルートを操作者に提示することで、手技の効率を向上させることができる。
また、上述したように、第2の実施形態に係る算出機能109cは、評価値に基づくルート判定の信頼性が十分でない場合には、交差部でのルートを複数算出する。従って、第2の実施形態に係るX線診断装置1は、誤ったルートの提示を回避する事ができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、算出したルートの表示例として、図7に示す一例を説明した。これに対し、第3の実施形態では、算出したルートの表示例のバリエーションについて説明する。
第3の実施形態に係るX線画像診断装置は、図1に示した第1の実施形態に係るX線画像診断装置と同様の構成を有し、画像生成機能109b及び表示制御機能109dによる処理の一部が相違する。そこで、第1の実施形態において説明した構成と同様の構成を有する点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、図11A〜図11Cを参照して、第3の実施形態に係るルートの表示例を説明する。図11A〜図11Cは、第3の実施形態に係るルートの表示例を示す図である。例えば、第3の実施形態に係る画像生成機能109bは、DSA画像における血管領域のうち、算出機能109cが算出したルートに対応した血管領域を強調させたマスク像を生成する。ここで画像生成機能109bは、例えば、ルートとして算出された血管領域を、他の血管領域と異なる色や濃淡で表現することで、ルートを強調させる。そして、第3の実施形態に係る表示制御機能109dは、図11Aに示すように、画像生成機能109bが生成したマスク像を、ロードマップにおいて表示する。
また、第3の実施形態に係る表示制御機能109dは、パラメトリックイメージングによるカラー画像を、ロードマップのマスク像に用いる事ができる。例えば、画像生成機能109bは、TTPの値に応じて各画素の色を決定したカラー画像を生成し、さらに、カラー画像における血管領域のうち算出したルートに対応した血管領域のみを表示するマスク像を生成する。そして、表示制御機能109dは、図11Bに示すように、画像生成機能109bが生成したマスク像を透視画像に重ねてディスプレイ106に表示させる。
また、例えば、画像生成機能109bは、パラメトリックイメージングにより生成したカラー画像における血管領域のうち算出したルートに対応した血管領域を、DSA画像における血管領域に対して重畳したマスク像を生成し、表示制御機能109dは、図11Cに示すように、画像生成機能109bが生成したマスク像を透視画像に重ねてディスプレイ106に表示させることができる。
上述したように、表示制御機能109dは、算出したルートに対応した血管領域と算出したルート以外の血管領域とを異なる表示態様でディスプレイ106に表示させる。ここで、異なる表示態様とは、算出したルートに対応した血管領域と算出したルート以外の血管領域とを操作者が区別しうる一切の表示態様を意味する。例えば、表示制御機能109dは、算出したルートに対応した血管領域と算出したルート以外の血管領域との間で色彩や明度、彩度等を変更してもよいし、算出したルート以外の血管領域を透明又は半透明で表示してもよい。また、表示制御機能109dは、算出したルートに対応した血管領域を透明又は半透明で表示してもよい。また、例えば、表示制御機能109dは、算出したルートに対応した血管領域又は算出したルート以外の血管領域の一方を点滅させて表示してもよいし、算出したルートに対応した血管領域に沿って矢印や線を表示してもよい。
上述した表示例によれば、第3の実施形態に係るX線診断装置1は、操作者が治療部位までのルートを理解する際の負担を軽減し、手技の効率を向上させることができる。さらに、パラメトリックイメージングによるカラー画像を用いて治療部位までのルートを表示する事により、2次元でのロードマップにおいて奥行き方向の情報を取得する事ができる。例えば、マスク像においてカラーで表示された血管領域のうち、色の変化が緩慢な領域がある場合、かかる領域は血管がマスク像と平行に走行していることが推察できる。一方で、急激に色が変化する領域がある場合、かかる領域は血管がマスク像に対して垂直に走行していることが推測される。従って、第3の実施形態に係るX線診断装置1は、2次元ロードマップであっても奥行き方向の情報を操作者に示すことができるため、手技の効率をさらに向上させることができる。
上述した第1〜第3の実施形態では、血管領域において血管が交差する交差部がある場合、算出機能109cが、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、交差部直前の画素とのパラメータの連続性及び交差部直前の画素との血管領域における位置関係に基づく評価値を算出し、算出した評価値に基づいて交差部でのルートを算出する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。
例えば、血管領域において血管が交差する交差部がある場合、算出機能109cは、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、造影剤の動きを表すベクトル(オプティカルフロー)を算出し、画素間でのベクトルの類似性に基づいて、交差部でのルートを算出する。一例を挙げると、算出機能109cは、まず、経時的に複数収集したDSA画像のうち任意の時間フレームにおける造影剤の位置と、次の時間フレームにおける造影剤の位置とを結ぶことにより、造影剤の動きを表すベクトルを算出する。
次に、算出機能109cは、交差部近傍の画素間で、ベクトルの大きさ及び向き(角度)のそれぞれについて、差を算出する。例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素と、隣接する画素のうち探索方向(血流と反対方向)に位置する画素との間で差を算出する。更に、算出機能109cは、隣接する画素のうち探索方向に位置する画素との間で差を算出する処理を、交差部直前の画素を始点として、交差部近傍の各画素に対して順次実行する。
そして、算出機能109cは、算出した差と、ベクトルの大きさ及び向き(角度)のそれぞれについて設定した閾値とを比較し、算出した差が閾値以下となるか否かに基づいて、各画素がルートに含まれる画素であるか否かを判定し、交差部でのルートを算出する。例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素とTTPの値が近似している画素であっても、算出した差が閾値より大きく、ベクトルの大きさ及び向き(角度)が大きく異なる場合には、ルートに含まれない画素と判定する。また、例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素とTTPの値が近似している画素のうち、算出した差が閾値より小さく、ベクトルの大きさ及び向き(角度)が類似している画素については、ルートに含まれる画素と判定する。
また、例えば、血管領域において血管が交差する交差部がある場合、算出機能109cは、複数のDSA画像に基づく流体解析(Computational Fluid Dynamics:CFD)を行うことにより、交差部でのルートを算出する。一例を挙げると、算出機能109cは、まず、CFDにより、複数のDSA画像のそれぞれに描出された造影剤の位置から、DSA画像の血管領域の各位置における血流の状態(血流の速さや方向、流量、圧力等)を算出する。
ここで、交差部においては、交差部に血液を流入させる血管と、交差部から血液を流出させる血管とがある。例えば、十字の形の交差部において、交差部からは4本の血管が伸びることとなるが、4本の血管のうち少なくとも1本の血管は交差部に血液を流入させる血管であり、また、少なくとも1本の血管は交差部から血液を流出させる血管である。なお、ルートの探索における交差部直前の画素は、交差部から血液を流出させる血管に含まれる。
ここで、交差部に血液を流入させる血管が1本であり、交差部から血液を流出させる血管が3本である場合、算出機能109cは、この交差部は血管の分岐点であり、実際に繋がっているものと判断する。また、算出機能109cは、交差部に血液を流入させる唯一の血管を、ルートとして特定する。
一方で、交差部に血液を流入させる血管及び交差部から血液を流出させる血管がそれぞれ2本ずつである場合、算出機能109cは、実際に繋がっていない血管が単に重なって見えているものと判断する。また、算出機能109cは、交差部から血液を流出させる2本の血管のうち交差部直前の画素を含む血管と、交差部に血液を流入させる2本の血管のそれぞれとの間で、血流の状態を比較する。そして、算出機能109cは、交差部に血液を流入させる2本の血管のうち、交差部直前の画素を含む血管と血流の状態が類似する血管(流量が一致する場合など)を、ルートとして特定する。
また、例えば、血管領域において血管が交差する交差部がある場合、算出機能109cは、造影剤の信号強度の経時的な遷移の画素間の類似性に基づいて、交差部でのルートを算出する。一例を挙げると、算出機能109cは、交差部近傍の各画素について、画素ごとに、造影剤の信号強度の経時的な遷移を示すTDCを算出する。また、算出機能109cは、交差部近傍の各画素のTDCの位置(造影剤による信号が出現する時間、造影剤による信号が最大値となる時間、造影剤による信号が消失する時間など)、TDCの高さ(造影剤による信号の最大値、造影剤による信号の積分値など)、TDCの形状(造影剤による信号が出現してから消滅するまでの任意の時点での造影剤による信号強度、グラフの傾きなど)等を示す値を算出する。
次に、算出機能109cは、交差部近傍の画素間で、各画素のTDCについて算出した値の差を算出する。例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素と、隣接する画素のうち探索方向に位置する画素との間で差を算出する。更に、算出機能109cは、隣接する画素のうち探索方向に位置する画素との間で差を算出する処理を、交差部直前の画素を始点として、交差部近傍の各画素に対して順次実行する。
そして、算出機能109cは、算出した差と所定の閾値とを比較し、算出した差が閾値以下となるか否かに基づいて、各画素がルートに含まれる画素であるか否かを判定し、交差部でのルートを算出する。例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素とTTPの値が近似している画素であっても、算出した差が閾値より大きく、TDCが大きく異なる場合には、ルートに含まれない画素と判定する。また、例えば、算出機能109cは、交差部直前の画素とTTPの値が近似している画素のうち、算出した差が閾値より小さくTDCが類似している画素については、ルートに含まれる画素と判定する。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、算出機能109cがDSA画像上で所定の位置の指定を受け付ける場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、算出機能109cは、操作者に対して、背景の差分を行っていない状態でのX線画像や、パラメトリックイメージングによるカラー画像といった各種のX線画像を提示し、提示したX線画像上において所定の位置の指定を受け付けることができる。また、所定の位置について操作者からの指定を受け付けない場合であってもよく、例えば、算出機能109cは、DSA画像上において所定の大きさを有する画素群をナイダスとして識別し、ナイダスと血管領域との接合部を所定の位置として自動で設定する事ができる。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、収集機能109aが造影剤を用いて収集したX線画像に対し、画像生成機能109bが画像処理を行ってDSA画像を生成し、生成したDSA画像に基づいてルートを算出する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、算出機能109cは、画像生成機能109bによる差分処理を受けていない状態のX線画像における血管領域での信号強度の経時的な遷移に基づいて、ルートを算出することができる。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、単位領域が一つの画素からなる領域である場合について説明したが、単位領域は複数の画素からなる領域であってもよい。例えば、算出機能109cは、4つの画素からなる単位領域ごとにTTPを算出する。一例を挙げると、算出機能109cは、単位領域の4つの画素における信号強度の和が、所定のタイミング(被検体Pの血管内に造影剤の注入を開始した時間など)から最大値となるまでの所要時間をTTPとして算出する。そして、算出機能109cは、単位領域ごとに算出したTTPの連続性に基づいてルートを算出することができる。例えば、算出機能109cは、所定の位置R1に対応する単位領域を始点とし、始点の単位領域から隣接する単位領域間でTTPを順次比較して、血管領域の単位領域それぞれのTTPを時間的に遡るようにしてルートを算出する。さらに、画像生成機能109bは、単位領域ごとに算出したTTPの値を単位領域に含まれる各画素のTTPの値とすることで、TTPに応じた色情報を各画素に反映させたカラー画像を生成することもできる。
上述した実施形態では、X線診断装置が各処理を行う場合を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、画像処理装置において上述した処理を実行する場合であってもよい。かかる場合には、画像処理装置に上述した処理回路109が含まれ、上述した各処理を実行する。
第1〜第3の実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成する事ができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、第1〜第3の実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、血管像を用いる手技の効率を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 X線診断装置
109a 収集機能
109b 画像生成機能
109c 算出機能
109d 表示制御機能

Claims (18)

  1. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて、複数のX線画像を経時的に収集する収集部と、
    前記複数のX線画像における血管領域の各画素について、前記造影剤の信号強度の経時的な遷移を算出し、当該信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記血管領域における所定の位置までの前記造影剤の流入経路に対応する血管領域を、当該信号強度の経時的な遷移が算出された血管領域の中から抽出する算出部と、
    前記流入経路に対応する血管領域を、前記流入経路以外の血管領域と異なる表示態様で表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えたX線診断装置。
  2. 前記算出部は、前記信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとの前記造影剤の流れに関する特徴量を算出し、算出した特徴量の連続性に基づいて前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記算出部は、前記所定の位置に対応する前記単位領域を始点として、前記始点の前記単位領域から隣接する前記単位領域間で前記特徴量を順次比較して、前記特徴量の値が時間的に遡る前記単位領域を順次特定し、特定した前記単位領域を前記流入経路に対応する血管領域として算出する、請求項2に記載のX線診断装置。
  4. 前記特徴量は、所定のタイミングから前記信号強度のピークまでの所要時間、前記信号強度の最大値又は前記信号強度の累積値である、請求項2又は3に記載のX線診断装置。
  5. 前記算出部は、前記複数のX線画像における血管領域において血管が交差する交差部がある場合に、交差部近傍の前記単位領域のそれぞれについて、前記単位領域ごとに、交差部直前の前記単位領域との前記特徴量の連続性及び前記交差部直前の前記単位領域との位置関係に基づく評価値を算出し、算出した評価値に基づいて前記交差部での前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  6. 前記算出部は、さらに、前記交差部直前の前記単位領域までの前記流入経路の方向に基づいて、前記評価値を算出する、請求項5に記載のX線診断装置。
  7. 前記算出部は、前記特徴量を複数算出し、算出した複数の特徴量に基づく前記評価値を算出し、算出した評価値に基づいて前記交差部での前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項5又は6に記載のX線診断装置。
  8. 前記算出部は、前記交差部近傍の前記単位領域のそれぞれについての前記評価値の差が所定の閾値を下回る場合に、前記評価値を有する前記単位領域をそれぞれ含む複数の前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項5乃至7のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  9. 前記算出部は、算出した複数の前記流入経路に対応する血管領域の中から一つの血管領域を選択する操作を受け付ける、請求項8に記載のX線診断装置。
  10. 前記算出部は、所定の方向から収集された前記複数のX線画像における血管領域において血管が交差する交差部での前記流入経路に対応する血管領域を、前記複数のX線画像と、前記所定の方向とは異なる方向から収集された複数のX線画像とを比較する事で算出する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  11. 前記算出部は、前記複数のX線画像における血管領域において血管が交差する交差部がある場合に、前記複数のX線画像を相互に比較することにより、前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域のうち交差部近傍の前記単位領域のそれぞれについて、前記造影剤の動きを表すベクトルを算出し、前記単位領域間での前記ベクトルの類似性に基づいて、前記交差部での前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  12. 前記算出部は、前記複数のX線画像における血管領域において血管が交差する交差部がある場合に、前記複数のX線画像に基づく流体解析を行うことにより、前記交差部での前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  13. 前記算出部は、前記複数のX線画像における血管領域において血管が交差する交差部がある場合に、前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域の間での前記造影剤の信号強度の経時的な遷移の類似性に基づいて、前記交差部での前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  14. 前記表示制御部は、前記流入経路に対応する血管領域をロードマップの血管像として表示部に表示させ、又は、前記流入経路に対応する血管領域を強調させた前記X線画像をロードマップの血管像として表示部に表示させる、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  15. 前記特徴量に応じた色情報を前記単位領域ごとに反映させたカラー画像を生成する画像生成部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記カラー画像における血管領域のうち前記算出部が算出した流入経路に対応した血管領域をロードマップの血管像として表示部に表示させる、請求項2乃至9のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  16. 前記表示制御部は、前記カラー画像における血管領域のうち前記算出部が算出した流入経路に対応した血管領域と、前記X線画像における血管領域とをロードマップの血管像として表示部に表示させる、請求項15に記載のX線診断装置。
  17. 前記算出部は、前記X線画像又は前記X線画像における血管領域での前記造影剤の信号強度の経時的な遷移に基づいて算出された特徴量に応じた色情報が、前記複数のX線画像の血管領域における一又は複数の画素からなる単位領域ごとに反映されたカラー画像上において、前記所定の位置の指定を受け付け、指定された所定の位置までの前記流入経路に対応する血管領域を算出する、請求項1乃至16のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  18. 造影剤が注入された被検体を透過したX線に基づいて経時的に収集された複数のX線画像における血管領域の各画素について、前記造影剤の信号強度の経時的な遷移を算出し、当該信号強度の経時的な遷移に基づいて、前記血管領域における所定の位置までの前記造影剤の流入経路に対応する血管領域を、当該信号強度の経時的な遷移が算出された血管領域の中から抽出する算出部と、
    前記流入経路に対応する血管領域を、前記流入経路以外の血管領域と異なる表示態様で表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えた画像処理装置。
JP2016172072A 2015-10-28 2016-09-02 X線診断装置及び画像処理装置 Active JP6815135B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/331,114 US11116464B2 (en) 2015-10-28 2016-10-21 X-ray diagnostic apparatus and image processing apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015211943 2015-10-28
JP2015211943 2015-10-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017080390A JP2017080390A (ja) 2017-05-18
JP6815135B2 true JP6815135B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=58713251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016172072A Active JP6815135B2 (ja) 2015-10-28 2016-09-02 X線診断装置及び画像処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6815135B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6744158B2 (ja) * 2016-07-07 2020-08-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線診断装置及び画像処理装置
CN112790777A (zh) * 2019-11-14 2021-05-14 巫湘沂 以动态影像判断血流量变化及血管阻塞区域的方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60220045A (ja) * 1984-04-13 1985-11-02 株式会社東芝 血管位置検出装置
JP5820117B2 (ja) * 2008-03-06 2015-11-24 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. データセットを選択式及び対話式に処理する方法
JP5361410B2 (ja) * 2009-01-22 2013-12-04 株式会社東芝 画像処理装置
WO2013038313A1 (en) * 2011-09-13 2013-03-21 Koninklijke Philips Electronics N.V. Vascular outlining with ostia visualization
JP6530743B2 (ja) * 2013-04-03 2019-06-12 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 血管セグメント化
JP6552798B2 (ja) * 2013-11-29 2019-07-31 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム
JP6744158B2 (ja) * 2016-07-07 2020-08-19 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線診断装置及び画像処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017080390A (ja) 2017-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11116464B2 (en) X-ray diagnostic apparatus and image processing apparatus
JP7090546B2 (ja) 灌流デジタルサブトラクション血管造影
EP2745267B1 (en) Vascular outlining with ostia visualization
JP6013012B2 (ja) 画像処理装置及びx線診断装置
CN107019522B (zh) 对操作者提供图像支持的x射线装置和数据载体
US11282170B2 (en) Contrast injection imaging
US10762634B2 (en) Image processing device and X-ray diagnostic apparatus
US10362943B2 (en) Dynamic overlay of anatomy from angiography to fluoroscopy
JP5641148B2 (ja) 画像処理装置およびそれを備えた放射線撮影装置
US9844356B2 (en) Medical image processing apparatus and medical image processing method
JP6815135B2 (ja) X線診断装置及び画像処理装置
US20240029259A1 (en) System and method for machine-learning based sensor analysis and vascular tree segmentation
JP6169912B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像診断装置及び医用画像処理プログラム
JP2010536456A (ja) 対象物、特に管腔又は血管内のフローの測定方法
US11481957B2 (en) Medical image processing apparatus and storage medium
JP6222801B2 (ja) 医用画像処理装置、x線診断装置及び医用画像処理プログラム
KR102271614B1 (ko) 3차원 해부학적 기준점 검출 방법 및 장치
JP6744158B2 (ja) X線診断装置及び画像処理装置
JP7173747B2 (ja) 医用画像処理装置
JP7171579B2 (ja) 閉塞を有する血管構造の経路の視覚化
CN101652799A (zh) 叠加到完全闭塞上的镜像血管
JP2014198099A (ja) 医用画像処理装置、医用画像処理システム、医用画像診断装置
JP2020168361A (ja) 医用画像処理装置およびプログラム
CN110461238B (zh) 造影剂注射成像
JP2007512890A (ja) 動く物体の構造を決定する方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160929

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20161021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6815135

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150