JP7409777B2 - リチウムイオン二次電池用セパレータ - Google Patents

リチウムイオン二次電池用セパレータ Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池(LIB)に代表される蓄電デバイスに適用可能なセパレータ等に関する。
微多孔層、特にポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層は、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料又はこれらの構成要素等として、特にLIBをはじめとする二次電池用セパレータ又はこれらの構成要素等として、幅広く用いられている。近年、LIBは、携帯電話又はノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器への用途に用いられる一方、ハイブリッド自動車又はプラグインハイブリッド自動車を含む電気自動車等への応用も図られている。
電気自動車に用いられるLIBは、一般に、大型、かつ、高エネルギー容量となるため、より高い安全性の確保が要求される。また、電気自動車に用いられるLIBには、短時間に多くのエネルギーを取り出すため、従来の電池に比べて高い出力特性が要求される。更に、エネルギー密度の高い電池も要求されており、それに伴いセパレータの薄膜化が求められている。電気自動車への用途では、小型電子機器への用途と比べて過酷な状況でLIBが長期間使用される傾向があるため、製品安全性又は長期信頼性(寿命特性)の要求レベルも高くなっている。すなわち今後は、電気自動車に用いられるLIBには、高エネルギー出力と高い製品安全性との両方が強く求められ、特に、セパレータには、高強度(例えば引張強度)、低収縮率、高耐熱、低電気抵抗度等の特性が求められている。
上記の事情に対して、例えば、微細径セルロース繊維を含むセパレータが開示されている(特許文献1~3参照)。一方、特許文献1~3に記載のセパレータのいずれも、ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層(基材)と、特定の機能層と、を含んだ積層構造を採用する観点について、検討がなされていない。
特開2017-210001号公報 国際公開第2015/063997号 特開2010-202987号公報
特許文献1~3に記載のセパレータは、強度の向上、例えば、TD強度(特に、TD引張強度)の向上を図る観点で未だに検討の余地がある。そして、LIBに代表される蓄電デバイスに適用可能な観点から、セパレータには、強度の向上が図られるとき、良好な透気抵抗度(低い透気抵抗度)もまた確保されなければならない。なお、このような課題は、電気自動車に用いられる蓄電デバイスに限られず、電気自動車以外の大型電子機器に用いられる蓄電デバイス、及び小型電子機器に用いられる蓄電デバイスのいずれにも同様に存在する。
従って、本発明は、LIBに代表される蓄電デバイスに適用可能な、高強度なセパレータ等を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリオレフィン樹脂を主成分とし、かつ、平均長孔径が比較的小さい微多孔層(基材)と、非水溶性有機繊維を含有する機能層と、を含む積層構造を採用することで上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層と、前記微多孔層上の機能層と、を含むセパレータであって、
前記機能層が非水溶性有機繊維を含み、
前記微多孔層の平均長孔径が1μm以下である、セパレータ。
[2]
前記非水溶性有機繊維がセルロースナノファイバを含む、[1]に記載のセパレータ。
[3]
前記機能層が樹脂バインダを含む、[1]又は[2]に記載のセパレータ。
[4]
前記樹脂バインダが水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含む、[3]に記載のセパレータ。
[5]
前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、[4]に記載のセパレータ。
[6]
前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、[3]~[5]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[7]
前記機能層が無機フィラーを含む、[1]~[6]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[8]
前記無機フィラーの平均粒径が0.01~10μmである、[7]に記載のセパレータ。
[9]
前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、[1]~[8]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[10]
前記機能層の破断伸度が2.0%以上である、[1]~[9]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[11]
前記微多孔層の平均長孔径が10~500nm以下である、[1]~[10]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[12]
乾式法により多孔化された前記微多孔層を含む、[1]~[11]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[13]
湿式法により多孔化された前記微多孔層を含む、[1]~[11]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[14]
前記微多孔層は、
前記ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
前記ポリマーマトリックスから前記微多孔層の一方向に延在し、かつ前記ポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
複数の前記フィブリルの間に存在する多孔と、を含む、[1]~[11]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[15]
前記微多孔層は、
前記ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
前記ポリマーマトリックスから三次元的に延在し、かつ前記ポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
複数の前記フィブリルの間に存在する多孔と、を含む、[1]~[11]のいずれか1項に記載のセパレータ。
[16]
ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層上に形成可能な機能層を作製するためのスラリーであって、
非水溶性有機繊維を含む、スラリー。
[17]
前記非水溶性有機繊維がセルロースナノファイバを含む、[16]に記載のスラリー。
[18]
前記スラリーは、樹脂バインダを更に含み、
前記樹脂バインダの含有割合は、前記非水溶性有機繊維に対して10~150質量%である、[16]又は[17]に記載のスラリー。
[19]
前記樹脂バインダが水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含む、[18]に記載のスラリー。
[20]
前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、[19]に記載のスラリー。
[21]
前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、[18]~[20]のいずれか1項に記載のスラリー。
[22]
無機フィラーを更に含む、[16]~[21]のいずれか1項に記載のスラリー。
[23]
前記無機フィラーの平均粒径が0.01~10μmである、[22]に記載のスラリー。
[24]
前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、[16]~[23]のいずれか1項に記載のスラリー。
[25]
非水溶性有機繊維を含む、機能層。
[26]
前記非水溶性有機繊維がセルロースナノファイバを含む、[25]に記載の機能層。
[27]
樹脂バインダを含む、[25]又は[26]に記載の機能層。
[28]
前記樹脂バインダが水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含む、[27]に記載の機能層。
[29]
前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、[28]に記載の機能層。
[30]
前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、[27]~[29]のいずれか1項に記載の機能層。
[31]
無機フィラーを含む、[25]~[30]のいずれか1項に記載の機能層。
[32]
前記無機フィラーの平均粒径が0.01~10μmである、[31]に記載の機能層。
[33]
前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、[25]~[32]のいずれか1項に記載の機能層。
[34]
前記機能層の破断伸度が2.0%以上である、[25]~[33]のいずれか1項に記載の機能層。
本発明によれば、LIBに代表される蓄電デバイスに適用可能な、高強度なセパレータ等を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。ただし、本発明は、以下の本実施形態のみに限定されない。本実施形態は、本発明の要旨の範囲内で適宜変形して実施可能である。
本明細書中の「~」という表現は、特に断りがない場合、その両端の数値を上限値、及び下限値として含む意味である。
本明細書中の「層上」、「膜上」又は「面上」という表現は、層、膜又は面に対する積層方向の位置関係を意味するため、各部材の位置関係が層の直上、膜の直上又は面の直上であることに限定されない。このため例えば、「微多孔層上の機能層」という表現は、微多孔層と機能層との間に任意の層(例えば、微多孔層と機能層とのいずれにも該当しない無機層)を含む態様を除外しない。
本明細書中、単層又は複数の層は膜を形成することができるため、層と膜が同じ意味で使用されることがある。
本明細書中、略語「MD」とは、微多孔膜を連続して成形するときの機械方向を意味し、略語「TD」とは、MDを90°の角度で横切る方向を意味する。
微多孔膜は、単数若しくは複数のポリオレフィン系微多孔層から成る膜、ポリオレフィン系微多孔層以外の樹脂層から成る微多孔単層膜、ポリオレフィン系樹脂とそれ以外の樹脂とを有する複合微多孔単層膜、の少なくとも一つを意味する。このような微多孔膜は、微多孔層とも呼ばれることがある。
微多孔積層状膜は、複数のポリオレフィン系微多孔層が積層されている多層膜、ポリオレフィン系微多孔膜と他の樹脂を含む微多孔膜とが積層されている複合微多孔膜、の少なくとも一つを意味する。以下では単に「積層体」として呼ばれることがある。
ポリオレフィン系微多孔膜は、ポリオレフィン樹脂を主成分とするポリオレフィン樹脂組成物から形成される。
ポリプロピレン系微多孔膜は、ポリプロピレンを主成分とするポリプロピレン樹脂組成物から形成される。
本明細書中、微多孔層がポリオレフィン樹脂を主成分とする、とは、微多孔層中のポリオレフィン樹脂の割合が、微多孔層の総質量に対して50質量%以上であることを意味する。このとき、ポリオレフィン樹脂は、微多孔層中のポリマー網目を形成することができる。
本明細書中、ポリプロピレン樹脂組成物がポリプロピレンを主成分とする、とは、ポリプロピレン樹脂組成物中のポリプロピレンの割合が、ポリプロピレン樹脂組成物の総質量に対して50質量%以上であることを意味する。
LIBに代表される蓄電デバイスに適用可能なセパレータ(以下、単に「セパレータ」と略記することがある。)とは、蓄電デバイスにおいて複数の電極間に配置され、かつ、イオン透過性、及び必要に応じてシャットダウン特性を有する部材をいう。セパレータは、微多孔膜、及び/又は微多孔積層状膜を基材として含み、かつ、その基材上に機能層を備える。
セパレータは、基材の少なくとも片面に機能層を備える。従って、基材の片面に機能層を備える態様と、基材の両面に機能層を備える態様と、のいずれも本発明に含まれる。
セパレータは、所望により、任意の層(微多孔層と機能層とのいずれにも該当しない層)を更に備えてよい。セパレータは、このような任意の層を、例えば、微多孔層上に備えてもよいし、機能層上に備えてもよいし、微多孔層と機能層との間に備えてもよい。
[蓄電デバイス用セパレータ]
本発明の一態様は、蓄電デバイス用セパレータである。かかるセパレータは、ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層と、その微多孔層上の機能層と、を含む。そして、機能層が非水溶性有機繊維を含み、微多孔層の平均長孔径が1μm以下である。
(セパレータの強度の向上)
機能層に含まれる非水溶性有機繊維は、その非水溶性有機繊維同士の結着又は絡み合い構造を生じさせ、これにより、機能層を高強度化することでき、ひいては、その機能層を含むセパレータを高強度化することできる。特に、表面に大量の水酸基を有するセルロースナノファイバ(「微細セルロース繊維」とも呼ばれる)は、ファイバ同士の水素結合に由来する結着力によって高強度化すると推測される。また、アスペクト比(繊維長/繊維径)が高い繊維を用いることで、繊維同士の絡み合いが多くなったり、また、繊維1本に対してより多数の繊維が結着したりすることが推察され、これにより高強度化が図られると考えられる。
そして、微多孔層の平均長孔径は、1μm以下である。微多孔層の平均長孔径を上記の範囲内に調整することにより、良好な透気抵抗度、高い引張強度、及び高い安全性を達成することが可能になる。そして、これらを達成する観点に基づき、微多孔層の平均長孔径の下限を適宜設定することも可能である。本発明と異なるセパレータ、例えば、不織布を主たる構成成分とする基材を備えたセパレータであると、このような1μm以下(例えば、1000nm)という極めて小さい平均長孔径を達成できない。なお、平均長孔径の測定方法は、実施例欄において説明される。
従って、上記の機能層と上記の微多孔層とを含む積層構造においては、強靭な機能層によって微多孔層の破壊を防ぐことができ、これにより、セパレータの引張強度(例えば、TD引張強度)の向上を図ることができる。また、このような積層構造を採用することで、高温下でも強度を維持できるため、セパレータの耐熱性の向上を図ることができる。かかるセパレータは、良好な透気抵抗度、高い引張強度、及び高い安全性を有するため、小型電子機器に用いられる蓄電デバイスは勿論、電気自動車等の大型電子機器に用いられる蓄電デバイスにも好適に適用可能である。
以下、本実施形態に係るセパレータを構成可能な各部材について説明する。
(微多孔層)
微多孔層は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする。微多孔層中のポリオレフィン樹脂の含有量は、セパレータの良好な基本物性を確保する観点から、微多孔層の総質量を基準として、好ましくは55~99.9質量%又は55~98質量%である。微多孔層中のポリオレフィン樹脂の含有量は60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、及び1-オクテン等をモノマーとして用いて得られるホモポリマー、コポリマー又は多段重合ポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、セパレータの強度、蓄電デバイスの出力性能、及びサイクル性能の向上を図る観点から、超高分子量ポリオレフィンが好ましい。超高分子量ポリオレフィンの粘度平均分子量は、一般に500,000~16,000,000、好ましくは1,000,000~10,000,000、更に好ましくは2,000,000~5,000,000である。
ポリオレフィン樹脂の種類としては、良好なシャットダウン特性を確保する観点から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びこれらを構成する複数の単量体の共重合体、並びにこれらの混合物が好ましく、良好なシャットダウン特性、及びセパレータの強度の両方を確保し易くする観点から、ポリエチレン樹脂、及びポリプロピレン樹脂がより好ましく、単数又は複数のポリプロピレン樹脂が更に好ましい。
ポリエチレン樹脂の具体例としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等が挙げられる。本明細書中、高密度ポリエチレンとは、密度0.942~0.970g/cm3のポリエチレンをいう。ポリエチレンの密度とは、JIS K7112(1999)に記載のD)密度勾配管法に従って測定した値をいう。
ポリプロピレン樹脂の具体例としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリプロピレン、線状ポリプロピレン、直鎖状又は分岐鎖状ポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、及び超高分子量ポリプロピレン等が挙げられる。ポリプロピレン樹脂の分子量は、MFRに応じて決定される。使用されるポリプロピレン樹脂のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、微多孔膜の強度、空孔率、透気抵抗度、及び寸法安定性のバランスを取る観点から、好ましくは2.2g/10分未満、より好ましくは、1.1g/10分以下又は0.9g/10分以下、更に好ましくは0.6g/10分以下である。ポリプロピレン樹脂のMFRの下限値は、例えば、0.10g/10分以上、0.20g/10分以上等であることができる。
微多孔層は、セパレータの安全性を確保する観点、すなわち、強度と気孔率とのバランス、及び透気抵抗度と寸法安定性とのバランスを取る観点から、ポリオレフィン樹脂に加えて、熱可塑性エラストマー、分岐鎖を有する共重合体、共役二重結合を有する共重合体、及び分子中に結晶性領域と非晶性領域を有する共重合体等の成分(以下、「副成分(B)」という。)を含むことができる。副成分(B)は、微多孔層の強度を向上させ得る。このような副成分(B)は、ポリオレフィン樹脂とは異なる成分である。
微多孔層を形成するためのポリオレフィン樹脂組成物は、副成分(B)として、例えば、ポリプロピレンエラストマー、エチレン/α-オレフィン共重合体、プロピレン/α-オレフィン共重合体、スチレンオレフィン共重合体等を含むことができる。中でも、セパレータの突刺強度を向上させる観点から、ポリプロピレンエラストマー、エチレン/α-オレフィン共重合体、プロピレン/α-オレフィン共重合体がより好ましく、エチレン/α-オレフィン共重合体が更に好ましく、中でも、エチレン/1-ブテン共重合体が特に好ましい。
微多孔膜がポリオレフィン樹脂に加えて副成分(B)を含むとき、ポリオレフィン樹脂の総量をTとして、総量(T)と副成分(B)との含有量の比は、微多孔膜の高強度化、微多孔膜の熱収縮率の低減化、及び微多孔膜が有する微多孔の良好な開孔性の観点から、好ましくは(T)/(B)=99/1~80/20(質量%)、より好ましくは(T)/(B)=98/2~82/18(質量%)、更に好ましくは(T)/(B)=97/3~85/15(質量%)である。
微多孔層は、次の(ア)~(ウ)の少なくとも1つの項目を満たすことが好ましい:
(ア)微多孔層の平均長孔径が、10~500nmである;
(イ)微多孔層の平均長孔径aと、平均長孔径aと直交する孔径bとの孔径比a/bが、1.5以上、30以下である;
(ウ)微多孔層の平均長孔径が、微多孔層の一方向(例えばMD)に沿って配列する。
なお、平均長孔径の測定方法は、実施例において説明される。
上記項目(ア)については、微多孔層の平均長孔径を、上記の好ましい範囲内に調整することにより、良好な透気抵抗度、高い引張強度、及び高い安全性を達成し易くなる。これらを更に達成し易くなるという観点から、平均長孔径は、より好ましくは、30~450nm又は50~400nmである。
ただし、微多孔層の平均長孔径は、上記の好ましい範囲に限定されず、例えば500nmを超えてもよいが、1μm以下(例えば、1000nm)である必要がある。上記のとおり、本発明と異なるセパレータ、例えば、不織布を主たる構成成分とする基材を備えたセパレータであると、1μm以下という極めて小さい平均長孔径を達成できず、ひいては、本発明が奏する作用効果が得られない。
上記項目(イ)については、セパレータの安全性、及び蓄電デバイスの安全性を確保する観点から、孔径比(a)/(b)が、1.5以上30以下であることが好ましく、より好ましくは、3以上20以下である。
上記項目(ウ)は、理論に拘束されることを望まないが、微多孔層中の高分子量成分に由来することが推察される。上記項目(ウ)に示されるように、平均長孔径が微多孔層の一方向(特にMD)に沿って配列すると、良好な透気抵抗度を確保すると共に高い引張強度を発現するのが容易になり、かつ、蓄電デバイス中でのデンドライト生成等の不安全モードを低減し易くなる。例えば、微多孔層の主成分がポリプロピレン樹脂である場合、平均長孔径が微多孔層のMDに沿って配列していると、その他の含有成分がポリプロピレン樹脂との界面での接着性を向上させて、微分散化し易いという利点がある。
また、本発明の好ましい実施形態では、微多孔層は、
(i)ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
(ii)ポリマーマトリックスから上記微多孔層の一方向に延在し、かつポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
(iii)複数のフィブリルの間に存在する多孔と、
を有する。
上記項目(i)~(iii)により特定される微多孔層は、例えば、乾式法、例えば、乾式延伸法、乾式ラメラ開孔法等により達成される。
フィブリルは、ポリオレフィン樹脂を含む網目構造の最小単位を意味する。少なくとも1つの孔部が、フィブリルにより確定される。つまり、フィブリルが、孔部の外縁を構成し、更に言い換えれば、フィブリルによって囲まれる空間が孔部として構成される。このフィブリルは、延伸開孔時にポリオレフィンのポリマー鎖が延伸されて形成される。フィブリル以外の箇所(ポリマーマトリックス)は、1軸延伸の場合、ラメラ結晶が配列しており、一方向(例えばMD)に高強度化をもたらし、かつ他方向(例えばTD)の収縮率は低く維持できる。フィブリルとポリマーマトリックスは、例えば、1軸延伸時の微多孔層表面のSEM写真から確認されることができる。
フィブリルが延在する微多孔層の一方向は、例えばMDである。フィブリルが一方向に延在することで、その一方向に沿った長軸と、長軸に直行する短軸と、を有する孔部が形成されることになる。
ここで、「一方向に延在」とは、SEM写真において、90%以上のフィブリルが、その延在方向±20度の角度範囲内に含まれることを意味する。つまり、SEM写真において、90%以上の孔部の長軸が、互いに±20度の角度範囲内に含まれていることを意味する。
上記のとおり、上記項目(i)~(iii)により特定される微多孔層は、例えば、乾式法により達成されるので、SEM写真において、上記の定義に該当しない微多孔層(すなわち、90%以上のフィブリルが互いに、その延在方向±20度の角度範囲を超えて交わる関係にある微多孔層)は、後述する湿式法により達成された微多孔層である可能性がある。
また、本発明の好ましい実施形態では、微多孔層は、
(i)ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
(ii)ポリマーマトリックスから三次元的に延在し、かつポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
(iii)複数のフィブリルの間に存在する多孔と、
を有する。
上記項目(i)~(iii)により特定される微多孔層は、例えば、湿式法により達成される。
フィブリルが三次元的に延在する、とは、フィブリルにより三次元網目構造が形成されることを意味する。例えば、1軸延伸するような上記の乾式法を採用する場合、フィブリルはその延伸方向にしか延在しないので、三次元網目構造が形成されない。三次元網目構造においては、フィブリルが、ポリマーマトリックス間を交差、連結又は枝分かれした構造を形成し、SEM写真からも、ポリマーマトリックスから奥行きをもってフィブリルが延在していることが確認可能である。
上記の乾式法により多孔化された微多孔層の場合、SEM写真においては、一方向(例えばMD)に長軸が沿った略楕円形状の孔部が観察されるが、湿式法により多孔化された微多孔層の場合、SEM写真においては、円形、楕円形、角形又は不定形等、各種の形状の孔部が観察されることになる。
微多孔層の気孔率は、好ましくは30~80%、より好ましくは33~77%、更に好ましくは37~73%である。気孔率が30%以上であると、微多孔層を蓄電デバイス用途に用いた場合にイオン透過性の確保が容易となる。また、気孔率が80%以下であると、微多孔層の強度を維持し易くなる。気孔率は、樹脂組成、樹脂と可塑剤の混合比率、配向結晶化条件、延伸開孔条件、熱固定条件等を制御することによって調整されることができる。
微多孔層を含むセパレータの透気抵抗度は、14μmの膜厚換算で、好ましくは100~800秒/100ml、より好ましくは120~750秒/100ml、更に好ましくは150~700秒/100ml、より更に好ましくは680秒/100ml以下である。透気抵抗度を100秒以上に調整することは、欠陥の無い均質な微多孔層を含むセパレータを得る観点から好適である。また、透気抵抗度を600秒以下に調整することは、十分なイオン透過性を確保することに寄与し得る。
なお、本明細書中、単なる「透気抵抗度」又は「セパレータの透気抵抗度」は、セパレータの透気抵抗度の実測値をセパレータの膜厚で除してから14μmを乗ずることにより得られる値(14μmの膜厚換算の透気抵抗度)である。
本実施形態では、例えば、上記で説明された微多孔層に、ポリエチレンを主成分とする微多孔層を積層することができ、より詳細には、上記で説明されたポリプロピレン樹脂組成物の微多孔層(a)と、ポリエチレンを主成分として含む微多孔層(b)とが積層されて、微多孔積層状膜(積層体)が形成されることができる。
上記積層体の具体的な構成としては、例えば、以下のような構成が挙げられる:
(I)ポリプロピレン層(a)/ポリエチレン層(b)
(II)ポリプロピレン層(a)/ポリエチレン層(b)/ポリプロピレン層(a)
(III)ポリエチレン層(b)/ポリプロピレン層(a)/ポリエチレン層(b)
(IV)ポリエチレン層(b)/ポリエチレン層(b)/ポリプロピレン層(a)
(V)ポリプロピレン層(a)/ポリエチレン層(b)/ポリエチレン層(b)/ポリプロピレン層(a)
中でも、ポリプロピレン層(a)とポリエチレン層(b)とが交互に積層された構成が好ましく、生産性の向上を図る観点から、表面層の二層が同一で、中間層が異なる二種三層構造がより好ましく、上記(II)の構成が特に好ましい。
上記の積層体の製造方法としては、例えば、共押出法又は各層を別々に押出成形した後に貼合するラミネート法等により、各層を互いに密着させる方法を採用できる。ラミネート法としては、接着剤等を使用するドライラミネート法と溶融状態で複数の層を貼合する溶融ラミネート法のいずれも採用し得る。
微多孔層(b)中のポリエチレンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることが好ましい。微多孔層(b)中のポリエチレンの密度は0.96g/cm3以上であることが好ましい。また、その上限値は、特に制限されないが、0.98g/cm3以下であってもよく、0.97g/cm3以下であってもよい。また、微多孔層(b)のMFRは0.6g/10分以下であることが好ましく、その下限については特に限定はないが、0.05g/10分以上であってもよく、0.1g/10分以上であってもよく、0.15g/10分以上であってもよい。
[機能層]
(非水溶性有機繊維)
機能層は、非水溶性有機繊維を含む。非水溶性有機繊維は、非水溶性の有機原料を微細化し、繊維状に形成した微細繊維をいう。そして、ここでの「非水溶性」は、機能層を可能な程度に水系に分散し得る性質をいう。このような非水溶性有機繊維は、セパレータの強度、及びイオン透過性の向上を図る観点から、酸変性したポリオレフィン繊維、水溶性高分子を配合したポリオレフィン繊維、アクリル系繊維、及びセルロースナノファイバから成る群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。セパレータの強度とセパレータの耐熱性との両立を図る観点から、特にセルロースナノファイバを含むことが好ましい。セルロースナノファイバは、木材由来であってもよく、木材以外の有機物由来であってもよい。更に、セルロースナノファイバとして、表面の化学処理を加えたセルロース系の微細繊維、及び/又はTEMPO酸化触媒によって6位の水酸基が酸化され、カルボキシル基(酸型、塩型を含む)となったセルロース系の微細繊維を使用することもできる。前者の場合は、目的に応じて種々の表面化学処理を施すことにより、使用することができる。例えば、微細セルロース繊維の表面に存在する一部又は大部分の水酸基が、酢酸エステル、硝酸エステル、硫酸エステルを含むエステル化されたもの、メチルエーテルを代表とするアルキルエーテル、カルボキシメチルエーテルを代表とするカルボキシエーテル、シアノエチルエーテルを含むエーテル化されたものを、適宜調製して使用することができる。また、後者、すなわち、TEMPO酸化触媒によって6位の水酸基が酸化された微細セルロース繊維の調製においては、必ずしも高圧ホモジナイザーのような高エネルギーを要する微細化装置を使用することは必要なく、微細セルロースの分散体を得ることができる。例えば、文献(A.Isogai et al.,Biomacromolecules,7,1687-1691(2006))に記載されるように、天然セルロースの水分散体に2,2,6,6-テトラメチルピペリジノオキシラジカルのようなTEMPOと呼ばれる触媒とハロゲン化アルキルを共存させ、これに次亜塩素酸のような酸化剤を添加し、一定時間反応を進行させることにより、水洗等の精製処理後に、通常のミキサー処理を施すことにより極めて容易にセルロースナノファイバを得ることができる。
ポリオレフィン繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等が挙げられる。また、一般に、ポリオレフィン繊維又はポリオレフィンナノファイバの名称で市販される繊維も好適に用いられる。
機能層が含む非水溶性有機繊維は、上記のいずれか1種に限定されず、2種以上が含まれてもよい。従って、例えば、非水溶性有機繊維として、セルロースナノファイバと、ポリオレフィンナノファイバ(例えば、ポリエチレンナノファイバ)を併用してもよい。2種以上の非水溶性有機繊維を併用する場合、これらの配合比率は適宜調節可能である。
ただし、非水溶性有機繊維の具体例は上記に限定されない。
非水溶性有機繊維は、有機原料を水中に分散させた後、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、グラインダー等の、高度にせん断力の加わる装置で処理することにより作製可能である。これらの装置とほぼ同様の機構で微細化を実施する装置であれば、これら以外の装置であっても構わない。これらの装置により非水溶性有機繊維を作製するときの、水分散体中の有機原料の固形分濃度は特に限定されない。有機原料に対しては、100℃以上の温度での水中含浸下でのオートクレーブ処理、叩解処理、酵素処理等又はこれらの組み合わせによって、適宜前処理を施してもよい。有機原料から非水溶性有機繊維を作製するにあたっては、既知の手法を用いることができる。
非水溶性有機繊維の繊維径(平均繊維径)は、特に限定されないが、例えば、5~2000nmが好ましい。繊維間に形成される細孔においてイオン透過性を維持する観点から、繊維径は5nm以上が好ましく、繊維同士の結着力、また、応力集中になり難い開孔径に由来する強度を確保する観点から、2000nm以下が好ましい。同様の観点から、繊維径は、10~300nmがより好ましく、15~200nmが更に好ましい。なお、繊維径の測定方法は、実施例欄において説明される。
機能層における非水溶性有機繊維の配合割合(質量%)は、特に限定されないが、例えば、20~100%であり、30~95%が好ましく、30~90%がより好ましい。配合割合が20%以上であると、機能層の弾性率向上による強度向上の観点から有利である。非水溶性有機繊維の繊維径が小さい場合、機能層の伸度が小さくなる可能性がある。このため、機能層の伸度向上による強度向上の観点から、非水溶性有機繊維の配合割合を減らし、樹脂バインダの配合量を増やすと効果的である。
機能層の破断伸度(セパレータにおける機能層破断時点でのTD破断伸度)は、特に限定されないが、2%以上であることが好ましく、例えば、2.0~150%であることがより好ましい。破断伸度が2.0~150%であると、セパレータの引張強度も向上する傾向にある。そして、破断伸度が上記の範囲であると、機能層はセパレータの応力ピークに達する前に破断が起こり難く、このため強度の向上を図り易い。機能層の破断伸度は、機能層の強度の向上を図る観点に基づいて、機能層の構成材料、及び各構成材料の配合比を調節することで制御可能である。なお、引張強度の測定方法は、実施例欄において説明される。
ここで、機能層は、非水溶性有機繊維に加え、樹脂バインダ、及び無機フィラー等を更に含むことが好ましい。
(樹脂バインダ)
機能層は樹脂バインダを含むことで、その機能層に柔軟性を付与することができ、その結果、高強度化することができる。非水溶性有機繊維は高い結着性を有するが故、得られる機能層は伸度が低くなり脆くなる場合がある。一方、樹脂バインダを用いることで、機能層の伸度が改善され柔軟になり易く、結果的に強靭な機能層を得るのが容易になる。
樹脂バインダは、非水溶性有機繊維との良好な結着性の観点から、水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含むことが好ましい。特に水溶性高分子を含むことが好ましく、中でも、ポリエチレンオキシド(PEO)又はポリビニルアルコールの少なくとも一方を含むことが好ましい。このうちPEOは、非水溶性有機繊維との複合化時に開孔し易い特徴があるためより好ましい。セパレータの強度、及びイオン透過性の向上を図る観点から、PEOの分子量は、10万~1,000万が好ましい。なお、ここでの「水溶性高分子」は、25℃の水100gに、1g以上溶解する高分子をいう。
また、樹脂バインダとして樹脂エマルジョンを含む場合、その樹脂バインダの融点(例えば、樹脂バインダがポリオレフィン重合体を含む場合)又は最低造膜温度(例えば、樹脂バインダがアクリル共重合体を含む場合)が、80℃以下であることが好ましい。80℃以下であるとエマルジョンの粒子が乾燥時に融着し易く、機能層のTD引張強度が向上する傾向にある。
樹脂バインダがポリオレフィン重合体である場合にはその融点、樹脂バインダがアクリル共重合体である場合にはその最低造膜温度が、機能層用スラリーの乾燥温度の目安となる。従って、後述する実施例において、樹脂バインダがアクリル共重合体である実施例1、4、及び比較例1では、アクリル共重合体の融点の項目を「不明」としてある(表2参照)。
樹脂バインダの配合割合(質量%)は、特に限定されないが、例えば、非水溶性繊維に対して10~200%であることが好ましい。含有割合は、機能層の伸度向上による強度向上の観点から、10%以上であることが好ましく、機能層の弾性率向上による強度向上の観点から、200%以下であることが好ましい。
樹脂バインダの破断伸度は、特に限定されないが、例えば、100%以上であることが好ましい。樹脂バインダの破断伸度が100%以上であると、機能層の破断伸度も向上する傾向にある。なお、破断伸度の測定方法は、実施例欄において説明される。
樹脂バインダの引張強度は100MPa以下であることが好ましい。樹脂バインダの引張強度が100MPa以下であると、機能層の破断ひずみが改善されTD引張強度も向上する傾向にある。なお、引張強度の測定方法は、実施例欄において説明される。
(無機フィラー)
機能層は、無機フィラーを含むことで、機能層の開孔性が向上し、イオン透過性を向上させることができる。非水溶性有機繊維は高い結着性を有するため、繊維間の空隙構造が潰れる傾向があり、結果的にイオン透過性が悪化する場合がある。樹脂バインダについても繊維間の空隙構造間に入り込み、更にイオン透過性を悪化する場合がある。これに対して、無機フィラーを加えることで、空閨構造が形成され易くなり、イオン透過性を確実に改善することができる。
無機フィラーは、例えば無機粒子であり、金属粒子、金属酸化物粒子、金属窒化物粒子、炭素系粒子等が挙げられる。無機フィラーは、電池内での安全性と耐熱性の観点から、アルミナ又はベーマイトの少なくとも一方が好ましい。ただし、無機フィラーは、上記の例に限定されず、更には、粒子状でなく繊維状であってもよい。
無機フィラーの平均粒径は、特に限定されないが、例えば、0.01nm~5μmが好ましく、0.05nm~4μmが好ましく、0.8nm~3μmが好ましい。平均粒径は、細孔閉塞を回避しイオン透過性を向上させる観点から、0.01nm以上が好ましく、開孔径の拡大によって起こる応力集中による強度低下を回避する観点から、5μm以下が好ましい。なお、無機フィラーの平均粒径の測定方法は、実施例欄において説明される。
機能層における無機フィラーの配合割合(質量%)は、特に限定されないが、例えば、0~70%が好ましく、0~50%、0~40%が好ましい。配合割合は、非水溶性有機繊維同士の結着力維持による強度低下、開孔径の拡大によって起こる応力集中回避による強度低下を回避する観点から、70%以下が好ましい。
[機能層用スラリー]
本実施形態に係るスラリー(分散液)は、ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層上に形成可能な、上記の機能層を作製するために用いられる。かかる分散液は、非水溶性有機繊維を含む。非水溶性有機繊維については上記のとおりである。
このような分散液は、上記の非水溶性有機繊維を水中に分散させ、必要により混錬することで得ることができる。また、分散液は、上記の非水溶性有機繊維に加え、上記の樹脂バインダ、上記の無機フィラー等を必要により含むこともできる。樹脂バインダ、無機フィラーを含むスラリーを得るには、非水溶性有機繊維を分散させる水中に、樹脂バインダ、無機フィラーを併せて分散させるようにすればよい。無機フィラーについては、微粉化処理を行うと共にその水分散体を作製しておき、その水分散体を、非水溶性有機繊維を分散させる水中に配合させるようにしてもよい。
分散液に含まれる非水溶性有機繊維、樹脂バインダ、及び無機フィラーの好ましい構成は、上記のとおりである。例えば、非水溶性有機繊維がセルロースナノファイバを含むことが好ましい。また、樹脂バインダの含有割合が、非水溶性有機繊維に対して10~150質量%であることが好ましい。また、樹脂バインダが水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含むことが好ましい。また、樹脂バインダが、水溶性高分子であるPEOを含むことが好ましい。樹脂バインダの破断伸度が100%以上であることが好ましい。また、無機フィラーの平均粒径が0.01~10μmであることが好ましい。更に、非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmであることが好ましい。
[セパレータの各種構成]
セパレータの厚さは、特に限定されないが、例えば、好ましくは1~60μm、より好ましくは5~40μm、更に好ましくは10~20μmである。膜厚が1μm以上であると、機械強度を向上させ易くなる。また、膜厚が60μm以下であると、蓄電デバイスにおけるセパレータの占有体積が減るため、蓄電デバイスの高容量化の点において有利となる傾向がある。なお、セパレータの厚さの測定方法は、実施例欄において説明される。
セパレータの目付は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1.0~20g/m2、より好ましくは1.0~10g/m2、更に好ましくは1.0~6.0g/m2である。目付が1.0g/m2以上であると、蓄電デバイスへの組み立て工程において取り扱い易くなるため好ましい。目付が20g/m2以下であると、機能層との構成バランスをとりつつセパレータ全体を薄膜化し易くなる。なお、セパレータの目付の測定方法は、実施例欄において説明される。
[セパレータの製造方法]
(延伸開孔)
本実施形態に係る微多孔層は、共押出設備又はラミネート設備を用いてフィルム化することができる。一例としては、同一成分の樹脂組成物を2層以上に積層化して原反フィルムを作製し、その後2層以上の積層膜を延伸開孔させて微多孔積層膜を作ることができる。同一の樹脂組成物の1層フィルムを作製するよりも1層フィルムを2層以上に積層化させてフィルムの原反を作製してから開孔工程を経て微多孔層を作製する方が、高強度の微多孔層を得ることが容易である。
別の実施形態では、ポロプロピレン樹脂を主成分として含む少なくとも1つの微多孔層と、ポリエチレン樹脂を主成分として含む少なくとも1つの微多孔層とを積層化して原反フィルムを作製し、その後2層以上の積層膜を延伸開孔させて、微多孔積層フィルムを作ることができる。1層フィルムを作製するよりも、1層フィルムを2層以上に積層してフィルムの原反を作製してから開孔工程を経て微多孔層を作製する方が、高強度の微多孔層を得ることが容易である。この観点から、複数のポリオレフィン系微多孔層が積層されている多層膜の場合には、3層以上のポリオレフィン系微多孔層が積層されることが好ましく、ポロプロピレン樹脂を主成分として含む微多孔層(PP微多孔層)の少なくとも2つとポリエチレン樹脂を主成分として含む微多孔層(PE微多孔層)の少なくとも1つとが積層されることがより好ましく、PP微多孔層/PE微多孔層/PP微多孔層の順に積層された3層膜が更に好ましい。
複数のポリオレフィン系微多孔層が積層されている多層膜の製造方法又はポリオレフィン系微多孔層と他の樹脂微多孔層とを有する複合微多孔膜の製造方法としては、例えば、共押出法又は各層を別々に押出成形した後に貼合するラミネート法等により、各層を互いに密着させる方法を採用できる。ラミネート法としては、接着剤等を使用するドライラミネート法と加熱により複数の層を貼合する熱ラミネート法のいずれも採用し得る。
微多孔層は、溶剤を使わずに押出機内で溶融混練後に直接延伸配向させたフィルムを作製し、その後、アニーリング工程、冷延伸工程、及び熱延伸工程を順に経て行われる乾式延伸法によって製造することが好ましい。押出機からの溶融樹脂をTダイを経て延伸配向させる方法、サーキュラーダイ押出法等を利用することができ、特に、サーキュラーダイ押出法を用いると薄膜化が容易なため好ましい。乾式延伸法、特にラメラ結晶を配向させて、それらの結晶の界面剥離により開孔化させる方法は、湿式法とは対照的に、開孔部を揃えることが容易であり、その方法によって得られた微多孔層は、気孔率に対して低い透気抵抗度を発現させることができるため好ましい。
更に詳しく延伸開孔について述べる。上記原反フィルムの単層又は積層体には延伸処理が施される。延伸条件としては、1軸延伸(MD延伸)を採用し得る。また、延伸温度については、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む微多孔層(a)又はポリエチレン樹脂を主成分として含む微多孔層(b)の成形特性、更には各層に形成される空隙の態様等に応じて適宜設定し得る。このような延伸処理により、微多孔層(a)、及び(b)の各々に空隙が設けられる。ここで、空隙が設けられる機構(方法)としては、例えば、ラメラ結晶界面での開孔法を挙げることができる。
結晶界面での開孔法は、例えば、ポリエチレン等の結晶性樹脂を高いドローダウン比で溶融押出して前駆体フィルムを成形し、前駆体フィルムを結晶性樹脂の結晶融点より5~50℃低い範囲の温度でアニールしてアニール前駆体フィルムを形成し、アニール前駆体フィルムを-20~70℃の範囲の温度で1.1~2倍に一軸冷延伸した後、結晶性樹脂の結晶融点より5~50℃低い範囲の温度で1.5~5倍に一軸延伸して、微多孔層を得る(例えば、膜に空隙を設ける)方法が挙げられる。
1軸延伸された微多孔層は、TDの収縮率を著しく低く設定可能である。本実施形態に係る微多孔層は、単独で又は他の層と組み合わせて、蓄電デバイス用セパレータとして用いることが好適である。
(微多孔層の製造方法)
上記で説明された、ポリオレフィン樹脂と、所望により副成分(B)とを含むポリオレフィン樹脂組成物は、単軸又は2軸押出機の溶融混練法により製造されることができる。
高分子量体であるポリオレフィン樹脂中に硫黄原子含有化合物(A)を効率よく微分散化させるためには、剪断力と温度を従来の水準よりも高く調整することが好ましい。しかしながら、剪断力と温度が高くなるほど、ポリマー分解が起こり易くもなるため、押出機内のスクリューデザイン又はスクリュー回転数、各シリンダーの温度設定の最適化、空気の混入低減化には、十分な配慮が必要である。特に、押出機内へ樹脂ペレットとともに空気が混入することにより、樹脂組成物の分解は加速されるため、窒素パージ又は窒素フロー下で組成物を溶融混練する等の工夫が必要となる。得られた樹脂組成物は、乾式法又は湿式法による微多孔膜の製造に使用することができる。
乾式法としては、ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して押出した後、Tダイから直接高配向フィルムを成形するか又はサーキュラーダイ押出法にて高配向フィルムを成形して、原反フィルムを作製し、その後、原反フィルムのアニーリング処理、冷延伸による微小開孔化等を経て、熱延伸によってポリオレフィンのラメラ結晶界面を剥離させる方法等が挙げられる。サーキュラーダイ押出法では、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物の溶融混練物をサーキュラーダイから主としてMDにブローアップして、ガイド板、及びニップロールを介して巻き取ることにより高結晶性MD配向原反を得ることができる。
湿式法としては、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形し、必要に応じて延伸した後、シートから孔形成材を抽出する方法、ポリオレフィン樹脂組成物の溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去する方法等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂組成物には、ポリオレフィン以外の樹脂、任意の添加剤等を含有させることができる。添加剤としては、例えば、フッ素系流動改質材、ワックス類、結晶核材、脂肪族カルボン酸金属塩等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂組成物の溶融混練は、単軸、2軸押出機以外にも、例えば、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等により行なわれることができる。また、樹脂組成物を押出機内で溶融混練後に直接フィルムを成形するダイレクトコンパウンド法も利用することができる。利用できる可塑剤としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
開孔化工程は、既知の乾式法、及び/又は湿式法により行なわれることができる。孔形成工程中又は孔形成工程の前若しくは後に、延伸工程も行ってよい。延伸処理としては、一軸延伸と二軸延伸のいずれも用いることができるが、少なくともMD延伸を行うことが好ましい。なお、一方向に膜の延伸が為されているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態である。
微多孔層の収縮を抑制するために、延伸後又は孔形成後に熱固定を目的として熱処理を行ってよい。熱処理としては、物性の調整を目的として、所定の温度雰囲気、及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は延伸応力の低減を目的として、所定の温度雰囲気、及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。延伸操作を行った後に緩和操作を行ってよい。これらの熱処理は、テンター又はロール延伸機を用いて行うことができる。
一例として、乾式ラメラ開孔法による微多孔層の製造方法を説明する。乾式ラメラ開孔法は、水、有機溶剤等の溶媒を用いず、複数のラメラ構造がタイ分子を介して結合されている非多孔質前駆体を延伸することにより、ラメラ界面を開裂させて孔を形成する方法である。
乾式ラメラ開孔法は、(ア)ポリオレフィン樹脂と、硫黄原子含有化合物(A)と、所望により副成分(B)とを含む樹脂組成物から形成された非多孔質前駆体(高配向のフィルム原反)を押し出す工程、及び(イ)押し出された非多孔質前駆体を一軸延伸する工程を含むことが好ましい。工程(ア)、及び(イ)を含む乾式ラメラ開孔法により得られる微多孔性フィルムは、その後、塗工、浸漬又は含浸工程等を経て機能化することもできる。
工程(ア)は、従来の押出法(単軸、2軸押出法)により行なわれることができる。押出機は、細長い孔を有するTダイ又はサーキュラーダイを備えることができる。工程(イ)の一軸延伸は、上記で説明されたとおりに行なわれることができる。縦方向(MD)延伸は、冷延伸と熱延伸の両方を含むことができる。
非多孔質前駆体の内部歪みを抑制する観点から、非多孔質前駆体は、工程(ア)中、工程(イ)後又は工程(イ)の延伸前に、アニールすることができる。アニーリングは、例えば、主成分としてのポリプロピレン樹脂の融点よりも50℃低い温度と、ポリプロピレン樹脂の融点よりも10℃低い温度との間の範囲内で又は主成分としてのポリプロピレン樹脂の融点よりも50℃低い温度と、ポリプロピレン樹脂の融点よりも15℃低い温度との間の範囲内で、行なわれることができる。
(機能層の製造方法)
機能層を作製するには、上記の機能層スラリー(分散液)を微多孔層上に塗布し、必要により乾燥させることで得ることができる。なお、微多孔層に対しては、分散液との親和性等を改良する目的で、コロナ放電処理機、プラズマ処理機、オゾン処理機、火炎処理機等の公知技術により、その表面を処理することも可能である。分散液を微多孔層上に塗布するには、公知の手法を用いることができる。乾燥時間や乾燥温度については、特に限定されない。
[蓄電デバイス]
蓄電デバイスは、正極と、負極と、上記のセパレータとを備える。蓄電デバイスの代表例であるLIBは、例えば、正極と負極とを、上記のセパレータを介して重ね合わせて、必要に応じて捲回して、積層電極体又は捲回電極体を形成した後、これを外装体に装填し、正負極と外装体の正負極端子とをリード体等を介して接続し、更に、鎖状又は環状カーボネート等の非水溶媒とリチウム塩等の電解質を含む非水電解液を外装体内に注入した後に、外装体を封止して作製することができる。
実施例を挙げて本実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。なお、各種原料、及び各種特性に関する評価方法は下記のとおりである。
[微多孔層の平均長孔径(nm)]
微多孔層の平均長孔径は、微多孔層の表面をSEMにて観察し、得られたSEM画像の孔径を測定することにより得た。具体的には、微多孔膜表面を3万倍でSEM観察し、4.2μm×3μmの画像範囲内の微多孔の長孔径を測定し、平均を算出することで、平均長孔径を得た。
[非水溶性有機繊維の繊維径(nm)]
繊維を塗布乾燥させた表面に関して、無作為に三か所、SEMによる観察を繊維径に応じて10,000~100,000倍相当の倍率で行なった。得られたSEM画像に対し、画面に対して水平方向と垂直方向にラインを引き、ラインに交差する繊維の繊維径を拡大画像から実測して、交差する繊維の個数と各繊維の繊維径を数える。こうして一つの画像につき縦横2系列の測定結果を用いて数平均繊維径を算出した。更に抽出した他の2つのSEM画像についても同様に数平均繊維径を算出し、合計3画像分の結果を平均化し、対象とする試料の繊維径とした。
[破断伸度(%)]
セパレータにおける機能層破膜時点でのTD破断伸度は、引張試験機(ミネベア(株)製TG―1kN型)を用いて、試験前の試料長さを35mmにし、速度100mm/minで引張、機能層が切断(破断)したときの伸度とした。樹脂バインダの破断伸度は、熱プレス法又はキャスト法により試料を作成し、機能層の破断伸度(上記のTD破断伸度)を測定するのと同様の手法で行い、樹脂バインダ切断(破膜)したときの伸度とした。破断伸度は下記式によって算出する。
引張伸び(%)=100×(L-L0)/L0
L0:試験前の試料長さ L:破断時の試料長さ
[引張強度(kgf/cm2)]
セパレータのTD引張強度は、引張試験機(ミネベア(株)製TG―1kN型)を用いて、試験前の試料長さを35mmにし、速度100mm/minで引張、試料が切断(破断)したときの強度(引張荷重値を試験片の断面積で除した値)とした。
[無機フィラー(無機粒子)の平均粒径(μm)]
レーザー式粒度分布測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300EX)を用いて粒径分布を測定し、累積頻度が50%となる粒径を平均粒径とした。
[セパレータの厚さ(μm)]
セパレータから10cm角のサンプルを切り取った。ミツトヨ社製のデジマチックインジケータIDC112を用いて室温23±2℃で、サンプルの厚さを測定した。
[セパレータの目付(g/cm2)]
上記の10cm角のサンプルの質量(g)を測定し、cm2あたりの質量に換算した。
[セパレータの透気抵抗度(秒/100ml)]
JIS P-8117に準拠したガーレー式透気度計で、セパレータの透気抵抗度を測定した。
[実施例1]
(微多孔層の作製)
ポリプロピレン樹脂(MFR2.0、密度0.91)を、孔径30mm、L/D(L:押出機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:押出機の内径(m)。以下、同じ。)=30、及び温度200℃に設定した単軸押出機にフィーダーを介して投入し、押出機先端に設置したリップ厚2.5mmのTダイ(200℃)から押し出した。その後直ちに、溶融した樹脂にエアナイフを用いて25℃の冷風を当て、95℃に設定したキャストロールでドロー比200、及び巻き取り速度20m/分の条件下で巻き取り、フィルムを成形した。
得られたフィルムを、145℃に加熱された熱風循環オーブン中で1時間に亘ってアニールを施した。次に、アニール後のフィルムを25℃の温度で縦方向に1.2倍で一軸延伸して、冷延伸フィルムを得た。次いで、冷延伸フィルムを140℃の温度で縦方向に2.5倍で一軸延伸して、150℃で熱固定し一軸延伸フィルムを得た。更に、一軸延伸フィルムを145℃の温度で横方向に4.0倍で一軸延伸して、145℃で熱固定し、微多孔層(C0)を得た。なお、上記の評価方法に従い、得られた微多孔層(C0)の平均長孔径が1μm以下であることを確認した。
(セパレータC1の作製)
ベーマイト(大明化学製、C01)1kgと蒸留水9kgとを混合し、微粒化装置として(株)スギノマシン製スターバースト(HJP-25090)を用いて操作圧力200MPa下で5回の微粒化処理を行い、ベーマイトの水分散体B1(固形分濃度:10wt%)を得た。水分散体B1の平均粒径は0.1μmであった。
また、非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散(スギノマシン製、BMa、繊維径20~50nm)の固形分2.2%液を20.0g用意した。また、樹脂バインダとして、アクリル共重合体の水分散物(旭化成製、A65S)に蒸留水を加えた固形分13wt%調整液を0.44g用意した。更に、無機フィラーとして、ベーマイトの分散体B1を5.0g用意した。これらの非水溶性有機繊維、樹脂バインダ、及び無機フィラーを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。なお、以降、表1における組成(質量%)は、機能層における組成(質量%)とも理解される。
得られた分散液を、バーコータ(#18)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔性フィルム(C0)の上に塗工し、その後、90℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダと無機フィラーとを含む複合物層(機能層)を表層に有するセパレータ(C1)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C1)は1.2g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C1)のTD引張強度は149kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は4.8%と高く、そして透気抵抗度は446秒/100mlであった。
[実施例2]
(セパレータC2の作製)
天然セルロースであるリンターパルプを4重量%となるように水に浸液させてオートクレーブ内で130℃、4時間の熱処理を行い、得られた膨潤パルプを水洗し、水を含浸させた状態の膨潤パルプ(水分散体)を得た。ディスクレファイナー装置として相川鉄工(株)製SDR14型ラボリファイナー(加圧型DISK式)を用い、ディスク間のクリアランスを1mmで該水分散体を20分間叩解処理した。それに引き続き、クリアランスをゼロに近いレベルにまで低減させた条件下で徹底的に叩解を行い、叩解水分散体(固形分濃度:1.60重量%)を得た。得られた叩解水分散体を、そのまま高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社(伊)製NS015H)を用いて操作圧力100MPa下で10回の微細化処理を実施し、微細セルロース繊維の水分散体M1(固形分濃度:共に1.60重量%)を得た。
また、非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分1.10%調整液を20.0g用意した。また、樹脂バインダとして、ポリオレフィン系重合体の水分散物(住友精化製、ザイクセンL)に蒸留水を加えた固形分13wt%調整液を0.42g用意した。これらの非水溶性有機繊維、及び樹脂バインダを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(4mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、90℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダとを含む複合物層(機能層)を表層に有するセパレータ(C2)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C2)は1.1g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C2)のTD引張強度は157kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は6.0%と高く、そして透気抵抗度は498秒/100mlであった。
[実施例3]
(セパレータC3の作製)
非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分1.54%調整液を20.0g用意した。また、樹脂バインダとして、ポリエチレンオキシド(明成化学製、E30、分子量40万)に蒸留水を加えた固形分8wt%調整液を0.94g用意した。これらの非水溶性有機繊維、及び樹脂バインダを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(10mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、60℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダとを含む複合物層(機能層)を表層に有するセパレータ(C3)を得た。塗工前後の質量変化の変化から、セパレータ(C3)は2.1g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C3)のTD引張強度は154kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は4.7%と高く、そして透気抵抗度は671秒/100mlであった。
[実施例4]
(セパレータC4の作製)
非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分0.70%調整液を15.0g用意した。また、樹脂バインダとして、アクリル共重合体の水分散物(旭化成製、A65S)に蒸留水を加えた固形分13wt%調整液を0.40g用意した。更に、無機フィラーとして、ベーマイトの分散体B1に蒸留水を加えて固形分5%調整液を2.1g用意した。これらの非水溶性有機繊維、樹脂バインダ、及び無機フィラーを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(10mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、90℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダと無機フィラーとを含む複合物層(機能層)を表層に有するセパレータ(C4)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C4)は2.9g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C4)のTD引張強度は166kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は4.4%と高く、そして透気抵抗度は504秒/100mlであった。
[実施例5]
(セパレータC5の作製)
ベーマイト(河合石灰製、BMMW、平均粒径1.9μm)70gと蒸留水630gとを混合し、分散剤(サンノプコ製、E-D001、低分子ポリカルボン酸アンモニウム型)をベーマイトに対して1.0%になるように加えて、スリーワンモーターで3分間攪拌することで、ベーマイトの水分散体B2(固形分濃度:10wt%)を得た。水分散体B2の平均粒径は1.9μmであった。
また、非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分1.54%調整液を20.0g用意した。また、樹脂バインダとして、ポリエチレンオキシド(明成化学製、E60、分子量100万)に蒸留水を加えた固形分5wt%調整液を1.5g用意した。更に、無機フィラーとして、ベーマイトの分散体B2(固形分10%)を1.5g用意した。これらの非水溶性有機繊維、樹脂バインダ、及び無機フィラーを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(10mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、60℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダと無機フィラーとを含む複合物層(機能層)を有するセパレータ(C5)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C5)は4.3g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C5)のTD引張強度は198kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は9.4%と高く、そして透気抵抗度は345秒/100mlであった。
[実施例6]
(セパレータC6の作製)
アルミナ(日本軽金属製、LS-110F、平均粒径1.1μm)70gと蒸留水630gとを混合し、分散剤(サンノプコ製、E-D001、低分子ポリカルボン酸アンモニウム型)をベーマイトに対して1.0%になるように加えて、微粒化装置として広島メタル&マシナリー製ビーズミル(UAM-015)を用いてジルコニアビーズΦ0.1、充填率64%、周速10m/MIN下で1回の微粒化処理を行い、アルミナの水分散体B3(固形分濃度:10重wt%)を得た。水分散体B3の平均粒径は0.6μmであった。
また、非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分1.54%調整液を20.0g用意した。また、樹脂バインダとして、ポリエチレンオキシド(明成化学製、E60、分子量100万)に蒸留水を加えた固形分5wt%調整液を1.5g用意した。更に、無機フィラーとして、アルミナの分散体B3(固形分10%)を1.5g用意した。これらの非水溶性有機繊維、樹脂バインダ、及び無機フィラーを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(10mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、60℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダと無機フィラーとを含む複合物層(機能層)を有するセパレータ(C6)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C6)は5.3g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C6)のTD引張強度は198kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は9.0%と高く、そして透気抵抗度は434秒/100mlであった。
[実施例7]
(セパレータC7の作製)
ポリオレフィンバインダ繊維(三井化学製、E600、固形分33%)0.3kgと蒸留水9.9kgとを混合し、微粒化装置として(株)スギノマシン製スターバースト(HJP-25090)を用いて操作圧力200MPa下で5回の微粒化処理を行い、ポリオレフィン繊維の水分散体M2(固形分濃度:1.0wt%)を得た。
また、非水溶性有機繊維として、微細セルロース繊維の水分散体M1に蒸留水を加えた固形分1.54%調整液を20.5gと、ポリオレフィン繊維の水分散体M2(固形分1.0%)を16gとを用意した。また、樹脂バインダとして、ポリエチレンオキシド(明成化学製、E240、分子量500万)に蒸留水を加えた固形分2wt%調整液を6.0g用意した。これらの非水溶性有機繊維、及び樹脂バインダを樹脂製容器に秤量し、脱泡混錬機(日本精機 NBK-1)で1500rpm、5分間処理することで分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、アプリケータ(10mil)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、90℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、有機繊維と樹脂バインダとを含む複合物層(機能層)を表層に有するセパレータ(C7)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C7)は1.9g/m2の機能層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C7)のTD引張強度は149kgf/cm2と高く、機能層が破膜する時点でのTD破断伸度は4.5%と高く、そして透気抵抗度は369秒/100mlであった。
[比較例1]
(セパレータC8の作製)
無機フィラーとして、ベーマイト(河合石灰製、BMMW、平均粒径1.9μm)10gに蒸留水10gを混合したものを用意した。また、樹脂バインダとして、アクリル共重合体の水分散物(旭化成製、A65S、固形分65wt%)4gを用意した。これらの無機フィラー、及び樹脂バインダをフラスコに秤量し、スターラーで攪拌して分散液を得た。得られた分散液における、各原料の組成(質量%)を表1に示す。
得られた分散液を、バーコータ(#4)を用いて、アルミ板上に敷いた無塵紙上で、微多孔層(C0)の上に塗工し、その後、90℃に設定した乾燥器内で20~30間乾燥させた。これにより、樹脂バインダと無機フィラーとの複合物層を有するセパレータ(C8)を得た。塗工前後の質量変化から、セパレータ(C8)は5.3g/m2の複合体層を有していることを確認した。得られたセパレータ(C8)のTD引張強度は104kgf/cm2、また、複合体層が破膜する時点での応力が僅かであったため、この時のTD破断伸度は未検出であった。透気抵抗度は243秒/100mlであった。
[比較例2]
実施例1で得た微多孔層(C0)に非水溶性有機繊維で処理することなく、性能を確認した。結果、微多孔層(C0)のTD引張強度は130kgf/cm2であり、透気抵抗度は225秒/100mlであった。TD破断伸度は未検出である。
実施例1~7、及び比較例1~2における、各種構成、及び評価結果を表2に示す。表2の結果から、機能層が非水溶性有機繊維を含み、かつ、微多孔層の平均長孔径が1μm以下であるセパレータは、TD引張強度の向上を図ることができると共に、良好な透気抵抗度(低い透気抵抗度)もまた確保されるため、LIBに代表される蓄電デバイスに好適に適用可能であることが分かる。
Figure 0007409777000001
Figure 0007409777000002

Claims (20)

  1. ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層と、前記微多孔層上の機能層と、を含むセパレータであって、
    前記機能層がセルロースナノファイバと樹脂バインダとを含み、
    前記微多孔層の平均長孔径が1μm以下であり、
    前記樹脂バインダが水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含み、
    前記機能層における前記樹脂バインダの含有量が、6質量%~20質量%であり、かつ、目付1.1g/m~5.3g/mの前記機能層を有し、
    前記機能層は、平均粒径が0.6μm~3μmの無機フィラーを含む、セパレータ。
  2. 前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、請求項1又は2に記載のセパレータ。
  4. 前記無機フィラーの平均粒径が1.9μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載のセパレータ。
  5. 前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、請求項1~のいずれか1項に記載のセパレータ。
  6. 前記機能層の破断伸度が2.0%以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のセパレータ。
  7. 前記微多孔層の平均長孔径が10~500nm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のセパレータ。
  8. 前記微多孔層は、
    前記ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
    前記ポリマーマトリックスから前記微多孔層の一方向に延在し、かつ前記ポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
    複数の前記フィブリルの間に存在する多孔と、を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のセパレータ。
  9. 前記微多孔層は、
    前記ポリオレフィン樹脂を含むポリマーマトリックスと、
    前記ポリマーマトリックスから三次元的に延在し、かつ前記ポリオレフィン樹脂を含むフィブリルと、
    複数の前記フィブリルの間に存在する多孔と、を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のセパレータ。
  10. ポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔層上に形成可能な機能層を作製するためのスラリーであって、
    前記スラリーは、
    セルロースナノファイバを含む非水溶性有機繊維と、
    水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含む樹脂バインダと、を含み、
    前記樹脂バインダの含有割合は、前記非水溶性有機繊維に対して10~150質量%であり、
    前記機能層における前記樹脂バインダの含有量が、6質量%~20質量%であり、平均粒径が0.6μm~3μmの無機フィラーを含み、かつ、乾燥により目付1.1g/m~5.3g/mの前記機能層を形成する、スラリー。
  11. 前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のスラリー。
  12. 前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、請求項1又は1に記載のスラリー。
  13. 前記無機フィラーの平均粒径が1.9μmである、請求項1に記載のスラリー。
  14. 前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、請求項1~1のいずれか1項に記載のスラリー。
  15. セルロースナノファイバを含む非水溶性有機繊維と、
    水溶性高分子、及び/又は樹脂エマルジョンを含む樹脂バインダと、を含み、
    前記樹脂バインダの含有量が、6質量%~20質量%であり、平均粒径が0.6μm~3μmの無機フィラーを含み、かつ、
    目付1.1g/m~5.3g/mである、機能層。
  16. 前記樹脂バインダが、前記水溶性高分子であるポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載の機能層。
  17. 前記樹脂バインダの破断伸度が100%以上である、請求項1又は1に記載の機能層。
  18. 前記無機フィラーの平均粒径が1.9μmである、請求項17に記載の機能層。
  19. 前記非水溶性有機繊維の繊維径が5~2000nmである、請求項118のいずれか1項に記載の機能層。
  20. 前記機能層の破断伸度が2.0%以上である、請求項119のいずれか1項に記載の機能層。
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