JP7409361B2 - 切削工具、切削工具用ホルダ、工具システム、通信方法および旋削用工具 - Google Patents

切削工具、切削工具用ホルダ、工具システム、通信方法および旋削用工具 Download PDF

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Description

本開示は、切削工具、切削工具用ホルダ、工具システム、通信方法および旋削用工具に関する。
この出願は、2019年8月9日に出願された日本出願特願2019-147395号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
特許文献1(特開2014-46407号公報)には、以下のような切削工具が開示されている。すなわち、切削工具は、逃げ面とすくい面とを繋ぐ領域で刃先処理が施されてなる刃先処理部と、前記刃先処理部と前記逃げ面との境界に形成される切刃稜線とを具える切削工具であって、前記切削工具を前記すくい面側から平面視した際、前記刃先処理部とすくい面との境界と前記切刃稜線とを結んだ最短距離を前記刃先処理部の幅とするとき、前記刃先処理部において、前記刃先処理部とすくい面との境界から前記刃先処理部の幅の90%までの領域に、切削に関与する前記切刃稜線に沿った溝を具える。
特開2014-46407号公報
本開示の切削工具は、切刃を有する切削インサートと、前記切削インサートを保持するホルダと、前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部とを備える切削工具であって、前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
本開示の工具システムは、切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部を含む切削工具と、管理装置とを備え、前記切削工具は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信する。
本開示の通信方法は、切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部を含む切削工具と、管理装置とを備える工具システムにおける通信方法であって、前記管理装置および前記切削工具が、通信接続を確立するステップと、前記切削工具が、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信するステップとを含む。
本開示の旋削用工具は、切刃を有する切削インサートと、前記切削インサートを保持するホルダと、前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサ、メモリおよび無線通信部とを備える旋削用工具であって、前記電池は、前記測定センサ、前記起動センサ、前記メモリおよび前記無線通信部に電力を供給し、前記測定センサは、加速度センサまたは歪みセンサを含み、前記起動センサは、近接センサ、距離センサ、超音波センサ、光電センサ、レーザセンサ、温度センサおよび照度センサのうちの少なくとも1つであり、前記無線通信部は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
本開示の切削工具用ホルダは、切削インサートを保持する保持部と、電池、測定センサおよび無線通信部とを備え、前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
本開示の一態様は、切削工具の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、旋削用工具の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、工具システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。また、本開示の一態様は、通信方法における処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、切削工具用ホルダの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得る。
図1は、本開示の実施の形態に係る工具システムの構成を示す図である。 図2は、本開示の実施の形態に係る切削工具が送信するセンサパケットの一例を示す図である。 図3は、本開示の実施の形態に係る切削工具の構成の他の例を示す断面図である。 図4は、本開示の実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。 図5は、本開示の実施の形態に係るセンサモジュールの構成を示す図である。 図6は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける管理装置が送信するアドバタイズパケットのフォーマットの一例を示す図である。 図7は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。 図8は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 図9は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。 図10は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける通信処理のシーケンスの一例を示す図である。 図11は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける通信処理のシーケンスの一例を示す図である。
従来、工具寿命に優れる切削工具が開発されている。
[本開示が解決しようとする課題]
切削工具の寿命を予測することにより、切削インサート等の工具を適切なタイミングで交換することができる。このような予測に関する優れた機能を実現することが可能な技術が望まれる。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することが可能な切削工具、切削工具用ホルダ、工具システム、通信方法および旋削用工具を提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る切削工具は、切刃を有する切削インサートと、前記切削インサートを保持するホルダと、前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部とを備える切削工具であって、前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、ホルダに設けられた測定センサの測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、切削工具と管理装置等の外部装置とを有線接続したり、切削工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。したがって、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
(2)好ましくは、前記切削工具は、さらに、前記ホルダに設けられた制御部を備え、前記制御部は、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。
たとえば、加工時の切削工具の状態を精度良くモニタリングし、センサの測定結果をリアルタイムで解析したり、解析結果に基づいて加工機を制御したりするために、センサによる測定および測定結果の伝送を高頻度で行う必要がある。その一方で、加工機において複数種類の加工を長時間に亘って連続的に行う場合、加工の途中で加工機を停止して切削工具の電池交換または充電を行うことは困難であるところ、このように、無線通信部の報告状態と非報告状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。
(3)より好ましくは、前記切削工具は、さらに、前記ホルダに設けられた制御部を備え、前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサの測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサによる電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
(4)より好ましくは、前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサの測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサによる電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
(5)より好ましくは、前記無線通信部は、前記非報告状態において、前記切削工具の外部からの指示を受信可能な状態へ周期的に遷移し、前記制御部は、前記無線通信部が前記指示を受信すると、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記非測定状態から前記測定状態へ切り替える。
このような構成により、たとえば管理装置等の外部装置からの指示をトリガとして、無線通信部を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを非測定状態から測定状態へ切り替えることができる。また、無線通信部は、非報告状態において、当該指示を受信可能な状態へ周期的に遷移する構成により、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに関する当該指示を外部から受信するために必要な電力の消費を抑えることができる。
(6)より好ましくは、前記切削工具は、さらに、前記ホルダに設けられた起動センサを備え、前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記非測定状態から前記測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサの測定結果をトリガとして無線通信部および測定センサの状態を切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、切削工具の外部からの受信が不要となる。また、起動センサとして、たとえば測定センサよりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサを間欠駆動したりすることにより、無線通信部および測定センサの状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
(7)より好ましくは、前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が前記第1の条件を満たすと、前記起動センサを停止させ、前記制御部は、前記無線通信部が前記測定情報を無線送信した後に、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサの消費電力を低減しつつ、無線通信部を非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを非測定状態へ切り替えることができる。
(8)より好ましくは、前記制御部は、前記無線通信部が前記指示を受信すると、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、たとえば管理装置等の外部装置からの指示をトリガとして、無線通信部を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを測定状態から非測定状態へ切り替えることができる。
(9)より好ましくは、前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が第2の条件を満たすと、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサの測定結果をトリガとして、無線通信部を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを測定状態から非測定状態へ切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、切削工具の外部からの受信が不要となる。
(10)本開示の実施の形態に係る工具システムは、切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部を含む切削工具と、管理装置とを備え、前記切削工具は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信する。
このように、切削工具が、ホルダに設けられた測定センサの測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を、管理装置へ無線送信する構成により、切削工具と管理装置とを有線接続したり、切削工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を管理装置へ伝送することができる。したがって、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
(11)好ましくは、前記管理装置は、前記測定情報の送信を開始すべき旨を示す送信開始指示を前記切削工具へ送信し、前記切削工具は、前記送信開始指示を受信すると、前記測定情報の無線送信を開始する。
このような構成により、切削工具は、管理装置から受信する送信開始指示をトリガとして測定情報の無線送信を開始することができるため、切削工具において、送信開始指示を開始するトリガを自ら検知するための構成が不要となる。
(12)好ましくは、前記切削工具は、さらに、前記ホルダに設けられた起動センサと、前記ホルダに設けられた制御部とを含み、前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を前記管理装置へ無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記非測定状態から前記測定状態へ切り替える。
このように、無線通信部の報告状態と非報告状態とを切り替え可能であり、かつ測定センサの測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。また、起動センサの測定結果をトリガとして無線通信部および測定センサの状態を切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、切削工具の外部からの受信が不要となる。さらに、起動センサとして、たとえば測定センサよりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサを間欠駆動したりすることにより、無線通信部および測定センサの状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
(13)より好ましくは、前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記起動センサを停止させ、前記制御部は、前記無線通信部が前記測定情報を前記管理装置へ送信した後に、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサの消費電力を低減しつつ、無線通信部を非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを非測定状態へ切り替えることができる。
(14)より好ましくは、前記制御部は、前記無線通信部が前記管理装置からの指示を受信すると、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、管理装置からの指示をトリガとして、無線通信部を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを測定状態から非測定状態へ切り替えることができる。
(15)より好ましくは、前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が第2の条件を満たすと、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサの測定結果をトリガとして、無線通信部を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサを測定状態から非測定状態へ切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、切削工具の外部からの受信が不要となる。
(16)本開示の実施の形態に係る通信方法は、切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部を含む切削工具と、管理装置とを備える工具システムにおける通信方法であって、前記管理装置および前記切削工具が、通信接続を確立するステップと、前記切削工具が、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信するステップとを含む。
このように、切削工具が、ホルダに設けられた測定センサの測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を、管理装置へ無線送信する方法により、切削工具と管理装置とを有線接続したり、切削工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を管理装置へ伝送することができる。したがって、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
(17)本開示の実施の形態に係る旋削用工具は、切刃を有する切削インサートと、前記切削インサートを保持するホルダと、前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサ、メモリおよび無線通信部とを備える旋削用工具であって、前記電池は、前記測定センサ、前記起動センサ、前記メモリおよび前記無線通信部に電力を供給し、前記測定センサは、加速度センサおよび歪みセンサの少なくともいずれか1つを含み、前記起動センサは、近接センサ、距離センサ、超音波センサ、光電センサ、レーザセンサ、温度センサおよび照度センサのうちの少なくともいずれか1つを含み、前記無線通信部は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、ホルダに設けられた測定センサの測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、旋削用工具と管理装置等の外部装置とを有線接続したり、旋削用工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。したがって、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
(18)好ましくは、前記旋削用工具は、さらに、前記ホルダに設けられた制御部を備え、前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、前記制御部は、前記起動センサの測定結果が前記メモリに保存された所定条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記非測定状態から前記測定状態へ切り替える。
このように、無線通信部の報告状態と非報告状態とを切り替え可能であり、かつ測定センサの測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。また、起動センサの測定結果をトリガとして無線通信部および測定センサの状態を切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、旋削用工具の外部からの受信が不要となる。さらに、起動センサとして、たとえば測定センサよりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサを間欠駆動したりすることにより、無線通信部および測定センサの状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
(19)本開示の実施の形態に係る切削工具用ホルダは、切削インサートを保持する保持部と、電池、測定センサおよび無線通信部とを備え、前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、切削工具用ホルダに設けられた測定センサの測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、切削工具と管理装置等の外部装置とを有線接続したり、切削工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。したがって、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
(20)好ましくは、前記切削工具用ホルダは、さらに、制御部を備え、前記制御部は、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。
たとえば、加工時の切削工具の状態を精度良くモニタリングし、センサの測定結果をリアルタイムで解析したり、解析結果に基づいて加工機を制御したりするために、センサによる測定および測定結果の伝送を高頻度で行う必要がある。その一方で、加工機において複数種類の加工を長時間に亘って連続的に行う場合、加工の途中で加工機を停止して切削工具の電池交換または充電を行うことは困難であるところ、このように、無線通信部の報告状態と非報告状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。
(21)より好ましくは、前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサの測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサによる電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[工具システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る工具システムの構成を示す図である。
図1を参照して、工具システム300は、切削工具100と、管理装置200と、無線親機201とを備える。切削工具100は、切削工具用ホルダ2と、センサモジュール110とを備える。センサモジュール110は、測定センサを含む。以下、切削工具用ホルダ2を、単にホルダ2とも称する。
無線親機201は、管理装置200にたとえば有線で接続されている。無線親機201は、たとえばアクセスポイントである。
切削工具100は、たとえば、旋削加工用の工具であり、旋削加工機に取り付けられる。ホルダ2は、切刃を有する切削インサート1を保持する。センサモジュール110は、ホルダ2に設けられている。
ホルダ2は、固定用部材3A,3Bを備える。固定用部材3A,3Bは、切削インサート1を保持する。固定用部材3A,3Bは、保持部の一例である。
切削インサート1は、たとえば、上面視で三角形、正方形、ひし形、および五角形等の多角形状である。切削インサート1は、たとえば、上面の中央において貫通孔が形成され、固定用部材3A,3Bによりホルダ2に固定されている。
なお、工具システム300は、1つの切削工具100を備える構成に限らず、複数の切削工具100を備える構成であってもよい。また、工具システム300は、1つの管理装置200を備える構成に限らず、複数の管理装置200を備える構成であってもよい。
切削工具100は、センサモジュール110における測定センサの測定結果を含む測定情報を無線親機201へ無線送信する。あるいは、切削工具100は、センサモジュール110における測定センサの測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線親機201へ無線送信する。
たとえば、切削工具100は、測定情報を含むセンサパケットを無線親機201へ無線送信する。
切削工具100および無線親機201は、たとえば、IEEE 802.15.4に準拠したZigBee(登録商標)、IEEE 802.15.1に準拠したBluetooth(登録商標)およびIEEE802.15.3aに準拠したUWB(Ultra Wide Band)等の通信プロトコルを用いた無線による通信を行う。なお、切削工具100および無線親機201間において、上記以外の通信プロトコルが用いられてもよい。
無線親機201は、切削工具100から受信したセンサパケットを管理装置200へ中継する。
図2は、本開示の実施の形態に係る切削工具が送信するセンサパケットの一例を示す図である。
図2を参照して、切削工具100におけるセンサモジュール110は、測定情報および測定センサのIDであるセンサIDを「センサデータ」のフィールドに格納したセンサパケット401を作成する。
ここで、センサパケット401における「同期ヘッダ」のフィールドには、たとえば所定のプリアンブルが格納される。「MAC(Media Access Control)ヘッダ」のフィールドには、たとえば、センサモジュール110のMACアドレス等が格納される。また、「センサデータ」のフィールドのデータ長は、図2では20オクテットであるが、測定情報に含まれる物理量の種別、および当該物理量の個数等に応じて変更可能である。
無線親機201は、切削工具100から受信した無線信号に含まれるセンサパケットを取得して管理装置200へ送信する。
図3は、本開示の実施の形態に係る切削工具の構成の他の例を示す断面図である。
図3を参照して、切削工具100は、転削加工機に取り付けられる転削加工用の工具であってもよい。より詳細には、転削加工用の切削工具100は、切刃を有する複数の切削インサート1Aを保持するホルダ2Aと、ホルダ2Aに設けられた、測定センサを含むセンサモジュール110とを備える。ホルダ2Aは、固定用部材3Cを備える。固定用部材3Cは、切削インサート1Aを保持する。切削インサート1Aは、たとえば、固定用部材3Cによりホルダ2Aに固定されている。固定用部材3Cは、保持部の一例である。
[管理装置]
図4は、本開示の実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。
図4を参照して、管理装置200は、通信部210と、処理部220と、記憶部230とを備える。記憶部230は、たとえばフラッシュメモリである。
通信部210は、無線親機201経由で切削工具100からセンサパケットを受信すると、受信したセンサパケットから測定情報およびセンサIDを取得し、取得した測定情報およびセンサIDを処理部220へ出力する。
処理部220は、通信部210から測定情報およびセンサIDを受けると、当該測定情報を当該センサIDに対応付けて記憶部230に保存する。
処理部220は、記憶部230における測定情報に基づいて、対応のセンサIDに対応する切削工具100における切削インサート1の寿命を予測する。そして、処理部220は、予測結果に基づいて、切削インサート1の交換をユーザに促すための通知を行う。
[センサモジュール]
図5は、本開示の実施の形態に係るセンサモジュールの構成を示す図である。
図5を参照して、センサモジュール110は、測定センサ10と、データ生成部20と、無線通信部30と、制御部40と、起動センサ50と、電池60と、記憶部70とを含む。記憶部70は、たとえばフラッシュメモリである。無線通信部30は、たとえば無線通信チップにより実現される。
電池60は、たとえば1次電池、2次電池、太陽電池、またはキャパシタ等を含む蓄電装置である。電池60は、エネルギーを蓄積するとともに、蓄積したエネルギーを用いて、センサモジュール110における無線通信部30等の各回路に電力を供給する。
起動センサ50は、たとえば、近接センサ、距離センサ、超音波センサ、光電センサ、レーザセンサ、温度センサおよび照度センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。
起動センサ50は、対象物たとえば加工物との間の距離、温度および照度等の物理量のうちの少なくともいずれか1つを測定し、測定した物理量を示すアナログ信号を制御部40へ出力する。起動センサ50は、たとえば、電池60から供給される電力により駆動される。制御部40は、たとえばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
起動センサ50は、たとえば、制御部40により起動され、起動状態において測定を行い、測定した物理量を示すアナログ信号を制御部40へ出力する。
測定センサ10は、たとえば、加速度センサ、歪みセンサ、圧力センサ、音センサおよび温度センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。測定センサ10は、たとえば、ホルダ2,2Aにおける切削インサート1の近傍に設けられる。
測定センサ10は、加速度、ひずみ、圧力、音および温度等の物理量のうちの少なくともいずれか1つを測定し、測定した物理量を示すアナログ信号をデータ生成部20へ出力する。測定センサ10は、たとえば、電池60から供給される電力により駆動される。
測定センサ10は、たとえば、測定状態と非測定状態とが切り替わる。測定センサ10は、測定状態において測定を行い、測定した物理量を示すアナログ信号をデータ生成部20へ出力する一方、非測定状態において停止する。
データ生成部20は、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を作成する。より詳細には、データ生成部20は、測定センサ10からアナログ信号を受けて、受けたアナログ信号をAD(Analog Digital)変換したセンサ測定値を含む測定情報、または当該センサ測定値に対して平均化等の演算を行った値を含む測定情報を作成する。
データ生成部20は、生成した測定情報および測定センサ10のセンサIDが格納されたセンサパケットを生成し、生成したセンサパケットを無線通信部30へ出力する。
無線通信部30は、切削工具100の外部における無線親機201へ測定情報を無線送信する。より詳細には、無線通信部30は、データ生成部22から受けた、測定情報およびセンサIDが格納されたセンサパケットを無線親機201へ無線送信する。無線通信部30は、電池から供給される電力により駆動される。
たとえば、無線通信部30は、報告状態と非報告状態とが切り替わる。無線通信部30は、報告状態においてセンサパケットを無線親機201へ無線送信する一方、非報告状態においてセンサパケットを無線親機201へ無線送信しない。
制御部40は、無線通信部30、測定センサ10および起動センサ50の動作を制御する。
より詳細には、制御部40は、無線通信部30の報告状態および非報告状態、ならびに測定センサ10の測定状態および非測定状態を切り替える切替処理を行う。また、たとえば、制御部40は、起動センサ50の起動および停止を制御する。
[通信接続]
切削工具100のセンサモジュール110における制御部40は、管理装置200との通信接続を確立する接続処理を行う。
たとえば、工具システム300において、管理装置200は、アドバタイズパケットを切削工具100へ送信する。
図6は、本発明の実施の形態に係る工具システムにおける管理装置が送信するアドバタイズパケットのフォーマットの一例を示す図である。
図6を参照して、アドバタイズパケットは、先頭から、PHYヘッダ、MACヘッダおよびメッセージタイプに対応するフィールドの順に構成されている。
管理装置200は、MACヘッダにおける宛先にブロードキャストアドレスを設定し、MACヘッダにおける送信元に自己のIDたとえばMACアドレスを設定し、メッセージタイプに対応するフィールドにアドバタイズパケットであることを示す識別子を設定したアドバタイズパケットを生成し、生成したアドバタイズパケットを無線親機201へ送信する。
無線親機201は、管理装置200から受信したアドバタイズパケットを含む無線信号を切削工具100へ送信する。
センサモジュール110における無線通信部30は、起動状態において、無線親機201から無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれるアドバタイズパケットを取得する。無線通信部30は、取得したアドバタイズパケットを制御部40へ出力する。
センサモジュール110における制御部40は、無線通信部30からアドバタイズパケットを受けると、接続処理として、受けたアドバタイズパケットに含まれる送信元のMACアドレスを有する管理装置200を通信対象として設定する。具体的には、制御部40は、当該MACアドレスを、通信対象の管理装置200のMACアドレスとして記憶部70に登録する。
また、制御部40は、接続処理として、受けたアドバタイズパケットに対する応答である応答パケットを生成し、生成した応答パケットを無線通信部30へ出力する。制御部40が生成する応答パケットのフォーマットは、たとえば図6に示すアドバタイズパケットのフォーマットと同じである。
たとえば、制御部40は、MACヘッダにおける宛先に管理装置200のMACアドレスを設定し、MACヘッダにおける送信元にたとえば自己のセンサモジュール110のMACアドレスを設定し、メッセージタイプに対応するフィールドに応答パケットであることを示す識別子を設定した応答パケットを生成し、生成した応答パケットを無線通信部30へ出力する。
無線通信部30は、起動状態において、制御部40から受けた応答パケットを含む無線信号を送信する。
管理装置200は、無線親機201経由で切削工具100のセンサモジュール110からの応答パケットを受信すると、受信した応答パケットに含まれる送信元のMACアドレスを有するセンサモジュール110を通信対象として設定する。具体的には、管理装置200における処理部220は、無線親機201および通信部210経由でセンサモジュール110から応答パケットを受信すると、受信した応答パケットに含まれる送信元のMACアドレスを、通信対象のセンサモジュール110のMACアドレスとして記憶部70に登録する。
[切替処理の具体例1]
たとえば、センサモジュール110における無線通信部30は、非報告状態において、管理装置200からの指示を受信可能な状態へ周期的に遷移する。具体的には、センサモジュール110における制御部40は、無線通信部30の非報告状態において、無線通信部30を間欠駆動する。より詳細には、制御部40は、無線通信部30の停止状態および起動状態を所定の切替周期で切り替えることにより、無線通信部30を間欠的に起動状態とする。以下、停止状態とは、一部の機能が停止した状態すなわちスリープ状態を含む。
管理装置200は、上記切替周期よりも短い周期で、アドバタイズパケットを切削工具100へ送信する。
センサモジュール110における無線通信部30は、間欠駆動における起動状態において、管理装置200からのアドバタイズパケットを受信すると、受信したアドバタイズパケットを制御部40へ出力する。
センサモジュール110における制御部40は、無線通信部30からアドバタイズパケットを受けると、管理装置200との通信接続を確立する接続処理を行うとともに、無線通信部30の連続駆動を開始し、無線通信部30の起動状態を維持する。
たとえば、管理装置200は、測定情報の送信を開始すべき旨を示す送信開始指示を通信対象の切削工具100へ送信する。より詳細には、管理装置200は、送信開始指示を無線親機201へ送信する。
無線親機201は、管理装置200から受信した送信開始指示を含む無線信号を切削工具100へ送信する。
切削工具100は、管理装置200から送信開始指示を受信すると、測定情報の無線送信を開始する。
より詳細には、切削工具100のセンサモジュール110における無線通信部30は、無線親機201経由で管理装置200からの送信開始指示を受信すると、受信した送信開始指示を制御部40へ出力する。
制御部40は、無線通信部30から送信開始指示を受けると、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
具体的には、制御部40は、センサパケットの無線送信を開始すべき旨を示す報告開始指示を無線通信部30へ出力するとともに、測定センサ10を停止状態から起動状態へ切り替える。
測定センサ10は、測定状態すなわち起動状態へ切り替わると、測定を開始するとともに、測定した物理量を示すアナログ信号のデータ生成部20への出力を開始する。
無線通信部30は、制御部40から報告開始指示を受けると、定期的または不定期に、データ生成部20により生成される、測定情報を含むセンサパケットの管理装置200への無線送信を開始する。
たとえば、管理装置200は、測定情報の送信を停止すべき旨を示す送信停止指示を切削工具100へ送信する。より詳細には、管理装置200は、送信停止指示を無線親機201へ送信する。
無線親機201は、管理装置200から受信した送信停止指示を含む無線信号を切削工具100へ送信する。
切削工具100は、管理装置200から送信停止指示を受信すると、センサパケットの無線送信を停止する。
より詳細には、切削工具100のセンサモジュール110における無線通信部30は、無線親機201経由で管理装置200からの送信停止指示を受信すると、受信した送信停止指示を制御部40へ出力する。
制御部40は、無線通信部30から送信停止指示を受けると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
具体的には、制御部40は、センサパケットの無線送信を停止すべき旨を示す報告停止指示を無線通信部30へ出力するとともに、測定センサ10を起動状態から停止状態へ切り替える。
無線通信部30は、制御部40から報告停止指示を受けると、センサパケットの管理装置200への無線送信を停止する。
制御部40は、無線通信部30を非報告状態へ切り替えると、無線通信部30の間欠駆動を再開し、管理装置200からのアドバタイズパケットを待ち受ける。
[切替処理の具体例2]
たとえば、センサモジュール110における制御部40は、起動センサ50を間欠駆動する。より詳細には、制御部40は、起動センサ50の停止状態および起動状態を所定の切替周期で切り替えることにより、起動センサ50を間欠的に起動状態とする。
たとえば、無線通信部30は、非報告状態において起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすと、報告状態へ切り替わる。
たとえば、制御部40は、起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、切替処理を行う。制御部40は、起動センサ50から受けるアナログ信号をモニタし、当該アナログ信号のレベルが、記憶部70に保存されている所定のしきい値ThAを超えると、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
具体的には、制御部40は、起動センサ50の一例としての照度センサ、光電センサまたはレーザセンサの測定結果である、切削工具100を照らす光の明るさが所定のしきい値ThA1を超えると、無線通信部30を報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を停止状態から起動状態へ切り替える。
あるいは、たとえば、制御部40は、起動センサ50の一例としての距離センサ、近接センサまたは超音波センサの測定結果である、切削工具100および加工物間の距離が所定のしきい値ThA2たとえば10mm以下となると、無線通信部30を報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を停止状態から起動状態へ切り替える。
あるいは、制御部40は、起動センサ50の一例である光電センサおよびレーザセンサにより、切削工具100が所定の位置に到達したことを検知すると、無線通信部30を報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を停止状態から起動状態へ切り替える。
あるいは、制御部40は、起動センサ50の一例である超音波センサおよび温度センサにより、たとえばクーラント液により切削工具100の温度が所定値以下となったことを検知すると、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。
たとえば、起動センサ50は、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすと、停止する。
より詳細には、制御部40は、起動センサ50から受けるアナログ信号のレベルが上述したしきい値ThAを超えると、起動センサ50の間欠駆動を停止し、起動センサ50の停止状態を維持する。
制御部40は、無線通信部30の報告状態において、無線通信部30経由で管理装置200からのアドバタイズパケットを受信し、当該管理装置200との通信接続を確立する接続処理を行う。
制御部40は、管理装置200との通信接続を確立すると、センサパケットの無線送信を開始すべき旨を示す報告開始指示を無線通信部30へ出力する。
測定センサ10は、測定状態すなわち起動状態へ切り替わると、測定を開始するとともに、測定した物理量を示すアナログ信号のデータ生成部20への出力を開始する。
無線通信部30は、制御部40から報告開始指示を受けると、定期的または不定期に、データ生成部20により生成される、測定情報を含むセンサパケットの管理装置200への無線送信を開始する。
たとえば、無線通信部30は、センサパケットの管理装置200への送信後に非報告状態へ切り替わる。
具体的には、たとえば、管理装置200は、送信停止指示を無線親機201経由で切削工具100へ送信する。
切削工具100は、管理装置200から送信停止指示を受信すると、センサパケットの無線送信を停止する。
切削工具100のセンサモジュール110における制御部40は、無線通信部30が管理装置200から指示を受けると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。より詳細には、制御部40は、無線通信部30経由で管理装置200から送信停止指示を受信すると、無線通信部30を非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態へ切り替える。
すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を起動状態から停止状態へ切り替える。
制御部40は、無線通信部30を非報告状態へ切り替え、測定センサ10を非測定状態へ切り替えると、起動センサ50の間欠駆動を再開し、起動センサ50から受けるアナログ信号をモニタする。
[切替処理の具体例3]
たとえば、センサモジュール110における制御部40は、起動センサ50を間欠駆動する。
たとえば、無線通信部30は、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすと、起動状態に切り替わる。
より詳細には、制御部40は、起動センサ50から受けるアナログ信号をモニタし、当該アナログ信号のレベルが所定のしきい値ThAを超えると、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を停止状態から起動状態へ切り替える。
制御部40は、無線通信部30の報告状態において、無線通信部30経由で管理装置200からのアドバタイズパケットを受信し、当該管理装置200との通信接続を確立する接続処理を行う。
制御部40は、管理装置200との通信接続を確立すると、センサパケットの無線送信を開始すべき旨を示す報告開始指示を無線通信部30へ出力する。
測定センサ10は、測定状態すなわち起動状態へ切り替わると、測定を開始するとともに、測定した物理量を示すアナログ信号のデータ生成部20への出力を開始する。
無線通信部30は、制御部40から報告開始指示を受けると、定期的または不定期に、データ生成部20により生成される、測定情報を含むセンサパケットの管理装置200への無線送信を開始する。
たとえば、無線通信部30は、報告状態において起動センサ50の測定結果が、たとえば所定条件である第2の条件を満たすと、非報告状態へ切り替わる。
より詳細には、制御部40は、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えた後において、起動センサ50から受けるアナログ信号をモニタし、当該アナログ信号のレベルが再びしきい値ThAを超えると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
すなわち、制御部40は、無線通信部30および測定センサ10を起動状態から停止状態へ切り替える。
たとえば、ユーザは、照明器具等を用いて切削工具100を照らすことにより、無線通信部30の報告状態と非報告状態との切り替え、および測定センサ10の測定状態と非測定状態との切り替えを行うことができる。
具体的には、上述のように、制御部40は、起動センサ50の一例としての照度センサの測定結果である、切削工具100を照らす光の明るさがしきい値ThA1を超えると、無線通信部30を報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。
また、制御部40は、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えた後において、照度センサの測定結果をモニタし、切削工具100を照らす光の明るさが再びしきい値ThA1を超えると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
なお、上記の説明では、制御部40は、同じしきい値ThAを用いて、無線通信部30の非報告状態から報告状態への切り替え、および報告状態から非報告状態への切り替えを行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。
また、上記の説明では、制御部40は、同じしきい値ThAを用いて、測定センサ10の非測定状態から測定状態への切り替え、および測定状態から非測定状態への切り替えを行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。
たとえば、制御部40は、無線通信部30の非報告状態から報告状態への切り替え、および測定センサ10の非測定状態から測定状態への切り替えを行った後において、起動センサ50から受けるアナログ信号のレベルがしきい値ThAとは異なるしきい値ThBを超えると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
具体的には、上述のように、制御部40は、起動センサ50の一例としての距離センサの測定結果である、切削工具100および加工物間の距離が所定のしきい値ThA2たとえば10mm以下となると、無線通信部30を報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態へ切り替える。
また、制御部40は、無線通信部30の報告状態への切り替え、および測定センサ10の測定状態への切り替えを行った後において、距離センサの測定結果をモニタし、切削工具100および加工物間の距離が所定のしきい値ThB2たとえば20mm以上となると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
[動作の流れ]
本開示の実施の形態に係る工具システムにおける各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図7は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の一例を定めたフローチャートである。図7は、上述した切り替え処理の具体例1における切削工具100の動作手順を示す。
図7を参照して、まず、切削工具100は、無線通信部30の非報告状態において、無線通信部30の間欠駆動を開始する(ステップS102)。
次に、切削工具100は、管理装置200からのアドバタイズパケットを待ち受け(ステップS104でNO)、管理装置200からアドバタイズパケットを受信すると(ステップS104でYES)、無線通信部30の連続駆動を開始する(ステップS106)。
次に、切削工具100は、管理装置200との通信接続を確立する(ステップS108)。
次に、切削工具100は、管理装置200からの送信開始指示を待ち受け(ステップS110でNO)、管理装置200から送信開始指示を受信すると(ステップS110でYES)、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える(ステップS112)。
次に、切削工具100は、管理装置200へのセンサパケットの無線送信を開始する(ステップS114)。
次に、切削工具100は、管理装置200から送信停止指示を受信するまで管理装置200へのセンサパケットの無線送信を継続し(ステップS116でNO)、管理装置200から送信停止指示を受信すると(ステップS116でYES)、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える(ステップS118)。
次に、切削工具100は、無線通信部30の間欠駆動を再開し(ステップS102)、管理装置200からのアドバタイズパケットを待ち受ける(ステップS104)。
図8は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。図8は、上述した切り替え処理の具体例2における切削工具100の動作手順を示す。
図8を参照して、まず、切削工具100は、無線通信部30の非報告状態において、起動センサ50の間欠駆動を開始する(ステップS202)。
次に、切削工具100は、起動センサ50の測定結果をモニタし、当該測定結果が所定条件を満たすと(ステップS204でYES)、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える(ステップS206)。
次に、切削工具100は、起動センサ50を起動状態から停止状態へ切り替え、停止状態を維持する(ステップS208)。
次に、切削工具100は、管理装置200との通信接続を確立する(ステップS210)。
次に、切削工具100は、管理装置200へのセンサパケットの無線送信を開始する(ステップS212)。
次に、切削工具100は、管理装置200から送信停止指示を受信するまで管理装置200へのセンサパケットの無線送信を継続し(ステップS214でNO)、管理装置200から送信停止指示を受信すると(ステップS214でYES)、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える(ステップS216)。
次に、切削工具100は、起動センサ50の間欠駆動を再開し(ステップS202)、起動センサ50の測定結果をモニタする(ステップS204)。
図9は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおいて切削工具が管理装置へセンサパケットを送信する際の動作手順の他の例を定めたフローチャートである。図9は、上述した切り替え処理の具体例3における切削工具100の動作手順を示す。
図9を参照して、まず、切削工具100は、ステップS302からステップS306の処理として、図8におけるステップS202からステップS206と同様の処理を行う。
次に、切削工具100は、管理装置200との通信接続を確立する(ステップS308)。
次に、切削工具100は、管理装置200へのセンサパケットの無線送信を開始する(ステップS310)。
次に、切削工具100は、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすまで管理装置200へのセンサパケットの無線送信を継続し(ステップS312でNO)、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすと(ステップS312でYES)、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える(ステップS314)。
次に、切削工具100は、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすのを待ち受ける(ステップS304でNO)。
図10は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける通信処理のシーケンスの一例を示す図である。図10は、上述した切り替え処理の具体例1における通信処理のシーケンスを示す。
図10を参照して、まず、管理装置200および切削工具100は、通信接続を確立する(ステップS402)。
次に、管理装置200は、送信開始指示を切削工具100へ送信する(ステップS404)。
次に、切削工具100は、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える(ステップS406)。
次に、切削工具100は、定期的または不定期に、測定情報を含むセンサパケットを管理装置200へ無線送信する(ステップS408)。
次に、管理装置200は、送信停止指示を切削工具100へ送信する(ステップS410)。
次に、切削工具100は、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える(ステップS412)。
図11は、本開示の実施の形態に係る工具システムにおける通信処理のシーケンスの一例を示す図である。図11は、上述した切り替え処理の具体例2における通信処理のシーケンスを示す。
図11を参照して、まず、切削工具100は、起動センサ50の測定結果が所定条件を満たすと、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える(ステップS502)。
次に、管理装置200および切削工具100は、通信接続を確立する(ステップS504)。
次に、切削工具100は、定期的または不定期に、測定情報を含むセンサパケットを管理装置200へ無線送信する(ステップS506)。
次に、管理装置200は、送信停止指示を切削工具100へ送信する(ステップS508)。
次に、切削工具100は、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える(ステップS510)。
なお、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、管理装置200がアドバタイズパケットを無線親機201経由で切削工具100へ送信し、切削工具100が応答パケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。切削工具100がアドバタイズパケットを無線親機201経由で管理装置200へ送信し、管理装置200が応答パケットを無線親機201経由で切削工具100へ送信する構成であってもよい。
より詳細には、センサモジュール110における制御部40は、MACヘッダにおける宛先にブロードキャストアドレスを設定し、MACヘッダにおける送信元に自己のセンサモジュール110のMACアドレスを設定し、メッセージタイプに対応するフィールドにアドバタイズパケットであることを示す識別子を設定したアドバタイズパケットを生成し、生成したアドバタイズパケットを無線通信部30へ出力する。
センサモジュール110における無線通信部30は、起動状態において、制御部40から受けたアドバタイズパケットを含む無線信号を送信する。
管理装置200は、無線親機201経由でセンサモジュール110からのアドバタイズパケットを受信すると、受信したアドバタイズパケットに含まれる送信元のMACアドレスを有するセンサモジュール110を通信対象として設定する。
また、管理装置200は、受けたアドバタイズパケットに対する応答である応答パケットを生成し、生成した応答パケットを無線親機201へ送信する。
たとえば、管理装置200は、MACヘッダにおける宛先にセンサモジュール110のMACアドレスを設定し、MACヘッダにおける送信元に自己のMACアドレスを設定し、メッセージタイプに対応するフィールドに応答パケットであることを示す識別子を設定した応答パケットを生成し、生成した応答パケットを無線親機201へ送信する。
無線親機201は、管理装置200から受信した応答パケットを含む無線信号を送信する。
センサモジュール110における無線通信部30は、起動状態において、無線親機201経由で管理装置200からの応答パケットを受信すると、受信した応答パケットを制御部40へ出力する。
センサモジュール110における制御部40は、無線通信部30から応答パケットを受けると、受けたアドバタイズパケットに含まれる送信元のMACアドレスを有する管理装置200を通信対象として設定する。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、無線通信部30は、報告状態と非報告状態とが切り替わる構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信部30は、非報告状態へ切り替わることなく、常に報告状態であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、測定センサ10は、測定状態と非測定状態とが切り替わる構成であるとしたが、これに限定するものではない。測定センサ10は、非測定状態へ切り替わることなく、常に測定状態であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、切替処理として、無線通信部30の報告状態および非報告状態、ならびに測定センサ10の測定状態および非測定状態を切り替える構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部40は、切替処理として、無線通信部30の報告状態および非報告状態の切り替え、ならびに測定センサ10の測定状態および非測定状態の切り替えのいずれか一方を行う構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替える切替処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部40は、測定センサ10の切替処理に代えて、または測定センサ10の切替処理に加えて、データ生成部20を、測定情報を生成する生成状態と、測定情報を生成しない非生成状態とに切り替える構成であってもよい。具体的には、たとえば測定センサ10が熱電対である場合、制御部40は、測定センサ10の切替処理に代えて、データ生成部20を、生成状態と非生成状態とに切り替える。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、測定センサ10は、測定した物理量を示すアナログ信号をデータ生成部20へ出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。測定センサ10は、上記アナログ信号をAD変換してデジタル信号を生成し、生成したデジタル信号をデータ生成部20へ出力する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100は、起動センサ50を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。切削工具100は、たとえば上述した切替処理の具体例1において、起動センサ50を備えない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、起動センサ50を間欠駆動する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部40は、起動センサ50を連続駆動する構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、無線通信部30は、測定情報を管理装置200へ無線送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。無線通信部30は、測定情報を管理装置200以外の装置へ無線送信する構成であってもよい。
ところで、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することが可能な技術が望まれる。
たとえば、切削工具100にセンサを搭載し、センサによる測定結果に基づいて切削インサート等の工具の寿命を予測することが可能な技術が望まれる。
上述のような技術において、たとえば転削加工用の切削工具100にセンサを搭載する場合、転削加工用の切削工具100は加工中に回転するため、センサの測定結果を切削工具100から外部装置へ有線で伝送することは困難である。
また、旋削加工用の切削工具100にセンサを搭載する場合、たとえば複数の切削工具100が加工機のタレットに取り付けられ、工程ごとにタレットが回転することにより加工に用いられる切削工具100が自動的に交換される加工機においては、センサの測定結果を切削工具100から外部装置へ有線で伝送することは困難である。
さらに、センサの測定結果を切削工具100から加工機へ有線で伝送しようとすると、加工機側にセンサの測定結果を受信する構成が必要となるため、従来の加工機を汎用的に用いることが困難となる。
これに対して、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、切削インサート1は、切刃を有する。ホルダ2は、切削インサート1を保持する。電池60、測定センサ10および無線通信部30は、ホルダ2に設けられている。無線通信部30は、電池60から供給される電力により駆動され、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、ホルダ2に設けられた測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、切削工具100と管理装置200等の外部装置とを有線接続したり、切削工具100と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、ホルダ2に設けられる。制御部40は、無線通信部30を、測定情報を無線送信する報告状態と、測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。
たとえば、加工時の切削工具100の状態を精度良くモニタリングし、センサの測定結果をリアルタイムで解析したり、解析結果に基づいて加工機を制御したりするために、センサによる測定および測定結果の伝送を高頻度で行う必要がある。その一方で、加工機において複数種類の加工を長時間に亘って連続的に行う場合、加工の途中で加工機を停止して切削工具100の電池交換または充電を行うことは困難であるところ、このように、無線通信部30の報告状態と非報告状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、ホルダ2に設けられる。制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサ10の測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサ10による電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサ10の測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサ10による電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、無線通信部30は、非報告状態において、切削工具100の外部からの指示を受信可能な状態へ周期的に遷移する。制御部40は、無線通信部30が当該指示を受信すると、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
このような構成により、たとえば管理装置200等の外部装置からの指示をトリガとして、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替えることができる。また、無線通信部30は、非報告状態において、当該指示を受信可能な状態へ周期的に遷移する構成により、無線通信部30および測定センサ10の状態の切り替えに関する当該指示を外部から受信するために必要な電力の消費を抑えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、起動センサ50は、ホルダ2に設けられている。制御部40は、起動センサ50の測定結果が第1の条件を満たすと、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサ50の測定結果をトリガとして無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えることができるため、無線通信部30および測定センサ10の状態の切り替えに係るトリガの、切削工具100の外部からの受信が不要となる。また、起動センサ50として、たとえば測定センサ10よりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサ50を間欠駆動したりすることにより、無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、起動センサ50の測定結果が第1の条件を満たすと、起動センサ50を停止させる。制御部40は、無線通信部30が測定情報を無線送信した後に、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサ50の消費電力を低減しつつ、無線通信部30を非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態へ切り替えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、無線通信部30が上記指示を受信すると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、たとえば管理装置200等の外部装置からの指示をトリガとして、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る切削工具100では、制御部40は、起動センサ50の測定結果が第2の条件を満たすと、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサ50の測定結果をトリガとして無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替えることができるため、無線通信部30および測定センサ10の状態の切り替えに係るトリガの、切削工具100の外部からの受信が不要となる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、切削工具100は、切刃を有する切削インサート1、切削インサート1を保持するホルダ2、ならびにホルダ2に設けられた、電池、測定センサ10および無線通信部を含む。切削工具100は、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を管理装置200へ無線送信する。
このように、切削工具100が、ホルダ2に設けられた測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を、管理装置200へ無線送信する構成により、切削工具100と管理装置200とを有線接続したり、切削工具100と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を管理装置200へ伝送することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、管理装置200は、測定情報の送信を開始すべき旨を示す送信開始指示を切削工具100へ送信する。切削工具100は、送信開始指示を受信すると、測定情報の無線送信を開始する。
このような構成により、切削工具100は、管理装置200から受信する送信開始指示をトリガとして測定情報の無線送信を開始することができるため、切削工具100において、送信開始指示を開始するトリガを自ら検知するための構成が不要となる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、切削工具100は、ホルダ2に設けられた起動センサ50と、ホルダ2に設けられた制御部40とを含む。制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、無線通信部30を、測定情報を管理装置200へ無線送信する報告状態と、測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。制御部40は、起動センサ50の測定結果が第1の条件を満たすと、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
このように、無線通信部30の報告状態と非報告状態とを切り替え可能であり、かつ測定センサ10の測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。また、起動センサ50の測定結果をトリガとして無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えることができるため、無線通信部30および測定センサ10の状態の切り替えに係るトリガの、切削工具100の外部からの受信が不要となる。さらに、起動センサ50として、たとえば測定センサ10よりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサ50を間欠駆動したりすることにより、無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、制御部40は、起動センサ50の測定結果が第1の条件を満たすと、起動センサ50を停止させる。制御部40は、無線通信部30が測定情報を管理装置200へ送信した後に、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサ50の消費電力を低減しつつ、無線通信部30を非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態へ切り替えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、制御部40は、無線通信部30が管理装置200からの指示を受信すると、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、管理装置200からの指示をトリガとして、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替えることができる。
また、本開示の実施の形態に係る工具システム300では、制御部40は、起動センサ50の測定結果が第2の条件を満たすと、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替える。
このような構成により、起動センサ50の測定結果をトリガとして、無線通信部30を報告状態から非報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を測定状態から非測定状態へ切り替えることができるため、無線通信部30および測定センサ10の状態の切り替えに係るトリガの、切削工具100の外部からの受信が不要となる。
また、本開示の実施の形態に係る通信方法は、切刃を有する切削インサート1、切削インサート1を保持するホルダ2、ならびにホルダ2に設けられた、電池、測定センサ10および無線通信部を含む切削工具100と、管理装置200とを備える工具システム300における通信方法である。この通信方法では、まず、管理装置200および切削工具100が、通信接続を確立する。次に、切削工具100が、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を管理装置200へ無線送信する。
このように、切削工具100が、ホルダ2に設けられた測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を、管理装置200へ無線送信する方法により、切削工具100と管理装置200とを有線接続したり、切削工具100と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を管理装置200へ伝送することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る通信方法では、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
また、本開示の実施の形態に係る旋削用工具では、切削インサート1は、切刃を有する。ホルダ2は、切削インサート1を保持する。電池60、測定センサ10、起動センサ50、記憶部70および無線通信部30は、ホルダ2に設けられている。電池60は、測定センサ10、起動センサ50、記憶部70および無線通信部30に電力を供給する。測定センサ10は、加速度センサおよび歪みセンサの少なくともいずれか1つを含む。起動センサ50は、近接センサ、距離センサ、超音波センサ、光電センサ、レーザセンサ、温度センサおよび照度センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。無線通信部30は、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、ホルダ2に設けられた測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、旋削用工具と管理装置200等の外部装置とを有線接続したり、旋削用工具と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係る旋削用工具では、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
また、本開示の実施の形態に係る旋削用工具では、制御部40は、ホルダ2に設けられる。制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、無線通信部30を、測定情報を無線送信する報告状態と、測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。制御部40は、起動センサ50の測定結果が記憶部70に保存された所定条件を満たすと、無線通信部30を非報告状態から報告状態へ切り替えるとともに、測定センサ10を非測定状態から測定状態へ切り替える。
このように、無線通信部30の報告状態と非報告状態とを切り替え可能であり、かつ測定センサ10の測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。また、起動センサ50の測定結果をトリガとして無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えることができるため、無線通信部および測定センサの状態の切り替えに係るトリガの、旋削用工具の外部からの受信が不要となる。さらに、起動センサ50として、たとえば測定センサ10よりも消費電流の小さいセンサを用いたり、起動センサ50を間欠駆動したりすることにより、無線通信部30および測定センサ10の状態を切り替えるタイミングを取得するために必要な電力の消費を抑えることができる。
また、本開示の実施の形態に係るホルダ2では、固定用部材3A,3B,3Cは、切削インサート1を保持する。無線通信部30は、電池60から供給される電力により駆動され、測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信する。
このように、ホルダ2に設けられた測定センサ10の測定結果または測定結果に基づく情報を含む測定情報を無線送信する構成により、切削工具100と管理装置200等の外部装置とを有線接続したり、切削工具100と加工機とを有線接続したりすることなく、測定情報を当該外部装置へ伝送することができる。
したがって、本開示の実施の形態に係るホルダ2では、切削工具の寿命の予測に関する優れた機能を実現することができる。
また、本開示の実施の形態に係るホルダ2では、制御部40は、無線通信部30を、測定情報を無線送信する報告状態と、測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能である。
たとえば、加工時の切削工具100の状態を精度良くモニタリングし、センサの測定結果をリアルタイムで解析したり、解析結果に基づいて加工機を制御したりするために、センサによる測定および測定結果の伝送を高頻度で行う必要がある。その一方で、加工機において複数種類の加工を長時間に亘って連続的に行う場合、加工の途中で加工機を停止して切削工具100の電池交換または充電を行うことは困難であるところ、このように、無線通信部30の報告状態と非報告状態とを切り替え可能である構成により、測定情報を無線送信するために必要な電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができるとともに、無線トラフィックの増大を抑制することができる。
また、本開示の実施の形態に係るホルダ2では、制御部40は、測定センサ10を測定状態と非測定状態とに切り替え可能である。
このように、測定センサ10の測定状態と非測定状態とを切り替え可能である構成により、測定センサ10による電力の消費を抑え、電池交換または充電を行う頻度を低減することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
切削工具であって、
切刃を有するインサートを保持するホルダと、
前記ホルダに設けられた、電池、測定センサおよび無線通信部とを備え、
前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記切削工具の外部における管理装置へ無線送信し、
前記切削工具は、旋削加工用の工具であり、
前記測定センサは、前記ホルダにおける前記インサートの近傍に設けられる、切削工具。
[付記2]
切刃を有するインサートを保持するホルダ、および前記ホルダに設けられた測定センサを含む切削工具と、
管理装置とを備え、
前記切削工具は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信し、
前記切削工具は、旋削加工用の工具であり、
前記測定センサは、前記ホルダにおける前記インサートの近傍に設けられる、工具システム。
1,1A 切削インサート
3A,3B,3C 固定用部材
2,2A ホルダ
10 測定センサ
20 データ生成部
30 無線通信部
40 制御部
50 起動センサ
60 電池
70 記憶部
100 切削工具
110 センサモジュール
200 管理装置
210 通信部
220 処理部
230 記憶部
201 無線親機
300 工具システム
401 センサパケット

Claims (13)

  1. 切刃を有する切削インサートと、
    前記切削インサートを保持するホルダと、
    前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサおよび無線通信部とを備える切削工具であって、
    前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信し、
    前記切削工具は、さらに、
    前記ホルダに設けられた制御部を備え、
    前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替え、
    前記起動センサの消費電流は、前記測定センサの消費電流よりも小さい、切削工具。
  2. 前記無線通信部は、前記非報告状態において、前記切削工具の外部からの指示を受信可能な状態へ周期的に遷移し、
    前記制御部は、前記無線通信部が前記指示を受信すると、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記非測定状態から前記測定状態へ切り替える、請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が前記第1の条件を満たすと、前記起動センサを停止させ、
    前記制御部は、前記無線通信部が前記測定情報を無線送信した後に、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項1または請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記制御部は、前記無線通信部が前記切削工具の外部から送信停止指示を受信すると、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項3に記載の切削工具。
  5. 前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が第2の条件を満たすと、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の切削工具。
  6. 切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサおよび無線通信部を含む切削工具と、
    管理装置とを備え、
    前記切削工具は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信し、
    前記切削工具は、さらに、
    前記ホルダに設けられた制御部を含み、
    前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を前記管理装置へ無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替え、
    前記起動センサの消費電流は、前記測定センサの消費電流よりも小さい、工具システム。
  7. 前記管理装置は、前記測定情報の送信を開始すべき旨を示す送信開始指示を前記切削工具へ送信し、
    前記切削工具は、前記送信開始指示を受信すると、前記測定情報の無線送信を開始する、請求項6に記載の工具システム。
  8. 前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が前記第1の条件を満たすと、前記起動センサを停止させ、
    前記制御部は、前記無線通信部が前記測定情報を前記管理装置へ送信した後に、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項6または請求項7に記載の工具システム。
  9. 前記制御部は、前記無線通信部が前記管理装置からの指示を受信すると、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項8に記載の工具システム。
  10. 前記制御部は、前記起動センサの前記測定結果が第2の条件を満たすと、前記無線通信部を前記報告状態から前記非報告状態へ切り替えるとともに、前記測定センサを前記測定状態から前記非測定状態へ切り替える、請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の工具システム。
  11. 切刃を有する切削インサート、前記切削インサートを保持するホルダ、ならびに前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサおよび無線通信部を含む切削工具と、管理装置とを備える工具システムにおける通信方法であって、
    前記管理装置および前記切削工具が、通信接続を確立するステップと、
    前記切削工具が、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を前記管理装置へ無線送信するステップとを含み、
    記切削工具は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を前記管理装置へ無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、
    前記通信方法は、さらに、
    前記切削工具が、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替えるステップを含み、
    前記起動センサの消費電流は、前記測定センサの消費電流よりも小さい、通信方法。
  12. 切刃を有する切削インサートと、
    前記切削インサートを保持するホルダと、
    前記ホルダに設けられた、電池、測定センサ、起動センサ、メモリおよび無線通信部とを備える旋削用工具であって、
    前記電池は、前記測定センサ、前記起動センサ、前記メモリおよび前記無線通信部に電力を供給し、
    前記測定センサは、加速度センサおよび歪みセンサの少なくともいずれか1つを含み、
    前記起動センサは、近接センサ、距離センサ、超音波センサ、光電センサ、レーザセンサ、温度センサおよび照度センサのうちの少なくともいずれか1つを含み、
    前記無線通信部は、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信し、
    前記旋削用工具は、さらに、
    前記ホルダに設けられた制御部を備え、
    前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記起動センサの測定結果が前記メモリに保存された所定条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替え、
    前記起動センサの消費電流は、前記測定センサの消費電流よりも小さい、旋削用工具。
  13. 切削工具に用いられる切削工具用ホルダであって、
    切削インサートを保持する保持部と、
    電池、測定センサ、起動センサおよび無線通信部とを備え、
    前記無線通信部は、前記電池から供給される電力により駆動され、前記測定センサの測定結果または前記測定結果に基づく情報、を含む測定情報を無線送信し、
    前記切削工具用ホルダは、さらに、
    制御部を備え、
    前記制御部は、前記測定センサを測定状態と非測定状態とに切り替え可能であり、前記無線通信部を、前記測定情報を無線送信する報告状態と、前記測定情報を無線送信しない非報告状態とに切り替え可能であり、
    前記制御部は、前記起動センサの測定結果が第1の条件を満たすと、前記無線通信部を前記非報告状態から前記報告状態へ切り替え、
    前記起動センサの消費電流は、前記測定センサの消費電流よりも小さい、切削工具用ホルダ。
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