JP7409328B2 - 試験機用のクランプ構造、および、試験機 - Google Patents
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Description
この種のクランプ構造として、特許文献1には、支柱に沿って昇降可能なクロスヘッドを、試験片の高さに合わせた位置で支柱に固定するための油圧クランプが開示されている。特許文献1では、クロスヘッドに、支柱が挿入される孔とその孔から延びる割溝が形成されており、割溝が形成された部位を油圧シリンダ機構で締め付けてクランプしている。特許文献1では、圧力スイッチで、油圧が所定値以上か否かを検出してクランプ状態を検出している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ボルトの位置に基づいて精度良くクランプ状態を検出できる試験機用のクランプ構造を提供することを目的とする。
図1は、第1実施形態に係る疲労試験機1の概略正面図である。図2は、第1実施形態に係る疲労試験機1の概略側面図である。
本実施形態の試験機の一例としての疲労試験機1は、試験対象TPに対して試験力としての圧縮荷重、引張荷重などの試験荷重を付与して、試験対象TPの疲労試験を行う。
クロスヘッド13はクランプ構造(試験機用のクランプ構造)30を有する。クランプ構造30は、幅方向両側で同様であるため、片側のクランプ構造30について説明する。
クロスヘッド13には、試験装置の軸部材の一例として、摺動用の円柱状の支柱12が嵌まる嵌合孔31が形成されている。嵌合孔31は円形状に形成されている。嵌合孔31の外周部には、嵌合孔31から幅方向外側に延びるスリット状の割溝32が形成されている。嵌合孔31と割溝32により、クロスヘッド13の端部は前後に分かれる。すなわち、クロスヘッド13の端部は、嵌合孔31と割溝32よりも前側に位置する前側割部(クランプ方向第1側の割部)33と、嵌合孔31と割溝32よりも後側に位置する後側割部(クランプ方向第2側の割部)34とが形成される。嵌合孔31、割溝32、前側割部33、および、後側割部34により、本実施形態の割部35が構成される。本実施形態では、クロスヘッド13がクランプ本体に対応する。
ボルト孔36には、前側割部33から後側割部34にボルト37が挿通される。ボルト37は、ボルト孔36に挿通される軸部38と、ボルト孔36よりも大径の頭部(押圧部)39とを一体に備える。軸部38には、先端側に雄ねじ38aが形成されている。雄ねじ38aはボルト孔36の雌ねじ36bと噛み合う。雄ねじ38aと雌ねじ36bは互いに噛み合って結合した状態の噛み合い部38bを形成する。
ボルト37がねじ込まれて、マイクロスイッチのON、OFFが切り替わることで、クランプ状態を精度良く検出できる。
制御装置100が疲労試験機1から受信する信号は、操作部26、27(図1参照)の操作信号や、ロードセル21が出力する計測信号、クランプ状態の検出信号など、制御や試験に要する適宜の信号である。
制御装置100が疲労試験機1へ送信する信号は、シリンダ装置の制御信号や、負荷アクチュエータの制御信号、その他の制御や試験に要する適宜の信号である。
図5(A)に示すように、本実施形態では、ボルト37の先端部40がマイクロスイッチ47のレバー48から離間しており、ボルト37の頭部39と前側割部33との間に介在する全ての皿ばね42aが自然状態で保持されている場合のボルト37の移動位置を、クランプ解除位置として説明する。クランプ解除位置では、自然状態の皿ばね42aがボルト37の頭部39と前側割部33との間を軸方向に移動可能に、皿ばね42a間等に隙間が空いた状態でもよい。隙間により、ボルト37がクランプ解除位置にあることが認識し易くなる。
座部33aに弾性部材42が配置されていない図6に示す場合では、ボルト137の軸部138が後側割部34と噛み合い、且つ、ボルト137の頭部139が前側割部33に接触した場合に、ボルト137の締め付け力がクロスヘッド13の割部35に作用する。
よって、弾性部材42を介在させない場合、クランプ状態であるか否かを、ボルト137の位置、すなわち、ボルト137のストローク量に基づいて精度良く検出することが困難であった。
よって、ボルト37をねじ込んで締め付け力を作用させる際に、締め付け力が増大するのに応じて、皿ばね42aが徐々に弾性変形可能であり、締め付け力の増大をボルト37のストローク量を介して認識し易くなっている。
また、本実施形態の皿ばね42aが直列配置(直列的に配置)されており、ボルト37をねじ込みに対して十分なストローク量を生じさせつつ、ボルト37をねじ込むことが可能となっている。
よって、剛性が高い上に、クランプ、アンクランプを繰り返すことになり易い疲労試験機1のクランプ構造として、クランプ構造30は好適である。
したがって、ボルト37の締め付けを開始してからクランプ状態になるまでのボルト37のストローク量を大きくでき、ボルト37の位置に基づいて精度良くクランプ状態を検出できる。
したがって、ボルト37のストローク量を大きくできる。
したがって、簡素な構造でボルト37のストローク量を大きくできる。
したがって、ねじ込まれるボルト37の先端でレバー48を押す際に、レバー48をボルト37のストロークに追従させ易くできる。
したがって、試験装置10の摺動用の支柱12のクランプ状態を検出できる。
したがって、ボルト37の締め付けを開始してからクランプ状態になるまでのボルト37のストローク量を大きくでき、ボルト37の位置に基づいて精度良くクランプ状態を検出できる。
次に、第2実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する場合がある。
本実施形態の試験機の一例としての疲労試験機201は、試験対象TPに対して試験力としての加振力を付与して、試験対象TPの疲労試験を行う。
加振装置210は、軸方向Laに延びる外観形状をしている。加振装置210は、略円筒状のケーシング211を有する。ケーシング211の軸方向Laの第1側には、駆動源の一例としてのサーボモータ212が支持される。サーボモータ212は、制御装置300により、回転方向、及び、回転速度が制御される。サーボモータ212の駆動軸212aは、カップリング213を介して、ボールねじ軸214に連結されている。ボールねじ軸214は、カップリング213側でベアリング215を介して回転可能に支持されている。ボールねじ軸214には、ボールねじナット216が装着されている。ボールねじナット216は、ボールねじ軸214の正逆回転により、ボールねじ軸214に沿って往復移動可能である。
ブラケット226は、加振装置210の幅方向両側に一対配置される。ブラケット226は、側面視では上下方向に延びる板状に形成されている。ブラケット226には、孔226aが形成されている。ブラケット226の上端には、トラニオン軸225が配置される図示しない切り欠きが形成されている。図示しない切り欠きを介してトラニオン軸225がブラケット226よりも幅方向外側に突出した状態で配置される。ブラケット226の下端には板状の固定部227が形成されている。固定部227は、固定部材228で床面に固定される。
したがって、ボルト37の締め付けを開始してからクランプ状態になるまでのボルト37のストローク量を大きくでき、ボルト37の位置に基づいて精度良くクランプ状態を検出できる。
次に、第3実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付してその説明を省略する場合がある。
本実施形態では、皿ばね42aは、同一の向きで重ねて配置される、いわゆる、並列配置される。これにより、複数枚の皿ばね42aで皿ばねの剛性を高めることができる。ただし、並列配置のみでは、ストローク量を得難いため、皿ばね42aの並列配置と直列配置とを組み合わせることにより、ストローク量を得ることができる。例えば、複数枚の皿ばね42aについて、軸方向の前側半分相当の複数枚の皿ばね42aを並列配置とし、後側半分相当の複数枚の皿ばね42aを前側とは逆の向きに並列配置することにより、ストローク量を得やすくできる。
したがって、剛性の低い皿ばね42aであっても並列配置することにより、ボルト37をねじ込んだ場合に、割部35に十分な締め付け力を作用させるように構成することができる。よって、皿ばねの並列配置と直列配置を組み合わせることにより、ストローク量を確保しつつ、複数枚の皿ばね42aの全体について、ボルト37をねじ込んだ場合に、割部35に十分な締め付け力が作用するまで弾性圧縮(弾性変形)するように構成することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、および応用が可能である。
一態様に係る試験機用のクランプ構造は、試験装置の軸部材を支持するクランプ本体と、前記クランプ本体を締め付けるボルトと、前記クランプ本体がクランプ状態であるか否かを前記ボルトの位置に基づいて検出する検出器と、を備え、前記クランプ本体は、前記軸部材が嵌まる嵌合孔と、前記ボルトで締め付けることにより前記軸部材をクランプする割部と、を備え、前記ボルトと前記クランプ本体との間に弾性部材を介在させてもよい。
第1項に記載の試験機用のクランプ構造において、前記ボルトと前記クランプ本体との間に、複数の前記弾性部材を直列的に介在させてもよい。
第2項に記載の試験機用のクランプ構造において、前記弾性部材は皿ばねであってもよい。
第3項に記載の試験機用のクランプ構造において、複数の前記皿ばねは並列配置かつ直列配置されてもよい。
第1項乃至第4項のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造において、前記検出器は、レバーを有するマイクロスイッチであり、前記レバーは、前記ボルトの先端に対向可能に配置され、前記ボルトの先端には、前記ボルトの先端側に凸となる曲面状の案内面が形成されていてもよい。
第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造において、前記クランプ本体は、前記嵌合孔に、前記試験装置の摺動用の前記軸部材を嵌め、前記クランプ本体の前記割部を前記ボルトで締め付けることにより前記軸部材をクランプしてもよい。
第1項乃至第6項のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造において、前記クランプ本体は、前記嵌合孔に、前記試験装置の回動用の前記軸部材を嵌め、前記クランプ本体の前記割部を前記ボルトで締め付けることにより前記試験装置をクランプしてもよい。
一態様に係る試験機は、支柱またはトラニオン軸を有する試験装置と、前記支柱または前記トラニオン軸を支持するクランプ本体と、前記クランプ本体を締め付けるボルトと、前記クランプ本体がクランプ状態であるか否かを前記ボルトの位置に基づいて検出する検出器と、を備え、前記クランプ本体は、前記支柱または前記トラニオン軸が嵌まる嵌合孔と、前記ボルトで締め付けることにより前記支柱または前記トラニオン軸をクランプする割部と、を備え、前記ボルトと前記クランプ本体との間に弾性部材を介在させてもよい。
10 試験装置
12 支柱(摺動用の軸部材)
13 クロスヘッド(クランプ本体)
30 クランプ構造
12、225 軸部材
31 嵌合孔
35 割部
37 ボルト
39 頭部
41 案内面
42 弾性部材
42a 皿ばね(弾性部材)
47 マイクロスイッチ(検出器)
48 レバー
201 疲労試験機(試験機)
210 加振装置(試験装置)
225 トラニオン軸(回動用の軸部材)
230 クランプ構造
230a クランプ本体
Claims (8)
- 試験装置の軸部材を支持するクランプ本体と、前記クランプ本体を締め付けるボルトと、前記クランプ本体がクランプ状態であるか否かを前記ボルトの位置に基づいて検出する検出器と、を備え、
前記クランプ本体は、前記軸部材が嵌まる嵌合孔と、前記ボルトで締め付けることにより前記軸部材をクランプする割部と、を備え、
前記ボルトと前記クランプ本体との間に弾性部材を介在させる、
試験機用のクランプ構造。 - 前記ボルトと前記クランプ本体との間に、複数の前記弾性部材を直列的に介在させる、
請求項1に記載の試験機用のクランプ構造。 - 前記弾性部材は皿ばねである、
請求項2に記載の試験機用のクランプ構造。 - 複数の前記皿ばねは並列配置かつ直列配置される、
請求項3に記載の試験機用のクランプ構造。 - 前記検出器は、レバーを有するマイクロスイッチであり、
前記レバーは、前記ボルトの先端に対向可能に配置され、
前記ボルトの先端には、前記ボルトの先端側に凸となる曲面状の案内面が形成されている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造。 - 前記クランプ本体は、前記嵌合孔に、前記試験装置の摺動用の前記軸部材を嵌め、前記クランプ本体の前記割部を前記ボルトで締め付けることにより前記軸部材をクランプする、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造。 - 前記クランプ本体は、前記嵌合孔に、前記試験装置の回動用の前記軸部材を嵌め、前記クランプ本体の前記割部を前記ボルトで締め付けることにより前記試験装置をクランプする、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の試験機用のクランプ構造。 - 支柱またはトラニオン軸を有する試験装置と、前記支柱または前記トラニオン軸を支持するクランプ本体と、前記クランプ本体を締め付けるボルトと、前記クランプ本体がクランプ状態であるか否かを前記ボルトの位置に基づいて検出する検出器と、を備え、
前記クランプ本体は、前記支柱または前記トラニオン軸が嵌まる嵌合孔と、前記ボルトで締め付けることにより前記支柱または前記トラニオン軸をクランプする割部と、を備え、
前記ボルトと前記クランプ本体との間に弾性部材を介在させる、
試験機。
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