JP7406128B2 - 接着芯地 - Google Patents

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Description

本発明の一側面は、接着芯地に関する。
合成繊維からなる布帛が使用された衣服が知られている。このような衣服では、冬場の静電気を防止したり、電子部品等を取り扱う際の作業服として使用したりするために、制電性が求められることがある。このような課題を解決するために、例えば、特許文献1では、導電糸が高密度に配置された制電性布帛を用いることにより、衣服に発生した静電気を効率よく除去することができる制電衣服が開示されている。
衣服を縫製する際の型崩れを防止し保型性を高めたり、作業性を向上させたりするために、接着芯地が用いられている。接着芯地は加熱プレス機により表生地に貼り合わされ、衣料用布地として提供される。このような接着芯地として、例えば、特許文献2には、基布(布帛)の表面に、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等によって形成される下層樹脂部がドット状(点状)に固着され、この下層樹脂部の表面にホットメルト樹脂と呼ばれる接着樹脂部が固着された構成の接着芯地(いわゆるダブルドットタイプの接着芯地)が開示されている。
特開2001-73207号公報 特開2001-279510号公報
このような接着芯地を形成する基布に制電性を持たせることで、衣服に発生した静電気を効率よく除去することができると考えられる。しかしながら、接着芯地として構成する場合には、単に制電性を付与するだけでなく、接着芯地としての良好な風合い及び接着性を維持することが求められる。
そこで、本発明の一側面の目的は、表生地に貼り合わせたときに、表生地に制電性を付与しつつも良好な風合い及び接着性を維持することができる接着芯地を提供することにある。
本発明の一側面に係る接着芯地は、基布と、基布の一方の面にドット状に設けられる樹脂部と、を備え、基布は、導電性を有する導電糸を含んでおり、基布のカバーファクタに対する導電糸のカバーファクタの割合であるカバーファクタ率Aが、0.3%以上50.0%以下であり、所定面積あたりの樹脂部の個数に占める導電糸上に存在する樹脂部の個数の割合である占有率Bが、0%以上40.0%以下であり、樹脂部の基布に対する占有率が0.2%以上である。
この構成の接着芯地では、基布のカバーファクタに対する導電糸のカバーファクタの割合であるカバーファクタ率Aが50.0%以下であるので、風合いを維持することができる。また、基布のカバーファクタに対する導電糸のカバーファクタの割合であるカバーファクタ率Aが0.3%以上に設けられるので、制電性を有している。また、本願発明者は、鋭意検討の結果、導電糸上に樹脂部を配置することによって導電糸の導電性能が低下することを見出した。そこで、本発明の一側面では、導電糸上に存在する樹脂部の占有率Bが、0%以上40.0%となるように樹脂部を設けた。これにより、樹脂部が導電糸上に配置されることによる制電性能の低下を抑制することができる。なお、ここでいう所定面積あたりの樹脂部の個数に占める導電糸上に存在する樹脂部の個数の割合である占有率Bとは、接着芯地を平面視したときに、所定面積に存在する全てのドット状樹脂部の個数をB1、上記ドット状樹脂のうち導電糸上に存在するドット状樹脂部の個数をB2としたときのB2/B1×100(単位%)をいう。また、この構成の接着芯地では、樹脂部の基布に対する占有率が0.2%以上とすることで、表生地への接着性を確保することができる。この結果、表生地に貼り合わせたときに、表生地に制電性を付与しつつも良好な風合い及び接着性を維持することができる。
本発明の一側面に係る接着芯地では、樹脂部の高さが、5μm以上800μm以下であってもよい。この構成の接着芯地では、樹脂部の高さが5μm以上に形成されているので、表生地と基布又は人体との間の距離を確保することができる。これにより、表生地と基布との間で発生する静電気、又は表生地と人体との間で生じる静電気を抑制できる。更に、この構成の接着芯地では、樹脂部の高さが800μm以下に構成されているので、表生地への樹脂部の染み出しを抑制することができる。
本発明の一側面に係る接着芯地では、樹脂部は、基布の一方の面にドット状に設けられる下層樹脂部と、下層樹脂部の表面に設けられる接着樹脂部と、を有していてもよい。この構成の接着芯地では、いわゆるダブルドットタイプの接着芯地にも適用することができる。
本発明の一側面に係る接着芯地では、カバーファクタ率A及び占有率Bが、下記式(1)を満たしていてもよい。この構成では、表生地に貼り合わせたときに制電性をより効果的に付与できると共に、接着性をより効果的に維持することができ、風合いも維持することができる。
Figure 0007406128000001
本発明の一側面に係る接着芯地では、カバーファクタ率A及び占有率Bが、下記式(2)を満たしていてもよい。これにより、この構成では、表生地に貼り合わせたときに制電性をより効果的に付与できると共に、風合い及び接着性をより効果的に維持することができる。
Figure 0007406128000002
本発明の一側面に係る接着芯地では、基布は、織物であってもよい。この構成では、織物を基布とすることができる。
本発明の一側面によれば、表生地に貼り合わせたときに、表生地に制電性を付与しつつも良好な風合い及び接着性を維持することができる。
図1は、一実施形態に係る接着芯地を備えた衣料用布地の概略断面図である。 図2は、図1に示す基布を拡大して示した平面図である。 図3は、実施例におけるそれぞれの緒元と、風合い、制電性、接着性、及び樹脂部の浸み出しの評価結果を示す図表である。 図4は、比較例におけるそれぞれの緒元と、風合い、制電性、接着性、及び樹脂部の浸み出しの評価結果を示す図表である。
以下、図面を参照して一実施形態に係る接着芯地1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る接着芯地1を備えた衣料用布地10の概略断面図である。図1では、接着芯地1に、表生地2が貼り合わされた状態を示している。図2は、基布3を拡大して示した平面図である。
図1に示されるように、接着芯地1は、基布3と、基布3の一方の面3aに固着した樹脂R1からなる下層樹脂部(樹脂部)4と、この下層樹脂部4の表面に固着した樹脂R2からなる接着樹脂部(樹脂部)5と、を備えている。
図2に示されるように、基布3は、経糸31及び緯糸33を用いて製織された布帛(織物)である。布帛の組織は、特に限定されるものではなく、その例には、平織り、朱子織り及び斜文織り等が含まれる。なお、図2では、後段にて詳述する接着樹脂部5の図示を省略している。
基布3の緯糸33は、第一緯糸34と第二緯糸(導電糸)35とを含んでいる。基布3の経糸31及び第一緯糸34の例は、捲縮糸である。捲縮糸の例には、仮撚り加工糸が含まれる。仮撚り加工糸は、仮撚り機で加工された加工糸である。仮撚り加工糸は、捲縮加工糸の主流であり、仮撚り糸ともいう。経糸31及び第一緯糸34の素材の例には、合成繊維、再生繊維、及び天然繊維等が含まれる。合成繊維の例には、ポリエステル、ナイロン、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン及びポリプロピレン等が含まれる。再生繊維の例には、ポリノジック、レーヨン及びキュプラ等が含まれる。天然繊維の例には、綿、麻、絹及び毛等が含まれる。仮撚り糸として用いる素材の例としては、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維が用いられる。
第二緯糸35は、電気抵抗が10-5(Ω/cm)以上1012(Ω/cm)以下の電気抵抗を有する導電性の糸である。入手容易性の観点からは、第二緯糸35として、10(Ω/cm)以上1010(Ω/cm)以下の電気抵抗を有する導電性の糸が好ましく用いられる。第二緯糸35の素材の例には、カーボン又は金属を含む合成繊維、再生繊維、及び天然繊維等が含まれる。入手容易性の観点からは、第二緯糸35の素材としては、カーボン又は金属を含む、ポリエステル糸又はナイロン糸が好ましく用いられる。第二緯糸35は、基布3のカバーファクタCF3に対する第二緯糸35(導電糸)のカバーファクタCF35の割合であるカバーファクタ率A(CF35/CF3)が、0.3%以上50.0%以下となるようなピッチで配置されている。なお、上記カバーファクタ率Aは、2.0%以上45.0%以下であるとより好ましい。なお、ここでいう基布3のカバーファクタCF3及び第二緯糸35(導電糸)のカバーファクタCF35は、下記式(3)によりそれぞれ算出される。
Figure 0007406128000003
ここで、Ftは、経糸が繊度の異なるn種類の糸(導電糸又は非導電糸)を含む場合において、第i種類目の繊度を有する経糸の繊度(dtex)を意味する。なお、本実施形態ではn=1となる。Dtは、経糸が繊度の異なるn種類の糸(導電糸又は非導電糸)を含む場合において、第i種類目の繊度を有する経糸の25.4mm当りの本数(本/25.4mm)を意味する。なお、本実施形態では、n=1となる。Fyは、緯糸が繊度の異なるm種類の糸(導電糸又は非導電糸)を含む場合において、第j種類目の繊度を有する緯糸の繊度(dtex)を意味する。なお、本実施形態では、m=2となる。Dyjは、緯糸が繊度の異なるm種類の糸(導電糸又は非導電糸)を含む場合において、第j種類目の繊度を有する緯糸の25.4mm当りの本数(本/25.4mm)を意味する。なお、本実施形態では、m=2となる。
Figure 0007406128000004
ここでcFtは、経糸が繊度の異なるn種類の導電糸を含む場合において、第i種類目の繊度を有する導電経糸の繊度(dtex)を意味する。なお、本実施形態では、経糸には導電糸が存在しないので、n=0となり、計算されない。cDtは、経糸が繊度の異なるn種類の導電糸を含む場合において、第i種類目の繊度を有する導電経糸の25.4mm当りの本数(本/25.4mm)を意味する。なお、本実施形態では、経糸には導電糸が存在しないので、n=0となり、計算されない。cFyは、緯糸が繊度の異なるm種類の導電糸を含む場合において、第j種類目の繊度を有する導電緯糸の繊度(dtex)を意味する。なお、本実施形態において、m=1となる。cDyは、緯糸が繊度の異なるm種類の導電糸を含む場合において、第j種類目の繊度を有する導電緯糸の25.4mm当りの本数(本/25.4mm)を意味する。なお、本実施形態において、m=1となる。
図1に示されるように、下層樹脂部4は、基布3の一方の面3aに固着されている。下層樹脂部4は、主に、基布3に対して樹脂R2から形成される接着樹脂部5を良好に固着させるために設けられる。下層樹脂部4は、樹脂R1から形成される。樹脂R1の例には、ポリウレタン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、EVA系樹脂及びPVA系樹脂等が含まれる。樹脂R1の例には、熱可塑性樹脂と、熱及び紫外線で硬化する硬化性樹脂とが含まれる。樹脂R1は、熱により架橋する熱架橋性樹脂がより好ましい。熱架橋性樹脂としては、例えば、アクリル又はポリウレタンにエポキシ系架橋剤を添加したもの等が挙げられ、消費段階における洗濯耐久性の観点からN-メチロールアクリルアミドが添加されているものが特に好ましい。
接着樹脂部5は、下層樹脂部4の表面4aに固着される。接着樹脂部5は、樹脂R2から形成される。樹脂R2は、通常ホットメルト樹脂と呼ばれる、熱により可塑化されて冷却後に接着能力を発揮する熱可塑性樹脂が用いられる。樹脂R2には、融点が80~140℃の熱可塑性樹脂を用いることができる。樹脂R2の例には、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン及び変性エチレン酢酸ビニル共重合体等が含まれる。
下層樹脂部4は、ドット状(点状)に設けられており、そのドット径は、例えば、50μm以上5000μm以下であり、好ましくは60μm以上1000μm以下であり、より好ましくは70μm以上500μm以下である。下層樹脂部4のドット個数は、例えば、40(個/(25.4mm))以上2500(個/(25.4mm))以下であり、好ましくは、50(個/(25.4mm))以上1800(個/(25.4mm))以下であり、さらに好ましくは300(個/(25.4mm))以上1700(個/(25.4mm))以下である。
また、下層樹脂部4は、下層樹脂部4の基布3に対する占有率が0.2%以上となるように配置されている。表生地2への下層樹脂部4の染み出しを抑制するという観点からは、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、65.0%以下とすることができる。下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、好ましくは0.3%以上50.0%以下であり、より好ましくは、0.4%以上45.0%以下であり、さらに好ましくは、0.5%以上20.0%以下であり、特に好ましくは、0.6%以上12.0%以下であり、最も好ましくは、1.0%以上10.0%以下である。
下層樹脂部4は、「下層樹脂部4の総ドット個数」に占める「第二緯糸35(導電糸)上に存在する下層樹脂部4のドット個数」の割合である占有率Bが、0%以上40.0%以下となるように設けられている。なお、上記占有率Bは、0.1%以上30.0%以下であると好ましく、0.5%以上20.0%以下であるとより好ましく、1.0%以上15%以下であるとさらに好ましく、2.0%以上12%以下であると特に好ましく、3.0%以上10%以下であると最も好ましい。なお、本実施形態でいう「第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4」とは、下層樹脂部4の底面積の5%以上が第二緯糸35上に存在(平面視した場合に重複)するような下層樹脂部41(図2参照)が該当し、下層樹脂部4の底面積の5%未満しか第二緯糸35上に存在しない下層樹脂部42(図2参照)はこれに該当しない。
また、本実施形態では、カバーファクタ率A及び占有率Bが、下記式(5)を満たすように、下層樹脂部4が設けられている。また、カバーファクタ率A及び占有率Bは、下記式(6)を満たすことが好ましい。
Figure 0007406128000005
Figure 0007406128000006
また、本実施形態では、カバーファクタ率A及び占有率Bが、下記式(7)を満たすように、下層樹脂部4が設けられている。また、カバーファクタ率A及び占有率Bは、下記式(8)を満たすことが好ましい。
Figure 0007406128000007
Figure 0007406128000008
下層樹脂部4及び接着樹脂部5のうち接着に寄与する部分である接着部の高さH(以後、「接着部の高さH」と称する。)は、5μm以上800μm以下となるように形成されている。なお、上記接着部の高さHは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましい。
次に、上述した構成の接着芯地1を製造する方法について説明する。まず、上述したように、経糸31及び緯糸33からなる生機を製織する。その後、接着樹脂部5の粒径及びスクリーンの厚み等を必要に応じて変更することにより、接着部の高さHを5μm以上800μm以下とする。
次に、基布3の一方の面3aにペースト状の下層樹脂部4となる樹脂R1をドット状に付着させる。具体的には、樹脂R1は、所定の回転軸回りに回転する円筒状のスクリーンを用いて基布3の一方の面3aにドット状に付着させる。スクリーンの周面には、樹脂R1を通過させるための貫通孔がドットの個数に対応して複数形成されている。すなわち、貫通孔は、接着芯地1における下層樹脂部4の個数が、40(個/(25.4mm))以上2500(個/(25.4mm))となるように形成されている。また、貫通孔は、「下層樹脂部4の総ドット個数」に占める「第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4のドット個数」の割合である占有率Bが、0%以上40.0%以下となるように設けられている。
スクリーン内には、樹脂R1を供給するスキージが設けられている。スキージから供給された樹脂R1は、スクリーンの貫通孔を通過して押し出され、基布3の一方の面3aに付着する。スクリーンとバックロールとの間に挟まれて、搬送されている基布3に対して、樹脂R1が転写される。なお、占有率は、下層樹脂部4を染色できる材料(例えば、ボーケンステイン液)によりドット部位を染色し、色差を利用して、例えば、マイクロスコープ等の画像処理によって面積を算出することにより求めることができる。
次に、樹脂R1が転写された基布3の一方の面3aに熱可塑性樹脂である樹脂R2の粉末が散布される。これにより、樹脂R1に樹脂R2を付着させる。具体的には、樹脂R2の粉末(粉砕物)を散布するためのホッパー(スキャッター)を用いて、樹脂R2を樹脂R1が付着している基布3の一方の面3aに散布し、樹脂R2を樹脂R1の表面4aに付着させる。その後、基布3に散布された余分な樹脂R2の粉末を振い落としたり、吹き飛ばしたりしてもよい。例えば、空気を噴出させるエアーブローにより、基布3上の余分な樹脂R2を吹き飛ばす。吹き飛ばされた樹脂R2は、サクションノズルによって吸い込まれることにより回収される。
上記実施形態の接着芯地1における作用効果について説明する。本実施形態の接着芯地1では、基布3のカバーファクタCF3に対する第二緯糸35のカバーファクタCF35の割合であるカバーファクタ率A(CF35/CF3)が50.0%以下であるので、風合いを維持することができる。また、基布3のカバーファクタCF3に対する第二緯糸35のカバーファクタCF35の割合であるカバーファクタ率Aが0.3%以上に設けられるので、制電性を有している。更に上記実施形態では、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、0%以上40.0%となるように下層樹脂部4が設けられている。これにより、下層樹脂部4が第二緯糸35上に配置されることによる制電性能の低下を抑制することができる。この結果、表生地2に貼り合わせたときに、制電性を有しつつも、良好な風合い及び接着性を維持することができる。
上記実施形態の接着芯地1では、下層樹脂部4及び接着樹脂部5の両方から構成される高さHが5μm以上に形成されているので、表生地2と基布3又は人体との間の距離を確保することができる。これにより、表生地2と基布3又は人体との間で発生する静電気、又は表生地2と人体との間で生じる静電気を抑制できる。更に、この構成の接着芯地1では、下層樹脂部4及び接着樹脂部5の両方から構成される高さHが800μm以下に構成されているので、表生地2への下層樹脂部4又は接着樹脂部5の染み出し(ストライクバック現象)を抑制することができる。
上記実施形態の接着芯地1では、下層樹脂部4は、下層樹脂部4の基布3に対する占有率が0.2%以上となるように設けられているので、表生地2に確実に接着することができる。
上記実施形態の接着芯地1では、カバーファクタ率A及び占有率Bが下記式(9)を満たすように設定することで、表生地2に貼り合わせたときに制電性をより効果的に付与できると共に、接着性をより効果的に維持することができ、風合いも維持することができる。なお、このような効果が発揮できることは、下記の実施例1~8及び比較例1~5によって説明される。
Figure 0007406128000009
上記実施形態の接着芯地1では、カバーファクタ率A及び占有率Bが下記式(10)を満たすように設定することで、表生地2に貼り合わせたときに制電性をより効果的に付与できると共に、風合い及び接着性をより効果的に維持することができる。なお、このような効果が発揮できることは、下記の実施例1~8及び比較例1~5によって説明される。
Figure 0007406128000010
次に、基布3のカバーファクタCF3に対する第二緯糸35のカバーファクタCF35の割合であるカバーファクタ率Aを0.3%以上50.0%以下とし、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bを0%以上40.0%以下とし、下層樹脂部4の基布3に対する占有率を0.2%以上としたときに、表生地2に貼り合わせたときに、表生地に制電性を付与しつつも良好な風合い及び接着性を維持することができる点について、実施例1~8及び比較例1~5に基づいて説明する。なお、本発明の一側面は、以下に示す実施例1~8に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)基布及び接着芯地の製造
非導電性ポリエステルから形成される基布3の経糸31と、ポリエステルから形成される第一緯糸34と、電気抵抗が10(Ω/cm)であり、導電性ポリエステルから形成される第二緯糸35と、準備した。次に、これらの経糸31、第一緯糸34、及び第二緯糸35を用いて、基布3のカバーファクタCF3に対する第二緯糸35のカバーファクタCF35の割合(CF35/CF3)であるカバーファクタ率Aが18.0%となる、図2に示されるような基布3となる生機を製織した。この生機を用いて通常知られた精練・染色を行った。防縮加工の段階に合わせて撥水剤を処理し、撥水点が所定の値に収まるように調整した。
次に、上記基布3について、下層樹脂部4を配置した。具体的には、基布3の一方の面3aにロータリースクリーンにより下層樹脂部4となるドット状のペーストを転写した。下層樹脂部にはアクリル酸エステル誘導体を用いた。下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が45個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が475個/(25.4mm)、合計520個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、8.7%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、2.5%であった。
次に、この基布3に、接着樹脂部5となる粒度分布が0~50μm、モード径35μmのホットメルト樹脂を散布し、固着乾燥させ、いわゆるダブルドットの接着芯地を得た。ホットメルト樹脂は、融点が110℃であるポリアミド系のホットメルトを用いた。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。なお、ダブルドットの接着芯地では、第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の占有率と、第二緯糸35上に存在する、下層樹脂部4と接着樹脂部5とを合わせた樹脂部の占有率とは実質的に同一となり、また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率と、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた樹脂部の基布3に対する占有率とは実質的に同一となる。
(2)接着芯地の評価
上記のような手法により得られた接着芯地1をウールから形成される表生地2に貼り合わせた衣料用布地10のサンプルについて、サンプルの風合い、サンプルの制電性、接着芯地1と表生地2との間の接着性、表生地2への樹脂の染み出しの評価を行った。風合いの評価は、人による官能評価で実施した。制電性の評価については、JIS L-1094:織物及び編物の帯電性試験方法に準じて測定した値に基づいて行った。接着性の評価は、JIS L 1086:接着芯地試験方法に準じて測定した値に基づいて行った。樹脂の染み出しについては、人による官能評価で実施した。図3及び図4に示される各試験の評価については、下記の通りである。
風合いの評価の記号の意味は、以下に示す通りである。
◎:非常にやわらかい
○:柔らかい
×:固い
制電性の評価の記号の意味は、以下に示す通りである。
◎:700V未満
○:700V以上1500V未満
×:1500V以上
接着性の評価の記号の意味は、以下に示す通りである。
◎:600cN/インチ以上
○:300cN/インチ以上600cN/インチ未満
×:300cN/インチ未満
樹脂の染み出しの評価の記号の意味は、以下に示す通りである。
○:染み出しがない
×:染み出しが確認できる
実施例1のサンプルでは、図3に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例2>
実施例2では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが3.5%となる基布3を準備した。また、実施例2も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が51個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が607個/(25.4mm)、合計658個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、7.8%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、3.2%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
実施例2のサンプルでは、図3に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例3>
実施例3では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが18.0%となる基布3を準備した。また、実施例3も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が135個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が1415個/(25.4mm)、合計1550個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、8.7%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、80μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、1.2%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は20μmとなった。
実施例3のサンプルでは、図3に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例4>
実施例4では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが50.0%となる基布3を準備した。また、実施例4も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が438個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が1162個/(25.4mm)、合計1600個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、27.4%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、7.8%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
実施例4のサンプルでは、図3に示されるように、カバーファクタ率Aが高めなので風合いの評価が若干低くなったが、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価においては、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例5>
実施例5では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが0.3%となる基布3を準備した。また、実施例5も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が23個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が507個/(25.4mm)、合計530個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、4.3%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、2.6%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
実施例5のサンプルでは、図3に示されるように、カバーファクタ率Aが低めなので制電性の評価が若干低くなったが、風合い、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例6>
実施例6では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが1.1%となる基布3を準備した。また、実施例6も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が396個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が1104個/(25.4mm)、合計1500個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、26.4%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、300μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、16.4%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は800μmとなった。
実施例6のサンプルでは、図3に示されるように、実験例5と同様に、カバーファクタ率Aが低めなので制電性の評価が若干低くなったが、風合い、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例7>
実施例7では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが3.5%となる基布3を準備した。また、実施例7も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が2個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が54個/(25.4mm)、合計56個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、3.6%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、0.3%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
実施例7のサンプルでは、図3に示されるように、下層樹脂部4の基布3に対する占有率が低めなので接着性の評価が若干低くなったが、風合い、制電性、及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<実施例8>
実施例8では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが20.0%となる基布3を準備した。また、実施例8も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が760個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が1140個/(25.4mm)、合計1900個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、40.0%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、250μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、14.5%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
実施例8のサンプルでは、図3に示されるように、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが高めなので制電性の評価が若干低くなったが、風合い、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、それぞれ良好な結果が得られた。
<比較例1>
比較例1では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが0.2%となる基布3を準備した。また、比較例1も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が32個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が368個/(25.4mm)、合計400個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、8.0%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、1.9%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
比較例1のサンプルでは、図4に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、風合い、接着性及び樹脂の染み出しの評価については良好な結果が得られたが、制電性についてはよい結果が得られなかった。これにより、カバーファクタ率Aが0.3%未満であると制電性が低下することが分かった。
<比較例2>
比較例2では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが60.0%となる基布3を準備した。また、比較例2も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が32個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が368個/(25.4mm)、合計400個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、8.0%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、1.9%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
比較例2のサンプルでは、図4に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価については良好な結果が得られたが、風合いについてはよい結果が得られなかった。これにより、カバーファクタ率Aが50.0%を超えると風合いが低下することが分かった。
<比較例3>
比較例3では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが3.5%となる基布3を準備した。また、比較例3も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が197個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が199個/(25.4mm)、合計396個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、49.8%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、1300μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、81.5%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は1000μmとなった。
比較例3のサンプルでは、図4に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、接着性の評価については良好な結果が得られたが、風合い、制電性及び樹脂の染み出しについてはよい結果が得られなかった。これにより、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが40.0%を超えると風合い及び制電性が低下することが分かった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率が65.0%を超え、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は800μmを超えると樹脂の染み出しが発生することが分かった。
<比較例4>
比較例4では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが3.5%となる基布3を準備した。また、比較例4も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が1個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が29個/(25.4mm)、合計30個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4のドット数のうち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、3.3%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、200μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、0.1%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
比較例4のサンプルでは、図4に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、風合い、制電性、及び樹脂の染み出しの評価については良好な結果が得られたが、接着性についてはよい結果が得られなかった。これにより、下層樹脂部4の基布3に対する占有率が0.2%未満であると接着性が低下することが分かった。
<比較例5>
比較例5では、実施例1の基布3と同じ材料を準備し、カバーファクタ率Aが3.5%となる基布3を準備した。また、比較例5も、実施例1と同様の方法で、以下の条件となるように基布3の一方の面3aに下層樹脂部4を配置した。具体的には、下層樹脂部4のドット数は、第二緯糸35と重なるように配置される数が267個/(25.4mm)、第二緯糸35と重ならないように配置される数が233個/(25.4mm)、合計500個/(25.4mm)となるように、下層樹脂部4を配置した。すなわち、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが、53.4%となるように下層樹脂部4を配置した。また、下層樹脂部4の平均ドット径は、350μmであった。また、下層樹脂部4の基布3に対する占有率は、7.5%であった。更に、実施例1と同様の方法で、下層樹脂部4に接着樹脂部5を配置した。このとき、下層樹脂部4及び接着樹脂部5を合わせた高さ(接着部の高さ)は50μmとなった。
比較例5のサンプルでは、図4に示されるように、風合い、制電性、接着性及び樹脂の染み出しの評価において、接着性及び樹脂の染み出しの評価については良好な結果が得られたが、風合い、制電性の評価についてはよい結果が得られなかった。これにより、下層樹脂部4の個数に占める第二緯糸35上に存在する下層樹脂部4の個数の割合である占有率Bが40.0%を超えると風合い及び制電性が低下することが分かった。
以上、一実施形態について説明したが、本発明の一側面は、上記実施形態及び実施例に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、緯糸33にのみ導電性の第二緯糸35が含まれている例を挙げて説明したが、経糸31を構成する糸にも、緯糸33を構成する糸と同様に、導電性の糸が含まれていてもよい。
上記実施形態及び変形例では、基布3は織物である例を挙げて説明したが、編物であってもよい。
上記実施形態では、接着部として下層樹脂部4と接着樹脂部5とからなる、いわゆるダブルドットを例に挙げて説明したが、接着樹脂部5のみから構成してもよい。この場合の接着部の高さは、接着樹脂部5の高さとなる。
上記実施形態では、樹脂R1を基布3へ転写するための方法としてロータリースクリーン法を用いた例を挙げて説明したが、本発明の一側面はこれに限定されない。例えば、樹脂R1を基布3へ転写するための方法として、エンボスロール法及びスプレー法等を用いてもよい。
上記実施形態では、基布3の他方の面3b(図1参照)に、ドット状の目止め樹脂部を設けてもよい。
1…接着芯地、2…表生地、3…基布、4…下層樹脂部(樹脂部)、5…接着樹脂部(樹脂部)、10…衣料用布地、31…経糸、33…緯糸、34…第一緯糸、35…第二緯糸(導電糸)。

Claims (4)

  1. 基布と、
    前記基布の一方の面にドット状に設けられ、ポリアミドから形成される樹脂部と、を備え、
    前記基布は、導電性ポリエステルから形成される導電糸を含んでおり、前記基布のカバーファクタに対する前記導電糸のカバーファクタの割合であるカバーファクタ率Aが、0.3%以上50.0%以下であり、
    所定面積あたりの前記樹脂部の個数に占める前記導電糸上に存在する前記樹脂部の個数の割合である占有率Bが、0.1%以上0.0%以下であり、
    前記樹脂部の前記基布に対する占有率が0.2%以上である、接着芯地。
  2. 前記樹脂部の高さが、5μm以上800μm以下である、請求項1記載の接着芯地。
  3. 前記樹脂部は、前記基布の一方の面にドット状に設けられる下層樹脂部と、前記下層樹脂部の表面に設けられる接着樹脂部と、を有する、請求項1記載の接着芯地。
  4. 前記基布は、織物である、請求項1~の何れか一項に記載の接着芯地。
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