JP7405582B2 - 作用部用減速部及び建設機械 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の建設機械に係る実施形態のショベル100を側面からみた概略構成図である。なお、以下の説明では、ショベル100を操作する図示しない操作者が向いている前方を単に前方、前方とは水平方向反対側を後方と称する。路面にショベル100を配置した状態での上下方向を単に上下方向と称する。前後方向及び上下方向に直交する方向を車幅方向と称する。図1では、ショベル100を車幅方向からみた状態を示している。
旋回体103の前方側で、かつ一側の偏った位置には、操作室106が設けられている。この操作室106で操作者がショベル100を操作する。旋回体103の前方側で、かつ車幅方向略中央には、操作室106に隣り合うように、板状の支持部107が設けられている。この支持部107に、作用部104が取り付けられている。
図3は、第1減速機構部の断面図である。
各減速機構部1~3の基本的構成は同一である。このため以下では、各減速機構部1~3のうち、第1減速機構部1についてのみ説明し、第2減速機構部2及び第3減速機構部3についての説明は基本的に省略し、必要に応じて説明する。
図3に示すように、第1減速機構部1は、電動モータ(請求項の駆動部の一例)22と、電動モータ22のモータ軸22aの回転を減速して出力する減速部10と、を備える。
図4は、図3のA-A線に沿う断面図である。
図3、図4に示すように、電動モータ22は、ブーム108の第1側面108cにボルト120によって締結固定されている。ブーム108には、電動モータ22に対応する位置にブーム108の短手方向に貫通する貫通孔111が形成されている。この貫通孔111に、電動モータ22のモータ軸22aが挿入されている。モータ軸22aは、支持部107側に向かって突出されている。モータ軸22aの軸線は、支持部107に対するブーム108の回転軸線(請求項の第1回転軸線の一例)C1と一致している。なお、以下の説明では、回転軸線C1方向を単に軸方向、モータ軸22aの径方向を単に径方向、モータ軸22aの回転方向を周方向と称する。
減速部10は、ブーム108の第1側面108cとは反対側(操作室106側)の第2側面108dに固定されている。減速部10は、回転軸線C1方向で電動モータ22と並んで配置されている。減速部10の回転軸線も軸方向と一致している。
減速部10は、円筒状のケース11と、ケース11の径方向内側に配置されたキャリア14と、キャリア14を回転させる駆動力を付与する入力軸16と、入力軸16の回転数に対して所定の比率で減速された回転数でキャリア14を回転させる減速出力部18(図5参照)と、を備える。
ケース11の外周面には、径方向外側に張り出す外フランジ部11aが一体成形されている。外フランジ部11aは、軸方向に沿う断面が四角形状に形成されている。軸方向で外フランジ部11aのブーム108側の端面11bに、ブーム108の第2側面108dが重ね合わされている。そして、ボルト121によって、ブーム108にケース11が締結固定されている。ケース11の内周面には、内歯24が設けられている。内歯24は、ケース11の内周面に設けられたピン状(円柱状)の歯である。内歯24は、周方向に等間隔をあけて複数配置されている。
キャリア14は、軸方向に間隔をおいて配置された一対の主軸受(請求項の軸受の一例)26によってケース11に回転自在に支持されている。主軸受26は、例えばアンギュラ玉軸受である。キャリア14は、ケース11及び回転軸線C1と同軸上に配置されている。
柱部33は、周方向に等間隔で配置されている。柱部33と端板部30とは、柱部33の先端面が端板部30に重ね合わされた状態でボルト34によって互いに締結固定されている。この状態で、基板部32と端板部30との間には、軸方向に所定幅を有する空間が形成されている。
なお、柱部33を基板部32と一体に形成しなくてもよい。この場合、柱部33は基板部32と締結される。また、柱部33は、円柱状に限られるものではない。柱部33によって、基板部32と端板部30との間に、軸方向に所定幅を有する空間が形成されればよい。
また、端板部30及び基板部32には、減速出力部18の後述するクランク軸46が挿入される貫通孔30c,32bがそれぞれ複数(例えば、本実施形態では3つ)形成されている。貫通孔30c,32bは、周方向に等間隔で配置されている。
さらに、端板部30及び基板部32の径方向中央には、軸方向に貫通する貫通孔30b,32aが形成されている。これら貫通孔30b,32aに、入力軸16が挿入される。入力軸16は、ケース11及び回転軸線C1と同軸上に配置されている。
入力軸16の電動モータ22とは反対側(支持部107側)の先端部16bは、基板部32の貫通孔32a内に配置されている。入力軸16の先端部16bには、外歯車からなる駆動歯車42が一体的に設けられている。
このようなキャリア14を回転させる減速出力部18は、入力軸16の回転数に対して所定の比率で減速された回転数でキャリア14を回転させる。減速出力部18は、駆動歯車42と噛合う複数(例えば、本実施形態では3つ)の伝達歯車44と、伝達歯車44に一端が固定された複数(例えば、本実施形態では3つ)のクランク軸46と、クランク軸46の回転に伴って揺動回転する第1外歯歯車(請求項の外歯部材の一例)48a及び第2外歯歯車(請求項の外歯部材の一例)48bと、を備える。
クランク軸46は、入力軸16と平行に配置されている。つまり、クランク軸46は、回転軸線C1と平行なクランク回転軸線(請求項の第2回転軸線の一例)C20を中心に回転する。クランク軸46は、第1クランク軸受51を介して端板部30に回転自在に支持されている。また、クランク軸46は、第2クランク軸受52を介して基板部32に回転自在に支持されている。第1クランク軸受51及び第2クランク軸受52は、例えば円錐ころ軸受である。
第1外歯歯車48a及び第2外歯歯車48bには、入力軸16が挿入される第1貫通孔48cと、柱部33が挿入される第2貫通孔48dと、クランク軸46の偏心部46a,46bが挿入される第3貫通孔48eと、が形成されている。
第2クランク軸受52と第2ころ軸受55bとの間には、第2ワッシャ60が設けられている。第2ワッシャ60は、クランク軸46の外周面に嵌め合わされている。第2ワッシャ60は、第1偏心部46aとは反対側の第2偏心部46bの端面に配置されている。第2ワッシャ60の外径は、第1ワッシャ59の外径と同じである。
上述したように、第2減速機構部2及び第3減速部機構部3の基本的構成は、第1減速機構部1の構成と同一である。しかしながら、第2減速機構部2及び第3減速部機構部3の取り付け向きは、第1減速機構部1と異なる。以下、図3を援用し図2に基づいて、第2減速機構部2及び第3減速機構部3の配置について説明する。
なお、第2減速機構部2及び第3減速機構部3の符号、及びこれら減速機構部2,3を固定するためのボルトの符号は、前述の第1減速機構部1の符号と同一符号を付して説明する。
第2減速機構部2では、電動モータ22は、ブーム108の第2側面108dにボルト120によって締結固定されている。すなわち、第2減速機構部2の電動モータ22は、ブーム108から操作室106側に向かって突出されている。
さらに、第2減速機構部2における基板部32の端板部30とは反対側の面32cには、アーム109の第1側面109cが重ね合わされている。この状態で、基板部32は、アーム109の第1側面109cにボルト122によって締結固定されている。
第3減速機構部3では、電動モータ22は、バケット110に設けられた取付ステー112の操作室106側の第1側面112aにボルト120によって締結固定されている。すなわち、第3減速機構部3の電動モータ22は、アーム109から操作室106側に向かって突出されている。
さらに、第3減速機構部3における基板部32の端板部30とは反対側の面32cには、アーム109の第1側面109cが重ね合わされている。この状態で、基板部32は、アーム109の第1側面109cにボルト122によって締結固定されている。
次に、作用部104の動作について説明する。
まず、第1減速機構部1を駆動させた場合について説明する。
第1減速機構部1の電動モータ22を駆動させると、モータ軸22aと一体となって入力軸16が駆動される。すると、入力軸16の回転により駆動歯車42を介して伝達歯車44が回転される。これにより、クランク軸46が伝達歯車44と一体的にクランク回転軸線C20を中心に回転する。
これは、第3減速機構部3の電動モータ22も同様である。第3減速機構部3の電動モータ22もアーム109から操作室106側に向かって突出されているので、電動モータ22の損傷を抑制できる。
次に、図5に基づいて実施形態の第1変形例について説明する。
図5は、第1変形例におけるショベル100を上方からみた概略構成図である。なお、実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の変形例も同様)。
上述の実施形態と変形例との相違点は、ブーム108、アーム109、及びバケット110の位置が異なる点、第2減速機構部2及び第3減速機構部3の向きが異なる点にある。
また、第2減速機構部2のケース11に一体成形されている外フランジ部11aには、ブーム108側の端面11bに、ブーム108の第2側面108dが重ね合わされている。そして、ボルト121によって、ブーム108にケース11が締結固定されている。
さらに、第2減速機構部2における基板部32の端板部30とは反対側の面32cには、アーム109の第2側面109dが重ね合わされている。この状態で、基板部32は、アーム109の第2側面109dにボルト122によって締結固定されている。
また、第3減速機構部3のケース11に一体成形されている外フランジ部11aには、バケット110の取付ステー112側の端面11bに、取付ステー112の第1側面112aが重ね合わされている。そして、ボルト121によって、バケット110にケース11が締結固定されている。
さらに、第3減速機構部3における基板部32の端板部30とは反対側の面32cには、アーム109の第2側面109dが重ね合わされている。この状態で、基板部32は、アーム109の第2側面109dにボルト122によって締結固定されている。
また、アーム109は、ブーム108の短手方向で操作室106側の第2側面108dに取り付けられている。バケット110は、アーム109の短手方向で操作室106とは反対側の第2側面109dに取り付けられている。そして、第2減速機構部2では、ブーム108から操作室106とは反対側に向かって電動モータ22が突出された形になる。第3減速機構部3では、アーム109から操作室106とは反対側に向かって電動モータ22が突出された形になる。このため、操作室106からの視界が電動モータ22によって妨げられてしまうことを抑制できる。よって、ショベル100の操作性を向上できる。
次に、図6に基づいて実施形態の第2変形例について説明する。
図6は、第2変形例における作用部104を上方からみた概略構成図である。
図6に示すように、実施形態と第2変形例との相違点は、実施形態の作用部104は、ブーム108の第1側面108cにアーム109が配置されブーム108に対してアーム109が片持ち支持されているのに対し、第2変形例ではブーム108に対してアーム109が両持ち支持されている点にある。また、実施形態の作用部104は、アーム109の第1側面109cにバケット110が配置されアーム109に対してバケット110が片持ち支持されているのに対し、第2変形例ではアーム109に対してバケット110が両持ち支持されている点にある。
また、ブーム108に対してアーム109が両持ち支持されているとともにアーム109に対してバケット110が両持ち支持されている。このため、前述の実施形態と比較して支持部207a,207bとブーム108との連結部、ブーム108(ブーム支持部208a,208b)とアーム109との連結部、及びアーム109とバケット110(バケット支持部212a,212b)との連結部の強度を高めることができる。また、作用部104の動作を安定させることができる。
例えば上述の実施形態及び各変形例では、建設機械はショベル100である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ブルドーザ、モータグレーダ、フォークリフト、ホイールローダ等さまざまな建設機械に上記の減速機構部1~3の構成を採用することができる。建設機械の用途の応じ、バケット110に代えて、さまざまな工具(フック等、さまざまなアタッチ)を取り付けることが可能である。
上述の実施形態及び各変形例では、作用部104は、ブーム108、アーム109、及びバケット110で構成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、作用部104の少なくとも一部が減速機構部1~3を介して回転自在(揺動自在)に設けられていればよい。
Claims (4)
- 建設機械の本体部に取り付けられた2つの作用部を相対回転駆動させる作用部用減速部であって、
相対回転する第1部材及び第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間に配置され駆動部の動力を受けて回転する少なくとも1本のクランク軸と、
を備え、
前記第1部材は前記作用部の一方に固定され、
前記第2部材は前記作用部の他方に固定され、
前記クランク軸の少なくとも一部は、前記一方の作用部における前記第1部材及び前記第2部材側の端面よりも前記一方の作用部側に配置されている
作用部用減速部。 - 前記クランク軸を複数有し、
前記クランク軸によって揺動回転する外歯を有する外歯部材を 有し、
前記第1部材は、前記外歯と噛み合う内歯を有するケースであり、
前記第2部材は、前記クランク軸を回転自在に支持するとともに前記第1部材に軸受を介して回転自在に支持され、前記クランク軸によって前記ケースに対して減速回転するキャリアである
請求項1に記載の作用部用減速部。 - 請求項1に記載の作用部用減速部が搭載された建設機械であって、
前記駆動部は、前記第1部材に固定されている
建設機械。 - 請求項1に記載の作用部用減速部が搭載された建設機械であって、
前記作用部は、
前記本体部に回転自在に支持された一方向に長いブームと、
前記ブームの前記本体部とは反対側で、かつ前記ブームにおける短手方向の側面に回 転自在に支持されたアームと、
前記アームの前記ブームとは反対側で前記ブームが配置された前記側面と同一側面に 回転自在に支持されたアタッチと、
を含み、
前記ブームの前記アーム側の端部で、かつ前記側面とは反対側に前記アームを駆動するアーム用の前記駆動部を固定し、
前記アタッチのうち前記アーム用の前記駆動部が固定されている側と同一側面にアタッチ用の前記駆動部が配置されている
建設機械。
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