JP7403148B2 - 膨張弁 - Google Patents

膨張弁 Download PDF

Info

Publication number
JP7403148B2
JP7403148B2 JP2019167482A JP2019167482A JP7403148B2 JP 7403148 B2 JP7403148 B2 JP 7403148B2 JP 2019167482 A JP2019167482 A JP 2019167482A JP 2019167482 A JP2019167482 A JP 2019167482A JP 7403148 B2 JP7403148 B2 JP 7403148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
buffer space
valve body
inner diameter
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019167482A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021042844A (ja
Inventor
潤哉 早川
欣也 奥津
耕平 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikoki Corp
Original Assignee
Fujikoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikoki Corp filed Critical Fujikoki Corp
Priority to JP2019167482A priority Critical patent/JP7403148B2/ja
Publication of JP2021042844A publication Critical patent/JP2021042844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7403148B2 publication Critical patent/JP7403148B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Temperature-Responsive Valves (AREA)
  • Details Of Valves (AREA)

Description

本発明は、膨張弁に関する。
従来、自動車に搭載される空調装置等に用いる冷凍サイクルにおいては、冷媒の通過量を温度に応じて調整する感温式の温度膨張弁が使用されている。このような温度膨張弁において、封入した作動ガスの圧力で弁体を駆動するパワーエレメントが採用されている。
パワーエレメントの一タイプは、ダイアフラムと、前記ダイアフラムとの間で作動ガスが封入される圧力作動室を形成する上蓋部材と、中央部に貫通孔を備えるとともに前記ダイアフラムに関して前記上蓋部材と反対側に配置される受け部材と、前記ダイアフラムと前記受け部材との間に形成される下部空間に配置され、弁体を駆動する作動棒に連結されたストッパ部材と、を備える。
下部空間に流入する冷媒の温度が低ければ、圧力作動室の作動ガスから熱を奪うことで収縮が生じ、また該冷媒の温度が高ければ、圧力作動室の作動ガスに熱を付与することで膨張が生じる。作動ガスの収縮/膨張に応じてダイアフラムが変形するため、その変形量に応じて、ストッパ部材及び作動棒を介して弁体を開閉させることができ、それにより膨張弁を通過する冷媒の流量調整を行うことができる。
ところで、膨張弁を通過する冷媒の温度は一定ではなく、冷凍サイクルの負荷に応じて変化する。ここで、下部空間に流入する冷媒と圧力作動室との間の伝熱量が大きすぎると、冷媒の温度に作動ガスが敏感に反応して膨張/収縮を繰り返し、弁体の開閉を繰り返す、所謂ハンチング現象を招く虞がある。
特許文献1には、ハンチング現象を抑制するために、第2の通路から感温室に導入された冷媒を、連通孔を介して感温室から第2の通路の下流へと排出させる膨張弁が開示されている。
特開2016-90067号公報
特許文献1の膨張弁によれば、第2の通路を流れる冷媒を感温室に導入した後に、連通孔を介して液冷媒を第2の通路の下流へと積極的に排出させることで、ハンチング現象を抑制する効果があるとされる。
しかしながら、かかる従来技術の膨張弁においては、感温室内の冷媒を連通孔を介して積極的に排出するため、感温室内は常に新しい冷媒が供給されることとなる。そのため、第2の通路を流れる冷媒が温度変化を繰り返した場合、感温用のガスとの間における伝熱量が増えることで、かえってハンチング現象を悪化させるという問題がある。かかる問題は、感温室に向かう冷媒の流速が比較的速い場合に特に生じやすい。
そこで本発明は、ハンチング現象を抑制しつつ冷媒量を効果的に制御可能な膨張弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による膨張弁は、
冷媒が進入する冷媒流入室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記冷媒流入室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、
前記ダイアフラムの変位に応じて移動する作動棒と、
冷媒が通過する冷媒通路と、前記冷媒流入室に連通する空間を内部に持ち前記ケースが取り付けられる凹部と、弁座とを備えた弁本体と、
前記弁座に着座可能となるよう前記弁本体に取り付けられ、前記作動棒により駆動される弁体と、を有し、
前記弁本体における前記冷媒通路と前記凹部との間には、緩衝空間が設けられており、前記冷媒通路と前記緩衝空間とは第1の連通路により接続され、前記緩衝空間と前記凹部とは第2の連通路により接続されており、
前記緩衝空間は、前記第1の連通路の内径、および前記第2の連通路の内径より大きい全長を有し、
前記第1の連通路及び前記第2の連通路は、第1の軸線を軸心とする円筒形状を有し、前記緩衝空間は、前記第1の軸線に直交する第2の軸線を軸心とする円筒形状を有し、且つ前記冷媒通路に並行して延在しており、
前記第2の軸線に沿った前記緩衝空間の全長は、前記第1の連通路の内径及び前記第2の連通路の内径より大きい、ことを特徴とする。
また本発明による膨張弁は、
冷媒が進入する冷媒流入室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記冷媒流入室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、
前記ダイアフラムの変位に応じて移動する作動棒と、
冷媒が通過する冷媒通路と、前記冷媒流入室に連通する空間を内部に持ち前記ケースが取り付けられる凹部と、弁座とを備えた弁本体と、
前記弁座に着座可能となるよう前記弁本体に取り付けられ、前記作動棒により駆動される弁体と、を有し、
前記弁本体における前記冷媒通路と前記凹部との間には、緩衝空間が設けられており、前記冷媒通路と前記緩衝空間とは第1の連通路により接続され、前記緩衝空間と前記凹部とは第2の連通路により接続されており、
前記緩衝空間は、前記第1の連通路の内径、および前記第2の連通路の内径より大きい全長を有し、
前記緩衝空間、前記第1の連通路及び前記第2の連通路は、互いに平行する軸線を軸心とする円筒形状を有し、
前記緩衝空間の内径は、前記第1の連通路の内径及び前記第2の連通路の内径より大きい、ことを特徴とする。
本発明により、ハンチング現象を抑制しつつ冷媒量を効果的に制御可能な膨張弁を提供することができる。
図1は、第1実施形態における膨張弁を、冷媒循環システムに適用した例を模式的に示す概略断面図である。 図2は、パワーエレメントの周辺を示す拡大断面図である。 図3は、第1実施形態の変形例にかかる膨張弁の、図2と同様な拡大断面図である。 図4は、第2実施形態にかかる膨張弁の断面図である。 図5は、第2実施形態にかかる弁本体の上部断面図である。 図6は、第3実施形態にかかる膨張弁の上部拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態について説明する。
(方向の定義)
本明細書において、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と定義し、作動棒5から弁体3に向かう方向を「下方向」と定義する。よって、本明細書では、膨張弁1の姿勢に関わらず、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と呼ぶ。
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態におけるパワーエレメントを含む膨張弁1の概要について説明する。図1は、本実施形態における膨張弁1を、冷媒循環システム100に適用した例を模式的に示す概略断面図である。本実施例では、膨張弁1は、コンプレッサ101と、コンデンサ102と、エバポレータ104とに流体接続されている。膨張弁1の軸線をLとする。
図1において、膨張弁1は、弁室VSを備える弁本体2と、弁体3と、付勢装置4と、作動棒5と、パワーエレメント8を具備する。
弁本体2は、弁室VSに加え、第1流路21と、第2流路22と、中間室221と、戻り流路(冷媒通路ともいう)23とを備える。第1流路21は供給側流路であり、弁室VSには、供給側流路を介して冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路22は排出側流路であり、弁室VS内の流体は、弁通孔27、中間室221及び排出側流路を介して膨張弁外に排出される。
第1流路21と弁室VSとの間は、第1流路21より小径の接続路21aにより連通している。弁室VSと中間室221との間は、弁座20及び弁通孔27を介して連通している。
中間室221の上方に形成された作動棒挿通孔28は、作動棒5をガイドする機能を有し、作動棒挿通孔28の上方に形成された環状凹部29は、リングばね6を収容する機能を有する。リングばね6は、作動棒5の外周に複数のばね片を当接させて、所定の付勢力を付与するものである。
弁体3は弁室VS内に配置される。弁体3が弁本体2の弁座20に着座しているとき、弁通孔27の冷媒の流れが制限される。この状態を非連通状態という。ただし、弁体3が弁座20に着座した場合でも、制限された量の冷媒を流すこともある。一方、弁体3が弁座20から離間しているとき、弁通孔27を通過する冷媒の流れが増大する。この状態を連通状態という。
作動棒5は、弁通孔27に所定の隙間を持って挿通されている。作動棒5の下端は、弁体3の上面に接触している。作動棒5の上端は、後述するストッパ部材84の嵌合孔84cに嵌合している。
作動棒5は、付勢装置4による付勢力に抗して弁体3を開弁方向に押圧することができる。作動棒5が下方向に移動するとき、弁体3は、弁座20から離間し、膨張弁1が開状態となる。
図1において、付勢装置4は、断面円形の線材を螺旋状に巻いたコイルばね41と、弁体サポート42と、ばね受け部材43とを有する。
弁体サポート42は、コイルばね41の上端に取り付けられており、その上面には球状の弁体3が溶接され、両者は一体となっている。
コイルばね41の下端を支持するばね受け部材43は、弁本体2に対して螺合可能となっていて、弁室VSを密封する機能と、コイルばね41の付勢力を調整する機能とを有する。
次に、パワーエレメント8について説明する。図2は、パワーエレメント8の周辺を示す拡大断面図である。パワーエレメント8は、栓81と、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86と、ストッパ部材84とを有する。上蓋部材82と受け部材86とでケースを構成する。
略円錐形状の上蓋部材82の頂部には開口82aが形成され、栓81により封止可能となっている。
ダイアフラム83は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い金属(たとえばSUS)製の板材からなり、上蓋部材82及び受け部材86の外径とほぼ同じ外径を有する。
受け部材86は、例えば金属製の板材をプレス成形することによって形成され、上蓋部材82のフランジ部82bの外径とほぼ同じ外径を持つフランジ部86aと、フランジ部86aの下面中央に連設された中空円筒部86bとを有している。中空円筒部86bの外周には、雄ねじ86cが形成されており、また中空円筒部86bが取り付けられる弁本体2の凹部2aの内周には、雌ねじ2cが形成されている。
ストッパ部材84は、円筒状の本体84aと、本体84aの上端から径方向に延在するフランジ部84bと、本体84aの下面中央に形成された袋穴状の嵌合孔84cとを有する。フランジ部84bはダイアフラム83の下面中央と接している。
凹部2aと戻り流路23との間には、有底横穴230が形成されている。有底横穴230の軸線(第2の軸線)Oは、軸線(第1の軸線)Lに直交し且つ戻り流路23の軸線Qに対して平行であり、図2に一点鎖線で示すドリルDRを用いて弁本体2に対して穿孔加工することによって形成できる。このため、弁本体2の加工時のチャッキングを変更することなく、戻り流路23の穿孔加工と有底横穴230の穿孔加工を行うことができ、それにより加工工数を抑制できる。なお、有底横穴230は2本以上設けることもできる。
有底横穴230の端部は、プラグPLによって封止されている。プラグPLは、ボールBLと有底筒CYとから構成されている。有底筒CYを有底横穴230の端部に挿入した後、ボールBLを有底筒CY内へと押し込むことで有底筒CYが拡径し、プラグPLを有底横穴230の端部に固定できる。端部を閉止された有底横穴230により緩衝空間BS1が形成される。
戻り流路23と有底横穴230との間には、軸線Lを軸心とする第1の円筒孔(第1の連通孔)2bが形成されている。また、有底横穴230と凹部2aとの間には、軸線Lを軸心とする第2の円筒孔(第2の連通孔)2dが形成されている。作動棒5は、第1の円筒孔2b、有底横穴230、第2の円筒孔2dを通って、ストッパ部材84まで延在する。
ここで、緩衝空間BS1の全長(有底横穴230の底部からプラグPLまでの距離)LGは、第1の円筒孔2bの内径φ1、第2の円筒孔2dの内径φ2、及び凹部2aの内径φ3よりも大きくなっている(LG>φ1、φ2、φ3)
なお、第1の円筒孔2bと第2の円筒孔2dは、軸線Lに沿って不図示の旋削工具を弁本体2に対して進行させることで一度に形成でき、その場合、第1の円筒孔2bと第2の円筒孔2dは、戻り流路23と凹部2aとを連通する単一円筒形状の一部となり、従ってφ1=φ2となる。
かかる場合、有底横穴230の内径が、第1の円筒孔2bの内径φ1(すなわち第2の円筒孔2dの内径φ2)より小さいときは、該単一円筒形状の周面に有底横穴230が交差して貫通する構成となる。このとき、有底横穴230の上端と下端とをそれぞれ通過する、軸線Lに直交する仮想面で該単一円筒形状を三分割することによって、該単一円筒形状の下部を第1の連通孔とし、該単一円筒形状の上部を第2の連通孔とし、該単一円筒形状の中央部及びそれを貫通する有底横穴230を緩衝空間とすることができる。
次に、パワーエレメント8の組み立て手順を説明する。ダイアフラム83と受け部材86との間にストッパ部材84を配置しつつ、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86のそれぞれ外周部を重ね合わせ、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化する。
続いて、上蓋部材82に形成された開口82aから、上蓋部材82とダイアフラム83とで囲われる空間(圧力作動室POという)内に作動ガスを封入した後、開口82aを栓81で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓81を上蓋部材82に固定する。
このとき、圧力作動室POに封入された作動ガスにより、ダイアフラム83は、受け部材86側に張り出す形で圧力を受けるため、ダイアフラム83と受け部材86とで囲われる下部空間(冷媒流入室)LSに配置されたストッパ部材84の上面と当接して支持される。
以上のようにアッセンブリ化したパワーエレメント8を、弁本体2に組み付けるときは、受け部材86の中空円筒部86bの下端外周の雄ねじ86cを、弁本体2の凹部2aの内周に形成した雌ねじ2cに螺合させる。中空円筒部86bの雄ねじ86cを雌ねじ2cに対して螺進させてゆくと、受け部材86のフランジ部86aが弁本体2の上端面に当接する。これによりパワーエレメント8を弁本体2に固定できる。
このとき、パワーエレメント8と弁本体2との間には、パッキンPKが介装され、下部空間LSにつながる凹部2a内の空間が封止されて、凹部2aからの冷媒のリークを防止する。かかる状態で、パワーエレメント8の下部空間LSは、第2の円筒孔2d、有底横穴230、第1の円筒孔2bを介して戻り流路23と連通している。
(膨張弁の動作)
図1を参照して、膨張弁1の動作例について説明する。コンプレッサ101で加圧された冷媒は、コンデンサ102で液化され、膨張弁1に送られる。また、膨張弁1で断熱膨張された冷媒はエバポレータ104に送り出され、エバポレータ104で、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。エバポレータ104から戻る冷媒は、膨張弁1(より具体的には、戻り流路23)を通ってコンプレッサ101側へ戻される。このとき、エバポレータ104を通過することで、第2流路22内の流体圧は、戻り流路23の流体圧より大きくなる。
膨張弁1には、コンデンサ102から高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサ102からの高圧冷媒は、第1流路21を介して弁室VSに供給される。
弁体3が、弁座20に着座しているとき(非連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通ってエバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が制限される。他方、弁体3が、弁座20から離間しているとき(連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通って、エバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が増大する。膨張弁1の閉状態と開状態との間の切り換えは、ストッパ部材84を介してパワーエレメント8に接続された作動棒5によって行われる。
図1において、パワーエレメント8の内部には、ダイアフラム83により仕切られた圧力作動室POと下部空間LSとが設けられている。このため、圧力作動室PO内の作動ガスが液化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が上昇するため、コイルばね41の付勢力に応じて作動棒5は上方向に移動する。一方、液化された作動ガスが気化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が下方に押圧されるため、作動棒5は下方向に移動する。こうして、膨張弁1の開状態と閉状態との間の切り換えが行われる。
更に、パワーエレメント8の下部空間LSは、戻り流路23と連通している。このため、戻り流路23を流れる冷媒の温度・圧力に応じて、圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化し、作動棒5が駆動される。換言すれば、図1に記載の膨張弁1では、エバポレータ104から膨張弁1に戻る冷媒の温度・圧力に応じて、膨張弁1からエバポレータ104に向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
本実施の形態によれば、戻り流路23と下部空間LSとの間には、緩衝空間BS1が形成されている。更に、緩衝空間BS1の全長LGは、第1の円筒孔2bの内径φ1、第2の円筒孔2dの内径φ2、及び凹部2aの内径φ3よりも大きくなっており、このため緩衝空間BS1の容積は比較的大きくなっている。
戻り流路23から第1の円筒孔2bを介して緩衝空間BS1に流入した冷媒は、その内部にて滞留していた冷媒と混合され、そのうちの一部が下部空間LSへと向かうこととなる。このため、温度が変化した冷媒が高い流速で戻り流路23を通過した場合にも、緩衝空間BS1にて温度変化及び流速が緩和された冷媒を下部空間LSへと進入させることができ、それにより圧力作動室PO内のガス圧変化を抑制して、弁体3のハンチング現象を抑えることができる。
(変形例)
図3は、本実施形態の変形例にかかる膨張弁1Aの、図2と同様な拡大断面図である。本変形例においては、有底横穴230の端部に、プラグの代わりに、ねじ部材(調整部材)SCを配置した点が異なる。有底横穴230の端部には、雌ねじ部231が形成されている。
略円筒形状のねじ部材SCは、工具受け部SC1と、雌ねじ部231に螺合する雄ねじ部SC2と、円筒部SC3とを連設している。円筒部SC3は周溝SC4を有し、周溝SC4内にはO-リングOR1が配置され、有底横穴230の内周とねじ部材SCとの間を密封している。それ以外の構成については、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
緩衝空間は、その容積が大きいほどハンチング現象を抑制する効果があるが、容積が大きくなりすぎると冷媒の温度変化に鈍感となって、弁体3の開弁反応が遅れる虞がある。このため緩衝空間の容積は、冷凍サイクルの仕様などに応じて決定されるが、部品共通化の観点から、異なる仕様の冷凍サイクルにおいても共通する膨張弁を使用したい場合もある。
これに対し本変形例によれば、緩衝空間BS1’の容積を変更することができる。具体的には、不図示の工具を工具受け部SC1に嵌合させて、ねじ部材SCを回転させることで螺動させ、有底横穴230の軸線Oに対して相対移動させることができる。これにより、緩衝空間BS1’の全長LG’(有底横穴230の底部とねじ部材SCの距離)が変化するため、例えば冷凍サイクルの仕様に応じて緩衝空間BS1’の最適な容積に調整して、ハンチング現象を抑制しつつも適切な開弁動作を確保することができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかる膨張弁1Bの断面図である。図5は、本実施形態にかかる弁本体2Bの上部断面図である。本実施形態では、弁本体2Bにおいて、凹部2aと戻り流路23との間には、軸線Lを軸心とする円盤状孔240が形成されている。円盤状孔240内が緩衝空間BS2を構成する。
円盤状孔240は、図5において、凹部2aを通して中ぐり加工工具(不図示)を矢印Aで示すように挿入し、旋削加工を行うことで形成できる。
円盤状孔240と戻り流路23との間には、軸線Lを軸心とする第1の円筒孔(第1の連通孔)2Bbが形成されている。また、円盤状孔240と凹部2aとの間には、軸線Lを軸心とする第2の円筒孔(第2の連通孔)2Bdが形成されている。
ここで、緩衝空間BS2の内径φ4は、第1の円筒孔2Bbの内径φ5、第2の円筒孔2Bdの内径φ6、及び凹部2aの内径φ3よりも大きくなっている(φ4>φ5、φ6、φ3)。それ以外の構成については、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
本実施の形態によれば、戻り流路23から第1の円筒孔2Bbを介して緩衝空間BS2に流入した冷媒は、その内部にて滞留していた冷媒と混合され、そのうちの一部が下部空間LSへと向かうこととなる。このため、圧力作動室PO内のガス圧変化を抑制して、弁体3のハンチング現象を抑えることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態にかかる膨張弁1Cの上部拡大断面図である。本実施の形態では、弁本体2Cの上面から、戻り流路23に向かって有底円筒孔250(内径をφ7とする)が形成されている。有底円筒孔250の上部内周には環状部材260が嵌合し、ろう付けなどの固着手段を介して両者が固定されている。戻り流路23と有底円筒孔250とは、第1の円筒孔(第1の連通孔)2Cb(内径をφ8とする)により連通している。
環状部材260は周溝261を有し、周溝261内にはO-リングOR2が配置されており、環状部材260の外周と有底円筒孔250との間を密封している。また、環状部材260の内周には雌ねじ262が形成され、パワーエレメント8の受け部材86の雄ねじ86cと螺合している。環状部材260と受け部材86との間にはパッキンPKが配置され、外部への冷媒漏れを阻止している。
環状部材260の雌ねじ262の内周が凹部(内径をφ9とする)を構成し、環状部材260の内周下端263が第2の連通孔(内径をφ10とする)を構成し、環状部材260より下方の有底円筒孔250が、緩衝空間BS3を構成する。緩衝空間BS3の内径φ7を、例えば10mmとすることができ、また緩衝空間BS3の高さを2mmとすることができるが、これらの寸法は特に制限されない。
ここで、緩衝空間BS3の内径φ7は、第1の円筒孔2Cbの内径φ8、環状部材260の内周下端263の内径φ10、及び雌ねじ262の内周内径φ9よりも大きくなっている(φ7>φ8、φ9、φ10)。それ以外の構成については、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様な効果を発揮することに加え、環状部材260を用いることで、中ぐり加工を省略することができ、製造工数の低減を図ることができる。
なお、環状部材260の外周に雄ねじを形成する一方で、有底円筒孔250の内周に雌ねじを形成し、両者を螺合することにより環状部材260を有底円筒孔250に取り付けることができる。かかる場合、環状部材260を有底円筒孔250に対して螺進させることで、緩衝空間BS3の高さが変更し、すなわち容積を可変とすることができる。かかる構成においては、環状部材260が調整部材を構成することとなる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。例えば緩衝空間、第1の連通路及び第2の連通路は、互いに平行する軸線を軸心とする円筒形状を有していてもよい。
1、1A、1B,1C :膨張弁
2,2B,2C :弁本体
3 :弁体
4 :付勢装置
5 :作動棒
6 :リングばね
8 :パワーエレメント
20 :弁座
21 :第1流路
22 :第2流路
221 :中間室
23 :戻り流路
27 :弁通孔
28 :作動棒挿通孔
29 :環状凹部
41 :コイルばね
42 :弁体サポート
43 :ばね受け部材
81 :栓
82 :上蓋部材
83 :ダイアフラム
84 :ストッパ部材
86 :受け部材
100 :冷媒循環システム
101 :コンプレッサ
102 :コンデンサ
104 :エバポレータ
VS :弁室

Claims (6)

  1. 冷媒が進入する冷媒流入室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記冷媒流入室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、
    前記ダイアフラムの変位に応じて移動する作動棒と、
    冷媒が通過する冷媒通路と、前記冷媒流入室に連通する空間を内部に持ち前記ケースが取り付けられる凹部と、弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁座に着座可能となるよう前記弁本体に取り付けられ、前記作動棒により駆動される弁体と、を有し、
    前記弁本体における前記冷媒通路と前記凹部との間には、緩衝空間が設けられており、前記冷媒通路と前記緩衝空間とは第1の連通路により接続され、前記緩衝空間と前記凹部とは第2の連通路により接続されており、
    前記緩衝空間は、前記第1の連通路の内径、および前記第2の連通路の内径より大きい全長を有し、
    前記第1の連通路及び前記第2の連通路は、第1の軸線を軸心とする円筒形状を有し、前記緩衝空間は、前記第1の軸線に直交する第2の軸線を軸心とする円筒形状を有し、且つ前記冷媒通路に並行して延在しており、
    前記第2の軸線に沿った前記緩衝空間の全長は、前記第1の連通路の内径及び前記第2の連通路の内径より大きい、
    ことを特徴とする膨張弁。
  2. 冷媒が進入する冷媒流入室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記冷媒流入室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、
    前記ダイアフラムの変位に応じて移動する作動棒と、
    冷媒が通過する冷媒通路と、前記冷媒流入室に連通する空間を内部に持ち前記ケースが取り付けられる凹部と、弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁座に着座可能となるよう前記弁本体に取り付けられ、前記作動棒により駆動される弁体と、を有し、
    前記弁本体における前記冷媒通路と前記凹部との間には、緩衝空間が設けられており、前記冷媒通路と前記緩衝空間とは第1の連通路により接続され、前記緩衝空間と前記凹部とは第2の連通路により接続されており、
    前記緩衝空間は、前記第1の連通路の内径、および前記第2の連通路の内径より大きい全長を有し、
    前記緩衝空間、前記第1の連通路及び前記第2の連通路は、互いに平行する軸線を軸心とする円筒形状を有し、
    前記緩衝空間の内径は、前記第1の連通路の内径及び前記第2の連通路の内径より大きい、
    ことを特徴とする膨張弁。
  3. 前記緩衝空間、前記第1の連通路及び前記第2の連通路は、共通の軸線を軸心とする、
    ことを特徴とする請求項に記載の膨張弁。
  4. 前記弁本体は、環状部材が嵌合した有底円筒孔を有し、前記有底円筒孔と前記環状部材との間に前記緩衝空間が形成され、前記環状部材の内周に前記ケースが取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項に記載の膨張弁。
  5. 前記弁本体に対して相対移動することにより、前記緩衝空間の容積を変更する調整部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の膨張弁。
  6. 前記弁本体に対して相対移動することにより、前記緩衝空間の容積を変更する調整部材を有し、前記環状部材と前記調整部材は同一部材である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の膨張弁
JP2019167482A 2019-09-13 2019-09-13 膨張弁 Active JP7403148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019167482A JP7403148B2 (ja) 2019-09-13 2019-09-13 膨張弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019167482A JP7403148B2 (ja) 2019-09-13 2019-09-13 膨張弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021042844A JP2021042844A (ja) 2021-03-18
JP7403148B2 true JP7403148B2 (ja) 2023-12-22

Family

ID=74863030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019167482A Active JP7403148B2 (ja) 2019-09-13 2019-09-13 膨張弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7403148B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018155309A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社デンソー 温度式膨張弁

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018155309A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社デンソー 温度式膨張弁

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021042844A (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7403148B2 (ja) 膨張弁
JP7209343B2 (ja) 定圧弁
JP7190736B2 (ja) 弁装置
JP7390699B2 (ja) 膨張弁
JP7357338B2 (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP7366401B2 (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP7089769B2 (ja) 膨張弁
JP7182283B2 (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP7403168B2 (ja) 膨張弁
JP7217504B2 (ja) 膨張弁
JP7489703B2 (ja) 膨張弁
JP7300705B2 (ja) 膨張弁
JP7349706B2 (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP7153912B2 (ja) 膨張弁
JP7373857B2 (ja) パワーエレメント及びそれを用いた膨張弁
JP2022163447A (ja) 膨張弁
JP6788887B2 (ja) 膨張弁
JP2024026258A (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP6846875B2 (ja) 膨張弁
JP7153911B2 (ja) 膨張弁
JP7325083B2 (ja) 膨張弁及びその製造方法
CN108375251B (zh) 热力膨胀阀及其制造方法
JP7249301B2 (ja) 調整ねじ機構の固定構造及び弁装置並びに冷凍サイクルシステム
JP7266283B2 (ja) 弁装置
JP2022184379A (ja) 膨張弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220628

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7403148

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150