JP2022184379A - 膨張弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体振動を抑えつつ弁体の開閉動作をスムーズに行える膨張弁を提供する。【解決手段】膨張弁は、弁座及び弁室を備えた弁本体と、前記弁座に着座することにより流体の通過を制限し、前記弁座から離間することにより前記流体の通過を許容する弁体と、前記弁体を前記弁座に向かう所定方向に付勢する付勢装置と、を有し、前記付勢装置は、前記弁体を支持する弁体サポートと、前記弁体サポートを前記所定方向に付勢するコイルばねと、前記弁本体に対して固定され前記弁体サポートを案内するガイドスリーブと、を有し、前記弁体サポートと前記ガイドスリーブとは、前記コイルばねの周囲において摺動する摺動面を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、膨張弁に関する。
従来、自動車に搭載される空調装置等に用いる冷凍サイクルにおいては、冷媒の通過量を温度に応じて調整する感温式の膨張弁が使用されている。
例えば特許文献1に示す膨張弁においては、高圧の冷媒が導入される入口ポートと入口ポートに連通する弁室とを有するとともに、弁本体の頂部には、パワーエレメントと称する弁部材の駆動機構が装備される。弁室内に配設される球状の弁体は、弁室に開口する弁座に対向し、パワーエレメントにより作動棒を介して駆動され、弁座との間の絞り通路の開度を制御する。
開弁時に、作動棒により弁体がわずかに押圧されて弁座から微小距離だけ離間したとき、弁座と弁体との間の隙間は、軸線回りにおいて不均一となる。そのため、弁体周囲を通過する冷媒の量も不均一となって、弁体は様々な方向から異なる流体圧力を受ける。
一方、弁体に当接する作動棒は、弁本体の挿通孔に挿通されて案内されているが、作動棒の相対摺動を阻止しないように、挿通孔と作動棒との間には、ある程度のクリアランスが設けられている。このクリアランス分だけ、作動棒は挿通孔に対して軸線直交方向に相対移動しうるため、上述のように弁体が周囲から流体圧力を受けたときに、作動棒により弁体を拘束することは困難である。したがって、流体圧力を受けた弁体が作動棒とともに軸線方向及び軸線直交方向に不規則に移動する、いわゆる弁体振動を招くこととなる。
このような弁体振動を防止するため、特許文献1には、弁本体に固定される調整ねじにガイド部を設け、このガイド部を、弁体を支持する支持部材に嵌合させることにより、弁体の軸線方向の案内を行うとともに、軸線直交方向への移動を抑制する技術が開示されている。
特許第6745636号明細書
ここで、特許文献1の技術においては、ガイド部をコイルばねの内側に配置しているため、膨張弁の小型化に貢献しうるが、そのためにガイド部と支持部材との摺動面積を大きく確保できないという課題がある。また、ガイド部と支持部材との嵌合径が小さいと、支持部材が軸線に対して傾きやすく、それにより摺動面間で、渋りが生じやすいという課題もある。
そこで本発明は、弁体振動を抑えつつ弁体の開閉動作をスムーズに行える膨張弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による膨張弁は、
弁座及び弁室を備えた弁本体と、
前記弁座に着座することにより流体の通過を制限し、前記弁座から離間することにより前記流体の通過を許容する弁体と、
前記弁体を前記弁座に向かう所定方向に付勢する付勢装置と、を有し、
前記付勢装置は、前記弁体を支持する弁体サポートと、前記弁体サポートを前記所定方向に付勢するコイルばねと、前記弁本体に対して固定され前記弁体サポートを案内するガイドスリーブと、を有し、
前記弁体サポートと前記ガイドスリーブとは、前記コイルばねの周囲において摺動する摺動面を備えることを特徴とする。
本発明により、弁体振動を抑えつつ弁体の開閉動作をスムーズに行える膨張弁を提供することができる。
図1は、本実施形態における膨張弁を、冷媒循環システムに適用した例を模式的に示す概略断面図である。 図2は、図1の膨張弁における付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図3は、第2実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図4は、第3実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図5は、第4実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図6は、第5実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図7は、第6実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図8は、本実施形態にかかるガイドスリーブを溝のある方向から側面視した図である。 図9は、本実施形態にかかるガイドスリーブを底面視した図である。 図10は、第7実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。 図11は、本実施形態にかかるばね受け部材を平面視した図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態について説明する。
(方向の定義)
本明細書において、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と定義し、作動棒5から弁体3に向かう方向を「下方向」と定義する。よって、本明細書では、膨張弁1の姿勢に関わらず、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と呼ぶ。
(第1実施形態)
図1、2を参照して、本実施形態における膨張弁1の概要について説明する。図1は、本実施形態における膨張弁1を、冷媒循環システム100に適用した例を模式的に示す概略断面図である。図2は、図1の膨張弁における付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。
本実施形態では、膨張弁1は、コンプレッサ101と、コンデンサ102と、エバポレータ104とに流体接続されている。膨張弁1の軸線をLとする。
図1において、膨張弁1は、弁室VSを備える弁本体2と、弁体3と、付勢装置4と、作動棒5と、パワーエレメント8を具備する。
弁本体2は、弁室VSに加え、第1流路21と、第2流路22と、中間室221と、戻り流路23とを備える。第1流路21は供給側流路であり、弁室VSには、供給側流路を介して冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路22は排出側流路(出口側流路ともいう)であり、弁室VS内の流体は、弁通孔27、中間室221及び排出側流路を介して膨張弁外に排出される。
第1流路21と弁室VSとの間は、第1流路21より小径の接続路(流入路)21aにより連通している。弁室VSと中間室221との間は、弁座20及び弁通孔27を介して連通している。
中間室221の上方に形成された作動棒挿通孔28は、作動棒5をガイドする機能を有し、作動棒5と作動棒挿通孔28との間には、所定のクリアランスが設けられている。作動棒挿通孔28の上方に形成された環状凹部29は、リングばね6を収容する機能を有する。リングばね6は、作動棒5の外周に複数のばね片を当接させて、所定の付勢力を付与するものである。
弁体3は弁室VS内に配置される。弁体3が弁本体2の弁座20に着座しているとき、弁通孔27の冷媒の流れが制限される。この状態を非連通状態という。ただし、弁体3が弁座20に着座した場合でも、制限された量の冷媒を流すこともある。一方、弁体3が弁座20から離間しているとき、弁通孔27を通過する冷媒の流れが増大する。この状態を連通状態という。
作動棒5は、弁通孔27に対して冷媒が通過するために必要な隙間を持って挿通されている。作動棒5の下端平面は、弁体3の球面上面に接触している。作動棒5の上端は、パワーエレメント8のストッパ部材84の下端嵌合孔に嵌合している。
作動棒5は、付勢装置4による付勢力に抗して弁体3を開弁方向に押圧することができる。作動棒5が下方向に移動するとき、弁体3は、弁座20から離間し、膨張弁1が開状態となる。
図2において、付勢装置4は、断面円形の線材を螺旋状に巻いたコイルばね41と、弁体サポート42と、ばね受け部材43と、ガイドスリーブ44とを有する。
弁体サポート42は、周壁42aと頂壁42bとを連設してなる有頂円筒形状を有する。頂壁42bの上面には、球状の弁体3が溶接される凹部を備えた短円筒部42cが形成されている。コイルばね41の上端周囲は周壁42aにより包囲されており、コイルばね41の上端は、頂壁42bの下面に当接している。
ばね受け部材43は、円盤状の受け本体43aと、円管部43bとを同軸に連設してなる。受け本体43aは、外周に雄ねじ43cを備えており、かかる雄ねじ43cを、弁本体2の円形開口2cの開放端内周に形成された雌ねじ2dに螺合させることにより、ばね受け部材43は弁本体2に取り付けられ、密閉された弁室VSが形成される。ばね受け部材43を弁本体2に取り付けた状態で、円管部43bと円形開口2cとの間にO-リングORが配置され、ばね受け部材43と円形開口2cとの間から冷媒が漏れることを阻止している。ばね受け部材43の下面には、ばね受け部材43を回転させるための工具を係合させる係合穴43dが形成されている。
金属製であるガイドスリーブ44は、拡径円筒部44aと、縮径円筒部44bと、底壁44cとを連設してなる有底円筒形状を有する。縮径円筒部44bの外径は、ばね受け部材43の円管部43bの内径に略等しく、また拡径円筒部44aの内径は、弁体サポート42の周壁42aの外径と略等しい。さらに縮径円筒部44bの高さは、円管部43bの高さにほぼ等しい。拡径円筒部44aの内周面、および周壁42aの外周面が、それぞれ摺動面を構成する。
全長にわたって等径のコイルばね41をガイドスリーブ44の内側に配置したときに、縮径円筒部44bの内周をコイルばね41の外周に直接対向させ、また拡径円筒部44aの内周を、弁体サポート42の周壁42aを挟んでコイルばね41の外周に対向させている。このため拡径円筒部44aの内径は、周壁42aの肉厚に相当する分だけ、縮径円筒部44bの内径より大きくなっている。
縮径円筒部44bに隣接する拡径円筒部44aには、連通部を構成する連通孔44dが周方向に沿って複数個形成されている。なお、ガイドスリーブ44を、例えば摺動性が高い樹脂から形成してもよい。
付勢装置4の組み立てに際し、弁体3と弁体サポート42とはあらかじめ溶接しておく。まず、ガイドスリーブ44を、ばね受け部材43に圧入により嵌合させる。これによりガイドスリーブ44の縮径円筒部44bの外周が円管部43bの内周に嵌合し、また底壁44cの下面が受け本体43aの上面に当接する。
次に、ガイドスリーブ44内にコイルばね41を載置した後、コイルばね41の上端に、弁体3と接合した弁体サポート42を被せるようにして配置すると、周壁42aがコイルばね41と拡径円筒部44aとの間に進入する。頂壁42bをコイルばね41の上端に当接させ、弁体サポート42をガイドスリーブ44に取り付けた後、拡径円筒部44aの上端をカシメ加工(C)して縮径させることで、弁体サポート42とガイドスリーブ44との分離を阻止できる。コイルばね41を内包した弁体サポート42とガイドスリーブ44は、部品が分解しない単一のユニットとして取り扱うことができる。
このときコイルばね41の上端外周は、周壁42aに接するが、コイルばね41の下端外周は、縮径円筒部44bの内周に接していない。ただし、コイルばね41の下端外周が、縮径円筒部44bの内周に接するようにしてもよい。弁体サポート42の周壁42aと頂壁42b、およびガイドスリーブ44の拡径円筒部44a及び縮径円筒部44bと底壁44cにより、コイルばね41を収容するばね室SCが形成される。
以上のようにしてアッセンブリ化された付勢装置4を、雄ねじ43cと雌ねじ2dとの螺合により、軸線Lに対して同軸となるように弁本体2に取り付けることができる。雄ねじ43cと雌ねじ2dとの螺合量を変更することで、コイルばね41の初期付勢力を調整できる。組付けた状態で、接続路21aがガイドスリーブ44の拡径円筒部44aに対向する。さらに接続路21aを軸線に沿って投影したときに、投影像が連通孔44dの少なくとも一部と重なると好ましい。
付勢装置4が組付けられた状態で、弁体サポート42とガイドスリーブ44は、弁体3の移動に伴って相対摺動可能である。弁体3が開弁方向に最大量リフトした場合でも、弁体サポート42の周壁42aは、連通孔44dをふさぐことはない。
図1において、パワーエレメント8は、栓81と、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86と、ストッパ部材84とを有する。
略円錐形状の上蓋部材82の頂部の開口は、栓81により封止可能となっている。
ダイアフラム83は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い金属(たとえばSUS)製の板材からなり、上蓋部材82及び受け部材86の外径とほぼ同じ外径を有する。
受け部材86は、例えば金属製の板材をプレス成形することによって形成され、フランジ部と中空円筒部とを連結してなる。
ストッパ部材84は、上蓋部材82と受け部材86との間に配置され、その上面がダイアフラム83の下面中央と接している。
パワーエレメント8の組み立てにおいて、ダイアフラム83と受け部材86との間にストッパ部材84を配置しつつ、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86のそれぞれ外周部を重ね合わせ、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化する。
続いて、上蓋部材82に形成された開口から、上蓋部材82とダイアフラム83とで囲われる空間(圧力作動室POという)内に作動ガスを封入した後、開口を栓81で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓81を上蓋部材82に固定する。
以上のようにアッセンブリ化したパワーエレメント8を、弁本体2に組み付けるときは、受け部材86の中空円筒部の下端外周の雄ねじ86aを、弁本体2の戻り流路23に連通する縦穴2aの内周に形成した雌ねじ2bに螺合させる。受け部材86の雄ねじ86aを雌ねじ2bに対して螺進させてゆくと、受け部材86のフランジ部下面が弁本体2の上端面に当接する。これによりパワーエレメント8を弁本体2に固定できる。
このとき、パワーエレメント8と弁本体2との間には、パッキンPKが介装され、弁本体2にパワーエレメント8を取り付けた際の冷媒のリークを防止する。かかる状態で、パワーエレメント8の下部空間LSは、縦穴2aを介して戻り流路23と連通する。
(膨張弁の動作)
図1を参照して、膨張弁1の動作例について説明する。コンプレッサ101で加圧された冷媒は、コンデンサ102で液化され、膨張弁1に送られる。また、膨張弁1で断熱膨張された冷媒はエバポレータ104に送り出され、エバポレータ104で、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。エバポレータ104から戻る冷媒は、膨張弁1(より具体的には、戻り流路23)を通ってコンプレッサ101側へ戻される。このとき、エバポレータ104を通過することで、戻り流路23の流体圧は、第2流路22内の流体圧より小さくなる。
膨張弁1には、コンデンサ102から高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサ102からの高圧冷媒は、第1流路21を介して弁室VSに供給される。
弁体3が、弁座20に着座しているとき(非連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通ってエバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が制限される。他方、弁体3が、弁座20から離間しているとき(連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通って、エバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が増大する。膨張弁1の閉状態と開状態との間の切り換えは、ストッパ部材84を介してパワーエレメント8に接続された作動棒5によって行われる。
図1において、パワーエレメント8の内部には、ダイアフラム83により仕切られた圧力作動室POと下部空間LSとが設けられている。このため、圧力作動室PO内の作動ガスが液化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が上昇するため、コイルばね41の付勢力に応じて作動棒5は上方向に移動する。一方、液化された作動ガスが気化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が下方に押圧されるため、作動棒5は下方向に移動する。こうして、膨張弁1の開状態と閉状態との間の切り換えが行われる。
更に、パワーエレメント8の下部空間LSは、戻り流路23と連通している。このため、戻り流路23を流れる冷媒の温度・圧力に応じて、圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化し、作動棒5が駆動される。換言すれば、図1に記載の膨張弁1では、エバポレータ104から膨張弁1に戻る冷媒の温度・圧力に応じて、膨張弁1からエバポレータ104に向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
本実施の形態によれば、弁本体2に固定したガイドスリーブ44により弁体サポート42を案内しているため、弁体3が軸線Lに沿って精度よく上下移動を行うこととなる。それにより、開弁時において弁体3と弁座20との隙間がほとんど変化せず、弁体3の周囲を流れる冷媒から弁体3が受ける圧力の均一化を図ることができる。また、外乱等によって弁体3の周囲を流れる冷媒の圧力が変動した場合でも、ガイドスリーブ44により軸線Lに直交する方向の弁体3の移動を阻止し、弁体振動を有効に抑制することができる。
さらに本実施形態によれば、コイルばね41の径方向外側において、ガイドスリーブ44に対して弁体サポート42を摺動させているため、比較的広い摺動面積を確保できる。それにより摺動面の面圧を低下させることができ、カジリなどの不具合を抑制して、安定した弁体3のガイドを実現できる。
また、従来技術のように、ガイドスリーブと弁体サポートの摺動面を、コイルばねの径方向内側に配置すると、その摺動面の径は小さくなる。これに対し、本実施形態におけるコイルばね41とガイドスリーブ44の摺動面は、コイルばねの径方向外側に配置されるため、摺動面の径をより大きく確保することができる。摺動面の径をより大きく確保できれば、弁体サポート42の軸線に対する傾きを効果的に抑えることができる。これにより摺動時におけるガイドスリーブ44に対する弁体サポート42の渋りを抑制でき、弁体3のスムーズな移動を確保できる。
ここで、開弁方向(下向き)のパワーエレメント8の駆動力が弁体3から弁体サポート42に付与されたとき、仮に弁体サポート42とガイドスリーブ44が冷媒(一般的に気液二相状態にある)を密閉した状態で内包しているとすると、ダッシュポット効果(ダンパー効果)により弁体サポート42を閉弁方向に押し返そうとする反発力が生じるため、弁体3の円滑な開弁動作を行えないおそれがある。
そこで、本実施形態では、ガイドスリーブ44に連通孔44dを設けて、弁体サポート42に開弁方向(下向き)の駆動力が伝達されたときは、弁体サポート42とガイドスリーブ44の内部の冷媒が、連通孔44dを介して外部に流出するようにしている。これによりダッシュポット効果を抑制できるため、パワーエレメント8の駆動力伝達に応じて弁体3の円滑な開弁動作を確保できる。また、パワーエレメント8からの駆動力伝達が中断されたときは、弁体サポート42はコイルばね41により閉弁方向(上向き)に付勢されるが、このときは連通孔44dを介して外部の冷媒が弁体サポート42とガイドスリーブ44の内部へ進入するため、弁体サポート42の上方移動が阻害されず、弁体3の円滑な閉弁動作を確保できる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Aの弁体サポート42Aの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
弁体サポート42Aは、周壁42Aaと、頂壁42Abと、弁体部42Acとを連設してなる。弁体部42Acは、頂壁42Abの上面から軸線Lに沿って上方に突出した略円筒形状を有し、その上端面は球面状であって、作動棒5の下端面に当接している。弁体サポート42Aは、例えば単一の素材から切削加工などにより形成できる。
本実施形態においても、コイルばね41の径方向外側において、ガイドスリーブ44に対して弁体サポート42Aを摺動させているため、安定した弁体3のガイドを実現できる。また、本実施形態によれば、弁体と弁体サポートとを一体化した弁体サポート42Aを用いているため、周壁42Aaに対して弁体部42Acを同軸に精度よく形成できる。このため、ガイドスリーブ44の案内により、弁体部42Acを弁座20に対して精度よく着座または離間させることができる。加えて、弁体と弁体サポートとを一体化することで、部品点数の削減が可能であり、コスト低減を図れる。
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Bの弁体サポート42B及びガイドスリーブ44Bの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
弁体サポート42Bは、周壁42Baと、頂壁42Bbと、短円筒部42Bcとを連設してなる。ガイドスリーブ44Bは、コイルばね41の外径と内径が略等しい等径円筒部44Baと、底壁44Bcとを連設してなる有底円筒形状を有する。等径円筒部44Baに、連通部を構成する連通孔44Bdが形成されている。弁体サポート42Bの周壁42Baの内径は、等径円筒部44Baの外径と略等しい。周壁42Baの内周面、および等径円筒部44Baの外周面が、それぞれ摺動面を構成する。
付勢装置4Bの組み立てに際し、上記実施形態と同様に、ガイドスリーブ44Bをばね受け部材43に圧入により嵌合させる。次に、ガイドスリーブ44B内にコイルばね41を載置した後、コイルばね41の上端に向かって、弁体3と接合した弁体サポート42Bを接近させると、周壁42Baの内周が等径円筒部44Baの外周に嵌合する。コイルばね41の上端に頂壁42Bbの下面が当接した状態で、付勢装置4Bを弁本体2に組付けたとき、周壁42Baは接続路21aに対向する位置となる。
上述した実施の形態においては、弁体サポートの周壁の外周がガイドスリーブに囲われているため、接続路21aから流出する冷媒は、直接、弁体サポートへ当たることがない。これに対し本実施形態によれば、周壁42Baがガイドスリーブ44Bの外側で接続路21aに対向する位置に配置されているため、接続路21aから流出する冷媒は、直接、弁体サポート42Bに当たる。このため、弁体サポート42Bとガイドスリーブ44Bとの摺動荷重を高めることができるとともに、弁体サポート42Bのガタ付きを抑えることもできるため、異音の低減にも効果がある。
(第4実施形態)
図5は、第4実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Cの弁体サポート42C及びガイドスリーブ44Cの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
弁体サポート42Cは、上述した実施形態に比して軸線長が長い周壁42Caと、頂壁42Cbと、短円筒部42Ccとを連設してなる。短円筒部42Ccの周囲における頂壁42Cbには、頂壁42Cbを貫通するようにして軸線Lに平行に、連通部を構成する連通孔42Cdが複数個形成されている。
ガイドスリーブ44Cは、拡径円筒部44Caと、縮径円筒部44Cbと、底壁44Ccとを連設してなる有底円筒形状を有するが、連通孔を有しない。
本実施の形態によれば、ガイドスリーブ44Cが連通孔を有しないため、弁体サポート42Cの周壁42Caの軸線長を長く確保できる。それにより弁体サポート42C及びガイドスリーブ44Cとの摺動面積をさらに拡大させることができる。また、弁体3が上下移動したときは、連通孔42Cdを介して冷媒がばね室SCの内外間を移動するため、いわゆるダッシュポット効果を抑制することができる。
(第5実施形態)
図6は、第5実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Dのガイドスリーブ44Dの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
ガイドスリーブ44Dは、等径円筒部44Daと、等径円筒部44Daの下端近傍から径方向外側に延在するフランジ部44Dcとを連設してなる。フランジ部44Dcの上方において、等径円筒部44Daには、連通部を構成する連通孔44Ddが形成されている。弁体サポート42の周壁42aの外径は、等径円筒部44Daの内径と略等しい。
等径円筒部44Daの下端外周は、ばね受け部材43の円管部43bの上端内周に圧入などにより嵌合しており、フランジ部44Dcの下面は円管部43bの上端に当接している。等径円筒部44Daの上端が縮径しているため、コイルばね41は抜け出さない。
本実施の形態は、ガイドスリーブ44Dを円管状とすることで、上述の実施形態に比して素材の量や加工工数を減らすことができ、コスト削減に貢献する。
(第6実施形態)
図7は、第6実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。図8は、本実施形態にかかるガイドスリーブ44Eを溝のある方向から側面視した図であり、図9は、本実施形態にかかるガイドスリーブ44Eを底面視した図である。
本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Eのガイドスリーブ44Eの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
ガイドスリーブ44Eは、拡径円筒部44Eaと、縮径円筒部44Ebと、底壁44Ecと、底壁44Ecの外周から下方に向かって突出する環状部44Efとを有する。また、縮径円筒部44Ebは、その外面に軸線Lに沿って延在する外縦溝44Egを有し、底壁44Ecは中央開口44Edを有する。
ばね受け部材43の円管部43bに縮径円筒部44Ebを嵌合させたとき、円管部43bと外縦溝44Egとで囲われた連通路PS1が生じる。外縦溝44Egは、円管部43bの上端から露出しているため、その上端を介して連通路PS1は、ガイドスリーブ44Eの外部と連通する。連通部を構成する連通路PS1の断面積は、中央開口44Edの断面積より小さくなっている。
また、環状部44Efの下端が、ばね受け部材43の受け本体43aの上面に当接することで、環状部44Efの内側に連通路PS2が生じる。連通路PS2は中央開口44Edを介して、ばね室SCと連通する。また、環状部44Efの周方向の一部が、外縦溝44Egとつながる位置で切り欠かれることにより、切欠44Ei(図9参照)が形成されており、切欠44Eiを介して連通路PS1,PS2同士が連通する。
本実施形態によれば、ガイドスリーブ44Eが連通孔を有しないため、弁体サポート42の周壁42aの軸線長を長く確保できる。それにより弁体サポート42及びガイドスリーブ44Eとの摺動面積をさらに拡大させることができる。さらに弁体3が上下移動することに応じて、ガイドスリーブ44Eの外縦溝44Eg内の連通路PS1,環状部44Ef内の連通路PS2、および中央開口44Edを介して、冷媒がばね室SCの内外間を移動する。これによりダッシュポット効果を抑制して、弁体3の円滑な動作を確保できる。
(第7実施形態)
図10は、第7実施形態にかかる膨張弁の付勢装置近傍を拡大して示す断面図である。図11は、本実施形態にかかるばね受け部材43Fを平面視した図である。
本実施形態は、第1実施形態に対して付勢装置4Fのばね受け部材43Fとガイドスリーブ44Fの形状のみが異なる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
ばね受け部材43Fは、円盤状の受け本体43Faと、円管部43Fbとを同軸に連設してなる。また、円管部43Fbの内面上を軸線Lに沿って延在し、さらに受け本体43Faの上面に沿って延在する内溝43Feが形成されている。
ガイドスリーブ44Fは、拡径円筒部44Faと、縮径円筒部44Fbと、中央開口44Fdを備えた底壁44Fcと、底壁44Fcの外周から下方に向かって突出する環状部44Ffとを有するが、外縦溝を有しない。
ばね受け部材43Fの円管部43Fbに縮径円筒部44Fbを嵌合させたとき、縮径円筒部44Fbと内溝43Feとで囲われた連通路PS3が生じる。連通部を構成する連通路PS3の断面積は、中央開口44Fdの断面積より小さくなっている。
一方、環状部44Ffの下端が、ばね受け部材43Fの受け本体43Faの上面に当接することで、環状部44Ffの内側に連通路PS4が生じる。受け本体43Faに形成された内溝44Feは、環状部44Ffの下方を通過し、連通路PS3内で一端が開放される。また、内溝44Feの他端は、円管部43Fbの上端にて開放される。
本実施形態によれば、ガイドスリーブ44Fが連通孔を有しないため、弁体サポート42の周壁42aの軸線長を長く確保できる。それにより弁体サポート42及びガイドスリーブ44Fとの摺動面積をさらに拡大させることができる。さらに弁体3が上下移動することに応じて、ばね受け部材43Fの内溝44Fe内の連通路PS3,環状部44Ff内の連通路PS4、および中央開口44Fdを介して、冷媒がばね室SCの内外間を移動する。これによりダッシュポット効果を抑制して、弁体3の円滑な動作を確保できる。
以上の実施形態において、ガイドスリーブとばね受け部材とを別体としているが、これらを単一の素材から一体に形成してもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。
1 :膨張弁
2 :弁本体
3 :弁体
4~4F :付勢装置
5 :作動棒
6 :リングばね
8 :パワーエレメント
20 :弁座
21 :第1流路
22 :第2流路
23 :戻り流路
27 :弁通孔
41 :コイルばね
42~42C:弁体サポート
43,43F:ばね受け部材
44,44B~44F:ガイドスリーブ
100 :冷媒循環システム
101 :コンプレッサ
102 :コンデンサ
104 :エバポレータ
VS :弁室

Claims (10)

  1. 弁座及び弁室を備えた弁本体と、
    前記弁座に着座することにより流体の通過を制限し、前記弁座から離間することにより前記流体の通過を許容する弁体と、
    前記弁体を前記弁座に向かう所定方向に付勢する付勢装置と、を有し、
    前記付勢装置は、前記弁体を支持する弁体サポートと、前記弁体サポートを前記所定方向に付勢するコイルばねと、前記弁本体に対して固定され前記弁体サポートを案内するガイドスリーブと、を有し、
    前記弁体サポートと前記ガイドスリーブとは、前記コイルばねの周囲において摺動する摺動面を備える、
    ことを特徴とする膨張弁。
  2. 前記弁体サポートと前記ガイドスリーブとにより前記コイルばねを収容するばね室が形成されており、前記弁体の移動に応じて、流体が連通部を介して前記ばね室の内外間を移動する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  3. 前記連通部は、前記ガイドスリーブに形成された連通孔または溝である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  4. 前記連通部は、前記弁体サポートに形成された連通孔である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  5. 弁本体は、前記ガイドスリーブを前記弁本体に固定するばね受け部材を有し、前記連通部は、前記ばね受け部材に形成された溝である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の膨張弁。
  6. 前記弁体と前記弁体サポートとは一体である、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の膨張弁。
  7. 前記弁体サポートの外周に、前記ガイドスリーブの内周が嵌合する、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の膨張弁。
  8. 前記弁体サポートと前記ガイドスリーブとは、前記コイルばねを内包した状態で分離不能に連結されている、
    ことを特徴とする請求項7に記載の膨張弁。
  9. 前記弁体サポートの内周に、前記ガイドスリーブの外周が嵌合する、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の膨張弁。
  10. 前記弁体サポートの外周面が、前記弁室に進入する流体の流入路に対向する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の膨張弁。


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