JP2020085009A - 膨張弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペースの有効利用を図りつつも低騒音を実現できる、改良された膨張弁を提供する。【解決手段】膨張弁は、弁本体2と、弁体3と、コイルばね41と、作動棒5と、を有し、弁本体2は、高圧流路22と、高圧流路22より流体圧が低圧の低圧流路23とを連通する貫通孔26,28を備え、作動棒5は貫通孔26,28に挿通されており、作動棒5の外周に嵌合した環状弾性体OR1が、貫通孔26の内周に対して全周で接しており、作動棒5と貫通孔26との間には、環状弾性体OR1を保持すると共に作動棒5の振動を抑制する防振ばね6が設けられており、防振ばね6は、作動棒5の周溝5aに係合する環状ベース61と、環状ベース61から延在して貫通孔26に当接する複数の脚部62と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、膨張弁に関する。
従来、自動車に搭載される空調装置等に用いる冷凍サイクルについては、設置スペースや配管を省略するために、冷媒の通過量を温度に応じて調整する感温式の膨張弁が使用されている。
この種の温度式膨張弁にあっては、作動棒は弁本体の貫通孔に挿入され、その中で軸線方向に移動するので、作動棒の動きを阻害しないように、貫通孔との間には本来的に隙間が設けられている。しかるに、該貫通孔が流体圧力差のある2つの流路を連通しているときは、かかる隙間を介して高圧側の流路から低圧側の流路へと冷媒がショートカットして漏れ出る虞れがある。そこで、特許文献1においては、作動棒と貫通孔との間にO−リングを設けて冷媒のショートカットを防止している。
特開2014−126280号公報
ところで、O−リングも高圧側の流路と低圧側の流路との間の圧力差を受けるので、作動棒の軸線方向に相対変位して貫通孔から抜け出てしまい、それにより冷媒のショートカットを招く虞れがある。そこで、上記特許文献においては作動棒にスナップリングを設けて、O−リングの抜け防止を図っている。
しかるに、このスナップリングは、O−リングの抜け防止という単一目的の為に設置されているが、さらにスペースの有効利用を図りたいという要請がある。また一方で、膨張弁の低騒音化を実現したいという要請もある。
そこで本発明の目的は、スペースの有効利用を図りつつも低騒音を実現できる、改良された膨張弁を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明による膨張弁は、
流体が通過する流路内に配置され、環状の弁座を備えた弁本体と、
前記弁座に着座することにより前記流体の通過を阻止し、前記弁座から離間することにより前記流体の通過を許容する弁体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢するコイルばねと、
外周に凹部を備え、前記弁体に一端を当接させた作動棒と、を有し、
前記弁本体は、高圧流路と、前記高圧流路より流体圧が低圧の低圧流路とを連通する貫通孔を備え、前記作動棒は前記貫通孔に挿通されており、
前記作動棒の外周に嵌合した環状弾性体が、前記貫通孔の内周に対して全周で接しており、
前記作動棒と前記貫通孔との間には、前記環状弾性体を保持すると共に前記作動棒の振動を抑制する防振ばねが設けられており、
前記防振ばねは、前記作動棒の凹部に係合する環状ベースと、前記環状ベースから延在して前記貫通孔に当接する複数の脚部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明により、スペースの有効利用を図りつつも低騒音を実現できる、改良された膨張弁を提供することができる。
図1は、第1の実施形態における膨張弁1を、冷媒循環システムに適用した例を模式的に示す概略断面図である。 図2は、パワーエレメント8を分解して示す縦断面図である。 図3は、押さえ部材85の斜視図である。 図4は、作動棒防振ばね6を示す斜視図である。 図5は、変形例にかかる作動棒防振ばね6Aを示す斜視図である。 図6は、付勢装置防振ばね44を示す斜視図である。 図7は、第2の実施形態にかかる膨張弁1Aの縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態について説明する。
(方向の定義)
本明細書において、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と定義し、作動棒5から弁体3に向かう方向を「下方向」と定義する。よって、本明細書では、膨張弁1の姿勢に関わらず、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と呼ぶ。
(第1の実施形態)
図1を参照して、第1の実施形態における膨張弁1の概要について説明する。図1は、本実施形態における膨張弁1を、冷媒循環システム100に適用した例を模式的に示す概略断面図である。本実施例では、膨張弁1は、コンプレッサ101と、コンデンサ102と、エバポレータ104とに流体接続されている。
膨張弁1は、弁室VSを備える弁本体2と、弁体3と、付勢装置4と、作動棒5と、リングばね6と、パワーエレメント8とを具備する。膨張弁1の軸線をLとする。
弁本体2は、弁室VSに加え、第1流路21、第2流路22及び戻り流路23を備える。第1流路21は供給側流路であり、弁室VSには、供給側流路を介して冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路22は排出側流路であり、弁室VS内の流体は、作動棒挿通孔27及び排出側流路を介して膨張弁外に排出される。第1流路21と弁室VSとの間は、第1流路21より小径の接続路21aにより連通している。
弁体3は、弁室VS内に配置される。弁体3が弁本体2の環状の弁座20に着座しているとき、第1流路21と第2流路22とは非連通状態となる。一方、弁体3が弁座20から離間しているとき、第1流路21と第2流路22とは連通状態となる。
作動棒挿通孔27に隙間を持って挿通された作動棒5の下端は、弁体3の上面に接触している。また、作動棒5は、付勢装置4による付勢力に抗して弁体3を開弁方向に押圧することができる。作動棒5が下方向に移動するとき、弁体3は、弁座20から離間し、膨張弁1が開状態となる。
作動棒5は軸線Lに沿って、弁本体2に同軸に形成された作動棒挿通孔27、中央孔28、環状部26、戻り流路23、連通路2bを介して、弁体3からパワーエレメント8まで延在している。作動棒5を摺動可能に保持する中央孔28の内径に対し、環状部26の内径はより大きくなっている。中央孔28と環状部26とで、第2流路22と戻り流路23とを連通する貫通孔を構成する。なお、第2流路22、戻り流路23のいずれも、冷凍サイクルにおいては低圧側に位置するが、冷媒がエバポレータ104を通過して圧損を受けるため、前者が相対的に高圧となる。したがって、本明細書では、第2流路22を高圧流路、戻り流路23を低圧流路と称することがある。
次にパワーエレメント8について説明する。パワーエレメント8は、弁本体2の頂部に設けられた凹部2aに取り付けられている。凹部2aは連通路2bを介して、エバポレータ104からの冷媒が通過する、弁本体2内の戻り流路23と連通している。
図2は、パワーエレメント8を分解して示す縦断面図である。パワーエレメントの軸線をXで示す。
図2において、パワーエレメント8は、栓81と、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、ストッパ部材84と、押さえ部材85と、受け部材86とを有する。
上蓋部材82は、中央の円錐部82aと、円錐部82aの下端から外周に広がる環状のフランジ部82bとを有する。円錐部82aの頂部には開口82cが形成され、栓81により封止可能となっている。
ダイアフラム83は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い板材からなり、フランジ部82bの外径とほぼ同じ外径を有する。
ストッパ部材84は、円盤部84aと、円盤部84aの下面に同軸に接合された円筒部84bとを有する。円筒部84bの下端中央には、嵌合孔84cが形成されている。また円筒部84bの外径は、円盤部84aの外径より小さいφ1である。
図3は、押さえ部材85の斜視図である。図3において、押さえ部材85は、金属製の板材をプレス成形することによって形成されており、環状の基部85aと、基部85aの内周に等間隔に設けられた8本の爪部85bとを有する。ただし、爪部85bの数は8本に限られない。
爪部85bは、L字状に折り曲げられて、その先端が軸線Xに沿って延在している。各爪部85bの先端近傍には、軸線X側に半球状に突出した隆起部85cが形成されている。
図2において、受け部材86は、上蓋部材82のフランジ部82bの外径とほぼ同時外径を持つフランジ部86aと、軸線Xと略直交する環状の支持面86bを持つ段差部86cと、中空円筒部86dとを有している。中空円筒部86dの内径φ2は、円筒部84bの外径φ1より大きい。フランジ部86aの内周と、中空円筒部86dの上端とを段差部86cが連結している。
次に、パワーエレメント8の組み立て手順を説明する。まず、押さえ部材85の爪部85bが受け部材86の中空円筒部86d内に収容される状態で、受け部材86の支持面86bに、押さえ部材85の基部85aを溶接する。次に、図2に示すような位置関係となるように、上蓋部材82、ダイアフラム83、ストッパ部材84、及び受け部材86を配置する。このとき、受け部材86に取り付けられた押さえ部材85の各爪部85bの弾性力より、ストッパ部材84の円筒部84bの外周に、隆起部85cが付勢されて接するようになっている。
更に、上蓋部材82のフランジ部82bと、ダイアフラム83と、受け部材86のフランジ部86aのそれぞれ外周部を重ね合わせた状態で、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化する。上蓋部材82と受け部材86とでケースを構成する。
続いて、上蓋部材82に形成された開口82cから、上蓋部材82とダイアフラム83とで囲われる空間(圧力作動室PAという)内に作動ガスを封入した後、開口82cを栓81で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓81を上蓋部材82に固定する。
このとき、圧力作動室PAに封入された作動ガスにより、ダイアフラム83は受け部材86側に張り出す形で圧力を受けるため、ダイアフラム83と受け部材86とで囲われる下部空間LSに配置されたストッパ部材84の上面と当接して支持される。なお、ストッパ部材84の円盤部84aは、押さえ部材85を介して受け部材86の支持面86bにより保持されるので、ストッパ部材84がパワーエレメント8から抜け出ることはない。
パワーエレメント8を弁本体2に組み付けるときは、後述する作動棒防振ばね6を組み付けた作動棒5の上端を、ストッパ部材84の嵌合孔84cに嵌合させた状態で、作動棒5を弁本体2内に挿入しつつ、受け部材86の中空円筒部86dを弁本体2の凹部2a内に嵌合させる。更に、不図示の締結部材やカシメを用いてパワーエレメント8を弁本体2に固定する。かかる状態で、パワーエレメント8の下部空間LSは戻り流路23と連通し、すなわち同じ内圧となる。
次に、作動棒5に嵌合する環状弾性体であるO−リングOR1、及び作動棒防振ばね6について説明する。O−リングOR1は、図1において弁本体2の環状部26に設置されている。O−リングOR1の内周は作動棒5の外周に全周で当接し、O−リングOR1の外周は環状部26の内周に全周で当接している。O−リングOR1の上方における、作動棒5の外周には周溝(凹部)5aが形成されている。周溝5aの幅は、作動棒防振ばね6の板厚より大きいと好ましい。O−リングOR1の素材として、樹脂やシリコンゴム等を適宜用いることができる。また、環状弾性体としては、O−リングに限らず、作動棒5の外周に嵌合して環状部26を密封できるものであれば用いることができる。さらに、凹部は周溝に限らず、くぼみや孔であってよい。
図4は、本実施形態の作動棒防振ばね6を示す斜視図である。作動棒防振ばね6は、環状ベース61と、8本の脚部62と、4つ(図4では3つのみ図示)の係合片64を備えており、ステンレス鋼、その合金等、弾性のある板材からプレス成形することによって形成できる。作動棒防振ばね6の軸線をOとする。脚部62は8本に限られず、係合片64は4つに限られない。
環状ベース61は、作動棒防振ばね6の底部を形成する円環状の板状の部材であり、中央に作動棒5の外径とほぼ同じ内径の取付孔63を有する。取付孔63の内周には、周方向に等間隔に配置された係合片(係合部)64が連結されている。係合片64は、環状ベース61に対して、脚部62と同方向に折り曲げられている。
各脚部62は、環状ベース61の外周側から同じ長さで放射状に延び、等角度間隔で備えられている。各脚部62は、環状ベース61に対し直角未満の角度θで略L字状に折り曲げられており、それぞれ先端近傍に外側に向いて半球状に突出した隆起部65を有する。
作動棒防振ばね6を作動棒5に組み付ける場合、図4で下方から作動棒5(図1)の面取りされた上端を、作動棒防振ばね6に接近させて取付孔63に押し込むと、係合片64が弾性変形するので、作動棒5が取付孔63内に進入できるようになる。この状態から、更に作動棒5を押し込んでゆくと、最終的に周溝5aに係合片64が到達した時点で、係合片64が弾性変形から復帰して周溝5aに係合することとなる。このとき、環状ベース61の下面が、O−リングOR1の上面に接するようになっていると好ましい。
弁本体2の連通路2bの内径は、作動棒防振ばね6の最小外径より大きくなっている。従って、環状部26にO−リングOR1を配置した状態で、弁本体2の上方より、作動棒防振ばね6を組み付けた作動棒5を、連通路2b、戻り流路23、環状部26、中央孔28と挿通して、作動棒防振ばね6を環状部26内に配置することができる。このとき、隆起部65から環状部26の内周に対して所定の押圧力が付与されることとなる。
図5は、変形例にかかる作動棒防振ばね6Aを示す斜視図である。本例が、図4の実施形態と異なる点は、係合片64を設けておらず、代わりに環状ベース61に内周から外周にかけて径方向に延在するスリット66を設けており、これにより環状ベース61の周方向の一部が不連続となっている点である。本例では、自由状態で取付孔63の内径が作動棒5の外径より小さくなっている。本変形例では、取付孔63が係合部を構成する。それ以外の構成は、上述した実施形態と同様であるため同じ符号を付すことで重複した説明を省略する。
本例によれば、作動棒防振ばね6を作動棒5に組み付ける場合、スリット66の幅を広げるように環状ベース61を弾性変形させつつ、図5で下方から作動棒5の上端を、作動棒防振ばね6に接近させて取付孔63に押し込む。周溝5aに取付孔63が到達した時点で、環状ベース61を弾性変形から復帰させることで、取付孔63が周溝5aに係合することとなる。
次に、付勢装置4について説明する。図1において、付勢装置4は、円形の線材を螺旋状に巻いたコイルばね41と、コイルばね41の上端に取り付けられて弁体3を支持する弁体サポート42と、コイルばね41の下端を支持しつつ弁本体2に取り付けるばね受け部材43と、付勢装置防振ばね44とを有する。ばね受け部材43は弁本体2の弁室VSを密閉するとともに、弁体3を弁座20に向かって付勢するコイルばね41の端部を支持する機能を有する。
弁体サポート42の上面には球状の弁体3が溶接され、両者は一体となっている。
図6は、付勢装置防振ばね44を示す斜視図である。付勢装置防振ばね44は、基部44aと、脚部44bとを備えており、ステンレス鋼、その合金等、弾性のある板材からプレス成形することによって形成できる。
基部44aは、付勢装置防振ばね44の上部を形成する円環状の板状の部材であり、中央に取付孔44cを有する。取付孔44c内に弁体サポート42(図1)の一部を挿入した状態で、基部44aが弁体サポート42とコイルばね41の上端とに挟持されるようにして取り付けられる。
脚部44bは、基部44aの外周側から放射状に複数本延びており、ここでは同じ長さの8本の脚部44bが等角度間隔で備えられている。各脚部44bは、基部44aに対し直角未満の角度で略L字状に折り曲げられており、先端近傍に外側に向いて半球状に突出した隆起部44dを有する。
隆起部44dは、付勢装置4が弁室VSに設置されたときに、弁室VSの上部内壁に弾発的に接触するが、弁体3が最下限位置となった場合でも弁本体2の接続路21aに入り込まないように設定されている。
(膨張弁の動作)
図1を参照して、膨張弁1の動作例について説明する。コンプレッサ101で加圧された冷媒は、コンデンサ102で液化され、膨張弁1に送られる。また、膨張弁1で断熱膨張された冷媒はエバポレータ104に送り出され、エバポレータ104で、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。エバポレータ104から戻る冷媒は、膨張弁1(より具体的には、戻り流路23)を通ってコンプレッサ101側へ戻される。このとき、エバポレータ104を通過することで、第2流路22内の流体圧は、戻り流路23の流体圧より大きくなる。
膨張弁1には、コンデンサ102から高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサ102からの高圧冷媒は、第1流路21を介して弁室VSに供給される。
弁体3が、弁座20に着座しているとき(換言すれば、膨張弁1が閉状態のとき)には、弁室VSの上流側の第1流路21と弁室VSの下流側の第2流路22とは、非連通状態である。他方、弁体3が、弁座20から離間しているとき(換言すれば、膨張弁1が開状態のとき)には、弁室VSに供給された冷媒は、作動棒挿通孔27及び第2流路22を通って、エバポレータ104へ送り出される。なお、膨張弁1の閉状態と開状態との間の切り換えは、パワーエレメント8に接続された作動棒5によって行われる。
図1において、パワーエレメント8の内部には、ダイアフラム83により仕切られた圧力作動室PAと下部空間LSとが設けられている。このため、圧力作動室PA内の作動ガスが液化されると、作動棒5は上方向に移動し、液化された作動ガスが気化されると、作動棒5は下方向に移動する。こうして、膨張弁1の開状態と閉状態との間の切り換えが行われる。
更に、パワーエレメント8の下部空間LSは、戻り流路23と連通している。このため、戻り流路23を流れる冷媒の温度、圧力に応じて、圧力作動室PA内の作動ガスの相(気相、液相等)が変化し、作動棒5が駆動される。換言すれば、図1に記載の膨張弁1では、エバポレータ104から膨張弁1に戻る冷媒の温度、圧力に応じて、膨張弁1からエバポレータ104に向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
本実施形態によれば、第2流路22と戻り流路23とを連通する環状部26に設けたO−リングOR1により、作動棒5と環状部26との間の隙間を密封することで、第2流路22から戻り流路23への冷媒のショートカットを防止できる。また、作動棒5が繰り返しストロークした場合でも、作動棒5に対するO−リングOR1の軸線方向相対変位を阻止できるから、O−リングOR1を保持して環状部26から抜け出ることを防止できる。
また、膨張弁1の第1流路21に送り込まれる高圧冷媒はコンプレッサ101の動作により圧力変動(脈動)が発生する場合があり、これにより弁体3が振動し、異音を発生することがある。これに対し、本実施形態によれば、作動棒防振ばね6、6Aの隆起部65が環状部26の内周に当接することにより、作動棒5の駆動方向に所定の摺動抵抗を付与するように構成されているので、作動棒防振ばね6、6Aを配置することより作動棒5を介して弁体3の振動を効果的に抑制することが可能である。
このように、作動棒防振ばね6、6Aに、O−リングOR1の保持機能と作動棒5の振動抑制機能を兼用させることで、スペースの有効利用を図ることができる。
更に、弁体3が開閉方向(上下方向)へ動く場合、付勢装置防振ばね44は、弁体3及び弁体サポート42と共に移動する。このとき、付勢装置防振ばね44は所定の力で弁本体2の弁室VSの内壁を押圧しているため、付勢装置防振ばね44が摺動する際、脚部44bの隆起部44dと弁室VSの内壁との間で摩擦力が発生する。これにより、接続路21aからの高圧冷媒の圧力変動に対して弁体3及び弁体サポート42が上下方向に敏感に反応することがなくなり、上下方向の振動を防止又は低減することができる。さらに、付勢装置防振ばね44から弁室VSの内壁面へ複数の脚部44bにより複数の箇所で押圧しているため、接続路21aからの高圧冷媒の圧力変動に対して、弁体3及び弁体サポート42が押圧力に抗して軸線Lに交差する方向に不用意に動くことが抑制され、この方向の振動を防止する効果を発揮する。また、付勢装置防振ばね44は、弁体3及び弁体サポート42の上下方向の動きをガイドする機能も有する。
また、空調装置をオフ操作した場合など、パワーエレメント8の圧力作動室PAよりも戻り流路23内の圧力が一時的に高まることがある。かかる場合、戻り流路23内の圧力により、ダイアフラム83がストッパ部材84から離間する方向に付勢され、それによりダイアフラム83とストッパ部材84との間に隙間が生じて、フリー状態となることがある。このとき、外部から膨張弁1に対して振動が付与されると、ストッパ部材84がその隙間の範囲で細かく振動して異音を発生する虞れがある。
これに対し本実施形態によれば、パワーエレメント8内において、押さえ部材85が設けられ、爪部85bの隆起部85cがストッパ部材84の外周に当接しているので、その摩擦力により摺動抵抗が作用し、例えフリー状態でもストッパ部材84の振動を抑えて異音を低減することができる。
加えて、ストッパ部材84は作動棒5に連結されているため、押さえ部材85の爪部85bの隆起部85cがストッパ部材84の外周に当接することにより、ストッパ部材84の振動抑制を通じて、作動棒5及び弁体3の振動を抑制することもできる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる膨張弁1Aを示す図である。本実施形態については、第1の実施形態に対して異なる部分のみを説明し、共通する構成については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態においては、パワーエレメント8において押さえ部材を省略し、付勢装置4において付勢装置防振ばねを省略している。冷媒循環システム100の仕様によっては、弁体3の振動が少なく、またパワーエレメント8の異音が低い場合もあり、そのような冷媒循環システム100においては、第2の実施形態の膨張弁1Aを用いることでコスト低減を図ることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。
1、1A :膨張弁
2 :弁本体
3 :弁体
4 :付勢装置
5 :作動棒
6、6A :作動棒防振ばね
8 :パワーエレメント
20 :弁座
21 :第1流路
22 :第2流路
23 :戻り流路
26 :環状部
27 :作動棒挿通孔
41 :コイルばね
42 :弁体サポート
43 :ばね受け部材
44 :付勢装置防振ばね
100 :冷媒循環システム
101 :コンプレッサ
102 :コンデンサ
104 :エバポレータ
VS :弁室
OR1 :O−リング

Claims (4)

  1. 流体が通過する流路内に配置され、環状の弁座を備えた弁本体と、
    前記弁座に着座することにより前記流体の通過を阻止し、前記弁座から離間することにより前記流体の通過を許容する弁体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢するコイルばねと、
    外周に凹部を備え、前記弁体に一端を当接させた作動棒と、を有し、
    前記弁本体は、高圧流路と、前記高圧流路より流体圧が低圧の低圧流路とを連通する貫通孔を備え、前記作動棒は前記貫通孔に挿通されており、
    前記作動棒の外周に嵌合した環状弾性体が、前記貫通孔の内周に対して全周で接しており、
    前記作動棒と前記貫通孔との間には、前記環状弾性体を保持すると共に前記作動棒の振動を抑制する防振ばねが設けられており、
    前記防振ばねは、前記作動棒の凹部に係合する環状ベースと、前記環状ベースから延在して前記貫通孔に当接する複数の脚部と、を有する、
    ことを特徴とする膨張弁。
  2. 前記作動棒の凹部は周溝であり、前記防振ばねの環状ベースは、前記周溝に係合する係合部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  3. 前記作動棒の凹部は周溝であり、前記防振ばねの環状ベースは弾性変形可能であって、周方向の一部が不連続である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の膨張弁。
  4. 前記脚部は、前記環状ベースの内周から延在して折り曲げられてなり、前記脚部の一部が隆起して隆起部を形成しており、前記隆起部が前記貫通孔の内周面に当接する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膨張弁。

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