JP7266283B2 - 弁装置 - Google Patents

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    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Description

本発明は、弁装置に関する。
空調機において冷媒の流量制御を行う弁装置として、機械式定圧弁、膨張弁、差圧弁等が知られている。このような弁装置においては、長時間の作動に耐えうる耐久性が要求される。
特許文献1においては、感温部のハウジングと弁部のボディとをプレス加工品で形成した温度式膨張弁が開示されている。
特開2003-75025号公報
ところで、特許文献1の図1に示す膨張弁では、シャフトを軸線方向に進退自在に支持するとともに高圧室と感温室との間をシールするためにパッキンを設けている。しかしながら、一般的にはシール性が良好な素材をパッキンに用いると、摺動に対する耐久性が低下する。このため、使用可能なパッキンの素材が制限され、部品コストの増大を招いている。
また、特許文献1の膨張弁において、パッキンの素材が比較的柔らかい場合には、冷媒通過時における弁体振動が生じた際に、振動抑制効果があまり期待できないという問題もある。
そこで本発明は、低コストで耐久性に優れた、改良された弁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による弁装置は、
弁体と、
前記弁体と共に移動する作動棒と、
筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ
冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
前記オリフィス部は円筒面を有し、
前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
前記弁本体の一部に円管部が形成されており、前記円管部の内周が前記オリフィス部であり、前記円管部の外周に雄ねじが形成されている、ことを特徴とする。
本発明による弁装置は、
弁体と、
前記弁体と共に移動する作動棒と、
筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
前記オリフィス部は円筒面を有し、
前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
前記弁体は、前記作動棒の一端に形成されており、前記溝は前記一端近傍で終端している、ことを特徴とする。
本発明による弁装置は、
弁体と、
前記弁体と共に移動する作動棒と、
筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
前記オリフィス部は円筒面を有し、
前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
前記作動棒の他端は、前記ダイアフラムに当接するストッパ部材に連結されており、
前記ケースに対して調整部材が位置調整可能に取り付けられており、
前記付勢部材が、前記ストッパ部材と前記調整部材との間に配置されている、ことを特徴とする。
本発明による弁装置は、
弁体と、
前記弁体と共に移動する作動棒と、
筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
前記オリフィス部は円筒面を有し、
前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
前記ケースは、冷媒が流入する配管、及び冷媒が流出する配管に接続されている、ことを特徴とする。
本発明による弁装置は、
弁体と、
前記弁体と共に移動する作動棒と、
筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
前記オリフィス部は円筒面を有し、
前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
前記弁体は、前記作動棒と一体に形成され、前記作動棒は、前記弁本体内に挿入され、
前記弁本体は、前記冷媒が通過する配管内に挿入されている、ことを特徴とする。
本発明により、低コストで耐久性に優れた、改良された弁装置を提供することができる。
図1は、本実施形態における膨張弁を、冷媒循環システムに適用した例を模式的に示す概略断面図である。 図2は、膨張弁の断面図である。 図3(a)は、本実施形態にかかる作動棒の図2のA-A線における断面を下面視した図であり、図3(b)は、変形例にかかる作動棒の同様な断面図である。 図4は、第2変形例にかかる膨張弁を示す図2と同様な断面図である。 図5は、第3変形例にかかる膨張弁を示す側面図である。 図6は、第3変形例にかかる膨張弁の断面図である。 図7は、第2の実施形態にかかる弁装置としての定圧弁を示す図2と同様な断面図である。 図8は、第3の実施形態における膨張弁を、冷媒循環システムに適用した例を模式的に示す概略断面図である。 図9は、図8の膨張弁において弁体付近を拡大して示す断面図である。 図10は、リングばね206を示す斜視図である。 図11は、第4の実施形態にかかる差圧弁を配管に組み付けた状態で示す断面図である。 図12は、本実施形態の作動棒の斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態について説明する。
(方向の定義)
本明細書において、ダイアフラムを有する実施形態においては、弁体からダイアフラムに向かう側を「上方」と定義し、ダイアフラムから弁体に向かう側を「下方」と定義する。
(第1の実施形態)
図1、2を参照して、第1の実施形態における弁装置である膨張弁10の概要について説明する。図1は、本実施形態における膨張弁10を、冷媒循環システムCS1に適用した例を模式的に示す概略断面図である。
本実施形態では、膨張弁10を収容した通路ハウジング20が、コンプレッサCPと、コンデンサCDと、エバポレータEVとに流体接続される。まず、通路ハウジング20について説明する。
金属製の通路ハウジング20は、図1で右側面に形成された第1流路20aと、中央に形成された中間室20bと、図1で左側面に形成された第2流路20cと、左側面から右側面まで貫通する戻り流路20dとを有する。第1流路20aと中間室20bとは、第1連通路20eにより連通しており、中間室20bと第2流路20cとは、第2連通路20fにより連通している。円筒状の第1連通路20eの内周には、雌ねじ20gが形成されている。
第1流路20aは供給側流路であり、コンデンサCDより供給側流路及び第1連通路20eを介して、中間室20bに冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路20cは排出側流路であり、中間室20b内の流体は、第2連通路20f及び排出側流路を介して膨張弁外のエバポレータEVに排出される。
通路ハウジング20は、戻り流路20dに面する大径孔20hと、大径孔20hの奥側に形成された小径孔20iと、大径孔20hと小径孔20iとの交差部に形成された環状凹部20jとを有する。大径孔20hは戻り流路20dと連通している。小径孔20iの内側が、膨張弁10を収容する中間室20bとなる。環状凹部20j内には、ゴムまたは樹脂製の密封シールORが配置される。
なお、中間室20bの大径孔20hに対向して戻り流路20dの壁面に形成された貫通孔20kは、組み付け時に膨張弁10を通過させるために設けられたものであり、膨張弁10を取り付けた後は蓋21によって密封閉止される。
図2は、膨張弁10の断面図である。膨張弁10は、ケース12と、付勢部材を構成するコイルばね13と、ストッパ部材16と、ダイアフラム17と、作動棒18と、弁体19を具備する。膨張弁10の軸線をLとする。
ケース12は、中央に上側開口121aを備えた略円盤状の上蓋部材121と、ダイアフラム17を挟んで上蓋部材121と対向する受け部材122とを有する。上蓋部材121と受け部材122は、それぞれ金属製の単一の板材をプレス加工することによって形成される。なお、本実施形態では受け部材122が弁本体を構成する。
上蓋部材121の中央はドーム状に盛り上がっており、上側開口121aの周囲は薄肉状とされ、内側に向かって円形に陥没した陥没部121bとなっている。陥没部121bに接合されるようにして、栓123が上側開口121aを封止している。
受け部材122は、外径が上蓋部材121と略等しい環状のフランジ部122aと、フランジ部122aの内周に上端を連設した大径円筒部122bと、大径円筒部122bと同軸に設けられた小径円筒部122cと、大径円筒部122bと小径円筒部とを連設する中間部122dとを有する。大径円筒部122bの外周には、複数の連通孔122gが形成されている。
円管状である小径円筒部(円管部)122cの外周には、雄ねじ122eが形成されている。なお、小径円筒部122cの内周円筒面122hがオリフィス部を構成し、下端122fが弁座を構成する。
ダイアフラム17は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い可撓性の板材からなり、フランジ部122aの外径とほぼ同じ外径を有する。
上蓋部材121とダイアフラム17とで囲われた空間が圧力作動室POを形成し、ダイアフラム17と受け部材122とで囲われた空間は圧力検出室PDとなる。
ダイアフラム17の下方に、ストッパ部材16が配置されている。プレス加工により形成できるストッパ部材16は、ダイアフラム17に対向する上円板161と、上円板161に対して下方にシフトした下円板162とを有し、下円板162の中央には開口163が形成されている。
開口163に、作動棒18の上端が溶接により接合されている。円筒状部材である作動棒18の下端は、受け部材122の小径円筒部122cを貫通し、その下方で球状の弁体19に溶接されている。作動棒18の外周面と、内周円筒面122hとの間にはわずかな隙間があり、両者は相対摺動が可能となっている。
図3(a)は、図2の矢印A-A線における断面を下面視したものを示している。作動棒18は、全体的に円筒状であるが、下端に開放する一対の溝181を対向して形成している。図2に示すように各溝181は、受け部材122の小径円筒部122cより上方の位置で終端しており、その終端部182は上方に向かって徐々に浅くなっている。溝181は、円弧状断面であるが矩形状断面でもよく、機械加工の他、塑性加工でも形成できる。後述する実施形態および変形例において同様であるが、作動棒18の溝181が流路部を構成し、溝181以外の作動棒18の外周面183が摺接部を構成する。
(第1変形例)
図3(b)は、作動棒の変形例を示す、図3(a)と同様な断面図である。この作動棒18Aは、3つの溝181Aを形成している。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
図2において、ストッパ部材16の下円板162と、受け部材122の中間部122dとの間にコイルばね13が配置されている。これにより、両者を離間する方向に付勢しており、その付勢力でストッパ部材16を弁体19と共に上昇させるため、弁体19が小径円筒部122cの下端122fに当接する(閉弁状態)。ただし、弁体19が小径円筒部122cの下端122fに当接した場合でも、制限された量の冷媒を流すこともある。
かかる状態からダイアフラム17が下方に変位すると、小径円筒部122cの内周円筒面122hに対して作動棒18の外周が摺動して下方に移動し、弁体19が下端122fから離間する(開弁状態)ため、冷媒がオリフィス部を通過可能となる。
(膨張弁の組み立て工程)
膨張弁10の組み立て工程について説明する。まず、金属製の板材をプレス加工することによって図1に示す形状に塑性変形させ、上蓋部材121と受け部材122を得る。次いで、上蓋部材121に上側開口121aをプレス打ち抜き加工などにより形成し、受け部材122に連通孔122gと雄ねじ122eを機械加工などで形成する。プレス加工品を用いてケース12を形成することにより、コスト低減を図れる。
次に、図2に示す態様で、受け部材122に、コイルばね13と、上端にストッパ部材16を接合した作動棒18を上方から挿入し、コイルばね13を圧縮しながら、作動棒18の下端を小径円筒部122cの下端122fから露出させる。かかる状態を保持しつつ、作動棒18と弁体19とを溶接する。
その後、上蓋部材121と、ダイアフラム17と、受け部材122のフランジ部122aのそれぞれ外周部(当接部)を重ね合わせた状態で、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化し、溶接部W1を形成する。このようにして接合された上蓋部材121と受け部材122とで、ケース12を構成する。
続いて、上蓋部材121に形成された上側開口121aから、上蓋部材121とダイアフラム17とで囲われる空間(圧力作動室PO)内に、不活性ガスなどの作動ガスを封入した後、上側開口121aを栓123で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓123を上蓋部材121に固定する。
このとき、陥没部121bの周囲が薄肉であるため、適切な溶接を行うことができる。また、栓123の外周形状に対応して、陥没部121bが所定の円錐形状に形成されているため、溶接により生じたスパッタなどがダイアフラム17上に落下することを回避できる。以上で、膨張弁10が完成する。
次に、膨張弁10の通路ハウジング20への組み付けについて説明する。図1において、膨張弁10を、貫通孔20kから通路ハウジング20内へと挿入し、小径円筒部122cの雄ねじ122eを、第1連通路20eの雌ねじ20gに螺合させる。これにより、膨張弁20全体が、通路ハウジング20に対して螺動しながら下降する。
膨張弁10の下降により、受け部材122のフランジ部122aが、環状凹部20j内の密封シールORを圧迫して密封がなされ、中間室20bと戻り流路20dとを隔離する。これにより、中間室20bから戻り流路20dへの冷媒のショートカットを防止できる。また、上蓋部材121が戻り流路20d内へ露出した状態となるため、圧力作動室POは戻り流路20dの冷媒温度の影響を受ける。
(膨張弁の動作)
図1、2を参照して、膨張弁10の動作例について説明する。コンプレッサCPで加圧された冷媒(流体)は、コンデンサCDで液化され、通路ハウジング20の第1流路20aに送られる。
膨張弁10が開弁すると、第1流路20a内の冷媒は、弁体19と小径円筒部122cの下端122fとの間の隙間を通り、さらに作動棒18と内周円筒面122hとの間を通過して、受け部材122の大径円筒部122bの内側へと至る。このとき、作動棒18の外周に溝181が形成されているため、制御された量の冷媒を通過させることができる。
仮に作動棒18に溝を形成していない場合、小径円筒部122cの内周円筒面122hと作動棒18の外周との隙間を冷媒が流れることとなるが、隙間の断面積が一定であるにもかかわらず、流れる冷媒の流量は、内周円筒面122hに対する作動棒18の偏心度合いによって変化する。これに対し、作動棒18に溝181を形成することで、オリフィス部を通過する冷媒の流量を、作動棒18の偏心度合いに影響されにくくすることができる。
更に冷媒は、連通孔122gを介して大径円筒部122bの外側に抜け、第2連通路20f及び第2流路20cを通過してエバポレータEVに送り出され、エバポレータEVにて、その周囲を流れる空気と熱交換される。更にエバポレータEVを通過した冷媒は、通路ハウジング20の戻り流路20dを介してコンプレッサCP側へ戻される。このようにして、冷媒循環システムCS1内を冷媒が循環する。
本実施形態において、圧力作動室POは、戻り流路20d内の冷媒の温度の影響受け、圧力検出室PDは、エバポレータEVの冷媒入口と連通している。このため、戻り流路20d内の冷媒の温度と、中間室20b内の冷媒の圧力に応じて、ダイアフラム17により隔てられた圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化する。圧力作動室PO内の作動ガスが液化されると内圧が減少し、コイルばね13の付勢力に抗しきれずにダイアフラム17と共に作動棒18は上方向に変位し、弁体19が小径円筒部122cの下端122fに着座する。
一方、圧力作動室PO内の作動ガスが気化されると内圧が増大し、コイルばね13の付勢力に抗してダイアフラム17と共に作動棒18は下方向に変位し、弁体19が小径円筒部122cの下端122fから離間する。なお、ストッパ部材16の上円板161が、受け部材122のフランジ部122aの上面に当接することにより、それ以上、作動棒18が下降することがなく、それによりダイアフラム17の変形が抑制される。
このようにして、膨張弁10の開弁状態と閉弁状態との間の切り換えが行われる。なお、開弁圧を変更したい場合、蓋21を取り外して通路ハウジング20から膨張弁10を抜き出し、さらにコイルばね13の弾性力などを調整した別の膨張弁10に入れ替えればよい。
本実施形態の膨張弁10においては、作動棒18を、オリフィス部としての内周円筒面122hに対して摺動させているため、別部品としての摺動部材を設ける必要がなく、コスト低減を図れる。加えて、作動棒18と小径円筒部122cの内周円筒面122hとの摺動が金属同士の接触であるため、長時間の摺動に耐えることができ、耐久性に優れる。また、作動棒18を小径円筒部122cの内周円筒面122hに対して摺動させているため、開弁時に弁体19の周囲を冷媒が流れた際に、それに起因する弁体振動を抑制する効果もある。
(第2変形例)
図4は、本実施形態の第2変形例を示す図2と同様な断面図である。本変形例の膨張弁10Bでは、上述した実施の形態に対して、作動棒18Bの形状が異なっている。より具体的には、円筒状である作動棒18Bは、上端から下端近傍まで溝181Bが延在しており、溝181Bの終端部182Bは、下方に向かって徐々に浅くなっている。本変形例では球状の弁体を設けていない。作動棒18Bの軸端183Bは、その外周に溝が形成されておらず円筒状である。軸端183Bが弁体を構成する。
本変形例では、閉弁時には作動棒18Bが上昇することで、溝181Bの終端部182Bが、小径円筒部122cの径方向内側に位置し、作動棒18Bの軸端183Bの外周の一部が、小径円筒部122cの下端122fの内周縁に接する(閉弁状態)。このとき、軸端183Bの外周面と、下端122fの内周縁との間にはわずかな隙間しか存在しないため、この隙間を流れる冷媒の量が制限される。
これに対し、開弁時には作動棒18Bが下降することで、作動棒18Bの軸端183Bが、小径円筒部122cの下端122fの内周縁より下方にシフトし、溝181Bの終端部182Bが、小径円筒部122cの下端122fから外部に露出する(開弁状態)。これにより、溝181Bを介して増大した冷媒が、オリフィス部を通って流れることとなる。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
(第3変形例)
図5は、本実施形態の第3変形例にかかる膨張弁を示す側面図である。図6は、本実施形態の第3変形例を示す図2と同様な断面図である。上述した実施形態及び変形例では、コイルばねの付勢力は固定されている。これに対し、本変形例ではコイルばねの付勢力を可変とできる。
本実施形態の膨張弁10Cは、ケース12Cにおける受け部材122Cの大径円筒部122Cbの下端近傍に、一対の切欠122Chを形成している。また、大径円筒部122Cbの外周面には、その下端から切欠122Chまで雌ねじ122Ciが形成され、これにナット124が螺合している。
作動棒18は、プレート125の中央に形成された嵌合孔125aに嵌合している。プレート125の両端は切欠122Chから外方へと張り出しており、その下面はナット124により支持されている。プレート125とストッパ部材16との間には、コイルばね13が配置されている。ナット124とプレート125とで調整部材を構成する。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
本変形例によれば、受け部材122Cに対してナット124を締め上げることで、プレート125が上昇するため、プレート125とストッパ部材16との間隔が縮小し、コイルばね13の付勢力を増大させることができる。それにより開弁圧力が増大する。
一方で、受け部材122Cに対してナット124を緩めることで、プレート125が下降するため、プレート125とストッパ部材16との間隔が増大し、コイルばね13の付勢力を減少させることができる。それにより開弁圧力が減少する。このように調整した膨張弁10Cは、上述した実施形態と同様に通路ハウジング20に組み付けることができる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる弁装置としての定圧弁を示す図2と同様な断面図である。ここでは、図2に示す膨張弁とほぼ同じ構成を有するものを、定圧弁10Dとして用いる。ただし、定圧弁10Dにおいては、ケース12Dにおける受け部材122Dの小径円筒部122Dcの外周に雄ねじが形成されておらず、また受け部材122Dの大径円筒部122Dbの連通孔122Dgは1つのみが形成されている。
更に、不図示のエバポレータの出口に接続される流入管ITの上端内周が、受け部材122Dの小径円筒部122Dcの外周に挿入され、両者はロウ付けにより接合されている。また、不図示のコンプレッサの入口に接続される流出管OTの一端外周が、受け部材122Dの大径円筒部122Dbの連通孔122Dgに挿入され、両者はロウ付けにより接合されている。定圧弁10Dの軸線をLとし、流出管OTの軸線をOとする。それ以外の構成は、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付すことで重複説明を省略する。
定圧弁10Dの動作例について説明する。コンプレッサで加圧された冷媒は、コンデンサで液化され、流入管ITを介して定圧弁10Dに送られる。定圧弁10Dから排出された冷媒は流出管OTからエバポレータに送り出され、エバポレータで、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。更にエバポレータを通過した冷媒は、コンプレッサ側へ戻される。このように、冷媒循環システム内を冷媒が循環する。
定圧弁10Dには、コンデンサから高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサからの高圧冷媒は、流入管ITに進入し弁体19の周囲に達する。
本実施形態において、圧力検出室PDは、流出管OTを介してエバポレータの冷媒入口と連通している。このため、流出管OTへと流れる冷媒の圧力に応じて、ダイアフラム17により隔てられた圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化する。流出管OTの冷媒圧力が上昇し、圧力作動室PO内の体積が減少すると、コイルばね13の付勢力に抗しきれずにダイアフラム17と共に作動棒18は上方向に変位し、弁体19が小径円筒部122Dcの下端122fに着座する。
他方、流出管OTの冷媒圧力が低下し、圧力作動室PO内の作動ガスの体積が増大すると、コイルばね13の付勢力に抗してダイアフラム17と共に作動棒18を押し下げるため、作動棒18は、小径円筒部122Dcの内周面に対して摺動して下方向に変位し、弁体19が小径円筒部122Dcの下端122fから離間する。こうして定圧弁10Dの開弁状態と閉弁状態との間の切り換えが行われる。
定圧弁10Dが開弁状態であると、弁体19と下端122fとの間を通過した冷媒は、
作動棒18の溝181と小径円筒部122Dcの内周面との間を通り、大径円筒部122Db内へと進入し、さらに大径円筒部122Dbから流出管OTを介してエバポレータへと送られる。このように定圧弁10Dでは、エバポレータへと戻る冷媒の圧力に応じて、定圧弁10Dからエバポレータに向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
(第3の実施形態)
次に、図8を参照して、第3の実施形態における弁装置である膨張弁10Eの概要について説明する。図8は、本実施形態における膨張弁10Eを、冷媒循環システムCS2に適用した例を模式的に示す概略断面図である。本実施例では、膨張弁10Eは、コンプレッサCPと、コンデンサCDと、エバポレータEVとに流体接続されている。
膨張弁10Eは、弁室VSを備える弁本体202と、弁体203と、付勢装置204と、作動棒205と、リングばね206と、パワーエレメント208とを具備する。膨張弁10Eの軸線をLとする。
弁本体202は、弁室VSに加え、第1流路221および第2流路222を備える。第1流路221は供給側流路であり、弁室VSには、コンデンサCDから供給側流路を介して冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路222は排出側流路であり、弁室VS内の流体は、オリフィス部227及び排出側流路を介して膨張弁外に排出され、エバポレータEVに至る。第1流路221と弁室VSとの間は、第1流路221より小径の接続路221aにより連通している。内周が円筒面であるオリフィス部227は、第2流路222に連通する連絡路228と交差している。オリフィス部227の下縁に続けて、テーパ状に漸次拡径した弁座220が設けられている。
作動棒205の下端に、球状の弁体203が当接している。弁体203は弁室VS内に配置される。弁体203が弁本体202の弁座220に当接しているとき、第1流路221と第2流路222とは非連通状態となる。一方、弁体203が弁座220から離間しているとき、第1流路221と第2流路222とは連通状態となる。
図9は、図8の膨張弁において弁体付近を拡大して示す断面図である。作動棒205は、全体的に円筒状であるが、下端に開放する一対の溝205aを対向して形成している(図3参照)。各溝205aは連絡路228内で終端しており、その終端部は上方に向かって徐々に浅くなっている。
円筒状部材である作動棒205は、オリフィス部227に小さい隙間を持って挿通され、付勢装置204による付勢力に抗して弁体203を開弁方向に押圧することができる。作動棒205が下方向に移動するときオリフィス部227に対して摺動し、弁体203は、弁座220から離間し、膨張弁10Eが開弁状態となる。
次に、作動棒205を駆動するパワーエレメント208について説明する。図8において、パワーエレメント208は、弁本体202の頂部に設けられた凹部202aに取り付けられている。凹部202aは連通路202bを介して、エバポレータEVからの冷媒が通過する、弁本体202内の戻り流路223と連通している。連通路202b内を作動棒205が通過している。凹部202aの内周に雌ねじが形成されている。
パワーエレメント208は、栓281と、上蓋部材282と、ダイアフラム283と、ストッパ部材284と、受け部材286とを有する。
上蓋部材282は、中央の円錐部282aと、円錐部282aの下端から外周に広がる環状のフランジ部282bとを有する。円錐部282aの頂部には開口282cが形成され、栓281により封止可能となっている。
ダイアフラム283は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い板材からなり、フランジ部282bの外径とほぼ同じ外径を有する。
ストッパ部材284は、下端中央に嵌合孔284aを有する。
受け部材286は、上蓋部材282のフランジ部282bの外径とほぼ同じ外径を持つフランジ部286aと、軸線Lと略直交する環状の支持面286bを持つ段差部286cと、中空円筒部286dとを有している。中空円筒部286dの外周には雄ねじが形成されている。
パワーエレメント208の組み立て手順を説明する。図8に示すような位置関係となるように、上蓋部材282、ダイアフラム283、ストッパ部材284、及び受け部材286を配置する。
更に、上蓋部材282のフランジ部282bと、ダイアフラム283と、受け部材286のフランジ部286aのそれぞれ外周部を重ね合わせた状態で、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化する。上蓋部材282と受け部材286とでケースを構成する。
続いて、上蓋部材282に形成された開口282cから、上蓋部材282とダイアフラム283とで囲われる空間(圧力作動室PO)内に作動ガスを封入した後、開口282cを栓281で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓281を上蓋部材282に固定する。
このとき、圧力作動室POに封入された作動ガスにより、ダイアフラム283は受け部材286側に張り出す形で圧力を受けるため、ダイアフラム283と受け部材286とで囲われる空間(圧力検出室PD)に配置されたストッパ部材284の上面と当接して支持される。
パワーエレメント208の組み付け時には、ストッパ部材284の嵌合孔284aに作動棒205の上端を嵌合させた状態で、受け部材286の中空円筒部286dの雄ねじを、戻り流路223と連通する弁本体202の凹部202aの雌ねじに螺合させて、パワーエレメント208を弁本体202に固定する。
このとき、パワーエレメント208と弁本体202との間には、パッキンPKが介装され、弁本体202にパワーエレメント208を取り付けた際の凹部202aからの冷媒のリークを防止する。かかる状態で、パワーエレメント208の圧力検出室PDは戻り流路223と連通する。
次に、リングばね206について説明する。リングばね206は、図8において弁本体202の凹状にくぼんだ環状部226内に設置されている。図10は、リングばね206を示す斜視図である。
リングばね206は、板状の部材を図10に示されるように円筒形状に湾曲させ、かつ第1の弾性片261、第2の弾性片262及び第3の弾性片263を内側に折り曲げて構成される。
第1の弾性片261、第2の弾性片262、第3の弾性片263は内側に切り起こすようにして折り曲げられるが、それぞれ先端近傍に設けられた第1の凸状当接部261a、第2の凸状当接部262a、第3の凸状当接部263aは、円周を3等分した位置になるように設計されている。そして、軸線L(図8)に直交する面内において、第1の凸状当接部261a、第2の凸状当接部262a、第3の凸状当接部263aの頂部を結ぶ内接円の直径寸法は、作動棒205の外径より小さな径に形成される。これにより、第1の凸状当接部261a、第2の凸状当接部262a、第3の凸状当接部263aから作動棒205の外周に対して所定の押圧力が付与されることとなる。
次に、付勢装置204について説明する。図8において、付勢装置204は、円形の線材を螺旋状に巻いたコイルばね(付勢部材)241と、コイルばね241の上端に取り付けられて弁体203を支持する弁体サポート242と、コイルばね241の下端を支持しつつ弁本体202に取り付けるばね受け部材(調整部材)243とを有する。ばね受け部材243は弁本体202の弁室VSを密閉するとともに、弁体203を弁座220に向かって付勢するコイルばね241の端部を支持する機能を有する。
弁体サポート242は、上部を形成するサポート支持部242aと、下部を形成するサポート円筒部242bと、中央外周から放射状に延在するサポートフランジ部242cとを有する。サポート支持部242aは、弁体203を支持する円錐形状の凹部を備える。サポート円筒部242b及びサポートフランジ部242cは、弁室VS内に配置されたコイルばね241の上端に嵌合及び当接して、これを支持する。
(膨張弁の動作)
図8を参照して、膨張弁10Eの動作例について説明する。コンプレッサCPで加圧された冷媒は、コンデンサCDで液化され、膨張弁10Eに送られる。また、膨張弁10Eで断熱膨張された冷媒はエバポレータEVに送り出され、エバポレータEVで、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。エバポレータEVから戻る冷媒は、膨張弁10E(より具体的には、戻り流路223)を通ってコンプレッサCP側へ戻される。
膨張弁10Eには、コンデンサCDから高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサCDからの高圧冷媒は、第1流路221を介して弁室VSに供給される。
弁体203が、弁座220に当接しているとき(換言すれば、膨張弁10Eが閉弁状態のとき)には、弁室VSの上流側の第1流路221と弁室VSの下流側の第2流路222とは、非連通状態である。他方、弁体203が、弁座220から離間しているとき(換言すれば、膨張弁10Eが開弁状態のとき)には、弁室VSに供給された冷媒は、オリフィス部227と溝205aとの隙間及び第2流路222を通って、エバポレータEVへ送り出される。なお、膨張弁10Eの閉弁状態と開弁状態との間の切り換えは、パワーエレメント208に接続された作動棒205によって行われる。
図8において、パワーエレメント208の内部には、ダイアフラム283により仕切られた圧力作動室POと圧力検出室PDとが設けられている。このため、圧力作動室PO内の作動ガスが液化されると、作動棒205は上方向に移動し、液化された作動ガスが気化されると、作動棒205は下方向に移動する。こうして、膨張弁10Eの開弁状態と閉弁状態との間の切り換えが行われる。
更に、パワーエレメント208の圧力検出室PDは、戻り流路223と連通している。このため、戻り流路223を流れる冷媒の圧力が、ストッパ部材284及びダイアフラム283を介して圧力作動室PO内の作動ガスに伝達される。それにより、圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化し、作動棒205が駆動される。換言すれば、図6に記載の膨張弁10Eでは、エバポレータEVから膨張弁10Eに戻る冷媒の圧力に応じて、膨張弁10EからエバポレータEVに向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
(第4の実施形態)
次に、図11を参照して、第4の実施形態における弁装置である差圧弁10Fについて説明する。図11は、差圧弁10Fを配管TBに組み付けた状態で示す断面図である。差圧弁10Fの軸線をLとする。図12は、本実施形態の作動棒の斜視図である。
差圧弁10Fは、弁体を備えた作動棒301と、作動棒301が挿入された弁本体302と、付勢部材であるコイルばね303と、コイルばね303の付勢力を調整する調整部材304とを有する。
図12において、作動棒301は、たとえば圧造により一体的に形成されてなり、円筒状である上流側軸部301aと、円錐部301bと、円筒状である下流側軸部301cとを連設してなる。
円筒状である上流側軸部301aは、全体的に円筒状であるが、一端に開放する一対の溝301dを対向して形成している(図3参照)。各溝301dは、円錐部301bと交差する位置で終端しており、その終端部301eは円錐部301bの外表面の一部となり、下流側に向かって徐々に溝深さが浅くなっている。終端部301eから円錐部301bの外表面にかけて、細溝301fが形成されている。細溝301fは必ずしも設けなくてよい。円錐部301bが弁体を構成する。
図11において、弁本体302は、厚肉円管部302aと、薄肉円管部302bとを同軸に連設してなる。厚肉円管部302aと薄肉円管部302bは別個に形成された後、溶接またはロウ付けにより一体化されてもよい。厚肉円管部302aの内周はオリフィス部302cとなっており、厚肉円管部302aの中央外周には周溝302dが形成されている。オリフィス部302cの内径は、上流側軸部301aの外径よりわずかに大きくなっている。オリフィス部302cの端部内周縁が、弁座302gを構成する。
薄肉円管部302bは、径方向内外を連通する連通孔302eと、厚肉円管部302aから離れた端部内周に形成された雌ねじ302fとを有する。薄肉円管部302bの外径は、厚肉円管部302aの外径よりも小さくなっている。
有底円筒形状の調整部材304は、中央に形成された貫通孔304aと、外周に形成された雄ねじ304bとを有する。調整部材304の内周は、不図示の工具を嵌合させて回転できるよう非円形状(たとえば六角形状)であると好ましい。
差圧弁10Fの組み付け時には、作動棒301を弁本体302の薄肉円管部302b側から挿入し、上流側軸部301aをオリフィス部302c内に挿入する。さらに、薄肉円管部302b内にコイルばね303を挿入し、その一端を作動棒301の下流側軸部301cに係合させ、円錐部301bの裏面に突き当てる。
その後、コイルばね303の他端を調整部材304の端面で押し込みながら、調整部材304の雄ねじ304bを薄肉円管部302bの雌ねじ302fに螺合させる。雄ねじ304bと雌ねじ302fとの螺合量を調整することで、開弁圧を調整できる。
調整後の差圧弁10Fは、冷媒循環システムを含む流体連通システム内の配管TBに内挿される。所定位置に配置した差圧弁10Fに対し、配管TBの外周の一部を外部からカシメることで突起PJが内周から突出する。この突起PJが弁本体302の周溝302d内へと嵌入することにより、差圧弁10Fを配管TBに固定することができる。
(差圧弁の動作)
図11において、差圧弁10Fを挟んで上側を上流側とし、下側を下流側とする。ここで、上流側の流体圧力が下流側の流体圧力に対し閾値以下の場合には、オリフィス部302c内の圧力が、コイルばね303の付勢力及び下流側の流体圧力を下回るため、作動棒301の円錐部301bが弁本体302の弁座302gに接した状態が維持される(閉弁状態)。
なお、このとき細溝301fが形成されていれば、細溝301fと弁座302gとの間の隙間を介して、制限された流量の流体が、弁本体302通過して下流側へと流れることとなる。
一方、上流側の流体圧力が下流側の流体圧力に対し閾値を超えたとき、オリフィス部302c内の圧力が、コイルばね303の付勢力及び下流側の流体圧力を上回るため、オリフィス部302cに対して上流側軸部301aが摺動し、作動棒301の円錐部301bが弁本体302の弁座302gから離間する(閉弁状態)。
これによりオリフィス部302cと作動棒301の溝301dとの間の隙間を通して、流体が薄肉円管部302bの内側へと流れ出る。さらに流体は、連通孔302eを抜けて薄肉円管部302bの外周と配管TBとの間を通過して、配管TBの下流側に至るようになっている。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能であり、また上述の実施形態における任意の構成要素の追加または省略が可能である。
10、10B、10C、10E:膨張弁
10D:定圧弁
10F:差圧弁
12、12C、12D:ケース
13、241、303:コイルばね
16、284:ストッパ部材
17、283:ダイアフラム
18、18A、205、301:作動棒
181、181A、205a、301d:溝
19、203:弁体
20:通路ハウジング
CS1、CS2:冷媒循環システム
CP:コンプレッサ
CD:コンデンサ
EV:エバポレータ

Claims (9)

  1. 弁体と、
    前記弁体と共に移動する作動棒と、
    筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
    前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
    前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ
    冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
    前記オリフィス部は円筒面を有し、
    前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
    前記弁本体の一部に円管部が形成されており、前記円管部の内周が前記オリフィス部であり、前記円管部の外周に雄ねじが形成されている、
    ことを特徴とする弁装置。
  2. 通路ハウジングの雌ねじに前記雄ねじを螺合させることにより、前記通路ハウジングに取り付け可能となっている、
    ことを特徴とする請求項に記載の弁装置。
  3. 前記弁体は、前記作動棒の一端に形成されており、前記溝は前記一端近傍で終端している、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の弁装置。
  4. 弁体と、
    前記弁体と共に移動する作動棒と、
    筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
    前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
    前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
    冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
    前記オリフィス部は円筒面を有し、
    前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
    前記弁体は、前記作動棒の一端に形成されており、前記溝は前記一端近傍で終端している、
    ことを特徴とする弁装置。
  5. 前記作動棒の他端は、前記ダイアフラムに当接するストッパ部材に連結されており、
    前記ケースに対して調整部材が位置調整可能に取り付けられており、
    前記付勢部材が、前記ストッパ部材と前記調整部材との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項弁装置。
  6. 弁体と、
    前記弁体と共に移動する作動棒と、
    筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
    前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
    前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
    冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
    前記オリフィス部は円筒面を有し、
    前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
    前記作動棒の他端は、前記ダイアフラムに当接するストッパ部材に連結されており、
    前記ケースに対して調整部材が位置調整可能に取り付けられており、
    前記付勢部材が、前記ストッパ部材と前記調整部材との間に配置されている、
    ことを特徴とする弁装置。
  7. 弁体と、
    前記弁体と共に移動する作動棒と、
    筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
    前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
    前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
    冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
    前記オリフィス部は円筒面を有し、
    前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
    前記ケースは、冷媒が流入する配管、及び冷媒が流出する配管に接続されている、
    ことを特徴とする弁装置。
  8. 弁体と、
    前記弁体と共に移動する作動棒と、
    筒状のオリフィス部と弁座とを備えた弁本体と、
    前記弁体を前記弁座に向かって付勢する付勢部材と、を有し、
    前記作動棒は、前記オリフィス部に対して摺動可能な摺接部と、前記オリフィス部に対して隙間を開けた流路部とを有し、
    前記弁体が前記弁座から離間したときに、冷媒が、前記弁体と前記弁座の間を通過するとともに、前記オリフィス部と前記流路部との隙間を流れ、
    冷媒が通過する圧力検出室と、ガスが封入された圧力作動室とを内部に備えたケースと、
    前記ケース内において、前記圧力検出室と前記圧力作動室とを仕切る可撓性のダイアフラムと、を有し、
    前記オリフィス部は円筒面を有し、
    前記作動棒は、外周に溝を形成した円筒状部材であり、前記流路部は前記溝であり、前記摺接部は前記溝以外の前記作動棒の外周面であり、
    前記弁体は、前記作動棒と一体に形成され、前記作動棒は、前記弁本体内に挿入され、
    前記弁本体は、前記冷媒が通過する配管内に挿入されている、
    ことを特徴とする弁装置。
  9. 前記弁本体に対して調整部材が位置調整可能に取り付けられており、
    前記付勢部材が、前記作動棒と前記調整部材との間に配置されている、
    ことを特徴とする請求項に記載の弁装置。
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