JP7401488B2 - 積層成形システムおよび積層成形システムの制御方法 - Google Patents

積層成形システムおよび積層成形システムの制御方法 Download PDF

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本発明は、真空積層装置と、該真空積層装置の後工程に配置されるプレス装置と、前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物をプレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムおよび該積層成形システムの制御方法に関するものである。
真空積層装置と、該真空積層装置の後工程に配置されるプレス装置と、前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物をプレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムについては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1は、真空積層装置の後工程にプレス装置である第二の積層装置の加圧加熱装置と第三の積層装置の加圧冷却装置が備えられている。
特開2004-58349号公報
しかしながら従来の積層成形システムでは、加熱加圧した積層成形品を冷却するためには、加熱加圧装置と冷却加圧装置の2台のプレス装置を設ける必要があった。または積層成形品に対する加圧加熱装置と冷却加圧装置によりそれぞれ略同じ時間ずつ加圧成形が行われるため、加圧加熱時間と加圧冷却時間の配分を最適なものとすることができなかった。そこで本発明では、積層成形システムの簡略化、積層成形システムによる積層成形の成形性向上、積層成形システムによる積層成形の成形時間短縮の少なくとも一つについて良好な結果を得ることができる積層成形システムおよび積層成形システムの制御方法を提供することを目的とする。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明の請求項1に記載の積層成形システムは、真空積層装置と、該真空積層装置の後工程に配置されるプレス装置と、前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物をプレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムにおいて、前記プレス装置は、加圧手段と、上盤または下盤少なくとも一方の盤に取り付けられた加圧部材と、前記加圧部材の加圧面を加熱する加熱手段と、前記加圧部材の加圧面を冷却する冷却手段とを備える。
本発明の積層成形システムは、真空積層装置と、該真空積層装置の後工程に配置されるプレス装置と、前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物をプレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムにおいて、前記プレス装置は、加圧手段と、上盤または下盤少なくとも一方の盤に取り付けられた加圧部材と、前記加圧部材の加圧面を加熱する加熱手段と、
前記加圧部材の加圧面を冷却する冷却手段とを備えるので、積層成形システムの簡略化、積層成形システムによる積層成形の成形性向上、積層成形システムによる積層成形の成形時間短縮の少なくとも一つについて良好な結果を得ることができる。
第1の実施形態の積層成形システムの概略説明図である。 第1の実施形態の積層成形システムのプレス装置の要部の縦断面図である。 第1の実施形態の積層成形システムのプレス装置の要部の水平断面図である。 第1の実施形態の積層成形システムの制御方法を示す図である。 第2の実施形態の積層成形システムのプレス装置の要部の縦断面図である。 第3の実施形態の積層成形システムのプレス装置の要部の縦断面図である。 第4の実施形態の積層成形システムのプレス装置の要部の縦断面図である。
本発明の第1の実施形態の積層成形システム1について、真空積層装置2とプレス装置3を断面表示した図1を参照して説明する。積層成形システム1は、真空積層装置2の後工程にプレス装置3が配置され、搬送装置によって送られるキャリアフィルムF1,F2により前記真空積層装置2から搬送された凹凸部を備えた被積層材である基板A1と積層フィルムA2からなる中間積層成形物A4が前記プレス装置3により加圧成形されるものである。
基板A1と積層フィルムA2の移送装置とテンション装置を兼ねる搬送装置10のキャリアフィルム巻出装置4は、下側の巻出ロール411および従動ロール412を備えている。前記巻出ロール411から巻き出された下キャリアフィルムF1は従動ロール412の部分で水平状態に向きが変更される。下キャリアフィルムF1が水平状態となった部分に、前工程から重ねられて送られてくる被成形材である基板A1と積層フィルムA2を載置する載置ステージ部413が設けられている。また搬送装置10を構成するキャリアフィルム巻出装置4は、上側の巻出ロール414および従動ロール415を備えており、前記巻出ロール414から巻き出された上キャリアフィルムF2は従動ロール415の部分で基板A1と積層フィルムA2からなる積層成形物A3の上に重ねられる。これらキャリアフィルムF1,F2に挟まれて基板A1と積層フィルムA2が移送され、真空積層装置2やプレス装置3においてキャリアフィルムF1,F2を介して積層成形が行われることにより、積層フィルムA2が溶融して装置部分に付着することを防止したり、特にプレス装置3においては中間積層成形物A4を加圧する際に一定の緩衝作用が付与されるという利点もある。また積層成形品A5の種類によってはプレス装置3から取り出された積層成形品A5の温度が低下した後に、キャリアフィルムF1,F2と積層成形品A5の間を剥離するので良好な状態での剥離または離型を行うことができる。
搬送装置10を構成するキャリアフィルム巻出装置4の後工程に配置される真空積層装置2は、真空状態(減圧状態)のチャンバC内においてダイアフラム211等の加圧体により基板A1と積層フィルムA2からなる積層成形物A3を加圧し、1次成形品である中間積層成形物A4を積層成形するものである。真空積層装置2は、固定的に設けられた上盤212に対して下盤213が昇降機構214により昇降可能に設けられ、下盤213が上昇して上盤212と当接した際に内部にチャンバCが形成可能となっている。チャンバCは図示しない真空ポンプに接続され、減圧可能となっている。また上盤212の中央の下面には熱板215が取付けられ、熱板215の表面には図示しない耐熱性のゴム膜等の弾性シート216が取付けられている。一方下盤213の中央の上面にも熱板217が取付けられている。また下盤213の前記熱板217の周囲の部分には加圧体である耐熱性ゴム膜からなるダイアフラム211が熱板217の上面を覆うように取付けられている。そして図示しないコンプレッサにより加圧空気がダイアフラム211の裏面側に送られることによりダイアフラム211はチャンバC内で膨出して熱板217との間で基板A1と積層フィルムA2を加圧する。なお真空積層装置2のダイアフラム211は上盤に取付けられたものでもよい。また真空積層装置の加圧体は、表面に弾性体が取付けられたロール体同士の間や前記ロール体と加圧板の間で基板A1と積層フィルムA2を加圧するもの等でもよい。また真空積層装置は、上下の熱板の表面にゴム等の弾性シートが取り付けられ弾性シートが加圧面となっているプレス装置を用いてもよい。
前記真空積層装置2の後工程に直列方向に配設されるプレス装置3は、真空積層装置2で加圧成形され凹凸部を備えた被積層材である基板A1と積層フィルムA2とからなり積層フィルムA2の側に凹凸が残った状態の中間積層成形物A4を更に加圧してより一層平坦な積層成形品A5に加圧成形するものである。プレス装置3は、下方に設けられた略矩形のベース盤311と、前記ベース盤311の上方に位置する略矩形の固定盤である上盤312の四隅近傍の間にそれぞれ立設されたタイバ313を備えている。そしてプレス装置3は、略矩形の可動盤である下盤314がベース盤311と上盤312との間で昇降移動可能となっている。上盤と下盤の間には両方の盤の間の距離を検出するための位置センサ340が取り付けられている。また位置センサ340は、上盤側の加圧部材322と下盤側の加圧部材321の間に取り付けられ、加圧部材321,322の間の距離を検出するものでもよい。なお本発明において位置センサ340は必須のものではない。
またベース盤311には加圧手段であって油圧により作動する加圧シリンダ315が設けられ、加圧シリンダ315のラム316が下盤314の背面に固定されている。加圧シリンダは単動のものでも複動のものでもよいが、加圧シリンダの図示しない加圧油室にはポンプ317から作動油を供給する管路318が接続され、管路318には作動油の油圧を測定するための油圧センサ319が設けられている。ポンプ317はこれに限定されるものではないが、サーボモータ320により回転数を制御することのできるポンプが用いられている。また前記管路318に流量を制御するためのサーボバルブを設けてもよい。ポンプ317は真空積層装置2にも作動油を供給するものでもよく、プレス装置3のみに作動油を供給するものでもよい。
なお第1の実施形態のプレス装置3の加圧手段は、サーボモータ等の電動モータによりボールねじを回転させて直接下盤等を移動させるものや、サーボモータ等の電動モータによりトグル装置を介して下盤等を移動させるものなど他の方式のものでもよい。更にプレス装置3は、下盤に対して上盤が下降するものなどでもよい。更にまた第1の実施形態のプレス装置3は、真空状態とすることが可能なチャンバを備えていないが、真空状態にすることが可能なチャンバを備え、真空チャンバ内で加圧を行うものでもよい。
プレス装置3の下盤314と上盤312の各対向面には加圧部材321,322を構成する加圧ブロック323,324がそれぞれ取付けられている。次に図2、図3を用いて下盤314側の加圧部材321の加圧ブロック323等について詳細に説明する。下盤314と加圧ブロック323の間には断熱板を設けてもよい。加圧ブロック323の内部の表面側には温度制御された水や油などの冷却媒体を流通させるための複数本の媒体通路325が形成されている。図3に示されるように加圧ブロック323には、供給側マニホールド部326が接続され、供給側マニホールド部326内に形成された主媒体通路327から前記媒体通路325がそれぞれ分岐している。
加圧ブロック323には、排出側マニホールド部328が接続され、排出側マニホールド部328内に形成された主媒体通路329へは前記媒体通路325がそれぞれ接続されている。そして供給側の主媒体通路329に対しては、冷却媒体供給装置330から媒体供給管路331が接続されている。そして媒体供給管路331には、冷却媒体の供給を開始または停止するための開閉バルブ332が設けられている。なお開閉バルブ332に替えて、或いは開閉バルブ332とともに流量制御バルブを設けてもよい。また排出側の主媒体通路329と冷却媒体供給装置330は、媒体排出管路333により接続されている。更に加圧ブロック323には加圧ブロック323の温度を測定する熱電対等の温度センサ334が取り付けられ、前記温度センサ334は、冷却媒体供給装置330のコントローラ335に接続されている。
なお加圧ブロック323内の媒体通路325に替えて加圧ブロック323の内部を空洞とし、複数のリブや柱により空洞内の表面側と裏面側を接続したものでもよい。これら媒体通路325、冷却媒体供給装置330、媒体通路325と冷却媒体供給装置330を接続するための通路やバルブは、本発明の加圧部材321の加圧面344aを冷却する冷却手段に相当する。また本発明における冷却手段としては、加圧ブロック323の内部にヒートパイプを埋設したものなどでもよい。
加圧ブロック323の表面には加圧ブロック323の平面形状と略同じ平面形状のシート状のラバーヒータ336が貼着されている。ラバーヒータ336は耐熱温度が一例として180℃ないし280℃のシリコーンゴムやふっ素系ゴムの内部に通電により発熱するニクロム線などの発熱体が配置されたものである。ラバーヒータ336の板厚はこれに限定されるものではないが1.00mmないし3.00mm程度である。ラバーヒータ336のニクロム線は、電力線337を介して外部のラバーヒータ336の温度コントローラ339に接続され、温度コントローラ339は制御装置6や電力を供給する図示しない電力供給装置に接続される。また温度コントローラ339は、加圧ブロック323に取り付けられた温度センサ338に接続されている。
ここにおいて加圧ブロック323等の温度検出は、前記温度センサ338によりラバーヒータ336の部分の温度を検出するようにしてもよく、上記した加圧ブロック323に設ける温度センサ334により温度を検出するようにしてもよく、少なくとも一方の温度センサ334,338を設けて温度検出を行う。これらラバーヒータ336と温度コントローラ339等は、本発明の加圧部材321の加圧面344aを加熱する加熱手段に相当する。前記加熱手段としては、ラバーヒータ336以外に加圧ブロック323の内部に複数本のカートリッジヒータやヒートパイプを埋設したものなどでもよい。またラバーヒータ336やカートリッジヒータ等は、加圧部材321の加圧面344aを複数に分割したゾーンごとに別々に設置し、ゾーンごとのヒータを個別に温度コントロールができるようにしてもよい。
加熱手段であるラバーヒータ336の表面には、ラバーヒータ336のカバー部材である内部金属プレート342が取り付けられている。内部金属プレート342はラバーヒータ336の発熱体の部分が他の部分よりも硬いことから加圧時に前記発熱体のある部分の表面側のみが中間積層成形物A4の表面に強く当たって面圧が部分的に高くなることを防止するためのものである。内部金属プレート342はステンレス等の金属や伝熱性と所定以上の硬度を備えた部材からなり、表面および裏面は所定の平滑度に鏡面処理されておりことが望ましい。内部金属プレート342の平面形状はラバーヒータ336と略同じであり、板厚はこれに限定されるものではないが、一例として0.5mmないし5.0mmである。なお内部金属プレート342は必須のものではない。
内部金属プレート342の表面には、ポリイミドフィルム等のエンジニアリングプラスチックまたは熱硬化性樹脂の樹脂フィルムからなる緩衝材343が重ねられている。本発明に使用される樹脂フィルムは、エンジニアリングプラスチックフィルムまたは熱硬化性樹脂フィルムであって工業用機能フィルムが好ましい。具体的にはポリイミド等のエンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む)製フィルムか、ふっ素樹脂等の熱硬化性樹脂フィルムが望ましい。これらの樹脂フィルムはロックウエルRスケールの硬度((ISO 2039-2)が15ないし140、耐熱温度が150℃以上のものが特に好ましい。またこれらの緩衝材343としての樹脂フィルムの厚みは0.005mmないし3.00mm、更に好ましくは0.05mmないし1.00mmがより好ましい。また緩衝材の材質は、樹脂の他、ゴムを含むエラストマ、繊維、紙、またはそれらの複合体からなるものでもよい。なおラバーヒータ336自体にもシート部分はシリコーンゴム等から構成され緩衝作用はあるので、ラバーヒータ336を緩衝材の代用とする場合、緩衝材343は必須のものではない。
そして前記緩衝材343の表面には加圧面344aを構成する金属プレート344が重ねられている。金属プレート344の平面形状は、加圧ブロック323の平面形状と略同じである。金属プレート344の厚みは、0.05mmないし5.0mm程度である。金属プレート344の表面は加圧面344aとなっており鏡面加工されている。また金属プレート344の表面の加圧面344aに窒化処理などの表面処理をすることも行われる。加圧ブロック323、ラバーヒータ336、内部金属プレート342、緩衝材343、加圧面344aを構成する金属プレート344等の互い部材の固着や取り付けは、図示しないボルト、クランパ、熱溶着、接着剤など適宜な方法により取付られる。そして前記により加圧ブロック323と金属プレート344の間に緩衝材343等が備えられることになる。なお図3において加圧部材321を構成する加圧ブロック323、のラバーヒータ336、内部金属プレート342、緩衝材343、加圧面344aを構成する金属プレート344等は、水平方向の長さに対する厚み方向の長さが、実際よりも大きくデフォルメして描画されている。
第1の実施形態のプレス装置3においては、上盤312も下盤314と同じ辺の大きさ、同じ面積で同じ構造の加圧部材322を備える。即ち加圧部材322は、加圧ブロック324、符号を付さないラバーヒータ、内部金属プレート、緩衝材、表面が加圧面341aを構成する金属プレート341を備えている。また上盤側の加圧部材321の加圧ブロック324の冷却手段も下盤側の加圧部材321の加圧ブロック323の冷却手段と同様の構造を備える。更に上盤側の加圧部材321のラバーヒータ等の加熱手段も下盤側の加圧部材321の加熱手段と同様の構造を備える。
ただし本発明では、上盤312と下盤314の少なくとも一方の盤に加熱手段と冷却手段を備えた加圧部材を設けるものでもよい。特には中間積層成形物A4が銅箔等による凹凸面を片面にしか備えていない場合、前記凹凸面を直接加圧する側の加圧部材に加熱手段と冷却手段を備えたものでもよい。
プレス装置3の後工程には積層成形品A5の移送装置とテンション装置を兼ねた搬送装置10を構成するキャリアフィルム巻取装置5が設けられている。キャリアフィルム巻取装置5は、下側の巻取ロール511および従動ロール512を備えており、前記巻取ロール511により下キャリアフィルムF1が巻き取られる。またキャリアフィルム巻取装置5は、上側の巻取ロール513および従動ロール514を備えており、前記従動ロール514の部分で積層成形品A5から上キャリアフィルムF2が剥離され、上キャリアフィルムF2は前記上側の巻取ロール513に巻取られる。そして下キャリアフィルムF1のみが水平状態で送られる部分に積層成形品A5の取出ステージ515が設けられている。なおキャリアフィルムF1,F2の移送装置としては、キャリアフィルムF1,F2の両側を把持して後工程に向けて引っ張る移載装置を設けてもよい。また積層成形システム1の積層成形物A3を真空積層装置2へ搬送したり、真空積層装置2で積層成形された中間積層成形物A4をプレス装置3へ搬送する搬送装置10については前記に限定されず、多軸ロボット等を用いたものでもよい。
次に積層成形システム1の制御装置6について説明する。制御装置6は真空積層装置2、プレス装置3、キャリアフィルム巻出装置4、キャリアフィルム巻取装置5と接続されている。とりわけプレス装置3との関連では、制御装置6は、回転数を制御可能なポンプ317を駆動するサーボモータ320と接続されている。この制御装置6とサーボモータ320に接続には、公知のサーボアンプやロータリエンコーダとの信号の送受信も含まれる。また制御装置6は、油圧回路の開閉バルブ332等のバブルや油圧センサ319とも接続されている。そして前記機構によりプレス装置3の加圧シリンダ315による圧力制御(クローズドループ制御)が可能となっている。また制御装置6は、位置センサ340とも接続されており、位置センサ340により上盤312に対する下盤314の位置を検出して前記ポンプ317のサーボモータ320の回転数を制御することにより、プレス装置3の加圧シリンダ315による位置制御(クローズドループ制御)が可能となっている。
更に制御装置6は、冷却手段の冷却媒体供給装置330、開閉バルブ332、温度センサ338等と接続され、金属プレート344の加圧面344aを含む加圧部材の冷却制御が可能となっている。更にまた制御装置6は、加熱手段のラバーヒータ336の温度コントローラ339に接続され金属プレート344の加圧面344aを含む加圧部材の加熱制御が可能となっている。なお上盤側の加圧部材322と制御装置6の関係についても下盤側の加圧部材321と同様である。
次に第1の実施形態のプレス装置3を含む積層成形システム1を用いた、被積層材である基板A1と積層フィルムA2の積層成形方法について図4等により説明する。連続成形時の積層成形システム1では、ダイアフラム式の真空積層装置2と平坦化プレス装置であるプレス装置3においてシーケンス制御により同時にバッチ処理的に加圧成形が行われる。しかしここでは1成形サイクル分の被積層材である基板A1と積層フィルムA2の成形順序に沿って説明する。なお図4の例はプレス装置3の2成形サイクル分の温度制御を描画している。
搬送装置10の載置ステージ部413に載置される基板A1は、基板表面に接着された銅箔部分の凸部A1bと銅箔が無い部分の凹部A1cからなる凹凸部A1aを有するビルドアップ用の回路基板である。銅箔の厚み(基板部分に対する高さ)はこれに限定されないが数umから数十um程度であって殆どの場合0.1mm以下である。前記基板A1の上下にそれぞれ積層フィルムA2が重ねられてビルドアップ成形用の積層成形物A3が構成される。なお図1では積層成形物A3は1個が記載されているが同時に複数個数の積層成形物A3を積層成形するものでもよい。
第1の実施形態における積層フィルムA2は絶縁フィルムであって、元の保存状態から両面に積層されているPETフィルムが剥離されて使用される。積層フィルムA2の樹脂材料はエポキシ等の熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を主成分とするものである。また前記熱硬化性樹脂以外の材料としては、熱可塑性樹脂や、粗度調整、難燃性付与、低膨張性付与、流動性付与、成膜性付与、低誘電正接化(絶縁性付与)、含水率低下等の目的で各種の材料、添加剤が含有されている。なお積層されるフィルムは、絶縁フィルムの他、感光性フィルムなどでもよい。また積層されるフィルムの成分は、熱可塑性樹脂のみ、熱硬化性樹脂のみでもよく限定されない。
そして載置ステージ部413に載置された前記積層成形物A3は、巻取ロール511,513の回転駆動ともに上下キャリアフィルムF1,F2とともに送られ、開放状態の真空積層装置2のチャンバC内に送られ位置決めされる。次に真空積層装置2はチャンバCが閉鎖され図示しない真空ポンプによりチャンバC内が真空状態とされる。そして加圧空気を送り込んでダイアフラム211をチャンバC内に膨出させ、基板A1と積層フィルムA2からなる積層成形物A3を上盤212側の熱板215の弾性シート216との間で加圧する。この際のダイアフラム211による加圧力は一例として1.0MPa以下であり、基板A1の凹部A1cに積層フィルムA2が埋め込まれる形で基板A1と積層フィルムA2の接着が行われ、1次成形品である中間積層成形物A4が積層成形される。しかし真空積層装置により積層成形された中間積層成形物A4の積層フィルムA2の表面はまだ基板A1の凹凸部A1aの形状に倣って凹凸が残った状態である。またこの際、使用される積層フィルムA2が無機材料の含有率が高い場合には溶融または軟化した樹脂の流動性が低いのでより一層凹凸が残りやすい。
真空積層装置2において凹凸部A1aを備えた基板A1と積層フィルムA2からなり、両者が貼着された中間積層成形物A4が積層成形されるとチャンバCが開放される。そして搬送装置10であるキャリアフィルム巻出装置4とキャリアフィルム巻取装置5による次のキャリアフィルムF1,F2の送りにより、前記中間積層成形物A4はプレス装置3の上盤312と下盤314の間に搬送され、所定の加圧位置に停止される。次にプレス装置3の加圧シリンダ315が作動され、下盤314および加圧部材321の加圧ブロック323等が上昇されて加圧工程が開始される。
この際のプレス装置3による加圧工程Pは、加圧工程開始時P1の加圧部材321の加圧面344aの温度が加圧工程終了時P2の加圧部材321の加圧面344aの温度よりも高くなるように制御が行われる。即ち前回のプレス装置3による加圧工程Pが終了すると、制御装置6からの信号により、冷却手段の媒体供給管路331の開閉バルブ332が閉鎖され、加圧ブロック323内の媒体通路325への冷却媒体の供給が停止される。そして同時に制御装置6から加熱手段の温度コントローラ339に信号が送られ、ラバーヒータ336に通電が開始される。そしてポンプ317のサーボモータ320が逆転駆動され、加圧シリンダ315の加圧油室から作動油がタンクに戻されると下盤314および加圧部材321が下降される。下盤314および加圧部材321が下降されると(型開されると)、次に積層成形品A5はプレス巻き取り装置に向けて搬出される。また同時に真空積層装置2で積層成形された次の中間積層成形物A4がプレス装置3の上盤312の加圧部材322と下盤314の加圧部材321の間に搬入される。
また次の中間積層成形物A4がプレス装置3に搬入されると、制御装置6から信号が送られ、ポンプ317のサーボモータ320が正回転してタンクから加圧シリンダ315の加圧油室に作動油を供給する。そして下盤314の加圧部材321が上盤312の加圧部材322に向けて上昇され、やがて中間積層成形物A4は、キャリアフィルムF1,F2を介して加圧部材321と加圧部材322の間に挟持される。この加圧工程Pが開始されるまでの型開工程P3の間、前記ラバーヒータ336へは通電が継続されているので急速にラバーヒータ336の熱が内部金属プレート342、緩衝材343、加圧面344aを構成する金属プレート344に伝播し、前記加圧面344aが昇温される。
前記型開工程P3が終了すると加圧工程Pに移行する。まず最初にプレス装置3の加圧工程Pの温度制御について説明する。図4の例では加圧工程Pを開始してから所定時間は、目標温度に向けて更に昇温させる加熱制御を行っている。このことにより型開工程P3のみで所望の温度に上昇できなかった部分を補っている。図4には105℃まで昇温される例が記載されている。加圧工程Pの加熱制御時における目標温度(最高温度)については、これに限定されるものではないが、一例としては、90℃ないし150℃である。そして目標温度に到達すると所定時間は同じ温度に維持されるように温度コントローラ339によりラバーヒータ336のクローズドループ制御が行われる。より具体的には温度センサ338の値を検出してラバーヒータ336のON・OFF制御が行われる。なお加圧工程Pの開始時までに、金属プレート344の加圧面344aの温度が目標温度に到達している場合は、加圧工程Pにおいてそれ以上昇温させる必要はなく、そのまま同じ温度に維持される。いずれにしても加圧工程Pの開始時から所定時間、加熱加圧工程P4が行われる。
そして所定時間が経過すると加熱加圧工程P4が終了して冷却加圧工程P5へ移行する。冷却加圧工程P5への移行に際しては温度コントローラ339によりラバーヒータ336への通電が完全に遮断される。次に制御装置6からの信号により冷却手段の開閉バルブ332が開放され、冷却媒体供給装置330から加圧ブロック323内の媒体通路325へ冷却媒体が供給される。このことにより図4に示されるように金属プレート344の加圧面344aは徐々に冷却される。この冷却加圧工程P5の冷却制御もクローズドループ制御により所定の温度となるように制御される。図4には80℃まで降温される例が記載されている。加圧工程Pの冷却制御時における目標温度(最低温度)については、これに限定されるものではないが、一例として50℃ないし110℃である。また冷却制御においてもラバーヒータ336を使用することを否定するものではない。例えば加圧ブロック323において冷却媒体が供給される側は、冷却媒体が排出される側よりも温度が低下しがちであるので、供給側のラバーヒータ336に通電して金属プレート344の加圧面が均等、または所望の温度分布となるように制御するものでもよい。
次にプレス装置3の加圧工程Pの加圧制御について説明する。図4に示されるようにプレス装置3による加圧工程Pでは、加圧工程開始時P1は、圧力制御が行われ、その後位置制御に切り替えられる。大まかには加熱加圧工程P4では圧力制御が行われ、冷却加圧工程P5では位置制御が行われる。しかし加熱加圧制御の区間と圧力制御の区間は完全に一致してもいなくてもよい。即ち、加熱加圧工程の間に圧力制御を終了して位置制御を開始するものでもよく、加熱加圧工程から冷却加圧工程に移行後もまだ圧力制御が継続されており、冷却加圧工程の途中で圧力制御から位置制御に切り替えられるものでもよい。また圧力制御と冷却制御の中間に、圧力制御の要素と位置制御の要素を併せ持つ制御を行うものでもよい。
プレス装置3による加圧工程Pの時間は、積層成形品A5によって相違するのでこれに限定されるものではないが、一例として20秒ないし90秒である。そのうち加熱加圧工程P4の時間はこれに限定されるものではないが一例として加圧工程Pの時間のうち30%ないし70%の時間、加熱加圧工程を行うことが好ましい。また圧力制御の時間についても、これに限定されるものではないが一例として加圧工程Pの時間のうち30%ないし80%の時間、圧力制御を行うことが好ましい。
更に加圧工程Pの圧力については、これに限定されるものではないが一例として中間積層成形物A4の1cm当たりの面圧が0.2MPaないし3.0MPaであることが好ましい。そのうち加熱加圧工程P4において中間積層成形物A4の面圧は、従来の加圧工程の面圧よりも所定の範囲で低圧にすること望ましい場合もある。また特に加圧温度の低下により樹脂層の流動性または粘度が低下する中間積層成形物A4の場合は、全ての工程で圧力制御を行う場合、冷却加圧工程P5の面圧は加熱加圧工程よりも上昇させるようにしてもよい。更には加圧温度の低下により樹脂層の流動性または粘度が低下する中間積層成形物A4の場合は、冷却加圧工程P5開始後、加圧面344aの温度が低下して樹脂の流動性または粘度が低下してから圧力を上昇させるようにしてもよい。更には冷却加圧工程P5において位置制御を行う場合は、中間積層成形物A4の板厚を積層成形品A5の板厚(最終板厚)になるように下盤314を上昇させる(加圧手段である加圧シリンダ315を制御する)と結果的に加熱加圧工程P4に中間積層成形物A4に加えられる面圧よりも、冷却加圧工程P5の面圧のほうが上昇してしまうことも行われる。
このように加圧工程Pの開始から金属プレート344の加圧面344aの温度を従来よりも高温として加熱制御を行うことにより中間積層成形物A4の絶縁フィルム部分の溶融または軟化した樹脂の流動性を向上させることができる。そのため中間積層成形物A4の銅箔部分の表側の樹脂フィルムに板厚の厚い凸部が残っていたとしてもその凸部の溶融または軟化した樹脂を板厚の薄い凹部の部分に良好に流動させることができる。そしてその結果、中間積層成形物A4に強いストレスを加えることなる中間積層成形物A4の表面の平坦性を確保することができる。またこの加圧工程Pにおける加圧シリンダ315の加圧力(中間積層成形物A4に加えられる面圧)を従来よりも低くすることにより中間積層成形物A4の端部付近への応力集中を低下させ、中間積層成形物A4の端部から溶融または軟化した樹脂の側方への流出を防止することができる。
また加圧温度の低下により樹脂層の流動性または粘度が低下する中間積層成形物A4の場合は、加圧工程Pの後部分の金属プレート344の加圧面344aの温度を従来よりも低温として冷却制御を行うことにより次の効果が得られる。即ち加圧工程Pの前半の加熱制御により中間積層成形物A4がほぼ均等な厚みとなってから溶融または軟化した樹脂の温度を低下させ流動性を低下させてから中間積層成形物A4を加圧するので中間積層成形物A4の端部から溶融または軟化した樹脂の側方への流出を防止または許容範囲内に抑制することができる。また上記したようにこの際、加圧力(中間積層成形物A4に加えられる面圧)を高くしたり中間積層成形物A4を所定の板厚となるように位置制御により加圧することにより結果的に一時的に加圧力が上昇したとしても中間積層成形物A4の端部から溶融または軟化した樹脂の側方への流出を防止または許容範囲内に抑制することができる。
またプレス装置3により加圧成形の完了した積層成形品A5が加圧されずに冷却されると反りを生じる場合は、冷却加圧工程P5を行うことにより積層成形品A5の反りを無くすことができる。または従来は反りを無くすために冷却プレスを別途設置していた場合に冷却プレスを無くして簡略化することが出来る場合もある。
またプレス装置3の加圧工程Pの加熱加圧工程P4および冷却加圧工程P5、または圧力制御および位置制御の時間をそれぞれ最適化することにより、積層成形品A5の成形性向上以外に、積層成形品A5の成形時間短縮が図れる場合がある。即ち真空積層装置2とプレス装置3は、バッチ式処理により略同じ時間の成形が行われる。しかし実際はプレス装置3での加圧工程のほうが長い加圧時間を必要とする場合も多く、プレス装置3での加圧時間がネックになって積層成形システム1全体の成形時間が拘束されている場合が多い。しかしプレス装置3での加圧時間が短縮できれば積層成形システム1全体のサイクル短縮に繋がる。
次に図5により第2の実施形態のプレス装置の説明を行う。プレス装置7の加圧機構などの構造は、図1の第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。図5のプレス装置7では、図示しない上盤または下盤に加圧部材711が取り付けられている。加圧部材711とマニホールド部の部分は図3に示される第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。そして加圧部材711の加圧ブロック712の媒体通路713に送られる熱媒体が加熱媒体と冷却媒体が選択して送られるようになっている。プレス装置7の外部の媒体管路714には加熱媒体供給装置715と冷却媒体供給装置716からなる熱媒体供給装置717が備えられている。熱媒体供給装置717のうちの加熱媒体供給装置715は、図示しないヒータを備えたタンク718とポンプ719を備えている。また冷却媒体供給装置716も、図示しないクーラを備えたタンク720とポンプ721を備える。そして熱媒体供給装置717のコントローラ722は、加圧ブロック712に設けられた温度センサ723や制御装置6と接続されている。更に加熱媒体供給装置715と冷却媒体供給装置716の合流部分には切換バルブ724が設けられ、前記切換バルブ724はコントローラ722と接続され、加圧ブロック712に供給される熱媒体が、加熱媒体と冷却媒体の切換えが可能となっている。
図5の第2の実施形態では、加圧ブロック712内に設けられた媒体通路713が加熱手段と冷却手段の双方に該当する。また加熱手段としては加熱媒体供給装置715が含まれ、冷却手段には冷却媒体供給装置716が含まれる。加圧ブロック712の表面には図示しない緩衝材が直接取り付けられ、前記緩衝材の表面に取り付けられ加圧面を構成する金属プレート(図示せず)が取り付けられている。媒体通路713に流される熱媒体は、水、油、エア等の気体、蒸気の少なくとも一つが考えられる。蒸気を使用する場合は加熱媒体供給装置715が蒸気発生装置となる。
なお前記プレス装置7には加圧ブロック712内にカートリッジヒータを設けたり、加圧ブロック712の表面にラバーヒータを設けたものでもよい。加熱制御においては、前記ラバーヒータ等に通電しながら、媒体通路に加熱媒体を流すことにより加圧ブロック712や金属プレートの加圧面を急速に加熱することができる。または冷却制御においては、前記ラバーヒータ等に通電しながら、媒体通路に冷却媒体を流すことにより加圧ブロック712や金属プレートの加圧面の温度をコントロールしながら低下させることもできる。
第2の実施形態によるプレス装置7の加圧工程Pの温度制御は、図4の例と同様であり、加圧時以外と加圧初期の加熱制御時には、媒体通路713には加熱媒体を流し、加圧ブロック712、緩衝材を介して金属プレートとその加圧面を昇温させる。また加圧後期の冷却制御時には、切換バルブ724を切換えて媒体通路713に冷却媒体を流し、加圧ブロック712、緩衝材を介して金属プレートとその加圧面を降温させる。プレス装置7の圧力制御または位置制御も第1の実施形態と同様または適宜に異なる形で制御が行われる。
次に図6により第3の実施形態のプレス装置8の説明を行う。プレス装置8の加圧機構などの構造は、図1の第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。図6のプレス装置8は、図示しない上盤または下盤に加圧部材811が取り付けられている。そして加圧部材811である加圧ブロック812の内部に冷却手段である媒体通路813が形成されている。そして加圧ブロック812の表面には緩衝材814を備えている。緩衝材814は、緩衝作用を備えた上に電気的な絶縁性を備えるものが使用される。そして緩衝材814の表面には加熱手段により加熱可能であって加圧面を構成する金属プレート815が備えられている。
より具体的には加熱手段を構成する金属プレート815は、通電により抵抗発熱されるステンレス等の薄板からなる。そして金属プレート815の加圧面815aは積層成形品の成形に必要な平滑面となっている。また金属プレート815の両側の端部には複数の電極816,817を備えている。そしてそれぞれの電極816,817は図示しない電力線を介して給電用コントローラに接続されている。従って前記給電用コントローラにより電流値または電圧値が制御された電流を金属プレート815に送電することにより、金属プレート815を所望の温度に昇温することができる。なおプレス装置8は、加圧時以外は、金属プレート815のみ、または金属プレート815と緩衝材814がバネ等の弾性力により加圧ブロック812から離隔されるようにしてもよい。
第3の実施形態によるプレス装置8の加圧工程の温度制御は、図4の例と同様であり、加圧時以外、または加圧時以外と加圧初期の双方の加熱制御時には、金属プレート815に通電して金属プレート815を昇温させる。その際には加圧ブロック812内の媒体通路813には冷却媒体を流さないことが望ましいが、金属プレート815が加圧ブロック812から離隔するもの等では媒体通路813に冷却媒体を流し続けるようにしてもよい。
次に図7により第4の実施形態のプレス装置9の説明を行う。プレス装置9の加圧機構などの構造は、図1の第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。図6のプレス装置9は、図示しない上盤または下盤に加圧部材911が取り付けられている。そして加圧部材911である加圧ブロック912の内部には、冷却手段である媒体通路913が形成されている。また加圧ブロック912の表面にはラバーヒータ914が取り付けられている。更にはラバーヒータ914の表面側には金属プレート915が取り付けられ、その表面には弾性シート916が取り付けられている。金属プレート915への弾性シート916の取り付けは焼き付けの他、接着剤による接着など方法を問わない。図1のプレス装置3と図7のプレス装置9の相違点は、図1のプレス装置3では金属プレート344により加圧面344aが構成されるのに対して、図7では弾性シート916により加圧面916aが構成される。そのためプレス装置9での中間積層成形物A4の基板の凹凸への樹脂フィルムの埋め込みを良好に行うことができる。弾性シート916について種類等は限定されないが、シリコーンゴムやふっ素系ゴムなどの耐熱性の素材が用いられる。そしてこれに限定されるものではないが、硬度(ショアA)は20度ないし80度であり、シートの厚みは0.1mmないし4.0mmが好ましい。
また特許文献1に記載されるような緩衝材の表面に金属プレートの加圧面を備えたプレス装置に対して、型開時に外部から挿入された赤外線加熱装置などで金属プレートの加圧面を昇温するものも本発明に含まれる。即ち請求項3の「加熱手段により加熱可能であって加圧面を構成する金属プレート」は、外部の加熱装置により金属プレートが加熱されるものでもよい。また第1ないし第4の実施形態のプレス装置についても外部の加熱装置を併用するものでもよい。
そして本発明は、積層成形システム1の簡略化するものとして冷却プレスを設けなくすることができる場合も想定しているが、積層成形システム1にプレス装置を2台またはそれ以上設けることを発明から除外するものではない。一例としては真空積層装置2の後工程には加圧工程中、同じ温度で加熱加圧するプレス装置を配置し、更にその後工程に加圧工程開始時P1の加圧部材の加圧面の温度が加圧工程終了時P2の加圧部材の加圧面の温度よりも高くなるように制御を行うプレス装置3を設けてもよい。更には前記本発明のプレス装置3を2台またはそれ以上設けてもよい。また本発明の範囲には、真空積層装置2の後工程に、本発明以外のプレス装置や処理装置を挟んで、更に加熱制御と冷却制御を行うプレス装置3が配置される場合も含まれることを念のために記載する。
本発明については、一々列挙はしないが、上記した第1ないし第3の実施形態のものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものや第1ないし第3の実施形態の各記載を掛け合わせたものについても、適用されることは言うまでもないことである。積層成形システム1で積層成形される積層成形品A5は、特に表面の平滑性が重要となる積層成形品に好適であり、ビルドアップ基板の他、他の回路基板、半導体ウエハなどでもよく限定されない。
また本発明の加圧部材321の加圧面344aを加熱する加熱手段と前記加圧部材321の加圧面344aを冷却する冷却手段とを備えたプレス装置3等は、加圧工程の最後に加熱制御を行う形で使用してもよい。即ち中間積層成形物A4の樹脂層が熱硬化性樹脂をその一部または全部に用いたものであって、加圧面344aの温度を一例として150℃よりも昇温するなどして、中間積層成形物A4を硬化処理するものでもよい。その場合、加圧部材321を冷却制御して加圧工程の開始時までに加圧部材を降温させる。更には積層されるフィルムが熱硬化性樹脂からなるフィルムまたは熱硬化性樹脂の比率が高いフィルムであって、一度所定以上の高温で加熱加圧を開始すると硬化が開始されてしまうものであっても、加熱加圧を継続せずに冷却加圧に切り替えることより硬化を遅らせたりして加圧工程の制御を行うことができる。
1 積層成形システム
2 真空積層装置
3,7,8,9 プレス装置
212,312 上盤
213,314 下盤
321,322,711,811,911 加圧部材
323,324,712,812,912 加圧ブロック
343,814, 緩衝材
344,347,815 金属プレート
916 弾性シート
341a,344a,721a,815a,916a 加圧面

Claims (10)

  1. 減圧されたチャンバにおいて凹凸部を備えた基板に熱硬化性樹脂を含む積層フィルムを貼着させて中間積層成形物を作製する真空積層装置と、
    該真空積層装置の後工程に配置され、前記中間積層成形物の表面の凹凸を平坦にしつつ、前記中間積層成形物の厚みを所定の厚みとするプレス装置と、
    前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物をプレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムにおいて、
    前記プレス装置は、加圧手段と、
    上盤または下盤少なくとも一方の盤に取り付けられた加圧部材と、
    前記積層フィルムを溶融または軟化させて前記中間積層成形物の表面の凹凸を平坦にする加熱加圧工程を行うために前記加圧部材の加圧面を第1温度に加熱する加熱手段と、
    溶融または軟化させた前記積層フィルムの流動性を低下させつつ前記中間積層成形物の厚みを所定の厚みとする冷却加圧工程を行うために前記加圧部材の加圧面を前記第1温度よりも低い第2温度に冷却する冷却手段と、
    前記加熱加圧工程と前記冷却加圧工程の合計時間のうち、30%以上70%以下の時間が前記加熱加圧工程となるように前記加圧手段および前記加熱手段の動作を制御する制御装置と、
    を備えた、積層成形システム。
  2. 前記第1温度は摂氏90℃以上150℃以下であり、前記第2温度は摂氏50℃以上110℃以下である、
    請求項1に記載の積層成形システム。
  3. 前記加熱加圧工程と前記冷却加圧工程の合計時間は20秒以上90秒以下である、
    請求項1または2に記載の積層成形システム。
  4. 前記プレス装置の加圧部材は加圧ブロックと、
    加圧ブロック内または加圧ブロックの表面に設けられた加熱手段と、
    加圧ブロック内に設けられた冷却手段と、
    加圧面を構成する金属プレートと、
    前記加圧ブロックと金属プレートの間に設けられた緩衝材とを備えた、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の積層成形システム。
  5. 前記プレス装置の加圧部材は加圧ブロックと、
    加圧ブロック内に設けられた冷却手段と、
    加熱手段により加熱可能であって加圧面を構成する金属プレートと、
    前記加圧ブロックと金属プレートの間に設けられた緩衝材とを備えた、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の積層成形システム。
  6. 前記プレス装置の加圧部材は加圧ブロックと、
    加圧ブロック内または加圧ブロックの表面に設けられた加熱手段と、
    加圧ブロック内に設けられた冷却手段と、
    前記加圧ブロックの表面側に設けられ加圧面を構成する弾性シートを備えた、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の積層成形システム。
  7. 減圧されたチャンバにおいて凹凸部を備えた基板に熱硬化性樹脂を含む積層フィルムを貼着させて中間積層成形物を作製する真空積層装置と、
    該真空積層装置の後工程に配置され、前記中間積層成形物の表面の凹凸を平坦にしつつ、前記中間積層成形物の厚みを所定の厚みとするプレス装置と、
    前記プレス装置は、加圧手段と、上盤または下盤少なくとも一方の盤に取り付けられた加圧部材とを備え、
    前記真空積層装置で積層成形された中間積層成形物を前記プレス装置へ搬送する搬送装置とを備えた積層成形システムを用いた積層成形方法において、
    前記加圧部材の加圧面を第1温度に加熱して前記積層フィルムを溶融または軟化させつつ、前記加圧手段により前記中間積層成形物を加圧して前記中間積層成形物の表面の凹凸を平坦にする加熱加圧工程を行い、
    前記加圧部材の加圧面を前記第1温度よりも低い第2温度に冷却して溶融または軟化させた前記積層フィルムの流動性を低下させつつ、前記加圧手段により前記中間積層成形物を加圧して前記中間積層成形物の厚みを所定の厚みとする冷却加圧工程を前記加熱加圧工程の次に行い、
    前記加熱加圧工程と前記冷却加圧工程の合計時間のうち、30%以上70%以下の時間が前記加熱加圧工程となるように前記加圧手段および加熱手段の動作を制御する、
    積層成形システムの制御方法。
  8. 前記第1温度は摂氏90℃以上150℃以下であり、前記第2温度は摂氏50℃以上110℃以下である、
    請求項7に記載の積層成形システムの制御方法。
  9. 前記加熱加圧工程と前記冷却加圧工程の合計時間は20秒以上90秒以下である、
    請求項7または8に記載の積層成形システムの制御方法。
  10. 前記プレス装置による加圧工程は、圧力制御の後に位置制御を行う、
    請求項7~9のいずれか一項に記載の積層成形システムの制御方法。
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