JP2004136332A - 加熱ユニットおよび熱プレス装置 - Google Patents

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江口 智
Isao Matsumoto
松元 功
Mikiya Ohashi
大橋 幹也
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Abstract

【課題】1台の熱プレス装置で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができるようにする加熱ユニットと、その加熱ユニットを具備する熱プレス装置を提供する。
【解決手段】冷却プレート3aと緩衝シート2aと面状ヒータ1aと鏡面板をその順番に積層した構造を有し、面状ヒータは経過時間に対する発熱量および/または加熱温度が所定の関係となるようにプログラム制御し、緩衝シートは圧力分布を均一にするとともに冷却プレートと面状ヒータとの間における熱流量を調節するようにし、冷却プレートはその内部の流路における冷却水の流量制御により所定温度となるようにした加熱ユニットと、その加熱ユニットを具備する熱プレス装置。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱プレス装置の技術分野に属する。特に、1つの装置において加熱と冷却を行うときのタクトタイムを短くすることができる加熱ユニットと熱プレス装置に関する。
【0002】
【従来技術】
一般の熱プレス装置は、上部加熱プレートと下部加熱プレートの間に加工対象物品を挟んで熱プレスを行う構造となっている。この上部加熱プレートと下部加熱プレートとは、強大な圧力下においても所定の面精度と耐久性が得られるようにするため、加圧機構と一体化し頑丈な金属製のブロック形状の構造体となっており熱容量が極めて大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができない。したがって、生産性を高めるためには、加熱用の熱プレス装置と冷却用の熱プレス装置の2つを用意しておき、前者で加熱処理した加工対象物品を後者に素早く付け替えて冷却処理することが行なわれている。
【0004】
しかし、この従来の方法では、熱プレス装置を2つ必要とする上、それらの間で加工対象物品を受け渡すための装置も必要とするため、全体の装置は複雑で大規模なものとなる。また、真空機構を付加するときには、2つの熱プレス装置の各々を真空チャンバー内に設置し所定の真空を維持することが必要であるため、益々全体の装置が複雑で大規模なものとなる。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、1台の熱プレス装置で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができるようにする加熱ユニットと、その加熱ユニットを具備する熱プレス装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、
本発明の請求項1に係る加熱ユニットは、冷却プレートと緩衝シートと面状ヒータとをその順番に積層した構造を有するようにしたものである。本発明によれば、熱容量の小さな面状ヒータを所定の加熱温度となるように発熱させることにより加工対象物品の加熱が行なわれ、熱容量の大きな冷却プレートを高温とする必要性がない。したがって、1台の熱プレス装置で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができるようにする加熱ユニットが提供される。
【0007】
また本発明の請求項2に係る加熱ユニットは、請求項1に係る加熱ユニットにおいて、前記面状ヒータに続いて鏡面板をその鏡面が表面となるように積層した構造を有するようにしたものである。本発明によれば、鏡面板により面状ヒータが保護されるとともに平面性と表面性に優れた加工を行うことができる。特に、プラスチックシート等の加工に好適である。
【0008】
また本発明の請求項3に係る加熱ユニットは、請求項1または2に係る加熱ユニットにおいて、前記面状ヒータを、経過時間に対する発熱量および/または加熱温度が所定の関係となるようにプログラム制御する制御手段を有するようにしたものである。本発明によれば、プログラム制御により所定の加工品質を得る条件下において熱プレスの所要時間を最短とすることができる。
【0009】
また本発明の請求項4に係る加熱ユニットは、請求項1〜3のいずれかに係る加熱ユニットにおいて、前記緩衝シートは、圧力分布を均一にするとともに、前記冷却プレートと前記面状ヒータとの間における熱流量を調節するための緩衝シートであるようにしたものである。本発明によれば、緩衝シートにより圧力分布が均一化するとともに加熱冷却特性に関係する面状ヒータの背面における熱流量が適正化する。
【0010】
また本発明の請求項5に係る加熱ユニットは、請求項1〜4のいずれかに係る加熱ユニットにおいて、前記冷却プレートの内部には冷却水の流路を有し、その表面は圧力を伝達するとともに熱を吸収する表面となっているようにしたものである。本発明によれば、冷却プレートは冷却水により強制冷却することができる。
【0011】
また本発明の請求項6に係る加熱ユニットは、請求項5に係る加熱ユニットにおいて、前記冷却プレートが所定の温度となるように前記冷却水の流量を制御する冷却水制御手段を有するようにしたものである。本発明によれば、冷却水の流量制御により冷却プレートが所定温度となる。
【0012】
また本発明の請求項7に係る熱プレス装置は、請求項1〜7のいずれかに係る加熱ユニットにおいて、請求項1〜6に記載の加熱ユニットを具備するようにしたものである。本発明によれば、1台で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができる熱プレス装置が提供される。
【0013】
また本発明の請求項8に係る熱プレス装置は、請求項7に係る加熱ユニットにおいて、すくなくとも前記加熱ユニットにおける前記冷却プレートと前記緩衝シートと前記面状ヒータとを収容し、退避時においては内部が開放され加圧時においては内部が密閉される真空チャンバーを具備しするようにしたものである。本発明によれば、真空条件下において、1台で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができる熱プレス装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について実施の形態を説明する。本発明の加熱ユニットと熱プレス装置の構成と動作について、図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明の熱プレス装置の構成を示す斜視図である。図2、図3は本発明の加熱ユニットの構成と熱プレス装置の動作とを示す側断面図である。図4は加圧プレートの上昇下降機構の変形例を示す図であり、図5は真空チャンバの別の一例を示す側断面図であり、図6はその斜視図である。
【0015】
図1〜図6において、同様の機能を有する部位には同一の符号を付してある。図1〜図6において、1a,1bは面状ヒータ、2a,2bは緩衝シート、3a,3bは冷却プレート、4a,4bは加圧プレート、5,5a,5bは真空チャンバ、6a,6b,6cはシール部材、7aは電源ユニット、8bは冷却水循環ユニット、10a,10bはフレームプレート、11a,11b,11c,11dはフレーム支柱、12は油圧シリンダ、13a,13b,13c,13dはガイド支柱である。
【0016】
図1に示す一例においては、熱プレス装置は、上下のフレームプレート10a,10bを4本のフレーム支柱11a,11b,11c,11dで結合し一体化したフレームを有する。下のフレームプレート10aの上には加圧プレート4aが設けられ、その上に冷却プレート3aが設けられ、その上に緩衝シート2aが設けられ、その上に面状ヒータ1aが設けられた構成となっている。本発明の加熱ユニットは、すくなくとも冷却プレート3aと緩衝シート2aと面状ヒータ1aとをその順番に積層した構造を有する。
【0017】
また、上のフレームプレート10bには油圧シリンダ12が固定支持されている。その油圧シリンダ12のシリンダー軸(ロッド)の先端は、上の加圧プレート4bと連結している。加圧プレート4bには4本のガイド支柱13a,13b,13c,13dが固定して設けられている。この4本のガイド支柱13a,13b,13c,13dは、その軸方向への移動が可能なように上のフレームプレート10bにスライド機構を介して支持されている。この構成により、油圧シリンダ12のシリンダー軸を上昇下降させると、上の加圧プレート4bは下の加圧プレート4aとの面平行を保持したまま上昇下降する。
【0018】
なお、油圧シリンダ12のシリンダー軸(ロッド)の先端と、上の加圧プレート4bとの連結にはフリージョイント機構が使用される。また、フレームプレート10bがガイド支柱13a,13b,13c,13dをその軸方向への移動が可能なように支持するスライド機構には僅かなガタツキ(遊び)が存在する。このスライド機構とフリージョイント機構とから成る構成により、退避時に上の加圧プレート4bと下の加圧プレート4aとの面平行が不完全である場合であっても、加圧時には上下の加圧面が(加工対象物品を介して)重なり合わさるため完全な面平行が得られるようになる。
【0019】
上の加圧プレート4bの下には冷却プレート3bが設けられ、その下(の中央部分)に緩衝シート2bが設けられ、その下に面状ヒータ1bが設けられた構成となっている。すくなくとも冷却プレート3b、緩衝シート2b、面状ヒータ1bをその順番に積層した、この構造のユニットは本発明の加熱ユニットである。したがって、下の加熱ユニットの面ヒータ1aと上の加熱ユニットの面ヒータ1bとは面平行となって向かい合っている。油圧シリンダ12のシリンダー軸を上昇下降させることにより上の面ヒータ1bが上昇下降する。これにより、下の面ヒータ1aと上の面ヒータ1bとの間隙を変化させることができる(図2と図3を参照)。上の面ヒータ1bが上昇したときが退避時の状態であり、上の面ヒータ1bが下降したときが加圧時の状態である。
【0020】
図1においては、4本のガイド支柱13a,13b,13c,13dが上の加圧プレート4bに固定して設けられている一例を示したが、図4に示すように、下の加圧プレート4aに固定してもよい。図4に示す一例においては、加圧プレート4bは、4本のガイド支柱13a,13b,13c,13dによって、その軸方向への移動が可能なようにスライド機構を介して支持されている。
【0021】
なお、図4に示す一例においても、加圧機構と加圧プレート4bとの連結にはフリージョイント機構が使用される。また、加圧プレート4bをその軸方向への移動が可能なように支持するスライド機構には僅かなガタツキ(遊び)が存在する。このスライド機構とフリージョイント機構とから成る構成により、退避時に上の加圧プレート4bと下の加圧プレート4aとの面平行が不完全である場合であっても、加圧時には上下の加圧面が(加工対象物品を介して)重なり合わさるため完全な面平行が得られるようになる。
【0022】
図1に示す一例においては、冷却プレート3bの下の外周部分には真空チャンバ5が設けられている。真空チャンバ5は四方を気密にした枠構造体となっており、上面は冷却プレート3bによって塞がれ、下面は加圧プレート4aによって塞がれる。真空チャンバ5における枠構造と加圧プレート4aとは退避時においては間隙を有し開放される。また加圧時においては密着して気密状態が得られる。
【0023】
また、図2、図3に示す一例においては、真空チャンバ5は、上の加圧プレート4bの下の外周部分に設けられている。図1に示す一例とは、互いに変形例の関係であり実質的な相違はない。加圧時においては、真空チャンバ5の枠構造体は、下の加圧プレート4aと密着するが、密着部分にシール部材6aが設けられており気密状態が得られる。なお、枠構造体にはシール部材6bも設けられており、上の加圧プレート4bとの気密状態が退避時、加圧時に関係なく保持されている。
【0024】
また、図5に側断面図を示し、図6に斜視図を示す真空チャンバは、円筒形の真空チャンバであり、下の真空チャンバ5aと上の真空チャンバ5bとの2つの部分から構成される。下の真空チャンバ5aの外形寸法に対して、上の真空チャンバ5bの内径寸法が若干大きくなるような寸法形状を有し、下の真空チャンバ5aの外周にはシール部材(Oリング)6cが嵌め込まれている。下の真空チャンバ5aと上の真空チャンバ5bとが一体化したときには(図5参照)、シール部材(Oリング)6cを介して下の真空チャンバ5aの外周面と上の真空チャンバ5bの外周面とが密着して気密状態が得られる。
【0025】
このような円筒形の真空チャンバは、圧力による変形を受け難く、必要な強度に対する構造材の厚さを薄くできるため軽量化することができる。また、Oリングをシール部材6cとするため、気密状態を得ることが容易である。
【0026】
ここで、本発明の加熱ユニットについて詳細を説明する。加熱ユニットは、すでに説明したように、すくなくとも冷却プレート3a,3bと緩衝シート2a,2bと面状ヒータ1a,1bとをその順番に積層した構造を有するものである(図2、図3参照)。また、その面状ヒータに続いて鏡面板(図示せず)をその鏡面が表面となるように積層した構造を有するようにしてもよい。
【0027】
面状ヒータ1a,1bは、電流Iを抵抗体Rに流しジュール熱Wを生じさせるようにしたヒータであって、発熱領域が平面状となっているヒータである。ジュール熱WはW=IRの数式によって計算される。流す電流Iの代りに、印加する電圧Vを適用すると、ジュール熱WはW=V/Rの数式によって計算される。適用する電圧は、通常は、最大で交流100Vまたは200Vである。そこで、面状ヒータ1a,1bの発熱量を、典型的な値として1Kw(キロワット)とすると、抵抗体Rの抵抗値は10Ω(オーム)または40Ωとなる。発熱量が異なるときには発熱量と抵抗値とが反比例の関係にあることから、そのときの抵抗値を容易に計算できる。
【0028】
所望の抵抗値が決まると平面状の発熱領域を得る方法としては、抵抗体の固有抵抗率に応じた方法がとられる。ニッケルとクロム等の合金、アルミ箔、ステンレス薄板、等の金属材料は抵抗体としては固有抵抗率が低い(導線性が良い)。そのため、それらを抵抗体として、所望の抵抗値を得るためには断面積を小さく、電極間距離を長くする必要性がある。そのような形状の抵抗体を用いて平面状の発熱領域とするためには、平面状の発熱領域において折返し配線(パターン化した配線)を行う必要性がある。このとき発熱量のムラが生じないように配線密度がほぼ均一となるように配線する。
【0029】
金属材料以外の抵抗体としては、カーボンの微粉末(アセチレンブラック、カーボンブラック、等)、グラファイト粉、等の導電性粉体を顔料とした塗料を電気的な絶縁性と耐熱性を有する基材シートに塗布した抵抗体が知られている。この場合には、塗料の組成すなわち導線性粉体とバインダーとの質量比や組合せ、塗料の製造条件、等によって固有抵抗率の範囲を大幅に変化することができる。したがって、平面状の発熱領域を矩形とすれば矩形の左右の辺の距離を電極間距離とすることができる。そのような面状ヒータの一例を図7に示す。
【0030】
いずれの形態の抵抗体を使用する場合であっても、抵抗体や電極は、電気的な絶縁性と耐熱性を有するプラスチックフィルム、ゴムシート、等の材料によって被覆し、漏電しないようにする。電気的な絶縁性と耐熱性を有する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリアミドイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコンゴムシート、フッ素ゴムシート、等を適用することができる。
【0031】
このような面状ヒータ1a,1bは、全体としても薄いシート形状であるから熱容量が極めて小さい。すなわち、面状ヒータ1a,1bを所定の加熱温度となるように発熱させることにより加工対象物品の加熱が行なうことができる。このとき、熱容量の大きな冷却プレートを高温とする必要性がない。したがって、1台の熱プレス装置で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができる。また、鏡面板を使用すると、面状ヒータ1a,1bが保護されるとともに平面性と表面性に優れた加工を行うことができる。特に、プラスチックシート等の加工には好適である。
なお本発明においては、面状ヒータ1a,1bはいかなる種類の面状ヒータであってもよく限定はない。
【0032】
電源ユニット7aは、プログラム制御する制御部と、その制御部が出力する制御信号に基づく電力を供給する電力供給部とから成る。制御部は、面状ヒータ1aを、経過時間に対する発熱量および/または加熱温度が所定の関係となるようにプログラム制御する。電力供給部はサイリスタやトライアック等の電力制御用の半導体デバイスによって供給する電力を制御する。面状ヒータ1bに対して電源ユニット7b(図示せず)が存在するが、面状ヒータ1aと同様である。
【0033】
たとえば、熱プレスの開始時において大きな電力を供給して短時間に温度を上昇させ、温度が上昇するととも供給電力を下降させる。所定の温度に達すると所定の時間において持続するような大きさの電力を供給する。所定の時間が経過した後に、電力の供給を停止する。電力の供給を停止すると緩衝シート2aを介して冷却プレート3aに熱が吸収され、温度は一方的に下降する。プログラム制御により所定の加工品質を得る条件下において熱プレスの所要時間を最短とすることができる。
【0034】
最も簡単なプログラム制御は、所定時間に一定の電圧で電力を供給した後に停止するON/OFF制御である。図8は、そのようなON/OFF制御の一例をグラフで示す図である。図8に示すように、所定時間は一定の電圧(電源電圧)で通電を行いう。これにより温度が上昇し、必要とする加熱温度に達する。その時間が経過したら通電を停止する。これにより温度が下降し始める。加圧は、通電を停止した後においても持続させる。加圧している時間は、加熱〜冷却までの期間(サイクル)の全体である。プラスチックシート等の加工対象物品は加熱によって軟化しているが温度が下降するともと剛性を取り戻す。そして、プレス装置から取り出しても変形する恐れがなくなる。このとき、冷却の期間が終了する。
【0035】
緩衝シート2a,2bは、圧力分布を均一にするとともに、冷却プレート3a,3bと面状ヒータ1a,1bとの間における熱流量を調節するための緩衝シートである。緩衝シート2a,2bとしては、耐熱性、弾力性(クッション性)を有するとともに、加熱のときの断熱と冷却のときの伝熱とが適度にバランスした熱伝導性を有する材料を選択して使用する。具体的には、ゴムシート、布シート、ガラス繊維布、厚紙、木材薄板、熱硬化性プラスチック板、等の単体材料、またはそれらのいくつかを含む複合材料を使用することができる。このような緩衝シート2a,2bを使用することにより圧力分布が均一化するとともに加熱冷却特性に関係する面状ヒータの背面における熱流量を適正化することができる。
【0036】
冷却プレート3a,3bは、その内部に冷却水の流路を有する。冷却プレート3a,3bの端面に冷却水の入口と出口とが設けられ、冷却水循環ユニット8a,8b(8aは図示せず)に配管されている。冷却水循環ユニット8a,8bから供給された冷却水は配管を経由して入口に達し、その入口から冷却プレート3a,3bの内部を一巡して出口に達する。その出口から流出する冷却水は配管を経由して冷却水循環ユニット8a,8bに戻る。すなわち、冷却水を流すことにより冷却プレート3a,3bを強制冷却することができる。したがって、冷却プレート3a,3bの表面は圧力を伝達するとともに熱を吸収する表面となっている。
【0037】
冷却水循環ユニット8a,8b(8aは図示せず)は、冷却水を循環させるポンプと、熱吸収を行った冷却水の温度が限度以上に上昇しないようにする熱放出部を有する。また、冷却プレートが所定の温度となるように冷却水の流量を制御する冷却水制御部を有する。冷却水制御部は、冷却プレート3a,3bの内部の表面近くに設けられた熱電対、等の温度センサが出力する信号を入力し、冷却プレート3a,3bの温度を監視する。その温度が所定の設定温度を超えるときにはポンプの運転速度を上げて冷却水の流量を高める。反対にその温度が所定の設定温度に達しないときにはポンプの運転速度を下げて冷却水の流量を低める。このように、冷却水の流量制御により冷却プレート3a,3bの温度が所定の設定温度となるようにする。
【0038】
以上、本発明の加熱ユニットと熱プレス装置の構成と動作について説明を行った。次に、本発明の加熱ユニットを具備する熱プレス装置によって熱プレスを行うときの一連の動作について一例を説明する。
まず、加工対象物品を載せない状態で油圧シリンダ12を動作させ加圧時の状態とし上下の加熱ユニットの面を合わせる。そして、面状ヒータ1a,1bまたは鏡面板が所定のプレヒート温度となるように面状ヒータ1a,1bに対し通電を行う。また、冷却プレート3a,3bの温度が所定の設定温度となるように冷却水循環ユニット8a,8bにより冷却水の流量制御を行う。
【0039】
所定の状態(設定温度、等)が得られたとき、または所定に時間が経過し所定の状態が得られたとみなされた後に、油圧シリンダ12を動作させ退避時の状態とし上下の加熱ユニットの面(面ヒータ1a,1bまたは鏡面板の表面)を間隙を開けた位置とする。
【0040】
次に、加工対象物品100を下の加熱ユニットの面に載せる(図2参照)。
次に、油圧シリンダー12を動作させ、上下の加熱ユニットの間隙を狭めて行く。上の加熱ユニットの面、加工対象物品100、下の加熱ユニットの面が、密着する直前において油圧シリンダー12を停止させる。
【0041】
このとき、真空チャンバー5はすでに気密状態となっているから、真空ポンプ(図示せず)を動作させ真空チャンバー5の内部の空気を排出し真空状態とする。密着する直前の状態であるから、加工対象物品100に含まれている空気も排出される。
【0042】
所定の真空が得られたところで、再び油圧シリンダー12を動作させ、上下の加熱ユニットの間隙を狭めて行くと完全に密着し油圧が高まる。所定の圧力となったところで油圧シリンダーの動作を停止する。加工対象物品100は、所定の圧力で加圧が行なわれる。
【0043】
次に、電源ユニット7a,7bはプログラム制御された電力を面状ヒータ1a,1bに供給する(図8参照)。面状ヒータ1a,1bが発熱することにより温度が上昇し、上下の加熱ユニットの面からの熱伝導により所定の温度で加工対象物品100の加熱が行なわれる(図8参照)。プログラム制御により所定の時間が経過すると電力の供給は停止し、加工対象物品100の温度が下降する(図8参照)。
【0044】
その状態で所定の時間が経過すると、加工対象物品100は冷却している。真空ポンプを停止し、真空チャンバー5に空気を流入させ、真空チャンバー5の内部を大気圧に戻す。再び油圧シリンダー12を動作させ、上下の加熱ユニットの面の間隙を広げて行き退避位置で油圧シリンダーの動作を停止する。
次に、上下の加熱ユニットの間隙から加工対象物品100を取り出す。
【0045】
【発明の効果】
以上のとおりであるから、本発明の請求項1に係る加熱ユニットによれば、1台の熱プレス装置で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができるようにする加熱ユニットが提供される。
また本発明の請求項2に係る加熱ユニットによれば、鏡面板により面状ヒータが保護されるとともに平面性と表面性に優れた加工を行うことができる。特に、プラスチックシート等の加工に好適である。
また本発明の請求項3に係る加熱ユニットによれば、プログラム制御により所定の加工品質を得る条件下において熱プレスの所要時間を最短とすることができる。
また本発明の請求項4に係る加熱ユニットによれば、緩衝シートにより圧力分布が均一化するとともに加熱冷却特性に関係する面状ヒータの背面における熱流量を適正化することができる。
また本発明の請求項5に係る加熱ユニットによれば、冷却プレートは冷却水により強制冷却することができる。
また本発明の請求項6に係る加熱ユニットによれば、冷却水の流量制御により冷却プレートを所定温度とすることができる。
また本発明の請求項7に係る熱プレス装置によれば、1台で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができる熱プレス装置が提供される。
また本発明の請求項8に係る熱プレス装置によれば、真空条件下において、1台で加熱に続いて冷却する処理を短時間に効率良く行うことができる熱プレス装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱プレス装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の加熱ユニットの構成と熱プレス装置の動作(退避時)とを示す側断面図である。
【図3】本発明の加熱ユニットの構成と熱プレス装置の動作(加圧時)とを示す側断面図である。
【図4】加圧プレートの上昇下降機構の変形例を示す図である。
【図5】真空チャンバの別の一例を示す側断面図である。
【図6】真空チャンバの別の一例を示す斜視図である。
【図7】導電性塗料を基材シートに塗布し対向する辺に電極を有する面状ヒータを示す説明図である。
【図8】ON/OFF制御の一例をグラフで示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 面状ヒータ
2a,2b 緩衝シート
3a,3b 冷却プレート
4a,4b 加圧プレート
5,5a,5b 真空チャンバ
6a,6b,6c シール部材
7a 電源ユニット
8b 冷却水循環ユニット
10a,10b フレームプレート
11a,11b,11c,11d フレーム支柱
12 油圧シリンダ
13a,13b,13c,13d ガイド支柱
100 加工対象物品

Claims (8)

  1. 冷却プレートと緩衝シートと面状ヒータとをその順番に積層した構造を有することを特徴とする熱プレス装置の加熱ユニット。
  2. 請求項1記載の加熱ユニットにおいて、前記面状ヒータに続いて鏡面板をその鏡面が表面となるように積層した構造を有することを特徴とする加熱ユニット。
  3. 請求項1または2記載の加熱ユニットにおいて、前記面状ヒータを、経過時間に対する発熱量および/または加熱温度が所定の関係となるようにプログラム制御する制御手段を有することを特徴とする加熱ユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の加熱ユニットにおいて、前記緩衝シートは、圧力分布を均一にするとともに、前記冷却プレートと前記面状ヒータとの間における熱流量を調節するための緩衝シートであることを特徴とする加熱ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の加熱ユニットにおいて、前記冷却プレートの内部には冷却水の流路を有し、その表面は圧力を伝達するとともに熱を吸収する表面となっていることを特徴とする加熱ユニット。
  6. 請求項5に記載の加熱ユニットにおいて、前記冷却プレートが所定の温度となるように前記冷却水の流量を制御する冷却水制御手段を有することを特徴とする加熱ユニット。
  7. 請求項1〜6に記載の加熱ユニットを具備することを特徴とする熱プレス装置。
  8. 請求項7記載の熱プレス装置において、すくなくとも前記加熱ユニットにおける前記冷却プレートと前記緩衝シートと前記面状ヒータとを収容し、退避時においては内部が開放され加圧時においては内部が密閉される真空チャンバーを具備することを特徴とする熱プレス装置。
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