JP7398628B1 - 熱伝導性を高めた調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍋等の調理器に関し、熱源からの熱を効率よく被調理物へ伝達させる調理器を提供することにより、短時間でお湯を沸騰させることを可能とする軽量且つ強度の大きな調理器の提供。【解決手段】容体30の側壁部31は底面部32よりも下方に突き出した空気出入口41が周設された空気出入調整部40を有し、容体の底面部には底面部よりも外側に向かって突き出した複数の突起から成る伝熱用突起50を備え、係る伝熱用突起の配列を、所定の間隔で底面部の中心に向かって直線的に配置させたり、中心に向かって弧を描くように配置させたり、底面部の内側に向かって突き出した複数の段差から成る伝熱用段差を備えたり、容体の側壁部に縦方向の複数の段差から成る伝熱用側面縦段差を備えたり、容体の側壁部に横方向の複数の段差から成る伝熱用側面横段差を備える構成とした。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用 令和4年7月25日有限会社田村工機のウェブサイトにて公開
特許法第30条第2項適用 令和4年9月5日CAMPたかにいのYouTubeチャンネルにて公開
特許法第30条第2項適用 令和4年9月5日日本政策金融公庫宇都宮支店にて展示により公開
特許法第30条第2項適用 令和4年8月10日NRUC NESTにて販売
特許法第30条第2項適用 令和4年8月1日BASE株式会社にて販売
本発明は、特にアウトドア等での調理に適した軽量で熱伝導性が高められた調理器の技術に関し、詳しくは、鍋等の調理器の底面部外側に多数の凹凸を設けて表面積を増やし、熱源からの熱を効率よく被調理物へ伝達させる調理器の技術に関する。
近年のコロナウィルス感染症の影響もあり、ツアー旅行や大勢での外食等が控えられ、その反面で、アウトドアでの料理を個人的・家庭的な規模で楽しむことが静かなブームとなっている。特にソロキャンプによる登山やオートバイによるツーリングの一人旅などでは、多くの荷物を一人分のリュック等に押し込まなければならない。その為、軽量で丈夫な調理器具等が必要となる。そこで、軽量な鍋等としてアルミ製素材とすることが考えられる。アルミは比重が鉄の約三分の一程度であり、比強度も高く熱伝導性も良いからである。これらのアルミ製鍋等は一般的に深絞り加工によって成形される。しかしながら、深絞り加工では微細な形状の成形ができないという問題がある。また、プレス等を用いる鍛造により微細な形状を得るという手法もあるが、金型が高額となってしまうためコスト高となり、鋳造によると薄く成形できずアルミの軽さという特徴を活かせないという問題がある。
また、熱源にも多種多様のものがあるが、例えば、薪や木炭、アルコールなどの有機物を固形化した固形燃料、ベンジン、アルコールなどの液体燃料、又はプロパン等のガスボンベなどである。何れを熱源とする場合でも、可能な限りかかる燃料等の消費量を少なくしたいところである。
この点については、コンロやバーナーなどの熱源装置の開発であったり、ガスボンベに充填されるプロパンにイソブタンを含ませることで火力、着火性、又は燃焼の安定性を高めたガス燃料が開発されている。しかしながら、鍋等の調理器に関しては、まだまだ解決しなければならない課題を残していると考えられる。即ち、熱を与える熱源や燃料ばかりでなく、熱を受け取り伝える調理器の技術開発も必用であり、より少ない燃料やより短い時間で調理を可能とする調理器の登場が待ち望まれているといえる。
そこで、本願の発明者は、これらの問題に鑑み、素材の持つ熱伝導特性・比重・比強度等に着目し、なべ底等の形状を熱源から熱を吸収しやすいような凹凸に切削加工することで、熱との接触する表面積を増やせば、上記の問題を解決しながら、例えば、水を沸騰させるまでの時間を短縮できるのではないかとの着想の下、試行錯誤の上、本発明を完成させるに至ったものである。
また、本願の発明者以外にも、従来から種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「中華鍋」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、「従来のものよりも、より高温で食材をより手早く調理して、省エネルギー化し、かつ、食材をムラなく加熱するために行う返し動作をスムーズに行うことができる中華鍋を提供する。」ことを課題とし、解決手段としては「鍋本体を内外貫通する多数の孔が形成された相対向する一対の孔有り領域と、前記孔が形成されていない相対向する一対の孔無し領域とが、鍋本体内の孔無し鍋底中央領域まわりに設けられ、前記孔無し領域に対応する鍋本体の外面部に取手が設けられている。」というものである。しかしながら、特許文献1に記載の発明は、より高温で食材をより手早く調理して、省エネルギー化するという点は本願発明の技術と共通しているものの、鍋本体に孔を形成し、熱源の熱気を直接鍋本体内に取り入れる手段を用いていることや、中華鍋という室内での調理を前提としたものであり、本体の軽さやコンパクトさなど、携帯性を備えていない点で相違する。
また、発明の名称を「加熱調理用具」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「べとつかずにカリッとしてサクサクした食感の揚げ物等の食品を得ることができ、加熱調理器の庫内から取り出しやすくする。」ことを課題とし、解決手段を「食品に接触可能なリブ状の凸部と、加熱された食品から流出した油分等を一時的に貯留可能な、凸部に隣接する溝状の凹部とが繰り返し形成されてなる凹凸構造の底部と、繰り返し形成される凸部および凹部が隣接する方向のさらに外側に形成された一対の壁部と、凹部の溝方向の両端に、上方向に傾斜するように形成された傾斜部と、を備えている。」とするものである。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、食品に接触可能な部分のリブ形状や、凹凸構造の底部等、形状では共通する部分があるが、食品から流出した油分や水分を一時的に貯留する目的である点で相違する。
また、発明の名称を「複合型磁気伝導鍋」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。
具体的には、「鍋底があまり変形しないと共に、磁気伝導板が鍋本体の底とより堅く結ばれる磁気伝導鍋を提供する。」を課題とし、解決手段としては「鍋本体と鍋底にある磁気伝導板からなっている。その特徴は下記の通りである。つまり、鍋底にはプレフォームされた円台とそれと同円心になっている円形溝があり、上記円台と合う磁気伝導板にはフランジがプレフォームされている。上記円形溝とフランジと合う凹部がプレフォームされているアルミ製板を、パンチの加工方法により、磁気伝導板が円形溝に嵌まるように、更にフランジがアルミ製板を貫いて一体となるように工夫している。磁気伝導板にプレフォームされたフランジとアルミ製板の凹部とお互いに合っていて、パンチされたらフランジがアルミ製板を貫いてそれと一体となり、アルミ製板の側壁が円形溝とぴったりと合っている。磁気伝導板と鍋底はより堅く結ばれて、磁気伝導効果も良い。」というものである。しかしながら、特許文献3に記載の技術は、鍋底にある磁気伝導板にプレフォームされているフランジの形状では共通する部分があるが、磁気伝導効果を良好にするものであり、直火等で使用する本発明とは目的を異にする。
特開2003-265329号 特開2015-132430号 実用新案登録第3146405号
本発明は、鍋の底部に多数の凹凸を設けて熱源からの熱を効率よく被調理物へ伝達させる調理器を利用することにより、短時間にお湯を沸騰させることを可能とする軽量且つ強度の大きな調理器の提供を課題とするものである。
本発明は、熱源から得られる熱を効率よく被調理物へ伝えることができる略鍋形状の容体から成る調理器であって、前記容体の側壁部は底面部よりも下方に突き出した空気出入口が周設された空気出入調整部を有し、前記容体の前記底面部には該底面部よりも外側に向かって突き出した複数の突起から成る伝熱用突起を備えた構成を採用する。
また、本発明は、前記伝熱用突起が、所定の間隔で前記底面部の中心に向かって直線的に配置される列が周方向に複数設けられる配置構成である構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記伝熱用突起が、所定の間隔で中心に向かって弧を描くように配置される列が周方向に複数設けられる配置構成である構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記容体の底面部の内側に向かって突き出した複数の段差から成る伝熱用段差を備えた構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記容体の側壁部に縦方向の複数の段差から成る伝熱用側面縦段差を備えたことを採用することもできる。
また、本発明は、前記容体の側壁部に横方向の複数の段差から成る伝熱用側面横段差を備えたことを採用することもできる。
本発明に係る熱伝導性を高めた調理器によれば、調理器の底部に多数の凹凸を設けて熱源から熱と接触する表面積を増やしていることから、熱を効率よく被調理物へ伝達でき、短時間でお湯を沸騰させることなどが可能となり、エネルギーの無駄な消費を抑えることができるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る伝熱用突起が所定の間隔で中心に向かって弧を描くように配置される構成を採用した場合は、熱源から直線的に底面部の外縁へ向かう配置と比較して、熱源からの熱の流れが係る弧に沿って底面部の外側に向かい長く接触することから、より熱を効率よく被調理物へ伝達できるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る熱伝導性を高めた調理器によれば、伝熱用突起がリブ(補強部材)となり、強度の大きな調理器を提供でき、更に、比重が小さく、切削性の良好な素材としてアルミニウムやチタンを選択することで、軽量且つ生産性の高い調理器とすることもできるという優れた効果を発揮する。
本発明に係る熱伝導性を高めた調理器において、容体の底面部の内側に向かって突き出した複数の段差から成る伝熱用段差を備える構成を採用した場合は、底面部と被調理物の接触する表面積が増えるため、より更に、熱を効率よく被調理物へ伝達できるという優れた効果を発揮する。
本発明に係る熱伝導性を高めた調理器において、容体の側壁部に縦方向又は横方向へ複数の段差から成る伝熱用側面段差を備えた構成を採用した場合は、熱を効率よく被調理物へ伝達できることのみならず、高い意匠性を備えた調理器を提供できるという優れた効果を発揮する。
本発明に係る熱伝導性を高めた調理器の基本構成を説明する基本構成説明図である。 本発明に係る空気出入調整部の構成を説明する構成説明図である。 本発明に係る伝熱用突起の配置構成を説明する配置構成説明図である。 本発明に係る伝熱用突起が所定の間隔で中心に向かって弧を描くように配置される実施例を説明する実施例説明図である。 本発明に係る伝熱用段差及び伝熱用側面横段差の構成を説明する構成説明図である。 本発明に係る伝熱用側面縦段差の構成を説明する構成説明図である。 本発明に係る容体の外形形状を例示する外形形状例説明図である。
本発明は、熱源から得られる熱を効率よく被調理物へ伝えることができる略鍋形状の容体から成る調理器であって、前記容体の側壁部は底面部よりも下方に突き出した空気出入口が周設された空気出入調整部を有し、前記容体の前記底面部には該底面部よりも外側に向かって突き出した複数の突起から成る伝熱用突起50を備えた構成を採用したことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
図1は、本発明に係る熱伝導性を高めた調理器1の基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は正面図、図1(c)は底面図、図1(d)は断面図と伝熱用突起部分の拡大図である。以下、各構成について説明する。
調理器1は、熱源10から得られる熱を効率よく被調理物20へ伝えることができる略鍋形状の容体30から成る調理器であって、容体30の側壁部31は底面部32よりも下方に突き出した空気取入口41が複数周設された空気出入調整部40を有し、容体30の底面部32には該底面部32よりも外側に向かって突き出した複数の突起から成る伝熱用突起を備えたものである。
熱源10は、特に限定されるものではなく、アルコールやベンジン等液体燃料、プロパンなどの液化ガス燃料、木炭や薪、練炭、或いはアルコールなどの有機物を固形化した固形燃料等の燃焼によるもの、或いは電気ヒーター等の電気的な加熱によるもの等である。
被調理物20は、主として水であるが、スープやみそ汁、シチュー、煮物等の水分又は油分を含む調理対象物であれば特に限定するものではない。
容体30は、側壁部31と底面部32を有する上部が開口した液体等の収容容器である。
側壁部31は、容体30において側壁を成す部分である。図面には示していないが係る側壁部31に取手を設ける構成も好適である。
底面部32は、容体30において底を構成する部分であり、所謂なべ底等にあたるものである。また、本発明における技術的特徴となる伝熱用突起50が設けられる部分である。
伝熱用突起50は、熱源10からの熱を被調理物20へと伝える底面部32の伝熱効率を高めるために底面部32の外側に設けられる突起であり、底面部32の表面積を増加することによって、伝熱効果を高めるものである。係る伝熱用突起50の配置構成は図1や図2に示すように底面部32の中心に向かって直線的に配置される列が周方向に複数設けられる配置構成としたり、図4に示すように、伝熱用突起50が、所定の間隔で中心に向かって弧を描くように配置される列が周方向に複数設けられる配置構成としたりすることができる。直線的配置の場合は加工がしやすく、弧を描くような配列の場合は底面部の中心から壁面部までの距離が長くなり、その分、熱の流れが長くなり、熱源からの熱量を多く受け止めることができるという特徴がある。また、弧を描くような配列の場合は、前周に位置する伝熱用突起50が、次の外側に位置する伝熱用突起50に対して障害にならない位置に配置されていることから、底面部全体を過熱することができる。
図2は、本発明に係る空気出入調整部40の構成を説明する構成説明図であり、図2(a)は断面図及び空気出入口41の拡大図であり、図2(b)は底面図である。
空気出入口41は、熱源10が燃焼によるものである場合に、該燃焼に必要となる空気を取り込むための吸気口となり、また、燃料によっては不完全燃焼に備えた排気口ともなり得る部分である。
空気出入調整部40は、図1、図1(b)拡大図に示すように、容体30の側壁部31が底面部32よりも下方に突き出した部分であり、係る空気出入調整部40には、熱源10の燃焼に必要な空気を取り入れるための空気出入口41を複数周設して燃焼を促すとともに、外側に放出されてしまう熱を最低限に抑えることにより底面部32に熱を留める壁部としての機能を発揮するものである。
図3は、本発明に係る伝熱用突起50の配置構成を説明する配置構成説明図であり、図3(a1)は、伝熱用突起50が底面部32の中心から空気出入調整部40側へ向かって直線的に配置される数が4つの場合の断面図を示し、図3(b1)は伝熱用突起50が底面部32の中心から空気出入調整部40側へ向かって直線的に配置される数が4つの場合の底面図を示し、図3(a2)は、伝熱用突起50が底面部32の中心から空気出入調整部40側へ向かって直線的に配置される数が5つの場合の断面図を示し、図3(b2)は伝熱用突起50が底面部32の中心から空気出入調整部40側へ向かって直線的に配置される数が5つの場合の底面図を示す構成例である。但し、図3はあくまでも配置の構成例を示すものであり、係る伝熱用突起50の一列当たりの数を限定するものではない。
図4は、本発明に係る伝熱用突起50が、所定の間隔で中心から底面部32の外側に向かって弧を描くように配置される列が周方向に複数設けられる実施例を説明する実施例説明図であり、図4(a)は該一列に配置する伝熱用突起50の数を3つとした実施例を示し、図4(b)は該一列に配置する伝熱用突起50の数を5つとした実施例を示し、図4(c)は図4(b)の構成に更に底面部32の中心にも伝熱用突起50を備える実施例を示している。図4に示すように、弧を描くような配列の場合は底面部32の中心から側壁部31までの距離が長くなり、その分、熱の流れる移動距離、即ち、熱源10からの熱量を受け止めることができる距離が長くなるという特徴がある。また、弧を描くような配列の場合は、前周に位置する伝熱用突起50が、次の外側に位置する伝熱用突起50に対して障壁にならない位置に配置されていることから、直線的に底面部32の外縁へ向かう配置と比較して、より熱を効率よく被調理物20へ伝達できるという優れた効果を発揮できるものである。なお、図4(c)に示した中央部の伝熱用突起50は、熱源10がガスコンロである場合に、バーナー部が直接底面部32と接触し、火炎が不完全燃焼とならないようにするために備えることも好適である。
図5は、本発明に係る伝熱用段差51及び伝熱用側面横段差53の構成を説明する構成説明図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は正面図、図5(c)は底面図、図5(d)は断面図、伝熱用段差51の部分拡大図、及び伝熱用側面横段差53の部分拡大図をそれぞれ示したものである。
伝熱用段差51は、容器の内側に位置する底面部32に設けられる段差であり、例えば底面部32の外側に配置される伝熱用突起50に対して反対面となる容器内側の底面部32から容器の開口部側に向かって突き出す段差が設けられるものである。係る段差は表面積を増やすための形状であればよいため、伝熱用突起50ほどの高さは必要でなく僅かなものでよい。係る段差を大きくし過ぎると調理後の掃除等がし難くなるからである。
伝熱用側面横段差53は、前記容体30の側壁部31に横方向の複数の溝から成り、下側からの熱を上方へと伝達するのに役立つものである。図面では側壁部31の外周面と内周面の双方に該伝熱用側面横段差53が形成されるように示したが、外周面のみ又は内周面のみでも良い。係る溝が形成されることにより伝熱効果が高められるとともに、美観に優れる意匠的効果を得ることが可能となる。
図6は、本発明に係る伝熱用側面縦段差52の構成を説明する構成説明図であり、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は底面図、図6(d)は横断面図、及び伝熱用側面縦段差52の部分拡大図、図6(e)は縦断面図をそれぞれ示したものである。
伝熱用側面縦段差52は、容体30の側壁部31に縦方向の複数の段差から成り、図面では側壁部31の外周面と内周面の双方に該伝熱用側面縦段差52が形成されるように示したが、外周面のみ又は内周面のみでも良い。係る段差が形成されることにより美観に優れる意匠的効果を得ることが可能となる。
アルミニウムAは、本発明に係る熱伝導性を高めた調理器1に適した素材である。アルミニウムAの比重は2.7であり、鉄の7.8や銅の8.9と比べると約3分の1である。従って同じ体積ではアルミニウムAのほうがずっと軽く、比強度(単位重量当たりの強度)も大きいことから、軽くて丈夫な調理器とすることができる素材といえるものである。また、アルミニウムAは空気中では、緻密で安定な酸化皮膜を生成し、この皮膜が腐食を自然に防止するという耐食性を有し、無害・無臭で衛生的で毒性が無い。万一なんらかの化学作用で金属が溶出したり、化合物をつくったとしても重金属のように人体を侵したり、土壌をいためない。そして、特筆すべきはアルミニウムが熱を伝えやすい特性を有していることである。アルミニウムAの熱伝導率は鉄の約3倍もあり、また、比熱が鉄、ステンレス、チタン等と比較して約2倍と大きいため、一度暖まると冷めにくいという特性もあり、これらの特性を活かして、本発明に係る熱伝導性を高めた調理器1に好適な素材であるといえる。
合金Gは、素材を純アルミとすると引張強さがあまり大きくないため、これにマグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛などの何れか若しくは組み合わせて添加したもの、或いは熱処理を施したりして、強度を高くしたアルミニウム合金素材である。
このように、アルミ系の素材を用いるのが好適であるが、調理方法、調理器の種類によっては他の素材も選択肢として除外するものではない。例えば、調理方法として「炊飯」を例にすると、もとめられる性質は、熱伝動率が高く(焦げない)、比熱が大きい(冷めない)ことであり、アルミが優秀ということになる。熱伝導率だけで考えると銅の方が1.7倍優れているが、比熱が小さい(冷めやすい)ため火を止めての蒸らしにはあまり適しているとはいえないからである。つまり焦げやすいお米を炊き、蒸らしが必要な炊飯には、やはりアルミニウムAが好適といえる。ただし、単にお湯を沸かすためであれば銅の方が適しているということである。
つぎに、調理器の種類として「マグカップ」を例にすると、もとめられる性質は、熱伝動率が低く(口元が熱くない)、比熱が大きい(冷めにくい)ことなどであり、チタンが好適となる。チタンは比熱が大きく、アルミニウムAよりも冷めにくいので、暖かいものを入れるには適しているといえる。これに対してアルミニウムAは熱伝導率が高すぎるため、唇を火傷してしまうおそれがある。このような場合は、口元等を含む側壁部31や取手にチタンを用い、伝熱用突起50を含む底面部32にアルミニウムA又は合金Gとする構成を採用すれば良く、従って、素材については、調理方法や調理器等の種類によって適宜選択することが望ましい。
図7は、本発明に係る容体30の外形形状を例示する外形形状例説明図であり、図7(a1)は、底面視において略正方型の外形を構成する場合の正面図を示し、図7(b1)はその底面図を示している。また、図7(a2)は、底面視において略楕円型の外形を構成する場合の正面図を示し、図7(b2)はその底面図を示している。図1から図6に示した容体30の外形形状については、平面視又は底面視において略円形形状で示したが、図7に示すような正方等の矩形形状や、楕円形状などでも良く、その場合の伝熱用突起50の配置構成も、熱源10からの熱を被調理物20へと伝える底面部32の伝熱効率を高めるために底面部32の外側に設けられる突起であることにかわりはなく、容体30の外形形状に応じて適宜配置されるものである。
本発明に係る熱伝導性を高めた調理器によれば、熱源から得られる熱量を効率よく被調理物へ伝えることができることから燃料を最小限に抑えて利用でき、アウトドアにおけるキャンプや釣り、或いはツーリング等を楽しむ際に荷物の負担が少なくなることや、調理の煮炊きが短時間で行えるという多様な効果を奏することから産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
1 熱伝導性を高めた調理器
10 熱源
20 被調理物
30 容体
31 側壁部
32 底面部
40 空気出入調整部
41 空気出入口
50 伝熱用突起
51 伝熱用段差
52 伝熱用側面縦段差
53 伝熱用側面横段差
A アルミニウム
G 合金

Claims (6)

  1. 熱源(10)から得られる熱を効率よく被調理物(20)へ伝えることができる略鍋形状の容体(30)から成る調理器(1)であって、
    前記容体(30)の側壁部(31)は底面部(32)よりも下方に突き出した空気出入口(41)が周設された空気出入調整部(40)を有し、
    前記容体(30)の前記底面部(32)には該底面部(32)よりも外側に向かって垂直に突き出した複数の突起から成る伝熱用突起(50)が底面視において環状となるように所定の間隔を開けながら周設され、
    該伝熱用突起(50)の先端形状が、略楔形状となるように内側から外側に向かう片側傾斜面を備えて形成され、
    外側に周設される前記伝熱用突起(50)と内側に周設される前記伝熱用突起(50)との関係が、内側から外側に行くに連れて徐々に表面積を増加させて成り、
    前記伝熱用突起(50)の配置が、前記底面部(32)の中心から前記空気出入調整部(40)に向かって放射方向へ直線的に並んだ列を等角間隔で複数設けた構成であり、該構成により熱源(10)からの熱の流路を放射方向へ直線的に形成したことを特徴とする熱伝導性を高めた調理器(1)。
  2. 熱源(10)から得られる熱を効率よく被調理物(20)へ伝えることができる略鍋形状の容体(30)から成る調理器(1)であって、
    前記容体(30)の側壁部(31)は底面部(32)よりも下方に突き出した空気出入口(41)が周設された空気出入調整部(40)を有し、
    前記容体(30)の前記底面部(32)には該底面部(32)よりも外側に向かって垂直に突き出した複数の突起から成る伝熱用突起(50)が底面視において環状となるように所定の間隔を開けながら周設され、
    該伝熱用突起(50)の先端形状が、略楔形状となるように内側から外側に向かう片側傾斜面を備えて形成され、
    外側に周設される前記伝熱用突起(50)と内側に周設される前記伝熱用突起(50)との関係が、内側から外側に行くに連れて徐々に表面積を増加させて成り、
    前記伝熱用突起(50)の配置が、前記底面部(32)の中心から前記空気出入調整部(40)に向かって放射方向へ弧を描くように並んだ列を等角間隔で複数設けた構成であり、該構成により熱源(10)からの熱の流路を放射方向へ弧を描くように形成したことを特徴とする熱伝導性を高めた調理器(1)。
  3. 前記容体(30)の底面部(32)の内側に向かって突き出した複数の段差から成る伝熱用段差(51)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性を高めた調理器(1)。
  4. 前記容体(30)の側壁部(31)に縦方向の複数の段差から成る伝熱用側面縦段差(52)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性を高めた調理器(1)。
  5. 前記容体(30)の側壁部(31)に横方向の複数の段差から成る伝熱用側面横段差(53)を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性を高めた調理器(1)。
  6. 素材をアルミニウム(A)、又はアルミニウムにマグネシウム、マンガン、銅、けい素、亜鉛の何れか若しくは組み合わせて添加した合金(G)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性を高めた調理器(1)。
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