JP3094695U - 鍋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ 調理時における火力の消費エネルギーを鍋の
形状により軽減させると共に保温時においてもその形状
により保温効果を高め、またふきこぼれを防ぐ鍋を提供
しようとするもの。 ［解決手段］ この鍋８における鍋底面３は鍋底中央部
に行くに従い、鍋底面中央部にむけて弧を描くように上
むきの凸形状とする。その鍋底面３の周囲長を、鍋側面
２の周囲長に比べて大きくしてある。鍋底３から鍋底端
部４へのつながりは、鍋底端部４に行くに従い、鍋底面
３を鍋底端部４にむけて弧を描くように上むきとする。
鍋底端部４に続く鍋周囲側面２のほぼ全体を、上方に行
くに従い暫時その鍋側面２の外径がせばまるように、鍋
本体８内側にむけて弧状に湾曲させている。また、前記
鍋８の周囲側壁２につづく鍋開口部端部５には、鍋本体
８の鍋底３に向けて弧状の凸部分を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［考案が属する技術分野］ 本考案は鍋に関し、その形状により鍋を加熱等の作業時の熱効率が非常に良く 、かつその形状により保温効果に優れ、ふきこぼれを防止する鍋に関するもの。

【０００２】 ［従来の技術］ 保温時の熱効率には考慮した鍋又は、ふきこぼれ防止のみを目的とした鍋等、 各目的ごとには考慮した鍋がある。 （実開平８−第１４３３号）

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題］ 鍋の使用目的の主たるものは、加熱調理と保存であり、加熱調理の場合は大方 炎での加熱が行われるが、炎に触れる面である鍋底の形状が平坦であったりして 炎が鍋底より外に逃げ、調理時の熱効率をあげることが難しかった。又鍋底部の 平坦な構造は、鍋本体に保存される調理品等の保温効果の面からみても、鍋の底 からテーブル等への熱伝導が多くなり、調理品等の保温効果に優れぬ点となり、 また鍋底面積の少ない鍋の場合は安定性に欠けるもの等がみうけられる。又鍋本 体の開口部の面積の大きさも、鍋内部にある調理品の保温上や加熱時に影響を及 ぼす。熱効率が下がり加熱時間がかかるほどふきこぼれ等の事故も発生しやすく なる。調理済みの成果品が鍋底の形状によりお玉等ですくいきれず残ってしまう ことがある。

【０００４】 ［課題を解決するための手段］ 本考案は鍋底部３に、鍋底中心部にいくに従い弧状の、緩やかな上むき凸形状 をつけ、加熱調理時における炎９の逃げを減少させて熱効率を上げかつ、保温時 においては鍋底部３がテーブル等に直接に接する面積の減少と、鍋底部中央部へ かけての凸部の構造により、鍋底３とテーブル等への鍋底接触面との間に空気層 が出来ることにより、鍋底３からの放出熱を減少させ、また鍋本体開口部６を鍋 側面部２より口径を短くすることにより、鍋本体開口部６よりの放出熱を減少さ せる。また、鍋開口部端部５は鍋底３へと向けて弧状の凸部分とすることにより 、ふきこぼれを防止する。

【０００５】 ［考案の実施の形態］ 前記構成の鍋８においては、鍋底面３を大面積に形成し、加熱調理中の汁等が 沸騰した場合に、鍋８内で沸騰した水や汁等の多くが鍋内側に向けて弧状に湾曲 し、鍋内側面２に沿ってその方向を鍋内方に変更させながら鍋内上方に上昇する 。そして鍋内方に向けて上昇した水や汁等は、鍋内側面２に沿って上昇して鍋内 方にもどるように循環する。また鍋開口部端部５には、鍋底３に向けて弧状の凸 部分を設けるため鍋開口部６近くまで上昇力により循環した水や汁等はその鍋開 口部端部５に当たることにより鍋底へと戻るように循環し、その結果沸騰した水 や汁等が鍋の開口部６からその外側に漏れ出すことがないと推測される。また、 鍋底面３を鍋底中央部にむけて弧を描くように上むきの凸形状とすることで、鍋 ８内の水や汁等の加熱調理時におけるガスコンロ等９からの炎の逃げを減少させ 、加熱調理時の熱効率を上昇させ又、鍋８内の加熱調理済みの水や汁等の保温時 において、鍋底外壁３と鍋８を置いたテーブル等との間に空気層ができ、鍋８内 の水や汁等からの熱の逃げを減少させる。

【０００６】 ［実施例］ 次に本考案の実施例を図面に従い説明する。図１および図２は本考案の鍋８の 好適な形状を示し、図１はその正面断面図、図２は平面図、図３はその使用状態 を示す正面断面図である。以下この図中の実施例を説明する。

【０００７】 図において８はアルミニウムまたはステンレス製等の薄板を絞り加工などで形 成してなる鍋である。

【０００８】 この鍋８は、その鍋底面３の周囲長を、それに続く鍋側面２の周囲長に比べて 大きくしてある。

【０００９】 上記鍋底面３から鍋底端部４に続く鍋周囲側面２のほぼ全体を、上方に行くに 従い暫時その鍋側面２の外径がせばまるように、鍋本体８内側にむけて弧状に湾 曲させている。

【００１０】 また、前記鍋８の周囲側壁２につづく鍋開口部端部５を鍋本体８の鍋底３に向 けて、弧状の凸部分を設ける。

【００１１】 鍋底３は鍋底中央部に行くに従い、鍋底面中央部にむけて弧を描くように上む きの凸形状とする。

【００１２】 鍋底３から鍋底端部４へのつながりは、鍋底端部４に行くに従い鍋底面３を鍋 底端部４にむけて弧を描くように上むきとし、鍋底端部４に続く鍋周囲側面２の ほぼ全体を、上方に行くに従い暫時その鍋側面２の外径がせばまるように、鍋本 体８内側にむけて弧状に湾曲させている。

【００１３】 さらに図ではその鍋８の周囲側面２の外側の左右に鍋８の取扱いを容易化する ための一対の取っ手７を延設している。または柄を備えてもよい。（図示せず）

【００１４】 また、上記鍋８には、その鍋開口部６を覆う蓋１を備えても良い。

【００１５】 図１図２および図３に示した鍋８は以上のように構成していて、鍋８に入れた 水や汁等が沸騰した場合に、その沸騰した水や汁等の多くが内側に向けて弧状に 湾曲している鍋周囲側面２に沿って、暫時その方向を鍋８の中方向に変更させな がら鍋８内上方に円滑かつ大量に上昇し、その鍋８の内上部に上昇した水や汁等 は鍋８の開口部端部５である鍋底面３に向けた凸部により、鍋８内方向へ戻るよ うに循環する。その結果鍋８内で沸騰した水や汁等が、鍋の上端開口部５からそ の外部に漏れ出すことがない。また鍋底面３を鍋底中央部にむけて弧を描くよう に上むきの凸形状とする事で、鍋８内の水や汁等の加熱時にコンロ９等からでる 炎の逃げをおさえ調理時の熱効率の上昇をはかれる。鍋底３から鍋底端部４への つながりは鍋底端部４に行くに従い鍋底面３を鍋底端部４にむけて弧を描くよう に上むきとし、鍋８の周囲側面２につづけることにより、かつ鍋底面３を鍋底中 央部にむけて弧を描くように上むきの凸形状とする事により、鍋８を置くテーブ ル等との接触面を減少させ、調理後の鍋８内の水や汁等からの放熱によるテーブ ル等への熱伝導率が減少する。

【００１６】 ［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の鍋８においては、鍋内に入れた水や汁等が沸騰 した場合に、その沸騰した水や汁等が鍋の開口部端部５からその外部に漏れ出す ことがない。又、鍋内の水や汁等へのコンロ等による加熱時においては、コンロ ９等からの炎の逃げが減少され加熱調理時の熱効率が上昇する。鍋内の水や汁等 を保温時には、鍋８を置くテーブル等との接触面を減少させるため、テーブル等 へ鍋８内の水や汁等からの、熱の伝導を減少する。

【００１７】 そのため、本考案の鍋によれば、コンロ９等の火力をこまめに調整せずとも、 鍋８内で沸騰した水や汁等を鍋の開口部端部５からその外側に溢れださせること なく、手数をかけずに麺類等を茹でたり煮物を煮たりなどすることが可能となる 。

【００１８】 また、鍋底面３において鍋底周辺部から鍋底中央部にむけて弧を描くように上 むきの凸形状とする事で、鍋８内の水や汁等の加熱時にコンロ９等からでる炎の 逃げをおさえ、調理時の熱効率の上昇をはかれる。

【００１９】 また、鍋内８にある水や汁等の加熱調理後の保温時においては、調理後鍋を置 いたテーブル等への鍋底３の接触面が減少し、鍋底面３からのテーブル等への直 放熱が減少し、また鍋底面３の形状により鍋底３とテーブル等の間に空気層がで きることにより保温効果にもすぐれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の鍋の正面断面図である。

【図２】 本考案の鍋の平面図である。

【図３】 本考案の鍋の使用状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 鍋蓋 ２ 鍋側面 ３ 鍋底面 ４ 鍋底端部 ５ 鍋開口部端部 ６ 鍋開口部 ７ 鍋取手 ８ 鍋本体

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【手続補正書】

【提出日】平成１５年１月２８日（２００３．１．２
８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍋内底面３は、中央部へ行くに従いゆる
   やかな鍋口部に向けた凸形状弧とすると共に、鍋底面３
   から鍋側壁部４へと弧状に湾曲させ、鍋底面とそれを置
   くテーブル等との接触面積を少なくさせ、鍋８とテーブ
   ル等との接触面からの熱の逃げを減少させ、ふきこぼれ
   を防止する鍋に特徴がある。
2. 【請求項２】 鍋本体側面２のほぼ全体にわたり鍋底端
   部４から鍋側面２の上部へつれて、その内径がせばまり
   かつ内側に弧状に湾曲し、上蓋部１も含めゆるやかな弧
   状形状とする。
3. 【請求項３】 鍋本体側面２上端部である上蓋との接合
   部であるところの鍋開口部端部５全周を、緩い弧をつけ
   ながら鍋底部３へと下むきの凸形状とする。