JP7390581B2 - 情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、焼却炉内の燃焼状態を判定する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
廃棄物焼却施設では、燃焼排ガスから熱を効率的に回収するだけでなく有害物(COやダイオキシン類、NOxなど)の排出を抑制するため、廃棄物の燃焼を安定させることを目的に、自動燃焼制御(ACC)が導入されている。
しかし、ごみ質の著しい変動などにより焼却炉内の燃焼状態の維持がACCにて対応できない場合には、熟練オペレータが手動介入することがある。このとき、熟練オペレータは、各種センサから得られたプロセス値や燃焼状態を撮影した燃焼映像をもとに手動介入の判断を行っている。
上記燃焼映像の情報は非常に重要な指標であり、主にディープラーニングを用いた画像認識技術により、燃焼映像から燃焼状態の分類やプロセス値の予測を行う技術の特許が各社から出願されている。たとえば、特許文献1では、燃焼映像を入力として燃焼状態を例えば8通りに分類する分類モデルを使用することが提案されている。また、特許文献2では、燃焼映像を入力として燃焼状態に応じた推定値(CO濃度、NOx濃度、灰中未燃分など)を予測する推定モデルを作成することが提案されている。
特開2021-8991号 特許第6824859号
燃焼映像には主に焼却炉内の主燃焼領域の火炎(廃棄物の熱分解や部分酸化により発生した可燃ガスの燃焼に伴って生じる火炎)が写っており、燃焼映像からは火炎の強弱などの情報が分かる。
しかし、燃焼状態には火炎の状態だけではなく被燃焼物に関する情報(たとえば、被燃焼物の量や質、種類)も影響する。たとえば、同じ火炎の強度で燃えていても、そのときに燃えている被燃焼物の量が異なる場合、実際の排ガス濃度(CO濃度など)などの数値は異なる可能性が高い。また、燃焼映像から燃焼状態の分類やプロセス値の予測を行う技術についても、火炎の状況しか把握できない燃焼映像だけでは、たとえば被燃焼物の量の違いから実際は異なる燃焼状態であったとしても、同様の燃焼状態であると分類される可能性が高くなるため、プロセス値の予測・推定や燃焼状態の分類・予測・推定がうまくできない可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定する技術を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、
赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、焼却炉内の新たな赤外線撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行う第1画像解析部と、
前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定する燃焼状態判定部と、
を備える。
このような態様によれば、赤外線撮像装置は、撮像波長を適切に選択することで、焼却炉内の赤外線撮像データとして、火炎の影響を取り除いた焼却炉上流側から実際に燃焼している被燃焼物の像までを含む画像を取得することができるため、焼却炉内の赤外線撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸での評価を行い、その評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、火炎の状況しか把握できない燃焼映像だけから燃焼状態の分類・予測・推定やプロセス値の予測・推定を行う場合に比べて、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置であって、
前記第1評価軸は、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、被燃焼物の温度、燃焼ガス発生量(CO等)、焼却炉の壁の温度、のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、第1または2の態様に係る情報処理装置であって、
前記赤外線撮像データは、60秒以内の動画像データである。
本件発明者らの知見によれば、焼却炉内の燃焼状態は5~10秒で変化する。したがって、このような態様によれば、焼却炉内の赤外線撮像データとして、60秒以内の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
本発明の第4の態様に係る情報処理装置は、第1~3のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記赤外線撮像データは、5秒以上の動画像データである。
このような態様によれば、焼却炉内の燃焼状態が5~10秒で変化するのに対し、焼却炉内の赤外線撮像データとして、5秒以上の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
本発明の第5の態様に係る情報処理装置は、第1~4のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記分類ラベルは、あらかじめ定められた分類項目のうちどれに該当するかを示すラベルと、複数の赤外線撮像データの間での相対的な順序、のうち少なくとも一方である。
本件発明者らが実際に検証したところ、赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データに対して、複数の赤外線撮像データの間での第1評価軸における相対的な順序が付与されることにより生成された第1教師データを機械学習(ランキング学習)した第1学習済みモデルを用いて第1評価軸での評価を行い、その評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定できることが確認された。したがって、このような態様によれば、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
本発明の第6の態様に係る情報処理装置は、第1~5のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記第1画像解析部は、焼却炉内の赤外線撮像データと、施設内に設置されたセンサから得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、前記第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな赤外線撮像データと、新たなプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせを入力として前記第1評価軸での評価を行う。
本発明の第7の態様に係る情報処理装置は、第6の態様に係る情報処理装置であって、
前記プロセスデータは、前記赤外線撮像データの撮像時刻と前記センサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータである。タイムラグは前記センサの応答速度、施設内での前記センサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則に基づいて適宜決定されてよい。
本発明の第8の態様に係る情報処理装置は、第1~7のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記第1画像解析部は、焼却炉内の赤外線撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の前記第1評価軸の各々における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな赤外線撮像データを入力として2つ以上の前記第1評価軸の各々での評価を行い、
前記燃焼状態判定部は、2つ以上の前記第1評価軸の各々での評価結果を、2つ以上の前記第1評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより、現在の燃焼状態を判定する。
このような態様によれば、焼却炉内の赤外線撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第1評価軸の各々での評価を行い、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果に基づいて燃焼状態を判定するため、1つの評価軸での評価結果に基づいて燃焼状態を判定する場合に比べて、燃焼状態を精度よく分類・予測・推定できる。また、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果を燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより燃焼状態を判定するため、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果と判定結果である燃焼状態との関係性を直感的に把握することが可能であり、また燃焼状態の判定を高速に行うことが可能である。
本発明の第9の態様に係る情報処理装置は、第1~7のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
可視光撮像装置で撮像した焼却炉内の可視光撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第2評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第2教師データを機械学習した第2学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな可視光撮像データを入力として前記第2評価軸での評価を行う第2画像解析部をさらに備え、
前記燃焼状態判定部は、前記第1評価軸および第2評価軸の各々での評価結果を、前記第1評価軸および第2評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより、現在の燃焼状態を判定する。
このような態様によれば、焼却炉内の赤外線撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる第1評価軸での評価を行うことに加えて、焼却炉内の可視光撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる第2評価軸での評価を行い、第1評価軸と第2評価軸の各々での評価結果に基づいて燃焼状態を判定するため、1つの評価軸での評価結果に基づいて燃焼状態を判定する場合に比べて、燃焼状態を精度よく分類・予測・推定できる。また、第1評価軸と第2評価軸の各々での評価結果を燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより燃焼状態を判定するため、第1評価軸と第2評価軸の各々での評価結果と判定結果である燃焼状態との関係性を直感的に把握することが可能であり、また燃焼状態の判定を高速に行うことが可能である。
本発明の第10の態様に係る情報処理装置は、第9の態様に係る情報処理装置であって、
前記第2評価軸は、火炎状態、燃焼完結点の位置、燃焼完結点の形状、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、未燃物の量、焼却灰の量、のうちの少なくとも1つを含む。
本発明の第11の態様に係る情報処理装置は、第1~10のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記燃焼状態判定部は、燃焼状態の判定結果を、施設内に設置されたセンサから得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量に応じて補正する。
本発明の第12の態様に係る情報処理装置は、第1~11のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記燃焼状態判定部は、燃焼状態の判定結果に応じてアラートの表示または発報を行う。
本発明の第13の態様に係る情報処理装置は、第1~12のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記燃焼状態判定部の判定結果に基づいて、クレーン制御装置および/または燃焼制御装置へ操作指示を送信する指示部をさらに備える。
本発明の第14の態様に係る情報処理装置は、第1~13のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
前記機械学習に用いられるアルゴリズムは、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含む。
本発明の第15の態様に係る情報処理装置は、第1~14のいずれかの態様に係る情報処理装置であって、
赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習することにより、前記第1学習済みモデルを生成するモデル構築部をさらに備える。
本発明の第16の態様に係るシステムは、
第13の態様に係る情報処理装置と、
前記情報処理装置から送信された操作指示に基づいて、廃棄物の攪拌または搬送を行うクレーンを制御する前記クレーン制御装置、および/または、焼却炉での廃棄物の燃焼を制御する前記燃焼制御装置と、
を備える。
本発明の第17の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、
赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな赤外線撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行うステップと、
前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定するステップと、
を含む。
本発明の第18の態様に係るプログラムは、コンピュータに、
赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな赤外線撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行うステップと、
前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定するステップと、
を実行させる。
本発明によれば、焼却炉内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定できる。
図1は、第1の実施形態に係る焼却施設の構成を示す概略図である。 図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、燃焼状態判定マップの一例を示す図である。 図5は、第2の実施形態に係る焼却施設の構成を示す概略図である。 図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。 図7は、第2の実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。 図8は、第3の実施形態に係る焼却施設の構成を示す概略図である。 図9は、第3の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。 図10は、第3の実施形態に係る情報処理装置による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、同一に構成され得る部分について、同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
本明細書において「Aおよび/またはB」とは、AおよびBのうちの一方または両方を意味する。また、本明細書において「可視光」とは、波長が360nm~830nmの電磁波をいい、「赤外線」とは、波長が830nm~14000nmの電磁波をいう。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る焼却施設1の構成を示す概略図である。
図1に示すように、焼却施設1は、廃棄物を積載する搬送車両(ごみ収集車)22が停車するプラットホーム21と、プラットホーム21から投入される廃棄物が貯留されるごみピット3と、ごみピット3内に貯留される廃棄物を攪拌および搬送するクレーン5と、クレーン5により搬送される廃棄物が投入されるホッパ4と、ホッパ4から投入された廃棄物を焼却する焼却炉6と、焼却炉6内で生じる排ガスから排熱を回収する排熱ボイラ2と、を備えている。焼却炉6の種類は、図1に示すようなストーカ炉に限られるものではなく、流動炉(流動床炉ともいう)も含まれる。また、ごみピット3の構造は、図1に示すような1段ピットに限られるものであなく、2段ピットも含まれる。また、焼却施設1には、クレーン5の動作を制御するクレーン制御装置50と、焼却炉6内での廃棄物(被燃焼物)の燃焼を制御する燃焼制御装置20とが設けられている。
搬送車両22に積載された状態で搬入される廃棄物は、プラットホーム21からごみピット3内へと投入され、ごみピット3内にて貯留される。ごみピット3内に貯留される廃棄物は、クレーン5によって攪拌されるとともに、クレーン5によってホッパ4へと搬送され、ホッパ4を介して焼却炉6内部へと投入され、焼却炉6内部にて焼却されて処理される。
図1に示すように、本実施の形態に係る焼却施設1には、焼却炉6内を撮像する赤外線撮像装置71および可視光撮像装置72と、焼却炉6内の燃焼状態を判定する情報処理装置10とが設けられている。
図示された例では、赤外線撮像装置71は、焼却炉6の下流側の上方に設置されている。赤外線撮像装置71は、焼却炉6の下流側の上方に複数台設置されていてもよい。なお、赤外線撮像装置71の設置位置は、焼却炉6の下流側の上方に限定されるものではなく、赤外線撮像装置71は焼却炉6の下流側の水平方向や上流側の上方または水平方向に設置されてもよい。赤外線撮像装置71は、火炎の波長(たとえば4.1μm~4.5μm)をカットするよう、撮像波長(たとえば3.7μm~4.0μm)があらかじめ適切に選択されており、赤外線撮像データ(動画像データ)として、火炎の影響を取り除いた、焼却炉6の上流側から実際に燃焼している被燃焼物の像までを含む画像を取得できるようになっている。赤外線撮像装置71は、火炎の波長に加えて、CO2および水蒸気の波長(たとえば4.0μm~4.2μm)をさらにカットするよう、撮像波長(たとえば3.7μm~4.0μm)があらかじめ適切に選択されており、赤外線撮像データ(動画像データ)として、火炎ならびにCO2と水蒸気の影響を取り除いた、焼却炉6の上流側から実際に燃焼している被燃焼物像までを含む画像を取得できるようになっていてもよい。赤外線撮像装置71のフレームレートは、特に高フレームレートである必要はなく、一般的なフレームレート(30fps程度)であってもよいし、低フレームレート(5~10fps程度)であってもよい。
図示された例では、可視光撮像装置72は、焼却炉6の下流側の上方に設置されており、火格子上の被燃焼物の火炎状態(燃焼状態)の可視光撮像データ(動画像データ)を取得できるようになっている。可視光撮像装置72は、焼却炉6の下流側の上方に複数台設置されていてもよい。なお、可視光撮像装置72の設置位置は、焼却炉6の下流側の上方に限定されるものではなく、可視光撮像装置72は焼却炉6の下流側の水平方向や上流側の上方または水平方向に設置されてもよい。可視光撮像装置72は、RGBカメラ、3Dカメラ、RGB-Dカメラのいずれかであってもよいし、これらのうちの2つ以上の組み合わせであってもよい。可視光撮像装置72のフレームレートは、特に高フレームレートである必要はなく、一般的なフレームレート(30fps程度)であってもよいし、低フレームレート(5~10fps程度)であってもよい。
次に、本実施の形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。図2は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、1台または複数台のコンピュータによって構成されている。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有している。各部は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち通信部11は、赤外線撮像装置71、可視光撮像装置72、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と、情報処理装置10との間の通信インターフェースである。通信部11は、赤外線撮像装置71、可視光撮像装置72、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と情報処理装置10との間で情報を送受信する。
記憶部13は、たとえばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部13には、制御部12が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部12には、後述する第1モデル構築部12c1が機械学習に用いる第1アルゴリズム13a1と、第1モデル構築部12c1が機械学習に用いる第2アルゴリズム13a2と、第1撮像データ取得部12a1により取得された第1撮像データ13b1と、第2撮像データ取得部12a2により取得された第2撮像データ13b2と、第1教師データ生成部12bにより生成された第1教師データ13c1と、第2教師データ生成部12bにより生成された第2教師データ13c2と、燃焼状態判定部12eにより用いられる燃焼状態判定マップ13dと、が記憶される。各情報13a1~13dの詳細は後述する。
制御部12は、情報処理装置10の各種処理を行う制御手段である。図2に示すように、制御部11は、第1撮像データ取得部12a1と、第2撮像データ取得部12b1と、第1教師データ生成部12b1と、第2教師データ生成部12b2と、第1モデル構築部12c1と、第2モデル構築部12c2と、第1画像解析部12d1と、第2画像解析部12d2と、燃焼状態判定部12eと、指示部12fと、プロセスデータ取得部12gと、を有している。これらの各部は、情報処理装置10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
第1撮像データ取得部12a1は、赤外線撮像装置71が撮像した焼却炉6内の赤外線撮像データを第1撮像データ13b1として取得する。第1撮像データ13b1は、記憶部13に記憶される。
第2撮像データ取得部12a2は、可視光撮像装置72が撮像した焼却炉6内の可視光撮像データを第2撮像データ13b2として取得する。第2撮像データ13b2は、記憶部13に記憶される。
プロセスデータ取得部12gは、焼却施設1内に設置されている各種センサ(不図示)で計測されたプロセスデータ(たとえば、炉出口温度や蒸発量)、および/または、当該プロセスデータから演算により得られる演算データを取得する。プロセスデータおよび/または演算データは、記憶部13に記憶されてもよい。演算データは、実測値PVと設定値SVの差分値(差分値の絶対値でもよい)や所定期間(たとえば1分間、10分間、20分間、1時間)における移動平均値、最大値、最小値、中央値、積分値、微分値、標準偏差、所定時間前の値との差分値(差分値の絶対値でもよい)のうちの1つまたは2つ以上を含んでいてもよい。
第1教師データ生成部12b1は、第1撮像データ13b1に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成する。第1教師データ生成部12b1は、第1撮像データ13b1を複数のブロック(たとえば、燃焼プロセスにおける乾燥領域、ガス化燃焼領域、おき燃焼領域)に分割し、ブロック単位のデータに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成してもよい。第1教師データ13c1は、記憶部13に記憶される。ここで、分類ラベルは、第1評価軸における絶対的な分類情報(予め定められた絶対的な基準(閾値)に対する関係で定まる分類)であってもよいし、複数の赤外線撮像データの間での第1評価軸における相対的な順序(複数の赤外線撮像データからなるグループ内での相対的な順序関係)であってもよい。第1評価軸は、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、被燃焼物の温度、燃焼ガス発生量(CO等)、焼却炉の壁の温度、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。被燃焼物の量とは、たとえば被燃焼物の容積、重量、密度、断面積などに対応する値である。被燃焼物の質とは、たとえば被燃焼物の燃えやすさ、発熱量、水分、密度などに対応する値である。被燃焼物の種類は、たとえばごみ袋未破袋ごみ、紙ごみ、剪定枝、布団、汚泥、粗大破砕ごみ、段ボール、麻袋、紙袋、底ごみ(ごみピット3内の底付近に存在し情報の廃棄物に圧縮され水分含有量が多いごみのこと)、木屑、繊維ごみ、衣類ごみ、プラスチックごみ、動物性残渣、動物死体、厨芥ごみ、草木、土、医療ごみ、焼却灰、自転車、たんす、ベッド、棚、机、椅子、農業系ビニール類、ペットボトル、発泡スチロール、肉骨粉、農作物、陶磁器、ガラスくず、金属くず、がれき類、コンクリートくず、畳、竹、わら、活性炭である。被燃焼物の温度とは、たとえば被燃焼物の温度に対応する値である。燃焼ガス発生量とは、たとえばCOや水素、炭化水素、NOx、SOx、HCl、ダイオキシンなどの燃焼プロセスの過程で発生するガス発生量に対応する値である。焼却炉の壁の温度とは、たとえば焼却炉の壁や天井の温度に対応する値である。
一例として、被燃焼物の量を第1評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ない(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して被燃焼物の量の大小を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の質を評価軸とした場合、分類ラベルは、普通ごみ・高質ごみ(すなわち高カロリーごみ)・低質ごみ(すなわち低カロリーごみ)(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して被燃焼物の質の優劣を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の種類を第1評価軸とした場合、分類ラベルは、ごみ袋未破袋ごみ・剪定枝・布団(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)。別例として、燃焼ガス発生量(CO等)を評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ない(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して燃焼ガス発生量(CO等)の大小を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、焼却炉の壁の温度を第1評価軸とした場合、分類ラベルは、高い・正常・低いであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して焼却炉の壁の温度の高低を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。
第1教師データ生成部12b1は、第1撮像データ13b1と、焼却施設1内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成してもよい。ここで、プロセスデータは、第1撮像データの撮像時刻とセンサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータである。タイムラグはセンサの応答速度、施設内でのセンサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則に基づいて適宜決定されてよい。
第2教師データ生成部12b2は、第2撮像データ13b1に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第2評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成する。第2教師データ生成部12b2は、第2撮像データ13b1を複数のブロック(たとえば、燃焼プロセスにおける乾燥領域、ガス化燃焼領域、おき燃焼領域)に分割し、ブロック単位のデータに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成してもよい。第2教師データ13c2は、記憶部13に記憶される。ここで、分類ラベルは、第2評価軸における絶対的な分類情報(予め定められた絶対的な基準(閾値)に対する関係で定まる分類)であってもよいし、複数の可視光撮像データの間での第2評価軸における相対的な順序(複数の可視光撮像データからなるグループ内での相対的な順序関係)であってもよい。第2評価軸は、火炎状態、燃焼完結点の位置(燃え切り点)、燃焼完結点の形状、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、未燃物の量、焼却灰の量、のうちの少なくとも1つを含んでもよい。火炎状態とは、たとえば火炎の強弱、火炎の輝度などに対応する値である。燃焼完結点の位置とは、たとえば焼却炉を構成する火格子上の位置に対応する値である。燃焼完結点の形状とは、たとえば燃焼完結点の曲率や曲率半径などに対応する値である。被燃焼物の量とは、たとえば被燃焼物の容積、重量、密度、断面積などに対応する値である。被燃焼物の質とは、たとえば被燃焼物の燃えやすさ、発熱量、水分、密度などに対応する値である。被燃焼物の種類は、たとえばごみ袋未破袋ごみ、紙ごみ、剪定枝、布団、汚泥、粗大破砕ごみ、段ボール、麻袋、紙袋、底ごみ(ごみピット3内の底付近に存在し情報の廃棄物に圧縮され水分含有量が多いごみのこと)、木屑、繊維ごみ、衣類ごみ、プラスチックごみ、動物性残渣、動物死体、厨芥ごみ、草木、土、医療ごみ、焼却灰、自転車、たんす、ベッド、棚、机、椅子、農業系ビニール類、ペットボトル、発泡スチロール、肉骨粉、農作物、陶磁器、ガラスくず、金属くず、がれき類、コンクリートくず、畳、竹、わら、活性炭である。未燃物の量とは、たとえば未燃物の容積、重量、密度、断面積、多少などに対応する値である。焼却灰の量とは、たとえば焼却灰の容積、重量、密度、断面積などに対応する値である。
一例として、火炎状態を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、良い・正常・悪い(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数(たとえば2つ)の第2撮像データに対して、火炎状態の優劣を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、燃焼完結点(燃え切り点)の位置を評価軸とした場合、分類ラベルは、手前・やや手前・正常・やや奥・奥であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して、燃焼完結点の位置の遠近を順序付けしたものであってもよい。別例として、燃焼完結点の形状を評価軸とした場合、分類ラベルは良い・正常・悪いであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して、燃焼完結点の形状の優劣を順序付けしたものであってもよい。別例として、被燃焼物の量を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ないであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して被燃焼物の量の大小を順序付けしたものであってもよい。別例として、被燃焼物の質を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、普通ごみ・高質ごみ(すなわち高カロリーごみ)・低質ごみ(すなわち低カロリーごみ)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して被燃焼物の質の優劣を順序付けしたものであってもよい。別例として、被燃焼物の種類を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、ごみ袋未破袋ごみ・剪定枝・布団であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)。別例として、未燃物の量を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ないであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して未燃物の量の大小を順序付けしたものであってもよい。別例として、焼却灰の量を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ないであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して焼却灰の量の大小を順序付けしたものであってもよい。
第2教師データ生成部12b2は、第2撮像データ13b2と、焼却施設1内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された第2評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成してもよい。ここで、プロセスデータは、第2撮像データの撮像時刻とセンサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータである。タイムラグはセンサの応答速度、施設内でのセンサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則に基づいて適宜決定されてよい。
第1撮像データ13b1および/または第2撮像データ13b2は、60秒以内の動画像データであってもよいし、30秒以内の動画像データであってもよい。本件発明者らの知見によれば、焼却炉6内の燃焼状態は5~10秒で変化する。したがって、第1撮像データ13b1および/または第2撮像データ13b2として、たとえば60秒以内(または30秒以内)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
また、第1撮像データ13b1および/または第2撮像データ13b2は、5秒以上の動画像データであってもよいし、7秒以上であってもよい。焼却炉6内の燃焼状態が5~10秒で変化するのに対し、第1撮像データ13b1および/または第2撮像データ13b2として、たとえば5秒以上(または7秒以上)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
第1モデル構築部13c1は、第1教師データ生成部12b1により生成された第1教師データ13b1を、第1アルゴリズム13a1を用いて機械学習することにより、第1学習済みモデルを生成する。機械学習に用いられる第1アルゴリズム13a1は、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。
同様に、第2モデル構築部13c2は、第2教師データ生成部12b2により生成された第2教師データ13b2を、第2アルゴリズム13a2を用いて機械学習することにより、第2学習済みモデルを生成する。機械学習に用いられる第2アルゴリズム13a2は、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。
第1画像解析部13d1は、第1撮像データ取得部13a1により取得された焼却炉6内の新たな第1撮像データ(赤外線撮像データ)を入力として、第1モデル構築部13c1により生成された第1学習済みモデルを利用して、第1評価軸(たとえば被燃焼物量)での評価結果を出力データとして取得する。第1画像解析部13d1は、第1評価軸での評価結果をたとえば0~100の数値範囲に正規化(スコア化)し、当該範囲内の数値(スコア)を出力データとして取得してもよい。
第2画像解析部13d2は、第2撮像データ取得部13a2により取得された焼却炉6内の新たな第2撮像データ(可視光撮像データ)を入力として、第2モデル構築部13c2により生成された第2学習済みモデルを利用して、第2評価軸(たとえば火炎状態)での評価結果を出力データとして取得する。第2画像解析部13d2は、第2評価軸での評価結果をたとえば0~100の数値範囲に正規化(スコア化)し、当該範囲内の数値(スコア)を出力データとして取得してもよい。
燃焼状態判定部12eは、第1画像解析部13d1による第1評価軸での評価結果(スコア)および第2画像解析部13d2による第2評価軸での評価結果(スコア)に基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する。燃焼状態の判定結果は、燃焼状態の特性を示すラベル(過燃焼・ごみ層厚燃焼・ごみ層薄燃焼・ごみ枯れ・低質ごみ燃焼など)であってもよいし、当該ラベルを数値変更したものであってもよい。過燃焼とは、たとえば被燃焼物の中に質の高い(燃えやすい)ごみが大量に存在し、燃焼温度が非常に高温となるなど燃焼が活発な燃焼状態のことである。ごみ層厚燃焼とは、たとえば被燃焼物の量が通常時よりも多い燃焼状態のことである。ごみ層薄燃焼とは、たとえば被燃焼物の量が通常時よりも少ない燃焼状態のことである。ごみ枯れとは、たとえば被燃焼物の量が通常時よりも極端に少なく燃焼温度が低くなる燃焼状態のことである。低質ごみ燃焼とは、たとえば被燃焼物の中に質の低い(低カロリーなごみなど)ごみが大量に存在し、燃焼温度が低温になるなど燃焼が弱い燃焼状態のことである。
燃焼状態判定部12eは、第1評価軸での評価結果(X)および第2評価軸での評価結果(Y)からなる組(X,Y)を、第1評価軸をX座標軸および第2評価軸をY座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい。燃焼状態判定部12eは、1つ以上の第1評価軸での評価結果および1つ以上の第2評価軸での評価結果からなる組(X,Y,Z,・・)を、例えば第1評価軸のうち1つをX座標軸、第1評価軸のうち別の1つをY座標軸、および第2評価軸のうち1つをZ座標軸とする予め定められたN次元空間(Nは3以上の整数)の燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい。
図4は、燃焼状態判定マップ13dの一例を示す図である。図4に示す燃焼状態判定マップ13dでは、被燃焼物量をX座標軸、火炎状態をY座標軸とするXY座標平面が、複数の領域(図示された例では、ごみ枯れゾーン、過燃焼ゾーン、ごみ層薄燃焼ゾーン、燃焼良好(正常)ゾーン、ごみ層厚燃焼ゾーン、低質ごみ燃焼ゾーンの6領域)に分割されている。燃焼状態判定部12eは、被燃焼物量を第1評価軸、火炎状態を第2評価軸としたときの第1評価軸での評価結果(X)および第2評価軸での評価結果(Y)からなる組(X,Y)を、この燃焼状態判定マップ13d上にマッピングする。たとえば、図4に示すように、第1評価軸での評価結果(X)および第2評価軸での評価結果(Y)からなる組(X,Y)を示す点Pが燃焼良好(正常)ゾーン内にマッピングされる場合には、燃焼状態判定部12eは、現在の燃焼状態が「燃焼良好(正常)」であると判定する。上記領域の範囲(閾値(境界線の位置、長さ及び形状))は、運転員の経験則から決定されてもよいし、第1評価軸での評価結果(X)および第2評価軸での評価結果(Y)とプロセスデータとの対応関係を最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、カルマンフィルタ、自己回帰、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含むアルゴリズムを用いて機械学習することにより決定されてもよい。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果を、施設内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量に応じて補正してもよい。たとえば、燃焼状態の判定結果が「低質ごみ燃焼」であり、その際の炉出口温度または蒸発量の差分値PV-SVがあらかじめ定められた条件を満たしている場合は、燃焼状態の判定結果を「燃焼良好(正常)」に補正してもよい。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果に応じて、性能管理指標値を所定の範囲内に保つことが困難などのアラートを、不図示のディスプレイに表示してもよいし、音声や振動、光などで発報してもよい。
指示部12fは、燃焼状態判定部12eの判定結果に基づいて、クレーン制御装置50および/または燃焼制御装置20へ操作指示を送信する。たとえば、指示部12fは、燃焼状態判定部12eの判定結果に基づいて、燃焼状態判定マップ上の各ゾーンごとに予め定義された操作指示をクレーン制御装置50および/または燃焼制御装置20へ送信する。具体的には、たとえば、指示部12fは、現在の燃焼状態に適した操作指示(燃焼温度の上げまたは下げ、燃焼時間の増加または減少、空気量の増加または減少、ごみの送り量の増加または減少)を燃焼制御装置20へ送信する。一例として、指示部12fは、現在の燃焼状態が「過燃焼」の場合には、空気量の減少、ごみ送り量の減少などの操作指示を燃焼制御装置20へ送信してもよい。別の一例として、指示部12fは、現在の燃焼状態が「ごみ層厚燃焼」の場合には、ごみの層を薄くするために、ごみ送り量の減少などの操作指示を燃焼制御装置20へ送信してもよい。また、別の一例として、指示部12fは、現在の燃焼状態が「ごみ層薄燃焼」の場合には、ごみ層を厚くするために、空気量の減少やごみ送り量の減少などの操作指示を燃焼制御装置20へ送信してもよい。また、別の一例として、指示部12fは、現在の燃焼状態が「ごみ枯れ」の場合には、焼却炉内へのごみ量を増やすために、空気量の減少やごみ送量の増加などの操作指示を燃焼制御装置20へ送信してもよい。また、別の一例として、指示部12fは、現在の燃焼状態が「低質ごみ燃焼」の場合には、今あるごみをしっかり燃やすために、空気量の増加、ごみ送り量の減少などの操作指示を燃焼制御装置20へ送信してもよい。
次に、このような構成からなる情報処理装置10による情報処理方法の一例について説明する。図3は、情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、焼却施設1の運転前に、第1教師データ生成部12b1が、赤外線撮像装置71により撮像された焼却炉6内の過去の赤外線撮像データ(第1撮像データ13b1)に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成する。また、第2教師データ生成部12b2が、可視光撮像装置72により撮像された焼却炉6内の過去の可視光撮像データ(第2撮像データ13b2)に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第2評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成する(ステップS11)。
次に、第1モデル構築部13c1が、第1教師データ生成部12b1により生成された第1教師データ13b1を、第1アルゴリズム13a1を用いて機械学習することにより、第1学習済みモデルを生成する。また、第2モデル構築部13c2が、第2教師データ生成部12b2により生成された第2教師データ13b2を、第2アルゴリズム13a2を用いて機械学習することにより、第2学習済みモデルを生成する(ステップS12)。
次に、焼却施設1の運転中に、第1撮像データ取得部12a1が、赤外線撮像装置71が撮像した焼却炉6内の新たな赤外線撮像データを第1撮像データ13b1として取得するとともに、第2撮像データ取得部12a2が、可視光撮像装置72が撮像した焼却炉6内の可視光撮像データを第2撮像データ13b2として取得する(ステップS13)。
次いで、第1画像解析部13d1が、第1撮像データ取得部13a1により取得された焼却炉6内の新たな第1撮像データ(赤外線撮像データ)を入力として、第1モデル構築部13c1により生成された第1学習済みモデルを利用して、第1評価軸(たとえば被燃焼物量)での評価結果を出力データとして取得する。また、第2画像解析部13d2が、第2撮像データ取得部13a2により取得された焼却炉6内の新たな第2撮像データ(可視光撮像データ)を入力として、第2モデル構築部13c2により生成された第2学習済みモデルを利用して、第2評価軸(たとえば火炎状態)での評価結果を出力データとして取得する(ステップS14)。
そして、燃焼状態判定部12eが、第1画像解析部13d1による第1評価軸での評価結果と第2画像解析部13d2による第2評価軸での評価結果とに基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する(ステップ15)。
ステップS15において、燃焼状態判定部12eは、第1評価軸での評価結果(X)および第2評価軸での評価結果(Y)からなる組(X,Y)を、第1評価軸をX座標軸および第2評価軸をY座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい(図4参照)。
その後、指示部12fが、燃焼状態判定部12eの判定結果に基づいて、クレーン制御装置50および/または燃焼制御装置20へ操作指示を送信する(ステップS16)。
以上のような本実施の形態によれば、赤外線撮像装置71は、撮像波長を適切に選択することで、焼却炉6内の赤外線撮像データ(第1撮像データ)として、火炎の影響を取り除いた焼却炉6上流側から実際に燃焼している被燃焼物の像までを含む画像を取得することができるため、焼却炉6内の赤外線撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸での評価を行い、その評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、火炎の状況しか把握できない燃焼映像だけから燃焼状態の分類・予測・推定やプロセス値の予測・推定を行う場合に比べて、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
また、本実施の形態によれば、第1評価軸Xと第2評価軸Yの各々での評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、1つの評価軸での評価結果に基づいて燃焼状態を判定する場合に比べて、焼却炉6内の燃焼状態を精度よく分類・予測・推定できる。また、第1評価軸Xと第2評価軸Yの各々での評価結果を燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより燃焼状態を判定することで、第1評価軸Xと第2評価軸Yの各々での評価結果と判定結果である燃焼状態との関係性を直感的に把握することが可能であり、また燃焼状態の判定を高速に行うことが可能である。
(第2の実施形態)
次に、図5~7を参照し、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態に係る焼却施設1の構成を示す概略図である。
図5に示すように、第2の実施形態に係る焼却施設1では、焼却炉6内を撮像する可視光撮像装置72が省略されている点のみが第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図6は、第2の実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、1台または複数台のコンピュータによって構成されている。
図6に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有している。各部は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち通信部11は、赤外線撮像装置71、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と、情報処理装置10との間の通信インターフェースである。通信部11は、赤外線撮像装置71、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と情報処理装置10との間で情報を送受信する。
記憶部13は、たとえばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部13には、制御部12が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部12には、後述する第1モデル構築部12c1が機械学習に用いる第1アルゴリズム13a1と、第1撮像データ取得部12a1により取得された第1撮像データ13b1と、第1教師データ生成部12b1により生成された第1教師データ13c1と、燃焼状態判定部12eにより用いられる燃焼状態判定マップ13dと、が記憶される。各情報13a1~13dの詳細は後述する。
制御部12は、情報処理装置10の各種処理を行う制御手段である。図6に示すように、制御部11は、第1撮像データ取得部12a1と、第1教師データ生成部12b1と、第1モデル構築部12c1と、第1画像解析部12d1と、燃焼状態判定部12eと、指示部12fと、プロセスデータ取得部12gと、を有している。これらの各部は、情報処理装置10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
このうち第1撮像データ取得部12a1、プロセスデータ取得部12g、および指示部12fの構成は、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
第1教師データ生成部12b1は、第1撮像データ13b1に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第1評価軸の各々における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成する。第1教師データ13c1は、記憶部13に記憶される。ここで、分類ラベルは、第1評価軸における絶対的な分類情報(予め定められた絶対的な基準(閾値)に対する関係で定まる分類)であってもよいし、複数の赤外線撮像データの間での第1評価軸における相対的な順序(複数の赤外線撮像データからなるグループ内での相対的な順序関係)であってもよい。第1評価軸は、火炎状態、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、被燃焼物の温度、燃焼ガス発生量(CO等)、焼却炉の壁の温度のうちの2つ以上を含んでもよい。火炎状態は、第1撮像データ13b1(赤外線撮像データ)に写るガス状の揺らぎの量から判断できる。
一例として、火炎状態を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、良い・正常・悪い(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して火炎状態の優劣を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の量を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ない(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して被燃焼物の量の大小を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の質を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、普通ごみ・高質ごみ(すなわち高カロリーごみ)・低質ごみ(すなわち低カロリーごみ)(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して被燃焼物の質の優劣を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の種類を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、ごみ袋未破袋ごみ・剪定枝・布団(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)。別例として、燃焼ガス発生量(CO等)を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ない(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して燃焼ガス発生量(CO等)の大小を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、焼却炉の壁の温度を1つの第1評価軸とした場合、分類ラベルは、高い・正常・低いであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第1撮像データに対して焼却炉の壁の温度の高低を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。
第1教師データ生成部12b1は、第1撮像データ13b1と、焼却施設1内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された2つ以上の第1評価軸の各々における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成してもよい。ここで、プロセスデータは、第1撮像データの撮像時刻とセンサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータである。タイムラグはセンサの応答速度、施設内でのセンサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則に基づいて適宜決定されてよい。
第1撮像データ13b1は、60秒以内の動画像データであってもよいし、30秒以内の動画像データであってもよい。本件発明者らの知見によれば、焼却炉6内の燃焼状態は5~10秒で変化する。したがって、第1撮像データ13b1として、たとえば60秒以内(または30秒以内)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
また、第1撮像データ13b1は、5秒以上の動画像データであってもよいし、7秒以上であってもよい。焼却炉6内の燃焼状態が5~10秒で変化するのに対し、第1撮像データ13b1として、たとえば5秒以上(または7秒以上)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
第1モデル構築部13c1は、第1教師データ生成部12b1により生成された第1教師データ13b1を、第1アルゴリズム13a1を用いて機械学習することにより、第1学習済みモデルを生成する。機械学習に用いられる第1アルゴリズム13a1は、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。
第1画像解析部13d1は、第1撮像データ取得部13a1により取得された焼却炉6内の新たな第1撮像データ(赤外線撮像データ)を入力として、第1モデル構築部13c1により生成された第1学習済みモデルを利用して、2つ以上の第1評価軸(たとえば火炎状態と被燃焼物量)の各々での評価結果を出力データとして取得する。第1画像解析部13d1は、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果をたとえば0~100の数値範囲に正規化(スコア化)し、当該範囲内の数値(スコア)を出力データとして取得してもよい。
燃焼状態判定部12eは、第1画像解析部13d1による2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果(スコア)に基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する。燃焼状態の判定結果は、燃焼状態の特性を示すラベル(過燃焼・ごみ層厚燃焼・ごみ層薄燃焼・ごみ枯れ・低質ごみ燃焼など)であってもよいし、当該ラベルを数値変更したものであってもよい。
燃焼状態判定部12eは、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果からなる組を、当該2つ以上の第1評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい。
図4は、燃焼状態判定マップ13dの一例を示す図である。図4に示す燃焼状態判定マップ13dでは、被燃焼物量をX座標軸、火炎状態をY座標軸とするXY座標平面が、複数の領域(図示された例では、ごみ枯れゾーン、過燃焼ゾーン、ごみ層薄燃焼ゾーン、燃焼良好(正常)ゾーン、ごみ層厚燃焼ゾーン、低質ごみ燃焼ゾーンの6領域)に分割されている。燃焼状態判定部12eは、被燃焼物量と火炎状態とを互いに異なる2つの第1評価軸としたときの各第1評価軸での評価結果からなる組(X,Y)を、この燃焼状態判定マップ13d上にマッピングする。たとえば、図4に示すように、被燃焼物量を第1評価軸としたときの評価結果(X)および火炎状態を第1評価軸としたときの評価結果(Y)からなる組(X,Y)を示す点Pが、燃焼良好(正常)ゾーン内にマッピングされる場合には、燃焼状態判定部12eは、現在の燃焼状態が「燃焼良好(正常)」であると判定する。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果を、施設内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量に応じて補正してもよい。たとえば、燃焼状態の判定結果が「低質ごみ燃焼」であり、その際の炉出口温度または蒸発量の差分値PV-SVがあらかじめ定められた条件を満たしている場合は、燃焼状態の判定結果を「燃焼良好(正常)」に補正してもよい。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果に応じて、性能管理指標値を所定の範囲内に保つことが困難などのアラートを、不図示のディスプレイに表示してもよいし、音声や振動、光などで発報してもよい。
次に、このような構成からなる情報処理装置10による情報処理方法の一例について説明する。図7は、情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、焼却施設1の運転前に、第1教師データ生成部12b1が、赤外線撮像装置71により撮像された焼却炉6内の過去の赤外線撮像データ(第1撮像データ13b1)に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第1評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第1教師データ13c1を生成する(ステップS21)。
次に、第1モデル構築部13c1が、第1教師データ生成部12b1により生成された第1教師データ13b1を、第1アルゴリズム13a1を用いて機械学習することにより、第1学習済みモデルを生成する(ステップS22)。
次に、焼却施設1の運転中に、第1撮像データ取得部12a1が、赤外線撮像装置71が撮像した焼却炉6内の新たな赤外線撮像データを第1撮像データ13b1として取得する(ステップS23)。
次いで、第1画像解析部13d1が、第1撮像データ取得部13a1により取得された焼却炉6内の新たな第1撮像データ(赤外線撮像データ)を入力として、第1モデル構築部13c1により生成された第1学習済みモデルを利用して、2つ以上の第1評価軸(たとえば被燃焼物量と火炎状態)の各々での評価結果を出力データとして取得する(ステップS24)。
そして、燃焼状態判定部12eが、第1画像解析部13d1による第1評価軸での評価結果に基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する(ステップ25)。
ステップS25において、燃焼状態判定部12eは、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果からなる組を、2つ以上の第1評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい(図4参照)。
その後、指示部12fが、燃焼状態判定部12eの判定結果に基づいて、クレーン制御装置50および/または燃焼制御装置20へ操作指示を送信する(ステップS16)。
以上のような本実施の形態によれば、赤外線撮像装置71は、撮像波長を適切に選択することで、焼却炉6内の赤外線撮像データ(第1撮像データ)として、火炎の影響を取り除いた焼却炉6上流側から実際に燃焼している被燃焼物の像までを含む画像を取得することができるため、焼却炉6内の赤外線撮像データを用いて、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第1評価軸での評価を行い、その評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、火炎の状況しか把握できない燃焼映像だけから燃焼状態の分類・予測・推定やプロセス値の予測・推定を行う場合に比べて、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することができる。
また、本実施の形態によれば、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、1つの評価軸での評価結果に基づいて燃焼状態を判定する場合に比べて、焼却炉6内の燃焼状態を精度よく分類・予測・推定できる。また、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果を燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより燃焼状態を判定することで、2つ以上の第1評価軸の各々での評価結果と判定結果である燃焼状態との関係性を直感的に把握することが可能であり、また燃焼状態の判定を高速に行うことが可能である。
(第3の実施形態)
次に、図8~10を参照し、第3の実施形態について説明する。図8は、第3の実施形態に係る焼却施設1の構成を示す概略図である。
図8に示すように、第3の実施形態に係る焼却施設1では、焼却炉6内を撮像する赤外線撮像装置71が省略されている点のみが第1の実施形態と異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図9は、第3の実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、1台または複数台のコンピュータによって構成されている。
図9に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有している。各部は、バスやネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
このうち通信部11は、可視光撮像装置72、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と、情報処理装置10との間の通信インターフェースである。通信部11は、可視光撮像装置72、クレーン制御装置50および燃焼制御装置20の各装置と情報処理装置10との間で情報を送受信する。
記憶部13は、たとえばハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性データストレージである。記憶部13には、制御部12が取り扱う各種データが記憶される。また、記憶部12には、後述する第2モデル構築部12c2が機械学習に用いる第2アルゴリズム13a2と、第2撮像データ取得部12a2により取得された第2撮像データ13b2と、第2教師データ生成部12b2により生成された第2教師データ13c2と、燃焼状態判定部12eにより用いられる燃焼状態判定マップ13dと、が記憶される。各情報13a2~13dの詳細は後述する。
制御部12は、情報処理装置10の各種処理を行う制御手段である。図9に示すように、制御部11は、第2撮像データ取得部12a2と、第2教師データ生成部12b2と、第2モデル構築部12c2と、第2画像解析部12d2と、燃焼状態判定部12eと、指示部12fと、プロセスデータ取得部12gと、を有している。これらの各部は、情報処理装置10内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアで実装されてもよい。
このうち第2撮像データ取得部12a2、プロセスデータ取得部12g、および指示部12fの構成は、第1の実施形態と同様であり、説明を省略する。
第2教師データ生成部12b2は、第2撮像データ13b2に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第2評価軸の各々における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成する。第2教師データ13c2は、記憶部13に記憶される。ここで、分類ラベルは、第2評価軸における絶対的な分類情報(予め定められた絶対的な基準(閾値)に対する関係で定まる分類)であってもよいし、複数の可視光撮像データの間での第2評価軸における相対的な順序(複数の可視光撮像データからなるグループ内での相対的な順序関係)であってもよい。第2評価軸は、火炎状態、燃焼完結点の位置、燃焼完結点の形状、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、未燃物の量、焼却灰の量のうちの2つ以上を含んでもよい。
一例として、火炎状態を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、良い・正常・悪い(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して火炎状態の優劣を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、燃焼完結点(燃え切り点)の位置を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、手前・やや手前・正常・やや奥・奥であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して、燃焼完結点の位置の遠近を順序付けしたものであってもよい。別例として、燃焼完結点の形状を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは良い・正常・悪いであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して、燃焼完結点の形状の優劣を順序付けしたものであってもよい。別例として、被燃焼物の量を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ない(絶対的な情報)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して被燃焼物の量の大小を順序付けしたもの(相対的な情報)であってもよい。別例として、被燃焼物の質を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、普通ごみ・高質ごみ(すなわち高カロリーごみ)・低質ごみ(すなわち低カロリーごみ)であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して被燃焼物の質の優劣を順序付けしたものであってもよい。別例として、被燃焼物の種類を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、ごみ袋未破袋ごみ・剪定枝・布団であってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)。別例として、未燃物の量を第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ないであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して未燃物の量の大小を順序付けしたものであってもよい。別例として、焼却灰の量を1つの第2評価軸とした場合、分類ラベルは、多い・正常・少ないであってもよい(ラベルの種類は増やしてもよい)し、複数の第2撮像データに対して焼却灰の量の大小を順序付けしたものであってもよい。
第2教師データ生成部12b2は、第2撮像データ13b2と、焼却施設1内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された2つ以上の第2評価軸の各々における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成してもよい。ここで、プロセスデータは、第1撮像データの撮像時刻とセンサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータである。タイムラグはセンサの応答速度、施設内でのセンサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則に基づいて適宜決定されてよい。
第2撮像データ13b2は、60秒以内の動画像データであってもよいし、30秒以内の動画像データであってもよい。本件発明者らの知見によれば、焼却炉6内の燃焼状態は5~10秒で変化する。したがって、第2撮像データ13b1として、たとえば60秒以内(または30秒以内)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
また、第2撮像データ13b2は、5秒以上の動画像データであってもよいし、7秒以上であってもよい。焼却炉6内の燃焼状態が5~10秒で変化するのに対し、第2撮像データ13b2として、たとえば5秒以上(または7秒以上)の動画像データを1区切りとして用いることで、焼却炉6内の燃焼状態をより精度よく分類・予測・推定することが可能となる。
第2モデル構築部13c2は、第2教師データ生成部12b2により生成された第2教師データ13b2を、第2アルゴリズム13a2を用いて機械学習することにより、第2学習済みモデルを生成する。機械学習に用いられる第2アルゴリズム13a2は、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。
第2画像解析部13d2は、第2撮像データ取得部13a2により取得された焼却炉6内の新たな第2撮像データ(可視光撮像データ)を入力として、第2モデル構築部13c2により生成された第2学習済みモデルを利用して、2つ以上の第2評価軸(たとえば火炎状態と被燃焼物量)の各々での評価結果を出力データとして取得する。第2画像解析部13d2は、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果をたとえば0~100の数値範囲に正規化(スコア化)し、当該範囲内の数値(スコア)を出力データとして取得してもよい。
燃焼状態判定部12eは、第2画像解析部13d2による2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果(スコア)に基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する。燃焼状態の判定結果は、燃焼状態の特性を示すラベル(過燃焼・ごみ層厚燃焼・ごみ層薄燃焼・ごみ枯れ・低質ごみ燃焼など)であってもよいし、当該ラベルを数値変更したものであってもよい。
燃焼状態判定部12eは、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果からなる組を、当該2つ以上の第2評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい。
図4は、燃焼状態判定マップ13dの一例を示す図である。図4に示す燃焼状態判定マップ13dでは、被燃焼物量をX座標軸、火炎状態をY座標軸とするXY座標平面が、複数の領域(図示された例では、ごみ枯れゾーン、過燃焼ゾーン、ごみ層薄燃焼ゾーン、燃焼良好(正常)ゾーン、ごみ層厚燃焼ゾーン、低質ごみ燃焼ゾーンの6領域)に分割されている。燃焼状態判定部12eは、被燃焼物量と火炎状態とを互いに異なる2つの第2評価軸としたときの各第2評価軸での評価結果からなる組(X,Y)を、この燃焼状態判定マップ13d上にマッピングする。たとえば、図4に示すように、被燃焼物量を第2評価軸としたときの評価結果(X)および火炎状態を第2評価軸としたときの評価結果(Y)からなる組(X,Y)を示す点Pが、燃焼良好(正常)ゾーン内にマッピングされる場合には、燃焼状態判定部12eは、現在の燃焼状態が「燃焼良好(正常)」であると判定する。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果を、施設内に設置された各種センサ(不図示)から得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量に応じて補正してもよい。たとえば、燃焼状態の判定結果が「低質ごみ燃焼」であり、その際の炉出口温度または蒸発量の差分値PV-SVがあらかじめ定められた条件を満たしている場合は、燃焼状態の判定結果を「燃焼良好(正常)」に補正してもよい。
燃焼状態判定部12eは、燃焼状態の判定結果に応じて、性能管理指標値を所定の範囲内に保つことが困難などのアラートを、不図示のディスプレイに表示してもよいし、音声や振動、光などで発報してもよい。
次に、このような構成からなる情報処理装置10による情報処理方法の一例について説明する。図10は、情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、焼却施設1の運転前に、第2教師データ生成部12b2が、可視光撮像装置72により撮像された焼却炉6内の過去の可視光撮像データ(第2撮像データ13b2)に対して、運転員により経験則に基づき人為的に付与された、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の第2評価軸における分類ラベルを紐づけることにより、第2教師データ13c2を生成する(ステップS31)。
次に、第2モデル構築部13c2が、第2教師データ生成部12b2により生成された第2教師データ13b2を、第2アルゴリズム13a2を用いて機械学習することにより、第2学習済みモデルを生成する(ステップS32)。
次に、焼却施設1の運転中に、第2撮像データ取得部12a2が、可視光撮像装置72が撮像した焼却炉6内の新たな可視光撮像データを第2撮像データ13b2として取得する(ステップS33)。
次いで、第2画像解析部13d2が、第2撮像データ取得部13a2により取得された焼却炉6内の新たな第2撮像データ(可視光撮像データ)を入力として、第2モデル構築部13c2により生成された第2学習済みモデルを利用して、2つ以上の第2評価軸(たとえば被燃焼物量と火炎状態)の各々での評価結果を出力データとして取得する(ステップS34)。
そして、燃焼状態判定部12eが、第2画像解析部13d2による第2評価軸での評価結果に基づいて、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定する(ステップ35)。
ステップS35において、燃焼状態判定部12eは、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果からなる組を、2つ以上の第2評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより、焼却炉6内の現在の燃焼状態を判定してもよい(図4参照)。
その後、指示部12fが、燃焼状態判定部12eの判定結果に基づいて、クレーン制御装置50および/または燃焼制御装置20へ操作指示を送信する(ステップS16)。
以上のような本実施の形態によれば、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果に基づいて燃焼状態を判定することで、1つの評価軸での評価結果に基づいて燃焼状態を判定する場合に比べて、焼却炉6内の燃焼状態を精度よく分類・予測・推定できる。また、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果を燃焼状態判定マップ13d上へマッピングすることにより燃焼状態を判定することで、2つ以上の第2評価軸の各々での評価結果と判定結果である燃焼状態との関係性を直感的に把握することが可能であり、また燃焼状態の判定を高速に行うことが可能である。
なお、上述した実施の形態において、制御部12の処理の一部は、情報処理装置10ではなく、情報処理装置10とは別のクラウドサーバ上で行われてもよい。記憶部13の一部は、情報処理装置10ではなく、情報処理装置10とは別のクラウドサーバ上にあってもよい。
たとえば、第1教師データ生成部12d1および/または第2教師データ生成部12d2の処理がクラウドサーバ上で実行され、第1教師データ13c1および/または第2教師データ13c2が生成されてもよいし、第1モデル構築部12c1および/または第2モデル構築部12c2の処理がクラウドサーバ上で実行され、学習済みモデルが構築されてもよい。また、クラウドサーバ上で構築された学習済みモデルを利用して第1画像解析部12d1および/または第2画像解析部12d2の処理がクラウドサーバ上で実行されてもよいし、上記学習済みモデル(学習済みパラメータ)を情報処理装置10がクラウドサーバからダウンロードし、これを情報処理装置10内で利用して第1画像解析部12d1および/または第2画像解析部12d2の処理が実行されてもよい。
以上、本発明の実施の形態および変形例を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。また、各実施の形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本発明の実施の形態に係る情報処理装置10は1つまたは複数のコンピュータによって構成され得るが、1つまたは複数のコンピュータに情報処理装置10を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
1 焼却施設
2 ボイラ
3 ごみピット
4 ホッパ
5 クレーン
6 焼却炉
71 赤外線撮像装置
72 可視光撮像装置
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a1 第1撮像データ取得部
12a2 第2撮像データ取得部
12b1 第1教師データ生成部
12b2 第2教師データ生成部
12c1 第1モデル構築部
12c2 第2モデル構築部
12d1 第1画像解析部
12d2 第2画像解析部
12e 燃焼状態判定部
12f 指示部
12g プロセスデータ取得部
13 記憶部
13a1 第1アルゴリズム
13a2 第2アルゴリズム
13b1 第1撮像データ
13b2 第2撮像データ
13c1 第1教師データ
13c2 第2教師データ
13d 燃焼状態判定マップ
20 燃焼制御装置
21 プラットホーム
22 搬送車両
50 クレーン制御装置

Claims (21)

  1. 焼却炉内の撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、焼却炉内の新たな撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行う第1画像解析部と、
    前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定する燃焼状態判定部と、
    を備えたことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記撮像データは、赤外線撮像装置で撮像した焼却炉内の赤外線撮像データである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記第1評価軸は、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、被燃焼物の温度、燃焼ガス発生量、焼却炉の壁の温度のうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記撮像データは、可視光撮像装置で撮像した焼却炉内の可視光撮像データである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記第1評価軸は、火炎状態、燃焼完結点の位置、燃焼完結点の形状、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、未燃物の量、焼却灰の量のうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記撮像データは、60秒以内の動画像データである、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
  7. 前記撮像データは、5秒以上の動画像データである、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の情報処理装置。
  8. 前記分類ラベルは、あらかじめ定められた複数の分類項目のうちどれに該当するかを示すラベルと、複数の撮像データの間での相対的な順序、のうち少なくとも一方である、
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
  9. 前記第1画像解析部は、焼却炉内の撮像データと、施設内に設置されたセンサから得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせに対して、前記第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな撮像データと、新たなプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量との組み合わせを入力として前記第1評価軸での評価を行う、
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の情報処理装置。
  10. 前記プロセスデータは、前記撮像データの撮像時刻と前記センサの応答時刻との間のタイムラグを考慮したデータであり、
    前記タイムラグは前記センサの応答速度、施設内での前記センサの設置位置、実験、シミュレーション、運転員の経験則のうち少なくとも1つに基づいて決定される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記第1画像解析部は、焼却炉内の撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる2つ以上の前記第1評価軸の各々における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな撮像データを入力として2つ以上の前記第1評価軸の各々での評価を行い、
    前記燃焼状態判定部は、2つ以上の前記第1評価軸の各々での評価結果を、2つ以上の前記第1評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより、現在の燃焼状態を判定する、
    ことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の情報処理装置。
  12. 可視光撮像装置で撮像した焼却炉内の可視光撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第2評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第2教師データを機械学習した第2学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな可視光撮像データを入力として前記第2評価軸での評価を行う第2画像解析部をさらに備え、
    前記燃焼状態判定部は、前記第1評価軸および第2評価軸の各々での評価結果を、前記第1評価軸および第2評価軸を座標軸とする予め定められた燃焼状態判定マップ上へマッピングすることにより、現在の燃焼状態を判定する、
    ことを特徴とする請求項2、3および請求項2を引用する請求項6~10のいずれかに記載の情報処理装置。
  13. 前記第2評価軸は、火炎状態、燃焼完結点の位置、燃焼完結点の形状、被燃焼物の量、被燃焼物の質、被燃焼物の種類、未燃物の量、焼却灰の量のうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  14. 前記燃焼状態判定部は、燃焼状態の判定結果を、施設内に設置されたセンサから得られるプロセスデータおよび/または当該プロセスデータから演算により得られる演算量に応じて補正する、
    ことを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の情報処理装置。
  15. 前記燃焼状態判定部は、燃焼状態の判定結果に応じてアラートの表示または発報を行う、
    ことを特徴とする請求項1~14のいずれかに記載の情報処理装置。
  16. 前記燃焼状態判定部の判定結果に基づいて、クレーン制御装置および/または燃焼制御装置へ操作指示を送信する指示部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1~15のいずれかに記載の情報処理装置。
  17. 前記機械学習に用いられるアルゴリズムは、最尤分類法、ボルツマンマシン、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、スパース回帰、決定木、ランダムフォレストを用いた統計的推定、ブースティング、強化学習、ディープラーニングのうちの少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項1~16のいずれかに記載の情報処理装置。
  18. 焼却炉内の撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習することにより、前記第1学習済みモデルを生成するモデル構築部をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1~17のいずれかに記載の情報処理装置。
  19. 請求項16に記載の情報処理装置と、
    前記情報処理装置から送信された操作指示に基づいて、廃棄物の攪拌または搬送を行うクレーンを制御する前記クレーン制御装置、および/または、焼却炉での廃棄物の燃焼を制御する前記燃焼制御装置と、
    を備えたことを特徴とするシステム。
  20. コンピュータが実行する情報処理方法であって、
    焼却炉内の撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行うステップと、
    前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定するステップと、
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  21. コンピュータに、
    焼却炉内の撮像データに対して、燃焼状態を判断する要素となる少なくとも1つの第1評価軸における分類ラベルが付与されることにより生成された第1教師データを機械学習した第1学習済みモデルを用いて、前記焼却炉内の新たな撮像データを入力として前記第1評価軸での評価を行うステップと、
    前記第1評価軸での評価結果に基づいて現在の燃焼状態を判定するステップと、
    を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
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