JP7308016B2 - ごみ質推定システム及び方法、並びに、ごみ貯蔵設備 - Google Patents

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Description

本発明は、ごみ焼却炉に供給されるごみのごみ質を推定する技術に関する。
従来から、ごみ焼却炉と、ごみ焼却炉から排出される燃焼排ガスから熱を回収するボイラとを含むごみ焼却プラントが知られている。ごみ焼却プラントで処理されるごみの性質(ごみ質)は、ごみ焼却炉の燃焼条件を管理・設定する上で重要な指標となる。しかし、ごみ焼却プラントに持ち込まれるごみは、種々雑多な物質が混在するために、ごみ質は一定ではない。なお、ごみ質の主な項目には、ごみの三成分(水分、灰分、可燃分)の割合、発熱量、及び組成などがある。
そこで、ごみ焼却炉の安定した燃焼制御を実現するために、ごみ焼却炉に供給されるごみを、予めごみピット内に収容して撹拌することによりごみ質を均質化させてから、ごみ焼却炉に供給する方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、2台一対のカメラでごみピットに堆積しているごみ(以下、「堆積ごみ」と称する)の高さ及びその色調を撮像し、撮像画像のステレオ視差を利用してごみピット内のごみ高さを計測し、また、所与のごみ色調マップを利用して撮像画像の堆積ごみの色調から堆積ごみ中の異質ごみを特定し、計測したごみ高さを利用して特定された異質ごみをクレーンで攪拌することが記載されている。なお、特許文献1では、ごみの色調に基づいて、都市ごみ等の一般ごみと、粗大ごみを粉砕した異質ごみとが識別される。
また、例えば、特許文献2では、投入口からごみピット内へ投入される過程のごみを撮像し、ごみの質及び量に関する所与の投入ごみ情報と撮像画像とに基づいて投入されたごみの個別の大きさ或いは量及び質を推算し、撮像画像に基づいてごみの落下軌跡を推算し、それらの推算された情報に基づいてごみピット内の堆積ごみの量及び質の分布状態を推算することが記載されている。更に、特許文献2では、ごみ質の分布状態において区分された領域間の差が所定範囲を超えていればごみピット内を撹拌し、ごみの量及び質が所定範囲内にあるときにごみピットからごみをごみ焼却炉へ移送することが記載されている。
特開2007-126246号公報 特開2011-027349号公報
ごみの三成分の中でも、とりわけ水分が発熱量に大きな影響を与える。従って、ごみの水分量(又は、水分率)を知ることにより、より高精度に発熱量を推定することができる。しかし、ごみピットやごみ焼却炉の投入口に設けられたごみホッパに堆積しているごみの水分量は、不均一な分布を持つうえ、季節や時間に応じて変化する。ごみの単位質量当たりの水分量は、試験的には、採取したごみ試料を乾燥させて、乾燥前後の質量を計測することで得られる。しかし、このような試験的な水分量の分析を実運転中に繰り返すことは難しいことから、従来は熟練の作業者が目視でごみの水分量が多いか少ないかを推定していた。
特許文献1は、ごみピット内の堆積ごみの表面の撮像画像を用いて異質ごみを特定するのであって、堆積ごみの水分量については特定されない。また、特許文献2では、収集されたごみの種類(家庭ごみ、事務系ごみ又は商業系ごみ)によってごみ質を概ね区分するが、ごみの水分量については特定されない。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、ごみの水分量(又は水分率)が特定されることによってより高精度な発熱量が反影されたごみ質を推定する技術を提案することにある。
本発明の一態様に係るごみ質推定システムは、
堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得る第1撮像装置と、
前記堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、1つの前記セルを1つの評価範囲として、前記水分評価画像の前記評価範囲の画像と前記参照画像の前記評価範囲と対応し同一のごみが写る範囲である参照用範囲の画像とから、次の(a)(b)又は(c)を前記評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標として求める水分指標演算装置と、
(a)前記参照用範囲の平均輝度値L2を基準として、前記評価範囲の平均輝度値L1へ低下した割合である減衰率D(D=(L2-L1)/L2×100[%])、
(b)横軸が輝度値を表し縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す図表を累積輝度値ヒストグラムとして、前記評価範囲の輝度の累積度数と前記参照用範囲の輝度の累積度数とを表した累積輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の累積度数折れ線と前記参照用範囲の累積度数折れ線とで囲まれた範囲の面積、
(c)前記評価範囲及び前記参照用範囲の輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の度数折れ線の歪度S1と、前記参照用範囲の度数折れ線の歪度S2との差ΔS(ΔS=S2-S1)、
前記複数のセルの各々について、前記水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて前記セルのごみ質を推定し、前記複数のセルを前記ごみ質に応じた複数のクラスに分類するごみ質推定装置とを備えることを特徴としている。なお、水分指標は、評価範囲の水分率の指標であってもよい。
同様に、本発明の一態様に係るごみ質推定方法は、
堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得るステップと、
前記堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、1つの前記セルを1つの評価範囲として、前記水分評価画像の前記評価範囲の画像と前記参照画像の前記評価範囲と対応し同一のごみが写る範囲である参照用範囲の画像とから、次の(a)(b)又は(c)を前記評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標として求めるステップと、
(a)前記参照用範囲の平均輝度値L2を基準として、前記評価範囲の平均輝度値L1へ低下した割合である減衰率D(D=(L2-L1)/L2×100[%])、
(b)横軸が輝度値を表し縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す図表を累積輝度値ヒストグラムとして、前記評価範囲の輝度の累積度数と前記参照用範囲の輝度の累積度数とを表した累積輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の累積度数折れ線と前記参照用範囲の累積度数折れ線とで囲まれた範囲の面積、
(c)前記評価範囲及び前記参照用範囲の輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の度数折れ線の歪度S1と、前記参照用範囲の度数折れ線の歪度S2との差ΔS(ΔS=S2-S1)、
前記複数のセルの各々について、前記水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて前記セルのごみ質を推定し、前記複数のセルを前記ごみ質に応じた複数のクラスに分類するごみ質推定ステップとを含むことを特徴としている。
上記ごみ質推定システム及び方法によれば、ごみ質を推定するに際して評価範囲のごみに含まれる水分(又は評価範囲の水分率)を特定する水分指標を利用するので、推定されたごみ質はより高精度な発熱量が反映されたものとなる。
また、上記ごみ質推定システムが、前記堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得る第2撮像装置と、前記多様性評価画像の前記評価範囲と対応する範囲の画像から、前記評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める多様性指標演算装置とを、更に備え、前記評価指標が前記多様性指標を更に含んでいてよい。
同様に、上記ごみ質推定方法が、前記堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得るステップと、前記多様性評価画像の前記評価範囲と対応する範囲の画像から、前記評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求めるステップとを、更に含み、前記評価指標が前記多様性指標を更に含んでいてよい。
上記ごみ質推定システム及び方法によれば、ごみ質を推定するに際して評価範囲のごみに含まれる水分(又は評価範囲の水分率)を特定する水分指標を利用するので、推定されたごみ質はより高精度な発熱量が反映されたものとなる。更に、ごみ質を推定するためにごみの多様性を特定する多様性指標を利用するので、推定されたごみ質は多様性の評価が反映されたものとなる。
また、上記ごみ質推定システムが、前記堆積ごみの前記評価範囲と対応する範囲の単位体積あたりのごみ質量を測定するごみ質量測定装置を、更に備え、前記評価指標が前記ごみ質量を更に含んでいてよい。
同様に、上記ごみ質推定方法が、前記堆積ごみの前記評価範囲と対応する範囲の単位体積あたりのごみ質量を測定するステップを更に含み、前記評価指標が前記ごみ質量を更に含んでいてよい。
上記ごみ質推定システム及び方法によれば、水分指標(又は、水分指標及び多様性指標)という二次元の評価指標に加えて、ごみ質量という三次元の評価指標を考慮してごみ質を評価することができる。三次元の評価指標が加わることにより、二次元の評価指標だけでは推定の難しかった堆積ごみの深さ方向の情報を得ることができるので、ごみ質の推定精度を更に向上させることができる。
上記ごみ質推定システム及び方法によれば、堆積ごみが複数のセルに分割され、更に複数のセルがごみ質に対応して分類されるので、この分類を、堆積ごみの均質化のための混合に利用したり、焼却炉への均質化されたごみの供給に利用したりすることができる。
例えば、上記ごみ質推定システムを利用したごみ貯蔵設備は、前記堆積ごみを収容したピットと、前記ごみ質推定システムと、前記複数のセルの分類に基づいて、前記複数のセルに亘ってごみ質が均質化されるように、前記ピット内の前記堆積ごみを混合する混合装置とを備える。
このように混合装置を用いて、ごみ質の低いセルのごみとごみ質の高いセルのごみとを混合させることにより、ピットの堆積ごみをより均質化させることができる。
また、例えば、上記ごみ質推定システムを利用したごみ貯蔵設備は、前記堆積ごみを収容したピットと、前記ごみ質推定システムと、前記複数のセルの分類に基づいて、前記複数のセルから選択的にごみを搬出する搬出装置とを備える。
このように各セルのごみ質に基づいてピットから搬出されるごみが複数のセルから選択され、選択されたセルのごみを搬出装置で搬出することが繰り返されることによって、例えば焼却炉等のごみの搬出先へ、ごみ質のより均質化されたごみを供給することができる。
本発明によれば、ごみの水分量が特定されることによってより高精度な発熱量が反影されたごみ質を推定する技術を提案することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るごみ質推定システムが適用されるごみ焼却プラントの一例を示す概略図である。 図2は、ごみ質推定システムの構成を示すブロック図である。 図3は、水分評価画像及び参照画像の輝度値ヒストグラムの一例である。 図4は、水分評価画像及び参照画像の累積輝度値ヒストグラムの一例である。 図5は、焼却炉に間欠的に投入されたごみの水分指標と主蒸気流量に基づく推定発熱量の時間変化との関係を表すグラフである。 図6は、ピットのごみ質マップの一例である。 図7は、ごみ質推定処理の流れを説明するフローチャートである。 図8は、本発明の第2実施形態に係るごみ質推定システムが適用されるごみ焼却プラントの一例を示す概略図である。 図9は、ごみ質推定システムの構成を示すブロック図である。
〔第1実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るごみ質推定システム7が適用されるごみ焼却プラント100の一例を示す概略図である。
図1に示すごみ焼却プラント100は、ごみを貯蔵するごみ貯蔵設備3と、ごみを焼却する焼却炉1と、焼却炉1の排熱を回収するボイラ2と、ボイラ2で回収された焼却炉1の排熱を利用して発電を行う発電設備8とを備える。ごみ貯蔵設備3及び発電設備8は焼却プラント100に隣接して設けられてもよい。
〔ごみ貯蔵設備3〕
ごみ貯蔵設備3には、焼却炉1に隣設されて、焼却炉1で処理されるごみを一時的に貯蔵するピット60が設けられている。ピット60の上方には、ピット60内のごみを焼却炉1へ投入するクレーン6が設けられている。クレーン6は、ピット60のごみを焼却炉1へ搬送する搬送装置の一例である。クレーン6は、走行レール61、走行レール61上を走行するガーダ62、ガーダ62を横行するトロリ63、トロリ63にワイヤロープを介して昇降可能に支持されたバケット64、及び、クレーン6の動作を制御するクレーン制御装置65を備える。バケット64は、ガーダ62の走行、トロリ63の横行、及びワイヤロープの巻き上げ・巻き下げの組み合わせにより、ピット60上の任意の位置へ移動することができる。但し、クレーン6は、上記構成に限定されない。
クレーン6は、バケット64でピット60内の所定範囲のごみを掴み、そのごみをピット60内の別の場所に積み替えることによって、ピット60内を撹拌する。また、クレーン6は、バケット64でピット60内のごみを掴み、そのごみを焼却炉1の後述する投入ホッパ12へ投入する。なお、図1ではクレーン6と投入ホッパ12と間にコンベヤが介在しているが、コンベヤは省略されてもよい。
〔焼却炉1〕
焼却炉1は、ストーカ式焼却炉である。但し、焼却炉1はストーカ式焼却炉に限定されず、公知のごみ焼却炉が採用されてよい。
焼却炉1には、主燃焼室14(一次燃焼室)と、二次燃焼室19とが設けられている。主燃焼室14の床部には、階段状に配置されたストーカ15が設けられている。ストーカ15を下方から貫いて主燃焼室14へ一次燃焼空気51が供給される。また、主燃焼室14の天井から主燃焼室14内へ向けて二次燃焼空気52が供給される。ストーカ15の下流側には、主燃焼室14から焼却灰を排出する排出シュート18が設けられている。
主燃焼室14の入口には、シュート13を介して投入ホッパ12が接続されている。投入ホッパ12へは、ピット60のごみがクレーン6によって投入される。また、主燃焼室14の入口には、ごみをストーカ15上へ送り出すフィーダ41が設けられている。
上記構成の焼却炉1では、投入ホッパ12からシュート13を通じて主燃焼室14の入口に投入されたごみが、フィーダ41によってストーカ15上へ押し出される。ごみは、一次燃焼空気51と主燃焼室14の輻射熱とにより乾燥され、着火する。着火したごみの一部は熱分解して、可燃性の熱分解ガスを発生する。この熱分解ガスは、一次燃焼空気51に乗って主燃焼室14の上部へ移動して、二次燃焼空気52と共に炎燃焼する。着火したごみの残部は燃焼し、燃焼後に残った焼却灰は排出シュート18から排出され、図示しない灰処理設備へ送られる。主燃焼室14の燃焼排ガスは、主燃焼室14の下流側の天井部分から吹き出す二次燃焼空気52と混合され、二次燃焼室19で完全燃焼する。
〔ボイラ2〕
焼却炉1の二次燃焼室19と連続された煙道20,21,22には、煙道20,21,22を流れる燃焼排ガスから熱エネルギーを回収するボイラ2が構成されている。第1煙道20及び第2煙道21の壁にはボイラドラム24と接続された水管23が張り巡らされている。また、ボイラドラム24は、過熱器25の過熱管27と接続されている。過熱管27は、第3煙道22内に設置され、過熱管27を通る蒸気は第3煙道22を通過する排ガスの熱を回収する。過熱器25から発電設備8へ送られる蒸気の量は蒸気流量計39により計測される。発電設備8は、発電機85及びそれを駆動する蒸気タービン84を含み、ボイラ2から送られた蒸気によって蒸気タービン84が回転する。
ボイラ2を通過した燃焼排ガスは、第3煙道22に設けられた排気口29から排気路28へ排出される。排気路28には、バグフィルタ81や誘引式送風機82などが設けられており、ボイラ2の排ガスは、バグフィルタ81でダストが分離された後、煙突83から大気へ排出される。
上記構成のごみ焼却プラント100の運転は、燃焼制御装置10によって制御される。燃焼制御装置10は、蒸気流量計39で検出される主蒸気流量(又は、ごみの焼却量)が所定の値となるように、燃料であるごみの供給量や、ごみを燃焼するために必要な一次燃焼空気51及び二次燃焼空気52の流量を調整する、いわゆる、自動燃焼制御を行う。
〔ごみ質推定システム7〕
上記のように焼却プラント100は自動燃焼制御されるが、安定した燃焼制御を実現するためには、焼却炉1に供給されるごみのごみ質(特に、発熱量)を均質化させることが望ましい。そこで、本実施形態に係る焼却プラント100のごみ貯蔵設備3は、ごみ質推定システム7を備える。ごみ質推定システム7は、ピット60に堆積しているごみ(以下、「堆積ごみ」と称する)のごみ質を推定する。貯蔵設備3では、推定されたごみ質に基づいて堆積ごみの均質化が行われる。
図2は、ごみ質推定システム7の構成を示すブロック図である。図2に示すごみ質推定システム7は、水分量評価部71と、多様性評価部72と、ごみ質推定部73とを含む。
〔水分量評価部71〕
水分量評価部71は、ごみの水分量を評価する水分指標を求める処理を行う。水分量評価部71は、撮像装置91(第1撮像装置)と、水分指標演算装置92とを含む。
撮像装置91は、ピット60の堆積ごみの表面を撮像するカメラ93と、カメラ93の撮像範囲に光を照射する照明装置94とを含む。なお、カメラ93及び照明装置94は、ピット60の規模に応じて複数組が設けられてもよい。照明装置94には、ピット60に既設の照明装置が含まれていてよい。また、後述するオプション(a)の場合を除いて、自然光で光量が十分であれば、照明装置94が省略されてもよい。この撮像装置91により、水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像(以下、「水分評価画像」と称する)と、水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像(以下、「参照画像」と称する)とを得る。
近赤外波長領域の水の吸収スペクトルには、970nm付近、1190nm付近、1450nm付近、及び1940nm付近にピークが表れる。各ピークを含む所定の波長領域が水の「吸収帯」と規定される。吸収帯は、各ピークを中心波長として、±50nmの波長領域であってよい。1940nmを中心波長とする吸収帯では、水分含有率が20%未満の試料の吸光度を測定可能である。1450nmを中心波長とする吸収帯では、水分含有率が50~60%の試料の吸光度を測定可能である。970nmを中心波長とする吸収帯、及び、1190nmを中心波長とする吸収帯では、水分含有率が80%以上の試料の吸光度を測定可能である。本実施形態では、ごみの水分含有率が広範囲に亘ることを考慮して、1450nmを中心波長とする吸収帯を利用する。1450nmを中心波長とする吸収帯は、1400nm以上1500nm以下の波長領域であってよいし、それよりも広い1351nm以上1600nm以下の波長領域の1450nmを含む部分又は全部であってもよい。但し、利用する吸収帯は1450nmを中心波長とする吸収帯に限定されず、近赤外領域と可視光領域とを問わず、水の吸収帯のいずれかであればよい。
利用する非吸収帯は、利用する吸収帯と波長の短い側に隣接する吸収帯と、利用する吸収帯と波長の長い側に隣接する吸収帯との間の波長領域に在る。更に、利用する非吸収帯は、その帯域を吸収帯とする水以外の物質が少ないことが望ましい。水の吸収スペクトルにおいて、1450nm付近のピークの麓は1300nm付近にある。そこで、本実施形態では、利用する非吸収帯を1300nm付近の波長領域とする。1300nm付近の波長領域は、1100nm以上1350nm以下の波長領域の1300nmを含む部分又は全部であってよい。1300nm付近の波長領域は、水以外の物質に対する吸収特性が1450nm付近の波長領域と比較的似ていることから、水以外の物質によるノイズの影響が抑えられる点で好ましい。
撮像装置91で水分評価画像及び参照画像を得る方法として、次の(a)~(d)のオプションがある。オプション(a)~(d)のうちいずれを採用してもよい。
‐オプション(a)‐
照明装置94は、吸収帯の光を照射する第1照明装置と、非吸収帯の光を照射する第2照明装置とを含む。そして、第1照明装置で照らされた堆積ごみからの反射光をカメラ93で撮像して、水分評価画像を得る。同様に、第2照明装置で照らされた堆積ごみからの反射光をカメラ93で撮像して、参照画像を得る。
‐オプション(b)‐
カメラ93は、吸収帯の光のみを通過させる第1バンドパスフィルタと非吸収帯の光のみを通過させる第2バンドパスフィルタとを交換するフィルタ交換装置を備える。照明装置94は、吸収帯及び非吸収帯を含む波長領域の光を照射する。そして、照明装置94で照らされた堆積ごみからの反射光を第1バンドパスフィルタを装着したカメラ93で撮像して、水分評価画像を得る。同様に、照明装置94で照らされた堆積ごみからの反射光を第2バンドパスフィルタを装着したカメラ93で撮像して、参照画像を得る。
上記の第1バンドパスフィルタと第2バンドパスフィルタの組み合わせの一例として、中心波長が1450nm、中心波長での透過率が80%、半値幅が50nmの第1バンドパスフィルタと、中心波長が1300nm、中心波長での透過率が80%、半値幅が40nmの第2バンドパスフィルタとの組み合わせが挙げられる。なお、中心波長での透過率や第2バンドパスフィルタの半値幅は、照明強度の波長特性、カメラ93のレンズの光透過率の波長特性、カメラ93の撮像素子の受光感度の波長特性などに応じて適宜変更される。
‐オプション(c)‐
カメラ93は、第1バンドパスフィルタをレンズに装着した第1カメラと、第2バンドパスフィルタをレンズに装着した第2カメラとを含む。照明装置94は、吸収帯及び非吸収帯を含む波長領域の光を照射する。そして、照明装置94で照らされた堆積ごみからの反射光を第1カメラで撮像して、水分評価画像を得る。同様に、照明装置94で照らされた堆積ごみからの反射光を第2カメラで撮像して、参照画像を得る。
‐オプション(d)‐
カメラ93は、第1撮像素子と、第2撮像素子と、1つの光軸を第1撮像素子へ入る第1光軸と第2撮像素子へ入る第2光軸に分離する光学エレメントと、第1光軸が通過する第1バンドパスフィルタと、第2光軸が通過する第2バンドパスフィルタとを含む。光学エレメントは、例えば、ハーフミラーやハーフプリズムの組み合わせで構成される。照明装置94は、吸収帯及び非吸収帯を含む波長領域の光を照射する。そして、照明装置94で照らされた堆積ごみからの反射光を、第1撮像素子で撮像して水分評価画像を得て、同時に第2撮像素子で撮像して参照画像を得る。
水分指標演算装置92は、撮像装置91で生成された水分評価画像と参照画像とを含む画像データを取得し、画像データから水分指標を算出する。水分指標は、ごみ質の評価指標のうちの一種である。撮像装置91と水分指標演算装置92とは、有線又は無線で通信可能に接続されていてよい。或いは、水分指標演算装置92は、記憶媒体を介して撮像装置91で生成された画像データを取得してもよい。
水分指標演算装置92は、いわゆるコンピュータであって、CPU等の演算処理部、ROM、RAM等の記憶部を有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。演算処理部は、外部装置とのデータ送受信を行う。水分指標演算装置92では、記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを演算処理部が読み出して実行することにより、画像データから水分指標を算出するための処理が行われる。なお、水分指標演算装置92は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働により各処理を実行してもよい。
ここで、水分指標とその求め方に関し、次の(1)~(7)のオプションを説明する。水分指標は、オプション(1)~(7)のうち少なくとも1つがが用いられる。なお、特に明記しないが、水分指標を求める処理は水分指標演算装置92が行う。
‐オプション(1)‐
水分評価画像と参照画像の各々について、同一のごみが写っている範囲(評価範囲)を特定する。そして、水分評価画像の評価範囲の平均輝度値L1と、参照画像の評価範囲の平均輝度値L2とを求める。輝度値の範囲は0(黒)~255(白)とする。そして、平均輝度値L2と平均輝度値L1との差ΔL(=L2-L1)を評価範囲の水分指標Iとする。このような水分指標I(=平均輝度値の差ΔL)は、評価範囲の水分の増大に従って値が大きくなる。
‐オプション(2)‐
上記オプション(1)と同様に平均輝度値L1及び平均輝度値L2を求める。そして、平均輝度値L2と平均輝度値L1との比R(=L2/L1)を評価範囲の水分指標Iとする。このような水分指標I(=平均輝度値の比R)は、評価範囲の水分の増大に従って値が大きくなる。
‐オプション(3)‐
上記オプション(1)と同様に平均輝度値L1及び平均輝度値L2を求める。そして、平均輝度値L2を基準として、平均輝度値L1が低下した割合である減衰率D(=(L2-L1)/L2×100[%])を評価範囲の水分指標Iとする。このような水分指標I(=平均輝度値の減衰率D)は、評価範囲の水分の増大に従って値が大きくなる。
‐オプション(4)‐
水分評価画像と参照画像の各々について、同一のごみが写っている範囲(評価範囲)を特定する。そして、図3に示すように、水分評価画像の評価範囲及び参照画像の評価範囲について、輝度値ヒストグラムを作成する。輝度値ヒストグラムの横軸は輝度値を表し、縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す。この輝度値ヒストグラムにおいて、水分評価画像の度数が参照画像の度数よりも小さい範囲において、水分評価画像の度数折れ線F1と参照画像の度数折れ線F2とで囲まれた範囲の面積(図3に斜線で示す面積)を、評価範囲の水分指標Iとする。水分指標Iは、水分の存在に起因する、参照画像を基準とした水分評価画像の暗く写った画素の増加量を表す。
‐オプション(5)‐
水分評価画像と参照画像の各々について、同一のごみが写っている範囲(評価範囲)を特定する。そして、図4に示すように、水分評価画像の評価範囲及び参照画像の評価範囲について、累積輝度値ヒストグラムを作成する。累積輝度値ヒストグラムの横軸は輝度値を表し、縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す。この累積輝度値ヒストグラムにおいて、水分評価画像の累積度数が参照画像の累積度数よりも小さい範囲において、水分評価画像の累積度数折れ線CF1と参照画像の累積度数折れ線CF2とで囲まれた範囲の面積(図4に斜線で示す面積)を、評価範囲の水分指標Iとする。水分指標Iは、水分の存在に起因する、参照画像を基準とした水分評価画像の輝度値の低下量及び低下数を表す。
‐オプション(6)‐
上記オプション(4)と同様に輝度値ヒストグラムを作成する。この輝度値ヒストグラムにおいて、水分評価画像の度数折れ線F1の尖度K1と、参照画像の度数折れ線F2の尖度K2とを求める。そして、尖度K2と尖度K1との差ΔK(=K2-K1)を評価範囲の水分指標Iとする。水分指標Iは、水分の存在に起因する、度数折れ線F2を基準とした度数折れ線F1の尖り具合の変化を表す。
‐オプション(7)‐
上記オプション(4)と同様に輝度値ヒストグラムを作成する。この輝度値ヒストグラムにおいて、水分評価画像の度数折れ線F1の歪度S1と、参照画像の度数折れ線F2の歪度S2とを求める。そして、歪度S2と歪度S1との差ΔS(=S2-S1)を評価範囲の水分指標Iとする。水分指標Iは、水分の存在に起因する、度数折れ線F2を基準とした度数折れ線F1のピークの偏りを表す。
〔多様性評価部72〕
ごみの種類とごみの色には、概ね相関性がある。例えば、プラスチックや紙は白色、家庭ごみは家庭用ごみ袋の色を呈する。そこで、多様性評価部72は、ごみの画像の色の属性(色相、明度、彩度)を利用して、ごみの多様性指標を求める。多様性指標は、ごみ質の評価指標のうちの一種である。ここで、「多様性」とは、様々な種類のごみが混ざっている度合を意味する。ピット60の堆積ごみに亘って、多様性は均一であることが望ましい。また、焼却炉1の投入ホッパ12へ供給されるごみは、多様性が無いものよりも、多様性があるものが望ましい。多様性評価部72は、撮像装置96(第2撮像装置)と多様性指標演算装置97とを含む。
撮像装置96は、ピット60の堆積ごみの表面を撮像するカメラ98と、カメラ98の撮像範囲に光を照射する照明装置99とを含む。カメラ98で、照明装置99で照らされた堆積ごみからの反射光を撮像して、堆積ごみの可視光カラー画像である多様性評価画像を得る。カメラ98の撮像範囲は、水分量評価部71の撮像装置96の撮像範囲と重複することが望ましい。
多様性指標演算装置97は、いわゆるコンピュータであって、CPU等の演算処理部、ROM、RAM等の記憶部を有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。演算処理部は、外部装置とのデータ送受信を行う。多様性指標演算装置97では、記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを演算処理部が読み出して実行することにより、評価範囲の画像から評価範囲の多様性指標を演算するための処理が行われる。なお、多様性指標演算装置97は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働により各処理を実行してもよい。
多様性指標演算装置97は、撮像装置96が生成した多様性評価画像を含む画像データを取得し、水分指標が算出された評価範囲と一致する評価範囲を多様性評価画像から特定し、評価範囲の色の属性を数値化する。多様性指標演算装置97は、色の属性を数値化するに際し、先ず、評価範囲についてヒストグラムを作成し、次いで、ヒストグラムの解析値を求め、その解析値を多様性指標とする。上記のヒストグラムは、色相分布を表す色相ヒストグラム、彩度分布を表す彩度ヒストグラム、輝度分布を表す輝度値ヒストグラム、及び、CIE色度分布を表す二次元ヒストグラムの少なくとも1つである。また、解析値は、平均値、度数折れ線で囲まれた面積、度数折れ線の尖度、及び、度数折れ線の歪度のうち少なくとも1つである。
〔ごみ質推定部73〕
図6に示すように、ピット60内(又は、ピット60内の所定領域)は、平面視において仮想的に格子状に区画され、m個(mは実数)のセルが規定されている。各セルのサイズは、クレーン6のバケット64が一掴みできる大きさに設定されている。水分指標演算装置92は、一つのセルを一つの評価範囲とし、各セルについて水分指標を求める。同様に、多様性指標演算装置97は、各セルについて多様性指標を求める。
ごみ質推定部73は、ごみ質推定装置90を含む。ごみ質推定装置90は、いわゆるコンピュータであって、CPU等の演算処理部、ROM、RAM等の記憶部を有している(いずれも図示せず)。記憶部には、演算処理部が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。演算処理部は、外部装置とのデータ送受信を行う。ごみ質推定装置90では、記憶部に記憶されたプログラム等のソフトウェアを演算処理部が読み出して実行することにより、各セルのごみ質を推定する処理と、各セルを分類する処理とが行われる。なお、ごみ質推定装置90は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働により各処理を実行してもよい。
図5は、上のグラフが焼却炉1に間欠的に投入されたごみの水分指標を表し、下のグラフが蒸気流量計39で計測された主蒸気流量に基づく推定発熱量の時間変化を表し、上下のグラフの横軸(時間)は対応している。ごみは、間欠的に焼却炉1へ投入される。投入されたごみの水分指標の値の平均値を、標準値とする。図5の上下のグラフを比較すると、水分指標の値が標準値より小さいごみが投入されておよそΔTが経過してから推定発熱量のピークが表れる。また、水分指標の値が標準値より大きいごみが投入されておよそΔTが経過してから推定発熱量のボトムが表れる。ΔTは、投入されたごみが燃焼するまでのタイムラグに相当する。
投入されたごみの推定発熱量の平均値を、標準値とする。推定発熱量の偏差ΔSは、推定発熱量と標準値との差である。ごみの水分指標の偏差ΔIと、そのごみの推定発熱量の偏差ΔSとは、相関式(ΔS=k×ΔI)で表される相関関係がある(kは相関係数)。相関係数kの値は、予め実験によって求められて、ごみ質推定装置90の記憶部に記憶される。
ごみ質推定装置90は、各セルの水分指標及び多様性指標を取得し、各セルについて水分指標と多様性指標との組み合わせに基づいてごみ質を推定する。更に、ごみ質推定装置90は、m個のセルをごみ質に基づいて所定の複数のクラスに分類する。本実施形態においては、ごみ質について、発熱量の低い順から、低質、標準(-)、標準、標準(+)、高質の5つのクラスが規定されている。
例えば、ごみ質推定装置90は、相関式を利用して水分指標から推定発熱量を求める。更に、ごみ質推定装置90は、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係に基づいて、この推定発熱量を補正する。ごみ質推定装置90の記憶部には、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係についての大量のデータが記憶されている。このデータには、理論値、実測値、及びシミュレーション結果の少なくとも一つが含まれていてよい。更に、ごみ質推定装置90には、このデータを利用して演算を行う数学モデルが予め記憶されている。ごみ質推定装置90は、この数学モデルを用いて、各セルの水分指標及び多様性指標の組み合わせからごみ質を推定し、推定したごみ質に基づいてm個のセルを所定数のクラスに分類する。なお、本実施形態では、m個のセルが所定数にクラスタ分類されるが、予め発熱量の範囲が規定された複数のクラスにm個のセルがクラス分類されてもよい。
図6に例示するごみ質マップは、m個のセルのごみ質推定結果をマッピングしたものである。このようなごみ質マップを用いて、焼却炉1へごみ質の均質化されたごみの投入を行うことができる。また、このようなごみ質マップを用いて、ピット60内の堆積ごみのごみ質の均質化を行うことができる。
〔ごみ質マップの利用例〕
例えば、搬出装置としてのクレーン制御装置65は、ごみ質マップを取得し、ごみ質マップを利用して焼却炉1へのごみの投入順序を決定することにより、ごみ質の均質化されたごみの投入を実現する。クレーン制御装置65は、投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均発熱量に基づいて、投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均ごみ質が標準クラスに近づくように次にごみを取り出すべきセルのクラスを決定する。投入ホッパ12及びシュート13にあるごみの平均発熱量は、過去所定回数に投入されたごみのクラスに基づいて推定することができる。続いて、クレーン制御装置65は、ごみ質マップを利用して決定したクラスに分類されたセルを特定し、その中から一つのセルを選択する。そして、クレーン制御装置65は、選択されたセルのごみが投入ホッパ12へ供給されるようにクレーン6を動作させる。
また、例えば、混合装置としてのクレーン制御装置65は、ごみ質マップを利用してピット60内の堆積ごみを混合・撹拌することにより、ピット60内の堆積ごみの均質化を実現する。クレーン制御装置65は、ごみ質マップに基づいて、周囲よりもごみの発熱量の高い第1のセルと、周囲よりもごみの発熱量の低い第2のセルとを特定する。そして、クレーン制御装置65は、第1のセルのごみを、第2のセルへ移動させるように、又は、その逆へ移動させるように、クレーン6を動作させる。これにより、ピット60内のごみ質が均一化するように堆積ごみが撹拌される。その結果、ごみ質の均質化されたごみを焼却炉1へ投入することができる。
また、例えば、搬送装置としてのクレーン制御装置65は、ごみ質マップを利用してピット60から次に搬出すべきセルを選択し、選択されたセルのごみが投入ホッパ12へ供給されるようにクレーン6を動作させる。この場合、セルを選択には所定のルールが適用される。例えば、標準クラスに分類されたセルが積極的に選択され、低質クラスに分類されたセルは選択されないというルールが適用される。また、例えば、標準(-)クラスに分類されたセルが選択された後は、標準(+)クラスに分類されたセルが選択されるというルールが適用される。ルールは適宜定められて、クレーン制御装置65に記憶される。
以上に説明したように、本実施形態に係るごみ質推定システム7は、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得る第1撮像装置91と、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求める水分指標演算装置92と、堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得る第2撮像装置96と、多様性評価画像の評価範囲と対応する範囲の画像から、評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める多様性指標演算装置97と、少なくとも1種の評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定装置90とを備える。本実施形態では、評価指標は、水分指標及び多様性指標を含む。なお、水分指標は、評価範囲の水分率の指標であってもよい。
また、本実施形態に係るごみ質推定システム7で実施されるごみ質推定方法は、図7に示すように、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得るステップ(ステップS11)と、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求める水分指標演算ステップ(ステップS12)と、堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得るステップ(ステップS13)と、多様性評価画像の評価範囲と対応する範囲の画像から、評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める多様性指標演算ステップ(ステップS14)と、少なくとも1種の評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定ステップ(ステップS15)とを含む。本実施形態では、評価指標は、水分指標及び多様性指標を含む。
上記ごみ質推定システム7及び方法によれば、ごみ質を推定するに際して評価範囲のごみに含まれる水分(又は評価範囲の水分率)を特定する水分指標を利用するので、推定されたごみ質はより高精度な発熱量が反映されたものとなる。更に、ごみ質を推定するためにごみの多様性を特定する多様性指標を利用するので、推定されたごみ質は多様性の評価が反映されたものとなる。
また、本実施形態に係るごみ質推定システム7において、堆積ごみは二次元において複数のセルに仮想的に分割されている。そして、水分指標演算装置92は、セルを評価範囲として複数のセルの各々について水分指標を求め、多様性指標演算装置97は、複数のセルの各々について多様性指標を求め、ごみ質推定装置90は、複数のセルをごみ質に応じて複数のクラスに分類する。
同様に、本実施形態に係るごみ質推定システム7で実施されるごみ質推定方法では、水分指標演算ステップが、セルを評価範囲として複数のセルの各々について水分指標を求めることを含み、多様性指標演算ステップが、複数のセルの各々について多様性指標を求めることを含み、ごみ質推定ステップが、複数のセルをごみ質に応じて複数のクラスに分類することを含む。
このように、堆積ごみが複数のセルに分割され、更に複数のセルがごみ質に対応して分類されるので、この分類を、堆積ごみを発熱量及び多様性の均質化のための混合に利用したり、焼却炉1への均質化されたごみの供給に利用したりすることができる。
また、本実施形態に係るごみ貯蔵設備3は、堆積ごみを収容したピット60と、ごみ質推定システム7と、複数のセルの分類に基づいて、複数のセルに亘ってごみ質が均質化されるように、ピット60内の堆積ごみを混合する混合装置の一例としてのクレーン6とを備える。
このように混合装置を用いて、ごみ質の低いセルのごみとごみ質の高いセルのごみとを混合させることにより、ピット60の堆積ごみをより均質化させることができる。
また、本発明の別の一態様に係るごみ貯蔵設備3は、堆積ごみを収容したピット60と、ごみ質推定システム7と、複数のセルの分類に基づいて、複数のセルから選択的にごみを搬出する搬出装置の一例としてのクレーン6とを備える。複数のセルのうちごみを搬出するセルは、ピット60から搬出されるごみのごみ質が均質化されるように選択されてよい。或いは、複数のセルのうちごみを搬出するセルは、各セルに与えられた分類によって選択されてよい。なお、本実施形態では、クレーン6が搬出装置及び混合装置としての機能を併せ備えるが、ごみ貯蔵設備3は互いに独立した搬出装置と混合装置とを備えてもよい。
このように各セルのごみ質に基づいてピット60から搬出されるごみが複数のセルから選択され、選択されたセルのごみを搬出装置で搬出することが繰り返されることによって、例えば焼却炉1等のごみの搬出先へ、ごみ質のより均質化されたごみを供給することができる。
〔変形例1〕
次に、上記第1実施形態の変形例1を説明する。第1実施形態に係るごみ質推定システム7では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標及び多様性指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定するのに対し、変形例1では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定する。この点を除いて、変形例1に係るごみ質推定システム7は、第1実施形態に係るごみ質推定システム7と実質的に同一である。
即ち、変形例1に係るごみ質推定システム7は、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得る撮像装置91と、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求める水分指標演算装置92と、水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定装置90とを備える。なお、水分指標は、評価範囲の水分率の指標であってもよい。
また、変形例1に係るごみ質推定システム7で実施されるごみ質推定方法は、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得るステップと、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求めるステップと、水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定ステップとを含む。
ごみの水分量は、ごみ質のうち特に発熱量に大きな影響を与える。よって、変形例1に係るごみ質推定システム7及び方法によれば、ごみ質を推定するに際して評価範囲のごみに含まれる水分を特定する水分指標を利用するので、推定されたごみ質はより高精度な発熱量が反映されたものとなる。
〔変形例2〕
次に、上記第1実施形態の変形例2を説明する。第1実施形態に係るごみ質推定システム7では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標及び多様性指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定するのに対し、変形例2では、ごみ質推定装置90が評価範囲の水分指標(又は、水分指標及び多様性指標)とごみ質量とを含む評価指標に基づいて当該評価範囲のごみ質を推定する。この点を除いて、変形例2に係るごみ質推定システム7は、第1実施形態に係るごみ質推定システム7と実質的に同一である。
即ち、変形例2に係るごみ質推定システム7は、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得る第1撮像装置91と、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求める水分指標演算装置92と、堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得る第2撮像装置96と、多様性評価画像の評価範囲と対応する範囲の画像から、評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める多様性指標演算装置97と、堆積ごみの評価範囲と対応する範囲の単位体積あたりのごみ質量を測定するごみ質量測定装置89と、評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定装置90とを備える。評価指標は、評価範囲の水分指標(又は、水分指標及び多様性指標)と、評価範囲のごみ質量とを含む。変形例2に係るごみ質推定システム7では、第2撮像装置96及び多様性指標演算装置97が省略されてもよい。
また、変形例2に係るごみ質推定システム7で実施されるごみ質推定方法は、堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得るステップと、水分評価画像の評価範囲の画像と参照画像の評価範囲と対応する範囲の画像とから、評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標を求めるステップと、堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得るステップと、多様性評価画像の評価範囲と対応する範囲の画像から、評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求めるステップと、評価指標に基づいて評価範囲のごみ質を推定するごみ質推定ステップとを含む。評価指標は、評価範囲の水分指標(又は、水分指標及び多様性指標)と、評価範囲のごみ質量とを含む。変形例2に係るごみ質推定方法では、多様性評価画像を得るステップ及び多様性指標を求めるステップが省略されてもよい。
ごみ質量測定装置89は、例えば、クレーン6に備えられた秤であってよい。クレーン6は、バケット64で評価範囲のごみを掴み上げると、その評価範囲のごみの質量をごみ質量測定装置89で測定する。評価範囲のごみ質量は、評価範囲(二次元)と対応するバケット64による一掴みのごみの質量である。但し、バケット64による一掴みのごみの体積が既知である場合には、評価範囲のごみ質量は、単位体積当たりのごみ質量であってもよい。ごみ質量測定装置89で計測されたごみ質量は、ごみ質推定システム7のごみ質推定装置90へ伝達される。ごみ質推定装置90は、バケット64が掴み上げたごみの水分指標、多様性指標、及びごみ質量を取得し、これらの評価指標を用いてごみ質を推定する。例えば、ごみ質推定装置90には、ごみ質量と対応する推定発熱量の補正量が予め記憶されており、ごみ質推定装置90は、前述の第1実施形態において説明したように水分指標に基づいて推定発熱量を求め、その推定発熱量をごみ質量による推定発熱量の補正量によって補正する。
上記ごみ質推定システム7及び方法によれば、水分指標(又は、水分指標及び多様性指標)という二次元の評価指標に加えて、ごみ質量という三次元の評価指標を考慮してごみ質を評価することができる。三次元の評価指標が加わることにより、二次元の評価指標だけでは推定の難しかった堆積ごみの深さ方向の情報を得ることができるので、ごみ質の推定精度を更に向上させることができる。
なお、変形例1,2に係るごみ質推定システム7においても、前述の第1実施形態と同様に、堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、水分指標演算装置92及び多様性指標演算装置97(並びに、質量測定装置89)は、1つのセルを評価範囲として複数のセルの各々について評価指標を求め、ごみ質推定装置90は、複数のセルの各々についてごみ質を推定し、複数のセルをごみ質に応じて複数のクラスに分類する。
同様に、変形例1,2に係るごみ質推定方法は、前述の第1実施形態と同様に、堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、1つのセルを評価範囲として複数のセルの各々について評価指標を求め、複数のセルの各々について前記ごみ質を推定し、複数のセルをごみ質に応じて複数のクラスに分類することを含む。
このように、変形例1,2においても、堆積ごみが複数のセルに分割され、更に複数のセルがごみ質に対応して分類されるので、この分類を、堆積ごみの均質化のための混合に利用したり、焼却炉1への均質化されたごみの供給に利用したりすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るごみ質推定システム7’が適用されるごみ焼却プラント100’の一例を示す概略図である。本実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図8に示すごみ焼却プラント100’の構成は、前述の第1実施形態において説明したごみ焼却プラント100と実質的に同一である。このごみ焼却プラント100’において、ごみ質推定システム7’は、投入ホッパ12へ供給されたごみのごみ質を推定する。なお、第1実施形態に係るごみ質推定システム7と、第2実施形態に係るごみ質推定システム7’とは、一つのごみ焼却プラント100に併せ備えられてよい。
図9は、ごみ質推定システム7’の構成を示すブロック図である。ごみ質推定システム7’は、水分量評価部71と、多様性評価部72と、ごみ質推定部73とを含む。
水分量評価部71は、ごみの水分量を評価する水分指標を求める処理を行う。水分量評価部71は、撮像装置91(第1撮像装置)と、水分指標演算装置92とを含む。撮像装置91は、投入ホッパ12に堆積しているごみの表面を撮像するカメラ93と、カメラ93の撮像範囲に光を照射する照明装置94とを含む。この撮像装置91により、投入ホッパ12に堆積しているごみの水の吸収帯(吸収波長領域)の分光画像(即ち、水分評価画像)と、投入ホッパ12に堆積しているごみの水の非吸収帯(非吸収波長領域)の分光画像(即ち、参照画像)とを得る。水分指標演算装置92は、水分評価画像と参照画像の各々について、同一のごみが写っている範囲(評価範囲)を特定し、評価範囲の水分指標を求める。
多様性評価部72は、ごみの多様性を評価する多様性指標を求める処理を行う。多様性評価部72は、撮像装置96(第2撮像装置)と多様性指標演算装置97とを含む。撮像装置96は、投入ホッパ12に堆積しているごみの表面を撮像するカメラ98と、カメラ98の撮像範囲に光を照射する照明装置99とを含む。撮像装置96では、照明装置99で照らされた堆積ごみからの反射光を撮像して、投入ホッパ12に堆積しているごみの可視光カラー画像である多様性評価画像を得る。多様性指標演算装置97では、多様性評価画像の評価範囲と対応する範囲の画像から、評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める。
ごみ質推定部73は、ごみ質推定装置90を含む。ごみ質推定装置90は、水分指標及び多様性指標を取得し、水分指標と多様性指標との組み合わせに基づいてごみ質を推定する。
焼却炉1において、投入ホッパ12にごみが投入されたタイミングから、そのごみの持つ発熱量が蒸気流量計39で検出される主蒸気流量に表れるタイミングまでのタイムラグΔt1は、実験又はシミュレーションにより知ることができる。つまり、上記のごみ質推定システム7’で推定されたごみのごみ質は、そのごみが投入された後、Δt1が経過したときの主蒸気流量に影響を与える。また、投入ホッパ12にごみが投入されたタイミングから、そのごみがストーカ15上へ移動するタイミングまでのタイムラグΔt2は、実験又はシミュレーションにより知ることができる。つまり、上記のごみ質推定システム7’で推定されたごみのごみ質は、そのごみが投入された後、Δt2が経過したときのストーカ15上の燃焼状況に影響を与える。そこで、燃焼制御装置10は、ごみ質推定システム7’から投入ホッパ12に投入されたごみのごみ質に係る情報を取得し、この情報を焼却炉1の自動燃焼制御に利用する。このように焼却炉1に投入されたごみのごみ質が推定されるので、燃焼制御装置10は、より安定した燃焼制御を実現することができる。
また、ごみ質推定システム7’は、ごみが投入されてからΔt1が経過したときの主蒸気流量を燃焼制御装置10(又は蒸気流量計39)から取得する。主蒸気流量は、ごみの発熱量の指標となる。ごみ質推定システム7’のごみ質推定装置90は、ごみのごみ質の推定に利用した水分指標及び多様性指標の組み合わせと、そのごみの実際の発熱量との関係を、記憶部に記憶する。これにより、水分指標及び多様性指標の組み合わせと発熱量との関係についてのデータが更新され、そのデータの精度を向上させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の思想を逸脱しない範囲で、上記実施形態の具体的な構造及び/又は機能の詳細を変更したものも本発明に含まれ得る。
100,100’ :焼却プラント
1 :焼却炉
2 :ボイラ
3 :貯蔵設備
6 :クレーン
7,7’ :ごみ質推定システム
8 :発電設備
10 :燃焼制御装置
12 :投入ホッパ
13 :シュート
39 :蒸気流量計
41 :フィーダ
60 :ピット
65 :クレーン制御装置
71 :水分量評価部
72 :多様性評価部
73 :ごみ質推定部
89 :ごみ質量測定装置
90 :ごみ質推定装置
91 :撮像装置(第1撮像装置)
92 :水分指標演算装置
93,98 :カメラ
94,99 :照明装置
96 :撮像装置(第2撮像装置)
97 :多様性指標演算装置

Claims (8)

  1. 堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得る第1撮像装置と、
    前記堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、1つの前記セルを1つの評価範囲として、前記水分評価画像の前記評価範囲の画像と前記参照画像の前記評価範囲と対応し同一のごみが写る範囲である参照用範囲の画像とから、次の(a)(b)又は(c)を前記評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標として求める水分指標演算装置と、
    (a)前記参照用範囲の平均輝度値L2を基準として、前記評価範囲の平均輝度値L1へ低下した割合である減衰率D(D=(L2-L1)/L2×100[%])、
    (b)横軸が輝度値を表し縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す図表を累積輝度値ヒストグラムとして、前記評価範囲の輝度の累積度数と前記参照用範囲の輝度の累積度数とを表した累積輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の累積度数折れ線と前記参照用範囲の累積度数折れ線とで囲まれた範囲の面積、
    (c)前記評価範囲及び前記参照用範囲の輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の度数折れ線の歪度S1と、前記参照用範囲の度数折れ線の歪度S2との差ΔS(ΔS=S2-S1)、
    前記複数のセルの各々について、前記水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて前記セルのごみ質を推定し、前記複数のセルを前記ごみ質に応じた複数のクラスに分類するごみ質推定装置とを備える、
    ごみ質推定システム。
  2. 前記堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得る第2撮像装置と、
    前記多様性評価画像の前記評価範囲と対応する範囲の画像から、前記評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求める多様性指標演算装置とを、更に備え、
    前記評価指標が前記多様性指標を更に含む、
    請求項1に記載のごみ質推定システム。
  3. 前記堆積ごみの前記評価範囲と対応する範囲のごみ質量を測定するごみ質量測定装置を、更に備え、
    前記評価指標が前記ごみ質量を更に含む、
    請求項1又は2に記載のごみ質推定システム。
  4. 前記堆積ごみを収容したピットと、
    請求項に記載のごみ質推定システムと、
    前記複数のセルの分類に基づいて、前記複数のセルに亘ってごみ質が均質化されるように、前記ピット内の前記堆積ごみを混合する混合装置とを備える、
    ごみ貯蔵設備。
  5. 前記堆積ごみを収容したピットと、
    請求項に記載のごみ質推定システムと、
    前記複数のセルの分類に基づいて、前記複数のセルから選択的にごみを搬出する搬出装置とを備える、
    ごみ貯蔵設備。
  6. 堆積ごみを撮像して、水の吸収帯の分光画像である水分評価画像と水の非吸収帯の分光画像である参照画像とを得るステップと、
    前記堆積ごみが二次元において複数のセルに仮想的に分割され、1つの前記セルを1つの評価範囲として、前記水分評価画像の前記評価範囲の画像と前記参照画像の前記評価範囲と対応し同一のごみが写る範囲である参照用範囲の画像とから、次の(a)(b)又は(c)を前記評価範囲に含まれる水分量の指標である水分指標として求めるステップと、
    (a)前記参照用範囲の平均輝度値L2を基準として、前記評価範囲の平均輝度値L1へ低下した割合である減衰率D(D=(L2-L1)/L2×100[%])、
    (b)横軸が輝度値を表し縦軸は評価範囲全体の画素数を100%とした場合のその輝度値の画素数の割合[%]を表す図表を累積輝度値ヒストグラムとして、前記評価範囲の輝度の累積度数と前記参照用範囲の輝度の累積度数とを表した累積輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の累積度数折れ線と前記参照用範囲の累積度数折れ線とで囲まれた範囲の面積、
    (c)前記評価範囲及び前記参照用範囲の輝度値ヒストグラムにおいて、前記評価範囲の度数折れ線の歪度S1と、前記参照用範囲の度数折れ線の歪度S2との差ΔS(ΔS=S2-S1)、
    前記複数のセルの各々について、前記水分指標を含む少なくとも1種の評価指標に基づいて前記セルのごみ質を推定し、前記複数のセルを前記ごみ質に応じた複数のクラスに分類するごみ質推定ステップとを含む、
    ごみ質推定方法。
  7. 前記堆積ごみを撮像して、カラー画像である多様性評価画像を得るステップと、
    前記多様性評価画像の前記評価範囲と対応する範囲の画像から、前記評価範囲に含まれるごみの多様性の指標である多様性指標を求めるステップとを、更に含み、
    前記評価指標が前記多様性指標を更に含む、
    請求項に記載のごみ質推定方法。
  8. 前記堆積ごみの前記評価範囲と対応する範囲のごみ質量を測定するステップを更に含み、
    前記評価指標が前記ごみ質量を更に含む、
    請求項6又に記載のごみ質推定方法。
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