JP2024021222A - ごみの性状推定方法及びごみの性状推定装置 - Google Patents

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健一郎 島田
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良介 丹野
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【課題】ごみホッパから炉内に投入されるごみの性状を適切に管理できるごみの性状推定方法を提供する。【解決手段】炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定方法であって、撮像装置を用いてごみクレーンにより前記ごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理と、前記落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理と、を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、ごみの性状推定方法及びごみの性状推定装置に関する。
従来、ごみ焼却炉では、ごみホッパの上部に超音波レベル計を設置して、ごみホッパ内に投入されたごみの1点のレベルを検出し、検出レベルが一定値を下回ったと判定すると、クレーンで新たなごみを供給するように構成されている。
特許文献1には、超音波レベル計で検出したごみホッパのごみの表面高さと、ごみクレーンに備えた重量計で計測したバケットによるごみの掴み重量とを関連付けて記憶するごみ質管理方法が示されている。
特開2019-178806号公報
しかし、上述した従来技術では、超音波レベル計を用いて1点でレベル検出しているため、ごみホッパ内に投入されたごみの表面高さの検出精度がばらつき、正確なごみ質管理が困難となり、その結果、炉内での燃焼制御が不安定になる虞があった。
本発明の目的は、上述した従来技術に鑑み、ごみホッパから炉内に投入されるごみの性状を適切に管理できるごみの性状推定方法及びごみの性状推定装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるごみの性状推定方法の第一の特徴構成は、炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定方法であって、撮像装置を用いてごみクレーンにより前記ごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理と、前記落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理と、を実行する点にある。
ごみクレーンからごみホッパへ落下するごみ画像が第1撮像処理により撮像され、当該落下ごみ画像に基づいて、ごみ性状推定処理によりごみの飛散状態が推定される。例えば、比重の大きなゴミであれば、落下軌跡が直線的になり落下速度も速くなるが、比重の小さなゴミであれば、空気抵抗の影響を受けて落下軌跡が曲線状になり落下速度も遅くなる。落下ごみ画像に含まれる個別のごみの落下軌跡と速度とから、ごみ全体の落下軌跡の分布と速度分布が把握でき、ごみ全体として水分量の多い燃えにくいゴミであるのか、水分量の少ない燃えやすいゴミであるのか、などのごみの特性が把握できる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、撮像装置を用いて前記ごみホッパの上方から下方に向けて前記ごみホッパの内部を撮像してごみ画像を得る第2撮像処理と、前記ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出するごみ領域抽出処理と、前記ごみ画像における前記ごみ領域に基づいて前記ごみホッパ内におけるごみレベルを推定するごみレベル推定処理と、前記ごみクレーンにより前記ごみホッパにごみが投入される直前の前記ごみレベルと直後の前記ごみレベルの差分値から算出した投入ごみの容積と、前記ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する比重算出処理と、を実行し、前記ごみ性状推定処理は、前記ごみの飛散状態に加えて、前記比重算出処理で算出したごみの比重を加味してごみの性状を推定する処理を実行する点にある。
ごみホッパの内部に堆積したごみの表面領域を含むごみ画像が第2撮像処理により撮像され、ごみ領域抽出処理により当該ごみ画像からごみ領域が抽出される。画像中のごみ領域の変動に基づいてごみレベル推定処理が実行されてごみホッパ内におけるごみレベルが推定される。
また、ごみホッパの形状は既知であるため、ごみが投入される直前に推定されたごみレベルとごみが投入された直後に推定されたごみレベルの差分値から投入ごみの容積が算出でき、比重算出処理が実行されることにより、ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と投入ごみの容積から投入ごみの比重が求まる。さらに、ごみ性状推定処理が実行されると、投入ごみの比重と、上述したごみの飛散状態とからごみホッパに投入されるごみの性状が推定され、ごみホッパに投入されたごみの性状がごみレベルに対応付けて管理可能になる。
同第三の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記ごみ性状推定処理は、前記ごみの飛散状態と、前記ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいて、ごみの性状を推定する処理である点にある。
ごみの飛散状態の大小とごみの比重の大小とごみの性状との関係を、ごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表で表わすことができる。例えば、ごみの飛散状態が大きくごみの比重が小さければ、単位重量当たりの発熱量が多い燃え易いごみと推定でき、ごみの飛散状態が小さくごみの比重が大きければ、単位重量当たりの発熱量が少ない燃え難いごみと推定できる。そのようなごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいてごみの性状が定量的に推定できるようになる。
同第四の特徴構成は、上述した第三の特徴構成に加えて、時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、前記供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状と、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理で推定されたごみの性状とを比較した結果に基づいて、前記ごみ性状推定グラフまたは前記ごみ性状推定表を更新する点にある。
ごみ性状推定処理が実行されることにより得られたごみホッパにおけるごみレベルとごみレベルに対応したごみの性状に基づいて、給じん装置によりごみホッパから炉内に供給されるごみの性状が時系列で把握できる。そのようなごみの性状の妥当性が供給ごみ性状推定処理で検証される。つまり、時系列で変化するごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、炉内に供給されたごみの実際の燃焼状態から推定される供給ごみの性状と、ごみ性状推定処理で得られたごみ性状が対比され、実際の燃焼状態から推定される供給ごみの性状と合致するように、ごみ性状推定グラフまたはごみ性状推定表が更新される。
同第五の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記ごみ性状推定処理は、説明変数をごみの飛散状態とごみの比重として、目的変数をごみの性状として、機械学習により構築された学習済モデルを用いてごみの性状を推定する処理である点にある。
ごみ性状推定処理で推定されるごみの飛散状態と、比重算出処理により算出されるごみの比重の其々を説明変数とし、ごみの性状を目的変数とする機械学習により構築された学習済モデルを用いることで、適切にごみ性状の推定ができるようになる。
同第六の特徴構成は、上述した第五の特徴構成に加えて、時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理で推定されたごみの性状を、前記供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで前記学習済モデルを更新する点にある。
ごみ性状推定処理で推定されたごみ性状のごみが、実際に炉内で焼却される際にどのようなごみ性状であるのかが、供給ごみ性状推定処理によりストーカ機構によるごみの搬送速度やボイラで生じる蒸気量等の運転状態に基づいて推定される。供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状を採用した教師データで学習済モデルが更新されることにより、より適切なごみ性状の推定ができるようになる。
本発明によるごみの性状推定装置の第一の特徴構成は、炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定装置であって、撮像装置を用いてごみクレーンにより前記ごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理部と、前記落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理部と、を備えている点にある。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、撮像装置を用いて前記ごみホッパの上方から下方に向けて前記ごみホッパの内部を撮像してごみ画像を得る第2撮像処理部と、前記ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出するごみ領域抽出処理部と、前記ごみ画像における前記ごみ領域に基づいて前記ごみホッパ内におけるごみレベルを推定するごみレベル推定処理部と、前記ごみクレーンにより前記ごみホッパにごみが投入される直前の前記ごみレベルと直後の前記ごみレベルの差分値から算出した投入ごみの容積と、前記ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する比重算出処理部と、を備え、前記ごみ性状推定処理部は、前記ごみの飛散状態に加えて、前記比重算出処理部で算出したごみの比重を加味してごみの性状を推定する点にある。
同第三の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記ごみ性状推定処理部は、前記ごみの飛散状態と、前記ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいて、ごみの性状を推定する点にある。
同第四の特徴構成は、上述した第三の特徴構成に加えて、時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理部をさらに備え、前記供給ごみ性状推定処理部で推定された供給ごみの性状と、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理部で推定されたごみの性状とを比較した結果に基づいて、前記ごみ性状推定グラフまたは前記ごみ性状推定表を更新する点にある。
同第五の特徴構成は、上述した第二の特徴構成に加えて、前記ごみ性状推定処理部は、説明変数をごみの飛散状態とごみの比重として、目的変数をごみの性状として、機械学習により構築された学習済モデルを用いてごみの性状を推定する点にある。
同第六の特徴構成は、上述した第五の特徴構成に加えて、時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理部をさらに備え、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理部で推定されたごみの性状を、前記供給ごみ性状推定処理部で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで前記学習済モデルを更新する点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、ごみホッパから炉内に投入されるごみの性状を適切に管理できるごみの性状推定方法及びごみの性状推定装置を提供することができるようになった。
ストーカ式のごみ焼却炉の説明図 ストーカ式のごみ焼却炉の要部拡大図。 (a)はごみ焼却炉の燃焼制御装置の説明図、(b)は燃焼状態推定部の説明図、(c)はホッパ内ごみ性状推定部の説明図 (a)はストーカ機構の上面で焼却されるごみの燃焼状態を撮影する撮像装置の説明図、(b)は撮像装置による撮影画像の説明図 (a),(b)は燃切位置推定処理の説明図 ごみホッパに投入されるごみを撮影する撮像装置の説明図 (a),(b)はごみホッパに投入され、撮像装置で撮影されたごみ画像の説明図 (a),(b)はごみレベル推定処理の説明図 ごみレベルの遷移状態の説明図 (a)は落下するごみ画像の説明図、(b)は落下軌跡に対する評価値の特性図、(c)は落下速度に対する評価値の説明図 ごみの飛散状態と比重の特性説明図 ごみレベルの推定手順を示すフローチャート ごみ性状推定処理の手順を示すフローチャート
以下に、本発明によるごみの性状推定方法及びごみの性状推定装置を図面に基づいて説明する。
[ごみ焼却炉の構造]
図1には、ストーカ式のごみ焼却炉1が示されている。ごみ収集車が進入するプラットホームA、ごみ収集車により収集されたごみを集積するごみピットB、ごみ投入ホッパD、ごみピットBからごみをごみ投入ホッパD(以下では、単に「ごみホッパD」と記す。)に移送するごみクレーンC、炉室E、炉室Eの上部空間に設置した廃熱ボイラF、エコノマイザGなどを備え、炉室Eで生じた燃焼排ガスが煙道に沿って配された減温塔H、集塵機Iなどの排ガス処理設備で浄化された後に煙突Jから排気される。炉室Eを負圧に維持するべく、煙道には誘引送風機Lが設けられている。
プラットホームAとごみピットBの間に設けられた臭気漏洩防止及び安全確保のための観音開き式のごみ投入扉Kを開放することにより、ごみ収集車によって収集運搬されたごみがごみピットBに投入される。
ごみピットBに集積されたごみは、自動制御または制御室の運転員によって操作されるクラブバケット方式のごみクレーンCによって把持されて、ごみホッパDの上端に形成された開口部まで移送された後に落下投入される。ごみホッパDの上端情報には、モニタ用の可視光域の撮像装置(産業用TVカメラ)6が設置されている。
ごみホッパDの底部に油圧駆動式の給じん装置Pが設けられ、ごみホッパDに充填されたごみが炉室Eに押込み投入される。ごみホッパDに充填されたごみは、ごみホッパDから炉室Eへの外気の流入を遮断するシール機構として機能し、煙道に備えた誘引送風機Lによる誘引で炉室Eが負圧に維持される。
炉室Eは、主燃焼室2と主燃焼室2で生じた燃焼排ガスを完全燃焼させる二次燃焼室3を備え、二次燃焼室3の壁部に廃熱ボイラFの複数の水管WTが埋め込まれている。
図2に示すように、主燃焼室2には、固定火格子と可動火格子がごみの搬送方向に沿って交互に配置されたストーカ機構STが設けられている。油圧機構h1,h2,h3によって可動火格子が固定火格子に対して前後方向に往復駆動されることにより、ごみが撹拌されながら下流側に搬送される。
ストーカ機構STの下部に上流側から下流側に向けて順に四つの風箱W1,W2,W3,W4が設けられ、押込み送風機から主燃焼用空気が供給される。ストーカ機構STのうち風箱W1に対応する上流領域が乾燥帯ST1、風箱W2,W3に対応する中流領域が燃焼帯ST2、風箱W4に対応する下流領域が後燃焼帯ST3となる。
風箱W1,W2,W3,W4の其々に圧力センサPS1,PS21,PS22,PS3が設けられるとともに、主燃焼室2に圧力センサPSが設けられ、各風箱と主燃焼室2の圧力差が検出可能に構成され、ストーカ機構STを介して主燃焼室2に流入する燃焼空気流量を検出する流量センサQSが設けられている。
給じん装置Pから主燃焼室2に押し込まれたごみは、乾燥帯ST1で主に加熱乾燥され、燃焼帯ST2でガス化燃焼されて、ガス化燃焼により炭化されたごみは燃焼帯S2の下流側から後燃焼帯ST3で固体燃焼されて灰化され、灰化された後に後燃焼帯ST3の端部から灰シュートに落下する。
主燃焼室2から二次燃焼室3の入口部にかけて、炉室Eの前壁2F及び後壁2Rにくびれ部が形成され、当該くびれ部にガス供給機構4が設けられている。ガス供給機構4から供給されるガスにより二次燃焼室3に流入する燃焼排ガスが撹拌され、整流されて二次燃焼室3で完全燃焼される。
なお、ガス供給機構4から供給されるガスは二次燃焼用の空気であってもよいし、主燃焼室2から引抜かれた排ガス、集塵機Iより下流の煙道から分岐された再循環排ガス、或いはそれ以外の排ガス流路から分岐された排ガスであってもよいし、空気と前記各排ガスの混合ガスであってもよい。
被焼却物に対する理論空気比が約1.3となるように主燃焼用空気と二次燃焼用空気の総量が調整されていればよく、例えば理論空気比が約1.3となるように全ての空気が主燃焼用空気で賄われている場合にはガス供給機構4から供給されるガスは、煙道から引抜かれた排ガスのみであってもよい。また、主燃焼用空気で約1.0の空気が賄われ、二次燃焼用空気で約0.3の空気が賄われるように構成してもよい。二次燃焼室3の出口部には、温度センサ及びガスセンサが設けられている。
炉室Eの後壁2Rに冷却機構を備えた動画像の撮像装置5である可視光カメラが設置され、ストーカ機構STの上面で搬送されつつ焼却されるごみの燃焼火炎を含む燃焼状態が撮影される。
[燃焼制御装置の構成]
図3(a),(b),(c)には、上述したごみ焼却炉1で焼却されるごみの燃焼状態や、廃熱ボイラFで生成される蒸気量を制御する燃焼制御装置10の構成が示され、図3(b)には、燃焼状態推定部の構成が示され、図3(c)にはホッパ内ごみ性状推定部の構成が示されている。
燃焼制御装置10は、給じん装置Pによって主燃焼室2に供給されるごみの投入量を調整する給じん制御部11、油圧機構h1,h2,h3によって乾燥帯ST1、燃焼帯ST2、後燃焼帯ST3それぞれの搬送速度を制御する搬送制御部12、各風箱W1~W4から供給する主燃焼用空気の給気量を調整するとともにガス供給機構4からの給気量を調整する給気制御部13、各制御部11,12,13に制御指令を出力する演算処理部14を備えている。
演算処理部14は、燃焼帯ST2上のごみの燃焼状態を推定する燃焼状態推定部15、廃熱ボイラFで生成する蒸気量を調整する蒸気量調節部16、ごみホッパDに投入されたごみの性状を推定するごみ性状推定部17の各演算部と、各演算部による演算結果に基づいて得られる指標に基づいて、各制御部11,12,13に出力する制御指令を生成する制御指令生成部18とを備えている。上述した各圧力センサ、流量センサ、ガスセンサ、温度センサ、蒸気量センサの各検出値や撮像装置5で撮影された画像などが演算処理部14に入力されている。
燃焼制御装置10は、CPUボード、メモリボード、入出力インタフェースボード、表示装置、入力装置などを備えて構成されている。メモリボード上のメモリに燃焼制御プログラムがインストールされ、CPUボード上のCPUで燃焼制御プログラムが実行されることにより、上述した各機能ブロックが具現化される。
[燃焼制御装置による燃焼制御]
制御指令生成部18は、所定の指標に基づいて給じん装置Pの運転頻度(例えば、油圧駆動機構の駆動速度や駆動周期)の制御値を算出し、給じん制御部11を介して油圧機構を制御することで、炉内へのごみの供給量を調節する。
また、制御指令生成部18は、所定の指標に基づいてストーカ機構STの搬送速度の制御値を算出し、搬送制御部12を介して油圧機構h1,h2,h3を制御することで、ストーカ機構STを構成する乾燥帯ST1、燃焼帯ST2、後燃焼帯ST3の各搬送速度を調節する。なお、乾燥帯ST1、燃焼帯ST2、後燃焼帯ST3は一定の速度比を維持した状態で速度制御されるように油圧機構h1,h2,h3が調整されている。
さらに、制御指令生成部18は、所定の指標に基づいて風箱W1,W2,W3,W4からの一次燃焼用空気の給気量の制御値を算出し、風箱W1,W2,W3,W4に備えたダンパ機構の開度を調節する。
所定の指標として、後述する燃焼状態推定部15で推定された燃切位置、ごみ厚、ごみ枯れ、蒸気量調節部16で調節された目標蒸気量の何れか、またはそれらを組みわせた値が採用される。
例えば、制御指令生成部18は、蒸気量を指標にして目標蒸気量が得られるように、給じん装置Pによるごみ供給量、ストーカ機構によるごみの搬送速度、風箱Wから供給される一次燃焼用空気量の制御値を算出して給じん制御部11、搬送制御部12、給気制御部13に制御指令を出力する。
制御指令生成部18は、後述するごみ性状推定部17により得られたごみ性状に基づいて、給じん制御部11、搬送制御部12、給気制御部13に対する制御値を補正する補正処理部としての機能を備えている。例えば、炉内に供給されたごみの性状が水分の多い燃え難いごみであれば、給じん量を減量補正し、給気量を増量補正し、搬送速度を減速補正する。例えば、炉内に供給されたごみの性状が水分の少ない燃え易いごみであれば、給じん量を増量補正し、給気量を減量補正し、搬送速度を増速補正する。
[燃焼状態推定部]
燃焼状態推定部15は、燃切位置推定部15A、ごみ厚推定部15B、ごみ枯れ推定部15C等を備えている。
図4(a)に示すように、モニタ用の可視光域の撮像装置(産業用TVカメラ)5が、炉室Eの後壁に設置され、ストーカ機構STの上面で焼却されるごみが撮影される。燃切位置推定部15A、ごみ厚推定部15B、ごみ枯れ推定部15Cの其々は、撮像装置5により撮影されたごみの燃焼画像に基づいて燃切位置を推定し、ごみ厚を推定し、ごみ枯れを推定する。
図4(b)に示すように、燃切位置推定部15Aは、ごみの燃焼画像の画素値を所定の閾値で二値化して火炎領域FAを抽出する。燃焼画像がグレースケール画像であれば輝度値を二値化対象とすればよく、カラー画像であればR,G,Bの各画素値を二値化対象とすればよい。
燃切位置推定部15Aは、二値化した単一または複数の火炎領域のうち、大きさ(面積)が第1閾値以上の第1火炎領域FAと、第1閾値より小さな第2閾値以下の大きさ(面積)の第2火炎領域FAsを区別して抽出する。第1閾値の値は、ストーカ機構の上面で燃焼している最大の燃焼火炎が抽出できる値であればよい。また、第2閾値は、主要な燃焼火炎を除く微小な燃焼火炎を抽出できる値であればよい。
さらに、図5(a)に示すように、燃切位置推定部15Aは、二値化された画像に対して、炉幅方向に沿う仮想直線(本実施形態では水平方向の直線)VL1を生成して、当該仮想直線VL1を第1火炎領域FAの下方(下流側)から上方(上流側)に向けて走査(平行移動)したときに、仮想直線VL1と第1火炎領域FAとが重畳する画素数と仮想直線VL1の全画素数との比率が予め設定された所定比率となる最初(最下流側)の位置を燃切位置として推定する。なお、本実施形態では、所定比率を仮想直線VL1の全画素数の30%の値に設定しているが、当該値に限るものではなく、適宜設定すればよい値である。
図5(b)に示すように、ごみ枯れ推定部15Cは、燃切位置よりも下流側に第2火炎領域FAsが点在する場合に、ごみ枯れの傾向があると推定する。具体的には、燃切位置よりも下流側に存在する第2火炎領域FAsの数が予め設定されたごみ枯れ閾値より多い場合に、ごみ枯れの傾向があると推定する。
燃切位置より上流側のごみ層厚さが薄くなると、ストーカ機構STの下方から供給される燃焼用空気の吹き抜けが生じて、ごみが燃切位置より下流側に吹き飛ばされて燃切位置より下流側で小さな火炎領域が点在する現象が発生する。ごみ枯れ推定処理部16Bは、燃切位置よりも下流側に点在する第2火炎領域FA2の数が予め設定したごみ枯れ閾値より多い場合に、ごみ枯れの傾向があると推定できるようになる。なお、ごみ枯れ閾値の値は、1以上の値で適宜設定すればよい。
ごみ厚推定部15Bは、燃焼帯ST2に対応する風箱W2,W3から供給される燃焼空気の圧力であるストーカ下圧力とストーカ機構STの上方空間の圧力である炉内圧力との圧力差に基づいて燃焼帯ST2の上面のごみの層厚を推定する。なお、燃切位置推定部15A、ごみ厚推定部15B、ごみ枯れ推定部15Cの構成は例示であり、当該記載内容に限るものではなく、適宜公知の技術を採用することも可能である。
[ホッパ内のごみ性状推定部]
ホッパ内のごみ性状推定部17は、ごみホッパDの内部に投入されて堆積したごみを撮影したごみ画像に基づいて、ごみホッパDの内部のごみ性状を推定する演算部であり、第1撮像処理部17Aと、飛散状態推定処理部17Bと、第2撮像処理部17Cと、ごみ領域抽出処理部17Dと、ごみレベル推定処理部17Eと、比重算出処理部17Fと、ごみ性状推定処理部17Gと、供給ごみ性状推定処理部17Hを備えて構成され、本発明のごみの性状推定装置として機能する。
図6に示すように、ごみホッパDは、上部に矩形の開口D1が形成され、開口D1から次第に縮径するロート状部D2を経て、炉内(炉室E)に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみ貯留部D3を備えている。ごみクレーンCで把持されたごみが開口D1から落下供給され、ごみ貯留部D3に堆積する。堆積したごみは、ごみ貯留部D3の底部に設置された給じん装置Pにより炉内に押込み供給される。
ごみホッパDの上方空間で炉室E側からごみホッパDの内部を撮影する撮像装置6が設置され、撮像装置6により、ロート状部D2からごみ貯留部D3に到る領域に堆積したごみが撮影される。
図7(a),(b)には、撮像装置6で撮影されたごみ画像が例示されている。ごみ画像のフレームFLの周辺にロート状部D2の一部が撮影され、フレームFLの中央にごみ貯留部D3の周壁及び堆積したごみが撮影されている。図7(a)より図7(b)の方が堆積ごみ量は多いことが示されている。
第2撮像処理部17Cは、撮像装置6を用いてごみホッパDの上方から下方に向けてごみホッパDの内部を撮像して、複数フレームのごみ画像を順次メモリに格納する。複数フレームのごみ画像は、連続フレームのごみ画像でもよいし、所定時間間隔で間引きされたごみ画像でもよい。
ごみ領域抽出処理部17Dは、メモリに格納された各ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出する。ごみ領域の抽出のために、例えばオプティカルフロー法が適用できる。時間的に間隔を隔てた複数枚のフレーム画像間で対応する画素またはブロック画素の動きを解析して速度ベクトルを求める手法で、画像の濃淡パターンが運動に対して不変に保たれるという仮定に基づいて、画像中の濃淡分布の空間的勾配と時間的勾配を関係付ける式に基づく勾配法などを採用することができる。
ごみ画像に含まれるごみ貯留部D3の周壁に対応する画素値は変化することなく固定されるのに対して、給じん装置Pの動きによりごみが炉内に送られるに連れて、ごみ画像に対応する画素値に基づいて表面のごみが下方に移動する挙動を捉えることにより、ごみ貯留部D3の周壁とは分離してごみ領域を抽出するものである。
図8(a)には、オプティカルフロー法により求めたごみ領域DAが黒色の太い実線で囲まれている。
ごみレベル推定処理部17Eは、ごみホッパDを構成する周壁のうちのごみ画像に含まれる周壁の内面に沿う仮想直線VL2をごみ領域DAに向けて上方から下方へ走査(破線矢印の方向に移動)したときに、仮想直線VL2とごみ領域DAとが重畳する部分の画素数と仮想直線VL2の全画素数との比率が予め定めた所定比率となる最初の位置をごみレベルとして推定する。図8(b)では重畳する部分を実線で示している。本実施形態では所定比率を30%に設定しているが、この値は適宜設定可能な値である。
本実施形態では、仮想直線VL2が水平姿勢となる仮想水平線で描かれているが、ごみ画像におけるごみ領域の外部からごみ領域に向けて仮想直線VL2を走査(移動)したときに、仮想直線VL2とごみ領域とが重畳する画素数と仮想直線VL2の全画素数との比率が所定比率となる最初の位置をごみレベルとして推定すればよい。
ごみ貯留部D3の形状および寸法は既知であるから、推定したごみレベルの画像上の位置と対応付けることにより、実際のごみ貯留部D3におけるごみレベルが求まる。なお、撮像装置6は、ごみホッパDの上方空間からごみホッパDの内部、及び、ごみクレーンCから落下投入されるごみを撮影可能な位置であれば、その設置位置は特に制限されるものではない。
図12には、上述したごみレベル推定処理部17Eにより実行されるごみレベルの推定手順SA1~SA5が示されている。
図9には、このようにして求めたごみレベルの変動が時間軸方向にプロットされた特性図が示されている。時間の経過とともにごみレベルが低下し、やがて新たなごみが投入されると、ごみレベルが増加し、その後さらに時間の経過とともにごみレベルが低下する様子が示されている。図9では所々でごみレベルがステップ的に大きく低下しているが、これは、オプティカルフロー法により求めたごみ領域DA(図8参照。)が複数のフレーム画像間で変化が無く、ごみレベルが検出不能であったところに対応するものである。
さらに、第1撮像処理部17Aは、ごみクレーンCによりごみホッパDへ投入される際に落下するごみの挙動を、撮像装置6を用いて所定時間撮影して、得られた複数フレームの落下ごみ画像を順次メモリに格納する。
飛散状態推定処理部17Bは、落下ごみ画像から落下時のごみの飛散状態を検出する。ごみクレーンCを介してごみホッパDに投入されたごみは、ごみ貯留部D3(図6参照。)に落下する。図10(a)には、ごみクレーンCから投入されたごみの落下時の飛散状態を撮影した画像が示されている。例えば、比重の大きなゴミであれば、落下軌跡が直線的になり、落下速度も速くなるが、比重の小さなゴミであれば、空気抵抗の影響を受けて舞い落ちるように落下軌跡がカーブを描き、落下速度も遅くなる。
時間差のある複数枚のフレーム画像に対して、上述したオプティカルフロー法を適用することにより、画像に含まれる複数のごみの落下軌跡と速度を含む飛散特性が得られ、其々の飛散特性から、ごみ全体として落下軌跡と速度がどのような特性を示しているのかが把握できる。
例えば、図10(b)に示すように、ごみ画像に存在する所定サイズ(例えば実際のごみサイズで数cm程度)以上のごみに対して、落下軌跡を鉛直方向からの最大ずれ量で示し、最大ずれ量が大きいほど値が大きくなる落下軌跡評価値Ftと、図10(c)に示すように、落下速度が低いほど値が大きくなる速度評価値Vとを定めて、所定時間内の複数のフレーム画像に基づいて、落下軌跡評価値Ftと速度評価値Vとの積和Σ(Ft・V)を飛散特性の評価値として定量的に求めることができる。例えば、積和Σ(Ft・V)の値が大きいほど含水率が低く燃え易いゴミであり、積和Σ(Ft・V)の値が小さいほど含水率が高く燃え難いゴミである、といった評価ができるようになる。
落下軌跡評価値Ftと速度評価値Vの各値は、例えば、燃え易いプラスチックごみ、含水率が高くて燃えにくい厨芥類、圧密化された燃えにくい紙束類など、事前に検証した様々なごみの挙動に基づいて予め設定しておけばよい。なお、図10(b),(c)の特性を用いた評価値としての積和Σ(Ft・V)の算出は例示であり、ごみの飛散状態の定量化は、このような例に限定されるものではない。
図9に示すように、比重算出処理部17Fは、ごみクレーンCによりごみホッパDにごみが投入される直前にごみレベル推定処理部17Eで推定されたごみレベルと、投入直後にごみレベル推定処理部17Eで推定されたごみレベルの差分値と、既知のごみホッパの形状から算出した投入ごみの容積と、ごみクレーンCにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する。なお、ごみの掴み重量は、ごみクレーンCに組み込まれたロードセルにより測定された値が入力される。
ごみ性状推定処理部17Gは、飛散状態推定処理部17Bで推定されたごみの評価値である積和Σ(Ft・V)に、比重算出処理部17Fで算出された比重を加味して最終的なごみの性状を数値化する。
ごみ性状推定処理部17Gは、給じん装置Pにより炉内に押し出され、或いは、ごみクレーンCにより新たなごみが投入されることにより変動する貯留部D3のごみレベルと、都度推定したごみの性状とを関連付けて時系列で管理し、炉内に供給されるごみの性状の推定値を制御指令生成部18に出力する。制御指令生成部18が、炉内に投入されるごみの性状に基づいて、給じん制御部11、搬送制御部12、給気制御部13に対する制御値を補正するためである。
図11には、ごみ性状推定処理部17Gで管理されるごみの性状を示すごみ性状推定グラフが例示されている。ごみ性状推定グラフは、ごみの飛散状態と、ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すグラフであり、ごみ性状推定グラフに代えて、ごみの飛散状態と、ごみの比重と、ごみの性状との関係を数値でごみ性状推定表であってもよい。
ごみ性状推定グラフについて詳述する。ごみの飛散状態(タテ軸)とごみの比重(ヨコ軸)との間には多くの場合に負の相関が見られ、ごみの飛散状態が大きいほどごみ比重が小さく、ごみの飛散状態が小さいほどごみ比重が大きくなる。実線で示す領域がごみ性状推定処理部17Gで管理されるごみの性状の分布範囲である。
図11から、ごみの飛散状態が大きくごみ比重が小さいほど単位重量当たりの発熱量(J/kg)が大きいことが判る。つまり、左上方から右下方に向けて発熱量(J/kg)が、A>B>C>D>E>F(J/kg)の関係となる。ごみの性状を、単位重量当たりの発熱量(J/kg)で表わした例である。図11中、黒丸で示す領域は、ある時点で給じん装置Pにより炉内に押し出されているごみの性状を示している。なお、図11では、ごみの性状を発熱量(J/kg)で表わしているが、正規化した無単位の数値で表わしてもよい。
供給ごみ性状推定処理部17Hは、実際に炉内で焼却処理されるごみの燃焼状態に基づいて供給ごみの性状(ここでは、ごみ性状推定処理部17Gにより推定される「ごみの性状」と識別するために「供給ごみの性状」と表記する。)を推定する。
供給ごみ性状推定処理部17Hは、時系列で変化するごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とを監視し、それらの値に基づいて炉内に供給される供給ごみの性状を推定する。
供給ごみ性状推定処理部17Hは、推定した供給ごみの性状と、当該供給ごみがごみホッパに投入された際にごみ性状推定処理部17Gで推定されたごみの性状とを比較し、ごみ性状推定処理部17Gで推定されたごみの性状が推定した供給ごみの性状と一致するように、ごみ性状推定グラフまたはごみ性状推定表を更新する。
以下に、ホッパ内ごみ性状推定部17の別の態様を説明する。
ごみ性状推定処理部17Gは、所定の学習済モデルが構築された機械学習装置を備え、学習済モデルを用いてごみの性状を推定するように構成してもよい。当該学習済モデルは、飛散状態推定処理部17Bで推定されたごみの飛散状態と、比重算出処理部17Fで算出されたごみの比重とを説明変数とし、予め実験などにより得られたごみの性状を目的変数として教師あり機械学習することにより得られる。
機械学習のためのアルゴリズムとして、重回帰分析やニューラルネットワーク等を採用することができる。
また、供給ごみ性状推定処理部17Hが、時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、当該供給ごみがごみホッパに投入された際にごみ性状推定処理で推定されたごみの性状を、供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで学習済モデルを更新するように構成することも可能である。
図13には、上述したごみ性状推定処理の一連の手順がステップSB1~SB8として示されている。
以上説明したように、本発明によるごみの性状推定方法は、炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定方法であって、撮像装置を用いてごみクレーンによりごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理と、落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理と、を実行するように構成されている。
また、撮像装置を用いてごみホッパの上方から下方に向けて前記ごみホッパの内部を撮像してごみ画像を得る第2撮像処理と、ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出するごみ領域抽出処理と、ごみ画像におけるごみ領域に基づいてごみホッパ内におけるごみレベルを推定するごみレベル推定処理と、ごみクレーンによりごみホッパにごみが投入される直前のごみレベルと直後のごみレベルの差分値から算出した投入ごみの容積と、ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する比重算出処理と、を実行し、ごみ性状推定処理は、ごみの飛散状態に加えて、比重算出処理で算出したごみの比重を加味してごみの性状を推定する処理を実行するように構成されている。
ごみ性状推定処理は、ごみの飛散状態と、ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいて、ごみの性状を推定する処理である。
時系列で変化するごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状と、当該供給ごみがごみホッパに投入された際にごみ性状推定処理で推定されたごみの性状とを比較した結果に基づいて、ごみ性状推定グラフまたはごみ性状推定表を更新することが好ましい。
ごみ性状推定処理は、説明変数をごみの飛散状態とごみの比重として、目的変数をごみの性状として、機械学習により構築された学習済モデルを用いてごみの性状を推定する処理であることが好ましい。
時系列で変化するごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、当該供給ごみがごみホッパに投入された際にごみ性状推定処理で推定されたごみの性状を、供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで学習済モデルを更新することが好ましい。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各部の具体的な構成は適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:ごみ焼却炉
2:主燃焼室
3:二次燃焼室
4:ガス供給機構
5:撮像装置
6:撮像装置
10:燃焼制御装置
11:給じん制御部
12:搬送制御部
13:給気制御部
14:演算処理部
15:燃焼状態推定部
16:蒸気量調節部
17:ホッパ内ごみ性状推定部
17A:第1撮像処理部
17B:飛散状態推定処理部
17C:第2撮像処理部
17D:ごみ領域抽出処理部
17E:ごみレベル推定処理部
17F:比重算出処理部
17G:ごみ性状推定処理部
17H:供給ごみ性状推定処理部
18:制御指令生成部
A:プラットホーム
B:ごみピット
C:クレーン機構
D:ごみ投入ホッパ
E:炉室
F:廃熱ボイラ
G:エコノマイザ
FA:火炎領域
VL1:仮想直線

Claims (12)

  1. 炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定方法であって、
    撮像装置を用いてごみクレーンにより前記ごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理と、
    前記落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理と、を実行するごみの性状推定方法。
  2. 撮像装置を用いて前記ごみホッパの上方から下方に向けて前記ごみホッパの内部を撮像してごみ画像を得る第2撮像処理と、
    前記ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出するごみ領域抽出処理と、
    前記ごみ画像における前記ごみ領域に基づいて前記ごみホッパ内におけるごみレベルを推定するごみレベル推定処理と、
    前記ごみクレーンにより前記ごみホッパにごみが投入される直前の前記ごみレベルと直後の前記ごみレベルの差分値から算出した投入ごみの容積と、前記ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する比重算出処理と、
    を実行し、
    前記ごみ性状推定処理は、前記ごみの飛散状態に加えて、前記比重算出処理で算出したごみの比重を加味してごみの性状を推定する処理を実行する請求項1記載のごみの性状推定方法。
  3. 前記ごみ性状推定処理は、前記ごみの飛散状態と、前記ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいて、ごみの性状を推定する処理である請求項2記載のごみ性状推定方法。
  4. 時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、
    前記供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状と、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理で推定されたごみの性状とを比較した結果に基づいて、前記ごみ性状推定グラフまたは前記ごみ性状推定表を更新する請求項3記載のごみの性状推定方法。
  5. 前記ごみ性状推定処理は、説明変数をごみの飛散状態とごみの比重として、目的変数をごみの性状として、機械学習により構築された学習済モデルを用いてごみの性状を推定する処理である請求項2記載のごみ性状推定方法。
  6. 時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理をさらに実行し、
    当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理で推定されたごみの性状を、前記供給ごみ性状推定処理で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで前記学習済モデルを更新する請求項5記載のごみの性状推定方法。
  7. 炉内に向けて上方から下方に傾斜配置されたごみホッパに投入されるごみの性状推定装置であって、
    撮像装置を用いてごみクレーンにより前記ごみホッパへ投入されるごみの落下時の挙動を撮像して落下ごみ画像を得る第1撮像処理部と、
    前記落下ごみ画像から得られる落下時のごみの飛散状態に基づいてごみの性状を推定するごみ性状推定処理部と、を備えているごみの性状推定装置。
  8. 撮像装置を用いて前記ごみホッパの上方から下方に向けて前記ごみホッパの内部を撮像してごみ画像を得る第2撮像処理部と、
    前記ごみ画像に含まれるごみ領域を抽出するごみ領域抽出処理部と、
    前記ごみ画像における前記ごみ領域に基づいて前記ごみホッパ内におけるごみレベルを推定するごみレベル推定処理部と、
    前記ごみクレーンにより前記ごみホッパにごみが投入される直前の前記ごみレベルと直後の前記ごみレベルの差分値から算出した投入ごみの容積と、前記ごみクレーンにより計測されたごみの掴み重量と、に基づいて投入ごみの比重を算出する比重算出処理部と、
    を備え、
    前記ごみ性状推定処理部は、前記ごみの飛散状態に加えて、前記比重算出処理部で算出したごみの比重を加味してごみの性状を推定する請求項7記載のごみの性状推定装置。
  9. 前記ごみ性状推定処理部は、前記ごみの飛散状態と、前記ごみの比重と、ごみの性状との関係を示すごみ性状推定グラフ、または、ごみ性状推定表に基づいて、ごみの性状を推定する請求項8記載のごみ性状推定装置。
  10. 時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理部をさらに備え、
    前記供給ごみ性状推定処理部で推定された供給ごみの性状と、当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理部で推定されたごみの性状とを比較した結果に基づいて、前記ごみ性状推定グラフまたは前記ごみ性状推定表を更新する請求項9記載のごみの性状推定装置。
  11. 前記ごみ性状推定処理部は、説明変数をごみの飛散状態とごみの比重として、目的変数をごみの性状として、機械学習により構築された学習済モデルを用いてごみの性状を推定する請求項8記載のごみ性状推定装置。
  12. 時系列で変化する前記ごみホッパ内のごみレベル、炉内にごみを供給する給じん装置の運転頻度、炉内でごみを搬送するストーカ機構の搬送速度のうち少なくとも何れか一つと、ごみの燃焼熱で蒸気を生成するボイラで生成される蒸気量とに基づいて、前記炉内に供給される供給ごみの性状を推定する供給ごみ性状推定処理部をさらに備え、
    当該供給ごみが前記ごみホッパに投入された際に前記ごみ性状推定処理部で推定されたごみの性状を、前記供給ごみ性状推定処理部で推定された供給ごみの性状に置き換えた教師データで前記学習済モデルを更新する請求項11記載のごみの性状推定装置。
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