JP7389609B2 - モータ装置 - Google Patents
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Description
このような構成のもと、モータ装置は、コイルに電流が供給されるとステータに所定の鎖交磁束が形成される。鎖交磁束とマグネットの磁束との間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、これがマグネットを回転させるトルクとなる。また、鎖交磁束が突極を通ることによりリラクタンスが生じる。このように、マグネットの磁束によるトルクとリラクタンストルクとを利用してロータが継続的に回転される。
図1は、本発明に係るモータ装置20が設けられた減速機付きモータ1の外観を示す斜視図である。
減速機付きモータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである。
図1に示すように、減速機付きモータ1は、減速機付きモータ1の外殻をなすハウジング10と、ハウジング10に設けられたモータ装置20と、ハウジング10内に設けられ、モータ装置20の回転を減速して出力する減速機部30と、を備えている。
図1、図2に示すように、ハウジング10は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料に形成されている。ハウジング10は、モータ装置20及び減速機部30を保持する一面が開口されたハウジング本体11と、ハウジング本体11の開口を閉塞するカバー12と、を備えている。
減速機収納部13は、背面部11b側に形成された底部13bと、底部13bの外周部から天面部11t側に立ち上がる周壁部13wと、に囲まれている。
また、ハウジング本体11には、背面部11bから天面部11tとは反対側に突出するボス部19が一体成形されている。ボス部19は円筒状に形成されており、ボス部19の内部がホイール収納凹部15に連通されている。
モータ装置20は、モータ収納部17のハウジング本体11とは反対側に取り付けられるモータカバー21と、モータ収納部17及びモータカバー21内に収納された円筒状のステータ22と、ステータ22の径方向内側に設けられ、ステータ22に対して回転自在に設けられたロータ23と、モータ収納部17のハウジング本体11側に収納されロータ23の回転位置を検出する回転位置検出部60と、を備えている。
なお、以下の説明では、ロータ23(後述する回転軸27)の回転軸線と平行な方向を軸線方向、ロータ23の回転方向を周方向と称する。径方向は、軸線方向と周方向とに直交するロータ23の径方向である。
ステータ22は、モータカバー21の内周面に沿って配置される。ステータ22は、円筒状に形成されたステータコア24と、ステータコア24から径方向内側に向かって突出する複数のティース25と、ステータコア24に巻回されるコイル26と、を備えている。
ステータコア24は、例えば複数の鋼板24pを軸線方向に積層して形成される。なお、ステータコア24は、複数の鋼板24pを積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。このように形成されたステータコア24の外周面が、モータカバー21の内周面に嵌合される。
図3は、ロータ23を軸線方向からみた平面図である。
図2、図3に示すように、ロータ23は、ステータ22の径方向の内側に微小隙間を介して回転自在に設けられている。ロータ23は、減速機部30のウォーム軸31と同軸上に配置され、このウォーム軸31と一体成形された回転軸27と、回転軸27の外周面に嵌合固定された円柱状のロータコア41と、ロータコア41の外周面に設けられた4つのマグネット42と、を備えている。
ロータコア41の軸線方向の高さ(厚さT1)は、ステータコア24の軸線方向の高さ(厚さT2)と同一である。また、ロータコア41の軸線方向の端面41cの位置とステータコア24の軸線方向の端面24aの位置とは、同一平面上に位置している。
突極先端面43bには、周方向の両側の角部に、丸面取り部43cが軸線方向の全体に渡って形成されている。また、突極43の突極先端面43bには、周方向の中央に、凹部43dが軸線方向の全体に渡って形成されている。
このように形成されたロータコア41の外周面41bは、周方向で隣り合う2つの突極43の間が、それぞれ磁石収納部44として構成されている。これら磁石収納部44に、それぞれマグネット42が配置されている。
マグネット42は、例えばフェライト焼結磁石である。
図3から図5に示すように、マグネット42は、軸線方向からみて湾曲形成され、かつ周方向の中央を中心として線対称に形成されている。マグネット42は、周方向で突極側面43aと対向する平坦な磁石側面42aと、径方向内側における円弧状の内周面42bと、径方向外側における円弧状の外周面42cと、磁石側面42aと外周面42cとの接続部に形成され周方向の両側で平行に形成された平行面42dと、磁石側面42aと内周面42bとの接続部に形成された丸面取り部42eと、軸線方向の端面42fと、この端面42fと磁石側面42a及び平行面42dとの間に形成された湾曲面42gと、を有している。湾曲面42gは、換言すればマグネット42の周方向両端における径方向の外側で、かつ軸線方向の両端に、周方向の外側に向かって凸となるように形成されている。
マグネット42の外周面42cにおける円弧中心C3も回転軸線C1から径方向の外側にずれて偏心されている。外周面42cは、周方向の中心が最も径方向の外側に突出するように形成されている。
Ro>Ri ・・・(1)
を満たしている。そして、マグネット42の外周面42cにおける円弧中心C4は、マグネット42の内周面42bにおける円弧中心C3、及びロータコア41の外周面41bにおける円弧中心C2と一致している。
H1>H2 ・・・(2)
を満たしている。
Lm/2<Lt ・・・(3)
を満たしている。換言すれば、距離Ltは、幅Lmの半分よりも大きい。なお、マグネット42の周方向両端における径方向の幅Lmは、マグネット42の外周面42cと平行面42dとの接続部42hとマグネット42の円弧部43eを除いた内周面42bとの間で、かつ突極側面43aと平行な幅をいう。
Lm<Lt ・・・(4)
を満たしている。突極先端面43bの位置を、マグネット42の42cのうち、径方向の最外側端(最外径)を通る円E上に位置させることで、ステータ22とロータ23との間のエアギャップをできる限り狭くできる。
図2に示すように、回転位置検出部60は、減速機収納部13の底部13b側に配置されたセンサ基板61と、センサ基板61に実装された磁気検出素子62と、を備えている。センサ基板61は、ロータ23のロータコア41及びマグネット42と軸線方向で対向する位置に配置されている。センサ基板61のロータ23側の面で、かつマグネット42と軸線方向で対向する位置に磁気検出素子62が配置されている。磁気検出素子62は、マグネット42における軸線方向端面の磁束の変化を検出する。
減速機部30は、ウォーム軸31と、ウォーム軸31に噛合いされるウォームホイール32と、により構成されている。ウォーム軸31のモータ装置20側の一端が、回転軸27に連結されている。ウォーム軸31の軸線方向両端が、軸受部16A,16Bによって回転自在に支持されている。ウォーム軸31の外周面には、螺旋状に連続するウォームギア部31gが形成されている。このウォームギア部31gにウォームホイール32が噛合いされている。
減速機収納部13の底部13bには、出力軸33を回転自在に支持する円筒状のボス部19が一体成形されている。出力軸33の先端部は、ボス部19を介してハウジング本体11の外部に突出している。出力軸33の先端部には、図示しない電装品と接続可能なスプライン33aが形成されている。
次に、減速機付きモータ1の動作について説明する。
減速機付きモータ1は、図示しない外部電源からコネクタ受容部12c、コントローラ基板50を介してモータ装置20の複数のコイル26に選択的に電流が供給される。この際、回転位置検出部60による検出結果に基づいて所定のコイル26に電流が供給される。
図5に示すように、磁気検出素子62は、マグネット42の周方向両端における径方向の中央C5(以下、単にマグネット42の径方向中央C5という)よりも径方向内側に配置されている。磁気検出素子62は、センサ基板61のロータ23側の面で、かつマグネット42と軸線方向で対向する位置に配置されているので、マグネット42の周方向両端における径方向中央C5とマグネット42の内周面42bとの間に配置されているともいえる。このように配置したことについて、以下に詳述する。
なお、前述したように、マグネット42は、内周面42bから外周面42cに向けて、又は外周面42cから内周面42bに向けて着磁されている。図6では、図6中右側がN極に着磁され、図6中左側がS極に着磁されているものとして説明する。
ここで、マグネット42の径方向中央C5よりも径方向内側に配置された場合の磁気検出素子62の位置をS1とする。マグネット42の径方向中央C5に配置された場合の磁気検出素子62の位置をS2とする。マグネット42の径方向中央C5よりも径方向外側に配置された場合の磁気検出素子62の位置をS3とする。
これに対し、位置S2に配置された磁気検出素子62は、磁化された突極43の影響を受けてしまう。つまり、マグネット42間の磁束の変化とともに、突極43の磁束の変化も検出してしまっていることが確認できる。このため、正しい、ロータ23の回転位置が検出されにくい。
次に、図8、図9に基づいて、マグネット42の突出高さH1について説明する。
図8は、縦軸を磁気検出素子62によって検出される磁束密度[T]とし、横軸をロータ23の回転角度[deg]としたときの磁束密度の検出結果の変化を示し、コイル26に通電した場合(通電時)とコイル26に通電しない場合(無通電時)とで比較したグラフである。図9は、縦軸を磁気検出素子62によって磁束を検出するタイミングのずれ量(磁極検知のずれ量)とし、横軸をマグネット42の突出高さH1としたときの磁極検知のずれ量の変化を示すグラフである。なお、図8中、0A,15A,35Aは、コイル26に供給される電流値を示す。
そこで、図9に示すように、マグネット42の突出高さH1を高くしていくと、磁気検出素子62の磁極検知のずれ量を小さくできることが確認できる。とりわけ、コイル26の突出高さ(コイル26の巻き太り高さ)H2よりも高くすると、磁気検出素子62の磁極検知のずれ量が小さくなることが確認できる。
また、突極先端面43bの位置を、マグネット42の42cのうち、径方向の最外側端(最外径)を通る円E上に位置させることにより、ステータ22とロータ23との間のエアギャップをできる限り狭くしつつ、リラクタンストルクを最大限得ることができる。
さらに、回転位置検出部60の磁気検出素子62は、マグネット42の径方向中央C5よりも径方向内側に配置されている。このため、マグネット42の磁束Mfの変化を適正に検出できる。
したがって、モータ装置20は、ロータ23の回転位置の検出精度を高めることができる。
例えば、上述の実施形態では、減速機付きモータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな電装品に減速機付きモータ1を適用できる。
上述の実施形態では、マグネット42は、例えばフェライト焼結磁石である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、フェライトボンド磁石、ネオジ焼結磁石、ネオジボンド磁石等、さまざまな磁石を用いることができる。マグネット42の形状も変更可能である。
Claims (2)
- 複数のティースを有する環状のステータと、
前記ティースに巻回されるコイルと、
前記ステータの径方向内側に配置され、前記ステータに対して軸線回りに回転するロータと、
前記ロータの回転位置を検出する回転位置検出部と、
を備え、
前記ロータは、
前記軸線回りに回転する回転軸と、
前記回転軸と一体に回転するように支持され、前記回転軸の回転方向に間隔をおいて前記軸線方向及び前記回転方向と直交する径方向の外側へ向かって突出された複数の突極を有するロータコアと、
前記ロータコアの外周部において前記回転軸の前記回転方向で隣り合う前記突極の間に配置され、前記軸線方向からみて湾曲形成された複数のマグネットと、
を備え、
前記突極は前記軸線方向からみて径方向に長い長方形状に形成されており、周方向両側の突極側面を有し、
前記マグネットは、
周方向で前記突極側面と対向する平坦な磁石側面と、
径方向内側における円弧状の内周面と、
径方向外側における円弧状の外周面と、
前記磁石側面と前記外周面との接続部に形成され周方向の両側で平行に形成された平行面と、
前記軸線方向の端面と、
前記端面と前記磁石側面及び前記平行面との間に形成された湾曲面と、
を有し、
前記湾曲面は、前記回転方向の両端における前記径方向の外側で、かつ前記軸線方向の両端に、前記回転方向の外側に向かって凸となるように形成されており、
前記回転位置検出部は、前記ロータコアの前記軸線方向の端部と前記軸線方向で対向するように配置され、前記マグネットの磁束の変化を検出する磁気検出素子を有し、
前記突極における前記ロータコアの前記外周部からの前記径方向の突出高さは、前記マグネットの前記回転方向の両端における前記径方向の幅の半分よりも大きく、
前記磁気検出素子は、前記マグネットの前記回転方向の両端において、前記マグネットの前記径方向の中央と前記マグネットの内周面との間の範囲内に配置されていることを特徴とするモータ装置。 - 前記マグネットの前記端面の位置は、前記ティースに巻回される前記コイルの前記軸線方向の端部の位置よりも前記軸線方向の外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
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