JP7388594B2 - 金属鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化鉄およびリン化合物を含有する原料から、リン濃度が低い金属鉄を製造する方法に関する。
近年、製鉄業における冷鉄源(鉄スクラップ等)の使用拡大の需要が高まっている。循環型社会の構築のために、鉄源リサイクルは必要不可避であるうえ、昨今のCO排出量削減の需要からもスクラップ使用量増大は不可欠である。スクラップは酸化鉄(Fe)である鉄鉱石と異なり、溶製プロセスに還元工程を要さないためCO排出量の低減が可能であり、冷鉄源の使用量は増加の一途をたどっている。
高炉-転炉法は、原料である鉄鉱石(Fe)を還元剤であるコークス(C源)とともに高炉へ装入し、C濃度が4.5-5%程度の溶銑を溶製し、転炉にその溶銑を装入し不純物成分であるCやSi、Pを酸化除去する製鋼プロセスである。高炉での溶銑製造時には鉄鉱石の還元などのために溶銑1tあたり、500kg程度の炭素源を必要とし、約2t程度のCOガスが発生する。一方、鉄スクラップを原料として溶鋼を製造する場合には、鉄鉱石の還元に必要とされる炭素源が不要となる。そこで、鉄スクラップを溶解するために必要なエネルギーを考慮しても、1トンの溶銑を1トンの鉄スクラップに置き換えることで、約1.5tのCOガス排出量の低減につながる。上記のことから、温室効果ガスの排出量の削減と生産活動の維持の両立のためにはスクラップの使用量を増やしていくことが必要である。
しかし、鉄スクラップ、特に高級鋼製造に不可欠な高品位の鉄スクラップの需給が逼迫していることから、スクラップに換えて還元鉄のニーズが高まっている。還元鉄は鉄鉱石を還元して製造されるが、高炉-転炉法の様に生成した鉄中のC濃度を高位とする必要がなく、過剰なC源を使用しない分、鉄1トン当たり約0.2tのCOガス排出量の低減につながる。また、還元剤をC源でなく、水素または天然ガス等の炭化水素系ガスとすることで、更なるCO排出量の低減も可能である。還元鉄を使用する際の課題の一つとして、還元鉄にはリンが含まれる点が挙げられる。鉄鋼製品中のリンは熱間脆性などの品質低下を及ぼすため、要求品質に応じたリン濃度まで低減する必要がある。ところが、電気炉法で還元鉄を溶解して溶融鉄を製造する場合には、還元鉄中のリンの大部分が溶融鉄中に入る(復リンともいう)。そのため、現状の還元鉄は鉄鉱石中のリン濃度が低い高品位鉄鉱石(リン濃度約0.01質量%)により製造され、還元鉄としてのリン濃度は約0.02質量%程度である。
一方で、リン濃度が低い高品位鉄鉱石の枯渇が予想されており、今後はリン濃度の高い低品位鉄鉱石を使用した還元鉄を原料とした溶鋼製造が求められる。現行の高炉法で使用されている鉄鉱石中のリン濃度は0.05~0.10質量%(還元鉄としてのリン濃度に換算すると0.10~0.15質量%)であり、今後更なるリン濃度増加が予想されている。このリン濃度は前記リン濃度が低い高品位鉄鉱石で製造した還元鉄のリン濃度の5~10倍以上である。鉄鋼製品中のリンによる品質低下を防ぐためには、リン濃度が高い還元鉄を溶解して溶鋼を製造する際にリン除去するか、リン濃度の高い鉄鉱石から還元鉄を製造する際にリン除去する必要がある。この様なリン除去技術に関し、いくつかの技術が提案されている。
特許文献1には、アーク炉単独で比較的短時間に低濃度まで溶鋼中のリンを除去するための、酸化カルシウムを主成分とし、酸化アルミニウムが5ないし15質量%、酸化鉄が25ないし35質量%および残部が不可避的不純物からなるアーク炉での脱リン精錬用フラックスが提案されている。
また、特許文献2には、CaO含有量が25mass%以下かつCaO/(SiO+Al)比が5以下の鉄鉱石、含チタン鉄鉱石、含ニッケル鉱石、含クロム鉱石、あるいはこれらの鉱石を主成分とする混合物と、Ar、He、N、CO、H、炭化水素の一種もしくはこれらの混合ガスを1600℃以上で接触させることにより、リンを除去する方法が提案されている。
また、特許文献3には、リン含有量の高い鉄鉱石を0.5mm以下に粉砕し、これに水を加えてパルプ濃度35mass%前後とし、溶剤にHSOまたはHClを添加してpH2.0以下で反応させてリン鉱物を分解溶出し、ついで磁力選別により磁鉄鉱等の磁着物を採取することで、非磁着物たるSiOやAl等をスライムとして沈降分離すると共に、このとき液中に溶出したPを、消石灰または生石灰を添加してpH5.0~10.0の範囲内で中和し、リン酸カルシウムとして分離回収する方法が開発されている。
また、特許文献4には、鉄鉱石を還元する際に金属鉄が生成しない条件でリンを還元しリンの気化除去を行った後、金属鉄まで還元する方法が提案されている。また、特許文献5には、リン含有物質を窒素含有ガスと反応させることでリンを除去する方法が提案されている。
特開平8-120322号公報 特開昭54-83603号公報 特開昭60-261501号公報 特開2020-20010号公報 国際公開第2019/131128号
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
すなわち、特許文献1では、スクラップ等のリン濃度が低い鉄源を想定しており、溶鋼中のリン濃度を0.020質量%から0.005質量%まで低減するため、溶鋼量7000gに対してフラックスを350g添加している。還元鉄中のリン濃度を0.15質量%だと仮定すると、リン濃度を鉄鋼製品程度の0.01質量%まで低減するのに必要なフラックス量は溶鋼1t当たり230kgとなり、アーク炉内でフラックスが占める体積割合が大きくなって溶鋼処理量が減少し、製造効率が悪化するという課題がある。
特許文献2に開示の方法は、処理温度が1600℃以上と高温であり、多くのエネルギーを要するという課題がある。さらに、この方法は、鉱石を溶融状態で処理するため、容器の損耗や高温融体の取扱いが困難であるという課題もある。
特許文献3に開示の方法は、酸を用いた湿式処理であり、回収した磁着物を主原料として利用するための乾燥に時間とコストを要するという課題がある。さらに、この方法は、事前に鉄鉱石を0.5mm以下に粉砕するのにも時間とコストを要するという課題もある。
特許文献4に開示の方法は、鉱石中にアパタイトCa(PO)(F,OH)、ストレンジャイトFe(PO)・2(HO)、ウェイベライトAl(PO(F,OH)・5HO等様々な化学形態で存在するリンを還元する必要があるため、脱リン工程での脱リン率が40~60%と低いという課題がある。
特許文献5に開示の方法は、金属が生成しない温度、酸素分圧での処理であり、リンを除去した後の酸化物を再還元して金属化する必要があるという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、固体原料を乾式処理してリン濃度の低い金属鉄を得る方法を提供することを目的としている。
また、上記課題を有利に解決する本発明にかかる金属鉄の製造方法は、酸化鉄およびリンを成分として含有する酸化物を含む原料を、還元性ガス雰囲気下で加熱して、前記酸化鉄が還元された金属鉄と、未還元の酸化物により形成されるスラグ相と、を生成させ、前記スラグ相に前記リンを含有させる、高温還元処理工程を含むものである。
なお、本発明にかかる金属鉄の製造方法については、
(a)前記原料が、鉄鉱石、または、鉄鉱石に成分調整材を添加・混合した成分調整材混合鉄鉱石であること
(b)前記高温還元処理工程では、温度および酸素分圧が、前記原料中の前記酸化鉄が金属鉄として熱力学的に安定となる温度および酸素分圧の範囲であり、かつ、前記原料中の前記リンが前記スラグ相内に含有されるリン酸化物として熱力学的に安定となる温度および酸素分圧の範囲であること、
(c)質量基準で、前記原料中に含まれる、CaOの含有量WCaOのSiOの含有量WSiO2に対する比であるWCaO/WSiO2が4.0以下であること、
(d)前記高温還元処理工程では、温度Tが750℃超え1200℃以下の範囲であり、酸素分圧PO2(atm)が、以下の関係式[式1]の条件を満たすこと、
(e)さらに、高温還元処理した前記原料を前記スラグ相の融体生成温度以上、前記金属鉄の融点以下で加熱してスラグ相を凝集させるスラグ凝集工程を有すること、
(f)前記凝集工程では、前記高温還元処理工程における処理温度T(℃)および酸素分圧PO2および原料中のWCaO/WSiO2に対し、以下の関係式[式2]を満たす処理温度T(℃)で処理すること、
(g)前記高温還元処理工程で、または、さらに前記凝集工程を経て得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する破砕・分離処理工程をさらに含むこと、
(h)前記高温還元処理工程で、または、さらに前記凝集工程を経て得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を加熱・溶解し、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する加熱・溶解処理工程をさらに含むこと、
(i)前記加熱・溶解処理工程において、生成するスラグ中に含まれるCaOの含有量のSiOの含有量に対する質量比が1.5以上4.0以下となるように、副原料を添加すること、
などが好ましい解決手段になり得る。
[式1]
-0.000018×T+0.0575×T-55.0-0.6
×WCaO/WSiO2≦logPO2≦-0.000015×T
+0.0481×T-48.1
[式2]
≧ 37.3×WCaO/WSiO2+0.12×T-1.58×logPO2+1000
ここで、WCaO/WSiO2は、質量基準で、前記原料中に含まれる、CaOの含有量WCaOのSiOの含有量WSiO2に対する比である。
本発明によれば、酸化鉄およびリン化合物を含有する酸化物を含む原料を還元性ガス雰囲気下で加熱する高温還元処理工程において、金属鉄およびスラグ相を生成させ、スラグ相に前記原料中のリン化合物を酸化物の状態で含有させるようにした。それゆえ、リン濃度の低い金属鉄を得ることが可能である。したがって、リン濃度が高い安価な原料の使用量を増加させることができるとともに、得られた金属鉄から鉄鋼製品を製造する鉄鋼精錬プロセスにおいて精錬剤の使用量を削減できる。加えて、鉄鋼精錬プロセスにおいて、CO排出量削減に寄与し、産業上有用である。
リンをPガスとして気相へ除去する反応(a)、酸化鉄から金属鉄への還元反応(b)についてFeO活量を1としてそれぞれの反応の平衡が成り立つときの温度(T)と酸素分圧(logPO2)の関係を示すグラフである。 実施例1の還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。 実施例2の還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。 実施例3の表4に示す還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。 実施例3の表5に示す還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。 実施例3の表6に示す還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。 実施例3の表7に示す還元処理にかかる処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係がリン除去率に与える影響を表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明の開発にあたり、発明者らは、金属製錬用原料として、リン濃度が高く安価な物質に着目し、そうした鉄鉱石からのリン濃度の低い還元鉄の製造方法について研究を進めた。金属鉄製錬用原料として用いられる鉄鉱石では、リンは主としてP等の酸化物として含有している。その他にCaOやSiO、MgO、Al、MnO、Mn、FeO、Feなどの金属酸化物が含まれているのが普通である。発明者らは、鉄などの原料の酸化物を金属まで還元する過程で、原料中の脈石(SiOやAl等の不純物)と必要に応じて添加するCaO源により生成するスラグ相にリンが濃化することに着目した。金属鉄生成段階では鉄中へリンを移行させることなくスラグ相にリンを濃化し、リンが濃化したスラグ相を溶融することで除去し、金属鉄へのリンの吸着を抑制しつつ金属を生成することが可能であることを見出した。そして、リン濃度の低い金属鉄相(金属相)とリン濃度の高い酸化物相(スラグ相)に分離する方法についての研究を進めた。
原料である鉄鉱石は、採掘される場所によって成分が異なる。鉄鉱石の成分は(1)Fe含有量、(2)脈石含有量、(3)P含有量で評価される。表1に鉄鉱石の成分組成の例を示す。
Figure 0007388594000001
(1)Fe含有量は、鉄鉱石中の全鉄量(T.Fe)で表され、この値が大きいほど多くのFe量を含むため、原料としての価値が高い。(2)脈石含有量は、鉄鉱石中のFe以外の酸化物の合計で表され、その大部分はSiOとAlであり、その他に0.1質量%程度のCaOやMgOなどを含む。鉄鉱石を製錬して鉄を得る過程で、脈石成分は不純物として除去されるため、脈石量が多いほどFe含有量が低下し、単位Fe量当たりの輸送コストや製錬コストが増大することになる。(3)P含有量は、鉄鉱石中のP量で表され、高炉等の強還元条件ではFeと一緒に還元され、ほぼ全量が溶融鉄中に取り込まれる。鉄鋼製品中のPは熱間脆性を引き起こす有害不純物のため、精錬工程で脱P処理が行われている。このように、原料である鉄鉱石には様々な成分が様々な割合で含有されており、その中の脈石成分とP成分を低減することが良質な鉄鋼製品を経済的に得るために不可欠である。
発明者らは、脈石成分とP成分を除去した還元鉄を得るべく鋭意研究を重ねた結果、鉄鉱石中の酸化鉄とリン化合物がそれぞれ金属鉄とリン酸化物で安定となる温度および還元雰囲気にてガス還元を行うことにより、リン濃度が低い金属鉄相とリン濃度が高いスラグ相とに分離することが可能となることを見出した。
すなわち、発明者らは、鉄鉱石中にPとして存在するリンが還元される反応(a)(化学式1)が進行せず、酸化鉄が還元されて金属鉄を生じる反応(b)(化学式2)のみが進行する還元条件が存在することを確認した。
Figure 0007388594000002
Figure 0007388594000003
化学式1および2の上記反応(a)および(b)について、平衡が成り立つときの温度Tと酸素分圧PO2の関係を図1のグラフに示す。ここで、FeOおよびFeの活量は1、Pの活量は0.001、P分圧は0.001atmである。図1において、反応(b)の実線より下側かつ反応(a)の破線より上側の温度Tと酸素分圧PO2の領域において、反応(b)のみが右側に進行する。したがって、リン濃度の低い金属鉄の生成が可能となる。なお、図1のグラフは上記条件において、各物質の活量および分圧における温度Tと酸素分圧PO2の平衡関係であり、原料である鉄鉱石の種類や、添加する副原料の種類および量によって変化する。
ここで、原料である鉄鉱石に成分調整材としての副原料を添加し、脈石成分と反応させて融点の低い化合物を生成させ、加熱還元処理時に互いの凝集・促進を図ることを検討した。得られた金属鉄およびスラグ相の混合物に、金属鉄とスラグ相とを分離する破砕・分離処理を施してリン濃度の低い金属鉄を得ることができる。破砕・分離処理としては、破砕後の磁選や破砕後の比重分離処理を採用することができる。このとき、スラグ相が凝集して粗大化していれば、細かく破砕する必要がなくなり、処理負荷の軽減が可能となる。また、得られた金属鉄およびスラグ相の混合物を電気炉等で溶解して利用することもできるが、この際にもスラグが凝集して粗大化していれば、比重差による分離促進が期待できる。
加えて、副原料の添加により混合物中のP濃度が希釈され、Pの活量を低下させる効果が得られる。そのことにより、図1のグラフにおける反応(a)の破線を下側に移動させ、上記で述べたリン濃度の低い金属鉄を生成する温度Tと酸素分圧PO2の適正条件範囲を拡大することが可能となる。
特に、副原料として生石灰、消石灰、炭酸カルシウムやドロマイト等のCaOを含有する物質を添加すると、混合物中のPと安定なリン酸カルシウム系の化合物を生成する。すなわち、Pの活量を大きく低下させる効果が得られ、図1のグラフにおける反応(a)の破線をより下側に移動させ、上記で述べたリン濃度の低い金属鉄を生成する温度Tと酸素分圧PO2の適正条件範囲を拡大することが可能となる。
ただし、CaOを含有する物質の割合が大きすぎると、鉄鉱石の主成分である酸化鉄とCaOがカルシウムフェライト系(CaO・Fe、CaO・FeOなど)の化合物を形成する。そして、酸化鉄の活量が低下し、酸化鉄の還元効率が低下する。還元後の金属鉄相の割合を高位とするためには、鉄鉱石に含まれるSiO量に対し、原料中の塩基度WCaO/WSiO2が4.0以下とすることが好ましい。ここで、原料中の塩基度WCaO/WSiO2とは、質量基準で、原料中に含まれる、CaOの含有量WCaOのSiOの含有量WSiO2に対する比をいう。
原料である鉄鉱石に含まれる酸化鉄は、ヘマタイト相(Fe相)とゲーサイト相(FeO(OH)相)に大別され、鉱石種によってその比率が異なる。ゲーサイト相は約400℃で水分が離脱してヘマタイト相へと変化し、水分が離脱する過程で鉄鉱石の気孔率および比表面積が増大する。
上記のような高温還元処理工程に用いる還元剤としては、固体還元剤よりも還元性ガスが好ましい。固体炭素や金属Al、金属Si等の固体還元剤は極めて強い還元能力を有しており、上記で述べた温度Tと酸素分圧PO2の適正条件とすることが困難である。一方で、還元性ガスであれば、ガス成分を調整することで、上記で述べた温度Tと酸素分圧PO2を適正な条件とすることが容易となる。さらに、上記で述べた気孔率および比表面積が増大した鉄鉱石を効率的に還元することが可能となり、短時間での処理が期待される。還元性ガスのガス種は特に限定されず、CO、H、CH等の還元成分を少なくとも1種以上含むガスであれば使用することができる。また、還元性ガスは天然に採掘されるガスに限らず、高炉炉頂ガスやコークス炉ガス等の副生ガス、および水の電気分解により生成したHガス等を、単独または混合して用いることが可能である。
高温還元処理工程に続けて、スラグを凝集するスラグ凝集工程を実施することが好ましい。スラグ凝集工程では、高温還元処理した原料をスラグ相の融体生成温度Tm,s以上、金属鉄の融点Tm,m以下で加熱することによりスラグを凝集させる。その後冷却してスラグ相を固相としてもよい。スラグ相の融体生成温度Tm,s以下の温度での処理では、スラグ相は数十μm程度と微細なままであり、その後に破砕してスラグ相と金属鉄とを十分に分離するためには大きな労力が掛かる。本実施形態にかかる凝集工程では、スラグ相の融体生成温度Tm,s以上で処理する。そのため、スラグ相同士が互いに凝集し、数百μm程度に粗大化する。したがって、破砕分離の労力を低減することが可能となる。ただし、金属鉄の融点Tm,m以下で加熱すると、金属鉄同士の凝集も進行するため、金属鉄に覆われたスラグ相が発生し、破砕分離することが困難となる。
スラグ融体生成温度Tm,sは温度を上げた際にスラグの一部が融体を生成し始める温度のことであり、下記MS1~MS3のいずれかの方法で決定することが簡易的であり望ましいが、これらの方法に限定するものではない。
MS1:第1の方法は、るつぼ等の容器に固体試料を装入し、対象とするガス雰囲気下において、電気抵抗炉などにより毎分5℃、望ましくは毎分1℃以下で昇温しながら容器内の試料を連続的に観察し、固体試料の粒同士の隙間が消失し始め、表面に平滑面が生じ始めた温度を融体生成温度とする方法である。
MS2:第2の方法は、対象とするガス雰囲気下において、示差熱分析法により毎分5℃、望ましくは毎分1℃以下で昇温して測定した際の、吸熱ピークが生じ始める温度を融体生成温度とする方法である。ここで、吸熱ピークが複数生じる場合、それぞれの吸熱ピークが生じた温度で測定を止めて、測定試料の外観を観察し、固体試料の粒同士の隙間が消失し、表面に平滑面が生じた温度の中で最も低温の吸熱ピークが生じ始める温度を融体生成温度とする方法である。
MS3:第3の方法は、電子計算機の熱力学計算ソフトを用い、試料組成を入力して温度を変化させて液相率を計算し、計算液相率が10%を超える温度を融体生成温度とする方法である。
加えて、金属鉄の融点Tm,mは、固体試料全量が完全に液体に変化する温度のことであり、下記MM1~MM3のいずれかの方法で決定することが簡易的であり望ましいが、これらの方法に限定するものではない。
MM1:第1の方法は、るつぼ等の容器に固体試料を装入し、対象とするガス雰囲気下において、電気抵抗炉などにより毎分5℃、望ましくは毎分1℃以下で昇温しながら容器内の試料を連続的に観察し、固体試料の粒同士の隙間が完全に消失し、表面に平滑面が生じた温度を融点とする方法である。
MM2:第2の方法は、対象とするガス雰囲気下において、示差熱分析法により毎分5℃、望ましくは毎分1℃以下で昇温して測定した際の、吸熱ピークの極小点の温度を融点とする方法である。ここで、吸熱ピークが複数生じる場合、それぞれの吸熱ピークが生じた温度で測定を止めて、測定試料の外観を観察し、固体試料の粒同士の隙間が消失し、表面に平滑面が生じた温度の中で最も低温の吸熱ピークの極小点の温度を融点とする方法である。
MM3:第3の方法は、電子計算機の熱力学計算ソフトを用い、試料組成を入力して温度を変化させて液相率を計算し、計算液相率が95%を超える温度を融点とする方法である。
また、高温還元処理工程で、さらに必要に応じてスラグ凝集工程を経て得た金属鉄およびスラグ相の混合物を、金属鉄とスラグ相とにそれぞれ分離する破砕・分離処理工程や加熱・溶解処理工程を施すことが好ましい。破砕・分離処理工程では、破砕処理としてロッドミルやボールミル、ジョークラッシャーなどを用いて混合物を破砕したり、混合物を高所から落下させたりすることにより粉砕することができる。分離処理として乾式磁選や比重分離により金属鉄を選別することができる。加熱・溶解処理工程では、混合物を電気炉などで加熱溶解し、溶融した金属鉄とスラグ相との比重差によって分離し排滓処理などを施すことができる。生成するスラグ中に含まれるCaOの含有量のSiOの含有量に対する質量比が1.5以上4.0以下となるようにすれば、スラグの溶融温度および粘度を適切に制御できて、金属鉄との分離が促進され、復リンも抑制できるので好ましい。
(実施例1)
表1に示す鉄鉱石Bの粉末を造粒して5トン/hr規模の回転炉床炉に装入し、加熱バーナーに供給する燃料ガスと酸素の量とその比率を調整して、処理温度T、酸素分圧PO2を制御する還元処理を施した。燃料ガスとして天然ガスを使用した。この設備(回転炉床炉)では、装入から排出までの時間が120分となるように操業条件を設定し、装入した試料が60分経過時点で存在する場所の温度測定とガス組成分析を行った。採取したガス中の一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)の濃度を赤外線ガス分析装置により測定した。酸化還元反応は下記化学式3に示す反応(c)によって代表され、各分圧の比PCO/PCO2の測定値から酸素分圧PO2を以下の式(1)、(2)より算出した。式(1)は反応(c)のギブズ自由エネルギーΔG°を表し、式(2)は反応(c)の平衡定数Kを表す。式(1)および式(2)中、Tは測定した温度(K)、Rは気体定数(cal/(K・mol))、PCOおよびPCO2はガス組成分析におけるCOおよびCOの分圧である。
Figure 0007388594000004
Figure 0007388594000005
排出された処理後の試料を、ロッドミルで粉砕し、一部を化学分析に供した。粉砕試料は乾式磁選により磁着物と非磁着物に分離し、磁着物を金属相、非磁着物をスラグ相とみなし、それぞれ化学分析に供した。得られた分析結果より以下の値を算出し、実験条件と共に表2に整理した。金属化率は、質量基準で、粉砕後・磁選前の試料の金属鉄量(M.Fe)分析値を粉砕後・磁選前の試料の全鉄量(T.Fe)分析値で除したものとする。金属相中のリン鉄比(P/Fe)は、磁着物のP分析値を磁着物のT.Fe分析値で除したものとする。(P)は非磁着物(スラグ相)中のP分析値とする。


Figure 0007388594000006
表2より明らかな様に、処理No.1~7では、75mass%以上の高い金属化率と共に、金属相のP/Feの値が0.023%以下と処理前鉄鉱石BのP/Feの値:0.169%に比べて大きく低減していることが分かる。一方で、処理No.8~13では、磁着物が得られず、金属相が確認されなかった。また、処理No.14~19では、金属相のP/Feは低下しているものの、金属化率が最大7mass%と低位である。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が低く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄およびリン酸化物が十分に還元しなかったためだと考えられる。また、処理No.21~26では、金属化率が75mass%以上と高位であるが、金属相中のP/Feが0.161%以上と高くなっている。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が高く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄だけでなくリン酸化物も還元され、生成した金属鉄に還元されたリンが吸着されたためだと考えられる。
表2の結果について、金属化率が75mass%以上かつ金属相中のP/Feが低位であるものを○、金属化率が低い、あるいは金属相中のP/Feが高位であるものを×として、処理時の温度Tおよび酸素分圧logPO2の関係をプロットしたグラフを図2に示す。図2より明らかな様に、高温還元処理を行なう温度Tを750℃超え1200℃未満とし、図2中に実線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より下側、かつ、図2中に破線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より上側の領域において、高い金属化率と低い金属相中P/Feが達成されている。すなわち、リン濃度の低い還元鉄を製造するには、以下の関係式Aを満たす温度T(℃)と酸素分圧PO2(atm)において、鉄鉱石を還元するとよい。
[式A]
-0.000018×T2+0.0575×T-55.0
≦logPO2≦-0.000015×T2+0.0481×T-48.1
なお、破砕処理としてロッドミルの代わりに、ボールミルやジョークラッシャーを用いたり、高所から落下させたりすることにより粉砕を行い、分離処理として乾式磁選の代わりに比重分離により金属鉄を選別した場合についても評価を行った。いずれの方法においても、上記と同様の金属鉄相とスラグ相とへの分離が可能であった。
(実施例2)
実施例1と同様の設備、方法を用いた還元処理において、燃料ガスとして水素ガスを使用した。実施例1と同様に、実験条件と結果を表3に整理した。実施例1と同様に採取したガスは室温まで冷却し、結露した水分をドレーンポットにより回収、秤量した。水分除去後のガス中水素(H)濃度を熱伝導式ガス分析装置により測定し、採取したガス体積と回収した水分量から水蒸気濃度を算出した。酸化還元反応は下記化学式4に示す反応(d)によって代表され、各分圧の比PH2/PH2Oの測定値から酸素分圧PO2を以下の式(3)、(4)より算出した。式(3)は反応(d)のギブズ自由エネルギーΔG°を表し、式(4)は反応(d)の平衡定数Kを表す。式(3)および式(4)中、Tは測定した温度(K)、Rは気体定数(cal/(K・mol))、PH2およびPH2Oは上記分析値、算出値から計算したHおよびHOの分圧である。
Figure 0007388594000007
Figure 0007388594000008
Figure 0007388594000009
表3より明らかな様に、処理No.27~33では、75mass%以上の高い金属化率と共に、金属相のP/Feの値が0.023%以下と処理前鉄鉱石BのP/Feの値:0.169%に比べて大きく低減していることが分かる。一方で、処理No.34~39では、磁着物が得られず、金属相が確認されなかった。また、処理No.40~45では、金属相のP/Feは低下しているものの、金属化率が最大8mass%と低位である。これは、処理時の雰囲気中の水素ガス(H)比率が低く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄およびリン酸化物が十分に還元しなかったためだと考えられる。また、処理No.46~52では、金属化率が75mass%以上と高位であるが、金属相中のP/Feが0.162%以上と高くなっている。これは、処理時の雰囲気中の水素ガス(H)比率が高く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄だけでなくリン酸化物も還元され、生成した金属鉄に還元されたリンが吸着されたためだと考えられる。
表3の結果について、金属化率が75mass%以上かつ金属相中のP/Feが低位であるものを○、金属化率が低い、あるいは金属相中のP/Feが高位であるものを×として、処理時の温度Tおよび酸素分圧logPO2の関係をプロットしたグラフを図3に示す。図3より明らかな様に、高温還元処理を行なう温度Tを750℃超え1200℃未満とし、図3中に実線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より下側、かつ、図3中に破線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より上側の領域において、高い金属化率と低い金属相中P/Feが達成されている。これは実施例1の図2に示す関係式Aと同じであった。すなわち、還元に用いるガス種がCO含有ガスでもH含有ガスでも、関係式Aを満たす処理温度Tと酸素分圧logPO2の範囲内で鉄鉱石を還元することにより、リン濃度の低い還元鉄を製造することが可能となる。
(実施例3)
表1に示す鉄鉱石Bの粉末にCaO源として生石灰を混合・造粒し、実施例1と同様の設備、方法で還元処理を実施した。酸素分圧PO2の算出方法は実施例1と同様である。鉄鉱石Bに含まれるSiO量に対し、質量基準の塩基度(WCaO/WSiO2)が所定の値となる様に生石灰の添加量を変化させた。処理後試料は実施例1と同様に粉砕、磁選、分析を行った。塩基度WCaO/WSiO2を1.0、2.0、4.0および4.5と変化させたときの結果をそれぞれ表4~7に示す。
Figure 0007388594000010
Figure 0007388594000011
Figure 0007388594000012
Figure 0007388594000013
表4~6より明らかな様に、処理No.53~60、80~88、108~117では、75mass%以上の高い金属化率と共に、金属相のP/Feの値が0.022%以下と処理前鉄鉱石のP/Feの値:0.169%に比べて大きく低減していることが分かる。一方で、処理No.61~66、89~94、118~123では、磁着物が得られず、金属相が確認されなかった。また、処理No.67~72、95~100、124~129では、金属相のP/Feは低下しているものの、金属化率が最大7mass%と低位である。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が低く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄およびリン酸化物が十分に還元しなかったためだと考えられる。また、処理No.73~79、101~107、130~136では、金属化率が75mass%以上と高位であるが、金属相中のP/Feが0.161%以上と高くなっている。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が高く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄だけでなくリン酸化物も還元され、生成した金属鉄中に還元されたリンが吸着されたためだと考えられる。
表7より明らかな様に、処理No.137~146では、60mass%以上の高い金属率と共に、金属相のP/Feの値が0.021%以下と処理前鉄鉱石のP/Feの値:0.169%に比べて大きく低減していることが分かる。ただし、処理No.53~60、80~88、108~117に比べると金属化率が低位である。これは、原料の塩基度WCaO/WSiO2が高くなることで鉄鉱石中の酸化鉄の活量が低下し、還元効率が低下したためと考えられる。すなわち、高い金属化率を得るためには原料の塩基度WCaO/WSiO2が4.0以下であることが好ましい。一方で、処理No.147~152では、磁着物が得られず、金属相が確認されなかった。また、処理No.153~158では、金属相のP/Feは低下しているものの、金属化率が最大7mass%と低位である。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が低く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄およびリン酸化物が十分に還元しなかったためだと考えられる。また、処理No.159~165では、金属化率が65mass%以上と高位であるが、金属相中のP/Feが0.161%以上と高くなっている。これは、処理時の雰囲気中の一酸化炭素(CO)比率が高く、原料である鉄鉱石中の酸化鉄だけでなくリン酸化物も還元され、生成した金属鉄中に還元されたリンが吸着されたためだと考えられる。
表4~7の結果について、金属化率が60mass%以上かつ金属相中のP/Feが低位であるものを○、金属化率が低い、あるいは金属相中のP/Feが高位であるものを×として、処理時の温度Tおよび酸素分圧logPO2の関係をプロットしたグラフをそれぞれ図4~7に示す。図4~7より明らかな様に、高温還元処理を行なう温度Tを750℃超え1200℃以下とし、図中に実線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より下側、かつ、図中に破線で示す処理温度Tと酸素分圧logPO2の関係線より上側の領域において、高い金属化率と低い金属相中P/Feが達成されている。ここで、各図における実線の位置は大きく変動しないのに対し、破線の位置は原料の塩基度WCaO/WSiO2が大きくなるほど図中の下側へと移動する。すなわち、以下の関係式Bを満たす温度T(℃)と酸素分圧PO2(atm)において鉄鉱石を還元することにより、リン濃度の低い還元鉄を製造することが可能となる。
[式B]
-0.000018×T2+0.0575×T-55.0-0.6×WCaO/WSiO2
≦logPO2≦-0.000015×T2+0.0481×T-48.1
ここで、原料の塩基度WCaO/WSiO2は、質量基準で、原料中に含まれる、CaOの含有量WCaOのSiOの含有量WSiO2に対する比である。
(実施例4)
ヒートサイズが3tで、トランス容量が1200kVAの電気炉に、実施例1で得た還元鉄試料2tと、還元鉄試料の分析値に基づいて所定のスラグ塩基度とするのに必要な量の生石灰を装入した。これらをアーク電極に通電することで溶解し、溶鉄の温度が1630℃となった時点で通電を止めた後に排滓口より排滓した。電気炉内の溶鉄をサンプリングし、化学分析に供した。実験条件および得られた分析値は表8に合わせて示す。なお、還元処理No.8~19は磁着物が得られないか、または、少なすぎて溶解処理に供することができなかった。表8中のスラグ塩基度は、生成するスラグ中に含まれるCaOの含有量のSiOの含有量に対する質量比とする。溶鉄中のP濃度を[P]で表した。
Figure 0007388594000014
表8中の溶解処理No.S01~S21、S29~S32は、実施例1の各還元処理条件での処理後試料の必要量を分取して、溶解処理に供した。表8より明らかな様に、溶解処理No.S01~S21は、溶解処理工程においてスラグ塩基度が1.5以上4.0以下とすることで、溶解前の金属相のP/Feの値と比較し、溶鉄中P濃度[P]が同等以下となっており、復リンを抑制しながら溶解が可能であった。また、溶解処理No.S22~S28では、スラグ塩基度が2.5となる様に溶解処理を行ったところ、金属鉄中P濃度は0.088~0.090mass%と溶解処理No.S01~S21と比べて高位であった。溶解処理No.S29、S31では、溶解処理工程においてスラグ塩基度を1.3とした。溶解前の金属相のP/Feの値よりも溶鉄中P濃度[P]が上昇しており、溶解処理工程における復リンが生じた。溶解処理No.S30、S32では、溶解処理工程においてスラグ塩基度を4.1とした。スラグに多くの固相が含まれており、溶解後の溶鉄とスラグの分離が不十分で、除滓が不完全となった。以上の結果より、溶解処理工程でのスラグ塩基度を1.5以上4.0以下とすることで、復リンや除滓不良を生じることなくリン濃度の低い還元鉄を溶解し、リン濃度の低い溶鉄を得ることができる。
(実施例5)
実施例3で得られた表4~6に示す還元処理後試料を、それぞれ実施例4と同様に電気炉での溶解処理に供した。完全溶解後の溶鉄のサンプリング、分析を行った。実験条件および得られた分析値はそれぞれ表9~11に合わせて示す。なお、表4~6中の還元処理No.61~72、89~100、118~129は、磁着物が得られないか、または、少なすぎて溶解処理に供することができなかった。
Figure 0007388594000015
Figure 0007388594000016
Figure 0007388594000017
表9~11より明らかな様に、溶解処理No.S33~S56、S66~S83、S93~S102では、溶解処理工程においてスラグ塩基度を1.5以上4.0以下とすることで、溶解前の金属相のP/Feの値よりも溶鉄中P濃度[P]が同等以下となっており、復リンを抑制しながら溶解が可能であった。溶解処理No.S57~S63、S84~S90、S103~S109は、還元処理後の金属相のP/Feが0.161%以上と高く、溶解処理後の溶鉄中P濃度[P]が0.088~0.091mass%と溶解処理No.S33~S56、S66~S83、S93~S102と比べて高位であった。
以上、実施例4および5の結果から、溶解処理における復リンを防止するためにも、また、還元処理時のスラグ相へのリン保持能力を向上させるためにも、原料の塩基度を1.5以上とすることが好ましい。加えて、溶解処理工程において、添加するCaO源を削減できる。一方、溶解処理工程におけるスラグの除滓性の観点からも、還元処理工程における原料の塩基度を4.0以下に抑えることが好ましい。
(実施例6)
実施例1で作成した還元鉄試料を破砕せずに、別の5トン/hr規模の回転炉床炉に装入し、加熱バーナーに供給する燃料ガスと酸素の量とその比率を調整して、処理温度T、酸素分圧PO2を制御して凝集処理を施した。燃料ガスとして天然ガスを使用した。この設備(回転炉床炉)では、装入から排出までの時間が120分となるように操業条件を設定し、装入した試料が60分経過時点で存在する場所の温度測定とガス組成分析を行った。採取したガス中の一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)の濃度を赤外線ガス分析装置により測定した。凝集処理における酸素分圧PO2は、凝集処理温度において還元処理時の酸素分圧PO2と同等となる様にした。化学式3に示す反応(c)によって代表される酸化還元反応において、各分圧の比PCO/PCO2の測定値から酸素分圧PO2を式(1)、(2)より算出した。
還元処理の温度・ガス組成条件を変更した際のリン除去率ΔP=100-[{(乾式磁選により回収された還元鉄重量)×(乾式磁選により回収された還元鉄中P濃度)}/{(混合物重量)×(混合物中P濃度)}]×100(%)、金属化率=[{(乾式磁選により回収された還元鉄重量)×(乾式磁選により回収された還元鉄中鉄濃度)}/{(混合物重量)×(混合物中鉄濃度)}]×100(mass%)、およびスラグ成分融体生成温度Tm,s、金属鉄融点Tm,mを表12の条件No.T1~T21に示す。ここで、スラグ成分融体生成温度Tm,sは上記MS3の方法で、金属鉄融点Tm,mは上記MM1の方法で求めた値である。表12中の還元処理No.は、表2の処理No.を表す。また、凝集工程の処理温度TがTm,sより低いものを温度評価欄に「低」と表記し、Tm,mより高いものを同じく「高」と表記し、Tm,s以上Tm,m以下の範囲にあるものを「〇」と表記した。
凝集処理後のサンプルはロッドミルで30分間破砕をした後、磁選処理によって金属鉄とスラグ相に分離した。このとき、金属鉄相中のM.Fe分析値が90質量%以上、かつスラグ相中のM.Fe分析値が10質量%以下の条件を分離性評価欄に「〇」と評価した。それ以外を「×」と評価した。
Figure 0007388594000018
(実施例7)
実施例3と同様に塩基度WCaO/WSiO2を1.5、2.5および4.0と変化させて、還元処理を実施した。その後還元鉄試料を破砕せずに、別の5トン/hr規模の回転炉床炉に装入し、加熱バーナーに供給する燃料ガスと酸素の量とその比率を調整して、処理温度T、酸素分圧PO2を制御して凝集処理を施した。燃料ガスとして天然ガスを使用した。この設備(回転炉床炉)では、装入から排出までの時間が120分となるように操業条件を設定し、装入した試料が60分経過時点で存在する場所の温度測定とガス組成分析を行った。採取したガス中の一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO)の濃度を赤外線ガス分析装置により測定した。凝集処理における酸素分圧PO2は、凝集処理温度において還元処理時の酸素分圧PO2と同等となる様にした。化学式3に示す反応(c)によって代表される酸化還元反応において、各分圧の比PCO/PCO2の測定値から酸素分圧PO2を式(1)、(2)より算出した。
塩基度WCaO/WSiO2および還元処理の温度・ガス組成条件を変更した際のリン除去率ΔP=100-[{(乾式磁選により回収された還元鉄重量)×(乾式磁選により回収された還元鉄中P濃度)}/{(混合物重量)×(混合物中P濃度)}]×100(%)、金属化率=[{(乾式磁選により回収された還元鉄重量)×(乾式磁選により回収された還元鉄中鉄濃度)}/{(混合物重量)×(混合物中鉄濃度)}]×100(mass%)、およびスラグ成分融体生成温度Tm,s、金属鉄融点Tm,mを表13~15の条件No.T22~T105に示す。ここで、スラグ成分融体生成温度Tm,sは上記MS3の方法で、金属鉄融点Tm,mは上記MM1の方法で求めた値である。また、凝集工程の処理温度TがTm,sより低いものを温度評価欄に「低」と表記し、Tm,mより高いものを同じく「高」と表記し、Tm,s以上Tm,m以下の範囲にあるものを「〇」と表記した。
凝集処理後のサンプルはロッドミルで30分間破砕をした後、磁選処理によって金属鉄とスラグ相に分離した。このとき、金属鉄相中のM.Fe分析値が90質量%以上、かつスラグ相中のM.Fe分析値が10質量%以下の条件を分離性評価欄に「〇」と評価した。それ以外を「×」と評価した。
表13~15の条件No.T22~T105より、以下の関係式[式2]を満たす時にスラグ相の凝集が進行し、分離性が向上することが明らかとなった。
[式2]
≧ 37.3×WCaO/WSiO2+0.12×T―1.58×logPO2+1000
ここで、Tは還元処理温度(℃)、PO2は還元処理時の酸素分圧(atm)、WCaO/WSiO2は、質量基準で、前記原料中に含まれる、CaOの含有量WCaOのSiOの含有量WSiO2に対する比、Tは凝集処理温度(℃)である。
なお、式2は表1に示す一般的な鉄鉱石組成に対して適用可能である。Fe含有量の低い低品位な鉄鉱石や、製鉄所で発生するダストやスケールなどのFe含有量の高い酸化物に対して直接的に適用することは出来ないが、実施例7と同様の手法により適切な式を導出することが可能である。
Figure 0007388594000019
Figure 0007388594000020
Figure 0007388594000021
本発明の金属鉄の製造方法は、酸化鉄およびリンを成分として含有する原料から、リン濃度が低い金属鉄を製造することができるので、得られた金属鉄から鉄鋼製品を製造する鉄鋼精錬プロセスにおいて精錬剤の使用量を削減でき、ひいては、CO排出量削減に寄与し、産業上有用である。本発明の方法は、還元条件の異なる化合物を金属相とスラグ相とに分配することを技術思想としており、そのような元素の組み合わせに適用して、精錬に応用できる。

Claims (9)

  1. 金属鉄の製造方法であって、
    前記製造方法は、酸化鉄およびリンを成分として含有する酸化物を含み、質量基準で、CaOの含有量W CaO のSiO の含有量W SiO2 に対する比であるW CaO /W SiO2 が4.0以下である原料を、還元性ガス雰囲気下で温度Tが750℃超え1200℃以下の範囲となるように加熱して、前記酸化鉄が還元された金属鉄と、未還元の酸化物により形成されるスラグ相と、を生成させ、前記スラグ相に前記リンを含有させるにあたり、酸素分圧P O2 (atm)が、以下の関係式[式1]の条件を満たす、高温還元処理工程を含む、金属鉄の製造方法。
    [式1]
    -0.000018×T +0.0575×T-55.0-0.6×W CaO /W SiO2 ≦logP O2 ≦-0.000015×T +0.0481×T-48.1
  2. 前記原料が、鉄鉱石、または、鉄鉱石に成分調整材を添加・混合した成分調整材混合鉄鉱石である、請求項1に記載の金属鉄の製造方法。
  3. 前記高温還元処理工程では、温度および酸素分圧が、前記原料中の前記酸化鉄が金属鉄として熱力学的に安定となる温度および酸素分圧の範囲であり、かつ、前記原料中の前記リンが前記スラグ相内に含有されるリン酸化物として熱力学的に安定となる温度および酸素分圧の範囲である、請求項1に記載の金属鉄の製造方法。
  4. さらに、高温還元処理した前記原料を前記スラグ相の融体生成温度以上、前記金属鉄の融点以下で加熱してスラグ相を凝集させるスラグ凝集工程を有する、請求項に記載の金属鉄の製造方法。
  5. 前記スラグ凝集工程では、前記高温還元処理工程における処理温度T(℃)および酸素分圧PO2および原料中のWCaO/WSiO2に対し、以下の関係式[式2]を満たす処理温度T(℃)で処理する、請求項に記載の金属鉄の製造方法。
    [式2]
    ≧37.3×WCaO/WSiO2+0.12×T―1.58×logPO2+1000
  6. 前記スラグ高温還元処理工程で得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する破砕・分離処理工程、または、前記高温還元処理工程で得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を加熱・溶解し、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する加熱・溶解処理工程をさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の金属鉄の製造方法。
  7. 前記高温還元処理工程で、または、さらに前記スラグ凝集工程を経て得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する破砕・分離処理工程、または、前記高温還元処理工程で、または、さらに前記スラグ凝集工程を経て得た前記金属鉄および前記スラグ相の混合物を加熱・溶解し、前記金属鉄と前記スラグ相とに分離する加熱・溶解処理工程をさらに含む、請求項4または5に記載の金属鉄の製造方法。
  8. 前記加熱・溶解処理工程において、生成するスラグ中に含まれるCaOの含有量のSiOの含有量に対する質量比が1.5以上4.0以下となるように、副原料を添加する、請求項に記載の金属鉄の製造方法。
  9. 前記加熱・溶解処理工程において、生成するスラグ中に含まれるCaOの含有量のSiO の含有量に対する質量比が1.5以上4.0以下となるように、副原料を添加する、請求項7に記載の金属鉄の製造方法。
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