JP7388142B2 - 画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
従来、圧電方式の液体吐出ヘッドを用いる画像形成装置では、複数のノズル毎に設けられた圧電素子に駆動波形を供給して駆動させることで、記録媒体に液体を吐出して画像を形成する。このような画像形成装置では、高い周波数で液体を吐出させるために、複数の増幅部が生成する異なる駆動波形を圧電素子に選択的に供給するものが知られている。
また、複数の増幅部が駆動波形を圧電素子に供給する場合に、液体吐出ヘッドによる吐出状態の変動を抑制するため、圧電素子における個別電極に第1の駆動信号を印加し、共通電極に第2の駆動信号を印加する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の装置では、配線抵抗等に起因して共通電極に生じた電圧変動により駆動波形が歪む結果、適切に液体が吐出されずに画質が低下する場合があり、これを抑制しようとすると、圧電素子の駆動回路の規模が増大する場合があった。
本発明は、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、画質の低下を防止することを課題とする。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、複数のノズルから吐出させる液滴の大きさの種類である滴種において、互いに異なる前記滴種に対応する駆動波形データを複数の増幅部に供給し、画像データに基づいて選択した前記複数の増幅部のいずれかにより増幅させた駆動波形を複数の圧電素子に供給し、前記複数の圧電素子に応する複数のノズルから記液滴を吐出させ画像形成装置であって、前記滴種に応じた駆動波形のタイミングが重なることによる電流の干渉を抑制するための複数の前記駆動波形データを、圧電素子数に対応付けて格納する駆動波形格納部と、前記画像データに基づいて前記複数のノズルのそれぞれが吐出する前記滴種を決定する滴種決定部と、前記滴種決定部により決定された前記滴種と、予め定められた前記複数の増幅部のそれぞれと前記滴種との関係と、に基づいて、前記複数の増幅部を使用する前記圧電素子数を取得する圧電素子数取得部と、前記圧電素子数取得部により取得された前記圧電素子数に基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する駆動波形選択部と、を備える。
本発明によれば、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、画質の低下を防止できる。
実施形態のインクジェットプリンタの全体構成を例示する図であり、(a)は透視斜視図、(b)は透視側面図である。 実施形態のインクジェットプリンタのハードウェア構成例のブロック図である。 実施形態のインクジェットプリンタのインク吐出ヘッドの構成例の図である。 インク吐出ヘッドの構成例を示す断面図であり、(a)は図3のAA´断面図であり、図4(b)は図3のBB´断面図である。 印刷制御基板とヘッドドライバのハードウェア構成詳細例のブロック図である。 第1実施形態のインクジェットプリンタの機能構成例のブロック図である。 第1実施形態のインクジェットプリンタの動作例のフローチャートである。 波形グループと電流干渉低減作用との関係を説明する図である。 滴種・アンプ対応データの一例の図である。 負荷の偏りがない場合の滴種マップ例の図である。 負荷の偏りがない場合の圧電素子数のカウント結果例の図である。 負荷の偏りがある場合の滴種マップ例の図である。 負荷の偏りがある場合の圧電素子数のカウント結果例の図である。 アンプへの駆動波形データの送信処理例のフローチャートである。 第1実施形態の波形グループの選択処理例のフローチャートである。 第2実施形態のインクジェットプリンタの機能構成例のブロック図である。 滴吐出速度対応テーブル例の図である。 第2実施形態の駆動ch数カウント部でのカウント結果例の図である。 第2実施形態の波形グループの選択処理例のフローチャートである。 第3実施形態のインクジェットプリンタの機能構成例のブロック図である。 第3実施形態の滴種マップ例の図である。 第3実施形態の駆動ch数カウント部でのカウント結果例の図である。 第3実施形態の波形グループの選択処理例のフローチャートである。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
以下では、マルチチャネル化されたインク吐出ヘッドを含むインクジェットプリンタ1を、画像形成装置の一例として実施形態を説明する。なお、インクは液滴の一例である。なお、実施形態の用語における画像形成、印刷、印字、記録は何れも同義であるとする。また駆動ch数と圧電素子数も同義であるとする。
<インクジェットプリンタ1の全体構成例>
まず、実施形態に係るインクジェットプリンタ1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、インクジェットプリンタ1の全体構成の一例を説明する図であり、(a)は、インクジェットプリンタ1の透視斜視図、(b)は、インクジェットプリンタ1の透視側面図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101に搭載されたインク吐出ヘッド102と、インク吐出ヘッド102にインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成される印字機構部等を備えている。インクジェットプリンタ1の装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙P等の記録媒体を積載可能な給紙カセット(あるいは給紙トレイでもよい)104を抜き差し可能に装着できる。また、用紙Pを手差しで給紙するための手差しトレイ105を開倒できる。
インクジェットプリンタ1は、給紙カセット104或いは手差しトレイ105から給送される用紙Pを取り込み、上述した印字機構部によって所要の画像を形成した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。なお、以降、記録媒体は用紙である場合を例として説明するが、記録媒体としては、用紙の他、フィルム、プラスチック等のシート状の材料で、画像形成出力の対象物となるものであれば採用可能である。
また、印字機構部は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とで、キャリッジ101を主走査方向(紙面垂直方向)に摺動可能に保持している。
キャリッジ101に搭載されているインク吐出ヘッド102は、イエロー(Yellow)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenda)、ブラック(blacK)の各色のインク滴を吐出する。これら各色のインクを吐出する複数のインク吐出口は主走査方向と交差する方向に配列されており、且つインク吐出口は下方に向けられている。
インク吐出ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103は、キャリッジ101において交換可能に装着されている。また、インクカートリッジ103は、上方に外部と連通する大気口、下方にはインク吐出ヘッド102にインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を備え、多孔質体の毛管力によりインク吐出ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。なお、実施形態では、インク吐出ヘッド102が色ごとに設けられている場合を例としているが、各色のインクを吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
キャリッジ101は、後方側(用紙搬送方向下流側)が主ガイドロッド107に摺動可能に装着され、前方側(用紙搬送方向上流側)が従ガイドロッド108に摺動可能に装着されている。そして、キャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109で回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112が架け渡されている。タイミングベルト112とキャリッジ101とは固定されており、主走査モータ109の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
一方、給紙カセットにセットされた用紙をインク吐出ヘッド102の下方側に搬送するために、給紙カセット104から用紙Pを分離給装する給紙ローラ113及びフリクションパッド114と、用紙Pを案内するガイド部材115と、給紙された用紙Pを反転させて搬送する搬送ローラ116と、この搬送ローラ116の周面に押し付けられる搬送コロ117及び搬送ローラ116からの用紙Pの送り出し角度を規定する先端コロ118とが設けられている。搬送ローラ116は図示しない副走査モータによってギヤ列を介して回転駆動される。
キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された用紙Pをインク吐出ヘッド102の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材119が設けられている。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120、拍車121が設けられ、更に用紙Pを排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ122及び拍車123と、排紙経路を形成するガイド部材124、125とが配置されている。
そして、用紙Pへの画像形成時には、インクジェットプリンタ1のコントローラが、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じてインク吐出ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙Pにインクを吐出して1走査分を画像形成し、用紙Pを所定量搬送後次の行の画像形成を行う。画像形成終了信号または、用紙Pの後端が画像形成領域に到達した信号を受けることにより、画像形成動作を終了させ用紙Pを排紙する。
インク吐出ヘッド102は、上述したように複数設けられたノズルをそれぞれ駆動するための駆動素子として圧電素子を含む。即ち、インクジェットプリンタ1においては、複数のノズルそれぞれからインクを吐出させるための吐出力を生じさせるアクチュエータ素子として圧電素子が用いられる。この圧電素子に所定の駆動波形を印加することで、それぞれのノズルからインクが吐出される。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の画像形成領域を外れた位置には、インク吐出ヘッド102の吐出不良を回復するための維持回復装置126が配置されている。維持回復装置126はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は、印字待機中においてこの維持回復装置126側に移動されてキャッピング手段でインク吐出ヘッド102をキャッピングされる。これにより、吐出口部が湿潤状態に保たれ、インク乾燥による吐出不良が防止される。
また、インク吐出ヘッド102は、画像形成途中等において画像形成と関係しないインクを維持回復装置126に吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
詳細には、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段がインク吐出ヘッド102の吐出口(ノズル)を密封し、吸引手段がチューブを通して吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
<インクジェットプリンタ1のハードウェア構成例>
次に、インクジェットプリンタ1のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。図2は、インクジェットプリンタ1のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図2に示すように、インクジェットプリンタ1は、コントローラ200と、キャリッジ101と、主走査モータ109と、センサ群133と、副走査モータ134と、搬送ベルト135と、維持回復モータ136と、帯電ローラ137と、操作パネル138とを備えている。なお、以降、図1に示した構成と同一の構成には図1と同一の符号が付されている。
操作パネル138は、インクジェットプリンタ1に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作部及び表示部として機能するユーザインタフェースである。キャリッジ101は、インクを吐出するインク吐出ヘッド102及びインク吐出ヘッド102を駆動するヘッドドライバ131が搭載されている。搬送ベルト135によって搬送される用紙に対して、用紙の搬送方向である副走査方向と直角な方向である主走査方向に動かされながら、用紙の前面に対してインクを吐出して画像形成を行う。
主走査モータ109は、キャリッジ101を主走査方向に動かすための動力を供給するモータである。副走査モータ134は、画像の出力対象である用紙を搬送する搬送ベルト135に動力を供給するモータである。維持回復モータ136は、維持回復装置126を駆動するモータである。
センサ群133は、インクジェットプリンタ1における様々な情報を検知する各種センサである。例えば、主走査モータ109及び副走査モータ134の回転を検知するための回転検知センサ、用紙の位置を検知するための光学センサ、装置内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検知するインターロックスイッチ等が挙げられる。帯電ローラ137は、搬送ベルト135を帯電させることにより、画像の出力対象である用紙を搬送ベルト135に吸着させるための静電力を発生させる。
コントローラ200は、インクジェットプリンタ1の動作を制御する制御部である。図2に示すように、コントローラ200は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、NVRAM(Non Volatile RAM)14とを備えている。また、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)15と、ホストI/F(Interface)16と、印刷制御基板17と、モータ駆動回路18と、ACバイアス供給回路19と、I/O(Input/Output)20とを備えている。
CPU11はプロセッサであり、コントローラ200各部の動作を制御する。ROM12は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。RAM13は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU11が情報を処理する際の作業領域として用いられる。NVRAM14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、制御プログラムや制御用のパラメータが格納される。
ASIC15は、画像形成出力に際して必要な画像処理を実行するハードウェア回路である。ホストI/F16は、PC(Personal Computer)等のホスト装置から形成対象の画像データを受信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。I/O20は、センサ群133からの検出信号をコントローラ200に入力するためのポートである。
印刷制御基板17は、キャリッジ101に含まれるインク吐出ヘッド102を駆動制御するための画像データ処理部、駆動波形を生成するアンプ等を含んで構成されている。なお、これらの構成については、別途、図5を用いて詳述する。
印刷制御基板17は、上述した画像データをシリアルデータでインク吐出ヘッド102のヘッドドライバ131に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定等に必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)等をヘッドドライバ131に出力する。
また、印刷制御基板17は、1つの駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形をヘッドドライバ131に対して出力する。
モータ駆動回路18は、主走査モータ109及び副走査モータ134を駆動する電気回路である。ACバイアス供給回路19は、帯電ローラ137にACバイアスを供給する電気回路である。
PC等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読取装置、デジタルカメラ等の撮像装置といったホスト側からの画像データは、コントローラ200においてホストI/F16に入力され、ホストI/F16内の受信バッファに格納される。
CPU11は、RAM13にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ホストI/F16に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC15を制御して必要な画像処理、データの並び替え処理等を行なう。
その後、CPU11は、印刷制御基板17を制御することで、ASIC15において処理された画像データを、ヘッドドライバ131に転送する。
ヘッドドライバ131は、シリアルに入力される1行分の画像データに基づき、印刷制御基板17から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を、インク吐出ヘッド102からインクを吐出させるためのエネルギーを発生する圧電素子161に対して選択的に印加することでインク吐出ヘッド102を駆動させる。
このとき、ヘッドドライバ131は、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
<インク吐出ヘッド102の構成例>
ここで、キャリッジ101におけるインク吐出ヘッド102の構成について、図3を参照して説明する。図3は、キャリッジ101におけるインク吐出ヘッド102の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、キャリッジ101には、インク吐出ヘッド102として、CMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)のそれぞれの色毎に、インク吐出ヘッド102K,102C,102M,102Yが搭載されている。
図4(a)は、図3の切断線AA´における断面図であり、図4(b)は、図3の切断線BB´における断面図である。図4に示すように、インク吐出ヘッド102は、単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板151と、この流路板151の下面に接合したニッケル電鋳で形成した振動板152と、流路板151の上面に接合したノズル板153とを接合して積層している。これらによってインクを吐出するノズル154が連通する流路であるノズル連通路155及び圧力発生室である液室156、液室156に流体抵抗部(供給路)157を通じてインクを供給するための共通液室158に連通するインク供給口159等を形成している。
また、振動板152を変形させて液室156内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列の積層型の圧電素子161と、この圧電素子161を接合固定するベース基板162とを備えている。なお、圧電素子161の間には支柱部163を設けている。この支柱部163は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子161と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
さらに、圧電素子161には図示しない駆動ICを搭載したFPC(Flexible Printed Circuit)ケーブル164が接続されている。そして、振動板152の周縁部をフレーム部材165に接合し、このフレーム部材165には、圧電素子161及びベース基板162等で構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部166及び共通液室158となる凹部、この共通液室158に外部からインクを供給するためのインク供給穴167を形成している。
ノズル板153は各液室156に対応して直径10~30μmのノズル154を形成し、流路板151に接着接合している。このノズル板153は、金属部材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
圧電素子161は、圧電材料168と内部電極169とを交互に積層した積層型圧電素子であり、ここではPZT(PbZrO3-PbTiO3)素子である。この圧電素子161の交互に異なる端面に引き出された各内部電極169には個別電極170及び共通電極171が接続されている。なお、この実施形態では、圧電素子161の圧電方向として、図面上方への変位を用いて液室156内インクを加圧する構成としている。また、1つのベース基板162に1列の圧電素子161が設けられる構造とすることもできる。
このように構成したインク吐出ヘッド102では、圧電素子161に印加する電圧を基準電位から下げることで圧電素子161が収縮する。そして、振動板152が下降して液室156の容積が膨張することで、液室156内にインクが流入する。その後、圧電素子161に印加する電圧を上げて圧電素子161を積層方向に伸長させ、振動板152をノズル154方向に変形させて液室156の容積/体積を収縮させることで、液室156内のインクが加圧され、ノズル154からインクが吐出される。
その後、圧電素子161に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板152が初期位置に復元し、液室156が膨張して負圧が発生する。このとき、共通液室158から液室156内にインクが充填される。そこで、ノズル154のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次のインク滴吐出のための動作に移行する。
<印刷制御基板とヘッドドライバの詳細構成例>
次に、印刷制御基板17とヘッドドライバ131の構成の詳細を、図5を参照して説明する。図5は、印刷制御基板17とヘッドドライバ131のハードウェア構成例の詳細を示すブロック図である。
図5に示すように、印刷制御基板17は、アンプ180と、画像データ処理部190とを備えている。
これらのうち、アンプ180は、1印刷周期内にROM12に格納されている駆動信号のパターンデータをD/A(Digital/Analog)変換して1つの駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形を生成する。またアンプ180は、各圧電素子161の個別電極(選択電極)170に接続され、生成した駆動波形を増幅してアナログスイッチ215を介して各圧電素子161の個別電極170に供給して各圧電素子161を駆動させる。
画像データ処理部190は、形成対象の画像に応じた2ビットの印字データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0~M3を出力する電気回路である。
ここで、滴制御信号は、ヘッドドライバ131のスイッチ手段であるアナログスイッチ215の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号である。共通駆動波形の画像形成周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ131は、画像データ処理部190からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル印字データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路21とを備えている。また、階調データと滴制御信号M0~M3をデコードして結果を出力するデコーダ213と、デコーダ213のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ215が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ214とを備えている。さらに、レベルシフタ214を介して与えられるデコーダ213の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ215を備えている。
このアナログスイッチ215は、各圧電素子161の個別電極170に接続され、アンプ180からの駆動波形が入力されている。従って、シリアル転送された印字データ(階調データ)及び滴制御信号M0~M3をデコーダ213でデコードした結果に応じてアナログスイッチ215がオンされることにより、駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子161に印加される。
[第1実施形態]
<インクジェットプリンタ1の機能構成例>
次に、第1実施形態に係るインクジェットプリンタ1の機能構成について、図6を参照して説明する。図6は、インクジェットプリンタ1の機能構成の一例を説明するブロック図である。
図6に示すように、インクジェットプリンタ1は、コントローラ200と、インク吐出ヘッド102とを備えている。これらのうちコントローラ200は、滴種マップ生成部201と、制御パターン格納部202と、ヘッド駆動制御部203と、駆動ch数カウント部204と、波形グループ選択部205と、駆動波形選択部206と、アンプ180と、対応データ格納部210と、駆動波形格納部220とを備えている。
またアンプ180は第1D/A(Digital/Analog)変換部181と、第2D/A変換部182と、第1アンプ183と、第2アンプ184とを備え、対応データ格納部210は、滴種・アンプ対応データ格納部216と、滴種・波形グループ対応データ格納部217とを備えている。
滴種マップ生成部201、ヘッド駆動制御部203、駆動ch数カウント部204、波形グループ選択部205及び駆動波形選択部206のそれぞれの機能は、図2のCPU11が所定のプログラムを実行することで実現される。制御パターン格納部202、対応データ格納部210及び駆動波形格納部220は、ROM12又はNVRAM14等の記憶装置により実現される。
また、インク吐出ヘッド102は、アンプ接続制御部130を備えている。アンプ接続制御部130は図5のアナログスイッチ215を除くヘッドドライバ131が該当する。
ここで、第1アンプ183と第2アンプ184は「複数の増幅部」の一例であり、駆動ch数カウント部は「圧電素子数取得部」の一例である。また滴種マップ生成部201は「滴種決定部」の一例である。
滴種マップ生成部201は、画像データに基づいて複数のノズル154のそれぞれが吐出するインク滴(液滴)の種類を決定し、複数のノズル154と滴種とを対応付けた滴種マップを生成する。そして、生成した滴種マップを駆動ch数カウント部204に出力する。なお、滴種マップとは、1印刷周期に各ノズル154に割り振られる滴種を示す情報をいう。この滴種マップについては、図10及び図11を用いて後述する。
ここで、インク吐出ヘッド102は、複数の駆動パルスで駆動波形を構成することで、複数のインク滴の連続吐出や微駆動が可能となっている。連続吐出された複数のインク滴を用紙Pへの着弾前に合体(マージ)させることで、インク滴のサイズを大滴、中滴、小滴等のように変化させ、用紙Pに形成される画像を階調表現できる。なお、微駆動とは、振幅の小さい駆動パルスにより液室156(図4参照)を微小に収縮させ、液室156内のインクを攪拌することでインクの乾燥を抑制するための駆動をいう。
このような大滴、中滴、小滴、及び微駆動(非吐出)は上記の滴種に該当し、4種類の滴種が存在する。また、滴種は階調表現のために用いられるものであるため、形成対象となる画像データの画像領域毎での階調に応じて、複数のノズル154のそれぞれが吐出する滴種が決定される。
制御パターン格納部202は、波形グループ毎のヘッド駆動制御方法の情報を格納する。またヘッド駆動制御部203は、滴種マップ生成部201が生成した滴種マップと、後述する波形グループ選択部205により選択された波形グループと、制御パターン格納部202が格納する波形グループ毎のヘッド駆動制御方法の情報に基づいて、インク吐出ヘッド102におけるアンプ接続制御部130を制御する。
また、滴種・アンプ対応データ格納部216は、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれと滴種との対応関係を示す滴種・アンプ対応テータを格納し、滴種・波形グループ対応データ格納部217は、複数の波形グループのそれぞれと滴種との対応関係を示す滴種・波形グループテータを格納する。
また、対応データ格納部210は、滴種・アンプ対応データ格納部216と滴種・波形グループ対応データ格納部217を備えるとともに、波形グループを選択するために予め定められたルールを格納している。
駆動波形格納部220は、複数の波形グループに分類して駆動波形データを格納する。ここで、インク吐出ヘッド102では、圧電素子161は電気回路上の負荷となるため、駆動させる圧電素子161の数に伴い、負荷の数も増加する。第1アンプ183と第2アンプ184との間で、駆動させる圧電素子数(駆動ch数)に差がある場合に、負荷の偏りが生じる。
上記の波形グループは、第1アンプ183と第2アンプ184との間での負荷の偏り状態に応じて予め分類されている。また各波形グループには、それぞれ複数の駆動波形データが含まれている。
駆動ch数カウント部204は、滴種マップと、滴種・アンプ対応データとに基づき、1印刷周期毎に、第1アンプ183が駆動波形を供給して駆動させる圧電素子161の数(圧電素子数)と、第2アンプ184が駆動波形を供給して駆動させる圧電素子161の数を、それぞれカウントして取得する。そして、取得結果を波形グループ選択部205に出力する。
波形グループ選択部205は、圧電素子数の取得結果と、滴種・波形グループ対応データとに基づき、画像形成に適した波形グループを選択し、選択結果を駆動波形選択部206に出力する。
また、波形グループ選択部205は、対応データ格納部210が格納するルールに基づいて波形グループを選択する。このルールは、一例として第1アンプ183と第2アンプ184との間での負荷の偏りが第1ルールの範囲であれば第1グループの波形を選択し、第nルールの範囲であれば第nグループの波形を選択するといった選択指針を示すルールである。
駆動波形選択部206は、波形グループ選択部205による選択結果に基づき、駆動波形格納部220を参照して、選択した波形グループに含まれる駆動波形データをアンプ180に送信する。
インク吐出ヘッド102におけるアンプ接続制御部130は、ヘッド駆動制御部203から入力した制御信号に応じて、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれと複数の圧電素子161とをアナログスイッチにて接続制御する。
以上のような機能構成により、第1アンプ183と第2アンプ184のそれぞれが生成して供給する駆動波形として、電流干渉(クロストーク)を抑制するものが画像データに応じて1印刷周期毎に選択される。
換言すると、1印刷周期毎に第1アンプ183と第2アンプ184との間での駆動ch数(圧電素子数)の偏りに応じて適切な駆動波形が選択される。また、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数間の相互関係に応じて適切な駆動波形が選択される。
適切な駆動波形を選択することで、インク滴の吐出速度を維持しつつ、第1アンプ183と第2アンプ184との間での電流干渉を回避し、圧電素子の駆動回路を有効に活用して回路規模の増大を防止している。
<インクジェットプリンタ1の動作例>
次に、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。図7は、インクジェットプリンタ1の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS71において、滴種マップ生成部201は、ホスト装置等からホストI/F16を介して形成対象となる画像データを取得する。
続いて、ステップS72において、滴種マップ生成部201は、画像データに基づき、複数のノズル154のそれぞれが吐出するインク滴の種類を決定し、複数のノズル154と、決定された滴種とを対応付けた滴種マップを生成する。そして滴種マップを駆動ch数カウント部204に出力する。
続いて、ステップS73において、駆動ch数カウント部204は、対応データ格納部210から滴種・アンプ対応データと、駆動ch数(圧電素子数)をカウントする際のルールを読み込む。そして、滴種マップと、滴種・アンプ対応データとに基づき、第1アンプ183が駆動波形を供給して駆動させる圧電素子161の数と、第2アンプ184が駆動波形を供給して駆動させる圧電素子161の数を、それぞれカウントして取得し、取得結果を波形グループ選択部205に出力する。
続いて、ステップS74において、波形グループ選択部205は、圧電素子数の取得結果に基づき第1アンプ183と第2アンプ184との間での負荷の偏りを算出する。また、滴種・波形グループ対応データから画像形成に適した波形グループを選択し、選択結果を駆動波形選択部206に出力する。
続いて、ステップS75において、駆動波形選択部206は、波形グループ選択部205による選択結果に基づき、駆動波形格納部220を参照して波形グループに含まれる駆動波形データを選択し、これをアンプ180に送信する。
続いて、ステップS76において、アンプ180が供給する駆動波形に応じてインク吐出ヘッド102は用紙Pにインクを吐出し、画像形成を実行する。
このようにして、インクジェットプリンタ1は、電流干渉が抑制された適切な駆動波形によりインクを吐出して、用紙Pに画像を形成できる。
<波形グループと電流干渉低減作用との関係>
次に、波形グループと電流干渉低減作用との関係を、図8を参照して説明する。図8は、波形グループと電流干渉低減作用との関係を説明する図であり、第1~第3グループの3つの波形グループ毎での電流干渉低減作用を説明するものである。
第1アンプ183及び第2アンプ184による圧電素子の駆動では、駆動ch数と、駆動時に発生する電流量が比例する。電流量の増加に伴い、第1アンプ183と第2アンプ184が並行して圧電素子161を駆動させた際に電流干渉が発生しやすくなる。
第1アンプ183の駆動波形は、パルスP1~P3の3つのパルスのうち2つのパルスの組み合わせをマスク信号により伝達制御し、大滴と中滴を生成するものである。中滴のための駆動波形はパルスP1とパルスP2の組み合わせで構成され、大滴のための駆動波形はパルスP1とパルスP3の組み合わせで構成される。
滴種毎で、該滴種を吐出させる駆動ch数が増加した際は、各滴種のためのパルスの発生タイミングで電流が増加する。一例として、大滴を吐出させる駆動ch数が多い場合、パルスP1とパルスP3の発生タイミングで電流が増加する。
波形グループを複数用意していない比較例に係る構成では、複数のアンプのそれぞれは、例えば常に第1グループの駆動波形のみで画像形成を行う。この場合、大滴と中滴の駆動ch数が多い中で同時に小滴を吐出すると、パルスP1の発生タイミングで第2アンプによる小滴のための駆動波形が第1アンプのパルスP1で生じる電流に干渉する。この干渉により小滴のための駆動波形が歪むことで、インク滴の吐出速度が低下し、画像形成の品質が低下する場合がある。
これに対し、本実施形態では、複数の波形グループを予め用意し、上記の干渉が生じる場合には、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが供給する駆動波形を、電流干渉を抑制するものに変更可能にしている。なお、図8に示すアンプAは第1アンプ183に対応し、アンプBは第2アンプ184に対応する。
より具体的に説明する。図8の3つの波形グループでは、それぞれ第2アンプ184(アンプB)が供給する小滴のための駆動波形のタイミングが異なっている。第1グループでは、小滴のための駆動波形はパルスP1のタイミングであり、この場合、第1アンプ183の駆動による大滴と中滴の吐出時に干渉が生じる。そのため、第1アンプ183の駆動により大滴と中滴を多く吐出させていると、第2アンプ184の駆動による小滴の吐出では、インク滴の吐出速度が狙いからずれる。
一方、グループ2では、小滴のための駆動波形はパルスP2のタイミングであり、中滴の吐出時に干渉が生じる。そのため、第1アンプ183の駆動により中滴を多く吐出させていると、第2アンプ184の駆動による小滴の吐出ではインク滴の吐出速度が狙いからずれる。但し、第1アンプ183の駆動により大滴を多く吐出させている場合には、このようなずれは生じない。
またグループ3では、小滴のための駆動波形はパルスP2のタイミングであり、大滴の吐出時に干渉が生じる。そのため、第1アンプ183の駆動により大滴を多く吐出させていると、第2アンプ184の駆動による小滴の吐出ではインク滴の吐出速度が狙いからずれる。但し、第1アンプ183の駆動により中滴を多く吐出させている場合には、このようなずれは生じない。
ここで、画像形成では、画像データに応じて各滴種のインクを吐出させる駆動ch数が決まる。第1アンプ183と第2アンプ184では、異なる滴種のインク滴を吐出するため、画像データに応じて第1アンプ183及び第2アンプ184アンプのそれぞれの電流量が決まる。
そのため、画像データに基づき、駆動ch数の多い滴種を特定し、パルスの干渉が生じにくい波形グループに変更すると電流干渉の抑制に好適である。図8の例では、第2グループと第3グループでは、第2アンプ184の駆動による小滴の吐出に対し、電流干渉し得る第1アンプ183の駆動による吐出の滴種が異なっている。そのため、第1グループの駆動波形を使用する際に第1アンプ183と第2アンプ184との間で負荷が偏る場合には、波形グループを第2又は第3グループに変更することで電流干渉を抑制できる。
なお、各波形グループでは、第2アンプ184のマスクのタイミングが異なっているため、波形グループ毎にアンプ接続制御方法(アナログスイッチ開閉タイミング)を変更すると、より好適である。
制御パターン格納部202では、各波形グループのマスクのタイミングに対応したアナログスイッチ開閉タイミング(制御パターン)を格納しており、ヘッド駆動制御部203が制御パターンを読み込むことで、滴種に応じてアンプ接続制御方法を切り替えることができる。
本実施形態では第1アンプ183が中滴及び大滴を吐出させる駆動波形を生成し、第2アンプ184が小滴を吐出させる駆動波形を生成する例を示したが、これに限定されるものではない。第1アンプ183が小滴を吐出させる駆動波形を生成し、第2アンプ184が中滴及び大滴を吐出させる駆動波形を生成する場合においても、本実施形態を適用でき、また全く異なる波形の組み合わせでも、波形のタイミングが重なった場合の電流干渉に対して、本実施形態を適用できる。
以下では、処理で使用する各種データと、各機能構成部による処理の詳細を説明する。
<滴種・アンプ対応データ例>
まず、図9は、滴種・アンプ対応データ格納部216に格納される滴種・アンプ対応データの一例を示す図である。
図9に示すように、滴種・アンプ対応データは、滴種Noと、滴種と、アンプを示す情報と、カウントの有効/無効を示す情報を含んでいる。
このカウントの有効/無効を示す情報は、駆動ch数をカウントする際のルールに対応する情報である。またアンプを示す情報の「A」は第1アンプ183に対応し、「B」は第2アンプ184に対応する。
図9の例では、「非吐出」はカウントせず、「小滴」、「中滴」及び「大滴」はそれぞれカウントするというルールを規定している。また、小滴は第2アンプ184による駆動で吐出され、中滴及び大滴は第1アンプ183による駆動で吐出されることを規定している。
<滴種マップ例>
次に、図10は、負荷の偏りがない場合に滴種マップ生成部201が生成する滴種マップの一例を示す図である。
滴種Noは、図9における滴種Noに対応する。また、ノズル番号はノズルを示す情報であるが、該ノズルからインクを吐出させるための圧電素子を特定する情報でもある。図10の例では、例えばノズル番号「4」のノズル(圧電素子)では滴種No「3」に対応する中滴が吐出されることを示し、またノズル番号「6」のノズルでは滴種No「2」に対応する小滴が吐出されることを示している。
<駆動ch数カウント部204でのカウント結果例>
次に、図11は、駆動ch数カウント部204でのカウント結果の一例を示す図である。図11では、図9の滴種・アンプ対応データと図10の滴種マップとに基づき、ノズル番号毎での滴種と、ノズル番号に対応する圧電素子を駆動させるアンプと、カウントの有効/無効と、カウントが有効であるアンプとがまとめて示されている。
図11の例では、第1アンプ183による駆動で吐出される圧電素子数は「4」で、第2アンプ184による駆動で吐出される圧電素子数は「2」であり、その差|A-B|は「2」である。
ここで、差|A-B|は、第1アンプ183と第2アンプ184との間での負荷の偏りを表す情報に対応する。波形グループ選択部205は、差|A-B|が予め定められた閾値以上である場合に負荷の偏りがあると判定し、差|A-B|が該閾値以上でない場合に負荷の偏りがないと判定する。例えば閾値を「4」とすると、図11の例における差|A-B|は2であって閾値以上でないため、この場合は負荷の偏りがないと判定される。
また図11において、滴種No「2」に対応する小滴を吐出させる圧電素子数は「2」であり、滴種No「3」に対応する中滴を吐出させる圧電素子数は「4」であり、滴種No「4」に対応する大滴を吐出させる圧電素子数は「4」である。
一方、図12は、負荷の偏りがある場合の滴種マップの一例を示す図である。図12では、滴種No「2」に対応する小滴を吐出するノズル数が「2」で、滴種No「3」に対応する小滴を吐出するノズル数が「6」である。差|A-B|は「4」であり、閾値「4」以上であるため、この場合は滴種毎でのノズル数に偏りがある。
この場合の駆動ch数カウント部204によるカウント結果を、図13に示す。図13の例では、第1アンプ183による駆動で吐出される圧電素子数は「6」で、第2アンプ184による駆動で吐出される圧電素子数は「2」であり、その差|A-B|は「4」である。従って、負荷の偏り判定のための閾値「4」以上であるため、この場合は負荷の偏りがあると判定される。
<アンプ180への駆動波形データの送信処理例>
次に、アンプ180への駆動波形データの送信処理について、図14を参照して説明する。図14は、駆動波形データの送信処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS141において、滴種マップ生成部201は、ホスト装置等からホストI/F16を介して形成対象となる画像データを取得する。そして、画像データに基づき、複数のノズル154のそれぞれが吐出するインク滴の種類を決定し、複数のノズル154と滴種とを対応付けた滴種マップを生成して、これを駆動ch数カウント部204に出力する。
続いて、ステップS142において、駆動ch数カウント部204は、対応データ格納部210から滴種・アンプ対応データと、駆動ch数をカウントする際のルールを読み込む。そして、滴種マップと、滴種・アンプ対応データとに基づき、第1アンプ183が駆動させる圧電素子161の数と、第2アンプ184が駆動させる圧電素子161の数を、それぞれカウントして取得し、取得結果を波形グループ選択部205に出力する。
続いて、ステップS143において、波形グループ選択部205は、駆動ch数カウント部204による圧電素子数の取得結果に基づき、第1アンプ183と第2アンプ184との間での負荷の偏りを算出する。そして算出結果に応じて滴種・波形グループ対応データから画像形成に適した波形グループを選択して、選択結果を駆動波形選択部206に出力する。
続いて、ステップS144において、駆動波形選択部206は、波形グループ選択部205による選択結果に基づき、駆動波形格納部220を参照して波形グループに含まれる駆動波形データを選択する。この際に、駆動波形選択部206は、駆動波形格納部220に格納された複数の駆動波形グループのうち一つを選択することで、第1アンプ183と第2アンプ184のそれぞれに送信する駆動波形データを選択する。
またステップS144と並行して、ステップS145において、ヘッド駆動制御部203は、制御パターン格納部202が格納する波形グループ毎のヘッド駆動制御方法に対応する制御パターン情報を選択する。波形グループに対応した形で制御パターン格納部202に格納された制御パターンのうち一つが選択される。この制御パターンは、駆動波形に含まれるマスク信号のタイミングに対応したアナログスイッチ開閉制御のタイミング情報を含んでいる。
続いて、ステップS146において、駆動波形選択部206は、選択した駆動波形データをアンプ180に送信する。第1アンプ183及び第2アンプ184に駆動波形データを送信するタイミングと、第1アンプ183及び第2アンプ184が駆動波形データに基づき駆動波形を生成するタイミングはほぼ同じであり、第1D/A変換部181及び第2D/A変換部182によって、駆動波形データが逐次駆動波形に変換される。
またステップS146と並行して、ステップS147において、ヘッド駆動制御部203は、滴種マップ生成部201が生成した滴種マップと、波形グループ選択部205により選択された波形グループと、制御パターン格納部202が格納する波形グループ毎のヘッド駆動制御方法の情報に基づいて、インク吐出ヘッド102におけるアンプ接続制御部130を制御する。換言すると、ヘッド駆動制御部203は、圧電素子161と第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれとの接続を制御する。
ヘッド駆動制御部203は、選択された制御パターンに基づいてアンプ接続制御部130の制御を行い、アナログスイッチ開閉制御により圧電素子161とアンプ180の接続制御を行う。
このようにして、コントローラ200はアンプ180への駆動波形データを送信することができる。また、アンプ180に駆動波形データを送信するタイミングに並行してアンプ接続制御部130を制御することで、駆動波形内の所定のパルスが生成されるタイミングで、圧電素子161とアンプ180の接続制御を行い、圧電素子161に任意の形状の駆動波形を供給できる。
<波形グループの選択処理例>
次に、波形グループの選択処理について、図15を参照して説明する。図15は、波形グループの選択処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS151において、駆動ch数カウント部204は、有効アンプ選択数をカウントする。この有効アンプ選択数は、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれでカウントが有効であるノズル(圧電素子)の数である。換言すると、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれによる駆動ch数である。図15は図11の駆動ch数に対応しており、第1アンプ183の有効アンプ選択数は「4」で、第2アンプ184の有効アンプ選択数は「2」である。ここで、第1アンプ183の有効アンプ選択数をaとし、第2アンプ184の有効アンプ選択数をbとする。以降に示す図におけるa、bにおいても同様であるとする。
次に、ステップS152において、波形グループ選択部205は、a×bが1以上であるか否かを判定する。この判定は、第1アンプ183及び第2アンプ184の両方で駆動させるか否かを判定するものである。
ステップS152で、a×bが1以上であると判定された場合は(ステップS152、Yes)、ステップS153において、波形グループ選択部205は、|a-b|が4以上であるか否かを判定する。この判定は、負荷に偏りがあると判定するための閾値を「4」とし、負荷に偏りがあるか否かを判定するものである。
続いて、ステップS154において、波形グループ選択部205は、滴種No「3」(中滴)を吐出させる圧電素子数が滴種No「4」(大滴)を吐出させる圧電素子数より多いか否かを判定する。
ステップS154で滴種No「3」を吐出させる圧電素子数が滴種No「4」を吐出させる圧電素子数より多いと判定された場合は(ステップS154、Yes)、ステップS155において、波形グループ選択部205は、滴種No「3」と滴種No「2」の干渉を抑制できる第3グループを波形グループとして選択する。
一方、ステップS154で滴種No「3」を吐出させる圧電素子数が滴種No「4」を吐出させる圧電素子数より多くないと判定された場合は(ステップS154、No)、ステップS156において、波形グループ選択部205は、滴種No「4」と滴種No「2」の干渉を抑制できる第2グループを波形グループとして選択する。
また、ステップS152でa×bが1以上でないと判定された場合は(ステップS152、No)、ステップS157において、波形グループ選択部205は、単一のアンプで駆動させる場合に対応した第1グループを波形グループとして選択する。
また、ステップS153で|a-b|が4以上でないと判定された場合は(ステップS153、No)、ステップS157において、波形グループ選択部205は、第1アンプ183と第2アンプ184アンプとの間での偏りがない場合に対応した第1グループを波形グループとして選択する。
このようにして、コントローラ200は波形グループを選択することができる。ここで、a×bが1以上であるか否かの関係や、|a-b|が4以上であるか否かの関係は、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数間の相互関係の一例に対応する。
<インクジェットプリンタ1の作用効果>
圧電素子を用いたインク吐出ヘッドでは、回路上で圧電素子は負荷となるため、駆動する圧電素子の増加に従って、負荷の数も増加する。そして多くの負荷を同時に駆動する際には、大きな瞬間消費電流が生じる。
駆動波形の電流供給側を個別電極とし、その反対側を共通電極として構成したインク吐出ヘッドでは、大きな瞬間消費電流が生じた際に、共通電極側に配線抵抗等による電圧変動が生じ、電流干渉により圧電素子に印可される駆動波形が歪む場合がある。駆動波形が歪むと、インク滴を適切に吐出できず、記録媒体に形成される画像の品質が低下する。
これを解決するために共通電極側を2系統にすることで電圧変動を抑制する方法も考えられるが、この方法では、圧電素子の加工難易度が高くなったり、駆動回路の規模が増大したりする場合がある。
これに対し、本実施形態では、形成対象となる画像データに基づき、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数を取得し、この圧電素子数に基づいて、駆動波形格納部220を参照して、適切な駆動波形データを選択する。
より具体的には、駆動波形格納部220は、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数間の相互関係に対応付けて駆動波形データを格納し、この圧電素子数間の相互関係に基づき、駆動波形格納部220を参照して駆動波形データを選択する。
これにより、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数に偏りがあった場合にも、電流干渉を抑制する駆動波形データを用いて、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれで適切な駆動波形を生成し、圧電素子を駆動させることができる。
駆動波形データの選択により電流干渉を抑制するため、電流干渉抑制のために圧電素子の駆動回路の構成やレイアウトを最適化する改良等を要しない。そのため、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、電流干渉を抑制し、画質の低下を防止することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るインクジェットプリンタ1aについて説明する。
本実施形態では、複数の増幅部のそれぞれが駆動させる圧電素子数と、インク滴の吐出速度(滴吐出速度)のそれぞれに対応付けて駆動波形データを駆動波形格納部に格納し、圧電素子数及び滴吐出速度に基づき、駆動波形格納部を参照して駆動波形データを選択する。これにより、負荷の偏りが滴吐出速度に与える影響が線形でない場合においても、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、電流干渉を抑制し、画質の低下を防止する。
ここで、図16は、インクジェットプリンタ1aの機能構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、インクジェットプリンタ1aはコントローラ200aを備え、コントローラ200aは対応データ格納部210aと、アンプ180aと、波形グループ選択部205aとを備えている。
また、アンプ180aは第1アンプ183aと、第2アンプ184aとを備え、対応データ格納部210aは滴吐出速度対応格納部218と、滴種・波形グループ対応データ選択部217aとを備えている。
滴吐出速度対応格納部218は、第1アンプ183aと第2アンプ184aのうちで駆動させる圧電素子数が多い方の圧電素子数と、吐出させる滴吐出速度の情報とを対応付けた滴吐出速度対応テーブルを格納する。
滴種・波形グループ対応データ選択部217aは、複数の波形グループのそれぞれと滴種及び滴吐出速度との対応関係を示す滴種・波形グループテータを格納する。
第1アンプ183aは、入力される圧電素子数に基づいて、滴吐出速度対応格納部218を参照して滴吐出速度の情報を取得する。また第2アンプ184aは、入力される圧電素子数に基づいて、滴吐出速度対応格納部218を参照して滴吐出速度の情報を取得する。
なお、第1アンプ183aの上述したもの以外の機能は第1アンプ183と同様であり、第2アンプ184aの上述したもの以外の機能は第2アンプ184と同様である。
波形グループ選択部205aは、圧電素子数の取得結果と、滴吐出速度の情報と、滴種・波形グループ対応データとに基づき、画像形成に適した波形グループを選択し、選択結果を駆動波形選択部206に出力する。
駆動波形選択部206は、波形グループ選択部205aによる選択結果に基づき、駆動波形格納部220を参照して波形グループを選択し、選択した波形グループに含まれる駆動波形データをアンプ180aに送信する。
ここで、図17は、滴吐出速度対応格納部218が格納する滴吐出速度対応テーブルの一例を示す図である。図17に示すように、滴吐出速度対応テーブルは、第1アンプ183a及び第2アンプ184aのうちで駆動させる圧電素子数が多い方(以下、多数側アンプという)の圧電素子数と、滴吐出速度との対応関係を示すものである。駆動させる圧電素子数が多い方の圧電素子数を用いることで、負荷の大きいアンプのデータを用いて滴吐出速度を算出可能になる。
次に、図18は、本実施形態に係る駆動ch数カウント部でのカウント結果の一例を示す図である。図12の滴種マップに基づき、第1アンプ183aと第2アンプ184aのそれぞれの圧電素子数をカウントし、また該当の滴種Noを取得している。
図18の例では、第1アンプ183aが駆動させる圧電素子数が6で、その滴種Noは「3」、第2アンプ184aが駆動させる圧電素子数が2で、その滴種Noは「2」である。また、この例では第1アンプ183aの駆動させる圧電素子数が第2アンプ184aの駆動させる圧電素子数より多いため、第1アンプ183aが多数側アンプである。
多数側アンプが駆動させる圧電素子数の「6」に基づき、滴吐出速度対応格納部218を参照して滴吐出速度140(m/s)が算出される。
次に、図19は、本実施形態に係る波形グループの選択処理の一例を示すフローチャートである。なお、図19のステップS191~S192の処理は図15のステップS151~S152処理と同様であり、またステップS197~S200の処理は図15のステップS154~S157の処理と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
ステップS193において、波形グループ選択部205aは、aがbより大きいか否かを判定する。この判定は、第1アンプ183aと第2アンプ184aの何れが多数側アンプに該当するか否かを判定するものである。
ステップS193で、aがbより大きいと判定された場合は(ステップS193、Yes)、ステップS194において、第1アンプ183aは、駆動させる圧電素子数に基づき滴吐出速度対応格納部218を参照して滴吐出速度を算出する。
一方、ステップS193で、aがbより大きくないと判定された場合は(ステップS193、No)、ステップS195において、第2アンプ184aは、駆動させる圧電素子数に基づき滴吐出速度対応格納部218を参照して滴吐出速度を算出する。
続いて、ステップS196において、波形グループ選択部205aは、滴吐出速度が閾値としての145(m/s)以下であるか否かを判定する。なお、滴吐出速度が閾値を超えると滴吐出速度の低下幅が大きくなり、波形グループの変更では電流干渉の影響を抑制できなくなるため、このような判定を行っている。
ステップS196で、滴吐出速度が145(m/s)以下であると判定された場合は(ステップS196、Yes)、ステップS197に移行する。一方、滴吐出速度が145(m/s)以下でないと判定された場合は(ステップS196、No)、ステップS200に移行し、波形グループ選択部205aは、第1グループを波形グループとして選択する。
このようにして、コントローラ200は波形グループを選択することができる。
<インクジェットプリンタ1aによる作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、第1アンプ183a及び第2アンプ184aのそれぞれが駆動させる圧電素子数と、滴吐出速度とに対応付けて駆動波形データを駆動波形格納部220に格納し、圧電素子数及び滴吐出速度に基づき、駆動波形格納部220を参照して駆動波形データを選択する。これにより、負荷の偏りが滴吐出速度に与える影響が線形でない場合においても、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、電流干渉を抑制し、画質の低下を防止できる。
なお、上述したもの以外の効果は、第1実施形態で説明したものと同様である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るインクジェットプリンタ1bについて説明する。
本実施形態では、インク滴の種類に基づき圧電素子の配列方向における滴吐出密度を算出して取得し、圧電素子数及び滴吐出密度に基づき、駆動波形格納部を参照して駆動波形データを選択する。これにより、負荷の偏りによる滴吐出速度の変動に対して圧電素子の密度が影響する場合においても、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、電流干渉を抑制し、画質の低下を防止する。
図20は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1bの機能構成の一例を示すブロック図である。図20に示すように、インクジェットプリンタ1bはコントローラ200bを備え、コントローラ200bは駆動ch数カウント部204bと、滴吐出密度算出部207と、対応データ格納部210bと、波形グループ選択部205bとを備えている。
これらのうち、駆動ch数カウント部204bは、滴種マップと、滴種・アンプ対応データとに基づき、1印刷周期毎に、第1アンプ183が駆動させる圧電素子161の数と、第2アンプ184が駆動させる圧電素子161の数を、それぞれカウントして取得する。
本実施形態では、この際に、滴種マップにて有効ノズルが最も多く連続して隣接しているノズル群のみをカウントして連続有効ノズル数を取得する。駆動ch数カウント部204bは、滴吐出密度算出部207を介して、取得結果を波形グループ選択部205bに出力する。
滴吐出密度算出部207は、液滴の種類に基づき圧電素子の配列方向における滴吐出密度を算出して取得し、取得結果を波形グループ選択部205bに出力する。具体的には、滴吐出密度算出部207は、連続有効ノズル数と予め定めた閾値とを比較して滴吐出密度が閾値以上であるか否か判定し、その後、第1アンプ183が駆動させる圧電素子数と、第2アンプ184が駆動させる圧電素子数との差が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。ここで、滴吐出密度算出部207は滴吐出密度取得部の一例である。
滴吐出密度が閾値以上であり、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数の差が閾値以上である場合に、第1アンプ183と第2アンプ184との間で負荷の偏りがあると判定され、それ以外の場合には負荷の偏りがないと判定される。滴吐出密度算出部207は、判定による算出結果を波形グループ選択部205bに出力する。
波形グループ選択部205bは、圧電素子数の取得結果と、滴吐出密度算出部207により算出された滴吐出密度の情報と、滴種・波形グループ対応データとに基づき、画像形成に適した波形グループを選択し、選択結果を駆動波形選択部206に出力する。
駆動波形選択部206は、波形グループ選択部205bによる選択結果に基づき、駆動波形格納部220を参照して波形グループを選択し、選択した波形グループに含まれる駆動波形データをアンプ180に送信する。
ここで、図21は、本実施形態に係る滴種マップの一例を示す図である。図21の例では、ノズル番号「7」はカウント無効ノズルであるため、ノズル番号「1」から「6」の範囲がカウント有効ノズルとして隣接している。そのため、ノズル番号「1」から「6」の範囲の滴種Noがカウントの対象となる。
次に、図22は、本実施形態に係る駆動ch数カウント部204bでのカウント結果の一例を示す図である。図22の例では、第1アンプ183の駆動させる圧電素子数が「4」、また第2アンプ184の駆動させる圧電素子数が「2」とカウントされ、それぞれ滴種「3」、滴種「2」の滴種Noが取得されている。
また、滴種マップに基づき、滴吐出密度を算出、判定する処理を行っている。図22の例では、ノズル番号「1」~「6」までの連続する6つのノズルで、第1アンプ183及び第2アンプ184が駆動させる圧電素子数が「6」であり、第1アンプ183及び第2アンプ184のそれぞれが駆動させる圧電素子数の差は「2」である。算出式の値であるこの「2」は、閾値の「2」以上であるため、この場合は第1アンプ183と第2アンプ184との間で負荷の偏りがあると判定される。
次に、図23は、本実施形態に係る波形グループの選択処理の一例を示すフローチャートである。なお、図23のステップS235~S238の処理は図15のステップS154~S157処理と同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
まず、ステップS231において、駆動ch数カウント部204bは、連続有効ノズル数をカウントする。
次に、ステップS232において、波形グループ選択部205は、a×bが1以上であるか否かを判定する。この判定は、第1アンプ183及び第2アンプ184の両方で駆動させるか否かを判定するものである。
ステップS232で、a×bが1以上であると判定された場合は(ステップS232、Yes)、ステップS233において、滴吐出密度算出部207は、連続有効ノズル数が5以上であるか否かを判定する。この判定は、滴吐出密度が閾値以上であるか否かを判定するものである。
ステップS233で、連続有効ノズル数が5以上であると判定された場合は(ステップS233、Yes)、ステップS234において、滴吐出密度算出部207は、第1アンプ183が駆動させる圧電素子数と、第2アンプ184が駆動させる圧電素子数の差|a-b|が2以上であるか否かを判定する。この判定は、負荷に偏りがあると判定するための閾値を「2」とし、負荷に偏りがあるか否かを判定するためのものである。
ステップS234で、|a-b|が2以上であると判定された場合は(ステップS234、Yes)、処理はステップS235に移行し、ステップ235以降の処理が実行される。
一方、ステップS232で、a×bが1以上でないと判定された場合は(ステップS232、No)、波形グループ選択部205bは、単一のアンプで駆動させる場合に対応する第1グループを波形グループとして選択する。
また、ステップS233で5以上でないと判定された場合は(ステップS232、No)、波形グループ選択部205bは、滴吐出密度が低い場合に対応する第1グループを波形グループとして選択する。
また、ステップS234で|a-b|が2以上でないと判定された場合は(ステップS234、No)、波形グループ選択部205bは、第1アンプ183及び第2アンプ184の間での負荷の偏りがない場合に対応する第1グループを波形グループとして選択する。
このようにして、コントローラ200bは波形グループを選択することができる。
<インクジェットプリンタ1bによる作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、液滴の種類に基づき圧電素子の配列方向における滴吐出密度を算出して取得し、第1アンプ183a及び第2アンプ184aのそれぞれが駆動させる圧電素子数及び滴吐出密度に基づき、駆動波形格納部220を参照して駆動波形データを選択する。これにより、負荷の偏りによる滴吐出速度の変動に対して圧電素子の密度が影響する場合においても、圧電素子の駆動回路の規模を増大させることなく、電流干渉を抑制し、画質の低下を防止することができる。
なお、上述したもの以外の効果は、第1実施形態で説明したものと同様である。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
なお、上述した実施形態では、複数の増幅部として、第1アンプ183及び第2アンプ184の2つを用いる例を示したが、増幅部の個数は2つに限定されるものではない。予め、アンプが3以上の場合にも、複数のアンプのそれぞれが駆動させる圧電素子数間の相互関係と、電流干渉を抑制するための駆動波形データを含む波形グループとの関係を予め定めて格納しておくことで、本実施形態を適用可能である。
また、実施形態における「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、エマルジョン等であり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また実施形態は、画像形成方法も含む。例えば画像形成方法は、画像データに基づき複数の圧電素子を駆動させ、前記複数の圧電素子に1対1で対応する複数のノズルから記録媒体に液滴を吐出させて画像を形成する画像形成装置による画像形成方法であって、駆動波形を供給して前記複数の圧電素子を複数の増幅部により駆動させる工程と、前記画像データに基づき、前記複数の増幅部のそれぞれが駆動させる圧電素子数を取得する工程と、前記圧電素子数に対応付けて駆動波形データを駆動波形格納部に格納する工程と、前記圧電素子数に基づき、前記駆動波形格納部を参照して前記駆動波形データを選択する工程と、を行う。このような画像形成方法により、上述した画像形成装置と同様の効果を得ることができる。
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
1 インクジェットプリンタ(液体吐出装置の一例)
17 印刷制御基板
102 インク吐出ヘッド
130 アンプ接続制御部
131 ヘッドドライバ
161 圧電素子
170 個別電極
171 共通電極
180 アンプ
181 第1D/A変換部
182 第2D/A変換部
183 第1アンプ(複数の増幅部の一例)
184 第2アンプ(複数の増幅部の一例)
190 画像データ処理部
200 コントローラ
201 滴種マップ生成部(滴種決定部の一例)
202 制御パターン格納部
203 ヘッド駆動制御部
204 駆動ch数カウント部(圧電素子数取得部の一例)
205 波形グループ選択部
206 駆動波形選択部
207 滴吐出密度算出部(滴吐出密度取得部の一例)
210 対応データ格納部
216 滴種・アンプ対応データ格納部
217 滴種・波形グループ対応データ格納部
218 滴吐出速度対応格納部
215 アナログスイッチ
220 駆動波形格納部
特開2016-055549号公報

Claims (7)

  1. 複数のノズルから吐出させる液滴の大きさの種類である滴種において、互いに異なる前記滴種に対応する駆動波形データを複数の増幅部に供給し、画像データに基づいて選択した前記複数の増幅部のいずれかにより増幅させた駆動波形を複数の圧電素子に供給し、前記複数の圧電素子に応する複数のノズルから記液滴を吐出させ画像形成装置であって、
    前記滴種に応じた駆動波形のタイミングが重なることによる電流の干渉を抑制するための複数の前記駆動波形データを、圧電素子数に対応付けて格納する駆動波形格納部と、
    前記画像データに基づいて前記複数のノズルのそれぞれが吐出する前記滴種を決定する滴種決定部と、
    前記滴種決定部により決定された前記滴種と、予め定められた前記複数の増幅部のそれぞれと前記滴種との関係と、に基づいて、前記複数の増幅部を使用する前記圧電素子数を取得する圧電素子数取得部と、
    前記圧電素子数取得部により取得された前記圧電素子数に基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する駆動波形選択部と、
    を備える
    画像形成装置。
  2. 前記駆動波形選択部は、1印刷周期毎に複数の前記駆動波形データを選択する
    請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記駆動波形格納部は、前記複数の増幅部のそれぞれが駆動させる圧電素子数間の相互関係に対応付けて前記駆動波形データを格納し、
    前記駆動波形選択部は、前記複数の増幅部を使用する前記圧電素子数間の相互関係に基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する
    請求項1、又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記駆動波形格納部は、前記圧電素子数と、前記液滴の吐出速度と、に対応付けて前記駆動波形データを格納し、
    前記駆動波形選択部は、前記圧電素子数と、前記液滴の吐出速度とに基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する
    請求項1乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記複数の増幅部を使用する圧電素子数が多い方の圧電素子数と、吐出させるインク滴の吐出速度の情報とを対応付けて格納する滴吐出速度対応格納部を備え、
    前記駆動波形選択部は、前記複数の増幅部を使用する圧電素子数が多い方の圧電素子数に基づき、前記滴吐出速度対応格納部を参照して、前記液滴の吐出速度の情報を取得する
    請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記滴種に基づき前記圧電素子の配列方向における滴吐出密度を取得する滴吐出密度取得部を備え、
    前記駆動波形選択部は、前記圧電素子数と、前記滴吐出密度とに基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する
    請求項1乃至の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 複数のノズルから吐出させる液滴の大きさの種類である滴種において、互いに異なる前記滴種に対応する駆動波形データを複数の増幅部に供給し、画像データに基づいて選択した前記複数の増幅部のいずれかにより増幅させた駆動波形を複数の圧電素子に供給し、前記複数の圧電素子に応する複数のノズルから記液滴を吐出させ画像形成装置による画像形成方法であって、
    駆動波形格納部により、前記滴種に応じた駆動波形のタイミングが重なることによる電流の干渉を抑制するための複数の前記駆動波形データを、圧電素子数に対応付けて格納する工程と、
    滴種決定部により、前記画像データに基づいて前記複数のノズルのそれぞれが吐出する前記滴種を決定する工程と、
    圧電素子数取得部により、前記滴種決定部により決定された前記滴種と、予め定められた前記複数の増幅部のそれぞれと前記滴種との関係と、に基づいて、前記複数の増幅部を使用する前記圧電素子数を取得する工程と、
    駆動波形選択部により、前記圧電素子数取得部により取得された前記圧電素子数に基づき、前記駆動波形格納部を参照して複数の前記駆動波形データを選択する工程と、を行う
    画像形成方法。
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