JP2018144466A - 液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電力供給電源の電位を複数有しない場合と比較して、複数のノズルを備えた液滴吐出部の駆動条件が変動しても、電力損失が抑制された液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置を提供すること。【解決手段】複数のノズルを備え駆動信号に応じて液滴を吐出し記録媒体に画像形成する形成部に駆動信号を供給する信号供給部28と、複数の電位のいずれかを駆動信号に重畳する駆動電源として供給する電源供給部44と、記録媒体に形成する画像の画像情報に応じ、駆動信号の振幅と駆動電源の電圧との差分に応じて予め定められた画像形成で使用するノズルと複数の電位との対応関係から複数の電位のいずれかを選択する選択部42と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置に関する。
特許文献1には、液体噴射ヘッドに設けられた複数のノズルと、ノズルに対応して設けられたノズルアクチュエータと、ノズルアクチュエータに駆動信号を印加する駆動回路とを備えた液体噴射装置であって、駆動信号またはその生成段階の信号から得た参照信号に基づいて当該駆動信号への電源電圧を予め設定された波形電圧に調整する電源電圧調整回路を備えたことを特徴とする液体噴射装置が開示されている。
特許文献2には、複数のノズルのそれぞれに対応して設けられた圧力発生素子を作動させることにより、各ノズルからインク滴を吐出させるインクジェット式プリントヘッドの駆動装置において、形状の異なる複数の駆動波形信号を発生させる駆動波形信号発生手段と、階調データに基づいて各駆動波形信号のうちいずれか一つまたは複数の駆動波形信号を選択する波形選択手段と、供給された電圧を波形選択手段により選択された駆動波形信号に応じて圧力発生素子に印加する駆動手段と、選択された駆動波形信号の形状に応じて駆動手段への電圧供給を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェット式プリントヘッドの駆動装置が開示されている。
特許第5163207号公報 特許第3770451号公報
本発明は、電力供給電源の電位を複数有しない場合と比較して、複数のノズルを備えた液滴吐出部の駆動条件が変動しても、電力損失が抑制された液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液滴吐出部駆動装置は、複数のノズルを備え駆動信号に応じて液滴を吐出し記録媒体に画像形成する形成部に前記駆動信号を供給する信号供給部と、複数の電位のいずれかを前記駆動信号に重畳する駆動電源として供給する電源供給部と、前記記録媒体に形成する画像の画像情報に応じ、前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分に応じて予め定められた前記画像形成で使用するノズルと前記複数の電位との対応関係から前記複数の電位のいずれかを選択する選択部と、を含むものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記対応関係は、前記画像形成で使用するノズルの個数と前記複数の電位との対応関係であるものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記対応関係は、前記形成部の全ノズルを使用して前記画像形成を行った場合の前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分を使用して予め定められたものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記形成部の駆動状態における前記駆動電源の電位を監視する監視部をさらに含み、前記選択部は、前記監視部によって取得された前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分である第1の電位差に応じて前記対応関係を変更するものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記監視部で監視された前記駆動電源の電位を記憶させる記憶部をさらに含み、前記選択部は、前記対応関係を予め定めるに際し前記形成部の全ノズルを使用して前記画像形成を行った場合の前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分を第2の電位差として記憶部に記憶させるものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記選択部は、前記第1の電位差と前記第2の電位差との関係が予め定められた条件を充足する場合に前記対応関係を変更するものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記対応関係の変更が前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分が小さくなる方向の変更である場合の前記予め定められた条件が、前記第1の電位差の値が前記第2の電位差に予め定められた1より大きい係数を乗じた値より大きいという条件であるものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記対応関係の変更が前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分が大きくなる方向の変更である場合の前記予め定められた条件が、前記第1の電位差の値が前記第2の電位差の値より大きいという条件であるものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記選択部は、前記記録媒体に形成する画像の画像情報により、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲を越えることが予測される場合に用いる第1の対応関係と、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲内であると予測される場合に用いる第2の対応関係を切り替えて前記複数の電位のいずれかを選択するものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第1の対応関係は、前記形成部で画像形成する際に使用するノズルの数の変化数が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係であるものである。
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記ノズルの数の変化量が画像形成する画像の濃度に応じて定められるものである。
また、請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記第1の対応関係は、前記形成部で画像形成する際の前記駆動信号の振幅の変化量が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係であるものである。
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記振幅の変化量が画像形成する際に吐出される液滴の大きさに応じて定められるものである。
また、請求項14に記載の発明は、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の発明において、前記選択部は、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲内になると予測される時点で前記対応関係を前記第1の対応関係から前記第2の対応関係に切り替えるものである。
上記目的を達成するために、請求項15に記載の画像形成装置は、複数のノズルを備え駆動信号に応じて液滴を吐出し記録媒体に画像形成する形成部と、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の液滴吐出部駆動装置と、を含むものである。
請求項1および請求項15に記載の発明によれば、電力供給電源の電位を複数有しない場合と比較して、複数のノズルを備えた液滴吐出部の駆動条件が変動しても、電力損失が抑制された液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置が提供される、という効果が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、対応関係を画像形成で使用するノズルの位置と複数の電位との対応関係とする場合と比較して、より簡易に電位選択テーブルが設定される、という効果が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、対応関係を、形成部の部分的なノズルを使用して画像形成を行った場合の駆動信号の振幅と駆動電源の電圧との差分を使用して予め定める場合と比較して、電位選択テーブルが一括して設定される、という効果が得られる。
請求項4に記載の発明によれば、選択部が、測定器によって取得された第1の電位差に応じて対応関係を変更する場合と比較して、画像形成装置の稼働中においても電位選択テーブルが変更される、という効果が得られる。
請求項5に記載の発明によれば、選択部が、第2の電位差を用いないで対応関係を変更する場合と比較して、対応関係の変更において対応関係の設定時の条件が反映される、という効果が得られる。
請求項6に記載の発明によれば、選択部が、第1の電位差と第2の電位差との関係に条件を付すことなく対応関係を変更する場合と比較して、対応関係の変更における基準が統一される、という効果が得られる。
請求項7に記載の発明によれば、第1の電位差の値が第2の電位差の値より大きいという条件にする場合と比較して、より駆動信号の歪が回避される、という効果が得られる。
請求項8に記載の発明によれば、第1の電位差の値が第2の電位差に予め定められた1より大きい係数を乗じた値より大きいという条件にする場合と比較して、電位の設定における過剰なマージンが抑制される、という効果が得られる。
請求項9に記載の発明によれば、第2の対応関係のみを用いて複数の電位のいずれかを選択する場合と比較して、印字開始時の電位が不安定な場合にも電力損失が抑制される、という効果が得られる。
請求項10に記載の発明によれば、第1の対応関係を、形成部で画像形成する際の前記駆動信号の振幅の変化量が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係とする場合と比較して、駆動ノズルの数が変動して印字開始時の電位が不安定になる場合にも電力損失が抑制される、という効果が得られる。
請求項11に記載の発明によれば、ノズルの数の変化量を画像形成する画像の濃度以外に応じて定める場合と比較して、負荷の変動が簡易に予測される、という効果が得られる。
請求項12に記載の発明によれば、第1の対応関係を、形成部で画像形成する際に使用するノズルの数の変化数が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係とする場合と比較して、駆動信号の振幅が変動して印字開始時の電位が不安定になる場合にも電力損失が抑制される、という効果が得られる。
請求項13に記載の発明によれば、振幅の変化量を画像形成する際に吐出される液滴の大きさ以外に応じて定める場合と比較して、負荷の変動が簡易に予測される、という効果が得られる。
請求項14に記載の発明によれば、選択部が、複数の電位から選択された電位の振動の数が予め定められた範囲内になると予測される時点で対応関係を第1の対応関係から第2の対応関係に切り替える場合と比較して、対応関係の切り替えがより確実に行える、という効果が得られる。
実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す図である。 実施の形態に係るインクジェットヘッドの構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態に係る駆動信号制御部の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る電源制御処理(初期設定処理)の流れを示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る電源処理の最適供給電源電位の設定について説明する図である。 (a)は、第1の実施の形態に係る電源制御処理(稼働時処理)の流れを示すフローチャートである。(b)、(c)は、第1の実施の形態に係る電位選択テーブルの変更を説明する図である。 ヘッドモジュール駆動部における駆動信号の振幅と電源電位との関係を説明する図である。 第2の実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部の構成の一例を示すブロック図である。 (a)は印字開始直後の電源電位の変動を説明する図、(b)はリンギングの有無による駆動信号の違いを説明する図、(c)はリンギングの有無による駆動ノズル数の違いを説明する図である。 (a)は過渡状態における電源電位の変動を示す図、(b)はリンギングの各山のパラメータを示す図である。 第2の実施の形態に係る山<1>の供給電源電位の設定について説明する図である。 第2の実施の形態に係る山<2>、<3>、<4>の供給電源電位の設定について説明する図である。 第2の実施の形態に係る過渡時電源制御処理の稼働時処理について説明する図である。 第2の実施の形態に係る過渡時電源制御処理の初期設定処理の流れを示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る(a)は稼動時電源制御処理の流れを示すフローチャート(メインルーチン)、(b)は過渡時電源制御処理の流れを示すフローチャート、(c)は定常時電源制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をインクジェット方式の画像形成装置に適用した形態を例示して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10は、ヘッドユニット26、制御部20、給紙ロール22、および巻取ロール24を備えている。画像形成装置10は、記録媒体としての連帳紙(ロール紙)Pの表面に、必要に応じ加えて裏面に画像を形成する機能を備えている。
ヘッドユニット26は、連帳紙Pにインク滴(液滴の一例)を吐出してK(ブラック)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Kと、C(シアン)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Cと、M(マゼンタ)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Mと、Y(イエロー)色の画像を形成するインクジェットヘッド12Yとを備えている。そして、インクジェットヘッド12Kと、インクジェットヘッド12Cと、インクジェットヘッド12Mと、インクジェットヘッド12Yとは、この順番で連帳紙Pの搬送方向(図1中、符号Pの下の矢印で示された方向。以下、「用紙搬送方向」)に沿って上流側から下流側に連帳紙Pと対向するように配列されている。
なお、本実施の形態において、インクジェットヘッド12Kと、インクジェットヘッド12Cと、インクジェットヘッド12Mと、インクジェットヘッド12Yと、の並ぶ順番は一例であって、図1の順番に限定されることはない。また、以後の説明では、K、C、M、Yを区別しない場合には、符号に付しているK、C、M、Yを省略する。
給紙ロール22は、ヘッドユニット26に連帳紙Pを供給する部位であり、当該ロールに連帳紙Pが巻き付けられている。給紙ロール22は、図示しないフレーム部材に回転可能に支持されている。
巻取ロール24は、当該ロールに画像が形成された連帳紙Pを巻き取る部位である。巻取ロール24が図示しないモータから回転力を受けて回転することで、連帳紙Pが用紙搬送方向に沿って搬送されるようになっている。
制御部20は、画像形成装置10の各部を統括、制御する。また、制御部20は、後述するヘッドモジュール駆動部16を制御してヘッドモジュール14に印加する電源を制御する電源制御処理を実行する機能を有する。本実施の形態に係る制御部20は、一例として、画像形成装置10の各種プログラムを実行する図示しないCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムの実行時における展開領域となるRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。
以上のように構成された画像形成装置10は、以下のように動作する。すなわち、巻取ロール24を回転させることで、用紙搬送方向の張力が連帳紙Pに付与され、給紙ロール22から供給される連帳紙Pが用紙搬送方向に沿って搬送される。用紙搬送方向に沿って搬送される連帳紙Pは、ヘッドユニット26によって表面にインク滴が打ち込まれ、表面に画像が形成される。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るインクジェットヘッド12の構成についてより詳細に説明する。図2に示すように、インクジェットヘッド12は、複数(図2の例ではn個)のヘッドモジュール14−1、14−2、14−3、・・・、14−n(液滴吐出部。以下、総称する場合は「ヘッドモジュール14」)、ヘッドモジュール14−1、14−2、14−3、・・・、14−nの各々に接続されたn個のヘッドモジュール駆動部16−1、16−2、16−3、・・・、16−n(液滴吐出部駆動装置。以下、総称する場合は「ヘッドモジュール駆動部16」)、ヘッドモジュール駆動部16−1、16−2、16−3、・・・、16−nの各々を駆動するために供給される電源18−1、18−2、18−3、・・・、18−n(以下、総称する場合は「電源18」)を含んで構成されている。電源18−1、18−2、18−3、・・・、18−nの電圧は、各々Vp1、Vp2、Vp3、・・・、Vpnとなっている。
本実施の形態に係るヘッドモジュール14は、複数(図2の例では32個)のノズル60を備えている。ノズル60は、画像形成装置10における画像形成のためにインク滴を吐出する部位であり、本実施の形態では一例として圧電方式のノズルを用いている。本実施の形態に係るインクジェットヘッド12は、n個のヘッドモジュール14が用紙搬送方向と交差する方向に配置されて構成されている。
ヘッドモジュール駆動部16はヘッドモジュール14ごとに設けられ、ヘッドモジュール14からのインク滴の吐出において、複数のノズル60を個別に制御する機能を備えている。電源18は、ヘッドモジュール14からのインク滴吐出の制御において、ノズル60に印加する直流電圧を供給する電力供給源であり、ヘッドモジュール14ごとに設けられている。
次に図3を参照して、本実施の形態に係る駆動信号制御部28について説明する。駆動信号制御部28はヘッドモジュール駆動部16の一部を構成し、ヘッドモジュール14(図3では、可変の容量性負荷として表されている)を直接駆動する部位である。図3に示すように、駆動信号制御部28は、駆動波形生成部30、トランジスタ制御部32、パワートランジスタ34−1、34−2(以下、総称する場合は「パワートランジスタ34」)を含んで構成されている。
駆動波形生成部30は、画像形成装置10において画像を形成するための画像データに応じ、ノズル60を個別に駆動する駆動信号Sdの信号波形を生成する部位である。トランジスタ制御部32は、駆動波形生成部30からの信号に基づいてパワートランジスタ34のゲートを制御し、ヘッドモジュール14に駆動信号Sdを印加する。駆動信号Sdの最大の振幅Va(以下、「振幅Va」)は、画像データに応じて変化させる場合もあるが、本実施の形態では一定の値としている。また、駆動信号Sdは一例として周期T(周波数f=1/T)のパルス波形とされている。駆動信号Sdの周波数fは、例えば画像形成装置10における画像形成速度(印字速度)によって変えられる場合もある。
パワートランジスタ34はヘッドモジュール14を直接駆動する駆動段であり、本実施の形態では、パワートランジスタ34−1はN型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、34−2はP型MOSFETとされている。パワートランジスタ34−1、34−2の各々のゲートはトランジスタ制御部32に接続され、パワートランジスタ34−1、34−2はトランジスタ制御部32によって駆動振幅Va、駆動周波数f等の制御を受ける。
パワートランジスタ34−1のソースはグランドに接続される一方、パワートランジスタ34−2のソースは電圧がVp(電位はVs)の電源18に接続されている。パワートランジスタ34は、電源18から供給された電力により画像データに対応したノズル60を駆動してインク滴を吐出させる。複数のノズル60を備えたヘッドモジュール14は等価的に容量性の負荷として表せ、また、この等価的な容量(以下、「負荷容量」)は駆動される(吐出する)ノズル60の数、ヘッドモジュール14上の位置等によって変化する。さらに、この負荷容量はn個のヘッドモジュール14−1〜14−nの各々によって異なる場合もある。
次に図4を参照し、本実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部16について詳細に説明する。図4に示すように、ヘッドモジュール駆動部16は、ヘッドモジュール14に接続された駆動信号制御部28、供給電源44、選択スイッチ46、電源選択手段42、電位監視部40、ノズル選択手段48、および記憶手段50を含んで構成されている。駆動信号制御部28、供給電源44、選択スイッチ46、電源選択手段42、電位監視部40、ノズル選択手段48、および記憶手段50の各々は制御部20によって制御される。
供給電源44は、図3に示す電源電圧Vpを供給する電源18に相当する電源であり、本実施の形態に係る供給電源44は、複数の電源電位(図3に示す例では、4つの供給電源電位Vs1、Vs2、Vs3、Vs4。以下総称する場合は「供給電源電位Vsi」。
ただし、iは1〜4)が発生されるように構成されている。本実施の形態では、4つの供給電源電位を一例として、Vs1=−36.24V、Vs2=−37.10V、Vs3=−37.52V、Vs4=−38.03Vとしている。むろん、供給電源44が具備する供給電源電位の数、各供給電源電位の電位値はこれに限られず、例えばヘッドモジュール14におけるノズル60の数、駆動信号Sdの条件等に応じて適切な値に設定してよい。
選択スイッチ46は、供給電源44で発生する複数の電源電位のいずれかを選択して駆動信号制御部28に供給する。
電源選択手段42は、画像形成(印字)データに応じた供給電源電位Vsiが駆動信号制御部28に供給されるように、選択スイッチ46を制御する。供給電源電位Vsiを選択するための印字データの内容として、本実施の形態では一例として、印字に使用するノズル60の数を用いている。すなわち、予め設定された、ノズル60の数と供給電源電位Vsiとの対応関係を、例えばテーブルの形式で保持している。以下、このテーブルを「電位選択テーブル」という。むろん、供給電源電位Vsiを選択するための印字データの内容はこれに限られず、例えば、使用するノズル60のグループ単位でのヘッドモジュール14上における位置等を用いてもよい。
電位監視部40は、駆動信号制御部28に供給され駆動信号Sdに重畳された供給電源電位Vsiの電位変動を監視し、必要に応じ供給電源電位Vsiの波形を取得する。
ノズル選択手段48は、ヘッドモジュール14における印字データで指定されたノズル60を選択(特定)する。
記憶手段50は、電位監視部40で取得された供給電源電位Vsiの電位変動を、例えば波形の形式で記憶する。また、本実施の形態に係る記憶手段50は上述の電位選択テーブルを格納している。
ヘッドモジュール駆動部16は、駆動信号Sdの振幅Vaとの関係がより効率的になるように、印字データで駆動するノズル60が指定されるつど変化するヘッドモジュール14の負荷容量に応じて、供給電源電位Vsiの選択を変える。より具体的には、駆動信号Sdの振幅と供給電源電位Vsiの電位変動との関係から、使用するノズル60の数と供給電源電位Vsiとの対応関係、すなわち電位選択テーブルを予め定めておき、画像形成装置10による実際の印字において、使用するノズル60の数に応じて供給電源電位Vsiを切り替える。また、画像形成装置10の稼働中の予め定められた適切なタイミングにおいて供給電源電位Vsiを監視し、使用するノズル60の数と供給電源電位Vsiとの対応関係が不適切と判断した場合は電位選択テーブルの内容を変更する。
ここで、ヘッドモジュール駆動部16においては、通常、ヘッドモジュール14に駆動信号Sdを印加する最終段のパワートランジスタ34に、駆動信号Sdの振幅Vaを若干上回る電源電圧Vp(電源電位はVs)を有する電源が接続される。複数のノズル60を含むヘッドモジュール14を駆動する電力はこの電源から供給される。ヘッドモジュール14の駆動時、パワートランジスタ34への電力供給源である電源電位Vsと駆動信号Sdの振幅Vaとの差分は熱として外部へ放出され、電力ロス(損失)となる。電源電位Vsと振幅Vaとの電位差が大きい場合いは、パワートランジスタ34における電力ロスが大きくなり過剰な発熱を主ずる。一方、電源電位Vsと振幅Vaとの電位差が小さすぎる場合には、特にパワートランジスタ34に流れる電流の変化点で電源電位Vsが駆動信号Sdの振幅Va側に振り込み、駆動信号Sdの波形形状を歪ませ、結果として画像形成装置10で画像形成される画質にも影響を及ぼす。従って、パワートランジスタ34に駆動電力を供給する電源18の電源電位Vsは適切な値に調整することが望ましい。
一方、ヘッドモジュール14、あるいはヘッドモジュール14を構成する複数のノズル60の各々には固体ばらつき(個体差)がある。そのため、複数のヘッドモジュール14に同一の電源電位Vsを供給したとしても、この個体ばらつきにより、上述の電力ロスの度合い、または駆動信号Sdの波形への影響の度合いは、ノズル60ごと、あるいはヘッドモジュール14ごとに異なってくる。その結果、必要以上の電力ロスに伴う発熱を生ずるヘッドモジュール14が発生する一方、駆動信号Sdの波形に歪みを生ずるヘッドモジュール14が発生し、両者が混在した状態となることも想定される。
図8を参照して、駆動信号Sdの振幅Vaと電源電位Vsとの関係についてより詳細に説明する。図8(a)、(c)、(e)、(g)は振幅がVaの駆動信号Sdの波形、図8(b)、(d)、(f)、(h)は電源電位Vsの波形を各々示している。また、図8(i)は、32個のノズル60を有するヘッドモジュール14におけるインク滴を吐出させるノズル60の選択パターンを示している。ここで、本実施の形態では負極性の電源電圧を使用する形態を例示して説明する。従って、図8では、駆動信号Sdのロウレベルの電位を電位「−Va」で示している。なお、電源電圧は負極性に限られず、正極性の電源電圧を使用する形態としてもよい。
図8(i)の<1>は、ヘッドモジュール14においてインク滴を吐出させるノズル60として1個のノズル60が選択された場合の選択パターンを示している。図8(i)においては、選択されたノズル60を黒丸で示しており、以下この選択されたノズル60を「駆動ノズル60a」という。一方、選択されなかったノズルを白丸で示しており、以下この選択されなかったノズルを「非駆動ノズル60b」という。また、印字データを介して選択された駆動ノズル60aの数を「駆動ノズル数」という。
図8(i)の<2>は、14個の駆動ノズル60aが選択された選択パターンを示している。また、図8(i)の<3>は、<2>と同様14個の駆動ノズル60aが選択された場合の選択パターンであるが、<2>とは駆動ノズル60aの位置が異なる。ヘッドモジュール14の負荷としての等価容量、すなわち負荷容量は、一般に非駆動ノズル60bの個数に対する駆動ノズル60aの個数で異なり、駆動ノズル60aの個数が多いほど負荷容量が大きくなる。従って、図8(i)の<2>、<3>の負荷容量は<1>の負荷容量よりも大きくなる。一方、同じ個数の駆動ノズル60aが選択された場合でも、ヘッドモジュール14における駆動ノズル60aの位置によって負荷容量が異なる場合もある。
これは、個々のノズル60のヘッドモジュール駆動部16までの配線長が異なることや、負荷としてのノズル60自体に個体差があるためである。
図8(a)ないし(h)は、非駆動ノズル60bに対する駆動ノズル60aの個数、あるいはヘッドモジュール14上の位置が変化することにより負荷容量が変化した場合の、駆動信号Sdと電源電位Vsとの関係を示している。図8(a)、(b)は駆動信号Sdと電源電位Vsとの関係が理想的な場合を示している。すなわち、図8(b)に示すように0Vから測った電源電位Vsが、駆動信号Sdのロウレベルの電位−Vaを必要最小限の範囲で下回っており、電源電位Vsに変動もみられない。しかしながら、実際の駆動においては電源電位Vsは駆動信号Sdの影響で変動を生ずるので、この変動分を含む電源電位Vsの波形を監視する必要がある。
一方、図8(c)、(d)は、電源電位Vsの変動部分(以下、「リップル」)が、電位−Vaを越えて振り込んでいる例である。このような状態の場合、パワートランジスタ34に供給される電流に不足を生ずる等の要因から、駆動信号Sdの波形形状に異常が発生する(図8(c)では波形がなまる例を示している)。また、図8(e)、(f)は、電位−Vaと電源電位Vsとの差が大きい例である。この場合、電源電位Vsのリップルは駆動信号Sdの波形に影響を及ぼさないが、パワートランジスタ34での電力ロスが大きくなり、非効率的である。図8(g)、(h)は本実施の形態で目標とする例である。
この例では、リップルを含めた電源電位Vsが電位−Vaよりも必要最小限度で下回っている(電位が低くなっている)。このような状態であれば、電源電位Vsのリップルは駆動信号Sdの波形に影響を及ぼさず、しかも電力ロスが抑えられる。本実施の形態で設定目標とする、電位−Vaと電源電位Vsとの電位差は、実機を用いた実験あるいは実機をモデル化したシミュレーション等により設定してもよい。
次に、図5ないし図7を参照して、本実施の形態に係る供給電源44の制御処理である電源制御処理について説明する。図5は最初の電位選択テーブルを設定するための処理(以下、「初期設定処理」)プログラムの流れを示すフローチャートであり、図6は具体的な処理の一例を示している。初期設定処理は、画像形成装置10の起動時、あるいは予め定められた期間ごとの定期等において行われる。また、図7(a)は画像形成装置10を用いて実際に印字(画像形成)を行っている場合の処理(以下、「稼働時処理」)プログラムの流れを示すフローチャートであり、図7(b)は具体的な処理の一例を示している。本実施の形態に係る電源制御処理プログラムは、これら初期設定処理プログラムと稼働時処理プログラムとを含んで構成されている。
図5および図7(a)に示す電源制御処理プログラムは、実行開始の指示がなされると、制御部20の図示しないCPUがROM等の記憶手段から本電源制御処理プログラムを読み込み、RAM等の記憶手段に展開して実行する。なお、本実施の形態では、本電源制御処理プログラムをROM等に予め記憶させておく形態としているが、これに限られない。たとえば、本電源制御処理プログラムがコンピュータにより読み取り可能な可搬型の記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
図5を参照して、ステップS100でまず駆動条件を設定する。本実施の形態では、この駆動条件を以下のように設定する。すなわち、駆動信号Sdの振幅Va、および駆動周波数fを最大とし、ノズル60から吐出されるインク滴の大きさを最大の大きさ(大滴)とし、駆動ノズル数を総ノズル数とする。以上の条件は、ヘッドモジュール14を負荷としてみた場合に、最も大きい負荷とすることを企図したものである。以下ではこの駆動条件を、「最大駆動条件」という。むろん最大駆動条件は上記に限られず、さらに温度、湿度等の環境条件、設定の時間帯、画像形成装置10の設置場所の条件等を反映させてもよい。
次のステップS102では、供給電源44が備える供給電源電位Vsi(i=1〜4)のうち最も高い電源電位を選択するように電源選択手段42、選択スイッチ46を制御する。本実施の形態では、Vs1を選択する。
次のステップS104では、全ノズルから吐出させるようにノズル選択手段48を制御し、そのときの電源電位Vsの波形を電位監視部40によって取得する。取得した電源電位Vsの波形を記憶手段50に記憶させる。
次のステップS106では、ステップS104で取得した電源電位Vsの波形から電源電位Vsのピーク電位Vppが電位−Vaを越えたか否か判定する。当該判定が肯定判定となった場合にはステップS108に移行し、否定判定となった場合にはステップS110に移行する。
ステップS108では、供給電源電位Vsiの電源電位を1ランク下げてVsi+1とし、ステップS104に戻って全ノズル吐出、電源電位Vsの波形の取得を継続する。
一方、ステップS110では、そのときに選択されていた供給電源電位Vsiを最適供給電源電位Vsmaxとし、記憶手段50に記憶させる。この最適供給電源電位Vsmaxは、|Va|<|Vsmax|が成立し、かつ選択可能な供給電源電位Vsiのうち電位−Vaに最も近い供給電源電位である。換言すると、Vsmaxは、|Va|<|Vsmax|が成立し、かつリップルまで含めた電源電位Vsと電位−Vaとの電位差ΔVsa(図8(h)参照)が最小となる供給電源電位Vsiである。
そして、最適供給電源電位Vsmaxを用いて電位選択テーブルの仮設定を行う。本実施の形態に係る電位選択テーブルの作成は、供給電源電位Vsiの数をNとした場合に、最大駆動条件(全ノズル吐出の条件)を除く駆動ノズル数を(N−1)個に分割することを基本とするが、本仮設定はそのための前処理である。例えばノズル60の総数を300とし、供給電源電位Vsiを、図4に示すように、Vs1、Vs2、Vs3、Vs4(|Vs1|<|Vs2|<|Vs3|<|Vs4|)とし、最適供給電源電位VsmaxがVsmax=Vs4であった場合、仮設定は以下のように行う。
(1)駆動ノズル数が0個の場合(ノズル60の全てが非駆動ノズル60b)の場合の供給電源電位VsiとしてVs1を割り当てる。
(2)駆動ノズル数が1〜300である場合の供給電源電位VsiとしてVs4を割り当てる。
次のステップS112で、供給電源電位設定試験を行う。本実施の形態における供給電源電位設定試験とは、駆動ノズル数を総ノズル数以外の値(本例では150とする)としてヘッドモジュール14を駆動、吐出させ、電源電位Vsの波形を観測して電位差ΔVsaを取得する試験である。本試験は、駆動ノズル数と供給電源電位Vsiとの対応を細分化することを目的とする。
次のステップS114では、ステップS112で取得した電位差ΔVsaを用いて電位選択テーブルの作成を行う。具体的には、電位差ΔVsaについて以下に示す(式1)が成立する場合に、供給電源電位Vsiに余裕があると判断して、駆動数が1〜150の場合の供給電源電位VsiをVs4から1ランク上昇させてVs3とする。
ΔVsa>k1・|Vs4−(−Va)| ・・・ (式1)
ただし、k1は安全を見越した係数であり、本実施の形態ではk1=2としている。しかしながら、この係数k1の値は2に限られず、ヘッドモジュール駆動部16の具体的な設計条件等に応じて適切な値を設定してよい。また、係数k1は必ず設ける必要はなく具体的な設計条件等に応じて省略してもよい。
以上から、電位選択テーブルは以下のように設定される。
<電位選択テーブル1>
駆動ノズル数=0 →供給電源電位=Vs1=−36.24V
1≦駆動ノズル数≦150 →供給電源電位=Vs3=−37.52V
151≦駆動ノズル数≦300 →供給電源電位=Vs4=−38.03V
駆動ノズルを他の値に設定してさらに電位選択テーブルを細分化してもよい。例えば、駆動ノズル数を1〜149の範囲で設定し、供給電源電位Vs2に対する駆動ノズル数を設定してもよい。
次のステップS116では、ステップS114で作成した電位選択テーブルを記憶手段50に記憶させるように電源選択手段42を制御する。また、最適供給電源電位Vsmaxに対応する供給電源電位Vsiのピーク電位を最大ピーク電位Vppmとして記憶手段50に記憶させる場合もある。その後本初期設定プログラムを終了する。
図6を参照して、最適供給電源電位Vsmaxの設定について具体的に説明するとともに、電位選択テーブルの作成方法の他の例について説明する。ただし、本例では総ノズル数を1024としている。また、図6の例では、駆動信号Sdの振幅VaをVa=36V(ロウレベルの電位=−Va=−36V)としている。図6の<1>は、ステップS104の結果を示しており、供給電源電位としてVs1=−36.24Vが選択されている。
このときのリップルまで含めた供給電源電位Vs1のピーク電位をVpp1とすると、Vpp1は電位−Vaを越えている。すなわち、図6の<1>では、Vpp1>−Va(|Vpp1|<Va)となっている。
その結果ステップS106で肯定判定となり、ステップS108で供給電源電位Vsiを1ランク下げてVs2=−37.10Vとし、再度供給電源電位Vs2の波形を観測する。その結果が図6の<2>である。このときのリップルまで含めた電源電位Vsのピーク電位をVpp2とすると、Vpp2は電位−Vaを越えている。すなわち、図6の<2>でも、Vpp2>−Va(|Vpp2|<Va)となっている。
その結果ステップS106で肯定判定となり、ステップS108で供給電源電位Vsiを1ランク下げてVs3=−37.52Vとし、再度供給電源電位Vs3の波形を観測する。その結果が図6の<3>である。このときのリップルまで含めた供給電源電位Vs3のピーク電位をVpp3とすると、Vpp3は電位−Vaを下回っている。すなわち、図6の<3>では、Vpp3<−Va(|Vpp3|>Va)となっている。その結果、本例ではステップS106で否定判定となり、ステップS110でVsmax=Vs3=−37.52Vと設定される。またステップS116で、電位Vpp3を最大ピーク電位Vppmとして記憶手段50に記憶させる。
続けて駆動ノズル60aの数を例えば512個としてステップS112を実行し、以下に示す(式2)が成立したとする。
ΔVsa>k1・|Vs3−(−Va)| ・・・ (式2)
このとき、駆動ノズル数が1個〜512個の場合の供給電源電位VsiをVs3から1ランク上げてVs2とする。以上から、本例では以下のように電位選択テーブルを作成する。
<電位選択テーブル2>
駆動ノズル数=0 →供給電源電位=Vs1=−36.24V
1≦駆動ノズル数≦512 →供給電源電位=Vs2=−37.10V
513≦駆動ノズル数≦1024 →供給電源電位=Vs3=−37.52V
ここで、本例ではVsmax=Vs3でることから、供給電源電位Vs4は使用しない。なお、本例では図5のフローチャートのステップS112を実行する形態を例示して説明したが、該ステップS112を省略して駆動ノズル数が1〜512の範囲を供給電源電位Vs1とVs3との間のVs2と設定してもよい。
次に図7を参照して、本実施の形態に係る電源制御処理における稼働時処理について説明する。本稼働時処理は、画像形成装置10の稼働中において、例えば予め定められた印字データの取得回数ごとに行う。
まず、ステップS200で、印字データから当該印字で使用する駆動ノズル数を抽出するように電源選択手段42を制御する。
次のステップS202では、記憶手段50から電位選択テーブルを読み出し、ステップS200で抽出した駆動ノズル数に応じた供給電源電位Vsiを選択し、設定する。
次のステップS204では、印字を実行するように画像形成装置10を制御する。次のステップS206ではステップS204で印字した際の電源電位Vsの波形を取得するように、電位監視部40を制御する。
次のステップS208では、ステップS206で取得した電源電位Vsの波形を用いて電位選択テーブルの変更が必要か否か判定する。本判定の具体的内容については後述する。ステップS208で肯定判定となった場合にはステップS210に移行する一方、否定判定となった場合にはステップS212に移行する。
ステップS210では供給電源電位Vsiを変更し、ステップS200に戻って駆動ノズル数の取得から継続する。
ステップS212では、印字が終了したか否か判定し、当該判定が否定判定となった場合にはステップS200に戻って駆動ノズル数の取得から継続する。印字が終了したか否かの判定は、例えば印字する画像データの終了を検知して行う。一方肯定判定となった場合には本稼働時処理プログラムを終了する。
次に、図7(b)、(c)を参照して、図7(a)のステップS208における電位選択テーブルの変更について具体的に説明する。図7(b)は供給電源電位Vsiを電位的に1ランク上げる例であり、図7(c)は供給電源電位Vsiを電位的に1ランク下げる例である。また、総ノズル数は1024とし、電位選択テーブルは上記の電位選択テーブル2を用いるものとし、図7(a)のステップS200で印字データから駆動ノズル数として300個が抽出されたものとする。従って、図7(a)のステップS202で供給電源電位は、電位選択テーブル2からVs2=−37.10Vとされる。
図7(b)は、図7(a)のステップS206で取得された供給電源電位Vsiの波形を示している。本例では電源電位Vsのピーク電位がVpp4=−36.5Vとなっている。従って、現状設定されている供給電源電位Vs2=−37.10Vに対して余裕があるので、供給電源電位Vsiを上げる方向に変更したい。しかしながら、供給電源電位Vsiの電位を上げると駆動信号Sdの振幅Vaとの関係によっては波形ひずみ等を発生させる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、供給電源電位Vsiの電位を上げる方向の変更を最大ピーク電位Vppmを用いて行っている。上述したように、最大ピーク電位Vppmは最大負荷時のピーク電位であり、本例における具体的な値はVppm=−36.2Vである(図6<3>参照)。そして、駆動信号Sdのロウレベルの電位−Vaと最大ピーク電位Vppmとの電位差ΔVpaを算出する。すなわち、電位差ΔVpaは以下に示す(式3)で与えられる。
ΔVpa=|Vppm−(−Va)| ・・・ (式3)
さらに、以下に示す(式4)が成立する場合に、供給電源電位Vsiを上げる方向に変更する。
|Vpp4−(−Va)|≧k2・ΔVpa ・・・ (式4)
ただし、係数k2は安全を見越した係数であり、本実施の形態ではk2=2.5としている。しかしながら、この係数k2の値は2.5に限られず、ヘッドモジュール駆動部16の具体的な設計条件等に応じて適切な値を設定してよい。また、係数k2は必ず設ける必要はなく具体的な設計条件等に応じて省略してもよい。
図7(b)の例では、−Va=−36V、Vppm=−36.2V、Vpp4=−36.5Vであるから、ΔVpa=0.2Vとなり、(式4)の左辺は0.5V、右辺は0.5Vとなり、(式4)が成立する。従って、駆動ノズル数が300個の場合の供給電源電位Vsiを、Vs2=−37.10Vから電位的に1ランク上げ、Vs1=−36.24Vとする。その結果、電位選択テーブル2は以下に示す電位選択テーブル3に変更される。
<電位選択テーブル3>
0≦駆動ノズル数≦300 →供給電源電位=Vs1=−36.24V
301≦駆動ノズル数≦512 →供給電源電位=Vs2=−37.10V
513≦駆動ノズル数≦1024 →供給電源電位=Vs3=−37.52V
次に図7(c)を参照して、供給電源電位Vsiを電位的に1ランク下げる例についてする。図7(c)に示す例は図7(b)での供給電源電位Vsiの変更が実行された後の例であり、従って駆動ノズル数が300個の場合の供給電源電位VsiはVs1=−36.24Vとなっている。
図7(c)は、図7(a)のステップS206で取得された電源電位Vsの波形を示している。本例では電源電位Vsのピーク電位がVpp5=−36.15Vとなっている。
このピーク電位Vpp5=−36.15Vは、電位−Va=−36Vより下回ってはいるが、余裕がない。そこで、供給電源電位Vsiの電位を下げる方向に変更するが、本実施の形態では以下に示す(式5)が成立した場合に変更することとしている。
|Vpp5−(−Va)|<Δpa ・・・ (式5)
本例では、上記のようにΔpa=0.2Vであり、(式5)の左辺は0.15Vであり、(式5)が成立しているので、駆動ノズル数が300個の場合の供給電源電位Vsiを、Vs1=−36.24Vから電位的に1ランク下げ、Vs2=−37.10Vとする。
なお、(式5)においては(式4)における係数k2のような係数を設けていないが、これは供給電源電位Vsiを下げる方向では駆動信号Sdの波形ひずみの影響は少ないと考えられるためである。また、上記の条件にすることにより、供給電源電位Vsiの設定における過剰なマージンが抑制される。
その結果、電位選択テーブル3は以下に示す電位選択テーブル4に変更される。
<電位選択テーブル4>
駆動ノズル数=0 →供給電源電位=Vs1=−36.24V
1≦駆動ノズル数≦512 →供給電源電位=Vs2=−37.10V
513≦駆動ノズル数≦1024 →供給電源電位=Vs3=−37.52V
すなわち、電位選択テーブルは電位選択テーブル2に戻る。
以上のような電位選択テーブルの変化の要因としては、例えば画像形成装置10で選択される印字速度の変更、画像形成装置10の周囲温度等の外部環境の変化等が挙げられる。
[第2の実施の形態]
図9から図16を参照して、本実施の形態に係る液滴吐出部駆動装置、および画像形成装置について説明する。本実施の形態は、上記実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部が、供給電源の電位が定常状態にある場合の電源制御機能を備えていたのに対し、本実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部は、さらに供給電源の電位が過渡状態にある場合の電源制御機能を備えている点が異なる。従って、上記実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部と同様の構成には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部16Aは、ヘッドモジュール14に接続された駆動信号制御部28、供給電源44A、選択スイッチ46A、電源選択手段42、電位監視部40、ノズル選択手段48、および記憶手段50Aを含んで構成されている。駆動信号制御部28、供給電源44A、選択スイッチ46A、電源選択手段42、電位監視部40、ノズル選択手段48、および記憶手段50Aの各々は制御部20によって制御される。
本実施の形態に係る供給電源44Aは、供給電源44に対しさらに広い電位の範囲について、さらに細かいステップで設定されるように構成されている。本実施の形態では、供給電源44Aの出力電位が、選択スイッチ46Aによって、−40Vから−32Vの間を1Vステップで設定されるように、すなわち、−32V、−33V、−34V、−35V、−36V、−37V、−38V、−39V、−40Vに設定されるように構成されている。供給電源44Aのこれらの電位は、上記実施の形態に係る定常状態における電位設定、および本実施の形態に係る過渡状態における電位設定に共通に用いられる。
本実施の形態に係る記憶手段50Aは、定常設定記憶部54と過渡設定記憶部56、および記憶部選択手段52を含んで構成されている。定常設定記憶部54は、基本的に上記実施の形態に係る電位選択テーブル(以下、「定常テーブル」)を記憶させる記憶手段である。過渡設定記憶部56は、後述の電源電位が過渡状態にある場合の供給電源44Aの電位選択テーブル(以下、「過渡テーブル」)を記憶させる手段である。また、記憶部選択手段52は、定常設定記憶部54と過渡設定記憶部56との読み出しを切り替え、定常テーブルと過渡テーブルとを切り替える部位である。
ところで、上記実施の形態では、ヘッドモジュール14の駆動条件が変動した場合において、波形歪みおよび電力損失の観点から直流電圧の電位を最適化していた。つまり、上記実施の形態では、供給電源44について、印字が開始された後電源電位が安定した定常状態を想定していた。より具体的には、定常状態における供給電源44の電位は、駆動信号の変化点に伴ってリップルが発生するので、このリップルに対して動的に電源電位を変化させていた。
しかしながら、印字開始直後の電源電位においては、個々のヘッドモジュール14に固有の周期の減衰振動(リンギング)が発生する場合がある。これは供給電源に対してヘッドモジュール14自体とヘッドモジュール14に含まれるノズル60が容量性負荷となっていることに起因する。電源電位にリンギングが発生するとリンギングの山側の電位が駆動信号Sdに近づき、駆動波形がさらに歪みやすくなる。このリンギングを抑制するために、ヘッドモジュール駆動部16Aでは、供給電源44Aの電源経路上にコンデンサCsを接続している。しかしながら、コンデンサCsを設けても、配置スペース等の関係からコンデンサCsの容量の大きさにも制限があり、供給電源44Aの出力電位におけるリンギングを完全に抑えることは一般に困難である。
そこで、ヘッドモジュール駆動部16Aは、負荷が変動する際のリンギングを含む過渡的な波形を考慮して供給電源の電位を選択することとした。すなわちヘッドモジュール駆動部16Aでは、駆動ノズル60aの数とリンギングの振幅に応じて駆動信号Sdの歪み、および電力損失が抑制される供給電源44Aの電源電位Vsを選択している。このことにより、複数段のノズルを備えた液滴吐出部の駆動において、負荷変動に起因して供給電源電位に過渡的な変動が発生した場合でも電力損失が抑制される。なお、供給電源44Aの出力電位におけるリンギングのピーク値は、駆動ノズル60aの数、コンデンサCsの容量値、駆動信号Sdの振幅に依存する。一方、リンギングの周期(周波数)は、ヘッドモジュール駆動部16Aを構成する回路ごとに固有の値となり、駆動条件(駆動ノズル60aの数、駆動信号Sdの振幅)によって変化することはない。
図10を参照して、電源電位の過渡状態についてより詳細に説明する。図10(a)は時刻t0で印字を開始した場合の供給電源44Aの電源電位Vsの変化を示している。図10(a)に示すように、電源電位Vsは時刻t0で印字を開始した直後から振動が始り、時刻t1でこの振動が収束している。本実施の形態では、この時刻t0からt1の区間の電源電位の状態を過渡状態といい、時刻t1以降の電源電位の状態を定常状態という。
この過渡状態における電源電位Vsの振動が本実施の形態でいうリンギングである。本実施の形態ではリンギングの上に凸の部分を「山」といい、山のピーク電位を「ピーク値PK」という。図10(a)に例示するリンギングは3つの山を有し、各々の山のピーク値はPK1、PK2、PK3となっている。過渡状態におけるリンギングのように電源電位Vsが変動する状態では供給電源電位Vsiを設定した所望値に維持することが困難であり、そのためリンギングの山に応じて時刻ごとに電源電位Vsの値が異なる。なお、本実施の形態でいう「印字開始」とは、例えば文字画像からベタ画像を印字する場合のように印字の濃度が急激に大きくなり、駆動ノズル数が予め定められた閾値を越えて増加するタイミング、あるいはノズルから吐出される液滴の大きさに応じて駆動信号Sdの振幅が予め定められた閾値を越えて変化する場合等を想定している。
上記実施の形態に係る電位選択テーブル(定常テーブル)で設定した電源電位Vsにおいてリンギングが発生した場合を考える。たとえば、ヘッドモジュール14のノズル数を1024個とし、電位選択テーブルが電位選択テーブル2の状態にあるとする。また、図10(a)に示すピーク値PK1と定常状態における電位(以下、「定常電位Vss」)との差分が1V程度であったとする。なお、以下では、ピーク値PKi(i=1、2・・・、総称する場合は「ピーク値PK」)と定常電位Vssとの差分を「振り込み量Δri」という。すなわち、図10(a)に示す最初の山では、振込み量Δr1=1Vである。
以上の条件下で、1024個のノズル60(全ノズル)が選択され、つまり電源電位VsとしてVs=−37.52Vが選択され、印字が開始されたものとする。図10(b)の[1]はリンギングが発生していない状態における駆動信号(振幅Va=36V)Sdと、電源電位Vsの波形を示している。同図に示すようにリップルのピーク電位は−36.2Vで駆動信号Sdの振幅より0.2V程度低い値となっており、駆動信号Sdの歪み抑制、電力損失抑制の観点から理想的な値となっている。しかしながら、図10(a)に示すようなリンギングが発生している状態では、たとえばピーク値PK1の部分では、リップルのピーク値が振り込み量Δr1分だけ上昇して−35.2Vとなり、駆動信号Sdの振幅を越えるので、図10(b)[2]に示すように駆動信号Sdの波形に歪みが発生する。
換言すると、リンギングが発生する過渡状態においては、駆動信号Sdに歪みを発生させることなく駆動可能なノズル60の数が減少するということである。つまり、リンギングが発生しない場合(定常状態)に駆動可能なノズル数が、例えば図10(c)に示すノズル領域SNのノズル数であった場合、リンギングが発生すると(過渡状態)、ノズル領域SNよりノズル数が少ないノズル領域TNのノズル数となる。つまり、印字開始直後は、電源電位Vsの揺れにより定常状態より電源電位Vsが上昇してしまうため、波形ひずみ、電力損失を抑制しつつ駆動可能なノズル数が減少する。
上記リンギングの発生に備え、本実施の形態に係るヘッドモジュール駆動部16Aは以下の構成を採用している。
(構成1)印字開始直後のリンギングの発生する過渡状態の供給電源44Aの電位設定に関し、定常状態用の定常テーブルとは別のテーブル(過渡テーブル)を準備する。
(構成2)リンギングの山の数、および振り込み量Δrはあらかじめ測定し、記憶手段50Aの過渡設定記憶部56に記憶させておく。
(構成3)供給電源44Aの電源電位の最小値(本実施の形態では、負電位を例示して説明する)として、最大負荷駆動時(駆動信号Sd:最大振幅、および駆動ノズル数:全数)において、印字開始直後の電源電位Vsの最大変動時(ピーク値PKの最大値)に適用可能な値を設定しておく。
(構成4)過渡テーブルは、駆動信号Sdの波形との差分が小さくなる方向の電源電位Vsの変動に対して適用する。
ただし、(4)は一例であって、必要に応じ駆動信号Sdの波形との差分が大きくなる方向の電源電位Vsの変動に対して適用することを妨げない。
図11から図13を参照して、過渡状態における供給電源44Aの電源電位Vsの選択手順である電源制御処理(過渡時電源制御処理)の初期設定処理について説明する。
本実施の形態に係る過渡時電源制御処理では、まず供給電源44Aの電源電位Vsを予め定められた電源電位Vsに設定し、印字開始直後から定常状態に移行するまでのリンギングを含む電源電位Vsの波形を、電位監視部40によって観測する。この際、駆動信号Sdの振幅を最大とし(吐出させる液滴の大きさを最大とし)、駆動するノズル60の数を全ノズルとする。つまり、負荷が最大となるように設定する。本例では、駆動信号Sdの振幅を36V、駆動ノズル60aの数を1024個とする。最初に設定する電源電位Vsの電圧値に特に制限はないが、本実施の形態では供給電源44Aの最低電位である−40Vとしている。従って、定常電位Vssも−40Vとなる。
図11(a)の[1]は、印字開始直後の電源電位Vsの波形の一例を示している。図11(a)に示すように、印字開始直後の電源電位Vsは、定常電位Vss=−40Vを中心として減衰振動し、山として山<1>、<2>、<3>、<4>が発生している。図11(a)に示す波形から、以下のパラメータを算出する。
(1)山の数
(2)各山のピーク値PK(PK1〜PK4)
(3)各山の振り込み量Δr
図11(a)の[1]に示す例では山の数は4であり、各々の山におけるピーク値PKと振り込み量Δrは図11(b)にようになっている。なお、図10(a)に示す過渡状態と定常状態との切り替え点(すなわち、時刻t1)は、例えばリンギングを含む電源電位Vsが、定常電位Vssを中心として予め定められた範囲内となった時点とする。ただし、これに限られず、例えばリンギングの山の数が予め定められた個数となった時点等としてもよい。
次に、各山に対して最適な電源電位Vs(供給電源電位Vsj)を設定する。この最適な供給電源電位Vsjの設定について図11(a)の[2]を参照し、山<1>を例にとって説明する。図11(a)の[2]は、[1]に示す山<1>を拡大して図示したものである。図11(a)の[2]に示すように、本例では、山<1>の周期(リンギングの1/2の周期)が駆動信号Sdの周期の8倍の周期となっている。この駆動信号Sdの8個分の期間(本例では、一例として100μs(マイクロ秒)程度)は、駆動信号Sdの振幅や駆動ノズル60aの数によってほとんど変化しない。
図11(a)の[2]では山<1>の周期内の駆動信号Sdを、時間的に早い順に円で囲んだ数字で表している。以下、図11(a)の[2]に示す円で囲んだ数字を《1》のように表記する。つまり、図11(a)の[2]には、時間的に早い順に符合《1》、《2》、《3》、《4》、《5》、《6》、《7》、《8》の付された駆動信号Sdが示されている。上記から、他の山<2>、<3>、<4>の周期についても駆動信号Sd8個分の周期となっている。
図11(a)の[2]に示すように、電源電位Vsの波形にはさらに上記実施の形態で説明した、駆動信号Sdの変化点において発生するリップルRipが乗っている。山<1>のピーク値PK1はこのリップルRipを含むピーク値である。本例では山<1>のピーク値PK1が最も駆動信号Sdに近づく。ピーク値PK1は図11(b)より−38.6Vであるから定常電位Vss−40Vからの上昇分は1.4Vであり、この1.4Vがすなわち振り込み量Δr1となっている。
次に、図12を参照して、山<1>に対する供給電源電位Vsjの設定についてより具体的に説明する。図12は、山<1>の波形を供給電源44Aの設定電位を変えて図示したものである。(a)に示す波形は設定電位を−37Vとし、(b)に示す波形は設定電位を−38Vとし、(c)に示す波形は設定電位を−39Vとし、(d)に示す波形は設定電位を−40Vとした場合の波形である。すなわち、(d)に示す波形は、図11(a)の[2]に示す波形と同じ波形である。
図12から、電源電位Vsを(a)に示す−37Vとすると駆動信号Sdまで振り込んでしまい、電源電位Vsを(c)に示す−39Vに設定すると、マージンが大きすぎて電力損失が発生する懸念があることがわかる。従って、山<1>における供給電源電位Vsjは(b)に示す−38Vに設定するのが適切であることがわかる。なお、パワートランジスタ34−1、34−2の前段(例えば、トランジスタ制御部32、図3参照)にオペアンプによる増幅回路やフォロワー回路等を構成している場合には、それらの回路の安定動作のために駆動信号Sdの振幅からさらにマージン(例えば、1V程度)が必要となる場合もある。この場合には電源電位Vsとして、(c)に示す−39Vを設定してもよい。
ここで、上記の例では1Vステップの電源電位から供給電源電位Vsjを選択する形態を例示して説明したが、これに限られず、例えば供給電源44Aとして出力電圧可変電源を用い、図11(b)に示す振り込み量Δrから電源電位Vsを作り込んでもよい。すなわち、例えば図11(b)によると山<1>の振り込み量Δr1は1.4Vであるから、駆動信号Sdの振幅36Vを勘案して、電源電位Vsが以下の(式6)に示す−37.6Vとなるように供給電源44Aを設定する。
Vs=−36−1.4−0.2=−37.6V ・・・ (式6)
ここで、(式6)の0.2Vは、駆動信号Sdの最低電位−36Vに対する電源電位Vsのピーク値PKのマージンである。また、上記の回路マージン1Vを加味する場合は、電源電位Vsが−38.6となるように供給電源44Aを設定すればよい。
図13を参照して、他の山<2>、<3>、<4>の供給電源電位Vsjの設定について説明する。山<2>、<3>、<4>の供給電源電位Vsjの設定も、基本的に上述した山<1>に対する供給電源電位Vsjの設定と同様に行えばよい。図13は、電源電位Vsを変えた場合の各山の波形を示している(上から順番に、山<1>、<2>、<3>、<4>の波形)。上述の結果課から、山<1>に対する電源電位Vsは−38Vに設定された。山<2>については、図11(b)から振り込み量Δr2が1.1V(>1V)であることから、供給電源電位Vsjを山<1>と同じ−38Vに設定する。
一方、山<3>と山<4>については、振り込み量Δrが各々Δr3=0.7V、Δr4=0.4V(図11(b)参照)と1V未満であることから、設定電位を1段階(1V)上げ、供給電源電位Vsjを−37Vに設定する。つまり、山<3>と山<4>は、図13に示すように、電源電位Vsを−38Vに設定した波形Waから電源電位Vsを−37Vに設定した波形Wbに上げられる。
以上から、過渡テーブルは以下のように設定される。
<過渡テーブル1>
山<1> → 供給電源電位Vsj=−38V
山<2> → 供給電源電位Vsj=−38V
山<3> → 供給電源電位Vsj=−37V
山<4> → 供給電源電位Vsj=−37V
以上が、過渡時電源制御処理の初期設定処理の基本的な流れであるが、供給電源電位Vsjの設定をさらに細分化してもよい。細分化の方法として、駆動ノズル60aの数による方法(細分化方法1)と、山のすそにおける設定電位の緩和による方法(細分化方法2)がある。以下、各々の方法について説明する。
(細分化方法1)
上記実施の形態と同様の考え方で駆動ノズル数によって供給電源電位Vsjを細分化する。本例では山<1>に対する細分化を例示して説明する。駆動ノズル数が0の場合、定常電位Vssからの変動分はほとんどない(リンギングはほとんど発生しない)。そこで、山<1>に対する供給電源電位Vsjを以下のように細分化し、過渡テーブル1に対する補正テーブルとする。
<山<1>補正テーブル1>
0≦駆動ノズル数≦512 → 供給電源電位Vsj=−37V
513≦駆動ノズル数≦1024 → 供給電源電位Vsj=−38V
すなわち、駆動ノズル数が512以下の場合の供給電源電位Vsjが1V上げられる。
なお、供給電源電位Vsjを切り替えるノズル数を512としたのは、供給電源44Aに対する負荷が駆動ノズル60aの個数で決まるため、最大負荷の1/2程度の負荷を想定したものである。
(細分化方法2)
再び図12を参照し、各山におけるリップルRipの影響を検討すると、各駆動信号《1》〜《8》のタイミングによって駆動信号Sdに対する電位差が異なることがわかる。つまり、例えば各山のピークに位置する駆動信号《4》、《5》のタイミングでは駆動信号Sdまで振り込んでいても、各山のすそに位置する駆動信号《1》、《8》のタイミングでは振り込んでいない場合がある。
例えば、山<1>の場合、図12から、駆動信号《1》、《8》のタイミングでは、必ずしも供給電源電位Vsjを−38Vとする必要はなく、−37Vでもよいことがわかる。そこで山<1>に対する供給電源電位Vsjを以下のように細分化し、以下の補正テーブルを作成する。
<山<1>補正テーブル2>
駆動信号《1》、《8》のタイミング → 供給電源電位Vsj=−37V
駆動信号《2》〜《7》のタイミング → 供給電源電位Vsj=−38V
この場合、駆動信号《1》、《8》のタイミングでは、細分化方法1による細分化を行わないようにしてもよい。
山<2>について検討すると、図13に示す山<2>の波形から、駆動信号《1》、《2》、《7》、《8》のタイミングで−37Vを下回っているので、供給電源電位Vsjを−37Vとしてもよいことがわかる。そこで、上記山<1>に対する緩和に山<2>に対する緩和も加えて以下の補正テーブルを作成する。
<山<2>補正テーブル3>
駆動信号《1》、《2》、《7》、《8》のタイミング → 供給電源電位Vsj=−37V
駆動信号《3》〜《6》のタイミング → 供給電源電位Vsj=−38V
一方、山<3>、<4>に対する供給電源電位Vsjは−37Vで変更はない。
次に、図14を参照して、過渡時電源制御処理の稼働時処理について説明する。過渡時電源制御処理の稼働時処理とは、画像形成装置10の稼働時において電位監視部40により電源電位Vsの波形を観測し、ヘッドモジュール駆動部16Aを構成する各回路の温度変動特性等に起因して電源電位Vsが最適な値からずれた場合に、過渡テーブルの変更を行う処理である。過渡テーブルの変更には電源電位Vsを上げる変更と下げる変更とがある。なお、以下の説明では、上記山<1>補正テーブル1を前提とする。
(変更1:電源電位Vsを上げる変更)
供給電源44Aの電力損失をより低減するために電源電位Vsを上げる場合である。駆動するノズル数と電源電位Vsとの関係は、特にノズル数の境界付近、すなわち本例でいえばノズル数512、513近辺を中心に変化することが考えられる。すなわち、513以上の駆動ノズル数であっても、電力損失を抑えるために電源電位Vsを一段階上げることができる可能性がある。画像形成装置10の周囲の温度変動などの要因で、印字条件が変化するためである。
図14(a)を参照して変更1の手順について説明する。
(手順1)印字開始。
(手順2)波形取得。
駆動ノズル数を600とし、駆動信号《4》のタイミングで電位監視部40により波形を観測し、ピーク値PKを取得する。結果、図14(a)に示すように−37.3Vを取得した。
(手順3)変更要否判断
図11(b)より全ノズル駆動時の振込み量Δrは1.4Vであったが、上記より駆動ノズル数600のときの振込み量Δrは0.7Vである(電源電位Vs=−40V基準)。従って、駆動ノズル数600の場合は、供給電源電位Vsjの設定を−38Vから−37Vに変更してもよいことがわかる。従って、山<1>補正テーブル1は以下のように変更される。
<山<1>補正テーブル4>
0≦駆動ノズル数≦600 → 供給電源電位Vsj=−37V
601≦駆動ノズル数≦1024 → 供給電源電位Vsj=−38V
(手順4)定常処理。
引き続き定常処理を実行する。
なお、手順2で波形取得時の駆動ノズル数を600としたのは一例であって、全ノズル数(本例では1024)の1/2程度の数であれば他の数としてもよい。また、観測する電源電位Vsの波形の部位を駆動信号《4》のタイミングとするのは、当該タイミングにおいて電源電位Vsのピークが最大になると予測されるからである(図11(a)参照)。
(変更2:電源電位Vsを下げる変更)
駆動信号Sdの歪みを抑制するために、電源電位Vsを下げる場合である。駆動するノズル数が全ノズル数の中心付近の数において、駆動波形の歪みを抑えるために電源電位Vsを一段階(1V)下げる必要が生ずる場合がある。画像形成装置10の周囲の温度変動などの要因で、印字条件が変化するためである。
図14(b)を参照して変更2の手順について説明する。
(手順1)印字開始。
(手順2)波形取得。
駆動ノズル数を480とし、駆動信号《4》のタイミングで電位監視部40により波形を観測し、ピーク値PKを取得する。結果、図14(b)に示すように、−36.15V取得した。
(手順3)変更要否判断
山<1>補正テーブル1より、駆動ノズル数480の場合の供給電源電位Vsjの設定は−37Vであったところ、稼働中の観測からピーク値PKが−36.15Vであることがわかった。このままでも波形に歪みは生じないと考えられるが、本実施の形態では先述したように、駆動信号Sdの最低値に対する供給電源電位Vsjのマージンを0.2Vとしている。今回の観測でこのマージンが0.15Vに減少していることがわかったので、安全を見越して電源電位Vsを1段階(1V)下げると判断する。その結果、山<1>補正テーブル1は以下のように変更される。
<山<1>補正テーブル5>
0≦駆動ノズル数≦479 → 供給電源電位Vsj=−37V
480≦駆動ノズル数≦1024 → 供給電源電位Vsj=−38V
(手順4)定常処理。
引き続き定常処理を実行する。
次に、図15および図16を参照して、過渡時電源制御処理を含む本実施の形態に係る電源制御処理について説明する。まず図15を参照し、本実施の形態に係る過渡時電源制御処理の初期設定処理について説明する。図15は、過渡時電源制御処理の初期設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップ300で、まず駆動条件を設定する。本実施の形態では、上述したようにこの駆動条件を最大負荷条件、すなわち、駆動信号Sdの振幅を最大振幅、駆動ノズルの数を全数とする条件としている。
次のステップS302で、供給電源44Aの電源電位Vsを最低電位(本実施の形態では−40V)に設定する。
次のステップS304で、電位監視部40により電源電位Vsの波形を観測する。
次のステップS306で、電源電位Vsのリンギングの山の数、各山のピーク値PKを算出する。
次のステップS308で、各山に対する供給電源電位Vsjを算出する。
次のステップS310で、ステップS308で算出した各山に対する供給電源電位Vsjを過渡テーブルとして過渡設定記憶部56に記憶させ、過渡時電源制御処理の本初期設定処理プログラムを終了する。
以上の初期設定処理によって、例えば上述した過渡テーブル1が設定される。なお、本初期設定処理において、上述した細分化方法1、あるいは細分化方法2を用いて供給電源電位Vsjの設定をさらに細分化してもよい。
次に、図16を参照して、画像形成装置10の稼働時における電源制御処理である本実施の形態に係る稼働時電源制御処理について説明する。図16は稼働時電源制御処理の流れを示すフローチャートであり、図16(a)は稼働時電源制御処理のメインルーチン、図16(b)は過渡時電源制御処理(図16(b)では「過渡時処理」と表記)のサブルーチン、図16(c)は定常時電源制御処理(図16(b)では「定常時処理」と表記)のサブルーチンである。
図16(a)に示すように、まずステップS400で印字データを取得する。
次のステップS402で、ステップS400で取得した印字データに基づき過渡時電源制御処理が必要か否か判定する。当該判定が肯定判定となった場合にはステップS404に移行し、過渡時電源制御処理サブルーチンを実行し、その後ステップS406に移行する。一方、当該判定が否定判定となった場合には直接ステップS406に移行する。印字データに基づく過渡時電源制御処理の要否判定は、例えば上記の山<1>補正テーブル1に基づいて、駆動ノズル60aの数の変化数(例えば、100個から600個への変化)が予め定められた変化数(例えば、500個)より大きいか否かを判定することによって行ってもよい。
ステップS406では、上記実施の形態で詳述した手順により定常時電源制御処理サブルーチンを実行する。
次のステップS408で、印字が終了したか否か判定し、当該判定が肯定判定となった場合には本稼働時電源制御処理プログラムを終了する。一方、当該判定が否定判定となった場合にはステップS400に戻り、次の印字データを取得する。
図16(b)を参照して、過渡時電源制御処理について説明する。
ステップS500で、過渡設定記憶部56に記憶された過渡テーブルから供給電源電位Vsjを取得する。過渡テーブルにおける供給電源電位Vsjは、上述したようにリンギングの各山に対し設定された供給電源電位Vsjである。
次のステップS502で、リンギングの各山に対しステップS500で取得した供給電源電位Vsjを設定し印字を実行する。
次のステップS504で、電位監視部40により電源電位Vsの波形を取得する。
次のステップS506で、過渡テーブルの変更が必要か否か判定する。当該判定が否定判定となった場合にはメインルーチンに戻る。一方、当該判定が肯定判定となった場合には次のステップS508で供給電源電位Vsjを変更し、その後メインルーチンに戻る。ステップS504からS508の処理は、上述した過渡テーブルの変更(変更1、変更2)に関する処理である。従って、本処理は必須のものではなく、画像形成装置10の周囲温度が安定している状態等においては省略してもよい。
次に、図16(c)を参照して、定常時電源制御処理について説明する。本処理は、基本的に図7(a)に示す処理と同様の処理であるので、要点のみ簡潔に説明する。
ステップS600で、印字データから駆動ノズル数を取得する。
次のステップS602で、定常設定記憶部54記憶された定常テーブルから供給電源電位Vsiを取得する。
次のステップS604で、電源電位Vsを、駆動ノズル数に対応する供給電源電位Vsiに設定する。
次のステップS606で、電位監視部40により電源電位Vsの波形を取得する。
次のステップS608で、定常テーブルの変更が必要か否か判定する。当該判定が否定判定となった場合にはメインルーチンに戻る、一方、当該判定が肯定判定となった場合には供給電源電位Vsiの設定を変更し、その後メインルーチンに戻る。
10 画像形成装置
12、12K、12C、12M、12Y インクジェットヘッド
14 ヘッドモジュール
16、16A ヘッドモジュール駆動部
18 電源
20 制御部
22 給紙ロール
24 巻取ロール
26 ヘッドユニット
28 駆動信号制御部
30 駆動波形生成部
32 トランジスタ制御部
34、34−1、34−2 パワートランジスタ
40 電位監視部
42 電源選択手段
44、44A 供給電源
46、46A 選択スイッチ
48 ノズル選択手段
50、50A 記憶手段
52 記憶部選択手段
54 定常設定記憶部
56 過渡設定記憶部
60 ノズル
60a 駆動ノズル
60b 非駆動ノズル
Cs コンデンサ
P 連帳紙
PK、PK1〜PK4 ピーク値
Rip リップル
Sd 駆動信号
Vp、Vp1〜Vpn 電源電圧
Vpp、Vpp1〜Vpp5 ピーク電位
Vppm 最大ピーク電位
Vs 電源電位
Vss 定常電位
Vsmax 最適供給電源電位
Vs1、Vs2、Vs3、Vs4 供給電源電位
Wa、Wb 波形
ΔVsa、ΔVpa 電位差
Δr、Δr1〜Δr4 振り込み量
SN、TN ノズル領域

Claims (15)

  1. 複数のノズルを備え駆動信号に応じて液滴を吐出し記録媒体に画像形成する形成部に前記駆動信号を供給する信号供給部と、
    複数の電位のいずれかを前記駆動信号に重畳する駆動電源として供給する電源供給部と、
    前記記録媒体に形成する画像の画像情報に応じ、前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分に応じて予め定められた前記画像形成で使用するノズルと前記複数の電位との対応関係から前記複数の電位のいずれかを選択する選択部と、
    を含む液滴吐出部駆動装置。
  2. 前記対応関係は、前記画像形成で使用するノズルの個数と前記複数の電位との対応関係である
    請求項1に記載の液滴吐出部駆動装置。
  3. 前記対応関係は、前記形成部の全ノズルを使用して前記画像形成を行った場合の前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分を使用して予め定められた
    請求項1または請求項2に記載の液滴吐出部駆動装置。
  4. 前記形成部の駆動状態における前記駆動電源の電位を監視する監視部をさらに含み、
    前記選択部は、前記監視部によって取得された前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分である第1の電位差に応じて前記対応関係を変更する
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液滴吐出部駆動装置。
  5. 前記監視部で監視された前記駆動電源の電位を記憶させる記憶部をさらに含み、
    前記選択部は、前記対応関係を予め定めるに際し前記形成部の全ノズルを使用して前記画像形成を行った場合の前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分を第2の電位差として記憶部に記憶させる
    請求項4に記載の液滴吐出部駆動装置。
  6. 前記選択部は、前記第1の電位差と前記第2の電位差との関係が予め定められた条件を充足する場合に前記対応関係を変更する
    請求項5に記載の液滴吐出部駆動装置。
  7. 前記対応関係の変更が前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分が小さくなる方向の変更である場合の前記予め定められた条件が、前記第1の電位差の値が前記第2の電位差に予め定められた1より大きい係数を乗じた値より大きいという条件である
    請求項6に記載の液滴吐出部駆動装置。
  8. 前記対応関係の変更が前記駆動信号の振幅と前記駆動電源の電圧との差分が大きくなる方向の変更である場合の前記予め定められた条件が、前記第1の電位差の値が前記第2の電位差の値より大きいという条件である
    請求項6に記載の液滴吐出部駆動装置。
  9. 前記選択部は、前記記録媒体に形成する画像の画像情報により、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲を越えることが予測される場合に用いる第1の対応関係と、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲内であると予測される場合に用いる第2の対応関係を切り替えて前記複数の電位のいずれかを選択する
    請求項1に記載の液滴吐出部駆動装置。
  10. 前記第1の対応関係は、前記形成部で画像形成する際に使用するノズルの数の変化数が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係である
    請求項9に記載の液滴吐出部駆動装置。
  11. 前記ノズルの数の変化量が画像形成する画像の濃度に応じて定められる
    請求項10に記載の液滴吐出部駆動装置。
  12. 前記第1の対応関係は、前記形成部で画像形成する際の前記駆動信号の振幅の変化量が予め定められた閾値を越えることが予測される場合の対応関係である
    請求項9に記載の液滴吐出部駆動装置。
  13. 前記振幅の変化量が画像形成する際に吐出される液滴の大きさに応じて定められる
    請求項12に記載の液滴吐出部駆動装置。
  14. 前記選択部は、前記複数の電位から選択された電位の変動が予め定められた範囲内になると予測される時点で前記対応関係を前記第1の対応関係から前記第2の対応関係に切り替える
    請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の液滴吐出部駆動装置。
  15. 複数のノズルを備え駆動信号に応じて液滴を吐出し記録媒体に画像形成する形成部と、 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の液滴吐出部駆動装置と、
    を含む画像形成装置。
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