JPWO2017030135A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017030135A1
JPWO2017030135A1 JP2017535543A JP2017535543A JPWO2017030135A1 JP WO2017030135 A1 JPWO2017030135 A1 JP WO2017030135A1 JP 2017535543 A JP2017535543 A JP 2017535543A JP 2017535543 A JP2017535543 A JP 2017535543A JP WO2017030135 A1 JPWO2017030135 A1 JP WO2017030135A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
vibration
determination
recording apparatus
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017535543A
Other languages
English (en)
Inventor
荒川 裕明
裕明 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2017030135A1 publication Critical patent/JPWO2017030135A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/045Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by pressure, e.g. electromechanical transducers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Preventing or detecting of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

吐出されるインクの粘度をより適正なレベルに保つことの出来るインクジェット記録装置を提供する。インクジェット記録装置は、インクを吐出するノズルと、インクに圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、圧力発生素子にノズルからインクを吐出させる吐出動作、及びインクを吐出させずに振動させる振動動作を行わせる駆動部と、駆動部が吐出動作を行わせない場合に、圧力発生素子の動作履歴に基づいて、振動動作を行わせるか否かを判定する振動判定部と、インクの吐出命令及び振動判定部の判定に応じて、圧力発生素子に行わせる動作及び圧力発生素子の非動作状態を選択的に切り替える動作切替部と、を備える。

Description

この発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来、ノズルの開口部からインクを吐出させ、記録媒体などに着弾させて画像や薄膜などを形成させるインクジェット記録装置がある。インク吐出の方式としては、ノズルに連通し、インクを貯留させる圧力室を変形させることでインクにかかる圧力を変化させ、当該圧力変化に従った量、速度及びタイミングでインクを吐出させるものがある。圧力室の変形には、圧電素子(ピエゾ素子)が広く用いられ、圧電素子に適切な波形の電圧を印加することで、インクにかかる圧力変化を制御している。
このインクジェット記録装置では、ノズル内のインクが吐出されないまま貯留されると、ノズルの開口部を通じてインクが外気と接触することによりインクの蒸発が進み、インクの粘度が変化するという問題が生じる。インクの粘度が変化すると、適切な量のインクが吐出されなかったり、吐出されるインク液滴の形状が不適切になったりして画質が低下する。そこで、従来、インク吐出を生じさせない程度の微小な振幅で変化する電圧を圧電素子に印加してインクに対して微小な圧力変化を生じさせることで、ノズル内のインクを振動させ、攪拌する技術がある。
しかしながら、微小な振幅で変化する電圧を印加し続けると、当該電圧の印加などによるインクジェットヘッドの加熱などに起因してノズル内のインクの温度が上昇し、やはり粘性が変化するという問題がある。これに対し、インク吐出が再開される前に、インクの不吐出期間の長さに応じた微小な振動を発生させる技術がある(特許文献1、2)。また、特許文献3には、インク吐出の再開時に、インクの不吐出期間の長さに応じて予測される粘性の変化やインクの蒸発量に応じて吐出させるインク量や駆動電圧を変化させる技術がある。
特開2008−44234号公報 特開2007−253618号公報 特開2009−45845号公報
しかしながら、インクの吐出時に圧力室やノズル内から排出、吐出されずに留まったインクがある場合、当該インクはインクタンクなどから新たに供給されたインクと比較して既に粘度が変化している。従って、従来の技術では、実際に吐出されるときのインクの粘度が適切に調節、反映されておらず、やはり適正なインク量や液滴形状が得られない場合があるという課題がある。
この発明の目的は、吐出されるインクの粘度をより適正なレベルに保つことの出来るインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクを吐出するノズルと、
インクに圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、
前記圧力発生素子に前記ノズルからインクを吐出させる吐出動作、及びインクを吐出させずに振動させる振動動作を行わせる駆動部と、
前記駆動部が前記吐出動作を行わせない場合に、前記圧力発生素子の動作履歴に基づいて、前記振動動作を行わせるか否かを判定する振動判定部と、
インクの吐出命令及び前記振動判定部の判定に応じて、前記圧力発生素子に行わせる動作及び当該圧力発生素子の非動作状態を選択的に切り替える動作切替部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、前記動作履歴として過去の前記吐出動作に係るインク吐出量と当該吐出動作からの経過時間とに基づいて前記判定を行うことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェット記録装置において、
前記過去の吐出動作には、現在から少なくとも予め定められた履歴時間内の吐出動作が全て含まれることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のインクジェット記録装置において、
前記履歴時間は、前回一回又は複数回連続して行われた吐出動作の開始時から現在までに定められることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、過去の前記吐出動作に係るインク吐出量に応じた動作値を当該吐出動作からの経過時間の増加に応じて減少する重みを付けて加算した滞留評価値と、所定の第1基準値との比較に基づいて前記判定を行うことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のインクジェット記録装置において、
前記動作切替部は、所定の駆動周期ごとに前記圧力発生素子の動作を切り替え、
前記振動判定部は、前回の駆動周期に対応して算出された前記滞留評価値に1未満の所定の重みを付けた値と今回の圧力発生素子の動作に基づく前記動作値とを加算することで新たな前記滞留評価値を算出する
ことを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載のインクジェット記録装置において、
前記振動動作を行うと判定された場合に、前記滞留評価値に基づいて当該振動動作の頻度及び振動の大きさのうち少なくとも一方を設定する振動設定部を備えることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載のインクジェット記録装置において、
前記圧力発生素子は、印加される電圧に応じて変形する電気機械変換素子であり、
前記振動設定部は、前記滞留評価値に基づいて前記電気機械変換素子に印加される電圧の最大値及び波形パターンのうち少なくとも一方変化させることで振動の大きさを設定する
ことを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項2〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、過去の前記振動動作と当該振動動作からの経過時間とを前記判定の基準に含むことを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、過去の前記振動動作を前記吐出動作における最小のインク吐出量に応じた動作値よりも小さい動作値の動作とし、当該動作値に対して前記振動動作からの経過時間に基づく前記重みを付けて前記滞留評価値に加え、前記判定を行うことを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、前記振動動作を行わせるか否かに係る判定基準よりも厳しい判定基準で、前記ノズルから液滴を吐出させるフラッシング動作を行わせるか否かに係る吐出判定を行い、
前記動作切替部は、前記吐出判定の結果に基づいて前記圧力発生素子に前記吐出動作を行わせるように切り替えることを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、請求項5〜8、10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、前記振動動作を行わせるか否かに係る判定基準よりも厳しい判定基準で、前記ノズルから液滴を吐出させるフラッシング動作を行わせるか否かに係る吐出判定を行い、
前記吐出判定は、前記第1基準値未満の第2基準値と前記滞留評価値との比較に基づいて行われ、
前記動作切替部は、前記吐出判定の結果に基づいて前記圧力発生素子に前記吐出動作を行わせるように切り替えることを特徴としている。
また、請求項13記載の発明は、請求項11又は12記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、複数の前記ノズルごとに各々異ならせた判定基準により前記フラッシング動作を行わせるか否かに係る判定を行う
ことを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、請求項11〜13の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記動作切替部の切替タイミングを制御して、所定の近傍範囲内で所定数以上のノズルから前記フラッシング動作が行われないように調整を行う駆動制御部を備えることを特徴としている。
また、請求項15記載の発明は、請求項11〜14の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記圧力発生素子は、前記吐出動作時に前記ノズルから複数段階の液滴量でインクを吐出させることが可能であり、前記動作切替部は、前記フラッシング動作時には、前記複数段階のうち最小の液滴量で前記圧力発生素子に前記ノズルからインクを吐出させるように切り替えることを特徴としている。
また、請求項16記載の発明は、請求項1〜15の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、インクの種別に応じて前記判定の基準を異ならせることを特徴としている。
また、請求項17記載の発明は、請求項1〜16の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、当該インクジェット記録装置の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて前記判定の基準を変化させることを特徴としている。
また、請求項18記載の発明は、請求項5〜8、10、12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、当該インクジェット記録装置の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて前記滞留評価値の算出に係るパラメーターを変化させることを特徴としている。
また、請求項19記載の発明は、請求項17又は18記載のインクジェット記録装置において、
前記周囲環境には、周囲の温度及び周囲の湿度の少なくとも一方が含まれることを特徴としている。
また、請求項20記載の発明は、請求項1〜19の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記振動判定部は、前記インク吐出量として所定の単位時間内の合計インク吐出量を計数し、当該合計インク吐出量と、前記所定の単位時間内で定められた所定の代表タイミングから現在までの経過時間とに基づいて前記判定を行うことを特徴としている。
本発明に従うと、インクジェット記録装置において、吐出されるインクの粘度をより適正なレベルに保つことが出来るという効果がある。
本発明の実施形態のインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態のインクジェット記録装置における吐出及び微振動動作の有無及び滞留評価値の時間変化の例を示す図である。 実施形態のインクジェット記録装置における吐出及び微振動動作の有無及び滞留評価値の時間変化の例を示す図である。 本実施形態のインクジェット記録装置において実行される滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例1の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例2の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。 変形例3の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
このインクジェット記録装置1は、移動動作部11と、移動制御部42と、駆動部20と、インクジェットヘッド30と、制御部41と、通信部51と、操作表示部52と、報知出力部53と、計測部54などを備える。
移動動作部11は、移動制御部42の制御により画像形成位置(インクジェットヘッド30のノズル面に対向する位置)へと記録媒体を供給し、また、インクジェットヘッド30により画像が形成された記録媒体を排出する。移動動作部11としては、例えば、無端状ベルトや回転ドラムなどを回転動作させる回転モーター、及びこれらの無端状ベルトや回転ドラムの外周面上に記録媒体を配置し、また、取り除く爪部などを備える。
移動制御部42は、移動動作部11を動作させ、適切なタイミング(間隔)及び速度で記録媒体をインクジェットヘッド30のノズル面と対向させる。
駆動部20は、形成対象の画像データに基づいて移動制御部42とタイミングを同期させて適切なタイミングでインクジェットヘッド30の動作切替部32を介して圧力発生素子31に対して駆動信号(駆動電圧信号)を出力する。動作切替部32で適切に選択された駆動信号が圧力発生素子31に出力されることで、圧力発生素子31にノズル33からインク液滴を吐出させる吐出動作を行わせて記録媒体に対して当該インク液滴を着弾させたり、ノズル33内でインクを微振動させる振動動作を行わせたりする。駆動部20は、駆動電圧出力部21とヘッド制御部43などを備える。
ヘッド制御部43は、形成対象の画像データ(インクの吐出命令)の有無、各ノズルにおけるこれまで(過去)のインク吐出時の吐出量及び経過時間、及び形成対象画像データの内容などに応じて駆動部20の動作を制御する。ヘッド制御部43は、CPU431と、記憶部432などを備える。CPU431は、記憶部432又は記憶部413に記憶された形成対象の画像データに基づいて、何れかのノズルからの液滴吐出動作、待機動作やメンテナンス動作などに応じた適切な駆動電圧信号を駆動電圧出力部21から出力させるための波形パターンデータを図示略のクロック信号(同期信号)に応じた適切なタイミングで出力する。
このヘッド制御部43は、制御部41と共通に設けられても良い。
駆動電圧出力部21は、ヘッド制御部43から出力された波形パターンデータをアナログの駆動電圧信号に変換して電力増幅を行い、動作切替部32を介して圧力発生素子31に増幅された駆動電圧信号を出力する。本実施形態のインクジェット記録装置1では、正負に複数種類のピーク電圧(ボトム電圧)を有する台形状の波形の駆動電圧信号が圧力発生素子31に対して出力される。或いは、駆動電圧信号として矩形波や正弦波が用いられても良い。
インクジェットヘッド30は、複数のノズル33と、当該ノズル33に各々対応して設けられた圧力発生素子31と、各圧力発生素子31に各々接続された動作切替部32などを備え、ノズルの開口部が所定のパターンで配列されたノズル面からインクを吐出する。ここでは、インクジェットヘッド30は、複数のノズルが記録媒体の記録幅に亘って配列され、インクジェットヘッド30が固定された状態で記録媒体が移動動作部11により記録幅方向と交差(直交)する向きに搬送されることにより記録媒体の全面に画像が形成されるラインヘッドが好ましく用いられるが、これに限られない。
圧力発生素子31は、ここでは、圧電素子であり、その両端に所定のパターンで電圧差が印加されることで電圧差に応じた変形が生じる電気機械変換素子である。圧電素子に印加される電圧波形のパターンに応じてノズル内のインクに圧力変化を生じさせてインクを吐出させたりノズル内で微振動、攪拌させたりする。圧電素子の変形モードは、インクジェットヘッド30の構造などに応じて適宜選択される。ここでは、例えば、ノズル33の開口部とは反対側で当該ノズル33に連通してインクを貯留する圧力室の壁面に沿って圧力発生素子31が設けられ、当該圧力発生素子31の変形に応じて圧力室が変形することでインクに圧力変化を生じさせる構造を有する。
動作切替部32は、駆動部20から各圧力発生素子31に出力された駆動電圧信号を圧力発生素子31にそれぞれ出力させるか否かを切り替えるスイッチング素子である。動作切替部32は、形成対象の画像データの各画素データに対応するノズルの圧力発生素子31に当該画素データに従って駆動電圧信号を出力させることでインクの吐出動作を行わせ、若しくは出力させないことでインクを非動作状態とさせ、又は、メンテナンス動作に応じてインクを吐出(フラッシング動作)若しくは微振動動作(吐出させずに振動動作)させるといった切替を行う。例えば、上記複数ピーク(ボトム)の台形状の波形の駆動電圧信号全体が出力されることで吐出動作が行われ、圧力を低下させる側の波形のみ出力させて圧力を増加させる側の波形を出力させないことで微振動動作が行われ、何れの波形の駆動電圧信号も出力させないことで非動作状態となるように定めることが出来るが、これに限られない。動作切替部32としては、高速切替が可能なアナログスイッチ、例えば、FET(電界効果トランジスター)が用いられる。
制御部41は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。また、制御部41は、振動判定部及び駆動制御部として動作する。制御部41は、CPU411(Central Processing Unit)と、RAM412(Random Access Memory)と、記憶部413などを備える。
CPU411は、各種演算処理を行う。CPU411は、記憶部413に記憶されている制御プログラムを読み出して画像形成動作やその設定動作などの各種制御処理を行う。
なお、CPU411は、移動制御部42及びヘッド制御部43の制御動作を統合して統括的に制御を行うこととしても良い。
RAM412は、CPU411に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。記憶部413は、制御プログラムや設定データなどを格納すると共に、通信部51を介して外部から取得された画像形成命令(ジョブ)や形成対象の画像データを一時記憶する。記憶部413としては、大容量の高速読み書き記憶が可能なDRAMと、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーとの組み合わせにより構成されている。
通信部51は、外部機器との間で所定の通信規格に従って通信し、データの送受信を行う。用いられる通信規格としては、LAN(Local Area Network)によるTCP/IPなどの各種規格の他、無線LAN、ブルートゥース通信(登録商標:Bluetooth)などの近距離無線通信や、USB(Universal Serial Bus)などによる外部機器との直接通信が挙げられる。通信部51は、外部機器から画像形成に係る命令(プリントジョブ)及び当該命令に係る形成対象の画像データを受信し、必要に応じて外部機器に対してインクジェット記録装置1のステータス情報などを出力する。
操作表示部52は、ユーザー操作を受け付けたりユーザーに情報やメニューなどを示すための表示を行なったりする。操作表示部52としては、例えば、表示部522としてのLCD(液晶ディスプレイ)を備えたものが用いられ、当該LCDの表示画面上に画像形成に係る各種メニューやステータスなどを表示させる。また、このLCDに対応して操作検出部521としてのタッチパネルを備え、LCDの表示画面上に重ねて配置することで当該表示画面へ表示に応じたタッチ操作を検出可能としている。或いは、操作表示部52は、押しボタンスイッチを備え、当該押しボタンスイッチの押下操作を検出しても良い。
報知出力部53は、インクジェット記録装置1に異常が生じた場合などに所定の報知動作を行う。報知出力部53としては、例えば、圧電素子などを用いて所定のビープ音を発生させる音声発生部やLEDランプを点滅又は点灯させる発光部などが挙げられる。
計測部54は、インクジェット記録装置1の外部の温度や湿度、及びインクジェットヘッド30内のインクの温度などを計測して計測データを出力する。温度センサーや湿度センサーとしては、周知の各種構成が用いられる。計測部54による計測頻度(制御部41などによる計測データの取得頻度)は、制御部41の制御に応じて適宜設定可能であり、所定の時間間隔で、或いは、カット紙の記録媒体に対して所定枚数画像を形成するごとに行われるなどとすることが出来る。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインクの粘度調節動作について説明する。
インクジェットヘッド30のノズル内のインクは、吐出されずに留まる時間が長くなると、ノズル開口部付近で空気と接触して蒸発が進み、インクの粘性が増大する。この蒸発は、周辺温度が高く、湿度が低いほど速く進行する。粘性の増大が進むと、吐出されるインク液滴の形状、飛翔速度や液量が適正でなくなったり、ノズルにおけるインクの詰まりが生じたりする。
一方、インクジェットヘッド30は、その動作に伴って、及び/又は外部の熱源からの熱伝導により温度が上昇する場合がある。特に、圧力発生素子31への電圧の印加に係る充放電が続くと、インクジェットヘッド30が加熱されて本来想定される温度よりも上昇する。このようなインクジェットヘッド30の温度上昇に伴って内部に滞留しているインクが加熱されると、温度上昇に伴ってインクの粘度も変化する。その結果、やはり、インク液滴の形状、飛翔速度や液量のずれが生じる。
これらのノズル開口部付近での外気との接触や、インクジェットヘッド30からの加熱による温度変化は、インクがインクジェットヘッド30内に長く留まるほど進行する。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、このようなインクの粘度変化、更には粘度の上昇による詰まりを防止するために、各ノズルにおけるインクの動作履歴、即ち、前回のインク吐出タイミングまでの当該吐出タイミング及び吐出量、並びに微振動動作のタイミングの影響をパラメーター化して非動作状態の維持やフラッシング動作の設定制御に用いる。
図2A及び図2Bは、本実施形態のインクジェット記録装置1における吐出及び微振動動作の有無及び滞留評価値の時間変化の例を示す図である。
図2Aでは、左から右へ時系列に従って所定の周期(駆動周期)で定められる各動作タイミングにおけるインクの動作の大きさをパラメーター化した動作値f(上段)とノズルや圧力室へのインクの留まり度合を示す滞留評価値S(下段)とが示されている。ここでは、動作値fとして、インク吐出時の値が「1.0」で基準化され、これに対して微振動動作時の動作値fがインク吐出時の動作値「1.0」よりも小さい「0.1」とされている。また、m回前の動作タイミング、即ち、吐出動作から駆動周期のm倍の経過時間後における動作値にそれぞれ0.7(1.0未満)の重み付けをして加算した値をノズルへのインクの滞留評価値S=Σ1≦k≦n(0.7n−k×f)として算出する。即ち、前回の滞留評価値Sn−1に係数r=0.7を乗じた値と今回の動作値fとを加算した値が今回の滞留評価値S(=r×Sn−1+f)となる。これにより、古い(経過時間が長い)吐出動作や微振動動作ほど重みを減少させて加算した滞留評価値Sが得られる。
ここでは、期間a1に6回連続してインクが吐出されることで、滞留評価値S=2.94まで上昇する。その後、期間a2において4回連続してインクが吐出されずに動作値f〜f10が何れも「0」となることで、滞留評価値S10=0.71まで低下する。滞留評価値Sが第1基準値R1<1.0となった期間a3において、微振動動作が行われて動作値f11〜f15=0.1となる。更に、滞留評価値S15=0.39となり、第2基準値R2<0.4となると、次のインク吐出タイミングa4において、インクのフラッシング動作(スターフラッシング)が行われて当該フラッシング動作によるインク吐出で動作値f16=1.0が入力される。スターフラッシングは、十分に低頻度で散発的に行われることで、通常、インクが不要に吐出されたものとして画像の閲覧者に認識されない。これに伴い、滞留評価値S16が0.4(第2基準値R2)以上となるので、再び期間a5において微振動動作が行われる。
通常のインクジェット記録装置では、動作タイミングの設定周期が1msec未満であり、実際には、より多くの回数の動作タイミングに亘り非動作状態を維持することが出来るので、係数rは1.0未満であって0.7より十分大きい値が好ましく設定される。また、微振動動作に係る第1基準値R1は、インク液滴の吐出動作に係る動作値「1.0」より小さくても良く、この場合には、一度液滴が吐出されると、少なくとも一回は不吐出時の微振動動作が中断され得る。
また、インク吐出動作時における一回当たりの液滴量(インク吐出量)が複数段階に設定可能な場合には、図2Bに示すように、当該複数段階の液滴量のうち何れか、例えば、最小の吐出可能量の吐出時における動作値fnを1.0として、各液滴量(インク吐出量)に応じた動作値fnをそれぞれ設定することが出来る。ここでは、期間b1における通常のインク吐出では、最小の吐出可能量の2倍のインクが吐出され、動作値f〜f=2.0となっている。一方、フラッシング動作が行われるインク吐出タイミングb4では、インクの吐出量が最小の吐出可能量とされて、動作値f19=1.0となっている。
また、所定の近傍範囲(記録媒体に着弾したインク液滴同士が繋がる距離や、所定の単位面積内における着弾ドット数が所定の割合以上の場合など)内の複数(所定数以上)のノズルで同時又は近いタイミング(連続するインク吐出タイミングなど)でフラッシング動作が行われると、記録媒体上に着弾したインクが画像の閲覧者により認識可能となる虞が生じる。そこで、i番目のノズルに対する第1基準値R1(i)=random(0.8×R1c,1.2×R1c)とする、即ち、複数のノズルに各々対応する第1基準値R1(i)を固定値R1cに対してその0.8〜1.2倍の範囲でランダムに変化させて吐出判定の基準を互いに異ならせて各々設定させることが出来る。このランダムな変化範囲は固定値R1cに対して対称ではなく、例えば、0.9〜1.2倍などであっても良い。
また、これに加えて上記所定の近傍範囲内で複数のノズルについてフラッシング動作が行われる条件を満たした場合、駆動制御部としての制御部41は、一方のフラッシング動作が行われた後、当該フラッシング動作の近傍範囲を外れてから他方のフラッシング動作を行うようにタイミング制御を行うことが出来る。
なお、インク粘度が増大する特徴的な時間より十分に短時間で、即ち、滞留評価値Sが第1基準値より大きい所定の基準値より更に大きいまま、(例えば連続して)ノズル及び圧力室内のインクが全て入れ替わるほどのインクが吐出される場合、滞留評価値Sを上昇させ続けても意味が無く、却って後の評価にバイアスがかかる虞が生じるので、滞留評価値Sの最大値を定めて当該最大値以上には上昇させないようにすることが出来る。
また、インクジェットヘッド30による画像記録動作が所定時間以上中止された後に再開された場合や、インクジェット記録装置1の電源がオフされた後に再起動された場合などには、滞留評価値Sを初期化して当該タイミング以降の履歴時間内の動作履歴に基づく滞留評価値Sの算出を行うことが出来る。また、より短く、図2A、図2Bで示したように、連続した(連続回数が「1」を含む)インク吐出動作が行われる場合に当該連続した吐出動作の先頭から履歴時間が開始されるように、不吐出状態の終了時には毎回滞留評価値Sがリセットされても、前回のインク吐出時における合計インク吐出量を考慮した微振動動作の動作判定を行うことが出来る。
図3は、本実施形態のインクジェット記録装置1において実行される滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。
この処理は、インクがインクジェットヘッドの各ノズルに係るインク流路に供給された状態で各動作タイミングを定めるクロック信号が駆動部20及びインクジェットヘッド30に入力される間に継続的に実行される。この処理は、動作タイミング1回ごとに、複数のノズルの各々について並列的に実行されるか、又は直列的にノズルの回数繰り返されて実行される。或いは、所定数のノズルごとのブロック単位で並列に実行されても良い。
滞留インク調節処理が開始されると、制御部41(CPU411)は、初期値として動作値fに「0」を設定し、また、滞留評価値Sとして「0」を設定する(ステップS100)。制御部41は、次の設定対象の動作タイミングにおいて、画像データなどに基づいてノズルからのインクの吐出が有るか否かを判別する(ステップS101)。有ると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部41は、インクの吐出量に応じた動作値fの設定を行う(ステップS102)。それから、制御部41の処理は、ステップS103に移行する。
次の動作タイミングでインクの吐出が無いと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、制御部41は、前回算出された滞留評価値Sがフラッシング動作(スターフラッシング)を行うか否かの判定基準である第2基準値R2未満か否かを判別する吐出判定を行う(ステップS111)。第2基準値R2未満であると判別された場合(ステップS111で“YES”)、制御部41は、更に、判断対象のノズルから所定範囲内(時間及び距離)のノズルでフラッシング動作が設定されているノズルが無いか否かを判別する(ステップS112)。所定範囲内でフラッシング動作が設定されているノズルが有ると判別された場合には(ステップS112で“NO”)、制御部41の処理は、ステップS122に移行する。
所定範囲内でフラッシング動作が設定されているノズルが無いと判別された場合には(ステップS112で“YES”)、制御部41は、当該ノズルからインクのフラッシング動作(スターフラッシング)を行わせる設定を行い(ステップS113)、また、フラッシング動作に応じた動作値fを設定する(ステップS114)。それから、制御部41の処理は、ステップS103に移行する。
ステップS111の判別処理で、滞留評価値Sが第2基準値R2未満ではない(以上である)と判別された場合(ステップS111で“NO”)、制御部41は、滞留評価値Sが第1基準値R1未満であるか否かを判別する(ステップS121)。第1基準値R1未満であると判別された場合には(ステップS121で“YES”)、制御部41の処理は、ステップS122に移行し、制御部41は、対象のノズル内のインクに対して微振動動作を行わせる設定を行う(ステップS122)。また、制御部41は、当該微振動動作に応じた動作値fを設定する(ステップS123)。それから、制御部41の処理は、ステップS103に移行する。
ステップS121の判別処理で、滞留評価値Sが第1基準値R1未満ではない(以上である)と判別された場合(ステップS121で“NO”)、制御部41の処理は、ステップS103に移行する。
ステップS114、S121、S123の何れかの処理からステップS103の処理に移行すると、制御部41は、現在設定されている滞留評価値Sと今回設定された動作値fとを用いて新たな滞留評価値Sを算出、更新する。また、制御部41は、新たな滞留評価値Sが算出されると、動作値fを初期化して「0」とする(ステップS103)。
制御部41は、設定されたインク吐出動作(フラッシング動作を含む)、微振動動作又は非動作状態に応じた選択信号が動作切替部32(又はその信号を所定回保持するバッファーメモリー)に出力されたか否かを判別する(ステップS104)。出力されていないと判別された場合には(ステップS104で“NO”)、制御部41は、ステップS104の判別処理を繰り返す。又は、制御部41は、吐出タイミングに係るクロック信号が入力されるまで処理を待機させても良い。選択信号が出力されたと判別された場合には(ステップS104で“YES”)、制御部41の処理は、ステップS101に戻る。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、インクを吐出するノズル33と、インクに圧力変化を生じさせる圧力発生素子31と、圧力発生素子31にノズル33からインクを吐出させる吐出動作、及びインクを吐出させずに振動させる微振動動作を行わせる駆動部20と、駆動部20が吐出動作を行わせない場合に、圧力発生素子31の動作履歴に基づいて、微振動動作を行わせるか否かを判定する振動判定部としての制御部41と、インクの吐出命令及び制御部41(振動判定部)の判定に応じて、圧力発生素子31に行わせる動作及び当該圧力発生素子31の非動作状態を選択的に切り替える動作切替部32と、を備える。
これにより、前回のインク吐出動作からの不吐出時間のみではなく、1又は複数回の吐出動作による吐出量(吐出回数)と当該吐出動作の各々からの経過時間といった圧力発生素子31の動作履歴に応じて微振動動作の有無についての判定が行われて、より適切に微振動動作が実行されるので、吐出されるインクの粘度をより適正なレベルに保つことが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、動作履歴として過去の吐出動作に係るインク吐出量と吐出動作からの経過時間とに基づいて判定を行うので、より正確にノズルや圧力室内に留まっているインクの量や時間を反映した適切なインク粘性の調整が可能となり、むらの無い所望の画質で画像を形成することが出来る。
また、過去の吐出動作には、現在から少なくとも予め定められた履歴時間内の吐出動作が全て含まれるので、直近の一回の吐出動作だけに限られず、それ以前の吐出動作も必要に応じて考慮しつつより適切にインクのノズルや圧力室における滞留状態を反映してインクの粘度調整を行うことが出来る。
また、履歴時間は、前回一回又は複数回連続して行われた吐出動作の開始時から現在までに定められることで、前回のインク吐出量を適切に反映しつつ、長期間のデータを必要以上に保持、処理する必要なく容易且つ適正なインクの粘性を保って画像形成を行わせることが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、過去の吐出動作に係るインク吐出量に応じた動作値fを当該吐出動作からの経過時間の増加に応じて減少する重みを付けて加算した滞留評価値Sと、所定の第1基準値R1との比較に基づいて判定を行うので、過去のインク吐出動作の影響を漸減させつつバランス良くインクの粘性状態を見積もって、微振動動作の実施有無を判定してインクの粘性変化を抑えることが出来る。
また、動作切替部32は、所定の駆動周期(動作タイミング)ごとに圧力発生素子31の動作を切り替え、振動判定部としての制御部41は、前回の駆動周期に対応して算出された滞留評価値Sn−1に1未満の所定の重みを付けた値と今回の圧力発生素子31の動作に基づく動作値fとを加算することで新たな滞留評価値Sを算出するので、過去の吐出動作の履歴を各々個別に全て記憶させる必要が無く、容易な計算及び少ないメモリー容量でインクの吐出動作の履歴が適切に反映されたインクの粘性状態を見積もり、微振動動作の実施有無を判定することが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、過去の微振動動作と当該微振動動作からの経過時間とを判定の基準に含むので、過去のインク吐出動作だけではなく微振動動作による粘度に対する影響を含めたより正確なインクの粘性状態を見積もって適切に微振動動作の実施有無を判定して微振動動作を行わせ、インクの粘性状態の変化を抑えることが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、過去の微振動動作を吐出動作における最小のインク吐出量に応じた動作値f=1.0よりも小さい動作値f=0.1の動作とし、当該動作値f=0.1に対して微振動動作からの経過時間に基づく重みを付けて滞留評価値Sに加え、判定を行う。従って、微振動動作を容易且つ適切に数値化してインクのノズルや圧力室における滞留による粘性の変化を見積もって微振動動作の実施有無を判定し、適正な粘性状態に保つことが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、微振動動作を行わせるか否かに係る判定基準よりも厳しい判定基準で、ノズル33から液滴を吐出させるフラッシング動作(スターフラッシング)を行わせるか否かに係る吐出判定を行い、動作切替部32は、吐出判定の結果に基づいて圧力発生素子31に吐出動作を行わせるように切り替える。このように、微振動動作だけでは粘性状態の変化を抑えることが出来ない場合には、スターフラッシングにより散発的にノズルからインクを吐出させることで、画質の劣化を抑えつつ粘性状態の変化も抑えることが出来る。
また、吐出判定は、第1基準値R1未満の第2基準値R2と滞留評価値Sとの比較に基づいて行われるので、判別処理自体は容易に行われ、処理負荷を必要以上に上昇させずに適切にフラッシング動作の要否に係る判定を行い、インクの粘性状態及び画質の変化を抑えることが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、複数のノズル33ごとに各々異ならせた判定基準によりフラッシング動作を行わせるか否かに係る判定を行うので、余白部分などで複数のノズルからのフラッシング動作のタイミングをずらすことが出来、これにより、不要なインク吐出が近傍範囲内で一斉に行われて画質が悪化したり、形成画像の閲覧者に知覚されたりするのを防ぐことが出来る。
また、圧力発生素子31は、吐出動作時にノズル33から複数段階の液滴量でインクを吐出させることが可能であり、動作切替部32は、フラッシング動作時には、複数段階のうち最小の液滴量で圧力発生素子31にノズル33からインクを吐出させるように切り替える。従って、スターフラッシング動作において必要以上に多くの液滴量を吐出させて形成画像の画質を劣化させない。
[変形例1]
次に、滞留インク調節処理の変形例1について説明する。
この変形例1の滞留インク調節処理では、動作タイミングごとに毎回滞留評価値を算出せず、所定回数(単位時間)ごとに合計インク吐出量に応じて滞留評価値を算出し、次の所定回数の動作タイミングにおける微振動動作やフラッシング動作の有無を決定する。
図4は、変形例1の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例1の滞留インク調節処理は、上記実施の形態におけるステップS101〜S103の処理がステップS131〜S134の処理に置換され、ステップS141、S144の処理が追加され、ステップS112、S113の処理がステップS113aの処理に置換され、また、ステップS122、S123の処理がステップS122aの処理に置換されている。
その他の同一の処理については同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS100の処理に次いで、制御部41は、累積動作値fsとカウント数kをそれぞれ「0」に初期化する(ステップS131)。制御部41は、各ノズルの動作設定に応じた動作値fを設定する(ステップS132)。制御部41は、この動作値fを累積動作値fsに加算し、また、カウント数kに1を加える(ステップS133)。
制御部41は、カウント数kが100であるか否かを判別し(ステップS134)、100ではないと判別された場合には(ステップS134で“NO”)、制御部41の処理は、ステップS104に移行する。カウント数kが100であると判別された場合には(ステップS134で“YES”)、制御部41は、現在の滞留評価値Sに係数rを乗じた値と累積動作値fsとを加算して新たな滞留評価値Sとする(ステップS141)。それから、制御部41の処理は、ステップS111に移行する。
即ち、カウント数kで100回分の合計のインク吐出量は、全て最後の動作タイミング(代表タイミング)におけるインク吐出として扱われることで演算処理が簡素化される。
ステップS111の判別処理で滞留評価値Sが第2基準値R2未満であって“YES”に分岐した場合、制御部41は、次の出力対象動作がインクの吐出ではない場合に、当該動作をフラッシングに設定すると共に、次にカウント数kが100となるまでの不吐出動作(非動作状態)を微振動動作に変更する(ステップS113a)。それから、制御部41の処理は、ステップS144に移行する。ステップS112の判別処理で滞留評価値Sが第1基準値R1未満であって“YES”に分岐した場合、制御部41は、次にカウント数kが100となるまでの非動作状態を微振動動作に変更する(ステップS122a)。それから、制御部41の処理は、ステップS144に移行する。
ステップS144の処理に移行すると、制御部41は、動作切替部32に対して動作に応じた選択信号の出力がなされたか否かを判別し(ステップS144)、出力されていないと判別されている場合には(ステップS144で“NO”)、ステップS144の処理を繰り返す。出力されたと判別された場合には、制御部41の処理は、ステップS131に戻る。
以上のように、インクジェット記録装置1では、変形例1の滞留インク調節処理により、振動判定部としての制御部41は、インク吐出量として動作タイミング100回ごとの合計インク吐出量を計数し、当該合計インク吐出量と、前記100回の最後の動作タイミングから現在までの経過時間とに基づいて前記判定を行う。このように、微振動動作の有無に係る判定を動作タイミングごとに毎回行わないことで、特に短い駆動周期で高速画像形成を行うような場合の処理を低減させつつ適切にインクのノズル33や圧力室への滞留状況を判定して微振動動作を行わせ、インクの粘性変化を防止し、画質の劣化を抑えることが出来る。
即ち、各ノズルからのインク吐出量が単一段階のみの場合、インクの吐出動作の実行頻度に応じて微振動動作の実行有無が定められることになる。
なお、上記変形例1の滞留インク調節処理では、動作タイミング100回ごとに当該100回内の非動作状態を全て又はフラッシング動作を除いて全て微振動動作に変更することとしたが、滞留評価値Sの値に応じて所定回数に1回など、所定の割合(頻度)で非動作状態を微振動動作に変更しても良い。
また、ステップS134においてカウント数kと比較される値は100に限られない。また、この値は、滞留評価値Sに応じて変更されても良い。
[変形例2]
次に、滞留インク調節処理の変形例2について説明する。
この変形例2の滞留インク調節処理では、第1基準値R1及び第2基準値R2の少なくとも一方は、異なるインク、例えば、インクの種別、即ち、CMYKの各色に対して各々別個の値に設定され得る。また、これらの基準値は固定値ではなく、振動判定部としての制御部41は、所定のパラメーターに応じて変化する値とする。インクの蒸発及びこれに伴う粘度の上昇は、外気温度Ta(インクジェット記録装置1の周囲の温度)が高く、外気湿度Ha(インクジェット記録装置1の周囲の湿度)が低いほど進みやすい。また、インクの粘度は、インク温度Tiの上昇に伴って低下するものとする。この場合、例えば、第1基準値R1がこれらインクジェット記録装置1の周囲環境やインクの温度をパラメーターとする変数とされて、第1基準値R1(Ta、Ha、Ti)は、外気温度Taの上昇に応じて上昇し、外気湿度Ha及び/又はインク温度Tiの上昇に応じて低下するように関数などで定められることが出来る。この変化は、テーブルデータとして対照表が保持されていても良いし、或いは、計算式を用いて算出されても良い。
また、この変形例2の滞留インク調節処理では、振動設定部としての制御部41又はヘッド制御部43は、微振動動作における振動の大きさ、即ち印加電圧の振幅(最大値)や、印加電圧波形の形状(波形パターン)、例えば台形状の印加電圧波形の立ち上がり及び立下がりの時間(傾斜)を変更することが可能となっている。
図5は、変形例2の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例2の滞留インク調節処理は、上記実施形態の処理に対してステップS151、S152の処理が追加され、ステップS122の処理がステップS122aの処理に置換された点を除いて同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS103の処理の後、制御部41は、計測部54が外気温度、外気湿度及びインク温度のうち少なくとも何れかが取得されたか否かを判別する(ステップS151)。何れかが取得されたと判別された場合には(ステップS151で“YES”)、制御部41は、上述の関数又は対照表を用い、第1基準値R1及び第2基準値R2をそれぞれ計測値に応じて更新する(ステップS152)。それから、制御部41の処理は、ステップS104に移行する。何れも取得されていないと判別された場合には(ステップS151で“NO”)、制御部41の処理は、ステップS104に移行する。
また、ステップS121の判別処理で“YES”に分岐すると、制御部41は、滞留評価値Sの値に応じた微振動動作を設定する(ステップS122a)。制御部41は、滞留評価値Sの値に応じて、前回微振動動作が行われてから次の微振動動作が行われるまでの時間を設定し、滞留評価値Sが第1基準値R1未満であっても前回の微振動動作から当該設定された時間以上が経過した場合にのみ(即ち、所定の動作タイミングの回数ごとに(頻度で))微振動動作の設定を行うことが出来る。また、制御部41は、滞留評価値Sの値に応じて微振動動作に係る印加電圧の電圧振幅や波形の変更を行うことが出来る。制御部41がステップS123の処理で設定する動作値fは、これらの変更に応じて多段階に設定され得る。
このように、インクジェット記録装置1では、変形例2の滞留インク調節処理により、微振動動作を行うと判定された場合に、制御部41は、滞留評価値Sに基づいて当該微振動動作の頻度及び振動の大きさのうち少なくとも一方を設定する振動設定部として動作する。従って、単に微振動動作を毎回行うか否かの判別だけではなく、より細かに微振動動作の設定を行うことが出来るので、より適切にインクの粘性状態の変化を抑え、その結果、画質の劣化を防止することが出来る。
また、圧力発生素子31は、印加される電圧に応じて変形する電気機械変換素子であり、振動設定部としての制御部41は、滞留評価値Sに基づいて電気機械変換素子に印加される電圧の最大値及び波形パターンのうち少なくとも一方変化させることで振動の大きさを設定する。このように印加電圧に対する応答の良い電気機械変換素子への印加電圧や波形パターンの変更により、容易且つ的確に微振動動作の大きさを調整し、よりインクの粘性状態を適切に保つことが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、インクの種別に応じて判定の基準を異ならせるので、インクの種別ごとに成分の異なるインクに対してそれぞれより適切に粘性状態を保つように微振動動作を行わせることが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、インクジェット記録装置1の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて判定の基準を変化させるので、インクの粘性状態の変化しやすさの変化に応じて適切に微振動動作を行わせることが出来る。
また、振動判定部としての制御部41は、インクジェット記録装置1の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて滞留評価値Sの算出に係るパラメーターである係数rを変化させるので、外気温度Ta、外気湿度Haやインク温度Tiの変化の履歴に従ってより適切に滞留評価値Sを算出して微振動動作の実施有無の判定を行い、インクの粘性状態の適切な維持を図ることが出来る。
また、インクジェット記録装置1の周囲環境には、外気温度Ta及び外気湿度Haの少なくとも一方が含まれる。インクは、外気温度Taが高いほど蒸発しやすく、また、外気湿度Haが低いほど蒸発がしやすくなり、インクの蒸発に伴ってインクの粘性が上昇しやすいので、これら外気温度Taや外気湿度Haの影響を適切に考慮してより効果的に粘性変化を抑えるように微振動動作を行わせて形成画像の画質劣化を抑えることが出来る。
なお、これらのパラメーターに応じて第1基準値R1及び/又は第2基準値R2だけではなく、係数rの設定(即ち、滞留評価値Sの算出に係るパラメーター)が変更されても良い。また、この変形例2と変形例1が組み合わされた場合、図4のステップS134において、カウント数kは、上述のパラメーターに応じて変更されても良い。
[変形例3]
次に、滞留インク調節処理の変形例3について説明する。
この滞留インク調節処理では、スターフラッシングの必要なノズル数が基準より多くなった場合には、画像形成を中断してまとめて一斉にフラッシング(ラインフラッシング)を行わせる設定を行う。
図6は、変形例3の滞留インク調節処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例3の滞留インク調節処理は、上記実施形態の処理に対してステップS171、S172の処理が追加された点を除いて同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS111の処理で“YES”に分岐すると、制御部41は、フラッシング(スターフラッシング)の必要なノズル数が所定の基準数以上であるか否かを判別する(ステップS171)。所定の基準数以上フラッシングが必要ではないと判別された場合には(ステップS171で“NO”)、制御部41の処理は、ステップS112に移行する。所定の基準数以上のノズルでフラッシングが必要であると判別された場合には、制御部41は、通常の画像形成を中断して、全ノズル又は当該フラッシングが必要なノズルから一斉にフラッシング(ラインフラッシング)させる設定を行う(ステップS172)。それから、制御部41の処理は、ステップS103に移行する。この設定により実際にフラッシング動作が行われるのは、直後の動作タイミングである必要はなく、現在形成中の画像形成が終了した後であっても良い。この場合にフラッシングされたインクは、記録媒体の余白や、別途設けられたインクの受け口などに吐出されれば良い。インクの受け口が備えられている場合には、インクジェット記録装置1は、当該受け口からインクタンクにインクを還流させる構成を備えていても良い。
また、異なるノズル間で動作設定が同時に行われない場合などには、全てのノズルについて動作設定が行われた最後にステップS171、S172の処理が共通に行われれば良い。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、滞留評価値と第2基準値との比較に基づいてスターフラッシングを行わせることとしたが、スターフラッシングを一切行わせないこととしても良い。この場合、必要に応じて変形例3と同様にラインフラッシングを行わせることとしても良い。また、形成対象の画像の画質に応じてスターフラッシングを行わせるか否かをユーザー操作や画像形成ジョブの設定などにより選択可能としても良い。
また、スターフラッシングを行わせる場合であっても、上述の近傍範囲内で所定数以上のフラッシング動作を行わせない処理を通常では行わず、画質上問題となり得る所定の基準を超えてフラッシング動作が行われる必要がある場合には、即座に又は形成される画像間で画像形成を中断させてラインフラッシングを行わせることとしても良い。
また、上記実施の形態では、圧力発生素子31として圧電素子を例に挙げて説明したが、磁歪素子などのその他の素子が用いられても良い。
また、上記実施の形態では、各ノズルに対して出力される同一の駆動電圧信号を動作切替部32で出力可否を定めることで、各圧力発生素子31に所望の動作を行わせ又は非動作状態とさせたが、各ノズルに各々所望の動作を行わせる駆動電圧信号が出力可能な構成であっても良い。
また、上記実施の形態では、クロック信号に応じた駆動周期ごとの動作タイミングの回数を計数して経過時間として用いることとしたが、実際に経過時間を計数しても良く、また、クロック信号の入力が中断される場合があるなど不規則な場合には、当該間隔に応じた動作タイミングの回数に換算して利用しても良い。
また、上記実施の形態では、前回の滞留評価値と今回の動作値のみから今回の滞留評価値を算出することで、メモリー容量や計算負荷を低減させたが、所定回数の動作値を保持して各々計算を行っても良い。この場合、駆動周期内に1回分の全ての処理が終わるようにメモリー容量や構成、CPU能力、計算量などが定められる。或いは、これらの構成や能力に応じて保持する動作値の数が定められても良い。
また、上記変形例1〜3で示した変形部分は、互いに矛盾しない範囲において適宜組み合わせて利用することが出来る。
その他、上記実施の形態で示した構成、制御内容やその手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
この発明は、インクジェット記録装置に利用可能である。
1 インクジェット記録装置
11 移動動作部
20 駆動部
21 駆動電圧出力部
30 インクジェットヘッド
31 圧力発生素子
32 動作切替部
33 ノズル
41 制御部
411 CPU
412 RAM
413 記憶部
42 移動制御部
43 ヘッド制御部
431 CPU
432 記憶部
51 通信部
52 操作表示部
521 操作検出部
522 表示部
53 報知出力部
54 計測部

Claims (20)

  1. インクを吐出するノズルと、
    インクに圧力変化を生じさせる圧力発生素子と、
    前記圧力発生素子に前記ノズルからインクを吐出させる吐出動作、及びインクを吐出させずに振動させる振動動作を行わせる駆動部と、
    前記駆動部が前記吐出動作を行わせない場合に、前記圧力発生素子の動作履歴に基づいて、前記振動動作を行わせるか否かを判定する振動判定部と、
    インクの吐出命令及び前記振動判定部の判定に応じて、前記圧力発生素子に行わせる動作及び当該圧力発生素子の非動作状態を選択的に切り替える動作切替部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記振動判定部は、前記動作履歴として過去の前記吐出動作に係るインク吐出量と当該吐出動作からの経過時間とに基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記過去の吐出動作には、現在から少なくとも予め定められた履歴時間内の吐出動作が全て含まれることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記履歴時間は、前回一回又は複数回連続して行われた吐出動作の開始時から現在までに定められることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記振動判定部は、過去の前記吐出動作に係るインク吐出量に応じた動作値を当該吐出動作からの経過時間の増加に応じて減少する重みを付けて加算した滞留評価値と、所定の第1基準値との比較に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記動作切替部は、所定の駆動周期ごとに前記圧力発生素子の動作を切り替え、
    前記振動判定部は、前回の駆動周期に対応して算出された前記滞留評価値に1未満の所定の重みを付けた値と今回の圧力発生素子の動作に基づく前記動作値とを加算することで新たな前記滞留評価値を算出する
    ことを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記振動動作を行うと判定された場合に、前記滞留評価値に基づいて当該振動動作の頻度及び振動の大きさのうち少なくとも一方を設定する振動設定部を備えることを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記圧力発生素子は、印加される電圧に応じて変形する電気機械変換素子であり、
    前記振動設定部は、前記滞留評価値に基づいて前記電気機械変換素子に印加される電圧の最大値及び波形パターンのうち少なくとも一方変化させることで振動の大きさを設定する
    ことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記振動判定部は、過去の前記振動動作と当該振動動作からの経過時間とを前記判定の基準に含むことを特徴とする請求項2〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記振動判定部は、過去の前記振動動作を前記吐出動作における最小のインク吐出量に応じた動作値よりも小さい動作値の動作とし、当該動作値に対して前記振動動作からの経過時間に基づく前記重みを付けて前記滞留評価値に加え、前記判定を行うことを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記振動判定部は、前記振動動作を行わせるか否かに係る判定基準よりも厳しい判定基準で、前記ノズルから液滴を吐出させるフラッシング動作を行わせるか否かに係る吐出判定を行い、
    前記動作切替部は、前記吐出判定の結果に基づいて前記圧力発生素子に前記吐出動作を行わせるように切り替えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記振動判定部は、前記振動動作を行わせるか否かに係る判定基準よりも厳しい判定基準で、前記ノズルから液滴を吐出させるフラッシング動作を行わせるか否かに係る吐出判定を行い、
    前記吐出判定は、前記第1基準値未満の第2基準値と前記滞留評価値との比較に基づいて行われ、
    前記動作切替部は、前記吐出判定の結果に基づいて前記圧力発生素子に前記吐出動作を行わせるように切り替えることを特徴とする請求項5〜8、10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記振動判定部は、複数の前記ノズルごとに各々異ならせた判定基準により前記フラッシング動作を行わせるか否かに係る判定を行う
    ことを特徴とする請求項11又は12記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記動作切替部の切替タイミングを制御して、所定の近傍範囲内で所定数以上のノズルから前記フラッシング動作が行われないように調整を行う駆動制御部を備えることを特徴とする請求項11〜13の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記圧力発生素子は、前記吐出動作時に前記ノズルから複数段階の液滴量でインクを吐出させることが可能であり、前記動作切替部は、前記フラッシング動作時には、前記複数段階のうち最小の液滴量で前記圧力発生素子に前記ノズルからインクを吐出させるように切り替えることを特徴とする請求項11〜14の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記振動判定部は、インクの種別に応じて前記判定の基準を異ならせることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記振動判定部は、当該インクジェット記録装置の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて前記判定の基準を変化させることを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記振動判定部は、当該インクジェット記録装置の周囲環境及びインクの温度のうち少なくとも何れかに応じて前記滞留評価値の算出に係るパラメーターを変化させることを特徴とする請求項5〜8、10、12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記周囲環境には、周囲の温度及び周囲の湿度の少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項17又は18記載のインクジェット記録装置。
  20. 前記振動判定部は、前記インク吐出量として所定の単位時間内の合計インク吐出量を計数し、当該合計インク吐出量と、前記所定の単位時間内で定められた所定の代表タイミングから現在までの経過時間とに基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜19の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
JP2017535543A 2015-08-19 2016-08-17 インクジェット記録装置 Pending JPWO2017030135A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015161728 2015-08-19
JP2015161728 2015-08-19
PCT/JP2016/073954 WO2017030135A1 (ja) 2015-08-19 2016-08-17 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2017030135A1 true JPWO2017030135A1 (ja) 2018-06-07

Family

ID=58051863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017535543A Pending JPWO2017030135A1 (ja) 2015-08-19 2016-08-17 インクジェット記録装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2017030135A1 (ja)
WO (1) WO2017030135A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10360483B2 (en) * 2017-03-23 2019-07-23 Xerox Corporation Ink jet pre-fire waveform control
JP6870550B2 (ja) * 2017-09-27 2021-05-12 カシオ計算機株式会社 描画装置、描画方法及びプログラム
JP7059601B2 (ja) * 2017-12-06 2022-04-26 株式会社リコー 液体を吐出する装置および液体吐出ヘッドのリフレッシュ方法
JP2019111494A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 東レエンジニアリング株式会社 塗布装置および塗布方法
JP6996370B2 (ja) * 2018-03-16 2022-01-17 株式会社リコー 制御装置、制御プログラム及び液体吐出装置
JP7352141B2 (ja) 2019-07-01 2023-09-28 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置、液体吐出方法及びプログラム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002144599A (ja) * 2000-11-13 2002-05-21 Canon Inc インクジェト記録装置および予備吐出方法
JP2003039703A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Hitachi Koki Co Ltd インクジェット印刷装置
JP2006035568A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Fuji Photo Film Co Ltd 液体吐出ヘッドの駆動装置、液体吐出装置及び画像形成装置
JP5061559B2 (ja) * 2006-09-28 2012-10-31 富士ゼロックス株式会社 液滴吐出ヘッドの駆動装置、駆動方法、駆動用データ作成プログラム、及び液滴吐出装置
JP4982719B2 (ja) * 2006-12-28 2012-07-25 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の駆動方法、プログラム、及び記録媒体
JP2008230144A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッド駆動方法及びインクジェット記録装置
JP5189522B2 (ja) * 2009-02-17 2013-04-24 株式会社セイコーアイ・インフォテック インクジェットプリンタ
JP5651571B2 (ja) * 2010-12-01 2015-01-14 東芝テック株式会社 インクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017030135A1 (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017030135A1 (ja) インクジェット記録装置
US9682569B2 (en) Liquid discharging apparatus
US20120249638A1 (en) Liquid ejecting apparatus and control method thereof
JP5723804B2 (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
US9254700B2 (en) Liquid discharge device, and discharge abnormality testing method
JP6106948B2 (ja) 液体吐出装置
JP5167704B2 (ja) 液体吐出装置
US9649838B2 (en) Inspection method of liquid discharge head and liquid discharge device
JP2011083987A (ja) 液体噴射装置
JP2006142806A (ja) インクジェットプリンタ
JP6286671B2 (ja) インクジェット印刷装置
JP2017177333A (ja) 液体吐出装置、液体吐出装置における液体吐出方法及びプログラム
JP6477297B2 (ja) 電気機械変換素子の駆動装置及び液滴吐出装置
JP5271014B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法
US20200276819A1 (en) Inkjet recording apparatus and maintenance method
CN114055942A (zh) 驱动波形决定方法、记录介质、液体喷出装置以及驱动波形决定系统
JP7001090B2 (ja) インクジェット記録装置及び駆動方法
JP2018075740A (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出装置のメンテナンス方法
JP5002534B2 (ja) ノズル回復方法及びインクジェット装置
JP5765030B2 (ja) 液体吐出装置、検査方法およびプログラム
US20240066860A1 (en) Liquid ejection apparatus and driving method
JP2023018300A (ja) 液体吐出装置のメンテナンス方法
JP2002337335A (ja) インクジェットヘッド駆動方法、インクジェットヘッド駆動回路、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP5070888B2 (ja) 液滴吐出ヘッド駆動装置
KR20070084841A (ko) 프린팅장치