JP7388037B2 - ダイカストマシンの制御装置、制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する装置および方法 - Google Patents

ダイカストマシンの制御装置、制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイカストマシンを制御する装置、およびダイカストマシンの制御に用いられる制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する装置および方法に関する。
溶湯が注入される射出スリーブの壁に設けられたスリーブ吸引口と、金型の分割面に設けられたキャビティ吸引口とを通じてキャビティ内を減圧し、溶湯をキャビティに射出する真空ダイカスト成形が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のダイカストマシンには、スリーブ側の吸引経路およびキャビティ側の吸引経路にそれぞれ設けられているソレノイドバルブをプランジャの進退位置に応じて開閉するための第1~第3のリミットスイッチが備えられている。第1~第3のリミットスイッチは、プランジャロッドに取り付けられたスイッチレバーにより操作される。
プランジャの前進によりプランジャチップが注湯口を閉塞する位置に達すると、第1リミットスイッチは、スリーブ側の吸引経路およびキャビティ側の吸引経路の双方においてソレノイドバルブを同時に開と成す。そうすると、スリーブ側およびキャビティ側のそれぞれの吸引口を通じてスリーブの内側およびキャビティが減圧される。
プランジャチップがスリーブ吸引口を閉塞する位置に達すると、第2リミットスイッチにより、スリーブ吸引経路のソレノイドバルブが閉と成る。プランジャがさらに前進してチップが射出完了位置まで達すると、第3リミットスイッチにより、キャビティ吸引経路のソレノイドバルブが閉と成り、射出工程が完了する。
特開昭57-72766号公報
プランジャチップが注湯口を閉塞した時点からスリーブの吸引口を通じた真空吸引を開始すると、スリーブの吸引口がチップにより塞がれるまでの間に亘り、真空吸引時間を最大限に確保できるので、スリーブの内側およびキャビティを所定の真空度に効率よく到達させることができる。スリーブの吸引口がチップにより塞がれたならば、プランジャの前進により当該吸引口が大気に開放されるよりも前に、当該吸引口に接続された吸引経路に設けられているバルブを閉塞する。
したがって、スリーブの内側の真空吸引が行われる場合は、特に、スリーブ側の吸引経路に設けられているバルブをスリーブに対するプランジャの位置に応じて適時に開閉させたい。
プランジャチップが注湯口や吸引口を塞ぐ時のプランジャの正確な位置は、プランジャおよびスリーブの外観等からは分かり難い。
特許文献1の構成によると、チップにより注湯口や吸引口が閉塞される位置でリミットスイッチが確実に作動するように、リミットスイッチを適切な位置に設置する試行錯誤の作業が見込まれる。
しかも、特許文献1に記載のリミットスイッチ、あるいはエンコーダ等、適切な位置に設置された位置検知手段によりプランジャの位置が正確に検出されたとしても、リミットスイッチやエンコーダ等の作動によってバルブを開閉する指令が発せられてからバルブが実際に動作するまでのタイムラグが存在するため、バルブが必ずしも適時に動作するとは限らない。
例えば、チップにより注湯口が閉塞された時点に対してバルブの開動作が遅れると、スリーブ側の真空吸引時間が減少し、バルブの開動作時に吸引口の一部がチップにより塞がれていれば、真空吸引効率が低下してしまう。
また、チップにより吸引口が閉塞された後、当該吸引口の大気開放に対してバルブの閉動作が遅れるとすれば、当該吸引口の連通する経路および真空タンク等の真空度が低下してしまう。
スリーブに対してプランジャが前進する速度(射出速度)が大きいほど、タイムラグによる影響は顕著となる。
タイムラグを考慮して、バルブを動作させる指令が発せられるタイミングが早められることにより、吸引口の閉塞時点に対してバルブの閉動作が早ければ、真空吸引時間が減少する。
あるいは、バルブを動作させる指令が発せられるタイミングが早められることにより、バルブの開動作が注湯口の閉塞時点よりも早ければ、注湯口から、スリーブの内部に外気が流入してしまう。
タイムラグが考慮された指標がないまま、スリーブ内の溶湯への空気の巻き込み防止、溶湯カスによる吸引経路の閉塞防止の観点からスリーブ内に外気が流入することを避けつつ、真空吸引時間、真空吸引効率を十分に確保できるバルブの動作指令のタイミングを定めることは難しい。
以上より、本発明は、ダイカストマシンのスリーブの内側を真空吸引するに際して、タイムラグが考慮された指標を用いて簡便に、バルブの適時な動作を実現することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの制御装置は、注湯口から溶湯が注入されるスリーブと、溶湯をキャビティに向けて射出するプランジャとを備え、キャビティと連通したスリーブの内側を吸引可能に構成されたダイカストマシンを制御する装置である。
本制御装置は、プランジャの進退方向における位置を示し、スリーブの内側を吸引する制御に用いられる制御パラメータに値を設定する制御パラメータ設定部と、スリーブの内側の吸引状態を操作するバルブを動作させるバルブ動作指令を制御パラメータが示す位置で発するスリーブ真空制御部と、を備える。
制御パラメータ設定部は、プランジャのチップおよびスリーブの幾何学的諸元から決まる進退方向における位置であって、バルブを動作させる位置としてのバルブ動作位置と、プランジャの位置および速度を含む射出条件と、
バルブ動作指令に対するバルブの動作のタイムラグと、を用いて、バルブ動作位置からタイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得し、指標値を制御パラメータに設定可能である。
本発明の制御装置は、指標値およびバルブ動作位置のうち、少なくとも指標値を表示する表示部を備えることが好ましい。
本発明の制御装置における制御パラメータ設定部は、指標値とバルブ動作位置との間の推奨範囲において入力された値を制御パラメータに設定可能であることが好ましい。
本発明の制御装置における制御パラメータ設定部は、射出条件の位置および速度から、位置および時間のデータへと変換した位置・時間データを指標値の取得に用いることが好ましい。
本発明の制御装置における制御パラメータ設定部は、位置・時間データとして、プランジャが進退方向の任意の位置へ到達するまでの経過時間を単位変位量毎に得ることが好ましい。
本発明の制御装置は、射出条件、制御パラメータ、および位置・時間データのうち、少なくとも位置・時間データを記憶する記憶部を備えることが好ましい。
本発明の制御装置において、制御パラメータには、スリーブの内側の吸引を開始する際にバルブを動作させる真空開始指令が発せられる時のプランジャの位置を示す真空開始位置パラメータが含まれ、真空開始位置パラメータに対応する指標値の取得に用いられるバルブ動作位置は、チップおよびスリーブの幾何学的諸元から、チップが注湯口を閉塞する位置であることが好ましい。
本発明の制御装置において、スリーブの壁には、進退方向における注湯口よりも前方に、スリーブの内側の吸引に用いられる1以上の吸引口が設けられ、制御パラメータには、吸引口に対応するバルブを閉状態に切り替える吸引口閉塞指令が発せられる時のプランジャの位置を示す吸引口閉塞位置パラメータが含まれ、吸引口閉塞位置パラメータに対応する指標値の取得に用いられるバルブ動作位置は、チップおよびスリーブの幾何学的諸元から、チップが吸引口を閉塞する位置であることが好ましい。
本発明の制御装置は、スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が形成されたチップを含むプランジャと、進退方向に間隔をおいて2以上の吸引口が設けられたスリーブと、を備え、かつ、2以上の吸引口を用いて、チップの前端よりも前方の空間と、吸引用凹部の内側とを吸引可能に構成されたダイカストマシンのスリーブの内側を吸引する制御に適用されることが好ましい。
また、本発明は、ダイカストマシンの制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する取得装置であって、制御パラメータは、ダイカストマシンのプランジャの進退方向における位置を示し、ダイカストマシンのスリーブの内側を吸引する制御に用いられる。
本取得装置は、プランジャのチップおよびスリーブの幾何学的諸元から決まる進退方向における位置であって、スリーブの内側の吸引状態を操作するバルブを動作させる位置としてのバルブ動作位置と、プランジャの位置および速度を含む射出条件と、制御パラメータが示す位置で発せられるバルブ動作指令に対するバルブの動作のタイムラグと、を用いて、バルブ動作位置からタイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得する。
また、上記の制御パラメータの指標値取得装置は、制御パラメータの指標値取得方法にも展開することができる。
本発明によれば、幾何学的に決まるバルブ動作位置と、射出条件と、タイムラグとを用いて、バルブ動作指令に対するバルブ動作のタイムラグが考慮された指標を取得することができるので、その指標を用いて簡便に、バルブの適時な動作を実現することができる。
本発明の実施形態に係るダイカストマシンの一部が破断された側面図である。 図1に示すダイカストマシンに備わる射出装置のスリーブ内を吸引する系統を模式的に示す図である。 図1に示すダイカストマシンの射出装置の縦断面図である。 図1に示すダイカストマシンの制御装置のハードウェア概略構成を示す図である。 図4に示す制御装置のモニタの画面上の表示を示す図である(スリーブ真空条件)。 図4に示す制御装置のモニタの画面上の表示を示す図である(詳細設定)。 図4に示す制御装置に用いられるプログラムモジュールを示す図である。 (a)~(c)は、真空吸引を開始する位置について説明するための図である。 ダイカストマシン射出装置の各部の寸法を説明するための模式図である。 射出条件の波形を示す図である。 図10に示す射出条件に基づいて取得された、プランジャの単位変位量毎の経過時間データを示す模式図である。 射出工程に亘るガス圧力の変化を示すグラフである。 スリーブ側および金型側のそれぞれの吸引系統を示す模式図である。ガス圧力を測定した箇所が示されている。 ダイカストによる鋳造の手順を示す図である。 スリーブ真空制御部による処理の手順を示す図である。 (a)~(c)は、射出工程の過程を示す図である。 (a)~(c)は、図16(c)に続いて、射出工程の過程を示す図である。 (a)~(c)は、図17(c)に続いて、射出工程の過程を示す図である。 (a)~(c)は、図18(c)に続いて、射出工程の過程を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔ダイカストマシンの概略構成〕
図1~図3を参照し、ダイカストマシン10の構成を簡単に説明する。
ダイカストマシン10は、可動金型11および製品押出機構11Aが設けられた可動盤12と、固定金型13が設けられた固定盤14と、可動盤12および固定盤14を支持するマシンベース15と、図示しない型開閉・型締め機構と、固定盤14に設けられ、キャビティ16に向けて溶湯17を射出する射出装置20と、ダイカストマシン10の各部の動作を制御する制御装置30と、真空吸引系統40(図2)とを備えている。
真空吸引系統40は、キャビティ16および、キャビティ16に連通した射出装置20のスリーブ21の内部からそれぞれ真空吸引を実施可能である。
タイバー18に沿って進退自在に移動する可動盤12の可動金型11と、固定金型13との間にキャビティ16(製品部)が形成される。可動金型11と固定金型13との境界部等には、キャビティ16に連通し、真空吸引系統40の真空配管が接続される吸引部19が設けられている。吸引部19は、例えば、チルベント(Chill‐Vent)に設けられている。あるいは、吸引部19は真空バルブであってもよい。スリーブ21の壁には、真空吸引系統40の真空配管が接続される吸引口41~44が設けられている。
真空吸引系統40によりキャビティ16が減圧された状態で、射出装置20により、アルミニウムやアルミニウム合金等の溶湯17がキャビティ16に射出されて充填されることで、鋳造成形品が製造される。
〔射出装置〕
射出装置20は、溶湯17が内側に供給される円筒状のスリーブ21と、スリーブ21内の溶湯17をキャビティ16に向けて射出するプランジャ22と、プランジャ22をスリーブ21に対して進退させる図示しない油圧シリンダ等の駆動源とを備えている。
射出装置20に関し、溶湯17を射出する際のプランジャ22の移動方向の前方、つまり、キャビティ16に近い側を「前」と定義し、キャビティ16から遠い側を「後」と定義する。
プランジャ22が前進および後退する方向(前後方向)のことを進退方向D1と定義する。
スリーブ21の内部は、ランナー131およびゲート132を介してキャビティ16に連通している。
スリーブ21の壁の後端部の上部には、図示しないラドルにより溶湯が注入される注湯口26が形成されている。
スリーブ21の壁の上部には、注湯口26よりも前方に、スリーブ21の内部の真空吸引に用いられる吸引口41~44が進退方向D1に間隔をおいて形成されている。吸引口41~44は、スリーブ21の壁を厚さ方向に貫通しており、いずれも真空吸引系統40(図2)の真空配管に接続されている。
吸引口41~44は、スリーブ21の後方から前方に向けて、吸引口41,42,43,44の順に配置されている。以下では、これらの吸引口41~44のことをそれぞれ、第1吸引口41、第2吸引口42、第3吸引口43、第4吸引口44と称する場合がある。
第1吸引口41が最も後方に位置し、第4吸引口44が最も前方に位置している。
プランジャ22は、所定の原点位置からキャビティ16に向けて進退方向D1に所定の射出ストロークにて前進し、射出を終えると原点位置まで後退する。
プランジャ22は、プランジャロッド23と、プランジャロッド23の前側に設けられるプランジャチップ24(以下、チップ24)とを備えている。
プランジャロッド23は、油圧シリンダのピストンロッド等に結合している。
チップ24には、スリーブ21の内周部21Aに対して径方向の内側に退避し、周方向に連続した吸引用凹部25が形成されていることが好ましい。
図3に示すように、吸引用凹部25が吸引口41に連通しているとき、吸引口41を通じた吸引用凹部25の真空吸引と、吸引口42~44を通じたチップ24よりも前方の空間27(以下、前方空間27)の真空吸引とが可能である。
なお、吸引口41~44にはそれぞれ、#1,#2,#3,#4を付記している。
スリーブ21の内部において前方空間27よりも後方に、前方空間27と圧力が同等である空間(吸引用凹部25の内側)を与えることにより、スリーブ21の外側の外気が前方空間27に流入するのを抑えることができる。これは、吸引用凹部25の内側における圧力p1と前方空間27の圧力p2との差が無いか、圧力差が有るとしても、その圧力差(p1-p2)が大気圧p0と前方空間27の圧力p2との差(p0-p2)と比べて十分に小さいことにより、外気が吸引用凹部25の内側を経て前方空間27へと流入することが抑制されるからである。
前方空間27への外気の流入が抑制されることで、前方空間27に貯留されている溶湯17への空気の巻き込みに起因する鋳巣(巻込み巣)の発生を防ぐことができる。また、外気の流入による溶湯17の飛散等を抑えて、溶湯17の凝固片等(溶湯カス)による吸引経路の閉塞を防ぐことができる。
後述するように、本実施形態では、スリーブ21に対してプランジャ22が前進する際に、吸引口41~44を通じて、前方空間27と、それよりも後方の吸引用凹部25とから継続的に吸引する。
なお、プランジャ22の前進を一時停止した状態で、前方空間27および吸引用凹部25の真空吸引が行われてもよい。
進退方向D1に分布している複数の吸引口41~44によれば、スリーブ21内の真空吸引が開始された後、最も前方に位置する吸引口44がチップ24により閉塞されるまでの間に亘り、少なくとも1つの吸引口を通じて前方空間27を吸引するとともに、少なくとも1つの吸引口を通じて吸引用凹部25を吸引することができる。
チップ24は、図3に示すように、前側に位置する前部201と、後側に位置する後部202と、それらの間に配置された小径部203とを備えている。前部201の径と後部202の径とは同等である。前部201および後部202の径に対して径が小さい小径部203と、スリーブ21の内周部21Aとの間が、吸引用凹部25に相当する。
チップ24の外周部とスリーブ21の内周部21Aとの間を外気が通過することを防ぐため、例えば、後部202にリング状のシール部材28A,28Bが設けられたり、チップ24の外周部とスリーブ21の内周部21Aとの間にシール剤が充填されたりすることが好ましい。チップ24に供給される潤滑剤は、チップ24とスリーブ21との間の封止にも寄与する。
スリーブ21の内側を真空吸引するにあたり、チップ24に必ずしも吸引用凹部25が形成されている必要はない。また、スリーブ21の内部から吸引するための吸引口は1つで足りる。スリーブ21の壁を貫通する吸引口を通じて吸引用凹部25および前方空間27を吸引することに代えて、例えば、チップ24の後部202に軸方向に形成された吸引孔を吸引用凹部25の吸引に用いたり、前部201とスリーブ21との隙間を介して前方空間27の吸引に用いたりすることも可能である。
本実施形態のようにチップ24の吸引用凹部25から吸引されるならば、前方空間27への外気の流入による溶湯17の暴れを抑えて、鋳造品の品質を確保しつつ効率よく生産することができる。
チップ24に吸引用凹部25が形成されることに加えて、スリーブ21の壁に少なくとも2つの吸引口が形成されていると、一方の吸引口を前方空間27の吸引に割り当て、他方の吸引口を吸引用凹部25の吸引に割り当てることで、前方空間27と吸引用凹部25との双方からの吸引を容易に実現することができる。
〔真空吸引系統〕
真空吸引系統40(図2)は、スリーブ21の内部およびキャビティ16を吸引可能に構成されている。真空吸引系統40によりスリーブ21の内部が減圧されることにより、スリーブ21の内部と連通しているキャビティ16も減圧される。スリーブ21の内部およびキャビティ16のことを、連通空間29と称する。
図2を参照し、真空吸引系統40の一例を説明する。真空吸引系統40は、真空ポンプ45と、真空タンク46と、吸引口41~44を通じてスリーブ21の内部を吸引するスリーブ側吸引系統40Sと、金型11,13に設けられた吸引部19を通じてキャビティ16を直接的に吸引する金型側吸引系統40Mと、エアブロウを実施するための加圧空気供給系統40Pとを備えている。
真空タンク46の内部は、真空ポンプ45を作動させることで減圧される。
図2に示す例によると、スリーブ側吸引系統40Sと、金型側吸引系統40Mとが、真空タンク46を兼用した一つの系統として構成されているが、この限りではない。スリーブ側吸引系統40Sと、金型側吸引系統40Mとが別々に構成されていてもよい。
金型側吸引系統40Mには、キャビティ16から吸引される気体の流れの上流から下流に向けて、真空吸引用の真空フィルタ401と、金型側吸引系統40Mの配管における圧力を検知する圧力計、連成計、圧力センサ等である圧力検知部402と、吸引部19を適時に真空タンク46と連通させる真空バルブ403とがこの順序で設けられている。
真空フィルタ401は、吸引した気体に混入しうる溶湯の微細な液滴や凝固片である溶湯カス、あるいは離型剤、塵埃等が金型側吸引系統40Mに入ることを抑制する。なお、スリーブ側吸引系統40Sに設けられる真空フィルタ411も、同様に、溶湯カスや、潤滑剤、塵埃等がスリーブ側吸引系統40Sに入ることを抑制する。
真空バルブ403が開かれると、真空タンク46内とキャビティ16との圧力差に基づき、キャビティ16の気体が吸引部19から金型側吸引系統40Mに吸入される。真空吸引時には、圧力検知部402により検知される圧力を監視して、正常に真空吸引が行われていることを確認することが好ましい。
スリーブ側吸引系統40Sは、真空バルブ40Vと、スリーブ21の吸引口41~44に個別に対応する吸引経路47と、これらの吸引経路47に接続された合流・分配部48とを含んでいる。
各吸引経路47には、スリーブ21内から吸引される気体の流れの上流から下流に向けて、真空吸引用の真空フィルタ411と、吸引経路47における圧力を検知する圧力計、連成計、圧力センサ等である圧力検知部412と、吸引口41~44を選択的に真空タンク46に連通させる選択バルブ413とがこの順序で設けられている。
真空バルブ40Vは、各吸引経路47が真空タンク46に連通している真空吸引状態と、各吸引経路47が加圧タンク422に連通しているエアブロウ状態と、各吸引経路47が真空タンク46および加圧タンク422のいずれにも連通していない中立状態とに、切り替え可能である。真空バルブ40Vが真空吸引状態にあるとき、選択バルブ413の開いている吸引経路47を通じて真空吸引可能である。
各吸引経路47に備わる選択バルブ413の開閉により、吸引口41~44のそれぞれを適時に、真空タンク46に連通させることができる。
吸引口41~44は、進退方向D1におけるプランジャ22の位置や、圧力検知部412により検知された圧力に基づく吸引口41~44からの吸引の状態、あるいは、スリーブ21への溶湯の充填率等に応じて、真空タンク46に適時に連通されることが好ましい。
吸引口41~44のうち、対応する選択バルブ413が開かれた状態にある吸引口を通じて、真空タンク46内とスリーブ21内との圧力差に基づき、スリーブ21の内側の気体が吸引経路47に流入する。吸引経路47に流入した気体は、真空フィルタ411、圧力検知部412、選択バルブ413を経て合流・分配部48において他の吸引経路47からの気流と合流し、さらに真空バルブ40Vを経て、真空タンク46に流入する。
図2に示す例において、スリーブ側吸引系統40Sおよび吸引口41~44は、加圧空気供給系統40Pにも兼用されている。そのため、配管の付け替えにより生産が中断することなく、真空バルブ40Vにより、合流・分配部48の接続先を真空タンク46と加圧タンク422とに切り替えることで、真空吸引の実施とエアブロウの実施とを切り換えることができる。
加圧空気供給系統40Pは、スリーブ側吸引系統40Sおよび吸引口41~44を通じて、加圧された空気をスリーブ21の内側に噴出させるエアブロウを実施する。エアブロウの実施により、吸引経路47の配管や吸引口41~44から溶湯カス等を除去することができる。
加圧空気供給系統40Pは、圧縮空気源421と、圧縮空気源421により空気が送り込まれることで内部に圧力を蓄える加圧タンク422と、スリーブ側吸引系統40Sの配管や選択バルブ413、圧力検知部412、および真空フィルタ411とを含んでいる。
真空バルブ40Vがエアブロウに切り換えられると、加圧タンク422から合流・分配部48により各吸引経路47へと空気が分配され、各吸引口41~44を通じてスリーブ21内に噴出する。
エアブロウ時にも、選択バルブ413の開閉により、吸引口41~44を加圧タンク422に適時に連通させるとよい。
〔ダイカストマシンの制御装置〕
次に、ダイカストマシン10を制御する制御装置30(図4)について説明する。
制御装置30は、製品に使用される金型11,13や射出装置20の諸元等に応じて設定された製造条件に従い、型締め、注湯、射出、真空吸引、保圧・増圧、型開き等を制御する。
例えば、制御装置30は、射出工程に際しては、プランジャ22の位置を検知しつつ、プランジャ22の位置および速度を含む射出条件に従い、溶湯17がランナー131を経由してゲート132に到達するまでは相対的に低い速度でプランジャ22を前進させながら連通空間29の真空吸引を実施した後、プランジャ22の速度を増加させる。
プランジャ22の前進動作の制御は、キャビティ16が溶湯17で満たされたタイミング(速度・圧力切替点;VP(Velocity Pressure)切替点)において、上記の速度制御から、キャビティ16の溶湯17の圧力に基づく圧力制御(保圧制御/増圧制御)に切り換えられる。
プランジャ22の位置は、例えば、プランジャロッド23が結合した油圧シリンダのピストンロッドに設けられたリニアエンコーダにより検知することが好ましい。
その他、プランジャロッド23に設けられたスイッチレバーと、スイッチレバーにより操作される複数のリミットスイッチとを用いてプランジャ22の位置を検知することも許容される。
制御装置30は、プランジャ22の位置に応じて、プランジャ22の駆動源である油圧シリンダや、真空吸引系統40を構成する真空バルブ40Vおよび選択バルブ413に指令を送ることにより、プランジャ22を所定の位置および速度に駆動させたり、バルブの状態を切り替えたりする。
制御装置30は、図4にハードウェア構成の概略を示すように、制御装置本体31と、制御装置本体31に接続されたモニタ32および入出力インタフェース33とを備えている。
制御装置本体31により、モニタ32に、製造条件の設定や、稼働状況の監視等に必要な種々の情報が表示される。オペレータによる入力操作や、外部機器からのデータ入力により、入出力インタフェース33を通じて、制御装置本体31が保持する制御パラメータ等の値の設定が可能である。
図5および図6は、スリーブ21内部の真空吸引に関し、制御装置30のモニタ32の画面上に表示される情報の一例を示している。
制御装置本体31は、コンピュータ装置等からなり、CPU(Central Processing Unit)等の演算部311と、メモリ312と、電磁気的あるいは光学的にデータを記憶する記憶部313とを備えている。
制御装置30による制御は、コンピュータプログラムの実行により行われる。
図7は、記憶部313からメモリ312に読み出されたプログラムのモジュールの一例を示している。ダイカストマシン10の制御に用いられるプログラムは、型締め、注湯、射出、真空吸引、エアブロウ、および型開き等のダイカストマシン10の主な制御を行うダイカストマシン制御部301の他、スリーブ21の内部の真空吸引に関し、スリーブ真空制御部302と、制御パラメータ設定部303と、バルブ応答タイムラグ設定部304とを含んでいる。
スリーブ21の内部を吸引する制御には、スリーブ21の内部の真空吸引を開始する位置(真空開始位置)、およびチップ24が各吸引口41~44を閉塞する位置(吸引口閉塞位置)にそれぞれ対応する制御パラメータが用いられる。
真空開始位置に対応する制御パラメータのことを真空開始位置パラメータP0と称する。
また、チップ24が吸引口41を閉塞する位置に対応する制御パラメータのことを第1吸引口閉塞位置パラメータP1と称する。同様に、チップ24が吸引口42,43,44をそれぞれ閉塞する位置に対応する制御パラメータのことを第2吸引口閉塞位置パラメータP2、第3吸引口閉塞位置パラメータP3、第4吸引口閉塞位置パラメータP4と称する。これらの制御パラメータP0~P4を「スリーブ真空制御パラメータ」(図5)と総称する。
制御パラメータ設定部303は、上記のスリーブ真空制御パラメータに値を設定する。
スリーブ真空制御部302は、スリーブ真空制御パラメータがそれぞれ示すプランジャ22の位置で、真空バルブ40Vまたは選択バルブ413を動作させるバルブ動作指令を発する。
バルブ応答タイムラグ設定部304は、後述するバルブ応答タイムラグを設定する。
制御パラメータ設定部303は、指標値取得部303Aと、制御パラメータ入力取得部303Bと、射出条件データ変換部303Cとを備えている。
制御パラメータ入力取得部303Bは、スリーブ真空制御パラメータの外部からの入力を取得してスリーブ真空制御パラメータに値を設定可能である。
例えば、図5に示すモニタ32の画面上の真空開始位置の設定欄32Sに、制御卓の入力装置等により値が入力されると、制御パラメータ入力取得部303Bは、設定欄32Sに入力された値を取得して真空開始位置パラメータに設定することができる。
射出条件データ変換部303Cは、後述するように、射出条件の位置および速度を、位置および時間のデータへと変換する。
スリーブ真空制御パラメータのそれぞれが示すプランジャ22の位置で、スリーブ真空制御部302によりバルブ動作指令が発せられることによって、真空吸引系統40のバルブの状態が切り替えられる。
ここで、真空開始位置パラメータP0が、図8(b)に示すように、チップ24の後部202の前端202Aが注湯口26の前端26Aに到達したときのプランジャ22の位置に設定された場合を考える。図8(b)に示すように注湯口26の前端26Aでスリーブ21の内部がチップ24の後部202により閉塞されると、スリーブ21の内側においてチップ24よりも前方に区画された前方空間27の真空吸引が可能である。このプランジャ22の位置のことを、チップ24が注湯口26を閉塞する位置(注湯口閉塞位置)と称する。典型的には、注湯口閉塞位置にプランジャ22が到達した時にスリーブ21の真空吸引が開始される。
真空開始位置パラメータP0が示す図8(b)の位置(注湯口閉塞位置であり、真空開始位置)で、スリーブ真空制御部302により真空開始指令(バルブ動作指令)が発せられたならば、真空バルブ40Vが真空吸引の状態に切り替えられる。そうすると、連通空間29の圧力が減少する。
なお、必ずしも注湯口閉塞位置で真空吸引が開始されなくてもよいが、注湯口閉塞位置で真空吸引が開始されることにより、真空吸引を行う時間を最大限に得ることができる。
また、第1~第4吸引口閉塞パラメータP1~P4は、チップ24の後部202により吸引口41~44のうち該当の吸引口を閉塞する位置にそれぞれ対応している。例えば、チップ24の後部202の前端202Aが第1吸引口41の前端に到達したならば、後部202により第1吸引口41が閉塞されている。このとき、スリーブ真空制御部302により第1閉塞指令(バルブ動作指令)が発せられたならば、第1吸引口41に接続された吸引経路47の選択バルブ413が閉状態となり、当該吸引経路47を通じた外気と真空タンク46との連通が遮断される。そうすると、チップ24のさらなる前進により第1吸引口41が外気に開放された時の真空吸引系統40における真空度の低下を避けることができる。
上述のように、チップ24の前端202Aが注湯口26の前端26Aに到達した、つまり、プランジャ22が真空開始位置まで移動したことがリニアエンコーダ等により検知され、スリーブ真空制御部302により真空開始指令が生成されて発せられたならば、真空開始指令に遅れて真空バルブ40Vが動作し、続いて、連通空間29の減圧が始まる。
つまり、プランジャ22の真空開始位置への到達および真空開始指令の発生に対し、連通空間29の減圧開始までのタイムラグが存在する。このタイムラグには、真空バルブ40Vの応答時間、連通空間29の圧力が減少に転じるまでの時間、および連通空間29の圧力を検知する圧力計の応答時間等が含まれる。
例えば、真空吸引を開始する際のプランジャ22の速度が0.3m/sであり、真空開始指令が発せられてから真空バルブ40Vが動作するまでのタイムラグが100msであったとすると、真空バルブ40Vが動作する時点で、プランジャ22は、真空開始指令が発せられた位置から30mm前方に移動している。
上記と同じタイムラグ(100ms)でも、プランジャ22の速度が0.5m/sであるならば、真空バルブ40Vが動作する時点で、プランジャ22は、真空開始指令が発せられた位置から50mm前方に移動している。つまり、プランジャ22の速度が速いほど、タイムラグに起因して、真空開始指令発生時点のプランジャ22の位置に対し、真空バルブ40Vが動作する時点のプランジャ22の位置に顕著なシフトが発生する。
そうすると、リニアエンコーダ等により真空開始位置が検知されたことで直ちにスリーブ真空制御部302により真空開始指令が発せられたとしても、必ずしも適時に真空バルブ40Vが動作して連通空間29の減圧が開始されない場合がある。
つまり、図8(b)に示すプランジャ22の位置で真空開始指令が発せられたとしても、真空開始指令から遅れて、図8(a)に示すようにプランジャ22が前進した位置で真空バルブ40Vが動作したならば、真空吸引の時間を最大限に確保することはできず、また、図8(a)に示すようにチップ24が第2吸引口42の一部を閉塞していることで、吸引用の開口面積が減少してしまう。
タイムラグを考慮すると、チップ24の後部202の前端202Aが注湯口26の前端26Aに到達したときのプランジャ22の位置ではなく、その位置よりも後方の位置にプランジャ22が到達した時点で真空開始指令を発生させることが好ましい。換言すると、タイムラグを見込んで真空開始指令の発生時を早めることにより、指令発生に遅れて真空バルブ40Vが現実に動作する時に、真空開始位置にプランジャ22が到達するようにすれば良い。
しかし、タイムラグが考慮された指標が無いとすれば、どれほど後方の位置で真空開始指令を発生させるべきか、つまり、真空開始指令を発生させる位置を示す真空開始位置パラメータの値の決め方が難しい。
そのため、注湯口閉塞位置よりも後方の位置で、真空開始指令が早く発せられた結果、図8(c)に示す位置で真空バルブ40Vが動作したとする。このとき、注湯口26と前方空間27とが吸引用凹部25およびチップ24とスリーブ21との隙間を介して連通しているため、注湯口26を通じて前方空間27に外気が流入し易い。
図8(a)~(c)にそれぞれ示す位置で真空バルブ40Vが動作したときのスリーブ21内の溶湯17の状態が試験により確認されている。その試験によれば、図8(a)および(b)に示す位置で真空バルブ40Vが動作したとき、外気の流入による溶湯17の飛散や湯面の揺動はカメラにより観察されなかった。
真空開始位置の他、吸引口閉塞位置についても、タイムラグを考慮すると、チップ24の後部202により吸引口が閉塞されたときのプランジャ22の位置ではなく、その位置よりも後方の位置にプランジャ22が到達した時点で吸引口閉塞指令を発生させることにより、当該吸引口が大気開放されるよりも前に、対応する選択バルブ413を閉塞させることが好ましい。
しかし、タイムラグが考慮された指標が無いとすれば、どれほど後方の位置で吸引口閉塞指令を発生させるべきか、つまり、吸引口閉塞パラメータの値の決め方が難しい。
ここで、真空開始位置および吸引口閉塞位置のいずれについても、スリーブ21に対してプランジャ22が前進する速度(射出速度)が大きいほど、タイムラグによる影響は顕著となる。更に、吸引口閉塞位置については、チップ24の後部202の軸方向長さが短いほど、吸引口が大気開放されるまでの距離が短くなるため、タイムラグによる影響が顕著となる。つまり、射出速度が大きいほど、また、チップ24の後部202が短いほど、各バルブを適時に動作させるために適切な時点で指令を発生させる必要性が高くなる。
以上より、スリーブ21内部への外気の流入を抑制しながら、スリーブ21の真空吸引を効率良く行って鋳造品の品質を確保するため、タイムラグを考慮した適切な値に、スリーブ真空制御パラメータを簡便に設定したい。
そのため、本実施形態の制御装置30は、タイムラグが考慮された指標として、スリーブ真空制御パラメータの指標値を提供する。
真空開始位置指標値Pi0、および第1~第4吸引口閉塞位置指標値Pi1~Pi4は、(1)スリーブ21やチップ24の幾何学的諸元のみから、タイムラグが考慮されずに決まるバルブ動作位置と、(2)プランジャ22の位置および速度を表すデータを含む射出条件と、(3)真空開始時の指令発生、真空バルブ40V等のバルブの動作、連通空間29の減圧等の一連の処理および現象に存在するタイムラグと、を用いて取得される。
制御パラメータ設定部303の指標値取得部303Aは、上記のバルブ動作位置からタイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得する。
以下、スリーブ真空制御パラメータの指標値の取得に用いられる上記要素(1)~(3)について説明する。
(1)バルブ動作位置
ここで言うバルブ動作位置は、図9に示すように、スリーブ21の注湯口26や吸引口41~44に関する進退方向D1の寸法、チップ24の前部201や吸引用凹部25の進退方向D1の寸法等の幾何学的諸元から導かれる。バルブ動作位置Vs0~Vs4は、図9に示すように、原点位置にあるプランジャ22のチップ24の先端24Bの位置を基準として示すことができる。
真空開始位置指標値の取得に用いられるバルブ動作位置Vs0は、チップ24が注湯口26を閉塞する位置(注湯口閉塞位置)に相当する。第1吸引口閉塞位置指標値の取得に用いられるバルブ動作位置Vs1は、チップ24が、吸引口41を閉塞する位置(吸引口閉塞位置)に相当する。同様に、第2~第4吸引口閉塞位置指標値の取得に用いられるバルブ動作位置Vs2~Vs4も、チップ24が、該当の吸引口を閉塞する位置(吸引口閉塞位置)に相当する。
スリーブ21やチップ24の幾何学的諸元は、図6に設定用画面の一例を示すように、製造前に予め設定され、記憶部313に記憶される。この例では、例えば、注湯口26の進退方向D1の寸法L0、注湯口26の前端26Aから第1吸引口41の開口中心までの距離L1、第1吸引口41の開口中心から第2吸引口42の開口中心までの距離L2、第2吸引口42の開口中心から第3吸引口43の開口中心までの距離L3、第3吸引口43の開口中心から第4吸引口44の開口中心までの距離L4、各吸引口41~44の直径φ1~φ4、チップ24の全長L5、通常の基準位置(注湯口26の後端26B)に対して、原点位置にあるプランジャ22のチップ24の先端24Bがシフトしている長さL6、チップ24の前端側のテーパ部の幅に相当するシール不可長さL7、シール不可長さL7を除いた前部201の長さL8、および吸引用凹部25の長さL9等が、画面上の入力項目への入力等によって設定される。
バルブ動作位置Vs0~Vs4は、例えば図6の設定用画面により設定された数値から算出することができる。なお、バルブ動作位置Vs0~Vs4のそれぞれの値が、設定用画面の項目に入力されるようになっていてもよい。
(2)射出条件
射出条件は、スリーブ21やチップ24の幾何学的諸元と同様、製造前に予め設定され、記憶部313に記憶される。図10は、射出条件の位置および速度の波形の一例を示している。横軸はプランジャ22の原点位置からの射出ストロークを示し、縦軸はプランジャ22の速度を示している。
射出条件は、相対的に低速で移動するプランジャ22のチップ24により溶湯17をスリーブ21から押し出した後、プランジャ22の速度を急激に増加させるという基本的な動作に基づいて設定される。
射出条件の位置および速度を設定することにより、加速度等が相違する種々の射出設定波形を実現可能である。
制御パラメータ設定部303は、射出条件データ変換部303Cにより、射出条件の位置および速度から、位置および時間のデータへと変換した位置・時間データをスリーブ真空制御パラメータの取得に用いる。この位置・時間データに基づいて、幾何学的に得られるバルブ動作位置からタイムラグ分後方の位置を特定することができる。
位置・時間データにおける「時間」は、射出条件に基づいて、前進するプランジャ22が、進退方向D1の基準位置(ここではプランジャ22の原点位置)から、進退方向D1の任意の位置に到達するまでの経過時間を意味する。この意味で、位置・時間データの「時間」を経過時間と称する。
射出条件データ変換部303Cは、射出条件の位置および速度から、位置および時間のデータへと変換した位置・時間データとして、射出ストロークの全域に亘り、プランジャ22の経過時間を単位変位量毎に得ることが好ましい。
射出ストロークの全域に亘り経過時間が与えられている位置・時間データに基づけば、射出ストローク上の任意の位置における経過時間から、タイムラグに相当する時間を遡った時間に対応する位置を容易に特定することができる。
射出条件データ変換部303Cは、位置および速度を含む射出条件に基づいて、射出ストロークの全域に亘り、経過時間を単位変位量毎に算出する。射出条件データ変換部303Cにより算出された経過時間データは、記憶部313に記憶される。
経過時間は、射出条件の値が変更された際には、変更後の射出条件に基づいて再計算され、記憶部313に記憶された経過時間のデータが書き換えられる。
異なる射出条件にそれぞれ対応する経過時間データが予め射出条件から算出され、記憶部313に記憶されている場合は、射出条件変更時の再計算や、記憶部313におけるデータの書き換えが必ずしも必要ない。
図11に、射出条件から算出された、単位変位量毎の経過時間データが模式的に示されている。図11に示す経過時間データは、原点位置からのプランジャ22の1mm単位の位置と、当該位置へのプランジャ22の到達時における移動開始時からの経過時間との対応関係を射出ストロークの全域(ここでは1mm~1200mm)に亘り示している。
プランジャ22の位置と経過時間とが紐付けられている限り、経過時間データは、任意のデータ形式であってよい。経過時間データが、例えば、行列状のテーブルデータであったり、あるいは、1~1200mmの各位置と紐付けられた経過時間が、記憶部313に用意されている記憶領域(バッファ)に個別に格納されていたりしてもよい。
(3)タイムラグ
次に、スリーブ真空制御パラメータの指標値の取得に用いるタイムラグは、バルブ動作指令の発生から、真空バルブ40Vおよび選択バルブ413等の動作までのタイムラグを想定したバルブ応答タイムラグに相当する。
このバルブ応答タイムラグは、リニアエンコーダ等によるバルブ動作位置の検知およびバルブ動作指令発生に対する連通空間29の減圧開始までのタイムラグを用いて定めることができる。
図12には、プランジャ22を低速で前進させながら行われる真空吸引の過程において、キャビティ16のガス圧力R1の時間変化の一例を太い実線で示し、金型11,13の吸引部19付近におけるガス圧力R2の時間変化の一例を細い実線で示している。ガス圧力R1は、キャビティ16の所定位置に配置された圧力計G1(図13)により測定され、ガス圧力R2は、吸引部19付近に配置された圧力計G2(図13)により測定される。
図12より、スリーブ21の吸引口41~44を通じた真空吸引について、真空開始指令が発せられた時(A1)から、キャビティ16の圧力R1が減少に転じる、減圧開始時(B1)までのタイムラグTL1が存在する。
ここで、真空バルブ40Vや圧力計G1の応答性、およびキャビティ16の容積等によっては、真空バルブ40Vが切り替えられたならば瞬時にキャビティ16の減圧が開始されて圧力計G1の測定値に反映される。
しかし、多くの場合、キャビティ16の減圧開始が圧力計G1の測定値に基づいて検知されるためには、真空開始指令の発生A1に遅れて真空バルブ40Vが切り替えられた後、スリーブ21内部が吸引口41~44を通じて真空吸引されたことでキャビティ16の圧力が減少に至り、さらにキャビティ16の圧力減少に圧力計G1が応答するまでの時間を要する。
金型11,13の吸引部19付近の圧力R2は、上記の減圧開始時(B1)において圧力R1と比べると緩やかに減少した後、吸引部19を通じた真空吸引に対する応答により、減少率が増大する(B2)。
なお、図12に示す例では、スリーブ21の真空吸引開始の指令発生(A1)に対して、吸引部19を通じたキャビティ16の真空吸引開始の指令発生(A2)が先行しているが、これは一例であって、これには限られない。キャビティ16が目標の真空度に到達するように、真空開始指令の発生時(A1,A2)を適宜に定めることができる。
図13に示すように、スリーブ21から圧力計G2までの距離が、スリーブ21から圧力計G1までの距離と比べて遠いため、(B1)において圧力R2の減少の度合が圧力R1の減少の度合よりも小さいとは言え、スリーブ21の真空吸引開始の指令発生(A1)から減圧開始までのタイムラグTL1を圧力R2の時間変化に基づいて得ることもできる。
但し、タイムラグTL1を安定して得る観点からは、スリーブ21に近い圧力計G1により検知された圧力R1の時間変化に基づいてキャビティ16の減圧開始を精度よく把握することが好ましい。
スリーブ真空制御パラメータの指標値の取得に用いるバルブ応答タイムラグは、タイムラグTL1と、真空バルブ40Vや圧力計G1の応答性、圧力計G1による測定値のばらつき、キャビティ16の容積等を考慮して、定めることができる。典型的には、バルブ応答タイムラグがタイムラグTL1よりも短い時間であることに基づくと、タイムラグTL1に1未満の係数(例えば、0.5~0.9)を乗じた値を採用することが好ましい。但し、バルブ応答タイムラグとしてタイムラグTL1を採用することも許容される。
バルブ応答タイムラグは、タイムラグTL1の係数の乗算に限らず、適宜な計算で求めることができる。
バルブ応答タイムラグは、図6に設定用画面の一例を示すように、バルブ応答タイムラグ設定部304により製造前に予め設定され、記憶部313に記憶される。この例では、バルブ動作指令に対する各バルブ(真空バルブ40Vおよび選択バルブ413)のバルブ応答タイムラグVt0~Vt4が、画面上の入力によって設定可能である。バルブ応答タイムラグVt0~Vt4には、同じ値を設定することもできるし、異なる値を設定することもできる。
バルブ応答タイムラグVt0~Vt4の設定は、図12に示したタイムラグTL1の取得を含めて自動的に行われるようにしてもよい。つまり、バルブ応答タイムラグ設定部304が、鋳造時のキャビティ16やスリーブ21の内部等、連通空間29の圧力の時間的変化からタイムラグTL1を取得し、タイムラグTL1に所定の係数を乗じた値がバルブ応答タイムラグに設定されるようにしてもよい。
制御パラメータ設定部303は、以上で述べたように、指標値取得部303Aにより、バルブ動作位置、射出条件、およびバルブ応答タイムラグを用いることにより、真空バルブ40Vや選択バルブ413のバルブ動作位置からバルブ応答タイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値(真空開始位置指標値Pi0、第1~第4吸引口閉塞位置指標値Pi1~Pi4)を取得し、かかる指標値をスリーブ真空制御パラメータに設定することができる。
本実施形態では、制御パラメータ設定部303により設定されたスリーブ真空制御パラメータをオペレータにより画面上で変更することが可能である。
図5は、スリーブ真空制御パラメータの設定が可能な画面の一例を示している。この例では、ダイカストマシン10におけるスリーブ21の真空吸引機能を使用するか否かの設定項目(使用/不用)、各吸引口41~44の使用/不用の設定項目、スリーブ真空制御パラメータの設定項目320~324が画面に表示されている。
スリーブ真空制御パラメータの設定項目320~324の隣には、スリーブ真空制御パラメータの値の推奨範囲が表示されている。この範囲においてスリーブ真空制御パラメータの値を設定可能である。
画面上の推奨範囲の下限は、上述したスリーブ真空制御パラメータ指標値(Pi0~Pi4)、つまり、幾何学的に得られるバルブ動作位置Vs0~Vs4に対して、バルブ応答タイムラグの分、後方の位置に相当する。例えば、真空開始位置パラメータP0の推奨範囲下限(Pi0)は、バルブ動作位置Vs0に対して、バルブ応答タイムラグVt0の分、後方の位置に相当する。第1吸引口閉塞位置パラメータP1の推奨範囲下限は、バルブ動作位置Vs1に対して、バルブ応答タイムラグVt1の分、後方の位置に相当する。第2~第4吸引口閉塞位置パラメータP2~P4についても同様である。
画面上の推奨範囲の上限は、幾何学的に得られるバルブ動作位置Vs0~Vs4に相当する。
推奨範囲の下限はバルブの応答時間を想定したタイムラグが考慮されているため、オペレータは、バルブの応答に起因するタイムラグを考慮することなく、必要に応じて製造試験時のデータを参考にするなどして、推奨範囲の下限から上限までの範囲における任意の値をスリーブ真空制御パラメータの設定項目320~324に制御卓の入力装置等を用いて設定することができる。その際に、推奨値として下限だけが表示されている場合と比べて、上限も表示されている方が、値を設定し易い。
但し、スリーブ真空制御パラメータの設定画面上に、推奨値(Pi0~Pi4)のみが表示されている場合であっても、当該推奨値に基づいて、制御パラメータP0~P4に適切な値を設定することができる。
以上で説明したように、本実施形態のダイカストマシンの制御に際しては、制御装置30の制御パラメータ設定部303により、幾何学的に得られるバルブ動作位置と、射出条件と、バルブ応答タイムラグとを用いてスリーブ真空制御パラメータの指標値を取得し、スリーブ真空制御パラメータに設定することができる。
〔鋳造方法、スリーブの真空吸引の制御例〕
ダイカストによる鋳造の手順の例を簡単に説明する。
図14は、ダイカストによる鋳造の各ステップを示している。鋳造の1サイクルは、型締め(ステップS1)、スリーブ21への注湯(ステップS2)、プランジャ22による射出の開始(ステップS3)、スリーブ21の真空吸引を実施する場合(ステップS4でYes)の処置(ステップS5)、保圧・増圧(ステップS6)、キャビティ16における溶湯の冷却(ステップS7)、型開き(ステップS8)、金型11,13からの製品の取出し(ステップS9)、製品の検知(ステップS10)、金型11,13への離型剤の供給(ステップS11)、プランジャ22の後退(ステップS12)、およびチップ24への潤滑剤の供給(ステップS13)からなる。
上記のステップのうち、ステップS5は、スリーブ真空制御部302による制御下で行われる。その他のステップは、ダイカストマシン制御部301による制御下で行われる。
ステップS5の詳細処理の一例を示す図15と、射出工程におけるプランジャ22の動きを示す図16~図19を参照して説明する。
スリーブ21の真空吸引の開始時には、吸引口41~44にそれぞれ対応する選択バルブ413のいずれも開いているものとする。
スリーブ21の真空吸引の処理概要としては、プランジャ22の前進に伴い、スリーブ真空制御部302により、スリーブ真空制御パラメータP0~P4が示す位置でそれぞれ、真空バルブ40Vあるいは選択バルブ413に対するバルブ動作指令が発せられる。バルブ動作指令の発生によって、指令に対応する真空バルブ40Vあるいは選択バルブ413が動作する。
制御パラメータP0~P4は、上述したようにバルブ応答タイムラグを考慮して設定されているため、制御パラメータP0~P4がそれぞれ示す位置で発せられた指令に遅れて、真空バルブ40Vおよび選択バルブ413が適時に動作することとなる。
本実施形態では、吸引用凹部25が形成されたチップ24が使用されているため、以下に説明するように、各吸引口41~44が、前方空間27または吸引用凹部25の吸引に使用される。各吸引口41~44が、プランジャ22の前進により大気に開放されるよりも前に、各吸引口41~44に対応する選択バルブ413が閉状態に切り替えられる。
以下、スリーブ21の真空吸引に係る処理の例を具体的に説明する。
ステップS101では、真空タンク46の内部が十分な真空度にまで達したことが圧力計により検知されたことにより、真空吸引の準備完了の信号が発せられる。
このとき、図16(a)に示すように、プランジャ22は原位置にある。
ステップS102では、真空開始位置パラメータP0が示す位置へのプランジャ22の到達に伴い、真空開始指令が発せられる。真空開始指令の発生時に、プランジャ22は、チップ24が注湯口26を閉塞する位置(図16(b))に対して後方に位置している。
ステップS103では、ステップS102で発せられた真空開始指令によって真空バルブ40Vが真空吸引に切り替えられる。このときに、プランジャ22は、図16(b)に示す位置と同様の位置にある。つまり、チップ24の後部202が注湯口26を閉塞する位置で真空バルブ40Vが真空吸引に切り替えられる。そうすると、真空吸引系統40(図2)により、吸引口41を通じて吸引用凹部25が吸引されるとともに、吸引口42~44を通じて前方空間27が吸引される。
その後、プランジャ22の前進により、図16(c)に示すように第2吸引口42がチップ24の前部201により閉塞される。これに伴い、第2吸引口42を通じた前方空間27の吸引が終了する。
次いで、図17(a)に示すように第2吸引口42が吸引用凹部25に連通する。このとき、第1吸引口41および第2吸引口42を通じて吸引用凹部25が吸引されるとともに、第3吸引口43および第4吸引口44を通じて前方空間27が吸引される。
続いて、第1吸引口閉塞位置パラメータP1が示す位置へのプランジャ22の到達に伴い、第1吸引口閉塞指令が発せられる(ステップS104)。この指令の発生時に、プランジャ22は、後部202が第1吸引口41を閉塞する位置(図17(b))に対して後方に位置している。
ステップS104で発せられた第1吸引口閉塞指令により、第1吸引口41に対応する第1の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる(ステップS105)。このとき、プランジャ22は、図17(b)に示す位置と同様の位置にある。つまり、後部202が第1吸引口41を閉塞する位置で第1の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる。これによって、第1吸引口41に対応する吸引経路47を通じた真空吸引が終了する。
その後も同様に、前部201による第3吸引口43の閉塞(図17(c))、第3吸引口43と吸引用凹部25との連通を経て、プランジャ22が、第2吸引口閉塞位置パラメータP2が示す位置へ到達すると、第2吸引口閉塞指令が発せられる(ステップS106)。
第2吸引口閉塞指令により、第2吸引口42に対応する第2の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる(ステップS107)。このとき、プランジャ22は、図18(a)に示す位置と同様の位置にある。つまり、後部202が第2吸引口42を閉塞する位置で第2の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる。これによって、第2吸引口42に対応する吸引経路47を通じた真空吸引が終了する。
また、後部202により第2吸引口42が閉塞されるとき、第1吸引口41が大気に開放されるが、既に、第1吸引口41に対応する第1の選択バルブ413が閉状態に切り替えられているため、第1吸引口41に対応する吸引経路47を通じて真空タンク46の真空度が低下することは避けられる。
さらに、図18(b)に示すように、前部201により、吸引口41~44のうち最も前方に位置する第4吸引口44が閉塞されることで、前方空間27の真空吸引は終了するが、前方空間27への外気の流入を抑制するため、第4吸引口44を通じて、引き続き、吸引用凹部25の吸引を継続する。
その後、第3吸引口閉塞位置パラメータP3が示す位置へプランジャ22が到達すると、第3吸引口閉塞指令が発せられる(ステップS108)。
第3吸引口閉塞指令により、第3吸引口43に対応する第3の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる(ステップS109)。このとき、プランジャ22は、図18(c)に示す位置と同様の位置にある。つまり、後部202が第3吸引口43を閉塞する位置で第3の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる。これによって、第3吸引口43に対応する吸引経路47を通じた真空吸引が終了する。
続いて、第4吸引口閉塞位置パラメータP4が示す位置へプランジャ22が到達したならば、第4吸引口閉塞指令が発せられる(ステップS110)。それに遅れて、第4吸引口44に対応する第4の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる(ステップS111)。このとき、図19(a)に示すように、後部202が第4吸引口44を閉塞する位置で第4の選択バルブ413が閉状態に切り替えられる。これによって、第1~第4吸引口41~44に対応する第1~第4の選択バルブ413の全てが閉状態となるため、スリーブ側吸引系統40Sによる真空吸引が終了する。第4の選択バルブ413が閉状態に切り替えられるのに伴い、真空バルブ40Vを中立に切り替えるとよい(ステップS112)。
その後、図19(b)および(c)に示すように、第4吸引口44が大気に開放される。
吸引口41~44を通じたスリーブ21内の真空吸引を終了したならば、エアブロウを実施する。エアブロウは、チップ24により溶湯17がスリーブ21内から押し出された後、例えば、速度制御から圧力制御へ切り替える指令の発生に続いて、保圧・増圧のステップS6以降の処理と並行して行うことができる。
エアブロウを実施するため、真空バルブ40Vをエアブロウに切り替え、吸引口41~44に対応する選択バルブ413を1箇所ずつ順番に、設定した時間だけ開状態とする。
そうすると、加圧空気供給系統40Pにより、吸引口41~44を通じてスリーブ21内に加圧空気を噴出させるエアブロウが行われる。
エアブロウを終えたならば、真空バルブ40Vを中立に切り替える。
以上で説明したダイカストマシン10の制御装置30による制御によれば、バルブ応答タイムラグが考慮された、スリーブ真空制御パラメータの指標値が取得されることにより、真空バルブ40Vや選択バルブ413が適時に動作するように、バルブ応答タイムラグの分、バルブ動作指令を先行して発生させる制御パラメータを容易に設定することができる。
真空バルブ40Vや選択バルブ413が適時に動作することで、真空吸引時間を最大限に確保することができ、また、吸引用の開口面積を十分に確保できるので、スリーブ21内およびキャビティ16を効率よく減圧させて、巻込み巣の発生を防ぐことができる。
上述した制御によれば、スリーブ21の壁に形成された複数の吸引口41~44と、吸引用凹部25が形成されたチップ24とを用いてスリーブ21を真空吸引する場合でも、図16~図19に例示したように、バルブ動作指令に対して遅れる真空バルブ40Vや選択バルブ413の一連のバルブ動作が、それぞれ適切な位置で行われる。そのため、外気流入による溶湯の暴れを抑制して吸引経路47の閉塞を防ぐことのできる観点でも、スリーブ21内およびキャビティ16を効率よく減圧させて鋳造品の品質確保に寄与できる。
制御装置30は、既設のダイカストマシン10に適用することもできる。既設のダイカストマシン10に備わる制御装置を本実施形態の制御装置30に置き換えることにより、バルブ応答タイムラグに対処できるため、射出速度の増加にも対応することができる。
制御装置30は、複数の制御ブロックに分けて構成されていてもよい。例えば、制御パラメータ設定部303の指標値取得部303A(図7)を実行可能な装置が、制御パラメータ指標値取得装置として、ダイカストマシン制御部301やスリーブ真空制御部302等を実行可能な主制御装置とは別体に構成されていてもよい。その場合は、制御パラメータ指標値取得装置と主制御装置との間の通信により、制御パラメータ指標値取得装置により取得した指標を主制御装置に送信し、制御パラメータの設定に用いることができる。
上記の制御パラメータ指標値取得装置により、既設の制御装置に対して、スリーブ真空制御パラメータの指標値を提供することも可能である。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
10 ダイカストマシン
11 可動金型
11A 製品押出機構
12 可動盤
13 固定金型
14 固定盤
15 マシンベース
16 キャビティ
17 溶湯
18 タイバー
19 吸引部
20 射出装置
21 スリーブ
21A 内周部
22 プランジャ
23 プランジャロッド
24 プランジャチップ
24A 前端
24B 先端
25 吸引用凹部
26 注湯口
26A 前端
26B 後端
27 前方空間
28A,28B シール部材
29 連通空間
30 制御装置
31 制御装置本体
32 モニタ(表示部)
32S 制御パラメータの設定欄
33 入出力インタフェース
40 真空吸引系統
40M 金型側吸引系統
40P 加圧空気供給系統
40S スリーブ側吸引系統
40V 真空バルブ
41~44 吸引口
45 真空ポンプ
46 真空タンク
47 吸引経路
48 合流・分配部
131 ランナー
132 ゲート
201 前部
202 後部
202A 前端
203 小径部
301 ダイカストマシン制御部
302 スリーブ真空制御部
303 制御パラメータ設定部
303A 指標値取得部
303B 制御パラメータ入力取得部
303C 射出条件データ変換部
304 バルブ応答タイムラグ設定部
311 演算部
312 メモリ
313 記憶部
320~324 制御パラメータの設定項目
401 真空フィルタ
402 圧力検知部
403 真空バルブ
411 真空フィルタ
412 圧力検知部
413 選択バルブ
421 圧縮空気源
422 加圧タンク
D1 進退方向
G1,G2 圧力計
P0 真空開始位置パラメータ(制御パラメータ)
P1 第1吸引口閉塞位置パラメータ(制御パラメータ)
P2 第2吸引口閉塞位置パラメータ(制御パラメータ)
P3 第3吸引口閉塞位置パラメータ(制御パラメータ)
P4 第4吸引口閉塞位置パラメータ(制御パラメータ)
Pi0~Pi4 指標値
R1,R2 ガス圧力
TL1 タイムラグ
Vs0~Vs4 バルブ動作位置
Vt0~Vt4 バルブ応答タイムラグ
p0 大気圧
p1,p2 圧力
φ1~φ4 直径

Claims (12)

  1. 注湯口から溶湯が注入されるスリーブと、前記溶湯をキャビティに向けて射出するプランジャとを備え、前記キャビティと連通した前記スリーブの内側を吸引可能に構成されたダイカストマシンを制御する装置であって、
    前記プランジャの進退方向における位置を示し、前記スリーブの内側を吸引する制御に用いられる制御パラメータに値を設定する制御パラメータ設定部と、
    前記スリーブの内側の吸引状態を操作するバルブを動作させるバルブ動作指令を前記制御パラメータが示す位置で発するスリーブ真空制御部と、を備え、
    前記制御パラメータ設定部は、
    前記プランジャのチップおよび前記スリーブの幾何学的諸元から決まる前記進退方向における前記チップの位置であって、前記バルブを動作させる位置としてのバルブ動作位置と、
    前記プランジャの位置および速度を含む射出条件と、
    前記バルブ動作指令に対する前記バルブの動作のタイムラグと、を用いて、
    前記バルブ動作位置から前記タイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得し、前記指標値を前記制御パラメータに設定可能である、
    ことを特徴とするダイカストマシンの制御装置。
  2. 前記指標値および前記バルブ動作位置のうち、少なくとも前記指標値を表示する表示部を備える、
    請求項1に記載のダイカストマシンの制御装置。
  3. 前記制御パラメータ設定部は、
    前記指標値と前記バルブ動作位置との間の推奨範囲において入力された値を前記制御パラメータに設定可能である、
    請求項1または2に記載のダイカストマシンの制御装置。
  4. 前記制御パラメータ設定部は、前記射出条件の位置および速度から、位置および時間のデータへと変換した位置・時間データを前記指標値の取得に用いる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のダイカストマシンの制御装置。
  5. 前記制御パラメータ設定部は、前記位置・時間データとして、前記プランジャが前記進退方向の任意の位置へ到達するまでの経過時間を単位変位量毎に得る、
    請求項4に記載のダイカストマシンの制御装置。
  6. 前記射出条件、前記制御パラメータ、および前記位置・時間データのうち、少なくとも前記位置・時間データを記憶する記憶部を備える、
    請求項4または5に記載のダイカストマシンの制御装置。
  7. 前記制御パラメータには、前記スリーブの内側の吸引を開始する際に前記バルブを動作させる真空開始指令が発せられる時の前記プランジャの位置を示す真空開始位置パラメータが含まれ、
    前記真空開始位置パラメータに対応する前記指標値の取得に用いられる前記バルブ動作位置は、
    前記チップおよび前記スリーブの幾何学的諸元から、前記チップが前記注湯口を閉塞する位置である、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のダイカストマシンの制御装置。
  8. 前記スリーブの壁には、前記進退方向における前記注湯口よりも前方に、前記スリーブの内側の吸引に用いられる1以上の吸引口が設けられ、
    前記制御パラメータには、前記吸引口に対応する前記バルブを閉状態に切り替える吸引口閉塞指令が発せられる時の前記プランジャの位置を示す吸引口閉塞位置パラメータが含まれ、
    前記吸引口閉塞位置パラメータに対応する前記指標値の取得に用いられる前記バルブ動作位置は、
    前記チップおよび前記スリーブの幾何学的諸元から、前記チップが前記吸引口を閉塞する位置である、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のダイカストマシンの制御装置。
  9. 前記スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が形成されたチップを含む前記プランジャと、前記進退方向に間隔をおいて2以上の前記吸引口が設けられた前記スリーブと、を備え、かつ、前記2以上の吸引口を用いて、前記チップの前端よりも前方の空間と、前記吸引用凹部の内側とを吸引可能に構成された前記ダイカストマシンの前記スリーブの内側を吸引する制御に適用される、
    請求項8に記載のダイカストマシンの制御装置。
  10. ダイカストマシンの制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する取得装置であって、
    前記制御パラメータは、前記ダイカストマシンのプランジャの進退方向における位置を示し、前記ダイカストマシンのスリーブの内側を吸引する制御に用いられ、
    前記取得装置は、
    前記プランジャのチップおよび前記スリーブの幾何学的諸元から決まる前記進退方向における前記チップの位置であって、前記スリーブの内側の吸引状態を操作するバルブを動作させる位置としてのバルブ動作位置と、
    前記プランジャの位置および速度を含む射出条件と、
    前記制御パラメータが示す位置で発せられるバルブ動作指令に対する前記バルブの動作のタイムラグと、を用いて、
    前記バルブ動作位置から前記タイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得する、
    ことを特徴とするダイカストマシンの制御パラメータの指標値取得装置。
  11. ダイカストマシンの制御パラメータの設定に用いられる指標値を取得する取得方法であって、
    前記制御パラメータは、前記ダイカストマシンのプランジャの進退方向における位置を示し、前記ダイカストマシンのスリーブの内側を吸引する制御に用いられ、
    前記取得方法は、
    前記プランジャのチップおよび前記スリーブの幾何学的諸元から決まる前記進退方向における前記チップの位置であって、前記スリーブの内側の吸引状態を操作するバルブを動作させる位置としてのバルブ動作位置と、
    前記プランジャの位置および速度を含む射出条件と、
    前記制御パラメータが示す位置で発せられるバルブ動作指令に対する前記バルブの動作のタイムラグと、を用いて、
    前記バルブ動作位置から前記タイムラグに相当する時間分、遡った位置に相当する指標値を取得する、
    ことを特徴とするダイカストマシンの制御パラメータの指標値取得方法。
  12. 前記制御パラメータは、
    前記スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が形成されたチップを含む前記プランジャと、前記進退方向に間隔をおいて2以上の吸引口が設けられた前記スリーブと、を備え、かつ、前記2以上の吸引口を用いて、前記チップの前端よりも前方の空間と、前記吸引用凹部の内側とを吸引可能に構成された前記ダイカストマシンの前記スリーブの内側を吸引する際の制御に用いられる、
    請求項11に記載のダイカストマシンの制御パラメータの指標値取得方法。
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