JP2019177573A - 射出成形機、金型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティ空間への充填時間の短縮を図ることが可能な射出成形機等を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態に係る射出成形機は、金型装置の第1注入口に対し接離され、第1注入口から第1流路を介して金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第1射出装置と、金型装置の第1注入口とは異なる第2注入口に対し接離され、第2注入口から第2流路を介して金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第2射出装置と、を備え、第1射出装置及び第2射出装置は、一方が金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填している最中に、他方が金型装置のキャビティ空間に同じ成形材料を充填する。【選択図】図5A

Description

本発明は、射出成形機等に関する。
複数の射出装置を用いて、多材・多色成形を行う技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
特開平7−144356号公報
しかしながら、多材・多色成形であるか否かに関わらず、キャビティ空間への成形材料の充填は、一台の射出装置で行われるため、比較的長い充填時間を要し、特に、大型成形品や薄肉成形品の場合に顕著である。よって、複数の射出装置を用いて、充填時間の短縮が図られることが望ましい。
よって、上記課題に鑑み、キャビティ空間への充填時間の短縮を図ることが可能な射出成形機等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態では、
金型装置の第1注入口に対し接離され、前記第1注入口から第1流路を介して前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第1射出装置と、
前記金型装置の前記第1注入口とは異なる第2注入口に対し接離され、前記第2注入口から第2流路を介して前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第2射出装置と、を備え、
前記第1射出装置及び前記第2射出装置は、一方が前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填している最中に、他方が前記金型装置のキャビティ空間に同じ成形材料を充填する、
射出成形機が提供される。
また、本発明の他の実施形態では、
第1射出装置のノズルが接離される第1注入口と、
前記第1射出装置とは異なる第2射出装置のノズルが接離される第2注入口と、
前記第1射出装置及び前記第2射出装置からの成形材料が充填されるキャビティ空間と、
前記第1射出装置とキャビティ空間とを連結する第1流路と、
前記第2射出装置とキャビティ空間とを連結する第2流路と、を備え、
前記第1流路及び前記第2流路は、連通状態に維持されている、
金型装置が提供される。
上述の実施形態によれば、キャビティ空間への充填時間の短縮を図ることが可能な射出成形機等が提供される。
射出成形機(型開完了時の状態)の一例を示す側面図である。 射出成形機(型締時の状態)の一例を示す側面図である。 射出成形機の一例を示す平面図である。 金型装置の一例を示す斜視図である。 金型装置の一例を示す正面断面図である。 一実施形態に係る射出成形機による成形動作の一例を示すタイミングチャートである。 一実施形態に係る射出成形機の成形動作の他の例を示すタイミングチャートである。 一実施形態に係る射出成形機の成形動作の更に他の例を示すタイミングチャートである。 射出成形機の他の例を示す平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
[射出成形機の構成]
まず、図1(図1A,1B)、図2を参照し、本実施形態に係る射出成形機1の構成について説明する。
図1、図2は、本実施形態に係る射出成形機の一例(射出成形機1)を示す図である。具体的には、図1Aは、射出成形機1の型開完了時の状態を示す側面断面図であり、図1Bは、射出成形機1の型締時の状態を示す側面断面図である。図2は、射出成形機1の型締時の状態を示す平面断面図である。以下、本実施形態の図中において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに垂直であり、X軸の正負方向(以下、単に「X方向」)及びY軸の正負方向(以下、単に「Y方向」)は水平方向を表し、Z軸の正負方向(以下、単に「Z方向」)は鉛直方向を表す。
射出成形機1は、型締装置100と、エジェクタ装置200と、第1射出装置300と、第1移動装置400と、第2射出装置500と、第2移動装置600と、第1制御装置700と、第2制御装置800を含む。
<型締装置>
以下、型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(図1A及び図1B中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(図1A及び図1B中左方向)を後方として説明する。
型締装置100は、金型装置10の型閉、型締、型開を行う。型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定プラテン110、可動プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、及び型厚調整機構180を有する。
固定プラテン110は、フレームFrに対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型11が取付けられる。
可動プラテン120は、フレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされる。フレームFr上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型12が取付けられる。
固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、型閉、型締、型開が行われる。固定金型11と可動金型12とで金型装置10が構成される。
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて連結され、フレームFr上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、トグルサポート130は、フレームFr上に敷設されるガイドに沿って移動自在とされてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
尚、本実施形態では、固定プラテン110がフレームFrに対し固定され、トグルサポート130がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされるが、トグルサポート130がフレームFrに対し固定され、固定プラテン110がフレームFrに対し型開閉方向に移動自在とされてもよい。
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。各タイバー140は、型開閉方向に平行とされ、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられる。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出等に用いられる。
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪みゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式等でもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配設され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群等で構成される。各リンク群は、ピン等で屈伸自在に連結される第1リンク152及び第2リンク153を有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピン等で揺動自在に取付けられ、第2リンク153はトグルサポート130に対しピン等で揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152及び第2リンク153が屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
尚、トグル機構150の構成は、図1A及び図1Bに示す構成に限定されない。例えば図1A及び図1Bでは、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152及び第2リンク153を屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリ等を介して運動変換機構170に連結されてもよい。
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸171と、ねじ軸171に螺合するねじナット172とを含む。ねじ軸171と、ねじナット172との間には、ボールまたはローラが介在してよい。
型締装置100は、第1制御装置700による制御下で、型閉工程、型締工程、型開工程等を行う。
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型12を固定金型11にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や速度は、例えば型締モータエンコーダ161等を用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。
尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、及び、クロスヘッド151の速度を検出するクロスヘッド速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテン120の速度を検出する可動プラテン速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
型締工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。型締時に可動金型12と固定金型11との間にキャビティ空間14が形成され、第1射出装置300と第2射出装置500のいずれか一方がキャビティ空間14に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。キャビティ空間14の数は複数でもよく、その場合、複数の成形品が同時に得られる。
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定速度で型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型12を固定金型11から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型12から成形品を突き出す。
型閉工程及び型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程及び型締工程におけるクロスヘッド151の速度や位置例えば、型閉工程および型締工程におけるクロスヘッド151の速度や位置(型閉開始位置、速度切替位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、速度切替位置、型閉完了位置、および型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、速度が設定される。速度切替位置は、1つでもよいし、複数でもよい。速度切替位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
また、型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、型開工程におけるクロスヘッド151の速度や位置(型開開始位置、速度切替位置、および型開完了位置を含む)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、速度切替位置、および型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、速度が設定される。速度切替位置は、1つでもよいし、複数でもよい。速度切替位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型締位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の速度や位置等の代わりに、可動プラテン120の速度や位置等が設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置10の交換や金型装置10の温度変化等により金型装置10の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型12が固定金型11にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
型締装置100は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
ねじ軸181及びねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転は、回転伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。
尚、回転伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
回転伝達部185は、例えば歯車等で構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車及び駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。
尚、回転伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリ等で構成されてもよい。
型厚調整機構180の動作は、第1制御装置700によって制御される。第1制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させることで、ねじナット182を回転自在に保持するトグルサポート130の固定プラテン110に対する位置を調整し、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。
尚、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
尚、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
また、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
<エジェクタ装置>
以下、エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(図1A及び図1B中右方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(図1A及び図1B中左方向)を後方として説明する。
エジェクタ装置200は、金型装置10から成形品を突き出す。エジェクタ装置200は、エジェクタモータ210、運動変換機構220、及びエジェクタロッド230等を有する。
エジェクタモータ210は、可動プラテン120に取付けられる。エジェクタモータ210は、運動変換機構220に直結されるが、ベルトやプーリ等を介して運動変換機構220に連結されてもよい。
運動変換機構220は、エジェクタモータ210の回転運動をエジェクタロッド230の直線運動に変換する。運動変換機構220は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
エジェクタロッド230は、可動プラテン120の貫通穴において進退自在とされる。エジェクタロッド230の前端部は、可動金型12の内部に進退自在に配設される可動部材15と接触する。エジェクタロッド230の前端部は、可動部材15と連結されていても、連結されていなくてもよい。
エジェクタ装置200は、第1制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。
突き出し工程では、エジェクタモータ210を駆動してエジェクタロッド230を設定速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、可動部材15を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータ210を駆動してエジェクタロッド230を設定速度で後退させ、可動部材15を元の待機位置まで後退させる。エジェクタロッド230の位置や速度は、例えばエジェクタモータエンコーダ211を用いて検出する。エジェクタモータエンコーダ211は、エジェクタモータ210の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。
尚、エジェクタロッド230の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド230の速度を検出するエジェクタロッド速度検出器は、エジェクタモータエンコーダ211に限定されず、一般的なものを使用できる。
<第1射出装置>
以下、第1射出装置300の説明では、第1射出装置300を金型装置10に対し接近させる方向(図1A及び図1B中左方向)を前方とし、第1射出装置300を金型装置10に対し離間させる方向(図1A及び図1B中右方向)を後方として説明する。
第1射出装置300は、フレームFrに対し進退自在なスライドベース301に設置され、金型装置10に対し進退自在とされる。第1射出装置300は、金型装置10にタッチし、金型装置10内のキャビティ空間14に成形材料を充填する。つまり、第1射出装置300は、金型装置10の第1注入口21に対し接離され、第1注入口21から第1流路22を介して金型装置10のキャビティ空間14に成形材料を充填する。第1射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360等を有する。
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂等を含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダ等の冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータ等の加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(図1A及び図1B中左右方向)に複数のゾーンに区分される。各ゾーンに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ゾーン毎に、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、第1制御装置700が加熱器313を制御する。
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置10に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、第1制御装置700が加熱器313を制御する。
スクリュ330は、シリンダ310内において回転自在に且つ進退自在に配設される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置10内に充填される。
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図1B参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(図1A参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、第1射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプ等でもよい。
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構等が設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラ等が設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダ等でもよい。
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される圧力を検出する。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する圧力を検出する。
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力等の制御や監視に用いられる。
第1射出装置300は、第1制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程、及び、保圧工程等を行う。
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転数で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転数は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。
尚、スクリュ330の回転数を検出するスクリュ回転数検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置10内のキャビティ空間14に充填させる。スクリュ330の位置や速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切替(所謂、V/P切替)が行われる。V/P切替が行われる位置をV/P切替位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定速度は、スクリュ330の位置や時間等に応じて変更されてもよい。
尚、充填工程においてスクリュ330の位置が設定位置に達した後、その設定位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切替が行われてもよい。V/P切替の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の速度を検出するスクリュ速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置10に向けて押す。金型装置10内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間等に応じて変更されてもよい。
保圧工程では金型装置10内のキャビティ空間14の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間14の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間14からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間14内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮のため、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の第1射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式等でもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内にはスクリュが回転自在にまたは回転自在に且つ進退自在に配設され、射出シリンダ内にはプランジャが進退自在に配設される。
また、本実施形態の第1射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の第1射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の第1射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
<第1移動装置>
以下、第1移動装置400の説明では、第1射出装置300の説明と同様に、第1射出装置300を金型装置10に対し接近させる方向(図1A及び図1B中左方向)を前方とし、第1射出装置300を金型装置10に対し離間させる方向(図1A及び図1B中右方向)を後方として説明する。
尚、第1移動装置400は、図2では第1射出装置300のシリンダ310の片側に配置されるが、シリンダ310の両側に配置されてもよく、シリンダ310を中心に対称に配置されてもよい。
第1移動装置400は、金型装置10に対し第1射出装置300を進退させる。また、第1移動装置400は、金型装置10に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。第1移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430等を含む。
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切り替えることにより、第1ポート411及び第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411及び第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、第1制御装置700からの制御信号に応じた回転方向及び回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、及びピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、第1射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、第1射出装置300が前方に押される。第1射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型11に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、第1射出装置300が後方に押される。第1射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型11から離間される。
尚、本実施形態では第1移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を第1射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
<第1制御装置>
第1制御装置700は、型締装置100、エジェクタ装置200、第1射出装置300、及び第1移動装置400等に直接的に制御信号を送信し、駆動制御を行う。また、第1制御装置700は、第2制御装置800に制御信号を送信することにより、間接的に、第2射出装置500及び第2移動装置600の駆動制御を行う。つまり、第1制御装置700は、型締装置100、エジェクタ装置200、第1射出装置300、第1移動装置400、第2制御装置800等を制御することにより、射出成形機1全体の駆動制御を行う。
第1制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、CPU(Central Processing Unit)701と、メモリ等の記憶媒体702と、入力インターフェース703と、出力インターフェース704とを有する。第1制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、第1制御装置700は、入力インターフェース703で外部からの信号を受信し、出力インターフェース704で外部に信号を送信する。
第1制御装置700は、型閉工程や型締工程、型開工程等を繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。また、第1制御装置700は、型締工程の間に、第1射出装置300による計量工程や充填工程、保圧工程等を行う。また、第1制御装置700は、第2制御装置800に制御信号を送信することにより、型締工程の間に、後述する第2射出装置500による計量工程や充填工程、保圧工程等を第2制御装置800に行わせる(図5A〜図5C参照)。成形品を得るための一連の動作、例えば第1射出装置300による計量工程の開始から次の第1射出装置300による計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、第1射出装置300及び第2射出装置500による計量工程、型閉工程、型締工程、第1射出装置300及び第2射出装置500による充填工程、第1射出装置300及び第2射出装置500による保圧工程、冷却工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の開始から型締工程の終了までの間に行われる。型締工程の終了は型開工程の開始と一致する。
尚、成形サイクル時間の短縮のため、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。第1射出装置300のノズル320及び後述する第2射出装置500のノズル520の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320及びノズル520の流路を閉じていれば、ノズル320及びノズル520から成形材料が漏れないためである。
第1制御装置700は、操作装置750や表示装置760と接続されている。操作装置750は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を第1制御装置700に出力する。表示装置760は、第1制御装置700による制御下で、操作装置750における入力操作に応じた操作画面を表示する。
操作画面は、射出成形機1の設定等に用いられる。操作画面は、複数用意され、切り替えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置760で表示される操作画面を見ながら、操作装置750を操作することにより射出成形機1の設定(設定値の入力を含む)等を行う。
操作装置750及び表示装置760は、例えばタッチパネル式のディスプレイとして構成され、一体化されてよい。
尚、本実施形態の操作装置750及び表示装置760は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。
<第2射出装置>
以下、第2射出装置500の説明では、第2射出装置500を金型装置10に対し接近させる方向(図2中下方向)を前方とし、第2射出装置500を金型装置10に対し離間させる方向(図2中上方向)を後方として説明する。
尚、第1射出装置300の移動方向はX方向であり、第2射出装置500の移動方向はY方向であるが、特に限定されない。例えば、第1射出装置300及び第2射出装置500のいずれか一方の移動方向がZ方向でもよい。
第2射出装置500は、フレームFrに隣設される追加フレームAFrに対し進退自在なスライドベース501に設置され、金型装置10に対し進退自在とされる。第2射出装置500は、金型装置10にタッチし、金型装置10内のキャビティ空間14に成形材料を充填する。つまり、第2射出装置500は、金型装置10の第2注入口23に対し接離され、第2注入口23から第2流路24を介してキャビティ空間14に成形材料を充填する。このとき、第2射出装置500は、後述の如く、第2制御装置800による制御の下、成形サイクル中における第1射出装置300と同じ期間に、金型装置10のキャビティ空間14に第1射出装置300と同じ成形材料を充填する。第2射出装置500は、例えば、シリンダ510、ノズル520、スクリュ530、計量モータ540、射出モータ550、圧力検出器560等を有する。
シリンダ510は、供給口から内部に供給された成形材料を加熱する。このとき、シリンダ510に供給される成形材料は、第1射出装置300(シリンダ310)に供給される成形材料と同じである。成形材料は、第1射出装置300の場合と同様、例えば樹脂等を含み、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口に供給される。供給口はシリンダ510の後部に形成される。シリンダ510の後部の外周には、水冷シリンダ等の冷却器512が設けられる。冷却器512よりも前方において、シリンダ510の外周には、バンドヒータ等の加熱器513と温度検出器514とが設けられる。
シリンダ510は、シリンダ510の軸方向(図2中上下方向)に複数のゾーンに区分される。各ゾーンに加熱器513と温度検出器514とが設けられる。ゾーン毎に、温度検出器514の検出温度が設定温度になるように、第2制御装置800が加熱器513を制御する。
ノズル520は、シリンダ510の前端部に設けられ、金型装置10に対し押し付けられる。ノズル520の外周には、加熱器513と温度検出器514とが設けられる。ノズル520の検出温度が設定温度になるように、第2制御装置800が加熱器513を制御する。
スクリュ530は、シリンダ510内において回転自在に且つ進退自在に配設される。スクリュ530を回転させると、スクリュ530の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ510からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ530の前方に送られシリンダ510の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ530が後退させられる。その後、スクリュ530を前進させると、スクリュ530前方に蓄積された液状の成形材料がノズル520から射出され、金型装置10内に充填される。
スクリュ530の前部には、スクリュ530を前方に押すときにスクリュ530の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング531が進退自在に取付けられる。
逆流防止リング531は、スクリュ530を前進させるときに、スクリュ530前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図3参照)までスクリュ530に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ530前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング531は、スクリュ530を回転させるときに、スクリュ530の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置までスクリュ530に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ530の前方に成形材料が送られる。
逆流防止リング531は、スクリュ530と共に回転する共回りタイプと、スクリュ530と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、第2射出装置500は、スクリュ530に対し逆流防止リング531を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ540は、スクリュ530を回転させる。スクリュ530を回転させる駆動源は、計量モータ540には限定されず、例えば油圧ポンプ等でもよい。
射出モータ550は、スクリュ530を進退させる。射出モータ550とスクリュ530との間には、射出モータ550の回転運動をスクリュ530の直線運動に変換する運動変換機構等が設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラ等が設けられてよい。スクリュ530を進退させる駆動源は、射出モータ550には限定されず、例えば油圧シリンダ等でもよい。
圧力検出器560は、射出モータ550とスクリュ530との間で伝達される圧力を検出する。圧力検出器560は、射出モータ550とスクリュ530との間の力の伝達経路に設けられ、圧力検出器560に作用する圧力を検出する。
圧力検出器560は、その検出結果を示す信号を第2制御装置800に送る。圧力検出器560の検出結果は、スクリュ530が成形材料から受ける圧力、スクリュ530に対する背圧、スクリュ530から成形材料に作用する圧力等の制御や監視に用いられる。
第2射出装置500は、第2制御装置800による制御下で、計量工程、充填工程、及び、保圧工程等を行う。
計量工程では、計量モータ540を駆動してスクリュ530を設定回転数で回転させ、スクリュ530の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ530の前方に送られシリンダ510の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ530が後退させられる。スクリュ530の回転数は、例えば計量モータエンコーダ541を用いて検出する。計量モータエンコーダ541は、計量モータ540の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第2制御装置800に送る。
尚、スクリュ530の回転数を検出するスクリュ回転数検出器は、計量モータエンコーダ541に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ530の急激な後退を制限すべく、射出モータ550を駆動してスクリュ530に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ530に対する背圧は、例えば圧力検出器560を用いて検出する。圧力検出器560は、その検出結果を示す信号を第1制御装置700に送る。スクリュ530が計量完了位置まで後退し、スクリュ530の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
充填工程では、射出モータ550を駆動してスクリュ530を設定速度で前進させ、スクリュ530の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置10内のキャビティ空間14に充填させる。スクリュ530の位置や速度は、例えば射出モータエンコーダ551を用いて検出する。射出モータエンコーダ551は、射出モータ550の回転を検出し、その検出結果を示す信号を第2制御装置800に送る。スクリュ530の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切替(所謂、V/P切替)が行われる。V/P切替が行われる位置をV/P切替位置とも呼ぶ。スクリュ530の設定速度は、スクリュ530の位置や時間等に応じて変更されてもよい。
尚、充填工程においてスクリュ530の位置が設定位置に達した後、その設定位置にスクリュ530を一時停止させ、その後にV/P切替が行われてもよい。V/P切替の直前において、スクリュ530の停止の代わりに、スクリュ530の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ530の位置を検出するスクリュ位置検出器、及びスクリュ530の速度を検出するスクリュ速度検出器は、射出モータエンコーダ551に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ550を駆動してスクリュ530を前方に押し、スクリュ530の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ510内に残る成形材料を金型装置10に向けて押す。金型装置10内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器560を用いて検出する。圧力検出器560は、その検出結果を示す信号を第2制御装置800に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間等に応じて変更されてもよい。
保圧工程では金型装置10内のキャビティ空間14の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間14の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間14からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間14内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮のため、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の第2射出装置500は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式等でもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内にはスクリュが回転自在にまたは回転自在に且つ進退自在に配設され、射出シリンダ内にはプランジャが進退自在に配設される。
また、本実施形態の第2射出装置500は、シリンダ510の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ510の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の第2射出装置500と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の第2射出装置500と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
<第2移動装置>
以下、第2移動装置600の説明では、第2射出装置500の説明と同様に、第2射出装置500を金型装置10に対し接近させる方向(図2中下方向)を前方とし、第2射出装置500を金型装置10に対し離間させる方向(図2中上方向)を後方として説明する。
尚、第2移動装置600は、図2では第2射出装置500のシリンダ510の片側に配置されるが、シリンダ510の両側に配置されてもよく、シリンダ510を中心に対称に配置されてもよい。
第2移動装置600は、金型装置10に対し第2射出装置500を進退させる。また、第2移動装置600は、金型装置10に対しノズル520を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。第2移動装置600は、液圧ポンプ610、駆動源としてのモータ620、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ630等を含む。
液圧ポンプ610は、第1ポート611と、第2ポート612とを有する。液圧ポンプ610は、両方向回転可能なポンプであり、モータ620の回転方向を切り替えることにより、第1ポート611及び第2ポート612のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ610はタンクから作動液を吸引して第1ポート611及び第2ポート612のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
モータ620は、液圧ポンプ610を作動させる。モータ620は、第1制御装置700からの制御信号に応じた回転方向及び回転トルクで液圧ポンプ610を駆動する。モータ620は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
液圧シリンダ630は、シリンダ本体631、ピストン632、及びピストンロッド633を有する。シリンダ本体631は、第2射出装置500に対して固定される。ピストン632は、シリンダ本体631の内部を、第1室としての前室と、第2室としての後室とに区画する。ピストンロッド633は、固定プラテン110に対して固定される。
液圧シリンダ630の前室は、第1流路601を介して、液圧ポンプ610の第1ポート611と接続される。第1ポート611から吐出された作動液が第1流路601を介して前室に供給されることで、第2射出装置500が前方に押される。第2射出装置500が前進され、ノズル520が固定金型11に押し付けられる。前室は、液圧ポンプ610から供給される作動液の圧力によってノズル520のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
一方、液圧シリンダ630の後室は、第2流路602を介して液圧ポンプ610の第2ポート612と接続される。第2ポート612から吐出された作動液が第2流路602を介して液圧シリンダ630の後室に供給されることで、第2射出装置500が後方に押される。第2射出装置500が後退され、ノズル520が固定金型11から離間される。
尚、本実施形態では第2移動装置600は液圧シリンダ630を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ630の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を第2射出装置500の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
<第2制御装置>
第2制御装置800は、第2射出装置500及び第2移動装置600等の駆動制御を行う。このとき、第2制御装置800は、第1制御装置700からの制御信号(例えば、後述する動作開始信号SG1等)に応じて、第2射出装置500及び第2移動装置600の動作を、型締装置100、エジェクタ装置200、第1射出装置300、及び第1移動装置400等の動作、つまり、射出成形機1全体の成形動作に同期させる。
このとき、第2射出装置500による成形材料の金型装置10内への充填に関するタイミング(例えば、充填工程の開始タイミング等。以下、便宜的に「充填タイミング」)は、第1射出装置300による充填タイミングに基づき予め設定されてよい。例えば、第2射出装置500の充填工程の開始タイミングは、第1射出装置300の充填工程の開始タイミングに合わせるように設定されたり(図5A参照)、第1射出装置300の充填工程の開始から所定の遅延時間が経過した後に設定されたりしてよい(図5B参照)。充填工程の終了タイミングが設定される場合についても同様である。第2制御装置800は、第1制御装置700からの制御信号に応じて、第2射出装置500による充填タイミングを設定されたタイミングに合わせる。これにより、第2制御装置800は、第2射出装置500による充填工程や保圧工程を射出成形機1全体の成形動作に同期させることができる。
また、第1射出装置300による充填タイミングが、第2射出装置500による充填タイミングに基づき予め設定されてもよい。例えば、第1射出装置300の充填工程の開始タイミングは、第2射出装置500の充填工程の開始から所定の遅延時間が経過した後に設定されてよい(図5C参照)。充填工程の終了タイミングが設定される場合についても同様である。第1制御装置700は、第2制御装置800に送信した制御信号に応じて動作を開始する第2射出装置500の予め規定される動作工程(充填工程及び保圧工程)に合わせるように、所定の充填工程及び保圧工程に関する一連の動作を行う。これにより、第1制御装置700によって、第1射出装置300の動作が第2射出装置500の動作に合わせて制御される。つまり、第1制御装置700は、第2制御装置800に送信した所定の制御信号に応じて動作を開始する第2射出装置500の動作工程に合わせるように、第1射出装置300による充填工程及び保圧工程等に関する所定動作を行うことにより、第2射出装置500による充填工程や保圧工程を射出成形機1全体の成形動作に同期させることができる。
第1射出装置300及び第2射出装置500の充填タイミングは、例えば、表示装置760や後述する表示装置860に表示される操作画面上で、操作装置750や後述する操作装置850を通じて、ユーザにより設定されうる。また、第1射出装置300及び第2射出装置500の充填タイミングは、例えば、第1射出装置300と第2射出装置500との間の成形材料の金型装置10内への充填量や充填速度の比率等に基づき、自動的に設定されてもよい。充填量や充填速度は、その変化に応じて、充填工程に要する時間が変化し、第1射出装置300及び第2射出装置500の相互間の充填タイミングの関係を規定するための因子となり得るからである。
第2制御装置800は、第1制御装置700と同様、例えばコンピュータで構成され、CPU801と、メモリ等の記憶媒体802と、入力インターフェース803と、出力インターフェース804とを有する。第2制御装置800は、記憶媒体802に記憶されたプログラムをCPU801に実行させることにより、各種の制御を行う。また、第2制御装置800は、入力インターフェース803で外部からの信号を受信し、出力インターフェース804で外部に信号を送信する。
第2制御装置800は、型締工程の間に、第2射出装置500による計量工程や充填工程、保圧工程等を行う。
尚、成形サイクル時間の短縮のため、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。
第2制御装置800は、操作装置850や表示装置860と接続されている。操作装置850は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を第2制御装置800に出力する。表示装置860は、第2制御装置800による制御下で、操作装置850における入力操作に応じた操作画面を表示する。
操作画面は、第2射出装置500及び第2移動装置600の動作に関する設定等に用いられる。操作画面は、複数用意され、切り替えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置860で表示される操作画面を見ながら、操作装置850を操作することにより射出成形機1の設定(設定値の入力を含む)等を行う。例えば、ユーザは、表示装置860で表示される操作画面上で、第2射出装置500の充填タイミングに関する設定を行う。このとき、操作画面は、ユーザによる特定のタイミングの設定を受け付ける態様であってもよいし、充填タイミングは、操作画面上での操作に依らず、例えば、上述の如く、第1射出装置300と第2射出装置500との間の充填量や充填速度の比率等に基づき、自動的に設定されてもよい。
操作装置850及び表示装置860は、例えばタッチパネル式のディスプレイとして構成され、一体化されてよい。
尚、本実施形態の操作装置850及び表示装置860は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置850は、複数設けられてもよい。
[金型装置の詳細]
次に、図1(図1A,1B)、図2に加えて、図3、図4を参照して、金型装置10の詳細な構成について具体的に説明する。
図3は、本実施形態に係る金型装置10の構成の一例を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る金型装置10の構成の一例を示す断面図であり、具体的には、X方向における第1射出装置300側から見たときの第2射出装置500のタッチ位置(第2注入口23の位置)における断面図である。
金型装置10は、上述の如く、固定金型11と、可動金型12を有する。型締時の固定金型11と可動金型12との間には、上述の如く、キャビティ空間14が形成される。
図1〜図4に示すように、金型装置10のキャビティ空間14は、略円柱形状の軸方向の一端からのある程度の深さを、当該円柱形状よりも小さい外径の同軸の円柱でくり抜いたバケツ状(或いは桶状)の外形形状を有する。換言すれば、キャビティ空間14は、Y方向及びZ方向に延在し、バケツ状の外形形状の底部を構成する円板形状空間と、円板形状部の外縁からX軸の負方向に延設される円筒形状空間(リング形状空間)とを含む。
固定金型11は、上述の如く、第1注入口21と、第1流路22と、第2注入口23と、第2流路24を含む。
第1注入口21は、第1射出装置300が接離し、第1射出装置300から金型装置10内に成形材料が注入される。本例では、第1注入口21は、キャビティ空間14の外形形状を構成する円柱形状の中心軸(以下、単に「キャビティ空間14の中心軸」)上にあるように配置されている。
第1流路22は、第1注入口21とキャビティ空間14との間を連通し、第1注入口21から注入された成形材料がキャビティ空間14に向けて流れる。本例では、第1流路22は、キャビティ空間14の中心軸上にあるように、第1注入口21とキャビティ空間14における円板形状空間との間を成形材料が通過可能に連通している。
第2注入口23は、第2射出装置500が接離し、第2射出装置500から金型装置10内に成形材料が注入される。本例では、第2注入口23は、固定金型11のY方向の一側面における第1注入口21とZ方向で同じ位置(同じ高さ)に設けられる。
第2流路24は、第2注入口23とキャビティ空間14との間を連通し、第2注入口23から注入された成形材料がキャビティ空間14に向けて流れる。図4に示すように、第2流路24は、第2注入口23から金型装置10内に向けてY軸の負方向に延設される流路24Aと、流路24Aの端部からZ方向(図中の上下方向)に分岐する流路24B,24Cを含む。流路24Bは、流路24Aの端部からZ軸の正方向(図中の上方向)に向けて分岐し、キャビティ空間14における円筒形状空間(リング形状空間)の上端部(Z軸の正方向の端部)に接続する。また、流路24Cは、流路24Aの端部からZ軸の負方向(図中の下方向)に向けて分岐し、キャビティ空間14における円筒形状空間の下端部(Z軸の負方向の端部)に接続する。これにより、図4に示すように、円環状の断面を有するキャビティ空間14(円筒形状空間)の上下から成形材料を行き渡らせることができ、ショートショット等の充填不良を抑制できる。
また、図1B、図2に示すように、円筒形状空間は、第1射出装置300からの成形材料がキャビティ空間14に流入する位置(ゲート位置)から相対的に離れた端部に相当するため、円筒形状空間(リング形状空間)には、成形材料が入り込みにくい。また、図1B、図2に示すように、円筒形状空間の厚みは、円板形状空間の厚み(X方向の厚み)よりも小さく、流路抵抗が大きくなるため、円筒形状空間には、成形材料が更に入り込みにくい。そのため、第1射出装置300だけでキャビティ空間14への成形材料の充填が行われる場合、円筒形状空間におけるショートショット等の不良が生じる可能性がある。これに対して、本例では、第1射出装置300とは別に、第2射出装置500からの成形材料が直接的に円筒形状空間に流入しうる。よって、後述の如く、第1射出装置300及び第2射出装置500の双方からの成形材料がキャビティ空間14に充填されることで、ショートショット等の不良を抑制することができる。
第1流路22及び第2流路24は、常時、連通状態に維持されている。これにより、1ショット内の同時期に、第1射出装置300及び第2射出装置500の双方から同じ成形材料を金型装置10の同じキャビティ空間14の充填させることができる。
[射出成形機の成形動作の具体例]
次に、図5(図5A〜図5C)を参照して、射出成形機1の成形動作の具体例について説明する。
まず、図5Aは、本実施形態に係る射出成形機1による型閉工程の開始から突き出し工程の完了までの一連の成形動作の一例を示すタイミングチャートである。具体的には、図5Aは、本実施形態に係る射出成形機1による当該成形動作の一例を比較例の動作と対比して示すタイミングチャートであり、上のタイミングチャートは、第1射出装置300だけで金型装置10に成形材料を充填する比較例の動作を示す。以下、図5B及び図5Cについても同様である。
図5Aに示すように、時刻t1にて、型締装置100は、第1制御装置700による制御の下、型閉工程を開始する。
その後、型閉工程が完了すると、時刻t2にて、第1制御装置700は、型締モータエンコーダ161等の検出信号に基づき、クロスヘッド151の位置が型閉完了位置に到達したことにより、型閉工程の完了を判断する。そして第1制御装置700は、型閉工程の完了を判断すると、第2射出装置500の動作開始を示す動作開始信号SG1を第2制御装置800に出力する。これにより、第1制御装置700は、第2制御装置800を通じて、第2射出装置500の動作(具体的には、充填工程及び保圧工程)を射出成形機1全体の成形動作に同期させることができる。
その後、時刻t3にて、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、第1移動装置400によって、金型装置10から離間した状態から金型装置10に向けて前進を開始する。
また、略同じ時刻t3にて、第2射出装置500は、動作開始信号SG1の入力を受け付けた第2制御装置800による制御の下、第2移動装置600によって、金型装置10から離間した状態から金型装置10に向けて前進工程を開始する。
その後、第1射出装置300のノズル320が金型装置10の第1注入口21にタッチし、前進工程が完了すると、時刻t4にて、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、金型装置10内への成形材料の充填を開始する。
また、第2射出装置500のノズル520が金型装置10の第2注入口23にタッチし、前進工程が完了すると、略同じ時刻t4にて、第2射出装置500は、第2制御装置800による制御の下、金型装置10内への成形材料の充填を開始する。つまり、本例では、第2射出装置500の充填開始タイミングが第1射出装置300に合わせるように設定されている。
その後、第1射出装置300による充填工程が完了すると、時刻t5にて、第1制御装置700による制御の下、V/P切替が行われ、第1射出装置300は、保圧工程に移行する。
また、第2射出装置500の充填工程が完了すると、略同じ時刻t5にて、第2制御装置800による制御の下、V/P切替が行われ、第2射出装置500は、保圧工程に移行する。
尚、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500の充填工程から保圧工程への移行タイミングは同じであるが、異なっていてもよい。以下、図5B、図5Cの他の例及び更に他の例についても同様である。この場合、充填工程から保圧工程への移行が遅い方に合わせて、射出成形機1全体の成形サイクルにおける各動作が修正される。
その後、第1射出装置300による保圧工程が完了すると、時刻t6にて、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、第1移動装置400によって、金型装置10から離間するように、後退を開始する。
また、第2射出装置500による保圧工程が完了すると、略同じ時刻t6にて、第2射出装置500は、第2制御装置800による制御の下、第2移動装置600によって、金型装置10から離間するように、後退を開始する。
そして、時刻t6以降、射出成形機1は、金型装置10のキャビティ空間14内の成形材料を冷却し、固化させる冷却工程に移行する。
尚、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500の保圧工程に要する時間は同じであるが、異なっていてもよい。また、第1射出装置300及び第2射出装置500の少なくとも一方は、上述の如く、冷却工程中、つまり、第1移動装置400及び第2移動装置による後退中に、計量工程を行ってもよい。
その後、冷却工程が終了すると、時刻t7にて、型締装置100は、第1制御装置700による制御の下、型開工程を開始する。
尚、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500は、型開工程開始以前に、金型装置10からの後退を完了する。
その後、型開工程が完了すると、時刻t8にて、エジェクタ装置200は、第1制御装置700による制御の下、突き出し工程を開始する。
その後、エジェクタロッド230が突き出し位置まで前進し、成形品が突き出されると、時刻t9にて、エジェクタ装置200は、エジェクタロッド230を後退させ、完了すると、一連の成形サイクルが終了する。
このように、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500は、成形サイクル内の同時期、具体的には、双方の充填工程の開始から終了までの全期間(時刻t4〜t5)において、同じ成形材料を金型装置10のキャビティ空間14に充填する。換言すれば、第1射出装置300及び第2射出装置500は、何れか一方がキャビティ空間14に成形材料を充填している最中に、キャビティ空間14に同じ成形材料を充填する。これにより、図5Aに示すように、一つの射出装置(第1射出装置300)だけでキャビティ空間14に成形材料の充填が行われる場合に比して、成形サイクルにおける充填工程に要する時間を短縮することができる。
また、本例では、保圧工程において、第1射出装置300及び第2射出装置500の双方からキャビティ空間14に加圧がなされるため、結果として、キャビティ空間14内の成形材料に作用する保持圧力を高めることができる。そのため、例えば、保圧工程の中の成形品の精度確保のため、相対的に高い保持圧力をかける工程部分を短縮する等し、保圧工程を短縮することができる。
続いて、図5Bは、本実施形態に係る射出成形機1による型閉工程の開始から突き出し工程完了までの一連の成形動作の他の例を示すタイミングチャートである。本例では、図5Aの一例と異なり、第1射出装置300及び第2射出装置500の充填工程の開始タイミングが異なる。
本例では、型閉工程開始から第1射出装置300及び第2射出装置500の前進に関する工程の開始まで(時刻t10〜t12)の射出成形機1の動作は、図5Aの一例と同じであるため、説明を省略する。
第1射出装置300のノズル320が金型装置10の第1注入口21にタッチし、前進工程が完了すると、時刻t13にて、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、金型装置10内への成形材料の充填を開始する。
一方、第2射出装置500のノズル520が金型装置10の第2注入口23にタッチし、前進工程が略同じ時刻t13に完了するが、第2射出装置500は、第2制御装置800による制御の下、予め設定される充填工程の開始タイミングまで待機する。そして、第2射出装置500は、第2制御装置800による制御の下、予め設定される充填工程の開始タイミングに到達すると、第1射出装置300による充填工程の途中である時刻t14にて、充填工程を開始する。
その後、第1射出装置300による充填工程が終了すると、時刻t15にて、第1制御装置700による制御の下、V/P切替が行われ、第1射出装置300は、保圧工程に移行する。
また、第2射出装置500の充填工程が完了すると、略同じ時刻t15にて、第2制御装置800による制御の下、V/P切替が行われ、第2射出装置500は、保圧工程に移行する。
本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500の保圧工程の開始から突き出し工程の完了まで(時刻t15〜時刻t19)の射出成形機1の動作は、図5Aの一例(時刻5〜時刻t9)と同じであるため、説明を省略する。
このように、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500は、図5Aの一例の場合と同様、成形サイクル内の同時期、具体的には、遅れて開始される第2射出装置500の充填工程の開始から終了までの期間(時刻t14〜t15)において、同じ成形材料を金型装置10のキャビティ空間14に充填する。これにより、図5Bに示すように、一つの射出装置(第1射出装置300)だけでキャビティ空間14に成形材料の充填が行われる場合に比して、成形サイクルにおける充填工程に要する時間を短縮することができる。
また、図5Aの一例等の場合と同様に、保圧工程において、第1射出装置300及び第2射出装置500の双方からキャビティ空間14に加圧がなされるため、保圧工程を短縮することができる。
続いて、図5Cは、本実施形態に係る射出成形機1による型閉工程の開始から突き出し工程の完了までの一連の成形動作の更に他の例を示すタイミングチャートである。本例では、図5Bと同様、第1射出装置300及び第2射出装置500の充填工程の開始タイミングが異なる。
本例では、型閉工程開始から第1射出装置300及び第2射出装置500の前進に関する工程の開始まで(時刻t20〜t22)の射出成形機1の動作は、図5Aの一例と同じであるため、説明を省略する。
第2射出装置500のノズル520が金型装置10の第2注入口23にタッチし、前進工程が完了すると、時刻t23にて、第2射出装置500は、第2制御装置800による制御の下、金型装置10内への成形材料の充填を開始する。
一方、第1射出装置300のノズル320が金型装置10の第1注入口21にタッチし、前進工程が略同じ時刻t23に完了するが、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、予め設定される充填工程の開始タイミングまで待機する。そして、第1射出装置300は、第1制御装置700による制御の下、予め設定される充填工程の開始タイミングに到達すると、第2射出装置500による充填工程の途中である時刻t24にて、充填工程を開始する。
その後、第2射出装置500の充填工程が完了すると、時刻t25にて、第2制御装置800による制御の下、V/P切替が行われ、第2射出装置500は、保圧工程に移行する。
また、第1射出装置300による充填工程が終了すると、略同じ時刻t25にて、第1制御装置700による制御の下、V/P切替が行われ、第1射出装置300は、保圧工程に移行する。
本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500の保圧工程の開始から突き出し工程の完了まで(時刻t25〜時刻t29)の射出成形機1の動作は、図5Aの一例(時刻5〜時刻t9)と同じであるため、説明を省略する。
このように、本例では、第1射出装置300及び第2射出装置500は、図5Aの一例の場合等と同様、成形サイクル内の同時期、具体的には、遅れて開始される第1射出装置300の充填工程の開始から終了までの期間(時刻t24〜t25)において、同じ成形材料を金型装置10のキャビティ空間14に充填する。これにより、図5Cに示すように、一つの射出装置(第1射出装置300)だけでキャビティ空間14に成形材料の充填が行われる場合に比して、成形サイクルにおける充填工程に要する時間を短縮することができる。
また、図5Aの一例の場合等と同様に、保圧工程において、第1射出装置300及び第2射出装置500の双方からキャビティ空間14に加圧がなされるため、保圧工程を短縮することができる。
[変形及び改良]
以上、射出成形機1の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
例えば、上述した実施形態では、第1射出装置300及び第2射出装置500は、成形サイクル中の同時期において、同一のキャビティ空間14に成形材料を充填するが、当該態様には、限定されない。以下、図6を参照し、上述した実施形態に係る射出成形機1の他の例について説明する。
図6は、本実施形態に係る射出成形機1の他の例を示す平面断面図である。
図6に示すように、本例では、金型装置10のキャビティ空間14は、同じ成形品を同時に二個得るための同じ形状の二つのキャビティ空間14A,14Bを含む。つまり、金型装置10は、いわゆる二個取り用である。
キャビティ空間14Aには、第1流路22が接続され、第1射出装置300からの成形材料が流入可能に構成される。
キャビティ空間14Bには、第2流路24が接続され、第2射出装置500からの成形材料が流入可能に構成される。
これにより、第1射出装置300及び第2射出装置500は、成形サイクル中の同時期に、キャビティ空間14A及びキャビティ空間14Bのそれぞれに同じ成形材料を充填できる。そのため、上述した実施形態の場合と同様、一つの射出装置で二つのキャビティ空間14A,14Bの双方に充填する場合に比して、成形サイクル中の充填工程に要する時間を短縮することができる。
また、上述した実施形態及び変形例では、射出成形機1は、第1射出装置300及び第2射出装置500の二つの射出装置を有するが、三以上の射出装置を有してもよい。これにより、成形サイクル中の同時期に、三以上の射出装置から金型装置10のキャビティ空間14に成形材料を充填できるため、更に、充填工程を短縮することができる。また、金型装置10内の成形材料に三以上の射出装置から保持圧力が付加されるため、更に、保圧工程を短縮することができる。
1 射出成形機
10 金型装置
14,14A,14B キャビティ空間
21 第1注入口
22 第1流路
23 第2注入口
24 第2流路
300 第1射出装置
320 ノズル
400 第1移動装置
500 第2射出装置
520 ノズル
600 第2移動装置
700 第1制御装置
800 第2制御装置

Claims (4)

  1. 金型装置の第1注入口に対し接離され、前記第1注入口から第1流路を介して前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第1射出装置と、
    前記金型装置の前記第1注入口とは異なる第2注入口に対し接離され、前記第2注入口から第2流路を介して前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填する第2射出装置と、を備え、
    前記第1射出装置及び前記第2射出装置は、一方が前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填している最中に、他方が前記金型装置のキャビティ空間に同じ成形材料を充填する、
    射出成形機。
  2. 前記第1射出装置及び前記第2射出装置は、一方が前記金型装置のキャビティ空間に成形材料を充填している最中に、他方が前記金型装置の同一のキャビティ空間に同じ成形材料を充填する、
    請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記第1射出装置及び前記第2射出装置は、一方の成形材料の充填に関する動作タイミングが、他方の成形材料の充填に関する動作タイミングに基づき設定されている、
    請求項1又は2に記載の射出成形機。
  4. 第1射出装置のノズルが接離される第1注入口と、
    前記第1射出装置とは異なる第2射出装置のノズルが接離される第2注入口と、
    前記第1射出装置及び前記第2射出装置からの成形材料が充填されるキャビティ空間と、
    前記第1射出装置とキャビティ空間とを連結する第1流路と、
    前記第2射出装置とキャビティ空間とを連結する第2流路と、を備え、
    前記第1流路及び前記第2流路は、連通状態に維持されている、
    金型装置。
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