以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、液圧の一例として、油圧を用いて説明する。例えば、液圧回路の一例として油圧回路、液圧アクチュエータの一例として油圧アクチュエータ、液圧センサの一例として油圧センサ、液圧装置の一例として油圧装置を用いて説明する。油圧にかえて、例えば、水圧を用いることも可能である。また、本明細書では、作動液の一例として、作動油を用いて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の局部加圧装置は、第1の加圧アクチュエータと、第1の加圧アクチュエータを駆動する第1の液圧回路であって、第1の作動液の流れを制御する第1のサーボバルブと、第1の作動液の流量を大きくするためのアキュムレータと、を有する第1の液圧回路と、成形機からの信号が入力される入力部と、信号に基づき、第1のサーボバルブを制御する制御部と、を備える。
図1は、第1の実施形態の局部加圧装置の模式図である。第1の実施形態の局部加圧装置100は、ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する機能を有する。ダイカストマシンは成形機の一例である。
局部加圧装置100は、第1の加圧プランジャロッド52b、第1の加圧アクチュエータ54、第1の油圧回路56(第1の液圧回路)、入力部101、制御部102を備える。
第1の加圧アクチュエータ54は、第1の加圧シリンダ54a、第1の加圧ピストン54b、第1のロッド側室54x、第1のキャップ側室54yを有する。
第1の加圧アクチュエータ54は、例えば、油圧アクチュエータである。第1の加圧アクチュエータ54は、第1の加圧プランジャロッド52bを移動させる機能を有する。第1の加圧シリンダ54a内の第1の加圧ピストン54bの移動により、第1の加圧プランジャロッド52bが移動する。
ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する場合は、例えば、第1の加圧プランジャロッド52bの前に第1の加圧プランジャチップ52aが設けられ、第1の加圧プランジャチップ52aにより、溶湯が局部的に加圧される。
第1の油圧回路56は、第1のサーボバルブ80、第1のアキュムレータ81(アキュムレータ)、第1の背圧吸収シリンダ82(背圧除去シリンダ)、ポンプ83、タンク84、加圧側油圧センサ85(第1の液圧センサ)、背圧側油圧センサ86(第2の液圧センサ)、流量センサ87、配管88a、88b、88c、88d、88e、88f、配管88g(短絡流路)、ガス抜きバルブ89を有する。
第1の油圧回路56は、第1の加圧アクチュエータ54を駆動する機能を有する。第1の油圧回路56は、第1の液圧回路の一例である。第1の油圧回路56は、第1の加圧シリンダ54aの第1のロッド側室54xと第1のキャップ側室54yに接続される。第1の油圧回路56は、第1の加圧シリンダ54aの加圧側と背圧側に配管で接続される。
第1のサーボバルブ80は、第1の油圧回路56を流れる第1の作動油(第1の作動液)の流れを制御する。第1のサーボバルブ80は、ポンプ83から第1の加圧アクチュエータ54への第1の作動油の供給及び停止を制御する。第1のサーボバルブ80は、第1の加圧アクチュエータ54からタンク84への第1の作動油の排出及び停止を制御する。
第1のサーボバルブ80は、電磁力を用いて流路を切り替える電磁方向切換弁である。第1のサーボバルブ80は、入力信号に対して高い応答性能を有する。
第1のアキュムレータ81は、ポンプ83と第1のサーボバルブ80との間に設けられる。第1のアキュムレータ81は、高圧の封入ガスを用いてエネルギーを蓄積し、瞬間的にそのエネルギーを放出することで、第1の作動油の流量を大きくする。第1のアキュムレータ81を設けることで、第1の加圧アクチュエータ54を高速に動作させ、第1の加圧アクチュエータ54に高い圧力を発生させることが可能となる。
第1の背圧吸収シリンダ82は、第1のサーボバルブ80とタンク84との間に設けられる。第1の背圧吸収シリンダ82を設けることで、第1の加圧アクチュエータ54の背圧側の圧力、すなわち、第1の加圧シリンダ54aのロッド側室54xの圧力を急速に低減することが可能となる。したがって、第1の加圧アクチュエータ54を高速に動作させることが可能となる。
加圧側油圧センサ85は、第1のサーボバルブ80と第1の加圧アクチュエータ54との間に設けられる。加圧側油圧センサ85は、第1の液圧センサの一例である。加圧側油圧センサ85は、配管88cに設けられる。加圧側油圧センサ85は、第1の加圧アクチュエータ54の加圧側、すなわち、キャップ側室54yの油圧を測定することが可能である。
背圧側油圧センサ86は、第1のサーボバルブ80と第1の加圧アクチュエータ54との間に設けられる。背圧側油圧センサ86は、第2の液圧センサの一例である。背圧側油圧センサ86は、配管88dに設けられる。背圧側油圧センサ86は、第1の加圧アクチュエータ54の背圧側、すなわち、ロッド側室54xの油圧を測定することが可能である。
流量センサ87は、配管88dに流れる第1の作動油の流量を測定する。第1の作動油の流量を測定することで、第1の加圧ピストン54bの速度、すなわち、第1の加圧プランジャロッド52b及び第1の加圧プランジャチップ52aの速度、すなわち、第1の加圧プランジャ52の速度をモニタすることが可能である。
配管88gは、第1の加圧アクチュエータ54の加圧側と背圧側を短絡する短絡流路である。配管88gは、配管88cと配管88dとの間を、ガス抜きバルブ89を開放することで、第1の加圧アクチュエータ54をバイパスして短絡する。
配管88cと配管88dとの間を、第1の加圧アクチュエータ54をバイパスして短絡することで、第1の作動油の中に溜まったガス(エア)を抜くことが可能となる。第1の作動油の中に溜まったガス(エア)を抜くことで、第1の加圧アクチュエータ54及び第1の油圧回路56の動作が安定する。
入力部101には、ダイカストマシンから送られる信号が入力される。信号は、有線又は無線により入力部101に入力される。
ダイカストマシンから送られる信号は、例えば、ダイカストマシンの制御装置から伝送される制御信号である。また、例えば、ダイカストマシンに設けられた各種測定装置から伝送される測定値を含む信号である。
入力部101は、例えば、電子回路で構成される。
制御部102は、入力部101に入力された信号に基づき第1のサーボバルブ80を制御する。制御部102は、第1のサーボバルブ80を制御することで、第1の加圧アクチュエータ54の動作を制御する。
制御部102は、例えば、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成される。制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ、及び半導体メモリに記憶された制御プログラムを含む。
局部加圧装置100は、例えば、オペレータの入力操作を受け付ける図示しない入力機能を備えることも可能である。入力機能により、制御部102に対して各種設定を行うことが可能となる。入力機能は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを用いたタッチパネルである。
図2は、第1の実施形態の局部加圧装置を接続したダイカストマシンの全体構成を示す模式図である。図2は、一部に断面図を含む側面図である。ダイカストマシン1000は、コールドチャンバ式のダイカストマシンである。ダイカストマシン1000に局部加圧装置100が接続されている。
ダイカストマシン1000は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、金型18、制御ユニット20を備える。
ダイカストマシン1000は、ベース22、固定ダイプレート24、可動ダイプレート26、リンクハウジング28、タイバー30を備える。
ダイカストマシン1000は、金型18の内部(図2中の空洞Ca)に液状金属(溶湯、材料)を射出して充填し、その液状金属を金型18内で凝固させることにより、ダイカスト品を製造する機械である。金属は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金、又は、マグネシウム合金である。
金型18は、固定金型18aと可動金型18bを含む。金型18は、型締装置10と射出装置14との間に設けられる。
固定ダイプレート24はベース22の上に固定される。固定ダイプレート24は、固定金型18aを保持することが可能である。
可動ダイプレート26は、ベース22の上に型開閉方向に移動可能に設けられる。型開閉方向とは、図2に示す型開方向及び型閉方向の両方向を意味する。可動ダイプレート26は、可動金型18bを固定金型18aに対向して保持することが可能である。
リンクハウジング28は、ベース22の上に設けられる。リンクハウジング28には、型締装置10を構成するリンク機構の一端が固定される。
固定ダイプレート24とリンクハウジング28は、タイバー30により固定される。タイバー30は、固定金型18aと可動金型18bに型締力が加えられている間は、型締力を支える。
型締装置10は、金型18の開閉及び型締めを行う機能を有する。射出装置14は、金型18の空洞Caに溶湯を射出し、溶湯を加圧する機能を有する。局部加圧装置100は、金型18の空洞Caの中に充填された溶湯を、空洞Caの製品領域以外の領域で加圧する機能を有する。押出装置12は、製造されたダイカスト品を金型18から押し出す機能を有する。
制御ユニット20は、制御装置32、入力装置34、表示装置36を含む。制御ユニット20は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、及び、局部加圧装置100を用いたダイカストマシン1000の成形動作を制御する機能を有する。
入力装置34は、オペレータの入力操作を受け付ける。オペレータは、入力装置34を用いて、ダイカストマシン1000の成形条件等の設定が可能となる。入力装置34は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを用いたタッチパネルである。
表示装置36は、例えば、ダイカストマシン1000の成形条件、動作状況等を画面に表示する。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
制御装置32は、各種の演算を行って、ダイカストマシン1000の各部に制御指令を出力する機能を有する。制御装置32は、例えば、成形条件等を記憶する機能を有する。制御装置32は、例えば、射出装置14の動作を制御する。制御装置32は、例えば、金型18の空洞Caの中への溶湯の充填状況に基づき、局部加圧装置100の動作を制御する。
制御装置32は、例えば、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成される。制御装置32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ、及び半導体メモリに記憶された制御プログラムを含む。
局部加圧装置100の第1の加圧アクチュエータ54は、例えば、図2に示すように固定ダイプレート24の中に組み込まれる。
図3は、第1の実施形態のダイカストマシンの射出装置と局部加圧装置の模式図である。
射出装置14は、射出スリーブ40、射出プランジャ42、射出アクチュエータ44、第2の油圧回路46(第2の液圧回路)、及び、位置センサ48を有する。射出スリーブ40は、給湯口40aを有する。射出プランジャ42は、射出プランジャチップ42aと射出プランジャロッド42bとを含む。射出アクチュエータ44は、射出シリンダ44a、射出ピストン44b、ロッド側室44x、キャップ側室44yを含む。
射出スリーブ40は、金型18の空洞Caに通じる。射出スリーブ40は、例えば、固定金型18aに連結された筒状の部材である。射出スリーブ40は、例えば、円筒形状である。
射出プランジャ42は、射出スリーブ40の中を摺動する。射出プランジャロッド42bの先端に固定された射出プランジャチップ42aが、射出スリーブ40の中を前後方向に摺動する。射出スリーブ40の中を射出プランジャチップ42aが前方へ摺動することにより、射出スリーブ40の中の溶湯が金型18の中に押し出される。
射出プランジャ42は、金型18の空洞Caの中に溶湯が充填された後、溶湯を加圧して溶湯に第1の圧力を加える。
給湯口40aは、例えば、射出スリーブ40の上部に設けられる。例えば、図示しないラドルにより溶湯が給湯口40aから射出スリーブ40内に供給される。
射出アクチュエータ44は、油圧アクチュエータである。射出アクチュエータ44は、射出プランジャ42を移動させる機能を有する。射出シリンダ44a内の射出ピストン44bが、射出プランジャロッド42bを押し引きすることにより、射出プランジャ42が移動する。
第2の油圧回路46は、射出アクチュエータ44を駆動する機能を有する。第2の油圧回路46は、第2の液圧回路の一例である。第2の油圧回路46は、射出シリンダ44aのロッド側室44xとキャップ側室44yに接続される。第2の油圧回路46は、射出シリンダ44aの加圧側と背圧側に配管で接続される。
位置センサ48は、射出プランジャ42の位置を検出する機能を有する。位置センサ48は、例えば、光学式又は磁気式のリニアエンコーダである。位置センサ48で検出される射出プランジャ42の位置を微分することで、射出プランジャ42の速度を検出することが可能である。
固定金型18aと可動金型18bとで形成される空洞Caは、製品領域Cax(図3でハッチングされた領域)と非製品領域Cayとを有する。製品領域Caxで凝固する溶湯はダイカスト品として利用される。非製品領域Cayで凝固する溶湯は、例えば、トリミング工程において除去されダイカスト品として利用されない。非製品領域Cayは、例えば、ランナー、オーバーフロー、エアベントなどである。
例えば、固定金型18aの非製品領域Cayに第1のガイド領域18xが設けられる。第1のガイド領域18xは、例えば、固定金型18aに設けられた円柱形状の窪みである。
第1の加圧プランジャ52は、第1のガイド領域18xの中を摺動する。第1の加圧プランジャロッド52bの先端に設けられた第1の加圧プランジャチップ52aが、第1のガイド領域18xの中を前後方向に摺動する。
第1の加圧プランジャ52は、金型18の空洞Caの中に溶湯が充填された後、溶湯を加圧して溶湯に第2の圧力を加える。第1のガイド領域18xの中を第1の加圧プランジャチップ52aが前方へ摺動することにより、溶湯が加圧される。
第1のロードセンサ58が、第1の加圧プランジャロッド52bに設けられる。第1のロードセンサ58は、第1の加圧プランジャロッド52bに加えられる荷重を測定する機能を有する。例えば、第1のロードセンサ58により、第1の加圧プランジャロッド52bの縮み具合を判定することで、金型18の空洞Caの中への溶湯の充填の完了を検知することが可能である。
金型18には、例えば、溶湯圧力センサ60が設けられる。溶湯圧力センサ60は空洞Caに充填された溶湯の圧力を直接測定することで、金型18の空洞Caの中への溶湯の充填の完了を検知することが可能である。
射出装置14の動作は、制御装置32により制御される。第2の油圧回路46の動作は、制御装置32により制御される。第2の油圧回路46は、無線又は有線によって、制御装置32に接続される。
例えば、制御装置32から局部加圧装置100の入力部101に信号が送信される。制御装置32から送られる信号は、例えば、制御信号である。また、例えば、ダイカストマシン1000に設けられた各種測定装置から伝送される測定値を含む信号である。
図4は、第1の実施形態のダイカストマシンの第2の油圧回路の模式図である。第2の油圧回路46は、射出アクチュエータ44を駆動する。
第2の油圧回路46は、バルブ70、第2のアキュムレータ71、第2の背圧吸収シリンダ72、ポンプ73、タンク74、加圧側油圧センサ75、背圧側油圧センサ76、配管78a、78b、78c、78d、78e、78fを有する。
バルブ70は、第2の油圧回路46を流れる第2の作動油(第2の作動液)の流れを制御する。バルブ70は、ポンプ73から射出アクチュエータ44への第2の作動油の供給及び停止を制御する。バルブ70は、射出アクチュエータ44からタンク74への第2の作動油の排出及び停止を制御する。
バルブ70は、例えば、サーボバルブである。サーボバルブは、電磁力を用いて流路を切り替える電磁方向切換弁である。サーボバルブは、入力信号に対して高い応答性能を有する。
第2のアキュムレータ71は、ポンプ73とバルブ70との間に設けられる。第2のアキュムレータ71は、高圧の封入ガスを用いてエネルギーを蓄積し、瞬間的にそのエネルギーを放出することで、第2の作動油の流量を大きくする。第2のアキュムレータ71を設けることで、射出アクチュエータ44を高速に動作させ、射出アクチュエータ44により高い圧力を発生させることが可能となる。
第2の背圧吸収シリンダ72は、バルブ70とタンク74との間に設けられる。第2の背圧吸収シリンダ72を設けることで、射出アクチュエータ44の背圧側の圧力、すなわち、射出シリンダ44aのロッド側室44xの圧力を急速に低減することが可能となる。したがって、射出アクチュエータ44を高速に動作させることが可能となる。
加圧側油圧センサ75は、バルブ70と射出アクチュエータ44との間に設けられる。加圧側油圧センサ75は、配管78cに設けられる。加圧側油圧センサ75は、射出アクチュエータ44の加圧側、すなわち、キャップ側室44yの圧力を測定することが可能である。
背圧側油圧センサ76は、バルブ70と射出アクチュエータ44との間に設けられる。背圧側油圧センサ76は、配管78dに設けられる。背圧側油圧センサ76は、射出アクチュエータ44の背圧側、すなわち、ロッド側室44xの油圧を測定することが可能である。
制御装置32は、入力装置34からの信号に基づいて、ダイカストマシン1000の種々の成形条件を設定する機能を有する。制御装置32は、例えば、射出装置14の射出プランジャ42の射出速度、局部加圧装置100の動作開始タイミング等を設定する。
制御装置32は、射出装置14の動作を制御する。具体的には、例えば、第2の油圧回路46の中に設けられたバルブ70に指令信号を伝達し、バルブ70の開閉を制御することで、射出装置14の動作を制御する。
制御装置32は、例えば、位置センサ48でモニタされる射出プランジャ42の速度に基づきバルブ70の開閉を制御し、射出プランジャ42の速度を制御する。また、例えば、加圧側油圧センサ75及び背圧側油圧センサ76で測定される油圧の測定値に基づき第1のバルブ70の開閉を制御し、射出プランジャ42が溶湯に加える第1の圧力を制御する。
制御装置32は、例えば、局部加圧装置100に信号を発する。例えば、局部加圧装置100の入力部101に指令信号を伝達する。指令信号に基づき、制御部102が第1のサーボバルブ80の開閉を制御する。
制御部102は、空洞Caの中への溶湯の充填が完了した後に、第1の加圧プランジャ52による溶湯の加圧が開始されるように第1のサーボバルブ80を制御する。制御部102は、空洞Caの中への溶湯の充填が完了した後に、第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように第1のサーボバルブ80を制御する。
制御部102は、例えば、位置センサ48でモニタされる射出プランジャ42の速度に基づき、第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52の動作の開始を制御する。例えば、射出プランジャ42が停止後、即座に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように制御する。射出プランジャ42が停止した時点を、空洞Caへの溶湯の充填が完了した時点と判断する。
制御部102は、例えば、溶湯圧力センサ60の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52の動作の開始を制御する。例えば、溶湯に加えられる圧力が所定の圧力に達した後、即座に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように制御する。溶湯圧力が所定の圧力に達した時点を、空洞Caへの溶湯の充填が完了した時点と判断する。
制御部102は、例えば、第1のロードセンサ58の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52の動作の開始を制御する。例えば、第1の加圧プランジャロッド52bの荷重が所定の値に達した後、即座に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように制御する。第1の加圧プランジャロッド52bの荷重が所定の値に達した時点を、空洞Caへの溶湯の充填が完了した時点と判断する。
制御部102は、例えば、加圧側油圧センサ85及び背圧側油圧センサ86で測定される油圧の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52が溶湯に加える第2の圧力を制御する。制御部102は、例えば、第2の圧力が第1の圧力の1倍以上1.5倍以下となるように第1のサーボバルブ80の開閉を制御する。
制御部102は、例えば、流量センサ87の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52の速度を制御する。
次に、局部加圧装置100が接続されたダイカストマシン1000の動作の一例について説明する。特に、ダイカストマシン1000の射出装置14及び局部加圧装置100の動作について説明する。ダイカストマシン1000の射出装置14及び局部加圧装置100の動作以外の動作、例えば、型締装置10や押出装置12の動作については、記述を省略する。
図5は、第1の実施形態のダイカストマシンの射出装置及び局部加圧装置の動作の一例を示すグラフである。横軸は時間である。時間が経過するほど、プロットされる点は紙面右側に位置する。紙面左側の縦軸は、射出速度、すなわち射出プランジャ42の速度を示している。また、紙面右側の縦軸は、空洞Ca内の溶湯に加えられる圧力を示している。
図5中実線Cvは射出プランジャ42の速度、図5中実線Cpは溶湯に加えられる圧力である。図5中点線Cxは、バリ吹き臨界曲線である。溶湯に加えられる圧力がバリ吹き臨界曲線を超えると、溶湯に加えられる圧力が型締力を上回りバリが発生するおそれがある。
時刻t0で、制御装置32からの指令により、射出装置14の射出プランジャ42が動作を開始する。射出プランジャ42の動作の開始に先立ち、射出スリーブ40の中に、給湯口40aから溶湯が供給される。
時刻t0からt1の間は、射出プランジャ42の速度は低速度である。射出プランジャ42の速度は、例えば、1m/sec未満である。
時刻t1から、射出プランジャ42の速度が増加する。射出プランジャ42の速度は、例えば、1m/sec以上である。時刻t1では、射出プランジャチップ42aが給湯口40aを塞いだ状態にある。
時刻t2で、射出プランジャ42は停止する。時刻t2の時点で、固定金型18aと可動金型18bとで形成される空洞Caの中への溶湯の充填が完了する。
射出プランジャ42が停止する前から、射出プランジャ42による溶湯の加圧が開始する。溶湯の充填中に巻き込まれる空気による鋳巣や、充填完了後に溶湯が凝固する際に発生する鋳巣を減少させるために、充填完了後に高い圧力が溶湯に加えられる。
射出プランジャ42により、溶湯に加えられる圧力は第1の圧力P1である。射出プランジャ42が停止した際には、瞬間的に第1の圧力P1を超えるサージ圧が発生する場合がある。サージ圧がバリ吹き臨界曲線を超えると、溶湯に加えられる圧力が型締力を上回りバリが発生するおそれがある。
例えば、空洞Caの中への溶湯の充填が完了した時点で、制御装置32からの指令に基づき、局部加圧装置100の第1の加圧プランジャ52が動作を開始する。例えば、射出プランジャ42が停止したことをトリガーにして、第1の加圧プランジャ52の動作を開始する。例えば、溶湯に加えられる圧力が所定の圧力に達したことをトリガーにして、第1の加圧プランジャ52の動作を開始する。また、例えば、第1の加圧プランジャロッド52bの荷重が所定の値に達したことをトリガーにして、第1の加圧プランジャ52の動作を開始する。
空洞Caの中への溶湯の充填が完了した後、極めて短時間の間、例えば、10msec以内に第1の加圧プランジャ52による溶湯の加圧が開始されるようにする。
第1の加圧プランジャ52により溶湯に加えられる圧力は、第2の圧力である。第2の圧力は、例えば、第1の圧力の1倍以上1.5倍以下である。第2の圧力は、例えば、第1の圧力よりも大きい。
図5は、第2の圧力(図5中のP2)が第1の圧力(図5中のP1)よりも大きい場合を例示している。射出プランジャ42により加えられる第1の圧力に、第1の加圧プランジャ52により第2の圧力が加えられることで、最終的に溶湯に加えられる圧力が増加する。最終的に溶湯に加えられる圧力が鋳造圧力である。
次に、第1の実施形態の局部加圧装置100の作用及び効果について説明する。
例えば、局部加圧装置を備えないダイカストマシンでは、溶湯の金型の空洞への充填完了後、溶湯が凝固するまでの間に溶湯に十分な圧力が加えられず、凝固した後のダイカスト品に、偏析、粗大化組織、鋳巣などが生じるおそれがある。特に、ダイカスト品が大型化、薄型化すると、この問題は顕著になる。
第1の実施形態の局部加圧装置100は、応答性の高い第1のサーボバルブ80と、第1の作動油の流量を大きくする第1のアキュムレータ81と、を備える。したがって、局部加圧装置100において、高応答性と高速性が実現される。したがって、局部加圧装置100が接続されたダイカストマシン1000では、例えば、局部加圧装置100の入力部101に信号が入力されてから10msec以内という極めて短い時間で、第1の加圧プランジャ52による溶湯の加圧を開始することが可能となる。
第1の実施形態の局部加圧装置100を接続することにより、ダイカストマシン1000は、金型18の空洞Caの中に充填された溶湯の凝固が進行する前に、射出装置14と異なる領域で溶湯を加圧することが可能となる。したがって、溶湯の金型の空洞への充填完了後、溶湯が凝固するまでの間に溶湯に十分な圧力を均一に加えることが可能となる。よって、凝固した後のダイカスト品に、偏析、粗大化組織、鋳巣が生じることを抑制できる。
局部加圧装置100を更に高速に動作させる観点から、第1の油圧回路56は、第1の背圧吸収シリンダ82を有することが好ましい。第1の背圧吸収シリンダ82を有することで、第1の作動油の流量を大きくすることが可能となり、局部加圧装置100の更なる高速動作が可能となる。
局部加圧装置100は、金型18の空洞Caの非製品領域Cayを加圧することが好ましい。非製品領域Cayを加圧することで、加圧により生じる溶湯内の偏析の影響をダイカスト品が受けることがない。よって、高い品質のダイカスト品を製造することが可能である。
溶湯の凝固が進行する前に加圧するために、制御部102は、金型18の空洞Cの中への溶湯の充填が完了した後、10msec以内に第1の加圧プランジャ52による溶湯の加圧が開始されるように、第1の加圧アクチュエータ54を制御することが好ましい。そして、10msec以内に第1の加圧プランジャ52による溶湯の加圧が開始されるように、第1の加圧アクチュエータ54を制御することがより好ましい。
例えば、図5に示す時刻t2から時刻t3までの経過時間が、10msec以下であることが好ましい。
例えば、制御部102は、射出プランジャ42が停止後、10msec以内に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように第1のサーボバルブ80を制御することが好ましい。また、例えば、制御部102は、溶湯に加えられる圧力が所定の圧力に達した後、10msec以内に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように第1のサーボバルブ80を制御することが好ましい。また、例えば、第1の加圧プランジャロッド52bの荷重が所定の値に達した後、10msec以内に第1の加圧プランジャ52の動作が開始するように第1のサーボバルブ80を制御することが好ましい。
溶湯に十分な圧力を加える観点から、第2の圧力は、第1の圧力の1倍以上1.5倍以下であることが好ましく、第2の圧力が第1の圧力よりも大きいことがより好ましい。
溶湯に十分な圧力を加える観点から、固定金型18aの第1のガイド領域18xは、製品領域Caxを間に挟んで、射出スリーブ40の反対側に設けられることが好ましい。すなわち、第1の加圧プランジャ52は、射出装置14により加圧される非製品領域Cayに対し、製品領域Caxを間に挟んで、反対側の非製品領域Cayを加圧するように設けられることが好ましい。
溶湯の凝固が進行する前に溶湯を加圧するために、局部加圧装置100は、射出装置14と同程度の、高応答性と高速性を備えることが好ましい。
局部加圧装置100により溶湯に加えられる第2の圧力を精度高く制御する観点から、制御部102は、加圧側油圧センサ85及び背圧側油圧センサ86で測定される油圧の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御し、第1の加圧プランジャ52が溶湯に加える第2の圧力を制御することが好ましい。
第1の油圧回路56は、第1の加圧アクチュエータ54の加圧側と背圧側を短絡する短絡流路である配管88gと、ガス抜きバルブ89を有することが好ましい。第1の加圧アクチュエータ54及び第1の油圧回路56の動作が安定する。
第1の油圧回路56が流量センサ87を有し、制御部102は、流量センサ87の測定値に基づき第1のサーボバルブ80の開閉を制御して、第1の加圧プランジャ52の速度を制御することが好ましい。第1の加圧プランジャ52の速度が安定する。
以上、第1の実施形態によれば、高応答性と高速性を備える成形機用の局部加圧装置を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の局部加圧装置は、第2の加圧アクチュエータと、第2の加圧アクチュエータを駆動する第3の液圧回路であって、第3の作動液の流れを制御する第2のサーボバルブと、を有する第3の液圧回路と、を更に備え、制御部は、信号に基づき、第2のサーボバルブを制御し、アキュムレータは、第3の作動液の流量を大きくする点で、第1の実施形態の局部加圧装置と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する場合がある。
図6は、第2の実施形態の局部加圧装置の模式図である。第2の実施形態の局部加圧装置200は、ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する機能を有する。ダイカストマシンは成形機の一例である。
局部加圧装置200は、第1の加圧プランジャロッド52b、第1の加圧アクチュエータ54、第1の油圧回路56、第2の加圧プランジャロッド62b、第2の加圧アクチュエータ64、第3の油圧回路66(第3の液圧回路)、入力部101、制御部102を備える。
第1の加圧アクチュエータ54は、第1の加圧シリンダ54a、第1の加圧ピストン54b、第1のロッド側室54x、第1のキャップ側室54yを有する。
ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する場合は、例えば、第1の加圧プランジャロッド52bの前に第1の加圧プランジャチップ52aが設けられ、第1の加圧プランジャチップ52aにより、溶湯が局部的に加圧される。
第1の油圧回路56は、第1のサーボバルブ80、第1のアキュムレータ81(アキュムレータ)、第1の背圧吸収シリンダ82(背圧除去シリンダ)、ポンプ83、タンク84、加圧側油圧センサ85(第1の液圧センサ)、背圧側油圧センサ86(第2の液圧センサ)、流量センサ87、配管88a、88b、88c、88d、88e、88f、配管88g(短絡流路)、ガス抜きバルブ89を有する。
第2の加圧アクチュエータ64は、第2の加圧シリンダ64a、第2の加圧ピストン64b、第2のロッド側室64x、第2のキャップ側室64yを有する。
ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する場合は、例えば、第2の加圧プランジャロッド62bの前に第2の加圧プランジャチップ62aが設けられ、第2の加圧プランジャチップ62aにより、溶湯が局部的に加圧される。
第2のロードセンサ68が、第2の加圧プランジャロッド62bに設けられる。第2のロードセンサ68は、第2の加圧プランジャロッド62bに加えられる荷重を測定する機能を有する。例えば、第2のロードセンサ68により、第2の加圧プランジャロッド62bの縮み具合を判定することで、金型18の空洞Caの中への溶湯の充填の完了を検知することが可能である。
第3の油圧回路66は、第2のサーボバルブ90、第1のアキュムレータ81(アキュムレータ)、第1の背圧吸収シリンダ82(背圧除去シリンダ)、ポンプ83、タンク84、加圧側油圧センサ95、背圧側油圧センサ96、流量センサ87、配管98c、98d、配管98g(短絡流路)、ガス抜きバルブ99を有する。第3の油圧回路66は、第3の液圧回路の一例である。
第2のサーボバルブ90は、第3の油圧回路66を流れる第3の作動油(第3の作動液)の流れを制御する。第2のサーボバルブ90は、ポンプ83から第2の加圧アクチュエータ64への第3の作動油の供給及び停止を制御する。第2のサーボバルブ90は、第2の加圧アクチュエータ64からタンク84への第3の作動油の排出及び停止を制御する。
第1の油圧回路56と第3の油圧回路66との間で、第1のアキュムレータ81、第1の背圧吸収シリンダ82、ポンプ83、及びタンク84は共用される。
図7は、第2の実施形態の局部加圧装置を接続したダイカストマシンの全体構成を示す模式図である。図7は、一部に断面図を含む側面図である。ダイカストマシン2000は、コールドチャンバ式のダイカストマシンである。ダイカストマシン2000に局部加圧装置200が接続されている。
ダイカストマシン1000は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、金型18、制御ユニット20を備える。
ダイカストマシン1000は、ベース22、固定ダイプレート24、可動ダイプレート26、リンクハウジング28、タイバー30を備える。
制御部102は、入力部101に入力された信号に基づき第1のサーボバルブ80及び第2のサーボバルブ90を制御する。
局部加圧装置200は、金型18の空洞Caの中に充填された溶湯を、例えば、空洞Caの製品領域Cax以外の領域で加圧する機能を有する。
図8は、第2の実施形態のダイカストマシンの射出装置と局部加圧装置の模式図である。
射出装置14は、射出スリーブ40、射出プランジャ42、射出アクチュエータ44、第2の油圧回路46、及び、位置センサ48を有する。射出スリーブ40は、給湯口40aを有する。射出プランジャ42は、射出プランジャチップ42aと射出プランジャロッド42bとを含む。射出アクチュエータ44は、射出シリンダ44a、射出ピストン44b、ロッド側室44x、キャップ側室44yを含む。
例えば、固定金型18aの非製品領域Cayに第1のガイド領域18xが設けられる。第1のガイド領域18xは、例えば、固定金型18aに設けられた円柱形状の窪みである。また、例えば、固定金型18aの非製品領域Cayに第2のガイド領域18yが設けられる。第2のガイド領域18yは、例えば、固定金型18aに設けられた円柱形状の窪みである。
第2のガイド領域18yは、例えば、製品領域Caxを挟んで、第1のガイド領域18xの反対側に設けられる。第2の加圧プランジャ62は、例えば、第1の加圧プランジャ52により加圧される非製品領域Cayに対し、製品領域Caxを間に挟んで、反対側の非製品領域Cayを加圧するように設けられる。
第2の加圧アクチュエータ64は、例えば、図8に示すように固定ダイプレート24の中に組み込まれる。
第2の加圧プランジャ62により溶湯に加えられる圧力は、第3の圧力である。第3の圧力は、例えば、第1の圧力の1倍以上1.5倍以下である。第3の圧力は、例えば、第1の圧力よりも大きい。
第1の加圧プランジャロッド52b、第1の加圧アクチュエータ54、及び、第1の油圧回路56の動作及び作用と、第2の加圧プランジャロッド62b、第2の加圧アクチュエータ64、及び、第3の油圧回路66の動作及び作用は基本的に同様である。
第2の実施形態の局部加圧装置200を接続することにより、ダイカストマシン2000は、金型18の空洞Caの中に充填された溶湯の凝固が進行する前に、射出装置14と異なる2か所の領域で溶湯を加圧することが可能となる。したがって、溶湯の金型の空洞への充填完了後、溶湯が凝固するまでの間に溶湯に更に十分な圧力を均一に加えることが可能となる。よって、凝固した後のダイカスト品に、偏析、粗大化組織、鋳巣が生じることを更に抑制できる。
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、高応答性と高速性を備える成形機用の局部加圧装置を実現することが可能となる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の局部加圧装置は、制御部は、応答速度切り換え部を有し、応答速度切り換え部は、第1のアキュムレータの動作と非動作を切り換える点で、第1の実施形態の局部加圧装置と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する場合がある。
図9は、第3の実施形態の局部加圧装置の模式図である。第3の実施形態の局部加圧装置300は、ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する機能を有する。ダイカストマシンは成形機の一例である。
局部加圧装置300は、第1の加圧プランジャロッド52b、第1の加圧アクチュエータ54、第1の油圧回路56、入力部101、制御部102を備える。
第1の加圧アクチュエータ54は、第1の加圧シリンダ54a、第1の加圧ピストン54b、第1のロッド側室54x、第1のキャップ側室54yを有する。
第1の油圧回路56は、第1のサーボバルブ80、第1のアキュムレータ81(アキュムレータ)、第1の背圧吸収シリンダ82(背圧除去シリンダ)、ポンプ83、タンク84、加圧側油圧センサ85(第1の液圧センサ)、背圧側油圧センサ86(第2の液圧センサ)、流量センサ87、配管88a、88b、88c、88d、88e、88f、配管88g(短絡流路)、ガス抜きバルブ89を有する。
制御部102は、応答速度切り換え部102aを有する。応答速度切り換え部102aは、第1のアキュムレータ81及び第1の背圧吸収シリンダ82の少なくともいずれか一方の動作と非動作を切り換える機能を有する。
応答速度切り換え部102aからの指令により、第1のアキュムレータ81及び第1の背圧吸収シリンダ82の少なくともいずれか一方の動作と非動作が切り換え可能である。動作と非動作の切り換えは、例えば、図示しない入力機能からオペレータにより入力される指示に基づいて行われる。
例えば、ダイカストマシンの金型に充填された溶湯を局部的に加圧する際、溶湯の凝固が一定程度進行した後に、局部的に加圧を行うことが必要な場合がある。このような場合、局部加圧装置には、比較的、高応答性や高速性が要求されない。
第3の実施形態の局部加圧装置300は、高応答性や高速性が要求される場合のみに、第1のアキュムレータ81及び第1の背圧吸収シリンダ82の少なくともいずれか一方を動作させることが可能である。
以上、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、高応答性と高速性を備える成形機用の局部加圧装置を実現することが可能となる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。実施形態においては、ダイカストマシンや局部加圧装置などで、本発明の説明に直接必要としない部分については記載を省略したが、必要とされる、ダイカストマシンなどに関わる要素を適宜選択して用いることができる。
第1の実施形態においては、第1の加圧アクチュエータ54が、固定ダイプレート24の中に設けられる場合を例に説明したが、第1の加圧アクチュエータ54は、例えば、可動ダイプレート26の中、固定金型18aの中、可動金型18bの中、あるいはその他の部分に設けられても構わない。第2の実施形態の第2の加圧アクチュエータ64の設けられる位置に関しても同様である。
第1の実施形態においては、第1の加圧プランジャ52が、固定金型18aの中に設けられる場合を例に説明したが、第1の加圧プランジャ52は、可動金型18bの中に設けられても構わない。第2の実施形態の第2の加圧プランジャ62の設けられる位置に関しても同様である。
第1ないし第3の実施形態では、局部加圧装置により非製品領域Cayを加圧する場合を例に説明したが、局部加圧装置により製品領域Caxを加圧することも可能である。
第2の実施形態においては、加圧アクチュエータが2個の場合を例に説明したが、加圧アクチュエータを3個以上設けることも可能である。
第1ないし第3の実施形態では、成形機としてダイカストマシンを例に説明したが、成形機は、ダイカストマシンに限定されるものではない。例えば、成形機は、射出成形機であっても構わない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての局部加圧装置は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。