JP7387831B2 - ポリプロピレン樹脂組成物およびこれにより製造された成形品 - Google Patents

ポリプロピレン樹脂組成物およびこれにより製造された成形品 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレン樹脂組成物およびこれにより製造される成形品に関するものである。詳細には、本発明はエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を含み、加工性、耐熱性および剛性に優れるポリプロピレン樹脂組成物およびこれにより押出コーティング方法により製造される成形品に関するものである。
ポリプロピレン樹脂は、家電製品、自動車用複合素材、一般包装材料として幅広く使用されている高分子材料である。ポリプロピレン樹脂は、高分子の構造によって剛性、透明性、耐衝撃性などに差を有する。
中でも、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂はエチレン-プロピレンゴム共重合体を含むため、ホモポリプロピレンやポリプロピレンランダム共重合体に比べて耐衝撃特性に優れる。したがって、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、耐衝撃性が求められる自動車用複合素材や一般雑貨に主として使用されている。
一方、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、このようなゴム成分に起因して透明性が低いため、透明性が求められるフィルム等の用途には使用されることが難しい。したがって、アルミニウムと貼り合わされるレトルト食品包装フィルムのように、特に透明性が求められない用途にのみ限定的に使用されているのが実情である。
食品包装用途において、エチレン-プロピレンブロック共重合体の欠点を補うための研究が進められてきた。例えば、特許文献1は、エチレン-プロピレンランダム共重合体とエチレン-プロピレンゴム共重合体とが段階的に重合されたエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を開示している。該樹脂は、透明性と耐衝撃性は向上したが、溶融温度が低いため、後加工において耐熱性を求める場合には適用に限界がある。
また、特許文献2には、ホモポリプロピレンをマトリックスとして用いたエチレン-プロピレンブロック共重合体として、耐衝撃性に優れ、耐熱性が高いので高温殺菌の後でも外観に優れたポリプロピレンに関する技術が開示されている。
一方、セルパウチは、無延伸フィルム(casting polypropylene film; CPP film)を加工し接着剤を塗布して金属薄層を含む基材層に接着させるドライラミネーション(dry lamination)法によって通常製造される。ところで、電解液の中で長期保管する際、無延伸フィルムと金属薄層との接着力が弱くなり得る。また、無延伸フィルムに接着剤を塗布する後工程が必要であり、人体に有害な有機溶剤を使用するなどの欠点がある。
その反面、セルパウチを製造する他の方法である押出コーティング(extrusion coating)法の場合、金属薄層を含む基材層上に直接フィルムを共押出コーティングするため、接着剤を塗布して接着させる後工程が不要であり、電解液中に長期保管する際にも共押出層と金属層との接着力が強いという利点がある。しかし、押出コーティング法は、フィルムの厚さを均一に加工することが難しい。
押出コーティング用素材としてプロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体を用いると、耐衝撃性と伸び率が低いため、セルパウチ用には不適である。耐衝撃性および伸び率を改善するために、プロピレン単独重合体またはプロピレン系ランダム共重合体にゴム成分を配合したり、それらの代わりにエチレン-プロピレンブロック共重合体を使用したりする試みがあった。ところが、フィッシュアイ(fish eye)やゲル(gel)のような外観不良が発生しやすく、耐白化特性が好ましくないという問題がある。
したがって、押出コーティング法を用いたセルパウチ用多層フィルム製造のための共押出層、特にコア層に適したポリプロピレン樹脂組成物の開発が求められている。
韓国特許第1298417号公報 韓国特許第1598715号公報
本発明の目的は、加工性、耐熱性および剛性に優れるポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記ポリプロピレン樹脂組成物から製造される成形品、具体的に、セルパウチ用多層フィルムの共押出層、特にコア層を提供することである。
本発明のまた他の目的は、前記共押出層を含み、押出コーティング法により製造されるセルパウチ用多層フィルムを提供することである。
前記目的を達成するための本発明の一実施例により、反応器において段階的に重合されたエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を含み、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス72重量%~90重量%と、溶剤抽出物含有量で測定されるエチレン-プロピレンゴム共重合体10重量%~28重量%とを含み、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数が11g/10分~20g/10分であり、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融温度が160℃~170℃であり、溶剤抽出物中のエチレン含有量が22重量%~38重量%であり、溶剤抽出物の固有粘度が1.0dl/g~3.0dl/gであるポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
本発明の具体例において、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス80重量%~88重量%と、溶剤抽出物含有量で測定されるエチレン-プロピレンゴム共重合体12重量%~20重量%とを含み得る。
本発明の具体例において、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数が12g/10分~18g/10分であり得る。
本発明の具体例において、溶剤抽出物中のエチレン含有量が25重量%~33重量%であり得る。
本発明の具体例において、ポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン-エチレンランダム共重合体およびプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(なお、α-オレフィンは炭素数4~8である)からなる群より選択されるプロピレン系ランダム共重合体を、ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~10重量%の含有量でさらに含み得る。
本発明の具体例において、ポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン単独重合体をポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~20重量%の含有量でさらに含み得る。
本発明の具体例において、ポリプロピレン樹脂組成物は、酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、補強材、充填材、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料および染料からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含み得る。
具体的に、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、該組成物の総重量を基準に、酸化防止剤0.01重量%~0.2重量%を含み得る。
好ましくは、酸化防止剤がペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトからなる群より選択される少なくとも1つである。
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、該組成物の総重量を基準に、中和剤0.01重量%~0.2重量%を含み得る。
好ましくは、中和剤が、ヒドロタルサイトおよびステアリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである。
本発明の他の具体例により、前記ポリプロピレン樹脂組成物を成形して製造されるポリプロピレン樹脂成形品が提供される。
本発明の具体例において、前記ポリプロピレン樹脂成形品は、前記ポリプロピレン樹脂組成物を押出成形して製造されるセルパウチ用コア層であり得る。
本発明の他の具体例により、封止層、コア層およびスキン層を含む共押出層と、金属薄層と、接着層と、基材層とを含み、コア層は本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物を含む、セルパウチ用の多層フィルムが提供される。
本発明の具体例において、封止層は本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物、プロピレン単独重合体、プロピレン系ランダム共重合体、プロピレン系ブロック共重合体、およびエチレン-プロピレン-ブテン三元共重合体から選択される少なくとも1つのポリプロピレン系樹脂を用いるか、または非結晶性エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体、アクリル樹脂、またはシリカを40重量%以下の含有量で混合使用して形成され得る。
本発明の具体例において、スキン層は、不飽和カルボン酸でグラフト変性されたポリオレフィン樹脂、エチレンまたはプロピレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体から選択される少なくとも1つの樹脂を用いるか、または本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物、エチレン-プロピレン-ブテン三元共重合体、非結晶性エチレン-プロピレン共重合体、またはプロピレン-α-オレフィン共重合体を50重量%以下の含有量で混合使用して形成され得る。
本発明の具体例において、金属薄層が、アルミニウムおよびニッケルから選択される金属、または酸化ケイ素およびアルミナから選択される無機化合物から形成され得る。
本発明の具体例において、接着層がポリ酢酸ビニル系、アクリル系、メタクリル酸系、アクリル酸系、エステル系、スチレン系、アクリレート系、セルロース系、ポリエステル系、ポリアミド系、アミノ系、フェノール樹脂系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリル系、ゴム系、シリコーン系接着剤、またはポリオレフィン樹脂を用いて形成され得る。
本発明の具体例において、基材層が、ポリスチレン層、ナイロン層、ポリエステル層、および印刷層から選択される少なくとも2つの多層構造であり得る。
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、加工性に優れるため押出成形に適しており、耐熱性および剛性に優れるため、押出コーティング法により製造されるセルパウチ用多層フィルムのコア層、スキン層および/または封止層に効果的に使用され得る。
図1は、本発明の一実施例によるセルパウチ用多層フィルムの断面を概略的に示すものである。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
[ポリプロピレン樹脂組成物]
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、反応器において段階的に重合されたエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を含み、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス72重量%~90重量%と、溶剤抽出物含有量で測定されるエチレン-プロピレンゴム共重合体10重量%~28重量%とを含み、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数が11g/10分~20g/10分であり、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融温度が160℃~170℃であり、溶剤抽出物中のエチレン含有量が22重量%~38重量%であり、溶剤抽出物の固有粘度が1.0dl/g~3.0dl/gである。
<エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂>
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を含む。なお、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は反応器において段階的に重合されたものである。
例えば、まず、ポリプロピレン系マトリックス(matrix)が重合され、次いで、該ポリプロピレン系マトリックスにエチレン-プロピレンゴムがブロック共重合されてエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が調製され得る。なお、ポリプロピレン系マトリックスはプロピレン単独重合体である。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、ポリプロピレン系マトリックス72重量%~90重量%を含む。好ましくは、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス80重量%~88重量%を含み得る。ポリプロピレン系マトリックスの含有量が72重量%未満であると、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の重合の際に生産性が低下し、樹脂組成物の引張強度と成形性が低下し得る。一方、ポリプロピレン系マトリックスの含有量が90重量%を超えると、落下衝撃強度、成形性および伸び率が低下し得る。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、エチレン-プロピレンゴム共重合体10重量%~28重量%を含む。好ましくは、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、エチレン-プロピレンゴム共重合体12重量%~20重量%を含み得る。エチレン-プロピレンゴム共重合体の含有量が10重量%未満であると、樹脂組成物の落下衝撃強度と成形性が低下し得る。一方、エチレン-プロピレンゴム共重合体の含有量が28重量%を超えると、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の重合の際に生産性が低下し、樹脂組成物の引張強度と成形性が低下し得る。なお、エチレン-プロピレンゴム共重合体の含有量は、溶剤抽出物の含有量で測定することができ、溶剤としてはキシレンが好ましい。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、溶融指数が11g/10分~20g/10分である。好ましくは、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数は12g/10分~18g/10分であり得る。該溶融指数が11g/10分未満であると、共押出層の厚さが不均一で成形性が低下する。一方、溶融指数が20g/10分を超えると、共押出によるフィルムの成形が困難であり、フィッシュアイやゲルのような外観不良が発生することがあり、耐白化性が好ましくなくなり得る。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、示差走査熱量計(DSC)で測定される溶融温度が160℃~170℃である。好ましくは、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融温度は160℃~165℃であり得る。溶融温度が160℃より低いと、樹脂組成物の耐熱性が不十分なため成形品を高温にて後加工する際、変形が起こることがあり、最終的に製造されるセルパウチ用多層フィルムの耐熱性が低下し得る。一方、溶融温度が170℃を超えるポリプロピレンは商業的に重合することが難しい。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、溶剤抽出物(すなわち、エチレン-プロピレンゴム共重合体)中のエチレン含有量が22重量%~38重量%である。好ましくは、溶剤抽出物中のエチレン含有量が25重量%~33重量%であり得る。溶剤抽出物中のエチレン含有量が22重量%未満か、または38重量%を超えると、樹脂組成物の耐白化性が低下したり成形性が低下したりし得る。
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、溶剤抽出物(すなわち、エチレン-プロピレンゴム共重合体)の固有粘度が1.0dl/g~3.0dl/gである。該固有粘度が1.0dl/g未満であると、ゴム成分の分子量が低いため樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、3.0dl/gを超えると、ゴム成分の凝集によりフィッシュアイやゲルのような外観不良が発生することがあり、樹脂組成物の耐白化性が低下し得る。
前術のエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を調製する方法に特に制限はなく、本発明が属する技術分野に公知のエチレン-プロピレンブロック共重合体の調製方法をそのまま、または適宜変形して用い得る。
好ましくは、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の調製方法は、2つ以上の連続する反応器にてプロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックスを重合する第1重合段階と、重合されたポリプロピレン系マトリックスの存在下でエチレンとプロピレンとを投入して、エチレン-プロピレンゴム共重合体成分を共重合することによりエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を得る第2重合段階とを含み得る。この際、それぞれの重合は、スラリー法、バルク法、気相法などと、本発明の技術分野において通常公知の方法および反応条件を利用し得る。
具体的に、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂は、バルク反応器2基と気相反応器2基とが直列に連結され連続的に重合し得るミツイ(Mitsui)社のハイポールプロセス(Hypol process)を利用して、通常の技術者に公知の重合方法により調製され得る。
一方、前記各々の重合は、チーグラー・ナッタ(Ziegler-Natta)触媒の存在下で行われ得る。チーグラー・ナッタ触媒は、当業界に公知の触媒を制限なく使用し得るが、具体的に、塩化マグネシウム(MgCl)担体に塩化チタン(TiClまたはTiCl)のようなチタン化合物を担持させて得られる。これに共触媒と外部電子供与体とをともに用いることが好ましい。
共触媒としては、アルキルアルミニウム化合物が用いられ得る。アルキルアルミニウム化合物の例としては、トリエチルアルミニウム、ジエチルクロロアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
また、外部電子供与体としては、有機シラン化合物が好ましい。有機シラン化合物の例としては、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、メトキシトリメチルシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物の調製方法において、前記第1重合段階と第2重合段階とは、同一重合反応器または異なる重合反応器にて行われ得る。
好ましくは、第1重合段階が、2つ以上のバルク重合反応器にてチーグラー・ナッタ触媒の存在下でポリプロピレン系マトリックスを重合する段階であり、第2重合段階が、気相重合反応器にて第1重合段階で重合されたポリプロピレン系マトリックスと、チーグラー・ナッタ触媒の存在下でエチレンとプロピレンとを供給して、ゴム成分のエチレン-プロピレン共重合体を共重合することにより、エチレン-プロピレンブロック共重合体を得る段階であり得る。各々の重合反応器にて生成される重合体の溶融指数は、各重合反応器に投入される水素の含有量で調節され得る。
具体的には、第1重合段階で得られたポリプロピレン系マトリックスを、エチレン-プロピレン共重合が行われる気相反応器に移送し、エチレンとプロピレンとを同時に投入することにより、固体状のポリプロピレン系マトリックスと、新たに投入されたエチレンおよびプロピレンとが、エチレン-プロピレンゴム共重合体成分として連続的に共重合してエチレン-プロピレンブロック共重合体を調製し得る。
<付加的なポリプロピレン系樹脂>
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン-エチレンランダム共重合体またはプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(なお、α-オレフィンは炭素数4~8である)をさらに含み得る。
ポリプロピレン樹脂組成物が、前記ポリプロピレン系ランダム共重合体をさらに含むと、樹脂組成物の耐白化性、伸び率、耐衝撃性が向上され得る。
具体的に、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体中のα-オレフィンは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンからなる群より選択される1種以上であり得る。
ポリプロピレン樹脂組成物中のプロピレン-エチレンランダム共重合体またはプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~10重量%であり得る。
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン単独重合体をさらに含み得る。ポリプロピレン樹脂組成物がプロピレン単独重合体をさらに含むと、樹脂組成物の剛性が向上され得る。
ポリプロピレン樹脂組成物中のプロピレン単独重合体の含有量は、ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~20重量%であり得る。
<添加剤>
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、本発明の目的から逸脱しない範囲内で、通常の添加剤をさらに含み得る。例えば、ポリプロピレン樹脂組成物は、酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、補強材、充填材、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、および染料などを含み得るが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、その耐熱安定性を増加させるために酸化防止剤を含み得る。この際、酸化防止剤は、ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に0.01重量%~0.2重量%、好ましくは0.05重量%~0.15重量%の含有量で追加され得る。酸化防止剤の含有量が0.01重量%未満であると、長期耐熱安定性を確保し難い。一方、酸化防止剤の含有量が0.2重量%を超えると、酸化防止剤が溶出したり製品の経済性が低下したりし得るため好ましくない。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤などが用いられ、具体的に、ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトからなる群より選択される少なくとも1つであり得るが、これらに限定されるものではない。
好ましくは、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物は、触媒残渣を除去するための中和剤として、ヒドロタルサイト、ステアリン酸カルシウムなどを含み得る。
この際、中和剤は、ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に0.01重量%~0.2重量%、好ましくは0.02重量%~0.10重量%の含有量で追加され得る。中和剤の含有量が0.01重量%未満であると、樹脂の触媒残渣を除去する効果を確保することが難しく、0.2重量%を超えると、触媒残渣除去効果の増加が微々たるものとなり、樹脂組成物の価格経済性が低下し得るため好ましくしない。
前術の樹脂成分と必要に応じて添加剤を混合して、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物を調製し得る。
この際、樹脂成分と添加剤とを混合する方法に特に制限はなく、本発明が属する技術分野に公知のポリプロピレン樹脂組成物の調製方法をそのままで、または適宜変形して用い得る。
具体的に例えると、前術の樹脂成分と添加剤とを所定量の分ニーダー(kneader)、ロール(roll)、バンバリーミキサー(Banbury mixer)などの混練機、または一軸/二軸押出機などに投入した後、これらの機器を用いて投入された原料をブレンドする方法により、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を調製し得る。
[ポリプロピレン樹脂成形品]
本発明の他の具体例により、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形して製造されるポリプロピレン樹脂成形品が提供される。
本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物から成形品を製造する方法に特に制限はなく、本発明が属する技術分野に公知の方法を用い得る。例えば、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物を、射出成形、押出成形、キャスティング成形などの通常の方法により成形して、ポリプロピレン樹脂成形品を製造し得る。
本発明の好ましい具体例において、本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂成形品は、本発明の他の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物を押出成形して製造されるセルパウチ用コア層であり得る。
本発明のまた他の具体例により、封止層、コア層およびスキン層を含む共押出層と、金属薄層と、接着層と、基材層とを含むが、封止層、コア層およびスキン層のうちの少なくとも1つが本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物を含む、セルパウチ用多層フィルムが提供される。
図1を参照すると、本発明の具体例によるセルパウチ用多層フィルム10は、封止層111、本発明の具体例によるコア層112およびスキン層113を含む共押出層110と、金属薄層120と、接着層130と、基材層140とを含む。
共押出層110は、少なくとも封止層111、コア層112およびスキン層113を含み得る。
封止層111は、熱と圧力によってセルパウチ用多層フィルム10を密封する役割を果たす。封止層111は、ポリプロピレン樹脂を単独で使用するか、または非結晶性エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体、アクリル樹脂、および/またはシリカを40重量%以下の含有量で混合使用して形成し得る。
なお、ポリプロピレン樹脂は、前記で説明した本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体、およびエチレン-プロピレン-ブテン三元共重合体から選択される少なくとも1つであり得る。
封止層111を構成する樹脂の溶融指数は、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、11g/10分~25g/10分であり得る。
コア層112は、封止層111上に形成され、セルパウチ用多層フィルム10に剛性、耐衝撃性および耐熱性を付与する役割をする。コア層112は、前述の本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物から形成される層である。
スキン層113はコア層112上に形成され、金属箔層との接着力を高める役割をする。スキン層113は、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いて形成され得る。具体的に、不飽和カルボン酸でグラフト変性されたポリオレフィン樹脂、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が用いられ、必要に応じて本発明の具体例によるポリプロピレン樹脂組成物、エチレン-プロピレン-ブテン三元共重合体、非結晶性エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体等を、50重量%以下の含有量で混合して用い得る。
スキン層113を構成する樹脂の溶融指数は、ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、11g/10分~25g/10分であり得る。
金属薄層120はスキン層113上に形成され、気体を遮断する役割をする。金属薄層120は、アルミニウム、ニッケルなどの金属、または酸化ケイ素、アルミナなどのような無機化合物からなる。
金属箔層120と接する層との接着強度を高めるために、金属箔層120の表面は化成処理され得る。すなわち、金属箔層120は、少なくとも一面に化成処理された金属箔層120aが形成され得る。なお、化成処理は、リン酸、クロム酸、シュウ酸などを用いて、通常の技術者に公知の方法により行われ得る。
接着層130は金属箔層120上に形成され、金属箔層120と基材層140とを接着する役割をする。接着層130は、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系、メタクリル酸系、アクリル酸系、エステル系、スチレン系、アクリレート系、セルロース系、ポリエステル系、ポリアミド系、アミノ系、フェノール樹脂系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリル系、ゴム系、シリコーン系接着剤、またはポリオレフィン樹脂を用いて形成され得る。
基材層140は接着層130上に形成され、金属箔層120の表面を保護する役割をする。基材層140は、ポリスチレン層、ナイロン層またはポリエステル層、および印刷層を含む多層構造を有し得る。
本発明の具体例によるセルパウチ用多層フィルムの製造方法に特に制限はなく、本発明が属する技術分野で公知のセルパウチ用多層フィルムの製造方法をそのまままたは適宜変形して用い得る。
例えば、本発明の具体例によるセルパウチ用多層フィルムの製造方法は、(1)金属薄層を準備し、その両面を化成処理する段階と、(2)化成処理された金属薄層の一面に接着剤を用いてドライラミネート法により基材層を接着する段階と、(3)化成処理された金属薄層の他面に押出コーティング法を用いてスキン層、コア層および封止層を形成する段階とを含み得る。
段階(1)において、金属薄層の化成処理は、リン酸、クロム酸またはシュウ酸を用いて、通常の技術者に公知の方法により行われ得る。
段階(2)は、通常の技術者に公知の方法により行われ得る。具体的に、前述の接着剤またはポリオレフィン樹脂を溶媒に希釈した後、化成処理された金属薄層の一面に塗布し、これを乾燥して接着層を形成する。接着層の上に前述の基材層を貼り合わせ圧力を加えて接着させる。
段階(3)は、通常の技術者に公知の方法により、前述のスキン層、コア層および封止層用素材を、共押出機を用いて共押出層を形成する。
(実施例)
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1~2および比較例1~7:エチレン-プロピレンブロック共重合体の重合)
2基のバルク反応器と2基の気相反応器とが直列に連結され連続的に重合し得る、ミツイ(Mitsui)社のハイポール工程(Hypol process)を用いた。この際、チーグラー・ナッタ(Ziegler-Natta)触媒を用いており、塩化マグネシウム(MgCl)担体に塩化チタン(TiCl)を担持させ、フタレート系の内部電子供与体(internal donor)を用いた。共触媒としてトリエチルアルミニウムを用い、外部電子供与体(external donor)としてジシクロペンチルジメトキシシランを用いた。
1、2段目のバルク反応器における運転温度と圧力はそれぞれ、68℃~75℃、30kg/cm~40kg/cmと、68℃~75℃、25kg/cm~35kg/cmであった。3、4段目の気相反応器における運転温度と圧力はそれぞれ、75℃~82℃、15kg/cm~20kg/cmと、68℃~75℃、10kg/cm~17kg/cmであった。1段~3段の反応器においては、プロピレンを単独注入してプロピレン単独重合体を生成するか、またはプロピレンとエチレンを注入してエチレン-プロピレンランダム共重合体(比較例7;エチレン含有量1重量%)を生成した。生成された重合体を、続く4段の反応器に移送し、前記チーグラー・ナッタ触媒の存在下でエチレンとプロピレンを投入して、エチレン-プロピレンゴムを共重合することにより、エチレン-プロピレンブロック共重合体を得た。この際、各々の反応器で生成される重合体の溶融指数は、各反応器に投入される水素の含有量で調節した。このような方法により、下記表1のようにエチレン含有量、溶剤抽出物含有量を調節して、エチレン-プロピレンブロック共重合体を得た。
得られたエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の組成および物性を以下の方法により測定し、その結果を下記表1に記載した。
(1)溶融指数(melt index;g/10分)
ASTM D1238に基づいて、2.16kg荷重で230℃にてエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数を測定した。
(2)溶融温度(melting temperature;Tm)
示差走査熱量計(DSC)を用いて、試料を200℃にて10分間等温に維持して熱履歴を除去した後、200℃から30℃まで毎分10℃ずつ冷却した。このような冷却で同じ熱履歴を有するようにした後、30℃にて10分間等温に維持した。次いで、さらに毎分10℃ずつ再昇温しながら、ピーク溶融温度から溶融温度(Tm)を求めた。
(3)溶剤抽出物(xylene soluble)の含有量(重量%)
エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂をキシレンに1重量%の濃度で140℃にて1時間溶かした後、常温にて2時間経過後に抽出した重量を測定した。得られた重量をエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の重量に対する百分率で表示した。
(4)溶剤抽出物中のエチレン含有量(重量%)
赤外線吸収スペクトル(FT-IR)を用いて、720cm-1と730cm-1の特性ピークを用いて、溶剤抽出物中のエチレンの含有量を測定した。
(5)溶剤抽出物の固有粘度
溶剤抽出物を135℃のデカリン(decaline)溶液中で粘度計を用いて固有粘度を測定した。
<試験片の製造>
30μm厚を有し、両面が化成処理されたアルミニウム薄層(ドンイルアルミニウム社、A8021)の一面に、2液型接着剤(三井化学社、A310/A3)を用いて25μm厚の延伸ナイロンフィルム(KOLON社、CNP01)が貼り合わされた構造のフィルムを使用した。アルミニウム薄層の他面に共押出フィルムを形成した。具体的に、変性ポリプロピレン樹脂(溶融指数15g/10分、Tm134℃、ビカット軟化温度(VST)110℃)をスキン層の素材とし、前記実施例および比較例で調製されたそれぞれのエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂をコア層素材とし、前記実施例および比較例における各々のエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂に、非結晶性エチレン-プロピレン共重合体を10重量%で配合して封止層素材とした。前記各素材を、共押出機を用いてそれぞれ15μm/40μm/15μm厚に共押出した。
製造された共押出層について、以下の方法に従って引張強度、落下衝撃強度および耐白化性を測定し、セルパウチ用多層フィルムについて、以下の方法に従って押出コーティング加工性および成形性を評価した。その結果を下記表2に記載した。
(6)引張強度(tensile strength)
ASTM D 882規格に基づいて引張強度を求めた。
(7)落下衝撃強度(falling dart impact;FDI)
ASTM D1709規格に基づいて落下衝撃強度を測定した。
(8)耐白化性(stress-whitening resistance)
共押出フィルムを3cm×10cmに切って試験片を用意し、UTM引張試験機を用いて1000mm/分の速度で引っ張ったときに、白化現象が発生するか否かを観察した。白化現象がない場合を○、白化現象が発生した場合を×と評価した。
(9)押出コーティング加工性
多層フィルムの共押出層の厚さが一定であるか否かを観察した。共押出層の厚さが一定の場合を○、共押出層の厚さが一定でない場合を×と評価した。
(10)エリクセン試験(Erichsen test)
多層フィルムをダイの間に挿入し、GI鋼板に20mmのスチール球からなるパンチを5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mmの深さに圧入した後、フィルムの剥離および破れの有無を観察した後、異常のない最大値を求めた。
(11)成形性
多層フィルムを、50mm×30mmの長方形のパンチと、クリアランス0.3mmのダイとからなるプレス金型を用いて、6mm深さで冷間プレス成形を行い、異常の有無を観察した。成形された部分に異常のない場合を○、破れ、変色、シワ、外観変化のある場合を×と評価した。
表1および表2から確認できるように、本発明の範囲に属する実施例の場合、引張強度、落下衝撃強度、耐白化性、押出コーティング加工性、および成形性がいずれも優れていた。
一方、エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数の低い比較例1の場合、共押出層の厚みが不均一で成形性が好ましくなく、溶融指数の高い比較例2の場合は、共押出によるフィルム成形が困難であった。溶剤抽出物含有量の低い比較例3の場合は引張強度が低く、溶剤抽出物含有量の高い比較例4の場合は成形性が好ましくなかった。溶剤抽出物中のエチレン含有量の低い比較例5の場合と、溶剤抽出物中のエチレン含有量の高い比較例6の場合は、耐白化性と成形性が好ましくなかった。エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂のマトリックスがエチレン-プロピレンランダム共重合体である比較例7の場合は、溶融温度が低いため耐熱性が好ましくなかった。
また、共押出層と金属薄層との結合強度およびセルパウチ加工時のセル成形性を間接的に分かり得るエリクセン評価において、溶剤抽出物含有量の低い比較例3は、実施例に比べて低い値を示した。
本発明の範囲に属する実施例によるポリプロピレン樹脂組成物は、加工性に優れるため押出成形に適しており、耐熱性および剛性に優れるためセルパウチ用コア層として効果的に使用され得る。
10:多層フィルム
110:共押出層
111:封止層
112:コア層
113:スキン層
120:金属薄層
120a:化成処理された金属薄層
130:接着層
140:基材層

Claims (17)

  1. 反応器において段階的に重合されたエチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂を含み、
    封止層、コア層およびスキン層を含み、押出コーティングによって製造される共押出層、金属薄層、接着層、および基材層を含むセルパウチ用多層フィルムの前記封止層、前記コア層または前記スキン層を形成するためのポリプロピレン樹脂組成物であって、
    前記エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス72重量%~90重量%と、溶剤抽出物含有量で測定されるエチレン-プロピレンゴム共重合体10重量%~28重量%とを含み、
    ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、前記エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数が11g/10分~20g/10分であり、
    前記エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融温度が160℃~170℃であり、
    溶剤抽出物中のエチレン含有量が22重量%~38重量%であり、
    前記溶剤抽出物の固有粘度が1.0dl/g~3.0dl/gである、ポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 前記エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂が、前記プロピレン単独重合体のポリプロピレン系マトリックス80重量%~88重量%と、前記溶剤抽出物含有量で測定される前記エチレン-プロピレンゴム共重合体12重量%~20重量%とを含む、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. ASTM D1238に基づいて2.16kgの荷重で230℃にて測定する際、前記エチレン-プロピレンブロック共重合体樹脂の溶融指数が12g/10分~18g/10分である、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 前記溶剤抽出物中のエチレン含有量が25重量%~33重量%である、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  5. プロピレン-エチレンランダム共重合体およびプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体(なお、α-オレフィンは炭素数4~8である。)からなる群より選択されるプロピレン系ランダム共重合体を、前記ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~10重量%の含有量でさらに含む、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  6. ロピレン単独重合体を、前記ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に3重量%~20重量%の含有量でさらに含む、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  7. 酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、補強材、充填剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、および染料からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  8. 前記ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に、前記酸化防止剤0.01重量%~0.2重量%を含む、請求項7に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  9. 前記酸化防止剤が、ペンタエリトリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項8に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  10. 前記ポリプロピレン樹脂組成物の総重量を基準に、前記中和剤0.01重量%~0.2重量%を含む、請求項7に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  11. 前記中和剤が、ヒドロタルサイトおよびステアリン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項10に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  12. 封止層、コア層およびスキン層を含み、押出コーティングによって製造される共押出層、金属薄層、接着層、および基材層を含み、
    前記コア層が、請求項1~11のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、セルパウチ用多層フィルム。
  13. 封止層、コア層およびスキン層を含み、押出コーティングによって製造される共押出層、金属薄層、接着層、および基材層を含み、
    前記封止層が、請求項1~11のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を単独で使用するか、もしくは非結晶性エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体、アクリル樹脂、またはシリカを40重量%以下の含有量で混合使用して形成される、セルパウチ用多層フィルム。
  14. 封止層、コア層およびスキン層を含み、
    押出コーティングによって製造される共押出層、金属薄層、接着層および基材層を含み、
    前記スキン層が、不飽和カルボン酸でグラフト変性されたポリオレフィン樹脂、エチレンまたはプロピレンと、アクリル酸またはメタクリル酸との共重合体と共に請求項1~11のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を50重量%以下の含有量で混合使用して形成される、セルパウチ用多層フィルム。
  15. 前記金属薄層が、アルミニウムおよびニッケルから選択される金属、または酸化ケイ素およびアルミナから選択される無機化合物により形成される、請求項14に記載のセルパウチ用多層フィルム。
  16. 前記接着層が、ポリ酢酸ビニル系、アクリル系、メタクリル酸系、アクリル酸系、エステル系、スチレン系、アクリレート系、セルロース系、ポリエステル系、ポリアミド系、アミノ系、フェノール樹脂系、エポキシ系、ポリウレタン系、ニトリル系、ゴム系、シリコーン系接着剤、またはポリオレフィン樹脂を用いて形成される、請求項14に記載のセルパウチ用多層フィルム。
  17. 前記基材層が、ポリスチレン層、ナイロン層、ポリエステル層、および印刷層から選択される少なくとも2つの多層構造である、請求項14に記載のセルパウチ用多層フィルム。
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