JP7386693B2 - 易崩壊性造粒組成物を含有する固形化粧料 - Google Patents

易崩壊性造粒組成物を含有する固形化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、固形化粧料に関するものである。
易崩壊性造粒組成物は種々の用途に用いられている。例えば、化粧料や日用品用として用いられる造粒組成物には、洗顔用造粒組成物や入浴剤用造粒組成物、粉末化粧料用造粒組成物等が挙げられる。特に、易崩壊性造粒組成物を含む固形粉末化粧料として用いられる場合、顔面や体に直接塗布する用途が想定されるため、造粒組成物としての形状を維持しながらも、使用時には容易に崩れる品質が求められることがある。化粧料に造粒組成物を配合する技術として、例えば、粉体の表面が撥水性を有する油剤乃至は樹脂である造粒組成物を化粧料に配合する技術がある(特許文献1参照)。固形化粧料において、従来から、様々な研究がなされている。特に、粉体と油剤の量比が等量程度の固形化粧料は、しっとりとした使用感、付着性等に優れ好まれる場合がある。例えば、油性固形化粧料中の粉体の含有量が多いと、粉体と油剤の量比が等量程度になる場合があり、25℃で液状の油剤 30~50質量%、25℃で固体状または半固体状の油剤 15~25質量%及び特定の組成比の粉体 14~42質量%である油性固形化粧料のような技術がある(特許文献2参照)。
特開2003-277216号公報 特開2014-108926号公報
造粒組成物を化粧料中に点在させることで、その審美性から見た目も使用感も満足させる品質が求められる場合がある。そこで、特許文献1と2の技術を用いて、化粧料中に、造粒組成物を添加すると、様々な問題が生じる場合があった。例えば、化粧料基剤を揮発性油剤と混練し、スラリー状にしたものを容器に充填し、揮発性油剤を除去して得られる化粧料では、揮発性油剤が造粒組成物に作用し、造粒組成物が崩れてしまう場合があった。即ち、化粧料基剤中に樹脂等の溶媒となる揮発性油剤を含むと、造粒組成物と混合している際に、造粒組成物が崩壊してしまう等の問題が生じる場合があり、揮発性油剤を使用する化粧料への造粒組成物の添加が困難であった。一方、揮発性油剤を含有しないと、化粧料基剤と混合した際に、造粒組成物が化粧料基剤と均一に混ざらず、境界面の明瞭さに満足のいく品質が得られない場合があり、また、不均一であるために、落下等による耐衝撃性にも満足のいくものが得られない場合があり、その使用性も満足のいくものではない場合があった。
前記造粒組成物と揮発性油剤を含む化粧料基剤とを含有する化粧料において、指で化粧料を取った際に、造粒組成物と化粧料基剤とが均一に取れる程度に、造粒組成物が易崩壊性を有する必要があった。化粧料を塗布する際に造粒組成物が崩壊しないと、化粧料を使用していく過程で造粒組成物だけが残ってしまい、化粧料としての外観の審美性に満足のいくものにならず、好ましくない場合があった。一方で、揮発性油剤を含む化粧料基剤と混合した際に、形状維持できる保形性を有している必要があった。さらに、造粒組成物中の光輝性粉体が持続する化粧持ちにも優れる品質が求められていた。
そこで本発明は、易崩壊性造粒組成物及び粉体と油剤の量比が特定の比率である化粧料基剤を含有する化粧料において、前記化粧料基剤中に揮発性油剤を含みながらも、易崩壊性造粒組成物が保形維持でき、易崩壊性造粒組成物及び化粧料基剤の境界面が明瞭であり、耐衝撃性に優れ、化粧料塗布時に易崩壊性造粒組成物及び化粧料基剤が均一に取ることができ、さらには化粧持ちに優れる固形化粧料の開発を課題とする。
上記実情を鑑み、本発明者は鋭意検討を行った。まず、粉体、油剤等を含有する化粧料基剤に、光輝性粉体をアクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルションを造粒組成物中に固形分換算で2~6質量%を含有する造粒組成物を添加したところ、造粒組成物と化粧料基剤とが均一に取れない場合や、落下試験でひびや割れ等が起き、耐衝撃性が不十分である場合があった。そこで、使用時に造粒組成物と化粧料基剤が均一に取れ、耐衝撃性に優れる化粧料が得られるよう改良を行った結果、揮発性油剤を化粧料基剤に含有し、化粧料基剤中の粉体及び油剤をそれぞれ60:40~40:60の割合で含有することで、均一な取れと耐衝撃性に優れることを見出した。しかし、揮発性油剤を化粧料基剤に含有した場合に、造粒組成物と混練した際に、造粒組成物が崩れる場合があった。これに対し、造粒組成物に25℃で液状の不揮発性油剤を含有することで、揮発性油剤を含有する化粧料基剤と造粒組成物を混練した際に、造粒組成物が崩壊せず、成形後の造粒組成物と化粧料基剤との境界面が明瞭であり、均一に取れ、光輝性粉体が長く皮膚に留まる化粧持ちに優れ、耐衝撃性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(B);
(A)次の成分(A1)~(A3)を含有する易崩壊性造粒組成物と
(A1)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルション 易崩壊性造粒組成物中に固形分換算で2~6質量%
(A2)光輝性粉体
(A3)25℃で液状の不揮発性油剤
(B)次の成分(B1)及び(B2)を含有する化粧料基剤と
(B1)(A2)以外の粉体
(B2)揮発性油剤
を含有し、成分(B)中の粉体及び油剤の含有質量比が40:60~60:40である固形化粧料に関するものである。
本発明は、易崩壊性造粒組成物が保形維持でき、易崩壊性の造粒組成物及び化粧料基剤の境界面が明瞭であり、耐衝撃性に優れ、化粧料塗布時に易崩壊性造粒組成物及び化粧料基剤が均一に取ることができ、さらには化粧持ちに優れるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明における成分(A)易崩壊性造粒組成物とは、粉体を造粒して得られるものであり、圧力等の外的刺激により容易に崩壊するものである。本発明における易崩壊性とは、単位面積当たり5g/cmの圧力で形状を維持できず崩壊するものを指す。簡易的に易崩壊性を評価する方法としては、例えば、一定面積の皿状の容器に造粒組成物を乗せ、5g/cmの圧力がかかる質量の重りを造粒組成物の上に置き、崩壊するものを易崩壊性造粒組成物とすることができる。また、造粒とは油剤、水溶性高分子、金属石鹸等の賦形剤等を用いて1種または2種以上の粉体から、より大きい粒子を得ることと定義する。本発明における易崩壊性造粒組成物は、圧力等の外的刺激により容易に崩壊する一方で、造粒組成物自体が形状を維持する強度を有するものである。また、易崩壊性造粒組成物の平均粒子径としては、易崩壊性造粒組成物を圧縮成形した際の審美性の観点から0.5~5mmが好ましく、0.5~2mmがより好ましい。平均粒子径の算出方法に関しては作製した易崩壊性造粒組成物を20個取り出し、顕微鏡観察により粒径を測定し、平均粒子径として用いた。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、例えば、化粧料全量中、1~10質量%(以下、単に%と省略する場合がある)が好ましく、1~8%がより好ましい。この範囲であれば、化粧料としての審美性に優れ、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。
本発明に用いられる成分(A1)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、アクリル酸アルキルモノマー及び/又はメタクリル酸アルキルモノマーの1種以上と、酢酸ビニルモノマーとの共重合体である。本発明の成分(A1)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンに用いる「/」は、モノマーがアクリル酸アルキルと酢酸ビニルとで共重合していることを示す。本発明における成分(A1)は、通常、水性の溶媒中に高分子の微粒子が安定に分散した水中油型の系で、界面活性剤で乳化させたモノマーを重合することによって得られる液や自然界に存在する乳状の樹液を含むものであり、これらのアルキル基については、炭素数1~12の1種でも、また2種以上であっても良い。INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、ACRYLATES/VA COPOLYMERとして収載されているものである。アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、通常皮膜形成剤として化粧料に含有することが多く、本発明においても皮膜形成剤として易崩壊性造粒組成物中に含有することで、皮膜形成により保形性を向上させる効果を奏するものである。本発明において、成分(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンの市販品としては、大同化成工業社製のビニゾール2140L等が例示されるが、これに限らず使用することができる。
本発明における成分(A1)の含有量は、易崩壊性造粒組成物中に固形分換算で2~6%である。さらに、固形分換算で2~5質量%が好ましく、3~4%がより好ましい。この範囲であれば、易崩壊性造粒組成物の保形性に優れ、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤との境界面が明瞭であり、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。
本発明における成分(A2)光輝性粉体は、パール剤、ラメ剤等の高輝度な外観を有する粉体である。本発明における光輝性粉体は、化粧料に通常使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン被覆雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、金属末被覆雲母チタン、金属末被覆合成金雲母、ガラス末、酸化チタン被覆ガラスフレーク、金属末被覆ガラス末、アルミニウムフレーク、酸化チタン被覆アルミナフレーク、酸化チタン被覆シリカフレーク、酸化鉄・シリカ被覆アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ゴニオクロマティック光沢顔料、魚鱗箔、金粉、銀粉等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。その中でも、易崩壊性造粒組成物としたときの外観の審美性を保つためバルク上でも輝度が高いという観点から、ガラス末、酸化チタン被覆ガラスフレーク、金属末被覆ガラス末、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆合成金雲母チタン、金属末被覆雲母チタン、金属末被覆合成金雲母が好ましく、ガラス末、酸化チタン被覆ガラスフレーク、金属末被覆ガラス末がより好ましい。
本発明における成分(A2)の含有量は、特に限定されず、易崩壊性造粒組成物中に、70~90%が好ましく、75~85%がより好ましい。この範囲であれば、化粧料基剤との混合時には形状を保ち、塗布時の摩擦により崩壊することにより優れるため、より好ましい。
本発明における成分(A3)25℃で液状の不揮発性油剤は、25℃で揮発しない油剤であり、例えば、常圧での沸点が260℃以上である油剤である。本発明における25℃で液状の不揮発性油剤は、化粧料に通常使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン等の炭化水素油類、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オクチルドデカノール、テトラデシルデカノール等の高級アルコール類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸デシル、イソステアリン酸ラウリル、イソデカン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、セバシン酸ジエチル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸エチル、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-サルコシン-イソプロピル等のエステル油類、ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン油類等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。その中でも化粧持ち、境界面の明瞭さの観点から、エステル油が好ましく、脂肪酸とグリセリンのエステルがより好ましく、重合度が1~3のポリグリセリンと脂肪酸のエステルがさらに好ましい。前記エステルの脂肪酸としては、炭素数12~22の脂肪酸が好ましく、炭素数16~18の脂肪酸がより好ましく、例えば、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられ、その中でも、テトライソステアリン酸ジグリセリルを選択することで、本願効果により優れるため、より好ましい。
本発明における成分(A3)の含有量は、特に限定されず、易崩壊性造粒組成物中に、1~15%が好ましく、4~12%がより好ましい。この範囲であれば、易崩壊性造粒組成物の保形性に優れ、化粧持ち、境界面の明瞭さにより優れるため、より好ましい。
本発明の易崩壊性造粒組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、水に分散させた成分(A1)、成分(A2)及び成分(A3)、その他の成分とを常法を用いて混合し、造粒粉砕機等により粉砕造粒し、乾燥機等で乾燥して水を除去することで易崩壊性造粒組成物を得ることができる。造粒方法としては、例えば、スーパーミキサー等を用いる攪拌造粒法、造粒粉砕機等を用いる押し出し造粒法、噴霧乾燥法(スプレードライ法)等が挙げられる。造粒に用いられる機器としては、例えば、スーパーミキサー(SMP-2/カワタ社製)、ディスクアトマイザー(スプレードライヤーSD12型/三井鉱山社製)等が挙げられる。粒子径の大きい易崩壊性造粒組成物を得る場合には、攪拌造粒法が好ましく、粒子径の小さい易崩壊性造粒組成物を得る場合には、流動層造粒法が好ましい。ここで、粒子径の大きいとは、30mmより大きく、粒子径の小さいとは、30mm以下を示す。さらに、造粒粉砕では、目的の粒子径に合わせてスクリーン径を選択することで、易崩壊性造粒組成物を目的の粒子径に調整することができる。これらの造粒方法は、求める粒子径の大きさに合わせて何れの方法も選択できる。
本発明の易崩壊性造粒組成物は、成分(A2)及び(A3)を混合した後、水に分散した成分(A1)を添加混合して造粒後、乾燥等で該水を除去することにより得ることが好ましい。
本発明の成分(B)は、成分(B1)及び(B2)を含有する化粧料基剤である。本発明において、化粧料基剤とは、成分(B1)及び(B2)を含有し、易崩壊性造粒組成物と組み合わせることで、固形化粧料を得るものである。尚、本発明の成分(B)は、成分(B1)及び(B2)を含有していれば良く、成分(B1)及び(B2)以外の成分を含有することを排除するものではない。本発明における化粧料基剤の含有量は、特に限定されないが、化粧料全量中、80~99%が好ましく、85~95%がより好ましく、90~95%がさらに好ましい。この範囲であれば、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。
本発明に用いられる成分(B1)(A2)以外の粉体は、化粧料に使用されるものであれば、特に限定されず、任意の無機又は有機粉体を使用することができる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、オキシ塩化ビスマス、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、黒色401号、褐色201号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色203号、青色205号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、黄色4号、黄色5号、黄色202号(1)、黄色202号(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、橙色205号、橙色402号、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、赤色227号、赤色230号(1)、赤色231号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N-アシルリジン等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。また、成分(B1)は表面処理されていても良い。表面処理剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、フッ素化合物、シリコーン系化合物、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、金属石鹸、界面活性剤、水溶性高分子等の通常公知のものを使用できる。
本発明において、これらの粉体表面を処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法(乾式処理法)、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ヘキサン、軽質イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法(湿式法)、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。
本発明において、成分(B1)の含有量は、特に限定されないが、化粧料基剤中に20~50%が好ましく、30~40%がより好ましい。この範囲であれば、化粧料の耐衝撃性に優れ、かつ易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤との境界の明瞭性により優れるため、より好ましい。
本発明における成分(B2)揮発性油剤は、1気圧における沸点が260℃以下の油剤である。本発明における揮発性油剤は、化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の炭化水素油類、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状もしくは環状シリコーン油、低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。この中でも、特に、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の炭化水素油類、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン等の鎖状シリコーン油が好ましく、さらに、低重合度のジメチルポリシロキサン及びイソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の炭化水素油を併せて用いると、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤とが均一に混合しやすくなり、また、成型後の易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤との境界面が明瞭であり、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。
本発明における成分(B2)の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料基剤中に10~60%が好ましく、20~50%がより好ましく、25~40%がさらに好ましい。この範囲であれば、化粧持ち、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。
本発明における成分(B)化粧料基剤には、(B2)として揮発性油剤を必須として含有するものであるが、化粧料基剤中に揮発性油剤以外の油剤を含有することを排除するものではない。化粧料に通常使用される油剤であれば、特に限定されず、揮発性油剤以外に、種々の油剤を含有することができる。例えば、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、エチレンホモポリマー、(エチレン/プロピレン)コポリマー、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素油類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、キャンデリラワックス、ミツロウ、ライスワックス、モクロウ、ゲイロウ、モンタンワックス、カルナウバワックス、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸デシル、イソステアリン酸ラウリル、イソデカン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、セバシン酸ジエチル、2-エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸エチル、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-サルコシン-イソプロピル、ダイマージリノール酸ジ(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ジリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル、ロジン酸ペンタエリトリット、ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油脂肪酸エステル、マカデミアンナッツ油脂肪酸フィトステリル、水添ホホバ油等のエステル油類、トリメチルシロキシケイ酸、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン等のシリコーン油類、デキストリン脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、12-ヒドロキシステアリン酸、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、α-オレフィン・ビニルピロリドン共重合体等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。本発明において、成分(B2)以外の油剤を化粧料基剤中に含有することで、伸びの良さを化粧料に付与できる点から、化粧料基剤に含有していることが好ましい。成分(B)中の成分(B2)以外の油剤の含有量は、特に限定されないが、成分(B)中に10~30%が好ましく、20~30%がより好ましい。この範囲であれば、化粧持ち、境界面の明瞭さにより優れるため、より好ましい。
また、本発明における成分(B)化粧料基剤は、(B1)として(A2)以外の粉体を必須として含有するものであるが、化粧料基剤中に光輝性粉体を含有することを排除するものではない。本発明において、成分(B)化粧料基剤に、通常化粧料で用いられる光輝性粉体であれば、特に限定されず、種々の光輝性粉体を含有することができる。例えば、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン被覆雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、金属末被覆雲母チタン、金属末被覆合成金雲母、ガラス末、酸化チタン被覆ガラスフレーク、金属末被覆ガラス末、アルミニウムフレーク、酸化チタン被覆アルミナフレーク、酸化チタン被覆シリカフレーク、酸化鉄・シリカ被覆アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ゴニオクロマティック光沢顔料、魚鱗箔、金粉、銀粉等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができるが、審美性の観点から、光輝性粉体を含有していると好ましい。本発明における化粧料基剤中の光輝性粉体の含有量は、特に限定されず、5~25%が好ましく、7~20%がより好ましい。
さらに、成分(B)化粧料基剤中に揮発性油剤を含有することで得られるものではあるものの、化粧料基剤中の油剤と揮発性油剤との含有する量比を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。このような量比は特に限定されず、化粧料基剤中の油剤と揮発性油剤との含有質量割合が、揮発性油剤/化粧料基剤中の油剤=0.4~0.7が好ましく、0.5~0.6がより好ましい。さらに、揮発性油剤中の揮発性炭化水素油の含有する量比を特定することにより、より高い効果が期待できるため好ましい。このような量比は特に限定されず、揮発性油剤と揮発性炭化水素油の含有質量割合が、揮発性炭化水素油/揮発性油剤=0.3~0.8が好ましく、0.4~0.6がより好ましい。
本発明の成分(B)中、粉体及び油剤の含有質量比は40:60~60:40である。好ましくは45:55~55:45である。この範囲であれば、化粧料と易崩壊性造粒組成物の摩擦が小さく易崩壊性造粒組成物が崩壊せず、化粧料基剤と造粒組成物の境界面が明確であり、かつ化粧持ちがより優れるため、より好ましい。
本発明の易崩壊性造粒組成物には、本発明の効果を妨げない範囲であれば、上記成分(A)及び(B)の他に、通常化粧料に使用される成分として、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、糖類、防腐剤、香料等を含有することができる。
本発明の固形化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。本発明の製造方法は、特に限定されないが、例えば、次のようにして得ることができる。例えば、成分(A1)~(A3)を常温で混合した後、造粒機で造粒し、70℃で5時間乾燥させ、成分(A)の易崩壊性造粒組成物を得る。次に、成分(B1)及び(B2)を常温で混合し、化粧料基剤を得る。前記化粧料基剤に、成分(A)を添加混合し、必要に応じて加熱して流動性を有した状態で容器に充填し、適宜室温へ冷却することで固形化粧料を得ることができる。
本発明の固形化粧料は、化粧料の使用性を損なわない範囲でいずれの硬度とすることもできる。例えば、100~1500gfとすることができ、400~1000gfが好ましく、600~800gfがより好ましい。この範囲であれば、取れ量が適量とることができる使用性に優れるだけでなく、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤とを混合した際に、易崩壊性造粒組成物が崩れることなく、境界面が明瞭であり、耐衝撃性により優れるため、より好ましい。本発明において、このような硬度は、レオメーター(レオテック社製)を用いて、針入硬度(g/cm)を測定条件(アダプター:球状20mmφ、速度:2mm/min、深さ:40mm)にて測定できる。
本発明の固形化粧料の形態としては、メイクアップ化粧料、スキンケア化粧料等が挙げられ、目的に応じ種々の製品形態とすることができる。さらに詳細には、ファンデーション、口紅、リップグロス、頬紅、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、フェイスパウダー、ボディパウダー等の固形化粧料が挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
易崩壊性造粒組成物A~P
表1に示す易崩壊性造粒組成物を調製し、「保形性」について下記の評価方法にて評価し判定した。その結果も併せて表1に示す。
※1:ビニゾール2140L(大同化成工業社製)
※2:ヨドゾール810F(アクゾノーベル社製)
※3:ビニブランGV-5651(日信化学工業社製)
(製造方法)易崩壊性造粒組成物A~P
A.成分(1)~(4)を均一に混合する。
B.成分(5)~(9)をAに加えて均一に分散する。
C.成分(10)~(12)を精製水70質量部に分散する。
D.BにCを加えスーパーミキサーで造粒後、スピードミル(スクリーン径2mm)にて粉砕処理する。
E.70℃で5時間乾燥し、易崩壊性造粒組成物を得た。
(評価項目)
保形性
(評価方法)
易崩壊性造粒組成物を調製し、乾燥後の造粒組成物を40メッシュのふるいにかけた時、乾燥直後と同じ大きさの球形状を保っているかどうかについて高級システム生物顕微鏡BX51(オリンパス社製)で100粒を目視評価し、規定範囲(1~3mm)内であるかどうかを、以下の判定基準に従って保形性を判定した。
(判定基準)
(判定):(基準)
◎ :70%以上が規定範囲内である
○ :50%以上70%未満が規定範囲内である
△ :30%以上50%未満が規定範囲内である
× :30%未満が規定範囲内である
実施例1(本発明品1~19)及び比較例1(比較品1~9):アイシャドウ
表2及び3に示すアイシャドウを調製し、イ.取れ量、ロ.化粧持ち、ハ.境界面の明瞭さ、二.耐衝撃性ついて下記の評価方法にて評価し判定した。その結果も併せて表2及び表3に示す。
※4:KF-96L-2CS(信越化学工業社製)
※5:ベンガラ30%、黄色酸化鉄40%、黒色酸化鉄30%の混合物
(製造方法)
A.成分(1)~(5)を均一に混合する。
B.成分(22)~(25)を均一に混合し、Aを添加し混合する。
C.Bに成分(6)~(21)を添加し、混合した後、容器に充填して、アイシャドウを得た。
(評価項目)
イ.取れ量
ロ.化粧持ち
(評価方法)
化粧品評価専門パネル12名に、実施例1(本発明品1~19)及び比較例1(比較品1~9)を使用してもらい、イについては、固形化粧料を塗布する際に、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤とが均一に取れるかどうかを、ロについては、固形化粧料塗布後6時間後に光輝性粉体が瞼に乗った状態を維持しているかどうかを各自が以下の評価基準に従って4段階評価し評点を付し、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価)
4 :非常に良い
3 :良い
2 :普通
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定基準)
(判定):(評点の平均点)
◎ :3点以上
○ :2点以上3点未満
△ :1点以上2点未満
× :1点未満
(評価項目)
ハ.境界面の明瞭さ
(評価方法)
実施例1(本発明品1~19)及び比較例1(比較品1~9)について、充填したものをそれぞれ12個ずつ用意し、易崩壊性造粒組成物が化粧料基剤と混合した際に崩壊して混色しておらず、成型後の固形化粧料において、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤とを区別でき、その境界がはっきりと見えるかどうかについて目視で評価し、以下の判定基準に従って境界面の明瞭さを判定した。
(判定基準)
(判定):(基準)
◎ :10個以上が境界面が明瞭であり、残りに一部混色が見られた
○ :7個以上9個以下が境界面が明瞭であり、残りに一部混色が見られた
△ :4個以上6個以下が境界面が明瞭であり、残りに一部混色が見られた
× :3個以下が境界面が明瞭であり、残りに一部混色が見られた
(評価項目)
二.耐衝撃性
(評価方法)
実施例1(本発明品1~19)及び比較例1(比較品1~9)について、皿状容器に固形化粧料を充填し、皿状容器をコンパクトに取り付ける。その後、床上50cmの高さから前記コンパクトを落下させてた時、ヨレ、ヒビ、抜けが生じず、落下前と同じ形状を保てているかどうかをそれぞれ12個ずつ評価し、以下の判定基準に従って判定した。
(判定基準)
(基準):(判定)
◎ :10個以上が落下前と同じ形状を保っている
○ :7個以上9個以下が落下前と同じ形状を保っている
△ :4個以上6個以下が落下前と同じ形状を保っている
× :3個以下が落下前と同じ形状を保っている
表1、2及び3の結果から明らかなように、実施例1(本発明品1~19)のアイシャドウは、取れ量、化粧持ち、境界面の明瞭さ、耐衝撃性の全ての項目において、比較例より優れたものであった。
一方、成分(A1)を含有しない比較品1は、易崩壊性造粒組成物が崩れてしまい、保形できないものであった。また、成分(A3)を含有しない比較品2は、易崩壊性造粒組成物が硬くなりすぎてしまい、取れ量と化粧持ちが悪いものであった。(A1)を別のアクリル酸ポリマーに置き換えた比較品3及び4は、易崩壊性造粒組成物の保形性は満足のいく品質である一方で、崩壊し難く、化粧料とした時に、均一にとることができないものであった。さらに、(A1)の含有量が固形分2%未満の比較品5は、境界面の明瞭さに満足のいく品質が得られず、また、固形分6%より多い比較品6は、化粧料の取れ量、化粧持ちに満足のいく品質が得られなかった。粉体量が油剤量に対し、少ない比較品7においては、耐衝撃性と化粧持ちに満足のいくものが得られなかった。一方、粉体量が油剤量に対し、多い比較品8においても、耐衝撃性と化粧持ちに満足のいくものが得られなかった。さらに、揮発性油剤を含有しない比較品9は、易崩壊性造粒組成物と化粧料基剤とを混合した時に、均一に分散し難く、境界面の明瞭さ、化粧持ち、耐衝撃性に満足のいくものが得られなかった。
実施例2 アイブロウ(固形)
(成分) (%)
1.易崩壊性造粒組成物G 2
2.易崩壊性造粒組成物K 1
3.二酸化チタン※6 5
4.黄色酸化鉄 3
5.黒色酸化鉄 1.5
6.ベンガラ 2
7.2%セラミド処理タルク(板状、平均粒子径13μm) 5
8.扁平セルロース末 1
9.煙霧状無水ケイ酸 0.5
10.酸化チタン被覆合成金雲母(偏光色:赤色) 5
11.黒色酸化鉄被覆マイカ 5
12.オキシ塩化ビスマス 0.1
13.ラウロイルリシン 1
14.球状ナイロン(平均粒子径10μm) 3
15.球状ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径7μm) 2
16.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー 2
17.窒化ホウ素 2
18.ベントナイト 0.01
19.マイカ 残量
20.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
21.ジメチルポリシロキサン(1.5CS:25℃動粘度) 5
22.軽質流動イソパラフィン 10
23.架橋型メチルポリシロキサン重合物 8
24.イソステアリン酸デキストリン 1
25.ステアリン酸イヌリン 0.5
26.ポリエチレン 1
27.ポリプロピレン 1
28.リンゴ酸ジイソステアリル 1
29.流動パラフィン 2
30.トリメチルシロキシケイ酸 5
31.エチルヘキサン酸セチル 3
32.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル
/セチル/ステアリル/ベヘニル) 2
33.シア脂 0.1
34.ミツロウ 0.1
35.ワセリン 0.2
36.PCAジメチコン 0.1
37.1,2-ペンタンジオール 0.1
38.香料 0.05
39.マツリカ花エキス 0.01
40.加水分解ダイズエキス 0.01
41.アスタキサンチン液 0.001
42.アスコルビン酸 0.001
43.ラベンダーエキス 0.001
44.ヒアルロン酸Na 0.001
45.コンブエキス 0.001
※6:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート1%処理、平均粒子径0.25μm
(製造方法)
A.成分(3)~(19)を均一に混合する。
B.成分(23)~(35)を90℃に加熱し溶解混合する。
C.AにB及び成分(20)~(22)を添加し、室温で混合する。
D.Cに成分(36)~(45)を添加し、容器に充填してアイブロウ(固形)を得た。
以上のようにして得たアイブロウ(固形)は、取れ量、化粧持ち、境界面が明瞭さ、耐衝撃性の全ての点で満足のいくものであった。
実施例3 リップグロス
(成分) (%)
1.易崩壊性造粒組成物G 2
2.易崩壊性造粒組成物L 1.5
3.ベンガラ被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(赤色) 3
4.ベンガラ被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(黄色) 3
5.(PET/ポリオレフィン)ラミネート 20
6.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(干渉色:青色) 5
7.酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)(干渉色:緑色) 5
8.酸化チタン被覆合成金雲母(干渉色:青色) 0.5
9.ジメチルシリル化シリカ 3
10.パルミチン酸デキストリン 12
11.(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 3
12.トリメリト酸トリトリデシル 10
13.ポリブテン 10
14.水添ポリイソブテン 15
15.ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル 3
16.リンゴ酸ジイソステアリル 3
17.流動パラフィン 残量
18.ペンチレングリコール 0.2
19.カンフル 0.001
20.チンピエキス 0.001
21.l-メントール 0.001
22.ラベンダー油 0.001
(製造方法)
A.成分(10)~(22)を90℃に加熱し溶解混合する。
B.Aに成分(1)~(9)を添加し、室温で均一に混合する。
C.Bを80℃に加熱溶解し、皿状容器に充填後に冷却固化してリップグロスを得た。
以上のようにして得たリップグロスは、取れ量、化粧持ち、境界面が明瞭さ、耐衝撃性の全ての点で満足のいくものであった。

実施例4 アイライナー
(成分) (%)
1.易崩壊性造粒組成物M 2
2.カーボンブラック 4
3.タルク 25
4.マイカ 残量
5.球状メタクリル酸メチルクロスポリマー(平均粒子径7μm)10
6.球状ポリメチルシルセスキオキサン(平均粒子径6μm) 3
7.球状ナイロン-12 3
8.酸化亜鉛(六角板状、平均粒子径100nm) 2
9.シリカ(平均粒子径5μm) 2
10.ジメチコン(25℃動粘度:2CS) 12
11.イソステアリン酸デキストリン 0.1
12.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 0.6
13.ブチルポリジメチルシロキシエトキシプロピルリン酸 3
14.ポリメチルシルセスキオキサン※7 5
15.ジメチコン(25℃動粘度:1000CS) 9
16.(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー 1
17.モモ核油 0.02
18.アーモンド油 0.01
19.アボカド油 0.02
20.オリーブ油 0.05
21.ツバキ種子油 0.02
22.トウモロコシ胚芽油 0.01
23.ブドウ種子油 0.01
24.マカデミアナッツ油 0.01
25.レシチン 0.01
26.グリシン 0.01
27.軽質イソパラフィン 10
※7:SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製)
(製造方法)
A.成分(10)~(27)を80℃に加温し溶解混合する。
B.成分(2)~(9)を均一混合した後、Aを添加し、室温で均一に混合する。
C.Bに成分(1)を添加し、均一に混合する。
D.Cをジャー容器に充填してアイライナーを得た。
以上のようにして得たアイライナーは、取れ量、化粧持ち、境界面が明瞭かつ耐衝撃性の全ての点で満足のいくものであった。
実施例5 アイグロス
(成分) (%)
1.易崩壊性造粒組成物G 2
2.易崩壊性造粒組成物K 2
3.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
4.トリメリト酸トリイソデシル 12
5.ミネラルオイル 8
6.リンゴ酸ジイソステアリル 5
7.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
8.デシルテトラデカノール 2
9.ジブチルラウロイルグルタミド 2
10.水添ポリイソブテン 2
11.エチルセルロース 1
12.トコフェロール 0.01
13.BHT 0.02
14.DPG 0.5
15.煙霧状シリカ 0.02
16.ジメチルシリル化シリカ 0.01
17.スイゼンジノリ多糖体 0.001
18.オウゴンエキス 0.01
19.スイカズラ花エキス 0.01
20.スクワラン 0.02
21.ショウガ根エキス 0.01
22.ニンジンエキス 0.01
23.加水分解ヒアルロン酸 0.001
24.ポリメタクロイルオキシエチルホスホリルコリン液 0.001
25.香料 0.01
26.ラウイロイルリジン 8
27.窒化ホウ素 9
28.球状シリカ(平均粒子径8μm) 10
29.2%レシチン処理扁平セルロース 4
30.2%ジメチコン処理セリサイト 5.6
31.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー(平均粒子径30μm) 3.4
(製造方法)
A.成分(3)~(16)を130℃に加熱し溶解混合する。
B.成分(26)~(31)を均一に混合する。
C.Aに成分(1)~(2)、(17)~(25)及びBを添加し、室温で均一に混合する。
D.Bを110℃に加熱溶解し、皿状容器に充填後に冷却固化してアイグロスを得た。
以上のようにして得たアイグロスは、取れ量、化粧持ち、境界面が明瞭かつ耐衝撃性の全ての点で満足のいくものであった。
実施例6 アイシャドウ(固形)
(成分) (%)
1.易崩壊性造粒組成物G 20
2.易崩壊性造粒組成物K 20
3.易崩壊性造粒組成物L 20
4.易崩壊性造粒組成物M 10
5.2%表面処理処理タルク(板状、平均粒子径13μm)※8 残量
6.球状ナイロン(平均粒子径10μm) 2
7.球状ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径7μm) 2
8.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー 1
9.球状ポリウレタン(平均粒子径10μm) 0.5
10.リンゴ酸ジイソステアリル 8
11.軽質イソパラフィン 2
12.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1) 1
13.ミツロウ 0.3
14.オクチルドデカノール 2
15.ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル 3
※8:ジメチコノールとアミノプロピルトリエトキシシランの被覆処理
(製造方法)
A.成分(5)~(9)を均一に混合する。
B.成分(10)~(15)を80℃に加熱し均一に混合する。
C.Aに成分(1)~(4)及びBを添加し、軽く混合する。
D.Cを容器に充填してアイシャドウ(固形)を得た。
以上のようにして得たアイシャドウ(固形)は、取れ量、化粧持ち、境界面の明瞭さ、耐衝撃性の全ての点で満足のいくものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)~(B);
    (A)次の成分(A1)~(A3)を含有する易崩壊性造粒組成物と
    (A1)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体エマルション易崩壊性造粒組成物中に固形分換算で2~6質量%
    (A2)光輝性粉体
    (A3)25℃で液状の不揮発性油剤
    (B)次の成分(B1)及び(B2)を含有する化粧料基剤と
    (B1)(A2)以外の粉体
    (B2)揮発性油剤
    を含有し、成分(B)中の、前記(B1)を少なくとも含む粉体及び前記(B2)を少なくとも含む油剤の含有質量比が40:60~60:40である固形化粧料。
  2. 前記成分(B)中、揮発性油剤と化粧料基剤中の油剤との含有質量割合、揮発性油剤/化粧料基剤中の油剤が、0.4~0.7である請求項1に記載の固形化粧料。
  3. 前記成分(B2)中、揮発性炭化水素油と揮発性油剤との含有質量割合、揮発性炭化水素油/揮発性油剤が、0.3~0.8である請求項1又は2に記載の固形化粧料。
  4. 前記成分(A3)がグリセリンと脂肪酸のエステルである請求項1~3のいずれか1項に記載の固形化粧料。
  5. 前記(A3)がテトライソステアリン酸ジグリセリルである請求項1~4のいずれか1項に記載の固形化粧料。
  6. 前記成分(A)易崩壊性造粒組成物の含有量が固形化粧料全量中に1~8質量%である請求項1~5のいずれか1項に記載の固形化粧料。
  7. 針入荷重値が400~1000gfである請求項1~6のいずれか1項に記載の固形化粧料。
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