以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
また、以下の説明で用いられる用語として、例えば、水平方向は、厳密に水平でなくても実質的に水平方向であればよい。鉛直下方向、垂直、平行、法線等についても、同様である。
[1.着想の経緯]
まず、本願の発明の着想の経緯を説明する。
幼児、園児等の子どもをはじめとして、人が車両内に取り残されてしまうことがある。また、高齢化が進む社会の中では、デイケアサービスや、リハビリテーション施設への搬送にお年寄りを送迎する機会も増えているが、身体に不自由のあるお年寄りにおいても、同様の事態の発生が懸念される。また、バスや電車等の車両内に荷物を置き忘れてしまって、それを取り戻すのに手間を要することもある。そこで、人や物が意図せず車両内に取り残されてしまう事態の発生を抑えるシステムの構築が望まれている。
これに関連して、マイクロバス等の車両において、運転手が、乗員が車両内に残っていることに気づかずに降車し、ドアをロックし、車両から離れてしまうことがある。例えば、車両が幼稚園や保育園の送迎バスであって、乗員が幼児である場合には、車両内に残された幼児が車両内から自らドアロックを解除して車外に出ることが難しいことがある。このような車両内への置き去りによって車両内の高温、低温等の悪環境に閉じ込められる乗員は、身体的な危険にさらされることがある。
このような車両内への置き去りを防止するための置き去り監視システムとして、エンジンを切ったら車両内で警報を開始して、車両内の最後尾に取り付けた確認ボタンを押すまで警報を継続する警報システムが提案されている。この警報システムによれば、車両内への置き去りがないことを確認すべき者(典型的には、運転手、同乗している保育士等、以下「確認者」という。)は、エンジンが切られた後に警報を止めるために、車両内の最後尾まで移動しなければならず、その際に車両内に残っている乗員(園児)がいないかを確認できる。なお、確認ボタンは、車両内の最後尾において、園児が容易に押せない位置に設置されている。
また、車両内への置き去りを防止するための置き去り監視システムとして、置き去りにされた乗員(園児)が車両内において警報ボタンを押すことで、車両外に警報(ホーン、ランプ点灯)を発出するシステムも知られている。
以下の説明では、本発明の置き去り監視システムが幼稚園(以下、単に「園」ということもある。)で園児を送迎するためのバスに応用される例を説明する。以下の説明において、「車両内」を「車内」と呼ぶことがあるが、いずれも人が存在することがある車両の室内(つまり車室内)の意味で用いている。
以下の説明において、車両が、エンジンを駆動源として有する内燃機関車両である場合を説明するが、これに限られず、エンジンと走行モータとを駆動源として有するハイブリット車両、走行モータを駆動源として有する電気自動車等であってもよい。また、車両は、マイクロバスのような小型のバスとして説明するが、これに限られず、大型のバスであってもよい。
[2.置き去り監視システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態の置き去り監視システムの構成を示すブロック図である。車両への置き去りを監視する置き去り監視システム100は、車両内の人を監視するシステムであって、人を監視して、監視した結果に応じた情報を出力する機能を有する。置き去り監視システム100は、メインユニット11と、複数のセンサ12a~12dと、ブザー13と、降車確認スイッチ14と、緊急通報スイッチ15と、アンサバックユニット16と、第1ドライブレコーダ17と、第2ドライブレコーダ18と、パーソナルコンピュータ19と、送受信機20と、監視端末21と、パーソナルコンピュータ22とを備えている。複数のセンサ12a~12bと、ブザー13と、降車確認スイッチ14と、緊急通報スイッチ15と、アンサバックユニット16と、第1ドライブレコーダ17と、第2ドライブレコーダ18とは、メインユニット11に接続されて、車載システムを構成している。また、メインユニット11は、必要に応じてパーソナルコンピュータ19を接続することができるように構成されている。パーソナルコンピュータ19に代えて、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯端末、その他の端末装置が用いられてもよい。少なくとも、メインユニット11と、複数のセンサ12a~12dと、ブザー13と、降車確認スイッチ14と、緊急通報スイッチ15と、アンサバックユニット16と、第1ドライブレコーダ17と、第2ドライブレコーダ18とは、車両側に搭載されている。
さらに、メインユニット11には、車両のACC(アクセサリ電源)入力及びホーン出力に接続されている。ACC入力は、ACCからの電力が入力される電源線である。ACCは車両側の電源の一例である。ホーン出力は、ホーンに音を出させるための指示が出力される信号線である。ホーンは、警報を発する警報部の一例である。また、メインユニット11には、エンジンが切られ、あるいはACCが切られた後も、メインユニット11に電力を供給するための電源として、常時電源(+B)が接続されている。また、メインユニット11は接地電位を供給する電源線(GND)とも接続されている。なお、置き去り監視システム100が、例えば内蔵のバッテリを有し、又は外付けのバッテリと接続され、バッテリからの電力の供給を受けることで、ACCのオフ時にも置き去り監視システム100が動作できるようにしてもよい。
メインユニット11は、さらに、車両VのOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタを接続するための端子を有するとよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。この端子が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、メインユニット11は、置き去り監視システムの動作用の電力の供給を受けるとともに、車両情報を取得することができる。
車両情報は、車両の状態に関する情報である。車両情報としては、例えば、車両の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等がある。
メインユニット11は、置き去り監視システム100のうちの車両側に搭載されたシステム全体を制御する。メインユニット11は、置き去り監視システム100の車両側に搭載された各部を制御する制御部の一例である。メインユニット11は、例えば、プロセッサ、及びメモリを含むコンピュータである。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等を有する。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置を有するとよい。プロセッサは、メモリのROMから読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。メモリのRAMは、プロセッサに作業領域を提供する。プロセッサは、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。メモリは、さらに、データを永続的に記憶するためのハードウェアディスク、SSDその他の補助記憶装置を有するとよい。これ以外にも、メインユニット11は、時刻を計る計時部(例えばリアルタイムクロック)や、その他後述する各機能を実現するために必要な要素を有するとよい。
センサ12a~12dは、ドップラセンサ(マイクロ波センサといってもよい。)とIR(赤外線といってもよい。)センサとが組み合わさって構成されている。本実施形態では、車両に4つ取り付けられたセンサ(センサ12a~12d)が取り付けることで、車両内の全体又は置き去り監視システム100の機能を発揮する上で適切な空間領域を、センサによる検知の対象としている。ただし、このセンサが、3つ以下又は5つ以上、車両に取り付けられるようにしてもよい。センサ12a~12dは、車両内の状況を検知するセンサの一例である。
ブザー13は、メインユニット11からの指示に応じてブザー音を出力する。降車確認スイッチ14は、押下操作を検知する押ボタンスイッチである。降車確認スイッチ14は、ACCオフ後に車両内の乗員降車確認後に操作する降車確認用のスイッチである。そのため、降車確認スイッチ14は、降車確認を確認した場合に必ず通る場所を考慮して設置されるとよく、例えば、確認者がドライバーであることを想定して、車両の運転席から見て、座席が配置された空間領域(乗車領域)よりも奥側である、車両内の後部側に設置されるとよい。このような「降車確認スイッチ」は、以下において、「後部スイッチ」と称されることがある。降車確認スイッチ14を操作することで、その操作をした旨を示す操作信号が、メインユニット11に供給される。さらに、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20にその操作された旨を通知される。降車確認スイッチ14は、ここでは物理スイッチを備えるが、タッチパネルを用いた接触操作、あるいは近接センサを用いた非接触の操作を検知する操作部(第1の操作部)により実現されてもよい。
送受信機20は、液晶パネル等で構成される表示部を備えたコンピュータ装置である。送受信機20は、車両のドライバーにより使用されるリモコンとしてもよいが、園内にいる保育園や幼稚園の職員といったドライバー以外の人により使用される機器とすると、ドライバー以外の第三者による降車のチェック機能が働くのでよい。以下では、特に断りの無い限り、送受信機20は、車両を運用、管理する幼稚園の園内(幼稚園施設内)に配置される卓上送受信機であるものとする。
また、ACCオフ後一定時間内に降車確認スイッチに対する操作がない場合には、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20にその旨を通報するとともに、車両のホーンを鳴動させる。送受信機20は、車両側からの通知あるいは通報を受信して、その通知あるいは通報に基づく情報を報知する。
緊急通報スイッチ15は、置き去り監視システム100が監視モードにあるときに押下操作を検知する押ボタンスイッチである。緊急通報スイッチ15は、乗員が取り残されたときに、当該乗員によって操作される緊急通報用のスイッチである。緊急通報スイッチ15を操作することで、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20に緊急事態を通報するとともに、車両のホーンを鳴動させる。緊急通報スイッチ15は、ここでは物理スイッチを備えるが、タッチパネルを用いた接触操作、あるいは近接センサを用いた非接触の操作を検知する操作部(第2の操作部)により実現されてもよい。
このようにすると、車両に取り付けられたボタンを押すと、サイレンが作動するので、セキュリティ製品のようなスピーカから大音量の音が流れることで、車内に人が置き去られていることを外部に知らせることができる。緊急通報スイッチ15は、幼児等の子供でも押せる程度に反力の設計がされているとよい。また、車両の走行中の子供のイタズラ防止のため、緊急通報スイッチ15の動作がACC入力と連動しているとよく、例えば、アクセサリ電源オフのときだけ緊急通報スイッチ15が動作する仕組みとしてもよい。例えば、メインユニット11は、アクセサリ電源オフのときには緊急通報スイッチ15の操作に応じてサイレンを作動させるが、アクセサリ電源オンのときには緊急通報スイッチ15の操作に応じてサイレンを作動させないようにするとよい。このような緊急通報スイッチ15は、置き去り防止ボタン等と称されてもよい。
監視モードとしては、車両内を監視する所定の動作モードである。メインユニット11は、例えばACC電源が切られてからあるいは車両のエンジンが切られたことに応じて、監視モードを開始する。メインユニット11は、例えばACC電源が入れられ、又は車両のエンジンが動作開始したことに応じて、監視モードを終了させる。これに限られず、メインユニット11は、車両内に人が存在しないと判定されたことに応じて、監視モードを終了してもよい。アンサバックユニット16は、アンサバック機能を有する装置である。アンサバックユニットは、車両の盗難あるいは車両へのいたずらを防止するためのセキュリティシステム(カーセキュリティシステム)にも適用可能なハードウェア要素である。このようにカーセキュリティシステムを、置き去り監視システムという他用途に転用すると、製造工程の簡素化・製造コストを低下できるほか、部品装置の転用による新たな部品装置の製造を減らし、環境に配慮した技術の提供にもつながり、SDGsにも貢献することができるものである。
アンサバックユニット16は、例えば429MHz帯無線を用いて、送受信機20と無線通信を行う。429MHz帯無線は、例えば特小無線である。特小無線は、カーセキュリティシステムにおいても用いられることがある無線通信である。メインユニット11が送受信機20と行う無線通信は、アンサバックユニット16を介して行う方法に限られるものではなく、その他の無線通信部(例えば、通信回線及びアンテナを有する無線通信モジュール)を用いて行ってもよい。また、通信方式についても、特小無線に限られず、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の他の通信方式の通信を利用してもよい。例えば、車両側に搭載されたシステムと送受信機20との使用場所や、距離、それらの環境を踏まえて、アンサバックユニット16と送受信機20とが通信可能となるような通信環境が整備されているとよい。
第1ドライブレコーダ17は、メインユニット11の制御に従って車両内を撮影して映像を記録する。第1ドライブレコーダ17は、車両に搭載されて映像を撮影する、第1の撮影装置の一例である。第1ドライブレコーダ17は、監視端末21と、例えば、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)を用いて無線通信を行う機能を有している。第2ドライブレコーダ18は、センサ12a~12dからの入力に従って車両内を撮影して映像を記録する。第2ドライブレコーダ18は、車両に搭載されて映像を撮影する、第2の撮影装置の一例である。すなわち第2ドライブレコーダ18は、センサ12a~12dが乗員を検出したというイベントの発生をトリガとして録画動作を開始する。この録画動作は、いわゆるイベント録画として把握される録画動作としてもよい。第2ドライブレコーダ18は、さらに録画した映像を、無線通信を利用して監視端末21に送信する。第2ドライブレコーダ18は、録画動作と並行して録画した映像を送信するとよく、リアルタイムの映像を外部装置で確認できるように録画した映像を送信すると特に良い。なお、第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18が映像を送信する場合、メインユニット11を介さずに送信してもよいが、メインユニット11が第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18から映像を受け取って、メインユニット11がその映像を送信してもよい。なお、本実施形態では、第1ドライブレコーダ17及び第2ドライブレコーダ18としているが、撮影し、撮影した映像を出力する機能を有するのであれば、ドライブレコーダとは把握されない撮影装置(第1の撮影装置、第2の撮影装置)が用いられてもよい。撮影装置は、例えば撮像素子としてCCD又はCMOSを備えるとよい。また、撮影装置は、撮影した映像を有線又は無線通信によりメインユニット11に出力するとよい。
パーソナルコンピュータ19は、メインユニット11に接続して、各種の設定を行い、また、履歴情報(例えば、20件程度)をメインユニット11から取得するコンピュータ装置である。
監視端末21は、車両から離れた位置から車両の様子を監視するためのコンピュータ装置である。監視端末21は、車両のドライバー以外の人により使用される機器とすると、ドライバー以外の第三者による監視機能が働くのでよい。監視端末21としては、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯端末装置とすると便利であるが、据え置き型の端末装置、その他の情報処理装置が用いられてもよい。監視端末21は、送受信機20と同様、車両を運用、管理する幼稚園の園内(例えば、幼稚園施設内)で使用される。パーソナルコンピュータ22は、警報時メールを送信したり、帳票を管理するために、必要に応じて送受信機20に接続されるコンピュータ装置である。
なお、図示は省略するが、パーソナルコンピュータ19、送受信機20、監視端末21、パーソナルコンピュータ22等の各コンピュータ装置は、プロセッサ(例えばCPU)及びメモリ(例えばRAM)を有し、メモリにプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。また、パーソナルコンピュータ19、送受信機20、監視端末21、パーソナルコンピュータ22等の各装置は、操作部、表示部、通信部等、後述する各機能を実現するための必要な部品装置を有するとよい。
[3.車両の構成例]
図2Aは、本発明の実施の形態の車両の側面図であり、図2Bは、本発明の実施の形態の車両内の平面図である。図2A及び図2Bの例では、車両50は、乗員が10名から数10名程度のマイクロバスと呼ばれる小型のバスである。車両50の前方には運転席51が設けられ、運転席51と反対側の側方の中央やや先頭寄りには乗降車口52が設けられ、中央の通路53の両側に乗員用の複数の座席54が設けられる。
図2A及び図2Bに示すように、車両50の前方にメインユニット11及びアンサバックユニット16が設けられ、乗降車口52に緊急通報スイッチ15が設けられ、車両50の後方に降車確認スイッチ14が設けられる。また、車両50の天井には複数の座席54にいる乗員を検知できるように間隔をあけて4つのセンサ12a~12dが設置される。なお、センサ12a~12dは、車両の大きさ(座席数の多さ)に応じて4つより多くても少なくてもよい。
[4.置き去り監視システム100の動作例]
置き去り監視システム100は以下のように動作する。まず、監視開始から監視終了まで(言い換えると、監視モードにあるとき)の動作は以下のとおりである。ACCがオフにされると、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して、その旨を送受信機20に通知する。このとき、メインユニット11はブザー13も鳴動させてもよいが、まだ乗員が乗車中である可能性が高いので、鳴動をしないようにするほうが乗員によって望ましい。そして、ACCがオフになった後、規定された時間内に降車確認スイッチ14が押されないと、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して、その旨を送受信機20に通知するとともに、ブザー13を鳴動させ、かつ、ホーンを鳴動させる。なお、この時の規定時間は、設定によって変更することが可能に構成されているとよい。ブザー13を鳴動させること、及び、ホーンを鳴動させることは、報知するあるいは警報することの一例である。
また、メインユニット11は、規定時間内に降車確認スイッチ14が操作された場合にも送受信機20にその旨を通知して、ブザー13を鳴動させる。降車確認スイッチ14は、ACCがオフにされた後、直ちには操作を受け付けない(受け付けた操作を無効とする)ディレイ時間を確保するように設定されている。すなわち、降車確認スイッチ14は、ACCオフ後の第1の規定時間経過後から第2の規定時間経過前に操作する必要がある。このようにすると、幼児等の乗員によって降車確認スイッチ14が押されたり、運転手が車内を十分に確認せず降車確認スイッチ14が押されたりした場合にも、この操作を有効にするのではなく、確認者(例えばドライバー)が車両内を移動して車内を確認してから降車確認スイッチ14を押されたことを有効な操作として扱いやすくなるので望ましい。なお、この第1及び第2の規定時間も設定により変更可能に構成されているとよい。例えば、第1及び第2の規定時間は、望ましい時間が車両に乗る人数、あるいは座席数によって異なると考えられるからである。
第1の規定時間経過後から第2の規定時間経過前の期間において、降車確認スイッチ14の操作を待っている間は、メインユニット11は、ブザー13を鳴動させて、降車確認スイッチ14を操作すべきことを確認者に知らせる。なお、送受信機20もACCがオフになった旨の通知を受けてから規定時間をカウントして、降車確認スイッチ14が操作された旨の通知を受信しない場合に、送受信機20にて警報(ブザーの鳴動、表示等)するフェイルセーフ機能を有していてもよい。
メインユニット11は、ACCがオフにされた後に、降車確認スイッチ14への操作に関係なく、規定時間経過後からセンサ12a~12dを起動させて監視を開始する。監視開始までの規定時間、及び監視終了までの規定時間は設定により変更可能に構成されるとよい。メインユニット11は、次に、ACCがオンにされると監視を解除し、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介してその旨を送受信機20に通知し、ブザー13を鳴動させる。
警報ないし警告を行う動作は以下のとおりである。センサ12a~12dのいずれかが乗員を検知すると、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20に警報を通知し、ブザー13を鳴動させ、かつ、ホーンを鳴動させる。メインユニット11は、この場合には、規定の操作あるまでブザー13とホーンの鳴動を継続させる。規定の操作としては、車両50の車内を確認してから行う所定の操作とすると特によく、例えば降車確認スイッチ14を押す操作とするとよい。また、緊急通報スイッチ15が操作されると、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20に警報を通知し、ブザー13を鳴動させ、かつホーンを鳴動させる。
送受信機20は、警報停止のためのボタン操作がされると、このボタン操作があった旨をメインユニット11に通知する。メインユニット11は、アンサバックユニット16を介してこのボタン操作の通知を受けて、ブザー13の鳴動を一時的に停止する。メインユニット11は、規定時間(例えば、5分)以内に、送受信機20による警報解除をしない場合には、再びブザー13を鳴動させる。
車両50のホーンが鳴動している場合には、車両50のACCをオンにし、又は降車確認スイッチ14を操作することで、ホーンの鳴動を停止させることができる。ホーンの鳴動を停止させたときは、メインユニット11は、アンサバックユニット16を介して送受信機20にその旨を通知する。
以上のように、送受信機20は、ACCのオン及びオフの通知を受信して表示する機能、降車確認スイッチ14の操作の通知を受信して表示し、かつ、降車確認スイッチ14が既定の期間内に操作されない場合の警報を表示する機能、センサ12a~12dが検出したことに基づく警報ないし警告を表示する機能、緊急通報スイッチ15の操作の通知を受信して表示する機能、ボタン操作により履歴(例えば、20件)を確認する機能、及び各種の設定をする機能(例えば、暗証番号を入力することにより設定変更が可能)を有している。
また、送受信機20にパーソナルコンピュータ22が接続される。パーソナルコンピュータ22は帳票を管理、記録する機能を実現する。帳票には、ACCをオンにした日時、ACCをオフにした日時、降車確認スイッチ14を操作した日時、センサ12a~12dが乗員を検知して警報ないし警告がされた日時、緊急通報スイッチ15が操作された日時等が記録されている。また、送受信機20にパーソナルコンピュータ22が接続されることで、パーソナルコンピュータ22が警報時に登録されたメールアドレスに例えばテキストデータを送信する機能が実現される。
上記のように、本実施の形態の置き去り監視システム100では、車両内に緊急通報スイッチ15を設けて、監視中に緊急通報スイッチ15が操作された場合には、メインユニット11は、ホーンを鳴らして外部に報知する。このとき、さらに、メインユニット11は、ハザードランプを点灯させたり、ヘッドライトを点灯させてもよい。さらに、メインユニット11は、緊急時には第1ドライブレコーダ17、第2ドライブレコーダ18で録画した映像を外部に伝送(送信)したり、緊急事態である(置き去りが発生している)ことを外部の送受信機20及び監視端末21に無線で通知する。この場合に、送受信機20や監視端末21において、第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18で撮影した映像を表示してもよい。
[5.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その1]
以下、置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例を説明する。以下の構成例又は動作例は、適宜2つ以上を組み合わせることが可能である。また、本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
センサ12a~12dは、園児が外せないようにするブラケットを用いて車両50の天井に取り付けられるとよい。園児の手が車両50の天井に届かない前提のもとでは、センサ12a~12dは何らかの方法で天井に取り付けられていればよい。センサ12a~12dは、園児の手の届かない位置であって天井とは異なる位置に取り付けられてもよい。
降車確認スイッチ14は、確認者によって置き去りがないことを確認したときに操作されるスイッチであり、園児が操作すべきスイッチではないため、園児が押しても無効になるようにバレースイッチとしてもよい。この場合のバレースイッチは、2つのボタンを使って2桁数字を入力して操作する(ブザー13の鳴動を停止させる)ものであってよい。例えば、バレースイッチは、左2回、右3回等、確認者がストレスを感じない程度の操作が要求されるものであってよい。バレースイッチは、カーセキュリティシステムにおいて、車両の正規のユーザであることを確認するための認証のために用いられることがある操作部である。この認証に成功すると、セキュリティ監視の状態が解除されるような仕組みである。バレースイッチは、車両の正規のユーザから分かりにくい場所に配置されているとよく、例えば、車外から視認できない又は視認しにくい位置に配置されているとよい。そのため、バレースイッチである降車確認スイッチ14は、最後部の下等の車外から視認できない又は視認しにくい位置に配置されているとよい。
ところで、エンジンオフ後、10秒以内に大音量の音を鳴らすとした場合、エンジンオフ後、10秒間に園児が全員降車すると考えにくく、園児が車内にいる間に85dB以上の音が鳴り始め、確認者としてのドライバーは急いで降車確認スイッチ14に向かうことになる。この場合、大音量の音が園児の精神状態に悪く、また、園児は降車口に向かい、ドライバーは逆方向に向かうことになり、ドライバーと車内で衝突する危険もある。慌てないでやる方法はエンジンを掛けたまま、園児を降車させる方法であるが、これも望ましくない場合がある。そこで、メインユニット11は、車両のエンジンオフ後、直ちにやわらかい音か、メロディーか、音声(以下「やわらかい音等」と総称することがある。)を流すことにより、ドライバーに降車確認スイッチ14(例えば後部バレースイッチ)を押すのを忘れないように促すようにしてもよい。この場合、音が鳴るまでの時間制限は設けないようにするとよい。やわらかい音等が、ドライバーや園児にとって聞くのが苦痛でない音で、例えば心地よいからである。園児が全員降車したとドライバーが思ったら、ゆっくりと降車確認スイッチ14を操作しに行けばよい。車内見回りが目的であるからである。また、メインユニット11は、降車確認スイッチ14の操作を待っている間は監視モードにはしない。ドライバーが降車確認スイッチ14を押すと、メインユニット11は、やわらかい音等を止める。ドライバーは、車内を見回して降車し、ドアを閉める。メインユニット11は、ドア閉を検知して初めて監視モードにしてもよい。もし、降車確認スイッチ14を操作しないで、ドア閉検知した場合は、メインユニット11は、サイレン(例えば、ブザー13やホーンとするとよい。)を一発鳴らすようにしてもよい。ドア閉検知は、後述するドア閉を検知するためのセンサが用いられるとよい。
あるいは、上記の実施の形態では、メインユニット11は、ACCがオフにされるよってブザー13を鳴動させたが、これに代えてエンジンがオフにされることでブザー13を鳴動させて、確認者に置き去りの確認、及び降車確認スイッチ14の操作を促してもよい。この場合には、降車確認スイッチ14を操作するまでの時間制限を設けなくてよい。この仕様によれば、確認者は、十分な時間をかけてすべての園児が降車したことを確認できる。また、メインユニット11は、降車確認スイッチ14の操作を待っている間は監視モードにはしない。すなわち、メインユニット11は、緊急通報スイッチ15の操作を無効にする。これにより、降車時に園児が緊急通報スイッチ15を操作してもそれによって警報ないし警告を行わないようにできる。
乗降車口52にドア閉を検知するためのセンサを設けてもよい。この場合には、確認者は、車両内に置き去りがないことを確認して降車確認スイッチ14を操作することで、メインユニット11は、ブザー13の鳴動を停止させて、ドアを閉めると、このドア閉めを検知して監視モードを開始してもよい。メインユニット11は、仮に降車確認スイッチ14を操作しないでドア閉を検知した場合には、単発の警告サイレンを鳴動させてよい。
また、メインユニット11は、エンジンのオフ、降車確認スイッチ14の操作、ドア閉の検知などの車内のイベントを随時、送受信機20に通知して、履歴を残し、あるいは履歴を帳票化するようにしてもよい。
このように、園児も確認者も降車してドアを閉めることで監視モードを起動してよいが、この場合に、例えば、その後に車内への忘れ物に気が付いて再度ドアを開けることが考えられる。この場合にもセンサがドア開を検知することになる。その後、センサ12a~12dが乗員を検知しても、ドア開になっているので警報ないし警告がされることはない。そこで、メインユニット11は、センサ12a~12dが乗員を検知したら直ちに警報ないし警告をするのではなく、エンジンがオフになっていること及びドアが閉じていることを確認した上で(例えば1秒程度のディレイを設けて)警報ないし警告をするようにしてもよい。
また、車両50が出発地から出発する際には、エンジンがオフになっておりかつドアが閉じた状態で園児が車両内にいるということも考えられる。すなわち、園児をすべて乗車させてドアを閉めてからエンジンを起動する場合である。例えば、車両50が今から出発するというときである。この状態で、発報しないようにしなければならない。そこで、この場合には、ドアを開けた時点で監視モードが解除され、その後、ドライバーが乗車してドアを閉めると、この時には、未だエンジンはオフなので、エンジンオフとドア閉の条件を満たしているが、運転席51のリセットボタンの操作、降車確認スイッチ14の操作、ドア閉の順番ではないので、メインユニット11は、監視モードを解除しない。すなわち、エンジンオフかつドア閉の条件に、さらに、降車確認スイッチ14の操作の順番を追加して、監視モードに入るようにする。このようにすることで、上記のような状況において監視モードが起動しないようにしてもよい。
園児全員が降車する間に、園児が降車確認スイッチ14を操作してしまうことが考えられる。これを防止するために、運転席51にリセットボタンを設置して、確認者である運転手は、運転席51において、園児全員が降車したことを確認したら、このリセットボタンを操作してから、降車確認スイッチ14を操作しに車両50内を移動するようにしてもよい。メインユニット11としては、リセットボタンが押下された場合には、仮に降車確認スイッチ14が操作されていても、その降車確認スイッチ14の操作を無効にするとよい。このようにすると、園児による降車確認スイッチ14の操作を原因とした不都合の発生を抑えられる。
また、確認者に後部座席の目視確認を促すためのブザー13の音量は設定により変更可能であってよい。メインユニット11は、その設定に応じた音量でブザー13により音を発するようにするとよい。
あるいは、メインユニット11は、エンジンOFF後に、後部座席に目視確認を促すための音量については、音量可変にできるスピーカー仕様とするようにするとよい。仮に規格として所定の音量以上になった場合には、その所定の音量以上の音を発生させる音源、例えばサイレンを使用して、音を発するようにするとよい。所定の音量としては、例えば85dBであるが、これに限られない。
[6.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その2]
以下の構成例又は動作例は本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
車両への置き去り防止するための置き去り監視システムでは、園児がバスに置き去りにされたことを検知できることが最も重要なである。しかしながら、実際には、駐車場から空の状態で出発し、送迎地点を通り、保育園や幼稚園に園児や先生を送り、車両50を駐車場まで戻す。送迎中にエンジンを停止させることも想定され、先生やドライバーがバスに園児を残して、バスから降りることも想定される。また、園児を送った後は駐車場に戻したり、ディーラーに車検に出したり、バスで遠足に行ったり、後部ボタンを園児が触ったり、色々な状況が考えられる。その時々でどのような操作、動作をさせるべきなのかが問題となる。
図3A及び図3Bは、種々のシチュエーションにおける動作の例を示す表である。図3Aは、行き、即ち園児を園に送る場合の動作を示しており、図3Bは、帰り、即ち園児を園から送迎場所に送る場合の動作を示している。
図3Aにおいて、S11~S18は以下のとおりである。
S11:先生、園児、親を園で降車させてからバスを移動させ、駐車場に駐車する場合/送迎ステーションで、先生が降車し、園児を乗車させる場合
S12:園で園児を降車させる際に、先に先生が降車した場合/送迎ステーションでエンジンをオフにし、先生が園児を呼びに行った場合(エンジン音が近所迷惑になる場合があり、エンジンを止める場合がある)
S13:園に到着し、先に園児が降車した場合
S14:園に到着し、まだ先生も園児もバス内にいる場合/送迎ステーションで園児がバスに乗り込んでいる場合
S15:園、駐車場で全員が降車した場合/送迎ステーションで全員が降車した場合(まだ園児を乗せていない状態で、先生は園児を呼びに行き、ドライバーは所用で降車した場合)
S16:園で、先にドライバー、先生が降車し、園児がバス内にいる場合/送迎ステーションでドライバー、先生が降車した場合(先生は園児を呼びに行き、ドライバーは所用で降車した場合)
S17:園で先生だけがバス内にいる場合/送迎ステーションで、先生だけがバス内にいる場合(ドライバーが所用で降車した場合)
S18:園でドライバーが先に降車した場合/送迎ステーションでドライバーが所用で降車した場合
図3Aにおいて、A11~A18は以下のとおりである。
A11:メロディ
A12:運転席51(例えば運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ))
A13:後部ボタン(降車確認スイッチ14)
A14:メロディ
A15:ドアクローズ(ドア閉)
A16:サイレン
A17:再手順
A18:監視モード
また、図3Aにおいて、A51~A55は、以下のとおりである。
A51:見回りを促す
A52:園児による後部ボタン操作のリセット
A53:メロディを停止させる
A54:見回りを促す
A55:監視モードへの手順不履行を報せる
図3Bにおいて、S21~S25は以下のとおりである。
S21:駐車場から園にバスを移動し、園で駐車した場合(先生、園児が乗車前の状況)/送迎ステーションで、先生、園児全員が降車した場合
S22:駐車場から園にバスを移動し、園で駐車し、園児が先に乗車した場合/送迎ステーションで、先生が先に降車した場合/送迎ステーションで、先生が先に降車し、園児が降車中の場合
S23:園で、先生が先に乗車し、まだ園児が乗車していない場合/送迎ステーションで、園児全員が降車して、先生が乗車した場合/送迎ステーションで、先生が降車しないで園児全員が降車した場合
S24:園で、先生、園児全員が乗車した場合(出発直前)/園で、先生が乗車し、園児が乗車中の場合/送迎ステーションで、エンジンを停止したばかりの場合/送迎ステーションで、先生がバス内にいて園児が降車中の場合
S25:園に到着し、全員が降車した場合/送迎ステーションで、先生が降車し、園児を降車させ、ドライバーが所用で降車した場合
図3Bにおいて、A21~A28は、以下のとおりである。
A21:メロディ
A22:運転席51(例えば運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ))
A23:後部ボタン(降車確認スイッチ14)
A24:メロディ
A25:ドアクローズ(ドア閉)
A26:サイレン
A27:再手順
A28:監視モード
また、図3Bにおいて、A61~A65は、以下のとおりである。
A61:見回りを促す
A62:園児による後部ボタン操作のリセット
A63:メロディを停止させる
A64:見回りを促す
A65:監視モードへの手順不履行を報せる(報知する、知らせる)
なお、上記の実施の形態では、車両50に第1ドライブレコーダ17と第2ドライブレコーダ18という2つのドライブレコーダを設けたが、いずれか1つだけであってもよい。これらのドライブレコーによる録画は、あくまでも誰も乗っていないはずである場合(すなわち監視モードにある場合)において、センサ12a~12dが反応したときにのみ行うようにしてもよい。これによれば、必要がない場合にむやみに録画することを回避できる。このように、メインユニット11には、第1ドライブレコーダ17と第2ドライブレコーダ18が接続可能であり、バス内の録画もできるように構成されている。しかし、園児を録画してよいとはいえない場合もあることを想定し、録画はあくまでも誰も乗っていないはずであるときに行うとよい。誰も乗っていないはずであるときとしては、センサ12a~12d(ここでは、マイクロ波センサ+IRセンサ)が反応しない(つまり、人の存在が検知されない)ことから、メインユニット11は、センサ12a~12dが反応した場合(つまり、人の存在が検知された場合)に、第1ドライブレコーダ17及び第2ドライブレコーダ18に録画させるとよい。さらに、メインユニット11は、センサ12a~12dが反応しない場合(つまり、人の存在が検知されない場合)に、第1ドライブレコーダ17及び第2ドライブレコーダ18に録画させないように、言い換えると録画を停止させるようにしてもよい。誰も乗っていないはずであるときであることを示す条件としては、その他の条件を採用してもよい。
また、帳票作成については、メインユニット11が、エンジンオン、エンジンオフ、ボタン操作、ドア開閉、操作ミスなどの操作イベントやドア開閉、センサ検知、発報などの動作イベントを送受信機20に送り、送受信機20からパーソナルコンピュータ22に履歴を送ることで実現される。このようにして作成された帳票(履歴)は、ドライバーや先生の教育に活かすことができる。
[7.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その3]
以下の構成例又は動作例は本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
また、上述のように、置き去り監視システム100は、リセット操作、後部ボタン操作、ドア閉をこの順番で検知した場合に、ドア閉したタイミングで監視モードを起動するようにしてよいが、このようにすると、ドライバーがバス内でドアを閉めた場合にも警報モードが起動してしまうことになる。これに対しては、園、駐車場などの絶対に発報まで至らないといけない場所と、逆に送迎ステーション等、発報まで至るべきではない場所とを区別するために、GPSを利用してもよい。そのため、置き去り監視システム100は、GPSを利用して位置情報を取得する機能として、位置情報取得部を有するとよい。車両50にGPS受信機が搭載されているとよい。置き去り監視システム100には、園、駐車場、送迎ステーション等の場所が、位置情報に基づいて警報を行うことを許可するエリア(いわゆるマイエリア)として登録される。そして、置き去り監視システム100は、幼稚園など、発報エリアついて登録した場所のみで発報(警報の一例)し、登録していない場所やGPS信号を受信できない場所においては発報まではせず、送受信機20に通報するのみとしてもよい。
このように緊急時に発報すべき場所を登録しておいて、車両がそのような場所にあるときにのみ発報をするようにしてよく、あるいは、逆に発報しない場所を登録しておいて、車両50がそのような場所にある時には発報はしないようにしてもよい。これにより、置き去り防止の安全性担保と、特定場所(ガソリンスタンド、車検場所)などのキャンセルでの利便性の両立を図ることができる。
本明細書において、GPSとして説明している箇所は、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)に読み替えられてよい。また、このようなGPS又はGNSSを用いて測位し、測位した位置を示す位置情報を取得する機能は、位置情報取得部の一例である。位置情報取得部は、車両の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する。メインユニット11は、この位置情報取得部からの位置情報を取得するとよい。車両の位置は、その車両に乗っている人(乗員)の位置、車両に搭載された各装置の位置と同視することができる。位置情報取得部は、例えば、GNSSの一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号に基づき、位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得するが、位置情報取得部は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。また、位置情報取得部は、接続している無線LANのアクセスポイントを特定する方法や、基地局測位等の方法により、位置情報を取得してもよい。
このようにすると、地点登録を用いて、適当な場合に報知(例えば発報)を行うことができる。
[8.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その4]
以下の構成例又は動作例は本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
CANインベーダ対策機器の仕様として、エリア検出がある。このエリア検出を利用して監視モードを制御してもよい。この場合には、ドライバーが送受信機(以下、「リモコン」ともいう。)20を所持していることが前提となる。リモコンとしては、ドライバーが車両50を施錠又は開錠するためのキー(例えばスマートキー)のこととしてもよいが、このようなキーとともに携帯される、キーとは別のリモコンとするとよい。このようなリモコンは、例えば、カーセキュリティシステム用に開発されたリモコンで、車両の施錠又は開錠の状態や、車両50における状態、例えばセンサ12a~12dにより検知された状態を、メインユニット11側から受信して、ドライバーに報知する機能を有するものとするとよい。メインユニット11とリモコン20との通信は、例えば特小無線により行われるが、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の他の通信方式の通信を利用してもよい。
エリア検出は、メインユニット11、言い換えるとメインユニット11が搭載された車両50の位置を基準とした所定のエリア(以下「検知エリア」ということがある。)内にリモコン20が存在するか否かを検出する機能である。「リモコン20が存在するか否か」は、「リモコン20を持つ人が存在するか否か」と読み替えてもよい。リモコン20を持つ人は、ここでは、ドライバーたる確認者である。リモコン20が存在するか否かを検出することは、実質的に、そのリモコン20を所持する人、この例ではドライバーが存在するかを検出することを意味する。エリア検出の一例を説明する。エリア検出の第1の方法を説明すると、メインユニット11は、所定の強度の第1無線信号をリモコン20へ送信する。第1無線信号は、例えば、当該第1無線信号の受信強度の通知を要求する情報を含んでいるとよい。リモコン20は、第1無線信号を受信すると、この第1無線信号の受信強度を算出する。受信強度は、受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)とするとよいが、それ以外の受信強度の指標となる値が用いられてもよい。リモコン20は、算出した第1無線信号の受信強度の情報を含む第2無線信号を、車載のシステム側、ここではメインユニット11へ送信する。メインユニット11は、受信した第2受信強度に基づき特定した第1無線信号の受信強度と、所定の閾値とを比較し、この第1無線信号の受信強度が閾値以上である場合は、所定の検知エリア内にリモコン20が存在すると判定し、閾値未満である場合は、所定の検知エリア内にリモコン20が存在しないと判定する。閾値は、例えば、置き去り監視システム100の利用開始前等の初期設定時において、あらかじめ設定されているとよい。
エリア検出の方法は、これに限られない。エリア検出の第2の方法を説明すると、リモコン20が所定の強度の第3無線信号を送信して、メインユニット11がこの第3無線信号と、所定の閾値とを比較して、第3無線信号の受信強度が閾値以上である場合は、所定の検知エリア内にリモコン20が存在すると判定し、閾値未満である場合は、所定の検知エリア内にリモコン20が存在しないと判定してもよい。第1の方法と第2の方法とを組み合わせた第3の方法としてもよく、メインユニット11は、第1無線信号の受信強度、及び第3無線信号の受信強度の一方、又は両方が閾値以上である場合、所定の検知エリア内にリモコン20が存在すると判定し、そうでない場合は、所定の検知エリア内にリモコン20が存在しないと判定してもよい。また、リモコン20において受信強度と閾値とを比較して、比較した結果、例えば所定の検知エリア内であるか否かの結果を、メインユニット11へ送信(通知)する構成としてもよい。なお、第1無線信号、及び第3無線信号は、例えば所定の周期で送信されるようにする等、ユーザの明示の指示なしに送信されるようにすると特に良い。
エリア検出の範囲(言い換えると、検知エリアの範囲)は、閾値の設定により変更可能である。閾値が小さいほど車両50の近くのみを検知エリアとし、閾値が大きいほど車両50からより遠くの位置を含む検知エリアとすることができる。閾値の設定により、例えば、メインユニット11は、エリア検出の範囲は100段階で設定できるようにし、設定された段階に応じた閾値を用いるように構成される。例えば、エリアの範囲を100m(例えば、半径100m)程度に設定した場合が想定される。メインユニット11は、エリア検出に基づき、リモコン20が検知エリア内にあると判定した場合は、監視モードを起動しない。ただし、メインユニット11は、センサ12a~12dは動作させ、センサ12a~12dにより乗員を検知したらリモコン20に通報する。リモコン20はこの通報を受けると音を鳴らしたり表示部への表示等により、ドライバーに通知するとよい。メインユニット11は、リモコン20が検知エリア外に存在すると判定した場合監視モードを起動する。
メインユニット11及びリモコン20は、例えば以下のように動作する。エリア検出の範囲を、ここでは100mとする。ドライバーが100m内に居たとして、忘れ物を取りに行った場合は、何をやっても、メインユニット11は監視モードを起動しない。園児をバスに乗せる時もドライバーが100m内に居れば、メインユニット11は監視モードを起動しない。メインユニット11は、センサ12a~12dが乗員を検知する監視モードになったとしてもサイレンは鳴らさず、リモコン20に通報する。リモコン20はこの通報を受けて音を鳴らす等してドライバーに通知する。園児を降ろして駐車場に行き、車両50を止めて、リモコン20が車両50の100m圏外になったら、メインユニット11は監視モードを起動する。メインユニット11は、車両50の駐車場がドライバーから100m内にあるときは、監視モードは起動しないが、センサ12a~12dが乗員を検知したらリモコン20に通報する。リモコン20はこの通報を受けて音を鳴らす等してドライバーに通知する。
ドライバーがリモコン20を忘れた場合には、リモコン20を忘れても容易に解除する方法があることは望ましくないので、リモコン20を忘れた場合には、ペナルティを与えることが望ましい。例えば、メインユニット11は、リモコン20を忘れた場合は、送迎ステーションでサイレンを鳴らすようにしてもよい。それを避けるために送迎ステーションでは、車両50のエンジンをオフにできないようにしてもよい。エリア検知が出来ないので、メインユニット11は、リモコン20を忘れたことがSDカード等の記憶部に記録するというペナルティをかしてもよい。記憶部は、例えば、第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18の少なくとも一方が備える記憶媒体としてもよいし、これらとは別の記憶部としてもよい。
なお、エリア検出は、リモコン20又はリモコン20を持つ人が検知エリアに居るかどうかを検出する機能であればよいところ、上記以外の方法が採用されてもよい。また、エリア検出は、リモコン20を使用することを前提としない機能としてもよく、確認者たる人が検知エリア内にいるかどうかを検知する他の方法が採用されてもよい。
このようにすると、エリア検出に基づいて、適当な場合に報知(例えばサイレンの発報、あるいはリモコン20への通報)を行うことができる。
[9.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その5]
[7.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その3]で説明した位置情報取得部を用いた構成と、[8.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その4]で説明したエリア検出に関する構成とを組み合わせて以下のようにしてもよい。また、以下の構成例又は動作例は本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
メインユニット11は、位置情報取得部が取得した位置情報に基づいて、まずGPSで地点登録を行い、サイレン発報してよい地点とサイレン発報してはいけない地点を区別する。地点登録とは、このように、サイレン発報(警報の一例)して良い地点とサイレン発報してはいけない地点とを登録する機能である。登録された地点を基準として定められるエリアを、以下では、「登録エリア」又は「GPS登録エリア」等と称することがある。登録エリアは、例えば、登録された地点を中心とする所定の大きさ(例えば、半径50mに円形範囲)のエリアである。位置情報取得部が取得した位置情報(例えば、GNSS受信機の測位結果)は、この地点登録が目的だけでなく、運航管理(例えば、いつどこを走行したかの情報の管理)にも用いられてよい。なお、地点登録や、サイレン発報してよい地点とサイレン発報してはいけない地点の登録は、パーソナルコンピュータ22等の外部装置を用いてユーザが行えるようにする構成とするとよい。外部装置は、これら登録した情報をメインユニット11へ送信する。メインユニット11は受信された情報を記憶(登録)する。
次に、地点登録と、リモコン20でのエリア検出と、リモコン20のボタン操作との関係を次のようにする。まず、メインユニット11は、車両50がサイレン発報許可地点にあってリモコン20がエリア検出のエリア外にある場合は、サイレン発報し、リモコン20に通報する。リモコン20は、メインユニット11との通信可能域にあれば警報(例えば、警報音)を発する。この場合、リモコン20は、ドライバーによるボタン操作を受け付けてリモコン20の警報(例えば警報音)を停止させるとともに、メインユニット11に対してサイレン発報を停止させることを指示する信号を送信する。メインユニット11は、この信号を受信すると、サイレンを停止させる。リモコン20がメインユニット11との通信可能域外であればリモコン20は警報を発しない。そのため、リモコン20は、警報を停止させるためのボタン操作することが無いし、ボタン操作があっても車両50において発報サイレンが止まることはない。
メインユニット11は、車両50がサイレン発報許可地点にあってリモコン20がエリア検出のエリア内にある場合は、メインユニット11はサイレンの発報はせず、リモコン20に通報する。リモコン20は、この通報に応じて警報(例えば、警報音)を発する。ここで、一定時間、リモコン20の警報を停止させるためボタン操作がされない場合には、言い換えると、サイレン発報を停止させることを指示する信号をリモコン20から受信しない場合には、メインユニット11はサイレン発報する。また、リモコン20のボタン操作に応じて、上述したのと同様に、リモコン20の警報(例えば、警報音)と車両50側のサイレンが止まる。
車両50がサイレン発報禁止地点にあってリモコン20がエリア検出のエリア外にある場合は、メインユニット11はサイレンの発報はせず、リモコン20に通報する。また、リモコン20は、メインユニット11との通信可能域であれば警報(例えば、警報音)を発する。この場合、リモコン20は、ドライバーによるボタン操作を受け付けてリモコン20の警報(例えば警報音)を停止させる。サイレンの発報はしない。リモコン20がメインユニット11の通信可能域外であれば、リモコン20は警報(例えば、警報音)を発することはできない。
車両50がサイレン発報禁止地点にあってリモコン20がエリア検出のエリア内の場合は、メインユニット11は、サイレンの発報はせず、リモコン20にも通報しない。
このようにすると、地点登録と、エリア検出と、リモコンに対するボタン操作とを適宜に組み合わせることで、適当な場合に報知(例えばサイレンの発報、あるいはリモコン20への通報)を行うことができる。
リモコン20のエリア検出は2種類のエリアを設定して行われてもよい。図4A~図4Cは、本発明の実施の形態の状態遷移図である。この例では、車両50はGPSで把握された位置に基づいて監視が行われる。図4A~図4Cの例において、リモコン20は1台用いられ、検知エリア内の場合は車両50では警報しない。検知エリアとしてエリア1及びエリア2がある。エリア2はエリア1よりも大きい範囲である。エリア1は、車両周辺であり、エリア2は、車両の半径100m以内とする。エリア1では、降車確認ができなかった場合、エリアを狭くして車両50の周辺にドライバーがいることを想定して設定されたものであり、エリア2では、監視中の状態で忘れ物及び園児がドライバーより先に車両50に乗車する場合で(後からドライバーが来る)エリアを広くしドライバーが車両50の周辺にいないことを想定して設定されたものである。
また、リモコン20は、車両50の鍵(キー)とともに携帯して用いられる。すなわち、リモコン20は、鍵と一緒にあり、ドライバーが持ち歩く、又は園内にあると想定する。車両50のドアの監視は、乗降車口のドアのみとする。1点鎖線はドア開の場合であり、鎖線はドア閉の場合である。どの状態でもACCオンでリセットされる。ACCオンの状態では、車両50の位置情報(例えばGPS位置情報)がログとして記録され、また、ACCオン/オフ、ドア開/閉、監視状態、SW操作(降車確認スイッチ14、緊急通報スイッチ15)、リモコン通信(メインユニット11とリモコン20との通信)、サイレン発報等をイベントがログとしてその日時と共に記録される。
図4A~図4Cにおいて、S41~S75、及びA41~A56は以下のとおりである。
S41:運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ)の特殊操作
S42:ACCオン
S43:ドア開
S44:ドア閉
S45:ACCオフ
S46:GPS登録エリア内
S47:ドア開
S48:GPS登録エリア外
S49:GPS登録エリア内
S50:運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ)
S51:ドア開/操作ミスブザー
S52:運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ)
S53:運転席51側のスイッチ(例えばバレースイッチ)
S54:降車確認スイッチ(後部スイッチ)14/メロディ停止
S55:タイムアウト5分
S56:リモコン20:通信エラー
S57:リモコン20:エリア1外判定
S58:リモコン20:エリア1内判定
S59:降車確認スイッチ(後部スイッチ)14/メロディ停止
S60:ドア開
S61:リモコン20の確認操作なし
S62:リモコン20の確認操作あり
S63:ドア閉
S64:ドア開
S65:緊急通報スイッチ15
S66:監視スタンバイ
S67:緊急通報スイッチ15
S68:監視センサ検知動作
S69:ドア開
S70:リモコン20:通信エラー
S71:リモコン20:エリア2外判定
S72:リモコン20:エリア2内判定
S73:ドア閉
S74:リモコン20の確認操作あり
S75:リモコン20の確認操作なし
A41:アナウンス:「監視エリアを登録しました。」/「監視エリアを解除しました。」
A42:アナウンス:「監視エリア内です。」/メロディ1開始
A43:アナウンス:「監視エリア外です。監視を行う場合は、スイッチ操作を行ってください。」
A44:アナウンス:「監視エリア内です。」/メロディ1開始
A45:アナウンス:「降車確認を行ってください。」
A46:降車未確認/リモコン通知
A47:アナウンス:「降車確認を行ってください。」
A48:アナウンス:「ドアを開閉すると監視モードへ移行します。」
A49:アナウンス:「ドアを閉めると監視モードへ移行します。」
A50:サイレン発報/30秒周期で鳴動/ACCオンになるまで繰り返す
A51:アナウンス:「ACCをオンにしてリセットしてください。」/ACCオンになるまで繰り返す
A52:アナウンス:「監視モードへ移行します。」
A53:置き去り検知/リモコン20への通知
A54:アナウンス:「監視モードを解除します。」
A55:メロディ2
A56:サイレン発報30秒/緊急通報スイッチ15の場合は30秒周期で鳴動
[10.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その6]
以下の構成例又は動作例は、適宜2つ以上を組み合わせることが可能である。また、本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
後部ボタン(降車確認スイッチ)(以下、単に「ボタン」という。)14についての変形例を説明する。ボタン14は、送迎される人(例えば、園児・養護学校等の児童・老人等)が、このボタンを押してしまうことがないようにすることが望ましい。そこで、以下のような第1~第3の例の構成を採用してよい。
第1の例は、ボタン14自体の工夫に関する。例えば、ボタン14自体にロックを設け、ロックを解除しない限りボタン14を押せないようにしてよい。また、ボタン14にアクセスするためのカバーを設け、容易に開けられないようにしてもよい。
また、ボタン14が所定の押し方がされたときだけ、メインユニット11は警報解除してもよい。特に、ボタン14が1つである場合に、例えばモールス符号のようにボタン14が押された場合にのみ警報を解除できるようにしてよい。この場合に、ボタンの押し方を人や役割(運転者か点乗者かなど)に応じて異なるものとしておき、メインユニット11はどの人が押したかを特定して記録する機能を備えていてよく、ボタン14を複数にし、その複数のボタン14の押し方が正しいとき警報解除するようにしてよく、あるいは、ボタン14をテンキーにして、そのテンキーに入力された数字があらかじめ設定された数字に一致するときに、メインユニット11は警報解除するようにしてもよい。
また、ボタン14を複数の異なる場所に設置し、メインユニット11はその異なる場所の中から複数の所定のボタン14が押されたときに確認が完了したとしてもよい。この場合に、メインユニット11は複数の所定のボタンが所定の順に押されたときに確認が完了したものとしてよい。また、押されたボタン14についてはそのボタンに備えたランプを点灯させるなど、押されたボタン14と押されていないボタン14が区別できるような表示を行うとよい。
また、すでに降車確認スイッチとしてのボタンを備えた路線バス等を送迎に利用するとき、既存の降車確認スイッチを置き去り監視システム100に接続して、メインユニット11は、既存の降車確認スイッチに警報解除機能を割り当てる機能を備えてもよい。この場合には、座席に対応する降車確認スイッチを接続し、点呼(乗車人数カウント)に利用する機能を備えてよい。
第2の例は、ボタン14の設置位置を工夫に関する。例えば、ボタン14の設置位置を座席の下の裏面としてよい。この場合には、座席下へのもぐりこみの確認をしつつ、確認済み操作を行うことができる。また、ボタン14の設置位置を最後部の座席の下の裏面としてよい。さらに、ボタン14の設置位置を座席の各列または隔列の座席の下の裏面としてもよい。
また、ボタン14の設置位置を人検出センサ(例えばセンサ12a~12d)が検知しにくい位置となるように、人検出センサの設置位置と、人検出センサの検出範囲と、ボタン14の設置位置との関係を設定してよい。この場合に、人検知センサは、人を検知するためのカメラである人検知カメラであってもよい。また、センサとともに一体化した筐体内にボタンを設けてもよい。この場合には、配線が容易になるという利点がある。さらに、ボタン14の設置位置を人検出センサが検知しにくい位置にするともに、センサとともに一体化した筐体内にボタン14を設けてもよい。すなわち、センサ自体を座席の下に(検出範囲を上側を向けて)設置してよい。
また、運転席の近傍にボタン14(停止スイッチといってもよい)を設けてよい。また、トランクにボタン14を設けてもよい。また、添乗者の座席の下、あるいは乗降ドア付近、または添乗者の携帯リモコンなどに、添乗者が押すためのボタン14を設け、添乗者は園児が全員降りたら、このボタン14を押すようにしてもよい。ボタン14が押されると警報音がなり、今度は運転者等別の人が再度座席を確認して、後部のボタンを押すと警報が止まるようにしてもよい。添乗者が押し忘れることがあるので、メインユニット11は乗降ドアを閉めたときには警報音を開始するようにするとよい。メインユニット11は警報音を止めた後にリモコンの添乗者用ボタンが押された場合には警報をしないが、ドアのボタンが押された場合には警報を行うようにしてもよい。
第3の例は、ボタン以外で確認完了を示す工夫に関する。例えば、職員証やスマートフォンなどの物体をかざすと解除される仕組みとしてよい。この場合に、メインユニット11は、そのかざした人を特定する機能を備えるとよい。この場合に、NFC等の技術を用いることができる。また、メインユニット11は、ジェスチャ検出によって、所定の座席の確認をしていると認識されたときに、警報を停止するようにしてよい。ここで、ジェスチャは(座席(下)方向へ向けての)指さし確認のジェスチャであってよく、あるいは、ジェスチャは確認完了を示す特定のジェスチャ(手で円形を作るなど)であってよい。また、上記の「所定の座席」は最後部の座席としてよく、あるいは、すべての列の座席としてよい。
また、姿勢検出によってかがんだ動作が確認されたとき、確認動作がなされた方向での処理を行うようにしてよい。
[11.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その7]
以下の構成例又は動作例は、適宜2つ以上を組み合わせることが可能である。また、本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
シチュエーションと、ビューアと、装置の機能(例えば、メインユニット11により実現される機能)との関係は、表1のようにしてもよい。なお、表において括弧書きで示す構成は、備えるとより望ましい構成である意味であり、これを有しない構成とすることも可能である。
[12.置き去り監視システム100の他の構成例又は動作例・その8]
以下の構成例又は動作例は、適宜2つ以上を組み合わせることが可能である。また、本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。置き去りを防止するための他の実施の形態について、第1~第3の例を説明する。
第1の例では、端末装置の一例であるスマートフォン(以下、「スマホ」という。)のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)の機能で、スマホGPS(スマホが備えるGPS機能)や、所定のWiFi(登録商標)のID検出、Blutooth通信におけるビーコン(BTビーコン)検出等で、予め登録した降車場所や降車後の駐車場所に入ったことを検知すると、自動的にスマホのカメラを動画の録画状態にする。この画面には録画中の映像をリアルタイムに表示するとともに、静止画の撮影ボタンと、降車確認スイッチ14(以下、「置き去り確認完了ボタン」ともいう。)が設けられている。本例では、運転者又は添乗者が、このスマホをもって、車両の各列を撮影しながら置き去りがないか確認する。そして、忘れ物や清掃が必要な汚れ等、事業所に知らせたいことがあるときは静止画撮影ボタンを押すと、その映像が事業所の端末や職員のスマホ等に伝送されて、事業所の端末や職員のスマホ等から閲覧可能となる。
この例において、置き去り確認完了ボタンが、録画開始からあまりにも早く押された場合、動画の記録時間が短いときは、その押下は無効とする。あるいは、置き去り確認完了ボタンを録画開始から所定時間の間は押せないようにしてもよい。この場合には、例えば、グレー表示などとしたり、「座席を確認してください」という表示にしてよい。
第2の例では、乗降口から遠い位置(例えば車両の最後部)にマーカーを備え、マーカーを所定以上の大きさ(例えば、確認完了となる位置で撮影したときの大きさ)で画像認識できたときに、確認完了ボタンを押さなくても、自動的に確認完了とする機能を備える。この例では、マーカーが所定の大きさに満たない状態で認識されたときには確認完了としない。この位置で所定時間以上マーカーが検出されるときには、「最終座席まで確認してマーカーにカメラを向けてください」といった報知を行うとよい。マーカーはQRコード(登録商標)でもよいが、車両内の所定の対象、例えば非常口のサインの画像としてもよい。
スマホのカメラの画角によってマーカーの大きさと接近距離との関係は変わるので、スマホごとに予め確認完了位置からマーカーを撮影して照合用画像として登録しておき、その画像と撮影している画像の大きさの関係から判定するようにするとよい。
第3の例では、上記の第1の例及び第2の例において「スマホ」とした部分を、スマホのような機能を備えるウェアラブルカメラ、アクションカメラ、その他の携帯可能なバッテリ駆動される専用カメラとしてもよい。このような専用カメラとして、保育園での子どもの様子を保護者に届ける、ライブ中継システムのカメラを用いることができる。
[13.他の実施形態]
以下、さらなる変形例を説明する。以下の変形例は、適宜2つ以上を組み合わせることが可能である。また、本明細書の他の構成例又は動作例と適宜組み合わせることが可能である。
置き去り防止システムが、温度センサを用いた温度通知機能を有していてよい。この置きざり防止装置は、温度が、人がいたら危険な温度に達したら、あるいは達しそうになったら、人感センサを作動させ、車内カメラの撮影を行って、事務所へ車内映像と人の検知状態と温度とを送信する等の機能を備えていてよい。
また、子供の見守りタグ(GPS機能を有する)の導入も検討されている。そこで、このGPSの位置情報を、送迎の迎えや、点呼(例えば、人数カウント)に活用するとよい。具体的には、置き去り防止システムは、見守りタグのGPS機能に基づいて送迎場所にまだ園児)が来ていないとき、車両か添乗員のスマホから、その旨を報知(例えば、表示や音声)するとともに、送迎を後回しにするボタンを設け、あるいは自動的に後回しメールを保護者のスマホへ送るようにしてよい。また、置き去り防止システムは、各園児のGPSの位置と、車両50のGPSの位置とが「移動中に」一致しているものを、乗車人数としてカウントするようにしてよい。車両50が停車しているときは、乗降車中なので、カウントに用いないようにしてよい。
置き去り防止システムは、車両50が園についてから、所定時間後(乗降時間+α)に、GPSの位置情報で、それまで乗車していた園児の人数と園内にいる人数を比較し、差があるときには、車両や事務所端末、職員のスマホ等から通知する機能を備えるとよい。このとき差となっている園児を特定してその名前等を現在の検知されている居場所の地図等とともに報知するようにしてもよい。
また、防犯カメラと連動させてもよい。具体的には、置き去り防止システムは、園の入口等に既設の防犯カメラ側の映像信号線又はWiFi等の無線通信システムに接続する接続部を備え、画像認識で入口から入る人をカウントする。このカウントは、送迎者が園に入って所定時間後から開始するとよい。送迎車の乗降口を含む範囲を外部から撮影するように設置した(防犯)カメラ、又は、車内カメラで降りた人数をカウントするようにしてもよい。差がある場合には、車や事務所端末、職員のスマホ等から通知する機能を備えるとよい。
また、チルト型防犯カメラを用いて、送迎者が園についたことを契機として、チルト型カメラの向きと(ズームあえばズーム範囲を)、施設の入口または、送迎者の方向にする機能を備えるとよい。カウントが完了したら、元の撮影範囲へ戻す機能を備えるとよい。
図5は、本発明の他の実施の形態の置き去り監視システムの構成を示すブロック図である。図1の例と同じ構成については説明を省略する。監視システム101は、バレースイッチ23を備えている。バレースイッチ23は、運転席に設けられて、メインユニット11に接続されている。また、メインユニット11には、サイレン24、スピーカ25、GPS受信機26、インジケータ27が接続されている。さらに、メインユニット11には、携帯電話網やWiFiに接続可能な無線通信モジュール28が接続されている。無線通信モジュール28は、インターネットを介して携帯端末30と通信可能である。また、メインユニット11はメモリカード29のリーダが接続されている。なお、図5において、スペースの関係上、常時電源(+B)やGNDは省略してある。
図6Aは、本発明の他の実施の形態の車両の側面図であり、図6Bは、本発明の他の実施の形態の車両内の平面図である。図6A及び図6Bについて、図2A及び図2Bと同じ構成については説明を省略する。図6A及び図6Bに示すように、バレースイッチ23は、運転席のダッシュボードに設置される。
図7は、本発明の実施の形態のセンサユニットの取付方法を示す図である。天井の内張71に取付穴を開けて取付ネジ72とセンサユニット73とで天井の内張71を挟み込んでセンサユニット73を固定する。取付ネジ72と天井の内張71との間にはワッシャ74を挟んで締め付ける。センサユニット73は、ドップラセンサ75とIRセンサのレンズ76とを備えている。この例では、センサユニット73が回転しないように2か所(2つの取付ネジ72)で天井の内張71にセンサユニット73を固定する。
図8は、本発明の他の実施の形態のセンサユニットの取付方法を示す図である。天井の内張71にIRセンサ用の穴とクリップ用の穴を開けて、IRセンサ用のワッシャクリップ77とクリップ78とでセンサユニット73を天井の内張71に固定する。ワッシャクリップ77は、IRセンサ用の穴をあけたときの見栄えを考慮するとともにセンサユニット73を固定するためのものである。
図9は、本発明の他の実施の形態の置き去り監視システムの構成を示すブロック図である。置き去り監視システム90は、乗車用カメラ91aと、降車用カメラ91bと、GPS受信機92と、照合システム93と、管理システム94と、管理者端末95と、保護者端末96とを備えている。乗車用カメラ91a、降車用カメラ91b、及びGPS受信機92は、車両50に設けられる。照合システム93も車両50に備えられる。管理システム94は、通信ネットワーク上に設けられる。管理者端末95は、幼稚園、保育園等の施設に設置され、保護者端末96は、園児の保護者が所持している。
乗車用カメラ91aは、乗車する園児の顔を撮影するように、乗降車口52に外側を向いて設置されている。降車用カメラ91bは、降車する園児の顔を撮影するように、乗降車口52に内側を向いて設置されている。乗車用カメラ92a及び降車用カメラ93bは、撮影した画像を照合システム93に送信する。GPS受信機92は、受信した電波に基づく位置情報を照合システム93に送信する。照合システム93は、記憶装置としてのデータベース931と、照合装置932と、通信装置933とを備えている。データベース931には、登録された園児の顔画像がその園児の詳細情報(氏名、年齢(クラス)、乗降車位置等)とともに記憶されている。
照合装置932は、乗車用カメラ91a及び降車用カメラ91bから送信されてきた画像を取得して、データベース931に記憶された画像と照合し、乗車用カメラ91a又は降車用カメラ91bで顔を撮影された園児を特定する。照合装置932は、登録された園児の顔画像を学習した機械学習モデルを有していてよく、乗車用カメラ91a及び降車用カメラ91bで撮影された園児の顔画像を機械学習モデルに入力することで園児を特定してもよい。機械学習モデルはSVMを利用したものであってよく、主成分分析を利用したものであってよく、ニューラルネットワークを利用したものであってよい。
なお、乗車用カメラ91a及び降車用カメラ91bは、常時撮影を行って画像を照合装置932に送信してよい。この場合には、照合装置932は、常時顔検出の処理を行い、顔検出処理において顔を検出することで上記の顔認証の処理を起動してもよい。この顔検出にも、機械学習モデルを利用することができる。
通信装置923は、携帯電話網を介してインターネットに接続可能な装置である。通信装置923は、照合装置922で特定した園児の情報を、乗車であるか降車であるか(乗車用カメラ91aの画像から照合されたか、降車用カメラ91bの画像から照合されたか)の情報、GPS受信機92から受信した位置情報、及びその時の時刻の情報と共に管理システム94に送信する。
管理システム94は、通信装置941と、状態管理装置942と、データベース943とを備えている。通信装置941は、照合システム93から送信されてきた園児の情報、乗降車の情報、位置情報、時刻情報を受信する。状態管理装置942は、通信装置941で受信したこれらの情報をデータベース943に記憶させる。データベース9542では、車両50の迎え運行ごと、及び送り運行ごとに、レコードが生成されており、各レコードに各園児の乗車及び降車の情報が記憶される。このレコードでは、各園児について、乗車があった時は乗車と記録され、降車があった時は降車と記録され、乗車があった後、降車がない園児については、乗車中と記録される。よって、このデータベース943を参照することで、各園児について乗車中であるか否かを確認することができる。
状態管理装置942は、通信装置941を介してデータベース943に記憶された情報を送信する。また、データベース943には、各園児について、その保護者端末の情報が記憶されている。状態管理装置942は、各園児について通信装置941から新たな乗車又は降車の情報を取得するごとに、通信装置941を介して、管理者端末95及び当該園児に対応する保護者端末96に乗車及び降車の情報を送信する。この乗車及び降車の情報には、該当する園児の情報、乗車又は降車の区別の情報、乗車又は降車の位置、乗車又は降車の時刻の情報が含まれる。
また、状態管理装置942は、定期的にデータベース943を参照して、乗車してから所定時間(例えば1時間)を経過しても降車していない園児がある場合には、通信装置941を介して、管理者端末95及び当該園児に対応する保護者端末96にアラート情報を送信する。
この置き去り監視システム90によれば、乗車する園児の顔を撮影して顔認証を行うことで乗車した園児を特定し、後者の際にも園児の顔を撮影して顔認証を行うことで降車した園児を特定し、それらの乗車及び降車の情報を一元的に管理することで、園児が乗車状態にあることを把握できる。よって、乗車しているべきでない時間帯に乗車している(すなわち車両50に置き去りにされている)園児の存在を知ることができる。
なお、上記の置き去り監視システム90において、照合システム93のデータベース931及び/又は照合装置932が車両50の外部の通信ネットワーク上に設けられていてもよく、それらが管理システム94と一体となっていてもよい。
また、乗車用カメラ91aと降車用カメラ91bとが1つのカメラで構成されていてもよい。この場合に、当該1つのカメラに乗車及び降車のいずれかを指定するための指示機能が設けられていてよい。あるいは、迎え運行が想定される迎え時間帯及び送り運行が想定される送り時間帯のぞれぞれにおいて、最初にカメラで認識されたときに乗車と判断し、再度認識されたときに降車と判断してもよい。
また、アラート情報を発出するための所定時間は、園児ごとに、想定される乗車時間にマージンを加えた時間(例えば、10分の乗車時間が想定される園児に対して10分のマージンを加えた20分、20分の乗車時間が想定される園児に対して15分のマージンを加えた35分など)として設定されてもよい。
また、上記の置き去り監視システム90では、園児の生体情報として顔の見た目(画像)を用いて園児を特定したが、指紋、静脈、虹彩、声紋等の他の生体情報を用いて乗降車する園児を特定してもよく、あるいは、園児が所持する無線タグにIDを記憶しておいて、乗降車の際に当該無線タグをアンテナ及びリーダを用いて読み取ることで、乗車及び降車する園児を特定してもよい。
また、以下のようにしてもよい。
(1)置き去り監視システム100は、車両のエンジンをオフにしたら警報を開始して最後尾に取り付けた園児が押せない位置にあるボタンを押すと警報を停止させる警報システムにさらに後付けする置き去り監視システムとして、この警報システムに接続する接続部を備えていてもよい。接続部は、例えば、この警報システムと電気的に接続するためのコネクタを有する等してこの警報システムからの信号を受信可能に構成されているとよい。置き去り監視システム100は、接続部を介して取得した電気的状態に基づき、車内の人(乗員)を検出する機能、または、車内の人を録画する機能の制御を行う置き去り監視システムであってよい。このようにすると、置き去り監視システム100自体が、車内の人(乗員)を検出するためのセンサ等をしなえなくても、車内の人の検出結果に応じた制御を行うことができる。車内の人の検出結果に応じた制御としては、本明細書に記載した種々の制御とすることができる。車内の人を録画する機能は、例えば、第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18の少なくとも一方とするとよい。
(2)車両に設けたドライブレコーダは、少なくとも、車両のエンジンをオフにしたら警報を開始して、最後尾に取り付けた園児が押せない位置にあるボタンを押すと停止する警報が鳴っているの間、動作する電力供給機能を備えていてよい。すなわち、ボタンでの降車確認できるドラレコを押させてよい。電力供給機能は、例えば、電源からの電力の供給を制御する制御部により実現されるとよい。電源としては、例えば、ドライブレコーダの内蔵のバッテリ又はドライブレコーダに対して外付けのバッテリとしてもよいし、車両側の電源としてもよい。制御部は、車両のエンジンがオフして警報を開始してからも電源からの電力の供給を受けて録画を行うようにし、最後尾に取り付けた園児が押せない位置にあるボタンが押されると、録画を終了させるとともに、電源からの電力の供給を受けないようにして、自装置の電源をオフするとよい。ドライブレコーダは、例えば、第1ドライブレコーダ17、及び第2ドライブレコーダ18とするとよい。園児が押せない位置にあるボタンとしては、(1)の「園児が押せない位置にあるボタン」としてもよいし、降車確認スイッチ14としてもよい。
(3)上記(1)又は(2)の映像の録画は、エンジンを切られても行う機能を備え、最後尾に取り付けた園児が押せない位置にあるボタンを押したことを検出すると停止するようにしてもよい。ボタンを押したことを検出したことを契機とする録画の停止は、その検出から所定時間後に停止することとするとよい。この場合に「停止」は完全な停止であってもよいが、駐車監視録画へ移行するようにしてもよい。駐車監視録画は、車両の駐車中に録画するモードで、上記録画を行うモードとは異なるモードで、例えばフレームレートを落とす等して、記憶資源を節約しながら長時間の録画を行えるようにしたり、駐車中に車両において衝撃その他の所定のイベントが発生を検知した場合に録画を行うモードである。
(3-1)上記「エンジンを切られても行う機能」は、エンジンが切られたことを契機として映像の録画を開始する機能とするとよいが、エンジンが切られる前の所定時間も含めて記録する機能とするとよい。上記(1)及び(2)の構成では、エンジンを切ると警報音が鳴るため、エンジンを切らずに園児を乗り降りさせてしまう可能性があるが、そのような場合にも園児が乗り降りする場面も含め、映像を記録することができる。エンジンが切られる前の所定時間は、数分とするとよく、設定できる構成とするとよい。
(3-2)上記(1)及び(2)の録画は、「降車確認」フォルダなど、駐車監視イベントとは異なるイベントとして記録してよい。
(3-3)上記「最後尾に取り付けた園児が押せない位置にあるボタン」とは別に、園児が押せる位置にある園児用ボタンを設け、上記(1)及び(2)の録画は、両者を異なるイベントとして記録してもよい。
(4)(3)の「園児が押せる位置にある園児用ボタン」は大きなボタンであって、エンジンが切られていても、人感センサで、少なくともその押すべき部分が、点灯する構成としてもよい。また、この園児用ボタンは、押してなくてもエンジンを切っていても人感センサ検知で光り、押したら明るく光るようにしてもよい。人感センサとしては、上述したセンサ12a~12dとしてもよい。園児用ボタンを光らせる制御は、メインユニット11が行ってもよいし、園児用ボタンに設けた制御部により行われてもよい。
(5)上記「園児が押せる位置にある園児用ボタン」は乗降車口52の付近にあり、乗るときも、降りるときも、園児が押すように指導しておく。こうすることで置き去りにされたときにボタンを押すことの抵抗を軽減できる。この場合には、乗降車口52の開閉状態を検知して、メインユニット11は、乗降車口が開いた状態で押されたとき、乗降数としてカウントしてもよい。例えば、メインユニット11は、時間が午前で、現在位置が幼稚園以外の場所のときには、乗車数、時間が午後で、現在位置が幼稚園以外の場所のときには、降車数、としてカウントするなど、時間と場所の関係を設定しておき、その設定と現在の状態とを比較して、どの数としてカウントするかを決定してもよい。なお、メインユニット11は、連打は1カウントとするとよい。
「園児が押せる位置にある園児用ボタン」に関連して、以下の(5-1)のようにしてもよい。
(5-1)「園児が押せる位置にある園児用ボタン」は、車両50に乗った人数と、車両50から降りた人数をカウントするボタンとして機能する。園児はは乗ったら1タッチ、降りるときにも1タッチすることで、乗り降りの数が合わないことが分かり、置き去りが無くなることが期待できる。「園児が押せる位置にある園児用ボタン」としては、装着は車両50に取付けるか、職員(スタッフ)が手持ちで行うようにするとよい。また、「園児が押せる位置にある園児用ボタン」子どもが押したくなるような、カワイイデザインや仕組みを採用するとよく、例えば花柄といった所定の模様を付したり、子供に人気のキャラクタを付したボタンとするとよい。このようにすると、センサや既存の入館ICカードのシステムに比べて、人数カウントのためのシステムを安価に導入できる。
(6)置き去り監視システム100は、乗ってきた人の顔を撮影するためのカメラを備え、乗ってきた人の顔の画像を、サーバやスマートフォン、パーソナルコンピュータ等の外部装置へに送るようにしてもよい。乗ってきた人の顔の画像を送信する処理は、メインユニット11により行われてもよいし、このカメラ自体に設けた通信機能により行われてもよい。乗ってきた人の顔を撮影するためのカメラは、第1ドライブレコーダ17、又は第2ドライブレコーダ18と一体化していてもよいが、別に設けたカメラとしてもよい。
(6-1)上記「サーバやスマートフォン、パーソナルコンピュータ等の外部装置」側で、乗ってきた人の顔の画像(写真)を分類して、成長記録のアルバムのように表示させてもよい。
(7)置き去り監視システム100は、車両50の施錠を検出する機能を備え、メインユニット11は、施錠を検出したとき、または施錠検出から間もない所定時間後(最大数分後)に、車両50内にいる人が起きるくらいの音を出力する機能を備えていてもよい。これにより、取り残された人が熱中症になる前に、その人を起こすことができる。
(8)置き去り監視システム100は、エンジンが切られた状態で、車内に人がいることを検出した場合、メインユニット11は、車両に所定の動作をさせる制御、特にエンジンを始動させ、窓を開けるまたはエアコンを動作させる制御を行ってもよい。このように所定の動作は、車内の人の安全を確保する上で望ましい車両の動作とすると特によいが、車外の人に車内に人が居ることを知らせるのに役立つ動作としてもよい。
(9)置き去り監視システム100は、車内に人がいることを検知するセンサを複数種類備え、メインユニット11は、どの種類のセンサが人を検出したのかの情報を送信又は記録する機能を備えていてもよい。例えばミリ波レーダが検出したのか、マイクロ波センサが検出したのか、焦電センサが検出したのか、マットが検出したのか、AIカメラが検出したのか、超音波センサが検出したのか、を記録等して、誤検出かどうか、故障かどうかの(メーカー)診断等に利用してよい。
(10)置き去り監視システム100は、車内に人がいることを検知するセンサを車内の異なる場所に複数設け、車両50内を撮影しているカメラの映像を表示するビューアの映像に、その検出したセンサの位置や検出範囲を示す表示を重ねて行う機能を備えていてもよい。センサとしては、上述したセンサ12a~12dとしてもよい。ビューアの機能は、カメラで撮影した映像を再生(表示)する装置により実現されればよく、例えば第1ドライブレコーダ17、又は第2ドライブレコーダ18の機能により実現されてもよいし、パーソナルコンピュータ22等のカメラ以外の装置により実現されてもよい。また、コンピュータに、かかるビューアの機能を実現させるためのプログラムが、ネットワークを通じて配信されてもよい。
(11)置き去り監視システム100は、車内に人がいることを検知するセンサを車内の異なる場所に複数設け、検出した位置を音声で知らせる装置をさらに備えていてよい。センサとしては、上述したセンサ12a~12dとしてもよい。知らせる装置は、メインユニット11としても良いしその他の装置としてもよい。知らせ方としては、メインユニット11が車両50の周辺の人に音声を発することで行ってもよいし、メインユニット11が、送受信機20、監視端末21、又はパーソナルコンピュータ22にその知らせるための通報を行ってもよい。
(12)置き去りが問題になるのは、車両のエンジンを切って、運転手が車から降りて、ドアが全部しまった状態となったときに子供が残されているという場合である。そこで、置き去り監視システム100は、エンジンがオフであり、運転席51の着座センサ、DMS(Driver Monitoring System)又は単純に焦電センサ用いる等の運転手の状態を検知する状態検知手段を用いて運転手の存在が未検出であり、かつ車両5の全ドアが閉じていることを条件に、メインユニット11は、車両50から警報音を流すなどして警報を発し、車両50内の後部に備えた警報音解除部の所定操作により警報音が解除される機能を備えていてよい。警報は、車両50に代えて又はこれに加えて、リモコン20から発せられてもよい。警報音解除部は、降車確認スイッチ14が兼ねていてもよい。なお、メインユニット11は、エンジンがオンであるときは警報音を流すなどの警報を発ないようにしてよい。運転席51の着座センサ、DMS、又は単純に焦電センサ等の状態検知手段で運転手(ドライバー)の存在を検出したときは、メインユニット11は、警報音を流すなどの警報を発しないようにしてよい。また、メインユニット11は、全ドアが閉じていないときは警報音を流すなどの警報を発しないようにしてよい。このようにすることで、運転者が警報に焦って不適切な運転操作等の行動をすることを防止できるとともに、置き去りを防止できる。
(13)置き去りが問題になるのは、子供が置き去りの状態で、ドアロックがかかったときである。そこで、メインユニット11は、車両50のドアロックを検知したときは、ドアロックをキャンセルし(例えば、ドアロックせずに)、車両50から、「まだドアロックしていません車内に置き去りがないか確認して所定操作をしてください」等の音声で警報音を流すことを含む警報を発してもよい。メインユニット11は、例えば、車両50がドアロックされたことが検知された場合に、警報を発するとよい。例えば、メインユニット11は、リモコン20の操作により車両50がロックされ、又は車両50外からロックされたことを検知した場合に、警報を発するとよい。メインユニット11は、ロックされたことの信号を、リモコン20から受信したり、車両50側から受信したりするとよい。さらに、リモコン20が同様の警報を発してもよい。
さらに、その後、例えば運転者により、車両50内の後部に備えた警報音解除部(例えば、降車確認スイッチ14)の所定操作により警報音が解除されて、警報音解除後に、リモコン20又は車両50外からの車両50のドアロックが再びあったときに、メインユニット11はドアロックを行うようにしてよい。このようにすることで、駐車場で運転者が車から降りて最初にドアロックしようとしたときに、置き去りを防止できるとともに、それ以外のときに、警報音が流れて、運転者が不適切な行動をとって事故を誘発する可能性を低減でき、ドアロックの忘れも防止できる。
(14)シチュエーションとしてガソリンを入れるときなどいちいち警報を止めるのは面倒である。そこで、メインユニット11は、給油する状態か否かを判定し、給油する状態では、メインユニット11は、上記(12)及び(13)の状態でも、警報を発しないようにしてよい。ガソリンスタンドでの給油は短時間で終わり、「置き去り」ということは考えにくい一方で、仮に園児が乗っていたとしても、ガソリンスタンドで乗降口を開けるのは、かえって危険な可能性があるからである。このようにすれば、ガソリンスタンドでの給油の際に、運転者が不適切な行動をとることを防止できる。給油する状態としては、例えば給油しようとしている状態とするとよく。給油口の周辺を撮影した給油口撮影映像、スイッチ、又は車両50の位置(例えば、GNSSで測位した位置)がガソリンスタンドかどうか若しくはあらかじめ登録した場所か等に応じて、検知されるとよい。
(14-1)メインユニット11は、給油口を開けているときは、すべての警報を停止するようにしてもよい。この場合は、メインユニット11は、給油口を閉じたら警報する状態へ復帰する。このようにすることで、車検の業者には、給油口開けてれば警報しないよと伝えるだけでよいとともに給油口を閉じるだけで、警報をする状態へ復帰するので、警報解除状態のままにして、置き去りが発生することを防止できる。
(15)置き去り監視システム100のメインユニット11は、車内にいる園児が有するタグの存在を検知した結果に基づいて、警報を発する機能を有するとよい。タグは、無線通信を行う機能を有する、いわゆるスマートタグとするとよい。メインユニット11は、車内を通信可能範囲とする所定の通信方式によるタグとの通信により、そのタグの存在を検知するとよい。通信方式としては、例えばBluetooth(登録商標)とするとよいが、これ以外でもよい。タグは、園児が携行する携行物に備えられているとよい。携行物としては、例えば、園児が着用する衣服(例えば制服)、衣服に付けられた名札、園児が携行するカバン等とする等、園児が日常的に携帯する物とすると特に良い。特に、携行物が、スマートタグを備えた名札であると、スマートタグと名札はサイズ的にも厚み的にもデザインする上で親和性が高く、商品化の点でも魅力的である、さらに、近年、スマートタグはかなり安価になってきたので、多少高い名札として受け入れられる可能性が有る魅力的な製品となり得る。また、このようにすると、職員(先生)の事務仕事を減らすことができる。保育士など人手不足で長時間残業が常態化している現状があるので、システム導入の動機付けになり得る。
メインユニット11は、車内に園児が居るはずのないことを示す所定の条件を満たす場合に、タグの存在を検知したときは、警報を発すると特によい。例えば、メインユニット11は、幼稚園の開園時間後といった所定時間帯に、タグの存在を検知した場合には、外部端末へ通報したり、ブザーやアラーム、ホーン出力などで知らせたりするとよい。所定時間帯としては、朝8時半から12時までといった、幼稚園の開園している時間とするとよい。所定時間帯としては、保育園や学校であれば8時半から16時までにするなど、検知対象の人のスケジュールに応じた時間帯に決められているとよい。職員が、事前に、パーソナルコンピュータ22を介して所定時間帯、例えばスケジュールの情報を入力しておき、この情報がメインユニット11に通知されるようにする。メインユニット11は。この情報に基づいて、所定時間帯であるか否かを判定するとよい。
(16)(15)の携行物は、発光機能をさらに有するとよい。携行物は、例えばLEDその他の発光体を備え、夜間といった暗い状況下で発行体を発光させる機能を有するとよい。このようにすると、夜間などの暗い状況下での歩行時の安全性を向上させることができる。携行物は、例えば発光部と制御部とを備える。制御部は、例えば、夜間などの周辺が暗い状況になる所定の時刻に、発光体を発光させるとよい。携行物が、さらに周辺の明るさを検知するセンサ(例えば照度センサ)を備えるようにし、制御部はこのセンサにより検知された明るさが所定の明るさ以下である場合には、発行体を発光させるとよい。あるいは、携行物がスイッチその他の操作部を備え、この操作部の操作に応じて、制御部が発光体を発光させるかどうかを切り替えるように構成されてもよい。なお。このような携行物は、内部に備える電池を電源として動作するとよい。
(17)(15)、または(16)の携行物は、さらに、園児に関する情報を記憶した記憶部として、ICチップを有するとよい。ICチップは、薄型筐体に馴染みがよく、例えば、学年や名前や血液型等の情報を記憶させて(収めて)おくとよい。ICチップは、例えば非接触で情報を読み取り可能に構成されているとよい。そして、車両の乗車時や、到着時に、スマートフォンやタブレット等の外部の読み取り装置が、このICチップの情報を読み取り、読み取った情報に基づいて、出席簿の出欠記録を記録する(例えば、自動で記録する)機能を有するとよい。このようにすると、先生の事務仕事を減らすことができる。また、仮にバスの事故などで園児が怪我をした場合であっても、血液型やアレルギー等の既往症をICチップから読み取った情報に基づいて特定できるので、適切な治療をすることができる。
(18)メインユニット11又は置き去り監視システム100により実現されていた機能は、メインユニット11に限られず、適宜、置き去り監視システム100における他の要素によって実現されてもよい。あるいは、サーバ装置等の置き去り監視システム100以外のシステムの一部の機能として実現されてもよい。上述した実施形態で説明した、警報という用語は、警告、報知、通知、通報等に読み替えられてもよい。また、警報に用いる手段(例えば、音や表示、発光)や、警報の内容(例えば、メッセージの内容や表示の内容)については、警報の目的を達することができる範囲で適宜変更されてもよい。
(19)上記の実施の形態では、園児を送迎するバスに本発明の実施の形態の置き去り監視システムを適用した例を説明したが、本発明の実施の形態の置き去り監視システムは、園児の送迎用のバスに限られず、高齢者の送迎用のバスに適用してもよい。
ここまでは、バスは、主に園児を対象者として送迎する送迎バスとして説明したが、対象者は幼児、生徒、学生その他の子どもや、お年寄りその他の大人としてもよい。また、車両は送迎目的に限られない。車両は例えば、道路を走行するバス以外の車両(例えば一般車両)であってもよいし、電車、モノレール、リニアモーターカー等の軌道上を走行する車両(例えば交通機関の車両)としてもよい。車両としては、特に、乗降口又はその付近、あるいは車外から車内の全般を見渡すことができない、又は見渡しにくい車両とするとよく、特に、座席が設けられている車両とするとよい。座席の背後に人が隠れてしまうことがあるからである。
置き去りの対象となりうるものは、人以外の物の場合もありうる。このような物としては、例えば、バッグなどの乗員の荷物がある。そこで、以上の置き去り監視システムは、乗員以外の物が意図せず車内に取り残されてしまう事態の発生を抑えるシステムの構築に適用されてもよい。物の検知の場合は、例えば車両内を撮影した画像に基づいて物体検出を行う機能が採用されるとよい。物体検出については、撮影した画像に対して画像認識を行って、物体の存在の有無や種類を特定する物体検出技術が用いられるとよい。撮影機能は、第1ドライブレコーダ17や第2ドライブレコーダ18が有してもよいが、その他の撮影装置が用いられてもよい。また、本発明は、車両に限られず、航空機や、エレベータ、ゴンドラその他の輸送機器あるいは乗り物にも適用可能である。
(20)上述した各実施形態で説明した各装置が行う制御・動作の一部が省略又は変更されてもよい。また、上述した実施形態で、送信としていた構成は、出力する構成と読み替えられてもよい。出力としては、送信以外の出力、例えば記録(記憶)や印刷による出力等とすることも可能である。また、メインユニット11その他の制御部の機能は、1又は複数のハードウェア資源、1又は複数のソフトウェア資源、又はこれらも組み合わせにより実現されるとよい。ソフトウェア資源で実現される機能については、当該機能を実現するためのプログラムが、インターネットその他のネットワークを介して配信されてもよい。
(21)上述した実施形態で説明した各機能は、1又は複数のハードウェア要素、1又は複数のソフトウェア要素、これらの組み合わせのいずれで実現されてもよい。また、各機能は、物理的又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置により実現されてもよい。
上述した実施形態で説明したプログラムを記憶する記憶媒体は、上述した実施形態で説明したものに限られず、コンピュータが読取可能な記憶媒体であればよい。コンピュータが読取可能な記憶媒体としては、半導体記憶媒体、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体等の各種記憶方式の記憶媒体とするとよい。また、コンピュータが読取可能な記憶媒体としては、プログラムに基づく機能を実現する装置に内蔵された記憶媒体、当該装置に外付けされた記憶媒体、及び当該装置と電気通信回線(例えば、有線及び/又は無線)を介して接続されたサーバ等の記憶媒体、その他の記憶媒体とするとよい。
また、プログラムによって実現される機能は、例えば、アプリケーションプログラム、オペレーティングシステム、ミドルウェア、ファームウェア等のプログラムによって実現されるとよい。
また、所定の情報の報知は、ユーザが報知を認識できればよいところ、明示的に行うものに限られず、暗黙的(すなわち、明示的な当該所定の情報の報知を行わない)に行うこととしてもよい。
以上のような、本明細書の実施形態、変形例によると、車両への人又は物の置き去りが抑えられ、例えば人の生命を確保し、人の安心・安全な生活、さらには安心・安全に住み続けられるまちづくりを実現することでSDGsにも貢献することができるものである。
[付記]
なお、上述の実施形態は少なくとも以下の構成を開示している。
車両内の人又は物を監視システムであって、前記人又は物を監視して、監視した結果に応じた情報を出力する機能を有するとよい。例えば車両内への人又は物を置き忘れてしまうことを抑えることができる。
このような監視システムとしては、例えば、前記車両の現在位置を検出する機能と、前記監視した結果に基づいて警報を発する地点又は警報を発しない地点を登録する機能と、前記車両から所定のエリア内であるか否かに基づいて、警報の発生を制御する機能とを有するとよい。このようにすると、登録した地点に基づいて、適当な場合に警報を発することができる。
また、このような監視システムとしては、例えば、前記車両の現在位置を検出する機能と、前記監視した結果に基づいて警報を発する地点又は警報を発しない地点を登録する機能と、前記車両から所定のエリア内に所定のリモコンを持つ人がいるかどうかを検出する機能と、前記車両の現在位置と、前記登録した地点と、前記所定のエリア内に前記リモコンを持つ人がいるかどうかの検出結果とに基づいて、前記車両側及び前記リモコンにおける警報の発生を制御する機能とを有するとよい。このようにすると、登録した地点と、リモコン又はそのリモコンを持つ人の位置との関係に基づいて、適当な場合に警報を発させることができる。
さらに、前記警報の発生を制御する機能は、前記リモコンに対する操作に基づいて、前記警報の発生を制御するとよい。このようにすると、地点登録と、エリア検出と、リモコンに対するボタン操作とを適宜に組み合わせることで、適当な場合に警報を発することができる。
さらに、上記監視システムの一例である置き去り監視システムの態様として、例えば、以下のようにするとよい。
本発明の第1の態様の置き去り監視するシステムは、車両内への乗員の置き去りを監視する置き去り監視システムであって、前記車両の駆動源エンジンを切ったら車両内で警報を開始して、車両内の最後尾に取り付けた確認ボタンを押すまで警報を継続する警報システムに接続する接続部を備え、前記接続部を介して取得した電気的状態に基づき、車両内の人を検出し、又は車両内の人を録画する構成を有している。
本発明の第2の態様の置き去り監視システムは、第1の態様の置き去り監視システムにおいて、前記駆動源を切られても映像の録画を行う機能をさらに備え、前記ボタンが操作されたことを検出したことに応じて、前記録画を行う機能を停止する構成を有している。
本発明の第3の態様の置き去り監視システムは、第1又は第2の態様の置き去り監視システムにおいて、前記ボタンは、前記駆動源が切られていても、人感センサで、少なくともその押すべき部分が、点灯する構成を有している。
本発明の第4の態様の置き去り監視システムは、第1~第3のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記ボタンは、押されていなくても、前記駆動源が切られていても、人感センサ検知で光り、押したら明るく光る構成を有している。
本発明の第5の態様の置き去り監視システムは、第1~第4のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記ボタンは、前記車両の乗降車口の付近に設置され、乗車する乗員及び降車する乗員が押すために用いられる構成を有している。
本発明の第6の態様の置き去り監視システムは、第5の態様の置き去り監視システムにおいて、前記乗降車口の開閉状態を検知するセンサを備え、前記乗降車口が開いた状態で前記ボタンが押されたとき、乗降数としてカウントする構成を有している。
本発明の第7の態様の置き去り監視システムは、第1~第6のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、乗ってきた人の顔を撮影するためのカメラをさらに備え、乗ってきた人の顔の画像を、サーバ又はスマートフォンその他の端末装置に送る構成を有している。
本発明の第8の態様の置き去り監視システムは、第1~第7のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記車両の施錠を検出するセンサをさらに備え、前記センサが施錠を検出したとき、又は前記センサが施錠を検出してから所定時間後に、前記車両内に警報音を出力する構成を有している。
本発明の第9の態様の置き去り監視システムは、第1~第8のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記駆動源が切られた状態で車内に人がいることを検出した場合に、前記駆動源を始動させて、窓を開け、及び/又はエアコンを動作させる構成を有している。
本発明の第10の態様の置き去り監視システムは、第1~第9のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記車両内に人がいることを検知する複数種類のセンサを備え、どの種類のセンサが人を検出したのかの情報を送信又は記録する構成を有している。
本発明の第11の態様の置き去り監視システムは、第1~10のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、前記車両内に人がいることを検知する複数のセンサをさらに備え、前記複数のセンサは、車両内の異なる場所に設けられ、前記車両内を撮影しているカメラの映像を表示するビューアの映像に、その検出したセンサの位置や検出範囲を示す表示を重ねる構成を有している。
本発明の第12の態様の置き去り監視システムは、第1~第11のいずれかの態様の置き去り監視システムにおいて、車両内に人がいることを検知する複数のセンサを備え、前記複数のセンサは車内の異なる場所に複設けられ、検出した位置を音声で知らせる装置をさらに備えた構成を有している。
本発明の第13の態様のドライブレコーダは、第1の態様の置き去り監視システムにおいて、車両内の映像を撮影して録画するドライブレコーダであって、少なくとも、駆動源が切られたら開始して車両内の最後尾に取り付けたボタンを押すと止まる警報が出力されているときに動作する電力供給機能を備えた構成を有している。
本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化する意思を有するものである。