図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、コーヒー飲料を主に販売する飲食店の店舗における各種装置を示す図である。
この店舗SHCには、複数台の飲料製造装置1、パーソナルコンピュータPC、複数台のデジタルサイネージDS、注文受付状況表示装置OD、およびPoint of sale(POS)システムPSが配置されている。
複数台の飲料製造装置1、パーソナルコンピュータPC、およびPOSシステムPSは、サーバSと通信ネットワークNを介して接続されている。ここでの通信ネットワークNは、インターネットであるが、TCP/IPプロトコルによって構築されたネットワークであればよく、例えば、LAN(Local AreaNetwork)であってもよい。複数台の飲料製造装置1、パーソナルコンピュータPC、およびPOSシステムPSは、店舗内において無線LANで接続されている。なお、ここにいう店舗内とは、屋内という意味ではなく、店舗の敷地面積内という意味である。デジタルサイネージDSは、屋外に設置される場合もある。
サーバSは、通信ネットワークNを介して、スマートフォンPH等の携帯端末との通信が可能であり、例えば、飲料の需要者の携帯端末から飲料製造の予約や、感想などの情報を受信可能である。
複数台のデジタルサイネージDSと注文受付状況表示装置ODは、パーソナルコンピュータPCに接続されている。
POSシステムPSは、汎用端末TDと、キャッシュドロワーCDと、プリンタPRを備えたシステムである。汎用端末TDは、処理部、記憶部、及びI/F(インタフェース)部を備え、iOS(登録商標)、Andoroid(登録商標)、Windows(登録商標)、あるいはLinux(登録商標)等の各種オペレーティングシステムに対応したタブレット端末である。より具体的には、アップル社のiPad(登録商標)やマイクロソフト社のSurface(登録商標)等である。この汎用端末TDは、インストールすることができるアプリケーション(ソフトウェア)の種別を問わず、汎用性に富んだものである。例えば、上記オペレーティングシステムの種別を問わず、また、各種のアプリケーションをインストールすることができ、幅広い機能を持たせることができる。なお、汎用端末TDは、タブレット端末よりも小さいスマートフォンであってもよい。汎用端末TDは、通信ネットワークNに無線通信で接続されている。また、汎用端末TDとキャッシュドロワーCDも無線通信によって接続されており、汎用端末TDからの解錠指示を受けてキャッシュドロワーCDは解錠され、ドロワーオープンになって、キャッシュドロワーCDは金銭を出し入れ可能な状態になる。さらに、汎用端末TDとプリンタPRも無線通信によって接続されており、汎用端末TDからプリンタPRに会計情報が送信され、プリンタPRからレシートREが出力される。汎用端末TDの、キャッシュドロワーCDやプリンタPRとの無線通信は、Bluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。なお、無線通信ではなく有線通信であってもよく、通信規格も、Wi-Fi(登録商標)や赤外線通信の規格であってもよい。
続いて、飲料製造装置1について詳述する。
<1.飲料製造装置の概要>
図2は飲料製造装置1の外観図である。本実施形態の飲料製造装置1は、焙煎コーヒー豆と液体(ここでは水)からコーヒー飲料を自動製造する装置であり、一回の製造動作につき、カップ一杯分のコーヒー飲料を製造可能である。原料となる焙煎コーヒー豆は、キャニスタ40に収容可能である。飲料製造装置1の下部にはカップの載置部110が設けられており、製造されたコーヒー飲料は注ぎ部10cからカップへ注がれる。
飲料製造装置1は、その外装を形成して内部機構を囲包するハウジング100を備える。ハウジング100は、本体部101と、飲料製造装置1の正面の一部及び側面の一部を覆うカバー部102とに大別される。カバー部102には情報表示装置12が設けられている。情報表示装置12は本実施形態の場合、タッチパネル式のディスプレイであり、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の入力を受け付けることが可能である。情報表示装置12は、移動機構12aを介してカバー部102に取付けられており、移動機構12aによって上下方向に一定の範囲で移動可能である。
情報表示装置12の左横には、二次元コードを読み取る二次元コードリーダ15が設置されている。
カバー部102には、また、豆投入口103と、豆投入口103を開閉する開閉扉103aが設けられている。開閉扉103aを開放して豆投入口103へ、キャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆とは別の焙煎コーヒー豆を、投入することが可能となっている。これにより飲料の需要者に特別な一杯を提供することが可能である。
カバー部102は、本実施形態の場合、アクリルやガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明カバーを構成している。このため、カバー部102に覆われたその内側の機構が外部から視認可能となっている。本実施形態の場合、コーヒー飲料を製造する製造部の一部がカバー部102を透して視認可能となっている。本体部101は本実施形態の場合その全体が非透過部とされており、その内部を外部から視認困難である。
図3は、飲料製造装置1の部分正面図であって、飲料製造装置1の正面視でユーザが視認可能な製造部の一部を示す図である。カバー部102や情報表示装置12は想像線で図示されている。
飲料製造装置1の正面部におけるハウジング100は、本体部101と、その外側(前方側)のカバー部102との二重構造となっている。前後方向で本体部101とカバー部102との間に製造部の一部の機構が配置されており、ユーザがカバー部102を介して視認可能である。
カバー部102を介してユーザが視認可能な製造部の一部の機構は、本実施形態の場合、後述する集合搬送部42、グラインダ5A、5B、分離装置6、抽出容器9等である。本体部101の正面部には、奥側に窪んだ矩形状の凹部101aが形成されており、抽出容器9等はこの凹部101a内の奥側に位置している。
カバー部102を介して外部からこれらの機構が視認可能であることにより、管理者にとっては点検や動作確認が容易になる場合がある。また、飲料の需要者にとってはコーヒー飲料の製造過程を楽しむことができる場合がある。
なお、カバー部102は、その右端部においてヒンジ102aを介して本体部101に横開き式に開閉自在に支持されている。カバー部102の左端部には、本体部101とカバー部102とを閉状態に維持する係合部102bが設けられている。係合部102bは例えば磁石と鉄の組合せである。管理者はカバー部102を開放することで、その内側の上述した製造部の一部の点検等を行うことができる。
なお、本実施形態の場合、カバー部102を横開き式としたが縦開き式(上下開き式)としてもよいし、スライド式としてもよい。また、カバー部102が開閉不能な構成であってもよい。
図4は飲料製造装置1の機能の概要図である。飲料製造装置1は、コーヒー飲料の製造部として、豆処理装置2及び抽出装置3を含む。
豆処理装置2は、焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する。抽出装置3は豆処理装置2から供給される挽き豆からコーヒー液を抽出する。抽出装置3は、流体供給ユニット7、後述する駆動ユニット8(図6参照)、抽出容器9及び切替ユニット10を含む。豆処理装置2から供給される挽き豆は、抽出容器9に投入される。流体供給ユニット7は、抽出容器9にお湯を投入する。抽出容器9内で挽き豆からコーヒー液が抽出される。抽出されたコーヒー液を含むお湯が切替ユニット10を介してコーヒー飲料としてカップCに送出される。
<2.流体供給ユニット及び切替ユニット>
流体供給ユニット7及び切替ユニット10の構成について図4を参照して説明する。まず、流体供給ユニット7について説明する。流体供給ユニット7は、抽出容器9へのお湯の供給や、抽出容器9内の気圧の制御等を行う。なお、本明細書において、気圧を数字で例示している場合、特に断わらない限り絶対圧を意味し、ゲージ圧とは大気圧を0気圧とする気圧である。大気圧とは、抽出容器9の周囲の気圧、又は、飲料製造装置1の気圧を指し、例えば、飲料製造装置1が海抜0mの地点に設置されている場合は、国際民間航空機関(=「International Civil Aviation Organization」〔[略]ICAO〕)が1976年に制定した国際標準大気(=「International Standard Atmosphere」〔[略]ISA〕)の海抜0mでの基準気圧(1013.25hPa)である。
流体供給ユニット7は配管L1~L3を含む。配管L1は空気が流通する配管であり、配管L2は水が流通する配管である。配管L3は空気と水の双方が流通可能な配管である。
流体供給ユニット7は、加圧源としてコンプレッサ70を含む。コンプレッサ70は大気を圧縮して送出する。コンプレッサ70は例えばモータ(不図示)を駆動源として駆動される。コンプレッサ70から送出される圧縮空気は、逆止弁71aを介してリザーブタンク(アキュームレータ)71に供給される。リザーブタンク71内の気圧は圧力センサ71bにより監視され、所定の気圧(本実施形態では7気圧(ゲージ圧で6気圧))に維持されるよう、コンプレッサ70が駆動される。リザーブタンク71には排水用のドレイン71cが設けられており、空気の圧縮により生じる水を排水可能となっている。
水タンク72にはコーヒー飲料を構成するお湯(水)が蓄積される。水タンク72には、水タンク72内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(本実施形態では摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
水タンク72には、また、水位センサ72cが設けられている。水位センサ72cは水タンク72内のお湯の水位を検出する。水位センサ72cにより所定の水位よりも水位が下がったことが検出されると、水タンク72に水が供給される。本実施形態の場合、不図示の浄水器を介して水道水が供給される。浄水器からの配管L2の途中には電磁弁72dが設けられており、水位センサ72cにより水位の低下が検出されると電磁弁72dが開放されて水が供給され、所定の水位に到達すると電磁弁72dが閉鎖されて水の供給が遮断される。こうして水タンク72内のお湯が一定の水位に維持される。なお、水タンク72への給水は一回のコーヒー飲料の製造に使用するお湯を排出する度に行ってもよい。
水タンク72には、また、圧力センサ72gが設けられている。圧力センサ72gは水タンク72内の気圧を検出する。水タンク72には調圧弁72e及び電磁弁72fを介してリザーブタンク71内の気圧が供給される。調圧弁72eはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、3気圧(ゲージ圧で2気圧)に減圧する。電磁弁72fは調圧弁72eで調圧された気圧の、水タンク72への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、水タンク72への水道水の供給時を除き、水タンク72内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。水タンク72への水道水の供給時には、水道水の水圧によって水タンク72に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより水タンク72内の気圧を水道水の水圧よりも低い圧力(例えば2.5気圧未満)に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には水タンク72内を大気に解放する。また、電磁弁72hは水タンク72への水道水の供給時以外に、水タンク72内の気圧が3気圧を超える場合に水タンク72内を大気に解放し、水タンク72内を3気圧に維持する。
水タンク72内のお湯は、逆止弁72j、電磁弁72i及び配管L3を介して抽出容器9へ供給される。電磁弁72iを開放することで抽出容器9へお湯が供給され、閉鎖することでお湯の供給が遮断される。抽出容器9へのお湯の供給量は、電磁弁72iの開放時間で管理することができる。しかし、供給量を計測して電磁弁72iの開閉を制御してもよい。配管L3にはお湯の温度を計測する温度センサ73eが設けられており、抽出容器9へ供給される湯温が監視される。
リザーブタンク71の気圧は、また、調圧弁73a、電磁弁73bを介して抽出容器9へ供給される。調圧弁73aはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、5気圧(ゲージ圧で4気圧)に減圧する。電磁弁73bは調圧弁73aで調圧された気圧の、抽出容器9への供給と遮断とを切り替える。抽出容器9内の気圧は圧力センサ73dで検出される。抽出容器9内の加圧時、圧力センサ73dの検出結果に基づいて電磁弁73bが開放され、抽出容器9内を所定の気圧(本実施形態の場合、最大で5気圧(ゲージ圧で4気圧))に加圧する。抽出容器9内の気圧は電磁弁73cで減圧可能である。電磁弁73cは抽出容器9内を大気に解放するか否かを切り替え、圧力異常時(例えば抽出容器9内が5気圧を超える場合)には抽出容器9内を大気に解放する。
一回のコーヒー飲料の製造が終わると、本実施形態の場合、抽出容器9内を水道水で洗浄する。電磁弁73fは洗浄時に開放され、抽出容器9に水道水を供給する。
次に切替ユニット10について説明する。切替ユニット10は抽出容器9から送出される液体の送出先を注ぎ部10cと廃棄タンクTとのいずれかに切り替えるユニットである。切替ユニット10は、切替弁10aと切替弁10aを駆動するモータ10bを含む。切替弁10aは、抽出容器9内のコーヒー飲料を送出する場合は注ぎ部10cへ流路を切り替える。コーヒー飲料は注ぎ部10cからカップCへ注がれる。洗浄時の廃液(水道水)及び残渣(挽き豆)を排出する場合は廃棄タンクTへ流路を切り替える。切替弁10aは本実施形態の場合3ポートのボール弁である。洗浄時には切替弁10aを残渣が通過することから、切替弁10aはボール弁が好適であり、モータ10bはその回転軸を回転することで、流路を切り替える。
<3.豆処理装置>
図2、図3を参照して豆処理装置2について説明する。豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含む。
<3-1.貯留装置>
貯留装置4は、焙煎後のコーヒー豆が収容される複数のキャニスタ40を含む。本実施形態の場合、キャニスタ40は三つ設けられている。キャニスタ40は、焙煎コーヒー豆を収容する筒状の本体40aと、本体40aに設けられた取手40bとを含み、飲料製造装置1に対して着脱自在に構成されている。
各キャニスタ40は、互いに異なる種類の焙煎コーヒー豆を収容し、情報表示装置12に対する操作入力によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の種類を選択できるようにしてもよい。種類が異なる焙煎コーヒー豆とは例えばコーヒー豆の品種が異なる焙煎コーヒー豆である。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、同じ品種のコーヒー豆であるが、焙煎度が異なる焙煎コーヒー豆であってもよい。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、品種も焙煎度も異なる焙煎コーヒー豆でもよい。また、三つのキャニスタ40の少なくともいずれか一つには、複数種類の品種の焙煎コーヒー豆が混合された焙煎コーヒー豆が収容されてもよい。この場合、各品種の焙煎コーヒー豆は、焙煎度が同程度であってもよい。
なお、本実施形態では複数のキャニスタ40を設けたが、一つのキャニスタ40のみが設けられる構成であってもよい。また、複数のキャニスタ40を設けた場合に、同じ種類の焙煎コーヒー豆が全部又は複数のキャニスタ40に収容されてもよい。
各キャニスタ40は計量搬送装置41に着脱自在に装着される。計量搬送装置41は、例えば、電動スクリューコンベアであり、キャニスタ40に収容された所定の量の焙煎コーヒー豆を自動計量して下流側に送出する。
各計量搬送装置41は下流側の集合搬送部42に焙煎コーヒー豆を排出する。集合搬送部42は中空の部材で構成されており、各計量搬送装置41から粉砕装置5(特にグラインダ5A)への焙煎コーヒー豆の搬送通路を形成する。各計量搬送装置41から排出された焙煎コーヒー豆は集合搬送部42の内部を自重によって移動し、粉砕装置5へ流れ落ちる。
集合搬送部42には、豆投入口103に対応する位置に案内部42aが形成されている。案内部42aは豆投入口103から投入された焙煎コーヒー豆を粉砕装置5(特にグラインダ5A)へ案内する通路を形成する。これにより、キャニスタ40に収容された焙煎コーヒー豆以外に、豆投入口103から投入される焙煎コーヒー豆を原料としたコーヒー飲料も製造できる。
<3-2.粉砕装置>
図3及び図5を参照して粉砕装置5を説明する。図5は分離装置6の一部破断斜視図である。粉砕装置5は、グラインダ5A及び5B、及び、分離装置6を含む。グラインダ5A及び5Bは貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆を挽く機構である。貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、グラインダ5Aで挽かれた後、グラインダ5Bで更に挽かれて粉状にされ、排出管5Cから抽出容器9へ投入される。
グラインダ5A及び5Bは、豆を挽く粒度が異なっている。グラインダ5Aは粗挽き用のグラインダであり、グラインダ5Bは細挽き用のグラインダである。グラインダ5A、5Bはそれぞれ電動グラインダであり、駆動源であるモータと、モータにより駆動される回転刃等を含む。回転刃の回転数を変化させることで粉砕される焙煎コーヒー豆の大きさ(粒度)を変化可能である。
分離装置6は挽き豆から不要物を分離する機構である。分離装置6はグラインダ5Aとグラインダ5Bとの間に配置された通路部63aを含む。通路部63aはグラインダ5Aから自由落下してくる挽き豆が通過する分離室を形成する中空体である。通路部63aには、挽き豆の通過方向(本実施形態の場合、上下方向。)と交差する方向(本実施形態の場合、左右方向。)に延びる通路部63bが接続されており、この通路部63bには吸引ユニット60が接続されている。吸引ユニット60が通路部63a内の空気を吸引することで、チャフや微粉といった軽量な物体が吸引される。これにより、挽き豆から不要物を分離できる。
吸引ユニット60は遠心分離方式の機構である。吸引ユニット60は、送風ユニット60A及び回収容器60Bを含む。送風ユニット60Aは本実施形態の場合、ファンモータであり、回収容器60B内の空気を上方へ排気する。
回収容器60Bは、分離可能に係合する上部61と下部62とを含む。下部62は上方が開放した有底の筒型をなしており、不要物を蓄積する空間を形成する。上部61は下部62の開口に装着される蓋部を構成する。上部61は、円筒形状の外周壁61aと、これと同軸上に形成された排気筒61bとを含む。送風ユニット60Aは排気筒61b内の空気を吸引するように排気筒61bの上方において上部61に固定されている。上部61には通路部63bが接続されている。通路部63bは排気筒61bの側方に開口している。
送風ユニット60Aの駆動により、図5において矢印d1~d3で示す気流が発生する。この気流により、通路部63aから不要物を含んだ空気が通路部63bを通って回収容器60B内に吸引される。通路部63bは排気筒61bの側方に開口しているため、不要物を含んだ空気は排気筒61bの周囲を旋回する。空気中の不要物Dは、その重量によって落下し、回収容器60Bの一部に集められる(下部62の底面上に堆積する)。空気は排気筒61bの内部を通って上方に排気される。
排気筒61bの周面には複数のフィン61dが一体に形成されている。複数のフィン61dは排気筒61bの周方向に配列されている。個々のフィン61dは、排気筒61bの軸方向に対して斜めに傾斜している。このようなフィン61dを設けたことで、不要物Dを含んだ空気の排気筒61bの周囲の旋回を促進する。
本実施形態の場合、下部62はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。また、下部62はカバー部102で覆われた部分である(図3)。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、下部62の周壁を透して、下部62内に蓄積された不要物Dを視認可能である。管理者にとっては、下部62の清掃タイミングを確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては不要物Dが除去されていることが視認できることで、製造中のコーヒー飲料の品質に対する期待感が高まる場合がある。
このように本実施形態では、貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、まず、グラインダ5Aで粗挽きされ、その粗挽き豆が通路部63aを通過する際に、分離装置6によって不要物が分離される。不要物が分離された粗挽き豆は、グラインダ5Bにより細挽きされる。分離装置6で分離する不要物は、代表的にはチャフや微粉である。これらはコーヒー飲料の味を低下させる場合があり、挽き豆からチャフ等を除去することで、コーヒー飲料の品質を向上できる。
焙煎コーヒー豆の粉砕は、一つのグラインダ(一段階の粉砕)であってもよい。しかし、本実施形態のように、二つのグラインダ5A、5Bによる二段階の粉砕とすることで、挽き豆の粒度が揃い易くなり、コーヒー液の抽出度合を一定にすることができる。豆の粉砕の際にはカッターと豆との摩擦により、熱が発生する場合がある。二段階の粉砕とすることで、粉砕時の摩擦による発熱を抑制し、挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
また、粗挽き→不要物の分離→細挽きという段階を経ることで、チャフなどの不要物を分離する際、不要物と挽き豆(必要部分)との質量差を大きくできる。これは不要物の分離効率を上げることができるとともに、挽き豆(必要部分)が不要物として分離されてしまうことを防止することができる。また、粗挽きと細挽きとの間に、空気の吸引を利用した不要物の分離処理が介在することで、空冷によって挽き豆の発熱を抑えることができる。
<4.駆動ユニット及び抽出容器>
<4-1.概要>
抽出装置3の駆動ユニット8及び抽出容器9について図6を参照して説明する。図6は駆動ユニット8及び抽出容器9の斜視図である。駆動ユニット8の大部分は本体部101に囲包されている。
駆動ユニット8はフレームFに支持されている。フレームFは、上下の梁部F1、F2及び梁部F1、F2を支持する柱部F3を含む。駆動ユニット8は、上部ユニット8A、中部ユニット8B及び下部ユニット8Cの三つのユニットに大別される。上部ユニット8Aは梁部F1に支持されている。中部ユニット8Bは梁部F1と梁部F2との間において、梁部F1及び柱部F3に支持されている。下部ユニット8Cは梁部F2に支持されている。
抽出容器9は、容器本体90及び蓋ユニット91を含むチャンバである。抽出容器9のことをチャンバと呼ぶ場合がある。中部ユニット8Bは、容器本体90を着脱自在に保持するアーム部材820を備える。アーム部材820は、保持部材820aと、左右に離間した一対の軸部材820bとを含む。保持部材820aは、Cの字型のクリップ状に形成された樹脂等の弾性部材であり、その弾性力により容器本体90を保持する。保持部材820aは容器本体90の左右の側部を保持し、容器本体90の前方側は露出させている。これにより容器本体90の内部を、正面視で視認し易くなる。
保持部材820aに対する容器本体90の着脱は手動操作で行い、保持部材820aに容器本体90を前後方向後方へ押し付けることで容器本体90が保持部材820aに装着される。また、容器本体90を保持部材820aから前後方向前側へ引き抜くことで、容器本体90を保持部材820aから分離可能である。
一対の軸部材820bは、それぞれ、前後方向に延設されたロッドであり、保持部材820aを支持する部材である。なお、本実施形態では軸部材820bの数を二本としたが、一本でもよいし、三本以上であってもよい。保持部材820aは、一対の軸部材820bの前側の端部に固定されている。後述する機構により、一対の軸部材820bは前後方向に進退され、これにより保持部材820aが前後に進退し、容器本体90を前後方向に平行移動する移動動作を行うことができる。中部ユニット8Bは、また、後述するように、抽出容器9の上下を反転させる回動動作を行うことも可能である。
<4-2.抽出容器>
図7を参照して抽出容器9について説明する。図7は抽出容器9の閉状態及び開状態を示す図である。上記のとおり、抽出容器9は中部ユニット8Bにより上下が反転される。図7の抽出容器9は、蓋ユニット91が上側に位置している基本姿勢を示している。以下の説明において上下の位置関係を述べる場合、特に断らない限りは基本姿勢における上下の位置関係を意味するものとする。
容器本体90は有底の容器であり、ネック部90b、肩部90d、胴部90e及び底部90fを有するボトル形状を有している。ネック部90bの端部(容器本体90の上端部)には、容器本体90の内部空間と連通する開口90aを画定するフランジ部90cが形成されている。
ネック部90b及び胴部90eは、いずれも円筒形状を有している。肩部90dは、ネック部90bと胴部90eとの間の部分であり、その内部空間の断面積が胴部90e側からネック部90b側へ向かって徐々に小さくなるようにテーパ形状を有している。
蓋ユニット91は開口90aを開閉するユニットである。蓋ユニット91の開閉動作(昇降動作)は上部ユニット8Aにより行われる。
容器本体90は、本体部材900及び底部材901を含む。本体部材900は、ネック部90b、肩部90d、胴部90eを形成する上下が開放した筒部材である。底部材901は底部90fを形成する部材であり、本体部材900の下部に挿入されて固定される。本体部材900と底部材901との間にはシール部材902が介在し、容器本体90内の気密性を向上する。
本実施形態の場合、本体部材900はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、容器本体90の本体部材900を透して、容器本体90内でのコーヒー飲料の抽出状況を視認可能である。管理者にとっては、抽出動作を確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては抽出状況を楽しめる場合がある。
底部材901の中心部には凸部901cが設けられ、この凸部901cには、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図9の弁903)が設けられている。連通穴は、容器本体90内を洗浄する際の廃液及び残渣の排出に用いられる。凸部901cにはシール部材908が設けられており、シール部材908は、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cと底部材901との間を気密に維持するための部材である。
蓋ユニット91は、帽子状のベース部材911を備える。ベース部材911は、凸部911d、及び、閉時にフランジ部90cと重なる鍔部911cを有する。凸部911dには、容器本体90における凸部901cと同じ構造とされており、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図9の弁913)が設けられている。凸部911dの連通穴は、主に、容器本体90内へのお湯の注入とコーヒー飲料の送出に用いられる。凸部911dにはシール部材918aが設けられている。シール部材918aは、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cとベース部材911との間を気密に維持するための部材である。蓋ユニット91には、また、シール部材919が設けられている。シール部材919は、蓋ユニット91の閉時に蓋ユニット91と容器本体90との気密性を向上する。蓋ユニット91には濾過用のフィルタが保持される。
<4-3.上部ユニット及び下部ユニット>
上部ユニット8A及び下部ユニット8Cについて図8、図9を参照して説明する。図8は上部ユニット8A及び下部ユニット8Cの一部の構成を示す正面図であり、図9は図8の縦断面図である。
上部ユニット8Aは、操作ユニット81Aを含む。操作ユニット81Aは容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉操作(昇降)及び凸部901c及び911dの弁の開閉操作を行う。操作ユニット81Aは、支持部材800、保持部材801、昇降軸802及びプローブ803を含む。
支持部材800はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材801を収容する。支持部材800は、また、配管L3と支持部材800内を連通させる連通部800aを備える。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧が連通部800aを介して支持部材800内に導入される。
保持部材801は、蓋ユニット91を着脱自在に保持可能な部材である。保持部材801は蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧は、連通部800a及び保持部材801の連通穴801aを介して抽出容器9内へ供給可能である。
保持部材801は支持部材800内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸802はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸802は支持部材800の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸802の下端部には保持部材801の天部が固定されている。昇降軸802の昇降によって保持部材801が上下方向にスライドし、凸部911dや凸部901cへの保持部材801の装着と分離を行うことができる。また、容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉を行うことができる。
昇降軸802の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ802aが形成されている。このねじ802aにはナット804bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ804aを備えており、ナット804bはモータ804aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット804bの回転によって昇降軸802が昇降する。
昇降軸802は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ803が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ803は保持部材801の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800及び保持部材801に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ803は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ803の降下により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ803の上昇により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ803の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ803aが形成されている。このねじ803aにはナット805bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ805aを備えており、ナット805bはモータ805aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット805bの回転によってプローブ803が昇降する。
下部ユニット8Cは、操作ユニット81Cを含む。操作ユニット81Cは、操作ユニット81Aを上下に反転した構成であり、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903の開閉操作を行う。操作ユニット81Cも蓋ユニット91の開閉が可能な構成であるが、本実施形態では操作ユニット81Cを蓋ユニット91の開閉には用いない。
以下、操作ユニット81Aの説明と略同じであるが、操作ユニット81Cについて説明する。操作ユニット81Cは、支持部材810、保持部材811、昇降軸812及びプローブ813を含む。
支持部材810はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材811を収容する。支持部材810は、また、切替ユニット10の切替弁10aと支持部材810内を連通させる連通部810aを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は、蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810a及び保持部材811の連通穴811aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は支持部材810内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸812はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸812は支持部材800の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸812の下端部には保持部材811の底部が固定されている。昇降軸812の昇降によって保持部材811が上下方向にスライドし、凸部901cや凸部911dへの保持部材811の装着と分離を行うことができる。
昇降軸812の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ812aが形成されている。このねじ812aにはナット814bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ814aを備えており、ナット814bはモータ814aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット814bの回転によって昇降軸812が昇降する。
昇降軸812は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ813が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ813は保持部材811の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810及び保持部材811に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ813は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ813の上昇により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ813の降下により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ813の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ813aが形成されている。このねじ813aにはナット815bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ815aを備えており、ナット815bはモータ815aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット815bの回転によってプローブ813が昇降する。
<4-4.中部ユニット>
中部ユニット8Bについて図6及び図10を参照して説明する。図10は中部ユニット8Bの模式図である。中部ユニット8Bは抽出容器9を支持する支持ユニット81Bを含む。支持ユニット81Bは上述したアーム部材820の他、ロック機構821を支持するユニット本体81B’を含む。
ロック機構821は、蓋ユニット91を容器本体90に対して閉状態に維持する機構である。ロック機構821は、蓋ユニット91の鍔部911cと容器本体90のフランジ部90cとを上下に挟持する一対の把持部材821aを含む。一対の把持部材821aは、鍔部911cとフランジ部90cとを挟み込んで嵌合するC字型の断面を有しており、モータ822の駆動力により左右方向に開閉される。一対の把持部材821aが閉状態の場合、図10の囲み図において実線で示すように、各把持部材821aは鍔部911cとフランジ部90cとを上下に挟み込むようにしてこれらに嵌合し、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。このロック状態においては、保持部材801を昇降軸802によって上昇させて蓋ユニット91を開放しようとしても、蓋ユニット91は移動しない(ロックは解除されない)。つまり、保持部材801を用いて蓋ユニット91を開放する力よりもロック機構821によるロックの力の方が強く設定されている。これにより異常時に容器本体90に対して蓋ユニット91が開状態になることを防止することができる。
また、一対の把持部材821aが開状態の場合、図10の囲み図において破線で示すように、鍔部911cとフランジ部90cから各把持部材821aが離間した状態となり、蓋ユニット91と容器本体90とのロックが解除される。
保持部材801が蓋ユニット91を保持した状態にあり、かつ、保持部材801を降下位置から上昇位置に上昇する場合、一対の把持部材821aが開状態の場合には容器本体90から蓋ユニット91が分離される。逆に一対の把持部材821aが閉状態の場合には蓋ユニット91に対する保持部材801の係合が解除され、保持部材801だけが上昇することになる。
中部ユニット8Bは、また、モータ823を駆動源としてアーム部材820を前後方向に水平移動する機構を含む。これにより、アーム部材820に支持された容器本体90を後側の抽出位置(状態ST1)と、前側の豆投入位置(状態ST2)との間で移動することができる。豆投入位置は、容器本体90に挽き豆を投入する位置であり、蓋ユニット91が分離された容器本体90の開口90aに、グラインダ5Bで挽かれた挽き豆が図3に示す排出管5Cから投入される。換言すると、排出管5Cの位置は、豆投入位置に位置している容器本体90の上方である。
抽出位置は、容器本体90が操作ユニット81A及び操作ユニット81Cによる操作が可能となる位置であり、プローブ803、813と同軸上の位置であって、コーヒー液の抽出を行う位置である。抽出位置は豆投入位置よりも奥側の位置である。図6、図8及び図9はいずれも容器本体90が抽出位置にある場合を示している。このように、挽き豆の投入と、コーヒー液の抽出及び水の供給とで、容器本体90の位置を異ならせることにより、コーヒー液抽出時に発生する湯気が、挽き豆の供給部である排出管5Cに付着することを防止できる。
中部ユニット8Bは、また、モータ824を駆動源として支持ユニット81Bを前後方向の軸825回りに回転させる機構を含む。これにより、容器本体90(抽出容器9)の姿勢をネック部90bが上側の正立姿勢(状態ST1)からネック部90bが下側の倒立姿勢(状態ST3)へ変化させることができる。抽出容器9の回動中は、ロック機構821により容器本体90に蓋ユニット91がロックされた状態が維持される。正立姿勢と倒立姿勢とで抽出容器9は上下が反転される。正立姿勢における凸部901cの位置に、倒立姿勢では凸部911dが位置する。また、正立姿勢における凸部911dの位置に、倒立姿勢では凸部901cが位置する。このため、倒立姿勢では弁903に対する開閉操作を操作ユニット81Aが行うことができ、また、弁913に対する開閉操作を操作ユニット81Cが行うことができる。
<5.制御装置>
図11を参照して飲料製造装置1の制御装置11について説明する。図11は制御装置11のブロック図である。
制御装置11は飲料製造装置1の全体を制御する。制御装置11は、処理部11a、記憶部11b及びI/F(インタフェース)部11cを含む。処理部11aは例えばCPU等のプロセッサである。記憶部11bは例えばRAMやROMである。I/F部11cは外部デバイスと処理部11aとの間の信号の入出力を行う入出力インタフェースを含む。I/F部11cは、また、図1に示すインターネットなどの通信ネットワークNを介してサーバSとデータ通信が可能な通信インタフェースを含む。
情報表示装置12は、上述のごとく、タッチパネル式のディスプレイであって、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の操作を受け付けることが可能である。すなわち、この情報表示装置12では、表示画面が受付部122になり、その受付部122を制御する制御部121を有する。情報表示装置12における制御部121も、制御装置11と同じく、処理部、記憶部、及びI/F(インタフェース)部を含む。制御部121は、受付部122から、操作に応じた受付信号を受信する。制御部121は、受付信号を受信すると、その受付信号に応じた処理の実行を制御装置11に指示する。
二次元コードリーダ15は、情報表示装置12に接続している。二次元コードリーダ15は、撮像した画像から二次元コードを抽出し、デコード処理を行って、得られた情報を、情報表示装置12の制御部121に出力する。
制御装置11では、処理部11aが記憶部11bに記憶されたプログラムを実行し、情報表示装置12からの指示或いはセンサ群13の検出結果等に基づいて、アクチュエータ群14を制御する。センサ群13は飲料製造装置1に設けられた各種のセンサ(例えばお湯の温度センサ、機構の動作位置検出センサ、圧力センサ等)である。アクチュエータ群14は飲料製造装置1に設けられた各種のアクチュエータ(例えばモータ、電磁弁、ヒーター等)である。
<6.動作制御例>
処理部11aが実行する飲料製造装置1の制御処理例について図12A(A)及び(B)を参照して説明する。図12(A)は一回のコーヒー飲料製造動作に関わる制御例を示している。製造指示前の飲料製造装置1の状態を待機状態と呼ぶ。待機状態における各機構の状態は以下の通りである。
抽出装置3は図6の状態にある。抽出容器9は正立姿勢で、かつ、抽出位置に位置している。ロック機構821は閉状態であり、蓋ユニット91は容器本体90の開口90aを閉鎖している。保持部材801は降下位置にあり、凸部911dに装着されている。保持部材811は上昇位置にあり、凸部901cに装着されている。弁903及び913は閉状態にある。切替弁10aは操作ユニット81Cの連通部810aを廃棄タンクTと連通させる。
待機状態において、コーヒー飲料の製造指示があると、図12(A)の処理が実行される。S1では予熱処理が実行される。この処理は容器本体90内にお湯を注ぎ、容器本体90を事前に加温する処理である。まず、弁903及び913を開状態とする。これにより、配管L3、抽出容器9、廃棄タンクTが連通状態となる。
電磁弁72iを所定時間(例えば1500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。続いて電磁弁73bを所定時間(例えば500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、抽出容器9内の空気が加圧され、廃棄タンクTへのお湯の排出を促進する。以上の処理により、抽出容器9の内部及び配管L2が予熱され、これに続くコーヒー飲料の製造において、お湯が冷めることを低減できる。
S2ではグラインド処理を行う。ここでは焙煎コーヒー豆を粉砕し、その挽き豆を容器本体90に投入する。まず、ロック機構821を開状態とし、保持部材801が上昇位置に上昇する。蓋ユニット91は保持部材801に保持され、保持部材801と共に上昇する。この結果、蓋ユニット91は容器本体90から分離する。保持部材811は降下位置に降下する。容器本体90を豆投入位置に移動する。続いて、貯留装置4及び粉砕装置5を作動する。これにより、貯留装置4から一杯分の焙煎コーヒー豆がグラインダ5Aに供給される。グラインダ5A及び5Bで焙煎コーヒー豆が二段階で挽かれ、かつ、分離装置6で不要物が分離される。挽き豆は容器本体90に投入される。
容器本体90を抽出位置に戻す。保持部材801が降下位置に降下して容器本体90に蓋ユニット91を装着する。ロック機構821を閉状態とし、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。保持部材811は上昇位置に上昇する。弁903、913のうち、弁903は閉状態とし、弁913は開状態とする。
S3では抽出処理を行う。ここでは容器本体90内の挽き豆からコーヒー液を抽出する。図12(B)はS3の抽出処理のフローチャートである。
S11では抽出容器9内の挽き豆を蒸らすため、一杯分のお湯よりも少ない量のお湯を抽出容器9に注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば500ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。その後、所定時間(例えば、5000ms)待機してS11の処理を終了する。この処理によって挽き豆を蒸らすことができる。挽き豆を蒸らすことで、挽き豆に含まれる炭酸ガスを放出させ、その後の抽出効果を高めることができる。
S12では、一杯分のお湯が抽出容器9に収容されるよう、残りの量のお湯を抽出容器9へ注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば7000ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。
S12の処理によって抽出容器9内を、1気圧で摂氏100度を超える温度(例えば摂氏110度程度)の状態とすることができる。続いてS13により抽出容器9内を加圧する。ここでは電磁弁73bを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖し、抽出容器9内をお湯が沸騰しない気圧(例えば4気圧程度(ゲージ圧で3気圧程度))に加圧する。その後、弁913を閉状態とする。
続いて、この状態を所定時間(例えば7000ms)維持して浸漬式のコーヒー液抽出を行う(S14)。これにより高温高圧下での浸漬式によるコーヒー液の抽出が行われる。高温高圧下での浸漬式の抽出では、以下の効果が見込める。一つ目は、高圧にすることで、挽き豆の内部にお湯を浸透させ易くし、コーヒー液の抽出を促進させることができる。二つ目は、高温にすることで、コーヒー液の抽出が促進される。三つ目は、高温にすることで挽き豆に含まれるオイルの粘性が下がり、オイルの抽出が促進される。これにより香り高いコーヒー飲料を製造できる。
お湯(高温水)の温度は、摂氏100度を超えていればよいが、より高温である方がコーヒー液の抽出の点で有利である。一方、お湯の温度を高くするためには一般にコストアップとなる。したがって、お湯の温度は、例えば、摂氏105度以上、または、摂氏110度以上、或いは、摂氏115度以上とし、また、例えば、摂氏130度以下、または、摂氏120度以下としてもよい。気圧はお湯が沸騰しない気圧であればよい。
S15では抽出容器9内を減圧する。ここでは、抽出容器9内の気圧をお湯が沸騰する気圧に切り替える。具体的には、弁913を開状態とし、電磁弁73cを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖する。抽出容器9内が大気に解放される。その後、弁913を再び閉状態とする。
抽出容器9内が沸点圧よりも低い気圧に急激に減圧され、抽出容器9内のお湯が一気に沸騰する。抽出容器9内のお湯、挽き豆は、抽出容器9内で爆発的に飛散する。これにより、お湯を均一に沸騰させることができる。また、挽き豆の細胞壁の破壊を促進させることができ、その後のコーヒー液の抽出を更に促進させることができる。また、この沸騰により挽き豆とお湯を撹拌させることもできるため、コーヒー液の抽出を促進させることができる。こうして本実施形態ではコーヒー液の抽出効率を向上することができる。
S16では抽出容器9を正立姿勢から倒立姿勢へ反転する。ここでは、保持部材801を上昇位置に、保持部材811を降下位置にそれぞれ移動する。そして、支持ユニット81Bを回転させる。その後、保持部材801を降下位置に、保持部材811を上昇位置にそれぞれ戻す。倒立姿勢の抽出容器9は、ネック部90bや蓋ユニット91が下側に位置することになる。
S17では透過式のコーヒー液抽出を行い、カップCにコーヒー飲料を送出する。ここでは、切替弁10aを切り替えて注ぎ部10cと操作ユニット81Cの通路部810aとを連通させる。また、弁903、913をいずれも開状態とする。更に、電磁弁73bを所定時間(例えば10000ms)開放し、抽出容器9内を所定気圧(例えば1.7気圧(ゲージ圧で0.7気圧))にする。抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料が蓋ユニット91に設けたフィルタを透過してカップCに送出される。フィルタは挽き豆の残渣が漏出することを規制する。以上により抽出処理が終了する。
本実施形態では、S14での浸漬式の抽出とS17での透過式の抽出とを併用することによりコーヒー液の抽出効率を向上できる。抽出容器9が正立姿勢の状態では、挽き豆が胴部90eから底部90fに渡って堆積する。一方、抽出容器9が倒立姿勢の状態では、挽き豆が肩部90dからネック部90bに渡って堆積する。ネック部90bの断面積よりも胴部90eの断面積の方が大きく、倒立姿勢での挽き豆の堆積厚さは正立姿勢での堆積厚さよりも厚くなる。つまり、挽き豆は抽出容器9が正立姿勢の状態では相対的に薄く、広く堆積し、倒立姿勢の状態では相対的に厚く、狭く堆積する。
本実施形態の場合、S14の浸漬式抽出は抽出容器9が正立姿勢の状態で行われるので、お湯と挽き豆とを広範囲にわたって接触させることができ、コーヒー液の抽出効率を向上できる。但し、この場合はお湯と挽き豆とが部分的に接触する傾向にある。一方、S17の透過式抽出は抽出容器9が倒立姿勢の状態で行われるので、お湯がより多くの挽き豆と接触しながら堆積した挽き豆を通過することになる。お湯がより万遍なく挽き豆と接触することになり、コーヒー液の抽出効率を更に向上することができる。
図12(A)に戻り、S3の抽出処理の後は、S4の排出処理を行う。ここでは抽出容器9内の清掃に関する処理を行う。抽出容器9の清掃は、抽出容器9を倒立姿勢から正立姿勢に戻し、抽出容器9に水道水(浄水)を供給することで行う。そして、抽出容器9内を加圧し、抽出容器9内の水を挽き豆の残渣と共に廃棄タンクTへ排出する。
以上により一回のコーヒー飲料製造処理が終了する。以降、同様の処理が製造指示毎に繰り返される。一回のコーヒー飲料の製造に要する時間は、例えば、60~90秒程度である。
<7.装置構成についての小括>
上述のとおり、飲料製造装置1は、豆処理装置2および抽出装置3を製造部として備え、より詳細には、豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含み、抽出装置3は、流体供給ユニット7、駆動ユニット8、抽出容器9及び切替ユニット10を含む(図3、図4等参照)。粉砕装置5は、一杯分の焙煎コーヒー豆を貯留装置4から受け取り、グラインダ5A及び5Bにより二段階の豆挽きを行う。このとき、挽き豆からチャフ等の不要物が分離装置6により分離される。該挽き豆が抽出容器9に投入された後、流体供給ユニット7による抽出容器9への注湯、駆動ユニット8による抽出容器9の姿勢の反転、切替ユニット10による抽出容器9からカップCへの液体の送出等を経て、一杯分の飲料が提供される。
上記製造部の一部は、全体が透過部である透明カバーとして構成されたカバー部102により覆われており、ユーザ(例えば飲料製造装置1の管理者、飲料の需要者等)が飲料製造装置1外部から視認可能となっている。本実施形態においては、上記製造部のうち、貯留装置4の一部である複数のキャニスタ40が露出され、他の要素は実質的にハウジング100内に収容されているものとするが、他の実施形態として、製造部の全部がハウジング100内に収容されていてもよい。換言すると、カバー部102は、製造部の少なくとも一部を覆うように設けられればよい。
製造部の少なくとも一部がカバー部102により飲料製造装置1外部から視認可能に覆われていることで、例えば、ユーザが飲料製造装置1の管理者の場合には、該管理者は飲料の製造準備と共に装置の動作点検を行うことも可能な場合がある。ユーザが飲料の購入者の場合には、該購入者は飲料に対する期待感を高めながら該飲料の製造完了を待機可能な場合がある。例えば、抽出装置3の抽出容器9がカバー部102を介して飲料製造装置1外部から視認可能であり、飲料を製造する幾つかのプロセスのうちユーザにとって比較的関心度の高い抽出工程が観察可能である。駆動ユニット8は抽出容器9の姿勢を変化させる姿勢変化ユニットとして作用し、前述のとおり、抽出容器9は、製造部において上下反転が可能な可動部分となっている。よって、この抽出容器9の反転動作は、ユーザの興味を比較的惹きやすく、これをユーザにより観察可能とすることで、ユーザを楽しませることが可能な場合がある。
続いて、図2に示す飲料製造装置1の情報表示装置12に表示される画像について説明する。情報表示装置12は、上述のごとく、タッチパネル式のディスプレイであって、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の操作を受け付けることが可能であったが、動作画像も表示する。ここにいう動作画像とは、飲料製造装置1内の動作に応じた画像である。例えば、図4に示す豆処理装置2の動作に応じた動作画像や、抽出装置3の動作に応じた動作画像が一例としてあげられる。
図13は、図12に示す透過式抽出処理(ステップS17)の実行中に情報表示装置12に表示される表示画面を表す図である。
透過式抽出処理では、反転した抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料が蓋ユニット91に設けたフィルタを透過してカップCに送出される。
図13に示す情報表示装置12の表示画面には、図1に示す飲料製造装置1の模式図で構成されたアニメーション12AMが表示されている。このアニメーション12AMでは、図3に示すキャニスタ40の模式図40M、集合搬送部42の模式図42M、粉砕装置5の模式図5M、分離装置6の模式図6M、抽出容器9の模式図9M、および図4に示すカップCの模式図CMが表示されている。アニメーション12AMは、実際のコーヒー飲料の製造処理に合わせて、現在どの処理が行われているかがわかるように表示され、動作画像の一例に相当する。図13に示す表示画面では、反転した状態の抽出容器9の模式図9Mから、コーヒー飲料がカップCの模式図CMに送出されている様子が表示されており、抽出装置3の動作に応じた動作画像に相当する。また、表示画面の左側には、現在行われている処理を文字表示する文字表示領域12CAが設けられている。図13に示す表示画面では、その文字表示領域12CAに「透過式抽出実行中」の文字が表示されている。
次に、図1に示すPOSシステムPSにおける注文入力について説明する。汎用端末TDには、POSアプリケーションの一つである注文管理アプリケーションがインストールされている。
図14は、POSシステムPSの汎用端末TDのディスプレイ面に表示された、注文管理アプリケーションにおける注文入力画面の一例を示す図である。
この注文入力画面の左ウィンドゥLWは、商品アイコン表示ウィンドゥであり、右ウィンドゥRWは、注文内容表示ウィンドゥである。左ウィンドゥLWには、注文可能な飲食物名が値段とともにアイコンi1で表示されている。すなわち、ブレンドA~Eといった5種類のコーヒー飲料名のアイコンと、3種類の食べ物名のアイコンが表示されている。なお、アイコンi1には飲食物の写真も表示されているが図示省略している。タブレット端末である汎用端末TDは、ディスプレイ面が顧客に見えるように、また顧客による操作が可能なように店舗内のレジカウンタに設置されている。
左ウィンドゥLWに並んだ飲食物名のアイコンi1をタップすると、右ウィンドゥRWに、注文品名と単価と注文個数が横一列に並んで、注文順に上から順に表示される。なお、注文品名の左横に表示されたバツ印のアイコンi2をタップすれば、注文品のキャンセルができる。また、アイコンi1をタップすると、そのアイコンの色が変化する。図14に示す例では、マフィンのアイコンi1がタップされ、右ウィンドゥRWに注文内容が表示されている。
右ウィンドゥRWの下には、注文総点数の表示w1と、合計金額の表示w2がなされている。これらの表示w1、w2で注文内容を確認し、会計に進む場合は、その横に配置された会計ボタン2201をタップする。
なお、注文管理アプリケーションにおけるスタート画面では、左ウィンドゥLWの商品アイコン表示ウィンドゥのみが拡大表示され、右ウィンドゥRWの注文内容表示ウィンドゥや右ウィンドゥRWの下の表示等(w1,w2,2201)は非表示である。すなわち、注文管理アプリケーションにおけるスタート画面は、メニュー表示画面になる。
図14に示すブレンドA~Eといった5種類のコーヒー飲料名のアイコンi1うちいずれか一つのアイコンi1をタップすると、汎用端末TDのディスプレイ面は、コーヒー飲料に使用されているコーヒー豆の種類の特性等が表示されたメニュー詳細画面に切り替わる。
図15は、汎用端末TDのディスプレイ面に表示された、メニュー詳細画面の一例を示す図である。
フレーズ項目2304には、ユーザにより選択されたコーヒー飲料(ここでは「ブレンドA」)の特徴を表すフレーズが表示されている。また、特性列挙項目2305および味覚チャート2306には、ユーザにより選択されたコーヒー飲料に使用されているコーヒー豆の特性が表示される。特性列挙項目2305には、生産国、銘柄、精製方法、焙煎度、コーヒー抽出のプロファイル名が表示されているが、他の特性が表示されてもよい。また、味覚チャート2306は、香り、甘味、苦み、酸味、コクについておおよその目安を示すものであり、コーヒー豆の種類に応じて予め定められている。図15に示す味覚チャート2306では、上記の5つの味覚の指標が用いられているが、他の指標が用いられていてもよい。
コーヒー豆に応じた特性に関する情報は、汎用端末TDに記憶されていてもよいし、図1に示すサーバSに記憶されていてもよい。サーバSに記憶されている場合には、汎用端末TDは、サーバSからそれらの情報を通信ネットワークNを介して取得する。例えば、「ブレンドAに使用されているコーヒー豆」に対して、産地、焙煎度といった属性情報と、苦み/甘味/酸味等の特性情報が紐づけられ、「ブレンドAに使用されているコーヒー豆」に対して、コーヒー抽出のプロファイルも紐づけられて記憶されている。コーヒー抽出のプロファイルには、例えば、コーヒー豆の量、挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量、抽出圧力、抽出時間といったパラメータが含まれている。以下、予め記憶されているプロファイルのことを標準プロファイルと称する。
図15に示すメニュー詳細画面に表示されたオーダボタン2302は、標準プロファイルで抽出される「ブレンドA」のコーヒー飲料についての注文を指定するためのボタンである。このオーダボタン2302をタップすることにより、図14に示す注文入力画面における右ウィンドゥRWに注文内容が表示される。その下のバックボタン2303は、前の画面に戻るためのボタンであり、押下されると、図14に示す注文入力画面が再度表示される。一番上のプロファイルボタン2301は、現在選択されているコーヒー豆に対応づけられている標準プロファイルを表示させるためのボタンである。このプロファイルボタン2301が押下されると、汎用端末TDのディスプレイ面は、プロファイル詳細画面に切り替わる。
図16は、汎用端末TDのディスプレイ面に表示された、プロファイル詳細画面の一例を示す図である。
プロファイル詳細画面のデフォルト画面では、標準プロファイルの各パラメータの値が表示される。各パラメータのうち、調整不可能なパラメータについては、一番下に一列にパラメータの値が表示されている。ここでの調整不可能なパラメータは、コーヒー豆の量、挽き粒度、および抽出圧力であるが、調整可能としてもよい。
一方、図16に示すプロファイル詳細画面では、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量、抽出時間といったパラメータが調整可能なパラメータである。これら調整可能なパラメータについては、パラメータの値が、数字表示とともにスライドバー2401によっても表示されている。スライドバー2401は、取り得る値の最大値を右端にし、取り得る値の最小値を左端にし、値が増加すると右側に伸び、値が減少すると左側に縮むものであるため、変更可能な最大値に対して現在の値が何%程度であるかを知ることができる。標準プロファイルでは、蒸らし湯量は80mlであり、スライドバー2401の表示によって、調整可能な最大量の80%に相当することがわかる。また、標準プロファイルの蒸らし時間は14秒であり、抽出湯量は170mlであり、抽出時間は97秒である。各スライドバー2401の表示の右側にはプラスボタン2402が表示され、左側にはマイナスボタン2403が表示されている。プラスボタン2402をタップするとパラメータの値が増加し、マイナスボタン2403をタップするとパラメータの値が減少する。なお、プラスボタン2402およびマイナスボタン2403は、タップされると、ボタンの色が変化する。図16に示すプロファイル詳細画面では、蒸らし時間のパラメータのプラスボタン2402が1回タップされ、標準プロファイルの14秒の値から15秒に変更されている。
上部に表示されたバックボタン2404は、前の画面に戻るためのボタンであり、タップされると、図15に示すメニュー詳細画面が再度表示される。その横に表示されたオーダボタン2405は、現在表示されている値のパラメータで構成されたプロファイルで抽出される「ブレンドA」のコーヒー飲料についての注文を指定することができる。このオーダボタン2302をタップすることによっても、図14に示す注文入力画面における右ウィンドゥRWに注文内容が表示される。
図17は、図16に示すプロファイル詳細画面に表示されたオーダボタン2302をタップしたことによって汎用端末TDのディスプレイ面に表示された注文入力画面の一例を示す図である。
図17に示す注文入力画面の右ウィンドゥRWでは、先に表示されていたマフィンの注文内容の下に、ブレンドAの注文内容が表示されている。なお、ここに表示された「ブレンドA(SP)」のSPは、標準プロファイルに変更が加えられていることを表す表示である。標準プロファイルに変更が加えられておらず、標準プロファイルのままである場合には、(SP)の表示がなくなる。図15に示すメニュー詳細画面に表示されたオーダボタン2302をタップした場合には、(SP)の表示がない。
図17に示す右ウィンドゥRWの下には、注文総点数が2点であり、合計金額が1100円であることが表示されている。この状態で会計ボタン2201をタップすると、汎用端末TDのディスプレイ面は、会計画面に切り替わる。
図18は、汎用端末TDのディスプレイ面に表示された会計画面の一例を示す図である。
図18に示す会計画面では、支払金額表示w3が表示されている。また、その下には、席番号表示w4が設けられている。店舗の店員は空いている席の番号を、右下に用意されたテンキー表示w5を用いて入力する。あるいは、顧客自身が、テンキー表示w5を用いて席の番号を入力してもよい。なお、席番号に代えて注文受付番号が自動入力されるようにしてもよい。また、テンキー表示w5の横には、レシート発行ボタン2501と、アプリ連携ボタン2502と、送信ボタン2503が表示されている。
図19(a)は、図18に示すレシート発行ボタン2501がタップされた場合に図1に示すプリンタPRから出力されるレシートの一例を示す図である。
図19(a)に示すレシートREには、店舗名の下に会計情報が印字されている。また、その下には、図18に示す会計画面で入力した席番号が表示されている。この席番号は、顧客の識別番号になる。さらに、レシートREの下方には、二次元コードQR1がプリントされている。この二次元コードQR1は、図16に示すプロファイル詳細画面で変更されたパラメータの値を含む注文情報をコード化したものである。注文情報には、注文されたコーヒー飲料の種類と、注文個数、注文時刻、席番号、さらには、コーヒー抽出のプロファイルが含まれている。
顧客は、レシートREにプリントされた二次元コードQR1を、図2に示す飲料製造装置1の二次元コードリーダ15にかざす。二次元コードリーダ15は、その二次元コードQR1を読み取り、デコード処理を行い、得られた注文情報を、図11に示す情報表示装置12の制御部121に出力する。制御部121は、注文情報に応じた処理の実行を指示する指示信号を制御装置11に送信する。制御装置11は、指示信号に応じて、製造部18におけるアクチュエータ群14に制御信号を送信し、アクチュエータ群14の駆動を制御する。こうすることで、注文情報に対応するコーヒー飲料が飲料製造装置1で製造される。飲料製造装置1は、コーヒー飲料の製造を終えると、そのコーヒー飲料の注文情報に含まれていた席番号を情報表示装置12に表示する。飲料製造装置1は、連続して何杯もコーヒー飲料を製造している場合、いずれの注文情報に応じたコーヒー飲料が完成したのかを、席番号によって報知する。また、情報表示装置12には、現在製造している注文情報の全部が表示されるようにしてもよい。
なお、レシートREではなく注文シートに、注文情報をコード化した二次元コードをプリントしてもよい。この注文シートにプリントされている二次元コードを、顧客に代わって店員が、飲料製造装置1の二次元コードリーダ15にかざし、製造されたコーヒー飲料を顧客に提供するようにしてもよい。
図19(b)は、図18に示すアプリ連携ボタン2502がタップされた場合に図1に示すスマートフォンPHに出力される表示画面の一例を示す図である。
顧客は、図18に示すアプリ連携ボタン2502をタップする前に、自身のスマートフォンPHで、近距離無線通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)の規格)のペアリングモードをオンに設定しておく。アプリ連携ボタン2502をタップすると、汎用端末TDでもペアリングモードがオンになり、周辺でペアリングモードがオンになっている機器名が汎用端末TDのディスプレイ面に表示される。顧客は、このディスプレイ面で自身のスマートフォンPHを指定し、汎用端末TDとのペアリングを完了させる。汎用端末TDは、ペアリング先のスマートフォンPHに注文情報を送信する。顧客は、ペアリングが完了したスマートフォンPHで、この店舗の専用アプリケーションを起動させる。すると、スマートフォンPHに、図19(b)に示す表示画面が表示される。この表示画面では、ブレンドAのコーヒーが注文されたことが表示されている。また、SPの表示が付いていることで、コーヒー抽出のプロファイルにおけるパラメータの値を変更したことがわかる。表示画面には、SPの表示に対応して「あなただけの特別な1杯」といった特別感を表すフレーズも表示されている。また、顧客の識別番号になる席番号も表示されている。さらに、この表示画面の下半分には、二次元コードQR2がプリントされている。この二次元コードQR2も、図18(a)に示すレシートREにプリントされた二次元コードQR1と同じく、図16に示すプロファイル詳細画面で変更されたパラメータの値を含む注文情報をコード化したものである。
顧客が、スマートフォンPHに表示された二次元コードQR2を、図2に示す飲料製造装置1の二次元コードリーダ15にかざすと、レシートREにプリントされた二次元コードQR1のときと同じく、注文情報に対応するコーヒー飲料が飲料製造装置1で製造される。
また、図18に示す送信ボタン2503がタップされると、汎用端末TDは、注文情報を飲料製造装置1に無線LANを利用して出力する。すわわち、汎用端末TDは、注文情報をコード化することなく、注文情報そのものを電子データとして飲料製造装置1にI/F部から送信する。この場合は特に、完成したコーヒー飲料がいずれの注文情報に応じたコーヒー飲料であるかがわかりにくく、情報表示装置12に席番号を表示することで、この問題は解消される。
さらに、他の例について説明する。二次元コード等のコード表示には、豆種別(例えば豆番号)、レシピ種別(例えばレシピ番号)、注文種別が含まれている。豆番号はコーヒー抽出に使用する豆を示す番号である。例えば、1番はコスタリカ産コーヒー豆、2番はパナマ産コーヒー豆等、予め定められている。この豆番号についての情報は、飲料製造装置1には記憶されている。また、POSシステムPSの汎用端末TDや、メニュー選択画面が表示される注文入力アプリケーションがインストールされたスマートフォンPH等(以下、これらの端末をメニュー選択端末という)にも豆番号についての情報は記憶されている。レシピ種別は、コーヒー抽出の際の飲料製造装置1の動作を示す番号である。例えば、1番はコーヒー抽出の際の湯温を100℃、2番はコーヒー抽出の際の湯温を95℃とする等、予め定められている。このレシピ種別についての情報も、飲料製造装置1とメニュー選択端末の両方に記憶されている。注文種別は、注文(メニュー選択)の際の各種情報である。例えば、メニュー選択に用いたメニュー選択端末のID、注文時刻、注文者が店員なのか顧客なのかの識別子等である。IDや識別子は予め定められており、飲料製造装置1とメニュー選択端末の両方に記憶されている。
注文時の具体例の一例としては、顧客の注文(コーヒー豆はパナマ産コーヒー豆、レシピはコーヒー抽出の際の湯温を95℃とする)を2019年10月16日午前10時00分に聞いた店員が、識別子Aが付されたスマートフォンを使用してメニューを選択し、コード表示を表示させる。コード表示はレシートに表示するようにしてもよいし、スマートフォン等の表示画面に表示するようにしてもよい。当該コード表示を飲料製造装置が読み込んだ場合は、読み込んだ結果(豆番号1番、レシピ番号2番、注文種別「2019年10月16日午前10時00分に識別子Aが付されたスマートフォンを用いた店員による注文」)を用いて、当該飲料製造装置は、パナマ産コーヒー豆を使って、湯温を95℃でコーヒーの抽出動作を行う。なお、抽出動作が完了すると当該飲料製造装置の記憶部に抽出の履歴情報として、豆番号1番、レシピ番号2番、注文種別「2019年10月16日午前10時00分に識別子Aが付されたスマートフォンを用いた店員による注文」が蓄積される。当該履歴情報は、店員による操作によって情報表示装置12に表示され確認することが可能である。なお、コード表示を飲料製造装置が読み込んだ際に、飲料製造装置にセットされていない豆を用いてコーヒーを抽出することが指定された場合は、図2に示す豆投入口103から店員の手動操作により豆が投入され、投入された豆を用いてコーヒーが抽出される。
以上説明したように、図1に示す、複数台の飲料製造装置1、POSシステムPS、およびスマートフォンPH等の携帯端末は、注文飲料製造システムODSを構成する。
なお、コーヒー抽出のプロファイルは、パラメータの値が変更された場合に限って注文情報に含ませるようにしてもよい。図2に示す飲料製造装置1は、コーヒー豆ごとに、コーヒー抽出の標準プロファイルを、図11に示す情報表示装置12の制御部121に記憶している。したがって、制御部121は、注文されたコーヒー飲料の種類がわかれば、標準プロファイルを読み出すことができる。
また、注文情報は、コーヒー抽出のプロファイルに限ることなく、焙煎コーヒー豆のグラインドのプロファイルであってもよいし、コーヒー抽出のプロファイルと焙煎コーヒー豆のグラインドのプロファイルの両方のプロファイルであってもよい。あるいは、注文情報は、コーヒー飲料を製造するための各種の製造条件(レシピ)全て又はその一部であってもよい。
また、二次元コードに代えて、1次元コードであってもよい。通信ネットワークNが確立した現在であっても、コード表示は簡単であり確実でもある。
また、図1に示す店舗SHCはコーヒー飲料を主に販売する飲食店であったが、その他の飲料を主に販売する飲食店や、食べ物を主に販売する飲食店にも、以上説明した注文情報を扱う技術は適用可能である。すなわち、コーヒー飲料を製造する飲料製造装置1に代えて、コーヒー飲料以外の飲食物を製造する飲食物製造装置が設置された飲食店にも適用可能である。
以上の記載では、
『 飲料の注文を受け付ける受付部[例えば、図14に示す、汎用端末TDの、注文入力画面を表示したディスプレイ面]と、
前記受付部によって受け付けられた前記注文に対応する注文情報[例えば、注文されたコーヒー飲料の種類、注文個数、注文時刻、コーヒー抽出のプロファイル]を出力する出力部[例えば、汎用端末TDのI/F部、図1に示すプリンタPR]と、
前記出力部から出力された前記注文情報が入力された場合に、該注文情報に対応する飲料[例えば、コーヒー飲料]を製造する飲料製造装置[例えば、図2に示す飲料製造装置1]と、
を備えたことを特徴とする注文飲料製造システム[例えば、図1に示す注文飲料製造システムODS]。』
について説明した。
なお、前記注文情報は、飲料の種類を表す情報であってもよいし、さらに詳細な注文の場合には飲料のレシピを表す情報であってもよい。すなわち、前記注文情報は、飲料の種類を表す情報のみであってもよいし、飲料のレシピを表す情報のみであってもよいし、飲料の種類を表す情報と、飲料のレシピを表す情報を含んだ情報であってもよい。
また、前記注文情報の出力の態様は、目に見える態様(例えば、文字や二次元コード)であってもよいし、目に見えない態様(例えば、電子データ)であってもよい。
また、
『 前記出力部は、通信機能を有するレジ[例えば、POSシステムPS]に設けられ、前記注文情報[例えば、電子データの態様]を前記飲料製造装置に送信[例えば、送信ボタン2503がタップされたことにより無線LANを利用して送信]するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
なお、前記飲料製造装置は、前記レジから送信されてきた前記注文情報を受信し、受信した注文情報にしたがって飲料を製造するものであってもよい。
また、
『 前記出力部は、前記注文情報を注文者の表示端末[例えば、スマートフォンPH]に送信するものであり、
前記飲料製造装置は、前記注文情報を受信した前記表示端末に表示された前記注文情報[例えば、二次元コード]を読み取って[例えば、二次元コードリーダ15で読み取って]、該注文情報にしたがって飲料を製造するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
また、
『 前記出力部は、レシート発行機能[例えば、図1に示すプリンタPR]を有するレジ[例えば、POSシステムPS]に設けられ、発行するレシート[例えば、図19(a)に示すレシートRE]に前記注文情報を出力するものであり、
前記飲料製造装置は、前記レシートに出力された前記注文情報を読み取って、該注文情報にしたがって飲料を製造するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
また、
『 前記出力部は、コード化された前記注文情報[例えば、二次元コードあるいは一次元コード]を出力するものであり[例えば、プリンタPR]、
前記飲料製造装置は、コード化された前記注文情報を読み取り可能なコードリーダ部[例えば、二次元コードリーダ15]を有するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
また、
『 前記注文情報は、前記飲料製造装置が飲料を製造するために必要なパラメータの集まり[例えば、コーヒー抽出のプロファイル、焙煎コーヒー豆のグラインドのプロファイル、あるいはコーヒー飲料を製造するための各種の製造条件(レシピ)全て又はその一部]を含んだ情報である、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
また、
『 前記受付部は、飲料を製造するために必要な予め用意されたパラメータ[例えば、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量、および抽出時間]の値の変更を受け付け可能なものであり、
前記出力部は、変更された値を含む注文情報を出力するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
また、
『 前記注文情報は、注文者を識別する識別情報[例えば、席番号]が含まれた情報であり、
前記飲料製造装置は、前記識別情報を報知する報知部[例えば、情報表示装置12]を有するものである、
ことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
また、
『 前記受付部[例えば、汎用端末TDの、注文入力画面を表示したディスプレイ面]と前記出力部[例えば、汎用端末TDのI/F部、図1に示すプリンタPR]を有するPOSシステム[例えば、図1に示すPOSシステムPS]を備えたことを特徴とする注文飲料製造システム。』
についても説明した。
続いて、図1に示す注文受付状況表示装置ODおよびデジタルサイネージDSについて説明する。
図20は、注文受付状況表示装置ODの表示例を示す図である。
注文受付状況表示装置ODは、商品引渡しカウンタの近傍(例えば、上方)に設置されている。この注文受付状況表示装置ODは、比較的大型の液晶表示装置であって、図1に示すパーソナルコンピュータPCに接続されている。注文受付状況表示装置ODの表示画像は、パーソナルコンピュータPCにインストールされた注文受付状況管理ソフトウェアで生成された注文受付状況管理画像になる。この注文受付状況管理画像では、右上の隅に現在時刻が表示されている。また、商品を引き渡す準備がまだできていない顧客の席番号が、お待ち番号表示領域2601に表示される。さらに、商品を引き渡す準備ができた顧客の席番号は、お待ち番号表示領域2601から移動してお呼び出し中の番号表示領域2602に表示される。
飲料製造装置1における情報表示装置12の制御部121に新しい注文情報が入力されると、制御部121は、注文情報に応じた制御を開始するとともに、その注文情報に含まれている席番号をパーソナルコンピュータPCに送信する。注文受付状況管理ソフトウェアは、送信されてきた席番号をお待ち番号表示領域2601に追加表示する。
一方、商品を引き渡した顧客の席番号は、店員がパーソナルコンピュータPCを操作して消去する。あるいは、商品引渡しカウンタにも二次元コードリーダを設置しておき、以下のようにすることもできる。上記二次元コードリーダをパーソナルコンピュータPCに接続しておく。商品を受け取った顧客に、図19(a)を用いて説明したレシートREにプリントされた二次元コードQR1、あるいは同図(b)を用いて説明したスマートフォンPHに表示された二次元コードQR2を、上記二次元コードリーダにかざしてもらう。こうすることで、パーソナルコンピュータPCは、商品を受け取った顧客の席番号を取得することができ、注文受付状況管理ソフトウェアで商品を引き渡した顧客の席番号を自動で消去することができるようになる。
図21(a)は、デジタルサイネージDSの表示例を示す図である。
デジタルサイネージDSは、店舗内の様々な場所に設置可能である。例えば、レジカウンタの近傍や商品引渡しカウンタの近傍、あるいは客席が設けられたスペース、さらには、建物の入口付近等にも設置可能である。大きさも様々であるが、大きなデジタルサイネージDSの方が目立つ。デジタルサイネージDSは、液晶表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、プラズマディスプレイ、あるいはプロジェクタを含む他の表示デバイスであってもよく、図1に示すパーソナルコンピュータPCに接続されている。デジタルサイネージDSは、広告表示、イメージ表示、商品関連表示等、様々な表示を行う。例えば、広告表示としてお勧めの商品の広告を表示したり、イメージ表示として商品の産地の風景を表示したり、商品関連表示としてメニューを表示したりする。詳細については、後述するが、図21(a)に示すデジタルサイネージDSには、コーヒー豆の農園の風景が表示されている。
以上説明したように、図1に示す店舗SHCには、顧客が見ることが可能な表示部として、複数台(図1では2台)のデジタルサイネージDS、注文受付状況表示装置OD、複数台(図1では2台)の飲料製造装置1それぞれにおける情報表示装置12、およびPOSシステムPSにおける汎用端末TDのディスプレイ面が配置されている。
これらの表示部のうち、注文受付状況表示装置ODには、パーソナルコンピュータPCにインストールされた注文受付状況管理ソフトウェアで生成された表示画像が表示される(図20参照)。パーソナルコンピュータPCは店員の操作に応じて飲食店舗内で注文受付状況の管理動作を行う機器である。注文受付状況表示装置ODは、その管理動作に応じた図20に示す注文受付状況管理画像を表示する。すなわち、管理動作を実行中であることによって表示される画像を表示する。
飲料製造装置1は、店員又は顧客の操作に応じて飲食店舗内でコーヒー飲料の製造動作を行う機器である。その飲料製造装置1における情報表示装置12は、その製造動作に応じた図13に示す、現在どの製造処理が行われているかがを表すアニメーションを表示する。すなわち、製造動作を実行中であることを表す画像を表示する。
POSシステムPSは、顧客の操作に応じて飲食店舗内で飲食物の注文動作を行う機器である。そのPOSシステムPSにおける汎用端末TDのディスプレイ面は、その注文動作に応じた図14に示す注文入力画面を表示する。すなわち、注文動作を実行中であることを表す画像を表示する。また、POSシステムPSは、飲食物を製造するためのレシピ変更動作を顧客の操作に応じて行う機器でもある。そのPOSシステムPSにおける汎用端末TDのディスプレイ面は、そのレシピ変更動作に応じた図16に示すプロファイル詳細画面を表示する。すなわち、レシピ変更動作を実行中であることによって表示される画像を表示する。さらに、POSシステムPSは、顧客の操作に応じて飲食店舗内で会計動作を行う機器でもある。そのPOSシステムPSにおける汎用端末TDのディスプレイ面は、その会計動作に応じた図18に示す会計画面を表示する。すなわち、会計動作を実行中であることによって表示される画像を表示する。
このように、注文受付状況表示装置OD、飲料製造装置1における情報表示装置12、およびPOSシステムPSにおける汎用端末TDのディスプレイ面は、それぞれ独自の表示を行うが、独自の表示の他に、店舗として統一した表示も行う場合がある。
図22は、店舗内の複数の表示部に表示される画像のリストを示す図である。
図22は、2台のデジタルサイネージDS(デジタルサイネージAとデジタルサイネージB)、注文受付状況表示装置OD、2台の飲料製造装置1(飲料製造装置Aと飲料製造装置B)それぞれの表示部(情報表示装置12)、およびPOSシステムPSの表示部(汎用端末TDのディスプレイ面)に表示させる画像のリストである。このリストでは、店舗として統一して表示する画像として、農園動画、バリスタ動画、製造工程動画、歴史動画、商品静止画、店舗静止画、およびマシン静止画が設定されている。これらの統一表示は、上記独自の表示と無関係な表示である。
農園動画は、この店舗で提供するコーヒー飲料のコーヒー豆が収穫された、コーヒー豆の農園の風景動画である。図21(a)に示すデジタルサイネージDSは、図22に示すデジタルサイネージAであり、そのデジタルサイネージDSには、農園動画α1が表示されている。
図21(b)は、注文受付状況表示装置OD、図22に示す飲料製造装置Aである飲料製造装置1の情報表示装置12、およびPOSシステムPSの汎用端末TDそれぞれにおける表示例を示す図である。この図21(b)における表示例は、図22に示すリストNo.1の表示例である。
図21(b)に示す注文受付状況表示装置ODには、農園動画α2が表示されている。農園動画α2は、農園動画α1と同じシーンの動画であるが、農園動画α1よりも明度が高い動画である。図21(b)に示す注文受付状況表示装置ODには、独自の表示である注文受付状況管理画像が表示されており、この画像を見やすくするために、明度が高い農園動画α2が表示されている。農園動画α2は、農園動画α1に関連した画像である。
一方、図21(b)に示す、飲料製造装置1の情報表示装置12およびPOSシステムPSの汎用端末TDには、独自の表示は表示されておらず、農園動画α1が表示されている。ただし、厳密には、情報表示装置12や汎用端末TDと、デジタルサイネージDSとでは表示サイズが異なることから、情報表示装置12や汎用端末TDには、農園動画α1のシーンと同じシーンの動画が表示されているということができる。このように、農園動画α1と表示サイズのみが異なる動画のことを農園動画α1に関連した動画と言うこともできる(以下においても同じ)。なお、飲料製造装置1の情報表示装置12およびPOSシステムPSの汎用端末TDにも、農園動画α1ではなく農園動画α2が表示されてもよい。
また、飲料製造装置1の情報表示装置12およびPOSシステムPSの汎用端末TDでは、独自の表示を行う必要が生じた場合には、統一表示(ここでは農園動画α1)の表示を途中でキャンセルし、独自の表示に切り替えてもよい(以下においても同じ)。あるいは反対に、独自の表示を行う必要が生じた場合であっても、統一表示の表示を途中でキャンセルせずに最後まで表示し続けてもよい。この場合には、統一表示を背景表示とし、独自の表示を統一表示にオーバーラップさせて表示させてもよい(以下においても同じ)。
バリスタ動画は、有名バリスタがコーヒーについて語る動画である。図22に示すリストNo.2によれば、デジタルサイネージAには、或るコンテストで金メダルを受賞したバリスタがコーヒーについて語るバリスタ動画β1が表示され、デジタルサイネージBには、同じコンテストで銀メダルを受賞したバリスタがコーヒーについて語るバリスタ動画β2が表示される。また、飲料製造装置Aの情報表示装置12にはバリスタ動画β1が表示され、飲料製造装置Bの情報表示装置12にはバリスタ動画β2が表示される。デジタルサイネージAに表示されたバリスタ動画と、飲料製造装置Aの情報表示装置12には表示されたバリスタ動画は、同じバリスタ動画β1ではあるが、両者の間で表示タイミングが異なっており、異なるシーンがそれぞれ表示されている。例えば、デジタルサイネージAに表示されたバリスタ動画β1では、金メダルを受賞したバリスタがコーヒーとの出会いについて語っているシーンが表示され、飲料製造装置Aの情報表示装置12には、同じバリスタがコーヒー豆のグラインド処理について語っているシーンが表示されている。デジタルサイネージBに表示されたバリスタ動画と、飲料製造装置Bの情報表示装置12には表示されたバリスタ動画も、同じバリスタ動画β2ではあるが、両者の間で表示タイミングが異なっており、異なるシーンがそれぞれ表示されている。例えば、飲料製造装置Bの情報表示装置12に表示されたバリスタ動画β2の方が先行する表示になっている。このように、デジタルサイネージと、飲料製造装置の情報表示装置との間では、同じ動画における異なるシーンが表示されていることで、厳密には、デジタルサイネージと、飲料製造装置の情報表示装置との間で、互いに関連した画像が表示されているということになる。さらに、POSシステムPSの汎用端末TDには、同じコンテストで銅メダルを受賞したバリスタがコーヒーについて語るバリスタ動画β3が表示される。バリスタ動画β1~バリスタ動画β3は、バリスタがコーヒーについて語るということで関連しているばかりか、同じ大会の受賞者ということでも関連している。なお、注文受付状況表示装置ODには、パリスタ動画は表示されず、注文受付状況管理画像が表示される。
製造工程動画は、図12に示すコーヒー飲料を製造する工程を説明した動画である。図22に示すリストNo.3によれば、デジタルサイネージAには、全画面表示の製造工程動画γ1が表示され、デジタルサイネージBには、上記農園動画α1が表示される。また、注文受付状況管理画像が表示されている注文受付状況表示装置ODには、注文受付状況管理画像が表示されていない右端の領域のみに、縮小表示の製造工程動画γ1が表示される。デジタルサイネージAに表示された製造工程動画γ1は全画面表示であったのに対し、注文受付状況表示装置ODに表示された製造工程動画γ1は縮小表示であるため、ここでも厳密には、注文受付状況表示装置ODに表示された製造工程動画は、デジタルサイネージAに表示された製造工程動画γ1に関連した動画と言うこともできる。飲料製造装置Aの情報表示装置12には、農園動画α3が表示される。農園動画α1が、コーヒー農園を地上から撮影した動画であるのに対し、農園動画α3は、同じコーヒー農園を上空から撮影した動画であり、農園動画α1に関連した動画である。また、飲料製造装置Bの情報表示装置12には、上記バリスタ動画β1が表示される。バリスタ動画β1は、製造工程動画γ1に関連した動画ではなく、農園動画α1に関連した動画でもない。POSシステムPSの汎用端末TDには全画面表示の製造工程動画γ2が表示される。製造工程動画γ1が、実写版の動画であるのに対し、製造工程動画γ2は、アニメーション版の動画であるが、両動画は図12に示すコーヒー飲料を製造する工程を説明した点で共通し、関連した動画である。
歴史動画は、コーヒー飲料の歴史を紹介する動画である。図22に示すリストNo.4によれば、デジタルサイネージAとデジタルサイネージBには、歴史動画ε1が表示される。一方、飲料製造装置Aの情報表示装置12には歴史動画ε1が表示されるが、飲料製造装置Bの情報表示装置12には歴史動画ε2が表示される。歴史動画ε2は、歴史動画ε1の続編の動画であり、歴史動画ε1に関連する動画である。また、注文受付状況表示装置ODとPOSシステムPSの汎用端末TDには、歴史動画は表示されない。注文受付状況表示装置ODでは、注文受付状況管理画像が表示される。また、POSシステムPSの汎用端末TDでは、図14~図18に示す各種画面等が表示されるか、デフォルトの表示(例えば、店舗のロゴ表示、あるいはメニュー一覧表示等)が表示される。
商品静止画は、この店舗で販売している商品を紹介する静止画である。図22に示すリストNo.5によれば、デジタルサイネージAとデジタルサイネージBには、商品静止画A1が所定時間表示される。また、その他の表示部にも、商品静止画A1が所定時間表示される。
なお、注文受付状況表示装置ODでは注文受付状況管理画像の表示を中止する。例えば、注文が一つも入っていない状態が一例としてあげられる。あるいは、注文受付状況管理画像は表示されているが、番号が一つも表示されていない状態が他の例としてあげられる。そして、注文が入った場合には、統一表示(ここでは商品静止画A1)の表示をキャンセルし、注文受付状況管理画像の表示に切り替えてもよい。あるいは反対に、注文が入った場合であっても、統一表示(ここでは商品静止画A1)の表示を途中でキャンセルせずに所定時間が経過するまで表示し続けてもよい。この場合には、農園動画と同じように、明度が高い商品静止画A2に切り替え、商品静止画A2を背景表示とし、図20に示す注文受付状況管理画像の全部を商品静止画A2にオーバーラップさせて表示させてもよいし、図20に示す注文受付状況管理画像の一部(例えば、お呼び出し中の番号表示領域2602における表示のみ)を商品静止画A2にオーバーラップさせて表示させてもよい。以下の例においても、注文受付状況表示装置ODに統一表示を表示する場合には、ここで説明した例や態様が適用可能である。また、注文受付状況表示装置ODでは、注文受付状況管理画像が表示されていない場合に限って、商品静止画A1が表示されるようにしてもよい。
店舗静止画は、この店舗とチェーン店の関係にある他の店舗を紹介する静止画である。図22に示すリストNo.6によれば、全ての表示部に、異なる店舗を紹介した店舗静止画が所定時間表示される。すなわち、店舗静止画B1~店舗静止画B6それぞれが表示される。店舗静止画B1~店舗静止画B6は、チェーン店の関係にある店舗を紹介する動画ということで、互いに関連した動画である。なお、注文受付状況表示装置ODでは、注文受付状況管理画像が表示されていない場合に限って、店舗静止画B3が表示されるようにしてもよい。
マシン静止画は、飲料製造装置を紹介する静止画である。図22に示すリストNo.7によれば、飲料製造装置Aと飲料製造装置Bそれぞれの情報表示装置12を除いた他の表示部に、マシン静止画C1が表示される。飲料製造装置Aと飲料製造装置Bそれぞれの情報表示装置12には、製造動作に応じた図13に示すアニメーション等が表示されるか、デフォルトの表示(例えば、店舗のロゴ表示等)が表示される。
図22に示す各リストは、図1に示すサーバSに記憶されている。また、農園動画、バリスタ動画、製造工程動画、歴史動画、商品静止画、店舗静止画、およびマシン静止画の各画像データもサーバSに記憶されている。サーバSは、表示タイミングになると、通信ネットワークNを経由して、飲料製造装置A、飲料製造装置B、パーソナルコンピュータPC、およびPOSシステムPSそれぞれに、図22に示すリストに応じた統一表示の画像データを送信する。なお、飲料製造装置A、飲料製造装置B、パーソナルコンピュータPC、およびPOSシステムPSそれぞれが、各画像データを予め記憶しておき、サーバSからは、図22に示すリストに基づき、表示開始の指示が送信されてくる態様であってもよい。また、サーバSに代えて、店舗内に配置された、パーソナルコンピュータPCあるいはPOSシステムPSに、図22に示すリスト及び各画像データを記憶させておき、パーソナルコンピュータPCあるいはPOSシステムPSが統一表示の制御を行うようにしてもよい。
以上説明したように、図1に示す店舗SHCには、複数台の飲料製造装置1、POSシステムPS、パーソナルコンピュータPC、注文受付状況表示装置OD、および複数のデジタルサイネージDSを備えた店舗表示システムSDS1が構築されている。この店舗表示システムSDS1によって、例えば、図21に示すように、店舗SHCでは、より斬新な表示を行うことができる。
次に、居酒屋の店舗について説明する。
図23は、居酒屋の店舗における各種装置を示す図である。以下の説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。また、これまで説明したことと重複する説明は省略する場合がある。
この店舗SHBには、複数台のセルフオーダ端末SO、パーソナルコンピュータPC、複数台のデジタルサイネージDS、およびPOSシステムPSが配置されている。
パーソナルコンピュータPCおよびPOSシステムPSは、サーバSと通信ネットワークNを介して接続されている。ここでの通信ネットワークNは、インターネットであるが、TCP/IPプロトコルによって構築されたネットワークであればよく、例えば、LANであってもよい。複数台のセルフオーダ端末SO、パーソナルコンピュータPC、およびPOSシステムPSは、店舗内において無線LANで接続されている。なお、ここにいう店舗内とは、屋内という意味ではなく、店舗の敷地面積内という意味である。デジタルサイネージDSは、屋外に設置される場合もある。
複数台のデジタルサイネージDSは、パーソナルコンピュータPCに接続されている。
POSシステムPSは、汎用端末TDと、キャッシュドロワーCDと、プリンタPRを備えたシステムであって、図1を用いて説明したPOSシステムと同じであるため、詳しい説明は省略する。
続いて、セルフオーダ端末SOについて詳述する。セルフオーダ端末SOは、客席の各テーブルの上に設置されたものである。顧客は、このセルフオーダ端末SOを見ながら注文内容を決め、注文をセルフオーダ端末SOから行う。
図24は、セルフオーダ端末SOを示す図である。
図24に示すセルフオーダ端末SOは、処理部、記憶部、及びI/F(インタフェース)部を備えたタブレット端末である。図24に示すセルフオーダ端末SOのディスプレイ面には、注文入力画面が表示されている。この注文入力画面の上部には、メニュー選択バーmbが表示されている。図24では、「本日のおすすめ」がタップされ、左ウィンドゥLWに、「本日のおすすめ」のメニューの一部が表示されている。この左ウィンドゥLWでは、注文可能な飲食物名が値段とともにアイコンi1で表示されている。なお、アイコンi1には飲食物の写真も表示されているが図示省略している。左ウィンドゥLWに並んだ飲食物名のアイコンi1をタップすると、右ウィンドゥRWに、タップしたアイコンi1の飲食物名が上から順に追加表示されていく。また、プラスアイコンとマイナスアイコンをタップすることで、注文個数を変更することができる。図24に示す右ウィンドゥRWには、3つの飲食物が表示され、このうち「コーチン串焼き」の注文個数は「2」になっている。この右ウィンドゥRWは、注文内容を表示するウィンドゥである。
また、左ウィンドゥLWの下部には、TOP画面(例えば、メニュー表示画面)へ戻るTOPボタン2701、注文履歴を表示させる注文履歴確認ボタン2702、および店員呼び出しボタン2703が設けられている。右ウィンドゥRWの下部には、キャンセルボタン2704と注文ボタン2705が設けられている。右ウィンドゥRWに表示された飲食物名をタップしてからキャンセルボタン2704をタップすると、その飲食物名の表示が右ウィンドゥRWから消去され、その飲食物の注文が削除される。注文ボタン2705をタップすると、右ウィンドゥRWに表示されていた注文内容が、図23に示すPOSシステムPSに送信される。POSシステムPSは、厨房に設置された不図示のオーダ出力器にも無線LANで接続されており、セルフオーダ端末SOから送信されてきた注文内容は、オーダ出力器に転送される。なお、セルフオーダ端末SOからの注文内容が、POSシステムPSではなく、パーソナルコンピュータPCに送信され、パーソナルコンピュータPCから不図示のオーダ出力器に転送される構成であってもよい。
図25は、図24に示すセルフオーダ端末SOの注文ボタン2705をタップしたことによって表示された注文完了画面を示す図である。
注文ボタン2705をタップすることで注文が完了し、セルフオーダ端末SOには、図25に示す注文完了画面が表示される。
以上説明したセルフオーダ端末SOは、顧客の操作に応じて飲食店舗内の客席で飲食物の注文動作(以下、客席注文動作と称する場合がある)を行う機器である。そのセルフオーダ端末SOのディスプレイ面は、その客席注文動作に応じた図24に示す注文入力画面及び図25に示す注文完了画面を表示する。すなわち、セルフオーダ端末SOは、客席注文動作を実行中であることを表す画像(注文入力画面)を表示したり、客席注文動作が完了したことを表す画像(注文完了画面)を表示する。
図23に示す居酒屋の店舗SHBでは、デジタルサイネージAに、キャンペーンについての広告動画が表示され、デジタルサイネージBにも、同じ広告動画が表示される。また、複数あるセルフオーダ端末SOのうち、TOP画面が表示されているセルフオーダ端末SOのディスプレイ面には、同じキャンペーンについての広告静止画が表示される。広告動画は、広告静止画と広告対象が共通であることから、広告動画に関連した画像である。なお、図24に示す注文入力画面等、TOP画面以外の画面が表示されているセルフオーダ端末SOのディスプレイ面には、広告動画も広告静止画も表示されず、表示されていた画面(例えば、図24に示す注文入力画面や図25に示す注文完了画面等)が継続して表示される。また、図23に示すPOSシステムPSの汎用端末TDにも、広告動画も広告静止画も表示されず、表示されていた画面が継続して表示される。
以上説明したように、図23に示す居酒屋の店舗SHBにも、複数台のセルフオーダ端末SO、POSシステムPS、パーソナルコンピュータPC、および複数のデジタルサイネージDSを備えた店舗表示システムSDS2が構築されている。この店舗表示システムSDS2によって、店舗SHBでも、より斬新な表示を行うことができる。
なお、飲食店には、処理部と表示部とを備えた、食券を販売する券売機が設置されていることもある。この券売機では、顧客の、飲食物を選択する操作に応じた応答動作を処理部で行い、表示部には、応答動作に応じた選択画面等の動作画像が表示される。例えば、表示部には、ご飯の注文を選択した場合にはご飯の量をさらに選択させる画面が表示されたり、追加の注文がないかを確認する画面が表示される。このような券売機の表示部にも、デジタルサイネージに上記広告動画が表示されることに合わせて上記広告静止画が表示されるようにしてもよい。また、表示部に上記動作画像が表示されていない場合に限って、その表示部に短時間版の広告画像を表示するようにしてもよい。短時間版の広告画像は、デジタルサイネージに表示された上記広告動画を編集し、いくつかのシーンをカットすることなどによりその広告動画よりも短い再生時間にまとめたものである。したがって、短時間版の広告動画も、デジタルサイネージに表示された上記広告動画と広告対象を共通にし、両者には同じシーンが含まれていることから、両者は互いにに関連した画像であることになる。
また、図1に示す店舗SHCも図23に示す店舗SHBも飲食店であったが、統一表示を行う技術は、飲食店以外の店舗にも適用可能である。例えば、POSシステムPSとデジタルサイネージDSが設置された店舗であれば適用可能である。一例としては、食料品販売店や、衣料品販売店や、薬局等にも広く適用可能である。
続いて、店舗における各種装置の配置位置を含めた例について改めて説明する。
図26は、コーヒー飲料を販売する店舗における各種装置の配置例を示す図である。
図26に示す例では、複数台のデジタルサイネージDSが同じ高さ位置に設置されている。また、図26に示す例では、2台のデジタルサイネージDSが、隣り合わせに設置されているが、離れた位置に設置されていてもよい。以下、左側に設置されたデジタルサイネージDSのことをデジタルサイネージAと称し、右側に設置されたデジタルサイネージDSのことをデジタルサイネージBと称する。
複数台のデジタルサイネージDSのうち、最も右側に設置されたデジタルサイネージDS(デジタルサイネージB)の右側には、複数台のPOSシステムPSが配置されている。図26に示す例では、デジタルサイネージBのすぐ右横に、2台のPOSシステムPSが隣り合わせに配置されているが、離れた位置に配置されていてもよい。なお、POSシステムPSは移動可能である。以下、左側に配置されたPOSシステムPSのうちの汎用端末TDのことをPOS端末Aと称し、右側に配置されたPOSシステムPSのうちの汎用端末TDのことをPOS端末Bと称する。
複数台のPOSシステムPSのうち、最も右側に配置されたPOSシステムPSの右側には、複数台の飲料製造装置1が配置されている。図26に示す例では、最も右側に配置されたPOSシステムPSのすぐ右横に、2台の飲料製造装置1が隣り合わせに配置されているが、離れた位置に配置されていてもよい。以下、左側に配置された飲料製造装置1を飲料製造装置Aと称し、その情報表示装置12を単に表示部と称する。また、右側に配置された飲料製造装置1を飲料製造装置Bと称し、その情報表示装置12も単に表示部と称する。
図26に示す例における店舗では、デジタルサイネージA、デジタルサイネージB、POS端末A、POS端末B、飲料製造装置A、および飲料製造装置Bの左右方向の並びは、図26に示す並びに設定されている。また、デジタルサイネージAとデジタルサイネージBは同じ高さ位置に揃えられており、デジタルサイネージAの上端(点線hp1参照)と下端(点線hp2)の間に、POS端末Aの表示部、POS端末Bの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部は配置されている。なお、デジタルサイネージAとデジタルサイネージBを異なる高さ位置に設置し、高い位置に設置されたデジタルサイネージの上端と、低い位置に設置されたデジタルサイネージの下端の間に、POS端末Aの表示部、POS端末Bの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部を配置するようにしてもよい。さらに、図26に示す例における店舗では、デジタルサイネージA、デジタルサイネージB、POS端末A、POS端末B、飲料製造装置A、および飲料製造装置Bは、一度に見ることができる範囲に収められていることが好ましい。ここにいう一度に見ることができる範囲とは、一方向を見た場合に視界に入る範囲の他、ぐるりと見渡した場合に視界に入る範囲であってもよい。
なお、図26に示す例では、デジタルサイネージDSにしても、POSシステムPS(汎用端末TD)にしても、飲料製造装置1(情報表示装置12)にしても2台ずつ配置されているが、1台のみであってもよいし、3台以上であってもよく、各装置間で配置台数が異なっていてもよい。例えば、デジタルサイネージDSが4台、POSシステムPS(汎用端末TD)が1台、飲料製造装置1(情報表示装置12)が3台であってもよい。
図27は、図26に示す、デジタルサイネージA、デジタルサイネージB、POS端末Aの表示部、POS端末Bの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部それぞれに跨がって表示される画像の一例を示す図である。
図27に示された1枚の画像Im1は、収穫前のコーヒー豆の画像である。この1枚の画像Im1は、縦方向に4分割、横方向に6分割され、合計24分割されている。各分割画像には、かっこ書きで数字が記されているが、このかっこ書きの数字は、画像Im1に含まれているものではなく、説明のために付した符号である。
図27に示した1枚の画像Im1の画像データは図1に示すサーバSに記憶されている。また、サーバSには、図26に示す、デジタルサイネージA、デジタルサイネージB、POS端末Aの表示部、POS端末Bの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部といった6つの表示手段に、いずれの分割画像の表示を担当させるかを示す情報も記憶されている。図26に示す6つの表示手段は、図27に示した1枚の画像Im1を、上から1列ずつ順番に表示していく。すなわち、デジタルサイネージAでは、画像Im1のうち、(1)、(7)、(13)、および(19)の分割画像の表示を担当し、デジタルサイネージBでは、画像Im1のうち、(2)、(8)、(14)、および(20)の分割画像の表示を担当する。POS端末Aの表示部では、画像Im1のうち、(3)、(9)、(15)、および(21)の分割画像の表示を担当し、POS端末Bの表示部では、画像Im1のうち、(4)、(10)、(16)、および(22)の分割画像の表示を担当する。飲料製造装置Aの表示部では、画像Im1のうち、(5)、(11)、(17)、および(23)の分割画像の表示を担当し、飲料製造装置Bの表示部では、画像Im1のうち、(6)、(12)、(18)、および(24)の分割画像の表示を担当する。デジタルサイネージAおよびデジタルサイネージBは、図1に示すパーソナルコンピュータPCによって表示の制御が行われる。サーバSは、表示切り替えのタイミングになると、通信ネットワークNを経由して、パーソナルコンピュータPC、POSシステムPS、飲料製造装置A、および飲料製造装置Bそれぞれに、新たな分割画像の画像データを送信する。なお、サーバSは、パーソナルコンピュータPC、POSシステムPS、飲料製造装置A、および飲料製造装置Bそれぞれに、分割画像の画像データを一括送信しておき、表示の切り替えタイミングであることを指示する切替信号を送信する態様であってもよいし、パーソナルコンピュータPC、POSシステムPS、飲料製造装置A、および飲料製造装置Bそれぞれに、分割画像の画像データが予め保存されていて、サーバSからの切替信号を受信する態様であってもよい(以下においても同じ)。あるいは、上述したサーバSの機能を、パーソナルコンピュータPCあるいはPOSシステムPSが担ってもよい(以下においても同じ)。
図28は、図26に示す位置関係にある6つの表示手段が、図27に示す1枚の画像Im1を表示する例を示す図である。
この図28では、各表示手段の表示画面の大きさの違いは無視し、全て同じ大きさで示している。一番左端には、デジタルサイネージAの表示画面が示され、その右横には、デジタルサイネージBの表示画面が示されている。デジタルサイネージBの表示画面の右横には、POS端末Aの表示部が示され、その右横には、POS端末Bの表示部が示されている。さらに、POS端末Bの表示部の右横には、飲料製造装置Aの表示部が示され、一番右端には、飲料製造装置Bの表示部が示されている。
図28の一番上の横一列では、デジタルサイネージAに図27に示す分割画像(1)が表示され、デジタルサイネージBに図27に示す分割画像(2)が表示され、POS端末Aの表示部に図27に示す分割画像(3)が表示され、POS端末Bの表示部に図27に示す分割画像(4)が表示されていることが示されている。そして、本来であれば、飲料製造装置Aの表示部に図27に示す分割画像(5)が表示され、飲料製造装置Bの表示部に図27に示す分割画像(6)が表示されるはずであるが、飲料製造装置Aでは、図12に示すステップS11の蒸らし用注湯の処理を実行中であり、その表示部には、蒸らし用注湯の処理を実行中であることを表す動作画像が表示されている。図28では、この動作画像として「蒸し中」の文字が表示されているが、実際には、文字表示の他に、蒸し中であることを表すアニメーションも表示される(以下においても同じ)。また、飲料製造装置Bでは、図12に示すステップS14の浸漬式抽出の処理を実行中であり、その表示部には、浸漬式抽出の処理を実行中であることを表す動作画像が表示されている。図28では、この動作画像として「抽出中」の文字が表示されているが、実際には、図13に示すように、文字表示領域12CAに「透過式抽出実行中」という文字が表示されるとともに、浸漬式抽出中であることを表すアニメーション12AMも表示される(以下においても同じ)。このように、飲料製造装置が飲料を製造している状態(非待機状態)であると、動作画像の表示が優先され、分割画像は表示されない。図28の一番上の横一列では、図27に示す分割画像(5)及び(6)が表示されていない。ただし、動作画像のジャマにならない一部領域で分割画像を小さなワイプ表示によって表示してもよいし、動作画像の背景画像として分割画像を表示してもよい。
図28の上から二番目の横一列では、デジタルサイネージAに図27に示す分割画像(7)が表示され、デジタルサイネージBに図27に示す分割画像(8)が表示され、POS端末Aの表示部に図27に示す分割画像(9)が表示されている。一方、POS端末Bの表示部には、図14を用いて説明した注文管理アプリケーションにおけるスタート画面である、左ウィンドゥLWの商品アイコン表示ウィンドゥが拡大表示されたメニュー表示画面が表示されている。このように、POS端末が、POSシステムに関する動作を行っている状態(非待機状態)であっても、動作画像の表示が優先され、分割画像は表示されない。ただし、動作画像のジャマにならない一部領域で分割画像を小さなワイプ表示によって表示してもよいし、動作画像の背景画像として分割画像を表示してもよい。また、飲料製造装置Aでは、蒸らし用注湯の処理の後、浸漬式抽出の処理が実行されており、その表示部には、動作画像として「抽出中」の文字が表示されている。飲料製造装置Bでは、浸漬式抽出の処理が終了し、その表示部には、図27に示す分割画像(12)が表示されている。以上説明したように、図28の上から二番目の横一列では、図27に示す分割画像(10)及び(11)が表示されていない。
図28の上から三番目の横一列では、デジタルサイネージAに図27に示す分割画像(13)が表示され、デジタルサイネージBに図27に示す分割画像(14)が表示されている。これまで待機状態であったPOS端末Aは非待機状態に移行し、その表示部には、メニュー表示画面が表示されている。一方、非待機状態であったPOS端末Bは待機状態に移行し、その表示部には、図27に示す分割画像(16)が表示されている。また、非待機状態であった飲料製造装置Aは待機状態に移行し、その表示部には、図27に示す分割画像(17)が表示されている。一方、待機状態であった飲料製造装置Bは非待機状態に移行し、その表示部には、エラーが生じたことを報知するエラー表示中の表示が表示されている。飲料製造装置1は、製造動作を終えた後に、図7に示す蓋ユニット91にセットされた濾過用のフィルタの目詰まりエラーを報知する場合がある。また、何ら製造動作を行っていない場合であっても、例えば、カバー部102が開けられてから所定時間を経過すると、「カバー部が開いたままの状態になっています。カバー部を閉めてください。」といったエラー表示が表示される。エラー表示が表示されている状態は、非待機状態とする。なお、エラー表示は製造動作を行っている途中でも表示される。例えば、豆なしエラーや、蓋ユニット91のロックエラー等は製造動作を行っている途中に表示される。以上説明したように、図28の上から三番目の横一列では、図27に示す分割画像(15)及び(18)が表示されていない。
図28の一番下の横一列では、デジタルサイネージAに図27に示す分割画像(19)が表示され、デジタルサイネージBに図27に示す分割画像(20)が表示されている。また、POS端末Aの表示部に図27に示す分割画像(21)が表示され、POS端末Bの表示部に図27に示す分割画像(22)が表示されている。さらに、飲料製造装置Aの表示部に図27に示す分割画像(23)が表示され、飲料製造装置Bの表示部に図27に示す分割画像(24)が表示されている。すなわち、図28の一番下の横一列では、全ての表示手段に分割画像が表示されている。
なお、デジタルサイネージDSは、待機状態と非待機状態といった状態の違いで区別はしていないが、図20に示す注文受付状況表示装置ODのように注文受付状況管理画像といった専用の表示画面や、予め決められている優先表示画面(例えば、店のロゴ表示画面や、お勧めの商品の広告表示画面等)が用意されている場合には、それらの表示画面が表示されている状態を非待機状態とし、それらの表示画面をデジタルサイネージDSに優先して表示するようにしてもよい。この場合には、それらの表示画面以外の表示画面を表示している状態を待機状態とし、デジタルサイネージDSに分割画像が表示される(以下においても同じ)。
図29は、コーヒー飲料を販売する、図26に示す店舗とは異なる店舗における各種装置の配置例を示す図である。以下の説明では、図26~図28を用いて説明した事項と異なる点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図29に示す例では、左側から順に、1台のデジタルサイネージDSと、1台のPOSシステムPSと、2台の飲料製造装置1が配置されている。図29に示す1台のデジタルサイネージDSを、以下、デジタルサイネージAと称する。また、図29に示す1台のPOSシステムPSのうちの汎用端末TDのことをPOS端末Aと称する。さらに、図29に示す2台の飲料製造装置1のうち、左側に配置された飲料製造装置1を飲料製造装置Aと称し、その情報表示装置12を単に表示部と称する。また、右側に配置された飲料製造装置1を飲料製造装置Bと称し、その情報表示装置12も単に表示部と称する。
図29に示す例では、デジタルサイネージAの上端(点線hp1参照)と下端(点線hp2)の間から外れた位置に、POS端末Aの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部は配置されている。すなわち、デジタルサイネージAよりも下方に、POS端末Aの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部は配置されている。また、POS端末Aの表示部の高さ位置と、飲料製造装置Aの表示部の高さ位置と、飲料製造装置Bの表示部の高さ位置は、それぞれ異なっている。
なお、図29に示す例でも、デジタルサイネージDSの台数は複数台であってもよいし、POSシステムPS(汎用端末TD)の台数も複数台であってもよい。また、飲料製造装置1(情報表示装置12)の台数は、1台のみであってもよいし、3台以上であってもよい。
図30は、図29に示す、デジタルサイネージA、POS端末Aの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部それぞれに跨がって表示される画像の一例を示す図である。
図30に示された1枚の画像Im2は、飲料製造装置1における粉砕装置5の特徴を説明する画像である。この1枚の画像Im2は、縦方向に4分割、横方向にも4分割され、合計16分割されている。各分割画像には、説明のため、かっこ書きの数字で符号を付している。
(1)の分割画像から(2)の分割画像にかけては、“ダブルグラインダー機能”という文字が含まれている。(3)の分割画像から(4)の分割画像にかけては、“1stグラインダー”という文字等が含まれている。そして、一番下の横一例を構成する、(13)の分割画像から(16)の分割画像にかけては、“はじめに1stグラインダーを通過する豆が粗く砕かれます”といった文字が含まれている。
図30に示した1枚の画像Im2の画像データも図1に示すサーバSに記憶されている。また、サーバSには、図29に示す、デジタルサイネージA、POS端末Aの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部といった4つの表示手段に、いずれの分割画像の表示を担当させるかを示す情報も記憶されている。図29に示す4つの表示手段は、図30に示した1枚の画像Im2を、上から1列ずつ順番に表示していく。すなわち、デジタルサイネージAでは、画像Im2のうち、(1)、(5)、(9)、および(13)の分割画像の表示を担当する。POS端末Aの表示部では、画像Im2のうち、(2)、(6)、(10)、および(14)の分割画像の表示を担当する。飲料製造装置Aの表示部では、画像Im2のうち、(3)、(7)、(11)、および(15)の分割画像の表示を担当し、飲料製造装置Bの表示部では、画像Im2のうち、(4)、(8)、(12)、および(16)の分割画像の表示を担当する。デジタルサイネージAは、図1に示すパーソナルコンピュータPCによって表示の制御が行われる。この例でも、サーバSは、表示切り替えのタイミングになると、通信ネットワークNを経由して、POSシステムPS、飲料製造装置A、飲料製造装置B、およびデジタルサイネージAの表示制御を行う図1に示すパーソナルコンピュータPCそれぞれに、新たな分割画像の画像データを送信する。
図31は、図29に示す位置関係にある4つの表示手段が、図30に示す1枚の画像Im2を表示する例を示す図である。
この図31でも、各表示手段の表示画面の大きさの違いは無視し、全て同じ大きさで示している。図31には、左側から順に、デジタルサイネージAの表示画面、POS端末Aの表示部、飲料製造装置Aの表示部、および飲料製造装置Bの表示部が示されている。
図31の一番上の横一列では、デジタルサイネージAに図30に示す分割画像(1)が表示されている。POS端末Aの表示部に図30に示す分割画像(2)が表示されている。飲料製造装置Aの表示部に図30に示す分割画像(3)が表示され、飲料製造装置Bの表示部に図30に示す分割画像(4)が表示されている。すなわち、図31の一番上の横一列では、全ての表示手段に分割画像が表示されている。この結果、デジタルサイネージAとPOS端末Aの表示部にまたがって、“ダブルグラインダー機能”という文字が表示されている。また、飲料製造装置Aの表示部と飲料製造装置Bの表示部にまたがって、“1stグラインダー”という文字が表示されている。
図31の上から二番目の横一列では、デジタルサイネージAに図30に示す分割画像(5)が表示されている。POS端末Aは非待機状態であり、表示部にはメニュー表示画面が表示されている。飲料製造装置Aでは蒸らし用注湯の処理が実行されており、非待機状態である。この飲料製造装置Aの表示部には動作画像として「蒸し中」の文字が表示されている。飲料製造装置Bでは浸漬式抽出の処理が実行されており、非待機状態である。この飲料製造装置Bの表示部には動作画像として「抽出中」の文字が表示されている。以上説明したように、図31の上から二番目の横一列では、図30に示す分割画像(6)、(7)及び(8)が表示されていない。
図31の上から三番目の横一列では、デジタルサイネージAに図30に示す分割画像(9)が表示されている。非待機状態であったPOS端末Aは待機状態に移行し、その表示部には、図30に示す分割画像(10)が表示されている。飲料製造装置Aでは、蒸らし用注湯の処理の後、浸漬式抽出の処理が実行されており、非待機状態である。この飲料製造装置Aの表示部には、動作画像として「抽出中」の文字が表示されている。飲料製造装置Bでは、浸漬式抽出の処理が終了し、待機状態に移行している。飲料製造装置Bの表示部には、図30に示す分割画像(12)が表示されている。以上説明したように、図31の上から三番目の横一列では、図30に示す分割画像(11)が表示されていない。
図31の一番下の横一列には、デジタルサイネージAに図30に示す分割画像(13)が表示されている。POS端末Aの表示部には、図30に示す分割画像(14)が表示されている。飲料製造装置Aでは、浸漬式抽出の処理が終了し、待機状態に移行している。飲料製造装置Aの表示部には、図30に示す分割画像(15)が表示されている。一方、待機状態であった飲料製造装置Bは非待機状態に移行し、その表示部には、動作画像として「抽出中」の文字が表示されている。以上説明したように、図31の一番下の横一列では、図30に示す分割画像(16)が表示されていない。この結果、“はじめに1stグラインダーを通過する豆が粗く砕かれます”といった文字のうち“粗く砕かれます”といった部分が表示されていない。
図31に示す例でも、各装置が非待機状態である場合には、動作画像の表示が優先され、分割画像は表示されなかったが、動作画像のジャマにならない一部領域で分割画像を小さなワイプ表示によって表示してもよいし、動作画像の背景画像として分割画像を表示してもよい。また、分割画像のうち文字を含む分割画像に限って、小さなワイプ表示によって表示してもよいし、動作画像の背景画像として表示してもよい。
また、図26~図31を用いて説明した例では、1枚の画像Im1,Im2は静止画像であり、この静止画像を分割して表示したが、動画像であってもよい。例えば、図31の一番上の横一列で、全体が表される動画像1が表示され、図31の上から二番目の横一列では、動画像1の続きとなる動画像2が表示され、図31の上から三番目の横一列では、動画像2の続きとなる動画像3が表示され、図31の一番下の横一列では、動画像3の続きとなる動画像4が表示されるようにしてもよい。
以上、図26~図31を用いて説明した例では、店舗に配置された表示手段を使用して、静止画像や動画像を可能な限り大きく表示することができ、表示による迫力が増すことを期待することができる。
なお、図26~図31を用いて説明した例では、各表示手段の左右の位置関係は予め設定されている。ただし、この左右の位置関係は変更可能であり、変更した場合には、サーバSに記憶されている、各表示手段にいずれの分割画像の表示を担当させるかを示す情報も変更する。
また、図26に示す各装置の間や、図29に示す各装置の間に、他の表示手段を配置してもよい。例えば、図26に示すデジタルサイネージAとデジタルサイネージBの間に、デジタルサイネージCを設置してもよい。ただし、デジタルサイネージCには、分割画像は常に表示されない。また、図30に示すデジタルサイネージAとPOS端末Aの間や、POS端末Aと飲料製造装置Aの間に、注文受付状況表示装置ODといった他の種類の表示手段を配置してもよい。この他の種類の表示手段にも、分割画像は常に表示されない。
さらに、図26に示す例や図28に示す例では、POS端末を例にあげたが、POS端末に限られることなく、飲料製造装置1とは別の、表示手段を備えた店舗用の装置であればよい。また、この表示手段を備えた店舗用の装置は、複数台設置されていてもよく、種類が異なる装置(例えば、図1に示す注文受付状況表示装置ODと図24に示すセルフオーダ端末SO)であってもよい。
また、デジタルサイネージA,Bは複数の表示装置Aの例に相当する。POS端末A,Bは複数の表示装置B(表示装置Aとは別の装置であり、店舗用マシンAであってもよい)の例に相当する。飲料製造装置A,Bは複数の表示装置C(表示装置A,Bとは別の装置であり、店舗用マシンAとは別の店舗用マシンBであってもよい)の例に相当する。
以上の記載では、
『 飲食店舗内の操作者の操作に応じて該飲食店舗内で動作[例えば、コーヒー飲料の製造動作、注文動作, レシピ変更動作,会計動作、注文受付状況の管理動作、客席注文動作]する店舗用マシン[例えば、飲料製造装置1の抽出装置3、汎用端末TDの処理部、パーソナルコンピュータPC、セルフオーダ端末SOの処理部]と、
前記店舗用マシンの動作に応じた動作画像[例えば、現在どの製造処理が行われているかがを表す図13に示すアニメーション、図14~図18に示す各種画面、図20に示す注文受付状況管理画像、図24に示す注文入力画面、図25に示す注文完了画面]を表示する第一の表示部[例えば、飲料製造装置1の情報表示装置12、汎用端末TDのディスプレイ面、注文受付状況表示装置OD、セルフオーダ端末SOのディスプレイ面]と、
前記第一の表示部とは別の第二の表示部[例えば、デジタルサイネージDS]と、
を備え、
前記第二の表示部に第二の画像[例えば、農園動画α1、バリスタ動画β1、製造工程動画γ1、歴史動画ε1、商品静止画A1、店舗静止画B1、マシン静止画C1、広告動画]が表示されており、前記第一の表示部に該第二の画像に関連した第一の画像[例えば、農園動画α2、バリスタ動画β1~β3、製造工程動画γ1,γ2、歴史動画ε1,ε2、商品静止画A1、店舗静止画B3~B6、マシン静止画C1、広告静止画]が表示されている場合がある[例えば、図22の各リスト]、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
について説明した。
なお、前記店舗用マシンは、前記第一の表示部を備えたものであってもよい。すなわち、前記店舗用マシンと前記第一の表示部は一体のものであってもよい。また、前記第一の表示部は、前記店舗用マシン専用の表示部であってもよい。あるいは、これとは反対に、前記店舗用マシンと前記第一の表示部を別体のものであってもよい。また、前記第一の表示部は、前記店舗用マシン以外の機器の表示部も兼ねるものであってもよい。
また、前記動作画像は、例えば、前記動作を実行中であることを表す画像であってもよいし、前記動作を実行中であることによって表示される画像であってもよいし、前記動作が完了したことを表す画像であってもよいし、前記動作が完了したことによって表示される画像であってもよいし、前記動作が行われた結果を表す画像であってもよい。あるいは、前記動作のための設定を入力するための画像であってもよいし、前記店舗用マシンに前記動作を行わすための操作画面であってもよい。
また、前記第一の画像は、前記第二の画像と、表示サイズ以外は同じである画像であってもよい。
また、前記第二の画像は、広告画像であり、前記第一の画像も、前記第二の画像の広告画像における広告対象と同じ広告対象についての広告画像であってもよい。すなわち、前記第二の画像と前記第一の画像は、広告対象が同じであることによって互いに関連しており、画像自体は異なっていてもよいし、画像自体も同じであってもよい。
また、前記第二の表示部は、前記飲食店舗内に設置されたものであってもよい。なお、ここにいう店舗内とは、屋内という意味ではなく、店舗の敷地面積内という意味である。
前記第一の画像は、前記動作画像とは無関係な画像であってもよいし、該動作画像の一部又は全部を含んだ画像であってもよい。例えば、前記動作画像が、時刻表示画像を含んだ画像であった場合には、前記第一の画像も、該時刻表示画像を含んだ広告画像であってもよい。また、前記動作画像が、注文を受けた飲食物の引き渡しが可能になったことを顧客に渡した識別番号を表示することで報知する報知画像であった場合には、前記第一の画像は、背景の広告画像に該報知画像全部が表示された画像であってもよい。
また、前記第二の表示部は、表示専用のもの[例えば、デジタルサイネージDS]であってもよい。
また、前記第二の表示部は、前記第一の表示部よりも表示画面が大きなものであってもよい。あるいは、前記第一の表示部は、前記店舗用マシンに対する入力機能を有するものであってもよい。
また、前記第一の画像は前記第二の画像であってもよい。
あるいは、前記第一の画像が前記第二の画像の一部分であってもよい。例えば、前記第一の画像が農園全体を空撮した動画像であり、前記第二の画像は、当該農園の一部分を空撮した動画像としてもよい。逆に、前記第二の画像が農園全体を空撮した動画像であり、前記第一の画像は、当該農園の一部分を空撮した動画像としてもよい。
また、前記第一の画像は或る画像の一部分であり、前記第二の画像は当該或る画像の他の一部分であってもよい。例えば、前記第一の画像が農園全体を空撮した動画像の一部分であり、前記第二の画像は、当該動画像の他の一部分としてもよい。逆に、前記第二の画像が農園全体を空撮した動画像の一部分であり、前記第一の画像は、当該動画像の他の一部分としてもよい。すなわち、前記第一の表示部の表示領域及び前記第二の表示部の表示領域の両方を足した表示領域で、農園全体を空撮した動画像を表示することができるようになり、表示による迫力が増すといった効果が期待できる。もちろん、前記第一の表示部に前記動作画像を表示すべきときは当該動画像を前記第二の表示部の表示領域にのみ表示し、前記店舗用マシンが待機状態のとき等に、前記第一の表示部で前記動作画像を非表示とし、該第一の表示部で当該動画像を表示するようにしてもよい。
また、前記第一の表示部の表示領域及び前記第二の表示部の表示領域の両方を足した表示領域で当該動画像を表示するようにしてもよい。また、複数の店舗用マシンのうち、或る店舗用マシンが非待機状態で当該マシンの第一の表示部に前記動作画像を表示すべきときは当該店舗用マシン以外の店舗用マシンのうち待機状態の店舗用マシンの第一の表示部の表示領域及び前記第二の表示部の表示領域の両方を足した表示領域で農園全体を空撮した動画像を表示するようにしてもよいし、当該或る店舗用マシンが待機状態となり当該マシンの第一の表示部に動作画像を表示する必要がなくなった場合に、当該マシンの第一の表示部の表示領域も含めて、当該動画像を表示するようにしてもよい。
また、
『 前記第二の表示部は、前記第二の画像として、前記動作画像とは無関係な画像[例えば、農園動画α1、バリスタ動画β1、製造工程動画γ1、歴史動画ε1、商品静止画A1、店舗静止画B1、マシン静止画C1、広告動画]を表示する場合がある、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
について説明した。
また、
『 前記第一の表示部を複数備え、
複数の前記第一の表示部のうち一部の第一の表示部[例えば、注文受付状況表示装置ODおよび汎用端末TDのディスプレイ面、あるいは飲料製造装置Aの情報表示装置12および飲料製造装置Bの情報表示装置12、セルフオーダ端末SO]は、前記動作画像を表示する場合があり、
前記第二の表示部は、前記一部の第一の表示部が該動作画像を表示している状態で前記第二の画像[例えば、歴史動画ε1あるいはマシン静止画C1、広告動画]を表示する場合があり、
複数の前記第一の表示部のうち残りの第一の表示部[例えば、飲料製造装置Aの情報表示装置12および飲料製造装置Bの情報表示装置12、あるいは注文受付状況表示装置ODおよび汎用端末TDのディスプレイ面、セルフオーダ端末SOのディスプレイ面]は、前記一部の第一の表示部が該動作画像を表示している状態で前記第一の画像[例えば、歴史動画ε1又はε2あるいはマシン静止画C1、広告静止画]を表示する場合がある[例えば、図22に示すリストNo.4、No.7]、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
なお、前記一部の第一の表示部は、一つの第一の表示部の場合もあれば、複数の第一の表示部の場合もある。
また、
『 前記店舗用マシンを複数[例えば、飲料製造装置Aの抽出装置3および飲料製造装置Bの抽出装置3、2台のセルフオーダ端末SOの処理部]備え、
複数の前記店舗用マシンは、同じ種類の動作[例えば、コーヒー飲料の製造動作、客席注文動作]をそれぞれ行うものである、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
また、
『 前記店舗用マシンを複数[例えば、飲料製造装置1の抽出装置3、汎用端末TDの処理部、パーソナルコンピュータPC、セルフオーダ端末SOの処理部]備え、
複数の前記店舗用マシンは、異なる種類の動作[例えば、コーヒー飲料の製造動作、注文動作, レシピ変更動作,会計動作、注文受付状況の管理動作、客席注文動作]をそれぞれ行うものである、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
なお、前記店舗用マシンは、POS(Point of sale system)レジであってもよく、飲食店などの客席に設置されている、前記第一の表示部にメニューを表示して客の注文を受け付けるセルフオーダシステム搭載の端末(セルフオーダ端末SO)の処理部であってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータPCであってもよい。さらには、券売機の処理部であってもよい。
また、
『 前記第一の表示部は、表示画像管理部[例えば、図1に示すサーバS]から送られてきた前記第一の画像を表示するものであり、
前記第二の表示部は、前記表示画像管理部から送られてきた前記第二の画像を表示するものである、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
なお、前記表示画像管理部は、例えば、サーバであってもよく、前記店舗用マシンとは異なるものである。
また、
『 前記第二の画像は、動画像における或るシーンの画像[例えば、金メダルを受賞したバリスタがコーヒーとの出会いについて語っているシーン]であり、
前記第一の画像は、前記動画像と同じ動画像における、前記或るシーンとは異なるシーン[例えば、同じバリスタがコーヒー豆のグラインド処理について語っているシーン]の画像である、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
なお、前記第一の画像は、前記動画像と同じ動画像における、前記或るシーンと同じシーンの画像であってもよい。
また、
『 前記第二の表示部に前記第二の画像[例えば、商品静止画A1、店舗静止画B1]が表示され、前記第一の表示部に前記動作画像[例えば、図20に示す注文受付状況管理画像]が表示されていない場合に限って、該第一の表示部に前記第一の画像[例えば、商品静止画A1、店舗静止画B3]が表示される、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の表示部と前記第二の表示部に跨がって画像[例えば、図27に示す(1)~(6)の画像や図30に示す(1)~(4)の画像]が表示される場合があり、
前記第一の画像は、前記第一の表示部と前記第二の表示部に跨がって表示された画像のうち、該第一の表示部に表示された部分の画像[例えば、図27に示す(3)~(6)のうちのいずれかの画像や図30に示す(2)~(4)のうちのいずれかの画像]であり、
前記第二の画像は、前記第一の表示部と前記第二の表示部に跨がって表示された画像のうち、該第二の表示部に表示された部分の画像[例えば、図27に示す(1)又は(2)の画像や図30に示す(1)の画像]である、
ことを特徴とする店舗表示システム。
なお、前記第一の表示部は、該第一の表示部と前記第二の表示部に跨がって表示される画像よりも前記動作画像を優先して表示するものであってもよい。すなわち、前記第一の表示部は、前記動作画像を表示する場合には、該第一の表示部と前記第二の表示部に跨がって表示される画像の一部を表示しないものであってもよい。
また、
『 前記店舗用マシンは、飲料を製造する装置[例えば、飲料製造装置1の抽出装置3]であり、
前記第二の表示部は、デジタルサイネージ[例えば、デジタルサイネージDS]である、
ことを特徴とする店舗表示システム。』
についても説明した。
以上の説明では、専らコーヒー飲料を対象としたが、日本茶、紅茶などの茶、スープなどの各種飲料も対象とすることができる。また、挽く前のコーヒー豆を抽出原料とし、挽いた後の粉状のもの(コーヒー豆の挽き豆)を抽出対象として両者を区別することもできるが、挽く前のコーヒー豆であってもコーヒー豆の挽き豆であっても広義には抽出対象といえる。本明細書では、広義の意味の抽出対象を単に抽出対象と称する。したがって、抽出対象として、コーヒー豆、コーヒーの生豆、コーヒー豆の挽き豆、焙煎コーヒー豆、焙煎コーヒー豆の挽き豆、焙煎されていないコーヒー豆、焙煎されていないコーヒー豆の挽き豆等、粉末のコーヒー豆、インスタントのコーヒー、ポッドに入ったコーヒー等を例示し、飲料として、コーヒー飲料等を例示し、飲料液としてコーヒー液を例示してきたが、これらだけに限定されない。また、抽出対象として、日本茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉、挽いた茶葉、野菜、粉砕された野菜、果物、粉砕した果物、穀物、粉砕した穀物、椎茸等のきのこ類、椎茸等のきのこ類を粉砕した物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、鰹等の魚類、鰹等の魚類を粉砕した物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、こんぶ等の海藻類、こんぶ等の海藻類を粉砕した物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛、豚、鳥、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該肉等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛の骨、豚の骨、鳥の骨、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該骨等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物等の抽出材料であればよく、飲料として、日本茶、紅茶、ウーロン茶、野菜ジュース、果物ジュース、汁物、出汁、スープ等、飲料であればよく、飲料液として、日本茶のエキス、紅茶のエキス、ウーロン茶のエキス、野菜のエキス、果物のエキス、きのこのエキス、魚等のエキス、肉のエキス、骨のエキス等のエキス類であればよい。なお、実施例中で水、水道水、浄水、お湯、洗浄水と記載しているところがあるが、例えば水をお湯と置き換えたり、お湯を水と置き換えてもよい等いずれかの記載を別の記載に置き換えてもよく、全て液体、水蒸気、高温水、冷却水、冷水等と置き換えてもよい。例えば抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)とお湯を抽出容器9に入れるといった記載であれば、抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)と冷水(単に水でもよい)を抽出容器9に入れるといった記載に置き換えてもよく、この場合であれば水出しコーヒー等の抽出方法や飲料製造装置としてとらえてもよい。
本発明は、以上に示された幾つかの態様および例に限られるものではなく、これらの内容は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に組み合わせ可能であり、また、目的等に応じて部分的に変更されてもよい。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。例えば、「装置」、「部」等の表現は「ユニット」、「モジュール」等と言い換え可能な場合がある。