図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.飲料製造装置の概要>
図1は飲料製造装置1の外観図である。本実施形態の飲料製造装置1は、焙煎コーヒー豆と液体(ここでは水)からコーヒー飲料を自動製造する装置であり、一回の製造動作につき、コップ一杯分のコーヒー飲料を製造可能である。原料となる焙煎コーヒー豆は、キャニスタ40に収容可能である。飲料製造装置1の下部にはカップの載置部110が設けられており、製造されたコーヒー飲料は注ぎ部10cからカップへ注がれる。
飲料製造装置1は、その外装を形成して内部機構を囲包するハウジング100を備える。ハウジング100は、本体部101と、飲料製造装置1の正面の一部及び側面の一部を覆うカバー部102とに大別される。カバー部102には情報表示装置12が設けられている。情報表示装置12は本実施形態の場合、タッチパネル式のディスプレイであり、各種の情報の表示の他、装置の管理者や飲料の需要者の入力を受け付けることが可能である。情報表示装置12は、移動機構12aを介してカバー部102に取付けられており、移動機構12aによって上下方向に一定の範囲で移動可能である。
カバー部102には、また、豆投入口103と、豆投入口103を開閉する扉103aが設けられている。開閉扉103を開放して豆投入口103へ、キャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆とは別の焙煎コーヒー豆を、投入することが可能となっている。これにより飲料の需要者に特別な一杯を提供することが可能である。
カバー部102は、本実施形態の場合、アクリルやガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明カバーを構成している。このため、カバー部102に覆われたその内側の機構が外部から視認可能となっている。本実施形態の場合、コーヒー飲料を製造する製造部の一部がカバー部102を透して視認可能となっている。本体部101は本実施形態の場合その全体が非透過部とされており、その内部を外部から視認困難である。
図2は、飲料製造装置1の部分正面図であって、飲料製造装置1の正面視でユーザが視認可能な製造部の一部を示す図である。カバー部102や情報表示装置12は想像線で図示されている。
飲料製造装置1の正面部におけるハウジング100は、本体部101と、その外側(前方側)のカバー部102との二重構造となっている。前後方向で本体部101とカバー部12との間に製造部の一部の機構が配置されており、ユーザがカバー部102を介して視認可能である。
カバー部102を介してユーザが視認可能な製造部の一部の機構は、本実施形態の場合、後述する集合搬送部42、グラインダ5A、5B、分離装置6、抽出容器9等である。本体部101の正面部には、奥側に窪んだ矩形状の凹部101aが形成されており、抽出容器9等はこの凹部101a内の奥側に位置している。
カバー部102を介して外部からこれらの機構が視認可能であることにより、管理者にとっては点検や動作確認が容易になる場合がある。また、飲料の需要者にとってはコーヒー飲料の製造過程を楽しむことができる場合がある。
なお、カバー部102は、その右端部においてヒンジ102aを介して本体部101に横開き式に開閉自在に支持されている。カバー部102の左端部には、本体部101とカバー部102とを閉状態に維持する係合部102bが設けられている。係合部102bは例えば磁石と鉄の組合せである。管理者はカバー部102を開放することで、その内側の上述した製造部の一部の点検等を行うことができる。
なお、本実施形態の場合、カバー部102を横開き式としたが縦開き式(上下開き式)としてもよいし、スライド式としてもよい。また、カバー部102が開閉不能な構成であってもよい。
図3は飲料製造装置1の機能の概要図である。飲料製造装置1は、コーヒー飲料の製造部として、豆処理装置2及び抽出装置3を含む。
豆処理装置2は、焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する。抽出装置3は豆処理装置2から供給される挽き豆からコーヒー液を抽出する。抽出装置3は、流体供給ユニット7、後述する駆動ユニット8、抽出容器9及び切替ユニット10を含む。豆処理装置2から供給される挽き豆は、抽出容器9に投入される。流体供給ユニット7は、抽出容器9にお湯を投入する。抽出容器9内で挽き豆からコーヒー液が抽出される。抽出されたコーヒー液を含むお湯が切替ユニット10を介してコーヒー飲料としてコップCに送出される。
<2.流体供給ユニット及び切替ユニット>
流体供給ユニット7及び切替ユニット10の構成について図3を参照して説明する。まず、流体供給ユニット7について説明する。流体供給ユニット7は、抽出容器9へのお湯の供給や、抽出容器9内の気圧の制御等を行う。なお、本書において、気圧を数字で例示している場合、特に断わらない限り絶対圧を意味し、ゲージ圧とは大気圧を0気圧とする気圧である。大気圧とは、抽出容器9の周囲の気圧、又は、飲料製造装置の気圧を指し、例えば、飲料製造装置が海抜0mの地点に設置されている場合は、国際民間航空機関(=「International Civil Aviation Organization」〔[略]ICAO〕)が1976年に制定した国際標準大気(=「International Standard Atmosphere」〔[略]ISA〕)の海抜0mでの基準気圧(1013.25hPa)である。
流体供給ユニット7は配管L1~L3を含む。配管L1は空気が流通する配管であり、配管L2は水が流通する配管である。配管L3は空気と水の双方が流通可能な配管である。
流体供給ユニット7は、加圧源としてコンプレッサ70を含む。コンプレッサ70は大気を圧縮して送出する。コンプレッサ70は例えばモータ(不図示)を駆動源として駆動される。コンプレッサ70から送出される圧縮空気は、逆止弁71aを介してリザーブタンク(アキュームレータ)71に供給される。リザーブタンク71内の気圧は圧力センサ71bにより監視され、所定の気圧(本実施形態では7気圧(ゲージ圧で6気圧))に維持されるよう、コンプレッサ70が駆動される。リザーブタンク71には排水用のドレイン71cが設けられており、空気の圧縮により生じる水を排水可能となっている。
水タンク72にはコーヒー飲料を構成するお湯(水)が蓄積される。水タンク72には、水タンク72内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(本実施形態では摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
水タンク72には、また、水位センサ72cが設けられている。水位センサ72cは水タンク72内のお湯の水位を検出する。水位センサ72cにより所定の水位よりも水位が下がったことが検出されると、水タンク72に水が供給される。本実施形態の場合、不図示の浄水器を介して水道水が供給される。浄水器からの配管L2の途中には電磁弁72dが設けられており、水位センサ72cにより水位の低下が検出されると電磁弁72dが開放されて水が供給され、所定の水位に到達すると電磁弁72dが閉鎖されて水の供給が遮断される。こうして水タンク72内のお湯が一定の水位に維持される。なお、水タンク72への給水は一回のコーヒー飲料の製造に使用するお湯を排出する度に行ってもよい。
水タンク72には、また、圧力センサ72gが設けられている。圧力センサ72gは水タンク72内の気圧を検出する。水タンク72には調圧弁72e及び電磁弁72fを介してリザーブタンク71内の気圧が供給される。調圧弁72eはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、3気圧(ゲージ圧で2気圧)に減圧する。電磁弁72fは調圧弁72eで調圧された気圧の、水タンク72への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、水タンク72への水道水の供給時を除き、水タンク72内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。水タンク72への水道水の供給時には、水道水の水圧によって水タンク72に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより水タンク72内の気圧を水道水の水圧よりも低い圧力(例えば2.5気圧未満)に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には水タンク72内を大気に解放する。また、電磁弁72hは水タンク72への水道水の供給時以外に、水タンク72内の気圧が3気圧を超える場合に水タンク72内を大気に解放し、水タンク72内を3気圧に維持する。
水タンク72内のお湯は、逆止弁72j、電磁弁72i及び配管L3を介して抽出容器9へ供給される。電磁弁72iを開放することで抽出容器9へお湯が供給され、閉鎖することでお湯の供給が遮断される。抽出容器9へのお湯の供給量は、電磁弁72iの開放時間で管理することができる。しかし、供給量を計測して電磁弁72iの開閉を制御してもよい。配管L3にはお湯の温度を計測する温度センサ73eが設けられており、抽出容器9へ供給される湯温が監視される。
リザーブタンク71の気圧は、また、調圧弁73a、電磁弁73bを介して抽出容器9へ供給される。調圧弁73aはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、5気圧(ゲージ圧で4気圧)に減圧する。電磁弁73bは調圧弁73aで調圧された気圧の、抽出容器9への供給と遮断とを切り替える。抽出容器9内の気圧は圧力センサ73dで検出される。抽出容器9内の加圧時、圧力センサ73dの検出結果に基づいて電磁弁73bが開放され、抽出容器9内を所定の気圧(本実施形態の場合、最大で5気圧(ゲージ圧で4気圧))に加圧する。抽出容器9内の気圧は電磁弁73cで減圧可能である。電磁弁73cは抽出容器9内を大気に解放するか否かを切り替え、圧力異常時(例えば抽出容器9内が5気圧を超える場合)には抽出容器9内を大気に解放する。
一回のコーヒー飲料の製造が終わると、本実施形態の場合、抽出容器9内を水道水で洗浄する。電磁弁73fは洗浄時に開放され、抽出容器9に水道水を供給する。
次に切替ユニット10について説明する。切替ユニット10は抽出容器9から送出される液体の送出先を注ぎ部10cと廃棄タンクTとのいずれかに切り替えるユニットである。切替ユニット10は、切替弁10aと切替弁10aを駆動するモータ10bを含む。切替弁10aは、抽出容器9内のコーヒー飲料を送出する場合は注ぎ部10cへ流路を切り替える。コーヒー飲料は注ぎ部10cからカップCへ注がれる。洗浄時の廃液(水道水)及び残渣(挽き豆)を排出する場合は廃棄タンクTへ流路を切り替える。切替弁10aは本実施形態の場合3ポートのボール弁である。洗浄時には切替弁10aを残渣が通過することから、切替弁10aはボール弁が好適であり、モータ10bはその回転軸を回転することで、流路を切り替える。
<3.豆処理装置>
図1、図2を参照して豆処理装置2について説明する。豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含む。
<3-1.貯留装置>
貯留装置4は、焙煎後のコーヒー豆が収容される複数のキャニスタ40を含む。本実施形態の場合、キャニスタ40は三つ設けられている。キャニスタ40は、焙煎コーヒー豆を収容する筒状の本体40aと、本体40aに設けられた取手40bとを含み、飲料製造装置1に対して着脱自在に構成されている。
各キャニスタ40は、互いに異なる種類の焙煎コーヒー豆を収容し、情報表示装置12に対する操作入力によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の種類を選択できるようにしてもよい。種類が異なる焙煎コーヒー豆とは例えばコーヒー豆の品種が異なる焙煎コーヒー豆である。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、同じ品種のコーヒー豆であるが、焙煎度が異なる焙煎コーヒー豆であってもよい。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、品種も焙煎度も異なる焙煎コーヒー豆でもよい。また、三つのキャニスタ40の少なくともいずれか一つには、複数種類の品種の焙煎コーヒー豆が混合された焙煎コーヒー豆が収容されてもよい。この場合、各品種の焙煎コーヒー豆は、焙煎度が同程度であってもよい。
なお、本実施形態では複数のキャニスタ40を設けたが、一つのキャニスタ40のみが設けられる構成であってもよい。また、複数のキャニスタ40を設けた場合に、同じ種類の焙煎コーヒー豆が全部又は複数のキャニスタ40に収容されてもよい。
各キャニスタ40は計量搬送装置41に着脱自在に装着される。計量搬送装置41は、例えば、電動スクリューコンベアであり、キャニスタ40に収容された所定の量の焙煎コーヒー豆を自動計量して下流側に送出する。
各計量搬送装置41は下流側の集合搬送部42に焙煎コーヒー豆を排出する。集合搬送部42は中空の部材で構成されており、各コンベア41から粉砕装置5(特にグラインダ5A)への焙煎コーヒー豆の搬送通路を形成する。各計量搬送装置41から排出された焙煎コーヒー豆は集合搬送部42の内部を自重によって移動し、粉砕装置5へ流れ落ちる。
集合搬送部42には、豆投入口103に対応する位置に案内部42aが形成されている。案内部42aは豆投入口103から投入された焙煎コーヒー豆を粉砕装置5(特にグラインダ5A)へ案内する通路を形成する。これにより、キャニスタ40に収容された焙煎コーヒー豆以外に、豆投入口103から投入される焙煎コーヒー豆を原料としたコーヒー飲料も製造できる。
<3-2.粉砕装置>
図2及び図4を参照して粉砕装置5を説明する。図4は分離装置6の一部判断斜視図である。粉砕装置5は、グラインダ5A及び5B、及び、分離装置6を含む。グラインダ5A及び5Bは貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆を挽く機構である。貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、グラインダ5Aで挽かれた後、グラインダ5Bで更に挽かれて粉状にされ、排出管5Cから抽出容器9へ投入される。
グラインダ5A及び5Bは、豆を挽く粒度が異なっている。グラインダ5Aは粗挽き用のグラインダであり、グラインダ5Bは細挽き用のグラインダである。グラインダ5A、5Bはそれぞれ電動グラインダであり、駆動源であるモータと、モータにより駆動される回転刃等を含む。回転刃の回転数を変化させることで粉砕される焙煎コーヒー豆の大きさ(粒度)を変化可能である。
分離装置6は挽き豆から不要物を分離する機構である。分離装置6はグラインダ5Aとグラインダ5Bとの間に配置された通路部63aを含む。通路部63aはグラインダ5Aから自由落下してくる挽き豆が通過する分離室を形成する中空体である。通路部63aには、挽き豆の通過方向(本実施形態の場合、上下方向。)と交差する方向(本実施形態の場合、左右方向。)に延びる通路部63bが接続されており、この通路部63bには吸引ユニット60が接続されている。吸引ユニット60が通路部63a内の空気を吸引することで、
チャフや微粉といった軽量な物体が吸引される。これにより、挽き豆から不要物を分離できる。
吸引ユニット60は遠心分離方式の機構である。吸引ユニット60は、送風ユニット60A及び回収容器60Bを含む。送風ユニット60Aは本実施形態の場合、ファンモータであり、回収容器60B内の空気を上方へ排気する。
回収容器60Bは、分離可能に係合する上部61と下部62とを含む。下部62は上方が開放した有底の筒型をなしており、不要物を蓄積する空間を形成する。上部61は下部62の開口に装着される蓋部を構成する。上部61は、円筒形状の外周壁61aと、これと同軸上に形成された排気筒61bとを含む。送風ユニット60Aは排気筒61b内の空気を吸引するように排気筒61bの上方において上部61に固定されている。上部61には通路部63bが接続されている。通路部63bは排気筒61bの側方に開口している。
送風ユニット60Aの駆動により、図4において矢印d1~d3で示す気流が発生する。この気流により、通路部63aから不要物を含んだ空気が通路部63bを通って回収容器60B内に吸引される。通路部63bは排気筒61bの側方に開口しているため、不要物を含んだ空気は排気筒61bの周囲を旋回する。空気中の不要物Dは、その重量によって落下し、回収容器60Bの一部に集められる(下部62の底面上に堆積する)。空気は排気筒61bの内部を通って上方に排気される。
排気筒61bの周面には複数のフィン61dが一体に形成されている。複数のフィン61dは排気筒61bの周方向に配列されている。個々のフィン61dは、排気筒61bの軸方向に対して斜めに傾斜している。このようなフィン61を設けたことで、不要物Dを含んだ空気の排気筒61bの周囲の旋回を促進する。
本実施形態の場合、下部62はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。また、下部62はカバー部102で覆われた部分である(図2)。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、下部62の周壁を透して、下部62内に蓄積された不要物Dを視認可能である。管理者にとっては、下部62の清掃タイミングを確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては不要物Dが除去されていることが視認できることで、製造中のコーヒー飲料の品質に対する期待感が高まる場合がある。
このように本実施形態では、貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、まず、グラインダ5Aで粗挽きされ、その粗挽き豆が通路部63aを通過する際に、分離装置6によって不要物が分離される。不要物が分離された粗挽き豆は、グラインダ5Bにより細挽きされる。分離装置6で分離する不要物は、代表的にはチャフや微粉である。これらはコーヒー飲料の味を低下させる場合があり、挽き豆からチャフ等を除去することで、コーヒー飲料の品質を向上できる。
焙煎コーヒー豆の粉砕は、一つのグラインダ(一段階の粉砕)であってもよい。しかし、本実施形態のように、二つのグラインダ5A、5Bによる二段階の粉砕とすることで、挽き豆の粒度が揃い易くなり、コーヒー液の抽出度合を一定にすることができる。豆の粉砕の際にはカッターと豆との摩擦により、熱が発生する場合がある。二段階の粉砕とすることで、粉砕時の摩擦による発熱を抑制し、挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
また、粗挽き→不要物の分離→細挽きという段階を経ることで、チャフなどの不要物を分離する際、不要物と挽き豆(必要部分)との質量差を大きくできる。これは不要物の分離効率を上げることができるとともに、挽き豆(必要部分)が不要物として分離されてしまうことを防止することができる。また、粗挽きと細挽きとの間に、空気の吸引を利用した不要物の分離処理が介在することで、空冷によって挽き豆の発熱を抑えることができる。
<4.駆動ユニット及び抽出容器>
<4-1.概要>
抽出装置3の駆動ユニット8及び抽出容器9について図5を参照して説明する。図5は駆動ユニット8及び抽出容器9の斜視図である。駆動ユニット8の大部分は本体部101に囲包されている。
駆動ユニット8はフレームFに支持されている。フレームFは、上下の梁部F1、F2及び梁部F1、F2を支持する柱部F3を含む。駆動ユニット8は、上部ユニット8A、中部ユニット8B及び下部ユニット8Cの三つのユニットに大別される。上部ユニット8Aは梁部F1に支持されている。中部ユニット8Bは梁部F1と梁部F2との間において、梁部F1及び柱部F3に支持されている。下部ユニット8Cは梁部F2に支持されている。
抽出容器9は、容器本体90及び蓋ユニット91を含むチャンバである。抽出容器9のことをチャンバと呼ぶ場合がある。中部ユニット8Bは、容器本体90を着脱自在に保持するアーム部材820を備える。アーム部材820は、保持部材820aと、左右に離間した一対の軸部材820bとを含む。保持部材820aは、Cの字型のクリップ状に形成された樹脂等の弾性部材であり、その弾性力により容器本体90を保持する。保持部材82aは容器本体90の左右の側部を保持し、容器本体90の前方側は露出させている。これにより容器本体90の内部を、正面視で視認し易くなる。
保持部材820aに対する容器本体90の着脱は手動操作で行い、保持部材820aに容器本体90を前後方向後方へ押し付けることで容器本体90が保持部材820aに装着される。また、容器本体90を保持部材820aから前後方向前側へ引き抜くことで、容器本体90を保持部材820aから分離可能である。
一対の軸部材820bは、それぞれ、前後方向に延設されたロッドであり、保持部材820aを支持する部材である。なお、本実施形態では軸部材820bの数を二本としたが、一本でもよいし、三本以上であってもよい。保持部材820aは、一対の軸部材820bの前側の端部に固定されている。後述する機構により、一対の軸部材82bは前後方向に進退され、これにより保持部材820aが前後に進退し、は容器本体90を前後方向に平行移動する移動動作を行うことができる。中部ユニット8Bは、また、後述するように、抽出容器9の上下を反転させる回動動作を行うことも可能である。
<4-2.抽出容器>
図6を参照して抽出容器9について説明する。図6は抽出容器9の閉状態及び開状態を示す図である。上記のとおり、抽出容器9は中部ユニット8Bにより上下が反転される。図6の抽出容器9は、蓋ユニット91が上側に位置している基本姿勢を示している。以下の説明において上下の位置関係を述べる場合、特に断らない限りは基本姿勢における上下の位置関係を意味するものとする。
容器本体90は有底の容器であり、ネック部90b、肩部90d、胴部90e及び底部90fを有するボトル形状を有している。ネック部90bの端部(容器本体90の上端部)には、容器本体90の内部空間と連通する開口90aを画定するフランジ部90cが形成されている。
ネック部90b及び胴部90eは、いずれも円筒形状を有している。肩部90dは、ネック部90bと胴部90eとの間の部分であり、その内部空間の断面積が胴部90e側からネック部90b側へ向かって徐々に小さくなるようにテーパ形状を有している。
蓋ユニット91は開口90aを開閉するユニットである。蓋ユニット91の開閉動作(昇降動作)は上部ユニット8Aにより行われる。
容器本体90は、本体部材900及び底部材901を含む。本体部材900は、ネック部90b、肩部90d、胴部90eを形成する上下が開放した筒部材である。底部材901は底部90fを形成する部材であり、本体部材900の下部に挿入されて固定される。本体部材900と底部材901との間にはシール部材902が介在し、容器本体90内の気密性を向上する。
本実施形態の場合、本体部材900はアクリル、ガラスなどの透光性を有する材料で形成されており、その全体が透過部とされた透明容器を構成している。管理者や飲料の需要者は、カバー部102、容器本体90の本体部材900を透して、容器本体90内でのコーヒー飲料の抽出状況を視認可能である。管理者にとっては、抽出動作を確認し易い場合があり、飲料の需要者にとっては抽出状況を楽しめる場合がある。
底部材901の中心部には凸部901cが設けられ、この凸部901cには、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図8の弁903)が設けられている。連通穴は、容器本体90内を洗浄する際の廃液及び残渣の排出に用いられる。凸部901cにはシール部材908が設けられており、シール部材908は、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cと底部材901との間を気密に維持するための部材である。
蓋ユニット91は、帽子状のベース部材911を備える。ベース部材911は、凸部911d、及び、閉時にフランジ部90cと重なる鍔部911cを有する。凸部911dには、容器本体90における凸部901cと同じ構造とされており、容器本体90内を外部に連通させる連通穴や、この連通穴を開閉する弁(図8の弁913)が設けられている。凸部911dの連通穴は、主に、容器本体90内へのお湯の注入とコーヒー飲料の送出に用いられる。凸部911dにはシール部材918aが設けられている。シール部材918aは、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cとベース部材911との間を気密に維持するための部材である。蓋ユニット91には、また、シール部材919が設けられている。シール部材919は、蓋ユニット91の閉時に蓋ユニット91と容器本体90との気密性を向上する。蓋ユニット91には濾過用のフィルタが保持される。
<4-3.上部ユニット及び下部ユニット>
上部ユニット8A及び下部ユニット8Cについて図7、図8を参照して説明する。図7は上部ユニット8A及び下部ユニット8Cの一部の構成を示す正面図であり、図8は図7の縦断面図である。
上部ユニット8Aは、操作ユニット81Aを含む。操作ユニット81Aは容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉操作(昇降)及び凸部901c及び911dの弁の開閉操作を行う。操作ユニット81Aは、支持部材800、保持部材801、昇降軸802及びプローブ803を含む。
支持部材800はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材801を収容する。支持部材800は、また、配管L3と支持部材800内を連通させる連通部800aを備える。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧が連通部800aを介して支持部材800内に導入される。
保持部材801は、蓋ユニット91を着脱自在に保持可能な部材である。保持部材801は蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧は、連通部800a及び保持部材801の連通穴801aを介して抽出容器9内へ供給可能である。
保持部材801は支持部材800内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸802はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸802は支持部材800の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸802の下端部には保持部材801の天部が固定されている。昇降軸802の昇降によって保持部材801が上下方向にスライドし、凸部911dや凸部901cへの保持部材801の装着と分離を行うことができる。また、容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉を行うことができる。
昇降軸802の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ802aが形成されている。このねじ802aにはナット804bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ804aを備えており、ナット804bはモータ804aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット804bの回転によって昇降軸802が昇降する。
昇降軸802は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ803が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ803は保持部材801の天部を上下方向に気密に貫通し、支持部材800及び保持部材801に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ803は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ803の降下により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ803の上昇により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ803の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ803aが形成されている。このねじ803aにはナット805bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ805aを備えており、ナット805bはモータ805aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット805bの回転によってプローブ803が昇降する。
下部ユニット8Cは、操作ユニット81Cを含む。操作ユニット81Cは、操作ユニット81Aを上下に反転した構成であり、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903の開閉操作を行う。操作ユニット81Cも蓋ユニット91の開閉が可能な構成であるが、本実施形態では操作ユニット81Cを蓋ユニット91の開閉には用いない。
以下、操作ユニット81Aの説明と略同じであるが、操作ユニット81Cについて説明する。操作ユニット81Cは、支持部材810、保持部材811、昇降軸812及びプローブ813を含む。
支持部材810はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられており、保持部材811を収容する。支持部材810は、また、切替ユニット10の切替弁10aと支持部材810内を連通させる連通部810aを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は、蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される円筒状の空間を有すると共に、これらを着脱自在に保持する機構を備える。この機構は、例えば、スナップリング機構であり、一定の押圧力により係合し、一定の分離力により係合が解除される。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810a及び保持部材811の連通穴811aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は支持部材810内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材でもある。昇降軸812はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸812は支持部材800の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810に対して上下に昇降自在に設けられている。
昇降軸812の下端部には保持部材811の底部が固定されている。昇降軸812の昇降によって保持部材811が上下方向にスライドし、凸部901cや凸部911dへの保持部材811の装着と分離を行うことができる。
昇降軸812の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ812aが形成されている。このねじ812aにはナット814bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ814aを備えており、ナット814bはモータ814aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット814bの回転によって昇降軸812が昇降する。
昇降軸812は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ813が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ813は保持部材811の底部を上下方向に気密に貫通し、支持部材810及び保持部材811に対して上下に昇降自在に設けられている。
プローブ813は、凸部911d、901cの内部に設けた弁913、903を開閉する操作子であり、プローブ813の上昇により弁913、903を閉状態から開状態とし、プローブ813の降下により弁を開状態から閉状態(不図示のリターンばねの作用による)とすることができる。
プローブ813の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ813aが形成されている。このねじ813aにはナット815bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ815aを備えており、ナット815bはモータ815aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット815bの回転によってプローブ813が昇降する。
<4-4.中部ユニット>
中部ユニット8Bについて図5及び図9を参照して説明する。図9は中部ユニット8Bの模式図である。中部ユニット8Bは抽出容器9を支持する支持ユニット81Bを含む。支持ユニット81Bは上述したアーム部材820の他、ロック機構821を支持するユニット本体81B’を含む。
ロック機構821は、蓋ユニット91を容器本体90に対して閉状態に維持する機構である。ロック機構821は、蓋ユニット91の鍔部911cと容器本体90のフランジ部90cとを上下に挟持する一対の把持部材821aを含む。一対の把持部材821aは、鍔部911cとフランジ部90cとを挟み込んで嵌合するC字型の断面を有しており、モータ822の駆動力により左右方向に開閉される。一対の把持部材821aが閉状態の場合、図9の囲み図において実線で示すように、各把持部材821aは鍔部911cとフランジ部90cとを上下に挟み込むようにしてこれらに嵌合し、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。このロック状態においては、保持部材801を昇降軸802によって上昇させて蓋ユニット91を開放しようとしても、蓋ユニット91は移動しない(ロックは解除されない)。つまり、保持部材801を用いて蓋ユニット91を開放する力よりもロック機構821によるロックの力の方が強く設定されている。これにより異常時に容器本体90に対して蓋ユニット91が開状態になることを防止することができる。
また、一対の把持部材821aが開状態の場合、図9の囲み図において破線で示すように、鍔部911cとフランジ部90cから各把持部材821aが離間した状態となり、蓋ユニット91と容器本体90とのロックが解除される。
保持部材801が蓋ユニット91を保持した状態にあり、かつ、保持部材801を降下位置から上昇位置に上昇する場合、一対の把持部材821aが開状態の場合には容器本体90から蓋ユニット91が分離される。逆に一対の把持部材821aが閉状態の場合には蓋ユニット91に対する保持部材801が解除され、保持部材801だけが上昇することになる。
中部ユニット8Bは、また、モータ823を駆動源としてアーム部材820を前後方向に水平移動する機構を含む。これにより、アーム部材820に支持された容器本体90を後側の抽出位置(状態ST1)と、前側の豆投入位置(状態ST2)との間で移動することができる。豆投入位置は、容器本体90に挽き豆を投入する位置であり、蓋ユニット91が分離された容器本体90の開口90aに、グラインダ5Bで挽かれた挽き豆が排出管5Cから投入される。換言すると、排出管5Cの位置は、豆投入位置に位置している容器本体90の上方である。
抽出位置は、容器本体90が操作ユニット81A及び操作ユニット81Cによる操作が可能となる位置であり、プローブ803、813と同軸上の位置であって、コーヒー液の抽出を行う位置である。抽出位置は豆投入位置よりも奥側の位置である。図5、図7及び図8はいずれも容器本体90が抽出位置にある場合を示している。このように、挽き豆の投入と、コーヒー液の抽出及び水の供給とで、容器本体90の位置を異ならせることにより、コーヒー液抽出時に発生する湯気が、挽き豆の供給部である排出管5Cに付着することを防止できる。
中部ユニット8Bは、また、モータ824を駆動源として支持ユニット81Bを前後方向の軸825回りに回転させる機構を含む。これにより、容器本体90(抽出容器9)の姿勢をネック部90bが上側の正立姿勢(状態ST1)からネック部90bが下側の倒立姿勢(状態ST3)へ変化させることができる。抽出容器9の回動中は、ロック機構821により容器本体90に蓋ユニット91がロックされた状態が維持される。正立姿勢と倒立姿勢とで抽出容器9は上下が反転される。正立姿勢における凸部901cの位置に、倒立姿勢では凸部911dが位置する。また、正立姿勢における凸部911dの位置に、倒立姿勢では凸部901cが位置する。このため、倒立姿勢では弁903に対する開閉操作を操作ユニット81Aが行うことができ、また、弁913に対する開閉操作を操作ユニット81Cが行うことができる。
<5.制御装置>
図10を参照して飲料製造装置1の制御装置11について説明する。図10は制御装置11のブロック図である。
制御装置11は飲料製造装置1の全体を制御する。制御装置11は、処理部11a、記憶部11b及びI/F(インタフェース)部11cを含む。処理部11aは例えばCPU等のプロセッサである。記憶部11bは例えばRAMやROMである。I/F部11cは外部デバイスと処理部11aとの間の信号の入出力を行う入出力インタフェースを含む。I/F部11cは、また、インターネットなどの通信ネットワーク15を介してサーバ16とデータ通信が可能な通信インタフェースを含む。サーバ16は、通信ネットワーク15を介してスマートフォン等の携帯端末17との通信が可能であり、例えば、飲料の需要者の携帯端末17から飲料製造の予約や、感想などの情報を受信可能である。
処理部11aは記憶部11bに記憶されたプログラムを実行し、情報表示装置12からの指示或いはセンサ群13の検出結果若しくはサーバ16からの指示に基づいて、アクチュエータ群14を制御する。センサ群13は飲料製造装置1に設けられた各種のセンサ(例えばお湯の温度センサ、機構の動作位置検出センサ、圧力センサ等)である。アクチュエータ群14は飲料製造装置1に設けられた各種のアクチュエータ(例えばモータ、電磁弁、ヒーター等)である。
<6.動作制御例>
処理部11aが実行する飲料製造装置1の制御処理例について図11A(A)及び(B)を参照して説明する。図11(A)は一回のコーヒー飲料製造動作に関わる制御例を示している。製造指示前の飲料製造装置1の状態を待機状態と呼ぶ。待機状態における各機構の状態は以下の通りである。
抽出装置3は図5の状態にある。抽出容器9は正立姿勢で、かつ、抽出位置に位置している。ロック機構821は閉状態であり、蓋ユニット91は容器本体90の開口90aを閉鎖している。保持部材801は降下位置にあり、凸部911dに装着されている。保持部材811は上昇位置にあり、凸部901cに装着されている。弁903及び913は閉状態にある。切替弁10aは操作ユニット8Cの連通部810aを廃棄タンクTと連通させる。
待機状態において、コーヒー飲料の製造指示があると、図11(A)の処理が実行される。S1では予熱処理が実行される。この処理は容器本体90内にお湯を注ぎ、容器本体90を事前に加温する処理である。まず、弁903及び913を開状態とする。これにより、配管L3、抽出容器9、廃棄タンクTが連通状態となる。
電磁弁72iを所定時間(例えば1500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。続いて電磁弁73を所定時間(例えば500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、抽出容器9内の空気が加圧され、廃棄タンクTへのお湯の排出を促進する。以上の処理により、抽出容器9の内部及び配管L2が予熱され、これに続くコーヒー飲料の製造において、お湯が冷めることを低減できる。
S2ではグラインド処理を行う。ここでは焙煎コーヒー豆を粉砕し、その挽き豆を容器本体90に投入する。まず、ロック機構821を開状態とし、保持部材801を上昇位置に上昇する。蓋ユニット91は保持部材801に保持され、保持部材801と共に上昇する。この結果、蓋ユニット91は容器本体90から分離する。保持部材811は降下位置に降下する。容器本体90を豆投入位置に移動する。続いて、貯留装置4及び粉砕装置5を作動する。これにより、貯留装置4から一杯分の焙煎コーヒー豆がグラインダ5Aに供給される。グラインダ5A及び5Bで焙煎コーヒー豆が二段階で挽かれ、かつ、分離装置6で不要物が分離される。挽き豆は容器本体90に投入される。
容器本体90を抽出位置に戻す。保持部材801を降下位置に降下して容器本体90に蓋ユニット91を装着する。ロック機構821を閉状態とし、蓋ユニット91を容器本体90に気密にロックする。保持部材811は上昇位置に上昇する。弁903、913のうち、弁903は開状態とし、弁913は閉状態とする。
S3では抽出処理を行う。ここでは容器本体90内の挽き豆からコーヒー液を抽出する。図11(B)はS3の抽出処理のフローチャートである。
S11では抽出容器9内の挽き豆を蒸らすため、一杯分のお湯よりも少ない量のお湯を抽出容器9に注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば500ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。その後、所定時間(例えば、5000ms)待機してS11の処理を終了する。この処理によって挽き豆を蒸らすことができる。挽き豆を蒸らすことで、挽き豆に含まれる炭酸ガスを放出させ、その後の抽出効果を高めることができる。
S12では、一杯分のお湯が抽出容器9に収容されるよう、残りの量のお湯を抽出容器9へ注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば7000ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。
S12の処理によって抽出容器9内を、1気圧で摂氏100度を超える温度(例えば摂氏110度程度)の状態とすることができる。続いてS13により抽出容器9内を加圧する。ここでは電磁弁73bを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖し、抽出容器9内をお湯が沸騰しない気圧(例えば4気圧程度(ゲージ圧で3気圧程度))に加圧する。その後、弁903を閉状態とする。
続いて、この状態を所定時間(例えば7000ms)維持して浸漬式のコーヒー液抽出を行う(S14)。これにより高温高圧下での浸漬式によるコーヒー液の抽出が行われる。高温高圧下での浸漬式の抽出では、以下の効果が見込める。一つ目は、高圧にすることで、挽き豆の内部にお湯を浸透させ易くし、コーヒー液の抽出を促進させることができる。二つ目は、高温にすることで、コーヒー液の抽出が促進される。三つ目は、高温にすることで挽き豆に含まれるオイルの粘性を下がり、オイルの抽出が促進される。これにより香り高いコーヒー飲料を製造できる。
お湯(高温水)の温度は、摂氏100度を超えていればよいが、より高温である方がコーヒー液の抽出の点で有利である。一方、お湯の温度を高くするためには一般にコストアップとなる。したがって、お湯の温度は、例えば、摂氏105度以上、または、摂氏110度以上、或いは、摂氏115度以上とし、また、例えば、摂氏130度以下、または、摂氏120度以下としてもよい。気圧はお湯が沸騰しない気圧であればよい。
S15では抽出容器9内を減圧する。ここでは、抽出容器9内の気圧をお湯が沸騰する気圧に切り替える。具体的には、弁913を開状態とし、電磁弁73cを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖する。抽出容器9内が大気に解放される。その後、弁913を再び閉状態とする。
抽出容器9内が沸点圧よりも低い気圧に急激に減圧され、抽出容器9内のお湯が一気に沸騰する。抽出容器9内のお湯、挽き豆は、抽出容器9内で爆発的に飛散する。これにより、お湯を均一に沸騰させることができる。また、挽き豆の細胞壁の破壊を促進させることができ、その後のコーヒー液の抽出を更に促進させることができる。また、この沸騰により挽き豆とお湯を撹拌させることもできるため、コーヒー液の抽出を促進させることができる。こうして本実施形態ではコーヒー液の抽出効率を向上することができる。
S16では抽出容器9を正立姿勢から倒立姿勢へ反転する。ここでは、保持部材801を上昇位置に、保持部材811を降下位置にそれぞれ移動する。そして、支持ユニット81Bを回転させる。その後、保持部材801を降下位置に、保持部材811を上昇位置にそれぞれ戻す。倒立姿勢の抽出容器9は、ネック部90bや蓋ユニット91が下側に位置することになる。
S17では透過式のコーヒー液抽出を行い、カップCにコーヒー飲料を送出する。ここでは、切替弁10aを切り替えて注ぎ部10cと操作ユニット81Cの通路部810aとを連通させる。また、弁903、913をいずれも開状態とする。更に、電磁弁73bを所定時間(例えば10000ms)開放し、抽出容器9内を所定気圧(例えば1.7気圧(ゲージ圧で0.7気圧))にする。抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料が蓋ユニット91に設けたフィルタを透過してカップCに送出される。フィルタは挽き豆の残渣が漏出することを規制する。以上により抽出処理が終了する。
本実施形態では、S14での浸漬式の抽出とS17での透過式の抽出とを併用することによりコーヒー液の抽出効率を向上できる。抽出容器9が正立姿勢の状態では、挽き豆が胴部90eから底部90fに渡って堆積する。一方、抽出容器9が倒立姿勢の状態では、挽き豆が肩部90dからネック部90bに渡って堆積する。ネック部90bの断面積よりも胴部90eの断面積の方が大きく、倒立姿勢での挽き豆の堆積厚さは正立姿勢での堆積厚さよりも厚くなる。つまり、挽き豆は抽出容器9が正立姿勢の状態では相対的に薄く、広く堆積し、倒立姿勢の状態では相対的に厚く、狭く堆積する。
本実施形態の場合、S14の浸漬式抽出は抽出容器9が正立姿勢の状態で行われるので、お湯と挽き豆とを広範囲にわたって接触させることができ、コーヒー液の抽出効率を向上できる。但し、この場合はお湯と挽き豆とが部分的に接触する傾向にある。一方、S17の透過式抽出は抽出容器9が倒立姿勢の状態で行われるので、お湯がより多くの挽き豆と接触しながら堆積した挽き豆を通過することになる。お湯がより万遍なく挽き豆と接触することになり、コーヒー液の抽出効率を更に向上することができる。
図11(A)に戻り、S3の抽出処理の後は、S4の排出処理を行う。ここでは抽出容器9内の清掃に関する処理を行う。抽出容器9の清掃は、抽出容器9を倒立姿勢から正立姿勢に戻し、抽出容器9に水道水(浄水)を供給することで行う。そして、抽出容器9内を加圧し、抽出容器9内の水を挽き豆の残渣と共に廃棄タンクTへ排出する。
以上により一回のコーヒー飲料製造処理が終了する。以降、同様の処理が製造指示毎に繰り返される。一回のコーヒー飲料の製造に要する時間は、例えば、60~90秒程度である。
<7.カバー部102に透明ディスプレイの機能を設けた装置構成の例>
前述のとおり、カバー部102は、その全体が透過部とされた透明カバーを構成しており、飲料製造装置1の製造部の一部を、ユーザ(例えば装置1の管理者、飲料の需要者等)が装置1外部から視認可能となるように覆っている。製造部は、前述の豆処理装置2および抽出装置3を含み、より詳細には、豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含み、抽出装置3は、流体供給ユニット7、駆動ユニット8、抽出容器9及び切替ユニット10を含む(図2、図3等参照)。本実施形態においては、上記製造部のうち、貯留装置4の一部である複数のキャニスタ40が露出され、他の要素は実質的にハウジング100内に収容されているものとするが、他の実施形態として、製造部の全部はハウジング100内に収容されていてもよい。換言すると、カバー部102は、製造部の少なくとも一部を覆うように設けられればよい。
製造部の少なくとも一部がカバー部102により装置1外部から視認可能に覆われていることで、例えば、ユーザが装置1の管理者の場合には、該管理者は飲料の製造準備と共に装置の動作点検を行うことも可能な場合がある。ユーザが飲料の購入者の場合には、該購入者は飲料に対する期待感を高めながら該飲料の製造完了を待機可能な場合がある。本実施形態においては、例えば、抽出装置3の抽出容器9がカバー部102を介して装置1外部から視認可能であり、飲料を製造する幾つかのプロセスのうちユーザにとって比較的関心度の高い抽出工程が観察可能である。この抽出容器9は、前述のとおり、製造部において上下反転が可能な可動部分となっており、ユーザの興味を比較的惹きやすい部分と云える。そのため、抽出容器9の反転動作をユーザにより観察可能とすることで、ユーザを楽しませることが可能な場合がある。
このような装置構成によれば、ユーザは、カバー部102により製造部の少なくとも一部(或いは装置1内の態様)を視認可能となると共に、情報表示装置12により所定の情報を取得可能となる。よって、装置1のユーザビリティが向上する他、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能な場合がある。上記構成においては、情報表示装置12には、主として上記製造部による製造の進行状況を示す情報(例えばデモンストレーション用の映像)が表示されうるが、必要に応じて他の情報(例えば広告用の映像)が表示されてもよい。ここでいう映像は静止画映像および動画映像を含む。映像は、実写およびアニメーション(コンピュータグラフィックスを含む。)の何れでもよいが、デモンストレーション用の動画映像の場合には、ユーザの興味を惹くことを目的として、例えば実写よりも大きい動き(目立つ動き)のアニメーションで表示されてもよい。
一方、飲料が製造されている間、ユーザは必要に応じて飲料製造装置1から離れる場合もあり、カバー部102を介して装置1内の態様を確認しながら情報表示装置12の表示内容を確認することがユーザにとって煩雑となる場合も考えられる。
図12Aは、実施形態の一例として透明ディスプレイ201を備える飲料製造装置1の斜視図であり、図12Bは、この装置1の部分正面図である。本例では、情報表示装置12が表示する内容とは異なる内容及び/又は情報表示装置12が表示する内容の一部を表示する他の要素として、情報表示部121がカバー部102に重ねられて配され、それらが透明ディスプレイ201を形成している。透明ディスプレイ201(情報表示部121)としては、透明有機ELディスプレイ、透明無機ELディスプレイ、透明液晶ディスプレイ等が好適に用いられ、この場合、カバー部102は、例えばプラスチック等、光透過性の樹脂基板、画素を形成するための基板として用いられる。
例えば透明有機ELディスプレイの場合、透明ディスプレイ201は、カバー部102上に、複数の有機化合物層と、該複数の有機化合物層の上層および下層のそれぞれにITO(酸化インジウムスズ)等の透明電極とが形成されて成る。複数の有機化合物層としては、例えば有機発光層、電子注入層、正孔注入層等が挙げられる。また、例えば、透明液晶ディスプレイの場合、透明ディスプレイ201は、赤画素、緑画素及び青画素を副画素としてそれぞれ含む複数の画素がカバー部102上に配列されて成る。或いは、透明ディスプレイ201は、各画素での色表現をいわゆるFSC(フィールドシーケンシャルカラー)方式により実現可能に構成されてもよい。
また、他の例として、情報表示部121には、投影機、映写機等、所定距離だけ離れた位置に情報を表示可能なものが用いられてもよい。この場合、情報表示部121は、カバー部102から離れた位置において本体部101に設けられることとなる。情報表示部121は、カバー部102に情報を表示してもよいが、いわゆるプロジェクションマッピングを実現可能であってもよく、例えば製造部の各部分の表面に情報を表示可能としてもよい。
本例において、透明ディスプレイ201に情報を表示させる機能は前述の制御装置11(図10参照)により実現されるものとする。例えば、制御装置11は、透明ディスプレイ201を駆動制御するためのドライバを含み、透明ディスプレイ201は、該ドライバにより駆動され、例えば該ドライバからの駆動信号に応じた情報を表示する。制御装置11は、例えば、このドライバと共に、ASIC(特定用途向け集積回路)やPLC(プログラマブルロジックデバイス)等の半導体装置を含む電子部品がプリント基板上に実装されて構成されればよい。
透明ディスプレイ201は、湾曲して形成されており、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3を含む。正面部P1は、透明ディスプレイ201のうち装置1正面側の部分であって装置1左右方向に延設された部分とするが、必ずしも一方向に平坦である必要はない。即ち、正面部P1は、装置1の正面に立つユーザによって見やすい部分に対応し、装置1左右方向に対して例えば0~30°程度の角度を成す部分とする。側方部P2は、透明ディスプレイ201のうち装置1側方側の部分であって装置1前後方向に延設された部分とするが、必ずしも一方向に平坦である必要はない。即ち、側方部P2は、装置1の側方に立つユーザによって見やすい部分に対応し、装置1前後方向に対して例えば0~30°程度の角度を成す部分とする。湾曲部P3は、正面部P1及び側方部P2の間に位置し、正面部P1及び側方部P2を接続しながら湾曲した部分とする。
透明ディスプレイ201は、所定の情報(好ましくはユーザにとって有用な情報)を表示可能である。本例においては、情報の表示に際して情報表示装置12を併用可能である。例えば、透明ディスプレイ201は、情報表示装置12に付随して/代替して、製造部による製造の進行状況を示す情報を表示することが可能である。これにより、ユーザは、飲料の製造完了までの進捗状況を把握可能となる。一例として、透明ディスプレイ201には、ユーザが飲料製造装置1から離れた位置からでも分かりやすい情報(例えばマーク等)が比較的大きいサイズで表示され、情報表示装置12には、その詳細を示す情報(例えば文章等)が表示されうる。そのため、ユーザは、飲料の製造が完成するまでの間、例えば、飲料製造装置1から一時的に離れ、必要に応じて装置1前に戻って製造の進捗状況を確認することも可能となる。尚、飲料製造装置1から一時的に離れた上記ユーザに注意喚起を促すため、飲料製造装置1には、報知音を発生する音発生部(例えばスピーカー)が設けられてもよい。
図13A及び図13Bは、透明ディスプレイ201の表示態様の一例を示す部分正面図である。例えばグラインド処理(図11(A)のS2参照)においては、図13Aに示されるように、透明ディスプレイ201は「豆挽き実行」の文字情報INF131を表示する。これにより、ユーザは、グラインド処理が適切に行われていることを認識し、飲料製造の進捗状況を把握することができる。付随的に、透明ディスプレイ201は、各キャニスタ40における焙煎コーヒー豆の残量を示す図形情報INF132を表示することも可能である。これにより、ユーザは、キャニスタ40内の焙煎コーヒー豆の残量を知ることができ、また、必要に応じて焙煎コーヒー豆の充填の準備を行うこともできる。
複数のキャニスタ40の何れか(例えば左側のキャニスタ40)の焙煎コーヒー豆の残量が実質的にない/なくなった場合、透明ディスプレイ201は、図13Bに示されるように「コーヒー豆を入れて下さい」の文字情報INF133を表示する。透明ディスプレイ201は、この文字情報INF133に付随して/代替して、キャニスタ40への焙煎コーヒー豆の充填を促す図形情報INF134を表示することも可能である。
尚、上記図形情報とは、三角形や四角形等の図形の他、線や記号等が組み合わされて成る情報であり、飲料製造の進捗状況や装置1の状態等をユーザが視覚を通じて直感的に理解可能なもの(例えば通知内容、その関連内容等を象ったマーク)であるとよい。
また、図14に示されるように、例えば抽出処理(図11のS3参照)においては、透明ディスプレイ201は「抽出中...」の文字情報INF141を表示する。透明ディスプレイ201は、この文字情報INF141に付随して/代替して、載置部110上のカップに対して飲料を注いでいる状態であることを示す図形情報INF142を表示することも可能である。透明ディスプレイ201は、情報INF141及びINF142に付随して、抽出処理が完了するまでの時間を示す情報を表示してもよい。
図15に示されるように、上記抽出処理が完了した場合には、透明ディスプレイ201は「できあがり」の文字情報INF151を表示する。透明ディスプレイ201は、この文字情報INF151に付随して/代替して、ユーザが載置部110からカップを取り出し可能な状態となったことを示す図形情報INF152を表示してもよい。
尚、上述の図形情報INF132、INF134、INF142及びINF152は、ここでは何れも、図形、線、記号等が組み合わされて成り且つ文字を含まないものとして示したが、文字が組み合わされてもよい。また、このことは以下の他の図形情報についても同様である。
また、例えば飲料製造装置1の待機状態において(或いは、飲料製造中においては必要に応じて該製造の中断を伴って)、装置1について所定のメンテナンスが必要になった場合には、透明ディスプレイ201は、ユーザに装置1のメンテナンスを促す情報を表示可能である。図16は、メンテナンスが必要になった場合の透明ディスプレイ201の表示態様の例を示す。ここでは一例として、分離装置6の回収容器60B(図4参照)が不要物Dで満杯となった場合あるいは回収容器60B内の不要物Dの量が基準量を超えた場合を示し、透明ディスプレイ201は「回収容器が満杯です」の文字情報INF161を表示するものとする。
その際、文字情報INF161は、ユーザにとって、カバー部102により覆われた何れの部分を確認すれば良いかが分かりやすく且つカバー部102を介して回収容器60Bを視認可能な位置に表示されるとよい。図16の例では、透明ディスプレイ201は、正面視において、回収容器60Bより下方の回収容器60Bとは重ならない位置に文字情報INF161を表示すると共に回収容器60Bの下方部と部分的に重なる位置に上矢印マーク(三角形のマーク)INF1611を表示する。或いは、文字情報INF161は、上矢印マークINF1611と共に回収容器60Bの下方部と部分的に重なる位置に表示されてもよい。これらの表示態様によれば、ユーザはメンテナンスが必要な箇所を容易に特定可能となる。また、透明ディスプレイ201は、この文字情報INF161に付随して/代替して、回収容器60Bの清掃を促す図形情報を表示してもよい。
前述のとおり、透明ディスプレイ201は、湾曲して形成されており、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3を含む。そのため、カバー部102を介して視認可能な飲料製造装置1の製造部の各要素の見え易さは、ユーザの装置1に対する視線方向(言い換えると、装置1に対するユーザの立ち位置)によって異なりうる。例えば、本例の場合、抽出装置3の抽出容器9は、側面視よりも正面視の方がユーザにとって視認しやすい。これに対して、粉砕装置5は、正面視よりも側面視(本例の場合、左側面視)の方がユーザにとって視認しやすく、また、分離装置6(の回収容器60B)は、正面視よりも側面視(本例の場合、右側面視)の方がユーザにとって視認しやすい。
そのため、透明ディスプレイ201は、表示するべき情報を、必要に応じて、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の一部に選択的に表示することが可能である。換言すると、透明ディスプレイ201は、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れにも所定の情報を表示可能となっている。例えば、透明ディスプレイ201は、表示するべき情報を、製造部のうち該情報に関連する部分と、正面部P1及び側方部P2の一方において重なり且つ他方において重ならないように、表示することも可能である。これにより、ユーザは、該情報を取得すると共に該情報に関連する上記部分を視認可能となり、装置1内の態様をユーザに適切に認識させることが可能な場合がある。
例えば、上記製造部のうちメンテナンス対象となる部分が側面視よりも正面視の方が視認しやすい場合には、メンテナンスを促す情報INF171は、図17Aに示されるように、正面部P1に表示されるとよい。このとき、情報INF171は、正面視において、該メンテナンス対象となる部分と重ならない位置あるいは部分的に重なる位置に、矢印マーク等と共に表示されるとよい。
また、例えば、上記製造部のうちメンテナンス対象となる部分が正面視よりも側面視の方が視認しやすい場合には、メンテナンスを促す情報INF171は、図17Bに示されるように、側方部P2に表示されるとよい。このとき、情報INF171は、側面視において、該メンテナンス対象となる部分と重ならない位置あるいは部分的に重なる位置に、矢印マーク等と共に表示されるとよい。
ここでは、理解の容易化のため正面視および側面視の2つの場合について述べたが、飲料製造装置1に対して斜めの方向からの視点(即ち、湾曲部P3の表示面に対して垂直な視線方向)についても同様のことが云える。或いは、透明ディスプレイ201は、例えば上面視において上記メンテナンス対象となる部分と情報INF171とを結ぶ線が透明ディスプレイ201の表示面と略垂直(60~90°程度)に交差する位置に、情報INF171を表示することとしてもよい。この場合、ユーザは、情報INF171を正面から見た際に、それと略同時に上記メンテナンス対象となる部分を視認することが可能となる。
或いは他の例として、メンテナンス対象となる部分が正面視の方が視認しやすい場合において、透明ディスプレイ201は、情報INF171を側方部P2に表示すると共に、該部分が正面側から視認可能であることを示す矢印マークを表示してもよい。同様に、メンテナンス対象となる部分が側面視の方が視認しやすい場合において、透明ディスプレイ201は、情報INF171を正面部P1に表示すると共に、該部分が側面側から視認可能であることを示す矢印マークを表示してもよい。
これらの表示態様によれば、ユーザは、情報INF171によりメンテナンスに関する情報を取得すると共に、視線方向を大きく変えることなく、メンテナンス対象となる部分を確認可能となる。また、これらのことは、メンテナンスに関する情報を表示する場合に限られず、製造部の任意の一部について情報を表示する場合にも適用可能である。
付随的に、カバー部102内にはLED(Light Emittig Diode)等の光源部が設けられていてもよい。上記情報INF171を含む透明ディスプレイ201により表示される各情報は、この光源部と重なる位置に表示されてもよい。これにより、光源部がバックライトとして作用して透明ディスプレイ201により表示される各情報を目立たせることができ、ユーザは、何らかの情報が透明ディスプレイ201により表示されていることに容易に気付くことができる場合がある。
上記光源部はカバー部102内に複数設けられてもよく、例えば個々の光源部は製造部の各部分をライトアップするように配置されてもよい。例えば、製造部のうちメンテナンス対象となる部分が正面視で視認しやすい場合、情報INF171(図17A参照)は正面部P1に表示されると共に、複数の光源部のうち正面視で情報INF171と重なるものが発光することとしてもよい。また、例えば、製造部のうちメンテナンス対象となる部分が側面視で視認しやすい場合、情報INF171は側方部P2に表示されると共に、複数の光源部のうち側面視で情報INF171と重なるものが発光することとしてもよい。
また、透明ディスプレイ201は、表示するべき情報を、必要に応じて、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の全部に表示することも可能な場合がある。例えば、正面部P1の表示は側面視においては見難く、また、側方部P2の表示は正面視においては見難い。そのため、カバー部102内の製造部の視認を要しない情報については、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の全部に表示されてもよい。これにより、ユーザは、飲料製造装置1に対する何れの位置からでも該情報を取得し或いは該情報が表示されたことに気付くことが可能となる。
正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の一部/全部に所定の情報を表示する場合、透明ディスプレイ201は、カバー部102内の態様が視認可能な程度の透過率で該情報を表示することとしてもよい。正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の全部に所定の情報を表示する場合、透明ディスプレイ201の全域に亘って単一の情報が表示されてもよいし、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3のそれぞれに該情報が個別に表示されてもよい。
カバー部102の構造上(カバー部102の湾曲した形状により)、ユーザは、正面部P1から側方部P2の裏側を見ること、及び、側方部P2から正面部P1の裏側を見ることが可能である。その際、ユーザは、正面部P1あるいは側方部P2に表示されている情報(文字情報あるいは図形情報)を裏側から見ることも可能である。同様に、ユーザは、右側の側方部P2および左側の側方部P2の一方から他方の裏側を見ることも可能であり、その際、該他方に表示されている情報を裏側から見ることも可能である。よって、透明ディスプレイ201の何れかの部分に情報が表示された場合には、ユーザは、飲料製造装置1に対する何れの位置からでも、そのことに容易に気付くことができると云える。
前述のとおり、透明カバーであるカバー部102は、右端部のヒンジ102aにより開閉可能となっている。即ち、透明ディスプレイ201を備える本例においては、カバー部102は情報表示部121と共に開閉可能となる。ユーザは、このカバー部102を開けることにより、飲料製造装置1のカバー部102で覆われた製造部を清掃し、或いは、部品交換を行うことができる。
透明ディスプレイ201は、カバー部102が開けられた場合には、図17Cに示されるように、カバー部102が開いた状態であることを示す画像として図形情報INF172を表示するとよい。このことは、ユーザによるカバー部102の閉め忘れ等の防止に有利となる。例えば、カバー部102の小解放状態(係合部102bに適切に係合していない状態)においては、上記図形情報INF172が表示されるため、ユーザは、透明カバーの閉め忘れに早期に気付くことが可能となる。
また、例えば、上記図形情報INF172の表示位置は、カバー部102の開閉の程度(回動量)に応じて変更されてもよい。それにより、上記画像をユーザの見やすい位置に表示してユーザに気付かせることも可能となる。これに際して、装置に対するユーザの位置を検出するセンサ(カメラ、赤外線センサ等)が設けられてもよい。
また、カバー部102が閉じられた場合には、透明ディスプレイ201は、上記図形情報INF172の表示を抑制する。これにより、ユーザは、カバー部102が適切に閉じられたものと認識することができる。
以上、本例の飲料製造装置1によれば、透明カバーであるカバー部102と、情報表示部121とが互いに重なって透明ディスプレイ201を形成している。このような装置構成によれば、ユーザは、単にカバー部102を介して装置1の製造部を視認可能となるだけでなく、該製造部を視認しながら所定の情報を取得可能となり、装置1のユーザビリティの向上に有利である。また、透明ディスプレイ201に所定の情報を表示させることで使用時の意匠性の向上にも有利な場合もある。
また、透明ディスプレイ201は、カバー部102を介して視認することのできない部分を示す情報を表示する場合もある。これにより、飲料製造において視認不可のプロセスをユーザに想像させ、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる場合がある。例えば、グラインド処理(図11(A)のS2参照)開始前においては焙煎コーヒー豆がキャニスタ40から粉砕装置5へ搬送されるが、集合搬送部42が不透明な場合には、ユーザはその様子を見ることができない。その場合、透明ディスプレイ201は、焙煎コーヒー豆が搬送される動画を表示してもよい。このような表示態様によれば、ユーザは、製造部の視認可能な部分および視認不可の部分の双方の情報を一度に確認可能となる。
また、透明ディスプレイ201は、情報表示装置12に代替して、製造部による製造の進行状況を示す情報(例えばデモンストレーション用の映像)を表示してもよい。製造部の一部を表示する際には、透明ディスプレイ201は、該一部を実際のサイズよりも大きいサイズで(例えば、実写においては拡大して、アニメーションにおいては目立つように)表示する場合もある。表示対象を大きいサイズで表示して目立たせることでユーザの視線を集めやすくし、これにより、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能な場合がある。
このことは、動画映像を表示する場合についても同様である。例えば、透明ディスプレイ201は、製造部が飲料の製造に際して取り扱う液体(例えば、お湯、コーヒー液など)を示す画像を表示する場合もある。このような場合、透明ディスプレイ201は、その液体の実際の動きよりも大きい動きで表示してもよい。このことは例えばアニメーションにより容易に実現可能である。
<8.カバー部102に透明タッチパネルの機能を設けた装置構成の一例>
透明タッチパネル201を備える上記装置構成によれば、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。一方、飲料が製造されるまでの間、ユーザによる情報表示装置12への操作入力により該製造のプロセスにユーザを介入させ、ユーザを楽しませて飽きさせないようにする態様が考えられる。そのような場合には、ユーザにとって製造部への視線方向を大きく変えることなく所定の操作を入力可能となるとよく、それにより飲料製造装置1のユーザビリティが向上しうる。
図18Aは、実施形態の他の例として、情報表示装置12に代替してタッチパネル式透明ディスプレイ20を備える飲料製造装置1の斜視図であり、図18Bは、この装置1の部分正面図である。本例では、ユーザによるカバー部102への入力操作を検出可能な検出部122がカバー部102に重ねられて配され、それらが透明タッチパネル202を形成している。透明タッチパネル202(検出部122)には、ユーザによるタッチ操作を検出可能な公知のものが用いられればよく、また、その検出方式としては、静電容量の変化を検出する静電容量式、接触による圧力を検出する感圧式等、公知のものが採用されればよい。この場合、カバー部102は、ユーザによるタッチ操作を検出可能なセンサアレイを形成するための基板として用いられる。
上記入力操作は、製造部の動作を指示するための操作であり、本例ではユーザ(の指)の直接接触を伴うタッチ操作とするが、他の実施形態として、検出部122は、ユーザの手の動き等、直接接触を伴わない挙動(ジェスチャー)を検出可能としてもよい。タッチ操作の例としては、タップ操作、フリック操作、スワイプ操作等が挙げられるが、これらに限られるものではない。例えば、検出部122は、スマートフォン等のタブレット端末に操作を入力する際の他の操作(ピンチイン操作(ピンチ操作)、ピンチアウト操作(ストレッチ操作)、スライド操作等)も検出可能であってもよい。尚、タップ操作の概念には、ダブルタップ操作、ロングタップ操作等も含まれる。
また、本例においても、前述の図12A等の構成同様、情報表示部121がカバー部102に重ねられて透明ディスプレイ201が形成される。本例のタッチパネル式透明ディスプレイ20は、この透明ディスプレイ201と上記透明タッチパネル202とが重ねられて実現される。以下の説明において、タッチパネル式透明ディスプレイ20は、「タッチパネルディスプレイ20」或いは単に「ディスプレイ20」と表現される場合がある。
本例においては、飲料製造装置1は情報表示装置12を備えないため、ユーザによる入力操作は、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を実現するタッチパネルディスプレイ20に対して行われる。ディスプレイ20は、前述の図12A等の構成同様、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3を含む。ディスプレイ20は、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れにも情報を表示可能であり、また、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れへの入力操作も検出可能となっている。尚、本例においては、ディスプレイ20に情報を表示させる機能、及び、ユーザによるディスプレイ20への入力操作を検出する機能は、何れも前述の制御装置11(図10参照)により実現されるものとする。
図19に示されるように、例えば飲料製造装置1の待機状態においては、タッチパネルディスプレイ20には設定変更用ウィンドウINF191が表示される。ウィンドウINF191は、1以上のタップ用ボタンを含み、本例では「製造プロセス設定」ボタン、「装置詳細設定」ボタン及び「OK」ボタンを含む。ユーザは、「製造プロセス設定」ボタン及び「装置詳細設定」ボタンの何れかをタップして所望の設定変更を行った後、「OK」ボタンをタップして、例えば飲料製造処理の各ステップ(図11参照)を開始することができる。
飲料の製造が開始された後、タッチパネルディスプレイ20には、製造部による製造の進行状況を示す情報が表示されうる。例えば、ディスプレイ20は、各プロセスの進行状況を示す情報を、製造部のうちの該プロセスに対応する部分と少なくとも部分的に重なる位置に表示する場合がある。
例えば、図20Aに示されるように、グラインド処理(図11(A)のS2参照)開始前においては、焙煎コーヒー豆がキャニスタ40から粉砕装置5へ搬送されている間、ディスプレイ20は「豆搬送中」の文字情報INF201を表示する。焙煎コーヒー豆は集合搬送部42を通過して粉砕装置5へ搬送されるため、文字情報INF201は、例えば、集合搬送部42と少なくとも部分的に重なる位置、及び/又は、粉砕装置5と少なくとも部分的に重なる位置に、表示されうる。
また、例えば、図20Bに示されるように、上記グラインド処理の間、ディスプレイ20は「豆挽き中」の文字情報INF202を表示する。グラインド処理は、粉砕装置5において行われるため、文字情報INF202は、粉砕装置5と少なくとも部分的に重なる位置に表示されうる。文字情報INF201との関係では、文字情報INF202は、文字情報INF201が表示されていた位置とは異なる位置に(例えば、文字情報INF201が表示されていた位置より下方に)表示されうる。これにより、飲料製造処理のステップが進んだことをユーザに分かりやすくすることができる。
また、例えば、図20Cに示されるように、抽出処理(図11(A)のS3、図11(B)参照)の間、ディスプレイ20は「抽出中」の文字情報INF203を表示する。抽出処理は、抽出装置3において行われるため、文字情報INF203は、抽出装置3と少なくとも部分的に重なる位置に表示されうる。抽出装置3において、抽出容器9は、前述のとおり、反転可能な可動部分であり、製造部のうちユーザの興味を惹きやすい部分となっている。そのため、文字情報INF203は、この抽出容器9と少なくとも部分的に重なる位置に表示されるとよい。
これらの表示態様によれば、ユーザは、飲料製造のプロセスの個々が製造部の何れの部分で行われているかを視覚的に知ることができ、飲料の製造が完了するまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることができる場合がある。
また、飲料が製造されるまでの間の所定のプロセスにユーザを介入させることにより、ユーザを楽しませ、より飽きさせることのないようにすることも可能な場合がある。本例においては、例えば、抽出容器9の反転の際(図11(B)のS16参照)、該反転を実行するための操作指示をユーザ自身が行う態様とすることで、ユーザを楽しませることが可能となる場合がある。
図21Aは、抽出容器9の反転を実行するためのユーザによる入力操作を待機している状態におけるディスプレイ20の表示態様の一例である。この例では、ディスプレイ20は、ユーザにフリック操作またはスワイプ操作を促す図形情報INF211を表示する。他の例として、図21Bに示されるように、飲料製造における何れのプロセスに介入するための入力操作かを示すと共にユーザに該入力操作を促す図形情報INF212が表示されてもよい。本例では、抽出容器9は正面視において見やすいため、上記図形情報INF211又はINF212は、抽出容器9と少なくとも部分的に重なるように正面部P1に表示されるとよい。
図22に示されるように、例えばユーザUは、ディスプレイ20に上記図形情報INF211又はINF212が表示されたことに応じて下方向のスワイプ操作を行うことにより、抽出容器9の反転の実行指示を行うことができる。ユーザUが下方向にスワイプ操作を行った場合、抽出容器9は、このスワイプ操作に追従して反転することとなる。即ち、抽出容器9の容器本体90は、容器本体90内外を連通するための連通穴の向きがユーザによるスワイプ操作に追従して変わるように、回動することとなる。これにより、ユーザは、例えば、連通穴から原料を入れるプロセス、抽出された飲料を連通穴から排出させるプロセス等、飲料製造における一部のプロセスに介入する形となり、飲料の製造が完了するまでの時間を楽しむことが可能な場合がある。
図23に示されるように、抽出容器9の反転が完了した後、ディスプレイ20は、透過式抽出(図11(B)のS17参照)の開始指示を促す文字情報INF231をタップ用ボタンとして表示する。ユーザは、この文字情報INF231をタップすることにより、透過式抽出を開始させることができる。
これらの使用態様によれば、飲料が製造されるまでの間、ユーザは、飲料製造のプロセスの一部に関与することができるため、飽きることなく待機可能となる場合がある。
タッチパネルディスプレイ20の使用態様は上述の例に限られるものではなく、ディスプレイ20は飲料製造のプロセス以外の用途においても使用可能である。例えば、本実施形態においては製造部の可動部分は抽出容器9であるが、抽出容器9とは異なる他の可動部分についても上述の内容を適用可能である。一例として、分離装置6の回収容器60B(図4参照)内の清掃を行うために上部61及び下部62の分離が必要な場合、それらの係止状態を解除するための入力操作を促す情報がディスプレイ20により表示されてもよい。
また、上述の内容は、可動部分を動かすための指示を入力する場合に限られるものではなく、多様な態様に適用可能であり、例えば、製造部の各部分における動作の設定変更を行う場合にも適用可能である。
一例として、粉砕装置5による粉砕態様(例えば、豆挽きの粒度)の設定を変更する場合には、そのための入力操作を促す情報がディスプレイ20により表示されてもよい。例えば、ユーザは、粉砕装置5により挽かれる豆の粒度の設定値(目標値)を、ピンチイン操作を行うことにより小さいものに変更し、或いは、ピンチアウト操作を行うことにより大きいものに変更することが可能である。
また、他の例として、分離装置6による分離態様(例えば、送風ユニット60Aによる送風量(吸引ユニット60による吸引力))の設定を変更する場合には、そのための入力操作を促す情報がディスプレイ20により表示されてもよい。例えば、ユーザは、送風ユニット60Aによる送風量の設定値を、ピンチイン操作を行うことにより小さいものに変更し、或いは、ピンチアウト操作を行うことにより大きいものに変更することが可能である。
また、他の例として、抽出装置3による抽出態様(例えば、空気圧、水圧等、抽出容器9内の圧力)の設定を変更する場合には、そのための入力操作を促す情報がディスプレイ20により表示されてもよい。例えば、ユーザは、抽出容器9内の圧力の設定値を、ピンチイン操作を行うことにより小さいものに変更し、或いは、ピンチアウト操作を行うことにより大きいものに変更することが可能である。
本例においては、タッチパネルディスプレイ20は、情報表示装置12に代替してGUIを実現するものとして設けられ、よって、情報表示装置12の機能(例えば、所定の情報を表示する機能、所定の入力操作を受け付ける機能等)の全部を有するとよい。よって、例えば、ディスプレイ20に情報が表示されている状態において、ユーザは、必要に応じて、その表示位置を移動させることも可能な場合がある。
一例として、図24Aは、回収容器60Bが不要物Dで満杯となった場合あるいは回収容器60B内の不要物Dの量が基準量を超えた場合のディスプレイ20の表示態様を示す。ここでは、ディスプレイ20は「回収容器が満杯です」の文字情報INF241を表示するものとする。
前述の図12A等の構成同様、本例においても、カバー部102を介して視認可能な製造部の各要素の見え易さは、ユーザの飲料製造装置1に対する視線方向(装置1に対するユーザの立ち位置)によって異なりうる。例えば、上記回収容器60Bについては正面視よりも側面視の方がユーザにとって視認しやすい。本例では、ディスプレイ20は標準設定により文字情報INF241を正面部P1に表示し、また、文字情報INF241の右側方において、回収容器60Bと部分的に重なるように右矢印マークINF2411を表示するものとする。よって、ユーザは、文字情報INF241が正面部P1に表示されているにも関わらず、この右矢印マークINF2411により比較的容易にメンテナンス(ここでは清掃)を要する回収容器60Bを視認可能である。
一方、ユーザによっては、文字情報INF241が正面部P1よりも側方部P2或いは湾曲部P3に表示されることを好む場合もある。そのような場合には、例えばユーザUは、図24Bに示されるように、文字情報INF241を指で押さえながら該指を所望の方向にスライドさせることで(いわゆるドラッグ操作)、文字情報INF241をディスプレイ20上の所望の位置に移動させることが可能である。
図24Bの例では、ユーザUは、文字情報INF241を、その一部が側方部P2及び/又は湾曲部P3を跨ぐように右側方に移動させるものとする。その際、ディスプレイ20は、文字情報INF241の移動に応じて、右矢印マークINF2411の表示を抑制すると共に新たに上矢印マークINF2412を表示する。このような表示態様によれば、文字情報INF241の表示位置に関わらず、ユーザは、右矢印マークINF2411又はINF2412により比較的容易にメンテナンスを要する回収容器60Bを視認可能となる。
尚、ディスプレイ20は、他の同様の状況において文字情報INF241を再び表示する場合には、その文字情報INF241を上記移動後の表示位置に再び表示することも可能である。このことは、ディスプレイ20を駆動する制御装置11が文字情報INF241の表示位置の履歴を記憶部11bに記憶することにより実現可能である。
タッチパネルディスプレイ20による情報の表示位置を移動可能とする態様は、上述の例に限られるものではなく、例えば飲料製造のプロセス以外の用途においても使用可能である。一例として、図25Aは、飲料製造装置1の初期設定が完了した後、ディスプレイ20が「「OK」ボタンを押して下さい」の文字情報INF251を表示している態様を示す。ここでは、文字情報INF251は正面部P1に表示されるものとする。例えばユーザUは、図25Bに示されるように、文字情報INF251についてドラッグ操作を行うことで、その表示位置を、湾曲部P3を通過して側方部P2に(或いは湾曲部P3に)移動させることが可能である。尚、ユーザUは、文字情報INF251にタップ用ボタンとして表示されている「OK」ボタンをタップすることで、装置1を待機状態にすることができる。
前述のとおり、タッチパネルディスプレイ20は、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れへの入力操作も検出可能であり、また、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れにも所定の情報を表示可能である。そのため、文字情報INF251を正面部P1から湾曲部P3を通過して側方部P2に移動させる際には、ディスプレイ20は、文字情報INF251が湾曲部P3を通過する態様を湾曲部P3に表示させるとよい。これにより、ユーザは、文字情報INF251の表示位置を変更するためのドラッグ操作を違和感なく行うことが可能となる。
タッチパネルディスプレイ20は、製造部のうち正面視において視認しやすい部分に関連する入力操作と、側面視において視認しやすい部分に関連する入力操作と、をそれぞれ検出部122により個別に検出する場合がある。例えば、ディスプレイ20は、正面視において視認しやすい部分に関連する操作の入力を待機する場合には、該操作の入力を促す情報を情報表示部121により正面部P1に表示させるとよい。また、例えば、ディスプレイ20は、側面視において視認しやすい部分に関連する操作の入力を待機する場合には、該操作の入力を促す情報を情報表示部121により側方部P2に表示させるとよい。また、ディスプレイ20が、製造部のうち正面視および側面視の何れにおいても視認しやすい部分に関連する入力操作を検出部122により個別に検出する場合には、該操作の入力を促す情報を情報表示部121により湾曲部P3に表示させてもよい。これらの表示態様によれば、ユーザは、製造部の対象部分を視認しやすい位置で所定の操作を入力可能となり、ディスプレイ20は、正面部P1、側方部P2及び湾曲部P3の何れに入力された操作も検出部122により検出可能となる。このことは、上述の抽出容器9に代表される可動部分を動かすための指示を入力する際にも適用可能である。
また、前述のとおり、透明カバーであるカバー部102は、右端部のヒンジ102aにより開閉可能となっている。そのため、カバー部102が開けられた場合には、図26に示されるように、タッチパネルディスプレイ20は、カバー部102が開いた状態であることを示す画像として図形情報INF261を表示するとよい。これにより、ユーザは、カバー部102の閉め忘れ等に早期に気付くことが可能となる。また、カバー部102が閉じられた場合には、ディスプレイ20は、図形情報INF261の表示を抑制するものとする。
以上、本例によれば、透明カバーであるカバー部102と、ユーザによるカバー部102への入力操作を検出する検出部122とが互いに重なって透明タッチパネル202が形成される。この構成によれば、飲料製造装置1のユーザビリティの向上に有利である。また、本例によれば、カバー部102においてユーザによる入力操作を検出可能となり、使用時の意匠性の向上にも有利な場合がある。
本例では、透明ディスプレイ201と透明タッチパネル202とでタッチパネル式透明ディスプレイ20を構成する。本例によれば、検出部122による検出結果に基づいて、飲料製造装置1の製造部を制御し、或いは、ディスプレイ20の表示態様を変更することが可能となる。その際、ユーザは、視線方向を大きく変えることなく所定の情報と製造部とを略同時に視認可能となる。そのため、本例によれば、飲料製造装置1のユーザビリティの向上に有利である。また、装置1は、製造部において上下反転が可能な可動部分として抽出容器9を備えており、飲料製造における抽出容器9を反転するプロセスにユーザを関与させることによりユーザを楽しませることも可能となる。
また、前述の図12A等の構成同様、本例においても、タッチパネルディスプレイ20により表示される各情報を目立たせるための光源部がカバー部102内に設けられてもよい。これにより、ユーザは、何らかの情報がディスプレイ20により表示されていることに容易に気付くことができる場合がある。本例においては、ディスプレイ20はユーザによる入力操作を検出可能であるため、該入力操作に基づいて光源部の点灯態様が変更されてもよく、それによりユーザを楽しませることが可能な場合もある。
本発明は、以上に示された幾つかの態様および例に限られるものではなく、これらの内容は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に組み合わせ可能であり、また、目的等に応じて部分的に変更されてもよい。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。例えば、「装置」、「部」等の表現は「ユニット」、「モジュール」等と言い換え可能な場合がある。
<他の実施形態>
上記実施形態では、専らコーヒー飲料を対象としたが、日本茶、紅茶などの茶、スープなどの各種飲料も対象とすることができる。また、抽出対象として、コーヒー豆、コーヒーの生豆、コーヒー豆の挽き豆、焙煎コーヒー豆、焙煎コーヒー豆の挽き豆、焙煎されていないコーヒー豆、焙煎されていないコーヒー豆の挽き豆等、粉末のコーヒー豆、インスタントのコーヒー、ポッドに入ったコーヒー等を例示し、飲料として、コーヒー飲料等を例示し、飲料液としてコーヒー液を例示してきたが、これらだけに限定されない。また、抽出対象として、日本茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉、挽いた茶葉、野菜、粉砕された野菜、果物、粉砕した果物、穀物、粉砕した穀物、椎茸等のきのこ類、椎茸等のきのこ類を粉砕した物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、鰹等の魚類、鰹等の魚類を粉砕した物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、こんぶ等の海藻類、こんぶ等の海藻類を粉砕した物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛、豚、鳥、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該肉等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛の骨、豚の骨、鳥の骨、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該骨等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物等の抽出材料であればよく、飲料として、日本茶、紅茶、ウーロン茶、野菜ジュース、果物ジュース、汁物、出汁、スープ等、飲料であればよく、飲料液として、日本茶のエキス、紅茶のエキス、ウーロン茶のエキス、野菜のエキス、果物のエキス、きのこのエキス、魚等のエキス、肉のエキス、骨のエキス等のエキス類であればよい。なお、実施例中で水、水道水、浄水、お湯、洗浄水と記載しているところがあるが、例えば水をお湯と置き換えたり、お湯を水と置き換えてもよい等いずれかの記載を別の記載に置き換えてもよく、全て液体、水蒸気、高温水、冷却水、冷水等と置き換えてもよい。例えば抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)とお湯を抽出容器9に入れるといった記載であれば、抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)と冷水(単に水でもよい)を抽出容器9に入れるといった記載に置き換えてもよく、この場合であれば水出しコーヒー等の抽出方法や飲料製造装置としてとらえてもよい。
<実施形態のまとめ>
上述の実施形態は、次の装置または方法を開示する。
A1.飲料を製造する製造部(例えば2、3)を備える飲料製造装置(例えば1)であって、
前記製造部の少なくとも一部を覆う透明カバー(例えば102)と、
前記透明カバーに設けられた情報表示部(例えば12、121)と、を備える
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A1によれば、ユーザ(例えば飲料製造装置の管理者、飲料の需要者など)は、透明カバーにより製造部の少なくとも一部を視認可能となると共に、透明カバーに設けられた情報表示部により所定の情報を取得可能となる。これにより、飲料製造装置のユーザビリティを向上させることができる。また、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A2.前記情報表示部は、前記製造部による前記製造の進行状況を示す情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A2によれば、ユーザは、飲料の製造完了までの進捗状況を把握可能となる。
A3.前記製造部は、前記透明カバーにより覆われた前記少なくとも一部として、原料からの前記飲料の抽出を行う抽出装置(例えば3)を含む
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A3によれば、飲料を製造する幾つかのプロセスのうち、ユーザにとって関心度が比較的高い抽出状況を視認可能とする。
A4.前記情報表示部は、前記製造部の一部についての画像を該一部の実際のサイズよりも大きいサイズで表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A4によれば、表示対象を大きいサイズで表示して目立たせることでユーザの視線を集めやすくし、これにより、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A5.前記製造部は可動部分(例えば9)を含み、
前記情報表示部は、前記製造部のうちの前記可動部分が動く態様を示す画像を該可動部分の実際の動きよりも大きい動きで表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A5によれば、表示対象を大きい動きで表示して目立たせることでユーザの視線を集めやすくし、これにより、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A6.前記情報表示部は、液体を示す画像を表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A6によれば、飲料の製造完了までのプロセスをユーザに想像させることで、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A7.前記情報表示部は、液体の流れる態様を示す画像を、前記製造部が前記飲料の製造に際して実際に取り扱う液体の動きよりも大きい動きで表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A7によれば、表示対象を大きい動きで表示して目立たせることでユーザの視線を集めやすくし、これにより、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A8.前記情報表示部は、前記透明カバーから露出して配されたディスプレイ(例えば12)である
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A8によれば、上記A1の機能を比較的簡便に実現可能となる。
A9.前記透明カバーと前記情報表示部とは互いに重なって透明ディスプレイ(例えば201)を形成している
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A9によれば、意匠性を向上させつつ、上記A1の機能を実現可能となる。
A10.前記透明ディスプレイは、前記製造部の前記少なくとも一部と重なるように画像を表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A10によれば、ユーザは、透明ディスプレイを介して装置内の態様を視認可能となると共に、透明ディスプレイに表示される画像により所定の情報を取得可能となる。
A11.前記透明ディスプレイは、湾曲して形成されていることにより正面部(例えばP1)と側方部(例えばP2)とを含んでおり、
前記透明ディスプレイは、前記正面部及び前記側方部の一方において前記製造部の前記少なくとも一部と重なり且つ他方においては前記少なくとも一部と重ならないように、画像を表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A11によれば、装置内の態様および表示されている画像(情報)の双方を視認可能とする。
A12.前記透明ディスプレイは、湾曲して形成されていることにより正面部(例えばP1)と側方部(例えばP2)とを含んでおり、
前記透明ディスプレイは、前記正面部及び前記側方部の何れにも画像を表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A12によれば、飲料製造装置に対するユーザの位置に関わらず、表示されている画像を視認させやすくすることが可能となる。
A13.ユーザによる入力操作を検出するための検出部(例えば122)を備え、
前記透明ディスプレイは、前記検出部による検出結果に基づいて、前記正面部及び前記側方部の一方に表示されている画像を他方に移動させる
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A13によれば、ユーザは必要に応じて画像の表示位置を変更可能となるため、ユーザビリティが向上する。
A14.前記透明ディスプレイは、前記正面部と前記側方部とを接続しながら湾曲した湾曲部(例えばP3)を含んでおり、
前記透明ディスプレイは、前記湾曲部に画像を表示可能であり、前記正面部及び前記側方部の一方に表示されている画像を他方に移動させる際、該画像が前記湾曲部を通過する態様を前記湾曲部に表示させる
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A14によれば、ユーザは、画像の表示位置を変更するための操作を違和感なく行うことができる。
A15.前記透明ディスプレイにおいて前記透明カバーは前記情報表示部と共に開閉可能に構成されており、
前記透明ディスプレイは、前記透明カバーが開けられた場合には、該透明カバーが開いた状態であることを示す画像を表示し、前記透明カバーが閉じられた場合には、該画像の表示を抑制する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A15によれば、透明カバーを開閉可能とすることで装置内の清掃あるいは装置内の部品交換を行うことが可能となっており、そのような構成においてユーザによる透明カバーの閉め忘れ等を防止可能とする。
A16.前記製造部は、前記透明カバーを介して視認することのできない部分を含んでおり、前記情報表示部は該部分を示す情報を表示する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A16によれば、ユーザは、視認不可の部分についての情報を情報表示部により取得することができるため、視認不可のプロセスをユーザに想像させてユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる場合がある。
A17.前記製造部は、原料からの前記飲料の抽出を行う抽出装置(例えば3)を含み、
前記情報表示部は、前記抽出装置による抽出状況を示す情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A17によれば、飲料を製造する幾つかのプロセスのうち、ユーザにとって関心度が比較的高い抽出状況を示す情報を表示する。
A18.前記情報表示部は、前記抽出装置と重なる位置に前記抽出状況を示す情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A18によれば、ユーザは、その視線方向を大きく変えることなく、上記抽出装置および上記情報の双方を視認可能となる。
A19.前記情報表示部は、前記製造部による前記製造の各プロセスの進行状況を示す情報を、前記製造部のうちの該プロセスに対応する部分と重なる位置に表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A19によれば、ユーザは、飲料を製造するプロセスの個々が製造部の何れの部分で行われているかを視覚的に知ることができる。これにより、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
A20.前記透明カバーを介して視認可能な光源部を備え、
前記情報表示部は、前記光源部と重なる位置に情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記A20によれば、上記情報を目立たせることができる。
B1.飲料を製造する製造部を備える飲料製造装置(例えば1)であって、
前記製造部の少なくとも一部を覆う透明カバー(例えば102)と、
ユーザによる前記透明カバーへの入力操作であって前記製造部の動作を指示するための入力操作を検出する検出部(例えば122)と、を備える
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B1によれば、飲料製造装置のユーザビリティを向上可能となる。また、意匠性の向上にも有利となりうる。
B2.前記透明カバーと前記検出部とは互いに重なって透明タッチパネル(例えば202)を形成している
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B2によれば、上記B1の構成を比較的簡便に実現可能となる。
B3.前記検出部からの信号に基づいて前記製造部の駆動制御を行う制御装置(例えば11)を備える
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B3によれば、上記B1の構成を比較的簡便に実現可能となる。
B4.前記検出部は、前記透明カバーのうち前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分への入力操作を検出する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B4によれば、ユーザは、その視線方向を大きく変えることなく、透明カバーを介して装置内を視認しながら入力操作を行うことが可能となる。
B5.前記検出部は、正面視において視認しやすい前記製造部(例えば9)の動作を指示するための第一の入力操作と、側面視において視認しやすい前記製造部(例えば5、6)の動作を指示するための第二の入力操作と、をそれぞれ検出可能であり、
前記検出部は、前記第一の入力操作および前記第二の入力操作のうちの前記第一の入力操作を、前記透明カバーのうち正面視において前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分において、検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B5によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
B6.前記検出部は、正面視において視認しやすい前記製造部(例えば9)の動作を指示するための第一の入力操作と、側面視において視認しやすい前記製造部(例えば5、6)の動作を指示するための第二の入力操作と、をそれぞれ検出可能であり、
前記検出部は、前記第一の入力操作および前記第二の入力操作のうちの前記第二の入力操作を、前記透明カバーのうち側面視において前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分において、検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B6によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
B7.前記透明カバーと前記検出部とは互いに重なって透明タッチパネル(例えば202)を形成しており、
前記透明タッチパネルは、正面部(例えばP1)および側方部(例えばP2)、並びに、それらを接続しながら湾曲した湾曲部(例えばP3)を含み、
前記検出部は、正面視および側面視の双方において視認しやすい前記製造部(例えば9)の動作を指示するための第三の入力操作を、前記湾曲部において検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B7によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
B8.前記製造部は、原料からの前記飲料の抽出を行う抽出装置(例えば3)を含み、
前記透明カバーは、前記抽出装置を視認可能に設けられている
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B8によれば、飲料を製造する幾つかのプロセスのうち、ユーザにとって関心度が比較的高いものの進行状況を視認可能とする。これにより、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
B9.前記抽出装置は、ユーザによる前記透明カバーへの入力操作に応答して前記飲料の抽出を開始する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B9によれば、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
B10.情報表示部(例えば121)を備え、前記透明カバーと前記情報表示部とは互いに重なって透明ディスプレイ(例えば201)を形成しており、
前記透明ディスプレイは、前記抽出装置が前記飲料の抽出を開始可能となったことに応じて、ユーザの入力操作を受け付けるための画像を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B10によれば、ユーザは、飲料の抽出を開始するためにどのような操作を入力すればよいか、ユーザにとって視覚的に理解が容易になるため、ユーザビリティが向上する。
B11.前記透明ディスプレイは、前記抽出装置が前記飲料の抽出を開始したことに応じて該抽出が実行中であることを示す情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B11によれば、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
B12.前記透明ディスプレイは、前記抽出装置による前記飲料の抽出が完了したことに応じて該抽出が完了したことを示す情報を表示する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B12によれば、飲料の製造が完了したことをユーザに知らせることが可能となる。
B13.情報表示部(例えば121)を備え、前記透明カバーと前記情報表示部とは互いに重なって透明ディスプレイ(例えば201)を形成しており、
前記透明カバーは前記情報表示部と共に開閉可能に構成されており、
前記透明ディスプレイは、前記透明カバーが開けられた場合には、該透明カバーが開いた状態であることを示す画像を表示し、前記透明カバーが閉じられた場合には、該画像の表示を抑制する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記B13によれば、透明カバーを開閉可能とすることで装置内の清掃あるいは装置内の部品交換を行うことが可能となっており、そのような構成においてユーザによる透明カバーの閉め忘れ等を防止可能とする。
C1.飲料を製造する製造部を備える飲料製造装置(例えば1)であって、
前記製造部の少なくとも一部を覆う透明カバー(例えば102)と、
ユーザによる前記透明カバーへの入力操作であって前記製造部の動作を指示するための入力操作を検出する検出部(例えば122)と、を備え、
前記製造部の前記少なくとも一部は、前記入力操作に追従する可動部分(例えば9)を含む
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C1によれば、飲料製造装置のユーザビリティを向上可能となる。また、意匠性の向上にも有利となりうる。また、視認可能な一部を可動とし且つ飲料の製造のプロセスにユーザを介入させることで、飲料が製造されるまでの間、ユーザを飽きさせることなく待機させることが可能となる。
C2.前記透明カバーと前記検出部とは互いに重なって透明タッチパネル(例えば202)を形成している
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C2によれば、上記C1の構成を比較的簡便に実現可能となる。
C3.前記入力操作は、タップ操作、フリック操作およびスワイプ操作の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C3によれば、上記C1の構成を比較的簡便に実現可能となる。
C4.前記検出部からの信号に基づいて前記可動部分の駆動制御を行う制御装置(例えば11)を備える
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C4によれば、上記C1の構成を比較的簡便に実現可能となる。
C5.前記製造部は、前記可動部分として、原料からの前記飲料の抽出を行う抽出装置(例えば3)を含む
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C5によれば、比較的興味を惹きやすい抽出処理に用いられる抽出装置を、ユーザの入力操作に追従する可動部分とすることで、上記C1の効果を適切に実現可能にする。
C6.前記抽出装置は、容器本体(例えば90)と、前記容器本体内外を連通するための連通穴とを含み、
前記容器本体は、前記入力操作に追従して前記連通穴の向きが変わるように回動する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C6によれば、連通穴から容器に原料を入れるプロセス、及び、抽出された飲料を連通穴から排出させるプロセスにユーザが介入可能となり、上記C1の効果を適切に実現可能にする。
C7.前記透明カバーを介して視認可能な光源部を備え、
前記光源部は、前記入力操作に基づいて点灯態様を変更する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C7によれば、視覚的にユーザを楽しませることが可能となる。
C8.前記検出部は、前記透明カバーのうち前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分への入力操作を検出する場合がある
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C8によれば、ユーザは、その視線方向を大きく変えることなく、透明カバーを介して装置内を視認しながら入力操作を行うことが可能となる。
C9.前記検出部は、正面視において視認しやすい前記製造部(例えば9)の動作を指示するための第一の入力操作と、側面視において視認しやすい前記製造部(例えば5、6)の動作を指示するための第二の入力操作と、をそれぞれ検出可能であり、
前記検出部は、前記第一の入力操作および前記第二の入力操作のうちの前記第一の入力操作を、前記透明カバーのうち正面視において前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分において、検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C9によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
C10.前記検出部は、正面視において視認しやすい前記製造部(例えば9)の動作を指示するための第一の入力操作と、側面視において視認しやすい前記製造部(例えば5、6)の動作を指示するための第二の入力操作と、をそれぞれ検出可能であり、
前記検出部は、前記第一の入力操作および前記第二の入力操作のうちの前記第二の入力操作を、前記透明カバーのうち側面視において前記製造部の前記少なくとも一部と重なる部分において、検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C10によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
C11.前記透明カバーと前記検出部とは互いに重なって透明タッチパネル(例えば202)を形成しており、
前記透明タッチパネルは、正面部(例えばP1)および側方部(例えばP2)、並びに、それらを接続しながら湾曲した湾曲部(例えばP3)を含み、
前記検出部は、正面視および側面視の双方において視認しやすい前記製造部の動作を指示するための第三の入力操作を、前記湾曲部において検出する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C11によれば、ユーザは、動作する対象を視認しやすい位置で操作を入力可能となる。
C12.情報表示部(例えば121)を備え、前記透明カバーと前記情報表示部とは互いに重なって透明ディスプレイ(例えば201)を形成しており、
前記透明カバーは前記情報表示部と共に開閉可能に構成されており、
前記透明ディスプレイは、前記透明カバーが開けられた場合には、該透明カバーが開いた状態であることを示す画像を表示し、前記透明カバーが閉じられた場合には、該画像の表示を抑制する
ことを特徴とする飲料製造装置。
上記C12によれば、透明カバーを開閉可能とすることで装置内の清掃あるいは装置内の部品交換を行うことが可能となっており、そのような構成においてユーザによる透明カバーの閉め忘れ等を防止可能とする。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。