JP7383204B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

本開示技術はレーダ装置及びレーダ装置の信号処理器に関する。
レーダ装置は、物標を検出する目的のほか、特定の物標の動きを観測し監視する目的でも使用される。監視対象の物標の動きが複雑な場合、観測周期が十分に短くないと追尾に失敗するおそれがある。
観測周期の短縮を実現するため、様々な方法が提案されている。提案されている方法には、複数のレーダ間で送信周波数の異なる信号を同時送受信するものがある。同時送受信を行うと、送信機から受信機に漏れ込む送信波(「自己干渉波」と称される)により所望の受信信号のSIR(signal-to-Interference Ratio、信号対干渉波比ともいわれる)が劣化することが知られている。
ところで単一のレーダに対しては、受信信号のSIRの劣化に対する検討が多くなされている。例えば特許文献1は、干渉波と所望波とのレベル差に関わらず、干渉波を抑圧し、所望波を得る技術を開示している。特許文献1に係る送受信装置は、送信アンテナ素子から受信アンテナ素子に入る干渉波について、送信信号の一部を分配させた出力を遅延させ、減算により干渉波を除去する。
特開平11-125670号公報
本開示技術は、特許文献1に例示される先行技術をさらに改良することを目的としている。より具体的に本開示技術は、先行技術で想定していた単一のレーダにおける干渉波という課題設定の範囲を、同時送受信するレーダを扱えるように拡張し、拡張された課題に対する解決策を提案する。
本開示技術に係るレーダ装置は、自己干渉波を受信する第1受信部と、他レーダが放射し物標で反射された信号を受信する第2受信部と、第2受信部で受信した信号から自己干渉波の成分を抑圧する信号処理器と、を備え、信号処理器は、自己干渉波を抑圧するための射影行列を、干渉波の振幅位相情報から生成する射影行列推定部と、第1受信部からの参照信号と第2受信部からの反射RF信号との相互相関を計算し、複数の周波数スペクトル積をベクトルで表現した受信信号ベクトルを算出する相互相関計算部と、射影行列推定部が生成した行列を受信信号ベクトルに乗算する射影行列乗算部と、を含み、射影行列は不要波に係るベクトルをa としたときに、

Figure 0007383204000001

で表されるP null である、ただし上付きのHは、エルミート転置を表す、というものである。
本開示技術に係るレーダ装置は上記構成を備えるため、送信周波数の異なる信号の干渉を抑圧しつつ所望波のパルス圧縮をすることができる。この作用により本開示技術に係るレーダ装置は、複数のレーダ間で送信周波数の異なる信号を同時送受信するシステムに適用できる。
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係るレーダ装置の信号処理器の機能を示す機能ブロック図である。 図3は、実施の形態1に係る信号処理器のハードウエア構成図である。図3Aは、信号処理器をハードウエアで実現する場合のハードウエア構成図である。図3Bは、信号処理器をソフトウエアで実現する場合のハードウエア構成図である。 図4は、実施の形態1に係るレーダ装置の信号処理器の処理フローを示すフローチャートである。 図5は、本開示技術が想定する他レーダ200からの電波を受信したときの信号を時系列グラフに表した模式図である。
本開示技術に係るレーダ装置100及びレーダ装置100用の信号処理器70は、以下の実施の形態ごとの図面に沿った説明により明らかとなる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置100の構成を示すブロック図である。図1は、本開示技術が前提としているレーダシステム500が、レーダ装置100と、他レーダ200と、を含むことを示している。
図1に示されるとおり実施の形態1に係るレーダ装置100は、送信部10と、分配器20と、サーキュレータ30と、送受信アンテナ40と、第1受信部50と、第2受信部60と、信号処理器70と、を備える。
図1に示される他レーダ200は、他レーダ送信部210と、他レーダアンテナ240と、を備える。
レーダ装置100の送信部10は、信号発生手段12と、送信部送信機14と、を含む。信号発生手段12は、第1信号を発生させる。第1信号は、送信部送信機14を介して分配器20へ出力される。
分配器20は、入力された第1信号を2つに分岐し、1つをサーキュレータ30へ、もう1つを第1受信部50へ、それぞれ出力する。
サーキュレータ30は図1に示されるとおり、具体的には3ポートサーキュレータである。3ポートサーキュレータにおいて、ポート1に入力された信号はポート2へ、ポート2に入力された信号はポート3へ、ポート3に入力された信号はポート1へ、それぞれ出力される。サーキュレータ30は、分配器20からの信号を送受信アンテナ40へ出力する。またサーキュレータ30は、後述する送受信アンテナ40からの信号を、第2受信部60へ出力する。なお、第2受信部60からサーキュレータ30へは信号がなく、サーキュレータ30から分配器20へ出力される信号もないものとする。
送受信アンテナ40は、他レーダアンテナ240から出力された信号の反射RF信号を、受信RF信号として受信する。この送受信アンテナ40の受信RF信号が、上記サーキュレータ30により第2受信部60へ出力される信号である。
このように本開示技術に係るレーダ装置100は、他レーダ200が放射する電波を受信することを前提としている。すなわち本開示技術は、他レーダアンテナ240から出力された放射信号が空中へ放射され、監視対象の物標に反射され、反射RF信号を所望波としてレーダ装置100の送受信アンテナ40で受信される、という前提に基づいて構成される。
レーダ装置100の第1受信部50は、第1受信部受信器52と、第1AD変換器54と、を含む。第1AD変換器54は、アナログ信号をデジタル信号に変換する機器である。第1受信部50は、簡単に言えば、分岐して取り出されたレーダ装置100の第1信号の一部をデジタル変換し参照信号として信号処理器70へ出力するための機能ブロックである。なお、図1は、参照信号を分配器20というハードウエアを用いて生成したことを示しているが、本開示技術はこれに限定されない。本開示技術に係るレーダ装置100は、ソフトウエア又はファームウエア等によって参照信号の情報生成が実現されてもよい。
レーダ装置100の第2受信部60は、第2受信部受信器62と、第2AD変換器64と、を含む。第2AD変換器64も第1AD変換器54と同様、アナログ信号をデジタル信号に変換する機器である。第2受信部60は、簡単に言えば、前述の所望波である反射RF信号をデジタル変換し信号処理器70へ出力するための機能ブロックである。
信号処理器70は、レーダ装置100の司令塔として機能する部分である。信号処理器70の詳細は、後述の説明により明らかになる。
図1に示される他レーダ200は、他レーダ送信部210と、他レーダアンテナ240と、を備える。
他レーダ送信部210は、他レーダ信号発生手段212と、他レーダ送信機214と、を含む。他レーダ信号発生手段212は、送信RF信号を生成する。生成された送信RF信号は、他レーダ送信機214を介して他レーダアンテナ240へ出力される。
他レーダアンテナ240は、他レーダ送信部210で生成された送信RF信号を、空中へと放射する。
実施の形態1に係るレーダ装置100は、図1に示されているとおり表示器110と接続されている。このように本開示技術に係るレーダ装置100は、外部の表示器110と接続されていてもよい。また本開示技術に係るレーダ装置100は、外部の表示器110に代えて、装置自体にディスプレイ等の表示機能が備えられていてもよい。
図2は、実施の形態1に係るレーダ装置100の信号処理器70の機能を示す機能ブロック図である。図2に示されるとおりレーダ装置100の信号処理器70は、第1フーリエ変換部71と、第2フーリエ変換部72と、相互相関計算部73と、射影行列推定部74と、射影行列乗算部75と、スペクトル除算部76と、信号生成部77と、第3フーリエ変換部78と、パルス圧縮計算部79と、を含む。信号処理器70の役割は、第1受信部50からの参照信号を利用して、自己干渉成分を含んだ第2受信部60の信号に対して信号処理をし、自己干渉成分が抑圧された所望波を得ることである。自己干渉成分そのものは、自己干渉波である。自己干渉成分、及び自己干渉波の詳細は、後述の数式等により明らかになる。
第1フーリエ変換部71と第2フーリエ変換部72とは、相互相関計算部73で行われる相互相関計算を周波数ドメインで実施するための機能ブロックである。相互相関計算を周波数ドメインで実施することは、相互相関計算の高速化に寄与する。そのため第1フーリエ変換部71と第2フーリエ変換部72とは、同期がとれるように構成される。例えば信号処理器70は同期クロックを備え、同期クロックの同期信号に基づいて、第1フーリエ変換部71と第2フーリエ変換部72とが信号処理を行ってもよい。
第1フーリエ変換部71は、第1受信部50からの参照信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する。生成されたスペクトル信号は、相互相関計算部73へ出力される。
第2フーリエ変換部72は、第2受信部60からの反射RF信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する。ここで生成されたスペクトル信号も、相互相関計算部73へ出力される。
相互相関計算部73は、第1受信部50からの参照信号と第2受信部60からの反射RF信号との相互相関を計算する。相互相関計算の詳細は、後述の数式等により明らかになる。
相互相関の計算結果から、干渉波の振幅位相情報が得られる。射影行列推定部74は、干渉波の振幅位相情報から、射影行列を生成する。干渉波の振幅位相情報が得られる原理、及び射影行列の詳細は、後述の数式等により明らかになる。
射影行列乗算部75は、相互相関計算部73の出力に、射影行列推定部74の出力である射影行列を乗算する。この乗算により、干渉波の抑圧が実現される。干渉波の抑圧が実現される原理等については、後述により明らかになる。
スペクトル除算部76は、射影行列乗算部75の出力結果を、第1フーリエ変換部71の出力結果の共役複素数で除算する、という操作を行う。この除算により得られる情報の詳細は、後述の数式等により明らかになる。
信号生成部77は、パルス圧縮計算部79で実施されるパルス圧縮操作のための信号を生成する。生成された信号は、第3フーリエ変換部78へ出力される。信号生成部77で生成される信号は、アナログ信号である必要はない。信号生成部77で生成される信号は、デジタル信号でよい。
第3フーリエ変換部78は、信号生成部77で生成される信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する。生成された周波数スペクトル信号は、パルス圧縮計算部79へ出力される。
パルス圧縮計算部79は、第3フーリエ変換部78からの周波数スペクトル信号を利用して、スペクトル除算部76からの出力結果にパルス圧縮の処理を施す。パルス圧縮された結果は、表示器110へ出力される。パルス圧縮処理の詳細は、後述の数式等により明らかになる。
図3は、実施の形態1に係る信号処理器70のハードウエア構成図である。図3Aは、信号処理器70をハードウエアで実現する場合のハードウエア構成図である。図3Bは、信号処理器70をソフトウエアで実現する場合のハードウエア構成図である。このように信号処理器70の各機能は、ハードウエアによって実現されてもソフトウエアによって実現されてもよい。図3Aに示された処理回路104は、専用のハードウエアを例示している。図3Bは、メモリ108に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ106、DSPともいう)により信号処理器70の各機能が実現された場合のハードウエア構成図を示している。なお、図3Bでは、CPUはプロセッサ106として示されている。
図3Aに示されるとおり専用のハードウエアで信号処理器70が実現された場合、処理回路104は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサー、並列プログラム化したプロセッサー、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものであってよい。信号処理器70の各部の機能は、それぞれを別個の処理回路104で実現されてもよいし、まとめて1つの処理回路104で実現されてもよい。
図3Bに示されるとおり信号処理器70は、専用ハードウエアの処理回路104に代えて、汎用のプロセッサ106とメモリ108とで実現されてもよい。この場合に信号処理器70の各機能は、ソフトウエア、ファームウエア、又はソフトウエアとハードウエアとの組合せにより実現される。ソフトウエアの場合もファームウエアの場合も実行命令はプログラムとして記述され、メモリ108に格納される。プロセッサ106は、メモリ108に記憶されたプログラムを読み出して実行し、各部の機能が実現される。別の表現を用いればこれらのプログラムは、信号処理器70の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここでメモリ108は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリで実現されることが考えられる。さらにメモリ108は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD、等のディスクで実現されてもよい。
図4は、実施の形態1に係るレーダ装置100の信号処理器70の処理フローを示すフローチャートである。図4に示されるとおり信号処理器70は、ST71で示される第1フーリエ変換部71の処理ステップと、ST72で示される第2フーリエ変換部72の処理ステップと、ST73で示される相互相関計算部73の処理ステップと、ST74で示される射影行列推定部74の処理ステップと、ST75で示される射影行列乗算部75の処理ステップと、ST76で示されるスペクトル除算部76の処理ステップと、ST77で示される信号生成部77の処理ステップと、ST78で示される第3フーリエ変換部78の処理ステップと、ST79で示されるパルス圧縮計算部79の処理ステップと、を含む。
信号処理器70の実現の態様として専用ハードウエアを用いる場合と汎用のCPUを用いる場合が考えられたが、参照信号についても実現の態様は少なくとも2通り考えらえる。1つ目の態様は、図1に沿った説明のとおり現実の信号の一部を分配器20により取得するものである。2つ目の態様は、参照信号の波形をソフトウエア又はファームウエアによって作成し、CPUが扱える仮想的な信号として実現する態様である。本開示技術に係るレーダ装置100は、どちらの方法で参照信号が実現されてもよい。
前述のとおり本開示技術に係るレーダ装置100は、他レーダ200が放射する電波を受信することを前提としている。具体的に、他レーダ200が放射する電波を受信する第2受信部60の受信信号がどのような信号であるかは、以下の数式のようだとモデル化できる。

Figure 0007383204000002

ただし、式(1)の上の行において、y(t)は送信部10から漏れ込む自己干渉波を、y(t)は送受信アンテナ40が本来受信したい純粋な反射RF信号すなわち所望波を、n(t)はノイズを、それぞれ表す。反射RF信号は、他レーダアンテナ240から放射され、監視対象である物標で反射した信号である。tはfast-timeすなわちレンジ方向の時間を表す。
式(1)の下の行において、b1()は自己干渉波の時間関数を、b2()は他レーダ200の送信RF信号すなわちレーダ波の時間関数を、それぞれ表す。t及びtは、それぞれの遅延時間を表す。またα及びαは、それぞれの減衰係数を表す。減衰係数は、レンジが遠くなるほど信号の振幅が小さくなる現象を表す。
図5は、本開示技術が想定する他レーダ200からの電波を受信したときの信号を時系列グラフに表した模式図である。図5に示された例は、他レーダ200からパルス状の電波が空中へ放射されたと仮定している。パルス状の電波は、チャープパルスであってもよい。図5に示されたTw1は自己干渉波のパルス幅を、Tw2は所望波のパルス幅を、それぞれ表している。また図5に示されたTはパルス圧縮の積分時間を、Tは最大遅延時間を、それぞれ表している。実際に第2受信部60で受信される信号は式(1)で表されるようにy(t)とy(t)とが混ざっているが、図5のグラフでは、分離した形で表されている。
図5のグラフに示されるとおり、y(t)とy(t)とは、時間軸上で重なることがある。レーダ装置100の目的は、純粋な反射RF信号すなわち所望波の情報を取り出すことであるが、自己干渉波があるとその影響を受ける。レーダ装置100は、例えばCFAR(Constant False Alarm Rate)等の処理を行って、誤警報確率を一定に保つことが考えられる。この場合も第2受信部60で受信される信号中に含まれる自己干渉成分は悪影響を及ぼすため、自己干渉成分を抑圧することが望まれる。
次に第1受信部50で受信される参照信号についてであるが、参照信号はyref1(t)で表されるとする。
前述のとおり第1フーリエ変換部71は、第1受信部50からの参照信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する(図4のST71で示されるステップ)。具体的に第1フーリエ変換部71は、時間領域で表された参照信号のyref1(t)を、周波数領域で表されたYref1(ω)に変換する。
前述のとおり第2フーリエ変換部72は、第2受信部60からの反射RF信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する(図4のST72で示されるステップ)。具体的に第2フーリエ変換部72は、時間領域で表された式(1)の信号を、周波数領域で表された以下の周波数スペクトルに変換する。

Figure 0007383204000003

ただし、B(ω)はb(t)ではなくb(t-t)の周波数スペクトルであり、B(ω)はb(t)ではなくb(t-t)の周波数スペクトルであることに留意する。N(ω)は、n(t)の周波数スペクトルである。
前述のとおり相互相関計算部73は、第1受信部50からの参照信号と第2受信部60からの反射RF信号との相互相関を計算する(図4のST73で示されるステップ)。具体的に相互相関計算部73は、以下の式に示す演算を実施する。

Figure 0007383204000004

ここで上付きの*は、複素共役の操作を表す。式(3)に示されるように相互相関計算部73は、周波数領域において、受信信号であるY(ω)と参照信号の共役複素数であるY ref1(ω)との積であるX(ω)を計算する。X(ω)は、周波数スペクトル積と称される。なお関連するフーリエ変換の性質として、周波数領域での畳込み積分(たたみこみせきぶん)は、時間領域では単純な積となることが知られている。畳込み積分は、単に「たたみ込み」と称されることもある。
周波数スペクトル積であるX(ω)を求めるには、式(3)に示されるように同じωにおけるY(ω)とY ref1(ω)とが求まらなければならない。図5に示されるようにパルス圧縮の積分時間のTと最大遅延時間のTとを考慮すると、フーリエ変換の積分区間は[0,T+T]である。あるサンプリング周期を想定した場合、Tにおける点数をMと、Tにおける点数をMとそれぞれおくと、フーリエ変換の積分区間におけるサンプル点数Mは、以下の式で表される。

Figure 0007383204000005

すなわち第1フーリエ変換部71と第2フーリエ変換部72とは、それぞれM個の周波数スペクトルを算出する。また相互相関計算部73は、M個の周波数スペクトル積を算出する。
相互相関計算部73によって算出されたM個の周波数スペクトル積は、以下のように縦ベクトルで表すことができる。

Figure 0007383204000006

ただし上付きのTは、転置の操作を表す。
式(5)で導入したベクトル表現を用いると、式(3)は以下のように表される。

Figure 0007383204000007

ただし、ベクトルのa、a、nは、それぞれ以下である。

Figure 0007383204000008

Figure 0007383204000009

Figure 0007383204000010

式(6)で定義したベクトルxは、ここでは受信信号ベクトルと称される。
b1()が自己干渉波の時間関数であり、B(ω)がb(t-t)の周波数スペクトルであることから、式(6)において抑圧したい不要な成分はαであることがわかる。したがって、式(7)でベクトル表現されているaは、不要波に係るベクトルである。本開示技術は、不要波のレプリカを作成し、そのレプリカにより不要波を抑圧する、という作用原理に基づく。
前述のとおり射影行列推定部74は、干渉波の振幅位相情報から、射影行列を生成する(図4のST74で示されるステップ)。さて、B(ω)がb(t-t)の周波数スペクトルであること、さらにb1()は自己干渉波の時間関数を表しすなわち参照信号のyref1(t)と同じ波形であることから、B(ω)は、以下のように表すことができる。

Figure 0007383204000011

ただし式(10)の右辺の最初の項のe-jωt1は、無駄時間tの作用を周波数領域で表したものである。ここで無駄時間tは、自身のレーダ波の送信スケジュール等から干渉波の受信される遅延時間として求めてもよいし、式(3)のパルス圧縮処理の計算により求めてもよい。よってB(ω)は、式(10)で示されたとおりに分解できる。
式(10)の関係を用いれば、式(7)でベクトル表現されているaは、以下のように分解して表現できる。

Figure 0007383204000012

ここで行列Dは対角成分に電力スペクトルの大きさの二乗を有する対角行列である。ここでは行列Dは、電力スペクトル行列と称される。縦ベクトルのAは、遅延時間項に関するベクトルである。
射影行列推定部74は、ベクトル表現されているaを用いて射影行列のPnullを生成してもよい。

Figure 0007383204000013

ただし上付きのHは、エルミート転置の操作を表す。
前述のとおり射影行列乗算部75は、相互相関計算部73の出力に、射影行列推定部74の出力である射影行列を乗算する(図4のST75で示されるステップ)。
式(12)に示される射影行列のPnullは、以下の式に示される作用素として用いられて干渉信号の抑圧が実行されてもよい。

Figure 0007383204000014
前述のとおり本開示技術に係るレーダ装置100は、他レーダ200が放射する電波を受信することを前提としている。この前提は、所望波と自己干渉波とのPRI(Pulse Repetition Interval)が異なることを許容する。PRIが異なることで複数の自己干渉成分が受信信号に含まれる場合が生じるが、そうすると自己干渉成分を抑圧するために必要な射影行列は列数が増え、演算に必要な負荷も時間も増加する。
演算負荷を減らす目的で、式(5)で定義した受信信号ベクトルのxに、以下の行列演算を施すことが考えられる。

Figure 0007383204000015

xに代えてx’を導入することにより自己干渉成分は、式(11)で定義した遅延時間項に関するベクトルのAで表現できる。
x’を導入することにより射影行列推定部74は、ベクトルのAを用いた別の射影行列のPnull_2を生成してもよい。

Figure 0007383204000016

ここでも式(12)と同様に上付きのHは、エルミート転置の操作を表す。
x’を導入した場合の自己干渉成分の抑圧は、以下の演算により実現できる。

Figure 0007383204000017

自己干渉成分の抑圧のための射影行列はPnull又はPnull_2のいずれかが用いられればよいが、この選択はプロセッサ106のスペック、レーダ装置100の使用目的、等により決定されればよい。
前述のとおりスペクトル除算部76は、射影行列乗算部75の出力結果を、第1フーリエ変換部71の出力結果の共役複素数で除算する、という操作を行う。ここでは射影行列はPnull_2が用いられたとする。

Figure 0007383204000018

ただし式(17)において、円の中に斜め線で示した演算記号は、アダマール除算を示す。アダマール除算は、同じサイズのベクトル又は行列同士に対して要素ごとの除算を行うものである。
前述のとおり信号生成部77は、パルス圧縮計算部79で実施されるパルス圧縮操作のための信号を生成する(図4のST77で示されるステップ)。パルス圧縮操作のための信号は、具体的には他レーダ200の送信信号の参照信号である。本開示技術に係るレーダシステム500において、所望波となる他レーダアンテナ240から放射された信号の波形は、既知であるとする。他レーダ200の送信信号の参照信号は、yref2(t)で表されるとする。yref2(t)はyref1(t)と同様に、波形をソフトウエア又はファームウエアによって作成し、CPUが扱える仮想的な信号として実現する、という態様でもよい。
前述のとおり第3フーリエ変換部78は、信号生成部77で生成される信号をフーリエ変換し、周波数スペクトル信号を生成する(図4のST78で示されるステップ)。具体的には第3フーリエ変換部78は、他レーダ200に係る参照信号であるyref2(t)をフーリエ変換し、周波数スペクトルのYref2(ω)を算出する。
前述のとおりパルス圧縮計算部79は、第3フーリエ変換部78からの周波数スペクトル信号を利用して、スペクトル除算部76からの出力結果にパルス圧縮の処理を施す(図4のST79で示されるステップ)。

Figure 0007383204000019

ただし式(18)において、円の中に点で示した演算記号は、アダマール積を示す。アダマール積は、同じサイズのベクトル又は行列同士に対して要素ごとの積算を行うものである。
さらにパルス圧縮計算部79は、式(18)で得られたスペクトル積のYnullを逆フーリエ変換することにより、パルス圧縮後の出力であるynull(t)を算出する。
以上のように実施の形態1に係るレーダ装置100は上記構成を備えるため、複数のレーダにおける干渉波について、抑圧することができる。この作用により本開示技術に係るレーダ装置100は、複数のレーダ間で送信周波数の異なる信号を同時送受信するレーダシステム500に適用できる。
本開示技術は特定の物標の動きを観測し監視するレーダシステムに適用できるため、産業上の利用可能性を有する。
10 送信部、12 信号発生手段、14 送信部送信機、20 分配器、30 サーキュレータ、40 送受信アンテナ、50 第1受信部、52 第1受信部受信器、54 第1AD変換器、60 第2受信部、62 第2受信部受信器、64 第2AD変換器、70 信号処理器、71 第1フーリエ変換部、72 第2フーリエ変換部、73 相互相関計算部、74 射影行列推定部、75 射影行列乗算部、76 スペクトル除算部、77 信号生成部、78 第3フーリエ変換部、79 パルス圧縮計算部、100 レーダ装置、102 受信装置、104 処理回路、106 プロセッサ、108 メモリ、110 表示器、110B ディスプレイ、200 他レーダ、210 他レーダ送信部、212 他レーダ信号発生手段、214 他レーダ送信機、240 他レーダアンテナ、500 レーダシステム。

Claims (2)

  1. 自己干渉波を受信する第1受信部と、
    他レーダが放射し物標で反射された信号を受信する第2受信部と、
    前記第2受信部で受信した信号から前記自己干渉波の成分を抑圧する信号処理器と、を備え、
    前記信号処理器は、
    前記自己干渉波を抑圧するための射影行列を、干渉波の振幅位相情報から生成する射影行列推定部と、
    前記第1受信部からの参照信号と前記第2受信部からの反射RF信号との相互相関を計算し、複数の周波数スペクトル積をベクトルで表現した受信信号ベクトルを算出する相互相関計算部と、
    前記射影行列推定部が生成した行列を前記受信信号ベクトルに乗算する射影行列乗算部と、を含み、
    前記射影行列は不要波に係るベクトルをa としたときに、
    Figure 0007383204000020
    で表されるP null である、ただし上付きのHは、エルミート転置を表す、
    レーダ装置。
  2. 前記信号処理器は、さらにスペクトル除算部を含み、
    前記スペクトル除算部は、前記射影行列乗算部の出力結果を、前記自己干渉波の周波数スペクトルの共役複素数から成るベクトルでアダマール除算する、
    請求項に記載のレーダ装置。
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