JP6889098B2 - レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 - Google Patents

レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法 Download PDF

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本実施形態は、目標の距離、速度を算出するレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法に関する。
被探知性を低下させるLPI(Low Probability of Intercept)レーダ装置として、パルス内をSS(Spread Spectrum)変調するものや、パルス毎に符号化を行い、参照信号を用いてレンジ圧縮するものがある(特許文献1、非特許文献1,2参照)。
ところが、近年では、レーダ波の受信装置の性能も広帯域化し、SS変調のみでは十分なLPI性を確保できない場合もあることが予想され、更なるLPI性を確保する手法が望まれる。また、妨害及びクラッタが存在する不要波環境下では、高LPI性の処理の中で不要波を抑圧するための手法が必要となる課題があった。
特開2014−182010号公報
符号化レーダ、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.278-280(1996) 符号コード(M系列)発生方式、M.I.Skolnik, ‘Introduction to radar systems’, pp.429-430, McGRAW-HILL(1980) SS(Spread Spectrum)変調、丸林、‘スペクトル拡散通信とその応用’、電子情報通信学会編、pp.1-18(1998) 周波数ホッピング、谷萩、‘情報通信とディジタル信号処理’、コロナ社、p.63-65(1996) BPSK、QPSK、西村、‘ディジタル信号処理による通信システム設計’、CQ出版社、pp.222-226(2006) CFAR(Constant False Alarm Rate)処理、吉田、‘改訂レーダ技術’、電子情報通信学会、pp.87-89(1996) アダプティブアレイ、SLC、菊間、‘アレーアンテナによる適応信号処理’、科学技術出版、pp.17-21(1998) LMS、SMI、RLS、菊間、‘アレーアンテナによる適応信号処理’、科学技術出版、pp.35-46(1998) STAP処理、Richard Klemm,‘Applications of Space-Time Adaptive Processing’,IEE Radar,Sonar and Navigation series14,p.359-365(2004)
以上述べたように、符号化方式を採用したレーダ装置では、LPI性を高めるためにパルス内またはパルス間でSS変調するだけでは、十分なLPI性を確保できない場合があった。また、妨害及びクラッタが存在する不要波環境下では、高LPI性の処理の中で不要波を抑圧するための手法が必要となる課題があった。
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、不要波が存在する環境下でも、LPI性を確保しつつ目標の速度及び距離を観測することのできるレーダ装置及びそのレーダ信号処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本実施形態によれば、符号化またはランダム信号(ノイズ)による変調パルスを用いたレーダ装置において、ドップラ抽出用の第1パルス幅、第1PRFの第1パルス列とレンジング用の第2パルス幅と第2PRFの第2パルス列を生成し、第1パルス列では同一のパルス列とし、第2パルス列ではパルス間でランダム信号(ノイズ)の変調信号で変調し、それぞれのパルス列を重畳して合成した送信信号を送信アンテナより送信し、受信アンテナで受信した信号からPRI毎の第1信号列と第2信号列を生成し、第1信号列に対して前記PRI間(slow-time軸)のFFT処理によりドップラを抽出し、次に、第2信号列に対して、PRFでパルス間の変調信号に第1パルス列で抽出したドップラで補正した信号を参照信号として、相関処理することにより、レンジを抽出する。
すなわち、複数のパルス幅及びPRFをもつ信号を合成した送信波形を用いることにより、パルス幅及びPRFを抽出しにくくすることにより、高いLPI性を確保するとともに、測距及び測速を行うことができる。
第1の実施形態に係るレーダ装置の送信系統の構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示すブロック図。 第1の実施形態において、パルス幅及びPRF(Pulse Repetition Frequency)の異なる2種のパルス列P1,P2とその混合波形を示すタイミング波形図。 第1の実施形態において、受信信号からパルス列P1,P2を分離して、それぞれfast-time軸のレンジセル毎にslow-time軸のFFTを行う様子を示すタイミング波形図。 第1の実施形態において、パルス列P1についてFFTを行う様子を示すタイミング波形図。 第1の実施形態において、パルス列P2のみによる相関処理によって距離を抽出する様子を示すタイミング波形図。 第2の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示すブロック図。 第2の実施形態において、SLC構成と、SLCにより主チャンネル信号に含まれる妨害信号を補助チャンネル信号のアダプティブウェイトを制御して抑圧する様子を示す図。 第2の実施形態において、ドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧する様子を示す図。 第2の実施形態において、パルス列P1のPRI内のfast-time軸の処理として、FFT処理したレンジ−ドップラ信号からドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧する様子を示す図。 第2の実施形態において、パルス列P2のPRI内のfast-time軸の処理として、SLC遠距離PRIとSLC用演算遠距離レンジで相関処理してクラッタを抑圧する様子を示す図。 第3の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示すブロック図。 第3の実施形態において、パルス列P1のPRI内のfast-time軸の処理として、FFT処理したレンジ−ドップラ信号からドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧する様子を示す図。 第4の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示すブロック図。 第5の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示すブロック図。 第5の実施形態において、パルス列P1から抽出したドップラによる参照信号を用いて各ドップラに対する相関出力を得る処理の流れを示すフローチャート。 第5の実施形態において、クラッタと目標の弁別の様子を示す概念図。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1乃至図6を参照して、第1の実施形態に係るレーダ装置を説明する。
図1及び図2は、それぞれ第1の実施形態に係るレーダ装置の送信系統及び受信系統の構成を示し、図3は、第1の実施形態において、パルス幅及びPRF(Pulse Repetition Frequency)の異なる2種の送信パルス列P1,P2とその混合波形P1+P2を示している。また、図4は送信信号を生成する様子を示している。また、図5は、受信系統において、パルス列P1についてFFTを行う様子を示し、図6は、パルス列P2のみによる相関処理によって距離を抽出する様子を示している。
図1に示す送信系統は、送信アンテナ1、パルス変調器2、周波数変換器3、変調器4、基準信号生成器5を備える。すなわち、図1に示す送信系統の構成では、基準信号生成器5で高周波信号(RF信号)を得るための基準信号を生成し、変調器4で基準信号を変調信号より変調し、周波数変換器3でRF信号に周波数変換し、パルス変調器2で、所定のPRFでパルス変調して、送信アンテナ1より送信する。
一方、図2に示す受信系統は、受信アンテナ11、周波数変換器12、AD変換器13、P1選定器14、FFT処理器(Fast-time)15、検出器16、ドップラ抽出器17、P2選定器18、PRI列並べ替え器19、ドップラ参照信号補正器20、相関処理器(slow-time)21、検出器22、レンジ抽出器23、出力処理器24を備える。
すなわち、図2に示す受信系統の構成では、受信アンテナ11により受信した信号を周波数変換器12でベースバンドに周波数変換し、AD変換器13によりデジタル信号に変換する。この受信信号をP1選定器14及びP2選定器18に入力し、それぞれP1信号とP2信号を選定することで信号列P1と信号列P2に分離する。次に、分離した信号列P1をFFT処理器15でFFTして周波数軸の信号に変換し、検出器16でレンジ−ドップラ軸でのCFAR(非特許文献6)等による目標検出を行い、ドップラ抽出器17でドップラ周波数を抽出して速度を得る。一方、P2側の選定出力については、PRI列並べ替え器19でPRI列ごとに並べ替えを行い、ドップラ参照信号補正器20でドップラ抽出結果に基づいてドップラ参照信号を補正し、相関処理器21で相関処理し、検出器22でレンジ−ドップラ軸でのCFAR等による目標検出を行う。続いて、レンジ抽出器23で目標検出結果からレンジを抽出し、出力処理器24で抽出した速度、レンジを所定の形式で出力する。
上記構成において、送信系統の処理について、図3を参照して説明する。
まず、基準信号生成器5では基準信号から第1信号Sig1と第2信号Sig2を生成する。第1信号Sig1については、図3のパルス列P1に示すように、ドップラを抽出するために、パルス間では同一の符号で変調する。第2信号Sig2については、図3のパルス列P2に示すように、パルス間符号によるLPI性の向上とレンジを抽出するために、パルス間でランダム符号(M系列等、非特許文献5)により変調する。このP1列とP2列の信号を合成して、パルス幅及びPRFが異なる送信混合波形を生成する。この混合波形の様子を図3のP1+P2に示す。
Figure 0006889098
P1とP2を合成する際に、送信パルスが重複する場合が発生する場合がある。この場合、重複している部分は、送信パルスの送信出力を一定にするために、P1かP2のいずれかを優先する等の処置とすればよい。優先順位は、PRI毎に交互にする等にしてもよい。
次に、図2に示す受信系統をもとに、受信処理を説明する。受信アンテナ11により受信した信号は周波数変換され(12)、デジタル信号に変換される(13)。この受信信号を信号列1と信号列2で分離すると、次式となる。
Figure 0006889098
実際の受信信号は、この合成波形となる。
Figure 0006889098
この受信波形を用いて、図4に示すように各PRIの信号列を抽出する(14、18)。
Figure 0006889098
なお、チャープ変調等でパルス内変調している場合は、AD変換(13)した後、変調信号に対応したパルス圧縮等で相関処理(圧縮処理)し、P1選定(14)及びP2選定(18)すればよい。この相関処理は、次に述べるFFT(15)、PRI並べ替え(19)の後でもよい。
次に、信号列1を用いて、ドップラ抽出を行うために、fast-time軸のセル毎にslow-time軸のFFT(15)を行う。
Figure 0006889098
このSr1(t,ω)を用いて、レンジ−ドップラ軸で、CFAR(非特許文献6)等により検出(16)することで、ドップラfd(ωd=2πfd)を抽出(17)でき、次式により速度に換算できる(図5参照)。
Figure 0006889098
次に、信号列2を用いて測距を行う手法について述べる。信号列2は、パルス毎に符号が異なるため、図4の信号列2(P2)に示すように、レンジセル毎にパルス列間の信号を並べ替えて(19)、図6に示すように、距離による時間遅延された参照信号との相関処理になる。
Figure 0006889098
参照信号は、信号列1で抽出したドップラによる補正(20)を含めて(4)式の通りであり、(7)式と信号長をそろえるために、ゼロ埋めを行う。
Figure 0006889098
次にこれをFFTする。
Figure 0006889098
(7)式と(9)式を用いて、次式により相関出力(21)を得る。
Figure 0006889098
これにより、レンジ−slow-time軸で相関出力が得られるため、CFAR処理等により目標を検出(22)し、目標距離を算出(23)できる(図6参照)。これにより目標のドップラと距離を出力(24)できる。
以上のように、第1の実施形態では、符号化またはランダム信号(ノイズ)による変調パルスを用いたレーダ装置において、ドップラ抽出用の第1パルス幅、第1PRFのパルス列P1とレンジング用の第2パルス幅と第2PRFのパルス列P2を合成し、パルス列P1では、同一のパルス列とし、パルス列P2では、パルス間ではランダム信号(ノイズ)の変調信号で変調した送信信号を送信アンテナより送信し、受信アンテナで受信した信号に対して、PRI間(slow-time軸)のFFT処理によりドップラを抽出する。次に、受信アンテナで受信した信号に対して、第2PRFでパルス間の変調信号にパルス列P1で抽出したドップラで補正した信号を参照信号として、相関処理することにより、レンジ抽出する(混合PRF+相関、パルス内変調無)。すなわち、本実施形態によれば、複数のパルス幅及びPRFをもつ信号を合成した送信波形を用いることにより、パルス幅及びPRFを抽出しにくくすることにより、高いLPI性を確保するとともに、測距及び測速ができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、クラッタや妨害等の不要波が含まれる場合の対策手法については触れていないため、第2の実施形態は、図7乃至図11を参照して、不要波抑圧手法について述べる。
ここで、図7は、第2の実施形態に係るレーダ装置の受信系統の構成を示し、図8は、SLC(Sidelobe Canceller)構成と、SLCにより主チャンネル信号に含まれる妨害信号を補助チャンネル信号のアダプティブウェイトを制御して抑圧する様子を示し、図9は、ドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧する様子を示し、図10は、パルス列P1のPRI内のfast-time軸の処理として、FFT処理したレンジ−ドップラ信号からドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧する様子を示し、図11は、パルス列P2のPRI内のfast-time軸の処理として、SLC遠距離PRIとSLC用演算遠距離レンジで相関処理してクラッタを抑圧する様子を示している。
本実施形態に係るレーダ装置の送信系統は図1と同様であり、受信系統は図7に示すように構成される。図7において、図2と異なる点は、FFT処理器15の後段にクラッタ抑圧器25、SLC処理器26を挿入し、PRI列並べ替え器19の後段にSLC処理器27を挿入し、主チャンネル系列の11〜15,18,19と同様に構成される補助チャンネル系列11′〜15′,18′,19′を並列に追加したことにある。
妨害抑圧処理としては、一般的にアダプティブアレイ(非特許文献7)がある。これは、アンテナ素子またはサブアレイにより、出力電力最小化等により妨害抑圧するものである。アダプティブウェイトを算出する手法には、LMS(Least Mean Square),SMI(Sample Matrix Inversion)、RLS(Recursive Least-Squares)等種々の手法(非特許文献8)がある。ここでは簡単のため、主ビーム信号の主チャンネル(以下、ch)と補助ビームを形成する補助chによる妨害抑圧処理としてSLC(Side Lobe Canceller、非特許文献7)を用いる手法について述べるが、他のアダプティブアレイ手法を適用できる。
SLCは、図8(a)に示すように、主アンテナ11で受信された主ch信号に含まれる妨害信号を補助アンテナ11′で受信された補助ch信号のアダプティブウェイト(複素信号)を制御して、抑圧するものである。図8(a)では、簡単のため、補助ch(補助アンテナ)が1chの場合としているが、複数並列に備えることにより、複数の妨害を抑圧することができる。SLC後のアンテナパターンは、図8(b)に示すように、妨害方向にヌルを形成していることに対応する。複数妨害の場合は、複数の補助chにより、それぞれの妨害方向にヌルを形成することができる。
この際、メインロ−ブクラッタ信号が含まれると、アダプティブウェイトが強大なメインローブクラッタ信号の影響を受け正しい妨害抑圧用のウェイトに収束しないため、SLC前にクラッタを抑圧する必要がある。このため、信号列1では、図9及び図10に示すように、slow-time軸のFFT(15)を行ってレンジ−ドップラ信号とし、この信号について、まずはドップラ軸でメインローブクラッタを抑圧(25)する。メインローブクラッタは、航空機搭載レーダの場合、自機速度とビーム指向方向がわかれば算出できる。地上レーダの場合は、ドップラゼロ付近となる。クラッタを抑圧した後、SLC処理(26)するが、この際のアダプティブウェイトを算出するためのデータとしては、図10の破線に示すようにレンジセル毎のドップラ軸データを用いる。これにより、アダプティブウェイトを算出することができ、妨害信号を抑圧することができる。
なお、信号列1に対しては、クラッタ抑圧(25)と妨害抑圧用のSLC処理(26)を個別に行う手法として述べたが、クラッタ抑圧と妨害抑圧処理を同時に行うSTAP(Space-Time Adaptive Processing、非特許文献9)を適用してもよい。
次に、信号列2については、パルス間で符号が異なるため、ドップラを算出できない。そこで、クラッタの影響を避けるために、図11に示すように、受信パルス列が少ない遠距離レンジの時間軸(fast-time軸)信号を用いる。遠距離レンジでは、クラッタ電力が小さく、妨害信号が支配的であり、クラッタの影響を受けずにアダプティブウェイトを算出できる。クラッタについては、ドップラ補正した参照信号との相関処理をする際に、観測反射点毎にドップラ速度の差による弁別能力があるため、クラッタと目標を弁別して、検出できる。弁別してレンジ−ドップラを算出した後は、第1の実施形態と同様に、クラッタのドップラ範囲の反射点を削除すれば、目標信号を抽出でき(22)、目標の距離と速度を出力(23,24)できる。
以上のように、第2の実施形態では、クラッタ及び妨害環境下において、信号列1のslow-time軸でFFTしたレンジ−ドップラデータ(RDデータ)に対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、レンジセル毎にドップラ軸のデータを用いて、主chと補助chの信号よりSLC処理して、SLCウェイトを算出し、そのウェイトを信号列1に設定し、信号列2に対しては、クラッタの影響の少ない遠距離範囲のslow-time軸のPRIデータ(FFT前)、主chと補助chの信号よりSLC処理して、SLCウェイトを算出して信号列2に適用する。すなわち、本実施形態によれば、クラッタ及び妨害の不要波環境下でも、信号列1についてはHPRF(High PRF)のようなPRI(Pulse Repetition Interval)軸の短い処理でもドップラ軸でSLC処理し、信号列2についても独立にSLC処理し、更にクラッタ抑圧を行って目標の測距及び測速を行うことができる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、ドップラ軸のデータを用いてSLCのアダプティブウェイトを算出したが、PRFが低いLPRF(Low PRF)の場合には、ドップラ軸のデータが少なく、ウェイトが正しく算出できない場合も想定される。そこで、第3の実施形態では、図12及び図13を参照してその対策案について述べる。
本実施形態に係る送信系統は図1と同様であり、受信系統は図12に示すように構成される。図7に示した構成と異なる点は、信号列1のSLC処理器26aであり、信号列2については、第2の実施形態と同様である。SLC処理(26a)では、図13に示すように、レンジ−ドップラの信号に対して、まずはクラッタをドップラフィルタで抑圧し、次にドップラセル毎に破線で示すレンジ軸データを用いて、アダプティブウェイトを算出する。これにより、クラッタと妨害を抑圧することができる。
信号列2については、第2の実施形態と同様であり、目標の距離と速度を出力できる。なお、速度については、PRFが低い場合には、観測速度範囲に制約が生じるのは言うまでもない。
以上のように、第3の実施形態では、クラッタ及び妨害環境下において、信号列1のslow-time軸でFFTしたレンジ−ドップラデータ(RDデータ)に対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、ドップラセル毎にレンジ軸のデータを用いて、主chと補助chの信号よりSLC処理してSLCウェイトを算出し、そのウェイトを信号列1に設定し、信号列2に対しては、クラッタの影響の少ない遠距離範囲のslow-time軸のPRIデータ(FFT前)、主chと補助chの信号よりSLC処理してSLCウェイトを算出し、そのウェイトを信号列2に適用する。すなわち、本実施形態によれば、クラッタ及び妨害の不要波環境下でも、信号列1についてはLPRF(Low PRF)のようなPRI軸の長い処理についてSLC処理し、信号列2についても独立にSLC処理し、更にクラッタ抑圧して目標の測距及び測速ができる。
(第4の実施形態)
第2及び第3の実施形態は、信号列1と信号列2で独立にSLC処理する場合について述べた。第4の実施形態では、信号列1と信号列2について、共通のSLC処理をする場合について、図14を参照して説明する。
本実施形態において、送信系統は図1と同様であり、受信系統は図14に示すように構成される。すなわち、本実施形態では、信号列1のSLC手法として、第2の実施形態のドップラ軸SLC(26)と実施例3のレンジ軸SLC(26a)のいずれかの手法により算出したアダプティブウェイトを、信号列2のSLC処理器27aに共通のアダプティブウェイトとして設定してSLC処理を行う。このアダプティブウェイトは、図4に示した信号列1と信号列2が混合した受信信号において、信号列1で算出しているため、信号列2に対してもウェイト算出時間に時間ずれがなく、時間ずれによる抑圧性能劣化を防ぐことができる。
上記の手法を用いれば、信号列1も信号列2も妨害を抑圧し、クラッタについては第2または第3の実施形態と同じ手法で抑圧でき、目標の距離と速度を出力できる。
以上のように、第4の実施形態では、クラッタ及び妨害環境下において、信号列1のslow-time軸でFFTしたレンジ−ドップラデータ(RDデータ)に対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、各レンジセル(ドップラセル)毎にドップラ(レンジ)軸のデータを用いて、主chと補助chの信号よりSLC処理して、SLCウェイトを算出し、そのウェイトを信号列1と信号列2に対して適用するようにしている。すなわち、本実施形態によれば、クラッタ及び妨害の不要波環境下でも、信号列1においてSLC処理した結果を信号列2に適用して妨害を抑圧し、更にクラッタ抑圧して目標の測距及び測速ができる。
(第5の実施形態)
第1乃至第4の実施形態では、信号列2の相関出力の検出において、複数反射点の場合でも、同一の相関出力についてCFAR等により検出する方法について述べた。この場合、クラッタ等の強い強度の信号があると、相関処理時に強度の小さい目標信号が抽出できない場合が生じる。第5の実施形態では、強度の強い複数反射点が含まれる場合でも、目標信号を抽出する方式について、図15乃至図17を参照して説明する。
本実施形態に係る受信系統を図15に示す。図15において、図14と異なる点は、検出出力から最大値フィルタ28で最大振幅の信号成分を除去してドップラ参照信号補正器20から順に処理するようにしたことにある。数式(1)〜(6)までは、第1乃至第4の実施形態と同様であり、信号列2に対する(7)〜(10)式の処理が変更になる。
まず、(10)式の相関出力にCFAR等を適用して、検出する。この検出結果を振幅の降べき順に並べて、最大振幅の点について、距離を算出する。次に、(10)式から、最大振幅の信号成分を削除した後、逆FFTする。
Figure 0006889098
ここで、Sr2(rng,tslow)‘は、最大振幅の成分を抑圧することを表す。
このSr2を用いて、次の異なるドップラで補正した参照信号を用いて(7)〜(16)の処理を繰り返して、各ドップラに対する相関出力を得る。この場合の処理の流れを図16に示す。まず、パルス列P1でドップラ抽出を行い(S1)、抽出されたドップラによって参照信号を生成し(S2)、相関処理後(S3)、パルス列P2で最大振幅のレンジを抽出する(S4)。ここで、反射点が終了したか判断し(S5)、終了していければ、最大反射点を削除して(S6)、ステップS2から処理を行う。反射点が全て終了している場合には、一連の処理を終了する。
この結果、レンジ−ドップラ軸で、クラッタを含めた反射信号の信号を検出することができる。例えば、搭載レーダの場合で、メインローブクラッタのドップラ周波数範囲が既知の場合は、クラッタと目標を弁別することができる。図18にクラッタを目標の弁別の様子を示す。
以上のように、第5の実施形態では、信号列2で相関抽出する際に、相関値の最大振幅となる信号を抽出した後、抽出した信号を削除して、再度相関処理及び抽出を繰り返すようにしている。すなわち、本実施形態によれば、相関抽出する際に、最大振幅となる信号を抽出した後、削除して次の相関処理及び抽出を繰り返すことで、クラッタ等の振幅強度の強い信号により、強度の小さい信号が非検出になる影響を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…送信アンテナ、2…パルス変調器、3…周波数変換器、4…変調器、5…基準信号生成器、
11…受信アンテナ(主ch)、12…周波数変換器、13…AD変換器、14…P1選定器、15…FFT処理器(Fast-time)、16…検出器、17…ドップラ抽出器、18…P2選定器、19…PRI列並べ替え器、20…ドップラ参照信号補正器、21…相関処理器(slow-time)、22…検出器、23…レンジ抽出器、24…出力処理器、25…クラッタ抑圧器、26,26a…SLC処理器、27,27a…SLC処理器、11′…受信アンテナ(補助ch)、12′…周波数変換器、13′…AD変換器、14′…P1選定器、15′…FFT処理器(Fast-time)、18′…P2選定器、19′…PRI列並べ替え器、28…最大値フィルタ。

Claims (6)

  1. 符号化またはランダム信号によって変調したパルス列を用いるレーダ装置において、
    ドップラ抽出用の第1パルス幅、第1PRF(Pulse Repetition Frequency)の第1パルス列とレンジング用の第2パルス幅と第2PRFの第2パルス列を生成し、前記第1パルス列では同一のパルス列とし、前記第2パルス列ではパルス間でランダム信号の変調信号で変調し、それぞれのパルス列を重畳して合成した送信信号を送信アンテナより送信する送信系統と、
    受信アンテナで受信した信号からPRI(Pulse Repetition Interval)毎の第1信号列と第2信号列を生成し、前記第1信号列に対して前記PRI間(slow-time軸)のFFT(Fast Fourier Transform)処理により前記第1PRFでパルス間の変調信号に前記第1パルス列でドップラを抽出し、次に、前記第2信号列に対して、前記ドップラで補正した信号を参照信号として相関処理することによりレンジを抽出する受信系統とを具備するレーダ装置。
  2. 前記受信系統は、クラッタ及び妨害環境下において、前記第1信号列のslow-time軸でFFT処理したレンジ−ドップラデータに対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、レンジセル毎にドップラ軸のデータを用いて、主チャンネルと補助チャンネルの信号よりSLC(Sidelobe Canceller)処理してSLCウェイトを算出し、そのウェイトを前記第1信号列に設定し、前記第2信号列に対しては、前記クラッタの影響の少ない遠距離範囲のslow-time軸の前記FFT処理前のPRIデータ、前記主チャンネルと前記補助チャンネルの信号よりSLC処理して、SLCウェイトを算出して前記第2信号列に適用する請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記受信系統は、クラッタ及び妨害環境下において、前記第1信号列のslow-time軸でFFT処理したレンジ−ドップラデータに対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、ドップラセル毎にレンジ軸のデータを用いて、主チャンネルと補助チャンネルの信号よりSLC処理してSLCウェイトを算出し、そのウェイトを前記第1信号列に設定し、前記第2信号列に対しては、前記クラッタの影響の少ない遠距離範囲のslow-time軸のFFT処理前のPRIデータ、前記主チャンネルと前記補助チャンネルの信号よりSLC処理してSLCウェイトを算出し、そのウェイトを前記第2信号列に適用する請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記受信系統は、クラッタ及び妨害環境下において、前記第1信号列のslow-time軸でFFT処理したレンジ−ドップラデータに対して、メインローブクラッタのドップラ軸の範囲を抑圧した後、レンジセルまたはドップラセル毎にドップラまたはレンジ軸のデータを用いて、主チャンネルと補助チャンネルの信号よりSLC処理して、SLCウェイトを算出し、そのウェイトを前記第1信号列と前記第2信号列に対して適用する請求項1記載のレーダ装置。
  5. 前記受信系統は、前記第2信号列で相関抽出する際に、相関値の最大振幅となる信号を抽出した後、抽出した信号を削除して、再度相関処理及び抽出を繰り返す請求項1記載のレーダ装置。
  6. 符号化またはランダム信号によって変調したパルス列を用いるレーダ装置のレーダ信号処理方法において、
    ドップラ抽出用の第1パルス幅、第1PRF(Pulse Repetition Frequency)の第1パルス列とレンジング用の第2パルス幅と第2PRFの第2パルス列を生成し、前記第1パルス列では同一のパルス列とし、前記第2パルス列ではパルス間でランダム信号の変調信号で変調し、それぞれのパルス列を重畳して合成した送信信号を送信アンテナより送信し、
    受信アンテナで受信した信号に対して、PRI(Pulse Repetition Interval)間(slow-time軸)のFFT(Fast Fourier Transform)処理により前記第1PRFでパルス間の変調信号に前記第1パルス列でドップラを抽出し、次に、前記受信アンテナで受信した信号に対して、前記ドップラで補正した信号を参照信号として相関処理することによりレンジを抽出するレーダ装置のレーダ信号処理方法。
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